JP2014069639A - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】除湿運転時に空調対象空間へ送風される送風空気の温度調整範囲を拡大する。
【解決手段】冷凍サイクル装置の室内蒸発器20に蓄冷剤を封入した蓄冷剤容器21を一体化させて、蓄冷モード時には、蓄冷剤が冷熱を蓄えることによって室内蒸発器20の着霜の進行を遅らせ、放冷モード時には、室内蒸発器20へ低圧冷媒を流入させないようにして室内蒸発器20の着霜の発生を抑制する。これにより、室外熱交換器15における冷媒蒸発温度を充分に低下させたとしても室内蒸発器20の着霜の発生を容易に抑制しつつ、室内凝縮器12における送風空気の加熱能力を増大させて、除湿運転時における送風空気の温度調整範囲を拡大することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、除湿運転を行う空調装置に適用される冷凍サイクル装置に関する。
従来、特許文献1に、送風空気を冷却して除湿し、除湿された送風空気を再加熱して空調対象空間へ送風する除湿運転を行う車両用の空調装置が開示されている。より詳細には、特許文献1の空調装置は、冷媒回路を切替可能に構成された蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置を備えており、冷凍サイクル装置の室内蒸発器にて送風空気を冷却して除湿し、除湿された送風空気を室内凝縮器にて再加熱することで除湿運転を行っている。
さらに、特許文献1の空調装置では、空調対象空間である車室内の除湿とともに暖房を行う除湿暖房運転時に、冷凍サイクル装置の冷媒回路を、室内蒸発器および室外熱交換器が並列に接続されるように切り替えている。そして、冷媒が室内凝縮器にて送風空気から吸熱した熱および室外熱交換器にて外気から吸熱した熱を室内凝縮器にて送風空気へ放熱させることによって送風空気を再加熱している。
特開平6−341732号公報
ところが、特許文献1の冷凍サイクル装置では、低外気温時に除湿暖房運転を行っても送風空気を車室内暖房に必要とされる温度まで再加熱することができないことがあった。その理由は、特許文献1の冷凍サイクル装置のように、除湿暖房運転時に室内蒸発器および室外熱交換器が並列に接続される冷媒回路構成では、室内蒸発器における冷媒蒸発温度と室外熱交換器における冷媒蒸発温度が一致してしまうからである。
つまり、室内蒸発器における冷媒蒸発温度を、室内蒸発器の着霜(フロスト)を抑制できる温度に調整すると、室外熱交換器における冷媒蒸発温度も同等の温度に調整されてしまうため、低外気温時には室外熱交換器における冷媒蒸発温度と外気温との温度差が縮小してしまう。その結果、冷媒が室外熱交換器にて外気から充分な熱を吸熱できなくなり、室内凝縮器にて送風空気を充分に再加熱することができなくなってしまう。
換言すると、特許文献1に記載の空調装置では、除湿暖房運転時に空調対象空間へ送風される送風空気の温度調整範囲が制限されてしまい、車室内の快適な除湿暖房運転を実現できないことがある。
上記点に鑑み、本発明は、除湿運転を行う空調装置に適用される冷凍サイクル装置において、除湿運転時に空調対象空間へ送風される送風空気の温度調整範囲を拡大することを目的とする。
本発明は、空調対象空間の除湿暖房を行う空調装置に適用される冷凍サイクル装置に蓄冷手段を適用しているという点で、冷凍サイクル装置に適用される蓄冷手段の新たな活用態様を提案するものである。さらに、本発明は、既存の冷凍サイクル構成機器を有効に活用することでサイクルの複雑化を招くことなく、除湿運転時に空調対象空間へ送風される送風空気の温度調整範囲を拡大するという課題を解決する新規な冷凍サイクル装置を提案するものである。
請求項1に記載の発明では、空調装置に適用される冷凍サイクル装置であって、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11)と、圧縮機(11)から吐出された高圧冷媒を熱源として空調対象空間へ送風される送風空気を加熱する加熱用熱交換器(12、12a)と、高圧冷媒を減圧させる減圧手段(14)と、減圧手段(14)から流出した冷媒と外気とを熱交換させる室外熱交換器(15)と、室外熱交換器(15)から流出した冷媒を、加熱用熱交換器(12、12a)通過前の送風空気と熱交換させて蒸発させる蒸発器(20)と、減圧手段(14)の出口側から圧縮機(11)の吸入側へ至る冷媒流路を流れる低圧側冷媒の有する冷熱を蓄えるとともに、冷熱にて加熱用熱交換器(12、12a)通過前の送風空気を冷却する蓄冷手段(21)と、室外熱交換器(15)から流出した冷媒を、蒸発器(20)を迂回させて圧縮機(11)の吸入側へ導くバイパス通路(17)と、室外熱交換器(15)から流出した冷媒のうち、蒸発器(20)へ流入する冷媒流量およびバイパス通路(17)へ流入する冷媒流量を調整する流量調整手段(16、18)とを備えることを特徴とする。
これによれば、蓄冷手段(21)が充分に冷熱を蓄えるまでは、流量調整手段(16、18)が、室外熱交換器(15)から流出した冷媒を主に蒸発器(20)側へ流入させることで、蒸発器(20)にて冷媒が蒸発する際の吸熱作用によって送風空気を冷却して除湿し、除湿された送風空気を加熱用熱交換器(12、12a)にて再加熱する除湿運転を実現できる。
この際、加熱用熱交換器(12、12a)にて送風空気を充分に加熱できるように、室外熱交換器(15)における低圧側冷媒の冷媒蒸発温度を蒸発器(20)に着霜が生じる得る温度まで低下させたとしても、蓄冷手段(21)が冷熱を蓄えることによって、蒸発器(20)の着霜の進行を遅らせることができる。
一方、蓄冷手段(21)が充分に冷熱を蓄えた後は、流量調整手段(16、18)が、室外熱交換器(15)から流出した冷媒を主にバイパス通路(17)側へ流入させることで、蓄冷手段(21)に蓄えられた冷熱によって送風空気を冷却して除湿し、除湿された送風空気を加熱用熱交換器(12、12a)にて再加熱する除湿運転を実現できる。
この際、加熱用熱交換器(12、12a)にて送風空気を充分に加熱できるように、室外熱交換器(15)における低圧側冷媒の冷媒蒸発温度を蒸発器(20)に着霜が生じる得る温度まで低下させたとしても、蒸発器(20)へ流入する冷媒流量が少ない、あるいは、蒸発器(20)へ冷媒が流入しないので、蒸発器(20)に着霜が生じてしまうことを抑制できる。
つまり、本請求項に記載の発明によれば、加熱用熱交換器(12、12a)における送風空気の加熱能力を増大させるために、室外熱交換器(15)における低圧側冷媒の冷媒蒸発温度を充分に低下させても、流量調整手段(16、18)が蒸発器(20)へ流入する冷媒流量およびバイパス通路(17)へ流入する冷媒流量を調整することによって、蒸発器(20)に着霜が発生してしまうことを抑制できる。
その結果、加熱用熱交換器(12、12a)における送風空気の加熱能力を増大させることができ、除湿運転時における送風空気の温度調整範囲を拡大することができる。
なお、この流量調整手段(16、18)には、室外熱交換器(15)から流出した冷媒のうち、蒸発器(20)側へ流入させる冷媒流量とバイパス通路(17)側へ流入させる冷媒流量との流量比を連続的に調整するもののみならず、室外熱交換器(15)から流出した冷媒を蒸発器(20)側およびバイパス通路(17)側のいずれか一方に流入させるもの等も含まれる。
従って、請求項1に記載の冷凍サイクル装置において、流量調整手段は、室外熱交換器(15)から流出した冷媒の全流量を蒸発器(20)へ流入させる冷媒回路および室外熱交換器(15)から流出した冷媒の全流量をバイパス通路(17)へ流入させる冷媒回路を切り替える冷媒回路切替手段(16、18)によって構成されていてもよいし、流量調整手段は、室外熱交換器(15)の冷媒出口側から蒸発器(20)へ至る冷媒通路の通路圧損およびバイパス通路(17)の通路圧損の少なくとも一方を変化させる流量調整弁(16)によって構成されていてもよい。
また、請求項6に記載の発明では、空調装置に適用される冷凍サイクル装置であって、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11)と、圧縮機(11)から吐出された高圧冷媒を熱源として空調対象空間へ送風される送風空気を加熱する加熱用熱交換器(12)と、高圧冷媒を減圧させる減圧手段(14)と、減圧手段(14)から流出した冷媒を、加熱用熱交換器(12)通過前の送風空気とを熱交換させて蒸発させる蒸発器(20)と、蒸発器(20)から流出した冷媒と外気とを熱交換させる室外熱交換器(15)と、減圧手段(14)の出口側から圧縮機(11)の吸入側へ至る冷媒流路を流れる低圧側冷媒の有する冷熱を蓄えるとともに、冷熱にて加熱用熱交換器(12、12a)通過前の送風空気を冷却する蓄冷手段(21)と、減圧手段(14)から流出した冷媒を、蒸発器(20)を迂回させて室外熱交換器(15)の入口側へ導くバイパス通路(17)と、減圧手段(14)から流出した冷媒のうち、蒸発器(20)へ流入する冷媒流量およびバイパス通路(17)へ流入する冷媒流量を調整する流量調整手段(16、18)とを備えることを特徴とする。
これによれば、蓄冷手段(21)が充分に冷熱を蓄えるまでは、流量調整手段(16、18)が、減圧手段(14)から流出した冷媒を主に蒸発器(20)側へ流入させることで、蒸発器(20)にて冷媒が蒸発する際の吸熱作用によって送風空気を冷却して除湿し、除湿された送風空気を加熱用熱交換器(12)にて再加熱する除湿運転を実現できる。
この際、加熱用熱交換器(12)にて送風空気を充分に加熱できるように、室外熱交換器(15)における低圧側冷媒の冷媒蒸発温度を蒸発器(20)に着霜が生じる得る温度まで低下させたとしても、蓄冷手段(21)が冷熱を蓄えることによって、蒸発器(20)の着霜の進行を遅らせることができる。
一方、蓄冷手段(21)が充分に冷熱を蓄えた後は、流量調整手段(16、18)が、減圧手段(14)から流出した冷媒を主にバイパス通路(17)側へ流入させることで、蓄冷手段(21)に蓄えられた冷熱によって送風空気を冷却して除湿し、除湿された送風空気を加熱用熱交換器(12)にて再加熱する除湿運転を実現できる。
この際、加熱用熱交換器(12)にて送風空気を充分に加熱できるように、室外熱交換器(15)における低圧側冷媒の冷媒蒸発温度を蒸発器(20)に着霜が生じる得る温度まで低下させたとしても、蒸発器(20)へ流入する冷媒流量が少ない、あるいは、蒸発器(20)へ冷媒が流入しないので、蒸発器(20)に着霜が生じてしまうことを抑制できる。
つまり、本請求項に記載の発明によれば、加熱用熱交換器(12)における送風空気の加熱能力を増大させるために、室外熱交換器(15)における低圧側冷媒の冷媒蒸発温度を充分に低下させても、流量調整手段(16、18)が蒸発器(20)へ流入する冷媒流量およびバイパス通路(17)へ流入する冷媒流量を調整することによって、蒸発器(20)に着霜が発生してしまうことを抑制できる。
その結果、請求項1に記載の発明と同様に、加熱用熱交換器(12)における送風空気の加熱能力を増大させることができ、除湿運転時における送風空気の温度調整範囲を拡大することができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
第1実施形態の冷凍サイクル装置の全体構成図である。 第1実施形態の冷凍サイクル装置の第1除湿暖房モード(第1モード)時の冷媒の状態を示すモリエル線図である。 第1実施形態の冷凍サイクル装置の第1除湿暖房モード(第2モード)時の冷媒の状態を示すモリエル線図である。 第1実施形態の冷凍サイクル装置の第1除湿暖房モード(第3モード)時の冷媒の状態を示すモリエル線図である。 第1実施形態の冷凍サイクル装置の第1除湿暖房モード(第4モード)時の冷媒の状態を示すモリエル線図である。 第1実施形態の冷凍サイクル装置の第2除湿暖房モード時における制御フローを示すフローチャートである。 第1実施形態の冷凍サイクル装置の第1、第2除湿暖房モード時における送風空気の温度調整可能範囲を説明する説明図である。 第1実施形態の冷凍サイクル装置における時間経過に伴う蒸発器温度の変化を説明するための説明図である。 第2実施形態の冷凍サイクル装置における時間経過に伴う冷媒流量および蒸発器温度の変化を説明するための説明図である。 第3実施形態の冷凍サイクル装置の全体構成図である。 第4実施形態の冷凍サイクル装置の全体構成図である。
(第1実施形態)
図1〜図8を用いて、本発明の第1実施形態を説明する。本実施形態では、蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置10を、内燃機関(エンジン)および走行用電動モータから車両走行用の駆動力を得るハイブリッド車両に搭載される車両用空調装置1に適用している。冷凍サイクル装置10は、車両用空調装置1において、空調対象空間である車室内へ送風される送風空気を加熱あるいは冷却する機能を果たす。
さらに、冷凍サイクル装置10は、送風空気を冷却して車室内を冷房する冷房モードの冷媒回路、送風空気を加熱して車室内を暖房する暖房モードの冷媒回路、冷却して除湿された送風空気を加熱して車室内の除湿暖房を行う第1除湿暖房モードの冷媒回路、および外気温が極低温時(例えば、0℃以下)等に実行され、第1除湿暖房モードよりも送風空気の加熱能力を増加させて車室内の除湿暖房を行う第2除湿暖房モードの冷媒回路に切替可能に構成されている。
なお、図1では、冷房モードの冷媒回路における冷媒の流れを黒塗り矢印で示し、暖房モードの冷媒回路における冷媒の流れを白抜き矢印で示し、第1除湿暖房モードの冷媒回路における冷媒の流れを斜線ハッチング付き矢印で示し、さらに、第2除湿暖房モードの冷媒回路における冷媒の流れを網掛けハッチング付き矢印で示している。
また、この冷凍サイクル装置10では、冷媒としてHFC系冷媒(具体的には、R134a)を採用しており、高圧側冷媒圧力Pdが冷媒の臨界圧力を超えない蒸気圧縮式の亜臨界冷凍サイクルを構成している。もちろん、HFO系冷媒(例えば、R1234yf)等を採用してもよい。さらに、冷媒には圧縮機11を潤滑するための冷凍機油が混入されており、冷凍機油の一部は冷媒とともにサイクルを循環している。
圧縮機11は、エンジンルーム内に配置されて、冷凍サイクル装置10において冷媒を吸入し、圧縮して吐出するもので、吐出容量が固定された固定容量型の圧縮機構11aを電動モータ11bにて駆動する電動圧縮機として構成されている。圧縮機構11aとしては、具体的に、スクロール型圧縮機構、ベーン型圧縮機構等の各種圧縮機構を採用することができる。
電動モータ11bは、後述する空調制御装置から出力される制御信号によって、その作動(回転数)が制御されるもので、交流モータ、直流モータのいずれの形式を採用してもよい。そして、この回転数制御によって、圧縮機構11aの冷媒吐出能力が変更される。従って、本実施形態では、電動モータ11bが圧縮機構11aの吐出能力変更手段を構成する。
圧縮機11の吐出口側には、室内凝縮器12の冷媒入口側が接続されている。室内凝縮器12は、後述する室内空調ユニット30のケーシング31内に配置されて、圧縮機11から吐出された吐出冷媒(高圧冷媒)を放熱させて、後述する室内蒸発器20を通過した送風空気を加熱する加熱用熱交換器である。
室内凝縮器12の冷媒出口側には、第1膨張弁14の入口側が接続されている。第1膨張弁14は、暖房モード時、第2除湿暖房モード時等に、圧縮機11から吐出された高圧冷媒を減圧させる減圧手段であり、絞り開度を変更可能に構成された弁体と、この弁体を変位させて絞り開度を変化させるステッピングモータからなる電動アクチュエータとを有して構成される電気式の可変絞り機構である。
さらに、本実施形態の第1膨張弁14は、絞り開度を全開にすることで冷媒減圧作用を殆ど発揮することなく単なる冷媒通路として機能する全開機能付きの可変絞り機構で構成されている。なお、第1膨張弁14は、空調制御装置から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
第1膨張弁14の出口側には、室外熱交換器15の冷媒入口側が接続されている。室外熱交換器15は、エンジンルーム内の車両前方側に配置されて、内部を流通する室内凝縮器12下流側の冷媒と図示しない送風ファンから送風された車室外空気(外気)とを熱交換させるものである。送風ファンは、空調制御装置から出力される制御電圧によって回転数(送風能力)が制御される電動送風機である。
室外熱交換器15の冷媒出口側には、第2膨張弁16を介して、室内蒸発器20が接続されている。第2膨張弁16の基本的構成は、第1膨張弁14と同様である。さらに、本実施形態の第2膨張弁16は、絞り開度を全開した際に室外熱交換器15から室内蒸発器20へ至る冷媒通路を全開する全開機能のみならず、絞り開度を全閉した際に当該冷媒通路を閉塞する全閉機能付きの可変絞り機構で構成されている。
室内蒸発器20は、室内空調ユニット30のケーシング31内のうち、室内凝縮器12よりも送風空気流れ上流側に配置されている。さらに、室内蒸発器20は、冷房モード時および第1、第2除湿暖房モード時等にその内部を流通する冷媒を、室内凝縮器12通過前の送風空気と熱交換させて蒸発させることにより、送風空気を冷却する冷却用熱交換器である。
また、本実施形態の室内蒸発器20には、少なくとも相転移温度が0℃以上かつ10℃以下のパラフィンを含む蓄冷剤が封入された複数の蓄冷剤容器21が一体化されている。この蓄冷剤容器21は、少なくとも第2除湿暖房モード時に減圧手段として機能する第1膨張弁14の出口側から圧縮機11の吸入側へ至る冷媒流路を流れる低圧側冷媒の有する冷熱を蓄える蓄冷手段である。
より具体的には、本実施形態の室内蒸発器20は、冷媒を流通させる複数本のチューブ、および複数本のチューブの両端側に配置されてそれぞれのチューブを流通する冷媒の集合あるいは分配を行う一対の集合分配用タンク等を有して構成される、いわゆるタンクアンドチューブ型の熱交換器構造に構成されている。
そして、隣り合うチューブ間に、送風空気を流通させる空気通路を形成するとともに、これらのチューブの少なくとも一部に前述の蓄冷剤容器21が接合されている。これにより、室内蒸発器20および蓄冷剤容器21は、室内蒸発器20のチューブを流通する低圧側冷媒と蓄冷剤容器21の蓄冷剤との間で熱移動可能に一体化されている。
なお、室内蒸発器20および蓄冷剤容器21が一体化されていることから明らかなように、蓄冷剤容器21では蓄冷した冷熱によって室内凝縮器12通過前の送風空気を冷却することができる。また、室内蒸発器20の冷媒出口側には、アキュムレータ19の入口側が接続されている。
アキュムレータ19は、その内部に流入した冷媒の気液を分離して、サイクル内の余剰冷媒を蓄える気液分離器である。アキュムレータ19の気相冷媒出口には、圧縮機11の吸入口側が接続されている。従って、アキュムレータ19は、圧縮機11に液相冷媒が吸入されることを抑制し、圧縮機11における液圧縮を防止する機能を果たす。
さらに、本実施形態の室外熱交換器15の冷媒出口側には、室外熱交換器15から流出した冷媒を、室内蒸発器20を迂回させてアキュムレータ19の入口側へ導くバイパス通路17が接続されている。また、バイパス通路17には、バイパス通路17を開閉する開閉弁18が配置されている。この開閉弁18は、空調制御装置から出力される制御信号により、その作動が制御される電磁弁である。
従って、開閉弁18が開いている際には、室外熱交換器15から流出した冷媒のうち、室内蒸発器20側へ流入する冷媒流量およびバイパス通路17側へ流入する冷媒流量は、第2膨張弁16の絞り開度によって調整することができる。換言すると、開閉弁18が開いている際には、第2膨張弁16は室内蒸発器20側へ流入する冷媒流量とバイパス通路17側へ流入する冷媒流量との流量比を調整することができる。
具体的には、開閉弁18が開いている際に、第2膨張弁16を全閉とすれば、室外熱交換器15から流出した冷媒の全流量をバイパス通路17側へ流入させることができる。また、開閉弁18を閉じるとともに、第2膨張弁16を開くことによって、室外熱交換器15から流出した冷媒の全流量を第2膨張弁16を介して室内蒸発器20側へ流入させることもできる。
これにより、本実施形態では、第2膨張弁16および開閉弁18によって、室外熱交換器15から流出した冷媒のうち室内蒸発器20側へ流入する冷媒流量およびバイパス通路17側へ流入する冷媒流量を調整する流量調整手段を構成している。
さらに、本実施形態の第2膨張弁16および開閉弁18は、後述する第2除湿暖房モードにて説明するように、室外熱交換器15から流出した冷媒の全流量を室内蒸発器20側へ流入させる冷媒回路および室外熱交換器15から流出した冷媒の全流量をバイパス通路17側へ流入させる冷媒回路を切り替える冷媒回路切替手段として機能している。
次に、室内空調ユニット30について説明する。室内空調ユニット30は、冷凍サイクル装置10によって温度調整された送風空気を車室内へ吹き出すためのもので、車室内最前部の計器盤(インストルメントパネル)の内側に配置されている。さらに、室内空調ユニット30は、その外殻を形成するケーシング31内に送風機32、室内蒸発器20、室内凝縮器12等を収容して構成されている。
ケーシング31は、車室内に送風される送風空気の空気通路を形成するもので、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂(例えば、ポリプロピレン)にて成形されている。このケーシング31内の送風空気流れ最上流側には、ケーシング31内へ内気(車室内空気)と外気(車室外空気)とを切替導入する内外気切替手段としての内外気切替装置33が配置されている。
内外気切替装置33は、ケーシング31内へ内気を導入させる内気導入口および外気を導入させる外気導入口の開口面積を、内外気切替ドアによって連続的に調整して、内気の風量と外気の風量との風量割合を連続的に変化させるものである。内外気切替ドアは、内外気切替ドア用の電動アクチュエータによって駆動され、この電動アクチュエータは、空調制御装置から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
内外気切替装置33の送風空気流れ下流側には、内外気切替装置33を介して吸入した空気を車室内へ向けて送風する送風手段としての送風機(ブロワ)32が配置されている。この送風機32は、遠心多翼ファン(シロッコファン)を電動モータにて駆動する電動送風機であって、空調制御装置から出力される制御電圧によって回転数(送風量)が制御される。
送風機32の送風空気流れ下流側には、室内蒸発器20、および室内凝縮器12が、送風空気の流れに対して、この順に配置されている。また、ケーシング31内には、室内蒸発器20を通過した送風空気を、室内凝縮器12を迂回させて下流側へ流す冷風バイパス通路35が形成されている。
室内蒸発器20の送風空気流れ下流側であって、かつ、室内凝縮器12の送風空気流れ上流側には、室内蒸発器20通過後の送風空気のうち、室内凝縮器12を通過させる風量割合を調整するエアミックスドア34が配置されている。
また、室内凝縮器12の送風空気流れ下流側には、室内凝縮器12にて加熱された送風空気と冷風バイパス通路35を通過して室内凝縮器12にて加熱されていない送風空気とを混合させる混合空間が設けられている。さらに、ケーシング31の送風空気流れ最下流部には、混合空間にて混合された送風空気(空調風)を、空調対象空間である車室内へ吹き出す開口穴が配置されている。
具体的には、この開口穴としては、車室内の乗員の上半身に向けて空調風を吹き出すフェイス開口穴、乗員の足元に向けて空調風を吹き出すフット開口穴、および車両前面窓ガラス内側面に向けて空調風を吹き出すデフロスタ開口穴(いずれも図示せず)が設けられている。これらのフェイス開口穴、フット開口穴およびデフロスタ開口穴の送風空気流れ下流側は、それぞれ空気通路を形成するダクトを介して、車室内に設けられたフェイス吹出口、フット吹出口およびデフロスタ吹出口(いずれも図示せず)に接続されている。
従って、エアミックスドア34が、室内凝縮器12を通過させる風量と冷風バイパス通路35を通過させる風量との風量割合を調整することによって、混合空間にて混合される空調風の温度が調整されて、各吹出口から車室内へ吹き出される送風空気(空調風)の温度が調整されることになる。
つまり、エアミックスドア34は、車室内へ送風される空調風の温度を調整する温度調整手段を構成している。なお、エアミックスドア34は、エアミックスドア駆動用の電動アクチュエータによって駆動され、この電動アクチュエータは、空調制御装置から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
また、フェイス開口穴、フット開口穴、およびデフロスタ開口穴の送風空気流れ上流側には、それぞれ、フェイス開口穴の開口面積を調整するフェイスドア、フット開口穴の開口面積を調整するフットドア、デフロスタ開口穴の開口面積を調整するデフロスタドア(いずれも図示せず)が配置されている。
これらのフェイスドア、フットドア、デフロスタドアは、開口穴モードを切り替える開口穴モード切替手段を構成するものであって、リンク機構等を介して、吹出口モードドア駆動用の電動アクチュエータに連結されて連動して回転操作される。なお、この電動アクチュエータも、空調制御装置から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
吹出口モード切替手段によって切り替えられる吹出口モードとしては、具体的に、フェイス吹出口を全開してフェイス吹出口から車室内乗員の上半身に向けて空気を吹き出すフェイスモード、フェイス吹出口とフット吹出口の両方を開口して車室内乗員の上半身と足元に向けて空気を吹き出すバイレベルモード、フット吹出口を全開するとともにデフロスタ吹出口を小開度だけ開口して、フット吹出口から主に空気を吹き出すフットモード、およびフット吹出口およびデフロスタ吹出口を同程度開口して、フット吹出口およびデフロスタ吹出口の双方から空気を吹き出すフットデフロスタモードがある。
さらに、乗員が操作パネルに設けられた吹出モード切替スイッチをマニュアル操作することによって、デフロスタ吹出口を全開してデフロスタ吹出口から車両フロント窓ガラス内面に空気を吹き出すデフロスタモードとすることもできる。
次に、本実施形態の電気制御部について説明する。空調制御装置は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成されている。そして、そのROM内に記憶された空調制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、その出力側に接続された圧縮機11用のインバータ、流量調整手段を構成する第2膨張弁16および開閉弁18、送風機32、前述した各種電動アクチュエータといった各種空調制御機器の作動を制御する。
また、空調制御装置の入力側には、車室内温度(内気温)Trを検出する内気温検出手段としての内気センサ、車室外温度(外気温)Tamを検出する外気温検出手段としての外気センサ、車室内へ照射される日射量Asを検出する日射量検出手段としての日射センサ、圧縮機11吐出冷媒の吐出冷媒温度Tdを検出する吐出温度センサ、圧縮機11吐出冷媒の吐出冷媒圧力(高圧側冷媒圧力)Pdを検出する吐出圧力センサ、室内蒸発器20における冷媒蒸発温度(蒸発器温度)Tefinを検出する蒸発器温度センサ、混合空間から車室内へ送風される送風空気温度TAVを検出する送風空気温度センサ、室外熱交換器15の室外器温度Tsを検出する室外熱交換器温度センサ等の空調制御用のセンサ群の検出信号が入力される。
なお、本実施形態の吐出冷媒圧力(高圧側冷媒圧力)Pdは、冷房モードでは、圧縮機11の冷媒吐出口側から第2膨張弁16入口側へ至るサイクルの高圧側冷媒圧力となり、暖房モード等では、圧縮機11の冷媒吐出口側から第1膨張弁14入口側へ至るサイクルの高圧側冷媒圧力となる。また、本実施形態では、送風空気温度TAVを検出する送風空気温度センサを設けているが、この送風空気温度TAVとして、蒸発器温度Tefin、吐出冷媒温度Td等に基づいて算出された値を採用してもよい。
また、本実施形態の蒸発器温度センサは、具体的には、室内蒸発器20の空気通路に配置された熱交換フィン温度を検出している。もちろん、蒸発器温度センサとして、室内蒸発器20のその他の部位の温度を検出する温度検出手段を採用してもよいし、室内蒸発器20から吹き出された送風空気の温度を検出する温度検出手段を採用してもよい。このことは、室外熱交換器温度センサについても同様である。
さらに、空調制御装置の入力側には、車室内前部の計器盤付近に配置された操作パネルに設けられた各種空調操作スイッチからの操作信号が入力される。この操作パネルに設けられた各種空調操作スイッチとしては、具体的に、車両用空調装置1の自動制御運転を設定あるいは解除するオートスイッチ、送風空気の冷却を行うA/Cスイッチ(エアコンスイッチ)、送風機32の風量をマニュアル設定する風量設定スイッチ、車室内の目標温度Tsetを設定する目標温度設定手段としての温度設定スイッチ、吹出モードをマニュアル設定する吹出モード切替スイッチ等がある。
なお、空調制御装置は、その出力側に接続された各種空調用構成機器を制御する制御手段が一体に構成されたものであるが、それぞれの空調用構成機器の作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)が、それぞれの空調用構成機器の作動を制御する制御手段を構成している。
例えば、本実施形態では、圧縮機11の作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)が吐出能力制御手段を構成し、流量調整手段を構成する第2膨張弁16および開閉弁18の作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)が冷媒流量制御手段を構成している。もちろん、吐出能力制御手段、冷媒流量制御手段等を空調制御装置に対して別体の制御装置として構成してもよい。
次に、上記構成における本実施形態の車両用空調装置1の作動について説明する。前述の如く、本実施形態の車両用空調装置1では、冷房モード、暖房モード、第1除湿暖房モードおよび第2除湿暖房モードでの運転に切り替えることができる。これらの各運転モードの切り替えは、空調制御プログラムが実行されることによって行われる。この空調制御プログラムは、操作パネルのオートスイッチが投入(ON)されると実行される。
より具体的には、空調制御プログラムのメインルーチンでは、上述の空調制御用のセンサ群の検出信号および各種空調操作スイッチからの操作信号を読み込む。そして、読み込んだ検出信号および操作信号の値に基づいて、車室内へ吹き出される送風空気の目標温度である目標吹出温度TAOを、以下数式F1に基づいて算出する。
TAO=Kset×Tset−Kr×Tr−Kam×Tam−Ks×As+C…(F1)
なお、Tsetは温度設定スイッチによって設定された車室内設定温度、Trは内気センサによって検出された車室内温度(内気温)、Tamは外気センサによって検出された外気温、Asは日射センサによって検出された日射量である。Kset、Kr、Kam、Ksは制御ゲインであり、Cは補正用の定数である。
さらに、操作パネルのA/Cスイッチが投入されており、かつ、目標吹出温度TAOが予め定めた冷房基準温度α(例えば、25℃)よりも低くなっている場合には、冷房モードでの運転を実行する。また、A/Cスイッチが投入された状態、目標吹出温度TAOが冷房基準温度α以上になっており、かつ、外気温Tamが予め定めた除湿暖房基準温度β(例えば、5℃)よりも高くなっている場合には、第1除湿暖房モードでの運転を実行する。
一方、A/Cスイッチが投入された状態で、目標吹出温度TAOが冷房基準温度α以上になっており、かつ、外気温Tamが除湿暖房基準温度β以下になっている場合には、第2暖房モードでの運転を実行する。そして、A/Cスイッチが投入されていない場合には、暖房モードでの運転を実行する。以下に各運転モードにおける作動を説明する。
(a)冷房モード
冷房モードでは、空調制御装置が、開閉弁18を閉じるとともに、第1膨張弁14の絞り開度を全開とし、第2膨張弁16を減圧作用を発揮する絞り状態とする。これにより、冷房モードでは、図1の白抜き矢印に示すように、圧縮機11→室内凝縮器12→(第1膨張弁14→)室外熱交換器15→第2膨張弁16→室内蒸発器20→アキュムレータ19→圧縮機11の順に冷媒を循環させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
さらに、この冷媒回路の構成で、空調制御装置が、目標吹出温度TAO、センサ群の検出信号等に基づいて、各種空調制御機器の作動状態(各種制御機器へ出力する制御信号)を決定する。
例えば、圧縮機11の冷媒吐出能力、すなわち圧縮機11の電動モータに出力される制御信号については、次のように決定される。まず、目標吹出温度TAOに基づいて、予め空調制御装置に記憶された制御マップを参照して、室内蒸発器20の目標蒸発器吹出温度TEOを決定する。
そして、この目標蒸発器吹出温度TEOと蒸発器温度センサによって検出された蒸発器温度Tefinとの偏差に基づいて、フィードバック制御手法を用いて蒸発器温度Tefinが目標蒸発器吹出温度TEOに近づくように、さらに、室内蒸発器20に着霜(フロスト)が生じないように、圧縮機11の電動モータに出力される制御信号が決定される。
また、第2膨張弁16へ出力される制御信号については、室外熱交換器15から流出して第2膨張弁16へ流入する冷媒の過冷却度が、サイクルの成績係数(COP)が略最大値となるように定められた目標過冷却度に近づくように決定される。
また、エアミックスドア34のサーボモータへ出力される制御信号については、エアミックスドア34が室内凝縮器12側の空気通路を閉塞し、室内蒸発器20通過後の送風空気の全流量が冷風バイパス通路35側を通過するように決定される。
そして、上記の如く決定された制御信号等を各種空調制御機器へ出力する。その後、操作パネルによって車両用空調装置の作動停止が要求されるまで、所定の制御周期毎に、上述の検出信号および操作信号の読み込み→目標吹出温度TAOの算出→各種空調制御機器の作動状態決定→制御電圧および制御信号の出力といった制御ルーチンが繰り返される。なお、このような制御ルーチンの繰り返しは、他の運転モード時にも同様に行われる。
従って、冷房モード時の冷凍サイクル装置10では、圧縮機11から吐出された高圧冷媒が室内凝縮器12に流入する。この際、エアミックスドア34が室内凝縮器12側の空気通路を閉塞しているので、室内凝縮器12に流入した冷媒は、殆ど送風空気と熱交換することなく、室内凝縮器12から流出する。
室内凝縮器12から流出した冷媒は、第1膨張弁14に流入する。この際、第1膨張弁14が全開となっているので、室内凝縮器12から流出した冷媒は、第1膨張弁14にて減圧されることなく、室外熱交換器15に流入する。そして、室外熱交換器15に流入した冷媒は、室外熱交換器15にて送風ファンから送風された外気へ放熱する。
室外熱交換器15から流出した冷媒は、開閉弁18が閉じているので、第2膨張弁16へ流入し、第2膨張弁16にて低圧冷媒となるまで減圧される。第2膨張弁16にて減圧された低圧冷媒は、室内蒸発器20へ流入して蒸発する。これにより、送風機32から送風された送風空気および蓄冷剤容器21の蓄冷剤が冷却される。
室内蒸発器20から流出した冷媒は、アキュムレータ19へ流入して気液分離される。そして、アキュムレータ19にて分離された気相冷媒が圧縮機11の吸入側から吸入されて再び圧縮機11にて圧縮される。
以上の如く、冷房モードでは、室内蒸発器20にて冷却された送風空気を車室内へ吹き出して車室内の冷房を実現することができる。
(b)暖房モード
暖房モードでは、空調制御装置が、開閉弁18を開くとともに、第1膨張弁14を減圧作用を発揮する絞り状態とし、第2膨張弁16を全閉とする。これにより、暖房モードでは、図1の黒塗り矢印に示すように、圧縮機11→室内凝縮器12→第1膨張弁14→室外熱交換器15→アキュムレータ19→圧縮機11の順に冷媒を循環させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
さらに、この冷媒回路の構成で、空調制御装置が、目標吹出温度TAO、センサ群の検出信号等に基づいて、各種空調制御機器の作動状態(各種制御機器へ出力する制御信号)を決定する。
例えば、圧縮機11の冷媒吐出能力、すなわち圧縮機11の電動モータ11bに出力される制御信号については、次のように決定される。まず、目標吹出温度TAOに基づいて、予め空調制御装置に記憶された制御マップを参照して、室内凝縮器12の目標凝縮器温度TCOを決定する。
そして、この目標凝縮器温度TCOと吐出温度センサによって検出された吐出冷媒温度Tdとの偏差に基づいて、フィードバック制御手法を用いて吐出冷媒温度Tdが目標凝縮器温度TCOに近づくように、さらに、高圧側冷媒圧力Pdの異常上昇が抑制されるように、圧縮機11の電動モータ11bに出力される制御信号が決定される。
また、第1膨張弁14へ出力される制御信号については、室内凝縮器12から流出して第1膨張弁14へ流入する冷媒の過冷却度が、サイクルの成績係数(COP)が略最大値となるように定められた目標過冷却度に近づくように決定される。
また、エアミックスドア34のサーボモータへ出力される制御信号については、エアミックスドア34が冷風バイパス通路35を閉塞し、室内蒸発器20通過後の送風空気の全流量が室内凝縮器12側の空気通路を通過するように決定される。
従って、暖房モード時の冷凍サイクル装置10では、圧縮機11から吐出された高圧冷媒が室内凝縮器12に流入する。室内凝縮器12に流入した冷媒は、送風機32から送風されて室内蒸発器20を通過した送風空気と熱交換して放熱する。これにより、送風空気が加熱される。
室内凝縮器12から流出した冷媒は、第1膨張弁14に流入し、第1膨張弁14にて低圧冷媒となるまで減圧される。そして、第1膨張弁14にて減圧された低圧冷媒は、室外熱交換器15へ流入して、送風ファンから送風された外気から吸熱する。
室外熱交換器15から流出した冷媒は、開閉弁18が開き、第2膨張弁16が全閉となっているので、バイパス通路17を介して、アキュムレータ19へ流入して気液分離される。そして、アキュムレータ19にて分離された気相冷媒が圧縮機11の吸入側から吸入されて再び圧縮機11にて圧縮される。
以上の如く、暖房モードでは、室内凝縮器12にて加熱された送風空気を車室内へ吹き出して車室内の暖房を実現することができる。
(c)第1除湿暖房モード
第1除湿暖房モードでは、空調制御装置が、開閉弁18を閉じるとともに、第1膨張弁14および第2膨張弁16の双方を減圧作用を発揮する絞り状態とする。これにより、第1除湿暖房モードでは、図1の斜線ハッチング付き矢印に示すように、圧縮機11→室内凝縮器12→第1膨張弁14→室外熱交換器15→第2膨張弁16→室内蒸発器20→アキュムレータ19→圧縮機11の順に冷媒を循環させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
換言すると、第1除湿暖房モードでは、室内凝縮器12から流出した冷媒を室外熱交換器15→室内蒸発器20の順に直列的に流す冷媒回路に切り替えられる。さらに、この冷媒回路の構成で、空調制御装置が、目標吹出温度TAO、センサ群の検出信号等に基づいて、空調制御装置に接続された各種制御機器の作動状態(各種制御機器へ出力する制御信号)を決定する。
例えば、圧縮機11の電動モータ11bに出力される制御信号については、冷房モードと同様に決定される。また、エアミックスドア34のサーボモータへ出力される制御信号については、エアミックスドア34が冷風バイパス通路35を閉塞し、室内蒸発器20通過後の送風空気の全流量が室内凝縮器12側の空気通路を通過するように決定される。
また、第1膨張弁14および第2膨張弁16については、目標吹出温度TAOに応じて変更している。具体的には、空調制御装置は、目標吹出温度TAOの上昇に伴って、第1膨張弁14の絞り開度を減少させるとともに、第2膨張弁16の絞り開度を増加させる。これにより、第1除湿暖房モードでは、第1モードから第4モードの4段階のモードを実行する。
(c−1)第1モード
第1モードは、第1除湿暖房モード時に、目標吹出温度TAOが冷房基準温度α以上、かつ、予め定めた第1基準温度以下となっている場合に実行される。
第1モードでは、空調制御装置が、第1膨張弁14の絞り開度を全開とし、第2膨張弁16を絞り状態とする。従って、第1モードでは、サイクル構成は冷房モードと全く同様となるものの、エアミックスドア34が室内凝縮器12側の空気通路を全開としているので、図2のモリエル線図に示すようにサイクルを循環する冷媒の状態が変化する。
すなわち、図2に示すように、圧縮機11から吐出された高圧冷媒(a1点)は、室内凝縮器12へ流入して、室内蒸発器20にて冷却されて除湿された送風空気と熱交換して放熱する(図2のa1点→a2点)。これにより、送風空気が加熱される。室内凝縮器12から流出した冷媒は、第1膨張弁14へ流入する。この際、第1膨張弁14が全開となっているので、室内凝縮器12から流出した冷媒は、第1膨張弁14にて減圧されることなく、室外熱交換器15に流入する。
そして、室外熱交換器15に流入した冷媒は、室外熱交換器15にて送風ファンから送風された外気と熱交換して放熱する(図2のa2点→a3点)。室外熱交換器15から流出した冷媒は、開閉弁18が閉じているので、第2膨張弁16へ流入し、第2膨張弁16にて低圧冷媒となるまで減圧される(図2のa3点→a4点)。
第2膨張弁16にて減圧された低圧冷媒は、室内蒸発器20へ流入して蒸発する(図2のa4点→a5点)。これにより、送風機32から送風された送風空気および蓄冷剤容器21の蓄冷剤が冷却される。そして、室内蒸発器20から流出した冷媒は、冷房モードと同様に、アキュムレータ19→圧縮機11の吸入側へと流れて再び圧縮機11にて圧縮される。
以上の如く、第1モード時には、室内蒸発器20にて冷却されて除湿された送風空気を、室内凝縮器12にて加熱して車室内へ吹き出すことができる。これにより、車室内の除湿暖房を実現することができる。
(c−2)第2モード
第2モードは、第1除湿暖房モード時に、目標吹出温度TAOが第1基準温度より高く、かつ、予め定めた第2基準温度以下となった場合に実行される。第2モードでは、空調制御装置が、第1膨張弁14を絞り状態とし、第2膨張弁16の絞り開度を第1モード時よりも増加させる。従って、第2モードでは、図3のモリエル線図に示すようにサイクルを循環する冷媒の状態が変化する。
すなわち、図3に示すように、圧縮機11から吐出された高圧冷媒(b1点)は、室内凝縮器12へ流入して、室内蒸発器20にて冷却されて除湿された送風空気と熱交換して放熱する(図3のb1点→b2点)。これにより、送風空気が加熱される。室内凝縮器12から流出した冷媒は、第1膨張弁14へ流入し、中間圧冷媒となるまで減圧される(図3のb2点→b3点)。
そして、第1膨張弁14にて減圧された中間圧冷媒は、室外熱交換器15へ流入して、送風ファンから送風された外気と熱交換して放熱する(図3のb3点→b4点)。室外熱交換器15から流出した冷媒は、第2膨張弁16にて低圧冷媒となるまで減圧される(図3のb4点→b5点)。
第2膨張弁16にて減圧された低圧冷媒は、室内蒸発器20流入して蒸発する(図3のb5点→b6点)。これにより、送風機32から送風された送風空気および蓄冷剤容器21の蓄冷剤が冷却される。そして、室内蒸発器20から流出した冷媒は、冷房モードと同様に、アキュムレータ19→圧縮機11の吸入側へと流れて再び圧縮機11にて圧縮される。
以上の如く、第2モード時には、第1モードと同様に、室内蒸発器20にて冷却されて除湿された送風空気を、室内凝縮器12にて加熱して車室内へ吹き出すことができる。これにより、車室内の除湿暖房を実現することができる。
この際、第2モードでは、第1膨張弁14を絞り状態としているので、第1モードに対して、室外熱交換器15へ流入する冷媒の温度を低下させることができる。従って、室外熱交換器15における冷媒の温度と外気温との温度差を縮小して、室外熱交換器15における冷媒の放熱量を低減できる。
その結果、第1モードに対してサイクルを循環する冷媒循環流量を増加させることなく、室内凝縮器12における冷媒圧力を上昇させることができ、第1モードよりも室内凝縮器12から吹き出される温度を上昇させることができる。
(c−3)第3モード
第3モードは、第1除湿暖房モード時に、目標吹出温度TAOが第2基準温度より高く、かつ、予め定めた第3基準温度以下となった場合に実行される。第3モードでは、空調制御装置が、第1膨張弁14の絞り開度を第2モード時よりも減少させ、第2膨張弁16の絞り開度を第2モード時よりも増加させる。従って、第3モードでは、図4のモリエル線図に示すようにサイクルを循環する冷媒の状態が変化する。
すなわち、図4に示すように、圧縮機11から吐出された高圧冷媒(c1点)は、室内凝縮器12へ流入して、室内蒸発器20にて冷却されて除湿された送風空気と熱交換して放熱する(図4のc1点→c2点)。これにより、送風空気が加熱される。室内凝縮器12から流出した冷媒は、第1膨張弁14へ流入し、中間圧冷媒となるまで減圧される(図4のc2点→c3点)。
そして、第1膨張弁14にて減圧された中間圧冷媒は、室外熱交換器15へ流入して、送風ファンから送風された外気から吸熱する(図4のc3点→c4点)。室外熱交換器15から流出した冷媒は、第2膨張弁16にて低圧冷媒となるまで減圧される(図4のc4点→c5点)。
第2膨張弁16にて減圧された低圧冷媒は、室内蒸発器20へ流入して蒸発する(図4のc5点→c6点)。これにより、送風機32から送風された送風空気および蓄冷剤容器21の蓄冷剤が冷却される。そして室内蒸発器20から流出した冷媒は、冷房モードと同様に、アキュムレータ19→圧縮機11の吸入側へと流れて再び圧縮機11にて圧縮される。
以上の如く、第3モード時には、第1、第2モードと同様に、室内蒸発器20にて冷却されて除湿された送風空気を、室内凝縮器12にて加熱して車室内へ吹き出すことができる。これにより、車室内の除湿暖房を実現することができる。
この際、第3モードでは、第1膨張弁14の絞り開度を減少させることによって、室外熱交換器15を蒸発器として機能させているので、第2モードよりも室内凝縮器12から吹き出される温度を上昇させることができる。
その結果、第2モードに対して、圧縮機11の吸入冷媒密度を上昇させることができ、圧縮機11の回転数(冷媒吐出能力)を増加させることなく、室内凝縮器12における冷媒圧力を上昇させることができ、第2モードよりも室内凝縮器12から吹き出される温度を上昇させることができる。
(c−4)第4モード
第4モードは、第1除湿暖房モード時に、目標吹出温度TAOが第3基準温度より高くなった場合に実行される。第4モードでは、空調制御装置が、第1膨張弁14の絞り開度を第3モード時よりも減少させ、第2膨張弁16を全開とする。従って、第4モードでは、図5のモリエル線図に示すようにサイクルを循環する冷媒の状態が変化する。
すなわち、図5に示すように、圧縮機11から吐出された高圧冷媒(d1点)は、室内凝縮器12へ流入して、室内蒸発器20にて冷却されて除湿された送風空気と熱交換して放熱する(図5のd1点→d2点)。これにより、送風空気が加熱される。室内凝縮器12から流出した冷媒は、第1膨張弁14に流入し、低圧冷媒となるまで減圧される(図5のd2点→d3点)。
そして、第1膨張弁14にて減圧された低圧冷媒は、室外熱交換器15へ流入して、送風ファンから送風された外気から吸熱する(図5のd3点→d4点)。室外熱交換器15から流出した冷媒は、第2膨張弁16を介して室内蒸発器20へ流入する。この際、第4モードでは、第2膨張弁16が全開となっているので、室外熱交換器15から流出した冷媒は、第2膨張弁16にて減圧されることなく、室内蒸発器20へ流入して蒸発する(図5のd4点→d5点)。
これにより、送風機32から送風された送風空気および蓄冷剤容器21の蓄冷剤が冷却される。そして、室内蒸発器20から流出した冷媒は、冷房モードと同様に、アキュムレータ19→圧縮機11の吸入側へと流れて再び圧縮機11にて圧縮される。
以上の如く、第4モード時には、第1〜第3モードと同様に、室内蒸発器20にて冷却されて除湿された送風空気を、室内凝縮器12にて加熱して車室内へ吹き出すことができる。これにより、車室内の除湿暖房を実現することができる。
この際、第4モードでは、第3モードと同様に、室外熱交換器15を蒸発器として機能させるとともに、第3モードよりも第1膨張弁14の絞り開度を縮小させているので、室外熱交換器15における冷媒蒸発温度を低下させることができる。従って、第3モードよりも室外熱交換器15における冷媒の温度と外気温との温度差を拡大させて、室外熱交換器15における冷媒の吸熱量を増加させることができる。
その結果、第3モードに対して、圧縮機11の吸入冷媒密度を上昇させることができ、圧縮機11の回転数(冷媒吐出能力)を増加させることなく室内凝縮器12における冷媒圧力を上昇させることができ、第3モードよりも室内凝縮器12から吹き出される温度を上昇させることができる。
このように、第1除湿暖房モードでは、目標吹出温度TAOに応じて第1膨張弁14、第2膨張弁16の絞り開度を変更して、室外熱交換器15を放熱器あるいは蒸発器として機能させることで、車室内へ吹き出される送風空気の温度を調整することができる。
(d)第2除湿暖房モード
第2除湿暖房モードでは、空調制御装置が、開閉弁18を開閉作動させるとともに、第1膨張弁14を絞り状態とし、さらに、第2膨張弁16を全開あるいは全閉とする。これにより、第2除湿暖房モードでは、蓄冷剤容器21の蓄冷剤に冷熱を蓄冷する蓄冷モードの運転と、蓄冷剤に蓄えられた冷熱を送風空気に放冷して送風空気を冷却する放冷モードの運転とを切り替える。
具体的には、蓄冷モードおよび放冷モードは、図6のフローチャートに示すように切り替えられる。なお、図6のフローチャートは上述したメインルーチンのサブルーチンとして実行される制御フローである。
まず、ステップS1では、室内蒸発器20の温度(すなわち、蒸発器温度Tefin)が、内外気切替装置33から吸い込まれる吸い込み空気の露点温度以下になっているか否かが判定される。なお、内外気切替装置313から導入される吸い込み空気の露点温度は、内気温Tr、外気温Tamおよび内外気切替ドア用の電動アクチュエータに出力される制御信号等に基づいて、予め空調制御装置に記憶された制御マップを参照して決定される。
ステップS1にて、蒸発器温度Tefinが露点温度以下となっていると判定された場合は、運転モードを切り替えることなくメインルーチンへ戻る。一方、ステップS1にて、蒸発器温度Tefinが露点温度より高くなっていると判定された場合は、ステップS2へ進み蓄冷モードへ切り替える。その理由は、蒸発器温度Tefinが露点温度より高くなっていると凝縮水を蒸発させてしまい、送風空気を加湿してしまうからである。
続く、ステップS3では、蒸発器温度Tefinが室内蒸発器20の着霜を防止するために決定された基準フロスト防止温度(本実施形態では、1℃)以上になっているか否かが判定される。ステップS3にて、蒸発器温度Tefinが基準フロスト防止温度以上になっていると判定された場合は、運転モードを切り替えることなくメインルーチンへ戻る。
一方、ステップS3にて、蒸発器温度Tefinが基準フロスト防止温度より低くなっていると判定された場合は、室内蒸発器20の着霜を防止するため、ステップS4へ進み放冷モードへ切り替えてメインルーチンへ戻る。次に、蓄冷モードおよび放冷モードの詳細作動について説明する。
(d−1)蓄冷モード
蓄冷モードでは、空調制御装置が開閉弁18を閉じ、第2膨張弁16を全開とする。これにより、蓄冷モードでは、図1の網掛けハッチング付き矢印(斜線ハッチング付き矢印)に示すように、圧縮機11→室内凝縮器12→第1膨張弁14→室外熱交換器15→第2膨張弁16→室内蒸発器20→アキュムレータ19→圧縮機11の順に冷媒を循環させる第1除湿暖房モードと同様の蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
さらに、この冷媒回路の構成で、空調制御装置が、暖房モードと同様に、各種制御機器の作動状態を決定する。例えば、第1膨張弁14の絞り開度は、暖房モードと同様に決定される。これにより、第1膨張弁14の絞り開度は、冷媒が室外熱交換器15にて外気から車室内を暖房するために必要な熱を充分に吸熱できるように調整される。その他の蓄冷モードの基本的作動は、第1除湿暖房モードの第4モードと同様である。
従って、蓄冷モード時には、室内蒸発器20にて冷媒が蒸発する際の吸熱作用によって送風機32から送風された送風空気が冷却されるとともに、室内蒸発器20に一体化された蓄冷剤容器21が冷却されて蓄冷剤に冷熱が蓄冷される。さらに、室内蒸発器20にて冷却されて除湿された送風空気を、室内凝縮器12にて加熱して車室内へ吹き出すことにより、車室内の除湿暖房を実現することができる。
(d−2)放冷モード
放冷モードでは、空調制御装置が開閉弁18を開き、第2膨張弁16を全閉とする。これにより、放冷モードでは、図1の網掛けハッチング付き矢印(黒塗り矢印)に示すように、圧縮機11→室内凝縮器12→第1膨張弁14→室外熱交換器15→アキュムレータ19→圧縮機11の順に冷媒を循環させる暖房モードと同様の蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
さらに、この冷媒回路の構成で、空調制御装置が、暖房モードと同様に、各種制御機器の作動状態(各種制御機器へ出力する制御信号)を決定する。従って、放冷モード時には、蓄冷剤容器21の蓄冷剤に蓄えられた冷熱によって冷却されて除湿された送風空気を、室内凝縮器12にて加熱して車室内へ吹き出すことにより、車室内の除湿暖房を実現することができる。
上記の如く、本実施形態の車両用空調装置1によれば、冷房モード、暖房モード、第1除湿暖房モードおよび第2除湿暖房モードでの運転を切り替えることによって、車室内の適切な空調を実現することができる。さらに、本実施形態の第2除湿暖房モードでは、図7に示すように、従来技術に対して、除湿暖房運転時に空調対象空間へ送風される送風空気の温度調整範囲を拡大することができる。
より詳細には、本実施形態の第2除湿暖房モードでは、暖房モード時と同様に第1膨張弁14の絞り開度を調整して、室外熱交換器15における冷媒蒸発温度を、室内蒸発器20に着霜が生じないように決定される冷媒蒸発温度よりも低下させているので、従来技術よりも室外熱交換器15における冷媒の吸熱量を増加させることができる。
従って、室内凝縮器12における冷媒の放熱量を増加させて送風空気の加熱能力を増大させることができる。その結果、車室内へ吹き出される送風空気の温度調整範囲を拡大することができ、低外気温時の除湿暖房を行う際などにも充分に加熱された送風空気を車室内へ送風することができる。
さらに、第2除湿暖房モードでは、図6のフローチャートにて説明したように、蒸発器温度Tefinに応じて蓄冷モードと放冷モードとを切り替えているので、室外熱交換器15における冷媒蒸発温度を低下させたとしても、室内蒸発器20に着霜が生じてしまうことを容易に抑制できる。
このことを図8を用いて詳細に説明すると、本実施形態の蓄冷モードでは、図8に示すように、低圧冷媒の冷熱が蓄冷剤容器21の蓄冷剤に蓄えられるので、蓄冷手段を有していない冷凍サイクル装置よりも室内蒸発器20の温度低下速度(すなわち、蒸発器温度Tefinの低下速度)が遅くなり、室内蒸発器20の着霜の進行を遅らせることができる。
一方、本実施形態の放冷モードでは、室内蒸発器20に冷媒を流入させないので、室内蒸発器20に着霜が発生してしまうことを抑制できる。さらに、蓄冷剤容器21の蓄冷剤に蓄えられた冷熱によって送風空気を冷却できるので、蓄冷手段を有していない冷凍サイクル装置よりも室内蒸発器20の温度上昇速度(すなわち、蒸発器温度Tefinの上昇速度)が遅くなり、送風空気を冷却して除湿することのできる時間が長くなる。
つまり、本実施形態の第2除湿暖房モードでは、蓄冷手段を有していない冷凍サイクル装置よりも室内蒸発器20の温度変化の周期を長くすることができ、蓄冷モードと放冷モードとを切り替える制御の制御性を向上できるので、室内蒸発器20に着霜が生じてしまうことを容易に抑制できる。さらに、蓄冷手段を有していない冷凍サイクル装置よりも蓄冷モードと放冷モードとの切替頻度が少なくなるので、冷媒回路を切り替える際の開閉弁18および第2膨張弁16の作動音を抑制することができる。
また、本実施形態のように圧縮機11として電動圧縮機を備える冷凍サイクル装置では、例えば、エンジン駆動式の圧縮機11等に対して、圧縮機11の冷媒吐出能力を容易に調整して要求される温度帯の冷熱を作り出しやすい。このため、電動圧縮機を備える冷凍サイクル装置では、蓄冷手段を利用する必要性が少なかった。
これに対して、本実施形態では、空調対象空間の除湿暖房を行う際に室内蒸発器20の着霜を抑制するために蓄冷手段を活用しているという点で、電動圧縮機を備える冷凍サイクル装置に適用される蓄冷手段の新たな活用態様を提案している。
(第2実施形態)
第1実施形態では、第2除湿暖房モード時に、流量調整手段である開閉弁18および第2膨張弁16を冷媒回路切替手段として機能させ、冷媒回路を切り替えることによって蓄冷モードと放冷モードとを切り替える例を説明したが、本実施形態では、冷媒回路を切り替えることなく蓄冷モードと放冷モードとを切り替える例を説明する。
具体的には、本実施形態の第2除湿暖房モードでは、空調制御装置が、開閉弁18を開くとともに、第1膨張弁14を絞り状態とし、さらに、第2膨張弁16を絞り状態とする。従って、本実施形態の第2除湿暖房モードでは、図1の網掛けハッチング付き矢印に示すように、圧縮機11→室内凝縮器12→第1膨張弁14→室外熱交換器15→第2膨張弁16→室内蒸発器20→アキュムレータ19→圧縮機11の順に冷媒を流すとともに、室外熱交換器15→バイパス通路17→アキュムレータ19→圧縮機11の順に冷媒を流す蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
さらに、この冷媒回路の構成で、図9に示すように、蓄冷モードでは、室外熱交換器15から第2膨張弁16を介して室内蒸発器20側へ流れる冷媒流量が室外熱交換器15からバイパス通路17側へ流れる冷媒流量よりも多くなるように、第2膨張弁16の絞り開度が決定される。一方、放冷モードでは、室外熱交換器15から室内蒸発器20側へ流れる冷媒流量が室外熱交換器15からバイパス通路17側へ流れる冷媒流量よりも少なくなるように、第2膨張弁16の絞り開度が決定される。
つまり、本実施形態の第2膨張弁16は、室外熱交換器15の冷媒出口側から室内蒸発器20を介して圧縮機11の吸入側へ至る冷媒通路の通路圧損を変化させる流量調整弁として機能している。なお、通路圧損とは、所定流量の冷媒が冷媒通路を流通する際に生じる圧力損失を意味する。
その他の構成および作動は、第1実施形態と同様である。従って、本実施形態の第2除湿暖房モードにおいても、第1実施形態と同等に作動する蓄冷モードおよび放冷モードの運転を行うことができる。その結果、第2除湿暖房モード時に、室内蒸発器20に着霜が生じてしまうことを容易に抑制することができ、送風空気の温度調整範囲を拡大することができる。
(第3実施形態)
本実施形態では、図10の全体構成図に示すように、冷凍サイクル装置の構成を変更した例を説明する。本実施形態の冷凍サイクル装置10aでは、室内凝縮器12を廃止して、圧縮機11から吐出された高圧冷媒と熱媒体循環回路120を循環する熱媒体(本実施形態では、エチレングリコール水溶液)を熱交換させる水−冷媒熱交換器13を設けている。なお、図10では、第1実施形態と同一もしくは均等部分に同一の符号を付している。このことは以下の図面においても同様である。
さらに、熱媒体循環回路120には、室内空調ユニット30のケーシング31内に配置されて、熱媒体と室内蒸発器20を通過した送風空気を熱交換させるヒータコア12a、および熱媒体循環回路120にて熱媒体を圧送する水ポンプ12bが配置されている。なお、水ポンプ12bは、空調制御装置から出力される制御信号によって、その作動が制御される電動式の水ポンプである。
そして、本実施形態では、暖房モード時、第1除湿暖房モード時、および第2除湿暖房モード時に空調制御装置が水ポンプ12bを作動させる。これにより、熱媒体循環回路120では、熱媒体が、水ポンプ12b→水−冷媒熱交換器13の水通路→ヒータコア12a→水ポンプ12bの順に循環する。
従って、暖房モード時、第1除湿暖房モード時、および第2除湿暖房モード時には、熱媒体が水−冷媒熱交換器13の水通路を通過する際に高圧冷媒から吸熱した熱をヒータコア12aにて送風空気へ放熱させることによって、送風空気を加熱することができる。つまり、本実施形態のヒータコア12aは、圧縮機11から吐出された高圧冷媒を熱源として、熱媒体を介して送風空気を加熱する加熱用熱交換器として機能する。
その他の構成および作動は、第1実施形態と同様である。従って、本実施形態の第2除湿暖房モードにおいても、室内蒸発器20に着霜が生じてしまうことを容易に抑制することができ、送風空気の温度調整範囲を拡大することができる。もちろん、本実施形態の冷凍サイクル装置10aにおいて、第2実施形態と同様に蓄冷モードと放冷モードとを切り替えてもよい。
(第4実施形態)
本実施形態では、図11の全体構成図に示すように、冷凍サイクル装置の構成を変更した例を説明する。なお、図11では、図示の明確化のため、図1に対して室内空調ユニット30の一部の構成の記載を省略しているが、本実施形態の室内空調ユニット30の基本的構成は、第1実施形態の室内空調ユニット30と同様である。
本実施形態の冷凍サイクル装置10bは、冷房モード(第1実施形態の冷房モードに対応)の冷媒回路と除湿暖房モード(第2実施形態の第2除湿暖房モードに対応)の冷媒回路とを切替可能に構成されている。
また、本実施形態の圧縮機11の吐出口側には、第1三方弁23aが接続されている。この第1三方弁23aは、各運転モードにおける冷媒回路を切り替える運転モード切替手段であり、空調制御装置から出力される制御信号によって、その作動が制御される電気式の三方弁である。
具体的には、第1三方弁23aは、冷房モード時には、圧縮機11の吐出口側と室外熱交換器15の一方の冷媒流入出口側とを接続する冷媒回路に切り替え、除湿暖房モード時には、圧縮機11の吐出口側と室内凝縮器12の冷媒入口側とを接続する冷媒回路に切り替える。
さらに、第1三方弁23aと室外熱交換器15との間には、除湿暖房モード時に室外熱交換器15から流出した冷媒を第2三方弁23b側へ導く分岐通路17aが接続されている。この第2三方弁23bの基本的構成は、第1三方弁23aと同様である。
具体的には、第2三方弁23bは、冷房モード時には、室内蒸発器20の一方の冷媒流入出口側とアキュムレータ19の入口側とを接続する冷媒回路に切り替え、除湿暖房モード時には、室外熱交換器15の一方の冷媒流入出口側とアキュムレータ19の入口側とを接続する冷媒回路に切り替える。
また、本実施形態の冷凍サイクル装置10bでは、除湿暖房モード時に室内凝縮器12から流出した冷媒を減圧して、バイパス通路17あるいは室内蒸発器20へ流入させることができるように、第1膨張弁14の出口側が、除湿暖房モード時におけるバイパス通路17および室内蒸発器20の上流側に接続されている。その他の冷凍サイクル装置10bの構成は、第1実施形態と同様である。
次に、上記構成における本実施形態の車両用空調装置1の作動について説明する。前述の如く、本実施形態の車両用空調装置1では、冷房モードおよび除湿暖房モードでの運転に切り替えることができる。
(a)冷房モード
冷房モードでは、空調制御装置が、圧縮機11の吐出口側と室外熱交換器15の一方の冷媒流入出口側とを接続するように第1三方弁23aの作動を制御し、室内蒸発器20の出口側とアキュムレータ19の入口側とを接続するように第2三方弁23bの作動を制御する。さらに、空調制御装置が、開閉弁18を閉じ、第2膨張弁16を減圧作用を発揮する絞り状態とする。
これにより、冷房モードでは、図11の白抜き矢印に示すように、圧縮機11→(第1三方弁23a→)室外熱交換器15→第2膨張弁16→室内蒸発器20→アキュムレータ19→圧縮機11の順に冷媒を循環させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。つまり、第1実施形態の冷房モードと同様の冷凍サイクルが構成される。その他の作動についても第1実施形態と同様である。
従って、本実施形態の冷房モードでは、室内蒸発器20にて冷却された送風空気を車室内へ吹き出して車室内の冷房を実現することができる。
(b)除湿暖房モード
除湿暖房モードでは、空調制御装置が、圧縮機11の吐出口側と室内凝縮器12の冷媒入口側とを接続するように第1三方弁23aの作動を制御し、室外熱交換器15の一方の冷媒流入出口側とアキュムレータ19の入口側とを接続するように第2三方弁23bの作動を制御する。
さらに、空調制御装置が、第1実施形態と同様に、開閉弁18を開閉作動させるとともに、第1膨張弁14を絞り状態とし、さらに、第2膨張弁16を全開あるいは全閉とする。これにより、除湿暖房モードでは、第1実施形態と同様の蓄冷モードの運転と放冷モードの運転が切り替えられる。その他の作動についても第1実施形態と同様である。次に、本実施形態の蓄冷モードおよび放冷モードの詳細作動について説明する。
(b−1)蓄冷モード
蓄冷モードでは、空調制御装置が開閉弁18を閉じ、第2膨張弁16を全開とする。これにより、蓄冷モードでは、図11の網掛けハッチング付き矢印に示すように、圧縮機11→(第1三方弁23a→)室内凝縮器12→第1膨張弁14→室内蒸発器20→第2膨張弁16→室外熱交換器15→(分岐通路17a→第2三方弁23b→)アキュムレータ19→圧縮機11の順に冷媒を循環させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
さらに、この冷媒回路の構成で、空調制御装置が、第1実施形態の暖房モードと同様に、各種制御機器の作動状態を決定する。
従って、蓄冷モード時には、室内蒸発器20にて冷媒が蒸発する際の吸熱作用によって送風機32から送風された送風空気が冷却されるとともに、室内蒸発器20に一体化された蓄冷剤容器21が冷却されて蓄冷剤に冷熱が蓄冷される。さらに、室内蒸発器20にて冷却されて除湿された送風空気を、室内凝縮器12にて加熱して車室内へ吹き出すことにより、車室内の除湿暖房を実現することができる。
(b−2)放冷モード
放冷モードでは、空調制御装置が開閉弁18を開き、第2膨張弁16を全閉とする。これにより、放冷モードでは、図11の網掛けハッチング付き矢印に示すように、圧縮機11→(第1三方弁23a→)室内凝縮器12→第1膨張弁14→(バイパス通路17→)室外熱交換器15→アキュムレータ19→圧縮機11の順に冷媒を循環させる暖房モードと同様の蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
さらに、この冷媒回路の構成で、空調制御装置が、第1実施形態の暖房モードと同様に、各種制御機器の作動状態を決定する。従って、放冷モード時には、蓄冷剤容器21の蓄冷剤に蓄えられた冷熱によって冷却されて除湿された送風空気を、室内凝縮器12にて加熱して車室内へ吹き出すことにより、車室内の除湿暖房を実現することができる。
つまり、本実施形態の蓄冷モードでは、冷媒流れに対して直列的に接続される室内蒸発器20および室外熱交換器15のうち、室内蒸発器20が室外熱交換器15よりも上流側に配置されている点が、第1実施形態の蓄冷モードと異なっているものの、その他の構成および作動は第1実施形態と同様となる。
従って、本実施形態の除湿暖房モードにおいても、第1実施形態と同等に、室内蒸発器20に着霜が生じてしまうことを容易に抑制することができ、送風空気の温度調整範囲を拡大することができる。
なお、本実施形態の冷凍サイクル装置10bの構成においても、第2実施形態と同様に、除湿暖房モード時に開閉弁18を開いた状態で第2膨張弁16の開度を制御することによって、蓄冷モードと放冷モードとを切り替えてもよい。
つまり、蓄冷モードでは、室内凝縮器12から第1膨張弁14を介して室内蒸発器20側へ流れる冷媒流量が室内凝縮器12から第1膨張弁14を介してバイパス通路17側へ流れる冷媒流量よりも多くなるように、第2膨張弁16の絞り開度を決定すればよい。一方、放冷モードでは、室内凝縮器12から室内蒸発器20側へ流れる冷媒流量が室内凝縮器12からバイパス通路17側へ流れる冷媒流量よりも少なくなるように、第2膨張弁16の絞り開度を決定すればよい。
また、本実施形態の冷凍サイクル装置10bにおいても、第3実施形態と同様に、室内凝縮器12を廃止するとともに、水−冷媒熱交換器および熱媒体循環回路を設け、水−冷媒熱交換器にて加熱された熱媒体を熱源として、室内空調ユニット30のケーシング31内に配置されたヒータコア12aにて送風空気を加熱する構成としてもよい。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の実施形態では、本発明の冷凍サイクル装置10を、ハイブリッド車両に搭載される車両用空調装置1に適用した例を説明したが、本発明の適用はこれに限定されない。例えば、車両走行用の駆動力を内燃機関(エンジン)から得る通常の車両用の空調装置に適用してもよいし、車両走行用の駆動力を走行用電動モータから得る電気自動車(燃料電池車両等を含む)用の空調装置に適用してもよい。
さらに、内燃機関を有する車両に適用する場合には、エンジン冷却水を熱源として送風空気を加熱する補助加熱手段を室内空調ユニット30内に配置してもよい。さらに、第3実施形態等においては、エンジン冷却水を熱媒体として、熱媒体循環回路120を流通させるようにしてもよい。また、電気自動車においては、バッテリや電気機器を冷却する冷却水を熱媒体として、熱媒体循環回路120を流通させるようにしてもよい。
また、補助加熱手段としては、冷却水を熱源として送風空気を加熱する補助加熱用熱交換器(ヒータコア)に限定されることなく、PTCヒータやニクロム線からなる電気ヒータを採用してもよい。また、本発明の冷凍サイクル装置10は、車両用に限定されることなく、据え置き型の空調装置に適用してもよい。
(2)本発明の冷凍サイクル装置の構成は、上述の実施形態に開示されたものに限定されない。例えば、アキュムレータ19を廃止して、室内凝縮器12あるいは室外熱交換器15から流出した高圧冷媒の気液を分離して余剰液相冷媒を蓄えるレシーバを設けてもよい。さらに、冷凍サイクル装置10は、少なくとも上述の第2除湿暖房モードと同等の冷媒回路構成を実現できるものであればよく、冷媒回路を切替可能に構成されたものに限定されない。
(3)上述の実施形態では蓄冷手段として蓄冷剤が封入された蓄冷剤容器21を採用した例を説明したが、蓄冷手段はこれに限定されない。例えば、蓄冷剤として水和物等を採用してもよい。また、上述の実施形態では、0℃以上かつ10℃以下の冷熱を蓄える蓄冷剤が採用されているが、室内蒸発器20のフロストを防止できる温度以上かつ一般的な吸い込み空気の露点温度以下の冷熱を蓄える蓄冷剤を採用してもよい。さらに、磁性材料のエントロピー変化を利用して冷熱を蓄える磁性蓄冷手段を採用してもよい。
(4)上述の実施形態では、室内蒸発器20と蓄冷剤容器21とを一体化させた例を説明したが、室内蒸発器20と蓄冷剤容器21と別体で構成してもよい。例えば、室外熱交換器15の冷媒出口側から室内蒸発器20の冷媒入口側へ至る冷媒通路に蓄冷材を封入した蓄冷材タンク等を接続し、タンク内に低圧側冷媒を流入させることによって蓄冷材に冷熱を蓄えさせるようにしてもよい。
(5)上述の実施形態では、第2膨張弁16および開閉弁18によって流量調整手段を構成した例を説明したが、流量調整手段はこれに限定されない。例えば、バイパス通路17との接続部から室内蒸発器20の冷媒入口側へ至る冷媒通路に開閉弁18と同様の構成の開閉手段を設け、これを冷媒回路切替手段としてしてもよい。また、バイパス通路17の冷媒入口側の接続部に三方式の流量調整弁を配置して、これを流量調整弁としてもよい。
(6)第2実施形態の第2除湿暖房モードでは、第2膨張弁16の絞り開度を制御することによって、図9に示すように、蓄冷モード時に室内蒸発器20側へ流入させる冷媒流量と放冷モード時に室内蒸発器20側へ流入させる冷媒流量とを段階的に切り替える例を説明したが、第2膨張弁16の絞り開度の制御態様はこれに限定されない。例えば、フィーバック制御手法等を用いて、蒸発器温度Tefinが予め定めた基準蒸発器温度(例えば、5℃)に近づくように第2膨張弁16の絞り開度を連続的に制御してもよい。
(7)上述の各実施形態では、暖房モード、冷房モード、第1除湿暖房モード、および第2除湿暖房モードの各運転モード時に、空調制御装置が、室内凝縮器12(ヒータコア12a)側の空気通路、および冷風バイパス通路35のいずれか一方を閉塞するようにエアミックスドア34を作動させる例について説明したが、エアミックスドア34の作動はこれに限定されない。
例えば、エアミックスドア34が室内凝縮器12(ヒータコア12a)側の空気通路、および冷風バイパス通路35の双方を開くようにしてもよい。そして、室内凝縮器12側の空気通路を通過させる風量と冷風バイパス通路35を通過させる風量との風量割合を調整することで、車室内への吹出空気の温度を調整するようにしてもよい。このような、温度調整は、送風空気の温度を微調整し易い点で有効である。
(8)上述の各実施形態では、空調制御プログラムを実行することによって、各運転モードを切り替えた例を説明したが、各運転モードの切り替えはこれに限定されない。例えば、操作パネルに各運転モードを設定する運転モード設定スイッチを設け、当該運転モード設定スイッチの操作信号に応じて、暖房モードと冷房モードおよび第2除湿暖房モードを切り替えるようにしてもよい。
11 圧縮機
12 室内凝縮器
12a ヒータコア
14 第1膨張弁
15 室外熱交換器
16 第2膨張弁(流量調整手段)
17 バイパス通路
18 開閉弁(流量調整手段)
20 室内蒸発器

Claims (6)

  1. 空調装置に適用される冷凍サイクル装置であって、
    冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11)と、
    前記圧縮機(11)から吐出された高圧冷媒を熱源として空調対象空間へ送風される送風空気を加熱する加熱用熱交換器(12、12a)と、
    前記高圧冷媒を減圧させる減圧手段(14)と、
    前記減圧手段(14)から流出した冷媒と外気とを熱交換させる室外熱交換器(15)と、
    前記室外熱交換器(15)から流出した冷媒を、前記加熱用熱交換器(12、12a)通過前の前記送風空気と熱交換させて蒸発させる蒸発器(20)と、
    前記減圧手段(14)の出口側から前記圧縮機(11)の吸入側へ至る冷媒流路を流れる低圧側冷媒の有する冷熱を蓄えるとともに、前記冷熱にて前記加熱用熱交換器(12、12a)通過前の前記送風空気を冷却する蓄冷手段(21)と、
    前記室外熱交換器(15)から流出した冷媒を、前記蒸発器(20)を迂回させて前記圧縮機(11)の吸入側へ導くバイパス通路(17)と、
    前記室外熱交換器(15)から流出した冷媒のうち、前記蒸発器(20)へ流入する冷媒流量および前記バイパス通路(17)へ流入する冷媒流量を調整する流量調整手段(16、18)とを備えることを特徴とする冷凍サイクル装置。
  2. 前記流量調整手段は、前記室外熱交換器(15)から流出した冷媒の全流量を前記蒸発器(20)へ流入させる冷媒回路および前記室外熱交換器(15)から流出した冷媒の全流量を前記バイパス通路(17)へ流入させる冷媒回路を切り替える冷媒回路切替手段(16、18)によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  3. 前記流量調整手段は、前記室外熱交換器(15)の冷媒出口側から前記蒸発器(20)を介して前記圧縮機(11)の吸入側へ至る冷媒通路の通路圧損および前記バイパス通路(17)の通路圧損の少なくとも一方を変化させる流量調整弁(18)によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  4. 前記蓄冷手段(21)は、少なくとも相転移温度が0℃以上かつ10℃以下の蓄冷剤を有して構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置。
  5. 前記蓄冷手段(21)は、冷熱を蓄える蓄冷剤を有し、
    前記蒸発器(20)および前記蓄冷手段(21)は、前記蒸発器(20)を流通する前記低圧側冷媒と前記蓄冷剤との間で熱移動可能に一体化されていることを特徴とする請求項1ないし4いずれか1つに記載の冷凍サイクル装置。
  6. 空調装置に適用される冷凍サイクル装置であって、
    冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11)と、
    前記圧縮機(11)から吐出された高圧冷媒を熱源として空調対象空間へ送風される送風空気を加熱する加熱用熱交換器(12)と、
    前記高圧冷媒を減圧させる減圧手段(14)と、
    前記減圧手段(14)から流出した冷媒を、前記加熱用熱交換器(12)通過前の前記送風空気とを熱交換させて蒸発させる蒸発器(20)と、
    前記蒸発器(20)から流出した冷媒と外気とを熱交換させる室外熱交換器(15)と、
    前記減圧手段(14)の出口側から前記圧縮機(11)の吸入側へ至る冷媒流路を流れる低圧側冷媒の有する冷熱を蓄えるとともに、前記冷熱にて前記加熱用熱交換器(12、12a)通過前の前記送風空気を冷却する蓄冷手段(21)と、
    前記減圧手段(14)から流出した冷媒を、前記蒸発器(20)を迂回させて前記室外熱交換器(15)の入口側へ導くバイパス通路(17)と、
    前記減圧手段(14)から流出した冷媒のうち、前記蒸発器(20)へ流入する冷媒流量および前記バイパス通路(17)へ流入する冷媒流量を調整する流量調整手段(16、18)とを備えることを特徴とする冷凍サイクル装置。
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