以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
また、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。なお、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1における半導体チップCHPの構成を示す平面図である。図1において、本実施の形態1における半導体チップCHPは、通信用プロセッサTP、オーディオプロセッサSPU、ビデオプロセッシングユニットVPU、3次元画像処理プロセッサIP、および、中央演算処理ユニットCPUを有している。
通信用プロセッサTPは、半導体チップの外部に接続される機器との通信を行なう機能を有するプロセッサであり、オーディオプロセッサSPUは、音楽の録音や再生をする際に使用されるプロセッサである。また、ビデオプロセッシングユニットVPUは、ビデオ(動画)の録画や再生の際に使用されるプロセッサであり、3次元画像処理プロセッサIPは、3次元の画像データを処理するプロセッサである。さらに、中央演算処理ユニットCPUは、中央演算処理装置とも呼ばれ、コンピュータなどの心臓部にあたる。この中央演算ユニットCPUは、記憶装置から命令を読み出して解読し、それに基づいて多種多様な演算や制御を行なうものである。これらの通信用プロセッサTP、オーディオプロセッサSPU、ビデオプロセッシングユニットVPU、3次元画像処理プロセッサIP、および、中央演算処理ユニットCPUは、デジタル回路(ロジック回路)から構成されている。半導体チップCHPには、以上のように多数のデジタル回路が形成されているが、上述した構成要素以外にも、メモリセルアレイMCAと周辺回路PCから構成されるメモリRAMの周辺回路PCや、シリアルインターフェース(シリアルI/F)、タイマ、PLL(Phase Locked Loop)回路に含まれる分周回路などにもデジタル回路が使用されている。このようなデジタル回路のレイアウト設計技術としては、標準セルを使用した設計技術が広く利用されている。例えば、インバータ回路、NAND回路、EXOR回路、フリップフロップ回路などの単位回路を標準セルとして用意し、この標準セルを列状に配置することが行われている。そして、列状に配置された複数の標準セルに対して集積回路を構成するように配線設計を行うことにより、所定の機能を有するデジタル回路(例えば、ロジック回路)が形成される。それぞれの標準セルは、複数のトランジスタから構成されているため、それぞれの標準セルには、トランジスタを構成する拡散層やゲート電極が形成されている。
従来、標準セルを構成する拡散層の形状やゲート電極の形状に関して、レイアウトルール上の制約がなかったため、あらゆる形状の拡散層やゲート電極を形成することが可能であった。このため、拡散層の形状やゲート電極の形状を工夫することにより、集積回路の面積が小さくなるように標準セルのレイアウトを自由に設計することができていた。
しかし、近年、集積回路を構成するトランジスタ(MISFET)の微細化が進んでおり、MISFETを構成する拡散層やゲート電極の微細化が進んでいる。この拡散層やゲート電極はフォトリソグラフィ技術を使用して形成されるが、拡散層やゲート電極の微細化が進むと、フォトリソグラフィ技術の加工精度が問題となってくる。すなわち、標準セルのレイアウトが最小となるように拡散層の形状やゲート電極の形状を工夫していたが、拡散層やゲート電極の微細化に伴って生じるフォトリソグラフィ技術の加工精度の問題から、工夫を施した複雑な形状の拡散層やゲート電極を設計値どおりに形成することが困難になってきている。
例えば、拡散層の形状が複雑な多角形をしている場合や、ゲート電極に折れ曲がった部分が形成されていると、フォトリソグラフィ技術における加工精度の問題から、角部がラウンド形状することにより形状劣化が生じやすくなる。この場合、拡散層やゲート電極が設計値からはずれた形状となり、MISFETの性能ばらつきが生じてしまう。
そこで、例えば、28nmノードよりも微細化されたMISFETを形成する場合、形成されるMISFETの性能を均等化(均一化)するために、レイアウトルールに一定の制限が設けられている。つまり、MISFETが微細化されると、フォトリソグラフィ技術の加工精度の問題で複雑な形状を精度良く形成することが困難になることから、MISFETを構成する拡散層の形状やゲート電極を単純化するルールを設定して、微細化されたMISFETの性能を保証することが行われている。具体的に設定されたレイアウトルールとして、ゲート電極(ポリシリコン膜)を等間隔で配列し、かつ、ゲート電極を一切曲げずに直線形状とするルールや、拡散層の形状を8頂点以内の図形形状とするルールなどが設けられている。
このような新たなレイアウトルールが設けられている状況下で、標準セルのレイアウト設計をすると、標準セルの面積が大きくなってしまう。以下に、このことについて、図面を参照しながら説明する。
図19は、4入力NAND回路を構成する標準セルCL(P)のレイアウト構成例を示す図である。図19には、従来の設計手法を使用し、かつ、新たなレイアウトルールを適用する場合のレイアウト構成例が示されている。具体的に、新たなレイアウトルールとして、ゲート電極(ポリシリコン膜)を等間隔で配列し、かつ、ゲート電極を一切曲げずに直線形状とするルールや、拡散層の形状を8頂点以内の図形形状とするルールが取り入れられている。
図19に示すように、標準セルCL(P)の上下を挟んで、X方向(第1方向)に延在するように第1配線層からなる電源配線L1Aと電源配線L1Bが配置されている。この電源配線L1Aは、電源電位(VDD)を供給するための配線であり、電源配線L1Bは、電源電位(VDD)よりも低い基準電位(GND)を供給するための配線である。そして、電源配線L1Aと電源配線L1Bとの間に挟まれるようにp型半導体領域(p型拡散層)PDRとn型半導体領域(n型拡散層)NDRが形成されている。このp型半導体領域PDRとn型半導体領域NDRは、拡散層の形状を8頂点以内の図形形状とする新たなレイアウトルールに基づいて、四角形形状となっている。
例えば、四角形形状をしたp型半導体領域PDRは、電源配線L1AからY方向(第2方向)に突き出た突出配線PL1AとプラグPLGによって電気的に接続されており、電源配線L1Aから電源電位(VDD)が突出配線PL1Aを介してp型半導体領域PDRに供給されている。同様に、四角形形状をしたn型半導体領域NDRは、電源配線L1BからY方向(第2方向)に突き出た突出配線PL1BとプラグPLGによって電気的に接続されており、電源配線L1Bから基準電位(GND)が突出配線PL1Bを介してn型半導体領域NDRに供給されている。
ここで、従来の設計手法に基づいて、電源配線L1Aとp型半導体領域PDRや、電源配線L1Bとn型半導体領域NDRは、それぞれ最短距離を結ぶように配置された突出配線PL1Aや、突出配線PL1Bで接続されている。
さらに、図19に示すように、電源配線L1Aと電源配線L1Bで挟まれた標準セルCL(P)内の領域には、それぞれがY方向(第2方向)に延在し、かつ、X方向(第1方向)に並ぶように、ゲート電極G1〜G7が配置されている。これにより、例えば、ゲート電極G2〜G5とp型半導体領域PDRが平面的に重なる領域に、それぞれp型MISFETが形成され、ゲート電極G2〜G5とn型半導体領域NDRが平面的に重なる領域に、それぞれn型MISFETが形成される。これらのゲート電極G1〜G7は、ゲート電極(ポリシリコン膜)を等間隔で配列し、ゲート電極を一切曲げずに直線形状とするルールに基づいて形成されている。
そして、ゲート電極G2は、プラグPLGを介して第1配線層から形成される入力配線Aと接続され、ゲート電極G3は、プラグPLGを介して第1配線層から形成される入力配線Bと接続されている。また、ゲート電極G4は、プラグPLGを介して第1配線層から形成される入力配線Cと接続され、ゲート電極G5は、プラグPLGを介して第1配線層から形成される入力配線Dと接続されている。さらに、入力配線A〜Dと接触しないように出力配線OUTが形成されており、この出力配線OUTが入力配線A〜Dと接触しないようにゲート電極G6上を迂回するように配置されている。
以上のようにして、本発明者が検討した4入力NAND回路を構成する標準セルCL(P)が形成されている。このとき、図19では、ゲート電極G7が設けられているが、上述した4入力NAND回路を構成する標準セルCL(P)では、ゲート電極G7が不要であるように思われる。しかし、図19に示す標準セルCL(P)を6つのゲート電極G1〜G6で構成する場合、以下に示す問題点が生じる。すなわち、図19に示す標準セルCL(P)では、ゲート電極G6上へ迂回した出力配線OUTが形成されていることから、複数の標準セルCL(P)をX方向(第1方向)に並べた場合、隣接する標準セルCL(P)の境界線上に出力配線OUTが配置されることとなる。この結果、1つの標準セルCL(P)でゲート電極G6上に配置された出力配線OUTが、隣接する標準セルCL(P)上の第1配線層と接触してしまうことが考えられる。このように隣接する標準セルCL(P)間で第1配線層がショートしてしまうことを抑制するため、図19に示すように、ゲート電極G6の外側にゲート電極G7を設けてスペースを確保している。これにより、ゲート電極G6上に形成されている出力配線OUTが隣接する標準セルCL(P)に形成される第1配線層とショートすることを抑制することができる。つまり、図19に示す標準セルCL(P)では、隣接する標準セルCL(P)間のショート不良を防止するため、一定間隔を確保する必要があるのである。したがって、図19に示す標準セルCL(P)のレイアウト構成では、スペースを設ける分だけ無駄な領域を確保する必要があり、標準セルCL(P)のサイズが大きくなってしまう問題点があることがわかる。
この原因は、従来の設計手法を踏襲した上で、新たなレイアウトルールを取り入れている点にある。具体的には、図19に示すように、従来の設計手法に基づいて、電源配線L1Aとp型半導体領域PDRや、電源配線L1Bとn型半導体領域NDRとを、それぞれ最短距離を結ぶように突出配線PL1Aや、突出配線PL1Bで接続している。すなわち、電源配線L1Aとp型半導体領域PDRを接続する突出配線PL1Aを、電源配線L1Aとp型半導体領域PDRとの最短距離を結ぶという従来の設計手法を採用しているため、入力配線A〜Dを形成した場合、出力配線OUTを配置する領域を確保することができず、出力配線OUTをゲート電極G6上に迂回させる必要性が出てくるのである。このため、ゲート電極G6を標準セルCL(P)の境界として使用することができず、スペースを確保するためのゲート電極G7が必要となるのである。
そこで、本実施の形態1では、従来の設計手法から一転した斬新な設計思想を取り入れることにより、新たなレイアウトルールを適用した場合であっても、標準セルのサイズを縮小化できる技術を提案する。以下に、この斬新な設計思想を取り入れることにより、新たなレイアウトルールを採用する場合であっても、標準セルのサイズを縮小化できる技術的思想について説明する。
図2は、本実施の形態1における4入力NAND回路を構成する標準セルCLのレイアウト構成を示す図である。本実施の形態1における標準セルCLのレイアウト構成は、従来の設計手法とは異なる斬新な設計思想を取り入れるとともに、新たなレイアウトルールにも対応している。具体的に、新たなレイアウトルールとして、ゲート電極(ポリシリコン膜)を等間隔で配列し、かつ、ゲート電極を一切曲げずに直線形状とするルールや、拡散層の形状を8頂点以内の図形形状とするルールが取り入れられている。
図2に示すように、矩形形状をした標準セル(標準電源ツノ(角)状セル、電源ツノ(角)状セル、パワー・ホーン・セル、角電源方式標準セル)CLの上下を挟んで、X方向(第1方向)に延在するように第1配線層からなる電源配線L1Aと電源配線L1Bが配置されている。この電源配線L1Aは、電源電位(VDD)を供給するための配線であり、電源配線L1Bは、電源電位(VDD)よりも低い基準電位(GND、VSS)を供給するための配線である。そして、電源配線L1Aと電源配線L1Bとの間に挟まれるようにp型半導体領域(p型拡散層)PDRとn型半導体領域(n型拡散層)NDRが形成されている。このp型半導体領域PDRとn型半導体領域NDRは、拡散層の形状を8頂点以内の図形形状とする新たなレイアウトルールに基づいて、四角形形状となっている。
標準セルCLに形成されているp型半導体領域PDRは、標準セルCLの第1辺(電源配線L1A)の一端部と第2辺(電源配線L1B)の一端部を結ぶ第1境界線と、第1辺(電源配線L1A)の他端部と第2辺(電源配線L1B)の他端部を結ぶ第2境界線の両方に接触しないように配置されている。同様に、標準セルCLに形成されているn型半導体領域NDRは、標準セルCLの第1辺(電源配線L1A)の一端部と第2辺(電源配線L1B)の一端部を結ぶ第1境界線と、第1辺(電源配線L1A)の他端部と第2辺(電源配線L1B)の他端部を結ぶ第2境界線の両方に接触しないように配置されている。したがって、X方向(第1方向)に隣接して配置された複数の標準セルCLを考えると、それぞれの標準セルCLに形成されているp型半導体領域PDRは互いに分離され、かつ、それぞれの標準セルCLに形成されているn型半導体領域NDRも互いに分離されていることになる。
続いて、本実施の形態1における標準セルCLでは、標準セルCLの両端部(標準セルCLの境界)において、電源配線L1Aから分岐して標準セルCLの内部に向うY方向(第2方向)へ突出した2本の突出配線PL1Aが形成されている。同様に、標準セルCLの両端部(標準セルCLの境界)において、電源配線L1Bから分岐して標準セルCLの内部に向うY方向(第2方向)へ突出した2本の突出配線(ツノ(角)状電源配線、ツノ(角)電源配線、ツノ(角)配線)PL1Bが形成されている。そして、突出配線PL1Aと突出配線PL1Bの中から抽出された少なくとも1本以上の突出配線は、端部が標準セルCLの内部へ向うX方向(第1方向)に屈曲した屈曲部を含んでいる。具体的には、屈曲部が形成された突出配線が電源配線L1Aから分岐しているものである場合(突出配線PL1A)、突出配線PL1Aは、屈曲部BD1Aと接続するプラグPLGによってp型半導体領域PDRと電気的に接続される。一方、屈曲部が形成された突出配線が電源配線L1Bから分岐しているものである場合(突出配線PL1B)、突出配線PL1Bは、屈曲部BD1Bと接続するプラグPLGによってn型半導体領域NDRと電気的に接続されている。
次に、図2に示すように、電源配線L1Aと電源配線L1Bで挟まれた標準セルCL内の領域には、それぞれがY方向(第2方向)に延在し、かつ、X方向(第1方向)に並ぶように、ダミーゲート電極DG1、ゲート電極G1〜G4、および、ダミーゲート電極DG2が配置されている。これにより、例えば、ゲート電極G1〜G4とp型半導体領域PDRが平面的に重なる領域に、それぞれp型MISFETが形成され、ゲート電極G1〜G4とn型半導体領域NDRが平面的に重なる領域に、それぞれn型MISFETが形成される。これらのゲート電極G1〜G4とダミーゲート電極DG1、DG2は、ゲート電極(ポリシリコン膜)を等間隔で配列し、ゲート電極を一切曲げずに直線形状とするルールに基づいて形成されている。ここでいうダミーゲート電極DG1、DG2とは、p型半導体領域PDRやn型半導体領域NDRと平面的に重ならず、かつ、標準セルCLの境界線に配置されているものをいう。言い換えれば、ダミーゲート電極DG1、DG2は、p型MISFETやn型MISFETのゲート電極として機能せず、電位がフローティング状態になっているものをいう。
そして、ゲート電極G1は、プラグPLGを介して第1配線層から形成される入力配線Aと接続され、ゲート電極G2は、プラグPLGを介して第1配線層から形成される入力配線Bと接続されている。また、ゲート電極G3は、プラグPLGを介して第1配線層から形成される入力配線Cと接続され、ゲート電極G4は、プラグPLGを介して第1配線層から形成される入力配線Dと接続されている。そして、入力配線A〜Dと接触しないように出力配線OUTが形成されており、この出力配線OUTが入力配線A〜Dと接触しないようにゲート電極G4上に配置されている。
上述した標準セルCLは、第1配線層以下に形成されている構成要素から構成されており、標準セルCLに入力信号を入力する入力配線A〜Dと、第1配線層で形成され、標準セルCLから出力信号を出力する出力配線OUTは、第1配線層よりも上層の配線(第2配線層)と電気的に接続されるようになっている。つまり、本実施の形態1では、標準セルCLを第1配線層以下の構成要素から構成し、この標準セルCLを第1配線層よりも上層の第2配線層で接続することによりデジタル回路(ロジック回路)が形成される。
なお、電源配線L1Aの直下にはn型ウェルに電源電位(VDD)を供給するn型給電領域(半導体領域)が設けられており、このn型給電領域と電源配線L1Aは、プラグPLGで接続されている。同様に、電源配線L1Bの直下にはp型ウェルに基準電位(GND)を供給するp型給電領域(半導体領域)が設けられており、このp型給電領域と電源配線L1Bは、プラグPLGで接続されている。つまり、標準セルCLが形成される半導体基板内にはN型ウェルが形成されており、電源配線L1AとN型ウェルとは複数のプラグPLG(第1ビアプラグ)によって電気的に接続されている。同様に、標準セルCLが形成される半導体基板内にはP型ウェルが形成されており、電源配線L1BとP型ウェルとは複数のプラグ(第2ビアプラグ)によって電気的に接続されている。このとき、複数のプラグPLG(第1ビアプラグおよび第2ビアプラグ)は、標準セルCLの四隅には形成されていない。
以上のようにして、本実施の形態1における4入力NAND回路を構成する標準セルCLが形成されている。ここで、本実施の形態1の特徴は、例えば、図2に示すように、標準セルCLの両端の角部において、電源配線L1Aから突出配線PL1Aを標準セルCLの内部(Y方向)に突出し、かつ、突き出した突出配線PL1AからX方向に屈曲した屈曲部BD1Aを形成している点にある。そして、この屈曲部BD1Aとp型半導体領域PDRとをプラグPLGで接続している点にある。すなわち、本実施の形態1では、電源配線L1Aとp型半導体領域PDRとを接続するレイアウト構成に特徴がある。
例えば、図19に示すように、従来の設計手法を使用する場合、電源配線L1Aとp型半導体領域PDRや、電源配線L1Bとn型半導体領域NDRとを、それぞれ最短距離を結ぶように突出配線PL1Aや、突出配線PL1Bで接続している。つまり、電源配線L1Aとp型半導体領域PDRを接続する突出配線PL1Aを、電源配線L1Aとp型半導体領域PDRとの最短距離を結ぶように形成するという従来の設計手法を採用しているため、入力配線A〜Dを形成した場合、出力配線OUTを配置する領域を確保することができず、出力配線OUTをゲート電極G6上に迂回させる必要性が出てくるのである。このため、ゲート電極G6を標準セルCL(P)の境界として使用することができず、スペースを確保するためのゲート電極G7が必要となる。
これに対し、図2に示す本実施の形態1では、従来の設計手法とは異なる斬新な設計手法を使用している。具体的には、図2に示すように、電源配線L1Aとp型半導体領域PDRとを接続する方法として、電源配線L1Aとp型半導体領域PDRとを最短距離で結ぶように突出配線PL1Aを配置するのではなく、とりあえず、標準セルCLの角部において、電源配線L1Aから突出配線PL1Aを引き出す。その後、この引き出した突出配線PL1Aに屈曲部BD1Aを設けることにより、屈曲部BD1Aでp型半導体領域PDRと接続するプラグPLGを形成するのである。この場合、電源配線L1Aとp型半導体領域PDRとの接続が最短経路でなされないため、一見、標準セルCLのサイズが大きくなってしまうように思える。ところが、突出配線PL1Aを電源配線L1Aの角部から引き出し、その後、突出配線PL1Aに屈曲部BD1Aを設けるレイアウト構成にすると、突出配線PL1Aが標準セルCLの角部に形成されることになり、標準セルCLの内部に形成される突出配線PL1Aの数を低減することができる。このことは、標準セルCLの内部に設けられるスペースが多くなることを意味し、このスペースを有効活用することにより、レイアウト構成の自由度が向上するのである。
ここでは、電源配線L1Aから突き出ている突出配線PL1Aについて説明しているが、電源配線L1Bから突き出ている突出配線PL1Bについても同様である。つまり、図2に示すように、電源配線L1Bとn型半導体領域NDRとを接続する方法として、電源配線L1Bとn型半導体領域NDRとを最短距離で結ぶように突出配線PL1Bを配置するのではなく、とりあえず、標準セルCLの角部において、電源配線L1Bから突出配線PL1Bを引き出す。その後、この引き出した突出配線PL1Bに屈曲部BD1Bを設けることにより、屈曲部BD1Bでn型半導体領域NDRと接続するプラグPLGを形成するのである。この場合、電源配線L1Bとn型半導体領域NDRとの接続が最短経路でなされないため、一見、標準セルCLのサイズが大きくなってしまうように思える。ところが、突出配線PL1Bを電源配線L1Bの角部から引き出し、その後、突出配線PL1Bに屈曲部BD1Bを設けるレイアウト構成にすると、突出配線PL1Bが標準セルCLの角部に形成されることになり、標準セルCLの内部に形成される突出配線PL1Bの数を低減することができる。このことは、標準セルCLの内部に設けられるスペースが多くなることを意味し、このスペースを有効活用することにより、レイアウト構成の自由度が向上するのである。
具体的には、図2に示すように、突出配線PL1Aと突出配線PL1Bとを標準セルCLの角部(境界線上)に配置し、この突出配線PL1Aに屈曲部BD1Aを設け、かつ、突出配線PL1Bに屈曲部BD1Bを設けるようにレイアウト構成する。すると、標準セルCLの内部領域に形成される突出配線PL1Aおよび突出配線PL1Bの数を低減することができる。この結果、標準セルCLの内部領域にスペースを確保することができ、レイアウト構成の自由度を向上させることができる。例えば、図2に示すように、レイアウト構成の自由度の向上に基づいて、入力配線Dの配置位置を工夫することにより、出力配線OUTの配置位置をゲート電極G4上に確保することができる。このため、4入力NAND回路の4つの入力配線A〜Dと、1つの出力配線OUTとを、4本のゲート電極G1〜G4上にレイアウト構成することができる。したがって、本実施の形態1における4入力NAND回路の標準セルCLでは、ダミーゲート電極DG1、DG2およびゲート電極G1〜G4を合わせた6本の電極で標準セルCLを構成することができる。つまり、図19に示す比較例では、7本のゲート電極で標準セルCLを構成しているのに対し、図2に示す本実施の形態1では、6本の電極で標準セルCLを構成することができるので、標準セルCLのサイズを縮小化できる効果が得られる。すなわち、本実施の形態1では、図2に示すように、突出配線PL1Aと突出配線PL1Bとを標準セルCLの角部(境界線上)に配置し、この突出配線PL1Aに屈曲部BD1Aを設け、かつ、突出配線PL1Bに屈曲部BD1Bを設けるようにレイアウト構成するという従来の設計手法にはない斬新な設計手法を採用しているので、MISFETの微細化に伴って導入された新たなレイアウトルールが適用される場合であっても、標準セルCLのサイズを縮小化することができるという顕著な効果が得られる。
なお、本実施の形態1では、4入力NAND回路を標準セルCLの例に挙げており、電源配線L1Aの両方の角部に形成されている突出配線PL1Aに屈曲部BD1Aが設けられている。一方、電源配線L1Bの両方の角部にも突出配線PL1Bが形成されているが、屈曲部BD1Bが形成されているのは図2の左側の突出配線PL1Bであり、図2の右側の突出配線PL1Bには屈曲部BD1Bが形成されていない。つまり、本実施の形態1における4入力NAND回路では、4本の突出配線(PL1A、PL1B)のうち、3本の突出配線(PL1A、PL1B)に屈曲部(BD1A、BD1B)が設けられている。ただし、本実施の形態1における技術的思想は、これに限られず、標準セルCLによっては、4本の突出配線(PL1A、PL1B)のうち2本の突出配線(PL1A、PL1B)に屈曲部(BD1A、BD1B)が設けられている場合もあり、さらには、少なくとも1本の突出配線(PL1A、PL1B)に屈曲部(BD1A、BD1B)が設けられている場合もある。つまり、本実施の形態1の技術的思想は、標準セルCLの4つの角部に突出配線(PL1A、PL1B)が設けられていることを前提として、この4本の突出配線(PL1A、PL1B)のうち、少なくとも1本以上の突出配線(PL1A、PL1B)に屈曲部(BD1A、BD1B)を設ける場合に適用することができる。
また、本実施の形態1において、複数の標準セルCLのそれぞれは、第1辺(電源配線L1A)上にある1つの標準セルCLの両端部以外の場所において、電源配線L1Aから分岐して標準セルCLの内部に向うY方向へ突出した突出配線PL1Aが設けられ、この突出配線PL1Aが、プラグPLGを介してp型半導体領域PDRと電気的に接続されるように構成されていてもよい。同様に、本実施の形態1において、複数の標準セルCLのそれぞれは、第2辺(電源配線L1B)上にある1つの標準セルCLの両端部以外の場所においても、電源配線L1Bから分岐して標準セルCLの内部に向うY方向へ突出した突出配線PL1Bが設けられ、この突出配線PL1Bが、プラグPLGを介してn型半導体領域NDRと電気的に接続されるように構成されていてもよい。すなわち、本実施の形態1では、標準セルCLの四隅からY方向に突き出た突出配線(PL1A、PL1B)を設け、突き出した突出配線(PL1A、PL1B)からX方向に屈曲した屈曲部(BD1A、BD1B)を形成する。そして、この屈曲部(BD1A、BD1B)とp型半導体領域PDRやn型半導体領域NDRとをプラグPLGで接続することに特徴があるが、このような構成を取ることを前提として、それ以外の場所に突出配線(PL1A、PL1B)を設けて、n型半導体領域NDRやp型半導体領域PDRとプラグPLGで接続する構造が存在してもよい。この場合であっても、すべての突出配線(PL1A、PL1B)を標準セルの内部に形成する場合よりも、標準セルCLの内部領域に形成される突出配線PL1Aおよび突出配線PL1Bの数を低減することができる。この結果、標準セルCLの内部領域にスペースを確保することができ、レイアウト構成の自由度を向上させることができる。したがって、MISFETの微細化に伴って導入された新たなレイアウトルールが適用される場合であっても、標準セルCLのサイズを縮小化することができる。
また、本実施の形態1のさらなる特徴は、突出配線PL1Aの最小線幅および突出配線PL1Bの最小線幅が、電源配線L1Aの線幅あるいは電源配線L1Bの線幅よりも小さいことにある。例えば、突出配線PL1Aや突出配線PL1Bは、電源電位や基準電位をp型半導体領域PDRやn型半導体領域NDRに供給するための配線を構成していることから、電位の安定化や配線のマイグレーションを抑制することから配線幅が太いことが望ましいように思える。確かに、電源電位が5Vなどのように高い場合はその通りであるが、本実施の形態1で対象にしている半導体装置は、例えば、28nmノードよりも小さく微細化されたものを対象としている。このような微細化された半導体装置では、スケーリング則より電源電位も低電圧化されている。例えば、電源電位は、約1V程度に低減されている。このような低電圧の場合、配線のマイグレーションは比較的問題とはならないため、突出配線PL1Aや突出配線PL1Bの配線幅を電源配線L1Aや電源配線L1Bの線幅と同程度に太くする必要はない。つまり、本実施の形態1では、突出配線PL1Aの最小線幅および突出配線PL1Bの最小線幅が、電源配線L1Aの線幅あるいは電源配線L1Bの線幅よりも小さくなっている。これにより、標準セルCLの四隅に形成された突出配線PL1Aや突出配線PL1Bの占有面積を小さくすることができ、この結果、標準セルCLに占める突出配線PL1Aや突出配線PL1Bの占有割合を少なくすることができる。このことから、本実施の形態1では、標準セルCLの内部領域にスペースを確保することができ、レイアウト構成の自由度を向上させることができる。したがって、MISFETの微細化に伴って導入された新たなレイアウトルールが適用される場合であっても、レイアウトの構成を工夫する自由度が増加するので、標準セルCLのサイズを縮小できるレイアウト構成を採用することが容易となる。
一方、突出配線PL1Aおよび突出配線PL1Bの最小線幅は、ゲート電極G1〜G4およびダミーゲート電極DG1、DG2の線幅よりも大きくなっている。言い換えれば、ゲート電極G1〜G4およびダミーゲート電極DG1、DG2の線幅は、突出配線PL1Aや突出配線PL1Bの最小線幅よりも小さくなっている。これは、標準セルCLの構成要素のうち最も微細化されているのがゲート電極G1〜G4(ダミーゲート電極DG1、DG2を含む)であり、突出配線PL1Aおよび突出配線PL1Bはゲート電極G1〜G4(ダミーゲート電極DG1、DG2)よりも加工精度が緩和されている第1配線層を加工して形成されているからである。
以上のように、本実施の形態1の特徴は、標準セルCLの両端の角部において、電源配線(L1A、L1B)から突出配線(PL1A、PL1B)を標準セルCLの内部(Y方向)に突出し、かつ、突き出した突出配線(PL1A、PL1B)からX方向に屈曲した屈曲部(BD1A、BD1B)を形成している点にある。そして、この屈曲部(BD1A、BD1B)とp型半導体領域PDRやn型半導体領域NDRとをプラグPLGで接続している。これにより、標準セルCLの内部領域にスペースを確保することができ、レイアウト構成の自由度を向上させることができる。したがって、MISFETの微細化に伴って導入された新たなレイアウトルールが適用される場合であっても、レイアウトの構成を工夫する自由度が増加するので、標準セルCLのサイズを縮小できるレイアウト構成を採用することが容易となる。この特徴的構成は、1つの標準セルに着目して、個々の標準セルのサイズを縮小化するものであるが、さらに、上述した特徴的構成は、隣接する複数の標準セルに着目した観点からも、サイズの縮小化を図ることができる。
以下に、このことについて説明する。図20は、従来の設計手法を使用した比較例を示す図である。具体的に、図20には、隣接する2つの標準セルCL1(P)と標準セルCL2(P)が示されている。図20において、標準セルCL1(P)では、電源配線L1Bから最短距離でn型半導体領域NDR1と接続する突出配線PL1B(1)が形成され、標準セルCL2(P)では、電源配線L1Bから最短距離でn型半導体領域NDR2に接続する突出配線PL1B(2)が形成されている。したがって、2つの標準セルCL1(P)と標準セルCL2(P)のそれぞれに突出配線PL1B(1)や突出配線PL1B(2)を形成する必要がある。このため、2つの標準セルCL1(P)と標準セルCL2(P)で2本の突出配線PL1B(1)と突出配線PL1B(2)が必要となる。
これに対し、図3は、本実施の形態1において、隣接する標準セルCL1と標準セルCL2とを示す図である。図3に示すように、本実施の形態1では、隣接する標準セルCL1と標準セルCL2の境界線上に突出配線PL1Bが形成されており、この突出配線PL1Bから右側に屈曲する屈曲部BD1B(1)と左側に屈曲する屈曲部BD1B(2)が形成されている。そして、屈曲部BD1B(1)がプラグを介して標準セルCL1のn型半導体領域NDR1と接続されており、屈曲部BD1B(2)がプラグを介して標準セルCL2のn型半導体領域NDR2と接続されている。したがって、図3に示す本実施の形態1では、隣接する2つの標準セルCL1と標準セルCL2に対して共通する1本の突出配線PL1Bでそれぞれの標準セルCL1や標準セルCL2へ基準電位(GND)を供給することができる。
つまり、図20に示す比較例では、隣接する2つの標準セルCL1(P)と標準セルCL2(P)に対して、電源配線L1Bとn型半導体領域(NDR1、NDR2)とをそれぞれ最短距離で接続する2本の突出配線(BD1B(1)、BD1B(2))が必要となる。これに対し、図3に示す本実施の形態1では、隣接する2つの標準セルCL1と標準セルCL2に対して、1本の突出配線PL1Bだけで両方の標準セルCL1と標準セルCL2に基準電位(GND)を供給することができるのである。このことは、図20に示す比較例に比べて、図3に示す本実施の形態1の方が、電源配線L1Bから引き出す突出配線の本数を低減できることを意味している。したがって、図3に示す本実施の形態1では、標準セルCL1や標準セルCLの内部に形成する突出配線PL1Bの本数を少なくすることができるので、標準セルCL1や標準セルCL2の内部領域に充分なスペースを確保することができ、レイアウト構成の自由度を向上させることができる。このことから、MISFETの微細化に伴って導入された新たなレイアウトルールが適用される場合であっても、レイアウトの構成を工夫する自由度が増加するので、標準セルCLのサイズを縮小できるレイアウト構成を採用することが容易となるのである。
(実施の形態2)
前記実施の形態1では、標準セルの一例として、4入力NAND回路を挙げて説明したが、本実施の形態2では、本発明における技術的思想をインバータ回路に適用する例について説明する。
図4(a)は、入力配線INと出力配線OUTの間に並列接続された2つのインバータ回路を示す回路図であり、(b)は、(a)に示すインバータ回路のレイアウト構成例を示す平面図である。図4(a)において、1つ目のインバータは、p型MISFET(P1)とn型MISFET(N1)とを備えており、電源電位(VDD)と基準電位(GND)との間にp型MISFET(P1)とn型MISFET(N1)が直列に接続されている。同様に、2つ目のインバータは、p型MISFET(P2)とn型MISFET(N2)とを備えており、電源電位(VDD)と基準電位(GND)との間にp型MISFET(P2)とn型MISFET(N2)が直列に接続されている。そして、入力配線INが、p型MISFET(P1)およびn型MISFET(N1)の両方のゲート電極に接続され、かつ、p型MISFET(P2)およびn型MISFET(N2)の両方のゲート電極に接続されている。一方、出力配線OUTは、p型MISFET(P1)とn型MISFET(N1)の間のドレイン領域と接続され、かつ、p型MISFET(P2)とn型MISFET(N2)の間のドレイン領域と接続されている。このように構成されているインバータ回路によれば、入力配線INに入力される信号と反対の信号が出力配線OUTから出力される。例えば、入力配線INに信号「0」が入力されると、出力配線OUTから信号「1」が出力される。逆に、入力配線INに信号「1」が入力されると、出力配線OUTから信号「0」が出力される。
次に、図4(b)は、図4(a)の回路図で示したインバータ回路のレイアウト構成例を示す平面図である。図4(b)において、本実施の形態2における標準セルCLのレイアウト構成は、従来の設計手法とは異なる斬新な設計思想を取り入れるとともに、新たなレイアウトルールにも対応している。具体的に、新たなレイアウトルールとして、ゲート電極(ポリシリコン膜)を等間隔で配列し、かつ、ゲート電極を一切曲げずに直線形状とするルールや、拡散層の形状を8頂点以内の図形形状とするルールが取り入れられている。
図4(b)に示すように、矩形形状をした標準セルCLの上下を挟んで、X方向(第1方向)に延在するように第1配線層からなる電源配線L1Aと電源配線L1Bが配置されている。この電源配線L1Aは、電源電位(VDD)を供給するための配線であり、電源配線L1Bは、電源電位(VDD)よりも低い基準電位(GND)を供給するための配線である。そして、電源配線L1Aと電源配線L1Bとの間に挟まれるようにp型半導体領域(p型拡散層)PDRとn型半導体領域(n型拡散層)NDRが形成されている。このp型半導体領域PDRとn型半導体領域NDRは、拡散層の形状を8頂点以内の図形形状とする新たなレイアウトルールに基づいて、四角形形状となっている。
標準セルCLに形成されているp型半導体領域PDRは、標準セルCLの第1辺(電源配線L1A)の一端部と第2辺(電源配線L1B)の一端部を結ぶ第1境界線と、第1辺(電源配線L1A)の他端部と第2辺(電源配線L1B)の他端部を結ぶ第2境界線の両方に接触しないように配置されている。同様に、標準セルCLに形成されているn型半導体領域NDRは、標準セルCLの第1辺(電源配線L1A)の一端部と第2辺(電源配線L1B)の一端部を結ぶ第1境界線と、第1辺(電源配線L1A)の他端部と第2辺(電源配線L1B)の他端部を結ぶ第2境界線の両方に接触しないように配置されている。したがって、X方向(第1方向)に隣接して配置された複数の標準セルCLを考えると、それぞれの標準セルCLに形成されているp型半導体領域PDRは互いに分離され、かつ、それぞれの標準セルCLに形成されているn型半導体領域NDRも互いに分離されていることになる。
続いて、本実施の形態2における標準セルCLでは、標準セルCLの両端部(標準セルCLの境界)において、電源配線L1Aから分岐して標準セルCLの内部に向うY方向(第2方向)へ突出した2本の突出配線PL1Aが形成されている。同様に、標準セルCLの両端部(標準セルCLの境界)において、電源配線L1Bから分岐して標準セルCLの内部に向うY方向(第2方向)へ突出した2本の突出配線PL1Bが形成されている。そして、2本の突出配線PL1Aは、端部が標準セルCLの内部へ向うX方向(第1方向)に屈曲した屈曲部BD1Aを含んでいる。この屈曲部BD1Aは、プラグPLGによってp型半導体領域PDRと電気的に接続される。一方、2本の突出配線PL1Bは、端部が標準セルCLの内部へ向うX方向(第1方向)に屈曲した屈曲部BD1Bを含んでおり、さらに、屈曲部BD1Bの端部がY方向(第2方向)に屈曲した屈曲部BD2Bを備えている。この屈曲部BD2Bは、プラグPLGによってn型半導体領域NDRと電気的に接続される。
このように本実施の形態2において、屈曲部BD1Bが形成されている突出配線PL1Bは、さらに、屈曲部BD1Bの端部からY方向(第2方向)に屈曲した屈曲部BD2Bを有しており、この屈曲部BD2Bは、プラグPLGによってn型半導体領域NDRと電気的に接続されている。
なお、本実施の形態2では、突出配線PL1Aが屈曲部BD1Aを有し、突出配線PL1Bが屈曲部BD1Bと屈曲部BD2Bとを有するようにレイアウト構成されているが、屈曲部BD1Aが形成されている突出配線PL1Aが、さらに、屈曲部BD1Aの端部からY方向(第2方向)に屈曲したさらなる屈曲部を有するようにレイアウト構成してもよい。この場合、屈曲部BD1Aとさらなる屈曲部が形成されている突出配線PL1Aが、さらなる屈曲部と接続するプラグPLGによってp型半導体領域PDRと電気的に接続されることになる。
次に、図4(b)に示すように、電源配線L1Aと電源配線L1Bで挟まれた標準セルCL内の領域には、それぞれがY方向(第2方向)に延在し、かつ、X方向(第1方向)に並ぶように、ダミーゲート電極DG1、ゲート電極G1〜G2、および、ダミーゲート電極DG2が配置されている。これにより、例えば、ゲート電極G1〜G2とp型半導体領域PDRが平面的に重なる領域に、それぞれp型MISFET(P1)およびp型MISFET(P2)が形成され、ゲート電極G1〜G2とn型半導体領域NDRが平面的に重なる領域に、それぞれn型MISFET(N1)およびn型MISFET(N2)が形成される。これらのゲート電極G1〜G2とダミーゲート電極DG1、DG2は、ゲート電極(ポリシリコン膜)を等間隔で配列し、ゲート電極を一切曲げずに直線形状とするルールに基づいて形成されている。ここでいうダミーゲート電極DG1、DG2とは、p型半導体領域PDRやn型半導体領域NDRと平面的に重ならず、かつ、標準セルCLの境界線に配置されているものをいう。言い換えれば、ダミーゲート電極DG1、DG2は、p型MISFET(P1、P2)やn型MISFET(N1、N2)のゲート電極として機能せず、電位がフローティング状態になっているものをいう。
また、標準セルCLの両端にダミーゲート電極DG1、DG2を配置し、その内側に均等にゲート電極DG1、DG2を配置することにより、標準セルを連続的に配置したチップ上ではダミーゲート電極およびゲート電極が一定間隔(ほぼ等間隔)に配置されており、これによって、CMP(Chemical Mechanical Polishing)で研磨するときの平坦性を確保することができる。すなわち、ダミーゲート電極やゲート電極を覆う上層には層間絶縁膜が形成される。この層間絶縁膜を形成した後、層間絶縁膜の表面を平坦化するために、層間絶縁膜の表面に対してCMP研磨が行なわれる。このとき、標準セルCLの両端にダミーゲート電極DG1、DG2が配置されていない場合には、層間絶縁膜の下層にゲート電極が等間隔に配置されていないことになるので、層間絶縁膜に対してCMP研磨を実施する際、下地の不均一性に基づいて平坦性の低下が生じるおそれがある。しかし、本実施の形態2では、ダミーゲート電極DG1、DG2を形成しており、これによって、ダミーゲート電極DG1、DG2およびゲート電極が等間隔に配置されることになる。この結果、上層に形成される層間絶縁膜をCMP研磨する際、層間絶縁膜の平坦性を充分に確保することができ、信頼性の高い配線層を形成することができる。
そして、ゲート電極G1は、プラグPLGを介して第1配線層から形成される入力配線INと接続されている。そして、入力配線INと接触しないように出力配線OUTが形成されており、この出力配線OUTが入力配線INと接触しないようにゲート電極G2上に配置されている。
上述した標準セルCLは、第1配線層以下に形成されている構成要素から構成されており、標準セルCLに入力信号を入力する入力配線INと、第1配線層で形成され、標準セルCLから出力信号を出力する出力配線OUTは、第1配線層よりも上層の配線(第2配線層)と電気的に接続されるようになっている。つまり、本実施の形態2では、標準セルCLを第1配線層以下の構成要素から構成し、この標準セルCLを第1配線層よりも上層の第2配線層で接続することによりデジタル回路(ロジック回路)が形成される。
なお、電源配線L1Aの直下にはn型ウェルに電源電位(VDD)を供給するn型給電領域(半導体領域)が設けられており、このn型給電領域と電源配線L1Aは、プラグPLGで接続されている。同様に、電源配線L1Bの直下にはp型ウェルに基準電位(GND)を供給するp型給電領域(半導体領域)が設けられており、このp型給電領域と電源配線L1Bは、プラグPLGで接続されている。つまり、標準セルCLが形成される半導体基板内にはN型ウェルが形成されており、電源配線L1AとN型ウェルとは複数のプラグPLG(第1ビアプラグ)によって電気的に接続されている。同様に、標準セルCLが形成される半導体基板内にはP型ウェルが形成されており、電源配線L1BとP型ウェルとは複数のプラグ(第2ビアプラグ)によって電気的に接続されている。このとき、複数のプラグPLG(第1ビアプラグおよび第2ビアプラグ)は、標準セルCLの四隅には形成されていない。
続いて、図4(b)に示すインバータ回路のレイアウト構成を層ごとに分解して示すと図5(a)〜図5(d)のようになる。図5(a)は、最下層の半導体基板を示す図である。図5(a)に示すように、半導体基板には、Y方向に並ぶように、n型給電領域DR1、p型半導体領域PDR、n型半導体領域NDR、および、p型給電領域DR2が形成されている。図5(a)に示す領域は、すべて半導体領域から形成されている。
次に、図5(b)は、図5(a)の上層に形成されている構造を示す図である。図5(b)に示すように、それぞれがY方向に延在し、かつ、X方向に並ぶように、ダミーゲート電極DG1、ゲート電極G1〜G2、ダミーゲート電極DG2が形成されている。これらのダミーゲート電極DG1、DG2およびゲート電極G1〜G2は、ポリシリコン膜を加工することにより形成されている。
そして、図5(c)は、図5(a)と図5(b)の上層に形成されているプラグPLGを示す図である。さらに、図5(d)は、図5(a)〜(c)の上層に形成されている第1配線層を示す図である。具体的に、第1配線層として、電源配線L1A、電源配線L1B、突出配線PL1A、突出配線PL1B、屈曲部BD1A、屈曲部BD1B、屈曲部BD2B、配線L1C、入力配線INおよび出力配線OUTが形成されている。
以上のように、本実施の形態2では、標準セルCLの両端の角部において、電源配線(L1A、L1B)から突出配線(PL1A、PL1B)を標準セルCLの内部(Y方向)に突出し、かつ、突き出した突出配線(PL1A、PL1B)からX方向に屈曲した屈曲部(BD1A、BD1B)を形成し、さらに、屈曲部BD1BからY方向に屈曲した屈曲部BD2Bを形成している。そして、この屈曲部(BD1A、BD2B)とp型半導体領域PDRやn型半導体領域NDRとをプラグPLGで接続している。これにより、標準セルCLの内部領域にスペースを確保することができ、レイアウト構成の自由度を向上させることができる。したがって、MISFETの微細化に伴って導入された新たなレイアウトルールが適用される場合であっても、レイアウトの構成を工夫する自由度が増加するので、標準セルCLのサイズを縮小できるレイアウト構成を採用することが容易となる。
ここで、本実施の形態2におけるさらなる利点について説明する。本実施の形態2では、例えば、図4(b)に示すように、ゲート電極G1とゲート電極G2とを第1配線層から構成される配線L1Cで電気的に接続している。これは、ゲート電極(ポリシリコン膜)を等間隔で配列し、かつ、ゲート電極を一切曲げずに直線形状とする新たなレイアウトルールを取り入れていることに起因している。すなわち、上述した新たなレイアウトルールがなければ、ポリシリコン膜から形成されるゲート電極G1とゲート電極G2において、ポリシリコン膜を加工することにより、折り曲げ部を設けて、ゲート電極G1とゲート電極G2とを互いに接続することが可能である。ところが、上述した新たなレイアウトルールが設定されると、ゲート電極G1およびゲート電極G2自体に折り曲げ部を設けるように加工することができなくなる。このため、新たなレイアウトルールのもとでは、ポリシリコン膜から形成されるゲート電極G1とゲート電極G2とを直線形状で形成し、第1配線層である配線L1Cを用いてゲート電極G1とゲート電極G2とを接続しなければならなくなる。このように新たなレイアウトルールのもとでは、ゲート電極G1とゲート電極G2を電気的に接続する第1配線層の配線L1Cが必要となる。
この状況下で、電源配線L1Bとn型半導体領域NDRを接続する突出配線PL1Bを、電源配線L1Bとn型半導体領域NDRとの最短距離を結ぶように形成するという従来の設計手法を採用する場合、突出配線PL1Bと配線L1Cとの間のマージンが少なくなり、突出配線PL1Bと配線L1Cとの間でショート不良が発生しやすくなる。
このことについて比較例を示す図21を参照しながら説明する。図21は、2つのインバータを備えるインバータ回路において、ゲート電極G1〜G4と、第1配線層を構成する配線とを示す図である。図21においては、ゲート電極(ポリシリコン膜)を等間隔で配列し、かつ、ゲート電極を一切曲げずに直線形状とする新たなレイアウトルールを取り入れているため、ゲート電極G2とゲート電極G3の間を第1配線層からなる配線L1Cで接続している。この状態で、電源配線L1Bから突出する突出配線PL1Bを従来の設計手法で設計すると、図21に示すように、突出配線PL1Bと配線L1Cとの間のマージンがほとんど無くなり、突出配線PL1Bと配線L1Cとの間にショート不良が発生しやすくなることがわかる。
これに対し、本実施の形態2では、図4(b)に示すように、標準セルCLの両端の角部から突出配線PL1Bが突出している。したがって、図21に示す場合に比べて、第1配線層から形成される配線L1Cと突出配線PL1Bとの間のマージンを充分に確保することができる。つまり、本実施の形態2では、突出配線PL1Bを標準セルCLの両端部から引き出すように構成しているため、配線L1Cと突出配線PL1Bとの間のスペースを充分に確保できる。このことから、本実施の形態2では、配線L1Cと突出配線PL1Bとの間のショート不良を抑制することができ、結果として、半導体装置の信頼性を向上することができる利点を備えていることになる。
このように本実施の形態2では、X方向に延在する電源配線L1Bと、X方向に屈曲している屈曲部BD1Bとの離間領域に、X方向に延在し、かつ、2本のゲート電極G1とゲート電極G2とを接続する第1配線層の配線L1Cが形成されるようにレイアウト構成していることに特徴がある。この技術的思想は、さらに拡張することができる。例えば、X方向に延在する電源配線L1Bと、X方向に屈曲している屈曲部BD1Bとの離間領域に、X方向に延在する第1配線層の配線が少なくとも1本以上形成されるように、突出配線PL1Bをレイアウト構成するということもできる。特に、離間領域に形成される第1配線層の配線が、複数のゲート電極に含まれる2本以上のゲート電極を電気的に接続する配線とする場合に有効である。
なお、本実施の形態2の変形例として、X方向に延在する電源配線L1Aと、X方向に屈曲している屈曲部BD1Aとの離間領域に、X方向に延在し、かつ、2本のゲート電極G1とゲート電極G2とを接続する第1配線層の配線が形成されるようにレイアウト構成してもよい。この場合も技術的思想を容易に拡張することができる。例えば、X方向に延在する電源配線L1Aと、X方向に屈曲している屈曲部BD1Aとの離間領域に、X方向に延在する第1配線層の配線が少なくとも1本以上形成されるように、突出配線PL1Aをレイアウト構成するということもできる。特に、離間領域に形成される第1配線層の配線が、複数のゲート電極に含まれる2本以上のゲート電極を電気的に接続する配線とする場合に有効である。
続いて、本実施の形態2におけるインバータ回路のデバイス構造について説明する。図6は、図4のA−A線で切断した断面図である。図6において、本実施の形態2における半導体装置は、半導体基板1Sの主面に素子分離領域STIが形成されており、この素子分離領域STIで区画された領域が活性領域となっている。そして、半導体基板1S内にはn型ウェルNWLとp型ウェルPWLが形成されている。n型ウェルNWLは半導体基板1Sにリンや砒素などのn型不純物(ドナー)を導入した半導体領域であり、p型ウェルPWLは半導体基板1Sにボロンなどのp型不純物(アクセプター)を導入した半導体領域である。n型ウェルNWLの一部の表面領域には、n型ウェルNWLへ給電するためのn型給電領域NR1が形成されている。一方、p型ウェルPWLの一部の表面領域には、p型ウェルPWLへ給電するためのp型給電領域PR1が形成されている。
次に、素子分離領域STI、n型ウェルNWLおよびp型ウェルPWLを形成した半導体基板1S上には、例えば、酸化シリコン膜からなるゲート絶縁膜GOXが形成されており、このゲート絶縁膜GOX上に、例えば、ポリシリコン膜からなるゲート電極G1が形成されている。
なお、ゲート絶縁膜GOXは、例えば、酸化シリコン膜等の絶縁膜から形成され、例えば熱酸化法を使用して形成することができる。ただし、ゲート絶縁膜GOXは、酸化シリコン膜に限定されるものではなく種々変更可能であり、例えば、ゲート絶縁膜GOXを酸窒化シリコン膜(SiON)としてもよい。すなわち、ゲート絶縁膜GOXと半導体基板1Sとの界面に窒素を偏析させる構造としてもよい。酸窒化シリコン膜は、酸化シリコン膜に比べて膜中における界面準位の発生を抑制したり、電子トラップを低減する効果が高い。したがって、ゲート絶縁膜GOXのホットキャリア耐性を向上でき、絶縁耐性を向上させることができる。また、酸窒化シリコン膜は、酸化シリコン膜に比べて不純物が貫通しにくい。このため、ゲート絶縁膜GOXに酸窒化シリコン膜を用いることにより、ゲート電極中の不純物が半導体基板側に拡散することに起因するしきい値電圧の変動を抑制することができる。酸窒化シリコン膜を形成するのは、例えば、半導体基板1SをNO、NO2またはNH3といった窒素を含む雰囲気中で熱処理すればよい。また、半導体基板1Sの表面に酸化シリコン膜からなるゲート絶縁膜を形成した後、窒素を含む雰囲気中で半導体基板1Sを熱処理し、ゲート絶縁膜GOXと半導体基板1Sとの界面に窒素を偏析させることによっても同様の効果を得ることができる。
また、ゲート絶縁膜GOXは、例えば、酸化シリコン膜より誘電率の高い高誘電率膜から形成してもよい。従来、絶縁耐性が高い、シリコン−酸化シリコン界面の電気的・物性的安定性などが優れているとの観点から、ゲート絶縁膜として酸化シリコン膜が使用されている。このとき、本実施の形態2では、微細化された28nmノード以降のトランジスタを対象にしているため、スケーリング則により、ゲート絶縁膜GOXの膜厚が薄くなる。このように薄い酸化シリコン膜をゲート絶縁膜GOXとして使用すると、トランジスタのチャネルを流れる電子が酸化シリコン膜によって形成される障壁をトンネルしてゲート電極に流れる、いわゆるトンネル電流が発生してしまう。
そこで、酸化シリコン膜より誘電率の高い材料を使用することにより、容量が同じでも物理的膜厚を増加させることができる高誘電率膜が使用されるようになってきている。高誘電率膜によれば、容量を同じにしても物理的膜厚を増加させることができるので、リーク電流を低減することができる。特に、窒化シリコン膜も酸化シリコン膜よりも誘電率の高い膜であるが、本実施の形態2では、この窒化シリコン膜よりも誘電率の高い高誘電率膜を使用することが望ましい。
例えば、窒化シリコン膜よりも誘電率の高い高誘電率膜として、ハフニウム酸化物の一つである酸化ハフニウム膜(HfO2膜)が使用されるが、酸化ハフニウム膜に変えて、HfAlO膜(ハフニウムアルミネート膜)、HfON膜(ハフニウムオキシナイトライド膜)、HfSiO膜(ハフニウムシリケート膜)、HfSiON膜(ハフニウムシリコンオキシナイトライド膜)のような他のハフニウム系絶縁膜を使用することもできる。さらに、これらのハフニウム系絶縁膜に酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化イットリウムなどの酸化物を導入したハフニウム系絶縁膜を使用することもできる。ハフニウム系絶縁膜は、酸化ハフニウム膜と同様、酸化シリコン膜や酸窒化シリコン膜より誘電率が高いので、酸化ハフニウム膜を用いた場合と同様の効果が得られる。このようにゲート絶縁膜GOXを薄膜化する場合、ゲート絶縁膜GOXとして、酸化シリコン膜以外に高誘電率膜も使用することができる。
続いて、ゲート電極G1を形成した半導体基板1S上にはコンタクト層間絶縁膜CILが形成されている。このコンタクト層間絶縁膜CILは、例えば、TEOSを原料とした酸化シリコン膜から形成されている。そして、このコンタクト層間絶縁膜CILには、コンタクト層間絶縁膜CILを貫通してゲート電極G1と電気的に接続するプラグPLGが形成されている。このプラグPLGは、例えば、コンタクト層間絶縁膜CILに形成したコンタクトホールにチタン/窒化チタン膜からなるバリア導体膜を形成し、このバリア導体膜を介してコンタクトホールにタングステン膜を埋め込むことにより形成されている。
さらに、プラグPLGを形成したコンタクト層間絶縁膜CIL上には、層間絶縁膜IL1が形成されている。この層間絶縁膜IL1は、例えば、酸化シリコン膜や、例えば、SiOC膜などの酸化シリコン膜よりも誘電率の低い低誘電率膜から形成されている。そして、この層間絶縁膜IL1には配線溝が形成されており、この配線溝の内壁にバリア導体膜が形成され、このバリア導体膜を介して配線溝内に銅膜が埋め込まれている。これにより、銅配線からなる配線L1が形成される。なお、バリア導体膜は、例えば、タンタルと窒化タンタル膜の積層膜から形成されている。以上のようにして、図4のA−A線で切断した場合のデバイス構造が説明される。
次に、図7は、図4のB−B線で切断した断面図である。図7において、本実施の形態2における半導体装置は、半導体基板1Sの主面に素子分離領域STIが形成されており、この素子分離領域STIで区画された領域が活性領域となっている。そして、半導体基板1S内にはn型ウェルNWLとp型ウェルPWLが形成されている。n型ウェルNWLは半導体基板1Sにリンや砒素などのn型不純物(ドナー)を導入した半導体領域であり、p型ウェルPWLは半導体基板1Sにボロンなどのp型不純物(アクセプター)を導入した半導体領域である。n型ウェルNWLの一部の表面領域には、n型ウェルNWLへ給電するためのn型給電領域NR1が形成されている。一方、p型ウェルPWLの一部の表面領域には、p型ウェルPWLへ給電するためのp型給電領域PR1が形成されている。また、素子分離領域STIで区画された活性領域において、n型ウェルNWLの表面にソース領域やドレイン領域となる深いp型不純物拡散領域PR2が形成され、p型ウェルPWLの表面にソース領域やドレイン領域となる深いn型不純物拡散領域NR2が形成されている。深いp型不純物拡散領域PR2は、ボロンなどのp型不純物を導入した半導体領域であり、深いn型不純物拡散領域NR2は、リンや砒素などのn型不純物を導入した半導体領域である。
続いて、半導体基板1S上にはコンタクト層間絶縁膜CILが形成されている。このコンタクト層間絶縁膜CILは、例えば、TEOSを原料とした酸化シリコン膜から形成されている。そして、このコンタクト層間絶縁膜CILには、コンタクト層間絶縁膜CILを貫通して、n型給電領域NR1、深いp型不純物拡散領域PR2、深いn型不純物拡散領域NR2や、p型給電領域PR1と電気的に接続するプラグPLGが形成されている。このプラグPLGは、例えば、コンタクト層間絶縁膜CILに形成したコンタクトホールにチタン/窒化チタン膜からなるバリア導体膜を形成し、このバリア導体膜を介してコンタクトホールにタングステン膜を埋め込むことにより形成されている。
さらに、プラグPLGを形成したコンタクト層間絶縁膜CIL上には、層間絶縁膜IL1が形成されている。この層間絶縁膜IL1は、例えば、酸化シリコン膜や、例えば、SiOC膜などの酸化シリコン膜よりも誘電率の低い低誘電率膜から形成されている。そして、この層間絶縁膜IL1には配線溝が形成されており、この配線溝の内壁にバリア導体膜が形成され、このバリア導体膜を介して配線溝内に銅膜が埋め込まれている。これにより、銅配線からなる配線L1が形成される。なお、バリア導体膜は、例えば、タンタルと窒化タンタル膜の積層膜から形成されている。以上のようにして、図4のB−B線で切断した場合のデバイス構造が説明される。
次に、図8は、図4のC−C線で切断した断面図である。図8において、本実施の形態2における半導体装置は、半導体基板1Sの主面に素子分離領域STIが形成されており、この素子分離領域STIで区画された領域が活性領域となっている。そして、半導体基板1S内にはn型ウェルNWLとp型ウェルPWLが形成されている。n型ウェルNWLは半導体基板1Sにリンや砒素などのn型不純物(ドナー)を導入した半導体領域であり、p型ウェルPWLは半導体基板1Sにボロンなどのp型不純物(アクセプター)を導入した半導体領域である。n型ウェルNWLの一部の表面領域には、n型ウェルNWLへ給電するためのn型給電領域NR1が形成されている。一方、p型ウェルPWLの一部の表面領域には、p型ウェルPWLへ給電するためのp型給電領域PR1が形成されている。
そして、素子分離領域STI上には、ダミーゲート電極DG1が形成されている。このダミーゲート電極DG1は、MISFETのゲート電極として機能しない電極であり、通常、フローティング状態にされている。
続いて、ダミーゲート電極DG1を形成した半導体基板1S上にはコンタクト層間絶縁膜CILが形成されている。このコンタクト層間絶縁膜CILは、例えば、TEOSを原料とした酸化シリコン膜から形成されている。
さらに、コンタクト層間絶縁膜CIL上には、層間絶縁膜IL1が形成されている。この層間絶縁膜IL1は、例えば、酸化シリコン膜や、例えば、SiOC膜などの酸化シリコン膜よりも誘電率の低い低誘電率膜から形成されている。そして、この層間絶縁膜IL1には配線溝が形成されており、この配線溝の内壁にバリア導体膜が形成され、このバリア導体膜を介して配線溝内に銅膜が埋め込まれている。これにより、銅配線からなる配線L1が形成される。なお、バリア導体膜は、例えば、タンタルと窒化タンタル膜の積層膜から形成されている。以上のようにして、図4のC−C線で切断した場合のデバイス構造が説明される。
次に、図9は,図4のD−D線で切断した断面図である。図9において、本実施の形態2における半導体装置は、半導体基板1Sの主面に素子分離領域STIが形成されており、この素子分離領域STIで区画された領域が活性領域となっている。そして、半導体基板1S内にはn型ウェルNWLが形成されている。n型ウェルNWLは半導体基板1Sにリンや砒素などのn型不純物(ドナー)を導入した半導体領域である。
n型ウェルNWLおよび素子分離領域STIを形成した半導体基板1S上には、ダミーゲート電極DG1、ゲート電極G1、ゲート電極G2、ダミーゲート電極DG2が形成されており、これらの電極の側壁にはサイドウォールSWが形成されている。ゲート電極G1とn型ウェルNWLの間にはゲート絶縁膜GOXが形成されており、さらに、ゲート電極G1に整合したn型ウェルNWL内には、浅いp型不純物拡散領域EXが形成されており、この浅いp型不純物拡散領域EXの外側に深いp型不純物拡散領域PR2が形成されている。この浅いp型不純物拡散領域EXと深いp型不純物拡散領域PR2により、ソース領域やドレイン領域が形成される。
同様に、ゲート電極G2とn型ウェルNWLの間にはゲート絶縁膜GOXが形成されており、さらに、ゲート電極G2に整合したn型ウェルNWL内には、浅いp型不純物拡散領域EXが形成されており、この浅いp型不純物拡散領域EXの外側に深いp型不純物拡散領域PR2が形成されている。この浅いp型不純物拡散領域EXと深いp型不純物拡散領域PR2により、ソース領域やドレイン領域が形成される。
なお、ゲート電極G1の表面、ゲート電極G2の表面、深いp型不純物拡散領域PR2の表面に低抵抗化のため、シリサイド膜が形成される場合もある。
ダミーゲート電極DG1、ゲート電極G1、ゲート電極G2、ダミーゲート電極DG2を形成した半導体基板1S上にはコンタクト層間絶縁膜CILが形成されている。このコンタクト層間絶縁膜CILは、例えば、TEOSを原料とした酸化シリコン膜から形成されている。そして、このコンタクト層間絶縁膜CILには、コンタクト層間絶縁膜CILを貫通して、深いp型不純物拡散領域PR2と電気的に接続するプラグPLGが形成されている。このプラグPLGは、例えば、コンタクト層間絶縁膜CILに形成したコンタクトホールにチタン/窒化チタン膜からなるバリア導体膜を形成し、このバリア導体膜を介してコンタクトホールにタングステン膜を埋め込むことにより形成されている。
さらに、プラグPLGを形成したコンタクト層間絶縁膜CIL上には、層間絶縁膜IL1が形成されている。この層間絶縁膜IL1は、例えば、酸化シリコン膜や、例えば、SiOC膜などの酸化シリコン膜よりも誘電率の低い低誘電率膜から形成されている。そして、この層間絶縁膜IL1には配線溝が形成されており、この配線溝の内壁にバリア導体膜が形成され、このバリア導体膜を介して配線溝内に銅膜が埋め込まれている。これにより、銅配線からなる配線L1が形成される。なお、バリア導体膜は、例えば、タンタルと窒化タンタル膜の積層膜から形成されている。以上のようにして、図4のD−D線で切断した場合のデバイス構造が説明される。
(実施の形態3)
図10(a)は、入力配線IN1および入力配線IN2と出力配線OUTの間に接続されたエクスクルーシブオア(EX−OR)回路を示す回路図であり、(b)は、(a)に示すEX−OR回路のレイアウト構成例を示す平面図である。図10(a)において、EX−OR回路は、5つのp型MISFET(P1〜P5)と、5つのn型MISFET(N1〜N5)により形成されている。そして、入力配線IN1は、p型MISFET(P1)のゲート電極、n型MISFET(N2)のゲート電極、p型MISFET(P5)のゲート電極、および、n型MISFET(N5)のゲート電極と電気的に接続されている。また、入力配線IN2は、n型MISFET(N1)のゲート電極、p型MISFET(P2)のゲート電極、n型MISFET(N4)のゲート電極、および、p型MISFET(P4)のゲート電極と電気的に接続されている。さらに、出力配線OUTは、p型MISFET(P5)のドレイン領域、および、p型MISFET(P4)のドレイン領域と電気的に接続されている。
このように構成されているEX−OR回路によれば、入力配線IN1と入力配線IN2に入力される信号が互いに反対である場合に、出力配線OUTから信号「1」が出力される。例えば、入力配線IN1に信号「0」が入力され、入力配線IN2に信号「0」が入力されると、出力配線OUTから信号「0」が出力される。一方、入力配線IN1に信号「1」が入力され、入力配線IN2に信号「0」が入力されると、出力配線OUTから信号「1」が出力される。同様に、入力配線IN1に信号「0」が入力され、入力配線IN2に信号「1」が入力される場合も、出力配線OUTから信号「1」が出力される。これに対し、入力配線IN1に信号「1」が入力され、入力配線IN2に信号「1」が入力されると、出力配線OUTから信号「0」が出力される。
次に、図10(b)は、図10(a)の回路図で示したEX−OR回路のレイアウト構成例を示す平面図である。図10(b)において、本実施の形態3における標準セルCLのレイアウト構成は、従来の設計手法とは異なる斬新な設計思想を取り入れるとともに、新たなレイアウトルールにも対応している。具体的に、新たなレイアウトルールとして、ゲート電極(ポリシリコン膜)を等間隔で配列し、かつ、ゲート電極を一切曲げずに直線形状とするルールや、拡散層の形状を8頂点以内の図形形状とするルールが取り入れられている。
図10(b)に示すように、矩形形状をした標準セルCLの上下を挟んで、X方向(第1方向)に延在するように第1配線層からなる電源配線L1Aと電源配線L1Bが配置されている。この電源配線L1Aは、電源電位(VDD)を供給するための配線であり、電源配線L1Bは、電源電位(VDD)よりも低い基準電位(GND)を供給するための配線である。そして、電源配線L1Aと電源配線L1Bとの間に挟まれるようにp型半導体領域(p型拡散層)PDRとn型半導体領域(n型拡散層)NDRが形成されている。このp型半導体領域PDRとn型半導体領域NDRは、拡散層の形状を8頂点以内の図形形状とする新たなレイアウトルールに基づいて、四角形形状となっている。
標準セルCLに形成されているp型半導体領域PDRは、標準セルCLの第1辺(電源配線L1A)の一端部と第2辺(電源配線L1B)の一端部を結ぶ第1境界線と、第1辺(電源配線L1A)の他端部と第2辺(電源配線L1B)の他端部を結ぶ第2境界線の両方に接触しないように配置されている。同様に、標準セルCLに形成されているn型半導体領域NDRは、標準セルCLの第1辺(電源配線L1A)の一端部と第2辺(電源配線L1B)の一端部を結ぶ第1境界線と、第1辺(電源配線L1A)の他端部と第2辺(電源配線L1B)の他端部を結ぶ第2境界線の両方に接触しないように配置されている。したがって、X方向(第1方向)に隣接して配置された複数の標準セルCLを考えると、それぞれの標準セルCLに形成されているp型半導体領域PDRは互いに分離され、かつ、それぞれの標準セルCLに形成されているn型半導体領域NDRも互いに分離されていることになる。
続いて、本実施の形態3における標準セルCLでは、標準セルCLの両端部(標準セルCLの境界)において、電源配線L1Aから分岐して標準セルCLの内部に向うY方向(第2方向)へ突出した2本の突出配線PL1Aが形成されている。同様に、標準セルCLの両端部(標準セルCLの境界)において、電源配線L1Bから分岐して標準セルCLの内部に向うY方向(第2方向)へ突出した2本の突出配線PL1Bが形成されている。そして、2本の突出配線PL1Aのうち、左側の突出配線PL1Aは、端部が標準セルCLの内部へ向うX方向(第1方向)に屈曲した屈曲部BD1Aを含み、さらに、屈曲部BD1AからY方向に屈曲した屈曲部BD2Aを含み、その上、この屈曲部BD2AからX方向にさらに屈曲した屈曲部BD3Aを含んでいる。この屈曲部BD3Aは、プラグPLGによってp型半導体領域PDRと電気的に接続される。一方、2本の突出配線PL1Aのうち、右側の突出配線PL1Aには、屈曲部が形成されていない。
これに対し、2本の突出配線PL1Bは、端部が標準セルCLの内部へ向うX方向(第1方向)に屈曲した屈曲部BD1Bを含んでおり、さらに、屈曲部BD1Bの端部がY方向(第2方向)に屈曲した屈曲部BD2Bを備えている。この屈曲部BD2Bは、プラグPLGによってn型半導体領域NDRと電気的に接続される。
このように本実施の形態3において、屈曲部BD1A、屈曲部BD2Aおよび屈曲部BD3Aが形成されている突出配線PL1Aは、屈曲部BD3AがプラグPLGによってp型半導体領域PDRと電気的に接続されている。一方、屈曲部BD1Bが形成されている突出配線PL1Bは、さらに、屈曲部BD1Bの端部からY方向(第2方向)に屈曲した屈曲部BD2Bを有しており、この屈曲部BD2Bは、プラグPLGによってn型半導体領域NDRと電気的に接続されている。
次に、図10(b)に示すように、電源配線L1Aと電源配線L1Bで挟まれた標準セルCL内の領域には、それぞれがY方向(第2方向)に延在し、かつ、X方向(第1方向)に並ぶように、ダミーゲート電極DG1、ゲート電極G1〜G5、および、ダミーゲート電極DG2が配置されている。これにより、例えば、ゲート電極G1〜G5とp型半導体領域PDRが平面的に重なる領域に、それぞれp型MISFET(P1)〜p型MISFET(P5)が形成され、ゲート電極G1〜G5とn型半導体領域NDRが平面的に重なる領域に、それぞれn型MISFET(N1)〜n型MISFET(N5)が形成される。これらのゲート電極G1〜G5とダミーゲート電極DG1、DG2は、ゲート電極(ポリシリコン膜)を等間隔で配列し、ゲート電極を一切曲げずに直線形状とするルールに基づいて形成されている。ここでいうダミーゲート電極DG1、DG2とは、p型半導体領域PDRやn型半導体領域NDRと平面的に重ならず、かつ、標準セルCLの境界線に配置されているものをいう。言い換えれば、ダミーゲート電極DG1、DG2は、p型MISFET(P1〜P5)やn型MISFET(N1〜N5)のゲート電極として機能せず、電位がフローティング状態になっているものをいう。
そして、ゲート電極G1は、プラグPLGを介して第1配線層から形成される入力配線INと接続されている。そして、入力配線INと接触しないように出力配線OUTが形成されており、この出力配線OUTが入力配線INと接触しないようにゲート電極G2上に配置されている。
上述した標準セルCLは、第1配線層以下に形成されている構成要素から構成されており、標準セルCLに入力信号を入力する入力配線IN1、入力配線IN2と、第1配線層で形成され、標準セルCLから出力信号を出力する出力配線OUTは、第1配線層よりも上層の配線(第2配線層)と電気的に接続されるようになっている。つまり、本実施の形態3では、標準セルCLを第1配線層以下の構成要素から構成し、この標準セルCLを第1配線層よりも上層の第2配線層で接続することにより任意のデジタル回路(ロジック回路)が形成される。
なお、電源配線L1Aの直下にはn型ウェルに電源電位(VDD)を供給するn型給電領域(半導体領域)が設けられており、このn型給電領域と電源配線L1Aは、プラグPLGで接続されている。同様に、電源配線L1Bの直下にはp型ウェルに基準電位(GND)を供給するp型給電領域(半導体領域)が設けられており、このp型給電領域と電源配線L1Bは、プラグPLGで接続されている。つまり、標準セルCLが形成される半導体基板内にはN型ウェルが形成されており、電源配線L1AとN型ウェルとは複数のプラグPLG(第1ビアプラグ)によって電気的に接続されている。同様に、標準セルCLが形成される半導体基板内にはP型ウェルが形成されており、電源配線L1BとP型ウェルとは複数のプラグ(第2ビアプラグ)によって電気的に接続されている。このとき、複数のプラグPLG(第1ビアプラグおよび第2ビアプラグ)は、標準セルCLの四隅には形成されていない。
さらに、本実施の形態3では、X方向に延在する電源配線L1Bと、X方向に屈曲している屈曲部BD1Bとの離間領域に、X方向に延在し、かつ、2本のゲート電極G1とゲート電極G4とを接続する第1配線層の入力配線IN2が形成されるようにレイアウト構成している。この技術的思想は、さらに拡張することができる。例えば、X方向に延在する電源配線L1Bと、X方向に屈曲している屈曲部BD1Bとの離間領域に、X方向に延在する第1配線層の配線が少なくとも1本以上形成されるように、突出配線PL1Bをレイアウト構成するということもできる。特に、離間領域に形成される第1配線層の配線が、複数のゲート電極に含まれる2本以上のゲート電極を電気的に接続する配線とする場合に有効である。
また、本実施の形態3では、X方向に延在する電源配線L1Aと、X方向に屈曲している屈曲部BD1Aとの離間領域に、X方向に延在し、かつ、2本のゲート電極G2とゲート電極G5とを接続する第1配線層の入力配線IN1が形成されるようにレイアウト構成している。この場合も技術的思想を容易に拡張することができる。例えば、X方向に延在する電源配線L1Aと、X方向に屈曲している屈曲部BD1Aとの離間領域に、X方向に延在する第1配線層の配線が少なくとも1本以上形成されるように、突出配線PL1Aをレイアウト構成するということもできる。特に、離間領域に形成される第1配線層の配線が、複数のゲート電極に含まれる2本以上のゲート電極を電気的に接続する配線とする場合に有効である。
続いて、図10(b)に示すEX−OR回路のレイアウト構成を2層に分解して示すと図11(a)〜図11(b)のようになる。図11(a)は、1層目のレイアウト構成を示す図である。図11(a)に示すように、半導体基板には、Y方向に並ぶように、n型給電領域DR1、p型半導体領域PDR、n型半導体領域NDR、および、p型給電領域DR2が形成されている。これらの領域は、すべて半導体領域から形成されている。
次に、図11(a)に示すように、それぞれがY方向に延在し、かつ、X方向に並ぶように、ダミーゲート電極DG1、ゲート電極G1〜G5、ダミーゲート電極DG2が形成されている。これらのダミーゲート電極DG1、DG2およびゲート電極G1〜G5は、ポリシリコン膜を加工することにより形成されている。
そして、図11(b)は、2層目のレイアウト構成を示す図である。具体的に、図11(b)では、第1配線層として、電源配線L1A、電源配線L1B、突出配線PL1A、突出配線PL1B、屈曲部BD1A、屈曲部BD2A、屈曲部BD3A、屈曲部BD1B、屈曲部BD2B、入力配線IN1、入力配線IN2および出力配線OUTが形成されている。
以上のように、本実施の形態3では、標準セルCLの両端の角部において、電源配線(L1A、L1B)から突出配線(PL1A、PL1B)を標準セルCLの内部(Y方向)に突出し、かつ、突き出した突出配線(PL1A、PL1B)からX方向に屈曲した屈曲部(BD1A、BD1B)を形成している。さらに、屈曲部BD1AからY方向に屈曲した屈曲部BD2Aと、この屈曲部BD2AからX方向に屈曲した屈曲部BD3Aを形成している。また、屈曲部BD1BからY方向に屈曲した屈曲部BD2Bを形成している。そして、この屈曲部(BD3A、BD2B)とp型半導体領域PDRやn型半導体領域NDRとをプラグPLGで接続している。これにより、標準セルCLの内部領域にスペースを確保することができ、レイアウト構成の自由度を向上させることができる。したがって、MISFETの微細化に伴って導入された新たなレイアウトルールが適用される場合であっても、レイアウトの構成を工夫する自由度が増加するので、標準セルCLのサイズを縮小できるレイアウト構成を採用することが容易となる。
(実施の形態4)
本実施の形態4では、本発明の技術的思想を取り入れた複数の標準セルを実際に配列する例について説明する。図12は、EX−OR回路を構成する6つの標準セルCL1〜CL6を2行3列に並べたレイアウト構成を示す図である。図12において、各標準セルCL1〜CL6の両端の角部から突出配線PL1Aや突出配線PL1Bが引き出されている。具体的には、電源配線L1Aから突出配線PL1Aが突出しており、この突出配線PL1Aに屈曲部BD1Aと屈曲部BD2Aが設けられている。同様に、電源配線L1Bから突出配線PL1Bが突出しており、この突出配線PL1Bに屈曲部BD1Bや屈曲部BD2Bが設けられている。
ここで、標準セルCL1〜CL6の中には屈曲部を有する突出配線と、屈曲部を有さない突出配線が存在している。この場合、屈曲部を有する突出配線の長さと、屈曲部を有さない突出配線の長さは、若干異なっている。これは、突出配線と近隣の配線とのマージンを確保するためである。つまり、屈曲部を有する突出配線や、屈曲部を有さない突出配線は、ともにフォトリソグラフィ技術で加工することにより形成される。このとき、フォトリソグラフィ技術の加工精度の問題から、屈曲部を有する突出配線と近隣の配線とのマージンよりも、屈曲部を有さない突出配線と近隣の配線とのマージンを確保する必要があるのである。つまり、フォトリソグラフィ技術の加工精度の関係から、互いにショート不良を起こさないためのマージンは、屈曲部を有する突出配線と近隣の配線との間よりも、屈曲部を有さない突出配線と近隣の配線との間のほうがシビアになっている。したがって、例えば、図12に示すように、屈曲部を有する突出配線と近隣の配線との間のマージンは、例えば、0.05μmであるのに対し、屈曲部を有さない突出配線と近隣の配線との間のマージンは、例えば、0.07μmとなっている。
また、隣接する標準セルの突出配線は、互いにほぼ同じ長さとなっている。これは、上記フォトリソグラフィ技術の加工精度と、近接の配線との間の関係によって標準セル内でのマージンを確保した上で、その突出配線の長さを決定するためであり、それによって必要な突出配線の長さが多少異なる場合があるためである。よって、従来技術の突出配線PL1Aを、電源配線L1Aとp型半導体領域PDRとの最短距離を結ぶ場合はその長さは様々であり、それと比較し、本実施例を適用した場合の突出配線は、標準セル内においても、異なる標準セル間においてもほぼ同じ長さとなっている。
図12に示すように、本実施の形態4では、標準セルCLの両端の角部において、電源配線(L1A、L1B)から突出配線(PL1A、PL1B)を標準セルCLの内部(Y方向)に突出し、かつ、突き出した突出配線(PL1A、PL1B)からX方向に屈曲した屈曲部(BD1A、BD1B)を形成している。さらに、屈曲部BD1AからY方向に屈曲した屈曲部BD2Aと、この屈曲部BD2AからX方向に屈曲した屈曲部BD3Aを形成している。また、屈曲部BD1BからY方向に屈曲した屈曲部BD2Bを形成している。そして、この屈曲部(BD3A、BD2B)とp型半導体領域やn型半導体領域とをプラグで接続している。
さらに、図12に示す本実施の形態4では、突出配線(PL1A、PL1B)が標準セルCL1〜CL6の両端の角部に形成されているので、隣接する標準セル間で突出配線(PL1A、PL1B)を共通化することができる。このことから、標準セルCL1〜CL6の内部に形成する突出配線(PL1A、PL1B)の本数を少なくすることができる。
以上のように、本実施の形態4では、個々の標準セルCL1〜CL6の両端の角部に屈曲部を有する突出配線を形成することによる標準セルCL1〜CL6のサイズ縮小効果と、隣接する標準セル間で突出配線を共有化できることによる標準セルCL1〜CL6のサイズ縮小効果の相乗効果により、標準セルCL1〜CL6の内部領域に充分なスペースを確保することができ、レイアウト構成の自由度を向上させることができる。このことから、MISFETの微細化に伴って導入された新たなレイアウトルールが適用される場合であっても、レイアウトの構成を工夫する自由度が増加するので、標準セルCLのサイズを縮小できるレイアウト構成を採用することが容易となる。
図12では、同じEX−OR回路からなる標準セルCL1〜CL6を配列する例について説明したが、本発明の技術的思想は、異なる機能を有する標準セルCL1〜CL6を配列する場合も適用することができる。以下に、この例について説明する。
図13は、複数の機能の異なる標準セルCL1〜CL6を配列したレイアウト構成を示す図であり、(a)は、標準セルCL1〜CL6を2層に分解した下層を示す図である。一方、図13(b)は、標準セルCL1〜CL6を2層に分解した上層を示す図である。
図13(a)に示すように、半導体基板には、Y方向に並ぶように、n型給電領域DR1、p型半導体領域PDR、n型半導体領域NDR、および、p型給電領域DR2が形成されている。これらの領域は、すべて半導体領域から形成されている。
次に、図13(a)に示すように、それぞれがY方向に延在し、かつ、X方向に並ぶように、ダミーゲート電極DGとゲート電極Gが形成されている。これらのダミーゲート電極DGおよびゲート電極Gは、ポリシリコン膜を加工することにより形成されている。
そして、図13(b)は、2層目のレイアウト構成を示す図である。具体的に、図13(b)では、第1配線層として、電源配線L1A、電源配線L1B、突出配線PL1A、突出配線PL1B、屈曲部BD1A、屈曲部BD2A、屈曲部BD1B、屈曲部BD2Bなどが形成されている。
このとき、標準セルCL1が3入力NAND回路であり、標準セルCL2が4入力NAND回路である。また、標準セルCL3がコンプレックス回路(セレクタ)であり、標準セルCL4がEX−OR回路である。さらに、標準セルCL5がコンプレックス回路(セレクタ)であり、標準セルCL6が2入力NOR回路である。
以上のように図13でも、標準セルCL1〜CL6の両端の角部において、電源配線(L1A、L1B)から突出配線(PL1A、PL1B)を標準セルCLの内部(Y方向)に突出し、かつ、突き出した突出配線(PL1A、PL1B)からX方向に屈曲した屈曲部(BD1A、BD1B)を形成している。さらに、屈曲部BD1AからY方向に屈曲した屈曲部BD2Aを形成している。また、屈曲部BD1BからY方向に屈曲した屈曲部BD2Bを形成している。そして、この屈曲部(BD2A、BD2B)とp型半導体領域やn型半導体領域とをプラグで接続している。
さらに、図13に示す場合でも、突出配線(PL1A、PL1B)が標準セルCL1〜CL6の両端の角部に形成されているので、隣接する標準セル間で突出配線(PL1A、PL1B)を共通化することができる。このことから、標準セルCL1〜CL6の内部に形成する突出配線(PL1A、PL1B)の本数を少なくすることができる。
以上のように、互いに機能の異なる標準セルCL1〜CL6を配列する場合でも、個々の標準セルCL1〜CL6の両端の角部に屈曲部を有する突出配線を形成することによる標準セルCL1〜CL6のサイズ縮小効果と、隣接する標準セル間で突出配線を共有化できることによる標準セルCL1〜CL6のサイズ縮小効果の相乗効果を得ることができる。この結果、標準セルCL1〜CL6の内部領域に充分なスペースを確保することができ、レイアウト構成の自由度を向上させることができる。このことから、MISFETの微細化に伴って導入された新たなレイアウトルールが適用される場合であっても、レイアウトの構成を工夫する自由度が増加するので、標準セルCLのサイズを縮小できるレイアウト構成を採用することが容易となる。
(実施の形態5)
本実施の形態5では、SCAN機能付きフリップフロップ回路を形成した標準セルのレイアウト構成例について説明する。図14は、SCAN機能付きフリップフロップ回路を形成した標準セルCLのレイアウト構成を示す図である。図14においても、新たなレイアウトルールとして、ゲート電極(ポリシリコン膜)を等間隔で配列し、かつ、ゲート電極を一切曲げずに直線形状とするルールや、拡散層の形状を8頂点以内の図形形状とするルールが取り入れられている。このような新たなレイアウトルールを取り入れている状況においても、本発明の技術的思想を使用することにより、本実施の形態5における標準セルCLは、第1配線層と、第1配線層よりも下層の構成要素だけで、SCAN機能付きフリップフロップ回路を形成した標準セルCLを形成することができる点に特徴がある。
図15は、本実施の形態5におけるSCAN機能付きフリップフロップ回路を形成した標準セルCLの第1配線層のレイアウト構成を示す図である。図15に示すように、標準セルCLの四隅の角部から突出配線PL1Aおよび突出配線PL1Bが突き出ている。具体的に、標準セルCLの両端の角部において、電源配線L1Aから突出配線PL1Aが標準セルCLの内部(Y方向)に突出している。特に、右側の角部に形成されている突出配線PL1Aからは、X方向に屈曲した屈曲部BD1Aが引き出されている。そして、屈曲部BD1Aからは、Y方向に屈曲した屈曲部BD2Aが引き出されている。一方、標準セルCLの両端の角部において、電源配線L1Bから突出配線PL1Bが標準セルCLの内部(Y方向)に突出している。そして、両端の角部に形成されている突出配線PL1Bからは、X方向に屈曲した屈曲部BD1Bが引き出され、この屈曲部BD1Bからは、Y方向に屈曲した屈曲部BD2Bが引き出されている。
このように本実施の形態5でも、標準セルCLの角部から突出配線(PL1A、PL1B)を引き出し、この引き出した突出配線(PL1A、PL1B)に屈曲部(BD1A、BD2A、BD1B、BD2B)を設けて、標準セルCLに電源電位(VDD)や基準電位(GND)を供給するようにしている。このため、標準セルCLの内部に形成される突出配線の本数を低減することができる。このことは、標準セルCLの内部に設けられるスペースが多くなることを意味している。したがって、本実施の形態5におけるSCAN機能付きフリップフロップ回路を形成した標準セルCLの内部領域に充分なスペースを確保することができ、レイアウト構成の自由度を向上させることができる。したがって、MISFETの微細化に伴って導入された新たなレイアウトルールが適用される場合であっても、レイアウトの構成を工夫する自由度が増加するので、標準セルCLのサイズを縮小できる。
そして、本実施の形態5では、標準セルCLの内部領域に充分なスペースを確保することができることから、第1配線層と、この第1配線層よりも下層の構成要素だけで、SCAN機能付きフリップフロップ回路を形成することができるのである。例えば、図16は、本実施の形態5における標準セルCLの第2配線層を示す図であるが、第1層(第1配線層)の上層にある第2層(第2配線層)には、フリップフロップ回路を形成するための配線が形成されていないことがわかる。すなわち、本実施の形態5におけるSCAN機能付きフリップフロップ回路を形成した標準セルCLは、第1配線層と、この第1配線層よりも下層の構成要素だけで形成されているのである。したがって、本実施の形態5における標準セルCLによれば、第2配線層は、標準セルCL自体を構成する配線ではなく、標準セルCL間を接続する配線として自由に使用することができるのである。例えば、図17は、第2配線層において、標準セルCL間を接続する配線L2のレイアウト構成例を示す図である。図17に示すように、本実施の形態5では、標準セルCL自体で第2配線層を使用していないので、標準セルCL間を接続する配線L2を自由にレイアウト構成することができる。このことは、第2配線層を有効活用することができるとともに、第2配線層の配線密度を向上させることができることを意味し、効率よく配線L2をレイアウト構成することができる結果、半導体装置のサイズを縮小化することができる。
例えば、隣接しない標準セルを接続するときに、第2配線層に標準セルを構成するための配線がレイアウトされていた場合、配線を曲げて配置する、若しくは、第3配線層に迂回して配置することが必要となる。しかしながら、本実施の形態5では、第2配線層に標準セルを構成するための配線が配置されていないため、互いに接続される標準セルの間に挟まれる標準セルの第2配線層を利用して直線状に配線することが可能となり、効率のよいレイアウトを実現することが可能となる。
例えば、図22は、比較例における標準セルCL(P)の第2配線層を示す図である。図22に示すように、比較例における標準セルCL(P)では、標準セルCL(P)を構成するために、第2配線層の配線L2Aを使用している。比較例では、第2配線層の一部を標準セルCL自体の配線として使用しているため、標準セルCL間を接続する配線として第2配線層を使用する場合に制限が多くなる。図23は、比較例において、標準セルCL間を接続する配線L2Bを示す図である。この配線L2Bは、図22に示す配線L2Aを避けるように配置しなければならないため、レイアウト上の制約が多く、効率良くレイアウトすることができないことがわかる。
これに対し、本実施の形態5では、新たなレイアウトルールを採用する場合においても、本発明の技術的思想を使用することにより、標準セルCLの内部に充分なスペースを確保している。このことから、SCAN機能付きフリップフロップ回路などのような複雑な標準セルCLにおいても、第1配線層と、この第1配線層よりも下層の構成要素だけで標準セルCLを構成することができる。したがって、第1配線層よりも上層の第2配線層を標準セルCL自体の配線として使用する必要がなくなり、第2配線層を標準セルCL間の接続に自由に使用することができることになる。この結果、配線レイアウトの自由度が向上し、効率よく配線をレイアウトすることができるようになるため、半導体装置全体の縮小化を図ることができるのである。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
本実施の形体1〜5の標準セルは、チップ上に多数配置される。いずれの標準セルも突出配線の高さは、ほぼ同じ高さで構成されるため、セルの機能やX方向の長さの大小に関係無く、無駄なスペースを配置すること無く、ダミーゲート電極と突出配線とをセル境界として標準セルを配置することが可能となる。それにより、レイアウト効率を高めることが可能となる。
最後に背景技術に記載した特許文献1と本発明の主な相違点について説明する。特許文献1と本発明の第1相違点は、本発明では、ゲート電極(ポリシリコン膜)を等間隔で配列し、かつ、ゲート電極を一切曲げずに直線形状とするルールや、拡散層の形状を8頂点以内の図形形状とする新たなレイアウトルールが取り入れられているのに対し、特許文献1では、このようなレイアウトルールを前提としていない技術である点が相違する。
特許文献1には、隣接する標準セルの境界線上に拡散層と接続する電源配線を引き出すレイアウト構成が記載されている。したがって、特許文献1でも、標準セルの角部から突出配線が引き出されているということができる。しかし、特許文献1では、標準セルの角部から引き出された突出配線に屈曲部が設けられていない点で本発明の技術的思想とは異なるものである。特許文献1では、標準セル内の拡散層が隣接する標準セルで繋がっているため、標準セルの角部から直線状の突出配線を引き出すだけで、標準セルの境界線を跨ぐように形成されている拡散層に給電することができるのである。これに対し、本発明は、標準セルごとに拡散層が分離されており、標準セルの境界線上にまで拡散層が形成されていない。このため、標準セルの境界線上に引き出された突出配線だけでは、拡散層に給電することができず、突出配線から標準セルの内部へ曲がる屈曲部を設けて拡散層に給電する必要があるのである。このように特許文献1と本発明とは大きな第2相違点があることがわかる。
さらに、特許文献1では、標準セルとしてインバータ回路を例に挙げているだけである。つまり、隣接する標準セルがインバータ回路同士である場合だけが示されている。したがって、例えば、隣接する標準セルがインバータ回路とNOR回路の場合を考えると、以下に示す不都合が生じる。インバータ回路同士の場合は、ソース領域となる拡散層を隣接する標準セル間で繋げることができるが、インバータ回路とNOR回路が隣接する場合は、インバータ回路のソース領域とNOR回路のドレイン領域が接続されることになってしまい拡散層を繋げることができない。つまり、特許文献1の技術は、インバータ回路とNOR回路が隣接する場合などに適用できず、汎用性に乏しい技術ということができる。
また、隣接する標準セルが2入力NAND回路である場合を考える。図24は、2入力NAND回路に対して、特許文献1に記載された技術を適用する例を示す図である。図24に示すように、標準セルCL1には、入力配線A1、入力配線B1、出力配線OUT1が形成されており、標準セルCL2には、入力配線A2、入力配線B2、出力配線OUT2が形成されている。この標準セルCL1と標準セルCL2とを特許文献1に記載された技術に基づいて隣接して配置すると、標準セルCL1の入力配線A1と、標準セルCL2の入力配線A2が接触してしまう。したがって、図25に示すように、隣接する標準セルCL1と標準セルCL2が2入力NAND回路である場合、入力配線A1と入力配線A2が接触しないように、標準セルCL1と標準セルCL2の間を離間させる必要がある。すると、半導体装置全体のサイズが大きくなってしまうのである。
これに対し、図18は、2入力NAND回路に対して、本発明の技術的思想を適用する例を示す図である。図18に示すように、本発明では、突出配線PL1Aに屈曲部BD1Aを形成し、突出配線PL1Bに屈曲部BD1Bおよび屈曲部BD2Bを形成しているので、入力配線A1と入力配線A2とが接触することを防止できることがわかる。以上のように、本発明の技術的思想と特許文献1の技術とはまったく異なる技術であることがわかる。