JP2014137498A - 画像形成装置 - Google Patents

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雅弘 光崎
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Abstract

【課題】画像安定化処理におけるトナー消費量の低減及び処理時間の短縮。
【解決手段】トナー付着量の異なるトナーパッチの検出結果に基づき現像特性を決定して目標とする最高濃度を得るために適した現像バイアスを設定するプロセス条件設定部42mと、設定された現像バイアスの条件下で、異なる階調値の階調データに基づき形成された複数のトナーパッチを検出して階調補正テーブルを作成する階調補正LUT作成処理と、特定の中間調のトナーパッチの検出結果に基づいてその直前の回に作成された階調補正テーブルを修正する階調補正テーブル修正処理とを実行する階調補正LUT作成・修正部42jとを有し、現像バイアス設定処理と階調補正LUT修正処理とは同一頻度で同期して実行されると共に現像バイアス設定処理の際に形成された中間調のトナーパッチの検出結果に基づき階調補正テーブル修正処理を実行する。
【選択図】図6

Description

本発明は、プリンター、複写機などの画像形成装置に関し、特に、画像安定化技術に関する。
電子写真方式の画像形成装置、例えば、複写機の場合、累積コピー枚数や、湿度などの周囲の環境変化によって、画質のパラメーターの一部である画像の最高濃度および階調特性が変動することが知られている。
このため、定期的に、最高濃度および階調特性を適正なものにするための画像安定化処理を実行するようにしている。
最高濃度は、例えば、現像器の現像ローラーに印加する現像バイアス電圧を、目標とする最高濃度が得られると予想される前後の値に設定して、感光体ドラム上にパッチ状をしたトナー画像(以下、「トナーパッチ」と言う。)を数枚形成し、トナーパッチの各々の濃度を光学式センサーで検出し、検出結果からその時点で目標とする最高濃度が得られる現像バイアス電圧を決定している。
階調補正は、複写機が物理的特性として有する階調再現性と、一般的に求められる直線的な階調性の差異を解消するように、入力信号を変換してから画像形成することであり、その手段として、階調補正用の階調補正LUT(Look Up Table)が用いられる。
階調補正LUTは、例えば、以下のようにして作成される。感光体ドラム上に0〜255の256階調の階調データ(入力信号)に基づいてトナーパッチを形成し、これを光学式センサーで検出する。当該検出結果に基づき、階調データの階調値に対応して再現される256階調のトナーパッチの濃度が直線的に変化するように、各入力信号に対する補正階調データ群を設定し、階調補正LUTが形成される。
そして、前記物理的特性は、累積コピー枚数や、湿度などの周囲の環境変化によって変化するため、定期的に階調補正LUTを更新して、画像形成の際に供するようにしている。
また、現像バイアス電圧の決定(更新)は、例えば、累積コピー枚数が1000枚になる毎に1回、階調補正LUTの更新は、例えば、累積コピー枚数が200枚になる毎に1回の間隔で実施される。
現像バイアス電圧の決定された場合には、それに引き続き、必ず、階調補正LUTが更新される。新たな現像バイアス電圧下における階調再現性を確保する必要があるからである。
なお、階調補正LUTの更新の方が、現像バイアス電圧の更新よりも頻度が高いのは、階調特性の方が最高濃度よりも変動しやすいからである。特に、中間調領域(中濃度領域)は、高濃度領域および低濃度領域よりも安定性が悪く、人目を引く領域であるため比較的短い間隔で実施する必要がある。
特開平11−174753号公報 特開2010−49233号公報 特開2011−102839号公報
以上のように画像安定化処理を実行することにより画質の安定化が図れるものの、一方で、コピー画像の形成とは無関係に消費されるトナーの量、すなわち、トナーパッチを形成するためのトナーの消費量を抑制したいといった要請がある。
特に、階調補正LUTの作成のためには、濃度の異なる多くのパッチを形成する必要上、当該トナーの消費が看過できない。
また、画像安定化制御の際には、コピーなどの画像形成ジョブの実行を待機させることになるので、上述のように最高濃度の適正化に引き続き階調補正を実行する場合には、多くの時間を要し、画像形成開始のタイミングが遅くなる。
上記の課題に鑑み、本発明は、可能な限り画質の安定化を損なうことなく、当該安定化に用いられるトナーの消費量を抑制することができ、かつ、最高濃度と階調特性の両方の適正化を同じ機会に実行する際における画像安定化処理の時間短縮を図ることのできる画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本願発明に係る画像形成装置は、像担持体上にトナー画像を形成する画像形成装置であって、画像形成条件を異ならせて、単位面積当たりのトナー付着量の異なるトナーパッチを前記像担持体上に形成し、当該トナーパッチの濃度を光学的に検出して、その検出結果に基づき、目標とする最高濃度を得るための画像形成条件を決定する第1画像安定化処理を実行する第1画像安定化手段と、上記決定された画像形成条件下で、階調値の異なる階調データに基づき形成された複数のトナーパッチからなる階調補正用パターンを形成し、当該階調補正用パターンの各トナーパッチの濃度を光学的に検出して、その検出結果に基づき、階調補正テーブルを作成する第2画像安定化処理を、第1画像安定化処理よりも高い頻度で実行する第2画像安定化手段と、中間調の階調値の階調データに基づき像担持体上に形成されたトナーパッチであって、前記階調補正用パターンを構成するトナーパッチの個数よりも少ない修正用トナーパッチの濃度を光学的に検出して、当該検出結果に基づき、その直前の回に作成された階調補正テーブルを修正する階調補正テーブル修正処理を実行する階調補正テーブル修正手段と、前記第1画像安定化処理と前記階調補正テーブル修正処理とを同一頻度で同期して実行し、第2画像安定化処理を第1画像安定化処理の非実行時に実行するよう制御する制御手段と、を備え、第1画像安定化手段は、第1画像安定化処理の実行時において、前記修正用トナーパッチの形成とその濃度の光学的検出とを併せて実行し、前記階調補正テーブル修正手段は、前記第1画像安定化処理においてなされた修正用トナーパッチの濃度の検出結果を利用して階調補正テーブル修正処理を実行することを特徴とする。
また、前記階調補正テーブル修正手段は、前記修正用トナーパッチの濃度の検出結果に基づき、前記階調補正テーブルのうち、前記修正用トナーパッチに対応する階調値についての修正量を求め、当該修正量に基づき、他の階調値に対する修正量を推定することにより前記階調補正テーブルを修正することを特徴とする。
さらに、前記階調補正テーブル修正手段は、第1画像安定化処理においてなされた2つの異なる画像形成条件下で形成された修正用トナーパッチの検出の結果から、前記目標とする最高濃度を得るために決定された画像形成条件下における修正用トナーパッチの検出値を算出し、当該算出された検出値に基づいて、前記修正用トナーパッチに対応する階調値についての修正量を求めることを特徴とする。
また、前記階調補正テーブル修正手段は、前記修正用トナーパッチに対応する階調値の修正量に対する、他の階調値の修正量の相関関係を取得する取得手段を備え、当該取得した相関関係にしたがって、他の階調値における修正量を求めることを特徴とする。
この場合に、前記取得手段は、予め設定された前記修正用トナーパッチに対応する階調値の修正量に対する他の階調値における修正量の相関関係を示すテーブルもしくは関数に基づいて、前記他の階調値における修正量を求めることを特徴とする。また、前記他の階調値における修正量の、前記修正用トナーパッチに対応する階調値の修正量に対する相関関係の変更を受け付ける受付手段を備えることを特徴とする。
あるいは、前記取得手段は、直前に実行された1又は2回以上の第2画像安定化処理において作成された階調補正テーブルにおける各階調値の補正量を参照して、前記他の階調値における修正量の、前記修正用トナーパッチに対応する階調値の修正量に対する相関関係を取得することを特徴とする。
また、前記制御手段は、前記階調補正テーブル修正手段による修正用トナーパッチに対応する階調値における修正量が所定の値を超える場合は、当該階調補正テーブル修正手段による階調補正テーブル修正処理を禁止して、前記第2画像安定化手段による階調補正テーブルの作成処理を実行させることを特徴とする。
また、前記第1画像安定化手段は、画像形成条件を異ならせて、前記像担持体上の第1領域に一様にトナーが付着したベタパッチと、前記像担持体上の第2領域に、前記ベタパッチよりも単位面積当たりのトナー付着量の多いトナー付着部とトナーが付着されない非付着部とが混在する非ベタパッチとを形成するパッチ形成部と、前記像担持体上のベタパッチと非ベタパッチのそれぞれのトナー付着量を光学的に検出する検出部と、前記ベタパッチの形成時の画像形成条件と前記ベタパッチの検出結果によるトナー付着量の関係と、前記非ベタパッチの形成時の画像形成条件と前記非ベタパッチの検出結果によるトナー付着量の関係との両方の関係に基づき、画像形成条件とトナー付着量の関係を示す画像濃度特性を決定する決定部と、決定された画像濃度特性から、前記像担持体上にトナー画像を形成する際の目標濃度に対する画像形成条件を設定する設定部と、を有し、前記非ベタパッチが前記修正用トナーパッチを兼ねることを特徴とする。
この場合に、前記非ベタパッチは、トナー付着部の、前記第2領域に対する面積の比率が50〔%〕になるように形成されていることを特徴とする。
また、前記ベタパッチは、トナー付着部の、前記第1領域に対する面積の比率が100〔%〕になるように形成されていることを特徴とする。
上記構成からなる画像形成装置によれば、目標とする最高濃度に対する画像形成条件を決定する第1画像安定化処理と同一頻度で同期して階調補正テーブル修正処理が実行される。階調補正テーブル修正処理は、階調補正テーブルを作成する第2画像安定化処理よりも、必要なトナーパッチの個数が少ないので、画像安定化処理に用いられるトナーの消費量をその分抑制することができる。
また、階調補正テーブル修正処理で利用する中間調のトナーパッチは、第1画像安定化処理において形成されて光学的検出されているため、階調補正テーブル修正処理自体にほとんど時間を要せず、従来のように第1画像安定化処理直後に複数の階調値のトナーパッチを改めて描画して第2画像安定化処理を実行する場合と比して、時間を短縮することができる。さらに、階調補正テーブルのメンテナンスを修正という形で実行するため、階調補正を全くしない場合と比較して画質の安定化を損なうことがない。
プリンターの概略構成を示す模式図である。 感光体ドラム上に形成されたトナーパッチの例を示す図である。 Y色(イエロー)用のIDCセンサーの構成を説明するための模式図である。 IDCセンサーの発光部から照射されるレーザー光が、トナーパッチが形成された感光体ドラム表面に照射されたときに形成されるビームスポットの様子を示す図である。 K色(ブラック)用のIDCセンサーの構成を説明するための模式図である。 制御部に設けられた画像形成ユニットに対する制御系の構成を示すブロック図である。 トナーパッチの形成制御の内容を示すフローチャートである。 ベタパッチPSの平均出力電圧Vsと非ベタパッチPCの平均出力電圧Vcとが対応付けられてなる第1テーブルの構成例を示す図である。 現像バイアス電圧とトナーパッチに対するIDCセンサーの平均出力電圧との対応関係の例を示すグラフである。 ベタパッチに対するIDCセンサーの平均出力電圧とベタパッチのトナー付着量との対応関係の例を示すグラフである。 非ベタパッチに対するIDCセンサーの平均出力電圧と、非ベタパッチのトナー付着部の付着量をベタパッチのトナー付着量に変換したものとの対応関係を示すグラフである。 決定された現像特性を表すグラフ(実線)の例を示す図である。 階調補正LUT(Look Up Table)を作成するための階調補正用パターンの一例を示す図である。 上記階調補正用パターンを構成する階調値255〜0のトナーパッチをIDCセンサーで検出したときの平均出力電圧V255〜V0とこれらを0〜255の濃度値に換算した濃度値ID255〜ID0とが各トナーパッチに対応付けてなる第2テーブルの構成例を示す図である。 階調補正LUTの作成方法を説明するための図である。 (a)は、従来の画像安定化処理のタイミングを示す図であり、(b)は、実施の形態における画像安定化処理のタイミングの一例を示す図である。 現像バイアス電圧と非ベタパッチのIDCセンサーによる検出結果(平均出力電圧)と関係を示すグラフである。 階調補正LUTの修正方法を説明するための図である。 階調補正LUTを修正する際の、修正量の決定方法の一例を説明するための図である。 本発明の変形例に係る画像安定化処理の内容を示すためのフローチャートである。
以下、本発明に係る画像形成装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
<画像形成装置の構成>
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の一例であるタンデム型カラープリンター(以下、単に「プリンター」とする)100の概略構成を示す模式図である。
プリンター100は、ネットワーク(例えばLAN)を介して外部の端末装置から入力される画像データ等に基づいて、周知の電子写真方式により画像形成ジョブを実行するものであり、画像プロセス部10と、給紙搬送部20と、定着部30と、操作部40および制御部50を備える。
画像プロセス部10は、画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K、中間転写ベルト18などを備える。
中間転写ベルト18は、無端円筒形状であり、プリンター100の上下方向の略中央部に配置され、水平方向に間隔をあけて配置された駆動ローラー17aとテンションローラー17bとに巻き掛けられて、周回移動域(走行域)が水平方向に沿って長くなっている。中間転写ベルト18は、一方の端部(図1において右側の端部)に配置された駆動ローラー17aが回転されることによって、矢印Xで示す方向に周回移動する。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kは、中間転写ベルト18の下側のベルト走行部の走行方向に沿って、その順番で配置されている。
各画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kには、中間転写ベルト18に対向した状態で矢印Z方向に回転する感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kがそれぞれ設けられている。各画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kは、感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kを用いて、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)色のトナー画像を形成する。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kのそれぞれは、トナー画像を形成するために使用されるトナーの色のみがそれぞれ異なっていること以外は概略同様の構成になっていることから、画像形成ユニット10Yの構成のみを説明して、他の画像形成ユニット10M〜10Kの構成についてはその説明を省略する。
画像形成ユニット10Yは、感光体ドラム11Yの下部に対向して配置された露光器13Yと、露光器13Yに対して感光体ドラム11Yの回転方向上流側に隣接して配置された帯電器12Yとを有している。
感光体ドラム11Yは、帯電器12Yによって表面が一様に帯電されて、帯電された感光体ドラム11Yの表面が露光器13Yから照射されるレーザー光によって露光されることにより、感光体ドラム11Yの表面に静電潜像が形成される。
露光器13Yに対して感光体ドラム11Yの回転方向下流側には、現像器14Yが配置されている。現像器14Yは、感光体ドラム11Yに対向して配置された現像ローラー14aの回転によって、現像器14Yの内部に収容されたY色のトナーが搬送される。
現像ローラー14aには、現像バイアス電圧Vbが印加されるようになっており、現像ローラー14aによって搬送されるトナーは、現像ローラー14aに印加された現像バイアス電圧Vbと感光体ドラム11Y表面の露光後の電圧との差によって現像ローラー14aと感光体ドラム11Yとの間に形成される電界の作用により、感光体ドラム11Yの表面に形成された静電潜像に付着する。これにより、感光体ドラム11Yの静電潜像がトナーによって現像されて、感光体ドラム11Yの表面にY色のトナー画像が形成される。
現像バイアス電圧Vbが現像ローラー14aに印加されることは、他の現像器14M、14C、14Kでも同様である。
画像形成ユニット10Yにおける帯電器12Y、露光器13Y、現像器14Yのそれぞれは、ユニット制御部45Y(図6参照)によって制御されて、画像形成ジョブごとに設定されるプロセス条件により、感光体ドラム11Y上にY色のトナー画像を形成するようになっている。
現像器14Yに対して感光体ドラム11Yの回転方向下流側には、現像器14Yの現像特性を決定する際に用いられるIDCセンサー41Yが設けられている。
IDCセンサー41Yは、感光体ドラム11Yの近傍であり、感光体ドラム11Yの回転方向に沿って、現像器14Yから、中間転写ベルト18に対向する感光体ドラム11Yの上部(1次転写位置)までの間の位置に配置されている。
IDCセンサー41Yは、感光体ドラム11Y上に形成されるトナーパッチを検出する。なお、トナーパッチの検出は、画像形成ユニット10Yだけでなく、他の画像形成ユニット10M、10C、10Kのそれぞれでも、IDCセンサー41M、41C、41Kにより個別に実行される。
中間転写ベルト18の走行域の内側の領域には、中間転写ベルト18を挟んで感光体ドラム11Yに対向する1次転写ローラー15Yが配置されている。1次転写ローラー15Yには、1次転写バイアス電圧が印加されるようになっており、感光体ドラム11Y上に形成されたトナー画像は、1次転写バイアス電圧が印加された1次転写ローラー15Yと感光体ドラム11Y間の電界の作用により、中間転写ベルト18上に1次転写される。
他の画像形成ユニット10M、10C、10Kのそれぞれの上方にも、中間転写ベルト18を挟んでそれぞれの感光体ドラム11M、11C、11Kに対向する1次転写ローラー15M、15C、15Kがそれぞれ設けられており、各感光体ドラム11M、11C、11K上に形成されたトナー画像が、1次転写ローラー15M、15C、15Kと感光体ドラム11M、11C、11Kとの間に形成される電界の作用により、中間転写ベルト18上に1次転写される。
フルカラー画像が形成される場合には、感光体ドラム11Y、11M、11C、11K上に形成された各色のトナー画像が、周回走行される中間転写ベルト18上の同一の領域に多重転写されるように、画像形成動作の開始タイミングが画像形成ユニット10Yを基準に、10M、10C、10Kの順にずらして行われるようになっている。
中間転写ベルト18上に多重転写された各色トナー画像は、中間転写ベルト18の周回走行によって、中間転写ベルト18と、中間転写ベルト18を介して駆動ローラー17aに圧接される2次転写ローラー19との圧接位置(2次転写位置)Ntに移動する。
中間転写ベルト18上に多重転写された各色トナー画像の2次転写位置Ntへの移動タイミングに合わせて、給紙搬送部20に設けられる給紙カセット22から記録シートPがシート搬送経路21に沿って2次転写位置Ntに向けて搬送される。
搬送される記録シートPが2次転写位置Ntを通過する際に、中間転写ベルト18上に多重転写されたトナー画像が、2次転写バイアス電圧が印加された2次転写ローラー19と中間転写ベルト18との間に形成される電界の作用によりに記録シートP上に2次転写される。
2次転写位置Ntを通過した記録シートPは、2次転写位置Ntよりもシート搬送方向下流に配置された定着部30へ搬送される。
定着部30は、相互に圧接された加熱ローラー32と加圧ローラー33とを備えており、加熱ローラー32と加圧ローラー33との圧接により定着ニップNfが形成されている。また、加熱ローラー32の軸心部には、ハロゲンヒーターランプ35が配置されており、ハロゲンヒーターランプ35により加熱ローラー32が定着温度に維持される。
2次転写位置Ntを通過した記録シートPが、定着温度に維持されている加熱ローラー32と加圧ローラー33との間である定着ニップNfを通過する際に、加熱および加圧によって、記録シートP上に2次転写された後の各色トナー画像が記録シートPに定着される。定着部30を通過した記録シートPは、排紙ローラー24によって排紙トレイ23上に排出される。
なお、上記では、フルカラー画像を形成する画像形成ジョブの場合を説明したが、モノクロ画像を形成するジョブの場合には、選択された1つの画像形成ユニット(例えば、K色用の画像形成ユニット10K)のみが駆動されて、その画像形成ユニットに設けられた感光体ドラム上に形成されたトナー画像が、中間転写ベルト18上に1次転写され、2次転写位置Ntで記録シートPに2次転写された後、定着部30において記録シートPに定着された後、その記録シートPが排紙トレイ23に排出される。
操作部40は、プリンター100の装置本体正面側の上部であり、ユーザーの操作し易い位置に配置されている。操作部40には、フルカラーやモノクロの画像形成モードの切り替えや、記録シートのサイズの設定、再現画像の画質モードの選択、画像安定化処理の実行などのユーザーからの指示を受け付けるキー群が設けられている。
ここで、再現画像の画質モードの選択は、例えば文字原稿の文字の再現性を向上させる「文字モード」、写真などの中間調の再現性を向上させる「写真モード」、両方の再現性をバランス良く向上させる「文字/写真モード」などが含まれる。
操作部40は、ユーザーによる指示を受け付けると、その受け付けた指示を制御部50に送る。
制御部50は、操作部40で受け付けられたユーザーの指示に基づき、画像プロセス部10、給紙搬送部20、定着部30などを統括的に制御して、指示された画像形成ジョブを円滑に実行させる。また、ユーザーにより画質モードが選択された場合には、その選択されたモードに対して設定されるプロセス条件に基づいて画像形成を実行する。
プロセス条件の設定は、画像形成ジョブとは別に実行される画像安定化制御により決定された現像特性に基づいて、画像形成ジョブごとに、実行される。
<画像安定化制御>
画像安定化制御は、画像形成ユニット10Y〜10K別に、そのユニットの現像特性の決定や階調補正を実行するための制御である。以下、先ず、現像特性の決定について説明した後、階調補正について説明する。
(1)現像特性の決定について
画像形成ユニット10Yについて説明すると、(a)感光体ドラム11Y上に、画像形成条件としての現像バイアス電圧Vbを異なる値に可変させて複数個のY色のトナーパッチを形成し、(b)形成された複数個のトナーパッチに光を照射させ、その反射光をIDCセンサー41Yで受光して、その受光結果から複数個のトナーパッチの単位面積当たりのトナー付着量〔g/m2〕を求め、(c)各トナーパッチを形成したときの現像バイアス電圧Vbと、そのトナーパッチのトナー付着量との対応関係を現像特性として求めるものである。画像安定化制御で求められた現像特性を用いて、画像形成ジョブごとに、そのジョブに適したプロセス条件が設定される。他の画像形成ユニット10M〜10Kについても同様である。
(1−1)トナーパッチの形状
図2は、感光体ドラム11Y上に形成されたトナーパッチの例を示す図である。なお、同図は、感光体ドラム11Yの表面を展開して示しており、矢印Zで示す方向が、感光体ドラム11Yの回転方向に相当する。
同図に示すようにトナーパッチは、感光体ドラム11Yの回転方向に沿って複数個、ここでは回転方向下流側から上流側に沿って、PS1、PC1・・・PS5、PC5の全10個がそれぞれ間隔をおいて形成されている。
トナーパッチPS1、PS2、PS3、PS4、PS5は、1辺が1〜2〔cm〕程度の一定の大きさの長方形状の第1領域(パッチ領域)の全体に、Y色のトナーが一様に付着されたベタのトナーパッチ(以下、「ベタパッチ」という。)である。
一方、トナーパッチPC1、PC2、PC3、PC4、PC5は、ベタパッチと同じ一定の大きさの長方形状の第2領域(パッチ領域)内に、トナーの付着部とトナーが付着されていない非付着部とが混在してなる非ベタのトナーパッチ(以下、「非ベタパッチ」という。)である。
ここでは、非ベタパッチのそれぞれは、複数本の縦のラインと複数本の横のラインが直交してなる格子状(図4(b)参照)に形成されており、縦のラインと横のラインの幅が同じ、かつ隣り合うライン同士の間隔も各ラインの幅と同じ幅になっている。ラインの幅の大きさは、例えば100〔μm〕程度であるが、これに限られることはない。以下、ベタパッチPS1〜PS5を特に区別する必要がないときは、総称してベタパッチPSといい、同様に、非ベタパッチPC1〜PC5を特に区別する必要がないときは、非ベタパッチPCという。また、ベタパッチと非ベタパッチを区別する必要がないときは、総称してトナーパッチという。
1つのベタパッチPSは、パッチ領域の全域がトナー付着部であるので、パッチ領域に対するトナー付着部の面積の割合(B/W比)は、100〔%〕になり、1つの非ベタパッチPCは、パッチ領域内におけるトナーの付着部の面積と非付着部の面積とが同じになるように形成されるので、B/W比は、50〔%〕になる。
ベタパッチPS1と非ベタパッチPC1の組をパッチP1、ベタパッチPS2と非ベタパッチPC2の組をパッチP2、ベタパッチPS3と非ベタパッチPC3の組をパッチP3、ベタパッチPS4と非ベタパッチPC4の組をパッチP4、ベタパッチPS5と非ベタパッチPC5の組をパッチP5とすると、組ごとに、その1組に含まれるベタパッチのトナー付着部と、非ベタパッチのトナー付着部の単位面積当たりのトナー付着量〔g/m2〕が同じ、かつ、パッチP1からP5に移るに連れて段階的に単位面積当たりのトナー付着量が多く(濃度が濃く)なるような条件で形成される。
具体的には、パッチP1〜P5に対して、帯電と露光を同じ条件としつつ、現像条件、ここでは現像バイアス電圧Vbの値をパッチP1〜P5のそれぞれで相互に異なる値に切り替えて、Y色のトナーで現像する制御を実行する。
より具体的には、パッチP1は、現像バイアス電圧Vbを−100〔V〕にして形成され、パッチP2は、現像バイアス電圧Vbを−200〔V〕にして形成され、パッチP3は、現像バイアス電圧Vbを−300〔V〕にして形成され、パッチP4は、現像バイアス電圧Vbを−400〔V〕にして形成され、パッチP5は、現像バイアス電圧Vbを−500〔V〕にして形成される。
同じ組に含まれるベタパッチPSと非ベタパッチPCとは、それぞれの感光体ドラム11Y上における静電潜像が同じ現像バイアス電圧Vbを用いて現像されるので、ベタパッチPSのトナー付着部の単位面積当たりのトナー付着量と、非ベタパッチPCにおけるトナー付着部の単位面積当たりのトナー付着量とが同じになる。
現像バイアス電圧Vbの切り替えは、感光体ドラム11Y上に形成されたパッチP1〜P5の静電潜像がP1〜P5の順に、現像ローラー14aと対向する位置(現像位置)を通過するタイミングに応じて実行される。
感光体ドラム11Y上に形成された、現像後のパッチP1〜P5は、それぞれが感光体ドラム11の回転によりIDCセンサー41Yの検出領域を通過するごとに、IDCセンサー41Yにより検出される。同図の一点鎖線で示すラインLsは、回転する感光体ドラム11上におけるIDCセンサー41Yによるトナーパッチの検出ラインを示している。
(1−2)IDCセンサー41Yの構成
図3は、IDCセンサー41Yの構成を説明するための模式図である。
同図に示すようにIDCセンサー41Yは、発光部41aと受光部41bと差分回路41cを備える。
発光部41aは、レーザー光源411と、第1偏光プリズム412と、第1集光レンズ413と、光吸収素子414を備える。
レーザー光源411は、感光体ドラム11Yの表面における所定領域に向かって、可視光〜赤外光の範囲の波長のレーザー光を照射する。この波長のレーザー光は、K色のトナーに吸収されるが、Y、M、C色のそれぞれのトナーには吸収されずに反射される特性を有する。
第1偏光プリズム412は、レーザー光源411から照射されたレーザー光をp波とs波とに分離する。
第1集光レンズ413は、第1偏光プリズム412によって分離されたp波を集光して感光体ドラム11Yの表面に導く。
図4は、第1集光レンズ413による集光されたレーザー光のp波が感光体ドラム11Y表面に照射されたときに形成されるビームスポットSの様子を示す図であり、(a)は、ベタパッチPS上に照射されたときを、(b)は、非ベタパッチPC上に照射されたときをそれぞれ示している。
ビームスポットSの径は、ベタパッチPSと非ベタパッチPCの形成領域よりも小さく(ビームスポットSの全部が形成領域内に入り)、非ベタパッチPCに含まれる縦と横の複数本のライン(トナー付着部)がビームスポットS内に入るような大きさに、大小関係が設定されている。例えば、パッチ形成領域の一辺が1〜2〔cm〕、非ベタパッチPCの縦と横のラインの幅が100〔μm〕程度であれば、ビームスポットSの径は、1〜2〔mm〕程度とすることができる。
図3に戻って、光吸収素子414は、第1偏光プリズム412によって分離されたs波を吸収する。
第1集光レンズ413を通過して感光体ドラム11Yの表面に向かうレーザー光のp波は、(a)感光体ドラム11Yの表面にY色のトナーが付着していれば、そのトナー付着部に含まれるY色のトナー粒子に当たって正反射および拡散反射するものと、隣接する2つのトナー粒子の隙間を通り抜けて感光体ドラム11Yの表面に当たって正反射するものがあり、(b)Y色のトナーが付着していなければ、感光体ドラム11Yの表面のみにて正反射された後、受光部41bに向かう。なお、正反射したp波は偏光されず、拡散反射したp波は偏光される。
受光部41bは、第1受光素子415と、第2受光素子416と、第2偏光プリズム417と、第2集光レンズ418を備える。
第2集光レンズ418は、感光体ドラム11Yの表面とY色のトナーに当たって反射されたレーザー光を集光して、第2偏光プリズム417に導く。
第2偏光プリズム417は、正反射された反射光(p波)を直進させて第1受光素子415に導き、拡散反射によって偏光された反射光(s波)を直角方向に屈折させて第2受光素子416に導く。
第1受光素子415は、第2偏光プリズム417を直進した反射光(p波)を受光し、第2受光素子416は、第2偏光プリズム417からの反射光(s波)を受光する。
第1受光素子415と第2受光素子416は、それぞれ、受光量に対応した電圧を光電変換するフォトダイオードなどの光電変換素子によって構成されており、その変換後の電圧を差分回路41cに送る。
差分回路41cは、第1受光素子415の出力電圧から第2受光素子416の出力電圧を減じて得られる差分の電圧VYを出力する。この差分をとるのは、次の理由による。
すなわち、感光体ドラム11Y上におけるY色のトナーパッチは、複数個のトナー粒子が層状に形成されてなり、Y色のトナー層に光を照射した場合、その反射光は、上記のように隣接する2つのトナー粒子の隙間を通り抜けて感光体ドラム11Yの表面で反射する正反射光L1と、Y色のトナー粒子の表面で反射した正反射光L2と、Y色のトナー粒子の表面で反射した拡散反射光L3の3つに分けられる。
トナー粒子の隙間は、通常、単位面積当たりのトナー付着量が多くなるほど狭くなるという関係があり、トナー粒子の隙間が狭くなれば、これを通り抜けるレーザー光の、感光体ドラム11Yの表面からの反射光(上記の正反射光L1に相当)も少なくなる。つまり、正反射光L1とトナーの付着量とは、付着量が多くなるほど正反射光L1が少なくなるという関係を有し、正反射光L1の光量を正確に検出できれば、それだけトナーの付着量をより正確に検出することができることになる。
ところが、正反射光L1は、正反射光L2と一緒に第1受光素子415で受光されるので、第1受光素子415だけでは、正反射光L1の光量だけを検出することができない。
そこで、正反射光L2の光量と拡散反射光L3の光量の大小関係を予め実験から求めておき、後述のように当該大小関係を考慮して上記の差分をとることにより、Y色のトナーによる反射光の影響を除外して、正反射光L1の光量だけをとりだして、トナーの付着量をより正確に検出することができるようになるからである。実験の結果、正反射光L2の光量と拡散反射光L3の光量とが略同じであったので、本例では、単純に差分をとることにしている。
なお、正反射光L2と拡散反射光L3に看過できない程度の光量差がある場合には、その差分を考慮して、第1受光素子415の出力電圧を補正する補正方法を予め実験などから求めておくことにより、上記同様に検出精度の向上を図れる。
差分回路41cの出力電圧VYは、制御部50に送られる。なお、M色用のIDCセンサー41M、C色用のIDCセンサー41Cも、Y色用のIDCセンサー41Yと構成は、同じであり、それぞれ出力電圧VM、VCが制御部50に送られる。
(1−3)IDCセンサー41Kの構成
図5は、画像形成ユニット10Kに設けられたIDCセンサー41Kの構成を示す模式図である。
同図に示すようにIDCセンサー41Kは、偏光プリズムや差分回路が設けられておらず、発光部としてレーザー光源411と第1集光レンズ413を備え、受光部として第1受光素子415と第2集光レンズ418を備える構成になっている。このように偏光プリズムや差分回路を設けていないのは、レーザー光源411から照射される可視光〜赤外光の範囲の波長のレーザー光がK色のトナーに当たると、そのほとんどがK色のトナーに吸収されるので、トナー粒子による正反射と拡散反射を考慮しなくても良いからである。
感光体ドラム11Yの表面にK色のトナーが付着している場合、レーザー光源411から照射されるレーザー光は、第1集光レンズ413を介して感光体ドラム11Kの表面に向かって導かれ、感光体ドラム11K上のK色のトナーの形成部分に照射される。
照射されたレーザー光は、感光体ドラム11Kの表面に付着しているK色のトナー粒子の隙間を通り抜けて、感光体ドラム11Yの表面にて反射され、その反射光(正反射光)が第2集光レンズ418を介して第1受光素子415で受光される。第1受光素子415は、その受光量に対応した電圧VKを制御部50に出力する。
制御部50は、IDCセンサー41Y〜41Kからの出力電圧VY〜VKをそれぞれ個別にモニターし、Y〜K色ごとに、ベタパッチPSと非ベタパッチPCの形成部分に対応する出力電圧値の大きさに基づき各パッチのトナー付着量を検出する。
なお、Y〜K色ごとに、トナーパッチの付着量を検出する際には、検出の直前にレーザー光源411から出射される出射光の光量補正が実行される。例えば、Y色の場合、レーザー光源411からのレーザー光を感光体ドラム11Yの表面におけるパッチP1〜P5のいずれも形成されていない領域に照射して、その反射光量に対応したIDCセンサー41Yからの出力電圧VYが所定の基準値になるように、レーザー光源411から出射されるレーザー光の光量が補正される。この光量補正により、感光体ドラム11Yの劣化等によって、感光体ドラム11Yの表面におけるレーザー光の反射光量のバラツキ、IDCセンサー41Yの個体差による反射光量に対する出力電圧VYのバラツキ等が生じても、そのバラツキを低減することができる。他のM〜K色の場合についても同様である。
(1−4)画像形成ユニットの制御系
図6は、制御部50(図1)に設けられた画像形成ユニット10Yに対する制御系の構成を示すブロック図である。なお、他の、画像形成ユニット10M〜10Kにも、同様の構成の制御系が設けられているが、基本的に同じ構成なので、ここでは画像形成ユニット10Yについてのみ説明し、10M〜10Kに対する制御系についてはその説明を省略する。
同図に示すように、画像形成ユニット10Yに対する制御系には、信号処理部42Yと、ユニット制御部45Yが設けられている。
信号処理部42Yは、IDCセンサー41Yからの出力電圧VYに基づき画像安定化制御において現像特性を決定する。また、通常の画像形成ジョブを実行する際には、現像特性に基づき、当該ジョブに適したプロセス条件を設定する。
ユニット制御部45Yは、信号処理部42Yで設定されたプロセス条件に基づき、帯電器12Yの帯電量、露光器13Yのレーザー光の露光量、現像器14Yの現像バイアス電圧Vbを制御して、画像形成ジョブを実行する。
また、ユニット制御部45Yは、画像安定化制御の実行の際に、トナーパッチP1〜P5を感光体ドラム11Y上に形成する。
図7は、トナーパッチの形成制御の内容を示すフローチャートである。
同図に示すように、回転する感光体ドラム11Yの表面を、帯電器12Yによって、予め設定された所定の帯電電位になるように、一様に帯電させる(ステップS11)。
次いで、回転している感光体ドラム11Yに対して、露光器13Yから、予め設定された所定の光量でレーザー光を出射して、トナーパッチP1〜P5のそれぞれに対応する静電潜像を形成する(ステップS12)。ここでは、予めトナーパッチP1〜P5を形成するための画像データが記憶されており、トナーパッチの形成の際に、その画像データに基づき、露光器13Yによる感光体ドラム11Yの露光を実行することにより、感光体ドラム11Y上にトナーパッチP1〜P5の静電潜像が形成されるようになっている。
トナーパッチP1には、図2に示すようにベタパッチPS1と非ベタパッチPC1が含まれ、これらの2つのパッチを形成するための静電潜像が感光体ドラム11Y表面にその回転方向に沿って所定の間隔をおいて形成される。このことは、トナーパッチP2〜P5についても同様である。なお、トナーパッチP1〜P5に対応する全ての静電潜像は、同一の露光条件で形成される。
そして、トナーパッチP1〜P5に対応する静電潜像が現像位置を通過するタイミングに合わせて、現像ローラー14aに印加される現像バイアス電圧Vbを、トナーパッチP1〜P5に対応する電圧値に順次切り替えて、それぞれの静電潜像をY色のトナーで現像する(ステップS13〜S17)。
すなわち、トナーパッチP1に対応する静電潜像が現像位置を通過するタイミングでは、現像バイアス電圧Vbが−100〔V〕になり(ステップS13)、トナーパッチP2に対応する静電潜像が現像位置を通過するタイミングでは、現像バイアス電圧Vbが−200〔V〕になり(ステップS14)、トナーパッチP3に対応する静電潜像が現像位置を通過するタイミングでは、現像バイアス電圧Vbが−300〔V〕になり(ステップS15)、トナーパッチP4に対応する静電潜像が現像位置を通過するタイミングでは、現像バイアス電圧Vbが−400〔V〕になり(ステップS16)、トナーパッチP5に対応する静電潜像が現像位置を通過するタイミングでは、現像バイアス電圧Vbが−500〔V〕になるように(ステップS17)、順次切り替える。
トナーパッチP1〜P5に対応する静電潜像が順次、現像位置を通過する際に、その静電潜像がその時点での現像バイアス電圧VbによりY色のトナーで現像され、可視像化される。図2には、この現像後のトナーパッチP1〜P5の例が示されている。
感光体ドラム11Y上に形成されたトナーパッチP1〜P5は、IDCセンサー41Yにより順次、検出され、その検出結果が信号処理部42Yに送られる。
図6に戻って、信号処理部42Yは、パッチ出力算出部42aと、A/D変換器42bと、検出結果格納部42cに格納されている第1テーブル(図8)と、パッチ選択部42dと、トナー付着量算出部42eと、トナー付着量LUT42fと、現像特性決定部42gと、プロセス条件設定部42mおよびプロセス条件LUT42hを備える。
(1−5)IDCセンサー41Yの出力電圧の平均値の算出
パッチ出力算出部42aは、ベタパッチPSおよび非ベタパッチPCのそれぞれ毎に、IDCセンサー41Yの出力電圧VYを一定時間に亘ってサンプリングして、サンプリングされた電圧値の平均値を算出する。以下、算出された平均値を平均出力電圧という。
ここで、ベタパッチPSに対する平均出力電圧の算出は、図4(a)に示すようにIDCセンサー41YによるビームスポットSの全域がベタパッチPSの形成領域内に入っている状態でサンプリングされた電圧値が平均されることにより実行される。
また、非ベタパッチPCに対する平均出力電圧の算出は、図4(b)に示すようにIDCセンサー41YによるビームスポットSの全域が非ベタパッチPCの形成領域内に入っている状態でサンプリングされた電圧値が平均されることにより実行される。
なお、ベタパッチPSには、トナー非付着部が含まれないが、非ベタパッチPCには、トナー非付着部が含まれる。このため、ベタパッチPSにおけるトナー付着部の単位面積当たりの付着量と、非ベタパッチPCにおけるトナー付着部の単位面積当たりの付着量とが同じであっても、ベタパッチPSの平均出力電圧と非ベタパッチPSの平均出力電圧とは、異なる値になる。
パッチP1〜P5は、この順に形成されるので、ベタパッチPS1の平均出力電圧Vsa1、非ベタパッチPC1の平均出力電圧Vca1、ベタパッチPS2の平均出力電圧Vsa2、非ベタパッチPC2の平均出力電圧Vca2・・・ベタパッチPS5の平均出力電圧Vsa5、非ベタパッチPC5の平均出力電圧Vca5の順に、平均化された電圧がそれぞれパッチ出力算出部42aからA/D変換器42bに出力される。
A/D変換器42bは、各トナーパッチの平均出力電圧VsaまたはVcaを受け付けるごとに、A/D変換して、変換後の平均出力電圧VsまたはVcを検出結果格納部42cに格納されている第1テーブル(図8)に書き込む。
図8は、第1テーブルの構成例を示す図である。
同図に示すように、第1テーブルは、パッチP1〜P5ごとに、ベタパッチPSの平均出力電圧Vsと非ベタパッチPCの平均出力電圧Vcが対応付けられてなり、第1テーブルを参照することにより、ベタパッチPSと非ベタパッチPCに対する平均出力電圧Vs、Vcを知ることができる。
(1−6)現像特性の決定に用いるパッチの選択
図6に戻って、パッチ選択部42dは、第1テーブルを参照し、パッチP1〜P5ごとに、ベタパッチPSと非ベタパッチPCのうち、現像特性の決定に用いる方のパッチを選択する処理を行う。
具体的には、トナーの再現画像の濃度域(階調値に相当)のうち、低濃度域については、ベタパッチPSを選択し、高濃度域については、非ベタパッチPCを選択する。
このような選択を行うのは、低濃度域については、ベタパッチPSの方が非ベタパッチPCよりも検出精度が良く、逆に、高濃度域については、非ベタパッチPCの方がベタパッチPSよりも検出精度が良いといえるからである。以下、具体的に説明する。
(1−7)現像バイアス電圧Vbと平均出力電圧Vsa、Vcaの関係
図9は、現像バイアス電圧Vbを異なる値に可変させて、それぞれの値に対応するベタパッチPCと非ベタパッチPSを形成し、形成されたベタパッチPCと非ベタパッチPSをIDCセンサー41Yで検出して、その検出結果から平均出力電圧Vsa、Vcaを求めたときの、現像バイアス電圧Vbと平均出力電圧Vsa、Vcaの対応関係の例を示すグラフである。
同図の3本の実線は、非ベタパッチPCを異なる現像条件A、B、Cで形成した場合の例を、3本の破線は、ベタパッチPSを現像条件A、B、Cで形成した場合の例をそれぞれ示している。
ここで、異なる現像条件A〜Cとは、感光体ドラム11Yと現像ローラー14aとの間隔(D−S間距離)、現像ローラー14a上の現像剤量、トナーの帯電量を、それぞれ装置の組み立てや部品のバラツキなどを含む器差が生じたと仮定した場合の範囲内で異ならせたものをいう。
このようにベタパッチPSと非ベタパッチPCについて、異なる現像条件による3本のグラフを併記しているのは、器差によって現像条件が変わっても、現像バイアス電圧Vbと平均出力電圧Vsa、Vcaの関係が大きく変化しないことを確認するためである。
同図に示すように現像バイアス電圧Vbの絶対値が大きくなるほど、IDCセンサー41Yの平均出力電圧VsaおよびVcaが低下していることが判る。
これは、次の理由による。すなわち、現像バイアス電圧Vbの絶対値が大きくなると、トナーパッチのトナー付着量(濃度)が増加し、トナー付着量が増加すると、トナーパッチ形成領域からの反射光の光量が少なくなる。IDCセンサー41Yは、反射光の受光量が少なくなるほど出力電圧が低くなり、反射光の受光量が多くなるほど出力電圧が高くなる特性を有しているので、現像バイアス電圧Vbの絶対値が大きくなってトナー付着量が増加すると、トナーパッチ形成領域からの反射光の光量が少なくなって、IDCセンサー41Yの出力電圧が下がるからである。
また、実線と破線のグラフを比べると、非ベタパッチPCに対するIDCセンサー41Yの平均出力電圧Vca(実線)が、ベタパッチPSに対するIDCセンサー41Yの平均出力電圧Vsa(破線)よりも全体的に高くなっていることが判る。このようになるのは、非ベタパッチPCには、パッチ領域内にトナー非付着部分が存在し、感光体ドラム11Yの表面からの反射光の光量がベタパッチPSよりも多くなるので、ベタパッチPSと非ベタパッチPCとが現像バイアス電圧Vbを同じ条件にして形成されたとしても、非ベタパッチPCの方がベタパッチPSよりも平均出力電圧が高くなるからである。
さらに、現像バイアス電圧Vbの全範囲のうち、−300〔V〕〜−600〔V〕の範囲を見ると、現像条件に関わらず、ベタパッチPSの平均出力電圧Vsaを示す破線のグラフは、傾きがほとんどない状態になっているのに対し、非ベタパッチPCの平均出力電圧Vcaを示す実線のグラフは、ベタパッチに比べると傾きが大きくなっていることが判る。これは、次の理由によるものと考えられる。
すなわち、ベタパッチPSは、パッチ領域の全域にトナーがほぼ均一に付着しており、トナーの非付着部が存在せず、現像バイアス電圧Vbの絶対値が大きくなってトナー付着量が多くなると、ベタパッチPSのトナー層が厚くなり、感光体ドラム11Yの表面は厚いトナー層によって被覆される。
トナー層が厚くなるほど、IDCセンサー41Yの発光部41aから発せられるレーザー光がトナー層のトナー粒子の隙間を通り、感光体ドラム11Yの表面で反射して、受光部41bに戻って来る反射光の光量が少なくなるが、ある厚さを超えると、ほとんど反射光がなくなり、その結果、現像バイアス電圧Vbが増加してもIDCセンサー41Yの平均出力電圧がほとんど変化しなくなる。
一方、非ベタパッチPCには、パッチ領域内にトナーの付着部と非付着部が複数、混在し、現像バイアス電圧Vbの絶対値が大きくなってトナー付着部の付着量が多くなったときに、ベタパッチPSと単位面積当たりの付着量が同じであっても、トナー付着部の一つ一つに、所謂エッジ効果により、その外縁であるエッジで厚みが厚くなり、エッジよりも内側の中央部で厚みが薄くなる現象が生じる。
ベタパッチPSがIDCセンサー41Yで検出されるときには、図4(a)に示したように発光部41aからのレーザー光のビームスポットSの径がベタパッチPSよりも小さいので、ビームスポットSの中には、ベタパッチPSのエッジが含まれず、トナー付着部からの反射光だけが検出される。
これに対して、非ベタパッチPCは、図4(b)に示したようにビームスポットSの中には、複数本のラインからなるトナー付着部と、隣り合うライン間の隙間に当たるトナー非付着部が含まれ、それぞれのトナー付着部と非付着部からの反射光が検出される。
つまり、ベタパッチPSは、トナー付着量が多くなってもエッジ効果の影響を受けないので、厚みが一様に厚いトナー層からの反射光だけを検出せざるを得ないが、非ベタパッチPCは、それぞれのトナー付着部がエッジ効果の影響により、ベタパッチPSと同じ付着量であっても、厚みの薄い部分が生じるので、その薄い部分からの反射光を検出することができることになるからである。
上記のようにトナー層の厚みがある厚みを超えると、IDCセンサー41Yからのレーザー光がトナー層を構成するトナー粒子の隙間を通り抜けることが困難になって、反射光も光量がほとんど変化しなくなるという理由から、ベタパッチPSについては高濃度域での検出精度が低下してしまう。
一方、非ベタパッチPCについては、ベタパッチPSと同じ付着量でもエッジ効果により、それぞれのトナー付着部における厚みの薄い部分をレーザー光が通り抜けることができることにより、高濃度域においてベタパッチPSよりも濃度(付着量)の変化に対して反射光の光量が変化し易くなる。
このことから、図9に示す非ベタパッチPCに対する実線のグラフの方が、ベタパッチPSに対する破線のグラフよりも、平均出力電圧が高く、かつ、高濃度域での傾きが大きくなっているものと考えられる。
グラフの傾きは、現像バイアス電圧Vbの変化量、すなわちトナー付着量(濃度)の変化量に対する平均出力電圧Vca、Vsaの変化量の検出感度を示すので、グラフの傾きの大きい方が、より検出精度が高いといえる。このことから、現像バイアス電圧Vbの、−300〔V〕〜−600〔V〕の範囲では、トナー付着量が多く(濃度が高く)なることにより、非ベタパッチPCの方がベタパッチPSよりもトナー付着量をより精度よく検出できることになる。
一方、現像バイアス電圧Vbの、−100〔V〕〜−300〔V〕の範囲を見ると、現像条件に関わらず、ベタパッチPSに対する破線のグラフの方が、非ベタパッチPCに対する実線のグラフよりもやや傾きが大きくなっている。
これは、−100〔V〕の最も低い濃度では、ベタパッチPSも非ベタパッチPCも平均出力電圧が略同じであるのに対し、−300〔V〕の付近では、非ベタパッチPCの方がベタパッチPSよりも平均出力電圧が高くなっており、−100〔V〕〜−300〔V〕の範囲では、非ベタパッチPCの方がベタパッチPSよりも平均出力電圧の差が大きいからである。
また、−200〔V〕〜−300〔V〕付近では、非ベタパッチPCに対する実線のグラフの方が現像条件によるバラツキが大きくなっていることが判る。これは、次の理由によるものと考えられる。
すなわち、非ベタパッチPCに含まれる格子状のトナー付着部の縦または横の1本のラインのある特定の線分に注目し、その線分の、感光体ドラム11Y上に形成される潜像部分の面積(現像前の面積)をα、その潜像部分の外縁(エッジ)の全長(現像前のエッジ長)をβとしたとき、画像の再現性の観点からすれば、トナーで現像した後も、その線分の面積がαになり、エッジ長がβになっていることが理想である。
ところが、非ベタパッチPCの場合、現像バイアス電圧Vbの絶対値が小さいと、潜像部分に対するトナー付着量が少ない(濃度が低い)ために、現像しても潜像部分の本来のエッジに沿ってトナーが付着することができず、現像前の潜像部分のエッジの位置よりも内側に入った位置に、現像後のトナー付着部のエッジが形成される現象が生じ易い。
上記の特定した線分の形状を長方形としたとき、現像前の潜像部分のエッジは直線で表されるが、現像後の線分のエッジは、直線にならずに、例えばぎざぎざ形状のようになり、現像後の線分の面積が現像前のαよりも少なくなり、現像後のエッジ長が現像前のβよりも長くなる。例えば、αとβの関係を比率β/α(トナーエッジ部比率)で表せば、トナーエッジ部比率は、現像後の方が現像前よりも大きくなる。
このような現象は、トナー付着量が少なくなるほど生じ易くなり、現像条件が変われば、同じトナー付着量でも、現像条件の違いによりエッジの再現性も変わることから、平均出力電圧もバラツキが大きくなる。
一方、ベタパッチPSは、上記の如くIDCセンサー41Yによる検出時にはビームスポットS内にエッジが存在しないことから、トナー付着量に関係なく、エッジの再現性による平均出力電圧のバラツキが生ぜず、平均出力電圧のバラツキが非ベタパッチPSよりも小さくなると考えられるからである。
このようにIDCセンサー41Yで光学的にトナー付着量を検出する場合、低濃度域ではベタパッチPSの方が検出精度を向上することができ、高濃度域では非ベタパッチPCの方が検出精度を向上できることが判る。
このことを、図10と図11を用いて検証する。
図10は、ベタパッチPSに対するIDCセンサー41Yの平均出力電圧VsaとベタパッチPSのトナー付着量との対応関係の例を示すグラフである。
このグラフは、予め実験により得られたものである。ここでは、実験として、現像を除く帯電や露光などの条件を同一にしつつ、異なる現像条件1〜3ごとに、別々に、感光体ドラム11Y上にベタパッチPSの静電潜像を複数個、形成し、それぞれのベタパッチPSの静電潜像を、現像バイアス電圧Vbを、−150〔V〕、−200〔V〕、−300〔V〕、−400〔V〕、−500〔V〕、−600〔V〕の順に切り替えて、現像器14によりトナーで現像して、感光体ドラム11Yの表面上にトナーによるベタパッチPSを形成した。なお、現像条件1〜3は、上記の現像条件A〜Cに相当するが、異なる条件であっても同様の結果が得られたことが確認されている。
現像条件ごとに、形成されたそれぞれのベタパッチPSのトナー付着量をIDCセンサー41Yで検出して、それぞれのベタパッチPSに対する平均出力電圧VSaを算出した。また、感光体ドラム11Y上に付着しているベタパッチPSの実際のトナー付着量を、IDCセンサー41Yを用いずに別の方法で実測した。
この別の実測方法としては、例えば感光体ドラム11Y上のベタパッチPSを1つずつ別の記録シートPに転写して、記録シートPごとに、転写前後での記録シートPの質量を計測して、前後における質量差を求める方法が用いられたが、他の方法であっても良い。
図10のグラフは、実験により得られた平均出力電圧Vsaとトナー付着量の関係を現像条件1〜3ごとに、実測値をプロットして得られたものである。
図10のグラフに示すように、現像条件が異なっても、それぞれのベタパッチPSに対するトナー付着量が4〔g/m2〕付近より少ない範囲では、IDCセンサー41Yの平均出力電圧Vsaのバラツキがほとんどないことが判る。これは、図9に示すように低濃度域におけるベタパッチPSのグラフ(破線)にバラツキが少ないことと同じである。
また、図10のグラフに示すように、トナー付着量が4〔g/m2〕付近より少ない範囲では、トナー付着量の減少に連れて平均出力電圧Vsaが反比例的に増加しており、この範囲では、略線形補間を行うことが可能になる。
一方、トナー付着量が4〔g/m2〕付近より多くなると、トナー付着量が変化しても平均出力電圧Vsaの変化がほとんどなくなっている。これは、図9に示すように高濃度域におけるベタパッチPSのグラフ(実線)に傾きがほとんどないことと同じである。
図11は、非ベタパッチPCに対するIDCセンサー41Yの平均出力電圧Vcaと、非ベタパッチPCのトナー付着部の付着量をベタパッチPSのトナー付着量に変換したものとの対応関係の例を示すグラフである。
このようなトナー付着量の変換を行うのは、次の理由による。
すなわち、図2に示すようにパッチP1〜P5のそれぞれは、そのパッチに含まれるベタパッチPSと非ベタパッチPCが同じ現像バイアス電圧Vbで形成されるので、ベタパッチPSのトナー付着部の付着量〔g/m2〕と、非ベタパッチPCのトナー付着部の付着量〔g/m2〕とが同じになるが、非ベタパッチPCにはトナー非付着部が含まれることから、上記のように付着量〔g/m2〕が同じでもIDCセンサー41Yの平均出力電圧Vcaは、Vsaと異なる値になる。
平均出力電圧Vsaは、ベタパッチPSのトナー付着部だけの付着量〔g/m2〕を示すが、仮に、トナー付着量の変換を行わなければ、平均出力電圧Vcaは、非ベタパッチPCのトナー付着部と非付着部を平均した付着量〔g/m2〕を示すものになり、同じ条件で付着量を比較できないことになる。
本実施の形態では、ベタパッチPSと非ベタパッチPCとを同じ付着量の条件で所定値、ここでは後述のように4〔g/m2〕を境に濃度域を低濃度域と高濃度域に分けて、低濃度域についてはベタパッチPSに対する平均出力電圧Vsaを用い、高濃度域については非ベタパッチPCに対する平均出力電圧Vcaを用いて現像特性を決定する構成をとっている。
このように低濃度域と高濃度値に分ける場合は、ベタパッチPSに対する平均出力電圧Vsaと、非ベタパッチPCに対する平均出力電圧Vcaとを同じ条件で比較した方が行い易いので、ベタパッチPSと同じ条件に合わせるべく、非ベタパッチPCについては、その付着量をベタパッチPSの付着量に変換した上で、平均出力電圧Vcaとの対応関係を求めたものである。
図11に示すグラフも、予め実験により得られたものであり、実験条件は、上記のベタパッチPSに対する場合と同じである。
図11のグラフに示すように、現像条件が異なっても、それぞれの非ベタパッチPCに対するトナー付着量が4〔g/m2〕付近より多い範囲では、IDCセンサー41Yの平均出力電圧Vcaのバラツキがあまりなく、平均出力電圧Vcaに対するトナー付着量の傾きが大きくなっていることが判る。これは、図9に示すように高濃度域における非ベタパッチPCのグラフ(破線)の傾きが大きいことと同じ理由によるものと考えられる。
また、トナー付着量が4〔g/m2〕付近より少ない範囲では、バラツキが多いことが判る。これは、図9に示すように低濃度域における非ベタパッチPCのグラフ(破線)にバラツキが大きいことと同じ理由によるものと考えられる。
図10と図11のグラフから、トナー付着量として4〔g/m2〕を境に、低濃度域と高濃度域に分けたときに、ベタパッチPSについては、図10に示すように4〔g/m2〕に対応する平均出力電圧Vsa(=0.2〔V〕)以上の低濃度域であれば、ベタパッチPSのトナー付着量を高精度で検出でき、非ベタパッチPCについては、図11に示すように4〔g/m2〕に対応する平均出力電圧Vca(=0.8〔V〕)より小さくなる高濃度域であれば、非ベタパッチPCのトナー付着量を高精度で検出できることが判る。
そこで、本実施の形態では、予め、ベタパッチPSについては、平均出力電圧Vsaが0.2〔V〕以上になる低濃度域の範囲を第1有効範囲と規定し、非ベタパッチPCについては、平均出力電圧Vcaが0.8〔V〕より小さくなる高濃度域の範囲を第2有効範囲と規定している。
なお、図10に示すベタパッチPSに対するグラフのデータと、図11に示す非ベタパッチPCに対するグラフのデータは、それぞれ現像条件1〜3のうち、自装置に最も近い条件を示すものが、ベタパッチPSについては、ベタパッチ平均出力電圧/付着量対応情報として、非ベタパッチPCについては、非ベタパッチ平均出力電圧/付着量対応情報として、そのデータがそれぞれトナー付着量LUT42fに予め格納されている。
図6に戻って、パッチ選択部42dは、パッチP1〜P5ごとに、そのパッチに含まれるベタパッチPSに対する平均出力電圧Vsと非ベタパッチPCに対する平均出力電圧Vcのうち、平均出力電圧Vsが第1有効範囲内に入っているか否かを確認すると共に、平均出力電圧Vcが第2有効範囲内に入っているか否かを確認して、有効範囲内に入っている方のパッチを選択する。
例えば、第1有効範囲≧0.2〔V〕、第2有効範囲<0.8〔V〕であり、パッチP1のベタパッチPS1に対する平均出力電圧Vs1≧0.2〔V〕、かつ、非ベタパッチPC1に対する平均出力電圧Vc1≧0.8〔V〕であれば、第1有効範囲内に入っており、第2有効範囲内に入っていないことになり、ベタパッチPS1と非ベタパッチPC1のうち、ベタパッチPS1が選択される。
同様に、ベタパッチPS5に対する平均出力電圧Vs5<0.2〔V〕、かつ、非ベタパッチPC5に対する平均出力電圧Vc5<0.8〔V〕であれば、第1有効範囲内に入っておらず、第2有効範囲内に入っていることになり、ベタパッチPS5と非ベタパッチPC5のうち、非ベタパッチPC5が選択される。
パッチP1〜P5ごとに、選択されたパッチと、その平均出力電圧VM1〜VM5を示す情報がトナー付着量算出部42eに出力される。
なお、平均出力電圧VsとVcの両方が有効範囲内に入っている場合、または、両方が有効範囲内に入っていない場合には、現像バイアス電圧Vbが−100〔V〕〜−300〔V〕の範囲では、ベタパッチPSが選択され、現像バイアス電圧Vbが−300〔V〕〜−500〔V〕の範囲では、非ベタパッチPCが選択される。
これは、次の理由による。
すなわち、図9のグラフに示すように、現像バイアス電圧Vbが−100〔V〕〜−300〔V〕の範囲では、ベタパッチPSに対する平均出力電圧Vsaは、現像条件の変化によるバラツキが、非ベタパッチPCに対する平均出力電圧Vcaよりも小さく安定しているためにトナー付着量をより精度良く測定することができる。
一方、現像バイアス電圧Vbが−300〔V〕〜−500〔V〕の範囲では、グラフの傾きの大きさの違いにより、非ベタパッチPCの方がベタパッチPSよりもトナー付着量をより高精度で測定することができるからである。
(1−8)トナー付着量の算出
図6に戻り、トナー付着量算出部42eは、パッチ選択部42dにより選択されたパッチの平均出力電圧VM1〜VM5に対応するトナー付着量〔g/m2〕を、トナー付着量LUT42fに格納されているベタパッチ平均出力電圧/付着量対応情報と非ベタパッチ平均出力電圧/付着量対応情報(図10と図11のグラフに相当)に基づき求める。
例えば、パッチP1〜P3では、ベタパッチPS1〜PS3が選択され、パッチP4〜P5では、非ベタパッチPC4〜PC5が選択されたと仮定すると、ベタパッチPS1〜PS3に対しては、ベタパッチ平均出力電圧/付着量対応情報が参照され、非ベタパッチPC4〜PC5に対しては、非ベタパッチ平均出力電圧/付着量対応情報が参照される。
具体的に、図10のグラフにおいて、ベタパッチPS1に対する出力電圧VM1が1〔V〕であれば、トナー付着量が2〔g/m2〕と求められ、図11のグラフにおいて、非ベタパッチPC5に対する出力電圧VM5が0.7〔V〕であれば、トナー付着量が4.3〔g/m2〕と求められる。
これにより、パッチP1〜P5ごとに、ベタパッチPSと非ベタパッチPCのうち選択された方のパッチに対するトナー付着量X1〜X5を求めることができる。
なお、パッチP1〜P5を形成したときの現像バイアス電圧Vbは、予め−100〔V〕〜−500〔V〕であることが判っているので、トナー付着量Xと現像バイアス電圧Vbの対応関係、例えばトナー付着量X1に対して現像バイアス電圧Vbが−100〔V〕といった関係も予め決められている。
(1−9)現像特性の決定
現像特性決定部42gは、パッチP1〜P5ごとに、そのパッチを形成したときの現像バイアス電圧Vbと、ベタパッチPSと非ベタパッチPCのうち、選択された方のパッチに対するトナー付着量X1〜X5に基づいて、現像バイアス電圧Vbとトナー付着量Xとの関係(現像特性)を決定する。
図12は、決定された現像特性を表すグラフ(実線)の例を示す図であり、現像特性を示すグラフ(実線)は、パッチP1〜P5ごとに、ベタパッチPSと非ベタパッチPCのうちパッチ選択部42dで選択されたパッチに対して、トナー付着量算出部42eで算出されたトナー付着量X1〜X5を○印でプロットし、その各点間を直線で結んでなる。
同図では、ベタパッチPS1〜PS3、非ベタパッチPC4、PC5が選択された場合の例が示されているが、この例の比較として、選択されなかった非ベタパッチPC1〜PC3、ベタパッチPS4、PS5についても、その付着量を×印でプロットすると共に各点を破線で結んだグラフも参考に併記している。
なお、各点を直線で結んだのは、現像バイアス電圧Vbとトナー付着量Xとが、現像バイアス電圧Vbの絶対値の増加によってトナー付着量Xが比例的に変化する関係にあることが予め求められているからである。比例的な関係がない構成であれば、その構成に適した補間方法を予め求めておくことにより、各点を結んでグラフを生成することができる。
現像特性決定部42gは、トナー付着量算出部42eで算出されたトナー付着量X1〜X5に基づき、同図に示すグラフのような現像バイアス電圧Vbとトナー付着量Xとの対応関係を求め、求めた対応関係を現時点での自装置の現像特性と決定して、このデータを記憶する。
記憶された現像特性(図12)は、以降、通常のプリントなどの画像形成ジョブを実行する際に、プロセス条件設定部42mにより利用される。なお、現像特性は、画像安定化制御の実行ごとに、その時点で求められたものに決定されるので、時々更新されていくことになる。
(1−10)プロセス条件の設定
図6に戻り、プロセス条件設定部42mは、画像形成ジョブごとに、そのジョブに適したプロセス条件(画像形成条件)を設定するものであり、現像特性決定部42gに記憶されている現像特性(図12)に基づき、その画像形成ジョブに適した現像バイアス電圧Vbを求めると共に、現像以外の帯電や露光などの条件を必要に応じて補正する。
具体的には、(a)実行すべき画像形成ジョブの画質モードを操作部40から取得する。画質モードは、ユーザーにより操作部40から指定される。
(b)取得した画質モードに適したトナー付着量を求める。
画質モードに適したトナー付着量は、予め決められており、例えば文字モードであれば、5〔g/m2〕、写真モードであれば、3〔g/m2〕といった具合である。文字モードの場合、文字画像を高濃度で再現した方がシャープに見え、写真モードの場合、中間調の再現性を上げるためにトナー付着量(濃度)を少し抑えるものである。他のモードがある場合には、そのモードに適したトナー付着量の値が予め設定される。
ここで求めたトナー付着量が、その画質モードで感光体ドラム11Y上にトナー画像を形成する際の目標濃度になる。
(c)求めたトナー付着量(目標濃度)に対する現像バイアス電圧Vb(画像形成条件)を、現像特性決定部42gに現に記憶されている現像特性から求める。例えば、図12に示すグラフの例であれば、文字モードの5〔g/m2〕に対し、現像バイアス電圧Vbが−400〔V〕、写真モードの3〔g/m2〕に対し、現像バイアス電圧Vbが−280〔V〕になる。
(d)現像バイアス電圧Vb以外の画像形成条件、例えば帯電量(帯電電圧または電流)と露光量(発光量)を、求めたトナー付着量に基づき補正する。このような補正を行うのは、ユーザーにより指定された画質モードにできるだけ適した画質の画像形成を行えるようにするためである。
すなわち、本実施の形態の画像形成ユニット10Yでは、基準のトナー付着量X0の画像を形成するのに適した帯電量と露光量の基準値Zsが予め決められている。ところが、画質モードの指定によってトナー付着量が基準のX0から変更された場合、帯電量と露光量が基準値Zsのままでは、変更後のトナー付着量の画像を得られないおそれが生じる。
そこで、帯電量と露光量を変更後のトナー付着量に適した値に補正して、補正後の帯電量と露光量に基づき画像形成を行うとするものである。トナー付着量と、帯電量と露光量の関係は、予め実験から求められて、その情報がプロセス条件LUT42hに格納されており、帯電量と露光量の補正の際に読み出されて利用される。なお、画質モードに対するトナー付着量が基準のX0のまま変わらなければ、帯電量と露光量の補正は不要なので、基準値Zsがそのまま用いられる。
プロセス条件設定部42mは、実行すべき画像形成ジョブの画質モードに適した現像バイアス電圧Vbと帯電量と露光量(画像形成条件)を求めると、これらの全ての画像形成条件を、当該画像形成ジョブを実行するためのプロセス条件として設定し、設定したプロセス条件をユニット制御部45Yに送る。
ユニット制御部45Yは、当該画像形成ジョブの実行に際し、プロセス条件設定部42mで設定されたプロセス条件で帯電、露光、現像が行われるように、帯電器12Y、露光器13Y、現像器14Yを制御する。これにより、ユーザーにより指定された画質モードに適したプロセス条件に基づく画像形成動作が実行される。
なお、上記では、画像形成ユニット10Yの制御について説明したが、他の画像形成ユニット10M〜10Kについても同様の制御が実行される。また、感光体ドラム11Y上にトナー画像を形成する際の目標濃度に対する画像形成条件として、現像バイアス電圧Vb、帯電量、露光量の3つの条件を設定するとしたが、これに限られず、例えば帯電量と露光量の補正が不要であれば、これらの設定を行わずに、現像バイアス電圧Vbだけを設定する構成としても良い。
以上説明したように、本実施の形態において、現像特性の設定は、低濃度域についてはベタパッチPSの検出結果を用い、高濃度域については非ベタパッチPCの検出結果を用いてする構成とした。これにより、ベタパッチのみの検出結果を用いて現像特性の設定をしているため、高濃度域の検出精度の低下により画像形成条件を適切に設定することができない従来一般の画像形成装置と比較して、再現画像の画質向上を図ることができる。
また、従来、ベタパッチPSの厚みを撮像手段により検出することによりトナー付着量を特定する構成とした画像形成装置もあるが、本実施の形態では、ベタパッチPSと非ベタパッチPCの付着量を検出できるセンサー等を備えれば足りるため、高価な撮像手段を備える必要がなく、経済性を損なうことも防止できる。
(2)階調補正について
(2−1)階調補正LUT(Look Up Table)の作成
既述のように、階調補正は、複写機が物理的特性として有する階調再現性と、所望の階調性の差異を解消するように、入力信号を変換してから画像形成することである。
その手段として用いられる階調補正用の階調補正LUT(Look Up Table)42nの作成方法について説明する。なお、階調補正LUTの作成および後述する階調補正LUTの修正は、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kのいずれも同様に行われるため、これまでの説明と同様、画像形成ユニット10Yを代表に説明し、画像形成ユニット10M,10C,10Kについての説明は省略することとする。
階調補正LUT42nは、入力された階調データと出力画像の濃度が、所望の相関関係(一般的には、直線的な関係であり、本例でもそのようにする。)になるように階調変換するためのものである。なお、階調補正LUT(Look Up Table)およびその作成方法は周知の技術なので、ここでは、簡単に説明するに止める。
図13に、階調補正LUT42nを作成するために感光体ドラム上に形成する階調補正用パターンCHを示す。階調補正用パターンCHは、図13に示すように、複数のトナーパッチPh255〜Ph0が連続して形成されてなる帯状をしたトナーパターンである。
トナーパッチPh255〜Ph0は、階調値255を先頭に階調値0まで、順次1階調分ずつ小さくなるように形成されている。
各トナーパッチPh255〜Ph0は、前記ビームスポットS(図4)よりも大きく、当該ビームスポットS全体がトナーパッチにすっぽりと入るようになっている。
階調補正用パターンCHは、IDCセンサー45Yによる検出ラインLs(図2)が、その幅方向の中心を通る位置に形成される。
本実施の形態において、階調値0〜階調値255の各階調間における階調差は、ディザ法や誤差拡散法などの擬似階調方式により表現されている。したがって、階調値255のトナーパッチPh255は、各ドット位置全てにトナーが付着しているのに対し、階調値が小さくなるほど、トナーが付着されていないドット位置が増加している。ちょうど中間に存する階調値127Ph127のトナーパッチは、トナーが付着しているドット位置と付着していないドット位置がほぼ同数であり、B/W比が50〔%〕になっている。
階調補正用パターンCHは、階調データに基づいてユニット制御部45Y(図6)の制御により形成される。この場合、現像バイアス電圧Vbは、例えば、階調値255のトナーパッチPh255におけるトナー付着量(すなわち、最高濃度)が4〔g/m2〕となるような値、例えば、−350〔V〕に設定される。
トナー付着量が4〔g/m2〕となるような値は、現像特性決定部42gが記憶している現像特性(図12)により求められる。階調補正LUT42nを作成するに際し、最高濃度をトナー付着量4〔g/m2〕とするのは、本例において、階調再現性が最も求められる中間調の領域が多く、かつ形成される頻度の高い画像(例えば、「文字/写真モード」で指定される画像)の再現に最適だからである。もっとも、この値は、あくまでも一例であり、適用される機種ごとに最適な値が予め実験などにより決定される。
なお、その他のプロセス条件は、現像特性(図12)を求めたときと同じである。
感光体ドラム11Y上に形成された階調補正用パターンCHを、先頭の階調値255のトナーパッチPh255から最後の階調値0のトナーパッチPh0をIDCセンサー45Yによって検出し、検出結果から各トナーパッチPh255〜Ph0の濃度値を求める。求められた濃度値に基づいて、階調補正LUT42nを作成する。
具体的には、例えば、以下のように作成される。
A/D変換器42b(図6)は、各トナーパッチPh255〜Ph0のIDCセンサー45Yによる検出結果である平均電圧(V255〜V0)を図14に示す第2テーブルに、トナーパッチPh255〜Ph0毎に格納する。なお、この平均電圧は、上述したパッチP1(PS1,PC1)〜P5(PS5,PC5)のとき(図8)と同様にして求められる。
そして、階調補正LUT作成・修正部42jは、平均電圧に対応する濃度値を求めて、第2テーブルの対応する欄に格納する。この濃度値は255〜0階調で表される。IDCセンサーから出力される検出電圧と濃度値との関係は、予め求められていて、センサー出力−濃度値テーブル(不図示)として、階調補正LUT作成・修正部42jに格納されている。
図15(a)は、入力された階調データに対する出力画像の濃度検出値の相関関係、すなわち、階調値0〜255のトナーパッチPh0〜Ph255の検出濃度値を示している。
この場合に、例えば、階調値127のトナーパッチPh127(すなわち、階調データ値が「127」に設定されているトナーパッチ)を検出して得られた濃度値ID127 が176であったとすると、本来の濃度値よりも「49」だけ高いことになるので、入力された階調データ値が127のときに、この階調データ値を約27.8%(49/176=0.2784…)少ない値、すなわち、91.5に変換した上で、画像を形成するように設定する。実際は、階調データ値は、8ビットのデジタルデータなので、91.5の小数点以下を四捨五入して、92に変換する。すなわち、この場合は、入力された階調データ値127を35階調値分少なくなるように補正した上で、実際の画像を形成する。
上記を各トナーパッチPh255〜Ph0について実行することにより、最終的に図15(b)に示す階調補正LUT42nが得られる。以下、階調補正LUT42nを作成するために、入力された階調データ値に対して加減する階調値(上記の例では、35階調値)を「補正量」と称する。
階調補正LUT42nは、例えば、図16(a)の表に示すように、プリンター100の設置時に作成されて後は、画像形成が200枚なされる度に作成し直されて、更新される。
また、現像特性の決定(現像バイアス電圧の決定)をした場合は、これに同期するようにして、必ず、階調補正LUT42nの更新がなされる。現像特性の決定(現像バイアス電圧の決定)は、例えば、図16(a)の表に示すように、プリンター100の設置時に実行されて後は、画像形成が1000枚なされる度に実行されるように計画されており、階調補正LUT42nの更新の5回に1回は、現像特性の補正と階調補正LUT42nの更新とが一緒になされることとなる。
しかしながら、上述したように、トナーパッチを形成するためのトナーの消費量を抑制したいといった要請がある。そこで、本実施の形態では、現像特性の決定の際には、階調補正LUT42nの更新は実行しない、すなわち、階調補正用パターンCHは形成しないこととした。その代わりに、階調再現性を担保するため、現像特性を決定する際に用いられるトナーパッチを利用して、階調補正LUT42nの修正をすることとした。
(2−2)階調補正LUTの修正
階調補正LUT42nの修正は、階調値127に相当するトナーパッチをIDCセンサーで検出し、当該検出結果に基づいて行う。
本例では、現像特性(現像バイアス電圧)の決定の際に形成した、非ベタパッチPC1〜PC5(図2)を利用する。非ベタパッチPC1〜PC5を利用するのは、B/W比が上記階調補正用パターンCHにおける階調値127のトナーパッチと同じ50〔%〕であり、中間調のパッチとみなされるからである。もっとも、この5枚全てを利用する必要は無く、後の説明から理解されるように、少なくとも2枚あれば足りる。
また、中間調の階調値を有する画像データに対応するトナーパッチを階調補正LUT42nの修正に用いるのは、中間調の領域が、湿度等の環境変化や感光体ドラムの劣化などの影響を受けて、0階調付近や255階調付近よりも変動しやすいからである。
図8に示す第1テーブルに基づいて作成される、現像バイアス電圧と非ベタパッチPC1〜PC5との関係を示すグラフを図17に示す。このグラフは、階調補正LUT作成・修正部42jによって作成される。
階調補正LUT作成・修正部42jは、当該修正の前(直前)に階調補正LUT42nの作成のための階調補正用パターンCHを形成したときの現像バイアス電圧(本例では、Vb=−350〔V〕)に対応する平均出力電圧Vchを、現像バイアス電圧が−300〔V〕と−400〔V〕とにおけるそれぞれの非ベタパッチPC3、PC4の平均出力電圧Vc3、Vc4から線形補間により求める。
そして、当該平均出力電圧Vchを上記センサー出力−濃度値テーブル(不図示)を参照して濃度値に変換する。
例えばVb=−350〔V〕に対応する非ベタパッチの濃度値が192であったとする。この場合の補正階調データを上述したのと同様にして求める。階調値127で再現されるべきところ、検出して得られた濃度値が192であったので、本来の濃度値よりも「65」だけ高いことになる。そこで、入力された階調値が127のときに、この階調データ値を約33.9%(65/192=0.3385)少ない値、すなわち補正階調データ84に変換した上で、画像形成する必要がある。この場合の補正量は「43」(=127−84)である。
ここで、上記のようにして求めた補正階調データ「84」と現在の階調補正LUT42nにおける入力階調データ値「127」に対する補正階調データ「92」と比較すると、「8」階調値分小さい。すなわち、現在の階調補正LUT42nにおける入力階調データ値「127」に対する階調特性は、8階調分濃い側にシフトしていると判断される。そこで、図18(a)に実線で示す階調補正LUT42nにおいて、階調データ127に対応する補正階調データを8階調分だけ階調値が小さくなるように修正する。
また、階調データ0〜126および階調データ128〜255の範囲については、例えば、以下のように修正する。
先ず、当然のことながら、最低の階調データ0に対する補正階調データは0とする。また、最高の階調データ255に対する補正階調データも255とする。これは、現像特性(現像バイアス電圧)の決定で、現像バイアス電圧Vb=−350〔V〕において、トナー付着量が4〔g/m2〕となる階調値255の再現画像が保障されているからである。
そして、階調データ2〜126および階調データ128〜254の範囲については、図19に示すように直線的に補間(線形補間)する。
図19は、横軸xに階調値、縦軸yに修正量を採ったx−y直交座標である。上記の通り階調値0と階調値255の修正量は「0」であり、階調値127の修正量は「8」であるので、(x,y)=(0,0)、(127,8)、(255、0)の点を順次直線で結んで図19に示す修正グラフを作成する。
そして、階調データ2〜126および階調データ128〜254の範囲の修正量については、当該修正グラフから対応するy軸の値を読んで決定する(具体的には、図19のこのようにして求められる修正グラフに対応する関数もしくはテーブルが設定され、それらに基づき階調データ2〜126および階調データ128〜254における修正量が決定される。)
この場合、修正量(階調数)は、整数であるため、小数点以下は四捨五入する。例えば、階調値63、64では、階調値127の略半分なので、修正量は「4」となる。
上記のようにして作成した修正後の階調補正LUT42nを、図18(a)に破線で示し、当該修正後の階調補正LUT42nのみを図18(b)に実線で示す。
階調補正LUT42nの修正は、図16(b)の表に示すように、プリンター100の設置以降、現像特性の決定(現像バイアス電圧の決定)に引き続いてなされる。
上記では、主にイエローの現像色に対応する信号処理部42Yで実行される画像安定化処理について説明したが、他の現像色についても全く同様にして画像安定化処理が実行される。
このように図19の修正グラフは、いわば階調値127の修正量Gに対する他の階調値の修正量の相関関係を示しており、このような相関関係は、一般的な階調特性から経験的に設定し得るので、これにより中間調における修正量Gさえ分かれば、階調補正LUTを適切に修正することが可能である。
以上、本実施の形態では、所定の頻度(本例では、前回からの画像形成枚数が200枚になる度)で実施すべき階調補正LUTの更新処理のうち、現像特性決定処理の際に行うべき階調補正LUT更新処理については、階調補正LUT修正処理を実行するようにしている。
上記のように現像特性決定処理の直後には、階調補正LUT修正処理が実行されるので、階調再現性は担保される。しかも、その際に利用する階調値127に対応トナーパッチの濃度検出は、もともと現像特性決定処理のために形成された非ベタパッチ(チェックパターン)の検出値を利用して取得されるものであるため、階調補正LUT修正処理のため、新たにトナーパッチを形成する必要がない。
これにより階調補正のためのトナー消費量を節約できると共に、従来、階調補正LUT更新のため実行していた全階調値に対するパターンを形成に要していた時間を割愛することができ、現像特性決定処理実行時における画像安定化処理全体の時間が短くなり、直後に実行されるプリントジョブの待ち時間も短縮化される。
(変形例)
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施の形態における現像特性の決定では、現像バイアス電圧Vbを−100〔V〕〜−500〔V〕の範囲内で100〔V〕単位で切り替えて、1つの現像バイアス電圧Vbに対してベタパッチPSと非ベタパッチPCの両方を形成する構成としたが、これに限られない。
例えば、低濃度域については、ベタパッチPSのみ、高濃度域については非ベタパッチPCのみを形成する構成をとることもできる。ベタパッチPSについては第1有効範囲に入らないことが明らかなもの、上記の図2では、例えばPS4やPS5などを形成しないとしても良い。同様に、非ベタパッチPCについては第2有効範囲に入らないことが明らかなもの、例えばPC1やPC2などを形成しないとしても良い。
もっとも、最適トナー付着量(4g/m2)に対応すると予想される現像バイアス(最適現像バイアス)の範囲は、ある程度は決まっているので、その電圧を挟む前後のバイアス電圧(上記実施の形態では、−300〔V〕と−400〔V〕のとき)については、必ず非ベタパッチが形成される必要がある。
また、場合によっては、現像特性決定処理において、上記実施の形態のように非ベタパッチを利用しない従来の構成を実施する場合もあり得る。
この場合には、少なくとも、間に最適現像バイアスが存在する蓋然性が一番高い現像バイアス時(実施の形態では、−400〔V〕と−300〔V〕のとき)に、上記と同じ画像データの階調値が127と見なすことができる非ベタパッチを、ベタバッチと合わせて自動的に形成させて、その検出値を線形補間して最適現像バイアスにおける非ベタパッチの検出濃度値を求めることによっても、上記と同様な階調補正LUT修正処理が行える。
このようにしても、従来のように現像バイアス更新処理後に改めて全階調値に対応するトナーパッチを形成して階調補正LUT更新処理を実行する必要がないので、トナー消費の節約、画像安定化処理時間の短縮化の効果が得られる。
(2)上記実施の形態では、非ベタパッチPCの形状を格子状としたが、格子状に限られず、所定領域内にトナー付着部と非付着部とが混在する形状であれば良い。例えば、円形や角形のトナー付着部が孤立点として、その隣り合うもの同士が間隔を開けて配列してなるドット状のものとすることができる。
また、非ベタパッチPCのトナー付着部および非付着部と、ビームスポットSとの大小関係は、エッジ効果が得られるように、ビームスポットS内に、トナー付着部の少なくとも一部と非付着部の少なくとも一部が入るような大きさに設定される。すなわち、ビームスポットSの径がトナー付着部の幅よりも狭くならず、トナー付着部のエッジがビームスポットS内に入り、かつ、擬似的に目的の中間調(実施の形態では階調値127)を示すように工夫される。
また、現像バイアス電圧Vbの値(−100〔V〕〜−500〔V〕)、低濃度域と高濃度域の境界を示すトナー付着量の所定値(=4〔g/m2〕)などが、上記の値に限られないことはいうまでもない。
なお、所定領域に対するトナー付着部の面積の比率(B/W比)を50〔%〕としたが、これに限られず、装置構成に応じてB/W比が50〔%〕よりも大きいまたは小さい値の非ベタパッチPCを用いることもできる。
もちろん、B/W比が50〔%〕でない場合には、当該非ベタパッチPCに対応する階調値は「127」ではなくなるので、予めそれらのB/W比に対応した別の階調値が設定され、階調補正LUT修正処理においては、当該階調値に対応する修正量に基づき、予め求められた他の補正グラフを図19で説明したのと同様にして作成して、他の階調値の修正量が線形補間により決定される。
(3)上記実施の形態では、現像バイアス電圧(画像形成条件)とトナー付着量との関係に基づく現像特性を決定する構成例を説明したが、現像特性に限られず、例えば帯電特性や露光特性などの画像濃度特性を取得し、目的の最高濃度を得るための帯電電圧(帯電電流)や露光用のレーザーダイオードの出力などの画像形成条件を決定する構成にも適用することができる。
具体的には、Y色の帯電特性の場合、帯電以外の露光や現像条件を一定にしつつ、画像形成条件として帯電電圧または帯電電流を、相互に異なるTc1〜Tcnのn段階に切り替えて、Y色のベタパッチPSと非ベタパッチPCを一対とするパッチP1〜Pnを感光体ドラム11Y上に順次、形成し、形成されたパッチP1〜Pnのパッチごとに、そのパッチに含まれるベタパッチPSと非ベタパッチPCをIDCセンサー41Yで検出する。
ベタパッチPSと非ベタパッチPCのそれぞれがIDCセンサー41Yで検出されると、上記の現像特性の決定方法と同様に、低濃度域についてはベタパッチPSの検出結果を用い、高濃度域については非ベタパッチの検出結果を用いて、帯電電圧または電流とトナー付着量との関係(帯電特性)を求めることができる。露光についても同様である。
(4)上記実施の形態では、感光体ドラム上にトナーパッチを形成し、感光体ドラム上に形成されたトナーパッチのトナー付着量をIDCセンサーによって検出する構成例を説明したが、トナーパッチの形成は、像担持体であれば感光体ドラムに限られず、例えば感光体ベルト、中間転写ベルトや中間転写ドラム等の中間転写体であっても良い。
また、IDCセンサーとして、発光部からレーザー光を感光体ドラム上に向けて出射し、感光体ドラム表面からの反射光を受光部で受光する、所謂反射型の光学センサーを用いた例を説明したが、反射型に限られず、例えば像担持体が透光性を有するものである場合には、透過型の光学センサーを用いることもできる。
(5)上記実施の形態における階調補正LUT修正処理においては、階調データ2〜126および階調データ128〜254の範囲の修正量は、図19に示すような階調127の補正量を頂点とした三角形状の修正グラフを予め想定して、当該修正グラフに対応する関数もしくはテーブルにより求めたが、修正グラフの形状はこれに限らない。
また、修正グラフの形状をユーザーが変更可能なように構成しても構わない。例えば、プリンター100の操作パネル40もしくはプリンター100に接続された端末を修正受付手段として、ユーザーが、各階調値に対応する変化率を入力することにより、修正グラフ(具体的には対応する関数あるいは、テーブル。以下、同じ。)が適宜変更されるようにしても構わない。
さらに、階調補正LUT修正処理における各階調値に対応する変化率を過去の階調補正LUT更新処理における各階調値における補正量を参照して、自動的に更新するようにしても構わない。
このような構成について、図16(b)の表に示す画像形成枚数2000枚目にする修正を例にして説明する。
まず、1400枚目、1600枚目、および1800枚目の各階調補正LUT更新処理の際に、前回の更新で作成した階調補正LUTからの変化率を算出する。具体的には、階調値127における階調値の今回に対する前回の変化率を100〔%〕とし、階調データ2〜126および階調データ128〜254の各々における今回に対する前回の変化率を算出する。
そして、こうして得られた3回分の変化率(1200枚目〜1400枚目、1400枚目〜1600枚目、1600枚目〜1800枚目)の平均を階調値各々で算出する。
得られた平均変化率を用いて、画像形成枚数2000枚目の修正をする。例えば、上述した例と同様、階調値127における修正量が「8」だったとすると、階調値127における補正階調データが「8」階調値分少なくなるように修正する。
そして、例えば、階調値64に対する平均変化率が60〔%〕だったとすると、当該階調値64における修正量を5(≒4.8=8×0.6)とし、階調値64における補正階調データが「5」階調値分少なくなるように修正する。
この修正を、階調値毎に、各階調値について算出した平均変化率を用いて実行する。
このように過去の階調補正LUT更新処理における前回階調補正LUTに対する各階調値の変化率(割合)を参照して、階調値127の修正量に対する他の階調の修正率を求めて階調補正LUT修正処理を実行することにより、図19に示す修正グラフよりも現実の階調特性の変動傾向を一層反映した修正が可能となる。
なお、上記の例では、直前の3回の階調補正LUT更新処理の各回において求められた変化率の平均値を求めたが、直近の4回以上の階調補正LUT更新処理を対象としてもよいし、また、直前の2回の階調補正LUT更新処理を対象としてもよい。また、各回の階調補正LUT更新処理で得られた各階調値の変化率の平均値ではなく、各回の変化率の増加あるいは減少の程度により次の変化率を予想するようにしても構わない。
あるいは、直前の1回のみの階調補正LUT更新処理のみを対象として、階調127の変化率を100%とした場合の各階調値の変化率を求めてもよい。少なくとも図19の線形補間の場合よりも精度よく階調補正LUTを修正できると解されるからである。
(6)また、上記実施の形態における階調補正LUT修正処理では、現像特性決定処理に引き続き、当該更新処理で使用された非ベタパッチの検出値を用いて、中間調の代表として階調値127について修正量を求め、これにより階調補正LUT全体を修正するようにした。しかし、中間調の階調の代表値として必ずしも、「127」である必要はなく、また1つの階調値のみならず2以上のN個(Nは、階調補正LUT更新処理において作成するトナーパッチの階調数(実施の形態では「256個」)よりも少ない数)の階調値について現像特性決定処理時にトナーパッチを作成して、各階調値について階調補正LUTの修正量を求めた後、それ以外の階調値の補正量について補間するようにすれば、さらに階調補正LUT修正処理の精度があがるものと考えられる。
この場合でも、階調補正LUT更新処理時のように全ての階調についてトナーパッチを形成することがないため多少なりともトナー消費の軽減に貢献するし、しかも現像特性決定処理時にそれらのトナーパッチを合わせて描画して検出しておけばよく、最適現像バイアス確定後、改めてトナーパッチを描画して検出する必要がないので、画像安定化処理全体として時間の短縮化を図れる。
(7)上記実施の形態における階調補正では、現像特性決定処理に引き続き、当該更新処理で使用された非ベタパッチの検出値を用いて、中間調の代表として階調値127について修正値を求め、これにより階調補正LUT全体を修正するようにした。
しかしながら、階調値127について求められた修正量が、あまりにも大き過ぎると、他の階調値における変動量も大きいものと考えられ、もはや階調値127の修正量のみから他の階調値における階調補正LUTの修正量の推定が困難であると解される。
そこで、本変形例では、階調値127の修正量が所定の閾値を超える場合には、階調補正LUTの修正処理を実施せず、通常の更新処理を実行するようにしている。
図20は、この場合に制御部50(図1)で実行される画像安定化処理の内容を示すフローチャートであり、カラー画像形成装置100の全体を制御するメインフローチャート(不図示)のサブルーチンとして実行されるものである。
まず、現像特性決定のタイミングになったか否かを判定する(ステップS101)。既述のように、例えば、前回の現像特性決定処理終了の度に、内部のカウンターで画像形成枚数を累積してカウントしていき、その枚数が、1000枚以上となったときに、現像特性決定のタイミングであると判定する(ステップS101:YES)。
そして、現像バイアスを変化させて、各現像色について図2に示すトナーパッチ(ベタパッチ、非ベタパッチ)を対応する感光体ドラム上に形成し、それらを光学的に検出し、各現像バイアスにおけるトナー付着量を取得して、図12に示すような現像特性のグラフを得る現像特性決定処理を実行する(ステップS102)。
その後、当該決定された現像特性から、通常の画像を形成するために最適な現像バイアスを決定し(上記実施の形態では、−350〔V〕)(ステップS103)、現像バイアスを当該決定された電圧に切り換えて現像スリーブに印加する。
上記ステップS102の現像特性決定処理において検出された非ベタパッチの検出値を、線形補間により上記決定された最適な現像バイアスにおける非ベタパッチの濃度値に換算する(図17参照)(ステップS104)。
この換算値から階調補正LUTの階調値127に対応する部分の修正量Gを算出し(ステップS105)、算出された修正量Gと予め定められた閾値Gref(例えば、「20」)と比較する(ステップS106)。
当該修正量Gが、閾値Gref以下の場合は(ステップS106でYES)、上記実施の形態で説明した通り階調補正LUT修正処理を実行し(ステップS107)、メインフローチャートにリターンする。
もし、修正量Gが閾値Grefを超えている場合は(ステップS106でNO)、階調補正LUT修正処理を禁止して、256階調の全階調値に対応するトナーパッチを形成して階調補正LUTの更新処理を実行する(ステップS109)。その後、メインフローチャートにリターンする。
なお、閾値Grefの値は、上記階調幅(20階調)に限定されるものではない。一般的には、階調値127における修正値Gに基づいて階調補正LUT全体を修正しても、他の階調値の再現性に問題が生じないと解される範囲内で最大の値が設定されるのが望ましく、機種ごとに例えば実験などにより決定される。
ステップS101において、現像特性決定のタイミングではないと判定された場合には(ステップS101でNO)、次に階調補正LUTの更新のタイミングであるか否かを判定する(ステップS108)。このタイミングは、既述のように前回の階調補正LUT更新処理もしくは修正処理からの累積画像形成枚数が200枚に達したときに実行される。
ステップS108において、階調補正LUT更新のタイミングであると判定されれば(ステップS108でYES)、階調補正LUT更新処理を実行し(ステップS109)、階調補正LUT更新のタイミングではないと判定されれば(ステップS108でNO)、そのまま、メインフローチャートにリターンする。
メインフローチャートでプリントジョブを実行する際に、上記ステップS107、S109で階調補正LUTが修正もしくは更新された場合には、当該修正・更新された新たな階調補正LUTに基づいてプリントデータが階調補正されることにより、高い階調再現性を有する画像が記録シート上に形成される。
このように、本変形例では、希に階調補正LUT修正処理において求めた修正量Gが一定の閾値を超える大きな値である場合には、トナーの消費量の節約や画像安定化処理時間の短縮化よりも、画質の劣化の防止を優先して、階調補正LUT更新処理を実行するようにしている。
(8)上記実施の形態では、累積画像形成枚数が所定の枚数になるタイミングで、画像安定化処理を実行しているが、当該タイミングに代えて、あるいは、当該タイミングに加えて、以下のタイミングで実行しても構わない。
(i)プリンター100の電源がONされたとき
(ii)節電のためのスリープ状態から画像形成動作を実行するためのスタンバイ状態に復帰したとき
(iii)プリントジョブ受け付けた後、当該ジョブの開始前
(iv)操作部40(図1,図6)を介して、ユーザーまたはサービスマンからの画像安定化処理実行指示を受け付けたとき
(v)メンテナンス用のドアが、閉じられたことがドアスイッチなどにより検出されたとき
(vi)プリントジョブを実行中に装置内温度および/または湿度が所定値を超えたとき、
(この際、プリントジョブは一時中断して画像安定化処理が実行される)
(vii)プリントジョブが終了した直後
上記(i)〜(vii)のうちの一つ若しくは複数のタイミングが画像安定化処理実行のタイミングとして選択されてもよい。
なお、上記のうちどのタイミングで、画像安定化処理のうち、(a)現像特性決定処理+階調補正LUT修正処理、もしくは(b)階調補正LUT更新処理のいずれを実行するかは、予め決定されているが、上述のように(b)の階調補正LUT更新処理の必要性が、(a)の現像特性決定処理の必要性よりも高いことは既述の通りであり、実行頻度も(b)の方が多くなるように決定される。
(9)上記実施の形態では、本発明に係る画像形成装置をタンデム型カラープリンターに適用した場合の例を説明したが、これに限られない。カラーやモノクロのいずれの画像形成を実行可能であるかに関わらず、感光体ドラムや中間転写体などの像担持体にトナーパッチを形成し、像担持体上に形成されたトナーパッチを光学的に検出して、その検出結果に基づき画像濃度特性を設定する構成の画像形成装置であれば、例えば複写機、ファクシミリ装置、MFP(Multiple Function Peripheral)等に適用できる。
また、上記実施の形態及び上記変形例の内容は、可能な限り組み合わせても構わない。
本発明に係る画像形成装置は、例えば、プリンター、複写機、ファクシミリ、またはこれらの機能を有する複合機などであって、定期的に画像安定化処理を実施するものに利用可能である。
11Y,11M,11C,11K 感光体ドラム
41Y,41M,41C,41K IDCセンサー
42g 現像特性決定部
42j 階調補正LUT作成・修正部
42m プロセス条件設定部
42n 階調補正LUT
50 制御部
100 プリンター
CH 階調補正用パターン
PS ベタパッチ
PC 非ベタパッチ

Claims (11)

  1. 像担持体上にトナー画像を形成する画像形成装置であって、
    画像形成条件を異ならせて、単位面積当たりのトナー付着量の異なるトナーパッチを前記像担持体上に形成し、当該トナーパッチの濃度を光学的に検出して、その検出結果に基づき、目標とする最高濃度を得るための画像形成条件を決定する第1画像安定化処理を実行する第1画像安定化手段と、
    上記決定された画像形成条件下で、階調値の異なる階調データに基づき形成された複数のトナーパッチからなる階調補正用パターンを形成し、当該階調補正用パターンの各トナーパッチの濃度を光学的に検出して、その検出結果に基づき、階調補正テーブルを作成する第2画像安定化処理を、第1画像安定化処理よりも高い頻度で実行する第2画像安定化手段と、
    中間調の階調値の階調データに基づき像担持体上に形成されたトナーパッチであって、前記階調補正用パターンを構成するトナーパッチの個数よりも少ない修正用トナーパッチの濃度を光学的に検出して、当該検出結果に基づき、その直前の回に作成された階調補正テーブルを修正する階調補正テーブル修正処理を実行する階調補正テーブル修正手段と、
    前記第1画像安定化処理と前記階調補正テーブル修正処理とを同一頻度で同期して実行し、第2画像安定化処理を第1画像安定化処理の非実行時に実行するよう制御する制御手段と、を備え、
    第1画像安定化手段は、第1画像安定化処理の実行時において、前記修正用トナーパッチの形成とその濃度の光学的検出とを併せて実行し、
    前記階調補正テーブル修正手段は、前記第1画像安定化処理においてなされた修正用トナーパッチの濃度の検出結果を利用して階調補正テーブル修正処理を実行する
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記階調補正テーブル修正手段は、
    前記修正用トナーパッチの濃度の検出結果に基づき、前記階調補正テーブルのうち、前記修正用トナーパッチに対応する階調値についての修正量を求め、当該修正量に基づき、他の階調値に対する修正量を推定することにより前記階調補正テーブルを修正する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記階調補正テーブル修正手段は、
    第1画像安定化処理においてなされた2つの異なる画像形成条件下で形成された修正用トナーパッチの検出の結果から、前記目標とする最高濃度を得るために決定された画像形成条件下における修正用トナーパッチの検出値を算出し、当該算出された検出値に基づいて、前記修正用トナーパッチに対応する階調値についての修正量を求める
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記階調補正テーブル修正手段は、
    前記修正用トナーパッチに対応する階調値の修正量に対する、他の階調値の修正量の相関関係を取得する取得手段を備え、
    当該取得した相関関係にしたがって、他の階調値における修正量を求める
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の画像形成装置。
  5. 前記取得手段は、
    予め設定された前記修正用トナーパッチに対応する階調値の修正量に対する他の階調値における修正量の相関関係を示すテーブルもしくは関数に基づいて、前記他の階調値における修正量を求める
    ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記他の階調値における修正量の、前記修正用トナーパッチに対応する階調値の修正量に対する相関関係の変更を受け付ける受付手段を備える
    ことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記取得手段は、
    直前に実行された1又は2回以上の第2画像安定化処理において作成された階調補正テーブルにおける各階調値の補正量を参照して、
    前記他の階調値における修正量の、前記修正用トナーパッチに対応する階調値の修正量に対する相関関係を取得する
    ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  8. 前記制御手段は、
    前記階調補正テーブル修正手段による修正用トナーパッチに対応する階調値における修正量が所定の値を超える場合は、当該階調補正テーブル修正手段による階調補正テーブル修正処理を禁止して、前記第2画像安定化手段による階調補正テーブルの作成処理を実行させる
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の画像形成装置。
  9. 前記第1画像安定化手段は、
    画像形成条件を異ならせて、前記像担持体上の第1領域に一様にトナーが付着したベタパッチと、前記像担持体上の第2領域に、前記ベタパッチよりも単位面積当たりのトナー付着量の多いトナー付着部とトナーが付着されない非付着部とが混在する非ベタパッチとを形成するパッチ形成部と、
    前記像担持体上のベタパッチと非ベタパッチのそれぞれのトナー付着量を光学的に検出する検出部と、
    前記ベタパッチの形成時の画像形成条件と前記ベタパッチの検出結果によるトナー付着量の関係と、前記非ベタパッチの形成時の画像形成条件と前記非ベタパッチの検出結果によるトナー付着量の関係との両方の関係に基づき、画像形成条件とトナー付着量の関係を示す画像濃度特性を決定する決定部と、
    決定された画像濃度特性から、前記像担持体上にトナー画像を形成する際の目標濃度に対する画像形成条件を設定する設定部と、
    を有し、
    前記非ベタパッチが前記修正用トナーパッチを兼ねることを特徴とする請求項1から8までのいずれかに記載の画像形成装置。
  10. 前記非ベタパッチは、
    トナー付着部の、前記第2領域に対する面積の比率が50〔%〕になるように形成されていることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 前記ベタパッチは、
    トナー付着部の、前記第1領域に対する面積の比率が100〔%〕になるように形成されていることを特徴とする請求項9または10に記載の画像形成装置。
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