JP2003136946A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JP2003136946A
JP2003136946A JP2001341768A JP2001341768A JP2003136946A JP 2003136946 A JP2003136946 A JP 2003136946A JP 2001341768 A JP2001341768 A JP 2001341768A JP 2001341768 A JP2001341768 A JP 2001341768A JP 2003136946 A JP2003136946 A JP 2003136946A
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cooler
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temperature
air
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Tomonori Imai
智規 今井
Atsuo Inoue
敦雄 井上
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Sanden Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アクセル踏み込み量が大きい時など空調装置
の動力を小さくしたいときには、蓄えた冷熱を常に利用
可能とし、優れた省動力機能を発揮可能な車両用空調装
置を提供する。 【解決手段】 車室内吹き出し空気を冷却する冷却器
と、冷媒の圧縮機を備えた冷却回路を有する車両用空調
装置において、冷却回路で発生した冷熱を蓄えることの
できる蓄冷媒体と、蓄冷媒体と冷媒との間で熱交換を行
い、かつ、冷熱を貯蔵することのできる蓄冷熱交換器
と、蓄冷媒体と車室内吹き出し空気との間で熱交換を行
う放冷器を備えている車両用空調装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用空調装置に
関し、とくに、車両の制動力を冷熱エネルギーとして蓄
え、回生することが可能で、それによって省動力化を達
成できるようにした車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、車両の低燃費化が進むにつれ、車
両用空調装置における省動力化の要求が高まっている。
また、ハイブリッド車両や電動車両では、アイドル時に
エンジンストップを行うため、これに対応できる車両用
空調装置が求められている。これらの要求に対して、ア
クセルオフ時の制動力を熱エネルギーとして蓄熱、回生
することにより車両用空調装置の省動力化をはかった
り、アイドル時エンジンストップにおける冷暖房用エネ
ルギー不足を蓄熱エネルギーで補うという提案がなされ
ている(例えば、特開平11-115473号公報、特開平11-11
5474号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
従来技術では、蓄冷に使用されるのが蒸発器本体とその
中を流れる冷媒のみであったため、蓄冷できる冷熱量が
小さかった。このため、蓄冷したいとき(アクセル踏み
込み量が小さい時)に蓄冷する、放冷したいとき(アク
セル踏み込み量が大きい時、またはアイドル時)に放冷
するという要望を常に満たすことのできるものではなか
った。
【0004】そこで本発明の課題は、上記問題を解決
し、アクセル踏み込み量が大きい時など空調装置の動力
を小さくしたいときには、蓄えた冷熱を常に利用可能と
し、優れた省動力機能を発揮可能な車両用空調装置を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る車両用空調装置は、車室内吹き出し空
気を冷却する冷却器と、該冷却器を冷却する冷媒を圧縮
する圧縮機を備えた冷却回路を有する車両用空調装置に
おいて、前記冷却回路で発生した冷熱を蓄えることので
きる蓄冷媒体と、該蓄冷媒体と冷媒との間で熱交換を行
い、かつ、冷熱を貯蔵することのできる蓄冷熱交換器
と、前記蓄冷媒体と前記車室内吹き出し空気との間で熱
交換を行う放冷器を備えていることを特徴とするものか
らなる。この車両用空調装置においては、前記車室内吹
き出し空気を通過させる通風ダクト内において、前記放
冷器が前記冷却器の風上に設置されていることが好まし
い。
【0006】また、この車両用空調装置においては、車
両のアクセル開度を検知するアクセル開度検知手段を備
え、車両が走行中に前記アクセル開度検知手段で検知さ
れた値が予め設定されたある設定値よりも小さい場合に
(つまり、アクセル踏み込み量が小さい場合に)、前記
冷却器の冷却温度を凝縮水が氷結しない限界の温度まで
下げるように制御することが好ましい。
【0007】また、上記車両用空調装置が、車両のアク
セル開度を検知するアクセル開度検知手段と、前記蓄冷
媒体を前記放冷器と前記蓄冷熱交換器との間で循環させ
るポンプと、車速信号を検知する車速検知手段を備え、
前記アクセル開度検知手段で検知された値が設定値より
も大きい場合、または前記車速検知手段により車両が予
め設定されたあるアイドル状態であることが検知された
場合に、前記ポンプを作動させ前記放冷器により前記車
室内吹き出し空気を冷却する放冷運転を行うことが好ま
しい。そして、前記蓄冷熱交換器内に存在する前記蓄冷
媒体の温度を検出する蓄冷媒体温度検知手段を備え、該
蓄冷媒体温度検知手段により検知された値が予め設定さ
れたある設定値以上の場合は前記放冷運転を禁止するこ
とが好ましい。また、前記蓄冷媒体温度検知手段により
検知された値が設定値未満の場合に前記放冷運転を行う
ことが好ましい。
【0008】このような本発明に係る車両用空調装置に
おいては、車両の制動時やアイドル状態時に、冷却回路
の冷媒と蓄冷媒体との間で熱交換が行われて、大きな冷
熱熱量が蓄冷熱交換器内に貯蔵される。この貯蔵された
冷熱が、必要に応じて、つまり必要な時に、放冷器によ
り車室内吹き出し空気を冷却するように放冷される。こ
の放冷器を通風ダクト内の冷却器の風上に設置すると、
放冷器により冷却された車室内吹き出し空気がさらに冷
却器によって冷却され、目標とする温度に精度よく冷却
された状態で車室内に吹き出される。したがって、所望
の冷却性能が、蓄冷回路を加味した状態で、必要に応じ
て自由に得られるようになる。蓄冷により、しかもその
蓄冷が蓄冷媒体を介して大きな冷熱熱量をもって行われ
ることにより、大きな省動力効果が得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の望ましい実施の
形態を、図面を参照しながら説明する。 <ユニットの構成> (第1の実施形態)図1は、本発明の第1の実施形態に
係る車両用空調装置を示している。冷却回路としての冷
媒が循環する冷媒循環経路1と、蓄冷媒体が循環する蓄
冷媒体循環経路10が設けられており、両方の経路上に
存在する蓄冷熱交換器7において、冷媒と蓄冷媒体が熱
交換され、蓄冷媒体が冷却される。なお、実施態様で
は、蓄冷媒体にはブラインが用いられている。
【0010】冷媒が循環する冷媒循環経路1では、圧縮
機2により圧縮された高温高圧の冷媒が、凝縮器3によ
り外気と熱交換されて冷却され、凝縮し液化する。受液
器4により気液分離され、絞り機構5により液冷媒が減
圧される。減圧された低圧の冷媒は蓄冷熱交換器7に流
入し、蓄冷媒体と熱交換され、さらに冷却器6に流入し
て、車室内吹き出し空気と熱交換する。蓄冷媒体と車室
内吹き出し空気から吸熱し蒸発した冷媒は再び圧縮機2
に吸入され圧縮される。
【0011】蓄冷媒体が循環する蓄冷媒体循環経路10
には、蓄冷媒体を循環させるポンプ9と、蓄冷熱交換器
7と、放冷器8が備えられている。蓄冷熱交換器7で
は、蓄冷媒体と冷媒の熱交換が行われ、放冷器8では、
蓄冷媒体と車室内吹き出し空気の熱交換が行われる。
【0012】車室内吹き出し空気が通過する空調ユニッ
トを構成する通風ダクト14内には、上流側から、送風
機15、放冷器8、冷却器6、エアミックスダンパ1
6、ヒータコア17が備えられている。通風ダクト14
内において、放冷器8は冷却器6よりも風上に配置され
ている。通風ダクト14の下流側には、DEF、VEN
T、FOOT等の各吹出口41、42、43が設けられ
ており、図示を省略した各ダンパにより所定の吹出口が
選択されるようになっている。
【0013】空調制御のための各種センサとして、冷却
器6通過後の空気温度Teを検知するための冷却器出口
空気温度センサ21、蓄冷熱交換器7内の蓄冷媒体の温
度Ttを検知する蓄冷温度センサ22が備えられ、検知
された信号は空調制御を行う空調制御装置20(メイン
コントローラ)へ入力される。
【0014】さらに空調制御装置20には、外気温度T
am、室内温度Tr、日射量Rsun、ヒータ温水温度
Twまたはヒータ温度Th、アクセル開度信号ACC、
車速信号SP等の信号群23が入力される。
【0015】<本発明における省動力効果>このような
構造により、本実施形態における空調装置では、蓄冷媒
体に冷媒の冷熱を蓄えることができる。蓄えた冷熱を放
冷したい時は、ポンプ9を駆動することにより蓄冷媒体
を放冷器8へ循環させてやればよい。放冷器8で車室内
吹き出し空気を冷却することによって、冷却器6を通過
する前の空気温度が低下するため、冷却器6における冷
房能力を小さくすることができ、圧縮器2で消費される
動力を低減することができる。蓄冷媒体の温度が、放冷
器8を通過する前の空気温度(空調ユニット(空調ダク
ト)14への吸入空気温度)よりも低ければ、空気を冷
却することができるため、圧縮器2の動力を低減でき
る。ここで、放冷器8を通過前の空気温度は少なくとも
外気温度または車室内空気温度よりも高い温度であるた
め、蓄冷媒体の温度が比較的高い場合であっても空調機
器の消費動力を低減できることになる。これは本発明に
おける利点の一つである。
【0016】ここで、放冷器が冷却器の風下に配置され
た場合を仮定してみる。冷却器通過後の目標空気温度を
仮に5℃とし、冷却器通過後の空気温度がすでに5℃に
保たれ、かつ蓄冷媒体の温度が5℃以上の場合、冷却器
通過後の空気よりも蓄冷媒体の温度の方が高いため、放
冷による省動力効果を得ることはできない。すなわち、
冷却器通過後の空気温度よりも蓄冷媒体の温度が高い場
合、省動力効果を得ることはできない。冷却器通過後の
目標空気温度は約3℃〜10℃であるため、蓄冷媒体の
温度がかなり低い場合でないと空調機器の消費動力を低
減することができない。
【0017】車両における空調装置の低燃費化(省動力
化)を考えた場合、アイドル時やアクセル開度が大きい
時は車両の制動力を使うことができないので、空調装置
の動力を小さくする必要がある。また、アクセル開度が
小さい時は車両の制動力を使えるため、空調装置の動力
を大きくしても省燃費(省動力)を達成することができ
る。このように、アイドル時やアクセル開度が大きい時
は、空調装置の動力を低減する必要があるが、前述した
通り、放冷器が冷却器の風下に配置された装置では、蓄
冷媒体の温度が冷却器通過後の空気温度(約3〜10
℃)よりも高くなると空調装置の動力を低減することが
できないため、車両における空調装置の省燃費効果は小
さくなる。
【0018】一方、本発明に係る空調装置では、蓄冷媒
体の温度が少なくとも外気温度、または車室内空気温度
(約25〜30℃)よりも高くなるまで空調装置の動力
を低減することができるため、車両における空調装置の
省燃費効果は大きくなる。
【0019】<蓄冷熱交換器バイパス手段>冷媒循環経
路1には、蓄冷熱交換器7をバイパスするバイパス経路
11が備えられており、バイパス経路11には第1遮断
機構12(遮断弁)が備えられている。また蓄冷熱交換
器7の手前には第2遮断機構13が備えられ、冷媒の流
れを制御することができるようになっている。通常時は
第1遮断機構12を閉じ、第2遮断機構13を開くこと
により蓄冷熱交換器7と冷却器6の両方に冷媒を循環さ
せ蓄冷を行う。
【0020】夏期において、空調装置起動前の車室内空
気温度は60〜70℃の高温となる場合が多い。このよ
うな状況下では早急に車室内を冷やす必要があるため、
大きな冷房能力が要求される。これを解決するための手
段として、空調装置起動時に、室内空気温度Trがある
設定値Tr1より高い場合、第1遮断機構12を開い
て、第2遮断機構13を閉じることにより、蓄冷熱交換
器7をバイパスさせて冷媒を循環させる。これにより蓄
冷媒体と冷媒の熱交換が行われないため、冷却器6によ
る冷却能力が大きくなり、空調装置起動時における冷房
能力を大きくすることができる。
【0021】<蓄冷媒体温度による制御>蓄冷熱交換器
7における蓄冷媒体の温度Ttがある設定値Tminよ
りも低い場合を蓄冷完了状態とし、ポンプ9を作動さ
せ、放冷運転を行う。その後、蓄冷媒体温度TtがTm
inよりも大きくなったら、通常制御状態に戻す。
【0022】蓄冷媒体の温度Ttが放冷器8を通過前の
空気温度よりも高い場合、ポンプ9を作動させ放冷運転
を行うと、放冷器8を通過する空気を温めてしまい、空
調装置の動力を増加させてしまう。ここで、放冷器8を
通過する前の空気温度は、外気導入時には外気温度Ta
m、内気導入時には車室内空気温度Trを用いる。この
ように空調装置の動力が増加してしまうのを防ぐため、
蓄冷媒体の温度Ttが放冷器8を通過する前の空気温度
よりも高い場合は、放冷運転を禁止することとし、ポン
プ9は常にOFF状態とする。
【0023】<圧縮機停止時の冷媒回路遮断>圧縮機に
おけるクラッチのON−OFF制御やハイブリッド自動
車のアイドル時エンジンストップなどにより、圧縮機2
が停止した場合に、高圧側の冷媒が絞り機構5を通して
流れ込み、蓄冷熱交換器7や冷却器6を温めてしまうこ
とを防ぐため、圧縮機2が停止した際は第1遮断機構1
2と第2遮断機構13を共に閉じる。これにより、圧縮
機停止時の蓄冷熱交換器7と冷却器6の保冷効果を高め
ることができる。
【0024】<アクセル開度による空調制御>本発明に
おける車両用空調装置では、車両の制動力を備蓄し、ア
イドル時や加速時などに回生することによって空調装置
における消費動力を低減させることができる。そのため
の空調装置制御方法について説明する。
【0025】空調制御装置20はアクセル開度信号AC
C、車速信号SPを検知するが、検知されたACCの値
がある設定値A1よりも大きい場合、または車速信号S
Pにより車両がアイドル時であることが判定された場合
は、ポンプ9を作動させ放冷運転を行う。しかし、前述
したように、蓄冷媒体の温度Ttが放冷器8を通過前の
空気温度よりも高く、放冷運転が禁止されている場合に
はポンプ9の作動は行わない。
【0026】検知されたACCの値がある設定値A1よ
りも小さく、かつ車速信号SPにより車両がアイドル時
でないことが判定された場合は、冷却器6において凝縮
水を氷結させない限界の温度(約3℃)まで、冷却器出
口空気温度Teが下がるように、圧縮機2の仕事量を制
御する蓄冷運転を行う。
【0027】圧縮機の仕事量を制御する方法は、用いる
圧縮機により異なるが、電磁クラッチのON−OFF制
御、あるいは吐出容量の制御によって行う。このよう
に、冷却器6が着霜しない範囲で圧縮機2における仕事
量を最大とすることにより、蓄冷熱交換器7において蓄
冷媒体を急速に冷却し、制動力を冷熱として蓄冷媒体に
備蓄することができる。
【0028】<車室内吹き出し空気温度の制御>蓄冷式
の車両用空調装置の場合、車室内へ吹き出される空気の
温度を目標の吹き出し空気温度TaOとなるよう制御す
るには、蓄冷媒体の温度を常に把握し、その温度に応じ
て、冷媒による室内熱交換器(蒸発器)の冷房能力やエ
アミクスダンパを制御する必要がある。しかしながら、
本発明における車両用空調装置においては、蓄冷媒体の
温度を用いることなく、目標の吹き出し温度となるよう
車室内吹き出し空気温度の制御を行うことができる。
【0029】本発明における蓄冷式車両用空調装置で
は、放冷器8が冷却器6の風上に配置されているため、
冷却器6の風下では周知の車両用空調装置と同じ構成と
なる。したがって、目標の車室内吹き出し空気温度Ta
Oを実現するための制御方法も周知の車両用空調装置と
同様に、冷却器6の出口空気温度Teとヒータコア出口
空気温度Thから、エアミクスダンパの開度SWを周知
の演算式により算出される値となるよう制御すればよ
い。
【0030】このように、蓄冷媒体の温度を検知するこ
となく目標の車室内吹き出し空気温度TaOとなるよう
吹き出し空気温度の制御を行うことができるという点も
本発明の利点の一つである。
【0031】<蓄冷熱交換器の構成>図2(a)は、蓄
冷熱交換器7と放冷器8の第1構成例を示している。蓄
冷熱交換器7は、蓄冷媒体の温度を保つことができるよ
う、断熱構造とすることが望ましい。さらに蓄冷熱交換
器7と放冷器8をつなぐ蓄冷媒体循環経路10の配管
や、蓄冷熱交換器7と冷却器6をつなぐ冷媒循環経路1
の配管に、断熱材を巻くことが望ましい。
【0032】蓄冷温度センサ22は蓄冷熱交換器7内に
おいて、蓄冷媒体の上層部の温度を測定できる位置に設
置する。これにより、蓄冷熱交換器7内に溜まった蓄冷
媒体における最も高温部の温度を検知することができ
る。
【0033】また、ポンプ9が汲み上げる蓄冷媒体は、
蓄冷熱交換器7内における下層部の蓄冷媒体とすること
により、最も低温部の蓄冷媒体を放冷器8へ送り出すこ
とができる。さらに、放冷器8から蓄冷熱交換器7へ蓄
冷媒体を戻す配管は、蓄冷熱交換器7の上層部へ接続す
るのが望ましい。これにより、蓄冷媒体が蓄冷熱交換器
7の上層部に停滞するのを防ぐことができる。
【0034】図2(b)は、蓄冷熱交換器7と放冷器8
の第2構成例を示している。放冷器8の上部に蓄冷熱交
換器7を設置し、放冷器8の下部と蓄冷熱交換器7の上
部を蓄冷媒体用配管でつなぎ、間にポンプ9を設置す
る。また、蓄冷熱交換器7の下部と放冷器8の上部に蓄
冷媒体用配管を接続する。これにより、自然対流によっ
て、冷たい蓄冷媒体が放冷器8へ流れていく仕組みとな
る。この構成により、ポンプ9を作動させることなくあ
る程度の放冷を行うことができるという利点がある。し
かし、放冷器8で温められた蓄冷媒体が自然対流により
蓄冷熱交換器7へ流れてくるため、蓄冷熱交換器7にお
ける蓄冷熱を長時間保冷しておくことはできない。
【0035】放冷量を大きくするには、ポンプ9を作動
させ、蓄冷媒体を循環させる。冷たい蓄冷媒体は放冷器
8の下部に流れていく途中で、車室内吹き出し空気との
熱交換により温められ、温められた蓄冷媒体がポンプ9
により蓄冷熱交換器7の上部に流れ込むため、低温の蓄
冷媒体がどこかに停滞してしまうということがない。
【0036】<通風抵抗の低減手段>本発明に係る車両
用空調装置は、空調ユニット14の通風経路に、放冷器
8と冷却器6が直列に設置されるため、通風抵抗が増大
してしまうという問題が生じることがある。これを解決
するための手段として、通風経路に、放冷器8または冷
却器6をバイパスするバイパス手段を設けるということ
が考えられる。
【0037】図3に、その実施例を示す。空調ユニット
14内に、放冷器8または冷却器6をバイパスするバイ
パス経路30が設けられ、さらに通風経路の変更を行う
通風切替え機構31が設けられている。図3の(a)は
放冷器8と冷却器6の両方を車室内吹き出し空気が通過
する状態であり、(b)は冷却器6をバイパスさせた状
態である。さらに、(c)は放冷器8をバイパスさせた
状態を示している。通風切り替え機構31は蓄冷熱交換
器7内の蓄冷媒体温度Ttとアクセル開度信号ACC、
および車速信号SPに基づき行う。
【0038】ここで、切替え機構31の制御方法につい
て説明する。前述したように、検知されたアクセル開度
信号ACCの値がある設定値A1よりも大きい場合、ま
たは車速信号SPにより車両がアイドル時であることが
判定された場合は、ポンプ9を作動させ放冷運転を行
う。前述したように、蓄冷媒体の温度Ttが放冷器8を
通過前の空気温度よりも高い場合は放冷運転が禁止され
るため放冷運転は行われない。
【0039】放冷運転の際には、空気が放冷器8を通過
する必要があるため、図3の(a)か(b)の状態とな
るよう切り替え機構31を制御しなければならない。こ
こで(a)を用いるか(b)を用いるかの判定は、蓄冷
媒体の温度Ttにより行う。
【0040】放冷運転の際に、蓄冷媒体の温度Ttが目
標冷却器出口空気温度(約3〜10℃)よりも高い場合
は(a)の状態となるよう切替え機構31を制御する。
これは、蓄冷媒体の温度が高いため、冷却器6により空
気を冷やす必要があるからである。
【0041】また、放冷運転の際に蓄冷媒体の温度Tt
が目標冷却器出口空気温度よりも低い場合は(b)の状
態となるよう切替え機構31を制御する。これは、蓄冷
媒体の温度が低いため、冷却器6に空気を通す必要がな
いからである。
【0042】検知されたアクセル開度ACCの値がある
設定値A1よりも小さく、かつ車速信号SPにより車両
がアイドル時でないことが判定された場合は、前述した
ように冷却器6において凝縮水を氷結させない限界の温
度(約3℃)まで冷却器出口空気温度Teを低下させる
蓄冷運転を行うが、蓄冷運転の際は空気が放冷器を通過
する必要がないため、図3(c)の状態となるよう切替
え機構31を制御する。
【0043】また、蓄冷媒体の温度Ttが放冷器8を通
過前の空気温度よりも高く、放冷運転が禁止されている
場合は、放冷器8に空気を通す必要はないので図3
(c)の状態とする。
【0044】<絞り機構を2つ備えた形態> (第2の実施形態)図4は、本発明における第2の実施
形態の空調装置のシステム構成図を示している。第1の
実施形態と異なり、冷媒循環経路1において、蓄冷熱交
換器7が冷却器6の下流に設置されている。また冷却器
6の上流に存在する第1絞り機構27および蓄冷熱交換
器7の上流に存在する第2絞り機構28を備えている。
このように、2つの絞り機構を用いることにより、冷却
器6および蓄冷熱交換器7における冷却性能を、第1の
実施形態と比べて向上させることができる。
【0045】第1絞り機構27の上流には第1遮断機構
24が設けられている。第1の実施形態と同様に圧縮機
2が停止した際は冷媒循環経路を遮断するため、第1遮
断機構24を閉じる。これにより、高圧側の冷媒が低圧
側へ流れ込んで冷却器6や蓄冷熱交換器7を温めてしま
うことを防ぎ、保冷効果を高める。
【0046】2つの絞り機構を用いた場合、圧縮機2に
吸入される冷媒の圧力が低下し、圧縮機2の消費動力が
増加する恐れがある。そこで、蓄冷が不要な時には、冷
媒経路において、蓄冷熱交換器7をバイパスするバイパ
ス経路29が備えられ、バイパス経路29には第2遮断
機構25が設けられている。また、第2絞り機構28の
上流には第3遮断機構26が設けられる。通常時は、第
2遮断機構25を閉じて、第3遮断機構26を開くこと
により蓄冷熱交換器7において蓄冷を行う。
【0047】夏期における空調装置起動時など、最大冷
房能力を必要とされる場合は、圧縮機2における消費動
力が大きくなりすぎないように、蓄冷熱交換器7をバイ
パスする必要がある。そこで空調装置起動時に、室内空
気温度Trがある設定値Tr1よりも高い場合、第2遮
断機構25を開いて、第3遮断機構26を閉じ、バイパ
ス経路29へ冷媒が流れるようにする。
【0048】また、蓄冷熱交換器7内の蓄冷媒体温度T
tがある設定値Tminよりも小さくなり、蓄冷完了状
態となった場合、これ以上蓄冷媒体を冷却する必要がな
いため蓄冷熱交換器7をバイパスするように第2遮断機
構25を開いて、第3遮断機構26を閉じる。さらにT
tがある設定値Tmaxよりも大きくなった場合、蓄冷
必要状態として、第2遮断機構25を閉じて、第3遮断
機構26を開き、蓄冷熱交換器7において蓄冷を行う。
【0049】冷却器6の出口空気温度とポンプ9の制御
については、第1の実施形態と同様の制御を行う。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の車両用空
調装置によれば、 (1)ブライン等の蓄冷媒体を用いたため、蓄冷可能な
エネルギー量が大きく、蓄冷したい時に蓄冷できる。 (2)放冷器により、冷却器通過前の空気を冷却するこ
とにより、放冷による動力低減が可能となる場面が増
え、放冷したい時に放冷できる。 (3)車室内吹き出し空気の通風経路において、放冷器
が冷却器の上流に設置されているため、蓄冷媒体の温度
を用いた複雑な車室内吹き出し空気温度制御を行う必要
がない。このように、効率よく蓄冷、放冷を行うことが
でき、優れた省動力効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る車両用空調装置
の概略構成図である。
【図2】蓄冷熱交換器と放冷器部分の構成例を示す斜視
図である。
【図3】放冷器と冷却器部分にバイパス路を設ける場合
の構成例を示す概略断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る車両用空調装置
の概略構成図である。
【符号の説明】
1 冷却回路としての冷媒循環経路 2 圧縮機 3 凝縮器 4 受液器 5 絞り機構 6 冷却器 7 蓄冷熱交換器 8 放冷器 9 ポンプ 10 蓄冷媒体循環経路 11 バイパス経路 12 第1遮断機構 13 第2遮断機構 14 通風ダクト(空調ユニット) 15 送風機 16 エアミックスダンパ 17 ヒータコア 20 空調制御装置 21 冷却器出口空気温度センサ 22 蓄冷温度センサ 24 第1遮断機構 25 第2遮断機構 26 第3遮断機構 27 第1絞り機構 28 第2絞り機構 29 バイパス経路 30 バイパス経路 31 通風切替え機構 41、42、43 吹出口

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車室内吹き出し空気を冷却する冷却器
    と、該冷却器を冷却する冷媒を圧縮する圧縮機を備えた
    冷却回路を有する車両用空調装置において、前記冷却回
    路で発生した冷熱を蓄えることのできる蓄冷媒体と、該
    蓄冷媒体と冷媒との間で熱交換を行い、かつ、冷熱を貯
    蔵することのできる蓄冷熱交換器と、前記蓄冷媒体と前
    記車室内吹き出し空気との間で熱交換を行う放冷器を備
    えていることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 【請求項2】 前記車室内吹き出し空気を通過させる通
    風ダクト内において、前記放冷器が前記冷却器の風上に
    設置されていることを特徴とする、請求項1の車両用空
    調装置。
  3. 【請求項3】 車両のアクセル開度を検知するアクセル
    開度検知手段を備え、車両が走行中に前記アクセル開度
    検知手段で検知された値が設定値よりも小さい場合に、
    前記冷却器の冷却温度を凝縮水が氷結しない限界の温度
    まで下げるように制御することを特徴とする、請求項1
    または2の車両用空調装置。
  4. 【請求項4】 車両のアクセル開度を検知するアクセル
    開度検知手段と、前記蓄冷媒体を前記放冷器と前記蓄冷
    熱交換器との間で循環させるポンプと、車速信号を検知
    する車速検知手段を備え、前記アクセル開度検知手段で
    検知された値が設定値よりも大きい場合、または前記車
    速検知手段により車両がアイドル状態であることが検知
    された場合に、前記ポンプを作動させ前記放冷器により
    前記車室内吹き出し空気を冷却する放冷運転を行うこと
    を特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の車
    両用空調装置。
  5. 【請求項5】 前記蓄冷熱交換器内に存在する前記蓄冷
    媒体の温度を検出する蓄冷媒体温度検知手段を備え、該
    蓄冷媒体温度検知手段により検知された値が設定値以上
    の場合は前記放冷運転を禁止することを特徴とする、請
    求項4の車両用空調装置。
  6. 【請求項6】 前記蓄冷媒体温度検知手段により検知さ
    れた値が設定値未満の場合に前記放冷運転を行うことを
    特徴とする、請求項5の車両用空調装置。
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