JP2016110031A - タッチパネル付光学積層体、偏光板、画像表示装置及びニュートンリングの発生の抑制方法 - Google Patents
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Abstract
Description
ところで、このようなタッチパネルが設けられた液晶表示パネルは、以下のような理由から、タッチパネルと液晶表示パネルとは、僅かな隙間を設けて配設されている。
すなわち、タッチパネルと液晶表示パネルとでは製造条件が異なることから、タッチパネルと液晶表示パネルとを一体的に形成して隙間が完全にないようにすることは、事実上困難又は不可能である。また、タッチパネルと液晶表示パネルとを別々に製造し、その後タッチパネルを液晶表示パネルに取り付けることで最終製品を製造することができるため、製造後にタッチパネルに不具合が見つかった場合、タッチパネルのみを交換することができる。
しかしながら、樹脂材料を充填して最終的な製品を製造することは、最終製品を製造した後にタッチパネルに不具合が見つかったとしても、該タッチパネルのみを交換することはできない。また、樹脂材料をタッチパネルと液晶表示パネルとの隙間に完全に充填することは困難であり、気泡が含まれた状態となると表示画像の欠陥の原因となるものであった。
しかしながら、特許文献2には凹凸を設けることで反射率を低減できることの記載はあるものの、その値は3.0%程度であり、このような反射率ではニュートンリングの発生を充分に抑制することはできなかった。また、特許文献2では、凹凸の形状については全く検討されていない。
また、上記低屈折率層(A)及び低屈折率層(B)は、上記バインダー樹脂の固形分100質量部に対する上記中空状シリカ微粒子の含有量が80〜200質量部であることが好ましい。
また、本発明のタッチパネル付光学積層体において、上記低屈折率層(A)及び低屈折率層(B)は、平均粒子径が80〜300nmの中実シリカ微粒子を更に含有することが好ましい。
本発明はまた、上述のタッチパネル付光学積層体、又は、上述の偏光板を備えることを特徴とする画像表示装置でもある。
本発明はまた、光透過性基材の一方の面上にハードコート層及び低屈折率層(A)がこの順に積層された光学フィルムと、一方の面上に低屈折率層(B)を備えたタッチパネルとが対向配置されたタッチパネル付光学積層体を用いたニュートンリングの発生の抑制方法であって、上記光学フィルムと前記タッチパネルとは、互いに隙間を持った状態で上記低屈折率層(A)と上記低屈折率層(B)とが向き合うように対向配置されており、上記低屈折率層(A)の上記低屈折率層(B)側の表面(A)、及び、上記低屈折率層(B)の上記低屈折率層(A)側の表面(B)には凹凸が形成されており、上記表面(A)及び表面(B)の反射Y値が0.1%以上、1.5%未満であり、上記表面(A)及び表面(B)の凹凸は、10点平均粗さ(Rz)が20〜90nm、平均傾斜角(Δa)が5〜20°であることを特徴とするニュートンリングの発生の抑制方法でもある。
なお、本明細書において、「樹脂」とは、特に言及しない限り、モノマー、オリゴマー等も包含する概念である。
以下に、本発明を詳細に説明する。
このような構成の本発明のタッチパネル付光学積層体は、以下の知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、タッチパネルシステムの構造上、ニュートンリングが生じることは原理的に防ぐことができない。従って、発生するニュートンリングを検知しにくいようにする必要がある。
ニュートンリングを検知しにくくするには、ニュートンリングの強さの絶対値を下げる、すなわち、暗線(明線)の濃度を下げるためタッチパネルシステム中の対向する二つの界面を共に反射防止層とすることで反射光量そのものを減らす。
また、明暗線を円から複雑な線に変え、シンプルな幾何学的な線は検知されにくいという人の感性を利用する。
また、迷彩されると検知される感度が悪くなるため、明(暗)線の太さを不均一にする、すなわち、タッチパネルシステム中の対向する二つの界面に表面凹凸を設けることで、該界面間の距離の2倍が波長の整数倍と半波長ずれる位置が同心円にならないようにする。
また、明暗の変化を緩やかになると検知される感度が悪くなるため、隣接する明暗線のコントラストを低下させる、すなわち、ニュートンリングの間に凹凸を持たせ、微小干渉を生じることで設置混合されて明暗差が減少する。
以上、説明した手法を用いると、発生するニュートンリングを検知しにくいようにできる。
なお、本発明のタッチパネル付光学積層体では、上記光学フィルムの低屈折率層は、上述したようにタッチパネルが存在するため最表面となることはない。よって、上記光学フィルムの低屈折率層には、製造工程において傷付かない程度の耐擦傷性があれば充分であり、低屈折率層の表面に上述した特定の凹凸形状が形成されていることが耐擦傷性の観点から問題となることはない。具体的には、本発明のタッチパネル付光学積層体は、上記光学フィルムの低屈折率層に対し、スチールウール(「ボンスター#0000(商品名)」、日本スチールウール社製)を用いて摩擦加重100g/cm2で10往復摩擦した後に目視にて傷が確認されない程度の耐擦傷性を有するものであることが好ましい。
図1に示したように、本発明のタッチパネル付光学積層体10は、光学フィルム11と該光学フィルム11と対向配置されたタッチパネル15とを有する。
光学フィルム11は、光透過性基材12の一方の面上にハードコート層13及び低屈折率層(A)14がこの順に積層された構成を有し、タッチパネル15は一方の面上に低屈折率層(B)16を備えた構造を有する。
また、光学フィルム11とタッチパネル15とは、互いに隙間を持った状態で低屈折率層(A)14と低屈折率層(B)16とが向き合うように対向配置されている。
上記表面(A)及び表面(B)(以下、両者をまとめて「表面」ともいう)の凹凸は、10点平均粗さ(Rz)が20〜90nm、平均傾斜角(Δa)が5〜20°である。このような特定のパラメータを満たす凹凸形状が上記表面に設けられていることで、本発明のタッチパネル付光学積層体は、ニュートンリングの発生を極めて高度に抑制することができる。
なお、従来、防眩性付与を目的として、表面に凹凸形状を有する防眩層を備えた防眩性フィルムが知られているが、本発明の光学積層体は、このような従来の防眩性フィルムとは異なるものである。
すなわち、本発明の光学積層体は、ニュートンリングの発生を抑制するために上記表面(A)及び表面(B)に特定の凹凸形状が形成されているのであり、該表面(A)及び表面(B)に形成された凹凸形状は、従来の防眩性フィルムの表面に形成された凹凸形状と比較して、上記Rzの値が極めて小さなものである。従って、このような凹凸形状が形成された本発明の光学積層体では、従来の防眩性フィルムのような防眩性は得られない。一方で、本発明によると、ニュートンリングの発生を極めて高度に抑制することができる。
なお、上記反射Y値とは、島津製作所社製MPC3100分光光度計にて、5°正反射率を380〜780nmまでの波長範囲で測定し、その後、人間が目で感じる明度として換算するソフト(MPC3100内蔵)で算出される、視感反射率を示す値である。
ここで、基本的には上記反射Y値が小さいほど、ニュートンリングの発生の抑制を良好に行えるが、該ニュートンリングの発生の抑制の効果は、上記反射Y値と上記平均傾斜角(Δa)とが連関して発揮される。このため、例えば、上記反射Y値が小さな値であっても、上記平均傾斜角(Δa)が小さな値であると、ニュートンリングの発生の抑制の効果は小さくなり、逆に、上記反射Y値が大きな値であっても、上記平均傾斜角(Δa)が大きな値であると、ニュートンリングの発生の抑制の効果は大きくなる。
なお、上記低屈折率層とは、本発明のタッチパネル付光学積層体を構成する光透過性基材等の低屈折率層以外の構成物の屈折率よりも低い屈折率であり、可視光線の優れた反射防止性能を発揮する層である。
すなわち、上記中空状シリカ微粒子とバインダー樹脂としてフッ素原子含有樹脂とを含む低屈折率層は、これらを含む低屈折率層用組成物を用いて塗膜を形成し、該塗膜を乾燥、硬化させることで形成される。
上記低屈折率層用組成物において、上記中空状シリカ微粒子が均一に分散した状態にあると、形成する低屈折率層の表面に上述したニュートンリングの発生を抑制できるような凹凸形状を形成することは困難である。しかしながら、上記中空状シリカ微粒子は、その表面が親水性であるのに対し、上記フッ素原子含有樹脂は疎水性の樹脂であるため、上記低屈折率層用組成物において上記中空状シリカ微粒子とフッ素原子含有樹脂とは相溶性が悪く、上記塗膜中の中空状シリカ微粒子は、空気層側(低屈折率層としたときの表面側)の界面付近に多く偏在することとなる。このように中空状シリカ微粒子が偏在した状態の塗膜を乾燥、硬化させて低屈折率層を形成すると、低屈折率層の表面付近に中空状シリカ微粒子が多く存在することとなり、該中空状シリカ微粒子による凹凸を好適に形成することができる。
このように中空状シリカ微粒子による凹凸を好適に形成することができるため、低屈折率層の表面に形成される凹凸形状を、上述したパラメータの範囲に制御することができる。
なお、上記中空状シリカ微粒子の平均粒子径とは、該中空状シリカ微粒子単独の場合、動的光散乱法により測定された値を意味する。一方、上記低屈折率層中の中空状シリカ微粒子の平均粒子径は、低屈折率層の断面をSTEM等で観察し、任意の中空状シリカ微粒子30個を選択してその断面の粒子径を測定し、その平均値として算出される値である。
上記中実シリカ微粒子は、低屈折率層に微小な凹凸を形成させるための材料であり、また、上記中実シリカ微粒子を含有することで、上記低屈折率層の硬度を高くすることもできる。なお、本明細書において、「中実シリカ微粒子」とは、上述した中空状シリカ微粒子とは異なり、内部に気体が充填されていない構造であり、シリカ微粒子本来の屈折率を備えたシリカ微粒子を意味する。
ここで、上記中実シリカ微粒子の平均粒子径とは、上述した中空状シリカ微粒子と同様にして測定された値を意味する。
上記フッ素原子含有樹脂としては、少なくとも分子中にフッ素原子を含む重合性化合物又はその重合体であることが好ましい。
上記重合性化合物としては特に限定されないが、例えば、電離放射線で硬化する官能基、熱硬化する極性基等の硬化反応性の基を有するものが好ましい。また、これらの反応性の基を同時に併せ持つ化合物でもよい。この重合性化合物に対し、重合体とは、上記のような反応性基などを一切もたないものである。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
上記熱硬化性極性基を持つ重合性化合物としては、例えば、4−フルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体;フルオロエチレン−炭化水素系ビニルエーテル共重合体;エポキシ、ポリウレタン、セルロース、フェノール、ポリイミド等の各樹脂のフッ素変性品等が挙げられる。
上記電離放射線で硬化する官能基と熱硬化する極性基とを併せ持つ重合性化合物としては、アクリル又はメタクリル酸の部分及び完全フッ素化アルキル、アルケニル、アリールエステル類、完全又は部分フッ素化ビニルエーテル類、完全又は部分フッ素化ビニルエステル類、完全又は部分フッ素化ビニルケトン類等が挙げられる。
また、これらの共重合体にシリコーン成分を含有させたシリコーン含有フッ化ビニリデン共重合体も含有していてもよい。この場合のシリコーン成分としては、例えば、(ポリ)ジメチルシロキサン、(ポリ)ジエチルシロキサン、(ポリ)ジフェニルシロキサン、(ポリ)メチルフェニルシロキサン、アルキル変性(ポリ)ジメチルシロキサン、アゾ基含有(ポリ)ジメチルシロキサン、ジメチルシリコーン、フェニルメチルシリコーン、アルキル・アラルキル変性シリコーン、フルオロシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、脂肪酸エステル変性シリコーン、メチル水素シリコーン、シラノール基含有シリコーン、アルコキシ基含有シリコーン、フェノール基含有シリコーン、メタクリル変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられる。なかでも、ジメチルシロキサン構造を有するものが好ましい。
なお、上記バインダー樹脂が上記フッ素原子含有バインダーのみであると、低屈折率層の硬度が悪くなるため、上述した(メタ)アクリル樹脂は必須となる。
上記その他の樹脂成分としては、例えば、紫外線硬化型樹脂が挙げられ、本発明では、特に(メタ)アクリル樹脂が好適に用いられる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル又はメタクリルを意味する。
上記(メタ)アクリル樹脂としては、(メタ)アクリルモノマーの重合体又は共重合体が挙げられ、上記(メタ)アクリルモノマーとしては特に限定されないが、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)テトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリ(メタ)アクリレート等が好適に挙げられる。
また、これら(メタ)アクリレートモノマーは、分子骨格の一部を変性しているものでもよく、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、カプロラクトン、イソシアヌル酸、アルキル、環状アルキル、芳香族、ビスフェノール等による変性がなされたものも使用することができる。
これらの(メタ)アクリルモノマーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。これらの(メタ)アクリルモノマーは、後述するような屈折率の範囲を満たすとともに硬化反応性に優れ、得られる低屈折率層の硬度を向上させることができる。
なお、上記(メタ)アクリルモノマーの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算により求めることができる。GPC移動相の溶剤には、テトラヒドロフランやクロロホルムを使用することができる。測定用カラムは、テトラヒドロフラン用又はクロロホルム用のカラムの市販品カラムを組み合わせて使用するとよい。上記市販品カラムとしては、例えば、Shodex GPC KF−801、GPC−KF800D(いずれも、商品名、昭和電工社製)等を挙げることができる。検出器には、RI(示差屈折率)検出器及びUV検出器を使用するとよい。このような溶剤、カラム、検出器を使用して、例えば、Shodex GPC−101(昭和電工社製)等のGPCシステムにより、上記重量平均分子量を適宜測定することができる。
上記低屈折率層用組成物は、更に溶剤を含有していてもよい。
上記溶剤としては特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、ベンジルアルコール、PGME等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ヘプタノン、ジイソブチルケトン、ジエチルケトン等のケトン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル、PGMEA等のエステル;ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素;メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドン等のアミド;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル;1−メトキシ−2−プロパノール等のエーテルアルコール等が挙げられる。なかでも、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール(IPA)、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、PGME、PGMEAが好ましい。
上記その他の成分としては、例えば、光重合開始剤、レベリング剤、架橋剤、硬化剤、重合促進剤、粘度調整剤、帯電防止剤、上述した以外の樹脂等が挙げられる。
また、上記低屈折率層用組成物がカチオン重合性官能基を有する樹脂系を含有する場合、上記光重合開始剤としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等が挙げられ、これらは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。具体的には、チバスペシャリティーケミカルズ社製のイルガキュア184、イルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア379、イルガキュア819、イルガキュア127、イルガキュア500、イルガキュア754、イルガキュア250、イルガキュア1800、イルガキュア1870、イルガキュアOXE01、DAROCUR TPO、DAROCUR1173;日本シーベルヘグナー社製のSpeedcureMBB、SpeedcurePBZ、SpeedcureITX、SpeedcureCTX、SpeedcureEDB、Esacure ONE、Esacure KIP150、Esacure KTO46;日本化薬社製のKAYACURE DETX−S、KAYACURE CTX、KAYACURE BMS、KAYACURE DMBI等が挙げられる。なかでも、イルガキュア369、イルガキュア127、イルガキュア907、Esacure ONE、SpeedcureMBB、SpeedcurePBZ、KAYACURE DETX−Sが好ましい。
上記光重合開始剤の添加量は、上記バインダー樹脂の固形分100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましい。
上記レベリング剤、架橋剤、硬化剤、重合促進剤、粘度調整剤、帯電防止剤、その他の樹脂は、公知のものを使用することができる。
dA=mλ/(4nA) (1)
(上記式中、
nAは低屈折率層の屈折率を表し、
mは正の奇数を表し、好ましくは1を表し、
λは波長であり、好ましくは480〜580nmの範囲の値である)
を満たすものが好ましい。
120<nAdA<145 (2)
を満たすことが低反射率化の点で好ましい。
上記低屈折率層用組成物を塗布する方法としては特に限定されず、例えば、スピンコート法、ディップ法、スプレー法、ダイドコート法、バーコート法、ロールコーター法、メニスカスコーター法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、ピードコーター法等の各種方法が挙げられる。
上記光透過性基材は、平滑性、耐熱性を備え、機械的強度に優れたものが好ましい。光透過性基材を形成する材料の具体例としては、例えば、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、又は、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂が挙げられる。好ましくは、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、セルローストリアセテートが挙げられる。
また、トリアセチルセルロースの代替基材として旭化成ケミカルズ社製のFVシリーズ(低複屈折率、低光弾性率フィルム)も好ましい。
上記樹脂としては、透明性のものが好適に用いられ、具体的には、紫外線若しくは電子線により硬化する樹脂である電離放射線硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂と溶剤乾燥型樹脂(塗工時に固形分を調整するために添加した溶剤を乾燥させるだけで、被膜となるような樹脂)との混合物、又は、熱硬化型樹脂等が挙げられ、好ましくは電離放射線硬化型樹脂が挙げられる。
上記光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチュウラムモノサルファイド、チオキサントン類等が挙げられる。
また、光増感剤を混合して用いることが好ましく、その具体例としては、例えば、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホソフィン等が挙げられる。
上記溶剤乾燥型樹脂の添加により、塗布面の塗膜欠陥を有効に防止することができる。本発明の好ましい態様によれば、光透過性基材の材料がセルローストリアセテート等のセルロース系樹脂の場合、熱可塑性樹脂の好ましい具体例としては、セルロース系樹脂、例えば、ニトロセルロース、アセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、エチルヒドロキシエチルセルロース等が挙げられる。
上記熱硬化性樹脂を用いる場合、必要に応じて、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤等を更に添加して使用することができる。
上記光透過性基材と低屈折率層(A)との間に上記ハードコート層が形成された構造の上記光学フィルムは、更に、上記ハードコート層と、光透過性基材又は低屈折率層との間に、公知の帯電防止剤とバインダー樹脂とからなる帯電防止層が形成された構造であってもよい。
上記光学フィルムのヘイズは、1%未満であることが好ましく、0.5%未満であることがより好ましい。
上記ハードコート層及び低屈折率層を形成する方法としては、上述したとおりである。
上記タッチパネルとしては特に限定されず、例えば、表面にITO等の透明導電膜を形成した電極フィルムを2枚用い、透明導電膜側が向かい合うようにそれぞれの電極フィルムを対向させ、スペーサ等で一定間隔を隔てるように構成し、非入力側の電極フィルムの透明導電膜と反対側の表面に、上述した低屈折率層(B)が形成された構造が挙げられる。
なお、上記タッチパネルの低屈折率層(B)以外の構成部材としては、液晶表示パネル等の表示装置の画面上に装着された入力装置として使用されている従来公知のタッチパネルと同様のものを用いることができる。
また、上記タッチパネルは、上記非入力側の電極フィルムの透明導電膜と反対側の表面に、粘着層を介して、上記光学フィルムと同様に、光透過性基材、ハードコート層及び低屈折率層(B)がこの順に積層された構成であってもよい。上記粘着層を構成する粘着剤としては、光透過性基材や偏光板等の光学部品を強固に接着でき、しかも高温、高湿の条件下におかれても発泡しないものが好ましく、例えば、アクリル系粘着剤が好適に用いられる。
このようなタッチパネルは、静電容量式、光学式、超音波式、薄膜抵抗式等のいずれの形式であってもよい。
上記光学フィルムとタッチパネルとが形成する隙間としては特に限定されず、例えば、従来公知のタッチパネルを搭載した液晶パネルにおける隙間と同程度の範囲に適宜調整される。また、上記光学フィルムとタッチパネルとを対向配置させる方法も特に限定されず、従来公知の方法が挙げられる。
上記偏光素子と本発明のタッチパネル付光学積層体とのラミネート処理においては、光透過性基材(好ましくは、トリアセチルセルロースフィルム)にケン化処理を行うことが好ましい。ケン化処理によって、接着性が良好になり帯電防止効果も得ることができる。
上記画像表示装置は、LCD、PDP、FED、ELD(有機EL、無機EL)、CRT、タブレットPC、タッチパネル、電子ペーパー等の画像表示装置であってもよい。
このため、本発明のタッチパネル付光学積層体は、陰極線管表示装置(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、電子ペーパー、タブレットPC等に好適に適用することができる。
(光学フィルムの作製)
光透過性基材(セルローストリアセテートフィルム、厚み60μm、富士フイルム社製、TD60UL P)を準備し、該光透過性基材の片面に、下記に示した組成のハードコート層用組成物を塗布し、塗膜を形成した。
次いで、形成した塗膜に対して、0.2m/sの流速で70℃の乾燥空気を15秒間流通させた後、更に10m/sの流速で70℃の乾燥空気を30秒間流通させて乾燥させることにより塗膜中の溶剤を蒸発させた。
その後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン社製、光源Hバルブ)を用いて、紫外線を窒素雰囲気(酸素濃度200ppm以下)下にて積算光量が50mJ/cm2になるように照射して塗膜を硬化させることにより、厚さ10μm(硬化時)のハードコート層を形成した。
ウレタンアクリレート(UV1700B、日本合成社製) 50質量部
ポリエステルアクリレート(M9050、東亜合成社製) 50質量部
重合開始剤(イルガキュア184;BASF社製) 4質量部
メチルエチルケトン 150質量部
中空状シリカ微粒子(平均粒径:50nm)(日揮触媒化成社製) 140質量部
フッ素含有ポリマー(JN35)(JSR社製) 15質量部(固形分)
フッ素含有モノマー(LINC3A)(協栄社化学社製) 55質量部(固形分)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(日本化薬社製) 30質量部
重合開始剤(イルガキュア127)(BASF社製) 7質量部
変性シリコーンオイル(X22164E)(信越化学社製) 5質量部
メチルイソブチルケトン 7000質量部
プロプレングリコールモノメチルエーテルアセテート 800質量部
低屈折率層(A)組成物(1)に代えて、下記の低屈折率層(A)用組成物(2)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により光学フィルムを作製した。得られた光学フィルムを用いた以外は、実施例1と同様にしてタッチパネル付光学積層体を製造した。
(低屈折率層(A)用組成物(2))
中空状シリカ微粒子(平均粒径:60nm)(日揮触媒化成社製) 140質量部
フッ素含有ポリマー(JN35)(JSR社製) 15質量部(固形分)
フッ素含有モノマー(LINC3A)(協栄社化学社製) 55質量部(固形分)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(日本化薬社製) 30質量部
重合開始剤(イルガキュア127)(BASF社製) 7質量部
変性シリコーンオイル(X22164E)(信越化学社製) 5質量部
メチルイソブチルケトン 7000質量部
プロプレングリコールモノメチルエーテルアセテート 800質量部
低屈折率層(A)組成物(1)に代えて、下記の低屈折率層(A)用組成物(3)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により光学フィルムを作製した。得られた光学フィルムを用いた以外は、実施例1と同様にしてタッチパネル付光学積層体を製造した。
(低屈折率層(A)用組成物(3))
中空状シリカ微粒子(平均粒径:50nm)(日揮触媒化成社製) 160質量部
フッ素含有ポリマー(JN35)(JSR社製) 15質量部(固形分)
フッ素含有モノマー(LINC3A)(協栄社化学社製) 55質量部(固形分)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(日本化薬社製) 30質量部
重合開始剤(イルガキュア127)(BASF社製) 7質量部
変性シリコーンオイル(X22164E)(信越化学社製) 5質量部
メチルイソブチルケトン 7000質量部
プロプレングリコールモノメチルエーテルアセテート 800質量部
低屈折率層(A)組成物(1)に代えて、下記の低屈折率層(A)用組成物(4)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により光学フィルムを作製した。得られた光学フィルムを用いた以外は、実施例1と同様にしてタッチパネル付光学積層体を製造した。
(低屈折率層(A)用組成物(4))
中空状シリカ微粒子(平均粒径:50nm)(日揮触媒化成社製) 70質量部
中空状シリカ微粒子(平均粒径:60nm)(日揮触媒化成社製) 70質量部
フッ素含有ポリマー(JN35)(JSR社製) 15質量部(固形分)
フッ素含有モノマー(LINC3A)(協栄社化学社製) 55質量部(固形分)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(日本化薬社製) 30質量部
重合開始剤(イルガキュア127)(BASF社製) 7質量部
変性シリコーンオイル(X22164E)(信越化学社製) 5質量部
メチルイソブチルケトン 7000質量部
プロプレングリコールモノメチルエーテルアセテート 800質量部
低屈折率層(A)組成物(1)に代えて、下記の低屈折率層(A)用組成物(5)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により光学フィルムを作製した。得られた光学フィルムを用いた以外は、実施例1と同様にしてタッチパネル付光学積層体を製造した。
(低屈折率層(A)用組成物(5))
中空状シリカ微粒子(平均粒径:60nm)(日揮触媒化成社製) 160質量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(日本化薬社製) 100質量部
重合開始剤(イルガキュア127)(BASF社製) 7質量部
変性シリコーンオイル(X22164E)(信越化学社製) 5質量部
メチルイソブチルケトン 7000質量部
プロプレングリコールモノメチルエーテルアセテート 800質量部
低屈折率層(A)組成物(1)に代えて、下記の低屈折率層(A)用組成物(6)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により光学フィルムを作製した。得られた光学フィルムを用いた以外は、実施例1と同様にしてタッチパネル付光学積層体を製造した。
(低屈折率層(A)用組成物(6))
中空状シリカ微粒子(平均粒径:60nm)(日揮触媒化成社製) 140質量部
フッ素含有ポリマー(JN35)(JSR社製) 15質量部(固形分)
フッ素含有モノマー(LINC3A)(協栄社化学社製) 65質量部(固形分)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(日本化薬社製) 20質量部
重合開始剤(イルガキュア127)(BASF社製) 7質量部
変性シリコーンオイル(X22164E)(信越化学社製) 5質量部
メチルイソブチルケトン 7000質量部
プロプレングリコールモノメチルエーテルアセテート 800質量部
低屈折率層(A)組成物(1)に代えて、下記の低屈折率層(A)用組成物(7)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により光学フィルムを作製した。得られた光学フィルムを用いた以外は、実施例1と同様にしてタッチパネル付光学積層体を製造した。
(低屈折率層(A)用組成物(7))
中空状シリカ微粒子(平均粒径:50nm)(日揮触媒化成社製) 160質量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(日本化薬社製) 100質量部
重合開始剤(イルガキュア127)(BASF社製) 7質量部
変性シリコーンオイル(X22164E)(信越化学社製) 5質量部
メチルイソブチルケトン 7000質量部
プロプレングリコールモノメチルエーテルアセテート 800質量部
低屈折率層(A)組成物(1)に代えて、下記の低屈折率層(A)用組成物(8)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により光学フィルムを作製した。得られた光学フィルムを用いた以外は、実施例1と同様にしてタッチパネル付光学積層体を製造した。
(低屈折率層(A)用組成物(8))
中空状シリカ微粒子(平均粒径:50nm)(日揮触媒化成社製) 140質量部
中実シリカ微粒子(平均粒径:250nm)(CIKナノテック社製) 5質量部
フッ素含有ポリマー(JN35)(JSR社製) 15質量部(固形分)
フッ素含有モノマー(LINC3A)(協栄社化学社製) 55質量部(固形分)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(日本化薬社製) 30質量部
重合開始剤(イルガキュア127)(BASF社製) 7質量部
変性シリコーンオイル(X22164E)(信越化学社製) 5質量部
メチルイソブチルケトン 7000質量部
プロプレングリコールモノメチルエーテルアセテート 800質量部
低屈折率層(A)組成物(1)に代えて、下記の低屈折率層(A)用組成物(9)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により光学フィルムを作製した。得られた光学フィルムを用いた以外は、実施例1と同様にしてタッチパネル付光学積層体を製造した。
(低屈折率層(A)用組成物(9))
中空状シリカ微粒子(平均粒径:60nm)(日揮触媒化成社製) 120質量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(日本化薬社製) 100質量部
重合開始剤(イルガキュア127)(BASF社製) 7質量部
変性シリコーンオイル(X22164E)(信越化学社製) 5質量部
メチルイソブチルケトン 7000質量部
プロプレングリコールモノメチルエーテルアセテート 800質量部
低屈折率層(A)組成物(1)に代えて、下記の低屈折率層(A)用組成物(10)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により光学フィルムを作製した。得られた光学フィルムを用いた以外は、実施例1と同様にしてタッチパネル付光学積層体を製造した。
(低屈折率層(A)用組成物(10))
中空状シリカ微粒子(平均粒径:60nm)(日揮触媒化成社製) 140質量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(日本化薬社製) 100質量部
重合開始剤(イルガキュア127)(BASF社製) 7質量部
変性シリコーンオイル(X22164E)(信越化学社製) 5質量部
メチルイソブチルケトン 7000質量部
プロプレングリコールモノメチルエーテルアセテート 800質量部
低屈折率層(A)組成物(1)に代えて、下記の低屈折率層(A)用組成物(11)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により光学フィルムを作製した。得られた光学フィルムを用いた以外は、実施例1と同様にしてタッチパネル付光学積層体を製造した。
(低屈折率層(A)用組成物(11))
中空状シリカ微粒子(平均粒径:60nm)(日揮触媒化成社製) 120質量部
フッ素含有ポリマー(JN35)(JSR社製) 70質量部(固形分)
フッ素含有モノマー(LINC3A)(協栄社化学社製) 10質量部(固形分)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(日本化薬社製) 20質量部
重合開始剤(イルガキュア127)(BASF社製) 7質量部
変性シリコーンオイル(X22164E)(信越化学社製) 5質量部
メチルイソブチルケトン 7000質量部
プロプレングリコールモノメチルエーテルアセテート 800質量部
低屈折率層(A)組成物(1)に代えて、下記の低屈折率層(A)用組成物(12)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により光学フィルムを作製した。得られた光学フィルムを用いた以外は、実施例1と同様にしてタッチパネル付光学積層体を製造した。
(低屈折率層(A)用組成物(12))
中空状シリカ微粒子(平均粒径:50nm)(日揮触媒化成社製) 110質量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(日本化薬社製) 100質量部
重合開始剤(イルガキュア127)(BASF社製) 7質量部
変性シリコーンオイル(X22164E)(信越化学社製) 5質量部
メチルイソブチルケトン 7000質量部
プロプレングリコールモノメチルエーテルアセテート 800質量部
低屈折率層(A)組成物(1)に代えて、下記の低屈折率層(A)用組成物(13)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により光学フィルムを作製した。得られた光学フィルムを用いた以外は、実施例1と同様にしてタッチパネル付光学積層体を製造した。
(低屈折率層(A)用組成物(13))
中空状シリカ微粒子(平均粒径:60nm)(日揮触媒化成社製) 80質量部
トリメチロルプロパントリアクリレート(TMP−A)(協栄社化学社製)100質量部
重合開始剤(イルガキュア127)(BASF社製) 7質量部
変性シリコーンオイル(X22164E)(信越化学社製) 5質量部
メチルイソブチルケトン 7000質量部
プロプレングリコールモノメチルエーテルアセテート 800質量部
低屈折率層(A)組成物(1)に代えて、下記の低屈折率層(A)用組成物(14)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により光学フィルムを作製した。得られた光学フィルムを用いた以外は、実施例1と同様にしてタッチパネル付光学積層体を製造した。
(低屈折率層(A)用組成物(14))
中空状シリカ微粒子(平均粒径:50nm)(日揮触媒化成社製) 60質量部
フッ素含有ポリマー(JN35)(JSR社製) 15質量部(固形分)
フッ素含有モノマー(LINC3A)(協栄社化学社製) 55質量部(固形分)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(日本化薬社製) 30質量部
重合開始剤(イルガキュア127)(BASF社製) 7質量部
変性シリコーンオイル(X22164E)(信越化学社製) 5質量部
メチルイソブチルケトン 7000質量部
プロプレングリコールモノメチルエーテルアセテート 800質量部
低屈折率層(A)組成物(1)に代えて、下記の低屈折率層(A)用組成物(15)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により光学フィルムを作製した。得られた光学フィルムを用いた以外は、実施例1と同様にしてタッチパネル付光学積層体を製造した。
(低屈折率層(A)用組成物(15))
中空状シリカ微粒子(平均粒径:50nm)(日揮触媒化成社製) 200質量部
フッ素含有ポリマー(JN35)(JSR社製) 15質量部(固形分)
フッ素含有モノマー(LINC3A)(協栄社化学社製) 55質量部(固形分)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(日本化薬社製) 30質量部
重合開始剤(イルガキュア127)(BASF社製) 7質量部
変性シリコーンオイル(X22164E)(信越化学社製) 5質量部
メチルイソブチルケトン 7000質量部
プロプレングリコールモノメチルエーテルアセテート 800質量部
低屈折率層(A)組成物(1)に代えて、下記の低屈折率層(A)用組成物(16)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により光学フィルムを作製した。得られた光学フィルムを用いた以外は、実施例1と同様にしてタッチパネル付光学積層体を製造した。
(低屈折率層(A)用組成物(16))
中空状シリカ微粒子(平均粒径:60nm)(日揮触媒化成社製) 120質量部
フッ素含有ポリマー(JN35)(JSR社製) 30質量部(固形分)
フッ素含有モノマー(LINC3A)(協栄社化学社製) 60質量部(固形分)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(日本化薬社製) 10質量部
重合開始剤(イルガキュア127)(BASF社製) 7質量部
変性シリコーンオイル(X22164E)(信越化学社製) 5質量部
メチルイソブチルケトン 7000質量部
プロプレングリコールモノメチルエーテルアセテート 800質量部
実施例及び比較例で作製した各光学フィルムの低屈折率層(A)の表面(A)、及び、タッチパネルの低屈折率層(B)の表面(B)の反射Y値を、島津製作所社製MPC3100分光光度計にて、5°正反射率を380〜780nmまでの波長範囲で測定し、その後、人間が目で感じる明度として換算するソフト(MPC3100内蔵)で算出した。なお、測定に際しては、裏面反射を防止するため、光学フィルム及びタッチパネルの測定面とは逆側に、黒テープ(寺岡社製)を貼った。
エスアイアイ・ナノテクノロジー社製、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope;AFM)L−traceを用い、ソフト:SPIWinにおける解析モード:SPIWin互換モード時に、低屈折率層(A)における10点平均粗さ(Rz)及び平均傾斜角(Δa)を測定した。SPIWin互換モードは、1982年版JIS規格(JIS B0601:1982)を元に三次元に拡張した解析形式である。
実施例及び比較例で製造したタッチパネル付光学積層体について、タッチパネル側から70mmの間隔をあけて設置面積が1cm2となるように、300gの分銅を2つ載せたときと、350gの分銅を2つ載せたときとのニュートンリングの有無を暗室、Naランプ光源下でそれぞれ観察し、以下の基準で評価した。なお、重量の異なる2種の分銅を用いて評価をするのは、タッチパネルへの一点加重ではニュートンリングを観察し難いが、2つの分銅を用いた二点加重では2つの分銅間をみればニュートンリングを観察しやすくなるためである。
◎:300gの分銅及び350gの分銅共にニュートンリングが見えなかった
○:350gの分銅を載せるとニュートンリングが薄く見えた
△:300gの分銅を載せるとニュートンリングが薄く見えた
×:300gの分銅を載せるとニュートンリングがはっきりと見えた
実施例及び比較例で製造したタッチパネル付光学積層体の低屈折率層(A)に対し、#0000番のスチールウールを用いて、摩擦加重200g/cm2と100g/cm2とで10往復摩擦した後、傷の有無を目視で観察し、以下の基準で評価した。
◎:200g/cm2と100g/cm2ともに傷がなかった
○:100g/cm2で傷がなかった
×:100g/cm2で傷があった
これに対し、比較例に係るタッチパネル付光学積層体は、ニュートンリング及び耐擦傷性のいずれにも優れていたものはなかった。なお、比較例7に係るタッチパネル付光学積層体は、低屈折率層(A)の平均傾斜角が大きく、また、比較例8に係るタッチパネル付光学積層体は、低屈折率層(A)の10点平均粗さが大きく、いずれも耐擦傷性が実施例に係るタッチパネル付光学積層体よりも劣っていた。
なお、実施例3、4に係るタッチパネル付光学積層体と実施例5に係るタッチパネル付光学積層体とは反射Y値が同じ値であったが、低屈折率層(A)の平均傾斜角Δaのより大きな実施例3、4に係るタッチパネル付光学積層体方が、実施例5に係るタッチパネル付光学積層体よりもニュートンリングの発生の抑制効果に優れていた。
また、実施例6に係るタッチパネル付光学積層体と実施例7に係るタッチパネル付光学積層体、及び、実施例3に係るタッチパネル付光学積層体と実施例8に係るタッチパネル付光学積層体とは、低屈折率層(A)の平均傾斜角Δaが同じ値であったが、反射Y値のより小さな実施例6、3に係るタッチパネル付光学積層体方が、実施例7、8に係るタッチパネル付光学積層体よりもニュートンリングの発生の抑制効果に優れていた。
また、比較例1に係るタッチパネル付光学積層体と比較例3に係るタッチパネル付光学積層体とは、低屈折率層(A)の平均傾斜角Δaがいずれも4°と小さな値であったが、反射Y値のより小さな比較例3に係るタッチパネル付光学積層体方が、比較例1に係るタッチパネル付光学積層体よりもニュートンリングの発生の抑制効果が改善されていた。
また、比較例6に係るタッチパネル付光学積層体は、反射Y値が2.0%と大きな値であったが、低屈折率層(A)の平均傾斜角Δaが10°と大きな値であったため、ニュートンリングの発生の抑制効果が改善されていた。
11 光学フィルム
12 光透過性基材
13 ハードコート層
14 低屈折率層(A)
15 タッチパネル
16 低屈折率層(B)
Claims (7)
- 光透過性基材の一方の面上にハードコート層及び低屈折率層(A)がこの順に積層された光学フィルムと、一方の面上に低屈折率層(B)を備えたタッチパネルとが対向配置されたタッチパネル付光学積層体であって、
前記光学フィルムと前記タッチパネルとは、互いに隙間を持った状態で前記低屈折率層(A)と前記低屈折率層(B)とが向き合うように対向配置されており、
前記低屈折率層(A)の前記低屈折率層(B)側の表面(A)、及び、前記低屈折率層(B)の前記低屈折率層(A)側の表面(B)には凹凸が形成されており、
前記表面(A)及び表面(B)の反射Y値が0.1%以上、1.5%未満であり、
前記表面(A)及び表面(B)の凹凸は、10点平均粗さ(Rz)が20〜90nm、平均傾斜角(Δa)が5〜20°である
ことを特徴とするタッチパネル付光学積層体。 - 低屈折率層(A)及び低屈折率層(B)は、中空状シリカ微粒子と、バインダー樹脂としてフッ素原子含有樹脂とを含む請求項1記載のタッチパネル付光学積層体。
- 低屈折率層(A)及び低屈折率層(B)は、バインダー樹脂の固形分100質量部に対する中空状シリカ微粒子の含有量が80〜200質量部である請求項2記載のタッチパネル付光学積層体。
- 低屈折率層(A)及び低屈折率層(B)は、平均粒子径が80〜300nmの中実シリカ微粒子を更に含有する請求項2又は3記載のタッチパネル付光学積層体。
- 偏光素子を備えてなる偏光板であって、
前記偏光素子表面に請求項1、2、3又は4記載のタッチパネル付光学積層体を備えることを特徴とする偏光板。 - 請求項1、2、3若しくは4記載のタッチパネル付光学積層体、又は、請求項5記載の偏光板を備えることを特徴とする画像表示装置。
- 光透過性基材の一方の面上にハードコート層及び低屈折率層(A)がこの順に積層された光学フィルムと、一方の面上に低屈折率層(B)を備えたタッチパネルとが対向配置されたタッチパネル付光学積層体を用いたニュートンリングの発生の抑制方法であって、
前記光学フィルムと前記タッチパネルとは、互いに隙間を持った状態で前記低屈折率層(A)と前記低屈折率層(B)とが向き合うように対向配置されており、
前記低屈折率層(A)の前記低屈折率層(B)側の表面(A)、及び、前記低屈折率層(B)の前記低屈折率層(A)側の表面(B)には凹凸が形成されており、
前記表面(A)及び表面(B)の反射Y値が0.1%以上、1.5%未満であり、
前記表面(A)及び表面(B)の凹凸は、10点平均粗さ(Rz)が20〜90nm、平均傾斜角(Δa)が5〜20°である
ことを特徴とするニュートンリングの発生の抑制方法。
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