JP2014105588A - 密閉型圧縮機及びこれを用いた冷蔵・冷凍・空調装置 - Google Patents

密閉型圧縮機及びこれを用いた冷蔵・冷凍・空調装置 Download PDF

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Shinya Sekiyama
伸哉 関山
Shuhei Nagata
修平 永田
Shoichi Kano
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Abstract

【課題】クランクシャフトの摺動損失を低減させ、密閉型圧縮機のさらなる高効率化を実現する。
【解決手段】電動要素20と圧縮要素10とを繋ぐクランクシャフト40であって、電動要素20の回転子22に固定された主軸部40aと、主軸部40aに対して偏心して設けられた偏心軸部40cとを有するクランクシャフト40の外周面に、クランクシャフト40の回転方向に関して非対称な断面形状を有する切欠き61,62,63が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、密閉型圧縮機に関するものであり、特に、冷蔵庫、冷凍庫、冷凍冷蔵庫、冷蔵ショーケース、冷凍ショーケース等の冷蔵・冷凍装置やエアコンなどの空調装置に用いるのに好適な密閉型圧縮機に関するものである。
近年、上記のような冷蔵装置や冷凍装置や空調装置に用いられる密閉型圧縮機には、消費電力を低減させるために高効率化が望まれており、併せて低騒音化や信頼性の向上も望まれている。
特許文献1には、従来の密閉型圧縮機の一例として、主軸を支持する軸受にボールベアリングが採用された密閉型圧縮機が記載されている。
特許文献1に記載されている密閉型圧縮機について、図9および図10を参照しながら説明する。図9は、特許文献1に記載されている密閉型圧縮機の縦断面図であり、図10は、図9に示されるボールベアリング近傍の拡大図である。
図9に示されるように、密閉容器201内には、固定子202および回転子203を備えた電動要素204と、電動要素204によって駆動される圧縮要素205とが収容されている。また、密閉容器201の底部には潤滑油206が貯溜されている。シャフト210は、回転子203に固定された主軸部211と、この主軸部211に対し偏心して設けられた偏心軸部212とを有し、主軸部211は主軸受220によって回転自在に支持されている。
主軸部211を支持する主軸受220は、圧縮要素205を構成するシリンダブロック214に固定されている。シリンダブロック214内には、略円筒形のシリンダ室216が設けられており、シリンダ室216内にはピストン226が往復動自在に収容されている。
偏心軸部212とピストン226とは、連結手段227を介して連結されている。電動要素204によってシャフト210が回転駆動されると、偏心軸部212の回転運動が連結手段227により直線運動に変換され、ピストン226がシリンダ室216内で往復動される。このピストン226の往復動により、冷媒ガスがシリンダ室216に吸入され、圧縮されて吐出される。
図10に示されるように、主軸受220の上下両端付近には、それぞれボールベアリング240、241が装着されており、これらボールベアリング240、241によって主軸部211(シャフト210)が回転可能に支持されている。
特許文献1によれば、主軸受にボールベアリング240,241を用いることにより摺動ロスが低減され、圧縮機の高効率化が実現されるとのことである。また、特許文献1には、偏心軸部側のボールベアリング241の径を他のボールベアリング240の径よりも大とすることで、ボールベアリング240,241の圧入組立てが容易になるとも記載されている。
また、ボールベアリングに代わる、摺動損失の少ない回転軸の支持方法として、特許文献2に記載の軸受装置が知られている。特許文献2に記載されている軸受装置について図11を参照しながら説明する。図11は、特許文献2に記載されている軸受装置の断面図である。
特許文献2に記載されている軸受装置では、筒状の軸受け部材302の内側に回転軸301が回転自在に貫通支持されている。軸受け部材302と回転軸301の互いに対向する円筒軸受け面303、304の間には潤滑流体からなる流体膜305が形成されている。一方の円筒軸受け面303を構成する回転軸301の外周面には、多数のスパイラルグルーブ306が形成されている。これらのスパイラルグルーブ306は円筒軸受け面303の中央を境にして、その両側に対称に形成されている。より具体的には、スパイラルグルーブ306は、円筒軸受け面303の軸線方向中央を通る直線A−Aを対称軸として線対称に形成されている。また、円筒軸受け面303の軸線方向両外側には断面形状が矩形の円周溝307が形成されている。そして円筒軸受け面303の軸線方向中央および円周溝307のそれぞれにおいて、回転軸301の軸心から外周面に向かって放射状に延びる径方向通路308が開口している。また、図示は省略するが、それぞれの径方向通路308は、回転軸301の軸心を貫く共通の軸方向通路に連通している。これらの径方向通路308および軸方向通路によってスパイラルグルーブ306の中央から円周溝307に達する高圧供給通路が構成され、かつ、円周溝307において開口する径方向通路308は流体抵抗としてのオリフィスを構成している。
特許文献2には、回転軸301を回転させると、スパイラルグルーブ306によるポンピング圧力が生じて円筒軸受け面303の軸方向中央付近の流体圧力が高くなり、このポンピング圧力によって回転軸301が全周にわたって均等に加圧され、回転トルクを小さくすることができる、と記載されている。
特開昭63−5186号公報 特開昭63−275812号公報
特許文献1に記載されている密閉型圧縮機のように、軸受にボールベアリングを用いるとコストが高くなる。また、衝撃荷重を受けたときにボールベアリングが破損する虞もある。
また、特許文献2に記載されている軸受装置では、比較的低速でかつ粘度の低い潤滑油が用いられる場合、スパイラルグルーブによるポンピング圧力が十分に得られず、軸受の摺動損失が大きくなる虞がある。
本発明の目的は、クランクシャフトの摺動損失を低減させ、密閉型圧縮機のさらなる高効率化を実現することである。
本発明の密閉型圧縮機では、電動要素と圧縮要素とを繋ぐクランクシャフトの外周面に、該クランクシャフトの回転方向に関して非対称な断面形状を有する切欠きが形成されている。
本発明の一態様では、複数の前記切欠きが前記クランクシャフトの周方向に沿って配置されている。
本発明の他の態様では、前記クランクシャフトの外周面と対向する受圧面を備えた軸受を有し、前記切欠きの底面と前記受圧面との間の隙間が前記クランクシャフトの回転方向と逆方向へ向けて狭くなる。
本発明の他の態様では、前記クランクシャフトは、前記軸受によって支持される主軸部と、前記主軸部に対して偏心して設けられた偏心軸部とを有し、少なくとも前記主軸部の外周面に前記切欠きが形成されている。
本発明の他の態様では、前記主軸部は、2つの大径部とこれら大径部の間に設けられた小径部とを有し、前記軸受の前記受圧面は、前記大径部および前記小径部の外周面と対向し、前記切欠きは、前記大径部の外周面に形成されるとともに、該切欠きの一端は前記小径部の外周面と前記受圧面との間の隙間に開口している。
本発明の他の態様では、前記2つの大径部の少なくとも一方の外周面には、一端が前記小径部の外周面と前記受圧面との間の隙間に開口している第1の切欠きと、一端が前記小径部の外周面と前記受圧面との間の隙間に開口していない第2の切欠きと、が形成されている。
本発明の他の態様では、前記第1の切り欠きと前記第2の切欠きが前記主軸部の周方向に沿って交互に配置されている。
本発明の他の態様では、前記切欠きが前記2つの大径部の外周面にそれぞれ部分的に形成されており、一方の前記大径部における前記切欠きの位置と、他方の前記大径部における前記切欠きの位置とが、前記主軸部の回転方向に関して異なる。
本発明の冷蔵・冷凍・空調装置は、前記いずれかの態様の密閉型圧縮機を有する。
本発明によれば、クランクシャフトの摺動損失が低減され、密閉型圧縮機のさらなる高効率化が実現される。
本発明の第1の実施形態であるレシプロ式密閉型圧縮機の縦断面図である。 円筒部と主軸部との摺動部分を示す部分拡大断面図である。 切欠きの形状および作用を示す模式的断面図である。 切欠きの形成方法の一例を示す模式図である。 クランクシャフトの軸心と直交する断面内における動圧分布を示す図である。 クランクシャフトの軸心と平行な断面内における動圧分布を示す図である。 本発明の第2の実施形態であるレシプロ式密閉型圧縮機に用いられるクランクシャフトの斜視図である。 本発明の第3の実施形態であるレシプロ式密閉型圧縮機に用いられるクランクシャフトの斜視図である。 特許文献1に記載されている密閉型圧縮機の縦断面図である。 図9に示される密閉型圧縮機のボールベアリング近傍の部分拡大図である。 特許文献2に記載されている軸受装置の縦断面図である。
次に、本発明の実施形態のいくつかについて図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明において参照する図面中の同一符号は同一物または相当物を示す。
(第1の実施形態)
ここでは本発明が適用されたレシプロ式の密閉型圧縮機について説明する。図1に示されるように、本実施形態に係る密閉形圧縮機は密閉容器1を有する。この密閉容器1には、圧縮要素10、電動要素20、フレーム30、クランクシャフト40が収容されている。また、密閉容器1の側面には、吸込管(不図示)および吐出管2がそれぞれ接続されている。吸込管の一端は密閉容器1内に開口し、他端は冷凍サイクルの蒸発器に連通しており、吐出管2の一端は圧縮要素10に接続され、他端は冷凍サイクルの凝縮器に連通している。これらによって、密閉容器1内は圧縮機の運転中に吸込み圧力となる。すなわち、本実施形態に係る圧縮機は低圧チャンバ方式の圧縮機である。なお、密閉容器1の底部には潤滑油3が貯留されている。
圧縮要素10は、水平方向に延びるシリンダ室11aを備えるシリンダ11と、このシリンダ11の一側に配置されたバルブシート12およびシリンダヘッド13と、シリンダ室11a内で往復動するピストン14と、クランクシャフト40の回転運動をピストン14の往復運動に変換する連結機構15と、を備えている。なお、シリンダ11とフレーム30は一体成形された鋳物である。
電動要素20は、電機子鉄心及び巻き線からなる固定子21と、この固定子21の内側に回転可能に配置された回転子22とを備えている。圧縮要素10と電動要素20とは概略上下に配置されている。そして、電動要素20は、クランクシャフト40を介して圧縮要素10を駆動する。固定子21は、コイルバネ23を介して密閉容器1の底部に支持されている。
圧縮要素10を構成するシリンダ室11aは水平方向の両側が開口されており、その一側はピストン14によって閉塞され、他側はバルブシート12およびシリンダヘッド13によって閉塞されている。バルブシート12およびシリンダヘッド13は、シリンダ11の端面にボルト等により固定されている。バルブシート12には、吸入穴、吸入バルブ、吐出穴、吐出バルブ(何れも図示せず)が設けられている。また、シリンダヘッド13の内部は、吸入室と吐出室とに区画されている。
クランクシャフト40は、電動要素20の回転子22に固定されて鉛直方向に延びる主軸部40aと、主軸部40aの上端に設けられた鍔部40bと、鍔部40bから鉛直方向に延び、かつ、主軸部40aの軸心に対して偏心して設けられた偏心軸部40cとを有する。なお、主軸部40aの下端部にはオイルポンプ41が装着されている。
クランクシャフト40の内部には、給油経路の一部を構成する不図示の給油穴が形成されている。給油穴は、主軸部40a、鍔部40bおよび偏心軸部40cを貫通している。また、給油穴からはクランクシャフト40の径方向に延びる複数の分岐穴が延びており、それぞれの分岐穴はクランクシャフト外周面上の所定位置において開口している。オイルポンプ41によって汲み上げられた潤滑油は給油穴を通ってクランクシャフト40内を上昇するとともに、その一部は分岐穴を介してクランクシャフト外周面上に供給される。
本実施形態における連結機構15は、コネクティングロッドで構成されている。そこで、以下の説明では、連結機構15を“コネクティングロッド15”と呼ぶ。コネクティングロッド15は、大端部であるリング部15aと、小端部である球体部15bと、リング部15aと球体部15bとを繋ぐ連接棒15cとから構成されている。これらリング部15a、連接棒15cおよび球体部15bは一体成形されており、リング部15aはクランクシャフト40の偏心軸部40cに回転可能に嵌合され、球体部15bはピストン14の球座14aに揺動可能に結合されている。また、連接棒15cは、鉛直方向に延びるクランクシャフト40の偏心軸部40cに対して直交する方向に延びている。すなわち、連接棒15cは水平方向に延びている。
コネクティングロッド15の内部には、給油経路の一部を構成する給油穴が形成されている。給油穴は、リング部15a、連接棒15cおよび球体部15bを貫通しており、クランクシャフト40の偏心軸部40cの外周面において開口している分岐穴を介してクランクシャフト40内の給油穴に連通する。
フレーム30は、電動要素20の固定子21の上に載置され、固定されている。このフレーム30は、クランクシャフト40を回転自在に支持する軸受(主軸受)を構成している。具体的には、図2に示されるように、フレーム30は円筒部31を備えており、この円筒部31の内側にクランクシャフト40の主軸部40aが挿入されて回転自在に支持されている。すなわち、フレーム30の円筒部31の内周面31aによって、主軸部40aをラジアル方向で軸支する滑り軸受が構成されている。換言すれば、円筒部31の内周面31aによってクランクシャフト40に加わるラジアル荷重が支持される。
再び図1を参照する。クランクシャフト40の主軸部40aの軸心方向上下には、直径18mmの大径部42,43が設けられ、2つの大径部42,43の間には直径17.6mmの小径部44が設けられている。このため、主軸部40aの外周面のうち、主に大径部42,43の外周面が円筒部31の内周面31aによって支持される摺動面として機能し、小径部44の外周面は専ら逃げ面として機能する。そこで以下の説明では、フレーム30の円筒部31の内周面31aを“受圧面31a”と呼び、主軸部40aの大径部42,43の外周面を“摺動面”と呼び、小径部44の外周面を“逃げ面44a”と呼んで区別する場合がある。さらに、主軸部40aの軸心方向下方に位置する大径部42の外周面を“下方摺動面42a”と呼び、軸心方向上方に位置する大径部43の外周面を“上方摺動面43a”と呼んで区別する場合がある。もっとも、かかる区別は説明の便宜上の区別に過ぎない。なお、上記ラジアル荷重は、冷媒ガスの吸入、圧縮時の反力、クランクシャフト40、回転子22の自重および電動要素20の磁気推力などに起因する。
図1に示されるように、主軸部40aの外周面にはスパイラル溝および微細な切欠きが形成されている。具体的には、下方摺動面42aから逃げ面44aに亘って第1のスパイラル溝51が形成され、逃げ面44aから上方摺動面43aに亘って第2のスパイラル溝52が形成されている。一方、下方摺動面42aおよび上方摺動面43aには、主軸部40aの軸心に沿って延びる複数の切欠き61,62が周方向に沿って一定間隔で形成されている。
ここで、クランクシャフト40を貫通している給油穴が複数の分岐穴を介してクランクシャフト外周面に連通していることは既述の通りである。第1のスパイラル溝51の一端は、下方摺動面42aにおいて開口している第1の分岐穴に連通し、他端は逃げ面44aにおいて開口している第2の分岐穴に連通している。また、第2のスパイラル溝52の一端は、逃げ面44aにおいて開口している第3の分岐穴に連通し、他端は上方摺動面43aにおいて開口している第4の分岐穴に連通している。
第1の分岐穴を介して第1のスパイラル溝51に供給された潤滑油は、第1のスパイラル溝51に沿ってクランクシャフト外周面上を上昇し、第2の分岐穴から給油穴に戻る。また、第3の分岐穴を介して第2のスパイラル溝52に供給された潤滑油は、第2のスパイラル溝52に沿ってクランクシャフト外周面上を上昇し、第4の分岐穴から給油穴に戻る。この過程で、潤滑油の一部は下方摺動面42a、逃げ面44aおよび上方摺動面43aと受圧面31aとの間の隙間(軸受け隙間)に供給される。
次に、下方摺動面42aに形成されている切欠き61および上方摺動面43aに形成されている切欠き62について説明する。もっとも、切欠き61,62の形状や寸法は互いに同一または実質的に同一である。そこで、下方摺動面42aに形成されている切欠き61を例にとって切欠き61,62の詳細について説明する。
図1に示されるように、切欠き61は、主軸部40aの軸心に沿って細長に形成されている。すなわち、切欠き61は、主軸部40aの軸心方向を長手方向(長さ方向)とし、主軸部40aの回転方向を短手方向(幅方向)とする。図3に示されるように、切欠き61は、平坦な底面61aと該底面61aの一辺から略直角に立ち上がる側面61bとによって全体として概ねL字形の断面形状を呈している。換言すれば、切欠き61の底面61aは、主軸部40aの軸心に沿って互いに平行に延びる一対の長辺を含んでおり、一方の長辺からは側面61bが略垂直に立ち上がっており、他方の長辺は下方摺動面42aに連なっている。よって、切欠き61はクランクシャフト40(主軸部40a)の回転方向に関して非対称な断面形状を有している。すなわち、切欠き61は、その底面61aを通り、かつ、主軸部40aの軸心を含む平面(図6に示されるB断面)に関して非対称である。
図3に示される切欠き61の深さ(d)は0.01mmである。すなわち、側面61bの高さは0.01mmである。また、切欠き61の幅(w)は約0.42mmである。図1に示される大径部42,43の直径がそれぞれ18mmである本実施形態では、上記寸法の切欠き61,62が下方摺動面42aおよび上方摺動面43aに等間隔でそれぞれ20本形成されている。
切欠き61,62は任意の方法で形成可能であるが、本実施形態では図4(a)〜(c)に示す方法で形成した。すなわち、直径6mmのエンドミル100をその軸心がクランクシャフト40の軸心と直交する向きで配置し、次いで、エンドミル100を回転させつつ、クランクシャフト40の軸心方向に移動させることによって切欠き61,62を形成した。よって、図4(c)に示されるように、それぞれの切欠き61,62の端部には、曲率半径3mm程度の隅Rが付いている。
再び図3(b)を参照する。切欠き61が上記のような断面形状をする結果、切欠き61の底面61aとこれに対向する受圧面31aとの間の隙間は主軸部40aの回転方向に関して一様ではない。具体的には、切欠き61は略L字形の断面形状を有するのに対し、受圧面31aは円弧面である。よって、切欠き61の底面61aと受圧面31aとの間の隙間は、主軸部40aの回転方向と逆方向(図3の紙面左側から右側)へ向けて次第に狭くなっている。すなわち、切欠き61の側面61bから主軸部40aの回転方向と逆方向へ離れるに従って次第に狭くなっている。この点に関しても、切欠き61,62は共通している。すなわち、図示は省略するが、図1に示される切欠き62の底面と受圧面31aとの間の隙間も、主軸部40aの回転方向と逆方向へ向けて次第に狭くなっている。
図1,図2に示されるように、下方摺動面42aに形成されているそれぞれの切欠き61の一端は、下方摺動面42aと逃げ面44aとの境界に達している。また、図1に示されるように、上方摺動面43aに形成されているそれぞれの切欠き62の一端は、上方摺動面43aと逃げ面44aとの境界に達している。すなわち、切欠き61,62の一端は逃げ面44aと受圧面31aとの間の隙間に開口している。よって、スパイラル溝51,52を介して逃げ面44aと受圧面31aとの間の隙間に供給された潤滑油は、この隙間のみでなく、切欠き61,62にも充填される。一方、切欠き61,62の他端は、摺動面42a,43aと受圧面31aとの間で閉塞されている。例えば、図2に示されるように、切欠き61の他端は円筒部31の外にはみ出すことなく、円筒部31の内側に収まっている。すなわち、切欠き61の他端は、下方摺動面42aと受圧面31aとの間で閉塞されている。
これまでは、クランクシャフト40の主軸部40aに形成されている切欠き61,62について説明してきた。しかし、図1に示されるように、クランクシャフト40の偏心軸部40cの外周面にも同様の切欠き63が形成されている。もっとも、偏心軸部40cの外周面に形成されている切欠き63の構成は、これまでに説明した切欠き61,62と実質的に同一である。また、切欠き63も図4に示される方法で形成することができる。そこで繰り返しの説明は省略し、切欠き61,62との相違点についてのみ以下に説明する。
偏心軸部40cの外周面に形成されている切欠き63の深さは、主軸部40aの外周面に形成されている切欠き61,62と同じく0.01mmである。一方、偏心軸部40cの直径は、主軸部40aよりも細い14mmである。そこで、偏心軸部40cの外周面に形成されている切欠き63の幅は、主軸部40aの外周面に形成されている切欠き61,62よりも狭い0.37mmとしてある。また、偏心軸部40cの外周面には、上記寸法の切欠き63が周方向に沿って等間隔で12本形成されている。
ここで、コネクティングロッド15のリング部15aとクランクシャフト40の偏心軸部40cとの間の隙間(軸受け隙間)には、クランクシャフト40内に形成されている給油穴を通して潤滑油が供給される構造となっている。すなわち、リング部15aの内周面は、円筒部31の内周面31aと同様の受圧面として機能する。そこで、以下の説明中において符号を付すことなく単に“受圧面”という場合は、円筒部31の内周面31aおよびリング部15aの内周面の双方を含むものとする。リング部15aと偏心軸部40cとの間の隙間に供給された潤滑油は、この隙間のみでなく、切欠き63にも充填される。なお、切欠き63の一端(下端)はリング部15aの内側に位置しているが、他端(上端)はリング部15aの外にはみ出している。よって、切欠き63に充填された潤滑油の一部は、切欠き63の上端から漏れ出し、クランクシャフト40の回転に伴う遠心力で飛散し、ピストン14とシリンダ11との間の潤滑を行う。
以上のように構成された密閉形圧縮機の基本的動作について以下に説明する。
図1に示される電動要素20の回転子22が回転されると、これに伴ってクランクシャフト40が回転される。すると、偏心軸部40cの偏心回転運動がコネクティングロッド15によって直線運動に変換され、ピストン14がシリンダ室11a内で往復動する。これにより、冷媒ガスがシリンダヘッド13およびバルブシート12を通してシリンダ室11a内に吸入され、シリンダ室11a内で圧縮される。圧縮された冷媒は、吐出管2を通して密閉容器1の外部にある凝縮器に吐出される。
一方、クランクシャフト40の回転に伴って、密閉容器1の底部に貯留されている潤滑油3がオイルポンプ41によって汲み上げられ、クランクシャフト40内の給油穴に導入される。給油穴に導入された潤滑油は、所定の給油径路を介して各摺動部に供給される。これらの摺動部には、クランクシャフト40の主軸部40aや偏心軸部40cの外周面(摺動面)と受圧面との間は勿論のこと、球体部15bと球座14aとの間なども含まれる。
次に、クランクシャフト40の回転に伴う軸受の動作について説明する。図5,図6は、本実施形態における軸受、すなわち、図2に示される円筒部31のラジアル荷重負荷能力を示した図である。具体的には、図5は、軸受け隙間を0.01mmに設定し、クランクシャフト40を毎分1000回転で回転させたときの、軸心に直交する断面(A断面)内における動圧分布を示している。また、図6はクランクシャフト40を同一条件下で回転させたときの、軸心と平行な断面(B断面)内における動圧分布を示している。それぞれの図面には、比較例として、外周面に切欠きが形成されていないこと以外は本実施形態におけるクランクシャフト40と同一構造を有するクランクシャフトを同一条件下で回転させたとき同断面内における動圧分布を併せて示してある。
上記のような給油経路を経て図1に示される切欠き61,62,63に充填された潤滑油は、クランクシャフト40の回転に伴って切欠き61,62,63と連れ回る。このとき、切欠き61,62,63がクランクシャフト40の回転方向に関して非対称である本実施形態の軸受では、切欠き61,62,63の底面と受圧面との間の隙間にある潤滑油が広い部分から狭い部分へ押し込まれることになる。図3(b)に示される切欠き61を例にとってより具体的に説明する。図示されている切欠き61の底面61aと受圧面31aとの間の隙間は、切欠き61の側面61bからクランクシャフト40(主軸部40a)の回転方向と逆方向へ離れるに従って次第に狭くなっている。よって、クランクシャフト40が図中の矢印方向に回転すると、隙間内にある潤滑油は、その隙間内の広い部分(相対的に側面61bに近い領域)から狭い部分(相対的に側面61bから離れた領域)へ押し込まれる。これにより、いわゆるポンピング圧力が発生する。図6に示されるように、本実施形態における軸受では、B断面内の全域において比較例よりも大きな動圧が得られている。また、図5に示されるように、A断面内における動圧分布のピークが比較例に比べて急峻に立ち上がっている。かかる動圧ピークの急峻な立ち上がりは、切欠き61,62,63がクランクシャフト40の回転方向に関して非対称であり、よって、それぞれの切欠き61,62,63の底面と受圧面との間の隙間にある潤滑油が、その隙間内の広い部分から狭い部分へ押し込まれる本実施形態の構成によって得られる特有の効果である。このような動圧ピークの急峻な立ち上がりは、クランクシャフト外周面(摺動面)と軸受内周面(受圧面)との接触を効果的に防止する効果を奏する。すなわち、摺動面と受圧面との摩擦による騒音や損失の発生が低減され、圧縮機の効率向上が図られるともともに、信頼性の向上も併せて図られる。
(第2の実施形態)
次に、本発明が適用されたレシプロ式の密閉型圧縮機の他の一例について説明する。もっとも、本実施形態に係る密閉型圧縮機は、第1の実施形態に係る密閉型圧縮機と基本的に同一の構成を備えている。そこで、第1の実施形態に係る密閉型圧縮機と同一の構成についての説明は省略し、相違点についてのみ以下に説明する。
図7は、本実施形態に係る密閉型圧縮機に用いられるクランクシャフト40の斜視図である。図示されているクランクシャフト40は、主軸部40aに形成されている切欠き61の配置に関して図1などに示されるクランクシャフト40と相違する。具体的には、図7に示されるクランクシャフト40では、下方摺動面42a上の複数の切欠き61が千鳥配列されている。より具体的には、周方向に隣接する切欠き61が互いに軸方向にオフセットされている。さらに、相対的に小径部44に近接している第1の切欠き71aは逃げ面44aに連通しており、相対的に小径部44から離間している第2の切欠き71bは逃げ面44aに連通していない。
逃げ面44aに連通する切欠き71aと逃げ面44aに連通していない切欠き71bとがクランクシャフト40の回転方向に関して交互に配置されていることにより、回転方向における動圧分布が相互補完され、より効果的な動圧分布が得られる。
(第3の実施形態)
次に、本発明が適用されたレシプロ式の密閉型圧縮機のさらに他の一例について説明する。もっとも、本実施形態に係る密閉型圧縮機は、第1の実施形態に係る密閉型圧縮機と基本的に同一の構成を備えている。そこで、第1の実施形態に係る密閉型圧縮機と同一の構成についての説明は省略し、相違点についてのみ以下に説明する。
図8は、本実施形態に係る密閉型圧縮機に用いられるクランクシャフト40の斜視図である。図示されているクランクシャフト40は、主軸部40aに形成されている切欠き61,62の配置に関して図1などに示されるクランクシャフト40と相違する。図1などに示されるクランクシャフト40では、切欠き61,62は主軸部40aの全周に亘って均一に形成されていた。一方、図8に示されるクランクシャフト40では、切欠き61,62が部分的に形成されている。具体的には、大径部42の外周面(下方摺動面42a)の周方向一部にのみ切欠き61が形成されている。また、大径部43の外周面(上方摺動面43a)の周方向一部にのみ切欠き62が形成されている。さらに、大径部42における切欠き61の位置と、大径部43における切欠き62の位置とは、主軸部40aの回転方向に関して異なっている。すなわち、切欠き61と切欠き62は回転方向の位相を異にしている。
切欠き62は、主軸部40aの軸心を挟んで偏心軸部40cと180度反対側に形成されており、切欠き61は、偏心軸部40cと同じ側に形成されている。また、切欠き63は、切欠き62と同じ側に形成されている。このように、切欠き61,62,63をクランクシャフト外周面上に部分的に配置するとともに、その位置を調整することにより、クランクシャフト40が1回転する間に最も大きな荷重を受けるタイミングで効果的にポンピング圧力を発生させることができる。なお、クランクシャフト40の全周に亘って切欠きを形成した場合も、切欠きの密度を部分的に異ならせることによって同様の効果を得ることができる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、切欠きの底面と受圧面との間の隙間がクランクシャフトの回転方向と逆方向へ向けて狭くなるように、切欠きがクランクシャフトの回転方向に関して非対称な断面形状を有していればよく、切欠きの底面は必ずしも平坦でなくともよい。例えば、切欠きの底面は階段状などであってもよい。切欠きの底面が階段状である場合、切欠きの底面と受圧面との間の隙間は段階的に狭くなるが、この場合であっても上記と同様の効果が得られる。また、本明細書に示された切欠きやクランクシャフトに関する寸法は一例であり、適宜変更することができる。
1 密閉容器
3 潤滑油
10 圧縮要素
20 電動要素
30 フレーム
31 円筒部
31a 受圧面(内周面)
40 クランクシャフト
40a 主軸部
40b 鍔部
40c 偏心軸部
42 大径部
42a 下方摺動面
43 大径部
43a 上方摺動面
44 小径部
44a 逃げ面
51 第1のスパイラル溝
52 第2のスパイラル溝
61a 底面
61b 側面

Claims (9)

  1. 電動要素と圧縮要素とを繋ぐクランクシャフトの外周面に、該クランクシャフトの回転方向に関して非対称な断面形状を有する切欠きが形成されていることを特徴とする密閉型圧縮機。
  2. 請求項1に記載の密閉型圧縮機において、
    複数の前記切欠きが前記クランクシャフトの周方向に沿って配置されていることを特徴とする密閉型圧縮機。
  3. 請求項1または請求項2に記載の密閉型圧縮機において、
    前記クランクシャフトの外周面と対向する受圧面を備えた軸受を有し、
    前記切欠きの底面と前記受圧面との間の隙間が前記クランクシャフトの回転方向と逆方向へ向けて狭くなることを特徴とする密閉型圧縮機。
  4. 請求項3に記載の密閉型圧縮機において、
    前記クランクシャフトは、前記軸受によって支持される主軸部と、前記主軸部に対して偏心して設けられた偏心軸部とを有し、
    少なくとも前記主軸部の外周面に前記切欠きが形成されていることを特徴とする密閉型圧縮機。
  5. 請求項4に記載の密閉型圧縮機において、
    前記主軸部は、2つの大径部とこれら大径部の間に設けられた小径部とを有し、
    前記軸受の前記受圧面は、前記大径部および前記小径部の外周面と対向し、
    前記切欠きは、前記大径部の外周面に形成されるとともに、該切欠きの一端は前記小径部の外周面と前記受圧面との間の隙間に開口していることを特徴とする密閉型圧縮機。
  6. 請求項5に記載の密閉型圧縮機において、
    前記2つの大径部の少なくとも一方の外周面には、一端が前記小径部の外周面と前記受圧面との間の隙間に開口している第1の切欠きと、一端が前記小径部の外周面と前記受圧面との間の隙間に開口していない第2の切欠きと、が形成されていることを特徴とする密閉型圧縮機。
  7. 請求項6に記載の密閉型圧縮機において、
    前記第1の切り欠きと前記第2の切欠きが前記主軸部の周方向に沿って交互に配置されていることを特徴とする密閉型圧縮機。
  8. 請求項5に記載の密閉型圧縮機において、
    前記切欠きが前記2つの大径部の外周面にそれぞれ部分的に形成されており、
    一方の前記大径部における前記切欠きの位置と、他方の前記大径部における前記切欠きの位置とが、前記主軸部の回転方向に関して異なることを特徴とする密閉型圧縮機。
  9. 請求項1乃至請求8のいずれかに記載の密閉型圧縮機を有することを特徴とする冷蔵装置あるいは冷凍装置あるいは空調装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019190427A (ja) * 2018-04-27 2019-10-31 日立グローバルライフソリューションズ株式会社 圧縮機およびこれを用いた機器

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