JP2014061481A - 一酸化炭素の選択的メタン化触媒 - Google Patents

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Abstract

【課題】
各種の炭化水素燃料から製造する水素ガスに含まれる一酸化炭素をメタンに変換する過程でニッケルカルボニルの生成を完全に払拭した廉価で高活性なニッケル代替触媒が望まれていた。
【解決手段】
一酸化炭素をメタン化する触媒の活性成分にニッケルを含まず、コバルトと鉄を同時に含む一酸化炭素の選択的メタン化触媒を提供する。本発明は、例えば、家庭用固体高分子形燃料電池発電システムや燃料電池車用オンサイト型水素ステーションで使用される燃料改質器の触媒としての適用や、化学プラントにおける水素精製用触媒として用いることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、天然ガス、LPG、灯油など各種の炭化水素燃料から水素ガスを製造する際、副生ガスとして生成する一酸化炭素(以下「CO」と記す。)及び二酸化炭素(以下「CO2」と記す。)のうちCOを選択的にメタン(以下「CH4」と記す。)に転換する触媒に関する。
固体高分子形燃料電池は80℃程度の低温で運転するため、燃料である水素リッチガス中に一酸化炭素(以下「CO」と記す。) が、あるレベル以上含まれていると、アノード白金触媒のCO被毒により、発電性能が低下したり遂には全く発電ができなくなったりするという問題が生じる。
このCO被毒を回避するため、都市ガス、LPガス又は灯油などを燃料改質器で水素リッチガスに転換して使用する家庭用固体高分子形燃料電池発電システムでは、燃料電池アノード入口ガスのCO濃度を常に10ppm以下に抑えることが望まれる。実システムの多くは、燃料改質プロセスの最終段階で生成ガスに空気を混合しガス中に含まれるCOをCO2に酸化するCO選択酸化触媒を採用している。
CO + 1/2 O2 = CO2 (反応式1)
最近、このCO選択酸化触媒に変わる新たな方法として、CO選択メタン化触媒が注目されている。この触媒は、反応式2に示すようにCOをH2と反応させ白金電極触媒には無害なCH4にするものであるため、外部から空気を供給する必要がない。そのため、空気ブロアやその制御システム、更には供給した空気を反応ガスと均一に混合するための複雑なガス混合構造体を燃料改質器に設置する必要がなく、システムのコストダウンが期待されている。
CO + 3H2 = CH4 + H2O (反応式2)
特許文献1には、Ni-Al複合酸化物前駆体にルテニウム塩を含浸担持し、還元処理で高分散Ni粒子をNi-Al複合酸化物前駆体から析出させることで、従来触媒ではCOメタン化反応よりCO2メタン化反応と逆水性シフト反応が支配的に進行する高温度領域においても選択的にCOメタン化反応を起こさせることができるCO選択メタン化触媒が開示されている。
特許文献2には、一酸化炭素をメタン化するNi活性成分に、二酸化炭素の反応抑制剤、例えばVを吸着又は結合させることによって、COメタン化反応の選択性に優れたCO選択メタン化触媒が開示されている。
WO2010/122855号 WO2011/142481号
COは金属に対する反応性が高いため、多くの金属と反応して金属カルボニルを生成することが知られている。特許文献1〜2に開示された触媒は、いずれも触媒の活性成分としNiが使用されているため、使用条件によってはニッケルカルボニルが生成する可能性がある。ニッケルカルボニルは燃料電池のアノード触媒の被毒物質であり、また人体への有害性も報告されているため、Niを含む触媒を機器に適用する際は、定常運転、負荷変動時、起動停止時はもちろん、トラブルによる異常条件下においてもニッケルカルボニルの生成が無いことを確認しなければならない。仮にニッケルカルボニルの生成が確認される場合は、カルボニルが生成しない条件での運転に制限するか、燃料改質器外に放出されない対策を取るか、あるいは触媒自体の適用を取り止める必要がある。このような事前の対策には多大の時間と労力を要し、製品の価格を押し上げる要因となる。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、活性成分としてNiを一切含まず、同等以上の高い性能を示すCO選択メタン化触媒およびその燃料改質器を提供するものである。
CO選択メタン化触媒の活性金属としては、Ni以外にRuが使用されている。RuもCOと反応しカルボニルを形成するが、アノード触媒の被毒物質ではなくまた毒性もない。しかし貴金属であるRuは、価格上その使用量には制限がある。本発明者らは、Niと貴金属以外の廉価な遷移金属を中心にCO選択メタン化活性の高い活性金属種を探索した結果、CoとFeが特定の組成範囲にある複合金属において、CoとFeそれぞれ単独の活性を上回るだけでなく、Niをも凌駕する優れた活性を示すことを見出し、本発明の完成に到った。
CoとFeの複合金属がこのような優れた活性を示す原因について鋭意検討を行ったところ、活性の高い触媒にはCo-Fe固溶体とCoFe金属間化合物が生成していることが見出された。これらのいずれかあるいは両方が高活性化に関与していると推定している。但し、別の要因によって高活性化されている可能性も否定できず、本発明の範囲はここに記載した原因には限定されない。
本発明のCo-Fe/Al2O3触媒の性能をCo/Al2O3触媒、Fe/Al2O3触媒、Ni/Al2O3触媒と比較して示した図である。 水素製造システム全体の概略構成を示すブロック図である。 比較例1の触媒の性能を示す図(a)、(b)である。 比較例2の触媒の性能を示す図(c)、(d)である。 比較例3の触媒の性能を示す図(e)、(f)である。 比較例4の触媒の性能を示す図(g)、(h)である。 比較例5の触媒の性能を示す図(i)、(j)である。 実施例1の10wt%Co-Fe/Al2O3触媒でCo/(Co+Fe)重量比の性能への影響を示す図である。 図8の触媒の性能変化をまとめた図とX線回折像を示す図である。 実施例1、2、3の触媒でCo-Feの担持量の性能に及ぼす影響を示す図である。 実施例4の10wt%Co-Fe/ZrO2触媒と10wt%Co-Fe/TiO2触媒の性能を示す図である。 実施例5の0.5wt%のRuを添加した10wt%Co-Fe/ZrO2触媒の性能を示すグラフである。 実施例6の0.5wt%のRuを添加した10wt%Co-Fe/Ce-Zr-O触媒の性能を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
[水素製造・精製システム]
本発明の触媒を適用する燃料電池の水素製造・精製システムの概略構成とフローを図2に示す。破線で囲まれた部分が燃料処理装置に相当し、この中を原燃料ガスが流れ、各触媒層を通過する過程で改質とCOの除去を行い(10ppm以下)高い濃度の水素ガス(改質ガス:H約75%、CO約20%)を得る。原燃料ガスはまず脱硫器で硫黄成分を除去した後、改質触媒層において改質反応によりH2とCOを生成し、さらにCO変成触媒層でCOを除去する。ここまでは従来の装置構成である。COを0.5〜1.0%程度含むH2とCO2ガスは、本発明によるCOの選択的メタン化触媒層に流入して、この触媒層を通過する過程でCO濃度が10ppm以下の改質ガスとなり、PEFCスタックに供給される。
本発明の触媒は、図2のシステムではH2中にCOとCO2が共存するガスを処理対象としているが、CO2が共存しないH2とCOからなるガスを処理するシステムに対しても同様に適用することができる。
[触媒の構成]
本発明の触媒は、酸化物担体の表面に活性金属粒子が担持され、その活性金属粒子はニッケルを含まず、コバルトと鉄を同時に含んでいる。鉄とコバルトの組成は、例えばFe/(Fe+Co)の重量比で0.05〜0.55であり、具体的には例えば、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55であり、ここで例示したいずれか2つの間の範囲内であってもよい。Fe/(Fe+Co)が0.05より小さくても、また0.55より大きくてもCO除去率は急激に低下する。CO除去率の観点からFe/(Fe+Co)が0.10〜0.40の範囲にあることがさらに好ましい。
また、コバルトと鉄の担持率(触媒全重量に対するコバルト+鉄の重量%)は、例えば5〜30%であり、具体的には例えば、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30%であり、ここで例示した数値のいずれか2つの範囲内であってもよい。コバルトと鉄の担持率が5%を下回ると活性金属粒子の表面積が小さいため触媒の活性が低く、また30%を越えて担持しても触媒粒子が凝集により大きくなるため表面積が小さく活性が低い。
触媒活性金属は、ニッケルを含まずコバルトと鉄を同時に含んでいれば、CO選択メタン化活性を有する他の金属や助触媒を含んでいても構わない。触媒を適用する装置においてCO除去活性を時に高めたい場合には、貴金属を触媒価格の増加に大きな影響を及ぼさない範囲で添加してもよく、例えば比較的廉価なルテニウムであれば担持率にして0.1〜0.5%の範囲であり、具体的には例えば0.1、0.2、0.3、0.4、0.5%であり、ここで例示した数値のいずれか2つの範囲内であってもよい。
触媒の担体の種類は、特に限定されず、具体的には例えば、アルミニウム、チタン、シリコン、ジルコニウム、セリウムのうち少なくとも一つ以上からなる酸化物、窒化物、炭化物が利用可能である。中でもZrO2、TiO2、Al2O3、Ce-Zr複合酸化物が高いCO除去率を得る上で好ましい。
[性能評価]
触媒の活性評価条件と手順を以下に説明する。触媒粉末をプレス成形した後、粉砕・篩分により粒径1.1mm〜2mmの粒状触媒を作製した。活性評価に先立ち粒状触媒の水素還元を行った。これは、触媒活性成分を還元するためである。還元は反応管に500ml/minのHガスを流し、20℃/minで500℃まで昇温した後、1時間温度保持した。還元終了後、HからNにガスを切り替え5分間流しHをパージした。還元終了後、触媒の活性評価を行う温度まで降温した。水蒸気を反応管内に導入しはじめ、5分後に反応ガスを導入した。水蒸気供給速度は水蒸気/CO=34(モル比)に相当する値とし、イオン交換水をマイクロポンプで200℃に保った気化器に送り、発生した水蒸気をNキャリアで反応管に導入した。各反応ガスはマスフローコントローラーにより反応管に導入し、組成はドライベースでCO 0.5〜0.8vol%、H 80vol%、CO 19vol%とした。空塔速度SVは5000〜9000h−1とした。反応管は外径13mmの石英管を使用した。この反応管の中央所定位置に1.1mm〜2mmの粒状触媒2.1mLを充てんした。シース熱電対の先端を触媒層の上端から約2mmの位置に挿入し触媒層の温度測定を行った。反応管出口からのガスH2、CO2、CH4、COは、非分散型赤外分析計とTCD型分析計からなる多成分連続ガス分析計(堀場製作所製)によって定量を行った。
得られた分析結果は、主にCOとCH4濃度を反応温度に対してプロットした。触媒性能の良否は、これらガス濃度の温度依存性から判断できる。例えば、COがより低い温度でより低濃度まで除去されていれば、その触媒のCOメタン化活性は高いと云える。更にCH4が入口CO濃度に近い数値のまま高温まで増加せずに維持されていれば、CO2メタン化反応が抑制された選択性の高いCO選択メタン化触媒であると判断できる。
本発明の比較例として、活性金属がNi、Co、Feそれぞれ単独の触媒と、活性金属中にNiを含む触媒の例としてNi-Co、Ni-Fe触媒の作製法を示す。
[比較例1](10wt%Ni/Al2O3触媒粉末の調製)
以下の方法で10wt%Ni/Al2O3触媒粉末を調製した。アルミナ粉末(水澤化学、GP-20)5.0gを純水50mLに投入し懸濁液とした。また硝酸ニッケル六水和物(関東化学)2.75gを純水50mlに溶解した。アルミナ担体の懸濁液を撹拌しながら硝酸ニッケル水溶液をビュレットを用いて約20分間で全量投入した。40℃の湯浴中で1時間撹拌した後、40℃の湯浴中でエバポレーターにかけ、水分をすべて飛ばした。得られた粉末を、110℃で12時間乾燥させたのち、500℃で3時間焼成し、金属換算でNi10wt%を担持した10wt%Ni/Al2O3触媒粉末を得た。
[比較例2](10wt%Co/Al2O3触媒粉末の調製)
以下の方法で10wt%Co/Al2O3触媒粉末を調製した。アルミナ粉末(水澤化学、GP-20)5.0gを純水50mLに投入し懸濁液とした。また硝酸コバルト六水和物(関東化学)2.74gを純水50mlに溶解した。アルミナ担体の懸濁液を撹拌しながら硝酸コバルト水溶液をビュレットを用いて約20分間で全量投入した。40℃の湯浴中で1時間撹拌した後、40℃の湯浴中でエバポレーターにかけ、水分をすべて飛ばした。得られた粉末を、110℃で12時間乾燥させたのち、500℃で3時間焼成し、金属換算でCo10wt%を担持した10wt%Co/Al2O3触媒粉末を得た。
[比較例3](10wt%Fe/Al2O3触媒粉末の調製)
以下の方法で10wt%Fe/Al2O3触媒粉末を調製した。アルミナ粉末(水澤化学、GP-20)5.0gを純水50mLに投入し懸濁液とした。また硝酸鉄九水和物(関東化学)4.02gを純水50mlに溶解した。アルミナ担体の懸濁液を撹拌しながら硝酸鉄水溶液をビュレットを用いて約20分間で全量投入した。40℃の湯浴中で1時間撹拌した後、40℃の湯浴中でエバポレーターにかけ、水分をすべて飛ばした。得られた粉末を、110℃で12時間乾燥させたのち、500℃で3時間焼成し、金属換算でFe10wt%を担持した10wt%Fe/Al2O3触媒粉末を得た。
[比較例4](Ni-Co/Al2O3触媒粉末の調製)
以下の方法で6.7wt%Ni-3.3wt%Co/Al2O3触媒粉末を調製した。アルミナ粉末(水澤化学、GP-20)5.0gを純水50mLに投入し懸濁液とした。また硝酸ニッケル六水和物(関東化学)1.84gと、硝酸コバルト六水和物(関東化学)0.90gを純水50mlに溶解した。アルミナ担体の懸濁液を撹拌しながら硝酸ニッケルと硝酸コバルトの混合水溶液をビュレットを用いて約20分間で全量投入した。40℃の湯浴中で1時間撹拌した後、40℃の湯浴中でエバポレーターにかけ、水分をすべて飛ばした。得られた粉末を、110℃で12時間乾燥させたのち、500℃で3時間焼成し、金属換算でNi6.7wt%とCo3.3wt%を担持した6.7wt%Ni-3.3wt%Co/Al2O3触媒粉末を得た。
同様にアルミナ粉末に対して、Ni含有率3.3wt%およびCo含有率6.7wt%の試料も作製した。
[比較例5](Ni-Fe/Al2O3触媒粉末の調製)
以下の方法で9wt%Ni-1wt%Fe/Al2O3触媒粉末を調製した。アルミナ粉末(水澤化学、GP-20)5.0gを純水50mLに投入し懸濁液とした。また硝酸ニッケル六水和物(関東化学)2.48gと、硝酸鉄九水和物(関東化学)0.40gを純水50mlに溶解した。アルミナ担体の懸濁液を撹拌しながら硝酸ニッケルと硝酸鉄の混合水溶液をビュレットを用いて約20分間で全量投入した。40℃の湯浴中で1時間撹拌した後、40℃の湯浴中でエバポレーターにかけ、水分をすべて飛ばした。得られた粉末を、110℃で12時間乾燥させたのち、500℃で3時間焼成し、金属換算でNi9wt%とFe1wt%を担持した9wt%Ni-1wt%Fe/Al2O3触媒粉末を得た。
同様にアルミナ粉末に対して、Ni含有率8wt%およびFe含有率2wt%、Ni含有率6.7wt%およびFe含有率3.3wt%、Ni含有率3.3wt%およびFe含有率6.7wt%の試料も作製した。
作製した比較例の触媒について、先に説明した触媒評価方法に従ってCO選択メタン化活性を評価した。評価結果を第3 a、b図〜第7i、jに示す。第4c図のCo触媒の触媒出口CO濃度を第3a図のNi触媒と比較すると、Co触媒がNiよりも低温活性が高いもののCO除去率はNi触媒より劣っていることが分る。第5e図のFeに到ってはほとんどCOを除去できておらずCO選択メタン化触媒の活性金属としては全く不向きであることが分る。第6g、h図は、活性金属中のNiにCoを添加することで希釈した場合の結果である。CoでNiを1/3まで希釈した場合(□)、CO除去性能は低下せず、低温活性はむしろNi単独の場合より向上している。しかし金属活性種の33wt%がまだNiであり、ニッケルカルボニルの生成の可能性を完全には否定できない。第7i、j図は、NiをFeで希釈していった場合の結果である。Feを加えるほど低温活性とCO除去率とも低下しており触媒の活性金属種としてはNi-Fe系は好ましくない。
[実施例1](CoとFeの組成の異なるCo-Fe/Al2O3触媒粉末の調製、金属総担持率10wt%)
本実施例では、活性金属中にNiを全く含まず、CoとFeだけから構成されている触媒の作製例を示す。担体にはアルミナを用いた。まず触媒全重量に対して9wt%のCoと1wt%のFeを担持した9wt%Co-1wt%Fe/Al2O3触媒粉末の作製方法を示す。
アルミナ粉末(水澤化学、GP-20)5.0gを純水50mLに投入し懸濁液とした。また硝酸コバルト六水和物(関東化学)2.47gと、硝酸鉄九水和物(関東化学)0.40gを純水50mlに溶解した。アルミナ担体の懸濁液を撹拌しながら硝酸コバルトと硝酸鉄の混合水溶液をビュレットを用いて約20分間で全量投入した。40℃の湯浴中で1時間撹拌した後、40℃の湯浴中でエバポレーターにかけ、水分をすべて飛ばした。得られた粉末を、110℃で12時間乾燥させたのち、500℃で3時間焼成し、金属換算でCo9wt%とFe1wt%を担持した9wt%Co-1wt%Fe/Al2O3触媒粉末を得た。
同様にアルミナ粉末に対して、Co含有率8wt%およびFe含有率2wt%、Co含有率6.7wt%およびFe含有率3.3wt%、Co含有率6wt%およびFe含有率4wt%、Co含有率5wt%およびFe含有率5wt%、Co含有率3.3wt%およびFe含有率6.7wt%の試料も作製した。
触媒活性評価の結果を第8a図と第8b図に示す。CoにわずかにFeを添加した9wt%Co -1wt%Feと8wt%Co-2wt%Feの組成において、Co単独触媒に対して触媒出口CO濃度が大きく減少し、CO除去活性が劇的に向上していることが分る。CoとFeの組成による触媒性能の変化をグラフで示したのが第9a図である。Fe/(Fe+Co)重量比で0.1〜0.4においてCO除去率は95%を越えている。またCOの除去率が90%を越える反応温度をTCO 90%、CH4の生成量が1%を越える温度をTCH4 1%とすると、両者の差が本触媒の動作可能温度域ΔTになる。組成に寄らずΔTはほぼ一定であるが、最も低温で動作可能なのはFe/(Fe+Co)=0.2の組成である。
第9b図は、各触媒の水素還元後のX線回折パターンを示したものである。95%以上の高いCO除去率を示すFe/(Fe+Co)=0.1〜0.4の触媒にはFeが固溶したCo(111)のピークと金属管化合物CoFe(110)の回折ピークが認められる。高活性化の機構は現状不明であるが、これらCOとFeの合金が関与しているものと予想される。
[実施例2](Co-Fe/Al2O3触媒粉末の調製、金属総担持率20wt%)
実施例1はCOとFeの総担持率は10wt%であった。本実施例では、CoとFeの総担持量20wt%とし、CoとFeはそれぞれ16wt%と4wt%とした。担体は同じアルミナを用いた。以下、16wt%Co- 4wt% Fe/Al2O3触媒粉末の調製法を示す。アルミナ粉末(水澤化学、GP-20)5.0gを純水50mLに投入し懸濁液とした。また硝酸コバルト六水和物(関東化学)4.93gと、硝酸鉄九水和物(関東化学)1.81gを純水50mlに溶解した。アルミナ担体の懸濁液を撹拌しながら硝酸コバルトと硝酸鉄の混合水溶液をビュレットを用いて約20分間で全量投入した。40℃の湯浴中で1時間撹拌した後、40℃の湯浴中でエバポレーターにかけ、水分をすべて飛ばした。得られた粉末を、110℃で12時間乾燥させたのち、500℃で3時間焼成し、金属換算でCo16wt%とFe4wt%を担持した16wt%Co-4wt%Fe/Al2O3触媒粉末を得た。
[実施例3](Co-Fe/Al2O3触媒粉末の調製、金属総担持率30wt%)
本実施例では24wt%Co-6wt%Fe/Al2O3触媒粉末を調製した。
アルミナ粉末(水澤化学、GP-20)5.0gを純水50mLに投入し懸濁液とした。また硝酸コバルト六水和物(関東化学)8.43gと、硝酸鉄九水和物(関東化学)3.08gを純水50mlに溶解した。アルミナ担体の懸濁液を撹拌しながら硝酸コバルトと硝酸鉄の混合水溶液をビュレットを用いて約20分間で全量投入した。40℃の湯浴中で1時間撹拌した後、40℃の湯浴中でエバポレーターにかけ、水分をすべて飛ばした。得られた粉末を、110℃で12時間乾燥させたのち、500℃で3時間焼成し、金属換算でCo24wt%とFe6wt%を担持した24wt%Co-6wt%Fe/Al2O3触媒粉末を得た。
実施例2及び3の触媒の活性評価結果を第10a、10b図に示す。実施例1の8wt%Co-2wt%Fe/Al2O3触媒の結果も併せて示す。CoとFeの重量比はいずれも同じである。CoとFeの総担持量が10wt%、20wt%、30wt%と増す程、低温活性とCO除去率は向上している。活性の向上は30wt%でほぼ飽和傾向にある。
[実施例4](8wt%Co-2wt%Fe/ZrO2触媒粉末と8wt%Co-2wt%Fe/TiO2触媒粉末の調製)
本実施例では担体をZrO2とTiO2に変更した。まず8wt%Co-2wt%Fe/ZrO2触媒粉末の調製法を示す。
ジルコニア粉末(触媒学会参照触媒、JRC-ZRO-5)5.0gを純水50mLに投入し懸濁液とした。また硝酸コバルト六水和物(関東化学)2.19gと、硝酸鉄九水和物(関東化学)0.80gを純水50mlに溶解した。ジルコニア担体の懸濁液を撹拌しながら硝酸コバルトと硝酸鉄の混合水溶液をビュレットを用いて約20分間で全量投入した。40℃の湯浴中で1時間撹拌した後、40℃の湯浴中でエバポレーターにかけ、水分をすべて飛ばした。得られた粉末を、110℃で12時間乾燥させたのち、500℃で3時間焼成し、金属換算でCo8wt%とFe2wt%を担持した8wt%Co-2wt%Fe/ZrO2触媒粉末を得た。
次に担体をTiO2とした8wt%Co-2wt%Fe/TiO2触媒粉末を調製法を示す。チタニア粉末(触媒学会参照触媒、JRC-TIO-6)5.0gを純水50mLに投入し懸濁液とした。また硝酸コバルト六水和物(関東化学)2.19gと、硝酸鉄九水和物(関東化学)0.80gを純水50mlに溶解した。チタニア担体の懸濁液を撹拌しながら硝酸コバルトと硝酸鉄の混合水溶液をビュレットを用いて約20分間で全量投入した。40℃の湯浴中で1時間撹拌した後、40℃の湯浴中でエバポレーターにかけ、水分をすべて飛ばした。得られた粉末を、110℃で12時間乾燥させたのち、500℃で3時間焼成し、金属換算でCo8wt%とFe2wt%を担持した8wt%Co-2wt%Fe/TiO2触媒粉末を得た。
第11a、11b図に担体をZrO2とTiO2とした実施例4の触媒活性評価結果をAl2O3担体の場合と比較して示す。CoとFeの総担持率はいずれも10wt%で、CoとFeの担持率は8wt%と2wt%である。図から明らかなように、ZrO2で最も高いCO除去率と定温活性を示すことが分った。
[実施例5](0.5wt%Ru/8wt%Co-2wt%Fe/ZrO2触媒粉末の調製)
本実施例では活性金属としてCoとFe以外に他の金属を含む例として、Ruを0.5wt%添加した触媒0.5wt%Ru/8wt%Co-2wt%Fe/ZrO2触媒粉末の調製法を示す。
ジルコニア粉末(触媒学会参照触媒、JRC-ZRO-5)5.0gを純水50mLに投入し懸濁液とした。また硝酸コバルト六水和物(関東化学)2.19gと、硝酸鉄九水和物(関東化学)0.80gを純水50mlに溶解した。ジルコニア担体の懸濁液を撹拌しながら硝酸コバルトと硝酸鉄の混合水溶液をビュレットを用いて約20分間で全量投入した。40℃の湯浴中で1時間撹拌した後、40℃の湯浴中でエバポレーターにかけ、水分をすべて飛ばした。得られた粉末を、110℃で12時間乾燥させたのち、500℃で3時間焼成し、金属換算でCo8wt%とFe2wt%を担持した8wt%Co-2wt%Fe/ZrO2触媒粉末を得た。
上記で得られた8wt%Co-2wt%Fe/ZrO2触媒粉末4.5gを純水50mLに投入し懸濁液とした。またニトロシル硝酸ルテニウム水溶液(ストレムケミカルRu含有量1.5wt%)1.5gを純水50mlに完全に混合した。触媒粉末の懸濁液を撹拌しながらニトロシル硝酸Ru水溶液をビュレットを用いて約20分間で全量投入した。40℃の湯浴中で1時間撹拌した後、40℃の湯浴中でエバポレーターにかけ、水分をすべて飛ばした。得られた粉末を、110℃で12時間乾燥させたのち、500℃で3時間焼成し、金属換算でRu0.5wt%を担持した0.5wt%Ru/8wt%Co-2wt%Fe/ZrO2触媒粉末を得た。
第12図に0.5wt%のRuを添加した触媒と添加しない触媒のCO除去性能を比較して示した。0.5wt%のRuを添加することで低温活性、CO除去率伴に大きく向上していることが分る。第12図の結果は、空塔速度SVをこれまでの5000h-1より大きい9000 h-1で実施した例であるが、SV5000h-1での出口CO濃度は30ppmとなり、SVを2400h-1まで下げると10ppmとなり、高いCO浄化率を示すことが分った。
[実施例6](0.5wt%Ru/8wt%Co-2wt%Fe/CeZrO2触媒粉末の調製)
ZrO2担体により高い浄化率が得られることが明らかになったため、本実施例ではさらにCeZrO複合酸化物を担体として用いた0.5wt%Ru/8wt%Co-2wt%Fe/CeZrO2触媒粉末を調製した。
ジルコニア粉末(触媒学会参照触媒、JRC-ZRO-5)5.0gを純水50mLに投入し懸濁液とした。また硝酸セリウム六水和物(関東化学)0.93gを純水50mlに溶解した。ジルコニア担体の懸濁液を撹拌しながら硝酸セリウム水溶液をビュレットを用いて約20分間で全量投入した。40℃の湯浴中で1時間撹拌した後、40℃の湯浴中でエバポレーターにかけ、水分をすべて飛ばした。得られた粉末を、110℃で12時間乾燥させたのち、500℃で3時間焼成し、CeZrO2担体粉末を得た。
上記で得られたCeZrO2担体粉末5.0gを純水50mLに投入し懸濁液とした。また硝酸コバルト六水和物(関東化学)2.19gと、硝酸鉄九水和物(関東化学)0.80gを純水50mlに溶解した。CeZrO2担体の懸濁液を撹拌しながら硝酸コバルトと硝酸鉄の混合水溶液をビュレットを用いて約20分間で全量投入した。40℃の湯浴中で1時間撹拌した後、40℃の湯浴中でエバポレーターにかけ、水分をすべて飛ばした。得られた粉末を、110℃で12時間乾燥させたのち、500℃で3時間焼成し、金属換算でCo8wt%とFe2wt%を担持した8wt%Co-2wt%Fe/CeZrO2触媒粉末を得た。
上記で得られた8wt%Co-2wt%Fe/CeZrO2触媒粉末4.5gを純水50mLに投入し懸濁液とした。またニトロシル硝酸ルテニウム水溶液(ストレムケミカルRu含有量1.5wt%)1.5gを純水50mlに完全に混合した。触媒粉末の懸濁液を撹拌しながらニトロシル硝酸Ru水溶液をビュレットを用いて約20分間で全量投入した。40℃の湯浴中で1時間撹拌した後、40℃の湯浴中でエバポレーターにかけ、水分をすべて飛ばした。得られた粉末を、110℃で12時間乾燥させたのち、500℃で3時間焼成し、金属換算でRu0.5wt%を担持した0.5wt%Ru/8wt%Co-2wt%Fe/CeZrO2触媒粉末を得た。
第13a、13b図に活性評価結果を示す。SVは5000h-1とした。第12図に示したZrO2担体とほぼ同等の性能を示した。
以上詳述したように、本発明は、活性金属にニッケルを一切使用せず一酸化炭素を選択的にメタンに転換する廉価で高活性なニッケル代替触媒に係るものである。本触媒を反応装置に適用することで、CO2、CO、H2やCO、H2からなる混合ガス中のCOを低温、高転化率でCH4に変換できる。その際、触媒にNiを使用していないため、後流に接続する機器やその排気口から毒性のあるニッケルカルボニルを排出する事がなく安全である。本発明は、例えば、家庭用固体高分子形燃料電池発電システムや燃料電池車用オンサイト型水素ステーションで使用される燃料改質器の触媒としての適用や、化学プラントにおける水素精製用触媒として有用である。

Claims (8)

  1. 水素ガス中の一酸化炭素をメタン化する触媒であって、該触媒は酸化物担体に担持された活性成分がニッケルを含まず、少なくともコバルトと鉄を同時に含むことを特徴とする一酸化炭素のメタン化触媒。
  2. 二酸化炭素を含有する水素ガス中の一酸化炭素を選択的にメタン化する触媒であって、該触媒は酸化物担体に担持された活性成分がニッケルを含まず、少なくともコバルトと鉄を同時に含むことを特徴とする一酸化炭素の選択的メタン化触媒。
  3. 前記活性成分のコバルトと鉄が固溶体 および/または 金属間化合物を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の一酸化炭素の選択的メタン化触媒。
  4. 前記活性成分のコバルトと鉄の組成が、Fe/(Fe+Co)重量比で0.05〜0.5であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の一酸化炭素の選択的メタン化触媒。
  5. 前記活性成分のコバルトと鉄の担持量が触媒全重量に対して、5〜30%であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の一酸化炭素の選択的メタン化触媒。
  6. 前記酸化物担体は、アルミニウム、チタン、シリコン、ジルコニウム、セリウムのうち少なくとも一つ以上を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の一酸化炭素の選択的メタン化触媒。
  7. 水素ガス中の一酸化炭素をメタン化する触媒の製造法であって、酸化物担体の懸濁液と、コバルトと鉄を含有した水溶液とを、混合し、乾燥させた後、焼成することを特徴とする一酸化炭素の選択的メタン化触媒の製造法。
  8. 請求項1から6に記載の一酸化炭素のメタン化触媒を搭載し、改質途上の一酸化炭素及び二酸化炭素を含有する水素ガス中の一酸化炭素を選択的にメタン化する燃料改質装置。
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