JP2014074387A - 排気ガス浄化装置 - Google Patents

排気ガス浄化装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2014074387A
JP2014074387A JP2012223136A JP2012223136A JP2014074387A JP 2014074387 A JP2014074387 A JP 2014074387A JP 2012223136 A JP2012223136 A JP 2012223136A JP 2012223136 A JP2012223136 A JP 2012223136A JP 2014074387 A JP2014074387 A JP 2014074387A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
exhaust gas
flow path
forming member
path forming
case
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012223136A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6166027B2 (ja
Inventor
Yoshinobu Nagata
好伸 永田
Yuki Sakuma
雄基 佐久間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Futaba Industrial Co Ltd
Original Assignee
Futaba Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Futaba Industrial Co Ltd filed Critical Futaba Industrial Co Ltd
Priority to JP2012223136A priority Critical patent/JP6166027B2/ja
Publication of JP2014074387A publication Critical patent/JP2014074387A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6166027B2 publication Critical patent/JP6166027B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/20Air quality improvement or preservation, e.g. vehicle emission control or emission reduction by using catalytic converters

Landscapes

  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)

Abstract

【課題】車両への搭載性と還元処理の効率とをより高いレベルで両立し得る排気ガス浄化装置を提供する。
【解決手段】
内燃機関の排気通路に配設される排気ガス浄化装置であって、排気ガスが流入するケースと、該ケース内に設けられ、そのケース内に供給される還元剤を消費して排気ガスを還元処理する触媒とを備えた排気ガス浄化装置において、ケース内にて、還元剤の供給位置から触媒の配設位置に至るまでの間の空間に配設されて、該空間において排気ガスの流路を形成する流路形成部材を備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関から排出される排気ガスを浄化する排気ガス浄化装置に関する。
ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排気ガスを浄化するための装置として、排気ガス中の粒子状物質(PM)を除去するための装置や、排気ガス中の窒素酸化物(NOX)を還元除去するための装置が知られている。
PMを除去するための装置としては、ディーゼルパティキュレートフィルタ(Diesel Particulate Filter:DPF)を備えた装置が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
また、NOXを還元除去するための装置としては、NOXを還元する選択還元触媒(Selective Catalytic Reduction:SCR)を備えた装置が開発されている(例えば、特許文献2参照)。
そして、近年、排気ガスの規制がより厳しくなっていることに伴い、PMを除去するためのDPFと、NOXを還元除去するためのSCRとを備えた排気ガス浄化装置も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2009−144672号公報 特開2007−332797号公報 特開2009−167806号公報
ところで、SCRを備えた排気ガス浄化装置においては、排気ガスに対して液体還元剤を添加してその液体還元剤を気化させ、排気ガスと液体還元剤(気化した還元剤)とが混合した状態でSCRに到達するようにされる。この際、排気ガス中に液体還元剤が均一に拡散することが望まれる。排気ガス中に液体還元剤が均一に拡散しない場合、排気ガスの成分と液体還元剤との反応が不十分となり、NOXの分解効率が低下するためである。
そのため、SCRを備えた排気ガス浄化装置においては、液体還元剤と排気ガスとの混合がより確実かつ均一になされるようにするため、液体還元剤の噴射口からSCRまでの距離をできるだけ長くすることが考えられている。
しかしながら、液体還元剤の噴射口からSCRまでの距離をできるだけ長くしようとすると、特に、DPFとSCRとの両方を備えた排気ガス浄化装置においては、装置全体の長さが長くなるなど、装置全体が大型化し、車両への搭載が困難になるといった問題が生じ得る。
例えば特許文献3では、DPFが収納された第一の筒状ケースと、SCRが収納された第二の筒状ケースとを並列に配置し、第一の筒状ケースの一方の端部から、第二の筒状ケースの一方の端部に対して、斜めに連結パイプを渡すことで、装置全体の長さが長くなることを抑制しつつ、液体還元剤の噴射口からSCRまでの距離をできるだけ長くする構成が提案されている。しかし、このような構成としても、依然として長尺な連結パイプを必要とし、装置の小型化の妨げとなる。
なお、例えば特許文献2では、排気通路に遮蔽板を設けて渦流を発生させ、渦流が発生する部分に液体還元剤を噴射するように構成して、短い距離でも液体還元剤が効率良く蒸発(拡散)するようにしている。しかし、この場合、液体還元剤の噴射口の位置を、渦流が発生する箇所に設ける必要がある。即ち、噴射口の位置を従来から変更する必要性が生じ得る。この場合、排気ガス浄化装置のみならず、液体還元剤を噴射するための周辺の構成についても設計変更の必要性が生じる可能性がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、車両への搭載性と還元処理の効率とをより高いレベルで両立し得る排気ガス浄化装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた本発明は、内燃機関の排気通路に配設される排気ガス浄化装置であって、排気ガスが流入するケースと、該ケース内に設けられ、そのケース内に供給される還元剤を消費して排気ガスを還元処理する触媒とを備えた排気ガス浄化装置に関する。そして、本発明の排気ガス浄化装置は、ケース内にて、還元剤の供給位置から触媒の配設位置に至るまでの間の空間に配設されて、該空間において排気ガスの流路を形成する流路形成部材を備えている。なお、還元剤は液体還元剤であっても良い。
このような本発明によれば、還元剤の供給位置から触媒に至るまでの間において、排気ガス(より具体的には、排気ガス及び還元剤を含む混合ガス)が、供給位置から触媒にそのまま流れるのではなく、流路形成部材によって形成される流路に沿って流れて触媒に至ることとなる。この場合、流路形成部材が設けられない場合と比較して、排気ガス及び還元剤を含む混合ガスについて、還元剤の供給位置から触媒に至るまでの時間及び経路長がより大きくなり得る。この結果、還元剤が排気ガス中に拡散するための時間及び経路長がより多く確保され、還元剤の均一な拡散及び気化がより促進され得る。
このため、排気ガス浄化装置において、例えばケースを長くすることによって排気ガスの流路を長くすることなく、排気ガスの流路長(経路長)をより多く確保して、還元剤の均一な拡散及び気化を促進し、ひいては触媒による排気ガスの還元処理の効率を向上させることができる。
より具体的には、本発明では、流路形成部材は、空間において、還元剤の供給位置から触媒の配設位置に至るまでの経路の一部を閉塞するように構成されていても良い。
これによれば、排気ガスの流れが閉塞された部分で遮断され、その排気ガスが閉塞されていない部分まで流れた後に下流側に至るようになる分だけ、排気ガスの流路長を大きくすることができる。
また、本発明では、流路形成部材は、排気ガスの流れを分岐させるための突出部を備えていても良い。
これによれば、排気ガスの流れが一方向である場合と比較して、排気ガスの流れが分岐する際において排気ガスと還元剤との混合がより促進され得る。つまり、還元剤の均一な拡散及び気化がより促進されて、触媒による排気ガスの還元処理の効率が向上し得る。
さらに、本発明では、流路形成部材は、分岐して流れた排気ガスが合流する合流部を形成するように構成されていても良い。
これによれば、分岐して流れた排気ガスが合流部で合流して混合されることとなり、ひいては排気ガスと還元剤との混合がより促進され得る。このため、還元剤の均一な拡散及び気化がより促進されて、前述のように触媒による排気ガスの還元処理の効率が向上し得る。
本実施形態の排気ガス浄化装置の概略図である。 本実施形態の排気ガス浄化装置の部分説明図である。 変形例1の排気ガス浄化装置の部分説明図である。 変形例2の排気ガス浄化装置の部分説明図である。 変形例3の排気ガス浄化装置の部分説明図である。 変形例4の排気ガス浄化装置の部分説明図である。 変形例5の排気ガス浄化装置の部分説明図である。 変形例6の排気ガス浄化装置の部分説明図である。 変形例7の排気ガス浄化装置の部分説明図である。 本実施形態の排気ガス浄化装置の作用を示す図である。 本実施形態の排気ガス浄化装置の効果を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面に基づき説明する。なお、本願において、「経路」及び「流路」は同趣旨であり、また、「経路長」及び「流路長」も同趣旨である。
[排気ガス浄化装置の構成]
図1に示す排気ガス浄化装置1は、車両に搭載されたディーゼルエンジンなどの内燃機関から排出される排気ガスの排気通路に配設され、その排気ガスを浄化するための装置である。なお、図1では、排気ガス浄化装置1における排気ガスの流れ(排気ガス浄化装置1の入口から出口に至るまでの排気ガスの流れ)を矢印にて示している。ただし、矢印にて示す流れは一例である。特に、後述の流路形成部材100からSCR16に向けての破線矢印にて示す流れは一例であり、他の形態の流れも考えられる。
排気ガス浄化装置1は、DPF(Diesel Particulate Filter)部2と、SCR(Selective Catalytic Reduction)部4とを備えている。
DPF部2とSCR部4とは、連通路14を介して接続されている。
内燃機関から排出される排気ガスは、排気ガス浄化装置1において、まず入口12を介してDPF部2に流入する。そして、DPF部2にて、排気ガス中の粒子状物質(PM)が捕捉及び除去(燃焼)される。その後、排気ガスは連通路14を介してSCR部4に流入する。SCR部4においては、排気ガス中の窒素酸化物(NOX)が、無害成分である窒素(N2)と水(H2O)とに分解される。
DPF部2は、筒状(より具体的には円筒状)のケース10と、酸化触媒(Diesel Oxidation Catalyst:DOC)を有する担体6(以下、DOC6)と、DPF8とを備えている。DOC6及びDPF8はケース10に収容され、DOC6がDPF8よりも排気通路の上流側に配設されている。
DOC6は、排気ガス中の余剰燃料を酸化反応させる。なお、この余剰燃料は、一例では、内燃機関におけるポスト噴射(燃焼工程後の追加噴射)によってもたらされる。そして、その酸化反応の反応熱により、排気通路内の温度が上昇し得る。
DPF8は、排気ガス中のPMを捕捉するフィルターであり、多孔質のセラミックにより形成され、多数の孔を配して格子状に構成された構造体を有する。孔としては、入口側(上流側)の端面にて開口して出口側(下流側)の端面にて閉じられた孔と、入口側の端面にて閉じられて出口側の端面にて開口した孔とが交互に設けられている。
排気ガスは、DPF8の入口側の端面にて開口した孔からDPF8に流入して、その孔の境界壁を透過し、出口側(下流側)の端面にて開口した孔から下流側に流出する。そして、境界壁を透過する際に、排気ガス中のPMが捕捉され、DPF8内に堆積する。
DPF部2では、DPF8におけるPMの堆積量が図示しないセンサにより検出される。そして、DPF部2では、そのセンサの検出値に基きPMの堆積量が所定量以上であると判定されると排気通路内の温度が上昇するように構成されており、これにより、PMを燃焼させて除去するようにされている。
SCR部4は、筒状(より具体的には円筒状)のケース20と、選択還元触媒(Selective Catalytic Reduction:SCR)を含む担体16(以下、SCR16)と、余剰アンモニア分解用酸化触媒(SLP)を含む担体18(以下、SLP18)と、を備えている。SCR16及びSLP18はケース20に収容され、SCR16がSLP18よりも排気通路の上流側に配設されている。
選択還元触媒(SCR)は、具体的には、排気ガス中に含まれるNOXを、後述の液体還元剤の分解により生じるアンモニア(NH3)と還元反応させて窒素(N2)と水(H2O)とに分解するための触媒である。余剰アンモニア分解用酸化触媒(SLP)は、具体的には、SCR16において利用されずに余ったアンモニアを分解するための酸化触媒である。
SCR部4の下流側には、排気管28が配設されている。排気管28には、排気孔30が多数形成されている。SCR16及びSLP18を通過した排気ガスは、排気孔30を介して排気管28に流入してその排気管28から排出される。
SCR部4の上流側(SCR16の上流側)には、上流側室22が設けられている。また、後述するように、本実施形態の排気ガス浄化装置1では、上流側室22に流路形成部材100が配設されるようになっている。
連通路14には、液体還元剤を連通路14内(換言すれば、排気ガス中)に噴射するための噴射ノズル26が配設されている。液体還元剤としては、例えば尿素水が考えられる。噴射ノズル26から噴射された液体還元剤は、排気ガス中に拡散して気化し、排気ガス中の成分と反応して、アンモニア(NH3)などに分解される。
[流路形成部材の構成]
図2(a)〜(d)を参照して、一例としての流路形成部材100を適用した排気ガス浄化装置1について説明する。
図2(a)は、SCR部4の外観の一部を示す図である。図2(b)は、図2(a)におけるA−A断面図である。図2(c)は、図2(a)におけるB−B断面図である。図2(d)は、流路形成部材100の斜視図である。
流路形成部材100は、図2(a)〜(c)に示されるように、SCR部4に設けられる。より具体的には、図2(b)に示されるように、ケース20の内部における上流側室22に配設される。上流側室22は、液体還元剤の噴射位置からSCR16に至るまでの空間(排気経路)の一部をなしている。
流路形成部材100は、円環状に形成された円環部101と、その円環部101からケース20の上流側の端部23に向かって突出した略円筒状の突出部103とを有する。
また、流路形成部材100では、ケース20の軸方向に垂直な断面において所定の角度α(図2(c)参照)の範囲分だけ切り欠かれて、切欠部108が形成されている。
円環部101の外周には、その外周の全域にわたって縁部102が形成されている。縁部102は、突出部103が突出する側と同じ側に向けて突出している。
円環部101と縁部102との接続部分(換言すれば、円環部101と縁部102との間の角部)は丸みを帯びている。即ち、曲線状に形成されている。
また、円環部101は、突出部103との接続部分においては、突出部103に向けて次第に盛り上がるように湾曲して、突出部103と連続している(例えば、図2(d)の切欠部108の断面108a参照)。
突出部103の外形は、次第に先細となるような形状(テーパ形状)に形成されている。そして、突出部103の突出側の端部には、円形状の頂部105が形成されている。頂部105の表面は平面状に形成され、円環部101のうち平坦な部分の平面と平行に形成される。
そして、突出部103の外形は前述のようにテーパ形状に形成されているために、図2(d)からも分かるように、突出部103と円環部101との接続部分である円縁部104の直径と、前述の頂部105の直径とでは、前者のほうが大きい。
頂部105には孔107が形成されている。孔107は切欠部108と連続している。
なお、この流路形成部材100では、図2(c)のB−B断面図において、突出部103は円環部101に対して偏心しておらず、突出部103と円環部101とは同心に形成されている。より具体的には、円縁部104、頂部105、及び孔107が、円環部101と同心に形成されている。ただし、それらについて、厳密に同心に形成されることが要求されるものではなく、互いに偏心していても良い。
流路形成部材100は、図2(c)に示されるように、その流路形成部材100の中心O‘(円形状の中心としての中心O‘)とケース20の中心O(長手方向の中心軸が通る点としての中心O)とが一致するように、ケース20内に配設される。
そして、流路形成部材100は、ケース20の内面に隙間無く当接しつつそのケース20内に収まるように形成されている(例えば、図2(b)、(c)参照)。具体的には、流路形成部材100は、縁部102がケース20の内周面24に密接し、頂部105が上流側室22の上流側の端部23に密接するように配設される。
さらに、流路形成部材100は、上流側室22の周方向において、切欠部108が連通路14の出口から最も離れて位置するように配設される(例えば、図2(c)参照)。換言すれば、切欠部108と連通路14の出口とが、互いに、中心Oを挟んで周方向に180°反対側に位置するように、流路形成部材100は配設される。
これにより、円環部101、縁部102、突出部103、頂部105、並びに、ケース20の端部23及び内周面24によって、排気ガスが流れる空間(流路)が形成される。
そして、上流側室22において、排気ガスは、連通路14の出口から上流側室22に流入し、突出部103の周囲を回り込むように、流路形成部材100の円環部101、縁部102、突出部103、並びに、ケース20の端部23及び内周面24によって形成される空間(流路)を流れ、切欠部108を介して下流側(SCR16側)に流れる。
このような流路形成部材100を備えた排気ガス浄化装置1の作用効果については後述する。
ここで、本実施形態において、「経路」(流路)とは、排気ガスが流れる経路(流路)のことである。そして、連通路14の出口から切欠部108に至る「経路」(流路)とは、流路形成部材100とケース20とによって形成される空間の一部又は全部であり、より具体的には、円環部101、縁部102、突出部103、並びにケース20の端部23及び内周面24によって形成される空間の一部又は全部である。さらに詳細には、その空間のうち、排気ガスが流れ得る領域である。また、「経路長」(流路長)とは、排気ガスが流れる経路(流路)の長さである。
排気ガスが流れ得る経路としては無限のパターンが存在し得るため、その意味においては、経路長の値も無限に存在し得る。そこで、連通路14の出口から切欠部108に至る「経路」(流路)としては、一例では、連通路14の出口から切欠部108に至るまでの経路のパターンのうち最短のものと定義されても良い。
また、図2(c)のB−B断面図において、連通路14の出口から切欠部108に至るまでの領域のうち流路形成部材100の縁部102と突出部103との中間部分を結んで形成されるルートが「経路」(流路)として定義されても良い。
また、連通路14の出口から切欠部108に至るまでの領域において、排気ガスが最も流れやすい部分をシミュレーション等により算出してその算出した部分が「経路」(流路)として定義されても良い。
そして、「経路長」(流路長)は、上記のようにして定義された「経路」(流路)の長さと定義され得る。
(変形例1)
図3(a)〜(c)は、流路形成部材100の配設の態様についての変形例を示す図である。
図3(a)はSCR部4の外観の一部を示す図である。図3(b)は、図3(a)におけるC−C断面図である。図3(c)は、図3(a)におけるD−D断面図である。
ここでは、図2(a)〜(d)の流路形成部材100と同じ流路形成部材を用いることを前提としている。一方、図3(a)〜(c)の例では、流路形成部材100の配設の態様が、図2(a)〜(d)の例と異なる。
具体的には、図3(a)〜(c)の例では、連通路14と切欠部108との位置関係が図2(a)〜(d)の例と異なっている。より詳細には、図2(a)〜(d)の例では、前述のように切欠部108が連通路14の出口から最も離れて位置するように流路形成部材100が配設されていた。一方、図3(a)〜(c)の例では、図2(a)〜(d)の例と比較して、流路形成部材100は、中心O,O‘を中心に回転した状態で配設されている(例えば、図3(c)参照)。具体的には、流路形成部材100は、図3(c)のD−D断面図において時計回りに45°回転して、ケース20に配設されている。これにより、連通路14の出口から切欠部108に至るまでの経路の長さに関し、経路長R1の大きさと経路長R2の大きさとが異なる。なお、R1<R2である。
(変形例2)
図4(a)〜(d)は、変形例の流路形成部材120を適用した排気ガス浄化装置1の部分説明図である。
図4(a)は、SCR部4の外観の一部を示す図である。図4(b)は、図4(a)におけるE−E断面図である。図4(c)は、図4(a)におけるF−F断面図である。図4(d)は、流路形成部材120の斜視図である。
なお、以下では、流路形成部材120の主要な部分を中心に説明し、流路形成部材100と同様の構成については適宜説明を省略することとする。流路形成部材120に関し、特に具体的な説明がなされていない部分については、流路形成部材100と同様に構成されていても良い。
流路形成部材120は、円環部121と、その円環部121からケース20の上流側の端部23に向かって突出した突出部123とを有する。
円環部121の外周には、その外周の全域にわたって縁部122が形成されている。縁部122は、突出部123が突出する側と同じ側に向けて突出している。
突出部123は、図4(c),(d)に示されるように、側壁129からなる外縁の形状が三角形状となるように形成されている。なお、図4(c)のF−F断面図において、突出部123をなす三角形状の重心を符号Gにて示している。
突出部123の突出側の端部には、突出部123をなす三角形状に合わせて、三角形状の頂部125が形成されている。頂部125の表面は、ケース20の上流側の端部23と密接し得るように平面状に形成されている。
突出部123の側壁129と、頂部125との接続部分は、丸みを帯びていて、曲部126を形成している。換言すれば、突出部123の側壁129と頂部125とは、曲部126を介して、曲線状に連続している。
頂部125には、三角形状の孔127が形成されている。孔127は、後述の切欠部128と連続している。
流路形成部材120では、切欠部128が形成されている。切欠部128は、突出部123をなす三角形状の重心Gから外側に向かうほど、切欠の幅が大きくなるように形成されている(例えば、図4(c)参照)。即ち、切欠部128の断面128aが、頂部125からその外側の縁部122に向けて次第に、互いに離間するように、切欠部128は形成されている。
そして、本例では、突出部123をなす三角形状の重心Gが、ケース20の中心O(及び流路形成部材100をなす円形状の中心O‘)に一致するように、流路形成部材120がケース20内に配設される(例えば、図4(c)参照)。
また、流路形成部材120は、切欠部128が連通路14の出口から最も離れて位置するように、上流側室22に配設される(例えば、図4(c)参照)。換言すれば、切欠部128と連通路14の出口とが、互いに、中心Oを挟んで周方向に180°反対側に位置するように、流路形成部材120は配設される。
これにより、円環部121、縁部122、突出部123、頂部125、並びに、ケース20の端部23及び内周面24によって、排気ガスが流れる空間(流路)が形成される。
そして、排気ガスは、連通路14からケース20内に流入し、突出部123の周囲を回り込むようにして流れて切欠部128に至り、その後下流側(SCR16側)に流れることとなる。
(変形例3)
図5(a)〜(d)は、変形例の流路形成部材140を適用した排気ガス浄化装置1の部分説明図である。
図5(a)は、SCR部4の外観の一部を示す図である。図5(b)は、図5(a)におけるG−G断面図である。図5(c)は、図5(a)におけるH−H断面図である。図5(d)は、流路形成部材140の斜視図である。
なお、以下では、流路形成部材140の主要な部分を中心に説明し、流路形成部材100と同様の構成については適宜説明を省略することとする。流路形成部材140に関し、特に具体的な説明がなされていない部分については、流路形成部材100と同様に構成されていても良い。
流路形成部材140は、円環部141と、その円環部141からケース20の上流側の端部23に向かって突出した突出部143とを有する。
円環部141の外周には、その外周の全域にわたって縁部142が形成されている。縁部142は、突出部143が突出する側と同じ側に突出している。
突出部143は、図5(d)に示されるように略円筒状に形成されるが、詳細は以下のとおりである。
突出部143は、円形状の頂部145を有し、頂部145には円形状の孔147が形成されている。孔147は、後述の切欠部148と連続している。そして、流路形成部材140では、H−H線矢視において(図5(c)のH−H断面図において)、孔147をなす円形状の中心O1が、流路形成部材140をなす円形状の中心O‘(換言すれば、円環部141をなす円形状の中心O‘)から偏心するように、突出部143が形成されている。
突出部143の側壁149と頂部145との接続部分は、丸みを帯びていて、曲部146を形成している。換言すれば、突出部143の側壁149と頂部145とは、曲部146を介して、曲線状に連続している。
そして、突出部143の側壁149のうち、切欠部148側の符号S2で示される部分(以下、側壁部S2と記載する)と、切欠部148からみて周方向に略180°反対側の部分であって、符号S1で示される部分(以下、側壁部S1と記載する)とは、円環部141に対する傾斜角度が異なっている。このため、側壁部S1と側壁部S2とは、長さが異なっている。
側壁部S1は、円環部141に対して略垂直の角度を有している。一方、側壁部S2は、側壁部S1と比較して、円環部141に対してよりなだらかな角度を有している。このため、側壁部S1の長さは側壁部S2の長さと比較して小さくなっている。逆に言えば、側壁部S2の長さは側壁部S1の長さと比較して大きくなっている。
また、側壁部S1と縁部142との間の距離L1、側壁部S2と縁部142との間の距離L2は、略同一である。
また、流路形成部材140では、切欠部148が形成されている。切欠部148は、流路形成部材140をなす円形状の中心O‘から外側に向かうほど、切欠の幅が大きくなるように形成されている(例えば、図5(c)参照)。即ち、切欠部148の断面148aが、頂部145からその外側の縁部142に向けて次第に、互いに離間するように、切欠部148は形成されている。
そして、本例では、流路形成部材140は、切欠部148が連通路14の出口から最も離れて位置するように、上流側室22に配設される(例えば、図5(c)参照)。換言すれば、切欠部148と連通路14の出口とが、互いに、中心O‘を挟んで周方向に180°反対側に位置するように、流路形成部材140は配設される。
これにより、円環部141、縁部142、突出部143、頂部145、並びに、ケース20の端部23及び内周面24によって、排気ガスが流れる空間(流路)が形成される。
そして、排気ガスは、連通路14からケース20内に流入し、突出部143の周囲を回り込むようにして流れて切欠部148に至り、その後下流側(SCR16側)に流れることとなる。
(変形例4)
図6(a)〜(d)は、変形例の流路形成部材160を適用した排気ガス浄化装置1の部分説明図である。
図6(a)は、SCR部4の外観の一部を示す図である。図6(b)は、図6(a)におけるI−I断面図である。図6(c)は、図6(a)におけるJ−J断面図である。図6(d)は、流路形成部材160の斜視図である。
図6(a)〜(d)において、流路形成部材100と同じ構成については同じ符号を付している。以下、流路形成部材160について、流路形成部材100と異なる点を中心に説明する。
流路形成部材160は、図6(d)に示されるように、切欠部108に隣接して、切欠部108の両側にそれぞれ、複数の小孔162からなるパンチング部161が設けられている。
本例では、2つのパンチング部161はそれぞれ、8つの小孔162からなるが、小孔162の数、小孔162の形成場所、小孔162の大きさ(直径)、及び切欠部108から小孔162までの距離は、何ら限定されるものではない。
そして、本例では、流路形成部材160は、切欠部108が連通路14の出口から最も離れて位置するように、上流側室22に配設される(例えば、図6(c)参照)。換言すれば、切欠部108と連通路14の出口とが、互いに、中心Oを挟んで周方向に180°反対側に位置するように、流路形成部材160は配設される。
円環部101、縁部102、突出部103、頂部105、並びに、ケース20の端部23及び内周面24によって、排気ガスが流れる空間(流路)が形成される点については、前述したとおりである。一方、排気ガスは、切欠部108を介してのみならず、パンチング部161の小孔162を介しても下流側(SCR16側)に流れることとなる。
(変形例5)
図7(a)〜(d)は、変形例の流路形成部材180を適用した排気ガス浄化装置1の部分説明図である。
図7(a)は、SCR部4の外観の一部を示す図である。図7(b)は、図7(a)におけるK−K断面図である。図7(c)は、図7(a)におけるL−L断面図である。図7(d)は、流路形成部材180の斜視図である。
図7(a)〜(d)において、流路形成部材100と同じ構成については同じ符号を付している。以下、流路形成部材180について、流路形成部材100と異なる点を中心に説明する。
流路形成部材180は、図7(c)、(d)に示されるように、切欠部188が切欠部108よりも幅広に形成されている。具体的には、図7(c)に示されるように、切欠部188は所定の角度β(β>α)の範囲分だけ切り欠かれて形成されている。
切欠部188の断面188aは、頂部105から外側の縁部102に向けて次第に、互いに離間している。
そして、本例では、流路形成部材180は、切欠部188が連通路14の出口から最も離れて位置するように、上流側室22に配設される(例えば、図6(c)参照)。換言すれば、切欠部188と連通路14の出口とが、互いに、中心Oを挟んで周方向に180°反対側に位置するように、流路形成部材180は配設される。
これにより、円環部101、縁部102、突出部103、頂部105、並びに、ケース20の端部23及び内周面24によって、排気ガスが流れる空間(流路)が形成される。即ち、排気ガスは、連通路14からケース20内に流入し、突出部103の周囲を回り込むようにして流れて切欠部188に至り、その後下流側(SCR16側)に流れることとなる。
(変形例6)
図8(a)〜(d)は、変形例の流路形成部材200を適用した排気ガス浄化装置1の部分説明図である。
図8(a)は、SCR部4の外観の一部を示す図である。図8(b)は、図8(a)におけるM−M断面図である。図8(c)は、図8(a)におけるN−N断面図である。図8(d)は、流路形成部材200の斜視図である。
流路形成部材200は、円環部201と、その円環部201からケース20の上流側の端部23に向かって突出した突出部203とを有している。
円環部201の外周には、その外周の全域にわたって、円環部201よりもやや盛り上がった部分として縁部202が形成されている。縁部202の最も外側の外周は、ケース20の内周面24に密接し得る。
流路形成部材200においては、突出部203と連続するように(突出部203の側壁209と連続するように)、延長壁210が形成されている。延長壁210は、突出部203と同じ高さを有して、突出部203と縁部202との間において円環部201に立設するように形成されている。
突出部203の突出側の端部には、円形状の頂部205が形成されており、頂部205には、円形状の孔207が形成されている。孔207は後述の切欠部208と連続している。なお、頂部205を形成する面は、延長壁210まで延びている。ここでは、頂部205は、延長壁210の頂部も含むものとして理解されても良い。
流路形成部材200では、切欠部208が形成されているが、この流路形成部材200においては、切欠部208の一方は延長壁210によって区切られている。換言すれば、延長壁210と断面208aとの間が、切欠部208として形成されている。
この流路形成部材200は、連通路14からの排気ガスが延長壁210そのもの、あるいは延長壁210の近傍に衝突するように、ケース20内に配設される(図8(c)参照)。その際、頂部205がケース20の上流側の端部23に密接し、縁部202の外周がケース20の内周面24に密接する。
これにより、円環部201、縁部202、突出部203、頂部205、延長壁210、並びに、ケース20の端部23及び内周面24によって、排気ガスが流れる空間(流路)が形成される。即ち、排気ガスは、連通路14からケース20内に流入し、延長壁210によって一方の方向への流れが規制されることによって突出部203の周囲をおおよそ1周分回るようにして流れて切欠部208に至り、その後下流側(SCR16側)に流れることとなる。
(変形例7)
図9(a)〜(d)は、変形例の流路形成部材220を適用した排気ガス浄化装置1の部分説明図である。
図9(a)は、SCR部4の外観の一部を示す図である。図9(b)は、図9(a)におけるO−O断面図である。図9(c)は、図9(a)におけるP−P断面図である。図8(d)は、流路形成部材220の斜視図である。
流路形成部材220は、円形状の中心に向かって窪んだU字状の溝221を有するように、円環状に形成されている。なお、流路形成部材220の外縁には、その外縁の全周にわたって、外側に張り出した縁部222が形成されている。
また、流路形成部材220では、一部が所定の幅で切り欠かれて、切欠部228が形成されている。
このような流路形成部材220は、切欠部228が連通路14の出口から最も離れて位置するように、上流側室22に配設される(例えば、図9(c)参照)。換言すれば、切欠部228と連通路14の出口とが、互いに、中心Oを挟んで周方向に180°反対側に位置するように、流路形成部材220は配設される。その際、縁部222がケース20の内周面24に密接する。
これにより、溝221とケース20の内周面24とによって、排気ガスが流れる空間(流路)が形成される。即ち、排気ガスは、連通路14からケース20内に流入し、溝221の凹部分の領域を流れて切欠部228に至り、その後下流側(SCR16側)に流れることとなる。
[本実施形態の作用及び効果]
次に、本実施形態の作用及び効果について、図10,図11を用いて説明する。
図10は、本実施形態の排気ガス浄化装置1の作用を示す説明図である。ここでは、流路形成部材100の例に適用して説明する。
図10においては、ケース20内に流路形成部材100が配設された状態が示されている。ケース20には、連通路14が接続しており、連通路14には、液体還元剤を噴射するための噴射ノズル26が設けられている。そして、図10においては、噴射ノズル26から噴射された液体還元剤(気化した還元剤)の流れが矢印にて示されている。
なお、以下、気化した還元剤(以下、単に還元剤とも記載する)の流れに着目して説明するが、その説明は、還元剤を含む排気ガスの流れの場合と何ら変わるものでないことは言うまでもない。
噴射ノズル26から噴射された還元剤は、まず、連通路14を介してケース20内に流入する。そして、ケース20内に流入した還元剤は、本実施形態の排気ガス浄化装置1においては、流路形成部材100により形成される流路(流路形成部材100とケース20とにより形成される流路)を流れる。より具体的には、前述したように、円環部101、縁部102、突出部103、並びに、ケース20の端部23及び内周面24によって形成される空間を流れる。
この際、還元剤は、流路形成部材100の突出部103に衝突するとともに突出部103の周囲を回り込むように分岐(分散)して、その突出部103の周囲を側壁109に沿って流れ得る。そして、還元剤は、最終的に切欠部108に至る。
突出部103を回り込むようにして流れた還元剤は、切欠部108が形成された部分に到達してその部分において衝突するとともに、切欠部108を通って下流側に流れる。即ち、SCR16に向けて流れる。
より詳細には、切欠部108の部分にて衝突した還元剤は、種々のルートでSCR16に向けて流れる。例えば、一部は、突出部103の内部に入り込み(図1も参照)、突出部103の中心部分(流路形成部材100の中心部分)からSCR16に流れる。換言すれば、連通路14から上流側室22に流入した還元剤が連通路14側に一旦戻るようにして流れて、その後SCR16に流れる。また、一部は、切欠部108の例えば最も広い部分からそのままSCR16側に流れる。
突出部103が略円筒状に形成され(即ち、突出部103の内部が空洞状に形成され)、孔107と切欠部108とが連続していることにより、切欠部108の部分にて衝突した還元剤は、切欠部108の下流側の空間のみならず、突出部103の内部にも流れることができるようになる。即ち、還元剤が拡散できる空間がより多く確保されることとなる。このため、還元剤の拡散及び気化が効果的に促進される。
なお、切欠部108は、本実施形態の合流部の一例に相当する。
上記のように、本実施形態では、突出部103を回り込むようにして還元剤が流れる分、還元剤が噴射ノズル26から噴射されてSCR16に至るまでの経路長が長くなる。即ち、還元剤は、噴射ノズル26から噴射された後にケース20に流入して直接SCR16に至るのではなく、流路形成部材100及びケース20によって形成される空間(流路)を流れた後、流路形成部材103の切欠部108を介してSCR16に至る。換言すれば、流路形成部材100及びケース20によって形成される空間(流路)により、排気ガスがSCR16に至るまでの時間及び経路長がより多く確保される。
これにより、還元剤が拡散及び気化するための時間及び経路長が十分に確保され、還元剤が排気ガス中により均一に拡散し得るとともに分解作用が促進される。このため、SCR16において、排気ガス中のNOXの還元処理がより効率良くなされ得るようになる。特に、本実施形態によれば、流路形成部材100を上流側壁22内に配設するだけで良く、排気ガス浄化装置1のその他の構成を変更することなく、上記のような効果を得ることができる。
従って、排気ガス浄化装置1の大きさを何ら変更することなく(排気ガス浄化装置1を大きくすることなく)、排気ガス中のNOXの還元処理の効率を向上させることができる。
図11は、本実施形態の排気ガス浄化装置1の効果を示すグラフである。
図11は、本実施形態の流路形成部材100を設けた例(例(1))と、本実施形態の流路形成部材を設けない従来例(例(2)〜(4))とについて、効果の比較結果を示す図である。具体的には、還元剤を噴射ノズル26から噴射した場合において、気化したアンモニアの質量(気体アンモニアの質量)を比較した結果を示す図である。還元剤の噴射量は、例(1)〜(5)の全てにおいて同一である。
図11では、横軸に時間(sec)をとり、縦軸にアンモニア量(気化したアンモニアの質量)をとっている。時間0のタイミングを、還元剤の噴射開始のタイミングとする。
なお、例(1)〜(5)のそれぞれについて、「420mm」、「310mm」、「300mm」、「290mm」、「280mm」と記載されているが、それらは、還元剤の噴射位置からSCR16に至るまでの経路長(排気ガスが流れる流路の長さ)を示す。
例(1)では、経路長は420mmとなっており、他の例(2)〜(5)と比較して大きい値となっている。これは、排気ガスが流路形成部材100とケース20とで形成される空間(流路)を流れる分だけ、経路長が増加するためである。
図11を参照すると、まず、例(1)〜(5)の何れについても、還元剤の噴射直後に、気体アンモニアの質量が増加していることが分かる。即ち、還元剤が噴射されると、その還元剤が拡散及び気化して、気体アンモニアが生成される。
しかしながら、特に例(3)〜(5)では、例(1)(及び例(2))と比較して、気体アンモニアの質量は小さい値となっている。このことから、特に例(3)〜(5)では、例(1)と比較して、気体アンモニアの質量(生成量)が少ないことが分かる。ひいては、還元剤の拡散が十分ではないことが推測される。或いは、還元剤が十分に拡散して気化する前に、還元剤(排気ガスと還元剤との混合ガス)がSCR16に到達し、気体アンモニアの生成が不十分となっていることが推測される。
また、例(2)は、例(3)〜(5)と比較すれば気体アンモニアの質量(生成量)は大きくなっているものの、例(1)と比較すればやはり小さい値となっている。また、所定時間経過後において、気体アンモニアの質量(生成量)の落ち込みが見られる。このことからやはり、例(2)においても、還元剤の拡散が十分ではない、或いは、還元剤が十分に拡散して気化する前に、還元剤(排ガスと還元剤との混合ガス)がSCR16に到達し、気体アンモニアの生成が不十分となっていることが推測される。
一方、例(1)では、例(2)〜(5)と比較して気体アンモニアの質量(生成量)は大きくなっており、かつ安定している。このことから、流路形成部材100を用いた場合には、還元剤が排ガス中に十分に拡散して気体アンモニアの生成が安定し得ることが推測できる。このため、SCR16における還元処理の効率が向上し得る(或いは維持され得る)と考えられる。
[変形例の作用効果]
排気ガス浄化装置1の、車体(図示省略)に対する位置関係によっては、流路形成部材100の突出部103に対して、排気ガスが回り込みにくい方向及び回り込みやすい方向が生じることが考えられる。この場合、図2(a)〜(d)の例において、連通路14からケース20内に流入した排気ガスが突出部103の周囲を流れて切欠部108に至るにあたり、回り込み方向によっては切欠部108に至るまでの時間に時間差が生じることも考えられる。
この点に鑑み、変形例1(図3(a)〜(c))の如く、連通路14の出口に対する切欠部108の位置を適宜変更するようにすれば、上記のような時間差が生じることを抑制し、還元剤の拡散の均一化を図ることができる。即ち、時間差を考慮して、時間差の分だけ経路長R1と経路長R2との差を設けるようにすることで、排気ガスが連通路14の出口から切欠部108に至るまでの時間を、排気ガスの経路によらず略一定にし得る。この場合、切欠部108における排気ガスの衝突作用が均一になり得、排気ガスと還元剤との混合(還元剤の均一な拡散及び気化)が阻害されないようにし得る。
また、変形例2(図4(a)〜(d))では、突出部123が三角形状に形成されることから、突出部103が円形状に形成される図2(a)〜(d)の例と比較して、排気ガスが突出部123を回り込んで流れるに際しての経路の長さをより大きくすることができる。例えば、排気ガスが流れる経路(流路)のパターンがより複雑になることで、経路長がより多く確保され得ることが考えられる。このため、還元剤の均一な拡散及び気化をより促進させることができる。
変形例3(図5(a)〜(d))では、特に、連通路14から流入する排気ガスが衝突する部分である側壁部S1が、円環部141に対して略垂直の角度を有していることにより、連通路14から流れてくる排気ガスが側壁部S1に衝突した際、より左右に分岐(分散)しやすくなることが考えられる。このため、還元剤が分散して流れることも促進されて、還元剤がより均一に拡散及び気化することが期待できる。
変形例4(図6(a)〜(d))では、パンチング部161が形成されていることにより、特に、排気ガスがパンチング部161を介して下流側(SCR16側)に流れやすくなることが期待できる。この場合、突出部103等によって前述のように排気ガスの経路長を増加させて還元剤の均一な拡散及び気化を促進しつつ、排気ガスの下流側(SCR16側)への流れやすさを確保することも可能となり得る。
変形例5(図7(a)〜(d))についても同様である。変形例5では、切欠部188が、切欠部108よりも幅広に形成されている。このため、排気ガスが側(SCR16側)に流れやすくなることが期待できる。即ち、突出部103等によって前述のように排気ガスの経路長を増加させて還元剤の均一な拡散及び気化を促進しつつ、排気ガスの下流側(SCR16側)への流れやすさを確保することも可能となり得る。
変形例6(図8(a)〜(d))では、延長壁210により、排気ガスの流れが一方向のみに制限される。具体的には、連通路14からケース20内に流れる排気ガスは、延長壁210によってその延長壁210が設けられた側に流れることが阻止され、延長壁210が設けられていない側に流れることのみが許容される。この場合、排気ガスの経路長を最大限大きくすることができ、還元剤がより均一に拡散及び気化することが期待できる。
変形例7((図9(a)〜(d))では、排気ガスは、U字状の溝221を流れて切欠部228に至ることとなるが、U字状の溝を流れる場合には、本実施形態の他の例と比較して、抵抗が小さくなることが期待できる。具体的には、U字状の溝によって、排気ガスの流れが規制されやすくなる。換言すれば、排気ガスの流れは、U字状の溝によって流れの方向性が安定し、その結果切欠部228まで導かれやすくなり得る。このため、排気ガスがよりスムーズに流れる(よりスムーズにSCR16に至る)ことが期待できる。
[その他の実施形態]
以上、本実施形態の排気ガス浄化装置1について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術範囲内において種々の形態をとることができる。
例えば、上記変形例2において、突出部123は外縁が三角形状となるように形成されているが、三角形状に限らず、種々の多角形状に形成されても良い。
また、上記変形例3において、中心O1の位置が、中心O‘を挟んで連通路14と反対側に偏心するように構成されていても良い。
また、上記変形例3〜7において、各流路形成部材は、変形例2の場合と同様に回転して配設されても良い。具体的には、連通路14の出口を起点とし、流路形成部材の突出部の周囲に沿って切欠部に至るまでの経路の長さが、突出部に対する回り込み方向によって異なり得るように、流路形成部材が配設されても良い。
また、上記実施形態及び各変形例では、流路形成部材の一部が、所定の角度の範囲分だけ切り欠かれて切欠部が形成されているが、その角度の基準となる中心位置としては、流路形成部材の中心位置O‘に限られず、他の位置に設定されても良い。また、切欠部は、流路形成部材の一部が平行に切り欠かれることによって形成されても良い。
また、上記実施形態において、流路形成部材の表面は滑らかに形成されても良い。例えば、研磨が施されても良いし、めっきが施されても良い。この場合、少なくとも、排気ガスの流路を形成する部分(円環部101、縁部102、突出部103の表面)が研磨やめっき等により滑らかに形成される構成が考えられる。これによれば、排気ガスの流れがスムーズになることが考えられる。
或いは、流路形成部材の表面は粗面であっても良い。具体的には、流路形成部材の表面に例えば凹凸が形成されていても良い。この場合、少なくとも、排気ガスの流路を形成する部分(円環部101、縁部102、突出部103の表面)が粗面であることが考えられる。即ち、排気ガスの流路を形成する部分(円環部101、縁部102、突出部103の表面)に凹凸が形成されることが考えられる。これによれば、そのような粗面の表面において乱流が形成されることにより還元剤の拡散及び気化が促進されることが考えられる。
1・・・排気ガス浄化装置、2・・・DPF部、4・・・SCR部、6・・・DOC、8・・・DPF、10・・・ケース、12・・・入口、14・・・連通路、16・・・SCR、18・・・SLP、20・・・ケース、22・・・上流側室、23・・・端部、24・・・内周面、26・・・噴射ノズル、28・・・排気管、30・・・排気孔、100,120,140,160,180,200,220・・・流路形成部材、103,123,143,203・・・突出部、108,128,148,188,208・・・切欠部。

Claims (4)

  1. 内燃機関の排気通路に配設される排気ガス浄化装置であって、排気ガスが流入するケースと、該ケース内に設けられ、そのケース内に供給される還元剤を消費して前記排気ガスを還元処理する触媒とを備えた排気ガス浄化装置において、
    前記ケース内にて、前記還元剤の供給位置から前記触媒の配設位置に至るまでの間の空間に配設されて、該空間において前記排気ガスの流路を形成する流路形成部材を備えていることを特徴とする排気ガス浄化装置。
  2. 前記流路形成部材は、前記空間において、前記還元剤の供給位置から前記触媒の配設位置に至るまでの経路の一部を閉塞するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の排気ガス浄化装置。
  3. 前記流路形成部材は、前記排気ガスの流れを分岐させるための突出部を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の排気ガス浄化装置。
  4. 前記流路形成部材は、分岐して流れた前記排気ガスが合流する合流部を形成するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の排気ガス浄化装置。
JP2012223136A 2012-10-05 2012-10-05 排気ガス浄化装置 Active JP6166027B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012223136A JP6166027B2 (ja) 2012-10-05 2012-10-05 排気ガス浄化装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012223136A JP6166027B2 (ja) 2012-10-05 2012-10-05 排気ガス浄化装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014074387A true JP2014074387A (ja) 2014-04-24
JP6166027B2 JP6166027B2 (ja) 2017-07-19

Family

ID=50748696

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012223136A Active JP6166027B2 (ja) 2012-10-05 2012-10-05 排気ガス浄化装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6166027B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015537145A (ja) * 2012-10-26 2015-12-24 ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフトDaimler AG 排気ガスシステム
KR101744797B1 (ko) * 2016-03-07 2017-06-09 세종공업 주식회사 환원제 믹싱장치
KR101762774B1 (ko) * 2016-03-17 2017-07-28 대지금속 주식회사 배기가스 정화장치용 디퓨저
JP2017145717A (ja) * 2016-02-16 2017-08-24 株式会社ユタカ技研 排ガス浄化装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07227528A (ja) * 1994-02-17 1995-08-29 Kansai Electric Power Co Inc:The 流体の混合方法および装置
JP2009150338A (ja) * 2007-12-21 2009-07-09 Mitsubishi Fuso Truck & Bus Corp エンジンの排気浄化装置
JP2011064069A (ja) * 2009-09-15 2011-03-31 Toyota Industries Corp 排気ガス処理装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07227528A (ja) * 1994-02-17 1995-08-29 Kansai Electric Power Co Inc:The 流体の混合方法および装置
JP2009150338A (ja) * 2007-12-21 2009-07-09 Mitsubishi Fuso Truck & Bus Corp エンジンの排気浄化装置
JP2011064069A (ja) * 2009-09-15 2011-03-31 Toyota Industries Corp 排気ガス処理装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015537145A (ja) * 2012-10-26 2015-12-24 ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフトDaimler AG 排気ガスシステム
US9657620B2 (en) 2012-10-26 2017-05-23 Daimler Ag Exhaust gas system
JP2017145717A (ja) * 2016-02-16 2017-08-24 株式会社ユタカ技研 排ガス浄化装置
KR101744797B1 (ko) * 2016-03-07 2017-06-09 세종공업 주식회사 환원제 믹싱장치
KR101762774B1 (ko) * 2016-03-17 2017-07-28 대지금속 주식회사 배기가스 정화장치용 디퓨저

Also Published As

Publication number Publication date
JP6166027B2 (ja) 2017-07-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10711677B2 (en) Exhaust aftertreatment system having mixer assembly
US10245564B2 (en) Dosing and mixing arrangement for use in exhaust aftertreatment
WO2015151282A1 (ja) 排気ガス浄化装置
US9062589B2 (en) Reductant aqueous solution mixing device and exhaust aftertreatment device provided with the same
US8991160B2 (en) Reductant aqueous solution mixing device and exhaust aftertreatment device provided with the same
JP5779410B2 (ja) 車両の排気ガス後処理システム用ドージングモジュール
US9217348B2 (en) Exhaust gas purification device
EP3327263B1 (en) Apparatus for aftertreatment of exhaust gas comprising inline housing
US10030560B2 (en) Exhaust purification device
US10473018B2 (en) Exhaust line for a vehicle
US8443595B2 (en) Additive-agent diffusion plate in exhaust passage, structure of additive-agent diffusion plate, and exhaust system including additive-agent diffusion plate
JP6166027B2 (ja) 排気ガス浄化装置
JP2008240722A (ja) 排気ガス浄化装置
JP6636907B2 (ja) 排気ガス浄化装置
JP6826058B2 (ja) 排気ガス浄化装置
JP5155824B2 (ja) 排気浄化装置
JP6756629B2 (ja) 排気ガス浄化装置
JP2017214884A (ja) 排気浄化システム
JP2016109004A (ja) 排気ガス浄化装置
JP7152385B2 (ja) 排気ガス浄化装置及び旋回流発生部材
JP2015110928A (ja) 排気ガス浄化装置
JP5869888B2 (ja) 排気浄化装置
JP2022188563A (ja) 排ガス浄化装置、及び旋回流発生部材
JP2022135626A (ja) エンジンの排気浄化装置
WO2018198347A1 (ja) 排気浄化装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151001

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160623

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160705

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160905

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170117

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170321

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170530

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170622

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6166027

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250