JP2014086426A - レーザー出力制御装置及びレーザー走査型表示装置 - Google Patents

レーザー出力制御装置及びレーザー走査型表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】輝度、表示色が安定したレーザー出力制御装置およびレーザー走査型表示装置を提供する。
【解決手段】レーザー発振する電流である閾電流値Itより大きい2点以上の電流値をLD(レーザダイオード)に供給し、このとき第1光検出部にて検出される光強度Lに基づき、光強度特性Pを生成し、第1光検出部により検出された光強度Lが予め定められた特定光強度Lsになる、LDに供給する特定電流値Isを求め、階調レベルEnを、予め定めた判定レベルEs以上にする場合、生成された光強度特性Pに基づいてLDに供給する電流を調整し、階調レベルEnを、判定レベルEsより低くする場合、LDを、特定電流値Isを基準にして、階調レベルEnに予め対応づけられたPWM(パルス幅変調)値Dnに基づきパルス幅変調駆動させる。
【選択図】図10

Description

本発明は、画像情報に基づき所望の光強度のレーザー光を出力させるレーザー出力制御装置とこのレーザー出力制御装置を備えたレーザー走査型表示装置に関するものである。
レーザー走査型表示装置として、レーザー光源が発したレーザー光を走査系でスクリーン上に走査して表示像を生成するものが特許文献1に開示されている。このようなレーザー走査型表示装置に具備されるレーザー出力制御装置は、画像を示す入力信号に基づき光源を階調制御するための複数段階の階調レベルと、光源に供給する電流を指示する電流制御データと、を対応づけたテーブルデータである階調制御データを記憶しておき、入力信号に基づいた階調レベルに応じた電流を光源に供給することで、所望の光強度のレーザー光を出力させるものである。
ところで、レーザー光源は、光を出射する際に発生する熱や、外気温の変化等に起因して、レーザー発振する閾電流値が変化するという特性がある。閾電流値が変化すると、光源の電流−光強度特性(供給される電流と光強度との関係)が変化してしまうことから、所定の階調レベルの光強度のレーザー光を得るために、予め対応づけられた電流制御データに基づき光源に電流を供給したとしても、その電流制御データで出力できるレーザー光の光強度が上記の理由などにより変化するため、結果として所望の光強度のレーザー光が得られず、表示する画像の輝度が安定しないといった問題が生じる。また、複数色のレーザー光の混色によりカラー表示を行う場合、1つのレーザー光の光強度が安定しないことにより、混色した際の表示色が所望の表示色で表示されないといった問題が生じる。
そこで、特許文献2には、表示する画像の輝度、表示色を安定させるため、光源に供給する電流値を2点以上変化させて供給し、このときに光検出部で検出される光強度に基づいて、光源の電流−光強度特性を演算し、演算結果に基づいて、光源に供給する電流を調整するレーザー走査型表示装置が開示されている。
特開平7−270711号公報 特開2009−244797号公報
特許文献2に係るレーザー走査型表示装置では、閾電流値以上の電流値を2点以上変化させた光強度検出により生成した電流−光強度特性に基づいて、光源へ供給する電流を調整しているが、この電流−光強度特性に基づく駆動の場合、光源は閾電流値以上の電流で駆動された光強度までしか出射させることができないため、低い光強度の光を出射させることができず、ダイナミックレンジを十分に確保できていなかった。
また、ダイナミックレンジを十分確保した場合、階調制御データを最新の光強度特性に対応させるのには時間がかかり、使用温度の変化などにより刻々と変化する光源の光強度特性に適応していない階調制御データに基づき、光源が階調制御されることで、所望の光強度のレーザー光が得られず、表示する画像の輝度や表示色が安定しないといった問題があった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、ダイナミックレンジを十分に確保しつつ、光強度特性の変化に迅速に適応して、輝度、表示色が安定した画像を表示することができるレーザー出力制御装置及びレーザー走査型表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
すなわち、本発明の第1の観点に係るレーザー出力制御装置は、供給される電流に応じた光強度でレーザー光を出射する光源と、前記レーザー光の光強度を検出する光検出手段と、入力される画像データに基づく階調レベルに応じて、前記光源に供給する電流を調整する光源制御手段と、を備えるレーザー出力制御装置において、前記光源がレーザー発振する電流である閾電流値より大きい2点以上の電流値を前記光源に供給し、このとき前記光検出手段にて検出される光強度に基づき、電流−光強度特性を生成する光強度特性生成手段と、前記光検出手段により検出された光強度が予め定められた特定光強度になる、前記光源に供給する特定電流値を求める特定電流生成手段と、を有し、前記階調レベルを、予め定めた判定レベル以上にする場合、前記電流−光強度特性に基づいて前記光源に供給する電流を調整し、前記階調レベルを、前記判定レベルより低くする場合、前記光源を、前記特定電流値を基準にして、前記階調レベルに予め対応づけられたパルス幅データに基づきパルス幅変調駆動させるものである。
また、本発明の第2の観点に係るレーザー出力制御装置は、供給される電流に応じた光強度でレーザー光を出射する光源と、前記レーザー光の光強度を検出する光検出手段と、入力される画像データに基づく階調レベルに応じて、前記光源に供給する電流を調整する光源制御手段と、を備えるレーザー出力制御装置において、前記光源がレーザー発振する電流である閾電流値より大きい2点以上の電流値を前記光源に供給し、このとき前記光検出手段にて検出される光強度に基づき、電流−光強度特性を生成する光強度特性生成手段と、前記電流−光強度特性と予め定められた特定光強度とを照合し、前記特定光強度になる、前記光源に供給する特定電流値を求め求める特定電流生成手段と、を有し、前記階調レベルを、予め定めた判定レベル以上にする場合、前記電流−光強度特性に基づいて前記光源に供給する電流を調整し、前記階調レベルを、前記判定レベルより低くする場合、前記光源を、前記特定電流値を基準にして、前記階調レベルに予め対応づけられたパルス幅データに基づきパルス幅変調駆動させるものである。
また、本発明の第3の観点に係るレーザー出力制御装置は、前記光強度特性生成手段は、前記光源に供給する電流を徐々に変化させていき、前記光検出手段により検出された光強度が予め定められた第1基準光強度及び第2基準光強度になる、前記光源に供給する第1電流値及び第2電流値の2値を少なくとも求めることにより、前記電流−光強度特性を生成するものである。
また、本発明の第4の観点に係るレーザー出力制御装置は、前記光検出手段により検出された複数の光強度に基づき、前記光源がレーザー発振する電流である閾電流値を特定する閾電流値生成手段をさらに備えるものである。
また、本発明の第5の観点に係るレーザー走査型表示装置は、上記第1乃至4の観点のいずれかに記載のレーザー出力制御装置と、前記レーザー出力制御装置が出射したレーザー光を走査することで表示部に画像を表示させる走査手段と、を備えるものである。
斯かる構成により、予め定められた特定光強度に対応した特定電流値を基準にして、PWM(パルス幅変調)駆動を行うので、特定電流値に、予め記憶部に記憶したパルス幅データを反映するたけで、レーザー光の光強度を、特定光強度を基準にしてパルス幅データに応じた光強度に確実に調整することができる。すなわち、階調レベルが判定レベルより小さい場合、特定光強度に対応した特定電流値を抽出するだけで、あとは予め記憶部に記憶されたパルス幅データに基づいて駆動することで階調制御できるため、パルス幅変調駆動により輝度のダイナミックレンジを十分に確保しつつ、光源の特性を迅速に適応した階調制御をすることができ、輝度、表示色が安定した画像を表示することができる。
本発明によれば、ダイナミックレンジを十分に確保しつつ、光強度特性の変化に迅速に適応して、輝度、表示色が安定した画像を表示することができるレーザー出力制御装置及びレーザー走査型表示装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係るHUD装置の搭載態様を説明するための図である。 上記実施形態に係るHUD装置の概略構成図である。 上記実施形態に係る合成レーザー光出射部の構成を説明するための図である。 上記実施形態に係るスクリーン上に画像が走査される様子を説明するための図である。 上記実施形態に係るHUD装置の電気的構成を説明するための図である。 上記実施形態に係る階調制御処理のフローチャートである。 上記実施形態に係るMEMSミラーの走査の時間推移を表す図であり、(a)は垂直走査位置の時間推移を示す図であり、(b)は水平走査位置の時間推移を示す図である。 上記実施形態のスクリーン上の走査エリア毎の各制御処理の配分を説明する図である。 上記実施形態のHUD装置における階調補正処理の動作フロー図である。 上記実施形態のHUD装置における電流−光強度特性を表す図である。 上記実施形態のHUD装置における階調特性を表す図である。 上記実施形態の階調制御データを説明する図であり、(a)は階調制御データのテーブルデータを示した図であり、(b)は各階調レベルに応じた電流制御データの推移を示す図であり、(c)は各階調レベルに応じたPWM値の推移を示す図である。 上記実施形態のHUD装置における調光補正処理の動作フロー図である。 上記実施形態のHUD装置における調色補正処理の動作フロー図である。 従来例の階調制御データ生成方法を説明する図である。 第2実施形態の階調制御データを説明する図であり、(a)は階調制御データのテーブルデータを示した図であり、(b)は各階調レベルに応じた電流制御データの推移を示す図であり、(c)は各階調レベルに応じたPWM値の推移を示す図である。
本発明のレーザー出力制御装置及びレーザー走査型表示装置に係る実施形態を、以下に図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
本発明のレーザー走査型表示装置の第1実施形態は、図1に示すヘッドアップディスプレイ(HUD)装置1である。HUD装置1は、図示するように、車両2のダッシュボードに配設され、所定の情報を報知する画像M(図2参照)を表す表示光Kをウインドシールドに向けて出射する。ウインドシールドで反射した表示光Kは、観察者3(主に、車両2の運転者)により、ウインドシールドの前方に形成された画像の虚像Vとして視認される。このようにしてHUD装置1は、観察者3に画像Mを視認させる。
HUD装置1は、図2に示しように、合成レーザー光出射部10と、調光部(調光手段)20と、MEMS(Micro Electro Mechanical System)ミラー(走査手段)30と、第1光検出部40と、第2光検出部41と、スクリーン(表示部)50と、第1反射部60と、第2反射部70と、筐体80と、透光部90と、外光センサー91と、を備える。
合成レーザー光出射部10は、後述する合成レーザー光CをMEMSミラー30に向けて出射するものであり、図3に示すように、レーザーダイオード(以下、LDという)11と、集光部12と、合波ユニット13と、を有する。
LD11は、赤色レーザー光Rを出射する赤色LD11aと、緑色レーザー光Gを出射する緑色LD11bと、青色レーザー光Bを出射する青色LD11cと、を有する。LD11(11a,11b,11c)は、後述するLD制御部100から駆動信号(駆動電流)が供給され、各々が所定の光強度及びタイミングで発光する。
なお、LD11は、レーザー光を出射する際に発生する熱や、外気温の変化等に起因して、その光強度特性(電流−光強度の特性)が変化する。具体的には、温度変化により、レーザー発振を開始する電流値である閾電流値が変化し、これにより、供給される電流とLD11より出射されるレーザー光の光強度との関係(光強度特性)が変化してしまう。しかし、後に詳細に述べるように、本実施形態のHUD装置1によれば、温度変化によって光強度特性が変化しても、変化した光強度特性を的確に迅速に反映した上で、LD11を駆動できる(供給する電流を調整できる)。
集光部12は、LD11が出射したレーザー光R,G,Bの各々を集光し、スポット径を小さくして収束光とするものである。具体的には、集光部12は、それぞれがレンズ等からなる集光部12a、12b、及び12cから構成されている。集光部12aは赤色LD11aが発したレーザー光Rの光路上に位置し、集光部12bは緑色LD11bが発したレーザー光Gの光路上に位置し、集光部12cは青色LD11cが発したレーザー光Bの光路上に位置する。
合波ユニット13は、LD11から出射され、集光部12を介して到達した各レーザー光R,G,Bを合波して、1本の合成レーザー光Cとして出射するものである。具体的には、合波ユニット13は、それぞれが特定の波長の光を反射するがその他の波長の光は透過するダイクロイックミラー等からなる反射部13a、合波部13b、及び合波部13cから構成されている。
反射部13aは、入射したレーザー光Rを、合波部13bに向けて反射させる。
合波部13bは、反射部13aからのレーザー光Rをそのまま透過させると共に、入射したレーザー光Gを合波部13cに向けて反射させる。これにより、合波部13bからは、レーザー光RとGとが合波されたレーザー光RGが合波部13cに向け出射される。
合波部13cは、合波部13bからのレーザー光RGをそのまま透過させると共に、入射したレーザー光BをMEMSミラー30に向けて反射させる。このようにして、合波部13cから、レーザー光RGとBとが合波された合成レーザー光CがMEMSミラー30に向け出射される。
調光部20は、液晶パネル(偏光制御素子)と、液晶パネルを挟む2枚の偏光フィルタとを備え、後述する調光制御部200からの制御データに基づいて液晶パネルを、パルス幅変調(Pulse Width Modulation:PWM)方式で駆動することにより、合成レーザー光Cの透光率を変化させ、調光部20に入力した合成レーザー光Cを所望の光強度に調整して、出力するものである。本実施形態のHUD装置1において、調光部20を設けることにより、合成レーザー光Cを調光値に合わせて減光することができるため、画像Mの輝度をさらに低く調整できるので、画像Mのダイナミックレンジをさらに大きくすることができる。
なお、調光部20の透光率は波長依存性があり、調光制御部200により各調光値に調整された調光部20は、各色レーザー光R,G,Bが一様の透光率を示さないためホワイトバランスが崩れてしまう。しかし、後述するように、本実施形態におけるHUD装置1によれば、調光部20の調光値が変化しても、変化した調光値を的確に迅速に反映した上で、LD11を駆動できる。
第1光検出部40は、フォトダイオード等からなり、後述する第1透過膜40aで反射した図3に示すような第1反射光C1を受光し、受光した第1反射光C1のうち、各色レーザー光R,G,Bそれぞれの光強度を検出する。具体的には、第1光検出部40は、受光した第1反射光C1の各色レーザー光R,G,Bそれぞれの光強度に応じて検出信号(電圧)を出力し、この検出信号が図示しないA/D変換器によりデジタル値に変換されて、光強度情報として、後述する主制御部400に出力される。なお、第1光検出部40は、調光部20に入力前の各色レーザー光R,G,Bそれぞれの光強度を検出することができればいいので、合成レーザー光Cの光路ではなく、例えば、合成される前のレーザー光R、レーザー光G、レーザー光Bそれぞれの光強度を検出できる箇所に別々に設けられていてもよい。
第1透過膜(第1光分岐手段)40aは、例えば、5%程度の反射率を有する透過性部材からなり、合波部13cから調光部20までの間の合成レーザー光Cの光路上に配設され、合波部13cからの合成レーザー光Cの大部分をそのまま透過させるが、一部の光を第1反射光C1として第1光検出部40の方向へ反射させる。また、第1光検出部40が、上記の通り、レーザー光R、レーザー光G、レーザー光Bそれぞれの光強度を検出できる箇所に個別に設けられた場合、第1透過膜40aは、レーザー光R、レーザー光G、レーザー光Bそれぞれの光路上に配設され、レーザー光R、レーザー光G、レーザー光Bの一部を、それぞれ反射光として第1光検出部40に反射するものである。
第2光検出部41は、カラーセンサ等からなり、後述する第2透過膜41aで反射した図3に示すように第2反射光C2を受光し、受光した第2反射光C2のうち、各色レーザー光R,G,Bそれぞれの光強度を検出する。第2光検出部41は、受光した第2反射光C2の各色レーザー光R,G,Bそれぞれの光強度に応じて検出信号(電圧)を出力し、この検出信号が図示しないA/D変換器によりデジタル値に変換されて、光強度情報として、後述する主制御部400に出力される。なお、第2光検出部41は、数パルスの合成レーザー光Cの光強度を検出することができればいいので、スクリーン50の特定の位置(後述する調色開始位置F1a)に配設して、MEMSミラー30が調色開始位置F1a上を走査した際の合成レーザー光Cを受光し、各色レーザー光R,G,Bそれぞれの光強度に応じて検出信号(電圧)を出力するものであってもよい。
第2透過膜(第2光分岐手段)41aは、第1透過膜40a同様5%程度の反射率を有する透過性部材からなり、調光部20からMEMSミラー30までの間の合成レーザー光Cの光路上に配設され、調光部20からの合成レーザー光Cの大部分をそのまま透過させるが、一部の光を第2反射光C2として第2光検出部41の方向へ反射させる。また、第2光検出部41が、上記の通り、スクリーン50の特定の位置(調色開始位置F1a)に配設される場合、第1透過膜40aは、設けなくてもよい。
MEMSミラー30は、合成レーザー光出射部10からの合成レーザー光Cを受光し、後述する走査制御部300の制御のもとで(走査制御部300から供給される走査制御信号に基づいて)、受光した合成レーザー光Cを図4に示すように、スクリーン(表示部)50上を水平走査しながら垂直走査し、所望の画像Mをスクリーン50上に表示する。
スクリーン(表示部)50は、MEMSミラー30からの合成レーザー光Cを背面で受光し、透過拡散させることで、前面側に画像Mを表示するものであり、ホログラフィックディフューザ、マイクロレンズアレイ、拡散板等から構成される。
スクリーン50は、図4の太線枠で示す領域のように、観察者3が虚像Vとして視認可能な領域(つまり、第1反射部60等で反射される表示光Kを外部に出射する領域)である表示エリア50aと、図4の点線枠で示す領域のように、観察者3が視認できない領域である非表示エリア(50b〜50h)と、に分類される。非表示エリア(50b〜50h)については、後述する。
ここで、MEMSミラー30は、図4に示すように、合成レーザー光Cを、スクリーン50の走査開始位置F1から走査終了位置F4まで走査していき(符号Cで示す実線を参照)、走査終了位置F4に到達すると再び走査開始位置F1に戻って走査する。MEMSミラー30の走査期間は、図7(a)に示すように、表示エリア50a及び非表示エリア(50b〜50h)を走査している期間である実走査期間Faと、走査終了位置F4から走査開始位置F1に戻る期間である帰線期間Fbとに分類される。このMEMSミラー30の走査位置が走査開始位置F1から走査を開始し、走査開始位置F1に帰還するまでのフレーム周期(1フレーム)は、ヒトがちらつきを視認できる臨界融合周波数以上の1/60秒未満(60Hz以上)に設定される。
第1反射部60は、平面鏡等からなり、スクリーン50に表示された画像Mを表す表示光Kを受け、第2反射部70側へ反射させる。
第2反射部70は、凹面鏡等からなり、第1反射部60からの表示光Kを、ウインドシールド3の方向へ反射させる。第2反射部70で反射した表示光Kは、透光部90を介して、ウインドシールド3に到達する。
筐体80は、合成レーザー光出射部10と、調光部20と、MEMSミラー30と、第1光検出部40と、第2光検出部41と、スクリーン50と、第1反射部60と、第2反射部70等を収納するものであり、遮光性の部材により形成される。
透光部90は、アクリル等の透光性樹脂からなり、第2反射部70からの表示光Kを透過するものであり、例えば、筐体80に嵌合されている。透光部90は、到達した外光が観察者3の方向へ反射しないように湾曲形状に形成されている。また、透光部90の内面には、外光センサー91を配設し、この外光センサー91は、HUD装置1の外部照度を検出し、照度情報を主制御部400に出力する。
次に、HUD装置1の電気的構成について説明する。
HUD装置1は、上記したものの他、図5に示すように、LD制御部100と、調光制御部200と、走査制御部300と、LD制御部100と調光制御部200及び走査制御部300を制御する主制御部400と、を備える。これらの制御部は、例えば、筐体80内に配設されたプリント回路板(図示せず)に実装されている。なお、これらの制御部は、HUD装置1の外部に配設され、配線によりHUD装置1(LD11、液晶パネル、MEMSミラー30、光検出部(40,41,91)等)と電気的に接続されていてもよい。
LD制御部100は、LD11を駆動するものであり、第1駆動部101と、給電部102と、を備える。
第1駆動部101は、ドライバIC等からなり、主制御部400の制御のもとで、LD11の各々を、PWM方式、又は、パルス振幅変調(Pulse Amplitude Modulation;PAM)方式により駆動する。具体的には、後に述べるように、第1駆動部101は、図11及び図12に示す低階調領域ではPWM方式で、主階調領域ではPAM方式で、LD11を駆動する。第1駆動部101は、主制御部400から供給される電流制御データIに基づいて、LD11各々に駆動電流を供給する。
給電部102は、第1駆動部101を介して、LD11に電力を供給するものであり、電源IC、トランジスタを用いたスイッチング回路等からなる。給電部102は、主制御部400の制御のもとで、LD11各々への電力の供給・非供給を切り替える。なお、給電部102は、LD11の各々に独立して設けられてもよいし、これらに共用のものであってもよい。
調光制御部200は、液晶パネル(偏光制御素子)を駆動するドライバIC等からなり、主制御部400からの調光値(記憶部402に記憶された現調光値)の指示信号に基づいて、液晶パネルをFRC方式やPWM方式で駆動するものである。
走査制御部300は、MEMSミラー30を駆動するものであり、第2駆動部301と、ミラー位置検出部(走査位置検出手段)302と、を備える。
第2駆動部301は、ドライバIC等からなり、主制御部400の制御のもとで、(主制御部400からの走査制御データに基づいて)、MEMSミラー30を駆動する。第2駆動部301は、MEMSミラー30を駆動させた後、ミラー位置検出部302が出力した走査位置検出データを取得し、取得した走査位置検出データに基づいてフィードバックデータを算出し、このフィードバックデータを主制御部400へ出力する。第2駆動部301から出力されるフィードバックデータは、水平走査の往復の切り替わりタイミングを示す水平走査切り替わりデータ、フレームの切り替わりタイミングを示すフレーム切り替わりデータ、1フレーム(実走査期間Fa+帰線期間Fb)中の実走査期間Faの割合を示す実走査期間割合データ等である。
ミラー位置検出部(走査位置検出手段)302は、MEMSミラー30のミラーを動かすピエゾ素子の時間ごとの振れ位置を検出し、検出した位置を走査位置検出データとして第2駆動部301に出力するものである。
主制御部400は、特許請求の範囲の閾電流値生成手段と、光強度特性生成手段と、特定電流生成手段と、の機能を有するものであり、さらに上記のLD制御部100と協働することで光源制御手段の機能を有するものであり、マイクロコントローラ、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等からなり、CPU401と、記憶部402と、を備える。
記憶部402は、HUD装置1の動作に必要なプログラムや、データを記憶するものであり、EEPROM、Flash等からなる。
CPU401は、記憶部402からプログラムを読み出し、実行することで、各部を制御する。CPU401には、車両2のECU(図示せず)からの車両情報及び起動信号(IGN,ACCのオンオフ信号)、LD11に流れる電流値を示すLD電流情報、第1光検出部40からの光強度情報、第2光検出部41からの光強度情報、走査制御部300からのフィードバックデータ等の各種情報が入力され、これらの情報より、CPU401は、LD制御部100を駆動する階調制御データ(電流制御データI)と、調光制御部200を駆動する調光制御データ(調光値)と、走査制御部300を駆動する走査制御データとを生成・出力し、HUD装置1の総合的な制御を行う。つまり、CPU401は、入力される情報に応じて、LD制御部100と調光制御部200及び走査制御部300を介してLD11と液晶パネル及びMEMSミラー30を駆動し、画像Mを生成する。これにより、画像Mを表す表示光Kがウインドシールド3に向けて出射され、観察者3は、画像Mを虚像Vとして視認することができる。
以上の構成からなるHUD装置1は、図6に示すように、車両2の起動スイッチがオン(IGN、ACC、キー開錠等による)されたことに応じて、起動する。それからCPU401は、MEMSミラー30の走査位置に基づき、各走査エリアを判定(ステップS10)し、各走査エリアに基づき、画像調整処理(S100,S200,S300)と、表示エリア50aの周囲領域でLD11の点灯を制限するLD準備処理S400と、画像情報に基づき画像Mを表示させる表示処理S500と、を実行する。記憶部402には、画像調整処理を実行するためのプログラムが予め記憶されており、CPU401は、例えば、HUD装置1が起動すると、これを読み出し、画像調整処理を実行する。
ここからは、画像調整処理について、図7〜図14を参照して説明する。
(画像調整処理)
本実施形態の画像調整処理は、LD11の光強度Lと電流制御データIとを対応させた光強度特性Pが温度変化などにより変化した場合、新しい新光強度特性Pbを演算し、この新光強度特性Pbに基づき、階調制御データ(階調レベルEnに対応する電流制御データI及びPWM値Dn)を補正する階調補正処理S100と、LD11の合成レーザー光Cを調光し、画像Mの輝度を変調する調光補正処理S200と、画像Mのホワイトバランスを調整する調色補正処理S300と、から構成される。本実施形態の画像調整処理は、表示エリア50aに所望の画像Mを表示させながら、非表示エリア50b〜50hの間に上記の階調補正処理S100と調光補正処理S200及び調色補正処理S300を行う処理である。
階調補正処理S100と調光補正処理S200及び調色補正処理S300は、図8に示すように、MEMSミラー30が合成レーザー光Cを走査する領域毎に区切って行なわれる。ちなみに、階調補正処理S100は、階調制御データの更新が必要か否かを判定する更新判定処理S110と、階調制御データ生成処理S120と、階調制御データ更新処理S130と、を備え、非表示エリア50b〜50hには、以下のように各処理が配分される(図8参照)。50bは、更新判定処理S110と階調制御データ生成処理S120とを行う第1階調補正エリアであり、50cは、調色補正処理S300を行う調色補正エリアであり、50dは、LD11を消灯もしくは観察者3に視認されない程小さな光強度のレーザー光を出射する第1垂直準備エリアであり、50eは、第1階調補正エリア50bにおける更新判定処理S110及び階調制御データ生成処理S120の続きを行う第2階調補正エリアであり、50fは、LD11を消灯もしくは観察者3に視認されない程小さな光強度のレーザー光を出射する水平準備エリアであり、50gは、LD11を消灯もしくは観察者3に視認されない程小さな光強度のレーザー光を出射する第2垂直準備エリアであり、50hは、階調制御データ更新処理S130及び調光補正処理S200を行う階調/調光切替えエリアである。
記憶部402は、これらのエリア毎に実行される制御処理と水平走査ライン数の配分を予め記憶する。
1フレーム中の総水平走査ライン数から帰線期間Fbにおける水平走査ライン数を差し引いた、実走査期間Faにおける水平走査ライン数Yを、図8に示すように、第1階調補正エリア50bの水平走査ライン数Y1、調色補正エリア50cの水平走査ライン数Y2、第1垂直準備エリア50dの水平走査ライン数Y3、表示エリア50a(第2階調補正エリア50e、水平準備エリア50f)の水平走査ライン数Y4、第2垂直準備エリア50gの水平走査ライン数Y5、階調/調光切替えエリア50hの水平走査ライン数Y6、に配分する。MEMSミラー30の垂直走査位置は、時間tの経過に基づき、図7(a)に示すように推移していき、CPU401は、各走査位置に対応した制御処理を実行していく。また、MEMSミラー30の垂直走査位置が表示エリアFaにある場合の水平走査位置の時間推移は、図7(b)に示す通りであり、CPU401は、1水平走査ライン中に、表示エリア50a、第2階調補正エリア50e、水平準備エリア50fを遷移して、各走査位置に対応した制御処理を実行する。
CPU401は、第2駆動部301から入力されるフィードバックデータの水平走査切り替わりデータの信号をカウントすることにより、水平走査ライン数をカウントし、この水平走査ライン数のカウントに基づき、MEMSミラー30の走査位置を特定し、その走査位置に基づいた画像調整処理(更新判定処理S110、階調制御データ生成処理S120、階調制御データ更新処理S130、調光補正処理S200、調色補正処理S300)を実行する。具体的には、CPU401は、水平走査ライン数のカウントが0からY1の間である場合、MEMSミラー30の走査位置が第1階調補正エリア50b内であると判定し、更新判定処理S110及び階調制御データ生成処理S120を行う。
また、CPU401は、第2駆動部301から入力されるフィードバックデータであるフレーム切り替わりデータの信号入力により水平走査ライン数のカウントをリフレッシュし、新たなフレームの水平走査ライン数のカウントを開始する。
(階調補正処理)
これより、階調補正処理S100について、図9乃至11を用いて説明する。図9は、階調補正処理S100の動作フロー図であり、図10は、LDの電流制御データIと光強度Lとを対応づけた光強度特性Pを表す図であり、図11は、階調レベルEnと基準光強度Lnとを対応づけた階調特性Qを表す図である。
階調補正処理S100は、図9に示すように、階調制御データの更新が必要か否かを判定する更新判定処理S110と、新しい階調制御データである新階調制御データを生成する階調制御データ生成処理S120と、画像Mの描画に実際に使用される現階調制御データを、新階調制御データに更新する階調制御データ更新処理S130と、を備え、記憶部402に記憶される階調制御データを補正する制御処理である。
階調制御データは、各色毎に設けられるデータであり、図12(a)に示すような、CPU401が画像情報に基づき決定する階調レベルEnと、LD11を階調制御するためのLD11に供給される電流値を示す電流制御データI及びLD11をPWM制御するためのデューティー比を表すPWM値Dnと、を対応づけたテーブルデータである。
階調制御データは、図10に示すようなLD11の温度等により特性が変化する光強度特性Pと、図11に示すような予め記憶部402に記憶された不変データである階調特性Qと、から求められる。
光強度特性Pは、LD11に供給される電流値を示す電流制御データIとLD11が出力する各レーザー光R,G,Bの光強度Lとを対応させたデータである。
階調特性Qは、6ビット(64段階)で設定される階調レベルEnと各階調レベルEn毎に設定された基準光強度Lnとを対応させたデータである。例えば、階調レベルExは、階調特性Qにより基準光強度Lxに対応づけられており(図11参照)、基準光強度Lxは、図10に示す現光強度特性Paにより電流制御データIxに対応づけられているので、階調制御データとしては、階調レベルExに電流制御データIxが対応づけられたデータが生成される。
階調特性Qは、図11に示すように、6ビット(64段階)の階調レベルE0〜Emaxと、階調レベルE0〜Emaxそれぞれに対応づけられた基準光強度0〜Lmaxと、で表されるテーブルデータであり、一般的なγ特性を考慮した曲線で表され、記憶部402に予め記憶される不変データである。
このように階調特性Qが予め定められた不変データであるのに対して、光強度特性Pは、LD11の使用環境の温度等に依存して変化するので、階調レベルEnと、実際にLD11が出射するレーザー光R,G,Bの光強度Lとの対応関係がずれてしまい所望の光強度Lを出射させることができない。
つまり、温度変化により光強度特性Pが、図10に示すような現光強度特性Paから新光強度特性Pbに変化した場合、CPU401が所望の基準光強度Lx(階調レベルLx)のレーザー光を出射させるため、LD制御部100に電流制御データIxを信号出力してLDに電流Ixを供給しても、出射されるレーザー光の光強度Lは、Lxではなく新光強度特性Pbに沿ったLxbになってしまう。したがって、本実施形態の階調補正処理S100は、LD11それぞれの階調制御データ(階調レベルEnと電流制御データIとPWM値Dnとの特性データ)を、LDの光強度特性Pの変化に基づき補正するものである。
以下、更新判定処理S110について説明する。
更新要否判定処理S110は、LD11のいずれかの光強度特性Pが特定の値だけ変化したかを検出し、各LD11のいずれかの光強度特性Pが特定の値だけ変化した場合に、階調制御データの補正を必要と判定する処理である。
ステップS111において、CPU401は、LD制御部100を介して赤色LD11aに供給する電流値を漸増させながら、この電流値に対応する赤色レーザー光Rの光強度Lを第1光検出部40より取得する。LD11に供給する電流値を漸増させながら、この電流値に対応するレーザー光Rの光強度Lを第1光検出部より取得していくと、ある電流値で急激に光強度Lが上昇して検出される。CPU401は、この時の電流制御データIを、LD11がレーザー発振し始める新閾電流値Itbであると判定する。この後、緑色LD11b、青色LD11cに対しても順次、新閾電流値Itbを求めていく。このようにして、CPU401は、ステップS111において、各LD11の新しい新閾電流値Itbを取得する。
ステップS112において、CPU401は、ステップS111で取得した各LD11の新閾電流値Itbと、記憶部402に記憶されている各LD11の現閾電流値Itaとを比較する。
以下の式(数1)で算出される新閾電流値Itbと現閾電流値Itaとの差である閾値変化量が、各LD11のいずれか1つでも、予め記憶部402に記憶されている判定値以上である場合(ステップS112:YES)、CPU401は、階調制御データの補正が必要であると判定し、記憶部402の現閾電流値Itaを新閾電流値Itbの値に書き換える。また、各LD11の全てにおいて、新閾電流値Itbと現閾電流値Itaとの差である閾値変化量が、予め記憶部402に記憶されている判定値未満である場合(ステップS112:NO)、CPU401は、階調制御データの補正が不要であると判定し、処理をステップS111に戻し、更新判定処理S110を終了する。
Figure 2014086426
以上が本実施形態の更新判定処理S110であるが、この更新判定処理S110は、MEMSミラー30の走査位置が第1階調補正エリア50b又は第2階調補正エリア50eである場合に実行され、それ以外の走査位置である場合、処理を中断し、MEMSミラー30の走査位置が再び第1階調補正エリア50b又は第2階調補正エリア50eになった場合、前回の続きから処理を再開するものである。
以下、階調制御データ生成処理S120について説明する。
階調制御データ生成処理S120は、LD11の全てにおいて、新しい階調制御データである新階調制御データを生成する処理である。階調制御データは、光強度Lを、図12に示すように、LD11をPAM制御することにより基準光強度Ln(Ls〜Lj)に調整する主階調領域(階調レベルEs〜Ej)と、LD11をPWM制御することにより主階調領域よりも小さい基準光強度Ln(0〜L(s−1))に調整する低階調領域(階調レベルE0〜E(s−1))とに分類される。まず、主階調領域(階調レベルEs〜Ej)の階調制御データの生成方法について以下に説明する。
(1)主階調領域
ステップS121において、CPU401は、LD制御部100を介して赤色LD11aに供給する電流値を、ステップS110で取得した現閾電流値Itbより特定の電流値だけ大きい電流値から漸増させながら、この電流値に対応する赤色レーザー光Rの光強度Lを第1光検出部40より順次取得する。このように、現閾電流値Itbより特定の電流値だけ大きい電流値から漸増させることにより、赤色LD11aが確実にレーザー発振する安定発振領域における赤色レーザー光Rの光強度Lを検出することができる。
CPU401は、第1光検出部40から取得された光強度Lが、予め記憶部402に記憶された第1基準光強度Li(または第1基準光強度Liの許容範囲内)になった場合、図10に示すように、この時の電流制御データIを第1電流制御データIibであると判定する。
さらに、CPU401は、赤色LD11aに供給する電流値を漸増させ、第1光検出部40から取得された光強度Lが、予め記憶部402に記憶された第2基準光強度Ljになった場合、図10に示すように、この時の電流制御データIを第2電流制御データIjbであると判定する。
ステップS122において、CPU401は、ステップS121で取得された2点(第1基準光強度Liに対応づけられた第1電流制御データIib及び第2基準光強度Ljに対応づけられた第2電流制御データIjb)を結ぶ直線の傾きαを以下の式(数2)で算出する。
Figure 2014086426
そして、CPU401は、以下の式(数3)により、光強度Lが第1基準光強度Liから第2基準光強度Ljまでの範囲における、光強度Lと電流制御データIの関数である新光強度特性Pb(図10の実線部分)を求める。
Figure 2014086426
ステップS123において、CPU401は、ステップS122で算出された主階調領域の新光強度特性Pbと予め記憶部402に記憶された階調特性Qとにより新階調制御データ(階調レベルEnと電流制御データIとを対応付けたデータ)を生成する。
CPU401は、例えば、階調レベルExに対応付ける電流制御データIを求める場合、予め記憶部402に記憶された階調特性Qより階調レベルExに対応づけられた基準光強度Lxを読み出し、この基準光強度Lxと上記の新光強度特性Pbの式(数3)とから、階調レベルExに対応する電流制御データIxを求めることで、階調制御データを生成する(階調レベルExに電流制御データIxを対応付ける)。このように、主階調領域の階調レベルEs〜Ejはそれぞれ電流制御データIに対応付けられる。ちなみに主階調領域においてLD11はPAM制御により光強度Lを調節するので、主階調領域の全ての階調レベルEs〜Ejにおいて、PWM値Dnは100%(低階調領域のPWM値Dnより高い値Ds)に設定される。
(2)低階調領域
次に、低階調領域における階調制御データについて説明する。
低階調領域の階調制御データ(階調レベルE0〜E(s−1)に対応するPWM値D0〜D(s−1))は、予め記憶部402に記憶される不変データであり、下記の式(数4)により、階調レベルEnに対応する基準光強度Lnと、特定光強度Lsとから、PWM値Dnがそれぞれ算出されて、予め記憶部402に記憶されるものである。
Figure 2014086426
特定光強度Lsは、特定階調レベルEsに対応づけられ、記憶部402に予め記憶された光強度であり、第1基準光強度Liから第2基準光強度Ljのうちのいずれかであり、本実施形態における特定光強度Lsは、第1基準光強度Liに設定している。その為、上記の式(数4)は、下記の式(数5)とされる。
Figure 2014086426
この式(数5)を用いて、低階調領域の階調制御データの生成方法を具体的に述べると、例えば、図11に示す階調レベルEyに対応付けるPWM値Dyを求める場合、まず、階調特性Qより階調レベルEyに対応づけられた基準光強度Lyを抽出し、この基準光強度Lyと上記の式(数5)とから、階調レベルEyに対応するPWM値Dyを求めることで、階調制御データを予め生成する(階調レベルEyにPWM値Dyを対応付ける)ことができる。このように、低階調領域の階調レベルE0〜E(s―1)はそれぞれPWM値E0〜E(s―1)に対応付けられる。ちなみに、本実施形態において、低階調領域(階調レベルE0〜E(s―1))のPWM制御の基準となる電流値である特定電流制御データIsは、ステップS121で測定された第1電流制御データIiに設定される。
以上の処理により、CPU401は、低階調領域(階調レベルE0〜E(s−1))における階調制御データ(階調レベルEnと電流制御データI及びPWM値Dnとを対応付けたデータ)及び主階調領域(階調レベルEs〜Ej)における階調制御データ(階調レベルEnと電流制御データIを対応付けたデータ)を算出し、図12(a)に示すテーブルデータのように、階調レベルEn毎に電流制御データI及びPWM値Dnを対応付づけて、新階調制御データとして記憶部402に一時的に記憶する。
新階調制御データにおいて、階調レベルEnに応じた電流制御データIは、図12(b)に示すように推移し、階調レベルEnが特定階調レベルEs(第1階調レベルEi)より低い場合、電流制御データIは特定電流制御データIs(第1電流制御データIi)で一定となるように制御される。また、階調レベルEnに応じたPWM値Dnは、図12(c)に示すように推移し、階調レベルEnが特定階調レベルEs(第1階調レベルEi)より高い場合、100%(低階調領域におけるPWM値Dnより高い値Ds)に維持され、階調レベルEnが特定階調レベルEs(第1階調レベルEi)より低い場合、階調レベルEnに応じて段階的に低くなるように制御される。
緑色LD11b、青色LD11cについても、同様に、CPU401は、ステップS121からステップS123までの処理を行い、緑色LD11b及び青色LD11cの新階調制御データを生成し、一時的に記憶部402に記憶して、階調制御データ生成処理S120を終了する。
以上が本実施形態の階調制御データ生成処理S120であるが、この階調制御データ生成処理S120は、MEMSミラー30の走査位置が第1階調補正エリア50b又は第2階調補正エリア50eである場合に実行され、それ以外の走査位置である場合、処理を中断し、MEMSミラー30の走査位置が再び第1階調補正エリア50b又は第2階調補正エリア50eになった場合、前回の続きから処理を再開するものである。
以下、階調制御データ更新処理S130について説明する。
階調制御データ更新処理S130は、画像Mの描画に使用される現階調制御データを、ステップS120にて算出された新階調制御データに書き換える処理である。この階調制御データ更新処理S130を行わない限り、ステップS120により算出された新階調制御データは、画像Mの描画に使用されず、旧データとなる現階調制御データによる画像Mの描画が行われる。階調制御データ更新処理S130は、MEMSミラー30の走査位置が階調/調光切替えエリア50hである場合に実行され、書き換え処理を必ず完了させてから終了する。
以上が階調補正処理である。簡潔にこの処理の流れを述べれば、以下のようになる。
・まず、更新要否判定処理S110で、LD11のいずれかの光強度特性P(閾値電流It)が特定の値だけ変化したかを検出し、LD11のいずれかの光強度特性P(閾値電流It)が特定の値だけ変化した場合に、階調制御データの補正を必要と判定する。
・次に、階調制御データ生成処理S120で、LD11の全てにおいて、新しい新光強度特性Pbを算出し、この算出した新光強度特性Pbから新しい新階調制御データを生成し、この新階調制御データを記憶部に一時的に記憶する。
・次に、MEMSミラー30の走査位置が階調/調光切替えエリア50hになった後、記憶部402に記憶してある現階調制御データを、階調制御データ生成処理S120で生成された新階調制御データに書き換える。
つづいて、調光補正処理S200について、図13を用いて説明する。図13は、調光補正処理S200における動作フローを示す図である。
(調光補正処理)
調光補正処理S200は、調光部20によりLD11の合成レーザー光Cを調光し、画像Mの輝度を変調する処理である。
ステップS201において、CPU401は、車両2のECUから新調光値を入力したか又は外光センサー91からの外部照度の入力に基づき新調光値を算出したかを判定する。新調光値が入力された場合(ステップS201:YES)、CPU401は、新調光値が、その時、実際に調光制御部200が調光部20を調光制御する調光値である現調光値と同じであるかを判定する(ステップS202)。新調光値と現調光値が同じ場合(ステップS202:YES)、調光を不要と判定し、CPU401はステップS201に戻る。
ステップS203において、MEMSミラー30の走査位置が階調/調光切替えエリア50hになってから、記憶部402に記憶された現調光値の値を、ステップS201で入力(算出)された新調光値の値に補正し、調光制御部200は調光部20を目的の調光値に切り換える。
つづいて、調色補正処理S300について、図14を用いて説明する。図14は、調色補正処理S300の動作フローを示す図である。
(調色補正処理)
調色補正処理S300は、画像Mのホワイトバランス調整を行うため、階調制御データの各階調レベルEnに対応する電流制御データIに乗算して、電流制御データIを調色補正する調色補正値H(新調色補正値H)を新しく算出する調色補正値算出処理S310と、画像Mの描画に使用される現調色補正値Hを、調色補正値算出処理S310で算出された新調色補正値Hに書き換える調色補正値更新処理S320と、調色補正値更新処理S320で書き換えられた調色補正値Hを反映した階調制御データでLD11を駆動し、LD11が出射するレーザー光R,G,Bが所望のホワイトバランスの許容範囲内に入っているかを確認する調色確認処理S330と、を備え、画像Mのホワイトバランスを調整する処理である。
以下、調色補正値算出処理S310について説明する。
調色補正値算出処理S310は、ホワイトバランス調整を行うため、階調制御データの各階調レベルEnに対応する電流制御データIに乗算する各色毎(緑色と青色)に設けられる調色補正値Hを新しく算出する処理である。
ステップS311において、LD制御部100を介して赤色LD11aを、記憶部402に記憶した現階調制御データにおける第2階調レベルEjに対応する電流制御データIで駆動し、この電流制御データIに対応する赤色レーザー光Rの光強度(調色用光強度)Lを第2光検出部41より取得する。つづいて、CPU401は、緑色LD11b,青色LD11cも同様に駆動して、現階調制御データにおける第2階調レベルEjに対応する電流制御データIで駆動した際の光強度(調色用光強度)Lを第2光検出部41より取得する。この際に使用される第2階調レベルEjに対応する電流制御データIは、今回の調色補正処理S300に入る前に算出された過去の調色補正値Hである現調色補正値Hを反映していない(調色補正していない)電流制御データIである。
ステップS312において、CPU401は、ステップS311で検出した各色の光強度(調色用光強度)Lに基づき、赤色レーザー光Rと緑色レーザー光Gと青色レーザー光Bの光強度比を算出する。CPU401は、この算出された光強度比と、予め記憶部402に記憶したホワイトバランス比とを比較して、赤色を基準とした緑色と青色の新階調補正値を算出し、次の調色補正値更新処理S320へ処理を移行する。
調色補正値更新処理S320において、CPU401は、記憶部402に記憶された現調色補正値Hを、ステップS312で算出された新調色補正値Hの値に書き換える。現調色補正値Hは、緑色、青色の現階調制御データにおける全ての階調レベルEnに対応する電流制御データIに乗算され、LD11が所望のホワイトバランスになるように調色補正する。つまり、主階調領域の各階調レベルEs〜Ejに対応した各電流制御データIs〜Ijの全てに調色補正値Hが乗算される。さらに、特定電流制御データIs(第1電流制御データIi)に調色補正値Hが乗算されるので、特定電流制御データIs(第1電流制御データIi)を使用する低階調領域(階調レベルE0〜E(s−1))にも調色補正が同時に行われることになる。
調色補正値更新処理S320が終了した後、CPU401は、調色確認処理S330に処理を移行する。調色確認処理S330は、調色補正値更新処理S320で書き換えられた現調色補正値Hを反映した(調色補正した)階調制御データでLD11を駆動し、所望のホワイトバランスの許容範囲内に入っているかを確認する処理である。
ステップS331において、CPU401は、LD制御部100を介して赤色LD11aを、記憶部402に記憶した現階調制御データにおける第2階調レベルEjに対応する第2電流制御データIjで駆動し、この第2電流制御データIjに対応する赤色レーザー光Rの光強度(確認用光強度)Lを第2光検出部41より取得する。つづいて、CPU401は、緑色LD11b,青色LD11cも同様に駆動して、現階調制御データにおける第2階調レベルEjに対応する第2電流制御データIjで駆動した際の光強度(確認用光強度)Lを第2光検出部41より取得する。この緑色レーザー光G及び青色レーザー光Bを出射させる際に使用される第2電流制御データIjは、調色補正値更新処理S320で更新した現調色補正値Hを反映した(調色補正した)第2電流制御データIjに現調色補正値Hを乗算した値である。
ステップS332において、CPU401は、ステップS331で検出された調色補正した各色の光強度(確認用光強度)Lに基づき、赤色レーザー光Rと緑色レーザー光Gと青色レーザー光Bの光強度比を算出する。CPU401は、この算出された光強度比と、予め記憶部402に記憶したホワイトバランス比とを比較して、算出された光強度比が所定のホワイトバランスの許容範囲内であるかを判定する。CPU401は、光強度比が所定のホワイトバランスの許容範囲内でないと判定した場合、処理をステップS311に戻し、調色補正処理S300をやり直す。
以上が本実施形態の調色補正処理S300であるが、この調色補正処理S300は、MEMSミラー30の走査位置が調色補正エリア50cである場合に実行される。調色補正エリア50cは、調色補正処理S300が終了するだけ十分に広く設けられる。
以上が本実施形態における画像調整処理(更新判定処理S110、階調制御データ生成処理S120、階調制御データ更新処理S130、調光補正処理S200、調色補正処理S300)であったが、記憶部402に記憶された各種データ(階調レベルEn、基準光強度Ln、電流制御データI、調色補正値H、PWM値Dn)について、図12(a)を用いて以下に説明する。
記憶部402は、CPU401が画像情報に基づいてLD11を階調制御するためのデータである階調レベルEnと、各階調レベルEn毎に予め設定された基準光強度Lnと、を対応づけた階調特性Qを予め各色毎に記憶する。新光強度特性Pbを生成するための第1基準光強度Li及び第2基準光強度Ljは、それぞれ第1階調レベルEi及び第2階調レベルEjにそれぞれ対応付けられた状態で予め記憶部402に記憶されており、第1基準光強度Liは、LD11が自然発光では到達しないだけ大きい値に設定される。
また、記憶部402は、LD11に供給される電流値を指示する電流制御データIと、光強度Lと、が対応づけられた新光強度特性Pbを一時的に記憶し、LD11の新光強度特性Pbに基づき、光強度特性Pを最新の特性データに更新していく。
また、記憶部402は、調色補正処理S300で更新された調光補正値(現調色補正値)Hを記憶しており、CPU401は、階調制御データの電流制御データIを調色補正値Hで補正してからLD制御部100に(調色補正した)電流制御データIを出力する。
以上に説明した実施形態におけるHUD装置1は、供給される電流に応じた光強度でレーザー光を出射する光源と、前記レーザー光の光強度を検出する光検出手段と、入力される画像データに基づく階調レベルに応じて、前記光源に供給する電流を調整する光源制御手段と、を備えるレーザー出力制御装置において、前記光源がレーザー発振する電流である閾電流値より大きい2点以上の電流値を前記光源に供給し、このとき前記光検出手段にて検出される光強度に基づき、電流−光強度特性を生成する光強度特性生成手段と、前記光検出手段により検出された光強度が予め定められた特定光強度になる、前記光源に供給する特定電流値を求める特定電流生成手段と、を有し、前記階調レベルを、予め定めた判定レベル以上にする場合、前記電流−光強度特性に基づいて前記光源に供給する電流を調整し、前記階調レベルを、前記判定レベルより低くする場合、前記光源を、前記特定電流値を基準にして、前記階調レベルに予め対応づけられたパルス幅データに基づきパルス幅変調駆動させるものである。
このように、低階調領域(階調レベルE0〜E(s−1))において、CPU401は、予め記憶部402に記憶された特定光強度Lsに対応した特定電流制御データIsを基準にして、LD11をPWM駆動させるので、特定電流制御データIsに、予め記憶部402に記憶したPWM値Dn(例えば、Duty比30%)を反映するたけで、レーザー光の光強度Lを、特定光強度Lsを基準にしてPWM値Dnに準じた光強度(特定光強度の30%)に確実に調整することができる。すなわち、特定光強度Lsに対応した特定電流制御データIsを抽出するだけで、あとは予め記憶部402に記憶されたPWM値Dnに基づいて駆動することで階調制御できるため、画像の輝度のダイナミックレンジを十分に確保しつつ、LD11の特性を迅速に適応した階調制御をすることができ、輝度、表示色が安定した画像を表示することができる。例えば、PWM制御を行う際の基準となる電流値を、本実施形態のように予め定められた特定光強度Lsから求められる電流値にするのではなく、図15に示すように、閾電流値(ItaまたはItb)より所定の電流(α)だけ大きくした電流値(Ita+αまたはItb+α)を、PWM制御を行う際の基準となる電流値とした場合、光強度Lが光強度特性の違い(PaまたはPbの違い)により、光強度LaまたはLbのように異なってしまうため、所定のPWM値Dn(例えば、Duty比50%)を反映した場合、光強度Laの50%と光強度Lbの50%というふうに、異なる光強度となってしまう。しかし、本実施形態によれば、PWM制御に用いる基準となる電流値を特定光強度Lsに対応した特定電流制御データIsを基準としてPWM駆動するため、上記のような効果を奏することができる。
なお、上記実施形態においては、低階調領域のPWM制御を行う際の基準となる特定電流制御データIsを、新光強度特性Pbを演算する際に用いる第1電流制御データIiとしていたが、これに限らず、低階調領域のPWM制御を行う際の基準となる特定電流制御データIsを、図16(b)に示すように、第1階調レベルEiと第2階調レベルEjとの間に設定した特定階調レベルEsに対応する電流制御データIとしてもよい。
ただし、この場合の特定電流制御データIsは、第1電流制御データIi及び第2電流制御データIjのような、第1光検出部40で検出された光強度Lが、特定の光強度(第1基準光強度Li及び第2基準光強度Lj)になった際の実際の電流制御データIではなく、式(数3)で算出された電流制御データIとなるため、算出誤差により式(数3)で求められた特定電流制御データIsによりLD11から出射されるレーザー光の光強度Lが特定光強度Lsとずれてしまう可能性があるので、実際に第1光検出部40で光強度Lを検出しながら階調レベルEnに合った電流制御データIを求めるのは、少なくとも、式(数3)を生成するための第1電流制御データIi及び第2電流制御データIjと、低階調領域のPWM制御を行う際の基準となる特定電流制御データIsと、であることが望ましい。特に、上記の第1実施形態のように特定光強度Lsを、新光強度特性Pbを演算する際に用いる第1電流制御データIiとすることにより、第1電流制御データIiと第2電流制御データIjと特定電流制御データIsの3点の光強度Lを検出する必要はなく、第1電流制御データIiと第2電流制御データIjの2点を検出するのみで同様の作用が得られ、処理が簡素化される。
また、上記の第1実施形態のように、ステップS121で実際に取得された取得値である2点(第1基準光強度Liに対応づけられた第1電流制御データIib及び第2基準光強度Ljに対応づけられた第2電流制御データIjb)から新光強度特性Pbを算出することによって、主階調領域の階調制御データの両端の電流制御データ(第1階調レベルEiと最大階調レベルEmaxに対応する電流制御データI)を求める処理と、新光強度特性Pbを求める処理と、を同時に行うことができる。
また、上記の第1実施形態において、新閾電流値Itbを求める方法として、LD11に供給する電流値を漸増させながら、この電流値に対応するレーザー光Rの光強度Lを第1光検出部より取得していき、急激に光強度Lが上昇した際の電流値を新閾電流値Itbとしていたが、閾電流値の算出の仕方はこれの限られるものではなく、例えば特開2012−108397号公報に記載されているように、LD11が自然発光する領域の光強度特性と、LD11がレーザー発振する領域の光強度特性を求め、これらの交点から新閾電流値Itbを検出してもよい。このように、閾電流値を求めてから光強度特性Pを生成することにより、確実にレーザー発振する安定発振領域におけるレーザー光の光強度Lを検出でき、自然発光する不要な領域の光検出を省くことができる。
また、調色補正エリア50cを、LD11を階調制御するための階調制御データ及び調光部20を制御するための調光値を切り換える階調/調光切替えエリア50hから、次のフレームの画像Mが表示される表示エリア50aまでの間に調色補正エリア50cを設けることによって、階調制御データや調光値が変わっても確実に調色補正処理を実行することができ、安定した表示色の画像Mを生成することができる。
また、第1光検出部40と第2光検出部41は、第1透過膜(第1光分岐手段)40aと第2透過膜(第2光分岐手段)41aにより分岐された一方のレーザー光(第1反射光C1及び第2反射光C2)の光強度Lを検出するので、第1透過膜(第1光分岐手段)40aと第2透過膜(第2光分岐手段)41aにより分岐された一方のレーザー光で画像Mを生成することができ、画像Mを生成しながら画像調整処理を行うことができる。
[変形例]
なお、本発明は、以上の実施形態及び図面によって限定されるものではない。本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜、実施形態及び図面に変更(構成要素の削除も含む)を加えることが可能である。以下に、変形例の一例を記す。
調光部20は、合成レーザーCの光路上ではなく、合成される前のレーザー光R,G,Bのそれぞれに設けてもよく、斯かる構成により、レーザー光R,G,Bを個別に調光制御することができる。
また、上記実施形態において、MEMSミラー30の水平走査をカウントすることによって、画像調整処理の各制御処理のタイミングを計っていたが、走査時間をカウントするなどあらゆる方法で走査位置を検出してもよい。
また、上記実施形態においては、3つのLDが配設され、これらは各々、合成レーザー光Cを出射するものとしたがLDの数はこれに限られない。4つのLDを配設することで、4原色で画像Mを生成してもよいし、1つのLDで画像Mを生成してもよい。
また、上記実施形態の階調制御データの更新が必要か否かを判定する更新判定処理S110において、上記の式(数1)で算出される新閾電流値Itbと現閾電流値Itaとの差である閾値変化量が、各LD11のいずれか1つでも、予め記憶部402に記憶されている判定値以上である場合(ステップS112:YES)、CPU401は、階調制御データの補正が必要であると判定していたが、第1光検出部40において、特定の光強度を検出したときの電流制御データIをモニタリングし、この特定の光強度に対応する電流制御データが所定の判定値以上だけ前回値より離れた場合、CPU401は、階調制御データの補正が必要であると判定するようにしてもよい。また、LD11の温度を検出し、検出温度が所定の判定値以上だけ前回値より離れた場合、CPU401は、階調制御データの補正が必要であると判定するようにしてもよい。
以上の説明では、表示光Kを、第1反射部60、第2反射部70で反射させ、ウインドシールドに到達させる例を示したが、これに限られない。スクリーン40からの表示光Kを、このような反射部を介さずに、ウインドシールド、もしくは装置専用のコンバイナに向けて出射させるようにしてもよい。
以上の説明では、HUD装置1が搭載される乗り物の例を車両2としたが、これに限られない。HUD装置1をその他の乗り物(船舶、航空機等)に設置することもできる。さらには、乗り物に設置するものには限られない。
以上では、HUD装置1が車両2のダッシュボードと一体的に構成される例を示したが、HUD装置1は、例えば、車両2のダッシュボード上に設置される据え置き型(後付け型)のものであってもよい。
以上では、表示装置の一例としてHUD装置1を挙げたが、これに限られない。その他の表示装置(カーナビゲーション装置、携帯端末装置等)であってもよい。但し、HUD装置は、背景(風景)と重ねて表示画像を視認させるため、特に、表示輝度の調整が必要であること、車両2に搭載される場合が多いため、特に、温度変化が激しいこと等を踏まえると、上記のように階調制御処理を実行する表示装置としては、HUD装置が好適である。
1 HUD装置(レーザー走査型表示装置)
2 車両
3 観察者
10 合成レーザー光出射部
20 調光部
30 MEMSミラー(走査手段)
40 第1光検出部(第1光検出手段)
41 第2光検出部(第2光検出手段)
100 LD制御部
101 第1駆動部
102 給電部
200 調光制御部
300 走査制御部
301 第2駆動部
302 ミラー位置検出部(走査位置検出手段)
400 主制御部
401 CPU
402 記憶部

Claims (5)

  1. 供給される電流に応じた光強度でレーザー光を出射する光源と、
    前記レーザー光の光強度を検出する光検出手段と、
    入力される画像データに基づく階調レベルに応じて、前記光源に供給する電流を調整する光源制御手段と、を備えるレーザー出力制御装置において、
    前記光源がレーザー発振する電流である閾電流値より大きい2点以上の電流値を前記光源に供給し、このとき前記光検出手段にて検出される光強度に基づき、電流−光強度特性を生成する光強度特性生成手段と、
    前記光検出手段により検出された光強度が予め定められた特定光強度になる、前記光源に供給する特定電流値を求める特定電流生成手段と、を有し、
    前記階調レベルを、予め定めた判定レベル以上にする場合、前記電流−光強度特性に基づいて前記光源に供給する電流を調整し、
    前記階調レベルを、前記判定レベルより低くする場合、前記光源を、前記特定電流値を基準にして、前記階調レベルに予め対応づけられたパルス幅データに基づきパルス幅変調駆動させることを特徴とするレーザー出力制御装置。
  2. 供給される電流に応じた光強度でレーザー光を出射する光源と、
    前記レーザー光の光強度を検出する光検出手段と、
    入力される画像データに基づく階調レベルに応じて、前記光源に供給する電流を調整する光源制御手段と、を備えるレーザー出力制御装置において、
    前記光源がレーザー発振する電流である閾電流値より大きい2点以上の電流値を前記光源に供給し、このとき前記光検出手段にて検出される光強度に基づき、電流−光強度特性を生成する光強度特性生成手段と、
    前記電流−光強度特性と予め定められた特定光強度とを照合し、前記特定光強度になる、前記光源に供給する特定電流値を求め求める特定電流生成手段と、を有し、
    前記階調レベルを、予め定めた判定レベル以上にする場合、前記電流−光強度特性に基づいて前記光源に供給する電流を調整し、
    前記階調レベルを、前記判定レベルより低くする場合、前記光源を、前記特定電流値を基準にして、前記階調レベルに予め対応づけられたパルス幅データに基づきパルス幅変調駆動させることを特徴とするレーザー出力制御装置。
  3. 前記光強度特性生成手段は、前記光源に供給する電流を徐々に変化させていき、前記光検出手段により検出された光強度が予め定められた第1基準光強度及び第2基準光強度になる、前記光源に供給する第1電流値及び第2電流値の2値を少なくとも求めることにより、前記電流−光強度特性を生成すること、を特徴とする請求項1または請求項2に記載のレーザー出力制御装置。
  4. 前記光検出手段により検出された複数の光強度に基づき、前記光源がレーザー発振する電流である閾電流値を特定する閾電流値生成手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のレーザー出力制御装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載のレーザー出力制御装置と、
    前記レーザー出力制御装置が出射したレーザー光を走査することで表示部に画像を表示させる走査手段と、を備えることを特徴としたレーザー走査型表示装置。


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