JP2014069675A - 自動車 - Google Patents

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Abstract

【課題】安定して旋回することができる自動車を提案する。
【解決手段】重心に作用する重力と遠心力との合成力の作用線がトレッドの中央になるように目標リーン角を設定してリーン装置50のリーンモータを駆動制御すると共に、急ハンドルなどにより車両が旋回外側に横転する横転可能性があるときには、旋回内側に車体を傾斜させる方向のジャイロモーメントが発生するようジャイロ装置60のジンバルモータとクラッチとを駆動制御する横転抑制制御を実行する。これにより、車両の旋回外側への横転を抑制することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車に関し、詳しくは、少なくとも一つの操舵輪を含む3輪以上の車輪を有し、自立して停車可能な自動車に関する。
従来、この種の自動車としては、ロータ軸に回動自在に支持されたロータとロータ軸を支持するインナジンバルとインナジンバルをロータ軸に垂直な軸廻りに回動自在に支持するアウタジンバルとを有する車体姿勢制御手段と、ハンドルの操舵方向を検出する操舵角センサと、車体の傾斜量を検出する車体傾斜センサと、アウタジンバルのアウタジンバル軸に回転トルクを付与するアクチュエータと、を備える自動二輪車が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この自動二輪車では、車体傾斜センサの検出結果に応じた回転トルクをアクチュエータよりアウタジンバル軸に付与し、車体姿勢制御手段に発生するジャイロモーメントで車体を所定量傾斜させ、常に、車体の傾斜方向を車体重心に作用する合力の方向と一致させるとともに、その時の遠心力に基づくモーメント、重力に基づくモーメント及び車体姿勢制御手段からのジャイロモーメント間のバランスを維持することにより、ドライバの体重の移動を伴わずに右左折することができるようにしている。
また、回転可能に支持された回転体を有するジャイロと、ジャイロを回転体の回転軸と直交する軸回りに回転可能に支持する支持軸と、ジャイロを回転させるジンバルモータと、を有する車両挙動制御装置を備える自動車も提案されている(例えば、特許文献2参照)。この自動車では、車体を左右方向に貫くピッチ軸で回転体を回転支持すると共に、回転体を車両が前進するときの車輪の回転方向と逆方向に回転させ、更に、回転体の回転数を車速が大きいほど大きくすることにより、車両の挙動に応じたジャイロモーメントを発生させている。
さらに、車体を左右方向に傾斜させる機構を備える車両も提案されている(例えば、特許文献3参照)。この車両では、旋回時に旋回外側へ生じる横加速度による遠心力と重力がつりあう角度に車両の傾斜を制御することによって、搭乗者と車体に作用する力を座席の座面に垂直な方向下向きとなるようにして、搭乗者の違和感を軽減し、旋回時の車両の安定性を向上させている。
特開2004−82903号公報 特開2008−236958号公報 特開2011−178329号公報
近年、省エネルギの観点から、トレッドが狭く軽量で小型の自動車の開発が望まれている。このような自動車は、トレッドに対する重心の高さの割合がトレッドが広い車両に比して大きくなるため、旋回時に旋回外側に横転する可能性が高くなる。したがって、トレッドが狭く軽量で小型の自動車において、安定して旋回することができる構成が望まれている。
本発明の自動車は、安定して旋回することができる自動車を提案することを主目的とする。
本発明の自動車は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の自動車は、
少なくとも一つの操舵輪を含む3輪以上の車輪を有し、自立して停車可能な自動車であって、
車体を左右方向に傾斜可能なリーン機構と該リーン機構を駆動するためのリーン駆動手段とを有するリーン装置と、
フライホイールと該フライホイールを第1軸で回転駆動する第1回転駆動手段とを有するジャイロと、前記第1軸と直交する第2軸で前記ジャイロを回転駆動する第2回転駆動手段と、前記第2軸に取り付けられて前記ジャイロと前記第2回転駆動手段との接続および接続の解除を行なうクラッチと、を有するジャイロ装置と、
車両の重心に作用する重力と遠心力との合成力の作用線がトレッドの範囲内となるよう前記リーン駆動手段を制御するリーン制御手段と、
車両が旋回外側に横転する横転可能性があると判定されたときには、車体が旋回内側に傾斜する作用のジャイロモーメントが発生するように前記ジャイロ装置を制御する横転抑制制御を実行するジャイロ制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の自動車では、リーン制御手段により、車体を左右方向に傾斜可能なリーン機構を駆動するリーン駆動手段が車両の重心に作用する重力と遠心力との合成力の作用線がトレッドの範囲内となるよう制御される。これにより、車両は、安定して旋回することができるようになる。そして、急ハンドルなどにより車両が旋回外側に横転する横転可能性があると判定されたときには、ジャイロ制御手段により、車体が旋回内側に傾斜する作用のジャイロモーメントが発生するようにジャイロ装置が制御される。これにより、車両の旋回外側への横転を抑制することができる。これらの結果、安定して旋回することができると共に車両の横転を抑制することができる。このように、本発明の自動車では、安定して旋回することができると共に車両の横転を抑制することができるから、トレッドが狭く軽量で小型の自動車としても、横転することなく、安定して旋回することができる。
ここで、「少なくとも一つの操舵輪を含む3輪以上の車輪を有し、自立して停車可能な自動車」としては、自動二輪車のように停車時に安定して自立することができない自動車を除く意であり、1つの前輪と2つの後輪の3輪の自動車や2つの前輪と1つの後輪の3輪の自動車、2つの前輪と2つの後輪の4輪の自動車などのように、停車時や低速走行時に安定して自立することができる自動車を意味している。「リーン装置」としては、リーン駆動手段を駆動することによってリーン機構による車体の左右方向への傾斜が可能となるものを意味しており、運転者や乗員の体重移動によりリーン機構によって車体が左右方向へ傾斜するものは含まない意である。横転可能性の判定としては、例えば、車両の重心に作用する重力と遠心力との合成力の作用線がトレッドの範囲を含む予め定められた所定範囲外となるか否かにより横転可能性があるか否かを判定する手法や、旋回外側の車輪に作用するモーメントが旋回外側に車体を傾斜させる方向のモーメントとして予め定められた閾値以上であるか否かにより横転可能性があるか否かを判定する手法、車体の旋回外側への回転角速度が予め定められた閾値より大きいか否かにより横転可能性があるか否かを判定する手法など、種々の手法を用いることができる。
こうした本発明の自動車において、前記第1軸は車体を水平に左右方向に貫くピッチ軸であり、前記第2軸は車体を垂直方向に貫くヨー軸である、ものとすることもできる。こうすれば、フライホイールは直進している車両の車輪と同方向か逆方向に回転するように配置され、ジャイロは垂直軸で支持されることになるから、ジャイロ装置の車両の搭載において左右の対称性を高いものとすることができる。
また、本発明の自動車において、前記横転抑制制御は、前記第2回転駆動手段による最大回転角速度をもって前記ジャイロを回転させる制御である、ものとすることもできる。こうすれば、より大きなジャイロモーメントを迅速に作用させることができるから、車両の横転をより確実に且つより迅速に抑制することができる。
さらに、本発明の自動車において、前記ジャイロ制御手段は、車両の重心に作用する重力と遠心力との合成力の作用線がトレッドの範囲を含む所定範囲を超えるときに前記横転可能性があると判定する手段である、ものとすることもできる。この場合、前記所定範囲は、車速が大きいほど小さくなる傾向の範囲、車両の重心が高いほど小さくなる傾向の範囲、山道または高速道路を走行しているときには山道または高速道路を走行していないときに比して小さな範囲、の少なくとも1つに一致する範囲である、ものとすることもできる。これは、車速が大きいほど、車両の重心が高いほど、横転可能性が高くなることや、山道や高速道路を走行しているときは山道や高速道路を走行していないときに比して横転可能性が高くなることに基づいている。
あるいは、本発明の自動車において、前記ジャイロ制御手段は、車体を前後方向に貫くロール軸周りの車体の旋回外側への回転角速度が所定値以上のときに前記横転可能性があると判定する手段である、ものとすることもできる。この場合、前記所定値は、車速が大きいほど小さくなる傾向の値、車両の重心が高いほど小さくなる傾向の値、山道または高速道路を走行しているときには山道または高速道路を走行していないときに比して小さな範囲、の少なくとも1つに一致する値である、ものとすることもできる。これは、車速が大きいほど、車両の重心が高いほど、横転可能性が高くなることや、山道や高速道路を走行しているときは山道や高速道路を走行していないときに比して横転可能性が高くなることに基づいている。
本発明の自動車において、前記ジャイロ制御手段は、前記横転可能性がないときに前記リーン装置により車体を所定角以上傾斜するときには、前記リーン装置により車体を傾斜する方向に作用するジャイロモーメントが発生するように前記ジャイロ装置を制御するリーンアシスト制御を実行する手段である、ものとすることもできる。こうすれば、リーン装置による車体の傾斜をアシストすることができるから、リーン駆動手段に用いるモータなどのアクチュエータのパワーを小さなものにすることができる。この結果、リーン装置を小型のものとすることができる。
こうしたリーンアシスト制御を実行する態様の本発明の自動車において、前記リーンアシスト制御は、前記リーン装置により車体を所定回転角速度以上の回転角速度で傾斜するときに実行される制御である、ものとすることもできる。即ち、迅速に車体を傾斜させるときにリーンアシスト制御を実行することにより、リーン駆動手段から出力するパワーが不足しているときでも所望の回転角速度で車体を傾斜することができる。これにより、車両は、より安定して旋回することができる。
また、リーンアシスト制御を実行する態様の本発明の自動車において、前記リーンアシスト制御は、前記リーン装置により車体を傾斜させるために前記リーン駆動手段の駆動開始のタイミングで車体を傾斜する方向に作用するジャイロモーメントを発生させる制御である、ものとすることもできる。こうすれば、迅速に車体を傾斜させることができる。しかも、リーン駆動手段の駆動開始時におけるパワーが不足する場合でも、より迅速に車体を傾斜させることができる。
本発明の一実施例としての三輪自動車20を左側面から見た側面図である。 実施例の三輪自動車20を上方から見た上面図である。 実施例の三輪自動車20を前方から見た前面図である。 リーン装置50の構成の概略を示す構成図である。 リーンモータ54の出力軸55を駆動したときのリーン装置50の状態の一例を示す説明図である。 図5における車体の傾斜の様子を示す説明図である。 ジャイロ装置60の構成の概略を示す構成図である。 フライホイール61の回転方向とジンバル支持部64の回転方向と発生するジャイロモーメントの作用方向とを説明する説明図である。 フライホイール61の回転方向とジンバル支持部64の回転方向と発生するジャイロモーメントの作用方向とを説明する説明図である。 フライホイール61の回転方向と旋回方向と発生するジャイロモーメントの作用方向とを説明する説明図である。 フライホイール61の回転方向と旋回方向と発生するジャイロモーメントの作用方向とを説明する説明図である。 フライホイール61の回転方向と車体の傾斜方向と発生するジャイロモーメントの作用方向とを説明する説明図である。 フライホイール61の回転方向と車体の傾斜方向と発生するジャイロモーメントの作用方向とを説明する説明図である。 制御装置80の入出力関係の一例を機能ブロックとして示すブロック図である。 実施例の制御装置80により実行されるリーン制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 重力Fgと遠心力Fcとの合成力の作用線がトレッドの中央になるようにしたときの様子を示す説明図である。 リーン角θLと目標リーン角速度ωL*との関係の一例を示す説明図である。 実施例の制御装置80により実行されるジャイロ制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 車速Vおよび走行路情報Pと許容範囲R1との関係の一例を示す説明図である。 重心位置Gおよび走行路情報Pと許容範囲R2との関係の一例を示す説明図である。 目標リーン角θL*および目標リーン角速度ωL*と目標ジンバル角速度ωG*との関係の一例を示す説明図である。 車速Vおよび走行路情報Pと閾値ωRref1との関係の一例を示す説明図である。 重心位置Gおよび走行路情報Pと閾値目がRref2との関係の一例を示す説明図である。 変形例の四輪自動車120の構成の一例を示す構成図である。 変形例の三輪自動車220の構成の一例を示す構成図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は本発明の一実施例としての三輪自動車20を左側面から見た側面図であり、図2は実施例の三輪自動車20を上方から見た上面図であり、図3は実施例の三輪自動車20を前方から見た前面図である。なお、図2では、説明の容易のために、車両の屋根の部分を除いて図示した。
実施例の三輪自動車20は、図示するように、1つの操舵輪である前輪22と駆動用のモータ26L,26Rが組み込まれた2つの後輪24L,24Rとを有する1人乗車の三輪自動車として構成されており、運転席32を有し前輪22と後輪24L,24Rとに支持される車体本体30と、運転者によるハンドル42の操作に基づいて前輪22を操舵する操舵装置40と、車体本体30と後輪24L,24Rとの間に取り付けられて後輪24L,24Rの一方を持ち上げると共に他方を押し下げることにより車体本体30を左右方向に傾斜させるリーン装置50と、運転席32の下方に配置されて車両の姿勢制御に用いられるジャイロ装置60と、モータ26L,26Rやリーン装置50,ジャイロ装置60に電力を供給する例えばリチウムイオン二次電池として構成されたバッテリ70と、運転者の操作に基づいてモータ26L,26Rを駆動制御したりリーン装置50やジャイロ装置60を駆動制御したりする制御装置80と、制御装置80と通信すると共に地図情報などを表示するナビゲーション装置96と、を備える。
リーン装置50は、図4の構成図に示すように、後輪24L,24Rの内側に配置されてモータ26L,26Rを支持する縦リンクユニット51L,51Rと、縦リンクユニット51L,51Rの上端と下端とにそれぞれ回転自在に連結された横リンクユニット51U,51Dと、車体本体30を支持する支持部36に回転不動に取り付けられると共に横リンクユニット51U,51Dの中央部でそれぞれ回転自在に連結された中央縦部材52と、支持部36に配置されると共に回転子に接続された出力軸55が上側の横リンクユニット51Uの中央に回転不能に取り付けられたリーンモータ54と、を備える。リーンモータ54としては、例えばステッピングモータを用いることができる。リーン装置50は、図4において出力軸55が右回りに回転するようリーンモータ54を駆動すると、出力軸55の回転に伴って上側の横リンクユニット51Uが回転し、この横リンクユニット51Uの回転に伴って下側の横リンクユニット51Dも回転する。横リンクユニット51U,51Dの回転は、図5に示すように、右後輪24Rを持ち上げると共に左後輪24Lを押し下げる動作となるから、図6に示すように、車体を右側に傾斜させる。同様に、図4において出力軸55が左回りに回転するようリーンモータ54を駆動することにより、車体を左側に傾斜させることができる。このとき、車体の傾斜角は、リーンモータ54による回転子の回転角に対応するものとして調整することができ、回転子を所望の回転角で保持することにより、車体を所望の傾斜角で保持することができる。
ジャイロ装置60は、図7の構成図に示すように、導電性の金属材料により円環状に形成されて基本的には車両を水平に左右方向に貫くピッチ軸を回転軸として回転するフライホイール61とフライホイール61を収納するケースとして機能すると共に内側にフライホイール61を回転駆動するための三相コイル(図示せず)が取り付けられたステータケース62とからなるジャイロ63と、フライホイール61の回転軸(ピッチ軸)と直交する垂直軸(車両を垂直方向に貫くヨー軸)でステータケース62に取り付けられてジャイロ63を支持するジンバル支持部64と、ジンバル支持部64を回転駆動するジンバルモータ65と、ジンバル支持部64とジンバルモータ65との接続およびその接続の解除を行なうクラッチ66と、を備える。上述したように、ジャイロ63のフライホイール61とステータケース62は、フライホイール61を回転子とすると共にステータケース62を固定子とするモータ(例えば、誘導電動機など)を構成するから、ステータケース62の内側に取り付けられた三相コイルの回転磁界をコントロールすることにより、フライホイール61の回転を制御することができる。実施例では、ピッチ軸を回転軸として回転するようフライホイール61を配置するのは、ジャイロ装置60を車両に搭載したときに高い左右の対称性を得ることができるためである。ジンバルモータ65としては、例えばステッピングモータを用いることができる。
ジャイロ装置60では、ジンバルモータ65を回転駆動してジャイロ63をヨー軸周りに回転すると、その回転角速度に応じた大きさのジャイロモーメントが車両を水平に前後方向に貫くロール軸周りに発生する。ジャイロモーメントの作用方向は、車両が前進しているときの車輪の回転方向と同方向にフライホイール61が回転しているときに車両を右折させるときのハンドル操作と同方向にジンバル支持部64を回転させてフライホイール61を回転させると、車体を左側に傾斜させる方向となる。この関係を図8に示す。逆に、車両が前進しているときの車輪の回転方向と同方向にフライホイール61が回転しているときに車両を左折させるときのハンドル操作と同方向にジンバル支持部64を回転させてフライホイール61を回転させると、ジャイロモーメントの作用方向は、車体を右側に傾斜させる方向となる。即ち、車両が前進しているときの車輪の回転方向と同方向にフライホイール61が回転しているときには、旋回の方向(例えば右旋回の方向)と同方向にジンバル支持部64を回転させてフライホイール61を回転させると、旋回の方向とは逆側(右旋回の方向とは逆の左側)に車体を傾斜させる方向のジャイロモーメントが発生する。また、ジャイロモーメントの作用方向は、車両が前進しているときの車輪の回転方向と逆方向にフライホイール61が回転しているときに車両を右折させるときのハンドル操作と同方向にジンバル支持部64を回転させてフライホイール61を回転させると、車体を右側に傾斜させる方向となる。この関係を図9に示す。逆に、車両が前進しているときの車輪の回転方向と逆方向にフライホイール61が回転しているときに車両を左折させるときのハンドル操作と同方向にジンバル支持部64を回転させてフライホイール61を回転させると、ジャイロモーメントの作用方向は、車体を左側に傾斜させる方向となる。即ち、車両が前進しているときの車輪の回転方向とは逆方向にフライホイール61が回転しているときには、旋回の方向(例えば右旋回の方向)と同方向にジンバル支持部64を回転させてフライホイール61を回転させると、旋回の方向と同側(右旋回の方向と同じ右側)に車体を傾斜させる方向のジャイロモーメントが発生する。したがって、フライホイール61をいずれの回転方向に回転させてもジンバル支持部64の回転方向を制御することにより、車体を左右のいずれの側にも傾斜させる方向のジャイロモーメントを発生させることができる。
また、ジャイロ装置60は、クラッチ66によりジンバル支持部64とジンバルモータ65とが接続されているときには、ジンバルモータ65を駆動しなくても、運転者のハンドル操作によって車両が旋回すると、フライホイール61の回転軸(ピッチ軸)が回転するため、ジャイロモーメントが生じる。車両の旋回により生じるジャイロモーメントの作用方向は、車両が前進しているときの車輪の回転方向と同方向にフライホイール61が回転しているときにハンドル42を右に操作して車両が右旋回すると、車体を左側に傾斜させる方向となる。この関係を図10に示す。逆に、車両が前進しているときの車輪の回転方向と同方向にフライホイール61が回転しているときにハンドル42を左に操作して車両が左旋回すると、ジャイロモーメントの作用方向は、車体を右側に傾斜させる方向となる。また、ジャイロモーメントの作用方向は、車両が前進しているときの車輪の回転方向と逆方向にフライホイール61が回転しているときにハンドル42を右に操作して車両が右旋回すると、車体を右側に傾斜させる方向となる。この関係を図11に示す。逆に、車両が前進しているときの車輪の回転方向と逆方向にフライホイール61が回転しているときにハンドル42を左に操作して車両が左旋回すると、ジャイロモーメントの作用方向は、車体を左側に傾斜させる方向となる。したがって、旋回時には、遠心力が作用するため、旋回方向に車体を傾斜させるジャイロモーメントが発生する方が好ましいため、車両が前進しているときの車輪の回転方向と逆方向にフライホイール61を回転させるのが好ましい。なお、車両が前進しているときの車輪の回転方向と逆方向にフライホイール61を回転させるものとしても、上述したように、ジンバルモータ65によりジンバル支持部64を回転させてフライホイール61を回転させることにより、ジャイロモーメントを発生させることができるから、ジンバルモータ65の制御により所望のジャイロモーメントを発生させることができる。
さらに、ジャイロ装置60は、クラッチ66によりジンバル支持部64とジンバルモータ65とが接続されているときには、ジンバルモータ65を駆動しなくても、リーン装置50により車体が傾斜すると、フライホイール61の回転軸(ピッチ軸)が回転するため、ジャイロモーメントが生じる。このときのジャイロモーメントの作用方向は、車両が前進しているときの車輪の回転方向と同方向にフライホイール61が回転しているときに車体を左側に傾斜すると、ヨー軸周りに車両が左旋回する方向となる。この関係を図12に示す。逆に、車両が前進しているときの車輪の回転方向と同方向にフライホイール61が回転しているときに車体を右側に傾斜すると、ジャイロモーメントの作用方向は、ヨー軸周りに車両が右旋回する方向となる。また、ジャイロモーメントの作用方向は、車両が前進しているときの車輪の回転方向と逆方向にフライホイール61が回転しているときに車体を左側に傾斜すると、ヨー軸周りに車両が右旋回する方向となる。この関係を図13に示す。逆に、車両が前進しているときの車輪の回転方向と逆方向にフライホイール61が回転しているときに車体を右側に傾斜すると、ジャイロモーメントの作用方向は、ヨー軸周りに車両が左旋回する方向となる。後述するが、実施例の三輪自動車20では、安定して旋回するために、左旋回するときには車体を左側に傾斜し、右旋回するときには車体を右側に傾斜する。したがって、車体を傾斜させることにより生じるジャイロモーメントの作用方向は、車両が前進しているときの車輪の回転方向と同方向にフライホイール61が回転しているときには旋回を促進する方向となり、逆に、車両が前進しているときの車輪の回転方向と逆方向にフライホイール61が回転しているときには旋回を抑制する方向となる。
ナビゲーション装置96は、地図情報等が記憶されたハードディスクなどの記憶媒体や入出力ポート,通信ポートなどを有する制御部を内蔵する本体や、車両の現在位置に関する情報を受信するGPSアンテナ,車両の現在位置に関する情報や目的地までの走行ルートなどの各種情報を表示すると共に操作者による各種指示を入力可能なタッチパネル式のディスプレイなどを備える。ここで、地図情報には、サービス情報(例えば観光情報や駐車場など)や予め定められている走行区間(例えば信号機間や交差点間など)毎の道路情報などがデータベース化して記憶されており、道路情報には、距離情報や幅員情報,地域情報(市街地,郊外),種別情報(一般道路,高速道路),勾配情報,法定速度,信号機の数などが含まれる。ナビゲーション装置96は、操作者により目的地が設定されたときには、地図情報と車両の現在位置と目的地とに基づいて車両の現在位置から目的地までの走行ルートを検索すると共に検索した走行ルートをディスプレイに出力してルート案内を行なう。また、ナビゲーション装置96は、地図情報と車両の現在位置とを入力して現在走行している走行路についての道路情報である走行路情報Pを求めて通信により制御装置80に出力している。
制御装置80は、図示しないがCPUを中心とするマイクロコンピュータとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムなどを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートなどを備える。図14に、制御装置80の入出力関係の一例を機能ブロックとして示す。制御装置80の図示しない入力ポートには、シフトポジションセンサ81からのシフトポジションやアクセルポジションセンサ82からのアクセルポジション,ブレーキポジションセンサ83からのブレーキポジション,車速センサ84からの車速V,後輪24L,24Rに取り付けられた車輪速センサ85L,85Rからの車輪速NL,NR,操舵装置40に取り付けられてハンドル42の操舵角θSを検出する操舵角センサ86からの操舵角θS,モータ26L,26Rの回転子の位置を検出する回転位置検出センサ87L,87Rからの回転位置,車両総重量Mを検出する車両総重量センサ88からの車両総重量M,路面勾配を検出する勾配センサ89からの勾配,リーン装置50による車体本体30の傾斜角としてのリーン角θLを検出するリーン角センサ90からのリーン角θL,ジンバル支持部64の基準位置からの回転角θGを検出するジンバル角センサ91からのジンバル角θG,フライホイール61の回転数NWを検出する回転数センサ92からのフライホイール61の回転数NW,車体本体30の左右方向への傾斜角(ロール角)を検出するロール角センサ93からのロール角θR,ナビゲーション装置96からの走行路情報Pなどが入力されている。なお、リーン角θLは、停車時のリーン角θL、具体的には、リーン装置50により車体本体30が左右のいずれにも傾斜していない状態におけるリーン角θL、を基準角としてのデフォルト角θLdfとするものとした。ジンバル角θGは、フライホイール61の回転軸が車体を左右方向に貫いている状態(ピッチ軸と一致している状態)におけるジンバル角θGを基準角としてのデフォルト角θGdfとするものとした。ロール角θRは、停車時のロール角θR、具体的には、車体本体30が左右のいずれにも傾斜していない状態におけるロール角θRを基準角としてのデフォルト角θRdfとするものとした。一方、制御装置80の図示しない出力ポートからは、モータ26L,26Rへの駆動信号や操舵装置40への駆動信号,リーンモータ54への駆動信号,ジャイロ63への駆動信号,ジンバルモータ65への駆動信号,クラッチ66への駆動信号、などが出力されている。なお、制御装置80の主な制御としては、シフトポジションやアクセルポジション,ブレーキポジションに基づいてモータ26L,26Rを駆動制御する走行制御、操舵角に基づいて前輪22のトウ角を制御する操舵制御、操舵角や車速などに基づいてリーン装置50による車体の傾斜を制御するリーン制御、操舵角や車速,フライホイール61の回転数などに基づいてジャイロ装置60により発生するジャイロモーメントを制御するジャイロ制御、などがある。なお、図14の制御装置80の中に示した「走行制御部」,「操舵制御部」,「リーン制御部」,「ジャイロ制御部」は、上述の制御を機能ブロックとして示したものである。
次に、こうして構成された実施例の三輪自動車20の動作、特に、リーン装置50の動作とジャイロ装置60の動作とについて説明する。実施例の三輪自動車20は、走行制御によりモータ26L,26Rが駆動制御されて走行し、操舵制御によりハンドル42の操作角(操舵角)に対するトウ角が制御されてハンドル42の操作方向に旋回する。走行制御や操舵制御については周知の制御を用いているので、これ以上の詳細な説明は省略する。以下、リーン制御,ジャイロ制御の順に説明する。
図15は、実施例の制御装置80により実行されるリーン制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、繰り返し実行される。リーン制御ルーチンが実行されると、制御装置80は、まず、車速センサ84からの車速Vや車輪速センサ85L,85Rからの車輪速NL,NR,操舵角センサ86からの操舵角θS,車両総重量センサ88からの車両総重量Mなどのデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。
こうしてデータを入力すると、車速Vと車輪速NL,NRと操舵角θSと車両総重量Mとに基づいて、重心に作用する重力Fgと遠心力Fcとの合成力の作用線がトレッド(左右の車輪24L,24Rの中心間距離)の中央になるように目標リーン角θL*を設定し(ステップS110)、設定した目標リーン角θL*に基づいて目標リーン角速度ωL*を設定し(ステップS120)、リーン角θLが目標リーン角速度ωL*で変化して目標リーン角θL*となるようリーンモータ54を駆動制御して(ステップS130)、本ルーチンを終了する。
図16に、重力Fgと遠心力Fcとの合成力の作用線がトレッドの中央になるようにしたときの様子を示す。目標リーン角θL*は、簡易な手法を考えれば、乗員や荷物の搭載によっては重心は車両の左右方向には変化しないものとし、重力Fgと遠心力Fcとを計算し、tanθL*=Fc/Fgとなるよう計算することができる。ここで、重力Fgは、車両総重量Mとして得ることができる。遠心力Fcは、操舵角θSや車輪速NL,NRなどから計算される旋回時の回転半径rと、この回転半径rと車速Vとから計算される角速度ωと、車両総重量Mと、により、Fc=Mrω2として計算することができる。また、目標リーン角速度ωL*は、実施例では、リーン角θLと目標リーン角速度ωL*との関係を予め定めて図示しないROMに記憶しておき、リーン角θLが与えられると記憶した関係から対応する目標リーン角速度ωL*を導出して設定するものとした。リーン角θLと目標リーン角速度ωL*との関係の一例を図17に示す。目標リーン角速度ωL*は、図示するように、目標リーン角θL*が大きいほど大きくなる傾向に設定される。これは、目標リーン角θL*が大きいとき(旋回内側の方向に車体を大きく傾斜させようとするとき)にリーン装置50による車体の傾斜が追いつかずに旋回外側の方向に車体が傾斜してしまうのを抑制するためである。こうした制御を行なうことにより、乗員に横向きの加速度を与えないようにして車両を安定して旋回させることができると共に、旋回外側への車両の横転を抑制することができる。
次に、ジャイロ制御について説明する。図18は、実施例の制御装置80により実行されるジャイロ制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、繰り返し実行される。ジャイロ制御ルーチンが実行されると、制御装置80は、まず、車速センサ84からの車速Vや車輪速センサ85L,85Rからの車輪速NL,NR,操舵角センサ86からの操舵角θS,車両総重量センサ88からの車両総重量M,ナビゲーション装置96からの走行路情報P,目標リーン角θL*,目標リーン角速度ωL*,重心位置Gなどのデータを入力する処理を実行する(ステップS200)。ここで、目標リーン角θL*および目標リーン角速度ωL*は、図15のリーン制御ルーチンにより設定されたものを入力するものとした。重心位置Gは、予め解っている車両自体の重量および車両自体の重心位置と計測により得られる乗員や荷物(以下、「乗員等」という。)の重量および乗員等の重心位置とにより計算することができる。例えば、乗員等の重心位置を実験などにより予め定めておき、車両総重量センサ88からの車両総重量Mから車両自体の重量を減じて乗員等の重量を計算し、この計算した乗員等の重量と定めておいた乗員等の重心位置と車両自体の重量と車両自体の重心位置とを用いて重心位置Gを計算することができる。また、乗員の着座位置や座高,重量等を検出して乗員の重量と重心位置を求めると共に各荷物の搭載位置や寸法,重量等を検出して各荷物の重量と重心位置とを求め、乗員の重量および重心位置と各荷物の重量および重心位置と車両自体の重量および重心位置とにより重心位置Gを計算することもできる。
こうしてデータを入力すると、入力した車速Vと走行路情報Pと重心位置Gとに基づいて、車両が旋回外側に横転する横転可能性がないと判定可能な許容範囲Rを設定する(ステップS210)。ここで、許容範囲Rは、トレッドの範囲を含む範囲(トレッドの範囲およびその境界の外側の範囲からなる範囲)であり、実施例では、車速Vと走行路情報Pとに基づく許容範囲R1と重心位置Gと走行路情報Pとに基づく許容範囲R2とのうち小さい方(狭い方)を設定するものとした。許容範囲R1,R2は、それぞれ、車速Vおよび走行路情報Pと許容範囲R1との関係,重心位置Gおよび走行路情報Pと許容範囲R2との関係を予め定めて図示しないROMに記憶しておき、車速Vおよび走行路情報P,重心位置Gおよび走行路情報Pが与えられるとそれぞれの関係から対応する許容範囲R1,R2を導出して設定するものとした。車速Vおよび走行路情報Pと許容範囲R1との関係の一例を図19に示し、重心位置Gおよび走行路情報Pと許容範囲R2との関係の一例を図20に示す。許容範囲R1は、図19に示すように、車速Vが大きいほど小さくなる傾向で、走行路情報Pが山道や高速道路のときにこれら以外のときに比して小さくなる傾向に設定される。また、許容範囲R2は、図20に示すように、重心位置Gが高いほど小さくなる傾向で、走行路情報Pが山道や高速道路のときにこれら以外のときに比して小さくなる傾向に設定される。これは、車速Vが大きいほど、重心位置Gが高いほど、横転可能性が高くなることや、山道や高速道路を走行しているときは山道や高速道路を走行していないときに比して横転可能性が高くなることに基づく。
続いて、車速Vと車輪速NL,NRと操舵角θSと車両総重量Mと重心位置Gに基づいて、重心に作用する重力Fgと遠心力Fcとの合成力の作用線Lを設定し(ステップS220)、設定した作用線Lが許容範囲Rを旋回外側に超えるか否かを判定する(ステップS230,S240)。ここで、作用線Lは、ステップS110の処理と同様に重力Fgと遠心力Fcとを計算し、この合成力と重心位置Gとに基づいて求めることができる(図16参照)。また、ステップS230,S240の処理は、車両が旋回外側に横転する横転可能性があるか否かを判定する処理である。例えば、急ハンドル時などには、リーン装置50による車体の傾斜の遅れなどにより、作用線Lが許容範囲Rを旋回外側に超えて、車両が旋回外側に横転する可能性がある。ステップS230,S240の処理では、こうした可能性があるか否かを判定するのである。
作用線Lが許容範囲Rを旋回外側に超えるときには、横転可能性があると判断し、旋回内側に車体を傾斜させる方向のジャイロモーメントが発生するようジャイロ装置60のジンバルモータ65とクラッチ66とを駆動制御する横転抑制制御を実行する(ステップS250)。ここで、横転抑制制御は、クラッチ66をオンで、予め定められた最大ジンバル角速度ωGmaxでジンバル支持部64(フライホイール61)が回転するようジンバルモータ65を駆動制御することにより行なうものとした。ジンバル支持部64の回転範囲は、上述のデフォルト角θGdf(フライホイール61の回転軸が車体を左右方向に貫いている状態におけるジンバル角θG)からジンバル支持部64の回転方向にπ/2より若干小さな値までとするのが好ましい。これは、ジンバル支持部64がデフォルト角θGdfからπ/2だけ回転すると、フライホイール61の回転軸がロール軸に一致し、ジャイロモーメントがピッチ軸周りに作用してしまうためである。この横転抑制制御では、車両が前進しているときの車輪の回転方向と同方向にフライホイール61が回転しているときには、ジンバルモータ65により旋回外側(車両が横転する方向の旋回と同方向)にジンバル支持部64を迅速に回転させてフライホイール61を迅速に回転させることにより、旋回内側に車体を傾斜させる方向の大きなジャイロモーメントを発生させる。例えば、車両が前進しているときの車輪の回転方向と同方向にフライホイール61が回転しているときに右旋回するときには、右旋回と同方向にジンバル支持部64を回転させてフライホイール61を回転させると、左旋回の方向(車両が横転する方向)に車体を傾斜させる方向のジャイロモーメントが発生する。したがって、このとき、実施例では、左旋回と同方向にジンバル支持部64を迅速に回転させてフライホイール61を迅速に回転させることにより、旋回内側に車体を傾斜させる方向の大きなジャイロモーメントを発生させることができ、車両の横転を抑制することができる。また、横転抑制制御では、車両が前進しているときの車輪の回転方向と逆方向にフライホイール61が回転しているときには、ジンバルモータ65により旋回内側(車両が横転する方向の旋回と逆方向)にジンバル支持部64を迅速に回転させてフライホイール61を迅速に回転させることにより、旋回内側に車体を傾斜させる方向の大きなジャイロモーメントを発生させる。例えば、車両が前進しているときの車輪の回転方向と同方向にフライホイール61が回転しているときに右旋回するときには、右旋回と同方向にジンバル支持部64を回転させてフライホイール61を回転させると、右旋回の方向(旋回内側の方向)に車体を傾斜させる方向のジャイロモーメントが発生する。したがって、このとき、実施例では、右旋回と同方向(車両が横転する方向の旋回とは逆方向)にジンバル支持部64を迅速に回転させてフライホイール61を迅速に回転させることにより、旋回内側に車体を傾斜させる方向の大きなジャイロモーメントを発生させることができ、車両の横転を抑制することができる。
こうして横転抑制制御を実行すると、横転可能性が解消するのに要する時間として定められた所定時間T1が経過するのを待って(ステップS260)、ジンバル角θGが上述のデフォルト角θGdf(フライホイール61の回転軸が車体を左右方向に貫いている状態におけるジンバル角θG)に戻るようジンバルモータ65とクラッチ66とを駆動制御するフライホイール戻し制御を実行して(ステップS320)、本ルーチンを終了する。ここで、フライホイール戻し制御は、クラッチ66をオンで、ジンバル角θGがゆっくりデフォルト角θGdfに戻るようジンバルモータ65を駆動制御することにより行なうものとした。フライホイール戻し制御では、横転抑制制御や後述のリーンアシスト制御とは逆方向にジンバル支持部64を回転させてフライホイール61を回転させるため、旋回外側に車体を傾斜させる方向のジャイロモーメントが発生する。したがって、実施例では、このジャイロモーメントが運転者や乗員に違和感を与えない程度に、ジンバル角θGがデフォルト角θGdfに至るまでゆっくりジンバル支持部64(フライホイール61)を回転させるものとした。これにより、運転者や乗員に違和感を与えるのを抑制することができる。
ステップS230,S240で作用線Lが許容範囲R内のときには、横転可能性はないと判断し、目標リーン角θL*を閾値θLrefと比較すると共に(ステップS270)、目標リーン角速度ωL*を閾値ωLrefと比較する(ステップS280)。ここで、閾値θLrefおよび閾値ωLrefは、リーン装置50により車体をある程度大きく傾斜させるときか否かを判定するために用いられるものであり、適宜設定することができる。
目標リーン角θL*が閾値θLref未満のときや、目標リーン角速度ωL*が閾値ωLref未満のときには、リーン装置50により車体をそれほど大きく傾斜させるときでないと判断し、ジンバル角θGがその角度(デフォルト角θGdf)で保持されるようジンバルモータ65とクラッチ66とを駆動制御するジンバル角保持制御を実行して(ステップS330)、本ルーチンを終了する。
一方、目標リーン角θL*が閾値θLref以上で且つ目標リーン角速度ωL*が閾値ωLref以上のときには、リーン装置50により車体をある程度大きく傾斜させるときであると判断し、目標リーン角θL*と目標リーン角速度ωL*とに基づいて、リーン装置50により車体を傾斜させる方向のジャイロモーメントが発生するよう、目標ジンバル角速度ωG*を設定し(ステップS290)、リーン装置50による車体の傾斜を開始するタイミングで、目標ジンバル角速度ωG*を用いて、リーン装置50による車体の傾斜がジャイロモーメントによりアシストされるようジャイロ装置60のジンバルモータ65とクラッチ66とを駆動制御するリーンアシスト制御を実行する(ステップS300)。
ここで、リーンアシスト制御は、リーン装置50により車体を傾斜させ始めるタイミングで、クラッチ66をオンで、ジンバル支持部64(フライホイール61)が目標ジンバル角速度ωG*で回転するようジンバルモータ65を駆動制御することにより行なうものとした。このリーンアシスト制御では、上述の横転抑制制御と同方向にジンバル支持部64を回転させてフライホイール61を回転させることにより、旋回内側に車体を傾斜させる方向のジャイロモーメントを発生させる。こうしたリーンアシスト制御の実行により、リーン装置50による車体の傾斜をアシストすることができるから、リーンモータ54などをパワーの小さなものとすることができる。また、リーン装置50により車体の傾斜を開始するタイミングで旋回内側に車体を傾斜させる方向のジャイロモーメントを発生させるから、リーン装置50による車体の傾斜の開始時におけるパワーが不足する場合でも、より迅速に車体を傾斜させることができる。これらの結果、リーン装置50の小型化を図ることができる。
また、目標ジンバル角速度ωG*は、実施例では、目標リーン角θL*および目標リーン角速度ωL*と目標ジンバル角速度ωG*との関係を予め定めて図示しないROMに記憶しておき、目標リーン角θL*および目標リーン角速度ωL*が与えられると記憶した関係から対応する目標ジンバル角速度ωG*を導出して設定するものとした。目標リーン角θL*および目標リーン角速度ωL*と目標ジンバル角速度ωG*との関係の一例を図21に示す。目標リーン角速度ωL*は、図示するように、目標リーン角θL*が大きいほど、目標リーン角速度ωL*が大きいほど、大きくなる傾向に設定される。これは、車体を旋回内側に適正に傾斜させるためには、目標リーン角θL*が大きいほど、目標リーン角速度ωL*が大きいほど、大きなアシストを行なうのが好ましい、との理由に基づく。したがって、こうした傾向に目標リーン角速度ωL*を設定してリーンアシスト制御を実行することにより、車体をより適正に傾斜させることができる。
こうしてリーンアシスト制御を実行すると、リーン角θLが目標リーン角θL*に至るのに要する時間として定められた所定時間T2が経過するのを待って(ステップS310)、上述のフライホイール戻し制御を実行して(ステップS320)、本ルーチンを終了する。
以上説明した実施例の三輪自動車20によれば、重心に作用する重力Fgと遠心力Fcとの合成力の作用線がトレッドの中央になるように目標リーン角θL*を設定してリーン装置50のリーンモータ54を駆動制御するから、車両を安定して旋回させることができる。そして、急ハンドルなどにより車両が旋回外側に横転する横転可能性があるときには、旋回内側に車体を傾斜させる方向のジャイロモーメントが発生するようジャイロ装置60のジンバルモータ65とクラッチ66とを駆動制御する横転抑制制御を実行するから、車両の旋回外側への横転を抑制することができる。これらの結果、車両を安定して旋回させることができると共に車両の横転を抑制することができ、トレッドが狭く軽量で小型の自動車としても、横転することなく、安定して旋回することができる。
実施例の三輪自動車20によれば、ピッチ軸を回転軸として回転するようフライホイール61を配置することにより、ジャイロ装置60を車両に搭載したときに高い左右の対称性を得ることができる。
実施例の三輪自動車20によれば、横転可能性がないときに、目標リーン角θL*が閾値θLref以上で且つ目標リーン角速度ωL*が閾値ωLref以上のときには、リーン装置50により車体を傾斜させる方向(旋回内側の方向)のジャイロモーメントが発生するようジャイロ装置60のジンバルモータ65とクラッチ66とを駆動制御するリーンアシスト制御を実行するから、リーンモータ54などをパワーの小さなものとすることができ、リーン装置50の小型化を図ることができる。そして、リーンアシスト制御として、目標リーン角θL*が大きいほど且つ目標リーン角速度ωL*が大きいほど大きくなる傾向に目標ジンバル角速度ωG*を設定してジンバルモータ65とクラッチ66と駆動制御するから、より適正に車体を傾斜させることができる。加えて、リーンアシスト制御として、リーン装置50により車体の傾斜を開始するタイミングで旋回内側に車体を傾斜させる方向のジャイロモーメントが発生するようジンバルモータ65とクラッチ66とを駆動制御するから、リーン装置50による車体の傾斜の開始時におけるパワーが不足する場合でも、より迅速に車体を傾斜させることができる。
実施例の三輪自動車20では、乗員や荷物の搭載によっては重心は車両の左右方向には変化しないものとする簡易な手法を用いて目標リーン角θL*を計算するものとしたが、こうした簡易な手法を用いずに重心位置Gを用いて目標リーン角θL*を計算するものとしてもよい。
実施例の三輪自動車20では、車速Vが閾値Vref以上のときには、重心に作用する重力Fgと遠心力Fcとの合成力の作用線がトレッドの中央になるように目標リーン角θL*を設定するものとしたが、重心に作用する重力Fgと遠心力Fcとの合成力の作用線がトレッドの範囲内になるよう目標リーン角θL*を設定するものであれば如何なるものとしても構わない。この場合、乗員に横向きの加速度を与えるものの、車両を安定して旋回させることができると共に、旋回外側への車両の横転を抑制することができる。
実施例の三輪自動車20では、許容範囲Rは、車速Vと走行路情報Pと重心位置Gとに基づいて設定するものとしたが、これらのうち1つまたは2つに基づいて設定するものとしてもよい。また、これらに拘わらず予め定められた範囲(固定範囲)を用いるものとしてもよい。
実施例の三輪自動車20では、横転可能性があるか否かの判定は、重心に作用する重力Fgと遠心力Fcとの合成力の作用線Lが許容範囲Rを旋回外側に超えるか否かを判定することにより行なうものとしたが、これに代えてまたは加えて、ロール角センサ93からのロール角θRの単位時間当たりの変化量としてのロール角速度ωRが旋回外側の方向への車両の傾斜を判定するための閾値ωRrefを超えたか否かにより判定するものとしたり、旋回外側の車輪に作用するモーメントが旋回外側に車体を傾斜させる方向のモーメントとして予め定められた閾値以上であるか否かにより横転可能性があるか否かを判定するものとしたりしてもよい。ここで、閾値ωRrefは、例えば、車速Vと走行路情報Pとに基づく閾値ωRref1と重心位置Gと走行路情報Pとに基づく閾値ωRref2とのうち小さい方(横転可能性があると判定しやすい方)を設定することができる。閾値ωRref1,ωRref2は、それぞれ、車速Vおよび走行路情報Pと閾値ωRref1との関係,重心位置Gおよび走行路情報Pと閾値ωRref2との関係を予め定めて図示しないROMに記憶しておき、車速Vおよび走行路情報P,重心位置Gおよび走行路情報Pが与えられるとそれぞれの関係から対応する閾値ωRref1,ωRref2を導出して設定することができる。車速Vおよび走行路情報Pと閾値ωRref1との関係の一例を図22に示し、重心位置Gおよび走行路情報Pと閾値目がRref2との関係の一例を図23に示す。閾値ωRref1は、図22に示すように、車速Vが大きいほど小さくなる傾向で、走行路情報Pが山道や高速道路のときにこれら以外のときに比して小さくなる傾向に設定される。また、閾値ωRref2は、図23に示すように、重心位置Gが高いほど小さくなる傾向で、走行路情報Pが山道や高速道路のときにこれら以外のときに比して小さくなる傾向に設定される。これは、車速Vが大きいほど、重心位置Gが高いほど、横転可能性が高くなることや、山道や高速道路を走行しているときは山道や高速道路を走行していないときに比して横転可能性が高くなることに基づく。この変形例では、閾値ωRrefは、車速Vと走行路情報Pと重心位置Gとに基づいて設定するものとしたが、これらのうち1つまたは2つに基づいて設定するものとしてもよい。また、これらに拘わらず予め定められた値(固定値)を用いるものとしてもよい。
実施例の三輪自動車20では、横転抑制制御として、クラッチ66をオンで、予め定められた最大ジンバル角速度ωGmaxでジンバル支持部64(フライホイール61)が回転するようジンバルモータ65を駆動制御するものとしたが、最大ジンバル角速度ωGmaxより若干小さな角速度ででジンバル支持部64(フライホイール61)が回転するようジンバルモータ65を駆動制御するものとしてもよい。
実施例の三輪自動車20では、横転可能性があるときには、直ちに、横転抑制制御を実行するものとしたが、ロール角センサ93からのロール角θRが旋回外側の方向への車両の傾斜を判定するための閾値θRrefを超えたときに、横転抑制制御を実行するものとしてもよい。
実施例の三輪自動車20では、横転可能性がなく目標リーン角θL*が閾値θLref以上で目標リーン角速度ωL*が閾値ωLref以上のときには、リーンアシスト制御を実行するものとしたが、横転可能性がなく目標リーン角θL*が閾値θLref以上のときには、目標リーン角速度ωL*に拘わらずリーンアシスト制御を実行するものとしてもよい。また、横転可能性がないときには、目標リーン角θL*や目標リーン角速度ωL*に拘わらずリーンアシスト制御を実行しない(ジンバル角保持制御を実行を実行する)ものとしてもよい。
実施例の三輪自動車20では、リーンアシスト制御として、リーン装置50により車体の傾斜を開始するタイミングで旋回内側に車体を傾斜させる方向のジャイロモーメントが発生するようジンバルモータ65とクラッチ66とを駆動制御するものとしたが、リーン装置50により車体の傾斜を開始するタイミングより若干前や若干後に旋回内側に車体を傾斜させる方向のジャイロモーメントが発生するようジンバルモータ65とクラッチ66とを駆動制御するものとしてもよい。
実施例の三輪自動車20では、リーンアシスト制御として、目標リーン角θL*と目標リーン角速度ωL*とに基づいて目標ジンバル角速度ωG*を設定してジンバルモータ65とクラッチ66と駆動制御するものとしたが、目標リーン角θL*と目標リーン角速度ωL*とのうち一方に基づいて目標ジンバル角速度ωG*を設定してジンバルモータ65とクラッチ66と駆動制御するものとしてもよいし、予め定められた目標ジンバル角速度ωG*を用いてジンバルモータ65とクラッチ66とを駆動制御するものとしてもよい。
実施例の三輪自動車20では、車体を水平に左右方向に貫くピッチ軸を回転軸として回転するようフライホイール61を配置するものとしたが、ヨー軸(車体を垂直方向に貫く軸)を回転軸として回転するようフライホイール61を配置するものとしてもよい。この場合、ジンバルモータによる駆動によってロール方向のジャイロモーメントを発生させるために、ジンバル支持部はピッチ軸となるよう配置するのが好ましい。
実施例では、本発明の実施形態として、操舵輪としての1つの前輪22と、駆動輪としての2つの後輪24L,24Rと、を備える三輪自動車20を用いて説明したが、図24の変形例の四輪自動車120に示すように、操舵輪としての2つの前輪122L,122Rと、駆動輪としての2つの後輪24L,24Rと、を備えるものとしてもよい。この場合、後輪24L,24R側に取り付けられたリーン装置50と同様なリーン装置150を前輪222L,222R側にも取り付け、リーン装置50による車体の傾斜に同期してリーン装置150による車体の傾斜を行なえばよい。なお、自動車は三輪や四輪に限定されるものではなく五輪以上の自動車であっても構わない。
実施例の三輪自動車20では、縦リンクユニット51L,51Rと横リンクユニット51U,51Dと中央縦部材52とからなる機構(リーン機構)により車体を傾斜するときには、車輪22,24L,24Rも傾斜するものとしたが、図25の変形例の三輪自動車320に示すように、車輪22,24L,24Rは傾斜せずに車体本体330だけが傾斜する機構としてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、リーン装置50が「リーン装置」に相当し、ジャイロ装置60が「ジャイロ装置」に相当し、図15のリーン制御ルーチンを実行する制御装置80が「リーン制御手段」に相当し、図18のジャイロ制御ルーチンを実行する制御装置80が「ジャイロ制御手段」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、自動車の製造産業などに利用可能である。
20,220 三輪自動車、22,122L,122R 前輪、24L,24R 後輪、26L,26R モータ、30,230 車体本体、32 運転席、36 支持部、40 操舵装置、42 ハンドル、50,150 リーン装置、51L,51R 縦リンクユニット、51U,51D 横リンクユニット、52 中央縦部材、54 リーンモータ、55 出力軸、60 ジャイロ装置、61 フライホイール、62 ステータケース、63 ジャイロ、64 ジンバル支持部、65 ジンバルモータ、66 クラッチ、70 バッテリ、80 制御装置、81 シフトポジションセンサ、82 アクセルポジションセンサ、83 ブレーキポジションセンサ、84 車速センサ、85L,85R 車輪速センサ、86 操舵角センサ、87L,87R 回転位置検出センサ、88 車両総重量センサ、89 勾配センサ、90 リーン角センサ、91 ジンバル角センサ、92 回転数センサ、93 ロール角センサ、96 ナビゲーション装置、120 四輪自動車。

Claims (10)

  1. 少なくとも一つの操舵輪を含む3輪以上の車輪を有し、自立して停車可能な自動車であって、
    車体を左右方向に傾斜可能なリーン機構と該リーン機構を駆動するためのリーン駆動手段とを有するリーン装置と、
    フライホイールと該フライホイールを第1軸で回転駆動する第1回転駆動手段とを有するジャイロと、前記第1軸と直交する第2軸で前記ジャイロを回転駆動する第2回転駆動手段と、前記第2軸に取り付けられて前記ジャイロと前記第2回転駆動手段との接続および接続の解除を行なうクラッチと、を有するジャイロ装置と、
    車両の重心に作用する重力と遠心力との合成力の作用線がトレッドの範囲内となるよう前記リーン駆動手段を制御するリーン制御手段と、
    車両が旋回外側に横転する横転可能性があると判定されたときには、車体が旋回内側に傾斜する作用のジャイロモーメントが発生するように前記ジャイロ装置を制御する横転抑制制御を実行するジャイロ制御手段と、
    を備える自動車。
  2. 請求項1記載の自動車であって、
    前記第1軸は、車体を水平に左右方向に貫くピッチ軸であり、
    前記第2軸は、車体を垂直方向に貫くヨー軸である、
    自動車。
  3. 請求項1または2記載の自動車であって、
    前記横転抑制制御は、前記第2回転駆動手段による最大回転角速度をもって前記ジャイロを回転させる制御である、
    自動車。
  4. 請求項1ないし3のうちのいずれか1つの請求項に記載の自動車であって、
    前記ジャイロ制御手段は、車両の重心に作用する重力と遠心力との合成力の作用線がトレッドの範囲を含む所定範囲を超えるときに前記横転可能性があると判定する手段である、
    自動車。
  5. 請求項4記載の自動車であって、
    前記所定範囲は、車速が大きいほど小さくなる傾向の範囲、車両の重心が高いほど小さくなる傾向の範囲、山道または高速道路を走行しているときには山道または高速道路を走行していないときに比して小さな範囲、の少なくとも1つに一致する範囲である、
    自動車。
  6. 請求項1ないし5うちのいずれか1つの請求項に記載の自動車であって、
    前記ジャイロ制御手段は、車体を前後方向に貫くロール軸周りの車体の旋回外側への回転角速度が所定値以上のときに前記横転可能性があると判定する手段である、
    自動車。
  7. 請求項6記載の自動車であって、
    前記所定値は、車速が大きいほど小さくなる傾向の値、車両の重心が高いほど小さくなる傾向の値、山道または高速道路を走行しているときには山道または高速道路を走行していないときに比して小さな範囲、の少なくとも1つに一致する値である、
    自動車。
  8. 請求項1ないし7のうちのいずれか1つの請求項に記載の自動車であって、
    前記ジャイロ制御手段は、前記横転可能性がないときに前記リーン装置により車体を所定角以上傾斜するときには、前記リーン装置により車体を傾斜する方向に作用するジャイロモーメントが発生するように前記ジャイロ装置を制御するリーンアシスト制御を実行する手段である、
    自動車。
  9. 請求項8記載の自動車であって、
    前記リーンアシスト制御は、前記リーン装置により車体を所定回転角速度以上の回転角速度で傾斜するときに実行される制御である、
    自動車。
  10. 請求項8または9記載の自動車であって、
    前記リーンアシスト制御は、前記リーン装置により車体を傾斜させるために前記リーン駆動手段の駆動開始のタイミングで車体を傾斜する方向に作用するジャイロモーメントを発生させる制御である、
    自動車。
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