JP2014102356A - 光学フィルムおよびその作製方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の光学フィルムよりも効果的にニュートンリングの発生を防止し、かつ、密着防止が図れ、透明鮮明度に優れた低反射の光学フィルムを提供する。
【解決手段】光学フィルム基材上に紫外線硬化樹脂を用いて金型表面の凹凸が転写成形され、ランダム凹凸形状面を有する光学フィルムにおいて、紫外線硬化樹脂の屈折率n1よりも低屈折率n2の低屈折率樹脂から成る薄膜が、所定の膜厚で、ランダム凹凸形状面の表面上に該凹凸形状に倣って均一に積層される。所定の膜厚は、薄膜層の表面反射光を裏面反射光で打ち消すように、両反射光の光路差が可視光波長(λ)のm/2倍(m=1,3,5,・・・の奇数)になるように設定される。
【選択図】図1
【解決手段】光学フィルム基材上に紫外線硬化樹脂を用いて金型表面の凹凸が転写成形され、ランダム凹凸形状面を有する光学フィルムにおいて、紫外線硬化樹脂の屈折率n1よりも低屈折率n2の低屈折率樹脂から成る薄膜が、所定の膜厚で、ランダム凹凸形状面の表面上に該凹凸形状に倣って均一に積層される。所定の膜厚は、薄膜層の表面反射光を裏面反射光で打ち消すように、両反射光の光路差が可視光波長(λ)のm/2倍(m=1,3,5,・・・の奇数)になるように設定される。
【選択図】図1
Description
本発明は、液晶パネルで発生するニュートンリングを防止又は抑制するための光学フィルムの技術に関するものである。
液晶パネルを表示ディスプレイとして有するモバイル端末にもタッチパネルが使用されるケースが増えている。タッチパネルは、位置検出の方法により、光学方式、超音波方式、静電容量方式、抵抗膜方式などに分類でき、特に、静電容量方式や抵抗膜方式は、携帯電話端末やタブレット端末などのモバイル端末のタッチパネルとして普及している。
静電容量方式や抵抗膜方式のタッチパネルでは、指などで電極を押圧する際、押圧している指などの周辺に干渉によるニュートンリングと呼ばれる干渉縞が発生する。ニュートンリングは、2枚の透明電極が接触するか又は接触のために撓み、対向する2枚の透明電極の間隔が可視光の波長程度(約0.5μm)となる際に、2枚の透明電極に挟まれた空間で反射光の干渉を生じることにより発生する。
上記のようなニュートンリングの発生を低減する方法として、例えば、透明電極を形成する支持体の表面に凹凸構造を形成する方法が提案されている(特許文献1)。特許文献1に開示された技術の場合、一定間隔で形成された光伝送平行層の間に、粒径が3〜100μm程度の粒子を設けて、ニュートンリングの発生を防止している。
また、特許文献2及び特許文献3には、透明プラスチックフィルムなどの表面に対して、エンボス又はエッチング加工や、透明無機微粒子を含有させる方法により、所定の表面粗さを有する凹凸構造を形成させて、ニュートンリングの発生を防止している。
さらに、特許文献4などにも、サンドブラストやエンボス加工、フィラーや顔料を含む樹脂溶液をコーティングする方法により、フィルム表面に凹凸構造を形成させ、光を散乱させて、ニュートンリングの発生を防止している。
さらに、特許文献4などにも、サンドブラストやエンボス加工、フィラーや顔料を含む樹脂溶液をコーティングする方法により、フィルム表面に凹凸構造を形成させ、光を散乱させて、ニュートンリングの発生を防止している。
しかし、従来の技術の場合、機械的に凹凸構造を形成する方法や、フィラーなどを用いる方法であるため、得られるフィルム表面の凹凸構造は局部的な段差が発生するなど均一性が低く、ある程度のニュートンリング防止効果はあっても、光散乱性が不充分であり、視認性を有効に向上できていないといった問題がった。
かかる問題を解決すべく、十分な拡散効果により干渉縞の発生がなく、ウエットアウトが生じ難いアンチグレア拡散フィルムが知られている(特許文献5)。特許文献5に開示されているアンチグレア拡散フィルムは、ランダム凹凸形状面の凹凸構造により、光散乱性を高め、ニュートンリング防止効果を図るものである。
しかしながら、近年、モバイル端末の表示ディスプレイの更なる軽量化・薄型化が進んでおり、積層するアンチグレアフィルム(AGフィルム)間や液晶パネルとの間で、ニュートンリングの発生や、フィルム同士の密着によるウエットアウトの問題が顕著になっている。そのため、より一層のニュートンリング防止効果を図ることができる光学フィルムが望まれている。
しかしながら、近年、モバイル端末の表示ディスプレイの更なる軽量化・薄型化が進んでおり、積層するアンチグレアフィルム(AGフィルム)間や液晶パネルとの間で、ニュートンリングの発生や、フィルム同士の密着によるウエットアウトの問題が顕著になっている。そのため、より一層のニュートンリング防止効果を図ることができる光学フィルムが望まれている。
上記状況に鑑みて、本発明は、従来の光学フィルムよりも効果的にニュートンリングの発生を防止し、かつ、密着防止が図れ、透明鮮明度に優れた低反射の光学フィルムを提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明の光学フィルムは、光学フィルム基材上に紫外線硬化樹脂を用いて金型表面の凹凸が転写成形され、ランダム凹凸形状面を有する光学フィルムにおいて、紫外線硬化樹脂の屈折率n1よりも低屈折率n2の低屈折率樹脂から成る薄膜が、所定の膜厚で、ランダム凹凸形状面の表面上に該凹凸形状に倣って均一に積層される。
ここで、所定の膜厚は、薄膜層の表面反射光を裏面反射光で打ち消すように、両反射光の光路差が可視光波長(λ)のm/2倍(m=1,3,5,・・・の奇数)になるように設定され、優れたアンチニュートン効果を有する。
ここで、所定の膜厚は、薄膜層の表面反射光を裏面反射光で打ち消すように、両反射光の光路差が可視光波長(λ)のm/2倍(m=1,3,5,・・・の奇数)になるように設定され、優れたアンチニュートン効果を有する。
上記の構成によれば、表面に形成されたランダム凹凸形状を利用した反射光の散乱と、光学干渉を利用した反射光強度を低減できる。また、ランダム凹凸形状面を構成する紫外線硬化樹脂の屈折率n1よりも低屈折率n2の低屈折率樹脂から成る薄膜が、所定の膜厚で、ランダム凹凸形状面の表面上に該凹凸形状に倣って均一に積層されることにより、低反射のニュートンリング防止効果のある光学フィルムを提供できる。上記の構成によれば、従来のフィラーを用いた微粒子分散型のアンチニュートンリング層とは異なり、ニュートンリングの発生を抑制すると共に、表示画像に対するギラツキも解消し視認性を向上できる。
ここで、屈折率は絶対屈折率を意味する。以下、明細書において同様である。
ここで、屈折率は絶対屈折率を意味する。以下、明細書において同様である。
本発明の光学フィルムでは、基材の片側の面に、高さ及び大きさが不均一な複数の凸部が各周囲に連なる谷部(凹部)を境としてランダムに連続形成されたランダム凹凸形状面を有する。この基材上のランダム凹凸形状面を形成する方法として、金型表面の凹凸を転写成形して作製する。金型表面の凹凸加工方法は、例えば、レーザー加工法、エッチング加工法、ブラスト加工法など公知の加工法を使用可能である。
本発明の光学フィルムに設ける低屈折率樹脂から成る薄膜の膜厚は、薄膜層の表面反射光を裏面反射光で打ち消すように、両反射光の光路差が可視光波長(λ)のm/2倍(m=1,3,5,・・・の奇数)になるように設定される。入射光は、低屈折率樹脂から成る薄膜層の表面と、ランダム凹凸形状面を形成する紫外線硬化樹脂層の界面で反射する。両反射光の光路差が可視光波長(λ)のm/2倍(m=1,3,5,・・・の奇数)になるように設定されることで、この表面反射光と裏面反射光の位相を逆転させ打ち消しあうことができ、反射光を軽減することができる。
本発明の他の観点の光学フィルムは、光学フィルム基材上に紫外線硬化樹脂を用いて金型表面の凹凸が転写成形され、ランダム凹凸形状面を有する光学フィルムにおいて、紫外線硬化樹脂の屈折率n1よりも低屈折率の低屈折率樹脂から成る薄膜が、ランダム凹凸形状面の表面上に該凹凸形状に倣って均一に2層以上積層され、各層の屈折率を積層される順にn2,n3,n4,・・・とした場合に、n2>n3>n4>・・・であり、積層された薄膜の各膜厚は、対応する薄膜層の表面反射光を裏面反射光で打ち消すように、両反射光の光路差が可視光波長(λ)のm/2倍(m=1,3,5,・・・の奇数)になるように設定され、優れたアンチニュートン効果を有する。
本発明の他の観点の光学フィルムは、ランダム形状面に多層の低屈折樹脂層を設けることにより、より低屈折率、低反射で、ニュートンリングを防止できる光学フィルムである。
ここで、多層の薄膜は、ランダム凹凸形状面の表面上に該凹凸形状に倣って均一に積層され、各層の屈折率を積層される順にn2,n3,n4,・・・とした場合に、n2>n3>n4>・・・であることが条件になる。
ここで、多層の薄膜は、ランダム凹凸形状面の表面上に該凹凸形状に倣って均一に積層され、各層の屈折率を積層される順にn2,n3,n4,・・・とした場合に、n2>n3>n4>・・・であることが条件になる。
また、上記の本発明の光学フィルムにおいて、ランダム凹凸形状面に隣接する層として、該ランダム凹凸形状面と薄膜との間にハードコート層が設けられることが好ましい。
すなわち、光学フィルムを、ランダム凹凸形状面、ハードコート層、低反射層が積層された構成にする。かかる構成によれば、ハードコートをしてから低反射層を設けるので、ハードコートの効果が向上できる。
すなわち、光学フィルムを、ランダム凹凸形状面、ハードコート層、低反射層が積層された構成にする。かかる構成によれば、ハードコートをしてから低反射層を設けるので、ハードコートの効果が向上できる。
ハードコート層の厚みは、該ハードコート層の表面反射光を裏面反射光で打ち消すように、以下の条件に従って設定される。
(条件1)ランダム凹凸形状面を形成する紫外線硬化樹脂の屈折率が、ハードコート層の屈折率よりも大きい場合、表面反射光と裏面反射光の両反射光の光路差が可視光波長(λ)のm/2倍(m=1,3,5,・・・の奇数)になるように厚みが設定される。
(条件2)ランダム凹凸形状面を形成する紫外線硬化樹脂の屈折率が、ハードコート層の屈折率よりも小さいか等しい場合、表面反射光と裏面反射光の両反射光の光路差が可視光波長(λ)のk倍(k=1,2,3,・・・の整数)になるように厚みが設定される。
(条件1)ランダム凹凸形状面を形成する紫外線硬化樹脂の屈折率が、ハードコート層の屈折率よりも大きい場合、表面反射光と裏面反射光の両反射光の光路差が可視光波長(λ)のm/2倍(m=1,3,5,・・・の奇数)になるように厚みが設定される。
(条件2)ランダム凹凸形状面を形成する紫外線硬化樹脂の屈折率が、ハードコート層の屈折率よりも小さいか等しい場合、表面反射光と裏面反射光の両反射光の光路差が可視光波長(λ)のk倍(k=1,2,3,・・・の整数)になるように厚みが設定される。
境界面反射に関して、屈折率が低い側(小さい側)から高い側(大きい側)へ入射する光の反射光は位相反転しないが、逆の場合は位相反転することになる。このため、位相反転のない反射の場合(屈折率が小さい側から大きい側へ入射する場合)は、光路差で1/2波長の奇数倍の差をつけて、表面反射光と裏面反射光を相殺するようにする。また、位相反転のある場合(屈折率が大きい側から小さい側へ入射する場合)は、光路差で位相差をつけないように、波長の整数倍の差をつけて、表面反射光と裏面反射光を相殺するようにする。
また、本発明の光学フィルムは、薄膜の積層後の光学フィルムのヘイズ値が2%以上および15%以下であり、視感反射率(Y値)が2%以下である。
本発明の光学フィルムでは、表面に形成されたランダム凹凸形状を利用した反射光の散乱と、光学干渉を利用した反射光強度を低減させており、光学フィルムのヘイズ値が2〜15%、上記の視感反射率(Y値)が2%以下を実現できる。ここで、より好ましくは、上記の視感反射率(Y値)が1%以下である。
本発明の光学フィルムでは、表面に形成されたランダム凹凸形状を利用した反射光の散乱と、光学干渉を利用した反射光強度を低減させており、光学フィルムのヘイズ値が2〜15%、上記の視感反射率(Y値)が2%以下を実現できる。ここで、より好ましくは、上記の視感反射率(Y値)が1%以下である。
また、本発明の光学フィルムにおける凹凸形状は、測定基準領域内において、山谷間の高さの平均値である山谷間平均高さ(hm)を、山谷間の水平距離の平均値である山谷間平均距離(Sm)で除した値を勾配比(hm/Sm)とし、勾配比(hm/Sm)の逆正接値tan−1(hm/Sm)を平均勾配角(θm)とした際、平均勾配角(θm)が5°以上および15°以下であり、かつ、平均勾配角(θm)の標準偏差が平均勾配角(θm)の30%以上および40%以下であり、かつ、山谷間平均高さ(hm)が0.5μm以上および2μm以下であり、かつ、算術平均粗さ(Ra)が0.2μm以上および0.6μm以下であることがより好ましい。
本発明の光学フィルムにおけるランダム凹凸形状面の凹凸形状を、平均勾配角(θm)、平均勾配角(θm)の標準偏差、山谷間平均高さ(hm)、算術平均粗さ(Ra)で表現したものである。ランダム凹凸形状面は、その平均勾配角(θm)が5〜15°であり、なだらかな凹凸形状を呈している。また、凸部と凸部の境目に平坦な面は存在せずに、凸部と凸部が隣接している。
また、本発明の光学フィルムにおける凹凸形状は、山谷間平均高さ(hm)及び山谷間平均距離(Sm)を鉛直方向の一辺及び水平方向の他辺とした断面矩形範囲を規定した凸部構造の測定基準領域内において、断面矩形範囲に対して凸部構造の占める割合を樹脂率、空気の占める割合を空隙率としたとき、樹脂率が60%以上70%未満または空隙率が30%以上40%未満であることが好ましい。
断面矩形範囲を想定した場合、該断面矩形範囲に占める凸部構造の構成材の樹脂の割合が樹脂率であり、断面矩形範囲に占める凸部構造以外の空気領域の割合が空隙率である。一つの断面矩形範囲内における樹脂率と空隙率の和は100%となる。樹脂率が60〜70%で、空隙率が30〜40%にすることで、凸部形状は上方湾曲円弧のような形状になる。
また、本発明の光学フィルムにおいて、薄膜が積層されていないランダム凹凸形状面を有する光学フィルムの場合、ヘイズ値が5%以上および30%以下であることが好ましい。
低屈折率樹脂の薄膜積層によるヘイズ値低下を考慮して、5〜30%の範囲にある透過鮮明度の高いランダム凹凸形状面とする。ヘイズ値が高いと透過透明度は低くなるが、拡散によって、ニュートンリング発生防止や反射防止の効果が高まる。
低屈折率樹脂の薄膜積層によるヘイズ値低下を考慮して、5〜30%の範囲にある透過鮮明度の高いランダム凹凸形状面とする。ヘイズ値が高いと透過透明度は低くなるが、拡散によって、ニュートンリング発生防止や反射防止の効果が高まる。
また、本発明の光学フィルムの作製方法は、上述の本発明の光学フィルムにおける低屈折率樹脂から成る薄膜を形成する方法であり、ランダム凹凸形状面の表面上に、低屈折樹脂をコーティングして、該凹凸形状に倣って均一に積層する。
本発明の光学フィルムによれば、従来の光学フィルムよりも効果的にニュートンリングの発生を防止し、かつ、密着防止が図れ、透明鮮明度に優れ、低反射であるといった効果を有する。
また、本発明の光学フィルムは、フィラーを用いず、紫外線硬化樹脂を用いて基材上に金型表面の凹凸を転写成形して作製するため、フィラーの脱落によるフィルムの視認性の低下や、フィルム内のフィラーに起因する内部拡散による画面のギラツキがないといった効果がある。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明していく。なお、本発明の範囲は、以下の実施例や図示例に限定されるものではなく、幾多の変更及び変形が可能である。
図1に、実施例1の光学フィルムの模式断面図を示す。実施例1の光学フィルム1は、基材2の片側の面に、高さ及び大きさが不均一な複数の凸部が各周囲に連なる谷部を境としてランダムに連続形成されたランダム凹凸形状を有する紫外線硬化樹脂層3が形成され、さらに、紫外線硬化樹脂層3のランダム凹凸形状面の表面上に該凹凸形状に倣って、低屈折率樹脂層4が均一に積層されている。
紫外線硬化樹脂層3のランダム凹凸形状は、球形粒子のブラストによって表面加工された金型によって凹凸が転写成形されたものである。基材には、PET(ポリエチレン・テレフタレート)が好適に用いられる。
図1の断面図に示すように、入射光10は低屈折率樹脂層4の表面で反射するもの、および、低屈折率樹脂層4と紫外線硬化樹脂層3の界面で反射するものがあり、それぞれ反射光11になる。
紫外線硬化樹脂層3のランダム凹凸形状は、球形粒子のブラストによって表面加工された金型によって凹凸が転写成形されたものである。基材には、PET(ポリエチレン・テレフタレート)が好適に用いられる。
図1の断面図に示すように、入射光10は低屈折率樹脂層4の表面で反射するもの、および、低屈折率樹脂層4と紫外線硬化樹脂層3の界面で反射するものがあり、それぞれ反射光11になる。
ここで、図6を用いて、光学干渉を利用した反射防止の原理を説明する。入射光10は、反射防止層21の表面と、基材20と反射防止層21の界面で反射する。反射防止層21の表面で反射する表面反射光12と界面で反射する裏面反射光13の位相を逆転させ打ち消し合わせることによって、反射光11を低減することが可能になる。表面反射光12と裏面反射光13の位相を打ち消し合わせるためには、反射防止層21の厚みd、屈折率を調整することが必要である。
次に、図2を参照して、実施例1の光学フィルムの機能について説明する。図2は、ランダム凹凸形状の1つの凸部の拡大断面を示している。基材2の上にランダム凹凸形状の紫外線樹脂層3が成形され、さらに紫外線硬化樹脂層3のランダム凹凸形状面の表面上に該凹凸形状に倣って低屈折率樹脂層4が積層されている。ランダム凹凸形状の紫外線樹脂層3の屈折率をn1、低屈折率樹脂層4の屈折率をn2とすると、n2はn1よりも屈折率が小さく、n2<n1の関係が成り立つように、樹脂材が選定されている。また、低屈折率樹脂層4の層厚(膜厚)をd(μm)とする。
入射光10が低屈折率樹脂層4の表面に到達すると、反射光(表面反射光)12と低屈折率樹脂層4の内部へ進む屈折光とに分かれる。屈折光が低屈折率樹脂層4と紫外線樹脂層3の界面に到達すると、更に反射光(裏面反射光)13と紫外線樹脂層3の内部へ進む屈折光(図示せず)とに分かれる。
ここで、αは正反射角、βは入射光に対する低屈折率樹脂層の屈折角を表す。表面反射光12と裏面反射光13には、図2に示すように光路差が生じる。表面反射光12と裏面反射光13の両反射光の光路差が可視光波長(λ)のm/2倍(m=1,3,5,・・・の奇数)になるようにすることで、裏面反射光13は表面反射光12を打ち消すことができる。また、光路差は、低屈折率樹脂層4の膜厚d(μm)、屈折率n2、屈折角βとすると、下記式1となる。すなわち、裏面反射光が表面反射光を打ち消す条件は、下記式2となる。
(数1)
光路差=2×n2dcosβ ・・・(式1)
光路差=2×n2dcosβ ・・・(式1)
(数2)
2×n2dcosβ=mλ/2 ・・・(式2)
(但し、m=1,3,5,・・・の奇数)
2×n2dcosβ=mλ/2 ・・・(式2)
(但し、m=1,3,5,・・・の奇数)
従って、設定される低屈折率樹脂層4の膜厚は、下記式3のようになる。
紫外線硬化樹脂層3のランダム凹凸形状面の表面上に該凹凸形状に倣って低屈折率樹脂層4を均一に積層させ、低屈折率樹脂層4の膜厚dを上記式3のように制御することで、裏面反射光が表面反射光を打ち消し、反射防止効果をより高めて、効果的にニュートンリングの発生を防止できることになる。
以下、具体的に、基材にランダム凹凸形状の紫外線硬化樹脂層を形成したサンプルを4つ作製し、紫外線硬化樹脂層だけ成形した場合と、紫外線硬化樹脂層に低屈折率樹脂層を積層した場合とで、反射角が30°,45°,60°のそれぞれの正反射率から平均反射率を比較した結果を以下に示す。
ここで、紫外線硬化樹脂層の屈折率n1は1.51であり、低屈折率樹脂層の屈折率n2は1.42である。また、平均高さ、算術平均粗さRaはJISに準拠した。また、透過鮮明度はJISK7105に準拠している。
なお、ブラストに用いる球形粒子や基材上に紫外線硬化樹脂を転写成形して形成したランダム凹凸形状構造については、上記の特許文献5に詳細に開示しているので、そちらを参考頂きたい。
なお、ブラストに用いる球形粒子や基材上に紫外線硬化樹脂を転写成形して形成したランダム凹凸形状構造については、上記の特許文献5に詳細に開示しているので、そちらを参考頂きたい。
(正反射写り込み評価方法)
正反射写り込みの評価に関しては、写り込みの発生状況を目視にて確認し、以下の基準で判定した。
◎:写り込み無し。
○:写り込みが若干あるが、気にならない程度。
×:写り込みが発生。視認性に影響あり。
正反射写り込みの評価に関しては、写り込みの発生状況を目視にて確認し、以下の基準で判定した。
◎:写り込み無し。
○:写り込みが若干あるが、気にならない程度。
×:写り込みが発生。視認性に影響あり。
(ニュートンリング防止効果の評価方法)
ニュートンリング防止効果の評価に関しては、ニュートンリングの発生状況を目視にて確認し、以下の基準で判定した。
◎:ニュートンリングの発生無し。
○:ニュートンリングの発生が若干あるが、気にならない程度。
×:ニュートンリングが発生。視認性に影響あり。
ニュートンリング防止効果の評価に関しては、ニュートンリングの発生状況を目視にて確認し、以下の基準で判定した。
◎:ニュートンリングの発生無し。
○:ニュートンリングの発生が若干あるが、気にならない程度。
×:ニュートンリングが発生。視認性に影響あり。
下表1は、PET基材に紫外線硬化樹脂層を形成した4つのサンプルのランダム凹凸形状を示している。ビーズ径が45〜63(μm)、平均粒径Dmが54(μm)の球形ビーズを用いて、ブラスト加工を行い、金型表面にランダム凹凸を設けて、該金型を用いてPET基材に紫外線硬化樹脂を転写成形し、紫外線硬化樹脂層を形成した。
表1に示すサンプル1〜4は、それぞれヘイズ値が6,9,13,28であり、それぞれ算術平均粗さRa、平均高さhm、高さの標準偏差δh、平均距離Sm、平均勾配角θm、勾配角の標準偏差δθ、正反射率、拡散反射率、空隙率、透過像鮮明度を、表1に示している。なお、透過鮮明度は、JIS K7374に基づいて、光学櫛を用いて測定している。
表1に示すサンプル1〜4は、それぞれヘイズ値が6,9,13,28であり、それぞれ算術平均粗さRa、平均高さhm、高さの標準偏差δh、平均距離Sm、平均勾配角θm、勾配角の標準偏差δθ、正反射率、拡散反射率、空隙率、透過像鮮明度を、表1に示している。なお、透過鮮明度は、JIS K7374に基づいて、光学櫛を用いて測定している。
表1のサンプル1〜4について、反射角が30°,45°,60°のそれぞれの正反射率、およびそれぞれの正反射率から平均反射率を算出したものを、比較例1〜4として、表2に纏める。すなわち、表2は、低屈折率樹脂層を設ける前の紫外線樹脂層のみが基材表面に成形されているフィルムで、紫外線樹脂層の屈折率n1が1.51のランダム凹凸形状面のα=30°,45°および60°における正反射率と平均反射率を示している。
なお、α=45°およびα=60°の正反射率(%)は、α=30°の各ヘイズに対する正反射率から試算したものである。
なお、α=45°およびα=60°の正反射率(%)は、α=30°の各ヘイズに対する正反射率から試算したものである。
一方、表3は、図1の如く、紫外線硬化樹脂層に低屈折率樹脂層を積層した光学フィルムのサンプル(実施例1−1〜1−4)について、ランダム凹凸形状面のα=30°,45°および60°における正反射率と平均反射率を示している。屈折率n1の紫外線樹脂層の上に、屈折率n2の低屈折率樹脂層を積層している。ここで、屈折率n2は1.42であり、屈折率n1よりも小さい屈折率である。
なお、表3における正反射率は、表2に基づいて、屈折率n1=1.51の樹脂に、屈折率n2=1.42の樹脂を積層した時の、α=30°、45°および60°における低屈折率樹脂層の表面の正反射率と、低屈折率樹脂層と紫外線硬化樹脂層の界面における裏面反射と、の光路差による低反射率効果を加味して試算したものである。
なお、表3における正反射率は、表2に基づいて、屈折率n1=1.51の樹脂に、屈折率n2=1.42の樹脂を積層した時の、α=30°、45°および60°における低屈折率樹脂層の表面の正反射率と、低屈折率樹脂層と紫外線硬化樹脂層の界面における裏面反射と、の光路差による低反射率効果を加味して試算したものである。
反射率は、基材面を基準にした法線からの入射光角が大きいほど反射率が大きくなり反射干渉縞の抑制が難しくなる。試算値として平均反射率として、30°、45°および60°における正反射率の平均を算出した。平均値が1%前後以下で十分反射干渉縞を抑制できると考えられる。
表3の結果から、紫外線硬化樹脂層に低屈折率樹脂層を積層した光学フィルムのサンプル(実施例1−1〜1−4)の全てについて、平均反射率が略1%以下であり、正反射写り込み評価、ニュートンリング防止評価が良好な評価結果となっている。
表3の結果から、紫外線硬化樹脂層に低屈折率樹脂層を積層した光学フィルムのサンプル(実施例1−1〜1−4)の全てについて、平均反射率が略1%以下であり、正反射写り込み評価、ニュートンリング防止評価が良好な評価結果となっている。
次に、図1の如く、紫外線硬化樹脂層に低屈折率樹脂層を積層した光学フィルムの実際のサンプルを3つ試作した。屈折率n1(=1.51)の紫外線樹脂層の上に、屈折率n2(=1.42)の低屈折率樹脂層を積層した試作サンプルである。
表4の結果は、実測の視感反射率(Y値)が、30°、45°および60°の正反射角反射率の平均値の試算結果とよく一致するとともに、1%以下で十分なウエットアウト防止効果や反射干渉縞を抑制効果あることが確認できた。
透過像鮮明度は、上記表3の結果から補完法で求めている。
表4の結果は、実測の視感反射率(Y値)が、30°、45°および60°の正反射角反射率の平均値の試算結果とよく一致するとともに、1%以下で十分なウエットアウト防止効果や反射干渉縞を抑制効果あることが確認できた。
透過像鮮明度は、上記表3の結果から補完法で求めている。
以上の結果から、本発明の光学フィルムによれば、従来技術によるAG(Anti Glare)・LR(Low Reflection)フィルムの反射率の1/2〜1/3の低反射化が図れることがわかる。ヘイズ値によってはAR(Anti Reflection)レベルの低反射率を達成している。試作サンプルのデータによると、AG・LRフィルムからAG(Anti Glare)・AR(Anti Reflection)フィルムのレベルが達成されているが、更に、低屈折率化あるいは低屈折率樹脂の多層化が進めば、さらに高品質で安価なAG・ARフィルムを提供することができよう。
従来技術に対する本発明の光学フィルムによる特性改善は、ランダム凹凸形状の紫外線硬化樹脂層の凹凸構造によるところが大きい。従来技術のAG層の場合、ビーズやフィラー充填によるもので、突起部に対し平坦部が大部分を占め、空隙率が80%以上であった。これに対し、本発明の光学フィルムによるAG層は、球面の集合であり平坦部はなく、空隙率も30%〜40%と低く、樹脂充填率が非常に高い。そのため、凹凸の拡散による低反射化の効果が従来技術のAG層よりも数倍高くなるのである。
図3に、実施例2の光学フィルムの模式断面図を示す。実施例2の光学フィルム100は、基材2の片側の面に、高さ及び大きさが不均一な複数の凸部が各周囲に連なる谷部を境としてランダムに連続形成されたランダム凹凸形状を有する紫外線硬化樹脂層3が形成され、紫外線硬化樹脂層3のランダム凹凸形状面の表面上に該凹凸形状に倣って、低屈折率樹脂層4が均一に積層され、さらに、低屈折率樹脂層4のランダム凹凸形状面の表面上に該凹凸形状に倣って、低屈折率樹脂層4よりも低屈折率の低屈折率樹脂層5が均一に積層されている。
すなわち、低屈折率樹脂層が2層積層され、各層の屈折率を積層される順にn2,n3とした場合に、n2>n3である。
実施例2の紫外線硬化樹脂層3のランダム凹凸形状は、実施例1と同様に、球形粒子のブラストによって表面加工された金型によって凹凸が転写成形されたものである。基材には、PET(ポリエチレン・テレフタレート)が用いられている。
実施例2の紫外線硬化樹脂層3のランダム凹凸形状は、実施例1と同様に、球形粒子のブラストによって表面加工された金型によって凹凸が転写成形されたものである。基材には、PET(ポリエチレン・テレフタレート)が用いられている。
次に、図4を参照して、実施例2の光学フィルムの機能について説明する。図4は、ランダム凹凸形状の1つの凸部の拡大断面を示している。基材2の上にランダム凹凸形状の紫外線樹脂層3が成形され、さらに紫外線硬化樹脂層3のランダム凹凸形状面の表面上に該凹凸形状に倣って低屈折率樹脂層4が積層され、さらに低屈折率樹脂層4のランダム凹凸形状面の表面上に該凹凸形状に倣って低屈折率樹脂層5が積層されている。
ランダム凹凸形状の紫外線樹脂層3の屈折率をn1、低屈折率樹脂層4の屈折率をn2、低屈折率樹脂層5の屈折率をn3とすると、n3<n2<n1の関係が成り立つように、それぞれの樹脂材が選定されている。また、低屈折率樹脂層5の層厚(膜厚)をd(μm)とする。
ランダム凹凸形状の紫外線樹脂層3の屈折率をn1、低屈折率樹脂層4の屈折率をn2、低屈折率樹脂層5の屈折率をn3とすると、n3<n2<n1の関係が成り立つように、それぞれの樹脂材が選定されている。また、低屈折率樹脂層5の層厚(膜厚)をd(μm)とする。
実施例1の場合と同様、入射光10が低屈折率樹脂層5の表面に到達すると、反射光(表面反射光)12と低屈折率樹脂層5の内部へ進む屈折光とに分かれる。屈折光が低屈折率樹脂層5と低屈折率樹脂層4の界面に到達すると、更に反射光(裏面反射光)13と低屈折率樹脂層4の内部へ進む屈折光とに分かれる。低屈折率樹脂層4の内部へ進む屈折光が低屈折率樹脂層4と紫外線硬化樹脂層3の界面に到達すると、反射光(裏面反射光)16と紫外線硬化樹脂層3の内部へ進む屈折光(図示せず)とに分かれる。
反射光(裏面反射光)16は、図4に示すように、低屈折率樹脂層4と紫外線硬化樹脂層3の界面で反射した後、低屈折率樹脂層5と低屈折率樹脂層4の界面に到達し屈折して低屈折率樹脂層5の内部へ進み、低屈折率樹脂層5と空気の界面に到達し屈折して進む。
反射光(裏面反射光)16は、図4に示すように、低屈折率樹脂層4と紫外線硬化樹脂層3の界面で反射した後、低屈折率樹脂層5と低屈折率樹脂層4の界面に到達し屈折して低屈折率樹脂層5の内部へ進み、低屈折率樹脂層5と空気の界面に到達し屈折して進む。
ここで、αは正反射角、βは入射光に対する低屈折率樹脂層5の屈折角を表す。表面反射光12と裏面反射光13、表面反射光12と裏面反射光16には、図4に示すように光路差が生じる。実施例1と同様に、表面反射光12と裏面反射光13の両反射光の光路差が可視光波長(λ)のm/2倍(m=1,3,5,・・・の奇数)になるようにすることで、裏面反射光13は表面反射光12を打ち消すことができる。また、表面反射光12と裏面反射光16の両反射光の光路差が可視光波長(λ)のm/2倍(m=1,3,5,・・・の奇数)になるようにすることで、裏面反射光16は表面反射光12を打ち消すことができる。
表面反射光12と裏面反射光13の両反射光の光路差は、低屈折率樹脂層5の膜厚d5(μm)、屈折率n3、屈折角βとすると、下記式4となる。すなわち、裏面反射光13が表面反射光12を打ち消す条件は下記式5となり、設定される低屈折率樹脂層5の膜厚は、下記式6のようになる。
また、表面反射光12と裏面反射光16の両反射光の光路差は、低屈折率樹脂層5の膜厚d5(μm)、屈折率n3、屈折角β、低屈折率樹脂層4の膜厚d4(μm)、屈折率n2、屈折角γとすると、下記式7となる。ここで、下記式5が成立していることを利用すると、裏面反射光16が表面反射光12を打ち消す条件は下記式8となり、設定される低屈折率樹脂層4の膜厚は、下記式9のようになる。
(数4)
光路差=2×n3d5cosβ ・・・(式4)
光路差=2×n3d5cosβ ・・・(式4)
(数5)
2×n3d5cosβ=mλ/2 ・・・(式5)
(但し、m=1,3,5,・・・の奇数)
2×n3d5cosβ=mλ/2 ・・・(式5)
(但し、m=1,3,5,・・・の奇数)
(数7)
光路差=2×n3d5cosβ+2×n2d4cosγ ・・・(式7)
光路差=2×n3d5cosβ+2×n2d4cosγ ・・・(式7)
(数8)
2×n3d5cosβ+2×n2d4cosγ=mλ/2 ・・・(式8)
(但し、m=1,3,5,・・・の奇数)
2×n3d5cosβ+2×n2d4cosγ=mλ/2 ・・・(式8)
(但し、m=1,3,5,・・・の奇数)
紫外線硬化樹脂層3のランダム凹凸形状面の表面上に該凹凸形状に倣って低屈折率樹脂層4を均一に積層させ、低屈折率樹脂層4の膜厚d4を上記式6のように制御し、さらに、低屈折率樹脂層4のランダム凹凸形状面の表面上に該凹凸形状に倣って低屈折率樹脂層5を均一に積層させ、低屈折率樹脂層5の膜厚d5を上記式9のように制御することで、裏面反射光が表面反射光を打ち消し、反射防止効果をより高めて、効果的にニュートンリングの発生を防止できることになる。
以上説明したように、積層された薄膜の各膜厚は、対応する薄膜層の表面反射光を裏面反射光で打ち消すように、両反射光の光路差が可視光波長(λ)のm/2倍(m=1,3,5,・・・の奇数)になるように設定されるようにする。
以上説明したように、積層された薄膜の各膜厚は、対応する薄膜層の表面反射光を裏面反射光で打ち消すように、両反射光の光路差が可視光波長(λ)のm/2倍(m=1,3,5,・・・の奇数)になるように設定されるようにする。
図5に、実施例3の光学フィルムの模式断面図を示す。実施例3の光学フィルム110は、基材2の片側の面に、高さ及び大きさが不均一な複数の凸部が各周囲に連なる谷部を境としてランダムに連続形成されたランダム凹凸形状を有する紫外線硬化樹脂層3が形成され、紫外線硬化樹脂層3のランダム凹凸形状面の表面上に該凹凸形状に倣って、ハードコート層8が設けられる。そして、ハードコート層8の上に低屈折率樹脂層4が均一に積層されている。
つまり、光学フィルム110は、ランダム凹凸形状面の紫外線硬化樹脂層3、ハードコート層8、低反射の低屈折率樹脂層4が順に積層された構造である。ハードコート層8の上に低反射層が設けられることで、ハードコートの効果が向上する。
つまり、光学フィルム110は、ランダム凹凸形状面の紫外線硬化樹脂層3、ハードコート層8、低反射の低屈折率樹脂層4が順に積層された構造である。ハードコート層8の上に低反射層が設けられることで、ハードコートの効果が向上する。
ハードコート層8の厚みは、ランダム凹凸形状面を形成する紫外線硬化樹脂層3の屈折率n1、ハードコート層8の屈折率nhとすると、双方の層の屈折率の大小を考慮して設定される。
(条件1)ハードコート層8の屈折率nhが紫外線硬化樹脂層3の屈折率n1より小さい、即ちnh<n1である場合、ハードコート層8の表面反射光と、紫外線硬化樹脂層3とハードコート層8の界面における反射光(裏面反射光)の光路差を、可視光波長(λ)のm/2倍(m=1,3,5,・・・の奇数)になるように、ハードコート層8の厚みを設定する。
(条件1)ハードコート層8の屈折率nhが紫外線硬化樹脂層3の屈折率n1より小さい、即ちnh<n1である場合、ハードコート層8の表面反射光と、紫外線硬化樹脂層3とハードコート層8の界面における反射光(裏面反射光)の光路差を、可視光波長(λ)のm/2倍(m=1,3,5,・・・の奇数)になるように、ハードコート層8の厚みを設定する。
(条件2)ハードコート層8の屈折率nhが紫外線硬化樹脂層3の屈折率n1以上、即ちnh>=n1である場合、ハードコート層8の表面反射光と、紫外線硬化樹脂層3とハードコート層8の界面における反射光(裏面反射光)の光路差を、可視光波長(λ)のk倍(k=1,2,3,・・・の整数)になるように、ハードコート層8の厚みを設定する。
上記のどちらかの条件を満足することにより、ハードコート層の表面反射光を、紫外線硬化樹脂層3とハードコート層8の界面における反射光(裏面反射光)で打ち消すことができる。
上記のどちらかの条件を満足することにより、ハードコート層の表面反射光を、紫外線硬化樹脂層3とハードコート層8の界面における反射光(裏面反射光)で打ち消すことができる。
(その他の実施例)
上記実施例では、基材としてPETを例示したが、その他の基材、例えば、TAC(トリアセチルセルロース)、COP(シクロオレフィンポリマー)、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂を使用するものでも構わない。
上記実施例では、基材としてPETを例示したが、その他の基材、例えば、TAC(トリアセチルセルロース)、COP(シクロオレフィンポリマー)、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂を使用するものでも構わない。
本発明の光学フィルムは、コンピュータ、テレビ、携帯電話、タブレット端末などのモバイル端末などの表示装置(液晶表示装置、プラズマディスプレイ装置、有機又は無機EL表示装置など)と組合せて用いるタッチパネルに有用である。
1,100,110 光学フィルム
2,20 基材
3 紫外線硬化樹脂層
4,5 低屈折率樹脂層
8 ハードコート層
10,14 入射光
11 反射光
12 表面反射光
13,16 裏面反射光
15 基材面の法線
21 反射防止層
d 膜厚
α 正反射角
β,γ 屈折角
2,20 基材
3 紫外線硬化樹脂層
4,5 低屈折率樹脂層
8 ハードコート層
10,14 入射光
11 反射光
12 表面反射光
13,16 裏面反射光
15 基材面の法線
21 反射防止層
d 膜厚
α 正反射角
β,γ 屈折角
Claims (8)
- 光学フィルム基材上に紫外線硬化樹脂を用いて金型表面の凹凸が転写成形され、ランダム凹凸形状面を有する光学フィルムにおいて、
前記紫外線硬化樹脂の屈折率n1よりも低屈折率n2の低屈折率樹脂から成る薄膜が、所定の膜厚で、前記ランダム凹凸形状面の表面上に該凹凸形状に倣って均一に積層され、
前記所定の膜厚は、薄膜層の表面反射光を裏面反射光で打ち消すように、両反射光の光路差が可視光波長(λ)のm/2倍(m=1,3,5,・・・の奇数)になるように設定され、優れたアンチニュートン効果を有することを特徴とする光学フィルム。 - 光学フィルム基材上に紫外線硬化樹脂を用いて金型表面の凹凸が転写成形され、ランダム凹凸形状面を有する光学フィルムにおいて、
前記紫外線硬化樹脂の屈折率n1よりも低屈折率の低屈折率樹脂から成る薄膜が、前記ランダム凹凸形状面の表面上に該凹凸形状に倣って均一に2層以上積層され、各層の屈折率を積層される順にn2,n3,n4,・・・とした場合に、n2>n3>n4>・・・であり、
積層された薄膜の各膜厚は、対応する薄膜層の表面反射光を裏面反射光で打ち消すように、両反射光の光路差が可視光波長(λ)のm/2倍(m=1,3,5,・・・の奇数)になるように設定され、優れたアンチニュートン効果を有することを特徴とする光学フィルム。 - 前記ランダム凹凸形状面に隣接する層として、該ランダム凹凸形状面と前記薄膜との間にハードコート層が設けられ、
前記ハードコート層の厚みは、該ハードコート層の表面反射光を裏面反射光で打ち消すように、
1)前記紫外線硬化樹脂の屈折率が該ハードコート層の屈折率よりも大きい場合には、両反射光の光路差が可視光波長(λ)のm/2倍(m=1,3,5,・・・の奇数)になるように設定され、
2)前記紫外線硬化樹脂の屈折率が該ハードコート層の屈折率よりも小さいか等しい場合には、両反射光の光路差が可視光波長(λ)のk倍(k=1,2,3,・・・の整数)になるように設定される、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光学フィルム。 - 前記薄膜の積層後の光学フィルムのヘイズ値が2%以上および15%以下であり、視感反射率(Y値)が2%以下である、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学フィルム。
- 前記凹凸形状は、測定基準領域内において、山谷間の高さの平均値である山谷間平均高さ(hm)を、山谷間の水平距離の平均値である山谷間平均距離(Sm)で除した値を勾配比(hm/Sm)とし、勾配比(hm/Sm)の逆正接値tan−1(hm/Sm)を平均勾配角(θm)とした際、平均勾配角(θm)が5°以上および15°以下であり、かつ、平均勾配角(θm)の標準偏差が平均勾配角(θm)の30%以上および40%以下であり、
前記山谷間平均高さ(hm)が0.5μm以上および2μm以下であり、
算術平均粗さ(Ra)が0.2μm以上および0.6μm以下である、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学フィルム。 - 前記山谷間平均高さ(hm)及び山谷間平均距離(Sm)を鉛直方向の一辺及び水平方向の他辺とした断面矩形範囲を規定した凸部構造の測定基準領域内において、前記断面矩形範囲に対して凸部構造の占める割合を樹脂率、空気の占める割合を空隙率としたとき、樹脂率が60%以上70%未満または空隙率が30%以上40%未満であることを特徴とする請求項5に記載の光学フィルム。
- 前記薄膜が積層されていない前記ランダム凹凸形状面を有する光学フィルムにおいて、ヘイズ値が5%以上および30%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光学フィルム。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の光学フィルムにおける前記低屈折率樹脂から成る薄膜を形成する方法であって、
前記ランダム凹凸形状面の表面上に、樹脂をコーティングして、該凹凸形状に倣って均一に積層する、光学フィルムの作製方法。
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