JP2014092727A - 位相シフトマスクの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】当該位相シフトマスクの面内における位相シフト部の寸法のバラツキを抑制し、リードタイムを短縮可能な画像表示装置製造用の大面積の位相シフトマスクの製造方法を提供する。
【解決手段】画像表示装置製造用位相シフトマスクの製造方法は、位相シフト材料膜及び遮光材料膜がこの順で積層されてなる透明基板上にレジストパターンを形成する工程と、レジストパターンをエッチングマスクとして、同一エッチング液により遮光材料膜及び位相シフト材料膜をエッチングして、遮光部、透光部及び位相シフト部を形成する工程と、遮光材料膜及び位相シフト材料膜がエッチングされた後に、レジストパターンを剥離する工程とを含み、遮光材料のエッチング液に対するエッチングレートは、位相シフト材料のそれよりも、位相シフト機能を発揮し得る位相シフト部を形成可能な程度に大きい。
【選択図】図2

Description

本発明は、被加工材上に所定のレジストパターンを形成するために用いられる位相シフトマスクを製造する方法に関する。
液晶ディスプレイは、一般に、画素電極を駆動するためのスイッチング能動素子(薄膜トランジスタ,TFT)を有するTFT基板と、所定の開口部を有するブラックマトリックス及び当該開口部に形成された着色層を有するカラーフィルタ基板とを対向配置して周囲を封止し、その間隙に液晶材料を封入・充填した構造を有する。
この液晶ディスプレイにおいて、TFT基板上のTFT等は、それら(ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極等)の構成材料からなる薄膜が形成された透明基板における当該薄膜上に、所定のパターンを有するフォトレジスト膜を形成し、パターニングされたフォトレジスト膜をマスクとしてエッチングすることにより形成され得る。カラーフィルタ基板上のブラックマトリックス等も同様にして形成され得る。
また、有機ELディスプレイは、透明基板上にカソード電極、有機EL膜、アノード電極がこの順に積層され、それらの上から封止膜等により封止されてなる構造や、TFT基板上に有機EL膜、共通電極がこの順に積層され、それらの上から封止膜等により封止されてなる構造を有する。
この有機ELディスプレイにおいても、液晶ディスプレイと同様に、カソード電極、アノード電極、TFT等は、それらの構成材料からなる薄膜が形成された透明基板における当該薄膜上に、所定のパターンを有するフォトレジスト膜を形成し、パターニングされたフォトレジスト膜をマスクとしてエッチングすることにより形成され得る。
これらの液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の画像表示装置を製造する過程において、透明基板上に所定のレジストパターンを形成する方法として、一般に、所定のパターン形状の金属クロム等からなる遮光部を有するフォトマスク(バイナリーマスク)を用いて当該フォトレジスト膜を露光・現像する、フォトリソグラフ法が用いられている。そして、これらの電極、TFT等を有する透明基板は、量産化を図りコストダウンに資するべく、大面積の透明基板(例えば、330mm×450mmの透明基板)を用いて多面付けにより生産されることが多いため、透明基板上に所定のレジストパターンを形成する際に用いられる露光装置としても、大面積の透明基板を一括して又は複数回に分割して露光可能な等倍投影露光光学系を具備する大型露光装置を用いるのが通常である。
上述のようなフォトリソグラフ法により形成されるレジストパターンの寸法(例えば、ラインアンドスペース状のレジストパターンであれば、ラインパターン又はスペースパターンの短手方向の幅;すなわち線幅)は、露光装置の解像限界に依存するものであり、画像表示装置製造用露光装置としては、解像限界が3μm程度のものが一般に用いられている。従来の画像表示装置における解像度であれば、露光装置の解像限界以上でのパターニングが可能であれば問題は生じなかったが、近年、画素数を増大させ、さらに高い解像度を有する画像表示装置の開発が要望されてきており、従来の画像表示装置製造用露光装置の解像限界を下回る寸法でのパターニングの必要性が高まってきている。
このような現状の中、LSI等の半導体装置の製造過程において極めて小さい寸法でのパターン形成に用いられている位相シフトマスクを、画像表示装置の製造過程におけるフォトマスクとして使用する試みがなされている。例えば、図8に示すように、透明基板20上に形成されたパターン状の遮光部40と、遮光部40の寸法より大きな寸法を有し、遮光部40の周囲を被覆する透光部30とを備え、遮光部40の周囲に位置する透光部30部分が位相シフト部50として構成される画像表示装置製造用位相シフトマスク10が提案されている(特許文献1参照)。
特開2011−13283号公報
上記特許文献1に記載の位相シフトマスク10は以下のようにして製造される。まず、石英等の透明基板20上に遮光材料膜400を形成し(図9(a))、遮光材料膜400上に第1レジストパターン700を形成し(図9(b))、第1レジストパターン700をエッチングマスクとして遮光材料膜400をエッチングしてパターン状の遮光部40を形成し、第1レジストパターン700を剥離する(図9(c))。
次に、パターン状の遮光部40が形成された透明基板20上に位相シフト材料膜300を所定の条件のスパッタリング法により形成し(図9(d))、位相シフト材料膜300上に第2レジストパターン800を形成し(図9(e))、第2レジストパターン800をエッチングマスクとして位相シフト材料膜300をエッチングして遮光部40の周囲を被覆する透光部30を形成し、第2レジストパターン800を剥離する(図9(f))。このようにして、上記位相シフトマスク10を製造することができる。
かかる製造工程のうち、遮光材料膜400や位相シフト材料膜300を形成する工程(図9(a),(d))、レジストパターンを形成する工程(図9(b),(e))には多大な時間がかかるため、リードタイムが長くなってしまい、それに伴い、位相シフトマスクの製造歩留まりの低下、製造コストの増大等が生じてしまうという問題がある。
また、上述のようにして製造される位相シフトマスク10において、所望とする機能(位相シフト機能)が奏されるようにするためには、パターン状の遮光部40が完全に被覆され、かつ所定寸法の位相シフト部50が、遮光部40を中心として対称に配置されるように透光部30を形成しなければならないため、位相シフト材料膜300上に第2レジストパターン800を高精度に形成しなければならない。すなわち、第2レジストパターン800の位置ズレが生じると、位相シフト部50の位置ズレが生じてしまい、得られる位相シフトマスク10において所望とする機能が奏されなくなってしまうという問題がある。特に、画像表示装置製造用位相シフトマスクのように、半導体装置製造用位相シフトマスクに比して大面積である場合、当該位相シフトマスクの面内における位相シフト部の位置ズレが大きくなるおそれがあるという問題がある。
このような問題に鑑み、本発明は、画像表示装置製造用の大面積の位相シフトマスクであっても、当該位相シフトマスクの面内における位相シフト部の位置ズレを抑制することができるとともに、従来の製造方法に比してリードタイムを短縮することのできる位相シフトマスクの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、画像表示装置を製造するために用いられる位相シフトマスクであって、透明基板と、前記透明基板上に設けられてなる透光部と、前記透光部の寸法よりも小さい寸法を有し、前記透明基板の平面視において前記透光部を完全に被覆しないように前記透光部上に設けられてなる遮光部とを備え、前記透光部において前記遮光部により被覆されていない部分が位相シフト部として構成される位相シフトマスクを製造する方法において、前記位相シフトマスクの製造方法は、前記位相シフト部を構成する位相シフト材料膜及び前記遮光部を構成する遮光材料膜がこの順で積層されてなる透明基板上にレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、前記レジストパターンをエッチングマスクとして、所定のエッチング液を用いて前記遮光材料膜及び前記位相シフト材料膜をエッチングするエッチング工程と、前記遮光材料膜及び前記位相シフト材料膜がエッチングされた後に、前記レジストパターンを剥離する剥離工程とを含み、前記エッチング工程において、同一の前記エッチング液により前記遮光材料膜及び前記位相シフト材料膜をエッチングして、前記遮光部と、前記透光部と、前記透明基板の平面視において前記透光部のうちの前記遮光部により被覆されていない部分として構成される前記位相シフト部とを形成し、前記遮光材料膜を構成する遮光材料の前記エッチング液によるエッチングレートは、前記位相シフト材料膜を構成する位相シフト材料の前記エッチング液によるエッチングレートよりも、位相シフト機能を発揮し得る前記位相シフト部を前記エッチング工程により形成可能な程度に大きいことを特徴とする位相シフトマスクの製造方法を提供する(発明1)。
なお、本発明において「透明」とは、波長350〜450nmの光線の透過率が85%以上であることを意味し、好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上である。
上記発明(発明1)においては、前記位相シフト材料のエッチングレートと前記遮光材料のエッチングレートとの比が、1:3.0〜10.0であるのが好ましく(発明2)、前記遮光材料及び前記位相シフト材料のいずれも、クロム、アルミニウム、チタン、ケイ素、ニッケル、若しくはニッケル合金、又はこれらの酸化物、窒化物、酸化窒化物、若しくは炭化物を含む材料であるのが好ましい(発明3)。
また、本発明は、画像表示装置を製造するために用いられる位相シフトマスクであって、透明基板と、前記透明基板上に設けられてなる透光部と、前記透光部の寸法よりも小さい寸法を有し、前記透明基板の平面視において前記透光部を完全に被覆しないように前記透光部上に設けられてなる遮光部とを備え、前記透光部において前記遮光部により被覆されていない部分が位相シフト部として構成される位相シフトマスクを製造する方法において、前記位相シフトマスクの製造方法は、前記位相シフト部を構成する位相シフト材料膜及び前記遮光部を構成する遮光材料膜がこの順で積層されてなる透明基板上にレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、前記レジストパターンをエッチングマスクとして、第1エッチング液を用いて前記遮光材料膜をエッチングする第1エッチング工程と、前記第1エッチング工程後、前記レジストパターンをエッチングマスクとして、前記第1エッチング液とは異なる種類の第2エッチング液を用いて前記位相シフト材料膜をエッチングする第2エッチング工程と、前記レジストパターンをエッチングマスクとして、前記第1エッチング液を用いて前記遮光材料膜をサイドエッチングする第3エッチング工程と、前記遮光材料膜及び前記位相シフト材料膜がエッチングされた後に、前記レジストパターンを剥離する剥離工程とを含み、前記遮光材料及び前記位相シフト材料のいずれも、クロム、アルミニウム、チタン、ケイ素、ニッケル、若しくはニッケル合金、又はこれらの酸化物、窒化物、酸化窒化物、若しくは炭化物を含む材料であって、前記遮光材料は、前記第1エッチング液によりエッチングされるが前記第2エッチング液によりエッチングされ難い材料であり、前記位相シフト材料は、前記第2エッチング液によりエッチングされるが前記第1エッチング液によりエッチングされ難い材料であることを特徴とする位相シフトマスクの製造方法を提供する(発明4)。
本発明によれば、画像表示装置製造用の大面積の位相シフトマスクであっても、当該位相シフトマスクの面内における位相シフト部の寸法のバラツキを抑制することができるとともに、従来の製造方法に比してリードタイムを短縮することのできる位相シフトマスクの製造方法を提供することができる。
図1(a)は、本発明の各実施形態に係る製造方法により製造される位相シフトマスクを示す部分切断端面図であり、図1(b)は当該位相シフトマスクを示す部分平面図である。 図2は、本発明の第1の実施形態に係る位相シフトマスクの製造方法を部分切断端面により示すフロー図である。 図3は、図2に示す製造方法のうちのエッチング工程の詳細を示す部分拡大切断端面図である。 図4は、本発明の第2の実施形態に係る位相シフトマスクの製造方法を部分切断端面により示すフロー図である。 図5は、図4に示す製造方法のうちの第1エッチング工程及び第2エッチング工程の詳細を示す部分拡大切断端面図である。 図6は、本発明の第3の実施形態に係る位相シフトマスクの製造方法を部分切断端面により示すフロー図である。 図7は、図6に示す製造方法のうちの第1〜第3エッチング工程の詳細を示す部分拡大切断端面図である。 図8は、従来の位相シフトマスクを示す部分切断端面図である。 図9は、図8に示す位相シフトマスクの製造方法を部分切断端面により示すフロー図である。
本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の実施形態に係る製造方法により製造される位相シフトマスクを示す部分切断端面図(図1(a))及び部分平面図(図1(b))である。
本実施形態に係る製造方法により製造される位相シフトマスク1は、図1に示すように、液晶表示装置や有機EL表示装置等の画像表示装置を製造するために用いられるものであって、透明基板2と、透明基板2上に設けられてなる透光部3と、透光部3の寸法よりも小さい寸法を有し、透明基板2の平面視において透光部3を完全に被覆しないように透光部3上に設けられてなる遮光部4とを備え、透光部3のうち遮光部4により被覆されていない部分が位相シフト部5として、透明基板2上における透光部3の設けられていない部分が開口部6として構成されるものである。なお、図1(b)に示す平面図においては、ラインアンドスペース状の透光部3及び遮光部4を有する位相シフトマスク1を例に挙げているが、本発明により製造される位相シフトマスク1はこのような態様に限定されるものではない。また、図1(b)に示す平面図において、理解を容易にするために位相シフト部5を斜線により示している。
〔第1の実施形態〕
上述のような構成を有する位相シフトマスク1を製造する方法を説明する。
図2は、第1の実施形態に係る位相シフトマスクの製造方法を部分切断端面により示すフロー図であり、図3は、図2に示す製造方法のうちのエッチング工程を詳細に示す部分拡大切断端面図である。
(位相シフト材料膜形成工程)
まず、無アルカリガラス、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性を有しない透明なリジット材からなる透明基板2上に、位相シフト材料膜31を形成する(図2(a)参照)。
透明基板2の大きさは、第1の実施形態により製造される位相シフトマスク1を用いて製造しようとする画像表示装置に用いられる基板(TFT基板、カラーフィルタ基板等)の大きさや、当該画像表示装置の製造に用いられる等倍投影露光光学系を具備する大型露光装置における露光方式(一括露光方式又は分割露光方式)等により適宜設定することができるが、例えば、330mm×450mm〜1600mm×1800mm程度に設定され得る。
また、透明基板2の厚さは、特に限定されるものではないが、露光時に位相シフトマスク1を撓ませることなく保持する必要があるため、透明基板2の大きさによって適宜設定することができ、例えば、5mm〜20mmの範囲で設定され得る。
位相シフト材料としては、後述するエッチング工程において用いられるエッチング液により遮光材料とともにエッチングされ得るものを用いることができる。位相シフト材料の上記エッチング液に対するエッチングレートは、当該エッチング液に対する遮光材料のエッチングレートよりも、上記エッチング工程において位相シフト機能を発揮し得る位相シフト部を形成可能な程度に小さい。好ましくは、位相シフト材料のエッチングレートと遮光材料のエッチングレートとの比が1:3.0〜10.0であり、特に好ましくは1:4.5〜8.0である。第1の実施形態においては、遮光材料のエッチングレートが、位相シフト材料のエッチングレートよりも上述した程度に大きいことで、遮光材料のサイドエッチングがより進行し、遮光部4と、遮光部4よりも寸法の大きい透光部3と、透光部3のうちの遮光部4により被覆されない位相シフト部5とを1回のエッチング処理にて形成することができる。特に、当該エッチングレートの比が上記範囲内であることにより、所望とする寸法の位相シフト部5を有する位相シフトマスク1をより高精度に製造することができる。
なお、第1の実施形態においては、遮光材料と位相シフト材料とのエッチングレートの差を利用することで、後述するエッチング工程における遮光材料膜41のサイドエッチングにより所望とする寸法の位相シフト材料膜部分31sを露出させ、露出する位相シフト材料膜部分31sが、所望寸法(所望とする位相シフト効果を発揮し得る程度の寸法)の位相シフト部5として形成される(図3参照)。
しかし、位相シフト材料と遮光材料とのエッチングレートの差が小さすぎると(例えば1:3.0未満)、遮光材料膜41のサイドエッチングにより露出する位相シフト材料膜部分31sの寸法が小さくなってしまい、所望とする寸法の位相シフト部5を形成することが困難となるおそれがある。一方で、当該位相シフト材料膜部分31sを所望とする寸法で露出させるために、エッチング工程におけるエッチング時間を長くしてしまう(遮光材料膜41のサイドエッチングをより進行させる)と、露出する位相シフト材料膜部分31sも同様にエッチングされることで、形成される位相シフト部5の厚さが薄くなってしまい、所望とする位相シフト効果(位相シフトマスク1の開口部6の透過光に対し、位相シフト部5の透過光に略180度の位相差を付与するという効果)を発揮し得なくなるおそれがある(露出する位相シフト材料膜部分31sの一部において、所望とする位相シフト効果を発揮し得る厚さの部分も形成され得るが、当該部分が所望とする位相シフト効果を発揮し得ない程度の寸法になってしまうおそれがある。)。
また、位相シフト材料と遮光材料とのエッチングレート差が大きすぎると(1:10.0超)、後述するエッチング工程においてレジストパターン72(図2(d)参照)下方の遮光材料膜41の側方におけるエッチング液の置換性が、レジストパターン72の開口部におけるエッチング液の置換性よりも低いために、遮光材料膜41に対するサイドエッチングの進行速度が、レジストパターン72の開口部に位置する遮光材料膜41の厚さ方向におけるエッチングの進行速度に比して著しく遅くなる。したがって、レジストパターン72の開口部に位置する遮光材料膜41のエッチングが終了し、その下方の位相シフト材料膜41のエッチングが開始される段階においてもなお、レジストパターン72下方の遮光材料膜41に対するサイドエッチングがほとんど進まずに、位相シフト材料膜部分31sを所望とする寸法で露出させ難くなるおそれがある。一方で、当該位相シフト材料膜部分31sを所望とする寸法で露出させるために、エッチング工程におけるエッチング時間を長くしてしまう(遮光材料膜41のサイドエッチングをより進行させる)と、レジストパターン72の開口部に位置する位相シフト材料膜31のエッチングが終了するまでの間に露出する位相シフト材料膜部分31sも同様にエッチングされる。それにより、形成される位相シフト部5の厚さが薄くなってしまい、所望とする位相シフト効果を発揮し得なくなるおそれがある(露出する位相シフト材料膜部分31sの一部において、所望とする位相シフト効果を発揮し得る厚さの部分も形成され得るが、当該部分が所望とする位相シフト効果を発揮し得ない程度の寸法になってしまうおそれがある。)。
すなわち、遮光材料と位相シフト材料とのエッチングレートの差が大きすぎても、小さすぎても、所望とする寸法の位相シフト部5を形成するためのエッチング条件(エッチング時間等)の制御が極めて困難となるおそれがある。
位相シフト材料膜31を構成する位相シフト材料は、遮光材料との関係において、後述するエッチング工程において使用するエッチング液によるエッチングレートを考慮して適宜選択され得るものであるが、例えば、クロム、アルミニウム、チタン、ケイ素、ニッケル、若しくはニッケル合金、又はこれらの酸化物、窒化物、酸化窒化物、若しくは炭化物を含む材料等を挙げることができる。
位相シフト材料膜31は、製造される位相シフトマスク1における位相シフト部5を構成することになるため、位相シフト材料膜31の厚さは、所望とする位相シフト効果が奏される厚さ、すなわち、位相シフトマスク1の開口部6の透過光に対し、位相シフト部5の透過光に略180度の位相差を付与し得る程度の厚さを有する位相シフト部5を形成し得るように適宜設定され得る。
なお、後述するエッチング工程における位相シフト材料膜31がエッチングされる過程で、遮光材料膜41(図2(b)参照)がサイドエッチングされることで露出する位相シフト材料膜部分31sもわずかにエッチングされる(図3参照)。そのため、製造される位相シフトマスク1における位相シフト部5の厚さは、位相シフト材料膜31の厚さよりも薄くなる。したがって、その点を考慮して、上記位相シフト材料膜31の厚さを適宜設定するのが望ましい。
透明基板2上に位相シフト材料膜31を形成する方法としては、従来公知の方法を適用することができ、例えば、スパッタリング、真空蒸着、熱CVD、プラズマCVD等が挙げられる。
(遮光材料膜形成工程)
次に、位相シフト材料膜31上に遮光材料膜41を形成する(図2(b)参照)。遮光材料膜41を構成する遮光材料としては、後述するエッチング工程において用いられるエッチング液によって位相シフト材料とともにエッチングされ得るものであって、当該位相シフト材料との間において上記エッチングレートの関係を満足し得るものであればよい。当該遮光材料としては、例えば、クロム、アルミニウム、チタン、ケイ素、ニッケル、若しくはニッケル合金、又はこれらの酸化物、窒化物、酸化窒化物、若しくは炭化物を含む材料等が挙げられるが、位相シフト材料としてクロムの酸化窒化物を用いる場合、遮光材料としてクロムを用いるのが好ましい。この場合において、位相シフト材料としてのクロムの酸化窒化物の組成比を変更することで、遮光材料と位相シフト材料とのエッチングレートの比を調整することができる。
遮光材料膜41の厚さは、特に限定されるものではなく、露光光を遮光可能な程度の厚さであればよく、一般的に、波長450nmの光に対する光学濃度(OD)が2.7以上となる厚さであるのが望ましい。
位相シフト材料膜31上に遮光材料膜41を形成する方法としては、従来公知の方法を適用することができ、例えば、スパッタリング、真空蒸着、熱CVD、プラズマCVD等が挙げられる。
なお、第1の実施形態において、遮光材料膜41は、上述した遮光材料により構成される遮光膜及び低反射膜の2層構造を有していてもよい。例えば、遮光材料膜41は、クロムからなる遮光膜上に酸化クロムからなる低反射膜を形成してなるものであってもよい。この場合において、当該低反射膜は、位相シフト材料と、遮光材料膜41のうちの遮光膜を構成する遮光材料とのエッチングレート差にほとんど影響を与えない程度に、極めて薄く成膜されるのが望ましい。
(レジストパターン形成工程)
続いて、遮光材料膜41上にフォトレジスト膜71を形成し(図2(c)参照)、当該フォトレジスト膜71を所定のフォトマスクを介して露光・現像して、レジストパターン72を形成する(図2(d)参照)。
レジストパターン72の寸法は、位相シフトマスク1における透光部3の設計寸法よりも大きい限り、特に制限されないが、遮光材料や位相シフト材料のエッチングレート等に応じて適宜設定することができる。なお、後述するエッチング工程において位相シフト材料膜31がサイドエッチングされるために、製造される位相シフトマスク1において所望とする位相シフト効果を奏し得る厚さを有する位相シフト部5を含む透光部3の寸法は、レジストパターン72の寸法よりも小さくなる。そのため、レジストパターン72の寸法が位相シフトマスク1における透光部3の設計寸法と同一であると、設計寸法未満の透光部3が形成されてしまう。
(エッチング工程)
次に、上述のようにして形成したレジストパターン72をエッチングマスクとして、所定のエッチング液を用いて遮光材料膜41及び位相シフト材料膜31をエッチングし、遮光部4及び透光部3を形成する(図2(e))。このとき、位相シフト材料よりも遮光材料の方が、上述した程度に当該エッチング液によるエッチングレートの大きいものであるとともに、等方性ウェットエッチングにより遮光材料膜41及び位相シフト材料膜31がエッチングされるため、遮光材料膜41の方が、位相シフト材料膜31よりも大幅にサイドエッチングされることになる。その結果、位相シフト材料膜31がエッチングされて形成される透光部3上に、当該透光部3を完全に被覆することのない遮光部4を設けることができるとともに、当該遮光部4の周囲に所定寸法の位相シフト部5を配置することができる。
上述のエッチング工程(図2(e))においては、まず、遮光材料膜41がエッチング液によりエッチングされるが、遮光材料膜41がエッチングされる過程でエッチング液が遮光材料膜41の側面からも進行し、遮光材料膜41がサイドエッチングされる(図3(a)参照)。その後、レジストパターン72の下方において露出した位相シフト材料膜31sとレジストパターン72との間にエッチング液が入り込むことによって、当該露出部分31sがエッチングされる。そして、遮光材料膜41のサイドエッチングの進行に応じて増大する当該露出部分31sがその都度エッチングされることになる。そのため、エッチング工程後に遮光部4の周囲に配置される位相シフト部5の厚さは、位相シフト材料膜形成工程(図2(a))により形成された位相シフト材料膜31の厚さよりもわずかに薄くなる(図3(b)参照)。したがって、所望とする位相シフト効果を奏し得る位相シフト部5が形成されるように、上述の位相シフト材料膜形成工程(図2(a))において、形成しようとする位相シフト部5の厚さよりも厚い位相シフト材料膜31を形成しておくようにするのが望ましい。
エッチング液としては、従来公知のエッチング液のうちから、遮光材料や位相シフト材料の種類に応じて適宜選択することができ、例えば、硝酸系エッチング液、過酸化水素系エッチング液、塩化鉄系エッチング液等が挙げられる。
(レジスト剥離工程)
最後に、レジストパターン72を剥離する(図2(f))。これにより、図1に示す構成を有する位相シフトマスク1を製造することができる。
上述した第1の実施形態に係る位相シフトマスクの製造方法によれば、一度形成されたレジストパターン72をマスクとして遮光材料膜及び位相シフト材料膜をともにエッチング可能であるため、レジストパターンの位置ズレの問題が生じることなく、面内における位相シフト部5の寸法のバラツキを抑制することができる。
また、レジストパターン形成工程(図2(d))を複数回行う必要がないため、リードタイムを短縮することができ、位相シフトマスクの製造歩留まりが向上し、製造コストの低減を図ることができる。
〔第2の実施形態〕
図4は、第2の実施形態に係る位相シフトマスクの製造方法を部分切断端面により示すフロー図であり、図5は、図4に示す製造方法のうちの第1〜第3エッチング工程の詳細を示す部分拡大切断端面図である。
(位相シフト材料膜形成工程)
まず、無アルカリガラス、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性を有しない透明なリジット材からなる透明基板2上に、位相シフト材料膜32を形成する(図4(a)参照)。
透明基板2の大きさは、第2の実施形態により製造される位相シフトマスク1を用いて製造しようとする画像表示装置に用いられる基板(TFT基板、カラーフィルタ基板等)の大きさや、当該画像表示装置の製造に用いられる等倍投影露光光学系を具備する大型露光装置における露光方式(一括露光方式又は分割露光方式)等により適宜設定することができるが、例えば、330mm×450mm〜1600mm×1800mm程度に設定され得る。
また、透明基板2の厚さは、特に限定されるものではないが、露光時に位相シフトマスク1を撓ませることなく保持する必要があるため、透明基板2の大きさによって適宜設定することができ、例えば、5mm〜20mmの範囲で設定され得る。
位相シフト材料膜32を構成する位相シフト材料としては、後述する第1エッチング工程(図4(e))において遮光材料膜42をエッチングするための第1エッチング液によりエッチングされ難い、又はエッチングされないものを用いることができる。例えば、クロム、アルミニウム、チタン、ケイ素、ニッケル、若しくはニッケル合金、又はこれらの酸化物、窒化物、酸化窒化物、若しくは炭化物を含む材料等が挙げられる。
位相シフト材料膜32は、製造される位相シフトマスク1における位相シフト部5を構成することになるため、位相シフト材料膜32の厚さは、所望とする位相シフト効果が奏される厚さ、すなわち、位相シフトマスク1の開口部6の透過光に対し、位相シフト部5の透過光に略180度の位相差を付与し得るような厚さを有する位相シフト部5を形成し得るように適宜設定され得る。
透明基板2上に位相シフト材料膜32を形成する方法としては、従来公知の方法を適用することができ、例えば、スパッタリング、真空蒸着、熱CVD、プラズマCVD等が挙げられる。
(遮光材料膜形成工程)
次に、位相シフト材料膜32上に遮光材料膜42を形成する(図4(b)参照)。遮光材料膜42を構成する遮光材料としては、後述する第2エッチング工程(図4(f))において位相シフト材料膜32をエッチングするための第2エッチング液によりエッチングされ難い、又はエッチングされないものを用いることができる。例えば、クロム、アルミニウム、チタン、ケイ素、ニッケル、若しくはニッケル合金、又はこれらの酸化物、窒化物、酸化窒化物、若しくは炭化物を含む材料等が挙げられる。
遮光材料膜42の厚さは、特に限定されるものではなく、露光光を遮光可能な程度の厚さであればよく、一般的に、波長450nmの光に対する光学濃度(OD)が2.7以上となる厚さであるのが望ましい。
位相シフト材料膜32上に遮光材料膜42を形成する方法としては、従来公知の方法を適用することができ、例えば、スパッタリング、真空蒸着、熱CVD、プラズマCVD等が挙げられる。
(レジストパターン形成工程)
続いて、遮光材料膜42上にフォトレジスト膜71を形成し(図4(c)参照)、当該フォトレジスト膜71を所定のフォトマスクを介して露光・現像して、レジストパターン72を形成する(図4(d)参照)。
レジストパターン72の寸法は、位相シフトマスク1における透光部3の設計寸法よりも大きい限り、特に制限はないが、遮光材料や位相シフト材料のエッチングレート等に応じて適宜設定することができる。なお、後述する第2エッチング工程において位相シフト材料膜32がサイドエッチングされるために、製造される位相シフトマスク1において所望とする位相シフト効果を奏し得る厚さを有する位相シフト部5を含む透光部3の寸法は、レジストパターン72の寸法よりも小さくなる。そのため、レジストパターン72の寸法が位相シフトマスク1における透光部3の設計寸法と同一であると、設計寸法未満の透光部3が形成されてしまう。
(第1エッチング工程)
続いて、上述のようにして形成したレジストパターン72をエッチングマスクとして、所定の第1エッチング液を用いて遮光材料膜42をエッチングし、遮光部パターン44を形成する(図4(e))。上述したように、遮光材料膜42の下層に位置する位相シフト材料膜32を構成する位相シフト材料は、遮光材料膜42をエッチングするための第1エッチング液によってエッチングされ難い、又はエッチングされないものであるため、遮光材料膜42のみがエッチングされることになる。
第1エッチング工程により形成された遮光部パターン44は、後述する第2エッチング工程にて位相シフト材料膜32をエッチングするときのエッチングマスクとして用いられる。そのため、第1エッチング工程においては、遮光部パターン44の下面(位相シフト材料膜32との接触面)の寸法が、透光部3の設計寸法よりも大きくなるようなエッチング条件にてエッチング処理を行うのが望ましい。
第1エッチング液としては、遮光材料をエッチング可能であるが、位相シフト材料をエッチング困難又は不可能なものを用いることができる。遮光材料や位相シフト材料がクロム系、チタン系又はニッケル系材料である場合、エッチング液としては、各材料に対応して硝酸系エッチング液、過酸化水素系エッチング液又は塩化鉄系エッチング液等を用いることができる。そのため、例えば、遮光材料がチタン系材料(例えば酸化窒化チタン)であって位相シフト材料がクロム系材料(例えば酸化窒化クロム)である場合、第1エッチング液としては、過酸化水素系エッチング液を用いることができる。
(第2エッチング工程)
次に、レジストパターン72を剥離することなく、遮光部パターン44をエッチングマスクとして、所定の第2エッチング液を用いて位相シフト材料膜32をエッチングし、透光部3を形成する(図4(f))。上述したように、遮光材料膜42を構成する遮光材料は、位相シフト材料膜32をエッチングするための第2エッチング液によってエッチングされ難い、又はエッチングされないものであるため、位相シフト材料膜32のみがエッチングされ、第1エッチング工程(図4(e))により形成された遮光部パターン44はエッチングされることはない。
なお、遮光材料や位相シフト材料がクロム系、チタン系又はニッケル系材料である場合、エッチング液としては、各材料に対応して硝酸系エッチング液、過酸化水素系エッチング液又は塩化鉄系エッチング液等を用いることができる。そのため、例えば、遮光材料がチタン系材料(例えば酸化窒化チタン)であって位相シフト材料がクロム系材料(例えば酸化窒化クロム)である場合、第2エッチング液としては、硝酸系エッチング液を用いることができる。
ここで、第1エッチング工程において、遮光部パターン44の下面(位相シフト材料膜32との接触面)の寸法が、位相シフトマスク1における透光部3の寸法よりも大きくなるように当該遮光部パターン44が形成される。
そして、第2エッチング工程においては、当該遮光部パターン44がエッチングマスクとなり、位相シフト材料膜32がエッチングされることになる。このとき、第2の実施形態においては等方性ウェットエッチングによりエッチング処理が行われるため、位相シフト材料膜32がわずかにサイドエッチングされる。したがって、所望とする位相シフト効果を奏し得る厚さの位相シフト部5を含む透光部3を、設計寸法に忠実な寸法を有するものとして形成することができる。しかも、後述の第3エッチング工程において遮光部パターン44がサイドエッチングされることで、製造される位相シフトマスク1における位相シフト部5に相当する部分が初めて露出することになる(図5(c)参照)。そのため、位相シフト材料膜形成工程(図4(a)参照)において形成した位相シフト材料膜42の厚さと略同一の厚さを有する位相シフト部5を有する位相シフトマスク1を製造することができる。よって、位相シフト材料膜形成工程(図4(a)参照)において、位相シフト材料膜32の膜厚を高精度で形成することで、所望とする位相シフト効果を奏し得る位相シフトマスク1を製造することができる。
(第3エッチング工程)
続いて、レジストパターン72を剥離することなく、第1エッチング液を用いて遮光部パターン44をエッチングし、遮光部4を形成する(図4(g))。上述したように、位相シフト材料膜32(透光部3)を構成する位相シフト材料は、遮光材料膜42(遮光パターン44)をエッチングするための第1エッチング液によってエッチングされ難い、又はエッチングされないものであるため、第2エッチング工程(図4(f)参照)により形成された透光部3がエッチングされることなく、遮光部パターン44のみがエッチングされる。また、遮光部パターン44上面はレジストパターン72により被覆されているため、遮光部パターン44は側面のみからエッチング(サイドエッチング)され、遮光部パターン44の厚さが薄くなることがない。これにより、所定寸法の遮光部4を形成することができる。なお、第3エッチング工程におけるエッチング条件(エッチング時間等)は、所定寸法の遮光部4を形成可能な範囲で適宜設定され得る。
(レジストパターン剥離工程)
最後に、レジストパターン72を剥離する(図4(h))。これにより、図1に示す構成を有する位相シフトマスク1を製造することができる。
上述した第2の実施形態に係る位相シフトマスクの製造方法によれば、一度形成されたレジストパターン72をマスクとして遮光材料膜及び位相シフト材料膜をともにエッチング可能であるため、レジストパターンの位置ズレの問題が生じることなく、面内における位相シフト部5の寸法のバラツキを抑制することができる。
また、レジストパターン形成工程(図4(d))を複数回行う必要がないため、リードタイムを短縮することができ、位相シフトマスクの製造歩留まりが向上し、製造コストの低減を図ることができる。
さらに、遮光部4の周囲に配置される位相シフト部5をが、位相シフト材料膜32の厚さと略同一の厚さで形成することができるため、位相シフト材料膜32の成膜厚さを制御するだけで、所望とする位相シフト効果を奏し得る位相シフトマスク1の製造が可能となる。
〔第3の実施形態〕
図6は、第3の実施形態に係る位相シフトマスクの製造方法を部分切断端面により示すフロー図であり、図7は、図6に示す製造方法のうちの第1エッチング工程及び第2エッチング工程を詳細に示す部分拡大切断端面図である。
(位相シフト材料膜形成工程)
まず、無アルカリガラス、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性を有しない透明なリジット材からなる透明基板2上に、位相シフト材料膜33を形成する(図6(a)参照)。
透明基板2の大きさは、第3の実施形態により製造される位相シフトマスク1を用いて製造しようとする画像表示装置に用いられる基板(TFT基板、カラーフィルタ基板等)の大きさや、当該画像表示装置の製造に用いられる等倍投影露光光学系を具備する大型露光装置における露光方式(一括露光方式又は分割露光方式)等により適宜設定することができるが、例えば、330mm×450mm〜1600mm×1800mm程度に設定され得る。
また、透明基板2の厚さは、特に限定されるものではないが、露光時に位相シフトマスク1を撓ませることなく保持する必要があるため、透明基板2の大きさによって適宜設定することができ、例えば、5mm〜20mmの範囲で設定され得る。
位相シフト材料膜33を構成する位相シフト材料としては、後述する第1エッチング工程(図6(e))において遮光材料膜43をエッチングするための第1エッチング液によりエッチングされ難い、又はエッチングされないものを用いることができる。例えば、クロム、アルミニウム、チタン、ケイ素、ニッケル、若しくはニッケル合金、又はこれらの酸化物、窒化物、酸化窒化物、若しくは炭化物を含む材料等が挙げられる。
位相シフト材料膜33は、製造される位相シフトマスク1における位相シフト部5を構成することになるため、位相シフト材料膜33の厚さは、所望とする位相シフト効果が奏される厚さ、すなわち、位相シフトマスク1の開口部6の透過光に対し、位相シフト部5の透過光に略180度の位相差を付与し得る厚さを有する位相シフト部5を形成し得るように適宜設定され得る。
透明基板2上に位相シフト材料膜33を形成する方法としては、従来公知の方法を適用することができ、例えば、スパッタリング、真空蒸着、熱CVD、プラズマCVD等が挙げられる。
(遮光材料膜形成工程)
次に、位相シフト材料膜33上に遮光材料膜43を形成する(図6(b)参照)。遮光材料膜46を構成する遮光材料としては、後述する第2エッチング工程(図6(f))において位相シフト材料膜33をエッチングするための第2エッチング液によりエッチングされ難い、又はエッチングされないものを用いることができる。例えば、クロム、アルミニウム、チタン、ケイ素、ニッケル、若しくはニッケル合金、又はこれらの酸化物、窒化物、酸化窒化物、若しくは炭化物を含む材料等が挙げられる。
遮光材料膜43の厚さは、特に限定されるものではなく、露光光を遮光可能な程度の厚さであればよく、一般的に、波長450nmの光に対する光学濃度(OD)が2.7以上となる厚さであるのが望ましい。
位相シフト材料膜33上に遮光材料膜43を形成する方法としては、従来公知の方法を適用することができ、例えば、スパッタリング、真空蒸着、熱CVD、プラズマCVD等が挙げられる。
(レジストパターン形成工程)
続いて、遮光材料膜43上にフォトレジスト膜71を形成し(図6(c)参照)、当該フォトレジスト膜71を所定のフォトマスクを介して露光・現像して、レジストパターン72を形成する(図6(d)参照)。
レジストパターン72の寸法は、位相シフトマスク1における透光部3の設計寸法よりも大きい限り、特に制限されないが、遮光材料や位相シフト材料のエッチングレート等に応じて適宜設定することができる。なお、後述する第1エッチング工程において遮光材料膜43がエッチングされる過程で第1エッチング液が遮光材料膜43の側面からも進行し、遮光材料膜43がサイドエッチングされるために、遮光材料膜43のサイドエッチングにより露出した位相シフト材料膜部分33sとレジストパターン72との間の隙間に、後述する第2エッチング工程において第2エッチング液が入り込み、当該露出部分33sもわずかにエッチングされることになる(図7参照)。そのため、製造される位相シフトマスク1において所望とする位相シフト効果を奏し得る厚さを有する位相シフト部5を含む透光部3の寸法は、レジストパターン72の寸法よりも小さくなる。したがって、レジストパターン72の寸法が位相シフトマスク1における透光部3の設計寸法と同一であると、設計寸法未満の透光部3が形成されてしまう。
(第1エッチング工程)
続いて、上述のようにして形成したレジストパターン72をエッチングマスクとして、所定の第1エッチング液を用いて遮光材料膜43をエッチングし、遮光部4を形成する(図6(e))。上述したように、遮光材料膜43の下層に位置する位相シフト材料膜33を構成する位相シフト材料は、遮光材料膜43をエッチングするための第1エッチング液によってエッチングされ難い、又はエッチングされないものであるため、遮光材料膜43のみがエッチングされることになる。
かかる第1エッチング工程においては、遮光材料膜43がオーバーエッチングされるようなエッチング条件にてエッチング処理を行う。例えば、遮光材料のエッチングレート等に応じて遮光材料膜43をその厚さ分エッチングするために必要な時間よりも長時間のエッチング処理を行う。
第1エッチング液としては、遮光材料をエッチング可能であるが、位相シフト材料をエッチング困難又は不可能なものを用いることができる。遮光材料や位相シフト材料がクロム系、チタン系又はニッケル系材料である場合、エッチング液としては、各材料に対応して硝酸系エッチング液、過酸化水素系エッチング液又は塩化鉄系エッチング液等を用いることができる。そのため、例えば、遮光材料がチタン系材料(例えば酸化窒化チタン)であって位相シフト材料がクロム系材料(例えば酸化窒化クロム)である場合、第1エッチング液としては、過酸化水素系エッチング液を用いることができる。
(第2エッチング工程)
次に、レジストパターン72を剥離することなく、所定の第2エッチング液を用いて位相シフト材料膜33をエッチングし、透光部3を形成する(図6(f))。上述したように、遮光材料膜43を構成する遮光材料は、位相シフト材料膜33をエッチングするための第2エッチング液によってエッチングされ難い、又はエッチングされないものであるため、位相シフト材料膜33のみがエッチングされ、第1エッチング工程(図6(e))により形成された遮光部4はエッチングされない。
なお、遮光材料や位相シフト材料がクロム系、チタン系又はニッケル系材料である場合、エッチング液としては、各材料に対応して硝酸系エッチング液、過酸化水素系エッチング液又は塩化鉄系エッチング液等を用いることができる。そのため、例えば、遮光材料がチタン系材料(例えば酸化窒化チタン)であって位相シフト材料がクロム系材料(例えば酸化窒化クロム)である場合、第2エッチング液としては、硝酸系エッチング液を用いることができる。
かかる第2エッチング工程においては、レジストパターン72の形成されていない部分における位相シフト材料膜33はエッチングされるが、第1エッチング工程(図4(e))により遮光材料膜42がオーバーエッチングされ、レジストパターン72の下方において露出した位相シフト材料膜部分33sはほとんどエッチングされないようにエッチング処理を行う(図7参照)。
したがって、第1エッチング工程により形成された遮光部4の寸法よりも大きい寸法を有し、遮光部4により完全に被覆されることのない透光部3を形成することができ、その結果、当該遮光部4の周囲に所定寸法の位相シフト部5を配置することができる。
なお、第3の実施形態により製造される位相シフトマスク1においては、透光部3の一部(遮光部4により被覆されない部分)として形成される位相シフト部5の厚さにより、当該位相シフト部5の透過光に付与される位相差が決定されることになる。一方、上述の第2エッチング工程(図6(f))においては、上述したように、位相シフト材料膜33のうち、レジストパターン72の下方において遮光材料膜43のエッチングにより露出した位相シフト材料膜部分33s(図7(a)参照)はわずかにエッチングされるもののエッチングされ難いため、位相シフト材料膜33のうち、レジストパターン72の開口部に位置する部分から主にエッチングされ始める(図6(b)参照)。そして、エッチングの進行に伴い、徐々に露出部分33sがサイドエッチングされることになる。そのため、第2エッチング工程後に遮光部4の周囲に配置される位相シフト部5の厚さは、位相シフト材料膜形成工程(図6(a))により形成された位相シフト材料膜33の厚さよりもわずかに薄くなる(図7(b)参照)。したがって、所望とする位相シフト効果を奏し得る位相シフト部5が形成されるように、上述の位相シフト材料膜形成工程(図6(a))において、形成しようとする位相シフト部5の厚さよりも厚い位相シフト材料膜33を形成しておくようにするのが望ましい。
(レジストパターン剥離工程)
最後に、レジストパターン72を剥離する(図4(g))。これにより、図1に示す構成を有する位相シフトマスク1を製造することができる。
上述した第3の実施形態に係る位相シフトマスクの製造方法によれば、一度形成されたレジストパターン72をマスクとして遮光材料膜及び位相シフト材料膜をそれぞれエッチング可能であるため、レジストパターンの位置ズレの問題が生じることなく、面内における位相シフト部5の寸法のバラツキを抑制することができる。
また、レジストパターン形成工程(図6(d))を複数回行う必要がないため、リードタイムを短縮することができ、位相シフトマスクの製造歩留まりが向上し、製造コストの低減を図ることができる。
さらに、遮光材料膜43と位相シフト材料膜33とが別個のエッチング工程によりエッチングされ、遮光部4及び透光部3がそれぞれ形成されるため、それらの寸法制御を容易に行うことができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
以下、実施例等により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例等により何ら制限されるものではない。
〔実施例1〕
520mm×800mmの透明基板(石英基板)2上に酸化窒化クロムをスパッタリングにより成膜して位相シフト材料膜31を形成し、当該位相シフト材料膜31上に金属クロムをスパッタリングによりに成膜して遮光材料膜41を形成した。なお、位相シフト材料膜31を構成する酸化窒化クロムと遮光材料膜41を構成する金属クロムとの間のエッチングレート比(エッチング液:硝酸第2セリウムアンモニウム)が1:6となるように、スパッタリングにより形成する位相シフト材料膜31における酸化窒化クロムの組成比を調整した。
当該遮光材料膜41上にレーザ光感応性フォトレジスト材料からなるフォトレジスト膜71を形成し、レーザ描画装置(LRS15000,マイクロニック社製)を用いてレジストパターン像を描画し、リン酸ナトリウム塩により現像することで所望の寸法(線幅:2.8μm,ピッチ:5.0μm)のラインアンドスペース状のレジストパターン72を形成した。
このようにして形成したレジストパターン72をマスクとして、エッチング液(硝酸第2セリウムアンモニウム)によるウェットエッチング処理を行い、透光部3及び遮光部4を形成し、その後レジストパターン72を剥離した。
上記のようにして、透明基板2上に設けられた透光部3と、透光部3の寸法よりも小さい寸法を有し、透光部3を完全に被覆しないように透光部3上に設けられてなる遮光部4と、透光部3のうち遮光部4により被覆されていない部分としての位相シフト部5と、透明基板2上における透光部3の設けられていない部分としての開口部6とを備える位相シフトマスク1を製造することができた。なお、位相シフト部5の寸法(短手方向長さ)を、精密自動線幅測定装置(DR−8000,大日本スクリーン社製)を用いて測定したところ、当該寸法は0.7μmであった。
このようにして製造した実施例1の位相シフトマスク1を介して、透明基板上のネガ型フォトレジスト膜に等倍投影露光光学系を具備する大型露光装置を用いて露光し、現像したところ、所望とする寸法(大型露光装置の解像限界(3μm)未満の寸法)のレジストパターンを形成することができた。したがって、実施例1の製造方法により製造された位相シフトマスク1は、所望の位相シフト効果を発揮し得ることが確認された。
〔実施例2〕
位相シフト材料膜31を構成する酸化窒化クロムと遮光材料膜41を構成する金属クロムとの間のエッチングレート比(エッチング液:硝酸第2セリウムアンモニウム)が1:4となるように、スパッタリングにより形成する位相シフト材料膜31における酸化窒化クロムの組成比を調整した以外は、実施例1と同様にして位相シフトマスク1を製造した。得られた位相シフトマスク1における位相シフト部5の寸法を、精密自動線幅測定装置(DR−8000,大日本スクリーン社製)を用いて測定したところ、当該寸法は0.48μmであった。
このようにして製造した実施例2の位相シフトマスク1を介して、透明基板上のネガ型フォトレジスト膜に等倍投影露光光学系を具備する大型露光装置を用いて露光し、現像したところ、所望とする寸法(大型露光装置の解像限界(3μm)未満の寸法)のレジストパターンを形成することができた。したがって、実施例2の製造方法により製造された位相シフトマスク1は、所望の位相シフト効果を発揮し得ることが確認された。
〔比較例1〕
位相シフト材料膜31を構成する酸化窒化クロムと遮光材料膜41を構成する金属クロムとの間のエッチングレート比(エッチング液:硝酸第2セリウムアンモニウム)が1:2となるように、スパッタリングにより形成する位相シフト材料膜31における酸化窒化クロムの組成比を調整した以外は、実施例1と同様にして位相シフトマスク1を製造した。得られた位相シフトマスク1における位相シフト部5の寸法を、精密自動線幅測定装置(DR−8000,大日本スクリーン社製)を用いて測定したところ、当該寸法は0.24μmであった。
このようにして製造した比較例1の位相シフトマスク1を介して、透明基板上のネガ型フォトレジスト膜に等倍投影露光光学系を具備する大型露光装置を用いて露光し、現像したところ、所望とする寸法(大型露光装置の解像限界(3μm)未満の寸法)のレジストパターンを形成することができなかった。したがって、比較例1のように、位相シフト材料膜31を構成する位相シフト材料と遮光材料膜41を構成する遮光材料との間のエッチングレート比が1:2であると、所望とする位相シフト効果を発揮し得る位相シフトマスクを得ることができないと考えられる。
〔実施例3〕
390mm×610mmの透明基板(石英基板)2上に酸化窒化クロムをスパッタリングにより成膜して位相シフト材料膜32を形成し、当該位相シフト材料膜32上に酸化窒化チタンをスパッタリングにより成膜して遮光材料膜42を形成した。
当該遮光材料膜42上にレーザ光感応性フォトレジスト材料からんるフォトレジスト膜71を形成し、レーザ描画装置(LRS15000,マイクロニック社製)を用いてレジストパターン像を描画し、リン酸ナトリウム塩により現像することで所望の寸法(線幅:2.8μm,ピッチ:5.0μm)のラインアンドスペース状のレジストパターン72を形成した。
このようにして形成したレジストパターン72をマスクとして、第1エッチング液(過酸化水素水に水酸化カリウムを添加)による第1ウェットエッチング処理を行い、遮光部パターン44を形成した。
次に、レジストパターン72及び遮光部パターン44をマスクとして、第2エッチング液(硝酸第2セリウムアンモニウム)による第2ウェットエッチング処理を行い、透光部3を形成した。
続いて、第1エッチング液による第3ウェットエッチング処理を100秒行って遮光部パターン44をサイドエッチングし、遮光部4を形成した。その後、レジストパターン72を剥離した。
上記のようにして、透明基板2上に設けられた透光部3と、透光部3の寸法よりも小さい寸法を有し、透光部3を完全に被覆しないように透光部3上に設けられてなる遮光部4と、透光部3のうち遮光部4により被覆されていない部分としての位相シフト部5と、透明基板2上における透光部3の設けられていない部分としての開口部6とを備える位相シフトマスク1を製造することができた。なお、位相シフト部5の寸法(短手方向長さ)を、精密自動線幅測定装置(DR−8000,大日本スクリーン社製)を用いて測定したところ、当該寸法は1.0μmであった。
このようにして製造した実施例3の位相シフトマスク1を介して、透明基板上のネガ型フォトレジスト膜に等倍投影露光光学系を具備する大型露光装置を用いて露光し、現像したところ、所望とする寸法(大型露光装置の解像限界(3μm)未満の寸法)のレジストパターンを形成することができた。したがって、実施例3の製造方法により製造された位相シフトマスク1は、所望の位相シフト効果を発揮し得ることが確認された。
〔実施例4〕
390mm×610mmの透明基板(石英基板)2上に酸化窒化クロムをスパッタリングにより成膜して位相シフト材料膜32を形成し、当該位相シフト材料膜32上にNiAl合金をスパッタリングにより成膜して遮光材料膜42を形成した。
当該遮光材料膜42上にレーザ光感応性フォトレジスト材料からなるフォトレジスト膜71を形成し、レーザ描画装置(LRS15000,マイクロニック社製)を用いてレジストパターン像を描画し、リン酸ナトリウム塩により現像することで所望の寸法(線幅:2.8μm,ピッチ:5.0μm)のラインアンドスペース状のレジストパターン72を形成した。
このようにして形成したレジストパターン72をマスクとして、第1エッチング液(塩化第二鉄水溶液)による第1ウェットエッチング処理を行い、遮光部パターン44を形成した。
次に、レジストパターン72及び遮光部パターン44をマスクとして、第2エッチング液(硝酸第2セリウムアンモニウム)による第2ウェットエッチング処理を行い、透光部3を形成した。
続いて、第1エッチング液による第3ウェットエッチング処理を120秒行って遮光部パターン44をサイドエッチングし、遮光部4を形成した。その後、レジストパターン72を剥離した。
上記のようにして、透明基板2上に設けられた透光部3と、透光部3の寸法よりも小さい寸法を有し、透光部3を完全に被覆しないように透光部3上に設けられてなる遮光部4と、透光部3のうち遮光部4により被覆されていない部分としての位相シフト部5と、透明基板2上における透光部3の設けられていない部分としての開口部6とを備える位相シフトマスク1を製造することができた。なお、位相シフト部5の寸法(短手方向長さ)を、精密自動線幅測定装置(DR−8000,大日本スクリーン社製)を用いて測定したところ、当該寸法は1.0μmであった。
このようにして製造した実施例4の位相シフトマスク1を介して、透明基板上のネガ型フォトレジスト膜に等倍投影露光光学系を具備する大型露光装置を用いて露光し、現像したところ、所望とする寸法(大型露光装置の解像限界(3μm)未満の寸法)のレジストパターンを形成することができた。したがって、実施例4の製造方法により製造された位相シフトマスク1は、所望の位相シフト効果を発揮し得ることが確認された。
〔比較例2〕
第1エッチング液による第3ウェットエッチング処理を20秒行った以外は実施例3と同様にして位相シフトマスク1を製造した。得られた位相シフトマスク1における位相シフト部5の寸法を、精密自動線幅測定装置(DR−8000,大日本スクリーン社製)を用いて測定したところ、当該寸法は0.2μmであった。
このようにして製造した比較例2の位相シフトマスク1を介して、透明基板上のネガ型フォトレジスト膜に等倍投影露光光学系を具備する大型露光装置を用いて露光し、現像したところ、所望とする寸法(大型露光装置の解像限界(3μm)未満の寸法)のレジストパターンを形成することができなかった。したがって、比較例2の場合において、第3ウェットエッチング処理時間が20秒程度であると、所望とする位相シフト効果を発揮し得る位相シフトマスクを得ることができないと考えられる。
本発明の位相シフトマスクの製造方法は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の画像表示装置の製造過程において用いられる位相シフトマスクの製造に有用である。
1…位相シフトマスク
2…透明基板
3…透光部
4…遮光部
5…位相シフト部
6…開口部
31,32,33…位相シフト材料膜
41,42,43…遮光材料膜
44…遮光部パターン
71…フォトレジスト膜
72…レジストパターン

Claims (4)

  1. 画像表示装置を製造するために用いられる位相シフトマスクであって、透明基板と、前記透明基板上に設けられてなる透光部と、前記透光部の寸法よりも小さい寸法を有し、前記透明基板の平面視において前記透光部を完全に被覆しないように前記透光部上に設けられてなる遮光部とを備え、前記透光部において前記遮光部により被覆されていない部分が位相シフト部として構成される位相シフトマスクを製造する方法において、
    前記位相シフトマスクの製造方法は、
    前記位相シフト部を構成する位相シフト材料膜及び前記遮光部を構成する遮光材料膜がこの順で積層されてなる透明基板上にレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、
    前記レジストパターンをエッチングマスクとして、所定のエッチング液を用いて前記遮光材料膜及び前記位相シフト材料膜をエッチングするエッチング工程と、
    前記遮光材料膜及び前記位相シフト材料膜がエッチングされた後に、前記レジストパターンを剥離する剥離工程と
    を含み、
    前記エッチング工程において、同一の前記エッチング液により前記遮光材料膜及び前記位相シフト材料膜をエッチングして、前記遮光部と、前記透光部と、前記透明基板の平面視において前記透光部のうちの前記遮光部により被覆されていない部分として構成される前記位相シフト部とを形成し、
    前記遮光材料膜を構成する遮光材料の前記エッチング液によるエッチングレートは、前記位相シフト材料膜を構成する位相シフト材料の前記エッチング液によるエッチングレートよりも、位相シフト機能を発揮し得る前記位相シフト部を前記エッチング工程により形成可能な程度に大きい
    ことを特徴とする位相シフトマスクの製造方法。
  2. 前記位相シフト材料のエッチングレートと前記遮光材料のエッチングレートとの比が、1:3.0〜10.0であることを特徴とする請求項1に記載の位相シフトマスクの製造方法。
  3. 前記遮光材料及び前記位相シフト材料のいずれも、クロム、アルミニウム、チタン、ケイ素、ニッケル、若しくはニッケル合金、又はこれらの酸化物、窒化物、酸化窒化物、若しくは炭化物を含む材料であることを特徴とする請求項1又は2に記載の位相シフトマスクの製造方法。
  4. 画像表示装置を製造するために用いられる位相シフトマスクであって、透明基板と、前記透明基板上に設けられてなる透光部と、前記透光部の寸法よりも小さい寸法を有し、前記透明基板の平面視において前記透光部を完全に被覆しないように前記透光部上に設けられてなる遮光部とを備え、前記透光部において前記遮光部により被覆されていない部分が位相シフト部として構成される位相シフトマスクを製造する方法において、
    前記位相シフトマスクの製造方法は、
    前記位相シフト部を構成する位相シフト材料膜及び前記遮光部を構成する遮光材料膜がこの順で積層されてなる透明基板上に、前記透光部の設計寸法よりも大きい寸法を有するレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、
    前記レジストパターンをエッチングマスクとして、第1エッチング液を用いて前記遮光材料膜をエッチングする第1エッチング工程と、
    前記第1エッチング工程後、前記レジストパターンをエッチングマスクとして、前記第1エッチング液とは異なる種類の第2エッチング液を用いて前記位相シフト材料膜をエッチングする第2エッチング工程と、
    前記レジストパターンをエッチングマスクとして、前記第1エッチング液を用いて前記遮光材料膜をサイドエッチングする第3エッチング工程と、
    前記遮光材料膜及び前記位相シフト材料膜がエッチングされた後に、前記レジストパターンを剥離する剥離工程と
    を含み、
    前記遮光材料及び前記位相シフト材料のいずれも、クロム、アルミニウム、チタン、ケイ素、ニッケル、若しくはニッケル合金、又はこれらの酸化物、窒化物、酸化窒化物、若しくは炭化物を含む材料であって、
    前記遮光材料は、前記第1エッチング液によりエッチングされるが前記第2エッチング液によりエッチングされ難い材料であり、
    前記位相シフト材料は、前記第2エッチング液によりエッチングされるが前記第1エッチング液によりエッチングされ難い材料であることを特徴とする位相シフトマスクの製造方法。
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