JP2014085461A - 加熱装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】外部加熱ベルト23による加熱回転体としての定着ローラ21の表面の温度ムラを抑制できる構造を実現する。
【解決手段】記録材Pへの加熱を開始する前に、外部加熱ベルト23を定着ローラ21に当接させる。そして、外部加熱源としてのハロゲンヒータ35a、35bにより加熱した状態の外部加熱ベルト23を、定着ローラ21により所定時間従動回転させる加熱前動作を実行する。これにより、外部加熱ベルト23に起因する定着ローラ21の表面の温度ムラを抑制でき、画像上の光沢ムラ及び画像不良を抑制することができる。
【選択図】図2
【解決手段】記録材Pへの加熱を開始する前に、外部加熱ベルト23を定着ローラ21に当接させる。そして、外部加熱源としてのハロゲンヒータ35a、35bにより加熱した状態の外部加熱ベルト23を、定着ローラ21により所定時間従動回転させる加熱前動作を実行する。これにより、外部加熱ベルト23に起因する定着ローラ21の表面の温度ムラを抑制でき、画像上の光沢ムラ及び画像不良を抑制することができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、例えば、プリンタ、複写機、ファクシミリなどの画像形成装置に使用され、トナー画像が形成された記録材を加熱する加熱装置に関し、特に、記録材を加熱する加熱回転体を外部から加熱する外部加熱ベルトを備えた構造に関する。
電子写真方式等の画像形成装置は、加熱回転体とニップ形成部材とで形成するニップ部の間を記録材が通過することで、トナー画像を熱と圧によって記録材上に定着させる加熱装置としての定着装置を備えている。また、このような定着装置では、画像が定着された記録材を再度ニップ部に通過させることで、この画像の光沢度を調整する場合もある。加熱回転体としては、内部に加熱源を配置した金属製の中軸芯金上に耐熱性弾性層を被覆し、この弾性層上に離型層を形成した構造を有する定着ローラを用いることが一般的である。
このような定着ローラは、内部の加熱源から熱伝導性の低い弾性層を介して定着ローラ表面へ伝熱を行うため、画像形成装置を高速化した場合などに、定着ローラ表面温度低下が発生し易くなる。そこで、定着ローラを内部の加熱源からのみではなく、定着ローラに外部加熱ベルトを当接させて定着ローラを外部から加熱する定着装置が提案されている。
例えば、内部に加熱源を有する複数の張架ローラにより外部加熱ベルトを張架し、この加熱源により加熱した外部加熱ベルトを定着ローラ表面に当接させることで、定着ローラ表面を加熱する装置が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1に記載された装置では、外部加熱ベルトを定着ローラに対して接離可能とし、外部加熱ベルトは定着ローラに当接して従動回転するように構成されている。
これにより、定着ローラの表面温度低下を防止して定着性や生産性を向上させると共に、定着ローラの芯金温度を低下させるため、芯金と弾性層との剥離や、芯金と離型層との剥離、又は弾性層の熱劣化を防止して定着ローラを高寿命化できる。また、外部加熱ベルトを駆動する手段を別途設けることなく、省スペース化・省電力化を図れる。
しかしながら、上述の特許文献1に記載された構造のように、外部加熱ベルトが定着ローラに接離可能で、かつ、外部加熱ベルトを定着ローラに従動回転させる構成の場合、外部加熱ベルトは、定着ローラから離間した状態で回転動作を行わない。このため、外部加熱ベルトの離間状態の間に、ベルトの加熱源近接部あるいは定着ローラ対向部が局所的に高温になる等して、ベルト表面の温度勾配が大きくなり易い。この状態で、外部加熱ベルトを定着ローラに圧接させて従動回転させた場合、定着ローラ表面温度がベルト表面温度に追従して、定着ローラの表面に温度ムラが生じてしまう。このような温度ムラが生じた状態でニップ部に記録材を通過させると、記録材上の画像に光沢ムラが生じたり、搬送性低下による紙しわ・画像乱れが生じたりし易くなる。
特に、外部加熱ベルトは定着ローラへの熱供給力を高くすべく、通常、外部加熱ベルトの温調温度が定着ローラの温調温度よりも高く設定される。このため、外部加熱ベルトの表面温度に対する定着ローラの表面温度の追従性が高くなり、上述のような定着ローラの表面温度ムラがより顕著になり易い。
本発明は、このような事情に鑑み、外部加熱ベルトによる定着ローラの表面の温度ムラを抑制できる構造を実現すべく発明したものである。
本発明は、回転して記録材を加熱する加熱回転体と、前記加熱回転体と当接した状態で記録材が通過するニップ部を形成するニップ形成部材と、前記加熱回転体と当接して従動回転し、前記加熱回転体を外部から加熱する外部加熱ベルトと、前記外部加熱ベルトを加熱する外部加熱源と、前記外部加熱ベルトを前記加熱回転体に対して接離させる接離手段と、記録材への加熱を開始する前に、前記外部加熱ベルトを前記加熱回転体に当接させて、前記外部加熱源により加熱した状態の前記外部加熱ベルトを前記加熱回転体により所定時間従動回転させる加熱前動作を実行可能な制御手段と、を備えた、ことを特徴とする加熱装置にある。
本発明によれば、記録材への加熱を開始する前に、外部加熱ベルトを加熱回転体に当接させて所定時間従動回転させるため、外部加熱ベルトによる定着ローラの表面の温度ムラを抑制できる。
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について、図1ないし図12を用いて説明する。まず、本実施形態の画像形成装置の概略構成について、図1を用いて説明する。
本発明の第1の実施形態について、図1ないし図12を用いて説明する。まず、本実施形態の画像形成装置の概略構成について、図1を用いて説明する。
[画像形成装置]
図1に示す画像形成装置100は、それぞれ色の異なる4色のトナー像を形成する4個の画像形成ユニットY(イエロー)・M(マゼンタ)・C(シアン)・Bk(ブラック)が配置される。そして、これら画像形成ユニットを縦貫するようにして、中間転写体としての無端状の中間転写ベルト10が配置されている。
図1に示す画像形成装置100は、それぞれ色の異なる4色のトナー像を形成する4個の画像形成ユニットY(イエロー)・M(マゼンタ)・C(シアン)・Bk(ブラック)が配置される。そして、これら画像形成ユニットを縦貫するようにして、中間転写体としての無端状の中間転写ベルト10が配置されている。
これら4個の画像形成ユニットY・M・C・Bk、は、同様の構成であり、以下では、代表してイエローの画像形成ユニットYの構成を説明する。他の画像形成ユニットについては、画像形成ユニットYと同一の構成及び作用の部材には同じ番号を付し、各ユニットを示す添え字を変更する。
像担持体として、例えば表層が有機光半導体からなる円筒型の電子写真感光体(以下「感光ドラム」と称する。)1Yは、矢印方向へ回転駆動される。2Yは、感光ドラム1Yの表面を一様均一に帯電する帯電ローラである。所定のバイアスが印加された帯電ローラ2Yは、感光ドラム1Yと接触従動回転して、感光ドラム1Y表面を所定の電位に帯電する。帯電された感光ドラム1Yは、露光装置3Yによる露光光(レーザー光等)による露光が行われて、入力原稿の色分解画像に対応した静電潜像が形成される。現像装置4Yは、現像ローラで帯電したトナーを用いて静電潜像の現像を行い、静電潜像に対応したトナー像を、感光ドラム1Y表面に形成する。感光ドラム1Y上のトナー像は、感光ドラム1Yと1次転写ローラ5Yとの1次転写ニップ部T1Yにおいて、1次転写ローラ5Yにより、感光ドラム1Yの周速とほぼ同速度で回転している中間転写ベルト10上に1次転写される。
1次転写後の感光ドラム1Y上の1次転写残トナーは、ブレード又はブラシ等が配置された感光ドラムクリーニング装置6Yにより回収される。そして、1次転写残トナーが除去された感光ドラム1Yは、再び帯電ローラ2Yにより一様均一に帯電されて繰り返し作像に供される。
中間転写ベルト10は、駆動ローラ11、支持ローラ12、バックアップローラ13に張架される。そして、4個の画像形成ユニットY・M・C・Bkの感光ドラム1Y・1M・1C・1Bkに接触しながら、駆動ローラ11の矢印方向の回転により回転駆動される。
フルカラーモード(フルカラー画像形成)が選択されている場合は、以上のような作像動作が4個の画像形成ユニットY・M・C・Bkにて実行される。そして、感光ドラム1Y・1M・1C・1Bk上にそれぞれ形成されたイエロートナー像・マゼンタトナー像・シアントナー像・ブラックトナー像が中間転写ベルト10上に順次多重転写される。なお、色順は上記に限定されず画像形成装置により任意である。
そして、中間転写ベルト10上に多重転写された4色のトナー像は、バックアップローラ13と2次転写ローラ14との2次転写部T2で、2次転写ローラ14により、記録材Pへ一括して2次転写される。又、記録材Pは、給紙カセット(不図示)内から一枚分離給送され、レジストローラ対(不図示)によって、2次転写部T2に中間転写ベルト10上の多重転写トナー画像に合わせた所定の制御タイミングで供給される。
本実施形態では、記録材上に画像を形成する画像形成部を上述のように構成している。そして、このような画像形成部により記録材上に形成された画像(トナー像)は、加熱装置としての定着装置20により記録材に定着される。即ち、トナー像が転写された記録材Pは、定着装置20に導入され、記録材P上のトナー像が加圧・加熱されて記録材P上にフルカラートナー像が定着される。
2次転写後の中間転写ベルト10上の2次転写残トナーは、ブレード又はブラシ等が配置された中間転写クリーニング装置15により回収される。そして、2次転写残トナーが除去された中間転写ベルト10は、繰り返し画像形成の1次転写に供される。
また、例えば黒単色のモノカラーモード(モノカラー画像形成)や2〜3色モードの場合は、必要な色の画像形成ユニットにおいて感光ドラムに対する画像形成が実行される。この時、不必要な画像形成ユニットにおける感光ドラムは空回転される。そして、そのトナー像が1次転写部T1にて中間転写ベルト10上に1次転写され、さらに2次転写部T2にて記録材Pに2次転写され、定着装置20へ導入される動作が実行される。
[定着装置]
次に、加熱装置としての定着装置20について、図2ないし図4を用いて説明する。図2に示すように、定着装置20は、加熱回転体である定着ローラ21、ニップ形成部材としての加圧ローラ22、外部加熱ユニットUを構成する外部加熱ベルト23を備える。このうちの定着ローラ21は、駆動源としてのモータMにより駆動されることで回転して、次述するニップ部N1を通過する記録材を加熱する。図示の例では、矢印A方向に所定の速度、例えば400mm/secの周速で回転駆動される。
次に、加熱装置としての定着装置20について、図2ないし図4を用いて説明する。図2に示すように、定着装置20は、加熱回転体である定着ローラ21、ニップ形成部材としての加圧ローラ22、外部加熱ユニットUを構成する外部加熱ベルト23を備える。このうちの定着ローラ21は、駆動源としてのモータMにより駆動されることで回転して、次述するニップ部N1を通過する記録材を加熱する。図示の例では、矢印A方向に所定の速度、例えば400mm/secの周速で回転駆動される。
加圧ローラ22は、定着ローラ21と当接した状態で記録材が通過するニップ部N1を形成する。このために加圧ローラ22は、不図示のバネなどの加圧手段により、定着ローラ21に向けて所定圧力で加圧されている。これにより、加圧ローラ22は、定着ローラ21との間でニップ部N1を形成し、矢印B方向に定着ローラ21に従動回転される。なお、ニップ部N1の周方向の幅は、例えば、約10mmである。
また、加圧ローラ22は、ローラ接離機構22aにより定着ローラ21に対して接離可能としている。ローラ接離機構22aは、例えば、カム機構により構成され、加圧ローラ22の回転軸に当接させたカムの位相を変えることで、加圧ローラ22を定着ローラ21に対して接離させる。ローラ接離機構22aは、CPU29により制御されて、加圧ローラ22を定着ローラ21に当接又は離間させる。通常、加圧ローラ22は、記録材がニップ部N1を通過する際に定着ローラ21に圧接し、それ以外では、定着ローラ21から離間している。本実施例では、部品の摩耗などを抑えるため、定着ローラ21は、待機中、加圧ローラ22が離脱した状態で、矢印A方向に、上述の記録材通過時の所定の速度よりも低い速度、例えば100mm/secの周速で回転駆動される。
このような定着ローラ21及び加圧ローラ22は、図3に示すように、円筒状金属製の芯金24a、24b、耐熱性の弾性層25a、25b、耐熱性の離型層26a、26bを内径側から順に重ねてなる。定着ローラ21の芯金24aは、例えば、外径74mm、厚さ6mm、長さ350mmのアルミニウム製である。また、弾性層25aは、例えば厚さ3mmのシリコーンゴム(例えばJIS−A硬度20度)からなり、芯金24aの外周面を被覆している。また、離型層26aは、トナーとの離型性向上のため、例えば厚さ100μmのフッ素樹脂(例えばPFAチューブ)からなり、弾性層25aの表面を被覆している。
一方、加圧ローラ22の芯金24bは、例えば、外径54mm、厚さ5mm、長さ350mmのステンレス製である。また、弾性層25bは、例えば厚さ3mmのシリコーンゴム(例えばJIS−A硬度20度)からなり、芯金24bの外周面を被覆している。また、離型層26bは、トナーとの離型性向上のため、例えば厚さ100μmのフッ素樹脂(例えばPFAチューブ)からなり、弾性層25bの表面を被覆している。
また、定着ローラ21の芯金24aの内部には、図2に示すように、回転体加熱手段であり、通電により発熱するハロゲンヒータ27a(発熱体)が、定着ローラ21の幅方向(長手方向、軸線方向)ほぼ全体に亙って配置されている。ここで、幅方向とは、記録材の搬送方向に直交し、且つ、記録材としての用紙の紙面方向と平行な方向で、図2の紙面表裏方向である。また、本実施形態では、ハロゲンヒータ27aとして、例えば定格電力1200Wのヒータを使用する。
そして、定着ローラ21の表面温度が所定の目標温度となるように内部から加熱している。なお、定着ローラ21の表面温度は、温度検知手段であるサーミスタ28a、28bによって検出される。そして、この検出温度に基づいて、制御手段であるCPU29によりハロゲンヒータ27aをON/OFF制御することで、所定の目標温度、例えば185℃に温度制御される。
一方、加圧ローラ22の芯金24bの内部には、図2に示すように、加圧部材加熱手段であり、通電により発熱するハロゲンヒータ27b(発熱体)が、加圧ローラ22の幅方向(長手方向、軸線方向)ほぼ全体に亙って配置されている。本実施形態では、ハロゲンヒータ27bとして、例えば定格電力400Wのヒータを使用する。そして、加圧ローラ22の表面温度が所定温度となるように内部から加熱している。なお、加圧ローラ22の表面温度は、温度検知手段であるサーミスタ30a、30bによって検出される。そして、この検出温度に基づいて、CPU29によりハロゲンヒータ27bをON/OFF制御することで、所定の目標温度、例えば100℃に温度制御される。
外部加熱ユニットUは、外部加熱ベルト23と、外部加熱ベルト23を張架する複数の張架ローラとしての外部加熱ローラ31、32と、外部加熱源としてのハロゲンヒータ35a、35bと、接離手段としてのベルト接離機構U1とを有する。外部加熱ベルト23は、定着ローラ21と当接して従動回転し、定着ローラ21を外部から加熱する。また、外部加熱ベルト23は、図4に示すように、無端状の金属製のベース層33、耐熱性の離型層34を内径側から順に重ねてなる。このうちのベース層33は、例えば、内径204mm、厚さ50μm、長さ350mmのステンレス製である。また、離型層34は、トナーとの離型性向上のため、例えば厚さ20μmのフッ素樹脂(例えばPFAチューブ)からなり、ベース層33の外周面を被覆している。
このような外部加熱ベルト23を張架する外部加熱ローラ31、32は、例えば、外径30mm、厚さ3mm、長さ350mmの円筒状金属製(例えばアルミニウム製)の芯金からなる。また、外部加熱ローラ31、32は、不図示のバネなどの加圧手段により、定着ローラ21に向けて所定圧力で加圧される。そして、外部加熱ベルト23を定着ローラ21に当接させて、外部加熱当接部N2としている。外部加熱ベルト23及び外部加熱ローラ31、32は、定着ローラ21に対して、矢印C及び矢印D方向に従動回転する。なお、外部加熱当接部N2の周方向の幅は、例えば、約40mmである。
ハロゲンヒータ35a、35b(発熱体)は、通電により発熱する、例えば定格電力800Wのヒータである。また、ハロゲンヒータ35a、35bは、外部加熱ローラ31、32の内部(ローラ内)に幅方向(長手方向、軸線方向)ほぼ全体に亙って、それぞれ配置されている。そして、外部加熱ベルト23の表面温度が所定の目標温度となるように内部から加熱している。なお、外部加熱ベルト23の表面温度は、複数の温度検知手段であるサーミスタ36a、36b、37a、37bによって検出される。そして、サーミスタ36a、36bの検出温度に基づいてハロゲンヒータ35aを、サーミスタ37a、37bの検出温度に基づいてハロゲンヒータ35bを、それぞれCPU29によりON/OFF制御する。これにより、外部加熱ベルト23の表面温度を、所定の目標温度、例えば210℃に温度制御する。なお、本実施形態では、外部加熱ベルト23を2本の外部加熱ローラで張架しているが、これに限らず、必要に応じて別途テンションローラを設ける等、3本以上の張架ローラ(外部加熱ローラ)で張架しても良い。この場合、テンションローラにはハロゲンヒータを設けなくても良い。即ち、外部加熱源としてのハロゲンヒータは、複数の張架ローラのうちの何れかの張架ローラ内に配置されていれば良い。
ベルト接離機構U1は、外部加熱ベルト23を定着ローラ21に対して接離させるもので、例えば、カム機構により構成される。具体的には、外部加熱ベルト23を張架する外部加熱ローラ31、32を支持するフレームに当接させたカムの位相を変えることで、このフレーム及び外部加熱ローラ31、32を介して外部加熱ベルト23を定着ローラ21に対して接離させる。ベルト接離機構U1は、CPU29により制御されて、外部加熱ベルト23を定着ローラ21に当接又は離間させる。
次に、定着ローラ21、加圧ローラ22、外部加熱ベルト23のそれぞれの表面温度を検知するサーミスタについて説明する。本実施形態の場合、それぞれの表面温度を検知するサーミスタは、各ローラ及びベルトの幅方向(長手方向、記録材の通紙方向に直角な方向)に2個所ずつ配置している。即ち、それぞれの幅方向中央部に、メインサーミスタ28a、30a、36a、37aを、幅方向片端部に、サブサーミスタ28b、30b、36b、37bを、それぞれ配置している。
各メインサーミスタは、各部材の幅方向中央に配置されているが、最小サイズ紙幅の範囲内であればこの幅方向中央から外れた位置に配置しても良い。一方、各部材の幅方向片端部に配置される各サブサーミスタは、最大サイズの記録材が通過する領域から外れた領域(非通紙部)又はこの領域に対応する部位(非通紙部対応部位)の任意の箇所に配置されていれば良い。
次に、記録材がニップ部N1を通過して、記録材上のトナー画像が定着される定着動作フローについて説明する。上述のように構成される定着装置20の加圧ローラ22及び外部加熱ベルト23は、待機時と通紙時とで、ローラ接離機構22a及びベルト接離機構U1によって、それぞれ圧接又は離間動作を行う。待機時は、定着ローラ21の弾性層25a、及び、加圧ローラ22の弾性層25bの変形又は歪防止のため、加圧ローラ22及び外部加熱ベルト23は、定着ローラ21から離間される。一方、通紙時、即ち記録材上のトナー画像の定着(加熱)動作中は、加圧ローラ22及び外部加熱ベルト23は、定着ローラ21に圧接される。
また、前述したように、定着装置20は、画像形成部で記録材Pに形成されたトナー画像を記録材Pに定着させる。即ち、図2で示すように、トナーKを担持した記録材Pが矢印E方向に搬送され、ニップ部N1に導入される。そして、この記録材Pがニップ部N1を通過することにより、加熱・加圧され、トナーKが記録材Pに定着される。この際、定着ローラ21表面のニップ部N1で記録材Pに熱が奪われて温度低下した部位は、ハロゲンヒータ27aからの熱量、及び外部加熱当接部N2により加熱されて、所定温度に上昇する。その後、再びニップ部N1で記録材Pに熱を与えることを繰り返して、定着動作が行われる。一方、外部加熱ベルト23の外部加熱当接部N2で定着ローラ21に熱が奪われて温度低下した部位は、外部加熱ローラ32との接触部で加熱され、更に外部加熱ローラ31との接触部で加熱されて、所定温度に上昇する。その後、再び外部加熱当接部N2で定着ローラ21に熱を与えることを繰り返して、定着動作が行われる。
[外部加熱着脱シーケンス]
ここで、スタンバイ中に、加圧ローラ22及び外部加熱ベルト23が定着ローラ21から離間せずに圧着したままとした場合、ニップ部N1及び外部加熱当接部N2での弾性層の変形又は歪がプリント中にも残存してしまう。そして、画像上に横スジや光沢スジ(光沢ムラ)等が発生して画像品質が低下してしまう可能性がある。そのため、スタンバイ中に加圧ローラ22及び外部加熱ベルト23を定着ローラ21から離間するのが好適である。
ここで、スタンバイ中に、加圧ローラ22及び外部加熱ベルト23が定着ローラ21から離間せずに圧着したままとした場合、ニップ部N1及び外部加熱当接部N2での弾性層の変形又は歪がプリント中にも残存してしまう。そして、画像上に横スジや光沢スジ(光沢ムラ)等が発生して画像品質が低下してしまう可能性がある。そのため、スタンバイ中に加圧ローラ22及び外部加熱ベルト23を定着ローラ21から離間するのが好適である。
しかしながら、次の記録材がニップ部Nを通過する動作までの待機時間が長い場合等には、外部加熱ベルト23の表面温度にムラが生じる。即ち、外部加熱ベルト23を定着ローラ21から離間させて状態で長時間に渡って温調し続けると、ベルトの加熱源近接部や定着ローラ対向部が回転方向あるいは長手方向に対して局所的に高温となり、外部加熱ベルト23の表面温度にムラが生じる。そして、外部加熱ベルト23が定着ローラ21に圧接した直後に、定着ローラ21の周方向に表面温度ムラが発生しやすくなる。その結果、次の通紙時に画像上に光沢ムラ、紙しわ、画像乱れ等の画像不良が発生し易くなる。
そこで、本実施形態では、このような定着ローラ21の表面温度ムラを低減するため、次のような加熱前動作のシーケンスを行うようにしている。制御手段としてのCPU29は、記録材への加熱を開始する前に、外部加熱ベルト23を定着ローラ21に当接させる。そして、CPU29は、加熱した状態の外部加熱ベルト23を定着ローラ21により所定時間従動回転、又は、一周以上従動回転させる加熱前動作を実行可能である。また、CPU29は、加熱前動作を実行した後、外部加熱ベルト23の加熱源であるハロゲンヒータ35a、35bによる加熱を停止して外部加熱ベルト23を定着ローラ21から離間させる。なお、このとき、加圧ローラ22は、定着ローラ21から離間している。以下、このような加熱前動作及び加熱前動作後の外部加熱ベルト23の離間動作を、外部加熱着脱シーケンスと言う。
加熱前動作で、外部加熱ベルト23を従動回転させる所定時間tは、外部加熱ベルト23のベルト表面温度ムラを低減可能な時間である。このような所定時間tは、ベルト表面温度ムラを低減可能で、且つ、通常プリントシーケンス動作のみの場合と比較してプリント開始から終了までのプリント時間が大幅に遅延しない時間をあらかじめ設定する。なお、所定時間tを含み、外部加熱ベルト23が定着ローラ21に圧接動作を開始してから離間が終了するまでの時間を従動回転時間Tとする。
ここで、従動回転時間Tとベルト表面温度ムラの関係について説明する。ベルト表面温度ムラとして、外部加熱ベルト23の回転方向に交差する幅方向(長手方向)の温度ムラと回転方向の温度ムラの二種類が考えられる。トナー画像を記録材に定着させるプリントシーケンス前において、ベルトの幅方向の温度分布はフラットであることが望ましい。またベルトの回転方向の温度ムラについては、外部加熱ベルト23が無端ベルト形状である以上、熱供給収支の時間差からベルト回転上流側と下流側で温度差が発生すること自体は問題ない。但し、局所的に温度が極端に低いと定着ローラ21の回転方向の温度ムラになるため、プリントシーケンス前において、局所的な温度低下が一定以上以下であることが望ましい。
まず、ベルトの幅方向の温度ムラについて詳細を説明する。図5は、外部加熱ベルト23の回転方向位置に対する温度測定位置をE1〜E3の記号を付して示した断面図である。図5のE1位置は、外部加熱ローラ31に近接する位置であり、E3位置は外部加熱ローラ32に近接する位置であり、E2位置はベルト表面温度に近接する位置である。本実施形態の構成の外部加熱ベルト23では、外部加熱ローラ31に近接する位置が最も幅方向の温度ムラが大きいことを確認した。よって、幅方向の温度勾配がもっとも顕著であるE1位置のベルトの幅方向の温度ムラを検証し、従動回転時間Tを設定した。
図6は、外部加熱ベルト23の加熱源近接部として図5のE1位置における幅方向の温度を測定した結果を示している。図6の破線は、外部加熱ベルト23が長時間に渡って定着ローラ21から離間した状態でハロゲンヒータ35a、35bを210℃で温調している状態の温度分布であり、ベルトの幅方向の最大の温度差Δは約30℃となっている。このベルトの幅方向の温度差は、離間している状態では外部加熱ローラ31に対してベルトが十分に追従せず、接触している位置が高温となり、接触していない位置が低温となるために発生する。なお、このような最大の温度差が生じる位置は、ベルトの材質やローラとの接触状態などによって異なる。
図7は従動回転時間Tに対してベルトの幅方向の最大の温度差Δが低下していく推移を示したグラフである。外部加熱ベルト23が定着ローラ21に圧接して従動回転を始めると、外部加熱ベルト23と定着ローラ21が十分に加熱・加圧されてベルトがローラに追従するため、ベルトの幅方向の温度ムラは低減される。また、ベルトの幅方向の最大の温度差Δが10℃以下であれば、ベルト起因の定着ローラ表面の幅方向温度ムラがほぼ解消し、画像上の光沢ムラや画像不良が発生しなくなった。図7から、ベルトの幅方向の最大の温度差Δを10℃以下まで低下させるためには、従動回転時間Tが6s以上であればよいことが分かった。
図6の実線は、従動回転時間6sで外部加熱着脱シーケンスを実行してプリントシーケンスに入る前のベルトの幅方向の温度分布を示したものである。詳細には、外部加熱ベルト23を定着ローラ21に当接させる動作を開始して10s後の温度分布を示している。なお、この10sには、当然、従動回転時間6sを含んでいる。
図6の実線と破線とを比較すると、実線は、ベルト表面温度が幅方向でほぼ均一になっていることがわかる。なお、本実施形態では、従動回転時間Tのうち、外部加熱ベルト23の着脱動作にかかる時間が2s(着動作)+2s(脱動作)=4sであり、外部加熱ベルト23が一周回転にかかる時間は約2sである。このため、外部加熱ベルト23が定着ローラ21に圧接してからほぼ一周回転すれば、ベルトの幅方向の温度差Δは10℃以下になることが分かる。このようなベルト一周回転分に相当する従動回転時間の目安は、外部加熱ベルトおよび定着ローラの材質、周長、熱容量、速度、設定温度等によって変わるため、本実施形態の方法に限らず適切に設定されればよい。
これまでベルトの幅方向の温度ムラについて説明したが、ベルトの回転方向の温度ムラについても同様に説明できる。本実施形態では、温度が安定している幅方向中央位置において、ベルト回転方向の温度ムラを検証し、従動回転時間Tを設定した。
図8は、外部加熱ベルト23の幅方向中央位置で、回転方向の各位置における温度を測定した結果を示している。図8の回転方向位置128mm、165mm、206mmはそれぞれ図5のE1、E2、E3位置に対応する。図8の破線は、外部加熱ベルト23が長時間に渡って定着ローラ21から離間した状態でハロゲンヒータ35a、35bを210℃で温調している状態の温度分布であり、ベルトの回転方向の最大の温度差Δは約25℃となっている。このベルトの回転方向の最大の温度差は、離間している状態では加熱源である外部加熱ローラ31、32に近接するE1位置やE3位置のベルト表面温度が高温となり、加熱源に近接していないE2位置が局所的に低温となるために発生する。
図9は従動回転時間Tに対してベルトの回転方向の最大の温度差Δが低下していく推移を示したグラフである。外部加熱ベルト23が定着ローラ21に圧接して従動回転を始めると、回転方向の局所的な温度差が低減していく。ベルトの回転方向の最大の温度差Δが15℃以下であればベルト起因の定着ローラ表面回転方向の温度ムラがほぼ解消し、画像上の光沢ムラが発生しなくなった。図9から、ベルトの回転方向の最大の温度差Δを15℃以下まで低下させるためには、従動回転時間Tが5s以上であればよいことが分かる。
図8の実線は、従動回転時間5sで外部加熱着脱シーケンスを実行してプリントシーケンス動作に入る前のベルト回転方向の温度分布を示したものである。詳細には、外部加熱ベルト23を定着ローラ21に当接させる動作を開始して10s後の温度分布を示している。なお、この10sには、当然、従動回転時間5sを含んでいる。図8の実線から、ベルトの回転方向の局所的な温度低下が15℃以下に低減していることが分かる。
以上より、従動回転時間T=6s以上、或いは、従動回転一周以上でベルトの幅方向及び回転方向の温度ムラの両方が改善することが分かった。このため、本実施形態では、従動回転時間Tを6sとした。また、プリントジョブ開始の信号がCPU29から送られてから、定着動作が開始するまでの間は6s以上かかるため、通常プリントシーケンス動作のみの場合と比較してプリント開始から終了までのプリント時間が遅延することはない。また、通常、外部加熱ベルト23の熱容量は定着ローラ21の熱容量よりも低く、かつ、外部加熱ベルト23の温度は定着ローラ21の温度より高く維持される。このため、従動回転時間Tは数十秒単位の長時間である必要はない。なお、従動回転時間Tは、外部加熱ベルト23及び定着ローラ21の材質、周長、熱容量、速度等によって、本実施例の上記方法に限らず適切に設定されれば良い。
次に、このような外部加熱着脱シーケンスの1例について、図10及び図11を用いて説明する。まず、スタンバイ時において、プリントジョブ開始の信号がCPU29から送られると、外部加熱着脱シーケンスが開始される。このとき、外部加熱ベルト23を加熱するハロゲンヒータ35a、35b(外部加熱ヒータ)、及び、定着ローラ21を加熱するハロゲンヒータ27a(定着ヒータ)はON状態である。また、加圧ローラ22を加熱するハロゲンヒータ27b(加圧ヒータ)もON状態である。
次に、外部加熱ベルト23をベルト接離機構U1によって定着ローラ21に圧接して従動回転をし始める(S101)。従動回転をし始めて所定時間t(例えば2s)が経過したと判断した場合(S102:Yes)、外部加熱ヒータ及び定着ヒータをOFFにする(S103)。次いで、外部加熱ベルト23を定着ローラ21から離間させ(S104)、外部加熱ヒータをONにする(S105)。所定時間tが経過していない場合は従動回転動作を継続させる(S102:No、S101)。その後、定着ローラ21のサーミスタ28a、28bの検知温度が185℃以下となった段階(S106:Yes)で、定着ローラ21のハロゲンヒータ27aをONにし(S107)、通常のプリントシーケンス動作に移行する。
ここで、外部加熱ベルト23を定着ローラ21に圧接し従動回転したまま、プリントシーケンスに入ると、定着ローラ21の温度が過昇温する場合がある。過昇温した状態で定着を行うと、ホットオフセットや画像の光沢ムラ等の画像不良が発生する可能性がある。そのため、S104で一度外部加熱ベルト23を定着ローラから離間する。このとき、外部加熱ヒータ及び定着ヒータがON状態であると、オーバーシュートする可能性があるため、本実施形態ではS103で予め各ヒータをOFFする。なお、温調温度およびヒータ性能によっては、オーバーシュートをしない範囲であれば、ヒータの点灯比率を離間時のみ変更する等でもかまわない。なお、このような定着ローラ21の過昇温が生じる前に、記録材がニップ部を通過するような場合には、外部加熱ベルト23を離間させることなく、プリントシーケンスを実行しても良い。
外部加熱ベルト23を離間した後は、S105で外部加熱ヒータをONにして、従動回転によって低下した外部加熱ベルト23の温調をある程度回復させる。また、S106、107で従動回転によって上昇した定着ローラ21の温調が一定温調以下であることを確認してから、定着ヒータをONにし、通常プリントシーケンスを開始する。なお、加圧ローラ22は、外部加熱着脱シーケンスの実行中は、定着ローラ21から離間されており、加圧ヒータは、所定の温調を行っている。図11では、スタンバイ時及び外部加熱着脱シーケンス及び通常プリントシーケンスで定着動作を行う場合には、加圧ヒータをONとして、所定の温調を行う。
本実施形態では、定着ヒータON判定の温度を185℃に設定した。また、従動回転直後の定着ローラ21の温度は187℃まで上昇したが、外部加熱ベルト23が離間してから2s後に185℃まで低下した。このため、2s後に定着ヒータをONとし、外部加熱着脱シーケンスを終了して、通常プリントシーケンスを開始した。
次に、このような本実施形態の効果を確認するために行った実験について説明する。実験では、坪量83g/m2のA2グロスコート紙に対して、従来例と実施例とで、それぞれトナー画像の定着動作を行い、それぞれの出力物を比較した。従来例では、外部加熱着脱シーケンスを実行せずに通常プリントシーケンスを行った。実施例では、本実施形態のように外部加熱着脱シーケンスを実行して通常プリントシーケンスを行った。この実験の結果を図12に示す。
図12より明らかなように、外部加熱着脱シーケンスを行わない従来例では、外部加熱ベルト起因の光沢ムラが発生し、画像品位が著しく低下した。一方、外部加熱着脱シーケンスを行った実施例では、外部加熱ベルト起因の光沢ムラが発生せず、画像品位を高いレベルに改善することができた。
このように本実施形態の場合、記録材への加熱を開始する前に、外部加熱ベルト23を定着ローラ21に当接させて所定時間又は一周以上従動回転させるため、外部加熱ベルト23による定着ローラ21の表面の温度ムラを抑制できる。また、この温度ムラを抑制するために、外部加熱ベルト23の温調温度を低下させたりする必要がないため、定着動作時の外部加熱ベルト23による定着ローラ21への熱供給力を低下させることなく、定着ローラ21の表面温度を適切に保持することができる。この結果、定着ローラ21の表面温度ムラを低減して画像上の光沢ムラ及び画像不良を抑制することができる。
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態について、図2を参照しつつ、図13ないし図15を用いて説明する。上述の第1の実施形態では、外部加熱ベルト23の温度ムラを改善可能な従動回転時間Tをあらかじめ設定し、外部加熱着脱シーケンスをプリント前に常に実施した。しかし、前回のジョブから時間をおかずに次のジョブが開始した場合等、外部加熱ベルト23の温度ムラが発生しない場合も考えられる。このとき、外部加熱ベルト23及び定着ローラ21とその周辺部品の摩耗や耐久劣化を抑制するためには、外部加熱着脱シーケンスを実施しない方が好ましい。
本発明の第2の実施形態について、図2を参照しつつ、図13ないし図15を用いて説明する。上述の第1の実施形態では、外部加熱ベルト23の温度ムラを改善可能な従動回転時間Tをあらかじめ設定し、外部加熱着脱シーケンスをプリント前に常に実施した。しかし、前回のジョブから時間をおかずに次のジョブが開始した場合等、外部加熱ベルト23の温度ムラが発生しない場合も考えられる。このとき、外部加熱ベルト23及び定着ローラ21とその周辺部品の摩耗や耐久劣化を抑制するためには、外部加熱着脱シーケンスを実施しない方が好ましい。
したがって、本実施形態では、プリント前の外部加熱ベルト23の表面温度差によって、外部加熱着脱シーケンス実行の有無を判断する構成とした。即ち、外部加熱ベルト23の表面の温度を複数の位置で検知する複数の温度検知手段としてのサーミスタを有する。そして、CPU29は、記録材への加熱を開始する前に、複数のサーミスタにより検知した最大の温度差が所定温度以上である場合に、加熱前動作を含む外部加熱着脱シーケンスを実行する。なお、本実施形態における画像形成装置と定着装置の構成および動作は、特に言及しない限り第1の実施形態と同様であるため、重複する説明を省略又は簡略にし、以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
本実施形態では、図13に示すように、外部加熱ベルト23の回転方向に関して異なる位置に、複数のサーミスタ41a、42a、43aを、それぞれ配置している。即ち、複数の第2温度検知手段としてのサーミスタ41a、42a、43aは、外部加熱ベルト23の回転方向に関して複数の位置で、外部加熱ベルト23の表面の温度を検知する。サーミスタ41a、42a、43aは、それぞれ図13のE21a、E22a、E33aの位置に配置されている。図13のE21a位置は、外部加熱ローラ31に近接する位置であり、E33a位置は外部加熱ローラ32に近接する位置であり、E22a位置はベルト表面温度に近接する位置である。
また、本実施形態では、図14に示すように、外部加熱ベルト23の回転方向に交差する幅方向に関して異なる位置にも、複数のサーミスタ41a、41b、41c、41d、41eをそれぞれ配置している。即ち、複数の第1温度検知手段としてのサーミスタ41a〜41eは、外部加熱ベルト23の幅方向に関して複数の位置で、外部加熱ベルト23の表面の温度を検知する。サーミスタ41aは、第1温度検知手段と第2温度検知手段とを兼ねている。複数のサーミスタ41a〜41eは、それぞれ、図14のE21a〜E21eの位置に配置されている。図14のサーミスタの位置E21a、E21b、E21c、E21d、E21eは、外部加熱ベルト23の図14の幅方向右端を0とした場合、それぞれ幅方向150mm、30mm、300mm、90mm、210mmの位置に対応する。
なお、本実施形態では、図13の位置E21a及びE33aのサーミスタ41a、43aは、図2のメインサーミスタ36a、37aを兼ねている。また、図14の位置E21bのサーミスタ41bは、図2のサブサーミスタ36bを兼ねている。
本実施形態では、ベルトの幅方向の最大の温度差ΔT1を、図14のサーミスタ41a〜41eによって検知し、ベルトの回転方向の最大の温度差ΔT2を、図13のサーミスタ41a、42a、43aによって検知する。CPU29は、このように検知された最大の温度差ΔT1及びΔT2によって、外部加熱着脱シーケンスを実施するか否かを判断する。
即ち、CPU29は、記録材への加熱を開始する前に、サーミスタ41a〜41eにより検知した幅方向に関する最大の温度差ΔT1が第1の所定温度以上である場合に、加熱前動作を含む外部加熱着脱シーケンスを実行する。又は、幅方向に関する最大の温度差ΔT1が第1の所定温度未満で、且つ、サーミスタ41a、42a、43aにより検知した回転方向に関する最大の温度差ΔT2が第2の所定温度以上である場合に、外部加熱着脱シーケンスを実行する。本実施形態では、第1の所定温度を10℃、第2の所定温度を15℃とした。
なお、本実施形態では、上記7個のサーミスタを用いてベルトの温度差Δを検知するとしたが、これに限るものではない。温度検知用のサーミスタの数及び位置は、外部加熱ベルト23及び定着ローラ21の周長、熱容量、速度等あるいはその他定着構成の特性によって適切に設定されれば良い。
このような本実施形態の外部加熱着脱シーケンスの1例について、図15を用いて説明する。まず、スタンバイ時において、プリントジョブ開始の信号がCPU29に送られると、各サーミスタで温度検知を行う。このとき、各ヒータの状態は、図10と同様である。次に、CPU29は、ΔT1の値が10℃(第1の所定温度)以上であれば(S201:Yes)、外部加熱ベルト23をベルト接離機構U1によって定着ローラ21に圧接して従動回転をし始め(S203)、外部加熱着脱シーケンスを実行する。
一方、ΔT1の値が10℃を下回っても(S201:No)、ΔT2の値が15℃(第2の所定温度)以上であれば(S202:Yes)、外部加熱ベルト23を定着ローラ21に圧接して従動回転をし始める(S203)。そして、外部加熱着脱シーケンスを実行する。これに対して、ΔT1の値が10℃を下回って(S201:No)、且つ、ΔT2の値が15℃を下回っていれば(S202:Yes)、外部加熱着脱シーケンスを実行せず、通常プリントシーケンスに移行する。S203〜S209は、図10のS101〜S107と同様の処理となるため説明を省略する。
本実施形態の場合、上述のように、外部加熱ベルト23の表面の最大の温度差を検知して外部加熱着脱シーケンス実行の有無を判断する構成としている。このため、外部加熱ベルト23及び定着ローラ21とその周辺部品の摩耗や耐久劣化を抑制し、かつ、外部加熱ベルト23の表面温度ムラ起因の定着ローラ21の表面温度ムラを低減して画像上の光沢ムラおよび画像不良を抑制することができる。
なお、上述の説明では、外部加熱ベルト23の幅方向及び回転方向の最大の温度差を検知して、外部加熱着脱シーケンスの実行の有無を判断した。但し、何れかの最大の温度差のみにより、外部加熱着脱シーケンスの実行の有無を判断しても良い。例えば、外部加熱ベルト23の幅方向の最大の温度差ΔT1が10℃以上である場合に外部加熱着脱シーケンスを実行し、ΔT1が10℃未満である場合には外部加熱着脱シーケンスを実行しないようにしても良い。又は、外部加熱ベルト23の回転方向の最大の温度差ΔT2が15℃以上であるか場合に外部加熱着脱シーケンスを実行し、ΔT2が15℃未満である場合には外部加熱着脱シーケンスを実行しないようにしても良い。このようにすることで、サーミスタの数を減らすことでき、低コスト化を図れる。その他の構成及び作用は、上述の第1の実施形態と同様である。
20・・・定着装置、21・・・定着ローラ(加熱回転体)、22・・・加圧ローラ(ニップ形成部材)、23・・・外部加熱ベルト、29・・・CPU(制御手段)、31、32・・・外部加熱ローラ(張架ローラ)、35a、35b・・・ハロゲンヒータ(外部加熱源)、41a、41b、41c、41d、41e・・・サーミスタ(第1温度検知手段)、41a、42a、43a・・・サーミスタ(第2温度検知手段)、N1・・・ニップ部、P・・・記録材、U1・・・ベルト接離機構(接離手段)
Claims (9)
- 回転して記録材を加熱する加熱回転体と、
前記加熱回転体と当接した状態で記録材が通過するニップ部を形成するニップ形成部材と、
前記加熱回転体と当接して従動回転し、前記加熱回転体を外部から加熱する外部加熱ベルトと、
前記外部加熱ベルトを加熱する外部加熱源と、
前記外部加熱ベルトを前記加熱回転体に対して接離させる接離手段と、
記録材への加熱を開始する前に、前記外部加熱ベルトを前記加熱回転体に当接させて、前記外部加熱源により加熱した状態の前記外部加熱ベルトを前記加熱回転体により所定時間従動回転させる加熱前動作を実行可能な制御手段と、を備えた、
ことを特徴とする加熱装置。 - 回転して記録材を加熱する加熱回転体と、
前記加熱回転体と当接した状態で記録材が通過するニップ部を形成するニップ形成部材と、
前記加熱回転体と当接して従動回転し、前記加熱回転体を外部から加熱する外部加熱ベルトと、
前記外部加熱ベルトを加熱する外部加熱源と、
前記外部加熱ベルトを前記加熱回転体に対して接離させる接離手段と、
記録材への加熱を開始する前に、前記外部加熱ベルトを前記加熱回転体に当接させて、前記外部加熱源により加熱した状態の前記外部加熱ベルトを前記加熱回転体により一周以上従動回転させる加熱前動作を実行可能な制御手段と、を備えた、
ことを特徴とする加熱装置。 - 前記制御手段は、前記加熱前動作を実行した後、前記外部加熱ベルトを前記加熱回転体から離間させる、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の加熱装置。 - 前記制御手段は、前記加熱前動作を実行した後、前記外部加熱源による加熱を停止して前記外部加熱ベルトを前記加熱回転体から離間させる、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の加熱装置。 - 前記外部加熱ベルトの表面の温度を複数の位置で検知する複数の温度検知手段を有し、
前記制御手段は、記録材への加熱を開始する前に、前記複数の温度検知手段により検知した最大の温度差が所定温度以上である場合に、前記加熱前動作を実行する、
ことを特徴とする、請求項1ないし4のうちの何れか1項に記載の加熱装置。 - 前記複数の温度検知手段は、前記外部加熱ベルトの回転方向に交差する幅方向に関して異なる位置に、それぞれ配置されている、
ことを特徴とする、請求項5に記載の加熱装置。 - 前記複数の温度検知手段は、前記外部加熱ベルトの回転方向に関して異なる位置に、それぞれ配置されている、
ことを特徴とする、請求項5に記載の加熱装置。 - 前記外部加熱ベルトの表面の温度を、前記外部加熱ベルトの回転方向に交差する幅方向に関して複数の位置で検知する複数の第1温度検知手段と、
前記外部加熱ベルトの表面の温度を、前記回転方向に関して複数の位置で検知する複数の第2温度検知手段と、を有し、
前記制御手段は、記録材への加熱を開始する前に、前記複数の第1温度検知手段により検知した前記幅方向に関する最大の温度差が第1の所定温度以上である場合、又は、前記幅方向に関する最大の温度差が第1の所定温度未満で、且つ、前記複数の第2温度検知手段により検知した前記回転方向に関する最大の温度差が第2の所定温度以上である場合に、前記加熱前動作を実行する、
ことを特徴とする、請求項1ないし4のうちの何れか1項に記載の加熱装置。 - 前記加熱ベルトは、複数の張架ローラに張架され、
前記外部加熱源は、前記複数の張架ローラのうちの何れかの張架ローラ内に配置されている、
ことを特徴とする、請求項1ないし8のうちの何れか1項に記載の加熱装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012233504A JP2014085461A (ja) | 2012-10-23 | 2012-10-23 | 加熱装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016075730A (ja) * | 2014-10-03 | 2016-05-12 | キヤノン株式会社 | 像加熱装置 |
JP2016075731A (ja) * | 2014-10-03 | 2016-05-12 | キヤノン株式会社 | 像加熱装置 |
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-
2012
- 2012-10-23 JP JP2012233504A patent/JP2014085461A/ja active Pending
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