JP2014131504A - Il−12産生誘導能を有する乳酸菌及びその製造方法 - Google Patents

Il−12産生誘導能を有する乳酸菌及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】乳酸菌の菌体を高収量で製造することができ、且つ得られる乳酸菌の活性も高めることができる新たな技術を提供する。
【解決手段】乳酸菌を培地にアルカリ剤を添加してpH調整しながら培養し、培養後期にストレスを与え、殺菌してIL−12産生誘導能を有する乳酸菌を製造する。前記ストレスは、(a)アルカリ剤を添加することなく培養すること、(b)増殖が抑制される温度帯で培養すること、(c)塩分を1質量%以上添加して培養すること、及び(d)pHを5以下にして培養すること、からなる群から選ばれた少なくとも1つであることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、IL−12産生誘導能を有する乳酸菌及びその製造方法に関する。
乳酸菌には腸内フローラの改善のほか、アレルギー症状を緩和したり、免疫活性を向上させたりする効果があることが知られている。例えばIL−12は樹状細胞やマクロファージのような抗原提示細胞から分泌されるサイトカインで、ガン細胞を直接攻撃するナチュラルキラー細胞(NK細胞)やラック細胞(LAK細胞)、キラーT細胞(CTL細胞)を活性化したり、インターフェロンγ(IFN−γ)の産生を増強したりする非常に強力な免疫賦活物質である。またTh1/Th2バランスをTh1側にシフトさせる免疫調節機能を有する。乳酸菌はこのIL−12の産生誘導能を有することが知られている(特許文献1)。乳酸菌を経口摂取することにより、腸管免疫を担う免疫担当細胞に直接作用してIL−12産生を誘導し、これにより免疫賦活やアレルギー症状の緩和を図ることができる。
一方、乳酸菌の培養には、様々な培地が用いられているが、通常、乳酸菌の生育を良好にするために、酵母エキス、ペプトン、肉エキス等を含む栄養分豊富な培地が用いられている。ところが乳酸菌の代謝産物(例えば乳酸等)により培地のpHが低下するため、菌の増殖が抑制されてしまうので、培地pHを中性付近に調整しながら培養を行う、いわゆる中和培養も行われている。
また、培地条件は得られる乳酸菌の活性にも影響を与えることが知られている。例えば特許文献2には、コーンスティープリカーとカゼインの加水分解物とを含有する培地を用いて乳酸菌を培養することにより、免疫賦活効果の高い乳酸菌を得ることが記載されている。また、特許文献3には、乳酸菌をpH3.5〜pH5.0の培地で培養することにより、免疫調節効果の高い乳酸菌を得ることが記載されている。
特許第4621218号公報 特開2004−41099号公報 国際公開第2007/138993号
しかしながら、上記特許文献2,3のように培地条件を変更して乳酸菌の活性を高めるという技術は、好条件下における乳酸菌の培養により菌体を高収量で得て製造コストの軽減を図るという側面からは逆に不利であり、従来これらを両立する技術はなかった。
したがって、本発明の目的は、乳酸菌の菌体を高収量で製造することができ、且つ得られる乳酸菌の活性も高めることができる新たな技術を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究した結果、乳酸菌の製造において菌体の高収量を実現するために中和培養を行うと、pH調整を行わずに培養した場合に比べて乳酸菌の活性は低減するが、その中和培養後の培養後期に乳酸菌を生育に好ましくない環境に置くことで、乳酸菌の活性が回復し、あるいはよりいっそう高められることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の構成を有するIL−12産生誘導能を有する乳酸菌及びその製造方法を提供するものである。
[1]乳酸菌を培地にアルカリ剤を添加してpH調整しながら培養し、培養後期にストレスを与え、殺菌することを特徴とするIL−12産生誘導能を有する乳酸菌の製造方法。
[2]前記ストレスは、(a)アルカリ剤を添加することなく培養すること、(b)増殖が抑制される温度帯で培養すること、(c)塩分を1質量%以上添加して培養すること、及び(d)pHを5以下にして培養すること、からなる群から選ばれた少なくとも1つである、前記[1]記載のIL−12産生誘導能を有する乳酸菌の製造方法。
[3]培養後の培養液中で殺菌し、その後に集菌する、前記[1]又は[2]記載のIL−12産生誘導能を有する乳酸菌の製造方法。
[4]前記乳酸菌は植物から分離されたものである、前記[1]〜[3]のいずれか1項に記載のIL−12産生誘導能を有する乳酸菌の製造方法。
[5]前記乳酸菌は Lactobacillus plantarum、Lactococcus lactis sp cremoris、Enterococcus faecalis、又は Lactobacillus brevis に属する微生物である、前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載のIL−12産生誘導能を有する乳酸菌の製造方法。
[6]前記殺菌を80℃以上で行なう、前記[1]〜[5]のいずれか1項に記載のIL−12産生誘導能を有する乳酸菌の製造方法。
[7]培養後の培養液中で殺菌し、それを遠心分離し、膜分離し、又は沈降させることによって培地を除いて調製した固形分4%の菌体濃縮液5gを直径35mmの石英ガラスシャーレに入れ、その状態でL表色系の測色を測定したときの明度L値が65以下であり、色度a値が−4以上となるように、該殺菌を行う、前記[3]記載のIL−12産生誘導能を有する乳酸菌の製造方法。
[8]乳酸菌を培地にアルカリ剤を添加してpH調整しながら培養し、培養後期にストレスを与え、殺菌して得られたものであることを特徴とするIL−12産生誘導能を有する乳酸菌。
[9]培養後の培養液中で殺菌し、その後に集菌して得られたものである、前記[7]記載のIL−12産生誘導能を有する乳酸菌。
[10]80℃以上で殺菌して得られたものである、前記[8]又は[9]記載のIL−12産生誘導能を有する乳酸菌。
[11]培養後の培養液中で殺菌し、それを遠心分離し、膜分離し、又は沈降させることによって培地を除いて調製した固形分4%の菌体濃縮液5gを直径35mmの石英ガラスシャーレに入れ、その状態でL表色系の測色を測定したときの明度L値が65以下であり、色度a値が−4以上となるように、該殺菌を行なって得られたものである、前記[9]記載のIL−12産生誘導能を有する乳酸菌。
本発明によれば、中和培養により乳酸菌の生育能を高めて菌体を高収量で得たうえで、その中和培養後の培養後期に乳酸菌を生育に好ましくない環境に置くことで、その中和培養により減退した乳酸菌の活性、特にIL−12産生誘導能を回復し、あるいはよりいっそう高めることができる。これにより、製造コストの軽減を図りつつ高活性を示す乳酸菌を製造することができる。
乳酸菌の培養後に未殺菌の菌体の着色状態と、所定条件で殺菌してから集菌して得られた菌体の着色状態とを比較する写真である。
本発明に用いる乳酸菌は、IL−12産生誘導能を有する乳酸菌であればよく、特に限定されない。例えばエンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)、エンテロコッカス・フェシウム(E. faecium)等のエンテロコッカス属に属する微生物、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidphilus)、ラクトバチルス・ガセリ(L.gasseri)、ラクトバチルス・マリ(L.mali)、ラクトバチルス・プランタラム(L.plantarum)、ラクトバチルス・ブヒネリ(L.buchneri)、ラクトバチルス・カゼイ(L.casei)、ラクトバチルス・ジョンソニー(L.johnsonii)、ラクトバチルス・ガリナラム(L.gallinarum)、ラクトバチルス・アミロボラス(L.amylovorus)、ラクトバチルス・ブレビス(L.brevis)、ラクトバチルス・ラムノーザス(L.rhamnosus)、ラクトバチルス・ケフィア(L.kefir)、ラクトバチルス・パラカゼイ(L.paracasei)、ラクトバチルス・クリスパタス(L.crispatus)等のラクトバチルス属に属する微生物、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptcoccus thermophilus)等のストレプトコッカス属に属する微生物、ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)等のラクトコッカス属に属する微生物、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ クレモリス(Lactococcus lactis sp cremoris)に属する微生物、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)、ビフィドバクテリウム・ロンガム(B.longum)、ビフィドバクテリウム・アドレスセンティス(B.adolescentis)、ビフィドバクテリウム・インファンティス(B.infantis)、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(B.breve)、ビフィドバクテリウム・カテヌラータム(B.catenulatum)等のビフィドバクテリウム属に属する微生物などが挙げられる。
上記乳酸菌のうち、植物から分離されたものであるラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)やラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)は、後述する実施例において示されるとおり、本発明による作用効果を顕著に享受できるので、特に好ましく適用される。
本発明においては、乳酸菌を、その培養の前段において十分に増殖せしめて菌体の高収量を確保する。そのためには、乳酸菌の増殖に適した培地で培養するとともに、乳酸菌の代謝産物(例えば乳酸等)によるpH低下を抑えるため、培地にアルカリ剤を添加してpH調整しながら培養することが必要である。
アルカリ剤としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の水溶液や、アンモニアなどを用いることができる。pHは好ましくはpH5.8〜7.5、より好ましくはpH6.0〜6.8に維持する。pH調整は手動で行ってもよいが、pH自動制御装置(pHスタット)などを利用すれば簡便で正確である。
培地は乳酸菌の増殖に適したものであれば特に制限はない。乳酸菌の増殖に適した培地としては、酵母エキス、ペプトン、肉エキス等を含む栄養分豊富な培地が挙げられる。市販の培地にも「Difco Lactobacilli MRS Broth」(商品名、日本ベクトン・ディツキンソン株式会社)、「MRSブイヨン MERCK」(商品名、Chemicals社)などがあり、これらを用いてもよい。また、乳酸菌の種類によって特殊な培地組成が必要な場合など、適宜所望の培地組成を用いることに特に制限はない。
上記中和培養の典型的な例を挙げれば、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)を「Difco Lactobacilli MRS Broth」(商品名、日本ベクトン・ディツキンソン株式会社)の培地でpH6.5〜6.8に維持して35〜38℃で16〜30時間培養したときには、初発菌体濃度1×10〜1×10cfu/mLとしたときに最終菌体濃度5×10〜5×1010cfu/mLにまで増殖させることができる。
また、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)を「Difco Lactobacilli MRS Broth」(商品名、日本ベクトン・ディツキンソン株式会社)の培地で、pH6.0〜6.2に維持して30〜35℃で18〜40時間培養したときには、初発菌体濃度1×10〜1×10cfu/mLとしたときに最終菌体濃度5×10〜5×1010cfu/mLにまで増殖させることができる。
本発明においては、また、上記中和培養後の培養後期にストレスを与えることが必要である。ここで「ストレス」とは、乳酸菌の生育に好ましくない環境の一切を広く意味する。これにより、上記の中和培養により減退した乳酸菌の活性、特にIL−12産生誘導能を回復し、あるいはよりいっそう高めることができる。
ストレスを与える方法としては、例えば以下のようなものが挙げられる。
(a)アルカリ剤を添加することなく培養する。
(b)増殖が抑制される温度帯で培養する。
(c)培養液中の濃度として1質量%以上の塩分を添加して培養する。
(d)pHを5以下にして培養する。
上記(a)では、乳酸菌が産生する乳酸によって培地のpHが下がり、乳酸菌が低pH下に置かれることにより生育に好ましくない環境になる。この場合、少なくともpH5以下になるまで、アルカリ剤を添加しない状態で培養することが好ましい。
上記(b)では、乳酸菌が所定の温度下に置かれることにより生育に好ましくない環境になる。温度条件は用いる乳酸菌によってさまざまであり適宜設定することができる。例えば、生育に好適な温度帯から好ましくは3〜12℃、よりこの好ましくは5〜10℃高温側もしくは低温側にシフトした温度帯などである。
上記(c)では、乳酸菌が高浸透圧下に置かれることにより生育に好ましくない環境になる。NaClなどの塩分を培養液中の濃度として好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1〜2質量%含有せしめるように添加する。
上記(d)では、乳酸菌が低pH下に置かれることにより生育に好ましくない環境になる。乳酸などの酸性剤により好ましくはpH5以下、より好ましくはpH5〜3となるように調整する。
ストレスを与える方法としては、上記に例示したものに限られるものではなく、他の方法によるストレスを適宜採用することができる、また、2種以上の方法によるストレスを同時に又は順次に与えてもよい。更にそれぞれ同じ方法によるストレスを時間をおいて与えてもよく、他の方法によるストレスと交互に与えてもよい。その付与の態様に特に制限はない。
本発明においては、更に、上記のような培養を終えた乳酸菌を殺菌することが必要である。これにより、乳酸菌の自己消化等を防ぎ、品質の安定性を確保することができる。
殺菌の方法に特に制限はなく、通常行われるように、培養後に培地を濾別、遠心、沈降等によって取り除いて集菌し、水や緩衝液等によって懸濁して乳酸菌の濃縮液を調整し、これを80〜100℃でオートクレーブするなどの方法が挙げられる。また、乳酸菌を乾燥粉末化する目的でスプレードライ装置等に供した場合にも、条件によってはその過程で菌が殺菌されるので、そのような処理でもよい。
ただし、後述する実施例において示されるとおり、培養後の培養液中で殺菌しその後集菌したほうが、集菌後培養液を除いた状態で殺菌するよりも、IL−12産生誘導能が高くなる。そこで好ましい態様としては、培養後の培養液中で殺菌し、その後に集菌する。この場合、例えば培養後の培養液に加熱殺菌処理を施し、その後に濾別、遠心、沈降等によって培地を取り除いて集菌する方法などが挙げられる。あるいは、培養後に培地の一部を濾別、遠心、沈降等によって取り除いて2〜10倍に濃縮された濃縮液を調製後、これに加熱殺菌処理を施し、その後に濾別、遠心、沈降等によって残りの培地を取り除いて集菌する方法などでもよい。加熱殺菌は80℃以上で行なうことが好ましく、80〜100℃で5〜20分間行うことがより好ましい。
ところで後述する実施例で示されるとおり、培養後の培養液中で殺菌すると、得られる乳酸菌の菌体は黄褐色に着色し、その色がある一定の濃さになるとIL−12産生誘導能が高くなる。よって、殺菌は、乳酸菌の菌体の黄褐色が所定の濃さ以上になるように行なうことが好ましく、具体的には、以下のようにして求められるL表色系の明度L値が65以下であり、色度a値が−4以上となるように行うことが好ましい。
培養後の培養液中で殺菌し、それを遠心分離し、膜分離し、又は沈降させることによって培地を除いて固形分4%の菌体濃縮液を調製する。その5gを直径35mmの石英ガラスシャーレに入れ、その状態をL表色系で測色したときの明度L値と色度a値を求める。なお、測色は色差計などを用いて行うことができる。
本発明により得られる乳酸菌は、微粒子化及び再凝集防止処理を施してもよい。これによれば、乳酸菌のIL−12産生誘導能等の活性、品質の安定性を更によく維持できる。その方法としては、特許第4621218号公報に記載の方法などが挙げられる。具体的には以下のようにして行うことができる。
まず、乳酸菌をその平均粒子径が1ミクロン(マイクロメータ)未満のナノメータ(nm)サイズ、好ましくは0.6ミクロン程度になるまで粉砕あるいは分散する。この粉砕処理と分散処理を別々に行うこともできれば、同時に行うこともできる。なお、当該粒子径が1ミクロン未満であるかどうかは、粒度分布計あるいは電子顕微鏡等で測定することができる。
微粒子化の方法としては、湿式・乾式を問わず、攪拌、ミキサー、ボールミル、ビーズミル、ジェットミル、ホモゲナイザー、ジェネレーター、「ナノマイザー」(吉田機械工業株式会社製)、「アルティマイザーシステム」(株式会社スギノマシン製)等による公知の手法が挙げられるが、乳酸菌の場合には、湿式分散処理により行なうことが好ましい。例えば、乳酸菌の菌体を乾燥物換算で2〜30質量%、より好ましくは5〜20質量%含有し、pH6.0〜7.0に調整した懸濁液を、高圧ホモゲナイザーを用いて、圧力80〜200kg/cm、より好ましくは100〜170kg/cmの条件で循環させることで、行なうことができる。
次に、分散剤を用いて再凝集防止処理を施す。その方法としては、上記微粒子化の際に、乳酸菌の菌体に分散剤を添加し、これを微粒子化し、次いで粉末化するか、又は、乳酸菌の菌体を微粒子化し、これに分散剤を添加して粉末化することが好ましい。粉末化は、乳酸菌の菌体を微粒子化した後に、スプレードライや凍結乾燥により乾燥することにより行うことができる。これにより、微粒子化した乳酸菌の菌体に分散剤を接触させた状態で粉末化しているので、水等に再懸濁したときにも分散性がよく、微粒子化された乳酸菌の菌体の再凝集を防いで、乳酸菌の活性、品質の安定性をよく維持できる。
その分散剤としては、デキストリン、可溶性食物繊維、難消化性デキストリン等の多糖類、トレハロース、乳糖、麦芽糖等の低分子糖類、コラーゲン、ホエー分解物、大豆蛋白分解物等のペプチド類などを好ましく例示できる。その添加量は、乳酸菌の菌体の乾燥物換算100質量部に対して分散剤20〜1,000質量部であることが好ましく、50〜1,000質量部であることがより好ましく、100〜600質量部であることが最も好ましい。分散剤の添加量が乳酸菌の菌体の乾燥物換算100質量部に対して20質量部未満であると、分散剤の添加による効果に乏しく、1,000質量部を超えると、乳酸菌の菌体の含有量を確保することができないので、いずれも好ましくない。
以下、本発明により得られる乳酸菌の利用形態の一例を挙げる。
本発明により得られる乳酸菌は、後述する実施例においても示されるとおり、IL−12産生誘導効果に優れているので、IL−12産生誘導剤の有効成分として好適である。その場合、上記微粒子化及び再凝集防止処理を施したものをそのまま、もしくはそれをスプレードライや凍結乾燥により乾燥したものを用いることが好ましい。これに対し、微粒子化した乳酸菌の菌体を水等により洗浄すると、微粒子化により低分子化した成分や、微粒子化により菌体外に顕れた内容栄養成分が洗い流されてしまうおそれがあるので、好ましくない。
上記IL−12産生誘導剤においては、本発明により得られる乳酸菌以外に、他の素材を配合することに特に制限はなく、必要に応じて、薬学的に許容される基材や担体を添加して、公知の製剤方法によって、例えば錠剤、顆粒剤、カプセル剤、丸剤、散剤、液剤、粉末剤、ゼリー状剤、飴状剤等の形態にして、これを経口剤として利用することができる。また、軟膏剤、クリーム剤、ジェル、ローション等の形態にして、これを皮膚外用剤として利用することができる。
上記IL−12産生誘導剤においては、本発明により得られる乳酸菌以外に、他の素材として、食品原料を配合することもできる。食品原料としては、例えば、各種糖質や乳化剤、甘味料、酸味料、果汁、フレーバー等が挙げられる。より具体的には、グルコース、シュークロース、フラクトース、蜂蜜等の糖類、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチトール、パラチニット等の糖アルコール、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン糖脂肪酸エステル、レシチン等の乳化剤が挙げられる。この他にも、ビタミンA、ビタミンB類、ビタミンC、ビタミンE等の各種ビタミン類やハーブエキス、穀物成分、野菜成分、乳成分等を配合してもよい。
上記IL−12産生誘導剤においては、乳酸菌の菌体の含有量は、各種の形態とした場合に、それが使用される量と有効投与量との関係を勘案して適宜定めればよく、特に制限されるものではないが、通常、固形状の形態の場合には乳酸菌の菌体の乾燥物換算で0.1〜100質量%であることが好ましく、1〜50質量%であることがより好ましい。また、液状又はゼリー状の形態の場合には乳酸菌の菌体の乾燥物換算で0.1〜50質量%であることが好ましく、1〜5質量%であることがより好ましい。
上記IL−12産生誘導剤の投与形態としては、体の中から作用させるため経口的に摂取してもよく、あるいは皮膚に塗布して用いてもよい。また吸引して呼吸器系に適用してもよく、その投与形態が特に制限されるものではない。
上記IL−12産生誘導剤の投与量は、特に制限はないが、典型的に経口的に摂取する場合には、乳酸菌の菌体の乾燥物換算で、成人1日当りおよそ0.01〜10gである。
これら飼料の組成や形態は、経口摂取して利用する場合の上記利用形態に関する記載に準じて成すことができる。
一方、本発明により得られる乳酸菌は、クッキー、せんべい、ゼリー、ようかん、ヨーグルト、まんじゅう等の菓子類、清涼飲料、栄養飲料、スープ等、飲食品に配合して利用することもできる。また、通常の飲食品よりも積極的な意味で、保健、健康維持・増進等を目的として提供される健康食品に配合してもよい。更に、家畜、競走馬、鑑賞用動物等の飼料;ペットフード等、動物用の飼料に利用してもよい。
以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
[使用菌株]
乳酸菌として表1に示す菌株を用いた。
[乳酸菌の培養]
乳酸菌の培養は特に示す以外は次のようにして行った。
培地として「Difco Lactobacilli MRS Broth」(商品名、日本ベクトン・ディツキンソン株式会社)を使用し、本培養の開始時の培養液のpHをpH6.0〜6.5に設定し、pHを調整しながら培養する場合に、初発菌体濃度を1×10〜1×10cfu/mLとしたときに、最終菌体濃度がおよそ5×10〜5×1010cfu/mLとなるように培養条件を設定した。培養はそれぞれの菌株の生育に好適な温度、即ち、乳酸菌Lactobacillus plantarum nF1と乳酸菌Lactobacillus plantarum SNK12とLactobacillus plantarum KH3については32℃、乳酸菌Enterococcus faecalis KH2については37℃、乳酸菌Lactobacillus brebis FERP BP-4693については31〜32℃、乳酸菌Lactococcus lactis sp cremoris CF4については30℃で行なった。培養液のpHを調整する場合には、pH自動制御装置(pHスタット)を用いて苛性ソーダで設定pH±0.1に調整しながら培養を行なった。
[培養後の処理]
培養後の処理を、特に示す以外は次のようにして行った。
90mLの培養液をオートクレーブにて80℃10分殺菌した後、遠心にて集菌し、リン酸緩衝液約20mLに菌体濃度が1〜4%となるよう懸濁した。これをテフロンホモジナイザーにかけ、菌体同士が凝集するのを避け、できるだけ分散させるようにした。このようにして得られた菌体懸濁液を121℃15分滅菌した後、超音波処理を30分行い、菌体の凝集を防ぐと共に、別途、菌体懸濁液の固形分含量を測定し、その値を基に所定の濃度に調整し、以下のIL−12産生誘導試験を行った。
[IL−12産生誘導試験]
IL−12産生誘導能の試験にはマウス脾臓細胞の試験管内培養系を用いた。具体的には、8週齢のBALB/cマウスから脾臓細胞を採取し、常法に従い、10% FBS、10μM 2-メルカプトエタノール、10mM HEPES、100U/mL ペニシリン、100μg/mL ストレプトマイシンを含むRPMI1640培地で細胞浮遊液(1.0×106 cells/mL)を調製した。これに乳酸菌を乾燥物換算で終濃度10μg/mLとなるように添加して細胞/乳酸菌混合液を調製し、96穴プレートの各ウェルに0.2mLずつ撒いた。温度37℃、5%COの条件下で24時間培養し、培養後の培養上清を回収して、培養上清中のIL−12量をELISA法で測定した。なお、測定にはキット「EMIL12」(商品名、Thermo Scientific社)を使用し、結果はイムノプレートの6ウェルの平均として求めた。
<試験例1>
乳酸菌Lactobacillus plantarum nF1を使用し、培地にアルカリ剤(苛性ソーダ)を添加してpH調整しながら培養(以下、「中和培養」という。)した場合と、pH調整しないで培養(以下、「静置培養」という。)した場合について、得られた乳酸菌のIL−12産生誘導能を比較した。また、中和培養後に静置培養して得られた乳酸菌についてもそのIL−12産生誘導能を比較した。その結果を表2に示す。
表2に示すように、乳酸菌Lactobacillus plantarum nF1を32℃で20時間、静置培養して得た菌体のIL−12産生誘導能は、IL−12産生量にして1,800pg/mLであった。これに対して、同じ培地で中和培養すると、静置培養に比べおよそ3倍程度の菌体の収量の増加が得られたが、IL−12産生誘導能としては、IL−12産生量にして50pg/mLに低下してしまった。一方、中和培養を20時間行った後pH自動制御装置(pHスタット)をオフにして静置培養を行った結果、その静置培養時間が長くなるほどIL−12産生誘導能が高まることが明らかとなった。よって、中和培養によるIL−12産生誘導活性の減少は、その中和培養後pH制御を行わず静置培養することにより回復することが明らかとなった。
<試験例2>
乳酸菌Lactobacillus brebis FERP BP-4693を使用して、試験例1と同様の試験を行った。その結果を表3に示す。
表3に示すように、乳酸菌Lactobacillus brebis FERP BP-4693を31℃で29時間、静置培養して得た菌体のIL−12産生誘導能は、IL−12産生量にして783pg/mLであった。これに対して、同じ培地で中和培養すると、静置培養に比べおよそ3倍程度の菌体の収量の増加が得られたが、IL−12産生誘導能としては、IL−12産生量にして152pg/mLに低下してしまった。一方、中和培養を23時間行った後pH自動制御装置(pHスタット)をオフにして静置培養を行った結果、その静置培養時間が長くなるほどIL−12産生誘導能が高まることが明らかとなった。よって、中和培養によるIL−12産生誘導活性の減少は、乳酸菌の種類によらず、その中和培養後pH制御を行わず静置培養することにより回復することが明らかとなった。
<試験例3>
試験例1,2の結果、中和培養後pH制御を止め、静置培養するとIL−12誘導能が高まることが明らかになったので、その静置培養時に当該菌を過酷な条件下に置くことにより更に誘導能が高まるかどうか検討した。なお、乳酸菌としては乳酸菌Lactobacillus plantarum SNK12を使用した。結果を表4に示す。
表4に示すように、乳酸菌Lactobacillus plantarum SNK12を32℃で24時間、静置培養して得た菌体のIL−12産生誘導能は、IL−12産生量にして1,050pg/mLであった。これに対して、同じ培地で20時間中和培養すると、静置培養に比べおよそ3倍程度の菌体の収量の増加が得られたが、IL−12産生誘導能としては、IL−12産生量にして50pg/mLに低下してしまった。一方、中和培養を20時間行った後pH自動制御装置(pHスタット)をオフにして4時間静置培養を行った結果、IL−12産生誘導能が、IL−12産生量にして1,100pg/mLにまで回復した。更に、この静置培養の際、培地中に食塩を添加したり、乳酸菌Lactobacillus plantarum SNK12の増殖には過酷な40℃まで培養温度を高めたりすると、IL−12産生誘導能がさらに高まることが明らかとなった。このIL−12産生誘導能の活性化の効果は、静置培養、食塩添加、高温の3条件を組み合わせたときに最も高かった。
以上より、乳酸菌をあえて生育には過酷なストレス条件下に置くことにより、当該菌のIL−12産生誘導能が回復したり、更に誘導能が高まったりすることが明らかとなった。よって、中和培養の後にストレスを与えることによって、十分な菌体収量を得つつIL−12産生誘導能の高い乳酸菌を製造できることが明らかとなった。
<試験例4>
乳酸菌を製剤として市場に供給する際には、自己消化等を防ぎ安定性を確保するため、殺菌することが必要になる。培養終了後に菌体を殺菌したり集菌したりする工程については、MF膜や遠心分離により培地成分を除去し、乳酸菌だけを水や緩衝液等の媒体に懸濁した濃縮液を殺菌処理する方法と、培養後の培養液を残した状態で予め殺菌処理を行いその後集菌する方法の2通りが考えられる。このうちどちらの方法を採用すべきかを検討した。そのため上記試験例1〜3で行なったように、培養後の培養液をそのまま80℃で10分殺菌した場合と、遠心により集菌後、リン酸緩衝液に懸濁して同様の条件で殺菌した場合とを比較した。その結果を表5に示す。
表5に示すように、いずれの菌株においても、培養後の培養液中で殺菌しその後集菌したほうが、集菌後培養液を除いた状態で殺菌するよりも、IL−12産生誘導能が顕著に高かった。また、いずれの菌株においても、集菌後殺菌するより殺菌後集菌したほうが菌体の黄褐色の着色が濃かった。このような結果が得られる理由は明らかではないが、培養後の培養液中で殺菌処理することで、集菌後殺菌するのとは異なる乳酸菌の生理反応が起こっているからではないかと考えられた。
<試験例5>
試験例4の結果、培養後の培養液中で殺菌しその後集菌したほうが、集菌後培養液を除いた状態で殺菌するよりも、IL−12産生誘導能が高く、また、集菌後殺菌するより殺菌後集菌したほうが菌体の黄褐色の着色が濃いことが明らかになった。そこで、乳酸菌の菌体の着色とIL−12産生誘導能の関係について更に検討した。なお、乳酸菌としては乳酸菌Lactobacillus plantarum KH3を使用し、18時間中和培養後、6時間静置培養し、その培養後にそのまま各条件で加熱殺菌した。
乳酸菌の菌体の着色は、色差計(日本電色工業株式会社製SQ-300H)を用いて、以下のようにして測色した。
殺菌後の培養液を90mLとり50mL遠心管に45mLずつ分注し、8400rpm、5分遠心分離して、菌体を集めた。この菌体をリン酸緩衝液に懸濁し、テフロンホモジナイザーを用いて均質化した後再度遠心分離を行い、培地成分を除去した。得られた沈殿をリン酸緩衝液に懸濁し、テフロンホモジナイザーで均質化して、最終的に25mLの容量に調製した。以上のようにして調製した固形分4%の菌体懸濁液を石英ガラスシャーレ(35mm径)に移し、その状態を色差計(日本電色工業株式会社製SQ-300H)によりL表色系の明度L値と、色度a値とb値を測定した。また、図1にはその菌体懸濁液の写真を示す。
結果をまとめて表6に示す。
表6に示すように、未殺菌よりも培養後に所定条件の殺菌処理を施したほうが、乳酸菌のIL−12産生誘導能が高くなった。その殺菌温度は80〜100℃がより好ましく、菌体の明度L値の低下及び色度a値の増加と、IL−12産生誘導能の向上とが、非常によく相関していた。

Claims (11)

  1. 乳酸菌を培地にアルカリ剤を添加してpH調整しながら培養し、培養後期にストレスを与え、殺菌することを特徴とするIL−12産生誘導能を有する乳酸菌の製造方法。
  2. 前記ストレスは、(a)アルカリ剤を添加することなく培養すること、(b)増殖が抑制される温度帯で培養すること、(c)培養液中の濃度として1質量%以上の塩分を添加して培養すること、及び(d)pHを5以下にして培養すること、からなる群から選ばれた少なくとも1つである、請求項1記載のIL−12産生誘導能を有する乳酸菌の製造方法。
  3. 培養後の培養液中で殺菌し、その後に集菌する、請求項1又は2記載のIL−12産生誘導能を有する乳酸菌の製造方法。
  4. 前記乳酸菌は植物から分離されたものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のIL−12産生誘導能を有する乳酸菌の製造方法。
  5. 前記乳酸菌は Lactobacillus plantarum、Lactococcus lactis sp cremoris、Enterococcus faecalis、又は Lactobacillus brevis に属する微生物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のIL−12産生誘導能を有する乳酸菌の製造方法。
  6. 前記殺菌を80℃以上で行なう、請求項1〜5のいずれか1項に記載のIL−12産生誘導能を有する乳酸菌の製造方法。
  7. 培養後の培養液中で殺菌し、それを遠心分離し、膜分離し、又は沈降させることによって培地を除いて調製した固形分4%の菌体濃縮液5gを直径35mmの石英ガラスシャーレに入れ、その状態でL表色系の測色を測定したときの明度L値が65以下であり、色度a値が−4以上となるように、該殺菌を行う、請求項3記載のIL−12産生誘導能を有する乳酸菌の製造方法。
  8. 乳酸菌を培地にアルカリ剤を添加してpH調整しながら培養し、培養後期にストレスを与え、殺菌して得られたものであることを特徴とするIL−12産生誘導能を有する乳酸菌。
  9. 培養後の培養液中で殺菌し、その後に集菌して得られたものである、請求項8記載のIL−12産生誘導能を有する乳酸菌。
  10. 80℃以上で殺菌して得られたものである、請求項8又は9記載のIL−12産生誘導能を有する乳酸菌。
  11. 培養後の培養液中で殺菌し、それを遠心分離し、膜分離し、又は沈降させることによって培地を除いて調製した固形分4%の菌体濃縮液5gを直径35mmの石英ガラスシャーレに入れ、その状態でL表色系の測色を測定したときの明度L値が65以下であり、色度a値が−4以上となるように、該殺菌を行なって得られたものである、請求項9記載のIL−12産生誘導能を有する乳酸菌。
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