JP5597598B2 - Ni基超合金と、それを用いたガスタービンのタービン動・静翼 - Google Patents

Ni基超合金と、それを用いたガスタービンのタービン動・静翼 Download PDF

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Description

本発明は、普通鋳造材高い高温強度と優れた延性有するNi基超合金と、それを用いたガスタービンのタービン動・静翼に関する。
近年、化石燃料の節約,二酸化炭素の排出量削減,地球温暖化防止等、環境意識の高まりから、内燃機関においては熱効率の向上が図られている。ガスタービンやジェットエンジン等の熱機関は、カルノーサイクルの高温側をより高温で運転することにより、熱効率を最も有効に高め得ることが知られている。タービン入口温度の高温化に伴い、ガスタービンの高温部品、すなわち燃焼器やタービン動翼又は静翼に使用される材料の改良・開発の重要性が高まっている。
この高温化に対処するために、材料面ではより高温強度に優れるNi基耐熱合金が動翼に適用されており、現在多くのNi基合金が使用されている。しかし、ガスタービン静翼に使用される耐熱材料としては、耐食性と溶接性とに優れるCo基合金が用いられている。
近年の効率向上に伴う燃焼温度(タービン入口温度)の上昇により、Co基合金よりも高温強度に優れるNi基合金を使用することが検討されている。Ni基合金を高強度化するためには、固溶強化元素であるW,Mo,Ta,Co等を多く添加するとともに、Al,Ti等を添加して強化相であるγ′Ni3(Al,Ti)相の析出強化を利用することで、優れた高温強度及び熱疲労特性を有する。
しかし、溶接性や延性等の加工性では、Ni基合金はCo基合金に及ばないため、ガスタービン静翼への適用が難しいのが現状である。
例えば、γ′相の析出量が多く、強度特性に優れる合金(特許文献1)では、高温強度及びクリープ特性に優れるものの、延性の低下が著しい。反対に、γ′相の析出量を低減することで、延性などの加工性を改善した合金(特許文献2)では、動翼に適用するには、高温化に対応した強度向上が要求される。
特公昭54−6968号公報 USP3720509
高い強度を追求する為に、γ′相の析出量が多くなるにつれて、合金の延性が低下する傾向が見られる。高い高温強度と延性を両立することが困難である。
本発明の目的は、普通鋳造材おいて、高い高温強度と優れた延性が得られ、産業用ガスタービン動翼又は静翼に好適なNi基超合金を提供することにある。
本発明のNi基超合金は、Cr,Co,Al,Ti,Ta,W,Mo,Nb,C,B及び不可避不純物を含み、残部がNiよりなるNi基合金であって、質量比で、Cr:13.10〜16.00%,Co:8.00〜12.50%,Al:2.30〜3.50%,Ti:4.80〜5.50%,Ta:0.40〜1.00%未満,W:4.50〜6.00%,Mo:0.10〜1.50%,Nb:0.60〜1.70%,C:0.01〜0.20%,B:0.005〜0.02%、残:Ni+不純物の合金組成であることを特徴とする。
本発明によれば、高温強度と延性を両立する普通鋳造用のNi基超合金が提供される。さらに本発明の合金は、結晶粒界の強化に効果のあるC,B、及び鋳造時の結晶粒界割れの抑制に効果のあるHfを含むことから、一方向凝固材としての使用にも適した合金組成となっている。
Ta+Nb量とW量との関係を示す図。 合金試験片に対する引張試験の伸び%を示すグラフ。 合金試験片に対するクリープ破断時間を示すグラフ。 合金試験片に対する高温酸化試験での酸化減量を示すグラフ。 合金試験片に対する溶融塩浸漬腐食試験での腐食減量を示すグラフ。 ガスタービンの動翼形状の一例を示す図。 ガスタービンの静翼形状の一例を示す図。 ガスタービンを示す図。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、図6に、産業用ガスタービン用のタービン動翼の一例を示す。
このタービン動翼1は、翼部110とシャンク部111とルート部(ダブティル部)112から構成され、大きさは10〜100cm、重量は1〜10kg程度である。また、プラットホーム部113と、ラジアルフィン114を備えている。タービン動翼は、内部に複雑な冷却構造を持つ回転部品であり、回転中の遠心力及び起動停止に伴う熱応力の負荷が繰り返し加わる厳しい環境に曝される。基本的な材料特性として、優れた高温クリープ強度,高温燃焼ガス雰囲気に対する耐酸化、及び耐食性が要求される。
一方、図7に、タービン静翼は通常、翼軸に沿って延びる羽根を有し、その羽根は末端側に、タービン翼を各支持体に固定するために翼軸に対して直角に延びる基盤が一体形成される。タービン静翼材料は、高い高温強度や熱疲労強度が必要である。したがって、これらの特性のバランスに優れた鋳造用合金の開発が重要視されている。本発明者らは、普通鋳造用合金であって、クリープ強度と延性を両立する合金を検討した結果、本発明を見出すに至ったものである。
一般的なガスタービンの翼の作製手段としては、普通鋳造,一方向凝固鋳造及び単結晶鋳造による手法が挙げられる。一方向凝固合金や単結晶合金は、主に小型で軽量なジェットエンジン(航空用ガスタービン)の動翼に使用されている。しかし、一方向凝固合金や単結晶合金を用いた翼は、鋳造プロセスが複雑であるため、翼を鋳造した時の鋳造歩留りが悪くなる。特に、産業用ガスタービンの翼では形状が大きく、形も複雑であることから、鋳造歩留りが低く、そのため高価な製品になってしまうという課題があった。
そこで、本発明者らは、各合金添加元素のバランスをとり、特に普通鋳造用の合金として、従来材より高い高温強度と延性を両立する合金を検討した。以下、本発明のNi基合金に含まれる各成分の働き、及び好ましい組成範囲について説明する。
Cr:13.10〜16.00質量%
Crは、固溶強化元素として働くと共に緻密な酸化皮膜を形成し高温における腐食雰囲気下で耐酸化,耐高温腐蝕性に寄与する。特に、溶融塩腐食に対する耐食性を向上させるためには、Cr含有量をより増加させるほど効果は大きくなる。そして、その効果がより著に現れるのは13.10質量%を超えてからである。しかし、本発明の合金では、Ti,W,Ta等が多く添加されているため、Cr量が多くなりすぎると、脆いTCP相が析出して高温強度が低下する。そのため、他の合金元素とのバランスをとって、その上限を16.0質量%とすることが望ましい。この組成範囲に於いて、高強度と高耐食性が得られる。好ましくは13.10〜14.30質量%の範囲であり、より好ましくは13.70〜14.10質量%の範囲である。
Co:8.00〜12.50質量%
Coはγ′相の固溶温度を低下させ、溶体化熱処理を容易にする効果があり、特に本発明合金のように、部分溶体化で使用される場合には低い熱処理温度でも溶体化率を大きくすることが可能となる。その効果を得るためには、最低でも8%以上の添加が必要である。しかし、Coの過度の添加は、γ′相を不安定化し、むしろ強度低下につながる。従って、Coは最大でも12.50%にする必要がある。この組成範囲に於いて、高い高温強度が得られる。好ましくは8.50〜11.00質量%の範囲であり、より好ましくは9.10〜10.80質量%の範囲である。
Al:2.30〜3.50質量%
Alはγ′相(Ni3Al)を形成するために必須の元素であり、最低でも2.30%以上の添加が必要である。AlはAl23保護皮膜を形成することで、耐酸化性及び耐食性を向上させる。しかし、過度に添加するとγ′相の固溶強化度が低下し、かえって高温強度が低下することから、添加量は最大でも3.50%にする必要がある。この組成範囲において、高温における強度と耐酸化特性,耐食性のバランスを考慮した場合、好ましくは2.70〜3.40質量%の範囲であり、より好ましくは3.00〜3.40質量%の範囲である。
Ti:4.80〜5.50質量%
TiはCrとAlの複合酸化物の形成を防止し、合金の耐食性を向上させる効果がある。溶融塩腐食に対する耐食性に顕著な効果が現れるためには、4.80質量%以上の含有量が必要である。しかし、5.50質量%を越えて添加すると、耐酸化特性が著しく劣化し、更に脆化相のη相が析出してくるため、また、γ′相の形成元素としてγ′相の析出量はTiの添加量と伴に増加し、γ′相の析出量をその上限を5.5質量%とする必要がある。本発明合金のようにCrを13.1〜15.0質量%含む合金に於いて、高温における強度と耐食性,耐酸化特性のバランスを考慮した場合、好ましくは4.70〜5.30質量%の範囲であり、より好ましくは4.70〜5.10質量%の範囲である。
Ta:0.40〜1.00質量%未満
Taはγ′相に[Ni3(Al,Ta)]の形で固溶し、固溶強化よりクリープ強度が向上する効果ある元素である。γ相とγ′相の格子定数ミスマッチの絶対値をより少なくするため、Taの量は1.0%未満とする必要がある。高温強度を維持するため、0.40%以上の添加が必要である。なお、Taの量を0.5%未満とするなら、Nbの量を多くすることが望ましい。従って、Ta+Nbは少なくても1.50%以上とすることが好ましい。また過度に添加すると、γ′相安定性を悪化させ、かえって強度低下するので、Nb+Taは最大でも2.50%以下とするが好ましい。高温強度と延性のバランスを考慮した場合、好ましくは0.50〜0.90質量%の範囲であり、より好ましくは0.60〜0.90質量%の範囲である。
W:4.50〜6.00質量%
Wは、主にγ相を固溶強化する。Wは、Moと同様固溶強化元素であって剛性率の向上と拡散係数の低減に寄与するが、Moと比較しμ相中への経年的な移行は少なく、長期間安定して強化に寄与する。γ相とγ′相の格子定数ミスマッチをより少なくすると、γとγ′の相の界面強度を向上させ、高温クリープ強度を向上させる。Wはγ相側にお主に入る元素で、反対にTaは析出相であるγ′相側にお主に入る元素である。W量が多い合金はγ相側の格子定数が大きくなり、一般に(γ′相の格子定数−γ相の格子定数)/(両相の格子定数平均)で定義される格子定数ミスマッチが小さくなる。従って、γ相とγ′相の格子定数ミスマッチを小さくするためには、Wの量は最低4.5%以上である。然しながら、Wの過度の添加は、合金の相安定を悪化させTCP相等の析出につながり、かつ耐食性を低下させるため、最大でも6.0%に規制する必要がある。相安定性を重視する場合、好ましくは4.80〜5.50質量%の範囲であり、より好ましくは4.80〜5.40質量%の範囲である。
Mo:0.10〜1.50質量%
MoはWと同様の効果を有するため、必要に応じてWの一部と代替えすることが可能である。また、γ′相の固溶温度をあげるため、Wと同様にクリープ強度を向上させる効果がある。そして、このような効果を得るためには0.1質量%以上の含有量が必要であり、Moの含有量が増えるにつれてクリープ強度も向上する。また、MoはWに比べて比重が小さいため合金の軽量化が図れる。
一方、Moは合金の耐酸化特性および耐食性を低下させる。特にMoの含有量が増えるにつれて耐酸化特性が大幅に悪くなることから、その上限を1.5質量%とする必要がある。また、μ相析出によるマトリックス劣化の要因となっているMoを少なくし、その代りにマトリックス強化に役立つWを多く添加する。従って、耐食性や高温での耐酸化特性は従来合金とほぼ同等とし、クリープ強度を重要視する場合は、本発明の組成範囲に於いて、好ましくは0.60〜1.40質量%の範囲であり、より好ましくは0.70〜1.30質量%の範囲である。
Nb:0.60〜1.70質量%
Nbは、CrとAlの複合酸化物の形成を防止し、合金の耐食性を改善する効果がある。一方、Taより効果は小さいが、γ′相を固溶強化する効果はTiより高い。従って、Nbは高温強度を落とさずに耐食性を改善できる有効な元素であり、0.60%以上添加する必要がある。しかしながら、γ′相の相安定性を保つためには、Nbの添加量は1.70%以下とする必要がある。耐食性を特に重視する場合は、1.0%以上の添加が好ましい。高温における強度と耐食性,耐酸化特性のバランスを考慮した場合、好ましくは0.70〜1.60質量%の範囲であり、より好ましくは0.80〜1.50質量%の範囲である。
C:0.01〜0.20質量%
Cは、Ta,Nb等とMC型炭化物、Cr,W,Mo等とM23C6及びM6C型炭化物を形成し、高温で結晶粒界が移動するのを阻止することで結晶粒界を強化する効果があり、本発明において特に重要な役割を果たす元素である。普通鋳造材で、この効果を発揮させるためには最低でも0.05%以上添加する必要がある。また、強度と延性をいずれも増大させたい場合には、0.10%以上添加することが好ましい。しかし、C量を多くしすぎると、γ相及びγ′相の固溶強化に有効な元素が炭化物にとられることで、かえって高温強度が低下するようになる。また、過剰の炭化物は疲労強度を低下させる。従って、Cの上限は0.20%に規制する必要がある。
B:0.005〜0.02質量%
Bは結晶粒界の非整合部を埋め、結晶粒界の結合力を増加させる効果がある。本発明の合金においては、最低でも0.005%のBの添加が必要である。普通鋳造材として、より高い粒界強度が要求される場合には0.010%以上添加することが望ましい。しかし、BはNi基超合金の融点を著しく低下させるため、最大でも0.02%とする必要がある。
Hf:0〜2.00質量%,Re:0〜0.50質量%,Zr:0〜0.05質量%
Hf,Re及びZrは、結晶粒界に偏析して結晶粒界の強度を若干向上させる。しかし、大部分はNiとの金属間化合物すなわちNi3Zr等を結晶粒界に形成する。この金属間化合物は合金の延性を低下させ、また低融点であるため、合金の溶融温度が低下し、溶体化処理温度範囲が狭くなる等、有効な作用が少ない。したがって、その上限はそれぞれ2.00質量%,0.50質量%、及び0.05質量%とした。好ましくは、Hfが0〜0.10質量%、Reが0〜0.10質量%、Zrが0〜0.03質量%である。
O:0〜0.005質量%,N:0〜0.005質量%
酸素と窒素は不純物であり、いずれも合金原料から持ち込まれることが多く、Oはるつぼからも入り、合金中には酸化物(Al23)や窒化物(TiNあるいはAlN)として塊状に存在する。鋳物中にこれらが存在すると、クリープ変形中のクラックの起点となり、クリープ破断寿命を低下させたり、疲労亀裂発生の起点となって疲労寿命が低下したりする。特に酸素は、鋳物表面に酸化物として現れることで、鋳物の表面欠陥となり、鋳造品の歩留まりを低下させる原因となる。そのため、これら元素の含有量は少ないほど良いが、実際のインゴットを製造する場合に、無酸素,無窒素にはできないことから、特性を大きく劣化させない範囲として、両元素はいずれも0.005質量%以下であることが望ましい。
上記の各成分と、不可避不純物及び残部のNiよりなるNi基合金は、高い高温強度と延性を得られ合金である。
以下に、本実施例で試験に供したNi基合金を示す。Ni基合金の組成(質量%)を表1に示す。
合金No.3〜9が、本発明を示す合金組成であり、合金No.1,2,10〜13が比較例を示す合金組成である。試験片は、マスターインゴットと秤量した合金元素とをアルミナ坩堝で溶解し、厚さ14mmの平板に鋳造した。鋳型加熱温度は1373K、鋳込み温度は1713K、鋳型はアルミナ質のセラミック鋳型を用いた。鋳造後、試験片は溶体化熱処理及び時効熱処理を行った。合金組成を均一化するために1480Kで2h溶体化熱処理を行った。溶体化熱処理後は空冷とし、これに続く時効熱処理の条件は、全ての合金で1366K/4時間/空冷+1340K/4時間/空冷+1116K/16時間/空冷とした。その後、試験片加工を行い、クリープ破断試験,腐食,酸化及び室温引張り試験を実施した。
熱処理した試験片から、機械加工により、平行部直径6.0mm,平行部長さ30mmのクリープ試験片と、長さ25mm,幅10mm,厚さ1.5mmの高温酸化試験片、及び15mm×15mm×15mmの立方体形状の高温腐食試験片を切り出すと共に、走査型電子顕微鏡でミクロ組織を調査し、合金の組織安定性を評価した。
表2に、合金試験片に対して行った特性評価試験の条件を示す。
クリープ破断試験は、1255K−137MPaの条件で行った。高温酸化試験は、1373K−20時間保持の酸化試験を10回繰返し、それぞれ質量の変化を測定した。また、高温腐食試験は、1123Kの溶融塩(組成は、Na2SO4:75%,NaCl:25%)中に25時間浸漬する試験を4回(計100時間)行い、質量の変化を測定した。
これらの試験結果を表3にまとめて示す。
図2〜図5に、各合金の特性評価試験結果を示す。図2は室温引張試験の伸び%、図3は1123K−314MPaでのクリープ破断時間、図4は高温酸化試験での酸化減量、図5は溶融塩浸漬腐食試験での腐食減量の測定結果を示すグラフである。
室温引張試験の結果を伸び%として図2に示した。この試験結果より、本発明の試験材料が比較例の試験材料に比較して、室温延性に優れたものであることがわかる。
また、図1は、Ta+Nb量とWとの関係を示す図であり、図1は、No.1〜13をプロットしてものである。また、括弧内の数字は、クリープ破断時間を示したものである。
Ta+Nb量が少ないNo.1及び2の合金は、γ′相の析出量が少なく、クリープ特性が十分ではない。反対に、Ta+Nb量が多いNo.12の合金では、クリープ特性は良好であるが、延性に劣る。
W量が多くなるほどクリープは向上する傾向がみられるが、No.13の合金のように、Ta+NbとWの両方が多くなると、有害相の析出が起こり、クリープ特性,延性とも低下してしまう。
また、表3に示す結果から明らかなように、本実施例の合金No.3〜9では、既存合金GTD111と比較すると、ほぼ同じ耐酸化性を有し、クリープ強度と延性が改善される。
また、別の既存合金Rene80と比較すると、ほぼ同じクリープ破断強度を有し、酸化減量が大幅に改善され、耐食性も改善されていることが分かる。特に耐酸化性の向上が著しい。
すなわち、本発明により、高温での耐食性,耐酸化特性を維持しつつ、クリープ破断寿命をほぼ犠牲にすることなく、高い延性Ni基超合金が得られることが認められた。
以上の実施例においては、普通鋳造材としての効果を説明した。さらに本発明の合金を一方向凝固させた一方向凝固翼として使用することも非常に有効である。一方向凝固させることにより、耐食性,耐酸化特性を維持しながら、クリープ破断強度を大幅に向上できることは周知の事実である。特に、本発明の合金は結晶粒界強化に効果のあるC,Bを含み、さらに必要に応じて、鋳造時の結晶粒界割れの抑制に効果のあるHfを添加することが可能であることから、一方向凝固材として使用するに当たっても適した合金組成となっている。
以上述べたように、本発明によれば、高い高温強度と延性を併せ持つ、普通鋳造可能なNi基超合金を得ることができる。
図8はガスタービンを示す図である。図8において、3はタービンブレード、13はタービンスタッキングボルト、18はタービンスペーサ、19はデイスタントピース、20は初段ノズル、6はコンプレッサディスク、7はコンプレッサブレード、16はコンプレッサノズル、8はコンプレッサスタッキングボルド、9はコンプレッサスタブシャフト、4はタービンディスク、11は穴、15は燃焼器である。
本発明におけるNi基超合金は、高いクリープ強度と延性を併せ持つため、普通鋳造材としてガスタービンの3,4段動翼及び初段静翼に利用可能である。一方向鋳造材として、ガスタービンの1,2段動翼にも利用できる。
3 タービンブレード
4 タービンディスク
6 コンプレッサディスク
7 コンプレッサブレード
8 コンプレッサスタッキングボルド
9 コンプレッサスタブシャフト
10 タービンスタブシャフト
11 穴
13 タービンスタッキングボルト
15 燃焼器
16 コンプレッサノズル
18 タービンスペーサ
19 デイスタントピース
20 初段ノズル
110 翼部
111 シャンク部
112 ルート部(ダブティル部)
113 プラットホーム部
114 ラジアルフィン

Claims (10)

  1. Cr,Co,Al,Ti,Ta,W,Mo,Nb,C,B及び不可避不純物を含み、残部がNiよりなるNi基合金であって、
    質量比で、Cr:13.10〜16.00%,Co:8.00〜12.50%,Al:2.30〜3.50%,Ti:4.80〜5.50%,Ta:0.40〜1.00%未満,W:4.50〜6.00%,Mo:0.10〜1.50%,Nb:0.60〜1.70%,C:0.01〜0.20%,B:0.005〜0.02%、残:Ni+不純物の合金組成であることを特徴とするNi基超合金。
  2. 請求項1において、さらに、Hf,Re,Zr,O及びNから選ばれる1種以上を、質量比で、Hf:2.00%以下、Re:0.50%以下、Zr:0.05%以下、O:0.005%以下,N:0.005%以下の範囲で含有する合金組成であることを特徴とするNi基超合金。
  3. 請求項2において、Hf,Re,Zr,O及びNから選ばれる1種以上の含有量が、それぞれ質量比で、Hf:0.10%以下、Re:0.10%以下、Zr:0.03%以下、O:0.005%以下、N:0.005%以下であることを特徴とするNi基超合金。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のNi基超合金であって、Ta+Nb量とW量との関係を示す図において、(Ta+Nb量,W量)で示される点A(1.5%,4.5%),点B(2.5%,4.5%),点C(2.5%,5.5%),点D(1.5%,6.0%)の各点を順次結ぶ線で囲まれた組成範囲にあることを特徴とするNi基超合金。
  5. 請求項1−3のいずれかに記載のNi基超合金であって、質量比で、Cr:13.10〜14.30%,Co:8.50〜11.00%,Al:2.70〜3.40%,Ti:4.0〜5.30%,Ta:0.50〜0.90%,W:4.80〜5.50%,Mo:0.60〜1.40%,Nb:0.70〜1.60%,C:0.10〜0.18%、及びB:0.01〜0.02%の合金組成であることを特徴とするNi基超合金。
  6. 請求項5において、質量比で、Cr:13.70〜14.10%,Co:9.10〜10.80%,Al:3.00〜3.40%,Ti:4.0〜5.10%,Ta:0.60〜0.90%,W:4.80〜5.40%,Mo:0.70〜1.30%,Nb:0.80〜1.50%,C:0.12〜0.17%、及びB:0.01〜0.02%の合金組成であることを特徴とするNi基超合金。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のNi基超合金よりなることを特徴とする鋳造品。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載のNi基超合金よりなることを特徴とするガスタービン用タービン動翼。
  9. 請求項1〜6のいずれかに記載のNi基超合金よりなることを特徴とするガスタービン用タービン静翼。
  10. 請求項8または9に記載のガスタービン動翼又は静翼を用いたことを特徴とするガスタービン。
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