JP2014074208A - 高強度Ni基超合金と、それを用いたガスタービン - Google Patents

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【課題】本発明の目的は、普通鋳造材おいて、Ta、Reを添加せず、従来の合金と同等以上の腐食性を有し、高温でのクリープ強度、耐酸化性を向上したNi基超合金を提供することにある。
【解決手段】質量で、Cr:11.0%〜15.0%、Mo:0.1%〜0.5%、Ti:0.5%〜2.1%、Al:4.5%〜7.0%、Co:9.5%〜20.0%、W:10.1〜15.0%、Hf:0.5%以下、Nb:0.005%〜0.60%、B:0.02%以下、C:0.2%以下、残部がNiと不可避不純物であることを特徴とするNi基超合金。このNi基超合金は、Ta,Reを含まない。
【選択図】図1

Description

本発明は、高温強度を有するNi基超合金と、それを用いたガスタービンに関する。
近年、化石燃料の節約、二酸化炭素の排出量削減、地球温暖化防止等、環境意識の高まりから、内燃機関においては熱効率の向上が図られている。ガスタービンやジェットエンジン等の熱機関は、カルノーサイクルの高温側をより高温で運転することにより、熱効率を有効に高めることが知られている。タービン入口温度の高温化に伴い、ガスタービンの高温部品、すなわち、燃焼器やタービン動翼又は静翼に使用される材料の改良・開発の重要性が高まっている。
この高温化に対処するために、材料面ではより高温強度に優れるNi基耐熱合金が適用されており、現在多くのNi基合金が使用されている。Ni基合金には、等軸晶からなる普通鋳造合金、柱状晶からなる一方向凝固合金及び一つの結晶からなる単結晶合金がある。Ni基合金を高強度化するためには、固溶強化元素であるW、Mo、Ta、Co等を多く添加するとともに、Al、Ti等を添加して強化相であるγ´Ni3(Al、Ti)相を多く析出させることが重要である。
近年の効率向上に伴う燃焼温度(タービン入口温度)の上昇により、Co基合金よりも高温強度に優れるNi基合金を使用することが検討されている。Ni基合金を高強度化するためには、固溶強化元素であるW、Mo、Ta、Co等を多く添加するとともに、Al、Ti等を添加して強化相であるγ´Ni3(Al、Ti)相の析出強化を利用することで、優れた高温強度及び熱疲労特性を有する。
一方、燃料価格の高騰により、産業用ガスタービンの燃料として腐食の原因となる不純物を多く含む低品質の燃料を使用する動きがあり、高温強度と耐食性を兼ね備えた材料の開発も必要とされている。このような材料では、保護性の皮膜を形成するCrを多く添加することが望ましい。耐食性を重視した合金として、例えば特許文献1に開示される普通鋳造合金が挙げられる。
しかし、従来の合金では、高温強度を追求するために、固溶強化元素W、Taを多く含むほど材料組織の安定性が低下し、長時間の使用に際してσ相等の硬質で脆いTCP有害相が析出しやすい。すなわち、優れた高温クリープ強度と、耐酸化性及び耐食性とを併せ持つ合金材料を開発することは困難であった。
特公昭51−10574号公報
本発明の目的は、普通鋳造材おいて、高価な元素Ta、Reを添加せず、従来の合金と同等以上の腐食性を有し、高温でのクリープ強度及び耐酸化性を向上したNi基超合金を提供することにある。
Ni基超合金は、質量で、Cr:11.0%〜15.0%、Mo:0.1%〜0.5%、Ti:0.5%〜2.1%、Al:4.5%〜7.0%、Co:9.5%〜20.0%、W:10.1〜15.0%、Hf:0.5%以下、Nb:0.005%〜0.60%、B:0.02%以下、C:0.2%以下を含み、Ta,Reを含まず、残部がNiと不可避不純物であることを特徴とする。
本発明によれば、従来の合金と同等以上の腐食性を有し、高温でのクリープ強度及び耐酸化性を向上した安価なNi基超合金を提供することができる。
合金試験片に対するクリープ破断時間を示すグラフ(1255K-137MPa)。 合金試験片に対する高温酸化試験での酸化減量を示すグラフ。 合金試験片に対する溶融塩浸漬腐食試験での腐食減量を示すグラフ。 ガスタービンの動翼形状の一例を示す図。 ガスタービンを示す図。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、図4に、産業用ガスタービン用のタービン動翼の一例を示す。
タービン動翼1は、翼部110とシャンク部111とルート部(ダブティル部)112から構成され、大きさは10〜100cm、重量は1〜10kg程度である。また、プラットホーム部113と、ラジアルフィン114を備えている。タービン動翼は、内部に複雑な冷却構造を持つ回転部品であり、回転中の遠心力及び起動停止に伴う熱応力の負荷が繰り返し加わる厳しい環境に曝される。基本的な材料特性として、優れた高温クリープ強度、高温燃焼ガス雰囲気に対する耐酸化、耐食性が要求される。
本発明者らは、普通鋳造用合金であって、耐食性を維持しながら、従来材より更なる優れた高温クリープ強度及び耐酸化性を得る合金を検討した結果、本発明を見出すに至ったものである。
一般的なガスタービンの翼の作製手段としては、普通鋳造、一方向凝固鋳造及び単結晶鋳造による手法が挙げられる。一方向凝固合金や単結晶合金は、主に小型で軽量なジェットエンジン(航空用ガスタービン)の動翼に使用されている。しかし、一方向凝固合金や単結晶合金を用いた翼は、鋳造プロセスが複雑であるため、翼を鋳造した時の鋳造歩留りが悪くなる。特に、産業用ガスタービンの翼では形状が大きく、形も複雑であることから、鋳造歩留りが低く、そのため高価になりやすい。
そこで、本発明者らは、各合金添加元素のバランスをとり、特に普通鋳造用の合金として、耐食性を維持しながら、従来材より高い高温強度及び耐酸化性を有する合金を検討した。
以下、本発明のNi基合金に含まれる各成分の働き、好ましい組成範囲について説明する。
Cr:11.00〜15.00質量%
Crは、固溶強化元素として働くと共に緻密な酸化皮膜を形成し高温における腐食雰囲気下で耐酸化、耐高温腐蝕性に寄与する。特に、溶融塩腐食に対する耐食性を向上させるためには、Cr含有量をより増加させるほど効果は大きくなる。そして、その効果がより著に現れるのは11.00質量%を超えてからである。しかし、本発明の合金では、固溶強化元素Wが多く添加されているため、Cr量が多くなりすぎると、脆いTCP相が析出して高温強度が低下する。そのため、他の合金元素とのバランスをとって、その上限を15.0質量%とすることが望ましい。この組成範囲に於いて、高強度と高耐食性が得られる。好ましくは11.50〜14.50質量%の範囲である。
Co:9.50〜20.00質量%
Coはγ´相の固溶温度を低下させ、溶体化熱処理を容易にする効果があり、特に本発明合金のように、部分溶体化で使用される場合には低い熱処理温度でも溶体化率を大きくすることが可能となる。その効果を得るためには、9.50%以上の添加が必要である。
しかし、Coの過度の添加は、γ´相を不安定化し、強度低下につながる。従って、Coは最大でも20.00%にする必要がある。この組成範囲に於いて、高い高温強度が得られる。好ましくは10.00〜18.00質量%の範囲である。
Al:4.50〜7.00質量%
Alはγ´相(Ni3Al)を形成するために必須の元素であり、60%分率γ´を形成するために、最低でも4.50%以上の添加が必要である。AlはAl23保護皮膜を形成することで、耐酸化性及び耐食性を向上させる。しかし、過度に添加するとγ´相の固溶強化度が低下し、高温強度が低下することから、添加量は最大でも7.00%にする必要がある。この組成範囲において、高温における強度と耐酸化特性、耐食性のバランスを考慮した場合、好ましくは4.80〜6.50質量%の範囲である。
Ti:0.50〜2.10質量%
TiはCrとAlの複合酸化物の形成を防止し、合金の耐食性を向上させる効果がある。然し、Tiの添加ではγ´相の固相線温度を下げるから、高温強度を低下させるため、溶融塩腐食に対する耐食性を維持するためには、0.50質量%以上の含有量が必要である。しかし、2.10質量%を越えて添加すると、更に脆化相のη相が析出してくるため、また、γ´相の形成元素としてγ´相の析出量はTiの添加量とともに増加し、γ´相の析出量を制御するために、その上限を2.10質量%とする必要がある。本発明合金のようにCrを11.0〜15.0質量%含む合金において、高温における強度と耐食性、耐酸化特性のバランスを考慮した場合、好ましくは0.80〜1.70質量である。
W:10.10〜15.00質量%
Wは、高価元素Reを除いて、最も固溶強化の効果がある元素であり、主にγ相を固溶強化する。従って、優れた高温強度を求めるために、本発明には組織の安定性を維持する限り、Wを多めに添加する。なお、Wは、Moと同様固溶強化元素であって剛性率の向上と拡散係数の低減に寄与するが、Moと比較しμ相中への経年的な移行は少なく、長期間安定して強化に寄与する。γ相とγ´相の格子定数ミスマッチをより少なくすると、γとγ´の相の界面強度を向上させ、高温クリープ強度を向上させる。Wはγ相側に入る元素で、反対にTaは析出相であるγ´相側にお主に入る元素である。W量が多い合金はγ相側の格子定数が大きくなり、一般に(γ´相の格子定数−γ相の格子定数)/(両相の格子定数平均)で定義される格子定数ミスマッチが小さくなる。従って、γ相とγ´相の格子定数ミスマッチを小さくするためには、W量は最低10.10%以上である。しかし、Wの過度の添加は、合金の相安定を悪化させTCP相等の析出につながり、耐食性を低下させるため、最大でも15.00%にする必要がある。更に高温での長時間使用により、α−Crを析出させ、高温強度と延性が低下する。好ましくは10.50〜14.50質量%の範囲である。
Mo:0.10〜0.50質量%
MoはWと同様の効果を有するため、必要に応じてWの一部と代替えすることが可能である。また、γ´相の固溶温度をあげるため、Wと同様にクリープ強度を向上させる効果がある。そして、このような効果を得るためには0.1質量%以上の含有量が必要であり、Moの含有量が増えるにつれてクリープ強度も向上する。
一方、Moは合金の耐酸化特性および耐食性を低下させる。特にMoの含有量が増えるにつれて耐酸化特性が大幅に悪くなることから、その上限を0.50質量%とする必要がある。また、μ相析出によるマトリックス劣化の要因となっているMoを少なくし、その代りにマトリックス強化に役立つWを多く添加する。従って、耐食性や高温での耐酸化特性は従来合金とほぼ同等とし、クリープ強度を重要視する場合は、好ましくは0.10〜0.40質量%の範囲である
Nb:0.005〜0.60質量%
Nbは、CrとAlの複合酸化物の形成を防止し、合金の耐食性を改善する効果がある。γ´相を固溶強化する効果はTiより高い。従って、Nbは高温強度を落とさずに耐食性を改善できる有効な元素であり、0.005%以上添加する必要がある。しかしながら、γ´相の相安定性を保つためには、Nbの添加量は0.60%以下とする必要がある。
耐食性を特に重視する場合は、0.10%以上の添加が好ましい。高温における強度と耐食性、耐酸化特性のバランスを考慮した場合、好ましくは0.10〜0.60質量%の範囲である。
C:0.20質量%以下
Cは、Ti、Nb等とMC型炭化物、Cr、W、Mo等とM236及びM6C型炭化物を形成し、高温で結晶粒界が移動するのを阻止することで結晶粒界を強化する効果があり、本発明において特に重要な役割を果たす元素である。普通鋳造材で、この効果を発揮させるためには最低でも0.05%以上添加する必要がある。また、強度と延性をいずれも増大させたい場合には、0.10%以上添加することが好ましい。しかし、C量を多くしすぎると、γ相及びγ´相の固溶強化に有効な元素が炭化物にとられることで、かえって高温強度が低下するようになる。また、過剰の炭化物は疲労強度を低下させる。従って、Cの上限は0.20%に規制する必要がある。単結晶材では、粒界強化が不要となり、Cの添加が0または0.002以下である。
B:0.02質量%以下
Bは結晶粒界の非整合部を埋め、結晶粒界の結合力を増加させる効果がある。本発明の合金においては、最低でも0.005%のBの添加が必要である。普通鋳造材として、より高い粒界強度が要求される場合には0.010%以上添加することが望ましい。しかし、BはNi基超合金の融点を著しく低下させるため、最大でも0.02%とする必要がある。
Hf:0〜2.00質量%、Zr:0〜0.05質量%
Hf、及びZrは、結晶粒界に偏析して結晶粒界の強度を若干向上させる。しかし、大部分はNiとの金属間化合物すなわちNi3Zr等を結晶粒界に形成する。この金属間化合物は合金の延性を低下させ、また低融点であるため、合金の溶融温度が低下し、溶体化処理温度範囲が狭くなる等、有効な作用が少ない。したがって、その上限はそれぞれ2.00質量%、0.50質量%、及び0.05質量%とした。好ましくは、Hfが0〜0.10質量%、Zrが0〜0.03質量%である。
O:0〜0.005質量%、N:0〜0.005質量%
酸素と窒素は不純物であり、いずれも合金原料から持ち込まれることが多く、Oはるつぼからも入り、合金中には酸化物(Al23)や窒化物(TiNあるいはAlN)として塊状に存在する。鋳物中にこれらが存在すると、クリープ変形中のクラックの起点となり、クリープ破断寿命を低下させたり、疲労亀裂発生の起点となって疲労寿命が低下したりする。特に酸素は、鋳物表面に酸化物として現れることで、鋳物の表面欠陥となり、鋳造品の歩留まりを低下させる原因となる。そのため、これら元素の含有量は少ないほど良いが、実際のインゴットを製造する場合に、無酸素、無窒素にはできないことから、特性を大きく劣化させない範囲として、両元素はいずれも0.005質量%以下であることが望ましい。
Re,Taは添加しない。不純物として不可避にReは0.5質量%以下、Taは1.0質量%以下混入する場合はある。ReとTaによるマトリックスの固溶強化とγ´生成元素としてのγ´相強化の影響によるのもで、時効硬さの上昇と相関が認められる。しかし、延性についてはReとTaの添加の影響は劣化傾向が認められ、合金の加工性が低下しやすい。更に、ReとTaは高価な元素であるため、本発明は特性バランスとコストの面から、TaとReを添加しない。
上記の各成分と、不可避不純物及び残部のNiよりなるNi基合金は、従来材より優れた高温強度と耐酸化・腐食性を得られる合金である。
以下に、本実施例で試験に供したNi基合金を示す。Ni基合金の組成(質量%)を表1に示す。
合金No.A1〜A5が、本発明を示す合金組成であり、合金No.B1〜B2が従来材を示す合金組成である。試験片は、マスターインゴットと秤量した合金元素とをアルミナ坩堝で溶解し、厚さ14mmの平板に鋳造した。鋳造後、試験片は溶体化熱処理及び時効熱処理を行った。
表2に、合金試験片に対して行った熱処理の条件を示す。
合金組成を均一化するために1505Kで2h溶体化熱処理を行った。溶体化熱処理後は空冷とし、これに続く時効熱処理の条件は、全ての合金で1394K/4時間/空冷+1352K/4時間/空冷+1148K/16時間/空冷とした。その後、試験片加工を行い、クリープ破断試験、腐食、及び酸化試験を実施した。
熱処理した試験片から、機械加工により、平行部直径6.0mm、平行部長さ30mmのクリープ試験片と、長さ25mm、幅10mm、厚さ1.5mmの高温酸化試験片、及び15mm×15mm×15mmの立方体形状の高温腐食試験片を切り出すとともに、走査型電子顕微鏡でミクロ組織を調査し、合金の組織安定性を評価した。
表3に、合金試験片に対して行った特性評価試験の条件を示す。
クリープ破断試験は、1255K−137MPa/1123K−314MPaの条件で行った。高温酸化試験は、1313K−20時間保持の酸化試験を15回繰返し、それぞれ質量の変化を測定した。また、高温腐食試験は、1123Kの溶融塩(組成は、Na2SO4:75%、NaCl:25%)中に25時間浸漬する試験を4回(計100時間)行い、質量の変化を測定した。
これらの試験結果を表4にまとめて示す。
図1〜図3に、各合金の特性評価試験結果を示す。図1は1255K−137MPaでのクリープ破断時間、図2は高温酸化試験での酸化減量、図3は溶融塩浸漬腐食試験での腐食減量の測定結果を示している。
表4に示す結果から明らかなように、本実施例の合金A1〜A5では、既存合金B1(IN738LC)と比較すると、耐食性は少し低下しているが、耐酸化性とクリープ破断時間は約3倍以上になっている。本実施例の合金では、B1に対して、W、Alの添加量を多くすることで高温でのクリープ強度向上を図っている。
別の既存合金B2(GTD111)と比較すると、耐酸化性と高温クリープ破断強度が大幅に改善され、耐食性も改善されていることが分かる。特にクリープ破断強度は向上が著しい。従来材B2に対して、WとAl量を大幅に増加して、組織安定性の確保のために、他の添加元素のバランスを重視し、高温強度の向上を図っている。
すなわち、本発明により、高温での耐食性を維持しつつ、耐酸化特性とクリープ破断寿命を大幅に向上し、優れた高温強度を有するNi基超合金が得られることが認められた。
以上の実施例においては、普通鋳造材としての効果を説明した。さらに本発明の合金を一方向凝固させた一方向凝固翼として使用することも有効である。一方向凝固させることにより、耐食性、耐酸化特性を維持しながら、クリープ破断強度を大幅に向上できることは周知の事実である。特に、本発明の合金は結晶粒界強化に効果のあるC、Bを含み、さらに必要に応じて、鋳造時の結晶粒界割れの抑制に効果のあるHfを添加することが可能であることから、一方向凝固材として使用する場合も適した合金組成となっている。更に、単結晶合金も適用可能である。
以上述べたように、本発明によれば、優れた高温強度と耐酸化・腐食性を併せ持つ、普通鋳造可能なNi基超合金を得ることができる。
図5はガスタービンを示す図である。
本実施例におけるガスタービンは、クリープ破断強度の高い、高温強度に優れたNi基超合金をガスタービンブレード3と、ガスタービンノズル20に適用することにより、タービン入口の燃焼ガス温度を従来のものに比べて高くでき、熱効率が高い高温発電用ガスタービンを提供することができる。
本発明におけるNi基超合金は、高いクリープ強度と耐酸化・腐食を併せもつため、普通鋳造材としてガスタービンの3又は4段動翼3に用いることが望ましい。また、本発明の合金は、結晶粒界の強化に効果のあるC、B、鋳造時の結晶粒界割れの抑制に効果のあるHfを含むため、一方向鋳造材又は単結晶材としてガスタービンの1、2段タービンブレード動翼3にも用いることができる。たま、本発明合金の一方向鋳造材又は単結晶材はTa、Reなど高価な合金元素を含まない為、材料単価は従来材並みの安価である。しかもその耐用温度は従来以上に優れているので、寿命を従来より大きく向上させることができる。尚、本発明には、特にガスタービンに限定されるものではない、他の高温熱機関の高温部品も対応可能である。
3…タービンブレード、4…タービンディスク、6…コンプレッサディスク、7…コンプレッサブレード、8…コンプレッサスタッキングボルド、9…コンプレッサスタブシャフト、10…タービンスタブシャフト、11…穴、13…タービンスタッキングボルト、15…燃焼器、16…コンプレッサノズル、18…タービンスペーサ、19…デイスタントピース、20…初段ノズル、110…翼部、111…シャンク部、112…ルート部(ダブティル部)、113…プラットホーム部、114…ラジアルフィン。

Claims (5)

  1. 質量で、Cr:11.0%〜15.0%、Mo:0.1%〜0.5%、Ti:0.5%〜2.1%、Al:4.5%〜7.0%、Co:9.5%〜20.0%、W:10.1〜15.0%、Hf:0.5%以下、Nb:0.005%〜0.60%、B:0.02%以下、C:0.2%以下、残部がNiと不可避不純物であることを特徴とするNi基超合金。
  2. 請求項1において、Ta、Reを含まないことを特徴とするNi基超合金。
  3. 請求項1において、質量で、Cr:11.50〜14.50%、Mo:0.15〜0.40%、Ti:0.80〜1.70%、Al:4.80〜6.50%、Co:10.0〜18.00%、W:10.50〜14.50%、Nb:0.10〜0.60%、B:0.02%以下、C:0.20%以下、残部がNiと不可避不純物であることを特徴とするNi基超合金。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載のNi基超合金よりなることを特徴とするガスタービン用タービン翼。
  5. 請求項4に記載のタービン翼を具備することを特徴とするガスタービン。
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