JP2014086589A - 太陽電池セルの製造方法および太陽電池セル - Google Patents
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Abstract
【課題】良好な電気特性を有する太陽電池セルを、高い製造効率、かつ高い歩留まりで製造することができる太陽電池セルの製造方法および太陽電池セルを提供する。
【解決手段】半導体基板11の表面に形成された拡散防止マスク層12にレーザ光を照射することによって、拡散防止マスク層に開口部14を設け、拡散防止マスク層12の開口部14から露出する部分をアルカリ性溶液15を用いてエッチングした後に拡散防止マスク層12をマスクとして半導体基板に不純物を拡散する。
【選択図】図4
【解決手段】半導体基板11の表面に形成された拡散防止マスク層12にレーザ光を照射することによって、拡散防止マスク層に開口部14を設け、拡散防止マスク層12の開口部14から露出する部分をアルカリ性溶液15を用いてエッチングした後に拡散防止マスク層12をマスクとして半導体基板に不純物を拡散する。
【選択図】図4
Description
本発明は、太陽電池セルの製造方法および太陽電池セルに関する。
太陽光エネルギを電気エネルギに直接変換する太陽電池セルは、近年、特に地球環境問題の観点から次世代のエネルギ源としての期待が高まっている。太陽電池セルとしては、化合物半導体を使ったもの、および有機材料を使ったものなど、様々な種類があるが、近年の主流は、シリコン結晶を用いたものである。
その中で、最近、最も多く生産・販売されている太陽電池セルは、太陽光を受ける受光面にはn電極が設けられ、裏面にはp電極が設けられている構造を有するものである。このような構造を有する太陽電池セルにおいては、受光面側に設けられたn電極は、電流の取り出しのために必要である。しかしながら、基板のn電極の下方の部分には太陽光が入射しないため、当該下方の部分では発電しない。したがって、電極面積が大きい場合には、太陽電池セルの変換効率が低下することになる。このような、太陽電池セルの受光面側の電極による損失は、シャドウロスと呼ばれている。
これに対し、受光面に電極がなく、p電極およびn電極の両方を裏面に形成した太陽電池セルも存在しており、裏面電極型太陽電池セルと呼ばれている。裏面電極型太陽電池セルにおいては、受光面に電極がないために、電極によるシャドウロスがなく、入射してくる太陽光のほぼ全てを基板内に取り込むことができるため、原理的には高変換効率を実現可能である。しかしながら、裏面電極型太陽電池セルは、全ての電極と拡散領域とをパターニングして基板の裏面に形成する必要があるため、製造プロセスが、従来の太陽電池よりも複雑化してしまう。製造プロセスの複雑化は、必然的に製造コストを増加させると共に、量産性を低下させるため、商業用として大量生産することが難しくなる。
そこで、たとえば特許文献1には、エッチングペーストを使用して基板の裏面に不純物拡散領域を形成する裏面電極型太陽電池セルの製造方法が開発されている。たとえば、n型シリコン基板を用いた場合には、n型シリコン基板の裏面に拡散マスクを形成して、拡散マスク上に塗布したエッチングペーストにより拡散マスクをエッチングして開口部を設け、当該開口部からn型不純物を拡散して、n型シリコン基板の裏面にn型不純物拡散領域を形成する。ここで、裏面電極型太陽電池セルを高変換効率とするためには、n型不純物拡散領域を細線化する必要があるが、エッチングペーストを用いた場合には、n型不純物拡散領域の細線化には限界がある。
また、たとえば特許文献2には、レーザ光を用いてシリコン基板の表面に設けられたエッチングマスク層のパターニングを行ない、エッチングマスク層の開口から露出しているシリコン基板をアルカリ性水溶液を用いてエッチングして溝を形成し、当該溝に埋込電極を形成する太陽電池の製造方法が開示されている。
しかしながら、特許文献2に記載の太陽電池の製造方法においては、溝の形成のためのエッチング時間が長時間にわたることによって太陽電池の製造効率が低下し、さらにはシリコン基板の破損により歩留まりが低下するという問題がある。
上記の事情に鑑みて、本発明の目的は、良好な電気特性を有する太陽電池セルを、高い製造効率、かつ高い歩留まりで製造することができる太陽電池セルの製造方法および太陽電池セルを提供することにある。
本発明は、半導体基板の表面に拡散防止マスク層を形成する第1の工程と、拡散防止マスク層にレーザ光を照射することによって拡散防止マスク層のレーザ光の照射箇所に開口部を設ける第2の工程と、拡散防止マスク層の開口部から露出する部分をアルカリ性溶液を用いてエッチングする第3の工程と、第3の工程の後に拡散防止マスク層をマスクとして半導体基板に不純物を拡散する第4の工程とを含む太陽電池セルの製造方法である。このような構成とすることにより、拡散防止マスク層に開口部を形成する時に半導体基板の表面にレーザ光が照射されて熱が発生することによって生じた酸化膜などのリークパスの要因となるダメージ層をアルカリ性溶液を用いてエッチングすることができるため、良好な電気特性を有する太陽電池セルを高い製造効率、かつ高い歩留まりで製造することができる。
ここで、本発明の太陽電池セルの製造方法は、第4の工程の後に前記拡散防止マスク層を除去する第5の工程と、拡散防止マスク層を除去した後の半導体基板の表面にパッシベーション層を形成する第6の工程と、パッシベーション層にレーザ光を照射することによってパッシベーション層のレーザ光の照射箇所に開口部を設ける第7の工程と、パッシベーション層の開口部から露出する部分をアルカリ性溶液を用いてエッチングする第8の工程とを含むことが好ましい。このような構成とすることにより、パッシベーション層に開口部を形成する時に半導体基板の表面にレーザ光が照射されて熱が発生することによって生じた酸化膜などの電極とのコンタクト抵抗を増大させるダメージ層をアルカリ性溶液を用いてエッチングすることができるため、良好な電気特性を有する太陽電池セルを高い歩留まりで製造することができる。
また、本発明の太陽電池セルの製造方法においては、第3の工程における半導体基板の表面からのエッチング深さが10nm以上であることが好ましい。このような構成とすることにより、半導体基板の表面に生じるダメージ層を十分にエッチングすることができる。
また、本発明の太陽電池セルの製造方法は、第3の工程と第4の工程との間、および第8の工程の後の少なくとも一方のタイミングで、拡散防止マスク層の開口部から露出する部分およびパッシベーション層の開口部から露出する部分の少なくとも一方をフッ酸処理する第9の工程をさらに含むことが好ましい。このような構成とすることにより、拡散防止マスク層への開口部の形成後のアルカリ性溶液を用いたエッチングおよび/またはパッシベーション層への開口部の形成後のアルカリ性溶液を用いたエッチングにより生じた生成物をフッ酸処理によって十分に除去することができるため、良好な電気特性を有する太陽電池セルを高い歩留まりで製造することができる。
さらに、本発明は、上記のいずれかの太陽電池セルの製造方法により製造された太陽電池セルであって、半導体基板にレーザ光の照射跡を有する太陽電池セルである。このような構成とすることにより、高い製造効率、かつ高い歩留まりで製造することができ、さらには良好な電気特性を有する太陽電池セルとすることができる。
本発明によれば、良好な電気特性を有する太陽電池セルを、高い製造効率、かつ高い歩留まりで製造することができる太陽電池セルの製造方法および太陽電池セルを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。
図1〜図11に、本発明の太陽電池セルの製造方法の一例である実施の形態の太陽電池セルの製造方法の製造工程を図解する模式的な断面図を示す。まず、図1に示すように、半導体基板11の受光面側と裏面側のそれぞれの表面に拡散防止マスク層12を形成する。なお、拡散防止マスク層12は、半導体基板11の受光面側と裏面側の少なくとも一方の表面に形成されればよい。
半導体基板11としては、たとえば、n型またはp型のシリコン基板などを用いることができる。ここで、半導体基板11としてシリコン基板を用いる場合には、所望の厚さにスライスされたシリコンウエハのスライスダメージを除去するため、片面につき10〜20μm程度の厚さをフッ酸と硝酸の混酸若しくは水酸化ナトリウムなどのアルカリ溶液でエッチングしたものを用いることができる。半導体基板11の大きさおよび形状は、特に限定されないが、厚さを100〜300μmとし、外形を1辺100〜150mmの擬似四角形の表面を有するものとすることができる。また、半導体基板11におけるn型不純物またはp型不純物の不純物濃度は、たとえば、1×1015個/cm3以上1×1016個/cm3とすることができる。
拡散防止マスク層12としては、たとえば、酸化物層および窒化物層の少なくとも一方を用いることができる。酸化物層としては、たとえば酸化シリコン層などを用いることができる。また、窒化物層としては、たとえば窒化シリコン層などを用いることができる。したがって、拡散防止マスク層12としては、たとえば、酸化シリコン層の単層、窒化シリコン層の単層、または酸化シリコン層と窒化シリコン層との積層体などを用いることができる。
拡散防止マスク層12の厚さは、特に限定されないが、たとえば、それぞれ200nm以上400nm以下の厚さとすることができる。
拡散防止マスク層12の形成方法も特に限定されないが、たとえば、常圧CVD(Chemical Vapor Deposition)法、プラズマCVD法、スチーム酸化法、またはSOG(Spin on Glass)の塗布・焼成などを用いることができる。なお、太陽電池セルの製造効率をより高くする観点からは、拡散防止マスク層12としては、自然酸化膜を用いることが好ましい。
次に、図2に示すように、半導体基板11の裏面側の拡散防止マスク層12にレーザ光13を照射することによって、図3に示すように、レーザ光13の照射箇所の拡散防止マスク層12を除去して、拡散防止マスク層12に開口部14を形成する。
レーザ光13としては、短波長かつ短パルス幅のレーザ光を用いることが好ましい。この場合には、レーザ光13が半導体基板11に照射されたときの半導体基板11の表面へのダメージを低減することができる。ここで、短波長かつ短パルス幅のレーザ光13の波長は、1000nm以下であることが好ましく、355nm以下であることがより好ましい。また、短波長かつ短パルス幅のレーザ光13のパルス幅は、10ns(ナノ秒)以下であることが好ましく、15ps(ピコ)秒以下であることがより好ましい。このような短波長かつ短パルス幅のレーザ光13を用いた場合には、半導体基板11の表面へのダメージを低減することができるが、その一方で、半導体基板11の表面にレーザ光13が照射されて熱が発生することによって生じた酸化膜などのリークパスの要因となるダメージ層が生成される。
次に、図4に示すように、拡散防止マスク層12の開口部14から露出する部分をアルカリ性溶液15を用いてエッチングする。これにより、拡散防止マスク層12に開口部14を形成する時に半導体基板11の表面にレーザ光13が照射されて熱が発生することによって生じた酸化膜などのリークパスの要因となるダメージ層を除去することができる。そのため、後工程で、半導体基板11の表面に不純物を拡散する際にマスクとなり得るダメージ層をこの段階でアルカリ性溶液15により除去することができるため、良好な電気特性を有する太陽電池セルを、高い製造効率、かつ高い歩留まりで製造することが可能となる。
アルカリ性溶液15としては、上記のダメージ層を除去することができるものであれば特に限定されないが、たとえば、水酸化ナトリウム水溶液または水酸化カリウム水溶液などを用いることができる。
また、半導体基板11の表面からのエッチング深さは、10nm以上であることが好ましい。この場合には、レーザ光13の照射によって半導体基板11の表面に生じたダメージ層を十分にエッチングにより除去することができるため、より良好な電気特性を有する太陽電池セルをより高い歩留まりで製造することができる。
また、上記のアルカリ性溶液15を用いたエッチング後には、拡散防止マスク層12の開口部14から露出する部分をフッ酸処理することが好ましい。上記のエッチング後には純粋などを用いて洗浄を行なうことが好ましいが、当該洗浄後においても、上記のエッチング中に半導体基板11を構成するたとえばシリコンなどの物質とアルカリ性溶液15とが反応して生成したケイ酸塩などの反応生成物が拡散防止マスク層12の開口部14および/または半導体基板11の表面に付着していることがある。そのため、上記のアルカリ性溶液15を用いたエッチング後に拡散防止マスク層12の開口部14から露出する部分をフッ酸処理することによって、ケイ酸塩などの反応生成物を除去することができるため、より良好な電気特性を有する太陽電池セルをより高い歩留まりで製造することができる。
次に、図5に示すように、上記のエッチング後の拡散防止マスク層12をマスクとして半導体基板11にn型不純物を拡散することによって、n型不純物拡散領域21を形成する。
n型不純物拡散領域21の形成は、たとえば、n型不純物としてのリンを含むPOCl3を用いた気相拡散、またはリンを含む溶剤をスピンコートして高温でアニールする塗布拡散などにより行なうことができる。
なお、n型不純物拡散領域21中のn型不純物濃度が1×1017個/cm3以上1×1019個/cm3となるように、気相拡散によりn型不純物拡散領域21を形成する場合には、たとえば800℃以上900℃以下の温度で30分以上60分以下の時間、半導体基板11にn型不純物を拡散することが好ましい。また、半導体基板11の受光面側の表面に拡散防止マスク層12を形成せずに、半導体基板11の受光面側にもn型不純物を拡散することによって、FSF(フロントサーフェスフィールド)を形成してもよい。
また、n型不純物拡散領域21の形成後には、n型不純物の拡散によって形成されたPSG(リンシリケートグラス)層と拡散防止マスク層12とが除去される。
その後、図6に示すように、p型不純物拡散領域22についても、n型不純物拡散領域21と同様にして形成される。すなわち、p型不純物拡散領域22の形成に際しても、(i)半導体基板11の表面に拡散防止マスク層21を形成する工程、(ii)拡散防止マスク層21にレーザ光13を照射することによって拡散防止マスク層21のレーザ光13の照射箇所に開口部14を形成する工程、(iii)拡散防止マスク層21の開口部14から露出する部分をアルカリ性溶液15を用いてエッチングする工程(より好ましくは、当該エッチング後にフッ酸処理をする工程)、および(iv)エッチング後の拡散防止マスク層12をマスクとして半導体基板11にp型不純物を拡散する工程が行なわれることが好ましい。
p型不純物拡散領域22の形成は、たとえば、p型不純物としてのボロンを含むBBr3を用いた気相拡散、またはボロンを含む溶剤をスピンコートして高温でアニールする塗布拡散などにより行なうことができる。
なお、p型不純物拡散領域22中のp型不純物濃度が1×1018個/cm3以上1×1019個/cm3となるように、気相拡散によりp型不純物拡散領域22を形成する場合には、たとえば900℃以上1000℃以下の温度で30分以上60分以下の時間、p型不純物を拡散することが好ましい。
また、p型不純物拡散領域22の形成後には、p型不純物の拡散によって形成されたBSG(ボロンシリケートグラス)層と拡散防止マスク層とが除去される。
次に、図7に示すように、半導体基板11の受光面側と裏面側のそれぞれの表面にパッシベーション層23を形成する。なお、パッシベーション層23は、半導体基板11の受光面側と裏面側の少なくとも一方の表面に形成されればよい。また、パッシベーション層23をテクスチャエッチングマスクとして、半導体基板11の受光面のテクスチャエッチングを行ない、テクスチャ構造を形成してもよい。また、半導体基板11の受光面側に設けられたパッシベーション層23を反射防止膜として用いてもよく、テクスチャ構造の形成後に、新たに反射防止膜を形成してもよい。
パッシベーション層23としては、たとえば、酸化物層および窒化物層の少なくとも一方を用いることができる。酸化物層としては、たとえば酸化シリコン層などを用いることができる。また、窒化物層としては、たとえば窒化シリコン層などを用いることができる。したがって、パッシベーション層23としては、たとえば、酸化シリコン層の単層、窒化シリコン層の単層、または酸化シリコン層と窒化シリコン層との積層体などを用いることができる。
パッシベーション層23に用いられる酸化シリコン層としては、たとえば、スチーム酸化法、常圧CVD法、SOGの塗布・焼成により形成された厚さ300nm以上800nm以下のものを用いることができる。また、窒化シリコン層としては、たとえば、プラズマCVD法または常圧CVD法で形成された厚さ60nm以上100nmのものを用いることができる。
次に、図8に示すように、半導体基板11の裏面側のパッシベーション層23にレーザ光13を照射することによって、図9に示すように、レーザ光13の照射箇所のパッシベーション層23を除去して、パッシベーション層23に開口部24を形成する。ここで、開口部24は、n型不純物拡散領域21の表面の一部およびp型不純物拡散領域22の表面の一部が露出するように形成される。また、レーザ光13についての説明は上記と同様であるため、ここではその説明については省略する。
次に、図10に示すように、パッシベーション層23の開口部24から露出する部分をアルカリ性溶液15を用いてエッチングする。これにより、パッシベーション層23に開口部24を形成する時に半導体基板11の表面にレーザ光13が照射されて熱が発生することによって生じた酸化膜などのリークパスの要因となるダメージ層を除去することができる。そのため、後工程で、半導体基板11の表面に電極を形成した際にコンタクト抵抗の増大を生じ得るダメージ層をこの段階でアルカリ性溶液15により除去することができるため、より良好な電気特性を有する太陽電池セルを、より高い製造効率、かつより高い歩留まりで製造することが可能となる。
また、上記のアルカリ性溶液15を用いたエッチング後には、パッシベーション層23の開口部24から露出する部分をフッ酸処理することが好ましい。上記のエッチング後には純粋などを用いて洗浄を行なうことが好ましいが、当該洗浄後においても、上記のエッチング中に半導体基板11を構成するたとえばシリコンなどの物質とアルカリ性溶液15とが反応して生成したケイ酸塩などの反応生成物がパッシベーション層23の開口部24から露出する部分および/または半導体基板11の表面に付着していることがある。そのため、上記のアルカリ性溶液15を用いたエッチング後にパッシベーション層23の開口部24から露出する部分をフッ酸処理することによって、ケイ酸塩などの反応生成物を除去することができるため、より良好な電気特性を有する太陽電池セルをより高い歩留まりで製造することができる。
なお、半導体基板11の表面からのエッチング深さおよびアルカリ性溶液15についての説明は上記と同様であるため、ここではその説明については省略する。
その後、図11に示すように、n型不純物拡散領域21の表面に接触するn電極25を形成するとともに、p型不純物拡散領域22の表面に接触するp電極26を形成することによって、実施の形態の裏面電極太陽電池セルが完成する。このようにして製造された実施の形態の裏面電極太陽電池セルは、半導体基板11の表面にレーザ光13の照射跡を有している。
なお、n電極25およびp電極26は、たとえば、銀ペーストを塗布した後に、500℃以上600℃以下の温度で焼成することなどにより形成することができる。
また、パッシベーション層23の開口部24の大きさは、n電極25およびp電極26よりも小さい方が好ましい。たとえば、パッシベーション層23の線状の開口部24の幅が80μmである場合には、同じく線状のn電極25およびp電極26の幅は100μmとすればよい。
上述したように、実施の形態の太陽電池セルの製造方法においては、半導体基板11の表面にレーザ光13が照射されて熱が発生することによって生じた酸化膜などのリークパスの要因となるダメージ層をアルカリ性溶液15を用いたエッチングにより除去することができるため、良好な電気特性を有する太陽電池セルを、高い製造効率、かつ高い歩留まりで製造することが可能となる。
特に、半導体基板11の表面へのダメージを低減するために、短波長かつ短パルス幅のレーザ光13を半導体基板11の表面に照射した場合には、半導体基板11の表面に酸化膜などのリークパスの要因となるダメージ層が生成しやすくなることから、実施の形態の太陽電池セルの製造方法はより効果的となる。
さらに、半導体基板11の表面からのエッチング深さを10nm以上とすること、および/またはアルカリ性溶液15を用いたエッチング後にフッ酸処理を行なうことによってより良好な電気特性を有する太陽電池セルを、より高い歩留まりで製造することが可能となる。
以上の理由により、実施の形態の太陽電池セルの製造方法によれば、良好な電気特性を有する太陽電池セルを、高い製造効率、かつ高い歩留まりで製造することができる太陽電池セルの製造方法および太陽電池セルを提供することができる。
これは、本発明者らは、半導体基板11の表面に設けられた拡散防止マスク層12にレーザ光13を照射し、レーザ光13の照射部分の拡散防止マスク層12を部分的に除去して開口部14を形成する裏面電極型太陽電池セルの製造過程に着目した結果、半導体基板11の表面に酸化膜などのレーザ光13の照射に起因するダメージ層が形成され、このダメージ層が不純物拡散のマスクとして機能するとともに、pn接合部を導通させるリークパスとしても機能することを見い出したことによるものである。
また、これは、本発明者らが、半導体基板11の表面に設けられたパッシベーション層23にレーザ光13を照射してパッシベーション層23を部分的に除去して開口部24を形成する場合にも同様に半導体基板11の表面に酸化膜などのダメージ層が形成され、このダメージ層が半導体基板11の表面の不純物拡散領域と電極とのコンタクト抵抗の上昇を引き起こすことも見い出したことにもよるものである。
<実施例1の裏面電極型太陽電池セルの作製>
まず、n型シリコン基板の受光面側と裏面側のそれぞれの表面に自然酸化膜を形成した。次に、n型シリコン基板の裏面側の自然酸化膜に短波長かつ短パルス幅のレーザ光を複数回照射することによって、自然酸化膜のレーザ光の照射箇所に線状の開口部を形成した。ここで、自然酸化膜の開口部の形状は、n型不純物拡散領域の形成領域の形状に一致させた。
まず、n型シリコン基板の受光面側と裏面側のそれぞれの表面に自然酸化膜を形成した。次に、n型シリコン基板の裏面側の自然酸化膜に短波長かつ短パルス幅のレーザ光を複数回照射することによって、自然酸化膜のレーザ光の照射箇所に線状の開口部を形成した。ここで、自然酸化膜の開口部の形状は、n型不純物拡散領域の形成領域の形状に一致させた。
ここで、自然酸化膜に照射されたレーザ光の波長は532nmであり、パルス幅は4nsであり、1パルス当たりの照射エネルギは25μJであり、1パルス当たりの加工径は35μmであり、線状の開口部の幅は210μmとされた。
次に、自然酸化膜の開口部から露出する部分を水酸化ナトリウム水溶液でエッチングした。ここで、水酸化ナトリウム水溶液の水酸化ナトリウム濃度は30質量%であり、水酸化ナトリウム水溶液中へのn型シリコン基板の浸漬時間は1分間〜3分間であり、水酸化ナトリウム水溶液の温度は75℃であった。
次に、純水によって、上記エッチング後のn型シリコン基板を洗浄した後に、自然酸化膜をマスクとして、n型不純物としてのリンを含むPOCl3を用いて、自然酸化膜の開口部からリンをn型シリコン基板に気相拡散することによって、n型シリコン基板にn型不純物拡散領域を形成した。そして、n型不純物拡散領域の形成後には、自然酸化膜と、リンの拡散によって生じたPSG層とを除去した。
次に、上記と同様にして、n型シリコン基板の表面のn型不純物拡散領域の間の領域にp型不純物拡散領域を形成した。レーザ光の照射条件および水酸化ナトリウム水溶液を用いたエッチング条件は上記と同一の条件とした。また、p型不純物拡散領域は、p型不純物としてのボロンを含むBBr3を用いた気相拡散により形成された。そして、p型不純物拡散領域の形成後には、自然酸化膜と、ボロンの拡散によって生じたBSG層とを除去した。
次に、エッチングペーストにてコンタクトホールとなる開口部を線状に作製した。この時、開口部の幅は80μmとされた。
その後、銀ペーストの塗布および焼成により、n型不純物拡散領域の表面に接触する線状のn電極を形成するとともに、p型不純物拡散領域の表面に接触する線状のp電極を形成することによって、実施例1の裏面電極型太陽電池セルを作製した。ここで、線状のn電極およびp電極の幅は100μmとされた。
<比較例1の裏面電極型太陽電池セルの作製>
n型不純物拡散領域の形成前に、自然酸化膜の開口部から露出する部分を水酸化ナトリウム水溶液でエッチングしなかったこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の裏面電極型太陽電池セルを作製した。
n型不純物拡散領域の形成前に、自然酸化膜の開口部から露出する部分を水酸化ナトリウム水溶液でエッチングしなかったこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の裏面電極型太陽電池セルを作製した。
<電気特性の比較>
実施例1および比較例1の裏面電極型太陽電池セルの電気特性の比較のため、ソーラシミュレータを用いて、スペクトル分布AM1.5、エネルギ密度100mW/cm2の1SUN疑似太陽光を実施例1および比較例1の裏面電極型太陽電池セルに照射し、電流−電圧曲線を作成して、その結果から、実施例1および比較例1の裏面電極型太陽電池セルの変換効率(%)およびリーク電流量(A)を算出した。その結果を図12(変換効率)および図13(リーク電流量)に示す。
実施例1および比較例1の裏面電極型太陽電池セルの電気特性の比較のため、ソーラシミュレータを用いて、スペクトル分布AM1.5、エネルギ密度100mW/cm2の1SUN疑似太陽光を実施例1および比較例1の裏面電極型太陽電池セルに照射し、電流−電圧曲線を作成して、その結果から、実施例1および比較例1の裏面電極型太陽電池セルの変換効率(%)およびリーク電流量(A)を算出した。その結果を図12(変換効率)および図13(リーク電流量)に示す。
図12に示すように、比較例1の裏面電極型太陽電池セルの変換効率は15.4%であったのに対し、実施例1の裏面電極型太陽電池セルの変換効率は17.4%であった。したがって、n型不純物拡散領域の形成前に自然酸化膜の開口部から露出する部分を水酸化ナトリウム水溶液でエッチングすることによる変換効率の向上の効果が確認された。
また、図13に示すように、実施例1の裏面電極型太陽電池セルのリーク電流量は、比較例1の裏面電極型太陽電池セルのリーク電流量の約1/8まで減少することが確認された。
図12および図13に示される結果から、実施例1の裏面電極型太陽電池セルは、比較例1の裏面電極型太陽電池セルよりも電気特性に優れることが確認された。
<表面状態の比較>
図14(a)に、比較例1のn型不純物拡散領域の形成前のn型シリコン基板の裏面側の表面の光学顕微鏡写真を示し、図14(b)に、実施例1のn型不純物拡散領域の形成前であってエッチング後のn型シリコン基板の裏面側の表面の光学顕微鏡写真を示す。
図14(a)に、比較例1のn型不純物拡散領域の形成前のn型シリコン基板の裏面側の表面の光学顕微鏡写真を示し、図14(b)に、実施例1のn型不純物拡散領域の形成前であってエッチング後のn型シリコン基板の裏面側の表面の光学顕微鏡写真を示す。
図15(a)に、比較例1のn型不純物拡散領域の形成前のn型シリコン基板の裏面側の表面のSEM(走査型電子顕微鏡:Scanning Electron Microscope)写真を示し、図15(b)に、実施例1のn型不純物拡散領域の形成前であってエッチング後のn型シリコン基板の裏面側の表面のSEM写真を示す。
図14および図15に示すように、実施例1においては、比較例1と比較して、n型シリコン基板の裏面側の表面のレーザ光の照射箇所41の凹凸が低減できていることが確認できる。また、実施例1においては、比較例1と比較して、n型シリコン基板の裏面側の表面のレーザ光の非照射箇所42もエッチングされている。
<pn接合のリークパスの比較>
図16(a)に、比較例1のn型不純物拡散領域の形成前のn型シリコン基板の裏面側の表面のEBIC(電子線誘起電流法:Electron Beam Induced Current)にて取得した像とSEM像とを合成した図を示し、図16(b)に、実施例1のn型不純物拡散領域の形成前であってエッチング後のn型シリコン基板の裏面側の表面のEBIC像とSEM像とを合成した図を示す。なお、EBIC像の取得に用いられた印加電圧は10kVとした。
図16(a)に、比較例1のn型不純物拡散領域の形成前のn型シリコン基板の裏面側の表面のEBIC(電子線誘起電流法:Electron Beam Induced Current)にて取得した像とSEM像とを合成した図を示し、図16(b)に、実施例1のn型不純物拡散領域の形成前であってエッチング後のn型シリコン基板の裏面側の表面のEBIC像とSEM像とを合成した図を示す。なお、EBIC像の取得に用いられた印加電圧は10kVとした。
図16(a)と図16(b)との比較から明らかなように、図16(a)の方が図16(b)よりも、p型不純物拡散領域61とn電極63との間のn型不純物拡散領域62が明るくなっていることがわかる。これは、p型不純物拡散領域61とn型不純物拡散領域62との接合部であるpn接合のリークパスを意味しているため、実施例1のように、n型不純物拡散領域の形成前にエッチングを行なった場合には、pn接合のリークパスも低減できることがわかる。
<パルス幅と熱拡散長との関係>
図17に、n型シリコン基板に照射されるレーザ光のパルス幅(ps(ピコ秒))と、レーザ光の照射によってn型シリコン基板に発生する熱の深さ方向の拡散長(熱拡散長;単位はm)との関係を示す。n型シリコン基板の深さ方向の熱拡散長とレーザ光のパルス幅との関係を示す図17に示される直線の傾きは、以下の式(I)により算出されたものである。なお、下記の式(I)において、Xthは熱拡散長を示し、k0はn型シリコン基板の熱伝導率を示し、tpはレーザ光のパルス幅を示し、Ciはn型シリコン基板の熱容量を示している。
図17に、n型シリコン基板に照射されるレーザ光のパルス幅(ps(ピコ秒))と、レーザ光の照射によってn型シリコン基板に発生する熱の深さ方向の拡散長(熱拡散長;単位はm)との関係を示す。n型シリコン基板の深さ方向の熱拡散長とレーザ光のパルス幅との関係を示す図17に示される直線の傾きは、以下の式(I)により算出されたものである。なお、下記の式(I)において、Xthは熱拡散長を示し、k0はn型シリコン基板の熱伝導率を示し、tpはレーザ光のパルス幅を示し、Ciはn型シリコン基板の熱容量を示している。
Xth=(2×k0×tp/Ci)^(0.5) …(I)
図17に示すように、n型シリコン基板に1ps以上のパルス幅でレーザ光を照射した場合には、n型シリコン基板の深さ方向の熱拡散長は10nm以上であった。すなわち、パルス幅が1ps以上のレーザ光をn型シリコン基板に照射した場合には、n型シリコン基板の10nm以上の深さの領域が熱によりダメージを受けて酸化膜となる可能性がある。したがって、n型シリコン基板の表面からのエッチング深さを10nm以上とした場合には、レーザ光の照射によってn型シリコン基板の表面に生成した酸化膜を十分に除去することができる。
図17に示すように、n型シリコン基板に1ps以上のパルス幅でレーザ光を照射した場合には、n型シリコン基板の深さ方向の熱拡散長は10nm以上であった。すなわち、パルス幅が1ps以上のレーザ光をn型シリコン基板に照射した場合には、n型シリコン基板の10nm以上の深さの領域が熱によりダメージを受けて酸化膜となる可能性がある。したがって、n型シリコン基板の表面からのエッチング深さを10nm以上とした場合には、レーザ光の照射によってn型シリコン基板の表面に生成した酸化膜を十分に除去することができる。
<エッチング深さと浸漬時間との関係>
n型シリコン基板のエッチング深さは、溶液濃度、溶液温度および浸漬時間といった条件を変化させることで調整可能となる。図18に、水酸化ナトリウム濃度が30質量%の水酸化ナトリウム水溶液の溶液温度(60℃、75℃、90℃)および浸漬時間(1分、3分、5分)を変化させたときのエッチング深さY(μm)と浸漬時間X(分)との関係を示す。なお、n型シリコン基板のエッチング深さは、段差計を用いた測定により算出した。
n型シリコン基板のエッチング深さは、溶液濃度、溶液温度および浸漬時間といった条件を変化させることで調整可能となる。図18に、水酸化ナトリウム濃度が30質量%の水酸化ナトリウム水溶液の溶液温度(60℃、75℃、90℃)および浸漬時間(1分、3分、5分)を変化させたときのエッチング深さY(μm)と浸漬時間X(分)との関係を示す。なお、n型シリコン基板のエッチング深さは、段差計を用いた測定により算出した。
図18に示すように、水酸化ナトリウム水溶液の溶液温度60℃、75℃および90℃におけるエッチングレートは、それぞれ、0.3μm/分、1.1μm/分および2.2μm/分と変化することがわかる。すなわち、エッチングの条件を変更することにより、所望のエッチング深さを得ることが可能となる。
<実施例2の裏面電極型太陽電池セルの作製>
n型不純物拡散領域の形成前に、自然酸化膜の開口部から露出する部分を水酸化ナトリウム水溶液でエッチングした後に、フッ酸処理したこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の裏面電極型太陽電池セルを作製した。
n型不純物拡散領域の形成前に、自然酸化膜の開口部から露出する部分を水酸化ナトリウム水溶液でエッチングした後に、フッ酸処理したこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の裏面電極型太陽電池セルを作製した。
図19(a)に、実施例2のエッチング後であってフッ酸処理前のn型シリコン基板の裏面側の表面の光学顕微鏡写真を示し、図19(b)に、実施例2のエッチングに引き続いてフッ酸処理を行なった後のn型シリコン基板の裏面側の表面の光学顕微鏡写真を示す。
図19(a)においては、レーザ光の照射箇所41内において、下地であるn型シリコン基板とは異なる色で表わされているケイ酸が付着していることがわかる。一方、図19(b)においては、拡散防止マスク層となる自然酸化膜が除去されない程度にフッ酸処理を行なった場合には、ケイ酸が除去されることがわかる。ここで、フッ酸処理条件は、フッ酸濃度が1体積%であり、n型シリコン基板のフッ酸への浸漬時間が10秒であり、かつフッ酸温度が常温の条件とされた。
すなわち、アルカリ性溶液を用いてn型シリコン基板のエッチングを行なった後に、次のn型シリコン基板をアルカリ性溶液によりエッチングした場合には、n型シリコン基板の表面にケイ酸が付着するおそれがある。すなわち、エッチング液に水酸化ナトリウム水溶液を用いた場合には、以下の化学反応式(II)によりケイ酸ナトリウム(Na2SiO3)が生成する。
Si+2NaOH+H2O→Na2SiO3+2H2↑ …(II)
仮に、上記のようなケイ酸塩がn型シリコン基板および/または自然酸化膜に付着した場合には、アルカリ性溶液を用いたエッチング後に純水で洗浄したとしても、ケイ酸塩を除去するのは困難である。アルカリ性溶液を用いたエッチング後であって、不純物の拡散前および/または電極の形成前に、フッ酸処理によりケイ酸塩を除去することは有効であり、これにより、より良好な電気特性を有する太陽電池セルをより高い歩留まりで製造することができる。
仮に、上記のようなケイ酸塩がn型シリコン基板および/または自然酸化膜に付着した場合には、アルカリ性溶液を用いたエッチング後に純水で洗浄したとしても、ケイ酸塩を除去するのは困難である。アルカリ性溶液を用いたエッチング後であって、不純物の拡散前および/または電極の形成前に、フッ酸処理によりケイ酸塩を除去することは有効であり、これにより、より良好な電気特性を有する太陽電池セルをより高い歩留まりで製造することができる。
本発明は、半導体基板の表面に拡散防止マスク層を形成する第1の工程と、拡散防止マスク層にレーザ光を照射することによって拡散防止マスク層のレーザ光の照射箇所に開口部を設ける第2の工程と、拡散防止マスク層の開口部から露出する部分をアルカリ性溶液を用いてエッチングする第3の工程と、第3の工程の後に拡散防止マスク層をマスクとして半導体基板に不純物を拡散する第4の工程とを含む太陽電池セルの製造方法である。このような構成とすることにより、拡散防止マスク層に開口部を形成する時に半導体基板の表面にレーザ光が照射されて熱が発生することによって生じた酸化膜などのリークパスの要因となるダメージ層をアルカリ性溶液を用いてエッチングすることができるため、良好な電気特性を有する太陽電池セルを高い製造効率、かつ高い歩留まりで製造することができる。
本発明の太陽電池セルの製造方法は、第4の工程の後に前記拡散防止マスク層を除去する第5の工程と、拡散防止マスク層を除去した後の半導体基板の表面にパッシベーション層を形成する第6の工程と、パッシベーション層にレーザ光を照射することによってパッシベーション層のレーザ光の照射箇所に開口部を設ける第7の工程と、パッシベーション層の開口部から露出する部分をアルカリ性溶液を用いてエッチングする第8の工程とを含むことが好ましい。このような構成とすることにより、パッシベーション層に開口部を形成する時に半導体基板の表面にレーザ光が照射されて熱が発生することによって生じた酸化膜などの電極とのコンタクト抵抗を増大させるダメージ層をアルカリ性溶液を用いてエッチングすることができるため、良好な電気特性を有する太陽電池セルを高い歩留まりで製造することができる。
本発明の太陽電池セルの製造方法においては、第3の工程における半導体基板の表面からのエッチング深さが10nm以上であることが好ましい。このような構成とすることにより、半導体基板の表面に生じるダメージ層を十分にエッチングすることができる。
本発明の太陽電池セルの製造方法は、第3の工程と第4の工程との間、および第8の工程の後の少なくとも一方のタイミングで、拡散防止マスク層の開口部から露出する部分およびパッシベーション層の開口部から露出する部分の少なくとも一方をフッ酸処理する第9の工程をさらに含むことが好ましい。このような構成とすることにより、拡散防止マスク層への開口部の形成後のアルカリ性溶液を用いたエッチングおよび/またはパッシベーション層への開口部の形成後のアルカリ性溶液を用いたエッチングにより生じた生成物をフッ酸処理によって十分に除去することができるため、良好な電気特性を有する太陽電池セルを高い歩留まりで製造することができる。
本発明は、上記のいずれかの太陽電池セルの製造方法により製造された太陽電池セルであって、半導体基板にレーザ光の照射跡を有する太陽電池セルである。このような構成とすることにより、高い製造効率、かつ高い歩留まりで製造することができ、さらには良好な電気特性を有する太陽電池セルとすることができる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、太陽電池セルの製造方法および太陽電池セルに利用することができ、特に裏面電極型太陽電池セルの製造方法および裏面電極型太陽電池セルに好適に利用することができる。
11 半導体基板、12 拡散防止マスク層、13 レーザ光、14 開口部、15 アルカリ性溶液、21 n型不純物拡散領域、22 p型不純物拡散領域、23 パッシベーション層、24 開口部、25 n電極、26 p電極、41 レーザ光の照射箇所、42 レーザ光の非照射箇所、61 p型不純物拡散領域、62 n型不純物拡散領域、63 n電極。
Claims (5)
- 半導体基板の表面に拡散防止マスク層を形成する第1の工程と、
前記拡散防止マスク層にレーザ光を照射することによって前記拡散防止マスク層の前記レーザ光の照射箇所に開口部を設ける第2の工程と、
前記拡散防止マスク層の前記開口部から露出する部分をアルカリ性溶液を用いてエッチングする第3の工程と、
前記第3の工程の後に、前記拡散防止マスク層をマスクとして前記半導体基板に不純物を拡散する第4の工程と、を含む、太陽電池セルの製造方法。 - 前記第4の工程の後に前記拡散防止マスク層を除去する第5の工程と、
前記拡散防止マスク層を除去した後の前記半導体基板の前記表面にパッシベーション層を形成する第6の工程と、
前記パッシベーション層にレーザ光を照射することによって前記パッシベーション層の前記レーザ光の照射箇所に開口部を設ける第7の工程と、
前記パッシベーション層の前記開口部から露出する部分をアルカリ性溶液を用いてエッチングする第8の工程と、を含む、請求項1に記載の太陽電池セルの製造方法。 - 前記半導体基板の前記表面からのエッチング深さが10nm以上である、請求項1または2に記載の太陽電池セルの製造方法。
- 前記第3の工程と前記第4の工程との間、および前記第8の工程の後の少なくとも一方のタイミングで、前記拡散防止マスク層の前記開口部から露出する部分および前記パッシベーション層の前記開口部から露出する部分の少なくとも一方をフッ酸処理する第9の工程をさらに含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の太陽電池セルの製造方法。
- 請求項1から4のいずれか1項に記載の太陽電池セルの製造方法により製造された太陽電池セルであって、
前記半導体基板に前記レーザ光の照射跡を有する、太陽電池セル。
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-
2012
- 2012-10-24 JP JP2012234876A patent/JP2014086589A/ja active Pending
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