JP2014118280A - 樹脂製コンベヤベルト - Google Patents

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Abstract

【課題】カバー層と芯体との接着性を改善させて製造容易な樹脂製コンベヤベルトを提供すること。
【解決手段】シート状の芯体を備え、該芯体の少なくとも搬送面側に配されたカバー層が樹脂組成物にて形成されてなる樹脂製コンベヤベルトであって、前記カバー層は、前記芯体に直接接しており、且つ、ポリアミド12、及び、分子内にポリアミド12を構成単位として含有する共重合体樹脂の一方、又は、両方を含有する樹脂組成物で少なくとも前記芯体と接する部分が形成されていることを特徴とする樹脂製コンベヤベルトを提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、樹脂製コンベヤベルトに関し、より詳しくは、シート状の芯体を備え、該芯体の少なくとも搬送面側に配されたカバー層が樹脂組成物にて形成されてなる樹脂製コンベヤベルトに関する。
従来、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーや反応硬化型ポリウレタン樹脂などといったゴム弾性に富んだ樹脂を主成分とした樹脂組成物でコンベヤベルトを形成させることが行われており、この種の樹脂製コンベヤベルトは食品製造ラインなどにおいて広く用いられている。
なお、通常、上記のような樹脂組成物だけでは樹脂製コンベヤベルトに十分な抗張力を発揮させることが難しいことから、この種のコンベヤベルトを作製するのに際しては、ポリエステル繊維からなる帆布を芯体とし、該芯体を厚み方向中央部または搬送面側に対して裏面側に配するとともに、該芯体の少なくとも搬送面側に樹脂組成物で形成されたカバー層を設けるようなことが行われている。
また、近年、下記特許文献1に示されているように帆布に代えて2軸延伸したポリエステル樹脂シートを芯体に利用することが検討されたりしている。
特開平10−157816号公報
なお、カバー層を構成するのに一般的に用いられている樹脂組成物は、帆布や樹脂シートといった芯体に対して十分な接着性を示さない場合が多いことから、従来の樹脂製コンベヤベルトは芯体とカバー層との間に接着剤層を形成させている。
即ち、前記芯体は、接着剤をコーティングして利用することが従来の樹脂製コンベヤベルトにおける一般的な利用方法となっている。
このことから、従来の樹脂製コンベヤベルトは、その作製に際して芯体に接着剤をコーティングするなどの手間を必要としており製造工程を簡略化させることが難しい状況になっている。
本発明は上記のような問題の解決を図ることを課題としており、カバー層と芯体との接着性を改善させて製造容易な樹脂製コンベヤベルトを提供することを目的としている。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、カバー層を形成する樹脂組成物にポリアミド12、又は、ポリアミド12を構成単位として含有する共重合体樹脂を含有させることで接着剤を用いなくても芯体とカバー層との間に優れた接着性が発揮されることを見出して本発明を完成させるに至った。
即ち、上記課題を解決するための樹脂製コンベヤベルトに係る本発明は、シート状の芯体を備え、該芯体の少なくとも搬送面側に配されたカバー層が樹脂組成物にて形成されてなる樹脂製コンベヤベルトであって、前記カバー層は、前記芯体に直接接しており、且つ、ポリアミド12、及び、分子内にポリアミド12を構成単位として含有する共重合体樹脂の一方、又は、両方を含有する樹脂組成物で少なくとも前記芯体と接する部分が形成されていることを特徴としている。
本発明によれば、ポリアミド12、及び、分子内にポリアミド12を構成単位として含有する共重合体樹脂の一方、又は、両方を含有する樹脂組成物でカバー層の芯体に接する部分が形成されることから芯体に対する接着処理を行わない、あるいは、芯体に接着処理を行うにしても従来に比べて簡略化させ得ることから製造容易な樹脂製コンベヤベルトを提供することができる。
一実施形態の樹脂製コンベヤベルトの概略断面図。
以下に本発明に係る樹脂製コンベヤベルトの実施の形態について図を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態の樹脂製コンベヤベルトの概略断面図であり、同図には示されていないが、本実施形態に係る樹脂製コンベヤベルト1(以下、単に「コンベヤベルト」ともいう)は、複数のプーリ、ローラに巻き掛けられて用いられるべく無端状に形成されている。
そして、より詳しくは、図1は、本実施形態に係るコンベヤベルト1がキャリアローラ100の上を走行する様子を概略的に示した概略断面図である。
この図1に示されているように、本実施形態のコンベヤベルト1は、厚み方向中央部にシート状の芯体からなる芯体層10を備えている。
また、本実施形態のコンベヤベルト1は、前記芯体の一面側に配され、上面側が当該コンベヤベルトの搬送面となり、該搬送面に搬送物が載置される上カバー層20を備え、該上カバー層20の設けられた側とは反対側となる前記芯体の他面側に、その下面側が前記キャリアローラ100に接触する状態となる下カバー層30をさらに備えている。
なお、前記上カバー層20、及び、前記下カバー層30の両方は、前記芯体と接する内層21,31と該内層21,31の外側に接する外層22,32との2層構造を備えている。
前記芯体層10を形成する芯体は、通常、50μm〜200μmの厚みを有するものを採用することができる。
該芯体としては、例えば、樹脂からなるフィルム状のシートを採用することができる。
該シートを構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリ乳酸樹脂などのポリエステル樹脂;脂肪族ポリアミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂などのポリアミド樹脂;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン樹脂;ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリケトン樹脂などのエンジニアリングプラスチックス、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂などの塩素系樹脂;ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリテトラフロロエチレン樹脂、テトラフロロエチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフロロエチレン・ヘキサフロロプロピレン共重合体などのフッ素系樹脂;ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。
前記芯体としてフィルム状樹脂シートを採用する場合には、当該樹脂シートは、非延伸品であっても、一軸、又は、二軸延伸品などであってもよい。
また、前記芯体としては、上記の樹脂からなる繊維を用いた不織布や織布を採用することができる。
さらに、前記芯体としては、アセテート繊維などの半合成繊維;レーヨンなどの再生繊維;綿、麻、羊毛、絹などの天然繊維、カーボンファイバー、ガラスファイバー、ロックウール、金属繊維などの無機繊維を用いた不織布や織布も採用が可能である。
前記芯体として不織布を採用する場合には、当該不織布としては、上記繊維の内の一種が単独で用いられたものの他に複数の繊維を混抄したものも採用が可能である。
また、前記芯体として織布を採用する場合には、当該織布としては、上記繊維の内の一種が単独で用いられた、又は、2種以上が混合された繊維が引き揃えられ、又は、撚り合わせられて500〜2000デシックスの太さとされたコードが平織、マット織、綾織又は朱子織されたものなどを採用することが可能である。
上記のようなものの中でも、前記芯体としては、比較的安価に入手することができ、且つ、強度に優れている点においてポリイミド樹脂シート、又は、ポリエステル樹脂シートのいずれかを採用することが好ましい。
なかでも、コンベヤベルト製造時に一つずつ個別に作製するのではなく、一旦最終製品の数倍以上の幅を有する一次製品を作製した後に所定幅にスリット加工して複数の最終製品に切り分けるような効率面において優れた方法を採用しようとした際にベルト側面において繊維のほつれや毛羽立ちを生じさせないようにするためには前記芯体はフィルム状のシートであることが好ましい。
なお、フィルム状のポリイミド樹脂シートやポリエステル樹脂シートを芯体として採用する際においては、当該樹脂シートは、サンドブラスト処理などの物理的表面粗化処理されたものであっても、プラズマ処理などの電気化学的表面粗化処理といった表面処理が施されたものであっても良い。
本実施形態における前記上カバー層20、及び、前記下カバー層30は、内層21,31をポリアミド12、及び、分子内にポリアミド12を構成単位として含有する共重合体樹脂の一方、又は、両方を含有する樹脂組成物で構成させている。
なお、上カバー層20の内層21と、下カバー層30の内層31とは、その形成に用いる樹脂組成物を共通させる必要性は無く、用いる配合材料の種類や配合比率などを異ならせていても良い。
この内層21,31を形成させるための樹脂組成物に含有させる前記ポリアミド12としては、炭素数12の直鎖アルキルがアミド結合を介して複数連結されているものであれば良く、前記樹脂組成物には、前記ポリアミド12としてラウリルラクタムが開環重合されたもの、12−アミノドデカン酸が脱水縮合されたもの、或いは、1,12−ジアミノドデカンと1,12−ドデカン二酸とが脱水縮合されたものを含有させることができる。
また、分子内にポリアミド12を構成単位として含有する共重合体樹脂としては、下記式(1)に示すドデカンアミド構造を繰り返し単位としたセグメントを分子内に有するランダム共重合体樹脂、ブロック共重合体樹脂、グラフト共重合体樹脂が挙げられる。
Figure 2014118280
なかでも、前記共重合体としては上記(1)を繰り返し単位としてなるポリアミド12ブロックと、ポリエーテルブロックとがアミド結合で連結されてなるブロック共重合体樹脂であることが好ましい。
より具体的には、前記共重合体樹脂としては、12−アミノドデカン酸、下記式(2)に示すトリブロックポリエーテルジアミン、及び、アジピン酸の3元共重合体樹脂が好ましい。
Figure 2014118280
なお、前記共重合体樹脂を構成するトリブロックポリエーテルジアミンとしては、上記式(2)において、通常、x及びzが1〜20の整数で、yが、4〜50の整数であるものを採用することができる。
また、x及びzは、好ましくは1〜18、さらに好ましくは1〜16、より好ましくは1〜14、特に好ましいのは1〜12である。
さらに、yは、好ましくは5〜45、さらに好ましくは6〜40、より好ましくは7〜35、特に好ましいのは8〜30である。
また、x、y及びzの組合せとしては、xが2〜6の範囲、yが6〜12の範囲、zが1〜5の範囲の組合せ、あるいはxが2〜10の範囲、yが13〜28の範囲、zが1〜9の範囲の組合せなどを好ましい組み合わせとして例示することができる。
また、前記共重合体樹脂としては、12−アミノドデカン酸(PA)と上記式(2)に示すトリブロックポリエーテルジアミン(PEDA)とが35:65〜75:25(PA:PEDA)の質量割合で含有されているものが好ましく、この12−アミノドデカン酸(PA)とトリブロックポリエーテルジアミン(PEDA)との合計100質量部に対してアジピン酸(AA)が2.5〜7.5質量部となる割合で含有されているものが好ましい。
また、前記共重合体樹脂としては、重量平均分子量が20000〜70000で、融点が120℃〜170℃(DSC法 10℃/min)のものが好ましく、ASTM D2240に準拠して23℃で測定した際のショアD硬度が35〜60のものが好ましい。
さらに、前記共重合体樹脂としては、ASTM D638による引張試験(Type1試験片)を実施した際に、300%以上の引張破断伸びを示し、5MPa〜15MPaの引張降伏強度を示すものが好ましく、ASTM D790に準拠して、6.35mm×12.7mm×127mmの試験片で試験を行った際に、3MPa〜12MPaの曲げ弾性率を示すものが好ましい。
このような共重合体樹脂は、ポリアミド12ブロック部分がハードセグメントとして機能し、ポリエーテルブロックがソフトセグメントとして機能して、芯体に対して優れた接着力を示すのみならずカバー層に求められるゴム弾性や強度、伸びを示すものであるが、一般的な樹脂製コンベヤのカバー層を形成させる原料樹脂に比べると製造コストが高くなるおそれを有する。
従って、前記共重合体樹脂は、芯体との接着性に重要な役割を有する前記内層21,31を形成させる樹脂組成物に積極的に含有させつつも前記外層22,32を構成する樹脂組成物中には積極的に採用させないようにすることがコンベヤベルト1を安価に製造する上においては好ましい。
このような点において好ましいコンベヤベルトを得るためには、例えば、前記内層21,31を樹脂成分が実質的に前記共重合体樹脂のみからなる樹脂組成物で形成させ、前記外層22,32を樹脂成分として前記共重合体樹脂やポリアミド12が実質的に含有されていない樹脂組成物で形成させることが好ましい。
また、上記のような点において好ましいコンベヤベルトを得るためには、例えば、前記内層21,31を、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーなどの樹脂と前記共重合体樹脂や前記ポリアミド12とがブレンドされた樹脂組成物で形成させ、前記外層22,32を前記内層21,31よりもそのブレンド比が低い樹脂組成物で形成させればよい。
即ち、本実施形態においては、製造コストを勘案すると、前記内層21,31を構成する樹脂組成物中に占める前記ポリアミド12及び前記共重合体樹脂の合計割合が、前記外層22,32を構成する樹脂組成物中に占める前記ポリアミド12及び前記共重合体樹脂の合計割合よりも高くなるようにさせることが好ましい。
ただし、前記共重合体樹脂と前記ポリウレタン系熱可塑性エラストマーとをブレンドした樹脂組成物を内層21,31の形成に用いる場合には、芯体との接着性を勘案すると、前記共重合体樹脂をポリウレタン系熱可塑性エラストマーとの合計に占める割合が50質量%以上となるようにすることが好ましく70質量%以上となるようにすることが特に好ましい。
なお、前記上カバー層20を形成させるための樹脂組成物や下カバー層30を形成させるための樹脂組成物には、ベース樹脂以外の添加剤として滑剤、スリップ剤、老化防止剤などの加工安定剤、架橋剤、無機充填材、樹脂ビーズなどの機械的特性調整剤、抗菌剤、防カビ剤、消臭剤、紫外線吸収剤、耐候剤、難燃剤、などの機能性薬剤、顔料などを適宜含有させることができる。
このような樹脂組成物と前記芯体とを用いて本実施形態のコンベヤベルト1を作製するには、例えば、一般的な樹脂製コンベヤベルトの作製において利用されている押出積層方法を採用することができる。
より具体的には、作製するコンベヤベルトの数倍以上の幅を有する広幅な長尺帯状の芯体を用意し、この芯体と略同じ巾の吐出口を有するフラットダイを装着した押出機に内層を形成させるための樹脂組成物を供給し、前記芯体に引き取りをかけながら、この芯体の一面側に前記押出機から加熱溶融状態の樹脂組成物(溶融樹脂)を押出し、その後、この溶融樹脂が積層された芯体を一対のローラー間を通過させて前記溶融樹脂によって形成させる内層の厚みを一定化させるとともに溶融樹脂を冷却し、所定厚みの内層21を芯体層10の一面側に形成させた一次成形品を形成させ、次いで、この一次成形品を裏向きにして芯体の反対面にも同様に内層31を形成させた二次成形品を形成させる。
その後、押出機を掃除して、外層を形成させるための樹脂組成物を供給し、一次成形品、二次成形品を形成させたのと同様に前記二次成形品に対し上カバー層20の外層22、下カバー層30の外層32の順に形成させ、得られた広幅な積層体をスリッターで所定幅にスリット加工し、該スリット加工されたものを無端状に継ぎ合わせて前記コンベヤベルト1を形成させることができる。
なお、本実施形態においては、内層側と外層側とにそれぞれ求められる機能を個別に発揮させ易い点において上カバー層20と下カバー層30との両方が2層構造となっているものを例示しているが、いずれか一方、又は、両方が単層構造であってもよく、要すれば、いずれか一方、又は、両方を3層以上の積層構造としてもよい。
また、本実施形態においては、芯体に対する接着剤のコーティングの手間を省略させる上において上カバー層20と下カバー層30との両方をポリアミド12や前記共重合体樹脂を含んだ樹脂組成物で形成させる場合を例示しているが、例えば、芯体の一面側にのみ接着剤をコーティングして他面側に接着剤をコーティングする手間を省略した上で、この接着剤をコーティングしなかった側のカバー層の形成にのみポリアミド12や前記共重合体樹脂を含んだ樹脂組成物を用いるようにしてもよい。
なお、上記例示においては、シート状の芯体の両面にカバー層を設けた場合を例示しているが、ポリアミド12や前記共重合体樹脂を含んだ樹脂組成物を用いてカバー層を形成させた際に、芯体とカバー層との間に優れた接着力が発揮される点においては、片面側にしかカバー層が設けられておらず、他面側においては芯体が露出しているような樹脂製コンベヤベルトにおいても同じである。
また、ポリアミド12や前記共重合体樹脂を含んだ樹脂組成物を用いてカバー層を形成させた際に、芯体との間に優れた接着性が発揮されるのは、シート状の芯体ではなくコードを芯体としている場合も同じである。
また、カバー層を樹脂組成物ではなくEPゴムやEPDMといったエチレン・α−オレフィンゴム、クロロプレンゴム、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ニトリルゴム、フッ素ゴム、シリコンゴムなどのゴム組成物で形成させたゴム製コンベヤベルトにおいても、前記ゴム組成物にポリアミド12や前記共重合体樹脂を含有させることで芯体との間に強固な接着性が発揮される点については同じである。
さらに、コンベヤベルトに限らず、帆布やコードなどの芯体を有する伝動ベルトにおいても芯体に接する部分をポリアミド12や前記共重合体樹脂を含有させた樹脂組成物やゴム組成物で形成させることで芯体との間に優れた接着性を発揮させ得る点については同じである。
また、本発明においては、上記の例示の事項に従来公知の技術事項を適宜付加することができ、その本質的な部分が損なわれない限りにおいて、上記例示の樹脂製コンベヤベルトに種々の変更が加えられたものも本発明の樹脂製コンベヤベルトとして意図する範囲のものである。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(使用材料1:芯体)
芯体1:ポリイミド樹脂からなるフィルム状シート、宇部興産社製、商品名「ユーピレックス」、厚み50μm

芯体2:ポリエステル樹脂からなるフィルム状シート、厚み50μm

芯体3:ポリエチレンテレフタレート樹脂繊維からなるコードが用いられてなる目付け量が20g/m2の帆布
(使用材料2:カバー層用シート)
カバー層1:12−アミノドデカン酸、トリブロックポリエーテルジアミン(式(2))、及び、アジピン酸の3元共重合体樹脂、宇部興産社製、商品名「XPA9040F1」のみを含有する樹脂組成物からなる厚み300μmのシート
カバー層2:前記共重合体樹脂(商品名「XPA9040F1」)50質量%、及び、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、大日精化社製、商品名「レザミンP‐1078F」
50質量%含有する樹脂組成物からなる厚み300μmのシート
カバー層3:ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、大日精化社製、商品名「レザミンP‐1078F」のみを含有する樹脂組成物からなる厚み300μmのシート
(評価用試料の作製)
下記表1に示すように芯体とカバー層とを組み合わせた試料を作製した。
この試料の作製に際しては、まず、上下カバー層用シート2枚に芯体を挟んで200℃に温度設定された熱プレスで、100MPaの圧力を10分間加え積層体を作製した。
この積層体から、カッターナイフを使って幅25mmの短冊状に試料を切り出し評価用試料とした。
なお、芯体に帆布を用いた試料を作製する際には、この帆布にエポキシ系接着剤をコーティングして用いた。
また、芯体に帆布を用いた試料は、短冊状試料の長手方向が経糸と略平行するように切り出した。
(評価)
・短冊状試料の側面における糸のほつれや、毛羽立ちについて目視にて観察した。
・作製した試料を引張試験にセットし、速度条件500m/minで引張試験を実施した際の荷重変位曲線から試料の1%伸長時の引張荷重(N)を読み取って、該引張荷重を試料幅(25mm)で除して「1%モジュラス」の値を算出した。

・短冊状試料の長手方向一端側においてカバー層と芯体層とを界面剥離させ、この剥離させた一方を引張試験機の一方のチャックに挟み込み、他方をもう一方のチャックに挟み込んで、速度条件50mm/minで180度剥離強度を測定し、カバー層と芯体層との接着性を評価した。
なお、測定に際しては、180度剥離開始後、観察される引張荷重(N)が安定した時点でこの引張荷重を読み取るようにした。
そして、この引張荷重(N)を短冊状試料の試料幅(mm)で除して「接着力(N/mm)」を求めた。
・短冊状試料を25℃(常温)の植物油に200時間浸漬した後に、前記と同様に180度剥離強度を測定して「耐油性」を評価した。
なお、評価結果において、油に浸漬させてない試料の接着力に対する割合が50%未満となっていた場合を「×」と判定し、50%以上の接着力を有していた場合を「○」と判定した。
・短冊状試料を70℃の水に200時間浸漬した後に、耐油性の評価と同様に180度剥離強度を測定して「耐水性」を評価した。
なお、評価結果において、水に浸漬させてない試料の接着力に対する割合が50%未満となっていた場合を「×」と判定し、50%以上の接着力を有していた場合を「○」と判定した。
これらの結果を表1に示す。
Figure 2014118280
上記評価結果から、本発明によればカバー層と芯体との接着性を改善させて製造容易な樹脂製コンベヤベルトを提供し得ることがわかる。

Claims (6)

  1. シート状の芯体を備え、該芯体の少なくとも搬送面側に配されたカバー層が樹脂組成物にて形成されてなる樹脂製コンベヤベルトであって、
    前記カバー層は、前記芯体に直接接しており、且つ、ポリアミド12、及び、分子内にポリアミド12を構成単位として含有する共重合体樹脂の一方、又は、両方を含有する樹脂組成物で少なくとも前記芯体と接する部分が形成されていることを特徴とする樹脂製コンベヤベルト。
  2. 芯体の前記搬送面側に配された上カバー層と、該搬送面側とは反対側となる前記芯体の他面側に配された下カバー層とが設けられている請求項1記載の樹脂製コンベヤベルト。
  3. 前記上カバー層、及び、前記下カバー層の両方が前記共重合体樹脂を含有する樹脂組成物で少なくとも前記芯体と接する部分が形成されている請求項2記載の樹脂製コンベヤベルト。
  4. 前記共重合体樹脂は、ポリアミド12ブロックとポリエーテルブロックとがアミド結合で連結されてなるブロック共重合体樹脂である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の樹脂製コンベヤベルト。
  5. 前記上カバー層、及び、前記下カバー層の両方は、前記芯体と接する内層と該内層の外側に接する外層とを備え、該内層を構成する樹脂組成物中に占める前記ポリアミド12及び前記共重合体樹脂の合計割合が、前記外層を構成する樹脂組成物中に占める前記ポリアミド12及び前記共重合体樹脂の合計割合よりも高い請求項2乃至4のいずれか1項に記載の樹脂製コンベヤベルト。
  6. 前記芯体が、ポリイミド樹脂、又は、ポリエステル樹脂からなるフィルム状シートである請求項1乃至5のいずれか1項に記載の樹脂製コンベヤベルト。
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