JP2014108408A - Pcb汚染汚泥又は残渣類の脱水処理装置及びそれを用いたpcb処理システム - Google Patents

Pcb汚染汚泥又は残渣類の脱水処理装置及びそれを用いたpcb処理システム Download PDF

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千幸人 塚原
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Abstract

【課題】PCB汚染汚泥又は残渣類の脱水処理装置及びそれを用いたPCB処理システムを提供する。
【解決手段】PCBを含む汚泥又は残渣類51を所定量投入し、加圧状態とする加圧型脱水器(以下「脱水器」という。)52と、前記加圧型脱水器52内に液化吸湿性溶剤である液化ジメチルエーテル(液化DME)53を導入する圧力タンク54aと加圧ポンプ54bとを有する吸湿剤供給手段54と、前記加圧型脱水器52内を攪拌する攪拌手段55と、を具備し、前記攪拌手段55の攪拌によりPCBを含む汚泥又は残渣類51と液化DME53とを攪拌し、液化DME53側に水分及びPCBを取り込み、脱水する。
【選択図】図1

Description

本発明は、PCBを含有する汚染物を処理した際に発生するPCB汚染汚泥又は残渣類から水分を除去するPCB汚染汚泥又は残渣類の脱水処理装置及びそれを用いたPCB処理システムに関するものである。
PCBは、従来からトランスやコンデンサなどの絶縁油として広く使用されてきた経緯があるが、その毒性が強いことにより、PCBを処理する必要がある。このため、PCBを無害化処理する種々の分解処理方法が提案されている(特許文献1乃至3参照)。
特開平11−253795号公報 特開平11−253796号公報 特開2000−126588号公報
しかしながら、PCBを含む汚染物を分解処理した際に例えば化学洗浄残渣物、水熱分解沈降残渣汚泥等が発生するので、これらの無害化処理としては、別途真空加熱炉処理や溶剤洗浄を行い、残留するPCBを分離・除去するが、これらの汚泥や粉体残渣類等は、多量の水分を含有しているために、例えば真空加熱炉においては、真空到達に時間を要したり、例えばロータリーキルン炉を用いて燃焼処理する場合においては、燃焼の火炎温度が効率的に上昇できずに、燃焼分解不完全となる等の問題がある。
また、燃焼処理等が可能であっても、処理フローに要する時間が長時間となり、一バッチあたり、3〜4日間を要するために、処理能力の向上が望まれている。
そこで、PCB汚染汚泥又は残渣類から多量の水分を効率的に除去できる脱水処理装置の出現が切望されている。
本発明は、前記問題に鑑み、PCB汚染汚泥又は残渣類の脱水処理装置及びそれを用いたPCB処理システムを提供することを課題とする。
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、PCBを含む汚泥又は残渣類を所定量投入し、加圧状態とする加圧型脱水器と、前記加圧型脱水器内に液化吸湿性溶剤を導入する圧力タンクと圧力ポンプとを有する吸湿剤供給手段と、前記加圧型脱水器内を攪拌する攪拌手段と、を具備し、前記攪拌手段の攪拌によりPCBを含む汚泥又は残渣類から、液化吸湿性溶剤側に水分及びPCBを取り込み、脱水することを特徴とするPCB汚染汚泥又は残渣類の脱水処理装置にある。
第2の発明は、第1において、前記加圧型脱水器内で、水分及びPCBを取り込んだ液化吸湿剤を抜出し、フラッシュさせて気液分離する気化器を有することを特徴とするPCB汚染汚泥又は残渣類の脱水処理装置にある。
第3の発明は、第1又は2の発明において、前記気化器で気化した気化吸湿性溶剤を圧力ポンプで吸湿剤供給タンク側に送液することを特徴とするPCB汚染汚泥又は残渣類の脱水処理装置にある。
第4の発明は、第1乃至3のいずれか一つにおいて、前記加圧型脱水器から脱水したPCBを含む汚泥又は残渣類を抜出して保管する保管タンクを有することを特徴とするPCB汚染汚泥又は残渣類の脱水処理装置にある。
第5の発明は、第4の発明において、前記保管タンクで保管した脱水したPCBを含む汚泥又は残渣類を燃焼処理するPCB汚染物の処理装置を有することを特徴とするPCB汚染汚泥又は残渣類の脱水処理装置にある。
第6の発明は、第1乃至5のいずれか一つのPCB汚染汚泥又は残渣類の脱水処理装置と、脱水処理により分離された分離水を水熱分解処理する水熱分解処理装置と、を具備することを特徴とするPCB処理システムにある。
本発明によれば、液化吸湿性溶剤を用いて高圧状態でPCB汚染汚泥又は残渣類と攪拌・接触させることで、多量の水分を効率的に除去できる。
図1は、実施例1に係るPCB汚染汚泥又は残渣類の脱水処理装置の概略図である。 図2は、実施例2に係るPCB汚染汚泥又は残渣類の脱水処理装置の概略図である。 図3は、実施例2に係るPCB汚染物の処理装置の概略図である。 図4は、水熱分解処理装置の一例を示す概略図である。
以下に添付図面を参照して、本発明の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではなく、また、実施例が複数ある場合には、各実施例を組み合わせて構成するものも含むものである。
図1は、実施例1に係るPCB汚染汚泥又は残渣類の脱水処理装置の概略図である。
ここで、本実施例では、液化吸湿性溶剤としてジメチルエーテル(DME)を用いている。
図1に示すように、本実施例に係るPCB汚染汚泥又は残渣類の脱水処理装置(以下「脱水処理装置」という。)50Aは、PCBを含む汚泥又は残渣類51を所定量投入し、加圧状態とする加圧型脱水器(以下「脱水器」という。)52と、前記加圧型脱水器52内に液化吸湿性溶剤である液化ジメチルエーテル(液化DME)53を導入する圧力タンク54aと加圧ポンプ54bとを有する吸湿剤供給手段54と、前記加圧型脱水器52内を攪拌する攪拌手段55と、を具備し、前記攪拌手段55の攪拌によりPCBを含む汚泥又は残渣類51と液化DME53とを攪拌し、液化DME53側に水分及びPCBを取り込み、脱水するものである。
図1中、符号L0はPCBを含む汚泥又は残渣類51を供給する供給ライン、L1は液化DME53を供給する供給ライン、L2は液化DMEを排出する排出供給ライン、L3は気化DMEを送給する送給ライン、70はPCBを含む汚泥又は残渣類51を保管する保管タンクを図示する。
ここで、本発明で液化吸湿性溶剤として用いるジメチルエーテル(DME)は、例えば8ata以上の高い圧力で液化し、例えば5ataの圧力で気化するものである。
これは、吸湿剤として高圧の液化状態で水分を吸湿し、その後低圧側にしてフラッシュさせることで気液分離し、例えば蒸留等の操作等を不要として、水分除去操作及び回収操作の簡略化を図るようにしている。
本発明で液化吸湿性溶剤としては、ジメチルエーテル以外には、例えばメチルエーテル、フロンガス、代替フロンガス、イソブタンガス、ノルマルペンタン等を挙げることができる。
高圧条件の脱水器52内に投入されたPCBを含む汚泥や残渣類51は、攪拌手段55のモータMによる攪拌により、液化状態のDME53と混合される。この攪拌・混合の際に、両者が混合されることで、一部塊状の残渣物がばらばらとなってスラリー状となり、液化DMEの吸湿作用により、PCBを含む汚泥や残渣類51中の水分が除去される。
そして、このスラリー状体での攪拌を所定時間行うことで、脱水が完了する。
この結果、液化吸湿性溶剤である液化DME53を用いて高圧状態でPCB汚染汚泥又は残渣類と攪拌・接触させることで、多量の水分を効率的に除去できる。
ここで、PCBを含む汚泥又は残渣類は、水熱分解処理装置での反応塔底部に沈降する残渣や汚泥、化学洗浄処理装置での化学洗浄残渣物等であるが、これらの代表的な性状・物性の一例を以下に示す。
組成:Al(OH)3、Al23、Na2CO3とこれらの結晶水、CaMg(CO3)2、CaCO3、Fe34とこれらの結晶水等である。
水分:60〜90wt%であり、被処理物の殆どが水分である。
粒径:1〜200μm、平均粒径は20μmの微粒子である。但し、汚泥や残渣類においては、硬い塊として存在している。
比重:2〜3である。
水分を取り込んだ液化DME53は、撹拌手段55の攪拌を停止し、静置させることで、水分を取り込んだ液化DME53の層(上層)と、比重が重いスラリー62の層(下層)とに分離される。
脱水器52の後流側の液化DME53を排出する排出供給ラインL2に気化器56が介装されており、水分及びPCBを取り込んだ液化DME53は、静置分離した後、排出弁V1を開いて抜出し、気化器56においてフラッシュさせて、気液分離している。
ここで、気化器56側の圧力を5ataと低圧側に操作することで、高圧(8ata)での脱水器52から抜出されたDMEが気化し、分離水60と気化DMEとに気液分離される。なお、気化器56には圧力調節弁V3を設け、圧力を例えば5ataと調節している。圧力ラインL11にはフィルタ58が介装され、排出されるガス中のPCBを捕集している。
前記気化器56で気化した気化DMEは、送給ラインL3に介装した圧力ポンプ59を介してDMEを液化しつつ、圧力タンク54a側に送液し、再利用するようにしている。
気化器56で分離された分離水60中には微量のPCBが含まれており、抜出しラインL4に介装された弁V5を開いて分離水タンク61に抜出し、ここで分離水60を保管している。
その後、保管された分離水60は、水供給ラインL5に介装された弁V6を開いて、水熱分解処理装置120に供給する水の一部として供給し、この水熱分解処理装置120においてPCBを分解処理している。水熱分解処理装置120については、後述する。
脱水完了後、静置して二層とし、下層側のスラリー62を脱水器52の底部から抜出しラインL6に介装された弁V7を開いてスラリータンク63に抜出し、ここで保管される。
ここで、スラリー62の濃度は5〜30重量%となるように調整するのが好ましい。これは、あまり濃度が高くなると、スラリー62の粘度が高くなり、良好な攪拌を行うことができなくなるからである。通常、汚泥や残渣は水分が50−90%含むので、予め汚泥等の水分量を計測して、所定濃度となるように、液化DME53の供給量を調整するようにしている。
また、必要に応じて、攪拌途中においても、液化DMEを投入して濃度を調整するようにしてもよい。
図4は、水熱分解処理装置の一例を示す概略図である。
図4に示すように、本実施例に係る水熱分解処理装置120は、PCBを含むスラリー62又は洗浄廃液54等の被処理物120a、油120b、水酸化ナトリウム(NaOH)120c、純水120d及び酸素(O2)120eを投入する筒形状の一次反応塔101と、配管を巻いた構成の二次反応塔107と、冷却器108及び反応器の減圧弁109を備えている。また、減圧弁109の下流には、排水(H2O,NaCl)114と排気ガス(CO2 )112とに分離する気液分離装置110が配置されている。ここで、上記二次反応塔107は必要に応じて省略することもできる。なお、図中、符号121a〜121c、118は供給ライン、117は高圧酸素供給設備、122は混合器、113は煙突、115は放出タンクを各々図示する。
上記装置において、加圧ポンプ105a〜105dによる加圧により一次反応塔101内は、例えば26MPaまで昇圧される。また、熱交換器106は、H2Oを300℃程度に予熱する。また、一次反応塔101内には酸素が噴出しており、内部の反応熱により350℃〜400℃まで(好適には370℃まで)昇温する。この段階までに、一次反応塔101の内部では酸化分解反応を起こし、被処理物120aに含まれたPCBはCO2及びH2Oに分解されている。つぎに、冷却器108では、二次反応塔107からの流体を100℃程度までに冷却すると共に後段の減圧弁109にて大気圧まで減圧する。そして、気液分離器110によりCO2及び水蒸気と処理液とが分離され、CO2及び水蒸気は、活性炭層111を通過して環境中に排出される。
脱水処理装置50で分離した分離水60は、水熱分解処理装置120で供給する純水120dを供給する供給ライン121dに合流させ、水熱分解処理をすることで、分離水60に微量に含有されるPCBを完全分解処理している。
保管タンク70で保管されたPCBを含む汚泥又は残渣類51を供給ラインL0を介して脱水器52内に所定量投入し、圧力を8ataにした後、液化DME53を圧力タンク54aから加圧ポンプ54bにより導入し、攪拌手段55により攪拌し、PCBを含む汚泥や残渣類51と液化DME53と混合され、スラリー状となり、液化DME53の吸湿作用により、PCBを含む汚泥や残渣類51中の水分が液化DME53側に吸収される。
その後、攪拌を停止し、水分を取り込んだ液化DME53の層(上層)と、比重が重いスラリー62の層(下層)とに分離する。
分離された水分を含む液化DMEを抜出し、圧力が5ataの気化器56において、フラッシュさせて、分離水60と気化DMEとに気液分離する。
分離された分離水60は分離水タンク61で回収された後、水熱分解処理装置120で分離水中に残留する微量PCBを完全分解している。
また、PCBを含むスラリー62は、スラリータンク63の底部から抜出しラインL7に介装された弁V8を開いてスラリー保管タンク71に投入され、保管処理される。本実施例による脱水処理装置によれば、液化DMEで水分が除去されたことにより残渣類が減容化されたことで、保管スペースの拡大を防止することができる。
図2は、実施例2に係るPCB汚染汚泥又は残渣類の脱水処理装置の概略図である。図3は、PCB汚染物の処理装置の概略図である。
図2に示すように、スラリータンク63のPCBを含むスラリー62を燃焼処理するPCB汚染物の処理装置10を設けている。
このPCB汚染物の処理装置10としては、燃焼処理する焼却炉を用いることができる。その一例を図3を参照して説明する。
図3に示すように、本実施例に係るPCB汚染物の処理装置10は、PCBを含有するスラリー62を真空加熱処理する真空加熱乾燥装置12と、前記真空加熱乾燥装置12で加熱処理した真空加熱処理物であるスラリー62Aを燃焼焼却する燃焼炉14と、前記燃焼炉14の後流側に設けられ、前記燃焼炉14からの排ガス15中の水分を凝縮水16として除去する冷却器17と、除湿した排ガス15中の煤塵18を除去する集塵器19と、を具備するものである。
本実施例では、燃焼炉14と冷却器17の間に廃熱ボイラ20を介装し、空気20aを加熱しており、加熱された空気20bは燃焼炉14内に導入されている(なお、導入は省略している)。
ここで、本実施例では、燃焼炉14として、ロータリーキルン14aと再燃焼室14bとを備えたロータリーキルン炉としている。
ロータリーキルンには、プッシャー22によりスラリー62Aを徐々に供給している。
なお、図3中、符号21はスラリー62Aを供給するホッパー、23は再燃焼室14bの下部に設けた、スラグ24を排出するスラグコンベヤ、25はスラグ24を保管するスラグバンカ、26は凝縮水16を貯留する凝縮水タンク、27は灰排出容器、28は排ガス15を外部へ排出する煙突を各々図示する。
本実施例では、さらに再燃焼室14bからの排ガス15を再度燃焼炉14のロータリーキルン14a側に戻すための排ガス戻しラインL2が排ガス排出ラインL1から流路切替手段30により分岐されている。
また、排ガス排出ラインL1には、前記排ガス中の残留芳香族化合物濃度を検知する芳香族化合物検知手段31が介装され、排ガス15中の残留芳香族化合物の濃度を計測している。
そして、前記芳香族化合物検知手段31の計測の結果、排ガス15中の芳香族化合物の濃度が所定値以上の場合、燃焼炉14のロータリーキルン14a側に排ガス15を導入するために、流路切替手段30を図示しない制御装置で制御するようにしている。
また、本実施例では、さらに前記冷却器17で凝縮した凝縮水16中のPCB濃度を検知する第1のPCB検知手段32である液中のPCB濃度検知手段と、前記集塵器19の後流側の排ガス15中のPCB濃度を検知する第2のPCB検知手段33である気中のPCB濃度検知手段と、前記集塵器19からの集塵した煤塵18中のPCB濃度を検知する第3のPCB検知手段34である固体中のPCB濃度検知手段とを設け、排出基準内であることを確認している。
このようなPCB汚染物の処理装置10を用いて、PCBを含むスラリー62を処理する一例を説明する。
1) 保管されたPCBを含むスラリー62を真空加熱乾燥装置12内に所定量投入し、温度230℃で、真空条件(230〜250℃、6〜7Pa程度)で、所定時間真空加熱処理する。
2) 次に、真空乾燥処置したスラリー62Aをホッパー21に投入し、プッシャー22によりロータリーキルン14a内へ徐々に搬送する。
3) ロータリーキルン14a内では、スラリー62Aを回転搬送しながら燃焼する。ここで、ほとんどのスラリー62Aが燃焼し、一部は気化して二次燃焼炉である再燃焼室14bへ流れる。この燃焼により発生した灰やスラグ24は、スラグコンベヤ23側に落下し、その後スラグバンカ25に捕集搬出される。
4) 再燃焼室14b内では重油等の燃料及び空気が供給され、二次燃焼がなされ、排ガス中に残留するPCB他有害有機物を完全燃焼する。
ここで、ロータリーキルン14aと再燃焼室14bの燃焼温度は、ダイオキシンが発生等しても燃焼無害化できる温度である例えば850℃以上、1,100℃が適当である。しかしながら、スラリー62A中に無機物を多く含む場合には、無機物が断熱作用を呈することから、燃焼温度を1,300℃程度まで上昇させて処理するようにしてもよい。
5) 再燃焼室14bの炉出口では、排ガス排出ラインL1に介装された芳香族化合物検知手段31により、排ガス15中の未処理有機物を監視するようにしている。
この芳香族化合物検知手段31としては、例えばUV吸収法による計測(波長274nm)により、芳香族のベンゼン環二重結合を測定するようにしている。
これにより、PCB由来の芳香族分解物があるか否かを監視するようにしている。
6) 芳香族化合物検知手段31の計測により、排ガス15中に残存ベンゼン環物質を検知した際には、流路切替手段30を図示しない制御装置により切替、ロータリーキルン14aへ戻して、再燃焼処理し、排ガス中の芳香族化合物濃度を所定値以下としている。
7) 処理後の排ガス15は、廃熱ボイラ20により、燃焼空気の予熱原として利用される。
8) 排ガス15は、さらに冷却器17に導入され、排ガス中に含有する水分を凝縮水16として冷却凝縮して、凝縮水タンク26に回収している。
9) 凝縮水タンク26内の凝縮水16を液中のPCB濃度検知手段32により、水中のPCB濃度が3ppb以下であることを確認し、合格であれば排水する。なお、不合格の際は、水熱分解処理装置に別途導入して分解処理する。
液中のPCB濃度検知手段32としては、液中のPCBを固相抽出し、抽出物を例えばECD/GC等の分析装置で分析している。
10) 除湿後の排ガス15は、集塵器(例えば電気集塵やバグフィルタ等)19で除塵して煤塵18を除去する。煤塵除去後の排ガスは、気中のPCB濃度検知手段33により分析し、気中PCBが0.1mg/m3以下であることを確認して排出する。
気中のPCB濃度検知手段33としては、TOFMS法や公定法により計測している。
また、集塵器19から排出された灰や固形物等の煤塵18は、固体中のPCB濃度検知手段34でPCB濃度を確認して、溶出試験で3ppb以下であることを確認後に排出する。なお、不合格の場合は、別途溶剤洗浄装置で洗浄後に溶出試験で判定後排出する。
本PCB汚染物の処理装置10によれば、脱水処理装置50Bで脱水処理されたスラリー62を真空加熱乾燥装置15で、約5,000ppm以下のPCB濃度に処理し、その後さらにロータリーキルン14aと再燃焼室14bとを備えた燃焼炉14で、完全燃焼処理することで、PCBを含むスラリー62の無害化処理を効率良く実施することができる。
この結果、従来のような真空加熱乾燥装置の処理温度を高温(例えば500度)で実施し、長時間に亙って加熱処理をすることがなくなり、処理の迅速化を図ることができる。また、水分を多量(60〜90%)に含むPCB汚泥又は残渣類51を直接真空加熱乾燥装置で処理するものではないので、真空加熱乾燥時間の大幅な短縮を図ることができる。
また、5,000ppm(mg/kg)の微量PCB汚染物であるので、処理速度が速くなり、一日で多量のPCB汚染物の処理を行うことができる。
また、燃焼炉14として、ロータリーキルン14aと再燃焼室14bとを備えたロータリーキルン炉を用い、再燃焼室14bとして二段火炎とすることで、PCB汚染物の確実な燃焼処理が可能となる。また、各所のPCBを計測することで、施設からの有害物の排出がない処理を実施することができる。
また、長期の稼働においても、燃料変更や季節の寒暖、寒冷地、燃焼状態の変動にも十分な処理設備の運転対応が可能となる。
10 PCB汚染物の処理装置
50A、50B PCB汚染汚泥又は残渣類の脱水処理装置
51 PCBを含む汚泥又は残渣類
52 加圧型脱水器(脱水器)
53 液化ジメチルエーテル(液化DME)
54 吸湿剤供給手段
54a 圧力タンク
54b 加圧ポンプ
55 攪拌手段
56 気化器
60 分離水
62 スラリー
120 水熱分解処理装置

Claims (6)

  1. PCBを含む汚泥又は残渣類を所定量投入し、加圧状態とする加圧型脱水器と、
    前記加圧型脱水器内に液化吸湿性溶剤を導入する圧力タンクと圧力ポンプとを有する吸湿剤供給手段と、
    前記加圧型脱水器内を攪拌する攪拌手段と、を具備し、
    前記攪拌手段の攪拌によりPCBを含む汚泥又は残渣類から、液化吸湿性溶剤側に水分及びPCBを取り込み、脱水することを特徴とするPCB汚染汚泥又は残渣類の脱水処理装置。
  2. 請求項1において、
    前記加圧型脱水器内で、水分及びPCBを取り込んだ液化吸湿剤を抜出し、フラッシュさせて気液分離する気化器を有することを特徴とするPCB汚染汚泥又は残渣類の脱水処理装置。
  3. 請求項1又は2において、
    前記気化器で気化した気化吸湿性溶剤を圧力ポンプで吸湿剤供給タンク側に送液することを特徴とするPCB汚染汚泥又は残渣類の脱水処理装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一つにおいて、
    前記加圧型脱水器から脱水したPCBを含む汚泥又は残渣類を抜出して保管する保管タンクを有することを特徴とするPCB汚染汚泥又は残渣類の脱水処理装置。
  5. 請求項4において、
    前記保管タンクで保管した脱水したPCBを含む汚泥又は残渣類を燃焼処理するPCB汚染物の処理装置を有することを特徴とするPCB汚染汚泥又は残渣類の脱水処理装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一つのPCB汚染汚泥又は残渣類の脱水処理装置と、
    脱水処理により分離された分離水を水熱分解処理する水熱分解処理装置と、を具備することを特徴とするPCB処理システム。
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