JP2014129475A - 熱カチオン重合性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】より低温、より短時間でカチオン重合により硬化する、熱カチオン重合性組成物を提供する。またより安定性に優れた、熱カチオン重合性組成物を提供する。
【解決手段】カチオン重合性物質と、(a)式:Ar−I−Ar・X(式中、Ar及びArは、独立して、置換又は非置換のアリールであり、Xは、アニオンである)で示されるヨードニウム塩と、(b)金属錯体と、場合により(c)α−ヒドロキシケトン構造を有する化合物とを含むことを特徴とする、熱カチオン重合性組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は熱カチオン重合性組成物に関する。
カチオン重合性物質、典型的には、エポキシ化合物は、その硬化物が機械的強度、耐薬品性、電気絶縁性、接着性などの特性に優れていることから、塗料、電気・電子、土木・建築、接着剤分野などで幅広く利用されている。エポキシ化合物は、その目的に応じて、アミン類、ポリアミン類、酸無水物類、フェノール樹脂類、オニウム塩類などの様々な硬化剤と組み合わせて硬化することができる。
一般に、カチオン重合性物質の低温速硬化を実現するためには、少なくとも1つの脂肪族基を有する芳香族スルホニウム塩化合物が多く用いられている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、80℃付近で硬化を開始する低温硬化剤のラインナップは未だに少ない。また、前記芳香族スルホニウム塩は、カウンターアニオンとしてSbF(ヘキサフルオロアンチモン)を含むが、アンチモンが管理対象物質であることから制約が多く扱い難いという欠点がある。
最近、低温速硬化可能な接着剤として、芳香族ヨードニウム塩化合物と、ラジカル重合開始剤としての有機過酸化物と、カチオン重合性物質とを含有してなる接着剤組成物が報告されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、前記接着剤組成物の速硬化性は110℃超の硬化温度で観察されたものであり、より低温での硬化性は報告されていない。また前記接着剤組成物は有機過酸化物を含むため、その安定性が問題となり得る。
特開平6−345726号公報 特開2011−116977号公報
本発明の目的は、より低温、より短時間でカチオン重合により硬化する、熱カチオン重合性組成物を提供することである。またより安定性に優れた、熱カチオン重合性組成物を提供することである。
本発明者等は、上記課題を鑑み鋭意検討を重ねた結果、カチオン重合性物質と、(a)式:Ar−I−Ar・X(式中、Ar及びArは、独立して、置換又は非置換のアリールであり、Xは、アニオンである)で示されるヨードニウム塩と、(b)金属錯体と、場合により(c)α−ヒドロキシケトン構造を有する化合物とを含むことを特徴とする熱カチオン重合性組成物が、低温でも短時間に熱硬化しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りである:
[1]カチオン重合性物質と、(a)式:Ar−I−Ar・X(式中、Ar及びArは、独立して、置換又は非置換のアリールであり、Xは、アニオンである)で示されるヨードニウム塩と、(b)金属錯体とを含むことを特徴とする、熱カチオン重合性組成物。
[2]さらに(c)α−ヒドロキシケトン構造を有する化合物を含む、上記[1]に記載の熱カチオン重合性組成物。
[3](b)金属錯体を含む第一液と、その他の成分を含む第二液とからなる二液硬化型組成物である、上記[1]又は[2]に記載の熱カチオン重合性組成物。
[4]第一液がプライマーである、上記[3]に記載の熱カチオン重合性組成物。
[5]一液硬化型組成物である、上記[1]又は[2]に記載の熱カチオン重合性組成物。
[6](a)式:Ar−I−Ar・X(式中、Ar及びArは、独立して、置換又は非置換のアリールであり、Xは、アニオンである)で示されるヨードニウム塩と、(b)金属錯体とを含むことを特徴とする、熱カチオン重合性硬化剤。
[7]さらに(c)α−ヒドロキシケトン構造を有する化合物を含む、上記[6]に記載の熱カチオン重合性硬化剤。
[8]カチオン重合性物質の80℃以下での硬化における、上記[6]又は[7]に記載の熱カチオン重合性硬化剤の使用。
本発明の熱カチオン重合性組成物は、低温でもより短時間に熱硬化することができることから、高温への長時間暴露が好ましくない電気・電子部品材料として、またはそのような部品等の接着剤等として有用である。また本発明の熱カチオン重合性組成物は、過酸化物のような液安定性に影響を及ぼす成分を含まないことから、より安定性に優れたものとなり得る。
触指による樹脂の硬化状態の観察に用いた試験サンプルを示す。試験サンプルは、スライドガラス1に(b)金属錯体を含む第一液(プライマー)2を塗布し、乾燥させ、ホットプレート上で80℃とした後、その他の成分を含む第二液3を〜10mmφ、約1mm高さとなるよう滴下し、作製した。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〔熱カチオン重合性組成物〕
本発明の第一の態様は、カチオン重合性物質と、(a)式:Ar−I−Ar・X(式中、Ar及びArは、独立して、置換又は非置換のアリールであり、Xは、アニオンである)で示されるヨードニウム塩(以下、「a成分」と称する)と、(b)金属錯体(以下、「b成分」と称する)と、場合により(c)α−ヒドロキシケトン構造を有する化合物(以下、「c成分」と称する)とを含むことを特徴とする、熱カチオン重合性組成物に関する。すなわち、本発明の第一の態様は、カチオン重合性物質と、a成分及びb成分とを含む熱カチオン重合性組成物;並びにカチオン重合性物質と、a成分、b成分及びc成分とを含む熱カチオン重合性組成物を包含する。
カチオン重合性物質としては、エポキシ化合物、オキセタン化合物、ポリスチレン系化合物、及びビニルエーテル化合物等のエチレン性不飽和基含有化合物を挙げることができる。好ましくはエポキシ化合物、オキセタン化合物及びビニルエーテル化合物からなる群より選択される少なくとも一種の化合物であり、より好ましくは、エポキシ化合物及び/又はオキセタン化合物であり、特に好ましくはエポキシ化合物である。
エポキシ化合物としては、芳香族、脂肪族及び脂環式エポキシ化合物を挙げることができる。芳香族エポキシ化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールAD型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、ナフタレン型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、多官能型エポキシ化合物を挙げることができ、その具体例としては、DIC社製のEPICLON850、850−S、EXA−850CPR等のビスフェノールA型エポキシ化合物;DIC社製のEPICLON830−S、EXA−830LVP等のビスフェノールF型エポキシ化合物;DIC社製のEPICLONのHP−4032D、HP−7200H等のナフタレン型エポキシ化合物;DIC社製のEPICLON N−740、N−770等のフェノールノボラック型エポキシ化合物;DIC社製のEPICLON N−660、N−670、N−655−EXP−S等のクレゾールノボラック型エポキシ化合物;テトラ(ヒドロキシフェニル)アルカンのグリシジルエーテル、テトラヒドロキシベンゾフェノンのグリシジルエーテル、エポキシ化ポリビニルフェノール等の多官能エポキシ化合物を挙げることができる。
脂肪族エポキシ化合物としては、多価アルコール又はそのアルキレンオキシド付加物のポリグリシジルエーテルを挙げることができ、その具体例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(共栄社化学社製のエポライト100MF)、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル等を挙げることができる。
脂環式エポキシ化合物としては、前記芳香族エポキシ化合物の水添物、シクロヘキサン系、シクロヘキシルメチルエステル系、シクロヘキシルメチルエーテル系、スピロ系及びトリシクロデカン系エポキシ化合物が挙げられ、その具体例としては、ADEKA社製のKRM−2408、JER社製のYX−8034等の水添ビスフェノールA型エポキシ化合物;3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1,2:8,9−ジエポキシリモネン、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物(ダイセル社製のEHPE3150)等の脂環型エポキシ化合物を挙げることができる。
オキセタン化合物の具体例としては、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(オキセタンアルコール)(例えば、東亞合成社製OXT−101)、2−エチルヘキシルオキセタン(例えば、東亞合成社製OXT−212)、キシリレンビスオキセタン(XDO:例えば、東亞合成社製OXT−121)、3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタン(例えば、東亞合成社製OXT−221)、オキセタニルシルセスキオキセタン(例えば、東亜合成社製OXT−191)、フェノールノボラックオキセタン(例えば、東亜合成社製PHOX)及び3−エチル−3−フェノキシメチルオキセタン(POX:例えば、東亞合成社製OXT−211)を挙げることができる。
ビニルエーテル化合物の具体例としては、ヒドロキシブチルビニルエーテル(例えば、ISP社製HBVE)、1,4−シクロヘキサンジメタノールのビニルエーテル(例えば、ISP社製CHVE)、トリエチレングリコールジビニルエーテル(例えば、ISP社製DVE−3)、ドデシルビニルエーテル(例えば、ISP社製DDVE)、及びシクロヘキシルビニルエーテル(例えば、ISP社製CVE)を挙げることができる。
a成分は、式:Ar−I−Ar・X(式中、Ar及びArは、独立して、置換又は非置換のアリールであり、Xは、アニオンである)で示されるヨードニウム塩である。ここで「アリール」は、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、好ましくは、フェニル基又はナフチル基を意味する。アリールは、非置換であっても、1つ以上の任意の置換基で置換されていてもよく、そのような置換基として、炭素数1〜18の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基、炭素数1〜18の直鎖又は分岐鎖状のアルコキシ基、炭素数2〜18の直鎖又は分岐鎖状のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜18の直鎖又は分岐鎖状のアシルオキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基等を挙げることができる。「アニオン」は、一価のカウンターアニオンであればよいが、非アンチモン系のアニオンが好ましく、例えば、BF 、AsF 、又はB(C 、あるいは[P(R6−n、[C(RSO、又は[N(RSO(式中、Rは、独立して、炭素数1〜6の部分又は全フッ素化アルキル基であり、nは0〜5の整数である)等が挙げられる。
a成分の具体例としては、ジフェニルヨードニウム・ヘキサフルオロアルセネート、ジ(4−クロロフェニル)ヨードニウム・ヘキサフルオロアルセネート、ジ(4−ブロムフェニル)ヨードニウム・ヘキサフルオロアルセネート、フェニル(4−メトキシフェニル)ヨードニウム・ヘキサフルオロアルセネート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム・ヘキサフルオロホスフェート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム・トリ(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート(例えば、サンアプロ社製のIK−1)、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム・テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(例えば、ローディア社製のPI−2074)、4−メチルフェニル−4−(2−メチルプロピル)フェニルヨードニウム・ヘキサフルオロホスフェート(例えば、BASF社製のIRGACURE(登録商標)250)、ビス(C10〜14−アルキルフェニル)ヨードニウム・ヘキサフルオロホスフェート(例えば、和光純薬工業社製のWPI−113)等を挙げることができる。このようなヨードニウム塩は、例えばカチオン開始剤として、試薬供給業者から市販されており、容易に入手することができる。
本発明の第一の態様において、熱カチオン重合性組成物は、a成分を単独で、又は二種以上含んでいてもよい。a成分の配合量は、硬化物の物性及び着色性の観点から、カチオン重合性物質100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.5〜5質量部である。
b成分は、金属錯体である。b成分は、a成分のヨードニウム塩を分解し、光によらず酸を発生させることにより、カチオン重合を促進することができる還元性の金属錯体であればよく、好ましくは鉄、モリブデン、バナジウム等の金属錯体、特に好ましくはバナジウム錯体を挙げることができる。バナジウム錯体としては、4価のバナジウム化合物、例えば、ビス(アセチルアセトナト)オキソバナジウム(IV)、ビス(ベンゾイルアセトナト)オキソバナジウム(IV)、ビス(ステアロイルオキシ)オキソバナジウム(IV)、シュウ酸バナジル、ナフテン酸バナジル等が挙げられる。また5価のバナジウム化合物、例えば、五酸化バナジウム(V)、メタバナジン酸(V)塩、トリ(アルコキシ)オキソバナジウム(V)等であってもよい。5価のバナジウム化合物は、リン酸化合物など酸性化合物の存在下であれば、好ましくは組成物(特に、二液硬化型組成物の第一の液)の系内で、4価のバナジウム化合物を形成しうる。
本発明の第一の態様において、熱カチオン重合性組成物は、b成分を単独で、又は二種以上含んでいてもよく、その配合量は、低温速硬化性、組成物の着色性や保存安定性の観点から、カチオン重合性物質100質量部に対して、好ましくは0.001〜5質量部、より好ましくは0.01〜1質量部である。
c成分は、α−ヒドロキシケトン構造を有する化合物である。c成分は、ヨードニウム塩の分解を促進し、カチオン重合を加速させる。α−ヒドロキシケトン構造を有する化合物としては、例えば、ベンゾイン(例えば、精工化学社製のセイクオールZ)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(例えば、BASF社製のIRGACURE(登録商標)184)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパン(例えば、BASF社製のDAROCUR(登録商標)1173)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(例えば、BASF社製のIRGACURE(登録商標)2959)、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(例えば、BASF社製のIRGACURE(登録商標)127)、オリゴ{2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパン−1−オン}(例えば、Lamberti社製のEsacure KIP 150)等の光開始剤を挙げることができる。また、α−ヒドロキシケトン構造を有する化合物として、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸等のα−ヒドロキシ酸、及び前記化合物のエステル誘導体を挙げることもできる。このようなα−ヒドロキシケトン構造を有する化合物は、試薬供給業者から市販されており、容易に入手することができる。
本発明の第一の態様において、熱カチオン重合性組成物がc成分を含む場合、c成分を単独で、又は二種以上含んでいてもよく、その配合量は、組成物の保存安定性の観点から、カチオン重合性物質100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.5〜5質量部である。
本発明の熱カチオン重合性組成物は、カチオン重合性物質と、a及びb成分と、場合によりc成分とを含む一液硬化型組成物として用いてもよいが、これらの成分を2つに分けた二液硬化型組成物として用いてもよい。組成物の安定性が確保できる場合は、一液硬化型組成物として用いるのが好ましい。本発明の熱カチオン重合性組成物を、二液硬化型組成物として用いる場合、b成分を含む第一液と、その他の成分(カチオン重合性物質と、a成分と、場合によりc成分)を含む第二液とするのが、保存安定性の観点から好適である。また第一液は、その使用直前に第二液と混合して用いてもよいが、例えば、第一液は第二液と直接混合せず、予めプライマーとして任意の表面に塗布し、乾燥後、第二液を塗布し、低温での熱硬化に付してもよい。
b成分を含む第一液は、b成分を任意の溶媒に溶解・分散させたものであればよい。用いる溶媒としては、各成分に不活性であり、b成分の溶解・分散に適したものであれば特に限定はないが、好ましくはアルコール類又はケトン類等であり、より好ましくは炭素数1〜6のアルコール又はケトン類であり、特に好ましくはメタノール、エタノール、アセトンなどが挙げられる。第一液におけるc成分の濃度に特に限定はなく、上述の本発明の組成物におけるc成分の配合量となるよう、その濃度及び塗布量を適宜調整すればよい。
また第一液には、b成分に加えて酸性化合物を添加してもよい。そのような酸性化合物には、酸性リン化合物、有機カルボン酸、又は有機スルホン酸が挙げられる。特に、金属錯体として5価のバナジウム化合物を用いる場合、第一の液の系内でそれと4価のバナジウム化合物を形成しうる、酸性リン酸化合物を添加するのが好ましい。酸性リン化合物の具体例としては、モノメチルホスフェート、ジメチルホスフェート、モノエチルホスフェート、ジエチルホスフェート、モノイソプロピルホスフェート、ジイソプロピルホスフェート、モノブチルホスフェート、ジブチルホスフェート、モノ−β−クロロエチルホスフェート、ジ−β−クロロエチルホスフェート、モノ−β−ブロモエチルホスフェート、ジ−β−ブロモエチルホスフェート、モノエトキシエチルホスフェート、ジエトキシエチルホスフェート、モノブトキシエチルホスフェート、ジブトキシエチルホスフェート、フェニルホスフェート、ジフェニルホスフェート等の酸性リン酸エステル類等が挙げられる。酸性化合物は前記金属錯体に対して、モル比で1.5〜3.0含んでいることが望ましい。
b成分を含む第一液として、五酸化バナジウム(V)及びジブチルホスフェート、あるいはこれらから形成されうる4価のバナジウム化合物を含むプライマーを使用することができる。例えば、AT−Quicker VE(東亞合成社製)を使用することができる。プライマーの使用量は、カチオン重合性物質100質量部に対して、好ましくは0.1〜50質量部、より好ましくは0.2〜30質量部である。
その他の成分(カチオン重合性物質、ab成分と、場合によりc成分)を含む第二液は、カチオン重合性物質に、a成分と、場合によりc成分とを溶解・分散させたものであってよい。カチオン重合性物質の性状に応じて、各成分に不活性である、任意の溶媒を使用してもよいが、液状のカチオン重合性物質を用い、溶媒を使用しない態様が好ましい。
〔熱カチオン重合性硬化剤〕
本発明の第二の態様は、a成分と、b成分と、場合によりc成分とを含むことを特徴とする、熱カチオン重合性硬化剤に関する。すなわち、本発明の第三の態様は、a成分及びb成分を含む熱カチオン重合性硬化剤;並びにa成分、b成分及びc成分を含む熱カチオン重合性硬化剤を包含する。本発明の熱カチオン重合性硬化剤は、カチオン重合性物質の80℃以下での硬化において使用される。
a成分、b成分及びc成分についての例示及び具体的態様は、上述の本発明の第一の態様と同じである。また本発明の第二の態様において、熱カチオン重合性硬化剤は、a成分、b成分及びc成分それぞれを、単独で、又は二種以上含んでいてもよい。また各成分の配合比は、上述の本発明の第一の態様における各成分のカチオン重合性物質に対する配合量の各成分間の比と同様である。
本発明の熱カチオン重合性組成物及び熱カチオン重合性硬化剤は、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、その目的に応じて、公知の添加剤、例えば、無機充填剤、強化材、着色剤、安定剤、増量剤、粘度調節剤、粘着付与剤、難燃剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、変色防止剤、抗菌剤、防黴剤、老化防止剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、平滑化剤、発泡剤、離型剤等を含有していてもよい。
以下に本発明の具体的な実施様態を明らかにするために実施例を示すが、本発明はここに示す実施例のみに限定されるわけではない。
実施例及び比較例の各組成物を以下の原材料を使用して製造した。
〔エポキシ樹脂〕
− ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON EXA−CRP);
− トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(共栄社化学社製、エポライト100MF)。
〔ヨードニウム塩(a成分)〕
− 4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム・テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(ローディア社製、PI−2074)。
〔金属錯体(c成分)〕
− AT−Quicker VE(東亞合成社製)。
〔α−ヒドロキシケトン構造を有する化合物(c成分)〕
− 1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(BASF社製、IRGACURE(登録商標)184)。
実施例1〜3/比較例1〜2
〔調製条件〕
実施例1〜3の熱カチオン重合性組成物を、二液硬化型組成物として調製した。
第一液は、AT−Quicker VE(東亞合成社製)を使用した。これをプライマーとして使用した。
第二液は、表1に記載の配合に基づき、2種のエポキシ化合物(各25g、合計50g)に、b成分を除く各成分(a、及び場合によりc成分)を添加し、室温環境の下、撹拌機で透明になるまで撹拌し、調製した。
一方、比較例1〜2の組成物は、表1の配合を一液として調製した。
〔評価条件〕
上記で調製した実施例1〜3及び比較例1〜2の各組成の低温での速硬化性を以下のようにして評価した。
実施例1〜3では、スライドガラス(26mm×76mm)に第一液(プライマー)100mgを塗布し、乾燥させた(0.05mg/mm)。次いで、このスライドガラスを80℃に加熱したホットプレート上に移し、定常状態となるまで放置した(約15分)。プライマーの乾燥重量は0.0025mg/mmであった。第二液を〜10mmφ、約1mm高さとなるよう滴下し(0時点とする)、本発明の組成物の硬化状態の観察を開始した。評価は、各時間において触指により行った。
一方、比較例1〜2では、スライドガラス(26mm×76mm)を80℃に加熱したホットプレート上に載せ、定常状態となるまで放置した(約15分)。調製した一液の組成物を〜10mmφ、約1mm高さとなるよう滴下し(0時点とする)、その硬化状態の観察を開始した。評価は、各時間において触指により行った。
それぞれの結果を表1に示す。
Figure 2014129475
二液硬化型組成物として調製された、本発明の熱カチオン重合性組成物は、80℃という低温で、短時間に硬化することが確認できた。一方、カチオン重合物質に、a成分とc成分とを添加した組成物(比較例1)及びカチオン重合物質に、a成分のみを添加した組成物(比較例2)は、実験温度(80℃)ではヨードニウム塩が熱的に安定であり、その開始剤としての作用は確認できなかった。
1 スライドガラス
2 (c)金属錯体を含む第一液(プライマー)より形成される層
3 その他の成分を含む第二液

Claims (8)

  1. カチオン重合性物質と、
    (a)式:Ar−I−Ar・X(式中、Ar及びArは、独立して、置換又は非置換のアリールであり、Xは、アニオンである)で示されるヨードニウム塩と、
    (b)金属錯体と
    を含むことを特徴とする、熱カチオン重合性組成物。
  2. さらに(c)α−ヒドロキシケトン構造を有する化合物を含む、請求項1に記載の熱カチオン重合性組成物。
  3. (b)金属錯体を含む第一液と、その他の成分を含む第二液とからなる二液硬化型組成物である、請求項1又は2に記載の熱カチオン重合性組成物。
  4. 第一液がプライマーである、請求項3に記載の熱カチオン重合性組成物。
  5. 一液硬化型組成物である、請求項1又は2に記載の熱カチオン重合性組成物。
  6. (a)式:Ar−I−Ar・X(式中、Ar及びArは、独立して、置換又は非置換のアリールであり、Xは、アニオンである)で示されるヨードニウム塩と、
    (b)金属錯体と
    を含むことを特徴とする、熱カチオン重合性硬化剤。
  7. さらに(c)α−ヒドロキシケトン構造を有する化合物を含む、請求項6に記載の熱カチオン重合性硬化剤。
  8. カチオン重合性物質の80℃以下での硬化における、請求項6又は7に記載の熱カチオン重合性硬化剤の使用。
JP2012287996A 2012-12-28 2012-12-28 熱カチオン重合性組成物 Pending JP2014129475A (ja)

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