JP2012012004A - 車両 - Google Patents

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弘毅 林
裕司 ▲高▼倉
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Shinji Yamamoto
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Abstract

【課題】車体の姿勢が変化するときであっても横方向の加速度成分がゼロとなり、車体及び乗員には車体の縦方向軸線と平行な方向の力が作用するので、車体の安定を維持することができ、また、旋回性能を向上させることができるとともに、乗員が違和感を感じることがなく、乗り心地がよく、安定した走行状態を実現することができるようにする。
【解決手段】互いに連結された操舵部及び駆動部を備える車体と、操舵部又は駆動部を旋回方向に傾斜させる傾斜用アクチュエータ装置と、車体に作用する横加速度を直接的又は間接的に検出する複数のセンサと、車体の要求旋回量を検出する要求旋回量検出手段と、車速を検出する車速検出手段とを有し、横加速度に基づくフィードバック制御を行うとともに、要求旋回量及び車速に基づくフィードフォワード制御を行って車体の傾斜を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、少なくとも左右一対の車輪を有する車両に関するものである。
近年、エネルギ資源の枯渇問題に鑑み、車両の省燃費化が強く要求されている。その一方で、車両の低価格化等から、車両の保有者が増大し、1人が1台の車両を保有する傾向にある。そのため、例えば、4人乗りの車両を運転者1人のみが運転することで、エネルギが無駄に消費されるという問題点があった。車両の小型化による省燃費化としては、車両を1人乗りの三輪車又は四輪車として構成する形態が最も効率的であるといえる。
しかし、走行状態によっては、車両の安定性が低下してしまうことがある。そこで、車体を横方向に傾斜させることによって、旋回時の車両の安定性を向上させる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2008−155671号公報
しかしながら、前記従来の車両においては、旋回性能を向上させるために、車体を旋回方向内側に傾斜させることができるようになっているが、車体を傾斜させる操作が困難であり、旋回性能が低いので、乗員が不快に感じたり、不安を抱いたりしてしまうことがある。
本発明は、前記従来の車両の問題点を解決して、操舵(だ)角及び車速から横方向の加速度成分の予測値を算出して旋回外側への遠心力と重力とが釣り合うような角度になるように車体の傾斜角度を制御することによって、車体の姿勢が変化するときであっても横方向の加速度成分がゼロとなり、車体及び乗員には車体の縦方向軸線と平行な方向の力が作用するので、車体の安定を維持することができ、また、旋回性能を向上させることができるとともに、乗員が違和感を感じることがなく、乗り心地がよく、安定した走行状態を実現することができる安全性の高い車両を提供することを目的とする。
そのために、本発明の車両においては、互いに連結された操舵部及び駆動部を備える車体と、前記操舵部に回転可能に取り付けられた車輪であって、前記車体を操舵する操舵輪と、前記駆動部に回転可能に取り付けられた車輪であって、前記車体を駆動する駆動輪と、前記操舵部又は駆動部を旋回方向に傾斜させる傾斜用アクチュエータ装置と、前記車体に作用する横加速度を直接的又は間接的に検出する複数のセンサと、乗員が要求する前記車体の要求旋回量を検出する要求旋回量検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、前記傾斜用アクチュエータ装置を制御して前記車体の傾斜を制御する制御装置とを有し、該制御装置は、前記複数のセンサが検出する横加速度に基づくフィードバック制御を行うとともに、前記要求旋回量検出手段が検出する要求旋回量及び前記車速検出手段が検出する車速に基づくフィードフォワード制御を行って前記車体の傾斜を制御する。
請求項1の構成によれば、旋回外側への遠心力と重力とが釣り合うような角度になるように車体の傾斜角度を制御することができ、かつ、横加速度の変化が大きいときであっても、制御に遅れが発生することがない。したがって、車体及び乗員には、車体の縦方向軸線と平行な方向の力が作用することとなるので、乗員が違和感を感じることがなく、乗り心地がよく、安定した走行状態を実現することができる。
請求項2の構成によれば、ゼロ点の検出が不要となるので、安価なセンサを使用することができ、かつ、初期設定が不要となるので、コストを低減することができる。
請求項3の構成によれば、高速走行時における制御の追従性を向上させることができる。
請求項4〜6の構成によれば、不要加速度成分を取り除くことができるので、路面状況の影響を受けることがなく、制御系の振動、発散等の発生を防止することができ、車体傾斜制御システムの制御ゲインを大きくして制御の応答性を向上させることができる。
請求項7の構成によれば、旋回開始時及び終了時であっても、制御に遅れが発生することがなく、制御の応答性を向上させることができる。
請求項8の構成によれば、高速走行時の安定性を確保することができる。
本発明の第1の実施の形態における車両の構成を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における車両のリンク機構の構成を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における車体傾斜制御システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態における旋回走行時の車体の傾斜動作を説明する図である。 本発明の第1の実施の形態における車両の車体傾斜制御処理の動作を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態における横加速度センサの検出値が受ける影響を説明する図である。 本発明の第2の実施の形態における車両の背面を示す図である。 本発明の第2の実施の形態における車体傾斜制御システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態における力学モデルを示す図である。 本発明の第2の実施の形態における制御系のブロック図である。 本発明の第2の実施の形態における横加速度演算処理の動作を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態における車両の車体傾斜制御処理の動作を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態における車両の背面を示す図である。 本発明の第4の実施の形態における車体傾斜制御システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第4の実施の形態における力学モデルを示す図である。 本発明の第4の実施の形態における横加速度演算処理の動作を示すフローチャートである。 本発明の第5の実施の形態における車両の構成を示す右側面図である。 本発明の第5の実施の形態における車体傾斜制御システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第5の実施の形態における制御系のブロック図である。 本発明の第5の実施の形態における操舵による横加速度を説明するモデルを示す図である。 本発明の第5の実施の形態における横加速度推定処理の動作を示すフローチャートである。 本発明の第5の実施の形態におけるフィルタ処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 本発明の第5の実施の形態における車両の車体傾斜制御処理の動作を示すフローチャートである。 本発明の第6の実施の形態における車体傾斜制御システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第6の実施の形態における制御系のブロック図である。 本発明の第6の実施の形態における車体リンク角を説明するモデルを示す図である。 本発明の第6の実施の形態におけるヨーレートの時定数の変化を説明するグラフを示す図である。 本発明の第6の実施の形態におけるリンク角速度推定処理の動作を示すフローチャートである。 本発明の第6の実施の形態における操舵角の微分処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 本発明の第6の実施の形態における一次遅れ処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 本発明の第6の実施の形態における傾斜制御処理の動作を示すフローチャートである。 本発明の第6の実施の形態におけるリンクモータ制御処理の動作を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態における車両の構成を示す図、図2は本発明の第1の実施の形態における車両のリンク機構の構成を示す図、図3は本発明の第1の実施の形態における車体傾斜制御システムの構成を示すブロック図である。なお、図1において、(a)は右側面図、(b)は背面図である。
図において、10は、本実施の形態における車両であり、車体の駆動部としての本体部20と、乗員が搭乗して操舵する操舵部としての搭乗部11と、車体の前方において幅方向の中心に配設された前輪である操舵輪としての車輪12Fと、後輪として後方に配設された駆動輪である左側の車輪12L及び右側の車輪12Rとを有する。さらに、車体を左右に傾斜させる、すなわち、リーンさせるためのリーン機構、すなわち、車体傾斜機構として、左右の車輪12L及び12Rを支持するリンク機構30と、該リンク機構30を作動させるアクチュエータである傾斜用アクチュエータ装置としてのリンクモータ25とを有する。なお、前記車両10は、前輪が左右二輪であって後輪が一輪の三輪車であってもよいし、前輪及び後輪が左右二輪の四輪車であってもよいが、本実施の形態においては、図に示されるように、前輪が一輪であって後輪が左右二輪の三輪車である場合について説明する。
旋回時には、左右の車輪12L及び12Rの路面18に対する角度、すなわち、キャンバ角を変化させるとともに、搭乗部11及び本体部20を含む車体を旋回内輪側へ傾斜させることによって、旋回性能の向上と乗員の快適性の確保とを図ることができるようになっている。すなわち、前記車両10は車体を横方向(左右方向)にも傾斜させることができる。なお、図に示される例においては、左右の車輪12L及び12Rは路面18に対して直立している、すなわち、キャンバ角が0度になっている。
前記リンク機構30は、左側の車輪12L及び該車輪12Lに駆動力を付与する電気モータ等から成る左側の回転駆動装置51Lを支持する左側の縦リンクユニット33Lと、右側の車輪12R及び該車輪12Rに駆動力を付与する電気モータ等から成る右側の回転駆動装置51Rを支持する右側の縦リンクユニット33Rと、左右の縦リンクユニット33L及び33Rの上端同士を連結する上側の横リンクユニット31Uと、左右の縦リンクユニット33L及び33Rの下端同士を連結する下側の横リンクユニット31Dと、本体部20に上端が固定され、上下に延在する中央縦部材21とを有する。また、左右の縦リンクユニット33L及び33Rと上下の横リンクユニット31U及び31Dとは回転可能に連結されている。さらに、上下の横リンクユニット31U及び31Dは、その中央部で中央縦部材21と回転可能に連結されている。なお、左右の車輪12L及び12R、左右の回転駆動装置51L及び51R、左右の縦リンクユニット33L及び33R、並びに、上下の横リンクユニット31U及び31Dを統合的に説明する場合には、車輪12、回転駆動装置51、縦リンクユニット33及び横リンクユニット31として説明する。
そして、駆動用アクチュエータ装置としての前記回転駆動装置51は、いわゆるインホイールモータであって、固定子としてのボディが縦リンクユニット33に固定され、前記ボディに回転可能に取り付けられた回転子としての回転軸が車輪12の軸に接続され、前記回転軸の回転によって車輪12を回転させる。なお、前記回転駆動装置51は、インホイールモータ以外の種類のモータであってもよい。
また、前記リンクモータ25は、電気モータ等を含む回転式の電動アクチュエータであって、固定子としての円筒状のボディと、該ボディに回転可能に取り付けられた回転子としての回転軸とを備えるものであり、前記ボディが取付フランジ22を介して本体部20に固定され、前記回転軸がリンク機構30の上側の横リンクユニット31Uに固定されている。なお、リンクモータ25の回転軸は、本体部20を傾斜させる傾斜軸として機能し、中央縦部材21と上側の横リンクユニット31Uとの連結部分の回転軸と同軸になっている。そして、リンクモータ25を駆動して回転軸をボディに対して回転させると、本体部20及び該本体部20に固定された中央縦部材21に対して上側の横リンクユニット31Uが回動し、リンク機構30が作動する、すなわち、屈伸する。これにより、本体部20を傾斜させることができる。なお、リンクモータ25は、その回転軸が本体部20及び中央縦部材21に固定され、そのボディが上側の横リンクユニット31Uに固定されていてもよい。
なお、リンクモータ25は、回転軸をボディに対して回転不能に固定する図示されないロック機構を備える。該ロック機構は、メカニカルな機構であって、回転軸をボディに対して回転不能に固定している間には電力を消費しないものであることが望ましい。前記ロック機構によって、回転軸をボディに対して所定の角度で回転不能に固定することができる。
前記搭乗部11は、本体部20の前端に図示されない連結部を介して連結される。該連結部は、搭乗部11と本体部20とを所定の方向に相対的に変位可能に連結する機能を有していてもよい。
また、前記搭乗部11は、座席11a、フットレスト11b及び風よけ部11cを備える。前記座席11aは、車両10の走行中に乗員が着座するための部位である。また、前記フットレスト11bは、乗員の足部を支持するための部位であり、座席11aの前方側(図1(a)における右側)下方に配設される。
さらに、搭乗部11の後方若しくは下方又は本体部20には、図示されないバッテリ装置が配設されている。該バッテリ装置は、回転駆動装置51及びリンクモータ25のエネルギ供給源である。また、搭乗部11の後方若しくは下方又は本体部20には、図示されない制御装置、インバータ装置、各種センサ等が収納されている。
そして、座席11aの前方には、操縦装置41が配設されている。該操縦装置41には、操舵装置としてのハンドルバー41a、速度メータ等のメータ、インジケータ、スイッチ等の操縦に必要な部材が配設されている。乗員は、前記ハンドルバー41a及びその他の部材を操作して、車両10の走行状態(例えば、進行方向、走行速度、旋回方向、旋回半径等)を指示する。なお、乗員が要求する車体の要求旋回量を検出するための手段である操舵装置として、ハンドルバー41aに代えて他の装置、例えば、ステアリングホイール、ジョグダイヤル、タッチパネル、押しボタン等の装置を操舵装置として使用することもできる。
なお、車輪12Fは、サスペンション装置(懸架装置)の一部である前輪フォーク17を介して搭乗部11に接続されている。前記サスペンション装置は、例えば、一般的なオートバイ、自転車等において使用されている前輪用のサスペンション装置と同様の装置であり、前記前輪フォーク17は、例えば、スプリングを内蔵したテレスコピックタイプのフォークである。そして、一般的なオートバイ、自転車等の場合と同様に、乗員によるハンドルバー41aの操作に応じて操舵輪としての車輪12Fは舵角を変化させ、これにより、車両10の進行方向が変化する。
具体的には、前記ハンドルバー41aは、図示されない操舵軸部材の上端に接続され、操舵軸部材の下端には前輪フォーク17の上端が接続されている。前記操舵軸部材は、上端が下端よりも後方に位置するように斜めに傾斜した状態で、搭乗部11が備える図示されないフレーム部材に、回転可能に取り付けられている。
本実施の形態において、車両10は横加速度センサ44を有する。該横加速度センサ44は、一般的な加速度センサ、ジャイロセンサ等から成るセンサであって、車両10の横加速度、すなわち、車体の幅方向としての横方向(図1(b)における左右方向)の加速度を検出する。
車両10は、旋回時に車体を旋回内側に傾斜させて安定させるので、車体を傾斜させることによって、旋回時の旋回外側への遠心力と重力とが釣り合うような角度になるように制御される。このような制御を行うことによって、例えば、路面18が進行方向と垂直な方向(進行方向に対する左右方向)に傾斜していたとしても、常に車体を水平に保つことが可能になる。これにより、車体と乗員とには、見かけ上、常に重力が鉛直下向きにかかっていることになり、違和感が低減され、また、車両10の安定性が向上する。
そこで、本実施の形態においては、傾斜する車体の横方向の加速度を検出するために、横加速度センサ44を車体に取り付け、横加速度センサ44の出力がゼロとなるようにフィードバック制御を行う。これにより、旋回時に作用する遠心力と重力とが釣り合う傾斜角まで、車体を傾斜させることができる。また、進行方向と垂直な方向に路面18が傾斜している場合でも、車体が鉛直になる傾斜角となるように制御することができる。
図1に示される例において、横加速度センサ44は搭乗部11の背面に配設されている。また、前記横加速度センサ44は、車体の幅方向の中心、すなわち、車体の縦方向軸線上に位置するように配設されている。
また、本実施の形態における車両10は、制御装置の一部としての車体傾斜制御システムを有する。該車体傾斜制御システムは、一種のコンピュータシステムであり、図3に示されるように、傾斜制御装置として機能する傾斜制御ECU(Electronic Control Unit)46を備える。該傾斜制御ECU46は、プロセッサ等の演算手段、磁気ディスク、半導体メモリ等の記憶手段、入出力インターフェイス等を備え、横加速度センサ44及びリンクモータ25に接続されている。また、前記傾斜制御ECU46は、横加速度センサ44が検出した横加速度に基づいてリンクモータ25を作動させるためのトルク指令値を出力する傾斜制御部47を含む。
該傾斜制御部47は、旋回走行の際には、フィードバック制御を行い、車体の傾斜角度が、横加速度センサ44が検出する横加速度の値がゼロとなるような角度になるように、リンクモータ25を作動させる。つまり、旋回外側への遠心力と重力とが釣り合って、横方向の加速度成分がゼロとなるような角度になるように、車体の傾斜角度を制御する。つまり、横方向の加速度成分の値ゼロを目標値として、車体の傾斜角度を制御する。これにより、車体及び搭乗部11に搭乗している乗員には、車体の縦方向軸線と平行な方向の力が作用することとなる。したがって、車体の安定を維持することができ、また、旋回性能を向上させることができる。また、乗員が違和感を感じることがなく、乗り心地が向上する。
次に、前記構成の車両10の動作について説明する。ここでは、旋回走行時における車体傾斜制御処理の動作についてのみ説明する。
図4は本発明の第1の実施の形態における旋回走行時の車体の傾斜動作を説明する図、図5は本発明の第1の実施の形態における車両の車体傾斜制御処理の動作を示すフローチャートである。
旋回走行が開始されると、車体傾斜制御システムは車体傾斜制御処理を開始する。姿勢制御が行われることで、車両10は、リンク機構30によって、旋回走行時には、図4に示されるように、車体を旋回内側(図において右側)に傾けた状態で旋回する。また、旋回走行時には、旋回外側への遠心力が車体に作用するとともに、車体を旋回内側に傾けたことによって重力の横方向成分が発生する。そして、横加速度センサ44は、前記遠心力と重力の横方向成分との合力を横方向の加速度として検出し、検出値aを横加速度センサ値として傾斜制御部47に出力する。すると、該傾斜制御部47は、フィードバック制御を行い、検出値aの値がゼロとなるような制御値をリンクモータ25に出力する。
なお、車体傾斜制御処理は、車両10の電源が投入されている間、車体傾斜制御システムによって繰り返し所定の制御周期TS (例えば、5〔ms〕)で実行される処理であり、旋回時において、旋回性能の向上と乗員の快適性の確保とを図る処理である。
傾斜制御部47は、まず、横加速度センサ値aを取得する(ステップS1)。
続いて、傾斜制御部47は、aold 呼出を行う(ステップS2)。aold は、前回の車体傾斜制御処理実行時に保存された横加速度センサ値aである。なお、初期設定においては、aold =0とされている。
続いて、傾斜制御部47は、制御周期TS を取得し(ステップS3)、aの微分値を算出する(ステップS4)。ここで、aの微分値をda/dtとすると、該da/dtは次の式(1)によって算出される。
da/dt=(a−aold )/TS ・・・式(1)
そして、傾斜制御部47は、aold =aとして保存する(ステップS5)。つまり、今回の車体傾斜制御処理実行時に取得した横加速度センサ値aをaold として、記憶手段に保存する。
続いて、傾斜制御部47は、第1制御値UP を算出する(ステップS6)。ここで、比例制御動作の制御ゲイン、すなわち、比例ゲインをCP とすると、第1制御値UP は次の式(2)によって算出される。
P =CP a ・・・式(2)
続いて、傾斜制御部47は、第2制御値UD を算出する(ステップS7)。ここで、微分制御動作の制御ゲイン、すなわち、微分時間をCD とすると、第2制御値UD は次の式(3)によって算出される。
D =CD da/dt ・・・式(3)
続いて、傾斜制御部47は、第3制御値Uを算出する(ステップS8)。該第3制御値Uは、第1制御値UP と第2制御値UD との合計であり、次の式(4)によって算出される。
U=UP +UD ・・・式(4)
最後に、傾斜制御部47は、第3制御値Uをリンクモータトルク指令値としてリンクモータ25へ出力して(ステップS9)、処理を終了する。
このように、本実施の形態においては、旋回走行時には、横加速度センサ44が検出する横加速度の値がゼロとなるように、車体の傾斜角度を制御する。つまり、横方向の加速度成分の値ゼロを目標値として、車体の傾斜角度を制御する。これにより、旋回外側への遠心力と重力とが釣り合うような角度になるように車体の傾斜角度を制御することができ、横方向の加速度成分がゼロとなり、車体及び乗員には車体の縦方向軸線と平行な方向の力が作用する。
したがって、車体の安定を維持することができ、また、旋回性能を向上させることができる。また、乗員が違和感を感じることがなく、乗り心地が向上する。これにより、安定した走行状態を実現することができ、安全性の高い車両10を提供することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
図6は本発明の第2の実施の形態における横加速度センサの検出値が受ける影響を説明する図、図7は本発明の第2の実施の形態における車両の背面を示す図、図8は本発明の第2の実施の形態における車体傾斜制御システムの構成を示すブロック図である。なお、図6において、(a)〜(c)は片側の車輪が落下する状態を示す図、(d)は車両の各部のガタ等の影響を説明する図であり、図7において、(a)は車体が直立している状態を示す図、(b)は車体が傾斜している状態を示す図である。
前記第1の実施の形態においては、単一の横加速度センサ44によって横方向の加速度を検出する場合について説明した。しかし、横加速度センサ44が1つであると、不要加速度成分をも検出してしまうことがある。
例えば、図6(a)〜(c)に示されるように、車両10の走行中、路面18の窪(くぼ)みに左右の車輪12L及び12Rのいずれか一方のみが落下する場合があり得る。この場合、車体が傾斜するので、図6(c)における矢印で示されるように、横加速度センサ44は、周方向に変位し、該周方向の加速度を検出することになる。つまり、遠心力や重力に直接由来しない加速度成分、すなわち、不要加速度成分が検出されてしまう。
また、車両10は、例えば、左右の車輪12L及び12Rのタイヤ部分のように弾性を備え、ばねとして機能する部分を含み、また、各部材の接続部等に不可避的なガタが含まれる。そのため、図6(d)に模式的に示されるように、横加速度センサ44は、不可避的なガタやばねを介して車体に取り付けられていると考えられるので、ガタやばねの変位によって生じる加速度をも不要加速度成分として検出してしまう。
このような不要加速度成分は、車体傾斜制御システムの制御性を悪化させる可能性がある。例えば、車体傾斜制御システムの制御ゲインを大きくすると、不要加速度成分に起因する制御系の振動、発散等が発生するので、応答性を向上させようとしても制御ゲインを大きくすることができなくなってしまう。
そこで、本実施の形態においては、横加速度センサ44が複数であって、互いに異なる高さに配設されている。図7に示される例において、横加速度センサ44は、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bの2つであって、第1横加速度センサ44aと第2横加速度センサ44bとは互いに異なる高さ位置に配設されている。第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bの位置を適切に選択することで、効果的に不要加速度成分を取り除くことができる。
具体的には、図7(a)に示されるように、第1横加速度センサ44aは、搭乗部11の背面において、路面18からの距離、すなわち、高さがL1 の位置に配設されている。また、第2横加速度センサ44bは、搭乗部11の背面又は本体部20の上面において、路面18からの距離、すなわち、高さがL2 の位置に配設されている。なお、L1 >L2 である。そして、旋回走行時に、図7(b)に示されるように、車体を旋回内側(図において右側)に傾けた状態で旋回すると、第1横加速度センサ44aは、横方向の加速度を検出して検出値a1 を出力し、第2横加速度センサ44bは、横方向の加速度を検出して検出値a2 を出力する。なお、車体が傾く際の傾斜運動の中心、すなわち、ロール中心は、厳密には路面18よりわずかに下方に位置するが、実際上は、概略路面18と等しい位置であると考えられる。
前記第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bは、ともに、十分に剛性の高い部材に取り付けられることが望ましい。また、L1 とL2 との差は、小さいと検出値a1 及びa2 の差が小さくなるので、十分に大きいこと、例えば、0.3〔m〕以上、とすることが望ましい。さらに、車体がサスペンション等のばねで支持されている場合、前記第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bは、ともに、いわゆる「ばね上」に配設されることが望ましい。さらに、前記第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bは、ともに、前輪である車輪12Fの車軸と後輪である左右の車輪12L及び12Rの車軸との間に配設されることが望ましい。さらに、前記第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bは、ともに、可能な限り乗員の近くに配設されることが望ましい。さらに、前記第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bは、ともに、上側から観て進行方向に延在する車体の中心軸上に位置すること、すなわち、進行方向に関してオフセットされないことが望ましい。
また、本実施の形態における車体傾斜制御システムは、図8に示されるようになっている。傾斜制御ECU46は、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bが検出した横加速度に基づいて合成横加速度を算出する横加速度演算部48を備える。そして、傾斜制御部47は、横加速度演算部48が算出した横加速度としての合成横加速度に基づいてリンクモータ25を作動させるためのトルク指令値を出力する。
なお、その他の点の構成については、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
次に、本実施の形態における車両10の動作について説明する。ここでは、旋回走行時における車体傾斜制御処理の動作についてのみ説明する。
図9は本発明の第2の実施の形態における力学モデルを示す図、図10は本発明の第2の実施の形態における制御系のブロック図、図11は本発明の第2の実施の形態における横加速度演算処理の動作を示すフローチャート、図12は本発明の第2の実施の形態における車両の車体傾斜制御処理の動作を示すフローチャートである。
図9において、44Aは車体において第1横加速度センサ44aの配設された位置を示す第1センサ位置であり、44Bは車体において第2横加速度センサ44bの配設された位置を示す第2センサ位置である。
第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bが検出してその検出値を出力する加速度は、〈1〉旋回時に車体に作用する遠心力、〈2〉車体を旋回内側に傾けたことによって発生する重力の横方向成分、〈3〉左右の車輪12L及び12Rのいずれか一方のみが路面18の窪みに落下することによる車体の傾斜、ガタやばねの変位等により第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bが周方向に変位することによって生じる加速度、並びに、〈4〉リンクモータ25の作動又はその反作用により第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bが周方向に変位することによって生じる加速度、の4つであると考えられる。これら4つの加速度のうち、前記〈1〉及び〈2〉は、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bの高さ、すなわち、L1 及びL2 と無関係である。一方、前記〈3〉及び〈4〉は、周方向に変位することによって生じる加速度であるから、ロール中心からの距離に比例する、すなわち、概略L1 及びL2 に比例する。
ここで、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bが検出してその検出値を出力する〈3〉の加速度をaX1及びaX2とし、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bが検出してその検出値を出力する〈4〉の加速度をaM1及びaM2とする。また、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bが検出してその検出値を出力する〈1〉の加速度をaT とし、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bが検出してその検出値を出力する〈2〉の加速度をaG とする。なお、前記〈1〉及び〈2〉は、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bの高さと無関係なので、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bの検出値は等しい。
そして、左右の車輪12L及び12Rのいずれか一方のみが路面18の窪みに落下することによる車体の傾斜、ガタやばねの変位等による周方向の変位の角速度をωR とし、その角加速度をωR ’とする。また、リンクモータ25の作動又はその反作用による周方向の変位の角速度をωM とし、その角加速度をωM ’とする。
すると、aX1=L1 ωR ’、aX2=L2 ωR ’、aM1=L1 ωM ’、aM2=L2 ωM ’となる。
また、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bが検出して出力する加速度の検出値をa1 及びa2 とすると、a1 及びa2 は、4つの加速度〈1〉〜〈4〉の合計であるから、次の式(5)及び(6)で表される。
1 =aT +aG +L1 ωR ’+L1 ωM ’ ・・・式(5)
2 =aT +aG +L2 ωR ’+L2 ωM ’ ・・・式(6)
そして、式(5)から式(6)を減算すると、次の式(7)を得ることができる。
1 −a2 =(L1 −L2 )ωR ’+(L1 −L2 )ωM ’ ・・・式(7)
ここで、L1 及びL2 の値は、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bの高さであるから既知である。また、ωM ’の値は、リンクモータ25の角速度ωM の微分値であるから既知である。すると、前記式(7)の右辺においては、第1項のωR ’の値のみが未知であり、他の値はすべて既知である。したがって、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bの検出値a1 及びa2 から、ωR ’の値を得ることが可能である。つまり、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bの検出値a1 及びa2 に基づいて、不要加速度成分を取り除くことができる。
本実施の形態における車体傾斜制御処理では、図10に示されるようなフィードバック制御が行われる。図10において、f1 は後述される式(10)で表される伝達関数である。また、GP は比例制御動作の制御ゲインであり、GD は微分制御動作の制御ゲインであり、sは微分要素である。
車体傾斜制御システムが車体傾斜制御処理を開始すると、横加速度演算部48は、横加速度演算処理を開始し、まず、第1横加速度センサ値a1 を取得するとともに(ステップS11)、第2横加速度センサ値a2 を取得する(ステップS12)。そして、横加速度演算部48は、加速度差Δaを算出する(ステップS13)。該Δaは次の式(8)によって表される。
Δa=a1 −a2 ・・・式(8)
続いて、横加速度演算部48は、ΔL呼出を行うとともに(ステップS14)、L2 呼出を行う(ステップS15)。前記ΔLは次の式(9)によって表される。
ΔL=L1 −L2 ・・・式(9)
続いて、横加速度演算部48は、合成横加速度aを算出する(ステップS16)。なお、合成横加速度aは、前記第1の実施の形態のように、横加速度センサ44が1つである場合における横加速度センサ値aに相当する値であって、第1横加速度センサ値a1 と第2横加速度センサ値a2 とを合成した値であり、次の式(10)及び(11)によって得られる。
a=a2 −(L2 /ΔL)Δa ・・・式(10)
a=a1 −(L1 /ΔL)Δa ・・・式(11)
理論上は、式(10)によっても式(11)によっても、同じ値を得ることができるが、周方向の変位によって生じる加速度はロール中心からの距離に比例するので、実際上は、ロール中心により近い方の横加速度センサ44、すなわち、第2横加速度センサ44bの検出値であるa2 を基準にすることが望ましい。そこで、本実施の形態においては、式(10)によって合成横加速度aを算出することとする。
最後に、横加速度演算部48は、傾斜制御部47へ合成横加速度aを送出して(ステップS17)、横加速度演算処理を終了する。
また、傾斜制御部47は、車体傾斜制御処理を開始し、まず、横加速度演算部48から合成横加速度aを受信する(ステップS21)。
続いて、傾斜制御部47は、aold 呼出を行う(ステップS22)。aold は、前回の車体傾斜制御処理実行時に保存された合成横加速度aである。なお、初期設定においては、aold =0とされている。
これ以降の動作、すなわち、図12に示されるステップS23〜S29の動作は、前記第1の実施の形態において説明したステップS3〜S9の動作と同様であるので、その説明を省略する。
このように、本実施の形態においては、第1横加速度センサ44aと第2横加速度センサ44bとを互いに異なる高さ位置に配設し、第1横加速度センサ値a1 と第2横加速度センサ値a2 とを合成した合成横加速度aを算出し、該合成横加速度aの値がゼロとなるように、車体の傾斜角度を制御する。つまり、合成横加速度aの値ゼロを目標値として、車体の傾斜角度を制御する。
これにより、不要加速度成分を取り除くことができるので、路面状況の影響を受けることがなく、制御系の振動、発散等の発生を防止することができ、車体傾斜制御システムの制御ゲインを大きくして制御の応答性を向上させることができる。
なお、本実施の形態においては、横加速度センサ44が2つである場合について説明したが、横加速度センサ44は、複数であって互いに異なる高さに配設されていれば、3つ以上であってもよく、いくつであってもよい。
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1及び第2の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1及び第2の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
図13は本発明の第3の実施の形態における車両の背面を示す図である。なお、図において、(a)は車体が直立している状態を示す図、(b)は車体が傾斜している状態を示す図である。
本実施の形態における車両10は、リンク機構30を有しておらず、本体部20と搭乗部11とが、ロール軸20aを中心に、ロール方向に揺動可能に連結され、傾斜用アクチュエータ装置としてのリンクモータ25を回転させることによって、図13(b)に示されるように、本体部20に対して搭乗部11を揺動させてロールさせる、すなわち、傾斜させることができる。前記ロール軸20aは、本体部20に対して搭乗部11が揺動してロールする動作の中心、すなわち、ロール中心である。なお、車体の進行方向に延在するリンクモータ25の回転軸を、前記ロール軸20aと一致させるようにしてもよい。
旋回時にも、左右の車輪12L及び12Rの路面18に対する角度、すなわち、キャンバ角は変化せず、搭乗部11を前輪である車輪12Fとともに、本体部20に対して揺動させ、旋回内輪側へ傾斜させることによって、旋回性能の向上と乗員の快適性の確保とを図ることができるようになっている。なお、図に示される例においては、直進時も旋回時も、左右の車輪12L及び12Rは路面18に対して直立している、すなわち、キャンバ角が0度になっている。
その他の点の構成については、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
なお、横加速度センサ44は、前記第2の実施の形態と同様に、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bを含み、前記第1横加速度センサ44aと第2横加速度センサ44bとは互いに異なる高さ位置に配設されている。
本実施の形態においては、搭乗部11が傾く際の傾斜運動の中心、すなわち、ロール中心はロール軸20aと一致する。そこで、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bの高さL1 及びL2 は、ロール軸20aからの距離として設定される。
前記第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bは、ロール軸20aの上側又は下側に、両者ともに配設されることが望ましい。また、前記第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bの一方は、できる限りロール軸20aに近接した位置に配設されることが望ましい。
横加速度センサ44について、その他の点は、前記第2の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。また、車体傾斜制御システムについても、前記第2の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。さらに、本実施の形態における車両10の動作についても、前記第2の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、第1〜第3の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1〜第3の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
図14は本発明の第4の実施の形態における車体傾斜制御システムの構成を示すブロック図である。
前記第2及び第3の実施の形態においては、2つの横加速度センサ44、すなわち、第1横加速度センサ44aと第2横加速度センサ44bとによって横方向の加速度を検出する場合について説明した。しかし、横方向の加速度を検出可能なセンサであれば、加速度センサ以外の種類のセンサを使用することもできる。なお、横方向の加速度を検出可能なセンサとは、加速度センサのように加速度を直接的に検出するセンサのみならず、速度センサのように検出値を微分して加速度を得ることが可能なセンサ、すなわち、加速度を間接的に検出するセンサをも含むものである。
本実施の形態においては、前記第2横加速度センサ44bに代えて、加速度を間接的に検出するセンサとしてのロールレートセンサ44cを使用する例について説明する。なお、該ロールレートセンサ44cは、車体の傾斜運動の角速度を検出する一般的なロールレートセンサであって、例えば、ジャイロセンサを、地面と垂直方向の面内での回転角速度を検出することができるように取り付けたものである。
本実施の形態における車体傾斜制御システムは、図14に示されるようになっている。傾斜制御ECU46には、第1横加速度センサ44a及びロールレートセンサ44cが接続されている。そして、横加速度演算部48は、ロールレートセンサ44cが検出した車体の傾斜運動の角速度の微分値及び第1横加速度センサ44aが検出した横加速度に基づいて合成横加速度を算出する。そして、傾斜制御部47は、横加速度演算部48が算出した横加速度としての合成横加速度に基づいてリンクモータ25を作動させるためのトルク指令値を出力する。
なお、その他の点の構成については、前記第2及び第3の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
次に、本実施の形態における車両10の動作について説明する。ここでは、旋回走行時における車体傾斜制御処理の動作についてのみ説明する。
図15は本発明の第4の実施の形態における力学モデルを示す図、図16は本発明の第4の実施の形態における横加速度演算処理の動作を示すフローチャートである。
図15において、44Aは車体において第1横加速度センサ44aの配設された位置を示す第1センサ位置であり、44Cは車体においてロールレートセンサ44cの配設された位置を示す第2センサ位置である。また、ω1 は、ロールレートセンサ44cが検出した車体の傾斜運動の角速度の値、すなわち、ロールレートセンサ値である。
なお、ロールレートセンサ44cは、任意の高さ位置に取り付けることができる。図に示される例においては、第1横加速度センサ44aよりも低い位置に取り付けられているが、第1横加速度センサ44aと同じ高さ位置に取り付けられていてもよいし、第1横加速度センサ44aよりも高い位置に取り付けられていてもよい。
もっとも、ロールレートセンサ44cは、第1横加速度センサ44aと同様に、十分に剛性の高い部材に取り付けられることが望ましい。また、車体がサスペンション等のばねで支持されている場合、ロールレートセンサ44cは、第1横加速度センサ44aと同様に、いわゆる「ばね上」に配設されることが望ましい。さらに、ロールレートセンサ44cは、第1横加速度センサ44aと同様に、前輪である車輪12Fの車軸と後輪である左右の車輪12L及び12Rの車軸との間に配設されることが望ましい。さらに、ロールレートセンサ44cは、第1横加速度センサ44aと同様に、可能な限り乗員の近くに配設されることが望ましい。それ以外の点について、ロールレートセンサ44cは、車体の傾斜運動、すなわち、ロールを検出可能な位置であれば、いかなる位置に取り付けられていてもよい。
なお、第1横加速度センサ44aとロールレートセンサ44cとは互いに異なるセンサなので、両者の応答特性を、あらかじめ、理論的又は実験的に合わせておく必要がある。例えば、どちらかの等価モデルの時定数が小さい(速い)場合、時定数が大きい方の出力と同等の時定数となるようにフィルタ等で調整することになる。
本実施の形態において、車体傾斜制御システムが車体傾斜制御処理を開始すると、横加速度演算部48は、横加速度演算処理を開始し、まず、横加速度センサ値としての第1横加速度センサ値a1 を取得するとともに(ステップS31)、ロールレートセンサ値ω1 を取得する(ステップS32)。
続いて、横加速度演算部48は、ωold 呼出を行う(ステップS33)。ωold は、前回の車体傾斜制御処理実行時に保存されたロールレートセンサ値ω1 である。なお、初期設定においては、ωold =0とされている。
続いて、横加速度演算部48は、制御周期TS を取得し(ステップS34)、ω1 の微分値を算出する(ステップS35)。ここで、ω1 の微分値をΔω1 とすると、該Δω1 は次の式(12)によって算出される。
Δω1 =(ω1 −ωold )/TS ・・・式(12)
続いて、横加速度演算部48は、L1 呼出を行う(ステップS36)。
そして、横加速度演算部48は、合成横加速度aを算出する(ステップS37)。なお、該合成横加速度aは、前記第1の実施の形態のように、横加速度センサ44が1つである場合における横加速度センサ値aに相当する値であって、第1横加速度センサ値a1 とロールレートセンサ値ω1 の微分値Δω1 とを合成した値であり、次の式(13)によって得られる。
a=a1 −L1 Δω1 ・・・式(13)
最後に、横加速度演算部48は、傾斜制御部47へ合成横加速度aを送出して(ステップS38)、横加速度演算処理を終了する。
なお、傾斜制御部47による車体傾斜制御処理の動作については、前記第2の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
このように、本実施の形態においては、横方向の加速度を検出可能な複数のセンサのうちの1つとしてロールレートセンサ44cを採用しているので、高さ方向に関するロールレートセンサ44cの取付位置の自由度が高くなり、車両10の設計自由度を高くすることができる。
なお、本実施の形態においては、前記第2及び第3の実施の形態における第2横加速度センサ44bに代えてロールレートセンサ44cを使用する例についてのみ説明したが、第1横加速度センサ44aに代えてロールレートセンサ44cを使用することもできる。また、車両10は、第2の実施の形態における車両10のようにリンク機構30を有するものであってもよいし、第3の実施の形態における車両10のようにリンク機構30を有していないものであってもよい。
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。なお、第1〜第4の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1〜第4の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
図17は本発明の第5の実施の形態における車両の構成を示す右側面図、図18は本発明の第5の実施の形態における車体傾斜制御システムの構成を示すブロック図である。
前記第2の実施の形態において説明したように、第1横加速度センサ44aと第2横加速度センサ44bとを互いに異なる高さ位置に配設し、第1横加速度センサ値a1 と第2横加速度センサ値a2 とを合成した合成横加速度aを算出し、該合成横加速度aの値がゼロとなるように、車体の傾斜角度を制御することによって、車体傾斜制御システムの制御ゲインを大きくして制御の応答性を向上させることができる。
しかし、制御ゲインをあまり大きくすると、車体傾斜制御システムが外乱に過度に反応して乗員に不快感をもたらすことがある。一方で、制御ゲインが小さいと、旋回開始時又は終了時のように横加速度が大きく変化するときに、制御の遅れが発生し、適正な傾斜角を実現することができないことがある。
そこで、本実施の形態においては、要求旋回量及び車速から横加速度予測値を算出し、算出した横加速度予測値を使用したフィードフォワード制御を加えることによって、車体傾斜制御システムの応答性を向上させるようになっている。また、取得した要求旋回量にローパスフィルタをかける、具体的には、車速によってカットオフ周波数を変化させるローパスフィルタをかけることにより、高速走行時の安定性を確保することができる。
本実施の形態における車両10は、図17に示されるように、要求旋回量を検出する要求旋回量検出手段としての操舵角センサ53、及び、車両10の走行速度である車速を検出する車速検出手段としての車速センサ54を有する。また、前輪である車輪12Fの車軸と後輪である左右の車輪12L及び12Rの車軸との距離、すなわち、ホイールベースはLH である。
前記操舵角センサ53は、ハンドルバー41aと前輪フォーク17の上端とを接続する図示されない操舵軸部材の、搭乗部11が備えるフレーム部材に対する回転角度、すなわち、操舵角の変化を検出するセンサであり、例えば、エンコーダ等から成る。そして、前記操舵角センサ53によって、ハンドルバー41aの操舵量、すなわち、要求旋回量としての操舵装置の操舵量を検出することができる。
また、前記車速センサ54は、車輪12Fの車軸を支持する前輪フォーク17の下端に配設され、車輪12Fの回転速度に基づいて車速を検出するセンサであり、例えば、エンコーダ等から成る。
さらに、本実施の形態における車体傾斜制御システムは、図18に示されるようになっている。傾斜制御ECU46は、操舵角センサ53が検出した操舵角、及び、車速センサ54が検出した車速に基づいて車体に作用する横加速度予測値を算出する横加速度推定部49を備える。そして、傾斜制御部47は、横加速度演算部48が算出した合成横加速度と、横加速度推定部49が算出した横加速度予測値とに基づいてリンクモータ25を作動させるためのトルク指令値を出力する。
なお、その他の点の構成については、前記第2の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
次に、本実施の形態における車両10の動作について説明する。ここでは、旋回走行時における車体傾斜制御処理の動作についてのみ説明する。
図19は本発明の第5の実施の形態における制御系のブロック図、図20は本発明の第5の実施の形態における操舵による横加速度を説明するモデルを示す図、図21は本発明の第5の実施の形態における横加速度推定処理の動作を示すフローチャート、図22は本発明の第5の実施の形態におけるフィルタ処理のサブルーチンを示すフローチャート、図23は本発明の第5の実施の形態における車両の車体傾斜制御処理の動作を示すフローチャートである。
本実施の形態における車体傾斜制御処理では、図19に示されるようなフィードバック制御とフィードフォワード制御とを組み合わせた制御が行われる。図19において、点線より下の部分については、前記第2の実施の形態において説明した図10に示されるフィードバック制御と同様であるので、その説明を省略する。
そして、点線より上の部分がフィードフォワード制御を示している。ここで、f2 は後述される式(20)で表される伝達関数である。また、Gydは微分制御動作の制御ゲインであり、sは微分要素である。
車体傾斜制御システムが車体傾斜制御処理を開始すると、横加速度演算部48は横加速度演算処理を実行する。なお、本実施の形態における横加速度演算処理の動作は、前記第2の実施の形態において説明した横加速度演算処理の動作、すなわち、図11に示されるステップS11〜S17の動作と同様であるので、その説明を省略する。
また、横加速度推定部49は横加速度推定処理を開始する。横加速度推定部49は、まず、操舵角センサ53が検出した操舵角の値である操舵角センサ値θを取得するとともに(ステップS41)、車速センサ54が検出した車速の値である車速センサ値νを取得する(ステップS42)。
そして、横加速度推定部49は、θに対してフィルタ処理を実行し(ステップS43)、Ψ(t)を算出する。Ψ(t)は、速度によるカットオフ周波数可変ローパスフィルタによってフィルタ処理された操舵角である。
ここで、図20に示されるように、操舵角がΨであり、旋回半径がrであるとすると、車速ν及び旋回時に車体に作用する横加速度としての遠心力a0 は次の式(14)及び(15)によって表される。
ν=rw ・・・式(14)
0 =rw2 ・・・式(15)
なお、wは旋回角速度である。
そして、前記式(14)及び(15)から、旋回時に車体に作用する遠心力a0 は次の式(16)によって表される。
0 =ν2 /r ・・・式(16)
また、図20から、旋回半径rは次の式(17)によって表される。
r=LH /tan Ψ ・・・式(17)
そして、前記式(16)及び(17)から、次の式(18)が導出される。
0 =(ν2 /LH )tan Ψ ・・・式(18)
フィルタ処理において、横加速度推定部49は、まず、制御周期TS を取得する(ステップS43−1)。なお、制御周期TS については、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
続いて、横加速度推定部49は、カットオフ周波数w(ν)を算出する(ステップS43−2)。w(ν)は、速度別のカットオフ周波数であり、入力が車速νであって出力がカットオフ周波数となる関数である。例えば、車速に反比例する関数であるが、いかなる関数であってもよい。なお、入力である車速νと出力であるカットオフ周波数との関係を示すテーブルをあらかじめ作成し、該テーブルを参照することによって、演算を行うことなく、カットオフ周波数w(ν)を取得することもできる。
続いて、横加速度推定部49は、Ψold 呼出を行う(ステップS43−3)。Ψold は、前回の車体傾斜制御処理実行時に保存されたΨ(t)の値である。なお、初期設定においては、Ψold =0とされている。
続いて、横加速度推定部49は、フィルタ処理された操舵角Ψ(t)を算出する(ステップS43−4)。Ψ(t)は、次の式(19)によって算出される。
Ψ(t)=Ψold /(1+TS w(ν))+TS w(ν)θ/(1+TS w(ν))
・・・式(19)
該式(19)は、バンドパスフィルタとして一般的に使用されるIIR(Infinite Impulse Response)フィルタの式であり、一次遅れ系のローパスフィルタであるカットオフ周波数可変ローパスフィルタを表している。
そして、横加速度推定部49は、Ψold =Ψ(t)として保存し(ステップS43−5)、フィルタ処理を終了する。つまり、今回の車体傾斜制御処理実行時に算出したΨ(t)の値をΨold として、記憶手段に保存する。
続いて、横加速度推定部49は、LH 呼出を行い(ステップS44)、横加速度予測値af を算出する(ステップS45)。横加速度予測値af は、前記式(18)に基づき、次の式(20)によって算出される。
f =ν2 tan{Ψ(t)}/LH ・・・式(20)
該式(20)は、ハンドルバー41aの操舵によって生じる横加速度、すなわち、旋回走行によって生じる遠心力を表している。
最後に、横加速度推定部49は、傾斜制御部47へ横加速度予測値af を送出して(ステップS46)、横加速度推定処理を終了する。
また、傾斜制御部47は、車体傾斜制御処理を開始し、まず、横加速度演算部48から合成横加速度aを受信する(ステップS51)。なお、該合成横加速度aを受信してから第3制御値Uを算出するまでの動作、すなわち、図23に示されるステップS51〜S58の動作は、前記第2の実施の形態において説明したステップS21〜S28の動作と同様であるので、その説明を省略する。
第3制御値Uを算出すると、傾斜制御部47は、横加速度推定部49から横加速度予測値af を受信する(ステップS59)。
続いて、傾斜制御部47は、afold呼出を行う(ステップS60)。afoldは、前回の車体傾斜制御処理実行時に保存された横加速度予測値af である。なお、初期設定においては、afold=0とされている。
続いて、傾斜制御部47は、af の微分値を算出する(ステップS61)。ここで、af の微分値をdaf /dtとすると、該daf /dtは次の式(21)によって算出される。
daf /dt=(af −afold)/TS ・・・式(21)
そして、傾斜制御部47は、afold=af として保存する(ステップS62)。つまり、今回の車体傾斜制御処理実行時に取得した横加速度予測値af をafoldとして、記憶手段に保存する。
続いて、傾斜制御部47は、第4制御値UfDを算出する(ステップS63)。ここで、微分制御動作の制御ゲインをCfDとすると、第4制御値UfDは次の式(22)によって算出される。
fD=CfDdaf /dt ・・・式(22)
続いて、傾斜制御部47は、第5制御値Uを算出する(ステップS64)。該第5制御値Uは、第3制御値Uと第4制御値UfDとの合計であり、次の式(23)によって算出される。
U=U+UfD ・・・式(23)
最後に、傾斜制御部47は、第5制御値Uをリンクモータトルク指令値としてリンクモータ25へ出力して(ステップS65)、処理を終了する。
このように、本実施の形態においては、第1横加速度センサ44aと第2横加速度センサ44bとを互いに異なる高さ位置に配設し、第1横加速度センサ値a1 と第2横加速度センサ値a2 とを合成した合成横加速度aを算出し、該合成横加速度aの値がゼロとなるようにフィードバック制御を行うとともに、要求旋回量及び車速から横加速度予測値af を算出し、算出した横加速度予測値af を使用したフィードフォワード制御を行う。
これにより、旋回時における車体の傾斜角を横加速度と重力とが釣り合うような角度に適切に制御することができる。また、路面18が横方向に傾斜していても、車体を鉛直に保つことができる。さらに、旋回開始時及び終了時のように、横加速度の変化が大きいときであっても、制御に遅れが発生することがない。このため、車両10の安定性を高く保つことができ、乗員の違和感を低減し、快適性を向上させることができる。
また、取得した要求旋回量に、車速によってカットオフ周波数を変化させるローパスフィルタをかけることにより、高速走行時の安定性を確保することができる。
なお、本実施の形態においては、第1横加速度センサ44a及び第2横加速度センサ44bを使用し、第1横加速度センサ値a1 と第2横加速度センサ値a2 とを合成して合成横加速度aを算出する例についてのみ説明したが、前記第4の実施の形態において説明したように、第1横加速度センサ44a又は第2横加速度センサ44bのいずれか一方に代えてロールレートセンサ44cを使用し、第1横加速度センサ値a1 又は第2横加速度センサ値a2 とロールレートセンサ値ω1 の微分値Δω1 とを合成して合成横加速度aを算出するようにしてもよい。
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。なお、第1〜第5の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1〜第5の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
図24は本発明の第6の実施の形態における車体傾斜制御システムの構成を示すブロック図である。
前記第5の実施の形態において説明したように、第1横加速度センサ値a1 と第2横加速度センサ値a2 とを合成した合成横加速度aを算出し、該合成横加速度aの値がゼロとなるようにフィードバック制御を行うとともに、要求旋回量及び車速から横加速度予測値af を算出し、算出した横加速度予測値af を使用したフィードフォワード制御を行うことによって、路面18が横方向に傾斜していても、車体を鉛直に保つことができ、また、旋回開始時及び終了時のように、横加速度の変化が大きいときであっても、制御に遅れが発生することがない。
しかし、操舵角センサ53によってハンドルバー41aの操舵量を検出する場合、操舵角センサ53が検出する操舵量のゼロ点を調整して、ハンドルバー41aの中立状態、すなわち、車両10の直進状態に合わせる必要がある。そのため、操舵角センサ53の初期設定を行う必要がある。
そこで、本実施の形態においては、操舵角速度を使用してフィードフォワード制御を行うことによって、ゼロ点の検出が不要となるので、安価な操舵角センサ53を使用することができ、操舵角センサ53の初期設定が不要となるので、車両10の製造及び保守のコストを低減することができるようになっている。また、車速に応じて横加速度予測値af のゲイン特性及び遅れ特性を可変にすることによって、高速走行時における制御の追従性を向上させることができる。
本実施の形態における車体傾斜制御システムでは、図に示されるように、傾斜制御ECU46は、横加速度推定部49の代わりにリンク角速度推定部50を備えるとともに、横加速度演算部48及び傾斜制御部47に加えて、外乱演算部43及びリンクモータ制御部42を備える。
そして、前記リンク角速度推定部50は、操舵角センサ53が検出した操舵角、及び、車速センサ54が検出した車速に基づいてリンク角速度予測値を算出する。また、前記外乱演算部43は、ロールレートセンサ44cが検出した車体の傾斜運動の角速度の値、すなわち、ロールレートセンサ値と、リンク角センサ25aが検出したリンク角とに基づいて外乱分のロールレートを算出する。
なお、前記リンク角センサ25aは、リンクモータ25においてボディに対する回転軸の回転角を検出する回転角センサであって、例えば、レゾルバ、エンコーダ等から成る。前述のように、リンクモータ25を駆動して回転軸をボディに対して回転させると、本体部20及び該本体部20に固定された中央縦部材21に対して上側の横リンクユニット31Uが回動するのであるから、ボディに対する回転軸の回転角を検出することによって、中央縦部材21に対する上側の横リンクユニット31Uの角度の変化、すなわち、リンク角の変化を検出することができる。
本実施の形態において、傾斜制御部47は、横加速度演算部48が算出した合成横加速度、リンク角速度推定部50が算出したリンク角速度予測値、及び、外乱演算部43が算出した外乱分のロールレートに基づいて、制御値としての速度指令値を演算して出力する。また、前記リンクモータ制御部42は、傾斜制御部47が出力した速度指令値に基づいてリンクモータ25を作動させるための制御値としてのトルク指令値を出力する。
なお、その他の点の構成については、前記第5の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
次に、本実施の形態における車両10の動作について説明する。ここでは、旋回走行時における車体傾斜制御処理の動作についてのみ説明する。
図25は本発明の第6の実施の形態における制御系のブロック図、図26は本発明の第6の実施の形態における車体リンク角を説明するモデルを示す図、図27は本発明の第6の実施の形態におけるヨーレートの時定数の変化を説明するグラフを示す図、図28は本発明の第6の実施の形態におけるリンク角速度推定処理の動作を示すフローチャート、図29は本発明の第6の実施の形態における操舵角の微分処理のサブルーチンを示すフローチャート、図30は本発明の第6の実施の形態における一次遅れ処理のサブルーチンを示すフローチャート、図31は本発明の第6の実施の形態における傾斜制御処理の動作を示すフローチャート、図32は本発明の第6の実施の形態におけるリンクモータ制御処理の動作を示すフローチャートである。
本実施の形態における車体傾斜制御処理では、図25に示されるようなフィードバック制御とフィードフォワード制御とを組み合わせた制御が行われる。図25において、f1 は、前記式(10)で表される伝達関数であり、GP 及びGRPは比例制御動作の制御ゲ インであり、sは微分要素である。また、f2 は後述される式(25)で表されるリンク角速度予測値であり、f3 は後述される式(33)で表されるヨーレートゲインであり、f4 はヨーレートの遅れ時定数である。
車体傾斜制御システムが車体傾斜制御処理を開始すると、横加速度演算部48は横加速度演算処理を実行する。なお、本実施の形態における横加速度演算処理の動作は、前記第2の実施の形態において説明した横加速度演算処理の動作、すなわち、図11に示されるステップS11〜S17の動作と同様であるので、その説明を省略する。
また、リンク角速度推定部50はリンク角速度推定処理を開始する。リンク角速度推定部50は、まず、操舵角センサ53が検出した操舵角の値である操舵角センサ値θを取得するとともに(ステップS71)、車速センサ54が検出した車速の値である車速センサ値νを取得する(ステップS72)。
そして、リンク角速度推定部50は、操舵角の微分処理を実行し(ステップS73)、ΔΨを算出する。ΔΨは、操舵角を時間微分した値であり、操舵角速度に相当する。
操舵角の微分処理において、リンク角速度推定部50は、まず、Ψold 呼出を行う(ステップS73−1)。なお、Ψold については、前記第5の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
続いて、リンク角速度推定部50は、制御周期TS を取得する(ステップS73−2)。なお、制御周期TS については、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
続いて、リンク角速度推定部50は、操舵角微分値ΔΨを算出する(ステップS73−3)。ΔΨは、次の式(24)によって算出される。
ΔΨ=(Ψ(t)−Ψold )/TS ・・・式(24)
そして、リンク角速度推定部50は、Ψold =Ψ(t)として保存し(ステップS73−4)、操舵角の微分処理を終了する。
続いて、リンク角速度推定部50は、LH 呼出を行い(ステップS74)、リンク角速度予測値f2 (ΔΨ、ν)を算出する(ステップS75)。ここで、重力をgとすると、リンク角速度予測値f2 (ΔΨ、ν)は、次の式(25)によって算出される。
2 (ΔΨ、ν)=dη/dt=(ν2 /(LH g))(dΨ/dt)・・・式(25)
前述のように、リンク角センサ25aは、中央縦部材21に対する上側の横リンクユニット31Uの角度の変化、すなわち、リンク角の変化を検出する。ここで、リンク角をηとし、旋回時における車体の傾斜角が、横加速度としての遠心力a0 と重力gとが釣り合うように制御されているものとすると、路面18が水平であれば、遠心力a0 と重力gとは、図26に示されるようになり、次の式(26)で表される関係が成立する。
0 cos η=gsin η ・・・式(26)
該式(26)から、次の式(27)が導出される。
0 /g=sin η/cos η=tan η ・・・式(27)
さらに、該式(27)から、次の式(28)が導出される。
0 =gtan η ・・・式(28)
一方、前記第5の実施の形態で説明した図20及び式(17)から、次の式(29)が導出される。
tan Ψ=LH /r ・・・式(29)
該式(29)及び前記第5の実施の形態で説明した式(15)、(16)及び(18)から、次の式(30)が導出される。
0 =rw2 =ν2 /r=(ν2 /LH )tan Ψ ・・・式(30)
そして、前記式(28)及び(30)から、次の式(31)が導出される。
gtan η=(ν2 /LH )tan Ψ ・・・式(31)
さらに、tan η≒η及びtan Ψ≒Ψと近似することができるとともに、車速νの変化がリンク角ηの変化と比較して十分に遅いので、車速νを定数とみなすことができるとすると、前記式(31)から、前記式(25)を得ることができる。
続いて、リンク角速度推定部50は、ヨーレートゲインf3 (ν)を算出する(ステップS76)。
通常、高速走行時にはハンドルバー41aの操舵量が同一でも曲がりにくくなる。つまり、車速νが上昇すると操舵角Ψが同一であっても、横加速度としての遠心力a0 への影響が小さくなる。そこで、本実施の形態においては、操舵角Ψに基づいて計算されたヨーレートの計算値と、実験によって計測された実際のヨーレートの値との比を、ヨーレートゲインf3 (ν)として算出する。
ヨーレート、すなわち、旋回角速度wの理論値は、前記式(30)から、次の式(32)によって算出される。
w=(ν/LH )tan Ψ ・・・式(32)
また、本発明の発明者は、試作した車両10、すなわち、試作車を使用して実験を行い、ヨーレートの値を計測した。試作車では、ホイールベースLH の値は一定であるので、実験では、車速ν及び操舵角Ψを変化させてヨーレートの計測値w(ν、Ψ)を計測した。ここで、前記式(32)で算出されるヨーレートの理論値をwnom (ν、Ψ)とすると、ヨーレートゲインf3 (ν)は、次の式(33)で算出される。
3 (ν)=Gyr(ν)=w(ν、Ψ)/wnom (ν、Ψ) ・・・式(33)
実際には、ヨーレートゲインf3 (ν)の値は、オフラインで決定された一次以上の近似式に基づいて、リアルタイムに算出される。また、ヨーレートゲインf3 (ν)の値は、操舵角Ψに無関係に決まるので、車速νとヨーレートゲインf3 (ν)との関係を示すテーブルをあらかじめ作成し、該テーブルを参照することによって、演算を行うことなく、ヨーレートゲインf3 (ν)を取得することもできる。なお、該ヨーレートゲインf3 (ν)は、車速νによって決まる値なので、リンク角速度予測値f2 (ΔΨ、ν)に直接作用させることができる。
続いて、リンク角速度推定部50は、リンク角速度修正予測値ΔHを算出する(ステップS77)。前述のように、ヨーレートゲインf3 (ν)をリンク角速度予測値f2 (ΔΨ、ν)に直接作用させることによって、リンク角速度修正予測値ΔHは、次の式(34)で算出される。
ΔH=f2 (ΔΨ、ν)f3 (ν) ・・・式(34)
続いて、リンク角速度推定部50は、遅れ時定数f4 (ν)を算出する(ステップS78)。
通常、高速走行時にはハンドルバー41aの操舵量が同一であっても、横加速度としての遠心力a0 が発生するまでの遅れ時間が長くなる。そこで、本実施の形態においては、操舵角Ψに基づいて計算されたヨーレートの計算値と、実験によって計測された実際のヨーレートの値とを時間軸上で比較し、その遅れを車速νによって定式化して遅れ時定数f4 (ν)を算出する。
例えば、図27に示されるように、ヨーレートの計算値と計測された実際のヨーレートの値とから算出した遅れの時定数の値と車速νとの関係を点◆としてプロットし、該点◆によって表される時定数の値と車速νとの関係を線形近似することによって、遅れ時定数f4 (ν)を得ることができる。
実際には、遅れ時定数f4 (ν)の値は、オフラインで決定された一次以上の近似式に基づいて、リアルタイムに算出される。また、車速νに基づいて決定されるテーブルをあらかじめ作成し、該テーブルを参照することによって、演算を行うことなく、遅れ時定数f4 (ν)を取得することもできる。
そして、リンク角速度推定部50は、リンク角速度修正予測値ΔHに対して、一次遅れ処理を実行し(ステップS79)、ΔHout を算出する。
一次遅れ処理において、リンク角速度推定部50は、まず、制御周期TS を取得する(ステップS79−1)。なお、制御周期TS については、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
続いて、リンク角速度推定部50は、カットオフ周波数w(ν)を算出する(ステップS79−2)。w(ν)は、次の式(35)で算出される。
w(ν)=1/f4 (ν) ・・・式(35)
続いて、リンク角速度推定部50は、ΔHoutold呼出を行う(ステップS79−3)。なお、ΔHoutoldは、前回の車体傾斜制御処理実行時に保存されたΔHout (t)の値である。
続いて、リンク角速度推定部50は、フィルタ処理されたΔHout (t)を算出する(ステップS79−4)。ΔHout (t)は、次の式(36)によって算出される。
ΔHout (t)=ΔHoutold/(1+TS w(ν))
+(dη/dt)TS w(ν)/(1+TS w(ν))・・・式(36)
そして、リンク角速度推定部50は、ΔHoutold=ΔHout (t)として保存し(ステップS79−5)、一次遅れ処理を終了する。つまり、今回の車体傾斜制御処理実行時に算出したΔHout (t)の値をΔHoutoldとして、記憶手段に保存する。
最後に、リンク角速度推定部50は、傾斜制御部47へΔHout (t)を送出して(ステップS80)、リンク角速度推定処理を終了する。
また、傾斜制御部47は、車体傾斜制御処理を開始し、まず、横加速度演算部48から合成横加速度aを受信する(ステップS81)。なお、該合成横加速度aを受信してから第3制御値Uを算出するまでの動作、すなわち、図31に示されるステップS81〜S88の動作は、前記第2の実施の形態において説明したステップS21〜S28の動作と同様であるので、その説明を省略する。
第3制御値Uを算出すると、傾斜制御部47は、リンク角速度推定部50からΔHout (t)を受信する(ステップS89)。
続いて、傾斜制御部47は、第4制御値UfDを算出する(ステップS90)。ここで、微分制御動作の制御ゲインをGyDとすると、第4制御値UfDは次の式(37)によって算出される。
fD=GyDΔHout ・・・式(37)
なお、前記微分制御動作の制御ゲインGyDは、正の1以下の任意の値である。
続いて、傾斜制御部47は、第5制御値Uを算出する(ステップS91)。該第5制御値Uは、第3制御値Uと第4制御値UfDとの合計であり、次の式(38)によって算出される。
U=U+UfD ・・・式(38)
最後に、傾斜制御部47は、第5制御値Uを速度指令値としてリンクモータ制御部42へ出力して(ステップS92)、処理を終了する。
また、リンクモータ制御部42は、リンクモータ制御処理を開始すると、まず、傾斜制御部47から第5制御値Uを受信する(ステップS101)。
続いて、リンクモータ制御部42は、リンク角センサ25aが検出したリンク角センサ値ηを取得し(ステップS102)、リンク角速度算出処理を実行して(ステップS103)、リンク機構30のリンク角の角速度Δηを算出する。
また、リンクモータ制御部42は、Δηの値を外乱演算部43から取得することによって、前記ステップS102及びS103の動作を省略することもできる。
続いて、リンクモータ制御部42は、制御誤差を算出する(ステップS104)。ここで、制御誤差をεとすると、該εは、次の式(39)によって算出される。
ε=U−Δη ・・・式(39)
なお、Uは傾斜制御部47から受信した第5制御値Uである。
続いて、リンクモータ制御部42は、モータ制御比例ゲインGMPを取得する(ステップS105)。該モータ制御比例ゲインGMPの値は、実験等に基づいて設定された値であり、あらかじめ記憶手段に格納されている。
続いて、リンクモータ制御部42は、リンクモータ25を作動させるためのトルク指令値を算出する(ステップS106)。ここで、トルク指令値をUT とすると、該UT は次の式(40)によって算出される。
T =GMPε ・・・式(40)
最後に、リンクモータ制御部42は、トルク指令値UT をリンクモータ25へ出力して(ステップS107)、処理を終了する。
このように、本実施の形態においては、要求旋回量の時間微分値に相当する操舵角微分値ΔΨを使用してフィードフォワード制御を行う。これにより、ゼロ点の検出が不要となるので、安価な操舵角センサ53を使用することができるとともに、該操舵角センサ53の初期設定が不要となるので、車両10の製造及び保守のコストを低減することができる。
また、車速νに応じて横加速度予測値af のゲイン特性及び遅れ特性を可変にする。これにより、高速走行時における制御の追従性を向上させることができる。
さらに、本実施の形態においては、従来の技術の問題点を解決する手段として、以下のように、横加速度センサ44が単数の場合も含むものを示すことができる。
互いに連結された操舵部及び駆動部を備える車体と、前記操舵部に回転可能に取り付けられた車輪であって、前記車体を操舵する操舵輪と、前記駆動部に回転可能に取り付けられた車輪であって、前記車体を駆動する駆動輪と、前記操舵部又は駆動部を旋回方向に傾斜させる傾斜用アクチュエータ装置と、前記車体に作用する横加速度を検出する横加速度センサと、乗員が要求する前記車体の要求旋回量を検出する要求旋回量検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、前記傾斜用アクチュエータ装置を制御して前記車体の傾斜を制御する制御装置とを有し、該制御装置は、前記横加速度センサが検出する横加速度に基づくフィードバック制御を行うとともに、前記要求旋回量検出手段が検出する要求旋回量及び前記車速検出手段が検出する車速に基づくフィードフォワード制御を行って前記車体の傾斜を制御する車両。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明は、少なくとも左右一対の車輪を有する車両に利用することができる。
10 車両
11 搭乗部
12F、12L、12R 車輪
20 本体部
25 リンクモータ
44 横加速度センサ
44a 第1横加速度センサ
44b 第2横加速度センサ
44c ロールレートセンサ
53 操舵角センサ
54 車速センサ

Claims (8)

  1. 互いに連結された操舵部及び駆動部を備える車体と、
    前記操舵部に回転可能に取り付けられた車輪であって、前記車体を操舵する操舵輪と、
    前記駆動部に回転可能に取り付けられた車輪であって、前記車体を駆動する駆動輪と、
    前記操舵部又は駆動部を旋回方向に傾斜させる傾斜用アクチュエータ装置と、
    前記車体に作用する横加速度を直接的又は間接的に検出する複数のセンサと、
    乗員が要求する前記車体の要求旋回量を検出する要求旋回量検出手段と、
    車速を検出する車速検出手段と、
    前記傾斜用アクチュエータ装置を制御して前記車体の傾斜を制御する制御装置とを有し、
    該制御装置は、前記複数のセンサが検出する横加速度に基づくフィードバック制御を行うとともに、前記要求旋回量検出手段が検出する要求旋回量及び前記車速検出手段が検出する車速に基づくフィードフォワード制御を行って前記車体の傾斜を制御することを特徴とする車両。
  2. 前記制御装置は、前記要求旋回量の時間微分値及び車速から横加速度予測値を算出し、算出した横加速度予測値を使用したフィードフォワード制御を行う請求項1に記載の車両。
  3. 前記制御装置は、前記横加速度予測値のゲイン特性及び遅れ特性を車速に応じて変化させた値を使用したフィードフォワード制御を行う請求項2に記載の車両。
  4. 前記制御装置は、前記複数のセンサが検出する横加速度を合成した合成横加速度がゼロになるように、前記車体の傾斜を制御する請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両。
  5. 前記複数のセンサは、互いに異なる高さに配設された横加速度センサである請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両。
  6. 前記複数のセンサのうちの1つは、車体の傾斜運動の角速度を検出するロールレートセンサである請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両。
  7. 前記制御装置は、前記要求旋回量及び車速から横加速度予測値を算出し、算出した横加速度予測値を使用したフィードフォワード制御を行う請求項1に記載の車両。
  8. 前記制御装置は、前記要求旋回量に、車速によってカットオフ周波数を変化させるローパスフィルタをかける請求項7に記載の車両。
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