JP2014135786A - 回転電機用ステータおよび回転電機 - Google Patents

回転電機用ステータおよび回転電機 Download PDF

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Abstract

【課題】分布巻きによりコイルが装着されるステータコアのスロット内への絶縁紙のステータ軸方向の挿入配置を容易にするとともに、絶縁紙およびコイルをしっかりとワニス固定する。
【解決手段】ステータコア28に形成される複数のスロット38内に絶縁紙50を介して分布巻きされたコイル30をワニス固定する回転電機用ステータであって、スロット38はステータ軸方向の両端部およびステータ径方向の一端部が開口するとともにステータ径方向の他端部がヨーク部34によって閉じられたスロット底面381を有し、スロット底面381に連なる周方向側面382,383がスロット底面381に接した位置でステータ周方向だけに凹んでスロット幅が広がった幅広部60となっている。
【選択図】図5

Description

本発明は、回転電機用ステータおよび回転電機に係り、特に、ワニスで絶縁紙およびコイルをステータコアに固定する回転電機用ステーアおよび回転電機に関する。
従来、例えば特許文献1には、回転電機のステータの製造方法において、スロット内に配置した絶縁紙およびコイルをワニスによってステータコアに固着することが記載されている。
また、特許文献2および3には、スロット内に絶縁紙を介してコイルを収容したステータまたはロータにおいて、角線からなるコイルの角部が干渉するのを避けるためにスロット角部に逃がし部を形成することが記載されている。
また、特許文献4〜6には、ステータコアの軸方向端部においてスロットの周方向幅を段部、テーパー面、または湾曲面によって径方向にわたって幅広に形成することにより、スロット開口部から外側へ延出するコイルを曲げ易くするとともにスロット端部のステータコアの角部との干渉によってコイルの絶縁性が低下するのを抑制することが記載されている。
特開2009−89459号公報 特開2003−324879号公報 特開平11−98722号公報 特開平4−210744号公報 特開2003−299289号公報 特開2003−88027号公報
上記の特許文献1では、ステータコアのスロット内に絶縁紙を配置するとき、ステータコアの内周側のスロット開口部から絶縁紙をスロット内に挿入して配置することが述べられている。しかしながら、スロットの内周側開口部の幅が狭くなっているステータコアでは、ステータコアの軸方向端面に開口するスロット開口部から略U字状に折り曲げられた絶縁紙を挿入して配置することがある。その場合、スロット内の径方向外側に位置する角部に絶縁紙の折角部が干渉することによって絶縁紙の挿入配置が行いにくいことがある。
また、ステータコアのスロットに絶縁紙を介して分布巻きにより装着されるコイルは、スロット内の占積率向上によってトルク発生効率を高めるために、スロット内にコイル導線がほぼ隙間なく収容されている状態とすることが好ましい。その場合、上記特許文献1に記載されるようにステータコアに対して絶縁紙およびコイルをワニスで固定するとき、ワニスがスロット内に流れ込む余地が少なく、絶縁紙およびコイルの固定状態が不安定になることがある。この対策として、特許文献2および3に記載されるようにステータコアにおいてティース部およびヨーク部に跨るような逃がし部を形成すると、ステータコアの電磁気特性に影響を与えてトルク発生効率の低下を招くことになり、同一トルク発生効率を得るためにはステータコアの軸方向長さを拡大することが必要になってモータの大型化につながる。
さらに、上記特許文献4〜6には、ステータコアの軸方向端部においてスロットの周方向幅を径方向にわたって幅広に形成することにより、スロット開口部から外側へ延出するコイルを曲げ易くするとともにスロット端部の開口角部との干渉によるコイルの絶縁性低下の抑制を図ることが記載されているが、スロット内への絶縁紙の軸方向からの挿入配置作業の改善策、および、ステータコアに絶縁紙を介して分布巻きされたコイルをワニス固定するときの固定状態が不安定になることに対する改善策を提供していない。
本発明の目的は、分布巻きによりコイルが装着されるステータコアのスロット内への絶縁紙の軸方向からの挿入配置を容易にするとともに、絶縁紙およびコイルをステータコアにしっかりとワニス固定することができる回転電機用ステータおよびこれを用いた回転電機を提供することである。
本発明の一態様である回転電機用ステータは、環状をなすヨーク部と前記ヨーク部からステータ径方向に突出する複数のティース部とを含むステータコアの前記ティース部間に形成される複数のスロット内に絶縁紙を介して分布巻きされたコイルをワニス固定する回転電機用ステータであって、前記スロットはステータ軸方向の両端部およびステータ径方向の一端部が開口するとともにステータ径方向の他端部が前記ヨーク部によって閉じられたスロット底面を有し、前記スロット底面に連なるスロット周方向側面が前記スロット底面に接した位置でステータ周方向だけに凹んでスロット幅が広がった幅広部となっているものである。
本発明に係る回転電機用ステータにおいて、前記スロットは前記ステータコアの軸方向端部だけに前記幅広部が形成され、前記軸方向端部以外では幅狭になっていてもよい。
また、本発明に係る回転電機用ステータにおいて、前記幅広部におけるスロット周方向側面は、前記スロット底面に接する円弧状に形成された湾曲凹面と、該湾曲凹面に接するように延びる平面とで構成されてもよい。
さらに、本発明に係る回転電機用ステータにおいて、前記幅広部における前記ティース部の周方向の凹み深さは、ステータの電磁気特性に影響しないように設定されていることが好ましい。
本発明に係る回転電機は、上記いずれかの構成を有するステータと、このステータに対向して回転可能に設けられるロータとを備えるものである。
本発明に係る回転電機用ステータによれば、上記幅広部ではスロット幅がステータ周方向に広がって余裕があるため、折り曲げられた絶縁紙をスロット軸方向開口部からスロット内に挿入するとき、絶縁紙の折角部がスロット底部とスロット周方向側面との連設部に干渉することなく絶縁紙をスロット内に容易に挿入することができる。
また、スロット内に絶縁紙を配置した状態でコイルをスロット内に分布巻きにより巻装した後にコイルをワニス固定するとき、上記幅広部において絶縁紙との間に隙間が形成されることでワニスがスロット周方向側面と絶縁紙との間に流れ込みやすくなり、その結果、ワニスによって絶縁紙およびコイルをステータコアにしっかりと固定することができる。
本発明の一実施の形態である回転電機の軸方向の断面図である。 図1に示すA−A線におけるステータコアの断面図である。 図2における1つのスロットを拡大して示す断面図である。 コイルを構成する単位である1つのセグメント導体の斜視図である。 図3におけるB部拡大図である。 本実施形態におけるスロット形状と4つの比較例のスロット形状とを示す図である。 図6に示す5つのスロット形状について、トルク発生効率とステータコア軸方向長さとの関係を示すグラフである。 変形例の回転電機用ステータを示す図であり、(a)は図3中のC−C断面に対応し、(b)は図3中のD−D断面を対応する。 図8に示すスロット形状の有するステータコアにおいてワニス溜まり部からスロット内へワニスが流れ込む様子を模式的に示す図である。
以下に、本発明に係る回転電機用ステータの実施の形態(以下、実施形態という)について添付図面を参照しながら詳細に説明する。この説明において、具体的な形状、材料、数値、方向等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等にあわせて適宜変更することができる。また、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて用いることは当初から想定されている。
図1は、本発明の一実施形態であるステータを備えた回転電機10の軸方向の断面図である。図1に示すように、回転電機10は、回転中心軸Xを中心に回転可能に設けられたシャフト12と、シャフト12に固設されたロータ14と、ロータ14の周囲に所定のギャップを隔てて設けられた筒状のステータ16とを備えている。
ロータ14は、複数の電磁鋼板を積層して形成されたロータコア18と、このロータコア18の外周縁部側において軸方向に延伸して形成された永久磁石挿入孔20内に挿入および配置されている複数の永久磁石22と、ロータコア18を軸方向両側から挟持するエンドプレート24とを含む。永久磁石22は、樹脂26によって永久磁石挿入孔20内に固定されている。なお、エンドプレート24は、ロータ14の軽量化および低コスト化等のために省略されてもよい。
ステータ16は、ロータ14の周囲を取り囲むように筒状に形成されたステータコア28と、このステータコア28に巻装されたコイル30とを備えている。ステータコア28は、例えば電磁鋼板等の磁性板材を略円環状に打ち抜き加工したものを軸方向に多数枚積層して、カシメ、溶接等により一体に連結されて構成されている。ただし、これに限定されるものではなく、ステータコア28は、磁性粉末に樹脂コーティングしたものをバインダと混合して加圧成型されてなる圧粉磁心によって構成されてもよい。
ステータコア28に巻装されたコイル30は、後述するスロット内に配置されているスロット内部分と、ステータコア28の軸方向端面から外側へ突出して形成されたコイルエンド部31a,31bとを備える。少なくとも一方のコイルエンド部31a,31bは、ステータコア28の内周面よりも径方向内側へ膨出して形成されてもよい。また、コイルエンド部31a,31bは、軸方向から見たときに略円環状に連なって形成されている。
図2は、図1に示すA−A線におけるステータコア28の断面図である。図2においては、コイル30の図示が省略されている。図2に示すように、ステータコア28は、ステータコア28の周方向に延びる環状のヨーク部34と、このヨーク部34の内周面からロータ14に向けて径方向内方へ突出し、周方向に間隔をあけて設けられたティース部36とを有する。
ステータコア28において各ティース部36の間には、ステータコア28の径方向に延びるスロット38が形成されている。スロット38も、周方向に間隔を置いて、ティース部36と同数形成されている。また、スロット38は、ステータコア28において軸方向の両端部および径方向内側の一端部が開口するとともに径方向外側の他端部がヨーク部34の径方向内側の側面によって閉じられたスロット底面381を有している。
ステータコア28を構成する電磁鋼板は、ヨーク部34に形成された図示しないカシメ部が互いに凹凸嵌合された状態で連結されている。また、更に溶接によって各電磁鋼板を連結する場合には、ステータコア28の外周面上で軸方向に沿って溶接される。
図2においてステータコア28の円筒状をなす外周面には、略W字状をなす溶接溝35が周方向に均等な配置で且つ軸方向に沿って形成されている。この溶接溝35に沿って溶接を施すことによって、ステータコア28を構成する各電磁鋼板が互いに強固に連結されることになる。この溶接部分は、ステータコア28の円筒状外周面から外側へ突出しないようにするのが好ましい。これは、ステータ16が図示しないケースに収納されて固定されるときに、ケース内面に干渉しないようにするためである。ただし、ステータを収容するケース内面とステータ外周面との間に余裕がある等の場合には、この限りではない。
さらに、ステータコア28の外周面には、貫通孔19が形成されたタブ状の取付部17が突出形成されている。取付部17は、周方向に均等な配置で例えば3つ設けられている。これにより、貫通孔19にボルトが挿通されてケースに形成された雌ねじ穴に締結されることにより、ステータ16がケースに固定されるようになっている。
図3は、図2における1つのスロット38を拡大して示す断面図である。スロット38は、ステータコア28の径方向内側で開口している。このスロット38の径方向内方側の開口部40は、ステータコア28の周方向に隣り合うティース部36の径方向内方側の端面によって規定されている。
ステータコア28のティース部36は、ヨーク部34の内周面からステータコア28の径方向に向けて突出する本体部42と、この本体部42の径方向内方側端部に形成され、ステータコア28の周方向に張り出した張出部44,45とを備えている。これにより、径方向内方側の開口部40は、両側の張出部44,45間に規定され、径方向外側のスロット38の周方向の幅wよりも狭く形成されている。
なお、本実施形態では、スロット38の周方向の幅wが径方向にわたって一定に形成されている例を示すが、これに限定されるものではない。例えば、スロットは、径方向外側に向かって周方向幅が拡張する略台形状をなして形成されてもよい。
スロット38の内表面は、ヨーク部34の径方向内側面であるスロット底面381と、このスロット底面381に連設して、ティース部36の本体部42の側面によって規定された周方向側面382と、周方向側面382と周方向に対向する周方向側面383と、径方向内方側において周方向側面382に連設された前壁面384と、径方向内方側において周方向側面383に連設された前壁面385とを含む。ここで、前壁面384は張出部44の背面によって規定されており、前壁面385は張出部45の背面によって規定されている。
このように形成されたスロット38には、スロット38の内表面に沿って配設された絶縁紙50が挿入されている。絶縁紙50は、例えば樹脂、紙、布またはこれらの複合材等からなるシート材を略U字状に折り曲げられて形成されている。絶縁紙50は、周方向側面382に沿って延びる側面絶縁部52と、周方向側面383に沿って延びる側面絶縁部54と、側面絶縁部52の径方向外方側の端部と側面絶縁部54の径方向外方側の端部とを接続する外周絶縁部56とを備えている。
本実施形態では、図3に示すように、スロット開口部40を規定する張出部44,45とコイル30を構成するコイル導線39との間に空間が形成されるが、この空間に絶縁材料からなる押さえ部材を配置して各コイル導線39がスロット38内で径方向内側へ移動しないように押さえてもよい。
このように絶縁紙50が挿入されたスロット38内には、コイル30が挿入されている。コイル30は、絶縁紙50が介在することによってステータコア28と絶縁された状態で配置されている。コイル30は、断面が略四角形をなす角線からなるコイル導線39によって構成され、1つのスロット38内で複数(本実施形態では10本)のコイル導線39が一列に並んで配置されている。
本実施形態のコイル導線39には、長方形状断面の平角線が用いられるが、略正方形状断面を有する角線が用いられてもよい。また、コイル導線39の周方向の幅は、スロット幅wから側面絶縁部52,54の厚みを減じた値よりも若干小さく設定されている。すなわち、スロット38に配置された絶縁紙50内にコイル導線39が軸方向から挿入されるときに、コイル導線39が絶縁紙50の内面となるべく接触しないで挿入できるようにされている。
本実施の形態に係る回転電機10は、例えば三相同期型モータであり、ステータコア28に巻装されるコイル30は、U相、V相およびW相の各相コイルが分布巻きされて構成される。これらの三相コイルは、例えば、周方向に48個並んで形成されているスロット38において、それぞれ16個のスロット38に各相コイルが収容されている。この場合、周方向に沿って各スロット38内にU相コイル、V相コイルおよびW相コイルを順次に配置してもよいし、あるいは、隣接する2つずつのスロット38内に同相コイルを挿入して周方向に順次に各相コイルを配置してもよい。
図4は、コイル30を構成するコイル導線39の単位となるセグメント導体100を示す斜視図である。セグメント導体100は、断面矩形状の平角線をU型に曲げて形成されており、互いに平行に延びた2本の脚部102,104と、各脚部102,104の一方端部にそれぞれ連続する湾曲部106とを備えている。脚部102,104の他端部は、それぞれ、絶縁被覆が除去されることによって例えば銅製の芯材108が露出している。上記各脚部102,104の中間部分102a,104aがスロット38内に配置されるコイル導線39を構成する。
このような形状のセグメント導体100の脚部102,104が周方向に離間した2つのスロット38内に挿入されている絶縁紙50の内側にステータコア28の軸方向一端側から挿入される。そして、複数のセグメント導体100が同じようにして2つのスロット38に順次に挿入されて径方向に配列されることにより、スロット38内にコイル導線39が整列して挿入された状態とされる。このとき、各脚部102,104の先端部分は、ステータコア28の軸方向他端面から突出している。
この状態で、セグメント導体100の脚部102,104の先端部分は、ステータコア28の軸方向他端側において、図4中に破線110で示すように外側へ曲げられて周方向に隣接する同相コイルの別のセグメント導体100の脚部102または104と芯材108同士が溶接されて接続されるか、又は、図4中に一点鎖線112で示すように内側へ曲げられて径方向の内方および外方にそれぞれ隣接する別のセグメント導体100の脚部102または104と芯材108同士が溶接されて接続されるか、又は、一方の脚部102が外側へ曲げられる一方で他方の脚部104が内側へ曲げられて周方向または径方向に隣接する別のセグメント導体100と芯材108同士が溶接されて接続される。
このようにしてスロット38に配置されたセグメント導体100が順次に電気接続されることによりU相コイル、V相コイルおよびW相コイルがそれぞれ構成される。そして、各相コイルの一端部が回転電機10の三相交流電圧の入力端子にそれぞれ接続され、各相コイルの他端部が中性点において共通接続される。
なお、上記においてはコイル30が平角線又は角線からなるコイル導線39によって構成されると説明したが、これに限定されるものではない。例えば、コイルは、スロット内に挿入されてティース部の周囲に巻装される円形断面の導線によって構成されてもよい。
図3を再び参照すると、スロット38は、径方向最外側で周方向幅が広くなった幅広部60を有する。幅広部60は、スロット底面381に連なる周方向側面382,383がスロット底面381に接した位置で周方向だけに凹んでスロット幅が広がった部分である。幅広部60は、ステータコア28において軸方向全長にわたって形成されている。
図5は、スロット38に設けられた幅広部60を拡大して示す図である。スロット38の径方向最奥部の幅広部60は、スロット38の各周方向側面382,383にそれぞれ形成された凹部62によって構成される。より詳しくは、スロット38の周方向側面382,383には、隣接するティース部36へ向かって周方向にえぐれるように凹んだ凹部62がそれぞれ形成されている。
これらの凹部62は、スロット底面381に接する円弧状に形成された湾曲凹面64と、湾曲凹面64に接するように延びる平面66とで構成されている。このように幅広部60の内面が円弧状の湾曲凹面として形成されることで、折り曲げられた絶縁紙50の折角部53,55が干渉するのをより確実に防止することができ、絶縁紙50を座屈させることなくスロット38内に容易に挿入することができる。
また、幅広部60を構成する各凹部62の周方向の凹み深さEは、ステータ16の電磁気特性に影響しないように考慮して設定されている。具体例として、スロット幅wが約4mmであるとき、上記凹み深さは約0.25mm程度とするのがよい。これにより、回転電機10のトルク効率の低下やステータコア28の軸方向長さの大型化を招くことがない。
さらに、本実施形態のステータ16では、スロット38に設けた幅広部60をステータコア28の周方向だけに拡張し、ヨーク部34に向かって周方向外側へ拡張していないことで、ステータ16における電磁気回路への影響を抑制してトルク発生効率が低下しないようにしている。
続いて、上述した構成を有するステータ16の製造について説明する。
まず、所定形状に打ち抜き加工されれた多数枚の電磁鋼板を積層および連結してステータコア28を形成する。
次に、ステータコア28の各スロット38内に絶縁紙50を配置する。本実施形態のステータコア28では、スロット38の径方向内側の開口部40は両側の張出部44,45によって狭くなっていることから、略U字状に折り曲げられた絶縁紙は、ステータコア28の軸方向端面からスロット38内に軸方向へ挿入されて配置される。
このとき、スロット底面381に連なるスロット周方向側面382,383にスロット底面381に接した位置で周方向だけに凹んでスロット幅が広がった幅広部60が形成されていることで、折り曲げられた絶縁紙50の折角部53,55が干渉するのをより確実に防止することができ、絶縁紙50を座屈させることなくスロット38内に容易に挿入することができる。
スロット38内に絶縁紙50が配置されると、次に、各スロット38において絶縁紙50の内側にセグメント導体100が軸方向から挿入され、各脚部102,104の曲げ加工および溶接が行われることによって三相コイルからなるコイル30が分布巻きによりステータコア28に装着される。
その後、コイル30が組み付けられたステータコア28にワニスを流下または滴下して含浸させてから、ワニスを硬化させることによってコイル30および絶縁紙50をステータコア28に固定する。ここで、ワニスには、例えば、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が好適に用いられ、この場合にワニスは加熱工程によって硬化されることになる。
上記のようにワニスを滴下してコイル30および絶縁紙50に対して含浸させるとき、本実施形態のステータコア28ではスロット38の幅広部60において絶縁紙50との間に隙間、すなわち凹部62の内部空間が形成されることでワニスが周方向側面382,383と絶縁紙50との間へ流入するのが促進される。その結果、ワニスによって絶縁紙50をステータコア28にしっかりと固定することができる。このように絶縁紙50がしっかり固定されることで、絶縁紙50を介してのコイル30のステータコアへの固定状態も安定したものとなり、NV性能(騒音・振動性能)を向上させることができる。
図6は、本実施形態におけるスロット形状と4つの比較例のスロット形状とを示す図である。図6(a)は、スロットの周方向幅を径方向にわった一定とした場合、すなわち上記幅広部60が設けられていないスロット形状の比較例1を示す。図6(b)は、スロットの周方向幅w1を比較例1に比べて若干広くした場合(すなわちティース部の周方向幅を比較例1よりも狭くした場合)のスロット形状の比較例2を示す。図6(c)は、スロット幅wは比較例1と同じにする一方でスロット底面381を曲率半径Rの湾曲凹面としてスロットの径方向深さを若干深くした場合、すなわちヨーク部34の径方向幅y1がスロットに対応する位置で比較例1のヨーク部の幅yに比べて狭くなっているスロット形状の比較例3を示す。図6(d)は、図6(c)とスロット幅wは比較例1と同じであるが、スロット底面を略平面状として比較例1よりも寸法d(例えば0.6mm)だけ深くしたスロット形状の比較例4を示す。図6(e)は、本実施形態における幅広部60を設けたスロット形状を示す。
図7は、図6(a)〜(e)のそれぞれについて、トルク発生効率とステータコア軸方向長さとの関係をそれぞれシミュレーションにより算出して示したグラフである。図7のグラフでは、左縦軸がトルク発生効率を対応するトルク感度を示し、右縦軸がステータコア積厚(すなわちステータコアの軸方向寸法)を示す。また、横軸には、上記図6(a)〜(e)の5つのスロット形状に対応する5本の棒グラフ(a)〜(e)が示されている。各棒グラフ(a)〜(e)において、白抜きの棒グラフとハッチングで示す棒グラフがそれぞれ含まれており、白抜き棒グラフがトルク感度を、ハッチング棒グラフがステータコア積厚をそれぞれ表している。また、図7(a)では、比較例1のトルク感度およびステータコア積厚をいずれも100%として、他の比較例2〜4および本実施形態をそれに対する割合(%)で示している。
図7(b)に示すように、比較例2ではトルク感度97.3%と悪化し、比較例1と同じトルク発生効率を得るにはステータコア積厚102.9%と長くしなければならずステータコアが大型化することが分かった。図7(c)の比較例3については、トルク感度99.7%と僅かに低下し、それをカバーするためのステータコア積厚100.2%と僅かに長くなる程度であった。また、図7(d)に示すように、比較例4では、トルク感度99.5%で、ステータコア積厚100.4%となった。これに対し、本実施形態のステータ16では、トルク感度およびステータコア積厚がいずれも100%となり、トルク発生効率に対する影響がなくステータコアの大型化を生じさせないことが確認できた。
次に、図8及び図9を参照して、上記実施形態の変形例について説明する。図8は、変形例の回転電機用ステータ16Aを示す図であり、(a)は図3中のC−C断面を示し、(b)は図3中のD−D断面を示す。また、図9は、図8に示すスロット形状の有するステータコア28Aにおいてワニス溜まり部70からスロット38内へワニスが流れ込む様子を模式的に示す図である。下記においては、上記実施形態と同一または類似の構成要素には同一または類似の符号を付して、重複することとなる説明を援用により省略する。
ステータコア28Aでは、図8(a)に示すように、ステータコア28Aの軸方向端部におけるスロット38には幅広部60が設けられているが、それ以外の部分では図8(b)に示すように幅広部が設けられておらず通常のスロット幅wとなっている。他の構成は、上述した実施形態の場合と同じである。
このようにステータコア28Aの軸方向端部だけにスロット幅を広げる幅広部60を形成してあることで、図9に示すように、コイル30を組み付けたステータ16Aにワニスを軸方向に流したとき、上記幅広部60がワニス溜まり部70となってワニスを受け入れることができ、そこからスロット38内へとワニスが流入するのを促進することができる。また、スロット38の軸方向端部以外では通常のスロット幅wになっていることでスロット38内における絶縁紙50およびコイル30の周方向位置決めを、スロット38内における径方向位置にかかわらず正確に行うことができる利点がある。
さらに、図9に示すように、この変形例では絶縁紙50の軸方向長さを短くして、軸方向の端部の位置がステータコア28Aの軸方向端面よりも幅広部60内に奥まった位置とするのが好ましく、上記軸方向端部の位置を幅広部60の軸方向底部位置と略同じにするのがより好ましい。このようにすれば、ワニス溜まり部70に溜まったワニスがスロット38における絶縁紙50とコイル30との間に流入することが促進される。その結果、絶縁紙50およびコイル30をステータコア28Aをより安定かつ強固にワニス固定することができる。
10 回転電機、12 シャフト、14 ロータ、16,16A ステータ、17 取付部、18 ロータコア、19 貫通孔、20 永久磁石挿入孔、22 永久磁石、24 エンドプレート、26 樹脂、28,28A ステータコア、30 コイル、31a,31b コイルエンド部、34 ヨーク部、35 溶接溝、36 ティース部、38 スロット、39 コイル導線、40 開口部、42 本体部、44,45 張出部、50 絶縁紙、52,54 側面絶縁部、53,55 折角部、56 外周絶縁部、60 幅広部、62 凹部、64 湾曲凹面、66 平面、70 ワニス溜まり部、100 セグメント導体、102,104 脚部、102a,104a 中間部分、106 湾曲部、108 芯材、381 スロット底面、382,383 周方向側面、384,385 前壁面、d 寸法、R 曲率半径、w,w1 スロット幅、X 回転中心軸、y,y1 径方向幅。

Claims (5)

  1. 環状をなすヨーク部と前記ヨーク部からステータ径方向に突出する複数のティース部とを含むステータコアの前記ティース部間に形成される複数のスロット内に絶縁紙を介して分布巻きされたコイルをワニス固定する回転電機用ステータであって、
    前記スロットはステータ軸方向の両端部およびステータ径方向の一端部が開口するとともにステータ径方向の他端部が前記ヨーク部によって閉じられたスロット底面を有し、前記スロット底面に連なるスロット周方向側面が前記スロット底面に接した位置でステータ周方向だけに凹んでスロット幅が広がった幅広部となっている、回転電機用ステータ。
  2. 請求項1に記載の回転電機用ステータにおいて、
    前記スロットは前記ステータコアの軸方向端部だけに前記幅広部が形成され、前記軸方向端部以外では通常のスロット幅になっていることを特徴とする回転電機用ステータ。
  3. 請求項1または2に記載の回転電機用ステータにおいて、
    前記幅広部におけるスロット周方向側面は、前記スロット底面に接する円弧状に形成された湾曲凹面と、該湾曲凹面に接するように延びる平面とで構成されることを特徴とする回転電機用ステータ。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の回転電機用ステータにおいて、
    前記幅広部における前記ティース部の周方向の凹み深さは、ステータの電磁気特性に影響しないように設定されていることを特徴とする回転電機用ステータ。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載されるステータと、該ステータに対向して回転可能に設けられるロータとを備える回転電機。
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