JP2014104909A - ハイブリッド自動車 - Google Patents

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Abstract

【課題】大きな振動が生じるのをより抑制する。
【解決手段】エンジンを始動する際には、エンジンの回転数Neが所定回転数Nstmg以上である条件とエンジンのクランク角θcrが所定範囲θst1〜θst2内である条件とが共に成立するまではモータからのトルクが値0から所定トルクTst1までレート処理で増加して保持されるようモータを制御し(S300〜S340)、両条件が共に成立した後は、モータからのトルクが所定トルクTst1から減少するようモータを制御する(S350〜S390)。
【選択図】図5

Description

本発明は、ハイブリッド自動車に関し、詳しくは、車軸に連結された後段軸にねじれ要素を介して出力軸が接続されたエンジンと、後段軸に動力を入出力可能なモータと、モータと電力をやりとり可能なバッテリと、を備えるハイブリッド自動車に関する。
従来、この種のハイブリッド自動車としては、エンジンと、第1モータと、車軸に連結された駆動軸とエンジンのクランクシャフトにダンパを介して接続された接続軸と第1モータの回転軸とにリングギヤとキャリアとサンギヤとが接続されたプラネタリギヤと、駆動軸に回転軸が接続された第2モータと、第1モータや第2モータと電力をやりとりするバッテリとを備え、エンジンの始動指示がなされたときには、エンジンの回転数がトルク引き下げ開始回転数に至るまでは第1トルクを第1モータから出力してエンジンをモータリングしながら走行し、エンジンの回転数がトルク引き下げ開始回転数に至ってから運転開始回転数に至るまでは第1トルクより小さな第2トルクを第1モータから出力してエンジンをモータリングしながら走行し、エンジンの回転数が運転開始回転数に至ったときにはエンジンの運転が開始されながら走行するよう、エンジンと第1モータと第2モータとを制御するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このハイブリッド自動車では、始動開始時クランク角が所定クランク角範囲内にあるときにはエンジンのモータリングが開始された後にクランク角と所定クランク角とが一致するタイミングでのエンジンの回転数をトルク引き下げ開始回転数に設定し、始動開始時クランク角がクランク角範囲外にあるときには始動開始時クランク角がクランク角範囲内にあるときのトルク引き下げ開始回転数より高く且つエンジンのモータリングが開始された後にクランク角と所定クランク角とが一致するタイミングでのエンジンの回転数をトルク引き下げ開始回転数に設定することにより、エンジンを始動する際の振動を抑制している。
特開2012−106598号公報
上述のハイブリッド自動車では、始動開始時クランク角に応じてトルク引き下げ回転数を設定していることから、エンジンをモータリングする際の回転数の上昇具合によっては、トルク引き下げ回転数で第1モータからのトルクを小さくし始めたときに、ダンパのねじれの変動を抑制できずに比較的大きな振動が生じてしまう場合が生じ得る。
本発明のハイブリッド自動車は、大きな振動が生じるのをより抑制することを主目的とする。
本発明のハイブリッド自動車は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の第1のハイブリッド自動車は、
車軸に連結された後段軸にねじれ要素を介して出力軸が接続されたエンジンと、前記後段軸に動力を入出力可能なモータと、前記モータと電力をやりとり可能なバッテリと、前記エンジンを始動する際、前記エンジンの回転数が所定回転数以上である回転数条件を含む始動時所定条件が成立するまでは前記エンジンの回転数を迅速に増加させる迅速増加トルクが前記モータから出力されるよう該モータを制御し、前記始動時所定条件が成立した後は前記モータからのトルクが前記迅速増加トルクから小さくなるよう該モータを制御する制御手段と、を備えるハイブリッド自動車であって、
前記始動時所定条件は、前記回転数条件と前記エンジンのクランク角が所定クランク角範囲内であるクランク角条件とが共に成立しているときに成立する条件である、
ことを要旨とする。
この本発明の第1のハイブリッド自動車では、エンジンを始動する際に、エンジンの回転数が所定回転数以上である回転数条件を含む始動時所定条件が成立するまではエンジンの回転数を迅速に増加させる迅速増加トルクがモータから出力されるようモータを制御し、始動時所定条件が成立した後はモータからのトルクが迅速増加トルクから小さくなるようモータを制御するものにおいて、始動時所定条件を、回転数条件とエンジンのクランク角が所定クランク角範囲内であるクランク角条件とが共に成立しているときに成立する条件とする。したがって、実際のエンジンの回転数とクランク角とを用いて始動時所定条件が成立したか否か(モータからのトルクを迅速増加トルクから小さくし始めるタイミングに至ったか否か)を判定するから、エンジンを始動する際に大きな振動が生じるのをより抑制することが可能となる。
こうした本発明の第1のハイブリッド自動車において、前記所定クランク角範囲は、前記エンジンの回転数が前記所定回転数以上で前記モータからのトルクを前記迅速増加トルクから減少させ始めたときの最大振動が許容上限振動以下となるよう実験または解析によって定めた範囲である、ものとすることもできる。
また、本発明の第1のハイブリッド自動車において、前記所定クランク角範囲は、前記エンジンのトルクが正の範囲で減少する範囲である、ものとすることもできる。
さらに、本発明の第1のハイブリッド自動車において、前記制御手段は、前記エンジンを停止する際、前記エンジンの回転数が第2所定回転数以下である第2回転数条件を含む停止時所定条件が成立するまでは前記エンジンの回転数を迅速に減少させる迅速減少トルクが前記モータから出力されるよう該モータを制御し、前記停止時所定条件が成立した後は前記モータからのトルクの大きさが前記迅速減少トルクの大きさから小さくなるよう該モータを制御する手段であり、前記停止時所定条件は、前記第2回転数条件と前記エンジンのクランク角が第2所定クランク角範囲内である第2クランク角条件とが共に成立しているときに成立する条件である、ものとすることもできる。
本発明の第2のハイブリッド自動車は、
車軸に連結された後段軸にねじれ要素を介して出力軸が接続されたエンジンと、前記後段軸に動力を入出力可能なモータと、前記モータと電力をやりとり可能なバッテリと、前記エンジンを停止する際、前記エンジンの回転数が所定回転数以下である回転数条件を含む停止時所定条件が成立するまでは前記エンジンの回転数を迅速に減少させる迅速減少トルクが前記モータから出力されるよう該モータを制御し、前記停止時所定条件が成立した後は前記モータからのトルクの大きさが前記迅速減少トルクの大きさから小さくなるよう該モータを制御する制御手段と、を備えるハイブリッド自動車であって、
前記停止時所定条件は、前記回転数条件と前記エンジンのクランク角が所定クランク角範囲内であるクランク角条件とが共に成立しているときに成立する条件である、
ことを要旨とする。
この本発明の第2のハイブリッド自動車では、エンジンを停止する際に、エンジンの回転数が所定回転数以下である回転数条件を含む停止時所定条件が成立するまではエンジンの回転数を迅速に減少させる迅速減少トルクがモータから出力されるようモータを制御し、停止時所定条件が成立した後はモータからのトルクの大きさが迅速減少トルクの大きさから小さくなるようモータを制御するものにおいて、停止時所定条件を、回転数条件とエンジンのクランク角が所定クランク角範囲内であるクランク角条件とが共に成立しているときに成立する条件とする。したがって、実際のエンジンの回転数とクランク角とを用いて停止時所定条件が成立したか否か(モータからのトルクの大きさを迅速減少トルクの大きさから小さくし始めるタイミングに至ったか否か)を判定するから、エンジンを停止する際に大きな振動が生じるのをより抑制することが可能となる。
こうした本発明の第2のハイブリッド自動車において、前記所定クランク角範囲は、前記エンジンの回転数が前記所定回転数以下で前記モータからのトルクの大きさを前記迅速減少トルクの大きさから減少させ始めたときの最大振動が許容上限振動以下となるよう実験または解析によって定めた範囲である、ものとすることもできる。
本発明の第1または第2のハイブリッド自動車において、車軸に連結された駆動軸と前記エンジンの出力軸と前記モータの回転軸とに3つの回転要素が接続されたプラネタリギヤと、前記バッテリと電力をやりとり可能で、前記駆動軸に回転軸が接続された第2モータと、を備えることを要旨とする。
本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 実施例のHVECU70により実行される始動時駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 エンジン22を始動する際のプラネタリギヤ30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を示す説明図である。 実施例のHVECU70により実行される始動時モータリングトルク設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。 エンジン22を始動する際のモータMG1のトルク指令Tm1*,エンジン22の回転数Neやクランク角θcr,エンジン22の運転(燃料噴射制御や点火制御)の有無の時間変化の様子の一例を示す説明図である。 実験や解析によって求めた、減少開始クランク角θstdnと始動時最大振動との関係の一例を示す説明図である。 エンジン22を始動する際のエンジン22のクランク角θcrとエンジン22のトルクTeとの関係の一例を示す説明図である。 実施例のHVECU70により実行される停止時駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 実施例のHVECU70により実行される停止時モータリングトルク設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。 エンジン22を停止する際のモータMG1のトルク指令Tm1*,エンジン22の回転数Neやクランク角θcr,エンジン22の運転(燃料噴射制御や点火制御)の有無の時間変化の様子の一例を示す説明図である。 実験や解析によって求めた、増加開始クランク角θspupと停止時最大振動と、の関係の一例を示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車320の構成の概略を示す構成図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、ガソリンや軽油などを燃料として動力を出力する4気筒のエンジン22と、エンジン22を駆動制御するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にねじれ要素としてのダンパ28を介してキャリアが接続されると共に駆動輪38a,38bにデファレンシャルギヤ37を介して連結された駆動軸36にリングギヤが接続されたプラネタリギヤ30と、例えば同期発電電動機として構成されて回転子がプラネタリギヤ30のサンギヤに接続されたモータMG1と、例えば同期発電電動機として構成されて回転子が駆動軸36に接続されたモータMG2と、モータMG1,MG2を駆動するためのインバータ41,42と、インバータ41,42の図示しないスイッチング素子をスイッチング制御することによってモータMG1,MG2を駆動制御するモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40と、例えばリチウムイオン二次電池として構成されてインバータ41,42を介してモータMG1,MG2と電力をやりとりするバッテリ50と、バッテリ50を管理するバッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52と、車両全体を制御するハイブリッド用電子制御ユニット(以下、HVECUという)70と、を備える。
エンジンECU24は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。エンジンECU24には、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号、例えば、クランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサ23からのクランク角θcrやエンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサからの冷却水温Tw,燃焼室内に取り付けられた圧力センサからの筒内圧力Pin,燃焼室へ吸排気を行なう吸気バルブや排気バルブを開閉するカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサからのカムポジションθca,スロットルバルブのポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサからのスロットルポジションTP,吸気管に取り付けられたエアフローメータからの吸入空気量Qa,同じく吸気管に取り付けられた温度センサからの吸気温Ta,排気系に取り付けられた空燃比センサからの空燃比AF,同じく排気系に取り付けられた酸素センサからの酸素信号O2などが入力ポートを介して入力されており、エンジンECU24からは、エンジン22を駆動するための種々の制御信号、例えば、燃料噴射弁への駆動信号やスロットルバルブのポジションを調節するスロットルモータへの駆動信号,イグナイタと一体化されたイグニッションコイルへの制御信号,吸気バルブの開閉タイミングの変更可能な可変バルブタイミング機構への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。また、エンジンECU24は、HVECU70と通信しており、HVECU70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをHVECU70に出力する。なお、エンジンECU24は、クランクシャフト26に取り付けられたクランクポジションセンサ23からのクランク角θcrに基づいてクランクシャフト26の回転数、即ちエンジン22の回転数Neも演算している。
モータECU40は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの回転位置θm1,θm2や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力ポートを介して入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42の図示しないスイッチング素子へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。また、モータECU40は、HVECU70と通信しており、HVECU70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをHVECU70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からのモータMG1,MG2の回転子の回転位置θm1,θm2に基づいてモータMG1,MG2の回転角速度ωm1,ωm2や回転数Nm1,Nm2も演算している。
バッテリECU52は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された電圧センサ51aからの端子間電圧Vbやバッテリ50の出力端子に接続された電力ラインに取り付けられた電流センサ51bからの充放電電流Ib,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51cからの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりHVECU70に送信する。また、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために、電流センサ51bにより検出された充放電電流Ibの積算値に基づいてそのときのバッテリ50から放電可能な電力の容量の全容量に対する割合である蓄電割合SOCを演算したり、演算した蓄電割合SOCと電池温度Tbとに基づいてバッテリ50を充放電してもよい許容入出力電力である入出力制限Win,Woutを演算したりしている。なお、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、電池温度Tbに基づいて入出力制限Win,Woutの基本値を設定し、バッテリ50の蓄電割合SOCに基づいて出力制限用補正係数と入力制限用補正係数とを設定し、設定した入出力制限Win,Woutの基本値に補正係数を乗じることにより設定することができる。
HVECU70は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。HVECU70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号やシフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。HVECU70は、上述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。なお、実施例のハイブリッド自動車20では、シフトポジションセンサ82により検出されるシフトポジションSPとしては、駐車時に用いる駐車ポジション(Pポジション),後進走行用のリバースポジション(Rポジション),中立のニュートラルポジション(Nポジション),前進走行用のドライブポジション(Dポジション)などがある。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20では、運転者によるアクセルペダルの踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸36に出力すべき要求トルクTr*を計算し、この要求トルクTr*に対応する要求動力が駆動軸36に出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2との運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてがプラネタリギヤ30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されて駆動軸36に出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや、要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部がプラネタリギヤ30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力が駆動軸36に出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード,エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力を駆動軸36に出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。なお、トルク変換運転モードと充放電運転モードとは、いずれもエンジン22の運転を伴って要求動力が駆動軸36に出力されるようエンジン22とモータMG1とモータMG2とを制御するモードであり、実質的な制御における差異はないため、以下、両者を合わせてエンジン運転モードという。
エンジン運転モードでは、HVECU70は、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accと車速センサ88からの車速Vとに基づいて駆動軸36に出力すべき(走行に要求される)要求トルクTr*を設定し、設定した要求トルクTr*に駆動軸36の回転数Nr(例えば、モータMG2の回転数Nm2や車速Vに換算係数を乗じて得られる回転数)を乗じて駆動軸36に出力すべき(走行に要求される)走行用パワーPdrv*を計算し、計算した走行用パワーPdrv*からバッテリ50の蓄電割合SOCに基づくバッテリ50の充放電要求パワーPb*(バッテリ50から放電するときが正の値)を減じてエンジン22から出力すべき(車両に要求される)要求パワーPe*を計算する。そして、要求パワーPe*を効率よくエンジン22から出力することができるエンジン22の回転数NeとトルクTeとの関係としての動作ライン(例えば燃費最適動作ライン)を用いてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定し、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で、エンジン22の回転数Neが目標回転数Ne*となるようにするための回転数フィードバック制御によってモータMG1から出力すべきトルクとしてのトルク指令Tm1*を設定すると共にモータMG1をトルク指令Tm1*で駆動したときにプラネタリギヤ30を介して駆動軸36に作用するトルクを要求トルクTr*から減じてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し、設定した目標回転数Ne*と目標トルクTe*とについてはエンジンECU24に送信し、トルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40に送信する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによってエンジン22が運転されるようエンジン22の吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御などを行ない、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。こうした制御により、エンジン22を効率よく運転しながらバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*を駆動軸36に出力して走行することができる。このエンジン運転モードでは、要求パワーPe*がエンジン22を運転停止した方がよい要求パワーPe*の範囲の上限として定められた停止用閾値Pstop以下に至ったときなどエンジン22の停止条件が成立したときに、エンジン22の運転を停止してモータ運転モードに移行する。
モータ運転モードでは、HVECU70は、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸36に出力すべき要求トルクTr*を設定し、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定する共にバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*が駆動軸36に出力されるようモータMG2のトルク指令Tm2*を設定してモータECU40に送信する。そして、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。こうした制御により、エンジン22を運転停止した状態でバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*を駆動軸36に出力して走行することができる。このモータ運転モードでは、エンジン運転モードと同様に計算した要求パワーPe*がエンジン22を始動した方がよい要求パワーPe*の範囲の下限として定められた始動用閾値Pstart以上に至ったときなどエンジン22の始動条件が成立したときに、エンジン22を始動してエンジン運転モードに移行する。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に、エンジン22を始動する際や停止する際の動作について説明する。以下、まず、エンジン22を始動する際の動作について説明し、その後、エンジン22を停止する際の動作について説明する。図2は、実施例のHVECU70により実行される始動時駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、モータ運転モードでの走行中にエンジン22の始動条件が成立したときに実行される。
始動時駆動制御ルーチンが実行されると、HVECU70は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,エンジン22の回転数Ne,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,バッテリ50の入出力制限Win,Woutなど制御に必要なデータを入力する(ステップS100)。ここで、エンジン22の回転数Neは、クランクポジションセンサ23により検出されたクランク角θcrに基づいて演算されたものをエンジンECU24から通信により入力するものとした。また、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されたモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて演算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。さらに、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、バッテリ50の電池温度Tbとバッテリ50の蓄電割合SOCとに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸36に出力すべき要求トルクTr*を設定する(ステップS110)。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとして図示しないROMに記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。要求トルク設定用マップの一例を図3に示す。
続いて、エンジン22の始動時にエンジン22をモータリングするためのトルクとしての始動時モータリングトルクTstをモータMG1から出力すべきトルクとしてのトルク指令Tm1*に設定する(ステップS120)。ここで、始動時モータリングトルクTstは、実施例では、後述の始動時モータリングトルク設定ルーチンによって設定されるものを用いるものとした。
そして、次式(1)に示すように、モータMG1をトルク指令Tm1*で駆動したときにプラネタリギヤ30を介して駆動軸36に作用するトルク(−Tm1*/ρ)を要求トルクTr*から減じてモータMG2から出力すべきトルクの仮の値としての仮トルクTm2tmpに設定し(ステップS130)、式(2)および式(3)に示すように、バッテリ50の入出力制限Win,WoutとモータMG1のトルク指令Tm1*に現在の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との差分をモータMG2の回転数Nm2で除してモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tm2min,Tm2maxを計算し(ステップS140)、式(4)に示すように、仮トルクTm2tmpをトルク制限Tm2min,Tm2maxで制限してモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS150)。図4は、エンジン22を始動する際のプラネタリギヤ30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を示す説明図である。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸はモータMG2の回転数Nm2であるリングギヤ32の回転数Nrを示す。また、R軸上の2つの太線矢印は、モータMG1から出力されてプラネタリギヤ30を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクと、モータMG2から出力されて駆動軸36に作用するトルクとを示す。式(1)は、この共線図を用いれば容易に導くことができる。
Tm2tmp=Tr*+Tm1*/ρ (1)
Tm2min=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm2 (2)
Tm2max=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 (3)
Tm2*=max(min(Tm2tmp,Tm2max),Tm2min) (4)
こうしてモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、設定したモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する(ステップS160)。モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*,Tm2*でモータMG1,MG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
続いて、エンジン22の回転数Neをエンジン22の運転(燃料噴射制御や点火制御)を開始する回転数としての運転開始回転数Nsteg(例えば、1000rpmや1200rpmなど)と比較し(ステップS170)、エンジン22の回転数Neが運転開始回転数Nsteg未満のときには、ステップS100に戻り、ステップS100〜S170の処理を繰り返し実行してエンジン22の回転数Neが運転開始回転数Nsteg以上に至ると、エンジン22の運転が開始されているか否かを判定し(ステップS180)、エンジン22の運転が開始されてないときには、エンジン22の運転を開始するための運転開始制御信号をエンジンECU24に送信し(ステップS190)、エンジン22の運転が開始されているときには、ステップS190の処理を実行しない。運転開始制御信号を受信したエンジンECU24は、エンジン22の燃料噴射制御や点火制御を開始する。
そして、エンジン22が完爆に至ったか否かを判定し(ステップS200)、未だ完爆に至っていないときにはステップS100に戻り、ステップS100〜S200の処理を繰り返し実行してエンジン22が完爆に至ると、本ルーチンを終了する。
次に、この始動時駆動制御ルーチンのステップS120で用いる始動時モータリングトルクTstを設定する処理について説明する。図5は、実施例のHVECU70により実行される始動時モータリングトルク設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、モータ運転モードでの走行中にエンジン22の始動条件が成立したときに、図2の始動時駆動制御ルーチンと並行して実行される。
始動時モータリングトルク設定ルーチンが実行されると、HVECU70は、まず、始動時モータリングトルクTstに値0を設定する(ステップS300)。そして、次式(5)に示すように、前回に設定した始動時モータリングトルク(前回Tst)に所定値ΔTst1を加えたものを正の範囲の比較的大きな所定トルクTst1で制限して始動時モータリングトルクTstを設定し(ステップS310)、エンジン22の回転数Neやクランク角θcrを入力し(ステップS320)、エンジン22の回転数Neが所定回転数Nstmg以上である条件とエンジン22のクランク角θcrが所定範囲θst1〜θst2内である条件とが共に成立しているか否かを判定し(ステップS330,S340)、少なくとも一方の条件が成立していないときには、ステップS310に戻る。ステップS310で、所定トルクTst1は、エンジン22の回転数Neを迅速に増加させるためのトルクであり、所定値ΔTst1は、始動時モータリングトルクTstを値0から増加させる際のレート値である。ステップS320で、エンジン22のクランク角θcr,回転数Neは、それぞれ、クランクポジションセンサ23により検出されたもの,これに基づいて演算されたものをエンジンECU24から通信により入力するものとした。なお、実施例では、4気筒のエンジン22を用いるから、クランク角θcrは、エンジン22の各気筒の圧縮行程の上死点を0°として−90°〜90°の範囲で表わす(その範囲で繰り返し変化する)ものとした。ステップS330,S340で、所定回転数Nstmgや所定範囲θst1〜θst2は、始動時モータリングトルクTstを所定トルクTst1から減少させ始めるタイミングである始動時所定タイミングに至ったか否かを判定するために用いられるものであり、所定回転数Nstmgは、300rpmや350rpm,400rpmなどを用いるものとし、所定範囲θst1〜θst2は、50°や55°,60°など〜70°や75°,80°などの範囲を用いるものとした。ステップS310〜S340の処理は、始動時モータリングトルクTstを値0から所定トルクTst1までレート処理で増加させて保持しながら、始動時所定タイミングに至るのを待つ処理となる。実施例では、クランクポジションセンサ23により検出されたクランク角θcrとこれに基づいて演算した回転数Neとを用いて始動時所定タイミングに至ったか否かを判定するから、エンジン22の始動開始時のクランク角θcrである始動開始時クランク角θstsetに応じて始動時所定タイミングを定める(例えば、始動開始時クランク角θstsetに応じて所定回転数Nstmgを設定するなど)ものに比して、始動時所定タイミングに至ったか否かをより適正に判定することができる。なお、所定範囲θst1〜θst2として例えば50°や55°,60°など〜70°や75°,80°などの範囲を用いる理由については後述する。
Tst=min(前回Tst+ΔTst1,Tst1) (5)
こうしてステップS310〜S340の処理を繰り返し実行して、エンジン22の回転数Neが所定回転数Nstmg以上である条件とエンジン22のクランク角θcrが所定範囲θst1〜θst2内である条件とが共に成立すると、始動時所定タイミングに至ったと判断し、次式(6)に示すように、前回に設定した始動時モータリングトルク(前回Tst)から所定値ΔTst2を減じたものを正の範囲で所定トルクTst1より小さな所定トルクTst2で制限して始動時モータリングトルクTstを設定し(ステップS350)、エンジン22の回転数Neを入力し(ステップS360)、エンジン22の回転数Neが上述の運転開始回転数Nsteg以上か否かを判定し(ステップS370)、エンジン22の回転数Neが運転開始回転数Nsteg未満のときには、ステップS350に戻る。ここで、所定トルクTst2は、モータMG1による電力消費を抑制しつつエンジン22を運転開始回転数Nsteg以上に増加させるためのトルクであり、所定値ΔTst2は、始動時モータリングトルクTstを所定トルクTst1から減少させる際のレート値である。ステップS350〜S370の処理は、始動時モータリングトルクTstを所定トルクTst1から所定トルクTst2までレート処理で減少させて保持しながら、エンジン22の回転数Neが運転開始回転数Nsteg以上に至るのを待つ処理となる。
Tst=max(前回Tst-ΔTst2,Tst2) (6)
こうしてステップS350〜S370の処理を繰り返し実行して、エンジン22の回転数Neが運転開始回転数Nsteg以上に至ると、次式(7)に示すように、前回に設定した始動時モータリングトルク(前回Tst)から所定値ΔTst3を減じたものを値0で制限して始動時モータリングトルクTstを設定し(ステップS380)、エンジン22が完爆に至ったか否かを判定し(ステップS390)、未だ完爆に至っていないときにはステップS380に戻る。そして、ステップS380,S390の処理を繰り返し実行して、完爆に至ったときに本ルーチンを終了する。ここで、所定値ΔTst3は、始動時モータリングトルクTstを所定トルクTst2から減少させる際のレート値である。ステップS380,S390の処理は、始動時モータリングトルクTstを所定トルクTst2から値0までレート処理で減少させて保持しながらエンジン22が完爆に至るのを待つ処理となる。
Tst=max(前回Tst-ΔTst3,0) (7)
図6は、エンジン22を始動する際のモータMG1のトルク指令Tm1*,エンジン22の回転数Neやクランク角θcr,エンジン22の運転(燃料噴射制御や点火制御)の有無の時間変化の様子の一例を示す説明図である。図示するように、時刻t11にエンジン22の始動条件が成立すると、モータMG1のトルクTm1(始動時モータリングトルクTst)を値0から比較的大きな所定トルクTst1までレート処理で増加させて保持することにより、エンジン22の回転数Neを迅速に増加させる。そして、時刻t12にエンジン22の回転数Neが所定回転数Nstmg以上で且つエンジン22のクランク角θcrが所定範囲θst1〜θst2内の状態になると、モータMG1のトルクTm1を所定トルクTst1からそれより小さな所定トルクTst2にレート処理で減少させて保持することにより、モータMG1の電力消費やモータMG1から出力されてプラネタリギヤ30を介して駆動軸36に作用するトルクを抑制しながら小さくしながらエンジン22の回転数Neを上昇させる。そして、時刻t13にエンジン22の回転数Neが所定回転数Nsteg以上に至ると、エンジン22の運転(燃料噴射制御や点火制御)を開始すると共にモータMG1のトルクTm1を所定トルクTst2から値0にレート処理で減少させて保持して、時刻t14にエンジン22が完爆すると、エンジン22の始動処理を完了して、エンジン運転モードでの走行を開始する。
ここで、所定範囲θst1〜θst2として例えば50°や55°,60°など〜70°や75°,80°などの範囲を用いる理由について説明する。図7は、実験や解析によって求めた、始動時モータリングトルクTstを所定トルクTst1から減少させ始めるクランク角θcrである減少開始クランク角θstdnと、エンジン22を始動する際に生じた振動の最大値である始動時最大振動と、の関係の一例を示す説明図であり、図8は、エンジン22を始動する際のエンジン22のクランク角θcrとエンジン22のトルクTeとの関係の一例を示す説明図である。図7の関係は、例えば、減少開始クランク角θstdnと始動時最大振動との関係を実験や解析によって複数求めてそれぞれ点としてプロットし、プロットした複数の点を最小二乗法などを用いて近似する手法などによって求めることができる。
図7に示すように、実験や解析によって、クランク角θcrが−90°〜40°程度のときにモータMG1のトルクTm1を所定トルクTst1から減少させ始めるとエンジン22の始動時に比較的大きな振動が生じ、クランク角θcrが50°〜80°程度のときにモータMG1のトルクTm1を減少させ始めるとエンジン22の始動時に大きな振動が生じにくいことが分かった。また、図8に示すように、エンジン22を運転していないときのエンジン22のトルクTeは、クランク角θcrの180°毎に脈動し、具体的には、各気筒の上死点(180°毎)付近でトルクTeが値0となると共にトルクTeの変化率としてのトルク変化率ΔTeが最大となり、上死点の40°後や45°後付近でトルクTeが最大となると共にトルク変化率ΔTeが値0となり、上死点の90°後(次の上死点の90°前)付近でトルクTeが値0となると共にトルク変化率ΔTeが最小となり、次の上死点の45°前や40°前付近でトルクTeが最小となると共にトルク変化率ΔTeが値0となる。これは、上死点に至った後(クランク角θcrが0°〜90°)は膨張行程の気筒の影響が大きく現われ、上死点に至る前(クランク角θcrが−90°〜0°)は圧縮行程の気筒の影響が大きく現われることによるものであると考えられる。これらより、エンジン22のトルクTeが増加するときやトルク変化率ΔTeの絶対値が大きいとき,圧縮行程の気筒の影響が大きく現われる(トルクTeが負の値)ときにモータMG1のトルクTm1を減少させ始めると、エンジン22を始動する際の振動が大きくなり、エンジン22のトルクTeが正の範囲で減少するときにモータMG1のトルクTm1を減少させ始めると、エンジン22を始動する際の振動が大きくなりにくいと考えられる。実施例では、これを踏まえて、上述の所定範囲θst1〜θst2として、エンジン22の回転数Neが所定回転数Nstmg以上でモータMG1のトルクTm1を減少させ始めたときの最大振動が許容上限振動以下となるよう実験や解析によって定めた範囲、具体的には、エンジン22のトルクTeが正の範囲で減少する範囲、例えば、50°や55°,60°など〜70°や75°,80°などの範囲を設定するものとした。これにより、エンジン22の回転数Neが所定回転数Nstmg以上に至った後に、エンジン22のトルクTeの減少に合わせてモータMG1からのトルクが所定トルクTst1から減少することになり、ダンパ28のねじれが大きく変動するのをより抑制することができ、エンジン22を始動する際に大きな振動が生じるのをより抑制することができる。
以上、エンジン22を始動する際の動作について説明した。次に、エンジン22を停止する際の動作について説明する。図9は、実施例のHVECU70により実行される停止時駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、エンジン運転モードでの走行中にエンジン22の停止条件が成立したときに実行される。
停止時駆動制御ルーチンが実行されると、HVECU70は、まず、エンジン22の燃料噴射制御や点火制御を停止するための運転停止制御信号をエンジンECU24に送信する(ステップS400)。運転停止制御信号を受信したエンジンECU24は、エンジン22の燃料噴射制御や点火制御を停止する。
続いて、図2の始動時駆動制御ルーチンのステップS100の処理と同様に、アクセル開度Accや車速V,エンジン22の回転数Ne,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,バッテリ50の入出力制限Win,Woutなど制御に必要なデータを入力し(ステップS410)、入力したエンジン22の回転数Neを用いてエンジン22が回転停止したか否かを判定し(ステップS420)、エンジン22が回転停止していないときには、図2の始動時駆動制御ルーチンのステップS110の処理と同様に、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸36に出力すべき要求トルクTr*を設定する(ステップS430)。
そして、エンジン22の停止時にエンジン22をモータリングするためのトルクとしての停止時モータリングトルクTspをモータMG1のトルク指令Tm1*に設定する(ステップS440)。ここで、停止時モータリングトルクTspは、実施例では、後述の停止時モータリングトルク設定ルーチンによって設定されるものを用いるものとした。
こうしてモータMG1のトルク指令Tm1*を設定すると、図2の始動時駆動制御ルーチンのステップS130〜S160の処理と同様に、モータMG2のトルク指令Tm2*を設定してモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信して(ステップS450〜S480)、ステップS410に戻る。こうしてステップS410〜S420の処理を繰り返し実行してエンジン22が回転停止すると、本ルーチンを終了する。
次に、この停止時駆動制御ルーチンのステップS430で用いる停止時モータリングトルクTspを設定する処理について説明する。図10は、実施例のHVECU70により実行される停止時モータリングトルク設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、エンジン運転モードでの走行中にエンジン22の停止条件が成立したときに、図9の停止時駆動制御ルーチンと並行して実行される。
停止時モータリングトルク設定ルーチンが実行されると、HVECU70は、まず、停止時モータリングトルクTspに値0を設定する(ステップS500)。そして、次式(8)に示すように、前回に設定した停止時モータリングトルク(前回Tsp)から所定値ΔTsp1を減じたものを負の範囲の比較的小さな(絶対値としては比較的大きな)所定トルクTsp1で制限して停止時モータリングトルクTspを設定し(ステップS510)、図5の始動時モータリングトルク設定ルーチンのステップS320の処理と同様にエンジン22の回転数Neやクランク角θcrを入力し(ステップS520)、エンジン22の回転数Neが所定回転数Nsp以下である条件とエンジン22のクランク角θcrが所定範囲θsp1〜θsp2内である条件とが共に成立しているか否かを判定し(ステップS530,S540)、少なくとも一方の条件が成立していないときには、ステップS510に戻る。ステップS510で、所定トルクTsp1は、エンジン22の回転数Neを迅速に減少させるためのトルクであり、所定値ΔTsp1は、停止モータリングトルクTspを値0から減少(絶対値としては増加)させる際のレート値である。ステップS530,S540で、所定回転数Nspや所定範囲θsp1〜θsp2は、停止時モータリングトルクTspを所定トルクTsp1から増加(絶対値としては減少)させ始めるタイミングである停止時所定タイミングに至ったか否かを判定するために用いられるものであり、所定回転数Nspは、300rpmや350rpm,400rpmなどを用いるものとし、所定範囲θsp1〜θsp2は、例えば、50°や55°,60°など〜70°や75°,80°などの範囲を用いるものとした。ステップS510〜S540の処理は、停止時モータリングトルクTs0を値0から所定トルクTspまでレート処理で減少させて保持しながら、停止時所定タイミングに至るのを待つ処理となる。実施例では、クランクポジションセンサ23により検出されたクランク角θcrとこれに基づいて演算した回転数Neとを用いて停止時所定タイミングに至ったか否かを判定するから、エンジン22の停止開始時のクランク角θcrである停止開始時クランク角θspsetに応じて停止時所定タイミングを定める(例えば、停止開始時クランク角θspsetに応じて所定回転数Nspを設定するなど)ものに比して、停止時所定タイミングに至ったか否かをより適正に判定することができる。なお、所定範囲θsp1〜θsp2として例えば50°や55°,60°など〜70°や75°,80°などの範囲を用いる理由については後述する。
Tsp=max(前回Tsp-ΔTsp1,Tsp1) (8)
こうしてステップS510〜S540の処理を繰り返し実行して、エンジン22の回転数Neが所定回転数Nsp以下である条件とエンジン22のクランク角θcrが所定範囲θsp1〜θsp2内である条件とが共に成立すると、停止時所定タイミングに至ったと判断し、次式(9)に示すように、前回に設定した停止時モータリングトルク(前回Tsp)に所定値ΔTsp2を加えたものを正の範囲の比較的小さな所定トルクTsp2で制限して停止時モータリングトルクTspを設定し(ステップS550)、エンジン22の回転数Neを入力し(ステップS560)、エンジン22の回転数Neを用いてエンジン22が回転停止したか否かを判定し(ステップS570)、エンジン22が回転停止していないときにはステップS550に戻る。そして、ステップS550〜S570の処理を繰り返し実行して、エンジン22が回転停止したときに本ルーチンを終了する。ここで、所定トルクTsp2は、エンジン22を緩やかに回転停止させるためのトルクであり、所定値ΔTsp2は、停止時モータリングトルクTspを所定トルクTsp1から増加させる際のレート値である。ステップS550〜S570の処理は、停止時モータリングトルクTspを所定トルクTsp1から所定トルクTsp2までレート処理で増加させて保持しながらエンジン22が回転停止するのを待つ処理となる。
Tsp=max(前回Tsp+ΔTsp2,Tsp2) (9)
図11は、エンジン22を停止する際のモータMG1のトルク指令Tm1*,エンジン22の回転数Neやクランク角θcr,エンジン22の運転(燃料噴射制御や点火制御)の有無の時間変化の様子の一例を示す説明図である。図示するように、時刻t21にエンジン22の停止条件が成立すると、エンジン22の運転(燃料噴射制御や点火制御)を停止すると共に、モータMG1のトルクTm1(停止時モータリングトルクTsp)を値0から比較的小さな(絶対値としては比較的大きな)所定トルクTsp1までレート処理で減少させて保持することにより、エンジン22の回転数Neを迅速に減少させる。そして、時刻t22にエンジン22の回転数Neが所定回転数Nsp以下で且つエンジン22のクランク角θcrが所定範囲θsp1〜θsp2内の状態になると、モータMG1のトルクTm1を所定トルクTsp1から所定トルクTsp2に増加させて保持することにより、エンジン22を緩やかに回転停止させる。そして、時刻t23にエンジン22が回転停止すると、エンジン22の停止処理を完了して、モータ運転モードでの走行を開始する。
ここで、所定範囲θsp1〜θsp2として例えば50°や55°,60°など〜70°や75°,80°などの範囲を用いる理由について説明する。図12は、実験や解析によって求めた、停止時モータリングトルクTspを所定トルクTsp1から増加させ始めるクランク角θcrである増加開始クランク角θspupと、エンジン22を停止する際に生じた振動の最大値である停止時最大振動と、の関係の一例を示す説明図である。この図12の関係は、図8の関係と同様に求めることができる。
図12に示すように、実験や解析によって、−90°〜−50°程度や−10°〜40°程度のときにモータMG1のトルクTm1を所定トルクTsp1から増加させ始めるとエンジン22の停止時に比較的大きな振動が生じ、−40°〜−20°程度や50°〜80°程度のときにモータMG1のトルクTm1を所定トルクTsp1から増加させ始めるとエンジン22の停止時に大きな振動が生じにくいことが分かった。−40°〜−20°程度ではエンジン22のトルクTeの増加に合わせてモータMG1のトルクTm1が増加するためにエンジン22を停止する際の振動が大きくなりにくく、50°〜80°程度ではエンジン22のトルクTeの変動が比較的緩やかなためにエンジン22を停止する際の振動が大きくなりにくいと考えられる。したがって、実施例では、上述の所定範囲θsp1〜θsp2として、エンジン22の回転数Neが所定回転数Nsp以下でモータMG1のトルクTm1を増加させ始めたときの最大振動が許容上限振動以下となるよう実験や解析によって定めた範囲、例えば、50°や55°,60°など〜70°や75°,80°などの範囲を設定するものとした。これにより、エンジン22を停止する際に大きな振動が生じるのをより抑制することができる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、エンジン22を始動する際には、エンジン22の回転数Neが所定回転数Nstmg以上である条件とエンジン22のクランク角θcrが所定範囲θst1〜θst2内である条件とが共に成立するまでは、モータMG1からのトルクが値0から所定トルクTst1までレート処理で増加して保持されるようモータMG1を制御し、両条件が共に成立した後は、モータMG1からのトルクが所定トルクTst1から減少するようモータMG1を制御するから、エンジン22を始動する際に大きな振動が生じるのをより抑制することができる。
また、実施例のハイブリッド自動車20によれば、エンジン22を停止する際には、エンジン22の回転数Neが所定回転数Nsp以下である条件とエンジン22のクランク角θcrが所定範囲θsp1〜θsp2内である条件とが共に成立するまでは、モータMG1からのトルクが値0から負の所定トルクTsp1までレート処理で減少(絶対値としては増加)して保持されるようモータMG1を制御し、両条件が共に成立した後は、モータMG1からのトルクが所定トルクTspから増加(絶対値としては減少)するようモータMG1を制御するから、エンジン22を停止する際に大きな振動が生じるのをより抑制することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22を始動する際には、エンジン22の回転数Neとクランク角θcrとを用いて始動時所定タイミングに至ったか否かを判定し、エンジン22を停止する際には、エンジン22の回転数Neとクランク角θcrとを用いて停止時所定タイミングに至ったか否かを判定するものとしたが、エンジン22を始動する際には、エンジン22の回転数Neとクランク角θcrとを用いて始動時所定タイミングに至ったか否かを判定するが、エンジン22を停止する際には、実施例とは異なる手法を用いて、例えば、エンジン22の回転数Neだけを用いて停止時所定タイミングに至ったか否かを判定するものとしてもよい。また、エンジン22を停止する際には、エンジン22の回転数Neとクランク角θcrとを用いて停止時所定タイミングに至ったか否かを判定するが、エンジン22を始動する際には、実施例とは異なる手法、例えば、エンジン22の回転数Neだけを用いて始動時所定タイミングに至ったか否かを判定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、走行中にエンジン22を始動する際や停止する際の動作について説明したが、停車中にエンジン22を始動する際や停止する際には、駆動軸36に走行用のトルクを出力する必要がない点を除いて、走行中と同様に考えることができる。なお、停車中には、ブレーキペダル85の踏み込みに応じた図示しない油圧ブレーキの作動や、シフトポジションSPが駐車ポジションのときの図示しないパーキングロック機構の作動によって駆動輪38a,38bの回転が制限されている。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2からの動力を駆動輪38a,38bに接続された駆動軸36に出力するものとしたが、図13の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2からの動力を駆動軸36が接続された車軸(駆動輪38a,38bに接続された車軸)とは異なる車軸(図13における車輪39a,39bに接続された車軸)に出力するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22からの動力をプラネタリギヤ30を介して駆動輪38a,38bに接続された駆動軸36に出力するものとしたが、図14の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン22のクランクシャフトにダンパ28を介して接続されたインナーロータ232と駆動輪38a,38bに接続された駆動軸36に接続されたアウターロータ234とを有しエンジン22からの動力の一部を駆動軸36に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えるものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22からの動力をプラネタリギヤ30を介して駆動輪38a,38bに接続された駆動軸36に出力すると共にモータMG2からの動力を駆動軸36に出力するものとしたが、図15の変形例のハイブリッド自動車320に例示するように、駆動輪38a,38bに接続された駆動軸36に変速機330を介してモータMGを取り付けると共にモータMGの回転軸にダンパ28を介してエンジン22を接続する構成とし、エンジン22からの動力をモータMGの回転軸と変速機330とを介して駆動軸36に出力すると共にモータMGからの動力を変速機330を介して駆動軸に出力するものとしてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例とこれに対応する本発明の第1および第2のハイブリッド自動車との関係では、共通して、エンジン22が「エンジン」に相当し、モータMG1が「モータ」に相当し、バッテリ50が「バッテリ」に相当する。実施例と本発明の第1のハイブリッド自動車の関係では、図2の始動時駆動制御ルーチンや図5の始動時モータリングトルク設定ルーチンを実行するHVECU70と、HVECU70からのトルク指令Tm1*に基づいてモータMG1を制御するモータECU40と、が「制御手段」に相当する。実施例と本発明の第2のハイブリッド自動車の関係では、図9の停止時駆動制御ルーチンや図10の停止時モータリングトルク設定ルーチンを実行するHVECU70と、HVECU70からのトルク指令Tm1*に基づいてモータMG1を制御するモータECU40と、が「制御手段」に相当する。
ここで、「エンジン」としては、ガソリンや軽油などを燃料として動力を出力するエンジン22に限定されるものではなく、車軸に連結された後段軸にねじれ要素を介して出力軸が接続されたものであれば如何なるタイプのエンジンであっても構わない。「モータ」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG1に限定されるものではなく、誘導電動機など、後段軸に動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプのモータであっても構わない。「バッテリ」としては、リチウムイオン二次電池として構成されたバッテリ50に限定されるものではなく、ニッケル水素二次電池やニッケルカドミウム二次電池,鉛蓄電池など、モータと電力をやりとり可能なものであれば如何なるタイプのバッテリであっても構わない。「制御手段」としては、HVECU70とモータECU40との組み合わせによって構成されるものに限定されるものではなく、単一の電子制御ユニットによって構成されるものなどとしてもよい。また、本発明の第1のハイブリッド自動車における「制御手段」としては、エンジン22を始動する際には、エンジン22の回転数Neが所定回転数Nstmg以上である条件とエンジン22のクランク角θcrが所定範囲θst1〜θst2内である条件とが共に成立するまでは、モータMG1からのトルクが値0から所定トルクTst1までレート処理で増加して保持されるようモータMG1を制御し、両条件が共に成立した後は、モータMG1からのトルクが所定トルクTst1から減少するようモータMG1を制御するものに限定されるものではなく、エンジンを始動する際、エンジンの回転数が所定回転数以上である回転数条件を含む始動時所定条件が成立するまではエンジンの回転数を迅速に増加させる迅速増加トルクがモータから出力されるようモータを制御し、始動時所定条件が成立した後はモータからのトルクが迅速増加トルクから小さくなるようモータを制御し、始動時所定条件は、回転数条件とエンジンのクランク角が所定クランク角範囲内であるクランク角条件とが共に成立しているときに成立する条件である、ものであれば如何なるものとしても構わない。また、本発明の第2のハイブリッド自動車における「制御手段」としては、エンジン22を停止する際には、エンジン22の回転数Neが所定回転数Nsp以下である条件とエンジン22のクランク角θcrが所定範囲θsp1〜θsp2内である条件とが共に成立するまでは、モータMG1からのトルクが値0から負の所定トルクTsp1までレート処理で減少(絶対値としては増加)して保持されるようモータMG1を制御し、両条件が共に成立した後は、モータMG1からのトルクが所定トルクTspから増加(絶対値としては減少)するようモータMG1を制御するものに限定されるものではなく、エンジンを停止する際、エンジンの回転数が所定回転数以下である回転数条件を含む停止時所定条件が成立するまではエンジンの回転数を迅速に減少させる迅速減少トルクがモータから出力されるようモータを制御し、停止時所定条件が成立した後はモータからのトルクの大きさが迅速減少トルクの大きさから小さくなるようモータを制御し、停止時所定条件は、回転数条件とエンジンのクランク角が所定クランク角範囲内であるクランク角条件とが共に成立しているときに成立する条件である、ものであれば如何なるものとしても構わない。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、ハイブリッド自動車の製造産業などに利用可能である。
20,120,220,320 ハイブリッド自動車、22 エンジン、23 クランクポジションセンサ、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 プラネタリギヤ、36 駆動軸、37 デファレンシャルギヤ、38a,38b 駆動輪、39a,39b 車輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51a 電圧センサ、51b 電流センサ、51c 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(HVECU)、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ、234 アウターロータ、330 変速機、MG,MG1,MG2 モータ。

Claims (7)

  1. 車軸に連結された後段軸にねじれ要素を介して出力軸が接続されたエンジンと、前記後段軸に動力を入出力可能なモータと、前記モータと電力をやりとり可能なバッテリと、前記エンジンを始動する際、前記エンジンの回転数が所定回転数以上である回転数条件を含む始動時所定条件が成立するまでは前記エンジンの回転数を迅速に増加させる迅速増加トルクが前記モータから出力されるよう該モータを制御し、前記始動時所定条件が成立した後は前記モータからのトルクが前記迅速増加トルクから小さくなるよう該モータを制御する制御手段と、を備えるハイブリッド自動車であって、
    前記始動時所定条件は、前記回転数条件と前記エンジンのクランク角が所定クランク角範囲内であるクランク角条件とが共に成立しているときに成立する条件である、
    ハイブリッド自動車。
  2. 請求項1記載のハイブリッド自動車であって、
    前記所定クランク角範囲は、前記エンジンの回転数が前記所定回転数以上で前記モータからのトルクを前記迅速増加トルクから減少させ始めたときの最大振動が許容上限振動以下となるよう実験または解析によって定めた範囲である、
    ハイブリッド自動車。
  3. 請求項1または2記載のハイブリッド自動車であって、
    前記所定クランク角範囲は、前記エンジンのトルクが正の範囲で減少する範囲である、
    ハイブリッド自動車。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1つの請求項に記載のハイブリッド自動車であって、
    前記制御手段は、前記エンジンを停止する際、前記エンジンの回転数が第2所定回転数以下である第2回転数条件を含む停止時所定条件が成立するまでは前記エンジンの回転数を迅速に減少させる迅速減少トルクが前記モータから出力されるよう該モータを制御し、前記停止時所定条件が成立した後は前記モータからのトルクの大きさが前記迅速減少トルクの大きさから小さくなるよう該モータを制御する手段であり、
    前記停止時所定条件は、前記第2回転数条件と前記エンジンのクランク角が第2所定クランク角範囲内である第2クランク角条件とが共に成立しているときに成立する条件である、
    ハイブリッド自動車。
  5. 車軸に連結された後段軸にねじれ要素を介して出力軸が接続されたエンジンと、前記後段軸に動力を入出力可能なモータと、前記モータと電力をやりとり可能なバッテリと、前記エンジンを停止する際、前記エンジンの回転数が所定回転数以下である回転数条件を含む停止時所定条件が成立するまでは前記エンジンの回転数を迅速に減少させる迅速減少トルクが前記モータから出力されるよう該モータを制御し、前記停止時所定条件が成立した後は前記モータからのトルクの大きさが前記迅速減少トルクの大きさから小さくなるよう該モータを制御する制御手段と、を備えるハイブリッド自動車であって、
    前記停止時所定条件は、前記回転数条件と前記エンジンのクランク角が所定クランク角範囲内であるクランク角条件とが共に成立しているときに成立する条件である、
    ハイブリッド自動車。
  6. 請求項5記載のハイブリッド自動車であって、
    前記所定クランク角範囲は、前記エンジンの回転数が前記所定回転数以下で前記モータからのトルクの大きさを前記迅速減少トルクの大きさから減少させ始めたときの最大振動が許容上限振動以下となるよう実験または解析によって定めた範囲である、
    ハイブリッド自動車。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1つの請求項に記載のハイブリッド自動車であって、
    車軸に連結された駆動軸と前記エンジンの出力軸と前記モータの回転軸とに3つの回転要素が接続されたプラネタリギヤと、
    前記バッテリと電力をやりとり可能で、前記駆動軸に回転軸が接続された第2モータと、
    を備えるハイブリッド自動車。
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