JP2014102618A - 現金自動取引装置及び準備金管理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】適正な準備金を算出する自動取引装置及び準備金管理方法を提供する。
【解決手段】自動取引装置であって、入出金取引によって増減する紙幣在高枚数の現在値と紙幣在高枚数の最小値とを金種別に記憶する在高管理テーブルと、利用者の識別情報および入出金取引された紙幣の識別情報を含む出金取引情報および入金取引情報を取引毎に記憶する取引情報管理テーブルと、を記憶する記憶部と、入出金取引時に入金取引情報または出金取引情報を取引情報管理テーブルに記憶させるとともに在高管理テーブルを更新し、入金取引情報および出金取引情報に含まれる利用者の識別情報と紙幣の識別情報とを比較し出金取引から規定時間以内に連続して同一の利用者によって出金時と同じ紙幣を使用して入金された取引を特定し、特定した前記取引において入金された紙幣枚数を最小値に加算することにより、在高管理テーブルが記憶する最小値を補正する紙幣読取部と、を備える。
【選択図】図2
【解決手段】自動取引装置であって、入出金取引によって増減する紙幣在高枚数の現在値と紙幣在高枚数の最小値とを金種別に記憶する在高管理テーブルと、利用者の識別情報および入出金取引された紙幣の識別情報を含む出金取引情報および入金取引情報を取引毎に記憶する取引情報管理テーブルと、を記憶する記憶部と、入出金取引時に入金取引情報または出金取引情報を取引情報管理テーブルに記憶させるとともに在高管理テーブルを更新し、入金取引情報および出金取引情報に含まれる利用者の識別情報と紙幣の識別情報とを比較し出金取引から規定時間以内に連続して同一の利用者によって出金時と同じ紙幣を使用して入金された取引を特定し、特定した前記取引において入金された紙幣枚数を最小値に加算することにより、在高管理テーブルが記憶する最小値を補正する紙幣読取部と、を備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、現金の入出金取引などを金融機関等のホストコンピュータとのオンライン取引を介して制御する機能と、紙幣の装填・回収・補充などを制御する運用機能とを備えた現金自動取引装置及び準備金管理方法に関する。
近年、現金自動取引装置においては、従来の金融機関店舗内などに留まらず、コンビニエンスストアやデパート、各市町村の市役所や役場、病院など、さまざまな場所に多数設置され、またその運用においては、現金の運搬や装置への現金の装填、回収などの作業を警備会社など第三者に委託しておこなっているケースも少なくない。これに伴って、これら金融機関店舗以外に設置された現金自動取引装置においては、運用の途中で装置内の現金不足が発生することで、警備会社などが追加で装置に現金を補充するなどの不要な作業が生じないよう、金融機関においては、各装置毎に1日に必要な分の準備金を確実に用意する必要がある。また、装置の扱いに不慣れな警備員が現金の装置への装填および回収作業をおこなうことで、警備員による装置への現金の装填/回収作業におけるリスク(紙幣ジャムなどの装置障害が発生した場合に、紙幣ジャム除去作業などに時間を要し、障害復旧が遅延するなどのリスク)も増大している。
金融機関においては、各装置毎に準備する手持ちの現金を極力減らすことはもちろん重要であるが、これ以外に、前記警備員が作業することによるリスクを軽減するために、装置に使用する紙幣総枚数を極力減らすことが重要であり、これにより、現金を装填、回収する際の紙幣ユニットでの全体の紙幣搬送量を減らすことができ、紙幣ジャムなどの装置障害の発生率を軽減することができる。このため、金融機関は、各装置毎に適正な準備金によって装置を運用する必要がある。金融機関における適正な準備金の算出方法として、従来においては、各装置毎の1日の金種毎の合計出金金額や、1日の運用終了時の金種毎の現金回収金額などの運用実績値から各装置毎に必要となる準備金を算出する方法などが用いられているものと推測する。
また、適切な準備金を算出する方式として、現金自動取引装置とは異なるが、店舗出納システムにおいて、売上予測や、過去の釣銭準備金データ、過去の両替データを基に、最適な金種別釣銭準備金を自動算出する方式が提案されている(特許文献1参照)。この方式は、POS端末および入出金、両替、現金自動計数のできる店舗出納端末とからなる店舗出納システムにおいて、POS端末毎又はPOS端末利用者毎に識別記号を決めておき、ホストコンピュータで識別記号単位に蓄積した過去の両替情報、過去の釣銭準備金情報、過去のPOS取引情報を基に、翌営業日に必要となる最適な金種別釣銭準備金を自動算出するものである。
また、同様に現金自動取引装置とは異なるが、釣銭準備金管理装置において適切な釣銭準備金を求める方式が提案されている(特許文献2参照)。この方式は、装置に収納されている貨幣の在高を金種別に求め、求めた在高を一取引毎に記憶領域に記憶させ、記憶領域に記憶されている在高の最大値と最小値との差を釣銭準備金として金種別に求めることで適切な釣銭準備金を算出するものである。
前記従来例によれば、過去の各装置毎の1日の金種毎の合計出金金額や、1日の運用終了時の現金回収金額などの運用実績情報から各装置毎に日々必要となる準備金をある程度試算することが可能である。また、特許文献1の方式においても、この方式を現金自動取引装置に採用することで適切な準備金の算出が可能である。しかし、従来例や特許文献1の方式にて準備金を算出すると、現金自動取引装置の種類や取引の種類によっては、実際の運用で使用する現金より多いか、または少ない準備金となる可能性がある。
例えば、最近の現金自動取引装置では、紙幣の入出金還流方式機能を持ったものが主流となっており、この場合、エンドユーザによる入金と出金の取引が混在することにより、装置内の現金在高がその都度増減することとなる(エンドユーザとは、現金自動取引装置を利用して現金の入出金取引などを実際におこなうユーザのことを示す。またユーザとは、現金自動取引装置を運用する側の金融機関などの顧客を示す。)。該入出金の取引が混在することによって、1日の合計出金金額は多いが、装置内の現金在高は運用中もそれほど減らなかったり、逆に、ある時間帯に出金取引が集中し、装置内の現金在高が非常に少なくなったが、その後で入金取引が集中し、装置内の現金在高が増加し、元に近い値まで戻った場合やその逆の取引ケースなどもありうるため、合計出金金額や現金回収金額のみでは、該装置に1日に必要な準備金を正確に把握することはできない。また特許文献1のようにこれらの過去データ値をもとに準備金を算出しても、もとになるデータ値自体が適性な値でないため、適正な値は得られない。但し、特許文献2のように、装置に収納されている貨幣の在高を金種別に求め、求めた在高の最大値と最小値を一取引毎に記憶し、運用終了時にこの差を金種別に求めることで、前記従来例および特許文献1より適正な準備金の把握ができると考えられる。
しかしながら、特許文献2の算出方式においても、以下のようなエンドユーザによる特異な取引ケースが混在すると、適正な準備金の算出ができない場合がある。該特異取引ケースとして、エンドユーザが現金を出金した後、何らかの理由により、同一のエンドユーザが連続して取引をおこない、装置から出金した現金をそのまま、またはその一部を入金して装置に戻した場合の取引ケースが考えられる。
何らかの理由とは、具体的な例でいうと、例えば、例1として、エンドユーザが現金自動取引装置の操作画面から出金金額を入力する際に、数字入力ボタンの2重タッチなどの操作ミスにより、正しくは10万円と入力すべきところを誤って100万円と入力し、またそれに気付かないまま、確認ボタンを押してしまったため、実際にエンドユーザが出金したい金額よりも過剰に多くの現金が装置から出金されてしまい、出金した現金の一部を再度入金して装置に戻した。
また、例2として、エンドユーザが一旦現金を出金し、この出金した現金をそのまま、または一部を使用して口座振込み取引をおこない入金した。または、現金を使用した口座振込みの取り扱い操作が装置の運用で許可されておらず、改めて現金を使用しないで口座振込み取引をおこなったため、出金した現金をそのまま入金して装置に戻した。
また、例3として、同一人が複数の預金口座を所持している場合で、装置の操作に不慣れなエンドユーザが、口座振替取引が可能であるにも係らず、それを知らずに、一方の預金口座から現金を出金し、その現金を使用して別の預金口座に入金し直した、などのいくつかの理由が考えられる。
前記取引ケースについては、エンドユーザの誤操作や装置の扱いの不慣れなどによって発生したもので本来は出金する予定のないものであり、また一旦出金してしまった現金は、その直後に入金操作によってそのまま装置に戻されたことを考慮すると、準備金を算出するための処理においては、当該装置からこれら入金して装置に戻した分の現金については、出金されなかったものとみなして算出するのが妥当であると考える。
しかし、特許文献2による算出方式では、出金によって一時的に装置内の現金在高が最小値に更新されると、その直後に、入金操作によって出金した現金をそのまま装置に戻した場合においても、一旦更新された現金在高の最小値は保持されたままとなり、その後の、出金取引によって、現金在高の最小値が再度更新されない限り、準備金は該現金在高の最小値をもとに算出されることになる。
また前記取引ケースの金額が大きいほど装置内在高の最大値と最小値の差が大きくなるため、前記取引ケースがいくつか混在し、該取引金額が大きいほど、適正な準備金の算出が出来なくなってしまう。このため、この課題を解決するために、前記取引ケースを考慮した適正な準備金の算出方法が必要となる。
本発明の目的は、入出金紙幣還流方式の現金自動取引装置の運用において、運用開始時から運用終了時迄の間の装置内紙幣の金種毎の最大在高枚数と最小在高枚数、最大在高変動枚数の値を、エンドユーザによる前記特異取引ケースについても考慮して算出することで、これら運用実績値の統計情報をもとに、各装置毎の適正な準備金を算出する現金自動取引装置及び準備金管理方法を提供することにある。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる現金自動取引装置は、利用者との間で紙幣の入出金取引を行う現金自動取引装置であって、入出金取引によって増減する紙幣在高枚数の現在値と、前記紙幣在高枚数の最小値とを金種別に記憶する在高管理テーブルと、前記利用者の識別情報および入出金取引された紙幣の識別情報を含む出金取引情報および入金取引情報を取引毎に記憶する取引情報管理テーブルと、を記憶する記憶部と、入出金取引時に、前記入金取引情報または前記出金取引情報を前記取引情報管理テーブルに記憶させるとともに前記在高管理テーブルを更新し、前記入金取引情報および前記出金取引情報に含まれる前記利用者の識別情報と前記紙幣の識別情報とを比較し、出金取引から規定時間以内に連続して同一の利用者によって出金時と同じ紙幣を使用して入金された取引を特定し、特定した前記取引において入金された紙幣枚数を前記最小値に加算することにより、前記在高管理テーブルが記憶する最小値を補正する紙幣読取部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明は、上記現金自動取引装置で行われる準備金管理方法である。
本発明によれば、適正な準備金を算出する現金自動取引装置及び準備金管理方法を提供することができる。
以下、図1から図13を参照して、本発明の一実施形態を説明する。本実施形態は、銀行システムなどの金融機関システムに採用される例えばATM(Automatated Tellers Machine)のような入出金紙幣還流方式の現金自動取引装置について説明しているが、これに限らず紙幣の入出金を行う様々な装置に適用することができる。
先ず、図1は本実施形態に係る現金自動取引装置1と通信網を介してホストコンピュータ11に接続されたシステム構成図であり、図2は現金自動取引装置100とホストコンピュータ200の内部構成図である。本接続図および内部構成図を用いて、概略構造を説明する。
現金自動取引装置(以下ATMとする)1は、金融機関の各店舗の他、コンビニエンスストアやデパートなどの各店舗、市役所、病院など各所に設置され、エンドユーザの操作によって現金の入金や出金、口座振込み、口座振替などの各種取引を行うための現金自動取引装置であり、回線接続部8によりホストコンピュータ11の回線接続部12に接続されている。
ATM100は利用者の要求する種々の取引を自動的に実行する装置であり、表示/操作部110、カード受付部112、通帳受付部114、ジャーナル部116、紙幣入出金受入/払出部118、などのデバイス部と、紙幣読取部140、紙幣搬送部150、紙幣保管部160、紙幣装填部170、紙幣回収部180、などの紙幣ユニット部と、該デバイス部、該ユニット部を制御する制御部120などで構成されている。制御部120は、CPU,メモリ等のハード構成とATM100の各デバイス部、各紙幣ユニット部を制御するためのソフト構成から成り、通信部122、照合部124、記憶部126、紙幣制御処理部128などのソフトウェアで構成される。以下に各部位の機能について説明を行う。
表示/操作部110は画面表示、タッチパネル等によるキー入力機能をもっており、主にエンドユーザが取引を行う際、取引操作の誘導画面を表示したり、暗証番号などエンドユーザの操作や指で押されたキー入力を受付ける部分である。カード受付部112は、キャッシュカードの挿入又は排出動作、キャッシュカードに記録された口座番号などのデータの読取り機能などを有する。
通帳受付部114は、通帳の挿入/排出動作、通帳の磁気ストライプに記録された口座番号などのデータの読取り機能、通帳への取引履歴の印字機能などを有する。ジャーナル部116は、入出金などの各種取引履歴、装填/回収などの運用履歴をジャーナル用紙およびハードディスク内の電子ジャーナルに記録する機能を有する。紙幣入出金受入/払出部118は、エンドユーザからの入金紙幣の受入/エンドユーザへの出金紙幣の払い出し機能を有する。
紙幣読取部140は、装填、回収、補充、入出金時に通過する紙幣の鑑別、紙幣の金種別枚数の計数、入出金時の紙幣記番号を読取り、該紙幣の金種別枚数、紙幣記番号データを制御部120に通知する機能を有する。紙幣搬送部150は、装填、回収、補充、入出金時に紙幣を所定の紙幣ユニット位置まで搬送する機能を有する。紙幣保管部160は、装填、回収、補充、入出金時の紙幣を金種別に収納または繰出す機能を有する。
紙幣装填部170は、運用開始時または運用中の紙幣補充時に紙幣装填部170にセットした紙幣を紙幣保管部160に装填するための紙幣装填用ボックスである。紙幣回収部180は、運用終了時に紙幣保管部160に残っている紙幣を回収して紙幣回収部180に回収するための紙幣回収用ボックスである。
装填/補充、回収、入出金取引時における紙幣の流れを以下に説明する。紙幣を装填/補充した際には、紙幣装填部170から紙幣搬送経路154に沿って搬送され、紙幣保管部160に収納される。紙幣を回収した際には、紙幣保管部160から紙幣搬送経路155に沿って搬送され、紙幣回収部180に回収される。紙幣を入金した際には、紙幣入出金受入/払出部118から紙幣搬送経路152に沿って搬送され、紙幣保管部160に収納される。紙幣を出金した際には、紙幣保管部160から紙幣搬送経路153に沿って搬送され、紙幣入出金受入/払出部118に放出される。
通信部122は、ホストコンピュータ(以下ホスト)200との間でオンライン開始データ、オンライン終了データ、入出金取引データ、入出金取引集計データ、在高管理データなどの各種オンライン取引データ、運用履歴データなどの送受信を行う。
照合部124は、ATM100の取引および運用全般において記憶部126で記憶したデータの比較、照合をおこなう。記憶部126は、照合部124で使用する比較、照合をおこなうデータの記憶を行う。紙幣制御処理部128は、各紙幣ユニットに対して、紙幣の装填、回収、補充、入出金などのコマンド指令を実行することで各紙幣ユニットの動作制御を行う。
一方、ATM100と接続するホストコンピュータ(以下ホスト)200はATM100とのオンライン取引による制御を行うと共に、データ保管部210のデータベース内に、ATM利用者の口座登録情報データ(口座番号、氏名,住所,電話番号などの口座名義人情報、暗証番号、入出金取引記録、残高などの口座管理データ)や、ATM100の運用管理情報(入出金取引集計データ、在高管理データなど)などが保管され、取引毎また1日または数日の装填/回収/補充など運用毎にデータの値が更新される。
図3は、ATM100で使用する紙幣の概略イメージ図である。紙幣300に印刷された紙幣記番号310は、日本銀行券の全金種(1万円札、五千円札、二千円札、千円札)の紙幣個々に記された通し番号である。該紙幣記番号310は、日本銀行券ではアルファベットと算用数字の8桁または9桁の組み合わせとなっており、同一のものは存在しない。従って、本発明では、ATM100の入出金時に該紙幣記番号310をATM100で読み取り記憶し、この情報を比較することで、入金された紙幣とそれ以前に出金された紙幣とが同一紙幣かどうかの判別に用いる。
図4は、本発明において使用するATM100の1日の運用における金種別の紙幣最大変動枚数などを算出するためのデータを記憶するテーブルである。各テーブルの用途および各テーブル内の記憶データについて、図4を用いて説明する。
在高管理テーブル(図4−(A))は、ATM100の紙幣保管部160にある紙幣の金種別の在高枚数の状態を記憶して管理するためのテーブルである。現在在高枚数は、ATM100の紙幣保管部160にある現在時点の紙幣の金種別の在高枚数である。制御部120は、該テーブル初期値としてATM電源オン起動時に0クリアし、紙幣装填時に紙幣保管部160に装填された紙幣の金種別の在高枚数を記憶し、入出金の都度、入出金した紙幣の金種別の枚数を該現在在高枚数に加減算し、現在在高枚数を求める。
最大在高枚数は、ATM100の紙幣保管部160にある紙幣の金種別の在高枚数が最大値になった時点の在高枚数の記憶値である。制御部120は、該テーブル初期値としてATM電源オン起動時に0クリアし、紙幣装填時に紙幣保管部160に装填された紙幣の金種別の在高枚数を記憶し、入出金取引の都度、現在在高枚数と比較し、現在在高枚数が大きい場合に、該現在在高枚数値に更新することで、最大在高枚数を求め記憶する。
最小在高枚数は、ATM100の紙幣保管部160にある紙幣の金種別の在高枚数が最小値になった時点の在高枚数の記憶値である。制御部120は、該テーブル初期値としてATM電源オン起動時に0クリアし、紙幣装填時に紙幣保管部160に装填された紙幣の金種別の在高枚数を記憶し、入出金取引の都度、現在在高枚数と比較し、現在在高枚数が小さい場合に、該現在在高枚数値に更新することで、最小在高枚数を求め記憶する。
最大変動在高枚数は、最大在高枚数と最小在高枚数の差分の値であり、制御部120は、該テーブル初期値としてATM電源オン起動時に0クリアし、運用終了時または運用中の紙幣補充時の回収/補充処理において、該差分値を算出して記憶する。
出金取引情報管理テーブル(図4−(B))は、エンドユーザが出金取引をおこなった際に、在高管理テーブル(図4−(A))の最小在高枚数が更新された場合に、該出金取引の取引情報を記憶するためのテーブルである。入金取引情報管理テーブル(図4−(C))は、エンドユーザが入金取引をおこなった際の入金取引の取引情報を記憶するためのテーブルである。なお、ここでいう入金取引とは、ATM100への現金の入金を伴う取引のことであり、現金を使用した口座振込み取引なども含む。
出金取引情報管理テーブル(図4−(B))および入金取引情報管理テーブル(図4−(C))には、取引番号、取引時刻、口座番号、個人識別情報、入金紙幣枚数または出金紙幣枚数を取引情報として対応付けて記憶する。
取引番号は、出金取引情報管理テーブル(図4−(B))において、取引毎に1から順番にテーブル内で採番され、出金取引情報データを取引番号単位に記憶し、出金紙幣番号管理テーブル(図4−(D))内のデータと関連付けて管理するための識別情報である。
取引時刻は、入出金取引をおこない、ホストとのオンライン通信によりホストより取引成立のデータを受信し、入出金取引が正常に成立した時刻を記憶する。口座番号は、入出金取引をおこなったエンドユーザの口座番号データであり、キャッシュカードまたは通帳から読み取った口座番号を記憶する。
個人識別情報は、入出金取引をおこなった口座の所有者を特定するための口座名義人氏名や電話番号または、金融機関が口座名義人を一元管理するための専用の顧客コードなど個人(例えば、エンドユーザ)を識別するためのデータである。個人識別情報の取得方法としては、ATM100とホストとのオンライン取引により、ATM100からホストへ送信された電文内の取引口座番号をキーにしてホスト側で、ホストの口座管理情報データベースより該個人識別情報データを抽出し、該抽出したデータをホストからATM100に送信することで、ATM100はホスト受信電文内の該抽出データを個人識別情報として記憶する。
入金紙幣枚数および出金紙幣枚数は、入出金取引でATM100に入金またはATM100から出金した紙幣の金種別枚数をそれぞれ記憶する。
出金紙幣番号管理テーブル(図4−(D))、入金紙幣番号管理テーブル(図4−(E))は、出金取引でATM100から紙幣を出金または、入金取引でATM100に紙幣を入金した際に、該紙幣がATM100の紙幣読取部140を通過する際にATM100で読取ったすべての紙幣の紙幣記番号データを記憶するためのテーブルである。また紙幣が出金された際には、紙幣記番号データを出金取引情報管理テーブル(図4−(B))内の取引番号と対応付けて出金紙幣番号管理テーブル(図4−(D))に紙幣記番号データを記憶する。
図5は、ホストにおけるATM100の運用履歴を統計管理するためのデーターベースの例である。ATM100の1日の運用終了時に各接続ATM100からホストに対して、ATM100の装置機番号(各設置ATM毎にシステム構成情報として設定された各設置ATM100を識別するための機器番号データ)と在高管理テーブル(図4−(A))内の運用履歴データが送信され、ホストは、該ATM運用履歴データを各装置機番号別に日々データベースに蓄積し、このデータを統計管理することで各設置場所のATM100に応じた適正な準備金を算出するために用いる。該統計管理データの使用例としては、各装置における各曜日毎、各月毎、各特異日(月末、大型連休の前日など)などでデータを分類し、統計管理することにより、各装置毎のその営業日に応じた適正な準備金を算出できる。例えば、ATM100から受信した在高管理テーブルを記憶部に記憶し、制御部が日々の最大在高枚数や最小在高枚数、あるいは最大変動在高枚数を集計して日毎の統計(値の増減等)を取得し、そのATM100に準備すべき紙幣を算出する。
次にATM100の運用開始(紙幣装填)から、エンドユーザの入出金取引、運用終了(紙幣回収)までの取引処理フローを図6、図7、図8、図9、図10、図11を用いて説明する。
図6は、ATM100における1日の運用開始時、ユーザが準備金として用意した紙幣をATM100に装填操作した場合の処理フローを示す。図6の装填処理フローでは、ユーザが紙幣をATM100の紙幣装填部170にセットして紙幣装填操作を実行することで、紙幣読取部140が紙幣装填部170の紙幣を金種別に計数し、紙幣搬送部150が紙幣保管部160に収納する(S100)。次に装填処理が正常終了した後、制御部120は、装填時に計数した金種別の紙幣装填枚数を、在高管理テーブル(図9−(A))の最大在高枚数、最小在高枚数に記憶する(S102)。
図7は、エンドユーザが出金取引をおこなった場合の処理フローを示す。図7の出金取引処理フローでは、エンドユーザが出金取引をおこない出金取引が正常に成立した場合、ATM100は、紙幣の出金処理を開始する(S200)。次に、制御部120は、出金取引情報クリア処理を実行し、出金取引情報管理テーブル(図4−(B))と出金紙幣番号管理テーブル(図4−(D))に記憶されたデータの内、不要となった出金取引情報データをクリアする(S202)。
次に、制御部120は、在高管理テーブル(図4−(A))の現在在高枚数から、出金取引情報管理テーブル(図4−(B))の出金紙幣枚数を減算し、現在在高枚数を更新する(S204)。制御部120は、次に在高管理テーブル(図4−(A))の最小在高枚数と現在在高枚数を比較する(S206)。次に、制御部120は、(S208)で比較した結果、在高管理テーブル(図4−(A))の最小在高枚数より現在在高枚数が小さいと判定した場合(S208;Yes)、最小在高枚数を現在在高枚数の値に更新する(S210)。
そして、制御部120は、出金取引情報管理テーブル(図4−(B))内に、1取引毎に1から昇順に採番した取引番号、出金取引が成立した取引時刻、該出金取引時にATM100に挿入されたキャッシュカードまたは通帳から読み取った口座番号、この口座番号をもとにホストの口座管理情報データベースから抽出した個人識別情報、金種毎の出金紙幣枚数を記憶する(S212)。そして、制御部120は、出金取引情報管理テーブル(図4−(B))の取引番号と対応付けて、出金紙幣番号管理テーブル(図4−(D))内に、該取引番号と該出金したすべての紙幣の紙幣記番号データを記憶する(S214)。
図8は、エンドユーザが入金取引をおこなった場合の処理フローを示す。図8の入金取引処理フローでは、ATM100は、エンドユーザが入金取引をおこなった場合、紙幣の入金処理を開始する(S300)。次に、制御部120は、入金取引が正常に成立した場合、入金取引が成立した取引時刻、該入金取引時にATM100に挿入されたキャッシュカードまたは通帳から読み取った口座番号、この口座番号をもとにホストの口座管理情報データベースから抽出した個人識別情報、金種毎の入金紙幣枚数を入金取引情報管理テーブル(図4−(C))に記憶する(S302)。次に、制御部120は、入金した紙幣の紙幣記番号データを入金紙幣番号管理テーブル(図4−(E))に記憶する(S304)。
次に、制御部120は、出金取引情報クリア処理を実行し、出金取引情報管理テーブル(図4−(B))と出金紙幣番号管理テーブル(図4−(D))に記憶したデータの内、不要となった出金取引情報データをクリアする(S306)。制御部120は、次に在高管理テーブル(図4−(A))の現在在高枚数に、入金取引情報管理テーブル(図4−(C))の入金紙幣枚数を加算し、現在在高枚数を更新する(S308)。
制御部120は、次に在高管理テーブル(図4−(A))の最大在高枚数と現在在高枚数を比較する(S310)。次に、制御部120は、(S312)で比較した結果、在高管理テーブル(図4−(A))の最大在高枚数より現在在高枚数が大きいと判定した場合(S312;Yes)、最大在高枚数を現在在高枚数の値に更新する(S314)。制御部120は、次に入出金取引情報比較処理を実行する(S316)。
制御部120は、次に入出金取引情報比較処理の処理結果が補正要となったか否かを判定し(S318)、補正要となったと判定した場合(S318;Yes)、在高管理テーブル(図4−(A))の最小在高枚数に補正枚数(入出金取引で記番号が一致した紙幣の金種別枚数)を加算し、最小在高枚数の値を補正する(S320)。制御部120は、次に取引ジャーナルに在高管理テーブル(図4−(A))の最小在高枚数の値を補正した旨の処理履歴情報(処理内容、理由、補正枚数など)を印字する(S322)。
一方、制御部120は、入出金取引情報比較処理(S316)にて、処理結果が「補正不要」となったと判定した場合(S318;No)、最小在高枚数の値を補正せずに(S324)の処理に進む。
制御部120は、次に入金取引情報管理テーブル(図4−(C))と入金紙幣番号管理テーブル(図4−(E))に記憶されているデータをすべてクリアする(S324)。このように、エンドユーザによる入出金取引の都度、前記入出金処理(図7)(図8)を繰り返し実行することで、ATM100の1日の運用における最大在高枚数と最小在高枚数を求める。
図9は、図8の入金取引処理フローにおける入出金取引情報比較処理(S316)の比較結果の取引ケース別の詳細処理内容を示す。入出金取引情報比較処理(S316)の詳細処理内容を図9を用いて説明する。
取引ケース1の場合は、出金取引情報管理テーブル(図4−(B))内の出金取引時刻と、入金取引情報管理テーブル(図4−(C))内の入金取引時刻が、処理パラメータA(後述)で設定された規定時間以内の取引間隔で、且つ、入出金取引の口座番号が一致、且つ、個人識別情報が一致、且つ、該入出金取引が同一人による連続した取引の場合を示している。この場合、制御部120は、入金紙幣番号管理テーブル(図4−(E))内の紙幣記番号データと出金取引情報管理テーブル(図4−(B))内の口座番号、個人識別情報が一致した取引番号に対応する出金紙幣番号管理テーブル(図4−(D))内の紙幣記番号データについて金種毎にすべて比較し、一致した金種毎の紙幣枚数をカウントし、紙幣記番号一致紙幣有の場合、カウント枚数を最小在高枚数補正値として記憶し、処理結果を「補正要」に設定する。紙幣記番号一致紙幣無し(一致紙幣0枚)の場合、処理結果を「補正不要」に設定する。
取引ケース2の場合は、出金取引情報管理テーブル(図4−(B))内の出金取引時刻と、入金取引情報管理テーブル(図4−(C))内の入金取引時刻が、処理パラメータAで設定された規定時間以内の取引間隔で、且つ、入出金取引の口座番号は不一致、且つ、個人識別情報が一致、且つ、該入出金取引が同一人による連続した取引であり、且つ、処理パラメータB(後述)の取引ケース2の処理設定が「補正要」の取引の場合を示している。この場合、制御部120は、入金紙幣番号管理テーブル(図4−(E))内の紙幣記番号データと出金取引情報管理テーブル(図4−(B))内の個人識別情報が一致した取引番号に対応する出金紙幣番号管理テーブル(図4−(D))内の紙幣記番号データについて金種毎にすべて比較し、一致した金種毎の紙幣枚数をカウントし、紙幣記番号一致紙幣有の場合、カウント枚数を最小在高枚数補正値として記憶し、処理結果を「補正要」に設定する。制御部120は、紙幣記番号一致紙幣無し(一致紙幣0枚)の場合、処理結果を「補正不要」に設定する。また、制御部120は、処理パラメータBの取引ケース2の処理設定が「補正不要」の場合、処理結果を「補正不要」に設定し、入出金取引の紙幣記番号データの比較はおこなわない。
取引ケース3の場合は、出金取引情報管理テーブル(図4−(B))内の出金取引時刻と、入金取引情報管理テーブル(図4−(C))内の入金取引時刻が、処理パラメータAで設定された規定時間以内の取引間隔で、且つ、入出金取引の口座番号が一致、且つ、個人識別情報が一致したが、該入出金取引が同一人による連続した取引でない取引の場合を示している。この場合、制御部120は、処理結果を「補正不要」に設定する。
取引ケース4の場合は、出金取引情報管理テーブル(図4−(B))内の出金取引時刻と、入金取引情報管理テーブル(図4−(C))内の入金取引時刻が、処理パラメータAで設定された規定時間以内の取引間隔で、且つ、入出金取引の口座番号は不一致、且つ、個人識別情報が一致したが、該入出金取引が同一人による連続した取引でない場合を示している。この場合、制御部120は、処理結果を「補正不要」に設定する。
尚、入出金取引が同一人による連続した取引かを判定する処理においては、制御部120は、出金取引後、同一のエンドユーザが入出金取引以外の現金の入金を伴わない口座振込や口座振替、通帳記入などの各種取引をおこなった場合でも、その後に現金の入金取引をおこなった場合は、連続した取引をおこなったとみなす。
取引ケース5の場合は、出金取引情報管理テーブル(図4−(B))内の出金取引時刻と、入金取引情報管理テーブル(図4−(C))内の入金取引時刻が、処理パラメータAで設定された規定時間以内の取引間隔であったが、入出金取引の口座番号と個人識別情報が不一致の取引の場合を示している。この場合、制御部120は、処理結果を「補正不要」に設定する。
取引ケース6の場合は、出金取引情報管理テーブル(図4−(B))内の出金取引時刻と、入金取引情報管理テーブル(図4−(C))内の入金取引時刻が、処理パラメータAで設定された規定時間以外の取引間隔の場合を示している。この場合、制御部120は、処理結果を「補正不要」に設定する。
図9(2)に、上述した処理パラメータA、処理パラメータBの設定例と設定内容詳細を示す。本処理パラメータは、ユーザが、ATM100の運用方法(例えば、大都市店舗に設置されたATMの場合には、多数の取引を取り扱うため規定時間を短く設定したり、小規模店舗に設置されたATMの場合には、振り込み機能を有していない装置もあるため、そのような場合には、ケース2で口座番号が不一致であり補正要の場合でも、そのATMは補正不要に設定する等)に合わせて自由に設定値の変更が可能なパラメータである。該処理パラメータは図9(2)に示すようなデフォルト設定値が、例えば、記憶部126にあらかじめ設定されている。デフォルト設定値の変更方法としては、ホストからのプログラムダウンロード機能によってATMプログラム内の処理パラメータファイルの設定値を変更するか、ATM100の保守用画面などに該処理パラメータ設定画面を表示し、タッチパネルからのキー入力によって該デフォルト設定値の変更をできるようにしても良い。
図10は、出金取引情報管理テーブル(図4−(B))と出金紙幣番号管理テーブル(図4−(D))に記憶した出金取引情報データの内、図9の入出金取引情報比較処理で使用するデータの対象外となり、記憶が不要となったデータをクリアするための処理フローを示す。図10の出金取引情報クリア処理は、出金取引処理フロー(図7)および入金取引処理フロー(図8)におけるそれぞれの処理から起動されることで、処理を実行開始する。
先ず、制御部120は、出金取引情報管理テーブル(図4−(B))内に記憶データが有るかを判定する(S400)。制御部120は、もし記憶データがないと判定した場合(S400;No)、そのまま何もせずに処理を終了する。一方、制御部120は、記憶データが有ると判定した場合(S400;Yes)、実行された取引が入金取引か出金取引かを判定する(S402)。
次に、制御部120は、実行された取引が出金取引であると判定した場合、出金取引をおこなった個人識別情報と出金取引情報管理テーブル(図4−(B))内の個人識別情報を比較する(S404)。また、制御部120は、実行された取引が入金取引であると判定した場合、入金取引をおこなった個人識別情報と出金取引情報管理テーブル(図4−(B))内の個人識別情報を比較する(S406)。
制御部120は、次に、(S404)または(S406)の比較結果で個人識別情報が一致したか否かを判定し(S408)、両者が不一致であると判定した場合(S406;No)、出金取引情報管理テーブル(図4−(B))と出金紙幣番号管理テーブル(図4−(D))内のすべての記憶データをクリアし処理を終了する(S410)。
一方、制御部120は、(S404)または(S406)の比較結果で個人識別情報が一致したと判定した場合(S408;Yes)、現在時刻から処理パラメータA(図9)で設定された時間分を遡った時刻以前の取引に該当する出金取引情報管理テーブル(図4−(B))内の取引番号の該取引番号を含む記憶データと、該取引番号に対応する出金紙幣番号管理テーブル(図4−(D))内の該取引番号を含む記憶データをクリアし処理を終了する(S412)。
図11は、ATM100における1日の運用終了時、ユーザがATM装置内に残っている紙幣をATM100の紙幣回収部に回収操作した場合の処理フローを示す。図11の紙幣回収処理では、ATM100の1日の運用終了時、紙幣回収処理を実行することで、ATM100の紙幣保管部に残っている紙幣を金種別に計数して紙幣回収部に収納する。尚、この際、制御部120は、現在在高枚数は保持したままとする(S500)。
制御部120は、次に在高管理テーブル(図4−(A))の最大在高枚数から最小在高枚数を減算し、この値を在高管理テーブル(図4−(A))の最大変動在高枚数に記憶する(S502)。次に、制御部120は、取引ジャーナルに装置機番号と金種毎の紙幣装填/回収枚数、在高管理テーブル(図4−(A))内の最大在高枚数と最小在高枚数と最大変動在高枚数を印字する(S504)。制御部120は、次に、該装置機番号と在高管理テーブル(図4−(A))内のデータ(現在在高枚数、最大在高枚数、最小在高枚数、最大変動在高枚数)をホストに送信する(S506)。
図12は、入金取引処理フロー(図8)(S322)において前記特異取引ケースを検出し、在高管理テーブル(図4−(A))内の最小在高枚数の値の補正をおこなった場合と、紙幣回収処理フロー(図11)を実行した時の(S504)での取引ジャーナルの印字例を示す。ジャーナルに該取引履歴を取得することで、前記特異取引ケースを検出し、在高管理テーブル(図4−(A))内の最小在高枚数の値の補正をおこなった処理内容の詳細確認と、(S506)でホストへのデータ送信が回線障害等により失敗した場合でも、該取引ジャーナル用紙を持ち帰ることで在高情報(最大在高枚数、最小在高枚数、最大変動在高枚数)のジャーナル上での確認を可能とする。
図13は、前記処理フローにおいて、1日のATM運用における特異取引ケースが混在した場合の金種別の紙幣最大変動枚数の具体的な算出例を示す。図13の算出例について以下取引番号の順に詳細内容を説明する。
まず運用開始時に、装填処理によって現在在高枚数、最大在高枚数、最小在高枚数がセットされる。次に、取引番号1の取引では、入金取引によって現在在高枚数が最大在高枚数より大きくなったため、最大在高枚数が現在在高枚数に更新される。次に、取引番号2の取引では、出金取引によって現在在高枚数が最小在高枚数より小さくなったため、最小在高枚数が現在在高枚数に更新される。次に、取引番号3の取引では、制御部120が取引番号2の取引との入出金取引情報を比較した結果、規定時間内に、同一利用者、同一口座番号によって入金取引が実行されたが、紙幣記番号一致枚数は0枚であったため、最小在高枚数補正値は0枚となり、最小在高枚数は更新されない。
次に、取引番号4の取引では、出金取引によって現在在高枚数が最小在高枚数より小さくなったため、最小在高枚数が現在在高枚数に更新される。次に、取引番号5の取引では、制御部120が取引番号4の取引との入出金取引情報を比較した結果、規定時間内に、同一利用者、同一口座番号によって入金取引が実行され、紙幣記番号一致枚数は180枚であったため、最小在高枚数補正値は180枚となり、最小在高枚数は、295枚に補正値180枚を加算して475枚に更新される。
次に、取引番号6の取引では、制御部120が取引番号4の取引との入出金取引情報を比較した結果、規定時間内に、同一利用者によって入金取引が実行され、口座番号は不一致であったが処理パラメータでこの取引ケースを補正する設定となっており、且つ紙幣記番号一致枚数は10枚であったため、最小在高枚数補正値は10枚となり、最小在高枚数は、475枚に補正値10枚を加算して485枚に更新される。
次に、取引番号7の取引では、出金取引によって現在在高枚数が最小在高枚数より小さくなったため、最小在高枚数が現在在高枚数に更新される。次に、取引番号8の取引では、取引番号4の取引と同一の利用者、同一の口座番号によって入金取引が実行されているが、同一利用者による連続取引ではない(取引番号7の取引の利用者と異なる)ため、最小在高枚数は補正されない。
次に、取引番号9の取引では、取引番号7の取引から規定時間内に入金されたが、取引番号7の取引と利用者、口座番号とも不一致であるため、最小在高枚数は補正されない。次に、取引番号10の取引では、入金取引によって現在在高枚数が最大在高枚数より大きくなったため、最大在高枚数が現在在高枚数に更新されるが、規定時間外に入金された取引のため、最小在高枚数は補正されない。制御部120は、運用終了時、回収処理の実行を契機に最大在高枚数から最小在高枚数を減算して、紙幣最大変動枚数を求める。
なお、本実施例では、出金処理を行った後に入金処理を行う前提で説明しているが、入金処理を行った後に出金処理を行った場合についても同様に適用することができる。具体的には、図8の入金取引処理を行う場合、制御部120は、(S306)の出金取引情報データクリア処理(図10)では、(S410)において入金取引情報データをすべてクリアし、(S412)において規定時間より、以前の入金取引情報データをクリアする。そして、(S307)〜(S314)までの各処理を行った後、図7に示した(S211)、(S212)の出金取引処理の場合と同様に、取引番号、取引時刻、取引口座番号、個人識別情報、入金紙幣枚数を記憶し、入金紙幣の記番号を記憶する。
そして、図7の出金取引処理を行う場合、制御部120は、上述した出金取引情報データクリア処理と同様の処理を行い(S202)、(S204)〜(S210)の各処理を行った後、図8に示した(S316)〜(S324)の入金取引処理を行う。このとき、制御部120は、(S318)で補正要と判断した場合、(S320)において、在高管理テーブル(図4−(A))の最大在高枚数に補正枚数(入出金取引で記番号が一致した紙幣の金種別枚数)を減算し、最大在高枚数の値を補正する。
このように、本現金自動取引装置では、紙幣の装填、回収、補充、入金、出金などの機能に、入出金紙幣に印刷された紙幣記番号情報を読み取る専用機能を備えた入出金紙幣還流方式の現金自動取引装置において、エンドユーザが入出金取引時、紙幣金種毎の装置内現金在高値が最大値または最小値に更新される都度その値を記憶し、さらに入出金取引の情報(取引番号、取引時刻、取引口座番号、取引をおこなったエンドユーザを特定するための個人識別情報、金種毎の取引紙幣枚数、入出金した全紙幣の金種毎の紙幣記番号データ)を記憶し、入金時に該入金取引情報と該出金取引情報をそれぞれ比較することで、同一エンドユーザが現金を出金後、規定時間内に連続して取引をおこない、出金時と同一の記番号の紙幣を入金した取引ケースを検出し、該出金取引時において紙幣金種毎の装置内現金在高が最小値に更新されている場合、該装置内現金在高の最小値に対して、該入金取引で入金された紙幣のうち該出金取引時と同一の紙幣記番号の金種毎の紙幣枚数を加算することで、装置内現金在高の最小値を補正し、装置運用における装置内現金在高枚数の最大値と最小値を求めることで、適正な準備金の算出を可能とした。
また、前記取引ケースの判定方法については、エンドユーザが出金をおこなった後、入金取引を連続しておこなうまでの規定時間や、特定取引ケースについて装置内在高の最小値を補正するかしないかを処理パラメータによって設定することで、ユーザ運用に合わせて、自由に変更可能とすることによって、ユーザ運用に合った適正な準備金を算出することが可能である。
さらに、処理パラメータの設定例として、例えば、規定時間の設定については、高齢者の多い環境(病院など)に設置されている装置で、操作に不慣れなエンドユーザが何度も操作のやり直しをする場合などを考慮して少し長めに時間を設定しておくとよい。
また、特定取引ケースについて装置内在高の最小値を補正するかしないかの設定については、口座振替取引ができない装置の場合などにおいては、エンドユーザが装置から一旦現金を出金後、同一エンドユーザによって入金取引が連続しておこなわれた場合でも、取引口座番号が不一致であった場合は、エンドユーザが出金をおこなったものとして装置内現金在高の最小値の算出をさせるよう、この取引ケースを、該処理パラメータによって装置内現金在高の最小値の補正をおこなわない設定値にすればよい。
このように、本現金自動取引装置によれば、各設置場所における現金自動取引装置毎に、一日または複数日の装置運用における金種毎の最大在高枚数と最小在高枚数を各特異取引ケースも考慮して適切に算出することで、この統計データをもとに装置毎の適正な準備金を把握することができ、これによって金融機関が、現金自動取引装置毎に準備金として用意する現金を減らすことが出来るとともに、装填/回収/補充時における装置内の紙幣搬送枚数が減ることで、紙幣ジャムなどの装置障害を抑制する効果が期待できる。
上記実施例1では、ATMの1日の運用例として記載しているが、ATMが24時間連続して運用され、数日置きなどの定期的な間隔でATMに現金を補充するケースにおいても、同様に本発明の方式を用いて紙幣毎の最大在高枚数、最小在高枚数を算出し、紙幣をATMに補充するタイミングで最大在高枚数、最小在高枚数の値から紙幣最大変動枚数を求め、装置機番号と紙幣補充日時間隔と一緒に該在高情報をホストに送信することで、該在高情報をホストで都度統計管理し、該統計情報をもとに次回補充日における金種毎の適正な紙幣補充枚数を算出することが可能である。
本実施例2でのシステム構成、概略構造、処理テーブル、処理フローは、図1から図10および、図14の紙幣補充処理からなる。図1から図10については、すでに実施例1で説明した内容と同じため説明を省略する。該紙幣補充処理について、図14を用いて以下に説明する。
図14は、ATM100における紙幣補充処理時、ユーザが補充用現金として事前に用意した紙幣をATM100に補充操作した場合の処理フローを示す。
図14の紙幣補充処理フローでは、ATM100において、補充用紙幣をATM100の紙幣装填部にセットして紙幣補充処理を実行することで、紙幣装填部の補充紙幣を金種別に計数して紙幣保管部に収納する(S600)。次に、制御部120は、ATM100のハードディスクファイル内に保存された前回紙幣補充日時を読み込む(前回紙幣補充日時は、初回紙幣装填時および前回紙幣補充時の年月日と時刻情報がATM100のハードディスク内の特定ファイルに保存されている)(S602)。制御部120は、次に、現在日時から前回紙幣補充日時を減算し、紙幣補充日時間隔を記憶する(S604)。制御部120は、次に、在高管理テーブル(図4−(A))の最大在高枚数から最小在高枚数を減算し、この値を在高管理テーブル(図4−(A))の最大変動在高枚数に記憶する(S606)。
次に、制御部120は、取引ジャーナルに装置機番号と(S604)で記憶した紙幣補充日時間隔と在高管理テーブル(図4−(A))内の現在在高枚数と最大在高枚数と最小在高枚数と最大変動在高枚数などを印字する(S608)。制御部120は、次に、該装置機番号と紙幣補充日時間隔と在高管理テーブル(図4−(A))内のデータ(現在在高枚数、最大在高枚数、最小在高枚数、最大変動在高枚数)をホストに送信する(S610)。
制御部120は、次に、在高管理テーブル(図4−(A))の現在在高枚数に紙幣補充枚数を加算して現在在高枚数を更新する(S612)。次に、制御部120は、在高管理テーブル(図4−(A))の最大在高枚数、最小在高枚数の値を現在在高枚数の値に更新する(S614)。制御部120は、次に、現在日時(年月日、現在時刻)をATM100のハードディスク内の特定ファイルに「紙幣補充日時」として書き込み保存する(S616)。図15は、紙幣補充処理フロー(図14)を実行した時の(S608)における取引ジャーナルの印字例を示す。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
また、上記実施例の紙幣の種類は一万円札、千円札を用いて記載しているが、これ以外にも五千円札、二千円札なども処理対象に含めることが可能である。
100 ATM
110 表示/操作部
112 カード受付部
114 通帳受付部
116 ジャーナル部
118 紙幣入出金受入/払出部
120 制御部
122 通信部
124 照合部
126 記憶部
128 紙幣制御処理部
140 紙幣読取部
150 紙幣搬送部
160 紙幣保管部
170 紙幣装填部
180 紙幣回収部
200 ホストコンピュータ。
110 表示/操作部
112 カード受付部
114 通帳受付部
116 ジャーナル部
118 紙幣入出金受入/払出部
120 制御部
122 通信部
124 照合部
126 記憶部
128 紙幣制御処理部
140 紙幣読取部
150 紙幣搬送部
160 紙幣保管部
170 紙幣装填部
180 紙幣回収部
200 ホストコンピュータ。
Claims (6)
- 利用者との間で紙幣の入出金取引を行う現金自動取引装置であって、
入出金取引によって増減する紙幣在高枚数の現在値と、前記紙幣在高枚数の最小値とを金種別に記憶する在高管理テーブルと、前記利用者の識別情報および入出金取引された紙幣の識別情報を含む出金取引情報および入金取引情報を取引毎に記憶する取引情報管理テーブルと、を記憶する記憶部と、
入出金取引時に、前記入金取引情報または前記出金取引情報を前記取引情報管理テーブルに記憶させるとともに前記在高管理テーブルを更新し、前記入金取引情報および前記出金取引情報に含まれる前記利用者の識別情報と前記紙幣の識別情報とを比較し、出金取引から規定時間以内に連続して同一の利用者によって出金時と同じ紙幣を使用して入金された取引を特定し、特定した前記取引において入金された紙幣枚数を前記最小値に加算することにより、前記在高管理テーブルが記憶する最小値を補正する紙幣読取部と、
を備えることを特徴とする現金自動取引装置。 - 前記記憶部は、前記紙幣在高枚数の最大値を前記現在値および前記最小値とともに金種別に前記在高管理テーブルに記憶し、
前記紙幣読取部は、前記入金取引情報および前記出金取引情報に含まれる前記利用者の識別情報と前記紙幣の識別情報とを比較し、入金取引から規定時間以内に連続して同一の利用者によって入金時と同じ紙幣を使用して出金された取引を特定し、特定した前記取引において出金された紙幣枚数を前記最大値に加算することにより、前記在高管理テーブルが記憶する最大値を補正する、
ことを特徴とする請求項1に記載の現金自動取引装置。 - 前記現金自動取引装置は、前記利用者から前記現金自動取引装置に運用方法に応じて前記規定時間と前記最小値または前記最大値の補正の要否とを受け付ける入力受付部をさらに備え、
前記記憶部は、前記入力受付部から受け付けられた前記規定時間と前記最小値または前記最大値の補正の要否とを前記現金自動取引装置の運用方法ごとにパラメータとして記憶し、
前記紙幣読取部は、前記パラメータを読み出して前記取引の特定および前記補正を行う、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の現金自動取引装置。 - 前記現金自動取引装置は、前記現金自動取引装置を管理するホストコンピュータに接続され、前記紙幣読取部は、前記在高管理テーブルおよび自身を識別するための装置識別情報を前記ホストコンピュータに日々送信し、
前記ホストコンピュータは、前記現金自動取引装置が記憶する前記在高管理テーブルを前記現金自動取引装置ごとに日々蓄積して記憶するホスト記憶部と、
前記ホスト記憶部が記憶する在高管理テーブルの前記最大値または前記最小値の日毎の統計を取得して前記現金自動取引装置に準備すべき適正な紙幣枚数を前記自動取引装置毎に算出する制御部と、
を備えることを特徴とする請求項2または3に記載の現金自動取引装置。 - 前記紙幣読取部は、前記補正を行った場合において、前記最大値または前記最小値と、前記補正の結果とを含む前記入出金取引の履歴をジャーナル情報として所定の媒体に出力する、
ことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の現金自動取引装置。 - 利用者との間で紙幣の入出金取引を行う現金自動取引装置で行われる準備金管理方法であって、
入出金取引時に、前記入金取引情報または前記出金取引情報を前記利用者の識別情報および入出金取引された紙幣の識別情報を含む出金取引情報および入金取引情報を取引毎に記憶する取引情報管理テーブルに記憶させるとともに、入出金取引によって増減する紙幣在高枚数の現在値と、前記紙幣在高枚数の最小値とを金種別に記憶する在高管理テーブルを更新する取引ステップと
前記入金取引情報および前記出金取引情報に含まれる前記利用者の識別情報と前記紙幣の識別情報とを比較し、出金取引から規定時間以内に連続して同一の利用者によって出金時と同じ紙幣を使用して入金された取引を特定する比較特定ステップと、
特定した前記取引において入金された紙幣枚数を前記最小値に加算することにより、前記在高管理テーブルが記憶する最小値を補正する補正ステップと、
を含むことを特徴とする準備金管理方法。
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JP2012253225A JP2014102618A (ja) | 2012-11-19 | 2012-11-19 | 現金自動取引装置及び準備金管理方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2012-11-19 JP JP2012253225A patent/JP2014102618A/ja active Pending
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