JP2014056005A - 静電潜像現像用キャリア、静電潜像現像用二成分系現像剤、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents

静電潜像現像用キャリア、静電潜像現像用二成分系現像剤、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 Download PDF

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豊明 田野
Shigenori Taniguchi
重徳 谷口
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宏一 坂田
Hitoshi Iwatsuki
仁 岩附
Hiroshi Higashimatsu
宏 東松
Hiroyuki Kishida
宏之 岸田
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Abstract

【課題】長期間連続で使用しても、履歴現象による影響を受けることなく、安定したトナー量を静電潜像現像用担持体に供給することができ、かつ、コート液の摩耗によるキャリア抵抗の低下を低減することができる静電潜像現像用キャリア、該静電潜像現像用キャリアを用いたプロセスカートリッジ及び画像形成装置の提供。
【解決手段】磁性を有する芯粒子と、該芯粒子を被覆する被覆層とを含むキャリア粒子からなる静電潜像現像用キャリアであって、芯粒子に対して樹脂の成分で構成された第1コート層と、樹脂中にフィラーの含有された第2コート層を持ち、該第1コート層は、該芯粒子に対して少なくとも凸部にコートされ、隣接する凸部間に、コートされていない領域を有することを特徴とする静電潜像現像用キャリア。
【選択図】なし

Description

本発明は、静電潜像現像用キャリア及びこれを用いた二成分系現像剤、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置に関する。
近年、電子写真方式を用いた複写機やプリンタの技術は、モノクロからフルカラーへの展開が急速になりつつあり、フルカラーの市場が拡大する傾向にある。フルカラー電子写真法によるカラー画像形成では、静電潜像担持体上に静電潜像を形成し、この静電潜像に対して、帯電したイエロー、マゼンタ、シアンの3色のカラートナー又はそれに黒色を加えた4色のカラートナーを現像してトナー像を形成させた後、このトナー像を記録媒体に転写して定着させることにより行っている。
このようなフルカラー電子写真方式による画像形成において、鮮明なフルカラー画像を得るためには、静電潜像担持体上のトナー量を静電潜像に忠実に保つ必要がある。静電潜像担持体上のトナー量が変動すると、記録媒体上で画像濃度、画像色調等が変動するからである。静電潜像担持体上のトナー量が変動する原因としては、トナー帯電量の変動などの要因もあるが、特に、現像剤トナーの搬送スリーブ上で層厚が規制されるように設けられたトナー層を現像ニップ域に搬送して現像に供する一成分現像方式と、トナーを保持するキャリアからなる磁気ブラシを形成・移動させて静電潜像に供することを繰り返す二成分現像方式との両方式を混成してなるハイブリッド現像方式においては、トナー担持体上のトナー量の差が、次の現像時の画像上に濃度差として現れる所謂履歴現象(ゴースト現象)によることが報告されている(例えば、特許文献1参照)。
ハイブリッド現像方式において、履歴現象を解消する方法としては、前記静電潜像担持体上の静電潜像を現像した後にトナー担持体上の残トナーを一旦除去して、該トナー担持体の表面に新たなトナーを供給し、上述のようなトナー担持体上のトナー量の差を解消することが有効である。例えば、トナー担持体上の残トナーを現像後かつトナー再供給前にスクレーパーやトナー回収ロールにより掻きとることにより履歴現象を解消する方法が提案されている(例えば、特許文献2〜4参照)。また、トナー担持体上の残トナーを電位差により磁気ロールに回収し、トナー担持体上のトナー量を安定させることにより履歴現象を解消する方法が提案されている(例えば、特許文献5参照)。また、現像剤担持体とトナー担持体との間に、磁気ロールの磁束密度のピーク値の半値となる半値幅領域を広く設定し、現像担持体上のトナーの回収と供給の安定化を図ることにより履歴現象を解消する方法が提案されている(例えば、特許文献6参照)。更に、二成分現像剤用のキャリアとして非球形状のキャリアを使用して、磁気ブラシ先端のキャリアまで電荷注入し、現像剤担持体とトナー担持体との実質的な間隔を狭めて、トナー担持体への一回でのトナー供給量を増やし、トナー担持体上のトナー量が飽和するまで供給して、トナー担持体上のトナー量を一定に保つことにより履歴現象を解消する方法が提案されている(例えば、特許文献7参照)。
上述した履歴現象は、ハイブリッド現像方式に特有の課題であるとされているが、二成分現像方式においても、現像剤を長期間使用すると、現像能力が低下して、画像濃度が減少する履歴現象が生じることが報告されている(例えば、特許文献8参照)。
二成分現像方式における履歴現象は、二成分現像剤の剥離が正常に行われないことに起因する。現像剤の剥離は、現像スリーブ内のマグネットを奇数個とし現像スリーブの回転軸よりも下側の位置に同極のマグネット対を設けて磁力が殆どゼロとなる剥離領域を作り、その領域で重力を用いて現像後の現像剤を自然落下させることにより行う。しかし、直前画像でのトナー消費量時にキャリアにカウンターチャージが発生することで、キャリアと現像剤担持体との間に鏡像力が発生し、現像剤が正常に離れない。そのため、トナー消費によりトナー濃度の低下した現像剤が再度現像領域に搬送され、現像能力が低下する。即ち、スリーブ一周分は画像濃度が正常であるのに対し、二周目以降は、画像濃度が薄くなるという問題である。
二成分現像方式における履歴現象を解消する方法として、例えば、内部にマグネットを有した汲上ロールを現像スリーブ上の剥離領域付近に配置し、その磁力をもって現像後の現像剤の剥離を行う方法が提案されている(例えば、特許文献8参照)。剥離された現像剤は、別の汲上ロールによって汲み上げられた後、スクリューを有した現像剤攪拌室に搬送され、トナー濃度の再調整とトナーの帯電が行われる。
しかしながら、上記提案によっても、長期間連続使用すると、履歴現象による影響を受けるため、安定したトナー量を静電潜像現像担持体に供給することできないという問題がある。また、上記提案によっては、二成分現像方式に特有の課題であるトナースペントの堆積によるキャリア抵抗の増加を低減することができないという問題がある。そのため、このような問題を同時に解決することが強く望まれているのが現状である。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。本発明は、長期間連続で使用しても、履歴現象による影響を受けることなく、安定したトナー量を静電潜像現像用担持体に供給することができ、かつ、トナースペントの堆積によるキャリア抵抗の増加を低減することができる静電潜像現像用キャリア、該静電潜像現像用キャリアを用いたプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明が課題とする履歴現象は、上記従来技術における履歴現象における発生メカニズムと異なる。
本発明におけるゴースト現象の発生メカニズムは、詳細は明らかではないが以下のように考えている。直前の画像履歴に応じ現像剤担持体上へトナーが付着し、現像剤担持体上に付着したトナーが持つ電位に応じ、次画像のトナー現像量が変動する。つまり、直前の画像履歴によって次画像のトナー現像量が変動することに起因すると考えている。
より詳細に述べると、非画像部では、画像部とは逆に、静電潜像担持体から現像スリーブ方向へトナーが移動するポテンシャルが形成されるため、トナーが現像剤担持体上へ直接付着してしまう(現像剤担持体上へのトナー付着が発生する。)。このように現像剤担持体上にトナーが付着した状態で、次回現像時に画像部を現像する場合、現像担持体上へ直接付着したトナーは帯電しているため、現像剤担持体上のトナーによる電位分だけ現像ポテンシャルが嵩上げされ、トナー現像量が増加してしまう。
また、現像剤担持体上へ直接付着したトナーは、現像時に消費されるため、付着しているトナー量は一定ではなく、直前画像の履歴により変動する。
即ち、直前に、非画像部や用紙と用紙の間隔部がある場合は、その後の画像部の現像には、上述の現像ポテンシャルの嵩上げが起こり、その後の画像濃度は高くなる。一方、直前画像が画像面積の多い画像の場合には、現像剤担持体上に直接付着したトナーは、直前画像を現像した際に消費され、上述の現像ポテンシャルの嵩上げの効果は少なくなるため、その後の画像濃度は高くならない。
以上のように、本発明が課題とする履歴現象は、直前画像の影響により現像剤担持体上のトナー付着量が変動し、その変動の影響を受け、次画像の濃度変動が現れる現象である。
(課題解決手段についての1知見)
現像剤担持体上にトナーが付着した状態で、次回現像時に画像部を現像する場合、現像担持体上へ直接付着したトナーは帯電しているため、現像剤担持体上のトナーによる電位分だけ現像ポテンシャルが嵩上げされ、トナー現像量が増加してしまう。
これに対して前記トナー現像量はキャリアの抵抗と非常に相関が強いことが検討結果からわかった。すなわち、キャリア抵抗が低いことで嵩上げされた現像ポテンシャルが緩和され、次画像の濃度変動が現れにくくなる。よって導電性微粒子の処方量を増やすことでキャリア粒子1粒あたりの抵抗を下げることが望まれるが、キャリアが画像部に現像される、いわゆるキャリア付着が増加することは自明である。
本発明者らは、前記目的を解決すべく、鋭意検討した結果、本発明の構成を満たす静電潜像現像用キャリアを用いることにより、長期間連続で使用しても、履歴現象による影響を受けることなく、安定したトナー量を静電潜像現像用担持体に供給することができ、かつ、コート膜磨耗によるキャリア抵抗の低下を低減することができることを知見し、本発明の完成に至った。
前記キャリアの抵抗は主に現像部つまりスリーブと感光体間のニップ部で特に影響される。このニップ部において、キャリアの密度と抵抗の関わりが大きいことを知見した。マシン中のスリーブ上単位面積あたりの現像剤くみ上げ量には限度があり、それ以上になるとくみ上げ量が安定しないほか、トナーチリといった以上画像を起こすことが知見としてわかっている。それゆえスリーブ上単位面積あたりの現像剤くみ上げ量はマシンにより制限される。そこでキャリアの密度を下げることで粒子あたりの抵抗を下げずに前記ニップ部における抵抗を一時的に下げられ、前記問題を解決するに至った。
本発明におけるキャリアは体積の9割以上を芯材が占める。そのためキャリアの嵩密度を下げるには芯材の嵩密度を下げるのが効果的である。
芯材の嵩密度を下げる方法として樹脂と金属の混合体からなる樹脂キャリアが代表的ではあるが、磁化が下がることによるキャリア付着が避けられない。そこで鋭意検討を行った結果、芯材原材料にMnCO、Mg(OH)、及びFe粉を用い、製造過程においてスラリーから造粒させる際の焼結具合を調整することで粒子1粒の嵩密度を低くすることができることを知見した。また焼結を完全に行わないために芯材表面に凹凸を持たせ、芯材嵩密度としても低くできることを知見した。
芯材表面に凹凸を持たせることで、コート後のキャリアに対しても凹凸を持たせることが可能となる。これにより、キャリア全体の嵩密度を下げることと、前記ニップ部においてキャリア粒子同士がかみ合うことでキャリアに無理な負荷をかけることなく密度を上げることを可能とした。
その一方で、芯材表面に凹凸を持たせることで、キャリア化させた時のキャリア凸部へのダメージは大きくなり、コート層が削れやすくなり、経時で抵抗低下を起こすためキャリア付着が悪化する。このことに関してはコート層において芯材から外に向かうにつれて抵抗が低くなるものや、芯材表面に抵抗の高い層を1層コートする方法が提唱されている
(例えば、特許文献9〜10参照)。ただしこの方法ではコート層は厚膜になってしまう。コート中は選択的に芯材凹部から埋められてゆくため、膜が厚くなるにつれてキャリアの凹凸度合いは低くなる。
本発明者は鋭意検討を行った結果、樹脂成分で構成された、または抵抗の高い層を下引き層として芯材の少なくとも凸部に設け、その上にキャリアコート層を設ける。このことで、キャリア表面に凹凸を持ち、嵩密度が低く、かつストレスによる抵抗低下の少ないキャリアを得ることができた。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下のとおりである。即ち、本発明は次の「静電潜像現像用キャリア」、「プロセスカートリッジ」、「画像形成装置」を包含する。
(1)「磁性を有する芯粒子と、該芯粒子を被覆する被覆層とを含むキャリア粒子からなる静電潜像現像用キャリアであって、芯粒子に対して樹脂の成分で構成された第1コート層と、樹脂中にフィラーの含有された第2コート層を持ち、該第1コート層は、該芯粒子に対して少なくとも凸部にコートされ、隣接する凸部間に、コートされていない領域を有することを特徴とする静電潜像現像用キャリア。」
(2)「前記芯粒子の形状係数SF−2が、120〜160であり、
前記芯粒子の算術平均表面粗さRaが、0.5μm〜1.0μmであることを特徴とする前記(1)項に記載の静電潜像現像用キャリア。」
(3)「以下の条件を満足するキャリア粒子の存在確率が50個数%以上であることを特徴とする前記(1)項又は(2)項に記載の静電潜像現像用キャリア;
・断面SEM観察において、凸部に対し、半径0.1μmの範囲でフィラーが存在しない;
・断面SEM観察時、芯材1粒の凹部に対し、半径0.3μmの範囲でフィラーが存在する。」
(4)「前記フィラーが、粒径100nm乃至500nmであることを特徴とする前記(1)項乃至(3)項のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。」
(5)「前記フィラーは、前記樹脂100質量部に対して50乃至500質量部の範囲で含有されるものであることを特徴とする前記(1)項乃至(4)項のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。」
(6)「前記樹脂が、少なくとも下記一般式(A)で表されるA部分、及び下記一般式(B)で表されるB部分を含む共重合体を加水分解し、シラノール基を生成して縮合することにより得られる架橋物を含有するものである前記(1)項乃至(5)項のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。」
Figure 2014056005
(ただし、一般式(A)中、R1は、水素原子又はメチル基を表し、R2は、炭素数1〜4のアルキル基を表し、mは、1〜8の整数を表し、Xは、10mol%〜90mol%を表す。)
Figure 2014056005
(ただし、一般式(B)中、R1は、水素原子又はメチル基を表し、R2は、炭素数1〜4のアルキル基を表し、R3は、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を表し、mは、1〜8の整数を表し、Yは、10mol%〜90mol%を表す。)」
(7)「前記(1)項乃至(6)項のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア及びトナーを含むことを特徴する静電潜像現像用二成分系現像剤。」
(8)「静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、前記(7)項に記載の現像剤を用いて現像する手段とが、一体に支持されることを特徴とするプロセスカートリッジ。」
(9)「静電潜像担持体上に静電潜像を形成する手段と、前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、前記(7)項に記載の現像剤を用いて現像しトナー像を形成する手段と、前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する手段と、前記録媒体に転写されたトナー像を定着させる手段とを含むことを特徴とする画像形成装置。」
(10)「前記トナー像を形成する手段が、磁気ブラシが形成された現像剤を用いて現像し、トナー像を形成する手段である前記(9)項に記載の画像形成装置。」
本発明によれば、従来における諸問題を解決でき、長期間連続で使用しても、履歴現象による影響を受けることなく、安定したトナー量を静電潜像現像用担持体に供給することができ、かつ、トナースペントの堆積によるキャリア抵抗の増加を低減することができる静電潜像現像用キャリア、該静電潜像現像用キャリアを用いたプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することができる。
図1は、本発明のプロセスカートリッジの一例を表す図である。 図2は、本発明の画像形成装置の一例を表す図である。 図3は、本発明の静電潜像現像用キャリアの電気抵抗率の測定方法の一例を表す図である。 図4は、本発明の静電潜像現像用キャリアの電気抵抗率の測定に用いる抵抗測定セルの一例を表す斜視図である。 図5は、縦帯チャートにおける正常な画像、及び異常画像の一例を表す図である。 図6は、本発明のキャリアの断面を示す模式図である。 図7は、本発明の芯粒子の凸部を示す模式図である。
(静電潜像現像用キャリア)
本発明の静電潜像現像用キャリアは、芯粒子と、該芯粒子を被覆する被覆層とを含み、更に必要に応じてその他の成分を含む。
<芯粒子>
前記芯粒子としては、磁性を有する芯粒子であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、鉄、コバルト等の強磁性金属;マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄;各種合金、化合物等の磁性体を樹脂中に分散させた樹脂粒子などが挙げられる。これらの中でも、環境面への配慮の点で、Mn系フェライト、Mn−Mg系フェライト、Mn−Mg−Sr系フェライトなどが好ましい。
−芯粒子の形状係数SF−1−
前記芯粒子は、形状係数SF−1により規定される。
前記SF−1は、粒子の丸さの度合いを規定する。
前記SF−1の値が大きくなると、粒子の形状が円(球形)から離れる。
前記芯粒子の形状係数SF−1としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記芯粒子の形状係数SF−1の測定は、走査電子顕微鏡(例えば、FE−SEM(S−800)、日立製作所社製)を用いて300倍に拡大した前記芯粒子の粒子像を、100個無作為にサンプリングし、得られた画像情報を画像解析装置(例えば、Luzex AP、ニレコ社製)により解析し、下記計算式(1)を用いて算出することにより行った。
Figure 2014056005
(ただし、前記計算式(1)中、Lは、粒子の絶対最大長(外接円の長さ)を表し、Aは、粒子の投影面積を表す。)
−芯粒子の形状係数SF−2−
前記芯粒子は、形状係数SF−2により規定される。
前記SF−2は、粒子の凹凸の度合いを規定する。
前記SF−2の値が大きくなると、粒子の表面の凹凸の起伏が激しくなる。
前記芯粒子の形状係数SF−2としては、120〜160であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記形状係数SF−2が、120未満であると、前記芯粒子の凸部が被覆されやすくなり、キャリア化した時の低密度メリットを得られないことがある。また、前記形状係数SF−2が、160を超えると、前記芯粒子中の空隙が多くなり、前記芯粒子の強度が弱くなるだけでなく、長期間現像装置内で使用した際に、前記芯粒子の露出が多く、初期抵抗値と使用後の抵抗値の変化が大きくなり、キャリア付着悪化に繋がることや、静電潜像担持体上のトナー量、トナー像の形成のされ方が変動し、画像濃度が変動することがある。
前記芯粒子の形状係数SF−2の測定は、走査電子顕微鏡(例えば、FE−SEM(S−800)、日立製作所社製)を用いて300倍に拡大した芯粒子の粒子像を、100個無作為にサンプリングし、得られた画像情報を画像解析装置(例えば、Luzex AP、ニレコ社製)により解析し、下記計算式(2)を用いて算出することにより行った。
Figure 2014056005
(ただし、前記計算式(2)中、Pは、粒子の周囲長を表し、Aは、粒子の投影面積を表す。)
−芯粒子の算術平均表面粗さRa−
前記芯粒子の算術平均表面粗さRaは、前記芯粒子の表面粗さを規定する。
前記芯粒子の算術平均表面粗さRaを規定する意味としては、球径形から大きく外れた異型化の芯粒子であって、前記形状係数SF−2が120〜160の範囲となる芯粒子を用いると、前記キャリアの付着が多くなるため、本発明の対象とならないからである。
前記芯粒子の算術平均表面粗さRaとしては、0.5μm〜1.0μmであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.6μm〜0.9μmが好ましい。
前記芯粒子の算術平均表面粗さRaの測定は、光学顕微鏡(例えば、OPTELICS C130、LASERTEC社製)を使用して、対物レンズ倍率50倍に設定し、解像度0.20μmで画像を取り込んだ後、前記芯粒子の頂点部を中心にして観察エリアを10μm×10μmとし、前記芯粒子数100個の表面粗さRaの平均値を測定することにより行った。
−芯粒子のグレイン径−
前記芯粒子のグレイン径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2μm〜8μmが好ましい。
−芯粒子のBET比表面積−
前記芯粒子のBET比表面積としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.09m/g〜0.40m/gが好ましい。
−芯粒子の重量平均粒径Dw−
前記芯粒子の重量平均粒径Dwは、レーザー回折乃至散乱法によって求めた前記芯粒子の粒度分布における積算値50%での粒径をいう。前記芯粒子の重量平均粒径Dwとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10μm〜80μmが好ましい。
前記芯粒子の重量平均粒径Dwの測定は、個数基準で測定された粒子の粒径分布(個数頻度と粒径との関係)をマイクロトラック粒度分布計(HRA9320−X100、Honewell社製)を用いて下記に記載の条件にて測定し、下記計算式(3)を用いて算出した。なお、各チャネルは、粒径分布図における粒径範囲を測定幅単位に分割するための長さを表し、前記代表粒径は、各チャネルに保存する粒子粒径の下限値を採用した。
Figure 2014056005
(ただし、前記計算式(3)中、Dは、各チャネルに存在する粒子の代表粒径(μm)を表し、nは、各チャネルに存在する粒子の総数を表す。)
[測定条件]
[1]粒径範囲:100μm〜8μm
[2]チャネル長さ(チャネル幅):2μm
[3]チャネル数:46
[4]屈折率:2.42
<被覆層>
前記被覆層は、樹脂、及びフィラーを含有する被覆層形成溶液により形成される。
前記被覆層としては、前記樹脂100質量部に対して、前記フィラーを50質量部〜500質量部の割合で含有する被覆層であれば、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、前記樹脂100質量部に対して、前記フィラーを100質量部〜300質量部の割合で含有する被覆層が好ましい。前記フィラーの含有量が、50質量部未満であると、前記被覆層が削れることがあり、500質量部を超えると、前記キャリアの表面に出てくる樹脂の割合が相対的に小さくなり、トナーがキャリア表面にスペントし易くなることがある。一方、前記含有量が、前記好ましい範囲であると、現像機で長期間使用した際に、被覆層が削れにくい点で有利である。
前記被覆層の厚みとしては、薄すぎると、現像機内での攪拌で容易に前記芯粒子の表面が露出してしまい、抵抗値の変化が大きくなることがあり、厚すぎると、キャリアの磁化が低下することによるキャリア付着悪化が避けられない。前記被覆層の厚みは、前記樹脂の前記芯粒子に対する含有量により制御することができ、第1コート層と第2コート層の合計で決まる。前記樹脂の前記芯粒子に対する含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、被覆層の厚みにより局所的な低抵抗状態を形成することができる点で、芯材に対して1.0質量%〜5.0質量%が好ましい。
−樹脂−
前記樹脂としては、第1コート層と第2コート層ともに特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル樹脂、アミノ樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シリコーン樹脂が好ましい。
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、シランカップリング剤及びシリコーン樹脂を含有する混合物の硬化物を含む樹脂が好ましい。
−−シリコーン樹脂−−
前記シリコーン樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
また少なくとも下記一般式(A)で表されるA部分、及び下記一般式(B)で表されるB部分を含む共重合体を加水分解し、シラノール基を生成して縮合することにより得られる架橋物を含有する樹脂を使用することもできる。
Figure 2014056005
(ただし、一般式(A)中、Rは、水素原子又はメチル基を表し、Rは、炭素数1〜4の同じであっても異なっていてもよいアルキル基を表し、mは、1〜8の整数を表し、Xは、10mol%〜90mol%を表す。)
Figure 2014056005
(ただし、一般式(B)中、Rは、水素原子又はメチル基を表し、Rは、炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rは、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を表し、mは、1〜8の整数を表し、Yは、10mol%〜90mol%を表す。)
−−シランカップリング剤−−
前記シランカップリング剤は、前記フィラーを安定して分散させることができる。
前記シランカップリング剤としては、第1コート層と第2コート層共に特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、r−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、r−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、r−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−r−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、r−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、r−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、r−クロルプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、r−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、r−クロルプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロルシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、アリルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、1,3−ジビニルテトラメチルジシラザン、メタクリルオキシエチルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記シランカップリング剤の市販品としては、例えば、AY43−059、SR6020、SZ6023、SH6020、SH6026、SZ6032、SZ6050、AY43−310M、SZ6030、SH6040、AY43−026、AY43−031、sh6062、Z−6911、sz6300、sz6075、sz6079、sz6083、sz6070、sz6072、Z−6721、AY43−004、Z−6187、AY43−021、AY43−043、AY43−040、AY43−047、Z−6265、AY43−204M、AY43−048、Z−6403、AY43−206M、AY43−206E、Z6341、AY43−210MC、AY43−083、AY43−101、AY43−013、AY43−158E、Z−6920、Z−6940(いずれも、東レ・ダウコーニング社製)などが挙げられる。
前記シランカップリング剤の添加量としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、前記樹脂に対して、0.1質量%〜15質量%が好ましい。前記添加量が、0.1質量%未満であると、前記芯粒子、前記フィラー、及び前記樹脂の接着性が低下し、長期間の使用中に被覆層が脱落することがあり、15質量%を超えると、長期間使用中に、トナーのフィルミングが発生することがある。
−フィラー−
前記フィラーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性フィラー、非導電性フィラーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記被覆層に、導電性フィラー及び非導電性フィラーを含有させることが好ましい。また、適宜第1コート層に用いても良い。
前記導電性フィラーは、粉体比抵抗値が100Ω・cm以下のフィラーを指す。
前記非導電性フィラーは、粉体比抵抗値が100Ω・cmを超えるフィラーを指す。
前記フィラーの粉体比抵抗値の測定は、粉体抵抗測定システム(MCP−PD51、ダイアインスツルメンツ社製)及び抵抗率計(4端子4探針方式、ロレスタ−GP、三菱化学アナリテック社製)を使用して、試料1.0g、電極間隔3mm、試料半径10.0mm、荷重20kNの条件にて測定することにより行った。
−−導電性フィラー−−
前記導電性フィラーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム等の基体に二酸化スズや酸化インジウムを層として形成する導電性フィラー;カーボンブラックを用いて形成する導電性フィラーなどが挙げられる。これらの中でも、酸化アルミニウム、酸化チタン、硫酸バリウムを含有する導電性フィラーが好ましい。
−−非導電性フィラー−−
前記非導電性のフィラーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化アルミニウム、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、二酸化珪素、酸化ジルコニウム等を用いて形成する非導電性フィラーなどが挙げられる。これらの中でも、酸化アルミニウム、酸化チタン、硫酸バリウムを含有する非導電性フィラーが好ましい。
−−フィラーの平均粒径−−
前記フィラーの平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記被覆層に含有される樹脂の表面からフィラーが出やすくなり、部分的な低抵抗を作りやすく、キャリア表面のスペント物を掻き取り易く、耐摩耗性に優れる点で、50nm〜800nmが好ましく、200nm〜700nmがより好ましい。前記フィラーの平均粒径の測定は、走査電子顕微鏡(例えば、FE−SEM(S−800)、日立製作所社製)を用いて10,000倍に拡大したフィラーの粒子像を100個無作為にサンプリングして粒径を測定し、その個数平均粒径を用いた。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記被覆層に、触媒を含有させることが好ましく、溶剤、硬化剤などを含有させてもよい。
−触媒−
前記触媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、チタン系触媒、スズ系触媒、ジルコニウム系触媒、アルミニウム系触媒などが挙げられ、具体的には、これらのアセチルアセトナト錯体、アルキルアセトアセタト錯体、サリチルアルデヒダト錯体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シラノール基の縮合反応を促進する効果が大きく、且つ触媒が失活しにくい点で、チタン系触媒が好ましく、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)がより好ましい。
<静電潜像現像用キャリアの製造方法>
前記静電潜像現像用キャリアの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、第1コート層としては後に記載のスプレーコート式のスピラコーター(岡田精工社製)の条件変更装置を用いても良く、後に記載の坂道型コーティング装置を使用しても良いが、スプレーコート式のスピラコーター(岡田精工社製)の条件変更装置を使用して、前記芯粒子の凸部に、前記樹脂を含有する被覆層形成溶液を塗布する方法が好ましい。なお、前記第1コート層を塗布する際に、前記被覆層に含有される樹脂の縮合を進めてもよいし、前記第1コート層を塗布した後に、前記被覆層に含有される樹脂の縮合を進めてもよいが、第1コート層塗布後に樹脂を縮合させることが好ましい。
前記樹脂の縮合方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記被覆層形成溶液に、熱、光等を付与して樹脂を縮合する方法などが挙げられる。
第2コート層についても特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えばスプレーコート式のスピラコーター(岡田精工社製)を用いることが好ましい。
(装置A スピラコーター(岡田精工社製)の条件変更装置)
この方法は一例であり、目的に応じて適宜変更は可能である。まずスプレーの高さを回転床より0.2mmに変更し、スプレーエア流量を回転床に跳ね返ることで飛び散らない程度に抑える。このことにより、回転床上に薄いコート膜層を得ることができる。芯材はディスク部の遠心力に従ってその上を内から外に転がることで、凸部のみに第1コート層を得ることができる。
(装置B 坂道型コーティング装置)
前記坂道型コーティング装置は以下の様にして説明できる。すなわち、金属板を1枚用意し、傾斜を設ける。一方で上方にコート液塗布装置を設ける。今回はスプレーコート式のスピラコーター同様のノズルを10本、よこ一列に配置した。
まず坂道上に前記ノズルよりコート液を塗布させる。塗布量は適宜調整するが、少なすぎると即時に溶媒が蒸発するため金属板に固着してしまい、多すぎると芯材凹凸内部までコートされてしまう問題に注意する。
その後にコート層が一層ひかれた斜面上に芯材を投入する。これにより凸部のみに第1コート層を得ることができる。
以上を何度か繰り返すことで凸部のみにより均等に第1コート層を得ることができる。なお塗布工程と芯材投入工程は時間軸をずらすことが望ましい。以下この装置はTOYO(TO Yachted Objectst)と称する。
−静電潜像現像用キャリアの形状係数SF−2−
前記静電潜像現像用キャリアは、形状係数SF−2により規定される。
前記SF−2は、粒子の凹凸の度合いを規定する。
前記SF−2の値が大きくなると、粒子の表面の凹凸の起伏が激しくなる。
前記静電潜像現像用キャリアの形状係数SF−2としては、105〜150であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯粒子の凹凸をある程度残して被覆できる点で、120〜145が好ましい。
前記静電潜像現像用キャリアの形状係数SF−2の測定は、走査電子顕微鏡(例えば、FE−SEM(S−800)、日立製作所社製)を用いて300倍に拡大した静電潜像現像用キャリアの粒子像を100個無作為にサンプリングし、得られた画像情報を画像解析装置(例えば、Luzex AP、ニレコ社製)により解析し、先に説明したように、下記計算式(2)を用いて算出することにより行った。
Figure 2014056005
(ただし、前記式(2)中、Pは、粒子の周囲長を表し、Aは、粒子の投影面積を表す。)
−静電潜像現像用キャリアの嵩密度−
前記静電潜像現像用キャリアの嵩密度としては、嵩密度が、1.8g/cm〜2.4g/cmであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記嵩密度が、1.8g/cm未満であると、キャリアが静電潜像担持体に付着するいわゆるキャリア付着を生じやすくなり、2.4g/cmを超えると、前記課題を解決できない上に、現像機内での攪拌ストレスが大きくなり、静電潜像現像用キャリアの抵抗変化が大きくなることがある。
前記静電潜像現像用キャリアの嵩密度の測定は、オリフィス径φ3mmのロートから25cmの容器に、高さ25mmから落下させて行った。
−静電潜像現像用キャリアのBET比表面積−
前記静電潜像現像用キャリアのBET比表面積としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2.5m/g〜6.0m/gが好ましい。
−静電潜像現像用キャリアの重量平均粒径Dw−
前記静電潜像現像用キャリアの重量平均粒径Dwは、レーザー回折・散乱法によって求めた前記芯粒子の粒度分布における積算値50%での粒径をいう。前記静電潜像現像用キャリアの重量平均粒径Dwとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10μm〜80μmが好ましい。
前記静電潜像現像用キャリアの重量平均粒径Dwの測定は、先に説明したように、個数基準で測定された粒子の粒径分布(個数頻度と粒径との関係)をマイクロトラック粒度分布計(HRA9320−X100、Honewell社製)を用いて下記に記載の条件にて測定し、下記計算式(3)を用いて算出した。なお、各チャネルは、粒径分布図における粒径範囲を測定幅単位に分割するための長さを表し、前記代表粒径は、各チャネルに保存する粒子粒径の下限値を採用した。
Figure 2014056005
(ただし、前記式(3)中、Dは、各チャネルに存在する粒子の代表粒径(μm)を表し、nは、各チャネルに存在する粒子の総数を表す。)
[測定条件]
[1]粒径範囲:100μm〜8μm
[2]チャネル長さ(チャネル幅):2μm
[3]チャネル数:46
[4]屈折率:2.42
[断面SEMによる解析]
磁性キャリア粒子の断面加工には、JEOL社製 クロスセクションポリシャ SM-09010を用いた。試料作成においては磁性キャリア粒子を1粒子ずつ独立して存在するように少量固着させることに注意する。試料を台にセットし、加速電圧5kV、Arイオン源を用いて、140μAのビーム電流にて加工を行い、試料断面を削り出す。
なお、試料とする磁性キャリア粒子は、各試料の最大径をDmaxとして、Dw×0.9≦Dmax≦Dw×1.1である磁性キャリアを対象とする。
さらに、各試料の固着面に対して平行な方向における、最大長を含む平面の位置を、固着面からの距離hとする(例えば、半径rの完全な球体の場合、h=rとなる)。
固着面より垂直な方向に、固着面からの距離0.9×h以上1.1×h以下の範囲において、断面を削り出す。断面加工した試料は、そのまま走査型電子顕微鏡(SEM)観察に適用することができる。走査型電子顕微鏡観察において、試料から放出されてくる反射電子の量は、重元素ほど多いことが知られている。
例えば、有機化合物と鉄元素のような金属が平面状に分布している試料であれば、鉄元素からの反射電子の放出量がより多く検出されるため、鉄元素部分が画像上では明るく(輝度が高い、白く)見えることになる。一方、軽元素化合物から構成される有機化合物からの反射電子量は少ないため、画像上では暗く(輝度が低く、黒く)見えることになる。
本発明の磁性キャリア粒子の断面観察においては、磁性芯粒子部領域に由来する金属酸化物部が明るく(輝度が高い、白く)、磁性芯粒子部以外の領域は、暗く(輝度が低く、黒く)見えるため、それぞれ大きなコントラスト差を持った画像が得られる。
具体的には、走査型電子顕微鏡(SEM)、S−4800(日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて、以下の条件にて観察した。
なお、フラッシング操作を行ってから観察した。
SignalName=SE(U,LA100) AcceleratingVoltage=5000Volt EmissionCurrent=10000nA WorkingDistance=4000μm LensMode=High Condencer1=3 ScanSpeed=Slow4(40sec) Magnification=1500 DataSize=1280x960 ColorMode=Grayscale SpecimenBias=0V
なお、反射電子像のキャプチャは、上記条件のほか、走査電子顕微鏡S−4800の制御ソフト上で‘コントラスト5、ブライトネス−5’に明るさを調整し、磁性対観察モードはOFFとし、256階調のグレースケール画像を得た。
磁性キャリア粒子の断面における磁性芯粒子部領域の特定、磁性芯粒子部以外(樹脂部及び/又は空隙部)の領域の特定は、磁性キャリア粒子断面のグレースケールのSEM反射電子画像について、画像解析ソフトImage−ProPlus5.1J(Media Cybernetics社製)を用いて行った。磁性キャリア粒子の加工断面領域と背景の境界については、反射電子観察像から容易に区別できる。
以上行うことで、図6の様なキャリアの断面図を得ることができる。次に磁性芯粒子部以外の領域と、磁性芯粒子部領域の2領域に画像上で分割する。このようにして得られた芯粒子の輪郭から本発明の凸部を特定することができる。
図7は、本発明の芯粒子の輪郭を模式的に示した図である。芯粒子は、その表面に大小の突出部とへこみ部とを有する。本発明の凸部とは、芯粒子の突出部を結んだ線で囲まれる領域のうち、面積が最大となる領域を特定し、その領域の輪郭線と接する部分をいう。すなわち、二つの突出部に挟まれた比較的小さな膨らみであって、前記二つの突出部の頂点を結んだ線よりも内側に存在する膨らみは無視される。図7において、矢印で示した1〜6が本発明の凸部である。
図6のキャリアの断面図から、本発明の凸部に第1コート層がコートされ、隣接する凸部間に、第1コート層がコートされていない領域を有し、更に第2コート層がコートされていることが確認できる。
本発明においては、この様な条件を満足するキャリアがキャリア100個中に、50個数%存在することが望ましく、60個数%存在することがさらに望ましく、70個数%存在することがさらに望ましい。
本発明の静電潜像現像用キャリアは、長期間連続で使用しても、履歴現象による影響を受けることなく、安定したトナー量を静電潜像現像用担持体に供給することができ、かつ、トナースペントの堆積によるキャリア抵抗の増加を低減することができるため、下記に記載する現像剤として好適に使用することができる。
(現像剤)
前記現像剤は、上述した本発明の静電潜像現像用キャリア、及びトナーを含む。
<トナー>
前記トナーは、バインダー樹脂、帯電制御剤、及び離型剤を含み、更に必要に応じてその他の成分を含む。
−バインダー樹脂−
前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体などのスチレン系バインダー樹脂;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレートなどのアクリル系バインダー樹脂;ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂肪族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、トナーの保存時の安定性を確保しつつ、より溶融粘度を低下させることができる点で、ポリエステル樹脂が好ましい。
−−ポリエステル樹脂−−
前記ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルコール成分とカルボン酸成分との重縮合反応により得られる樹脂などが挙げられ、結晶性ポリエステル樹脂と併用して使用してもよい。
−−−アルコール成分−−−
前記アルコール成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオールなどのジオール類、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノーAなどのエーテル化ビスフェノール類、これらを炭素数3〜22の飽和若しくは不飽和の炭化水素基で置換した2価のアルコール単位体、その他の2価のアルコール単位体、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエスリトール、ジペンタエスリトール、トリペンタエスリトール、蔗糖、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の三価以上の高アルコール単量体などが挙げられる。
−−−カルボン酸成分−−−
前記カルボン酸成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等のモノカルボン酸、マレイン酸、フマール酸、メサコン酸、シトラコン酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、これらを炭素数3〜22の飽和若しくは不飽和の炭化水素基で置換した2価の有機酸単量体、これらの酸の無水物、低級アルキルエステルとリノレイン酸との二量体酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸エンボール三量体酸、これら酸の無水物等の三価以上の多価カルボン酸単量体などが挙げられる。
−−−結晶性ポリエステル樹脂−−−
前記結晶性ポリエステル樹脂は、低温でのトナー定着、低温での画像光沢性の工場向上のために添加される樹脂であり、ガラス転移温度で結晶転移を起こすと同時に、固体状態から急激に溶融粘度が低下し、紙などの記録媒体への定着機能を発現する樹脂である。
前記結晶性ポリエステル樹脂は、軟化点と示差走査熱量計(DSC)における吸熱の最高ピーク温度との比、即ち軟化点/吸熱の最高ピーク温度で定義される結晶性指数によって表される。前記結晶性指数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.6〜1.5が好ましく、0.8〜1.2がより好ましい。
前記結晶性ポリエステル樹脂の含有量としては、前記ポリエステル樹脂100質量部に対して、1質量部〜35質量部が好ましく、1質量部〜25質量部がより好ましい。前記結晶性ポリエステル樹脂の含有量が35質量部を超えると、像担持体表面にフィルミングが発生しやすくなり、保存安定性が悪化することがある。
−帯電制御剤−
前記帯電制御剤は、トナーの摩擦帯電性を充分に制御する目的で使用する。
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、モノアゾ染料の金属錯塩、ニトロフミン酸及びその塩、サリチル酸及びその誘導体の金属塩、ナフトエ塩、ジカルボン酸のCo、Cr、Fe等の金属錯体アミノ化合物;第4級アンモニウム化合物、有機染料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ブラック以外のカラートナーを使用する場合は、白色のサリチル酸誘導体の金属塩等の白色又は透明色の帯電制御剤が好ましい。
−離型剤−
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、カルナウバワックス、マイクロクリスタリンワックス、ホホバワックス、ライスワックス、モンタン酸ワックスなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、添加剤、磁性体、着色剤などが挙げられる。
−−添加剤−−
前記添加剤は、トナーに充分な流動性を付与し、良好な画像を得るために添加される。
前記添加剤としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、研磨剤、潤滑剤、流動性付与剤、ケーキング防止剤などが挙げられ、具体的には、疎水化された炭化ケイ素等の素有機樹脂微粒子;ステアリン酸亜鉛、酸化セリウム、疎水性シリカ、疎水性二酸化チタン等の金属微粒子;金属石鹸、フッ素樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、トナーに充分な流動性を付与することができる点で、疎水性シリカが好ましい。
−−磁性体−−
磁性体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、鉄、コバルト等の強磁性体、マグネタイト、ヘマタイト、Li系フェライト、Mn−Zn系フェライト、Cu−Zn系フェライト、Ni−Znフェライト、Baフェライト等の磁性体などが挙げられる。
−−着色剤−−
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、鉄黒、群青、カーボンブラック、ランプブラック、ハンザイエローG、ローダミン6Gレーキ、キナクリドン、ベンジジンイエロー、クロムイエロー、ローズベンガル、カルコオイルブルー、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、モノアゾ系顔料、トリアリルメタン系染料、ニグロシン染料、ジスアゾ系染料、染顔料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<<トナーの製造方法>>
前記トナーの製造方法としては、前記バインダー樹脂中に、前記帯電制御剤、前記離型剤、前記その他の成分等を含有させ、従来公知の重合法、造粒法等により、不定形、球径等のトナーを製造する方法などが挙げられる。
前記トナーの製造方法により製造されるトナーとしては、磁性トナー、非磁性トナーであってもよく、カラートナー、透明トナーであってもよい。
前記磁性トナーは、前記磁性体を含むトナーである。
前記非磁性トナーは、前記磁性体を含まないトナーである。
前記カラートナーは、前記着色剤を含むトナーである。
前記透明トナーは、前記着色剤を含まないトナーである。
−トナーの重量平均粒径Dw−
前記トナーの重量平均粒径Dwは、レーザー回折・散乱法によって求めた前記芯粒子の粒度分布における積算値50%での粒径をいう。前記トナーの重量平均粒径Dwとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3.0μm〜9.0μmが好ましく、3.0μm〜6.0μmがより好ましい。
前記トナーの重量平均粒径Dwの測定は、コールターマルチサイザーII(ベックマン・コールター社製)を用いて測定した。下記計算式(3)を用いて算出した。なお、各チャネルは、粒径分布図における粒径範囲を測定幅単位に分割するための長さを表し、前記代表粒径は、各チャネルに保存する粒子粒径の下限値を採用した。
Figure 2014056005
(ただし、前記計算式(3)中、Dは、各チャネルに存在する粒子の代表粒径(μm)を表し、nは、各チャネルに存在する粒子の総数を表す。)
[測定条件]
[1]粒径範囲:100μm〜8μm
[2]チャネル長さ(チャネル幅):2μm
[3]チャネル数:46
[4]屈折率:2.42
<現像剤の製造方法>
前記現像剤の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記静電潜像現像用キャリアと、前記トナーとを混合して、タービュラーミキサーにより攪拌することにより製造する方法などが挙げられる。
(現像剤入り容器)
前記現像剤入り容器は、上述した本発明の静電潜像現像用キャリア及びトナーを含む現像剤を容器中に収容してなる。
前記現像剤入り容器は、保存、搬送等が容易であり、取扱性に優れ、後述するプロセス
カートリッジに着脱可能に取り付けて現像剤の補給に好適に使用することができる。
前記現像剤入り容器としては、特に制限はなく、目的に応じて従来公知の容器を使用することができ、例えば、容器本体、及びキャップを有する。
前記容器本体としては、その大きさ、形状、構造、材質などにつき、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記大きさとしては、寸法精度がよいものが好ましく、前記形状としては、円筒状が好ましく、前記構造としては、内周面にスパイラル状の凹凸が形成され、回転させることにより内容物であるトナーが排出口側に移行可能であり、かつ該スパイラル部の一部又は全部が蛇腹機能を有する構造が好ましく、前記材質としては、ポリエステル樹脂,ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂などが好ましい。
前記キャップとしては、その大きさ、形状、構造、材質などにつき、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
(補給用現像剤)
前記補給用現像剤は、上述した本発明の静電潜像現像用キャリアと、前記トナーとを含む。また、前記補給用現像剤は、現像装置内の余剰の現像剤を排出しながら画像形成を行う画像形成装置に適用することができる。また、前記補給用現像剤を用いる現像装置は、極めて長期に渡って安定した画像品質が得ることができる。即ち、前記補給用現像剤を用いた画像形成装置は、現像装置内の劣化したキャリアと、補給用現像剤中の劣化していないキャリアを入れ替え、長期間に渡って帯電量を安定に保つことができるため、安定した画像を得ることができる。本方式は、特に高画像面積印字時に有効である。高画像面積印字時の劣化は、キャリアへのトナースペントによるキャリア帯電能力低下が主なキャリアの劣化であるが、本方式を用いることで、高画像面積時には、キャリア補給量も多くなるため、劣化したキャリアが入れ替わる頻度が高くなる。
前記補給用現像剤は、前記静電潜像現像用キャリア1質量部に対して、前記トナーを2〜50質量部の割合で含有するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナーを5質量部〜1220質量部含むことが好ましい。前記静電潜像現像剤用キャリア1質量部に対して、前記トナーが2質量部未満の割合で含有する場合には、補給キャリア量が多すぎ、キャリア供給過多となり現像装置中のキャリア濃度が高くなりすぎるため、トナーの帯電量が増加しやすいことがある。また、トナーの帯電量が上がることにより、現像能力が下がり画像濃度が低下してしまうことがある。前記静電潜像現像剤用キャリア1質量部に対して、前記トナーが50質量部を超える割合で含有する場合は、補給用現像剤中のキャリアの割合が少なくなるため、画像形成装置中のキャリアの入れ替わりが少なくなり、キャリア劣化に対する効果が期待できなくなることがある。
(プロセスカートリッジ)
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、上述した本発明の静電潜像現像用キャリア及びトナーを含む現像剤を用いて現像する手段とが、一体に支持されるように形成される。
本発明のプロセスカートリッジの実施形態について、図1を用いて説明する。
図1に示されるように、プロセスカートリッジ(10)は、静電潜像担持体(11)、該静電潜像担持体を帯電する帯電装置(12)、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を本発明の現像剤を用いて現像してトナー像を形成する現像装置(13)、及び該静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写した後、該静電潜像担持体上に残留したトナーを除去するクリーニング装置(14)を有し、複写機、プリンタ等の画像形成装置の本体に対して着脱可能である。
(画像形成装置及び画像形成方法)
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する手段と、前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、上述した本発明の静電潜像現像用キャリア及びトナーを含む現像剤を用いて現像し、トナー像を形成する手段と、前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する手段と、前記録媒体に転写されたトナー像を定着させる手段とを含む。前記トナー像を形成する手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、磁気ブラシが形成された現像剤を用いて現像し、トナー像を形成する手段が好ましい。
本発明の画像形成方法は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程と、前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、上述した本発明の静電潜像現像用キャリア及びトナーを含む現像剤を用いて現像し、トナー像を形成する工程と、前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する工程と、前記録媒体に転写されたトナー像を定着させる工程とを含む。前記トナー像を形成する工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、磁気ブラシが形成された現像剤を用いて現像し、トナー像を形成する工程が好ましい。
本発明の画像形成装置の実施形態について、図2を用いて説明する。
図2に示されるように、まず、静電潜像担持体(20)が所定の周速度で回転駆動され、帯電装置(32)により、静電潜像担持体20の周面が正又は負の所定電位に均一に帯電される。次に、露光装置(33)により静電潜像担持体(20)の周面が露光され、静電潜像が順次形成される。更に、静電潜像担持体(20)の周面に形成された静電潜像は、現像装置(40)により、本発明の静電潜像現像用キャリア及びトナーを含む現像剤を用いて現像され、トナー像が形成される。次に、静電潜像担持体(20)の周面に形成されたトナー像は、静電潜像担持体(20)の回転と同期され、給紙部から静電潜像担持体(20)と転写装置(50)との間に給紙された転写紙に、順次転写される。更に、トナー像が転写された転写紙は、静電潜像担持体(20)の周面から分離されて定着装置に導入されて定着された後、複写物(コピー)として、画像形成装置の外部へプリントアウトされる。一方、トナー像が転写された後の静電潜像担持体(20)の表面は、クリーニング装置(60)により、残留したトナーが除去されて清浄化された後、除電装置(70)により除電され、繰り返し画像形成に使用される。
以下、本発明の代表的な実施の形態を次のとおり説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、以下の説明において「部」及び「%」は、特に断りのない限り「重量部」及び「重量%」を意味する。
また、実施例及び比較例において測定された形状係数SF−1、形状係数SF−2、算術平均表面粗さRa、フィラーの粉体比抵抗値、芯粒子の重量平均粒径、フィラーの平均粒径、及びトナーの平均粒径は、上述した測定方法により測定して得られた値である。
<芯粒子の製造>
[芯粒子製造例1:芯粒子1の製造]
MnCO、Mg(OH)、Fe、及びSrCO粉を下記成分組成となるように秤量し、混合して混合粉を得た。この混合粉を加熱炉にて840℃、1時間、大気雰囲気下で仮焼成し、得られた仮焼成物を冷却後、粉砕して平均粒径3μmの粉体とした。この粉体に、水溶性高分子材料である分散剤(1質量%)及び水を加えてスラリーとし、このスラリーをスプレードライヤに供給して造粒し、平均粒径約40μmの造粒物を得た。この造粒物を焼成炉に装填し、窒素雰囲気下で、1110℃、3時間焼成した。得られた焼成物を解砕機で解砕した後、篩い分けにより粒度調整を行い、重量平均粒径約35μmの[芯粒子1](球形フェライト粒子)を得た。この[芯粒子1]の成分分析を行ったところ、当初の目標どおりMnO(40.0mol%)、MgO(10.1mol%)、Fe2O3(50mol%)、SrO(0.4mol%)であった。また、[芯粒子1]のSF−1は145、SF−2は119、Raは0.98μm、嵩密度は2.0であった。
[芯粒子製造例2:芯粒子2の製造]
芯粒子製造例1の仮焼成を行わず、スラリーをスプレードライヤに供給して造粒し、平均粒径約40μmの造粒物を得た。この造粒物を焼成炉に装填し、窒素雰囲気下で、1,300℃、4時間焼成した。得られた焼成物を解砕機で解砕した後、篩い分けにより粒度調整を行い、重量平均粒径約35μmの[芯粒子2](球形フェライト粒子)を得た。この[芯粒子2]のSF−1は125、SF−2は119、Raは0.51μm、嵩密度は2.4であった。
[芯粒子製造例3:芯粒子3の製造]
芯粒子製造例2対し、窒素雰囲気下で、1,350℃、5時間焼成した以外は同様に行い、重量平均粒径約35μmの[芯粒子3](球形フェライト粒子)を得た。この[芯粒子3]のSF−1は120、SF−2は111、Raは0.50μm、嵩密度は2.4であった。
[芯粒子製造例4:芯粒子4の製造]
MnCO、Mg(OH)、Fe、及びSrCO粉を下記成分組成となるように秤量し、平均粒径3μmの粉体を得た。この粉体に、分散剤(1質量%)及び水を加えてスラリーとし、このスラリーをスプレードライヤに供給して造粒し、平均粒径約40μmの造粒物を得た。この造粒物を焼成炉に装填し、窒素雰囲気下で、1250℃、5時間焼成した。得られた焼成物を解砕機で解砕した後、篩い分けにより粒度調整を行い、重量平均粒径約35μmの[芯粒子4](球形フェライト粒子)を得た。この[芯粒子4]の成分分析を行ったところ、当初の目標どおりMnO(46.2mol%)、MgO(0.7mol%)、Fe2O3(53mol%)であった。また、[芯粒子4]のSF−1は130、SF−2は128、Raは0.45μm、嵩密度は2.4であった。
<導電性微粒子>
[導電性微粒子製造例1:導電性微粒子1の製造]
酸化アルミニウム(AKP−30、住友化学社製)100gを水1Lに分散させ懸濁液とし、70℃に加温した。次いで、この懸濁液のpHが7〜8となるよう、塩化第二錫150g及び五酸化リン4.5gを2N塩酸1.5Lに溶かした溶液、並びに12質量%アンモニア水を3時間かけて滴下した。滴下後、懸濁液を濾過、洗浄して得られたケーキを110℃で乾燥した。そして、この乾燥粉末を窒素気流中で500℃、1時間にて処理し、[導電性微粒子1]を得た。得られた[導電性微粒子1]は、平均粒径600nmで、体積固有抵抗値10Ω・cmであった。
[導電性微粒子例2]
導電性微粒子2として、EC−700(チタン工業社製 粒径:350nm)を採用し、キャリアを製造した。
[導電性微粒子例3]
導電性微粒子3として、酸素欠損型酸化スズ被覆硫酸バリウム粉末(三井金属製、商品名パストラン4310 粒径:100nm)を用いてキャリアを製造した。
[導電性微粒子例4]
導電性微粒子4として、S−2000(ジェムコ社製 粒径:30nm)を用いてキャリアを製造した。
[導電性微粒子例5]
導電性微粒子5として、AA03(チタン工業社製 粒径:350nm)を用いてキャリアを製造した。
<共重合体の合成>
[樹脂1]
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて標準ポリスチレン換算で求めた。粘度は25℃でJIS−K2283に準じて測定した。また、不揮発分はコーティング剤組成物1gをアルミ皿に秤取り、150℃で1時間加熱した後の重量を測定して、次式に従って算出した。
不揮発分(%)=(加熱前の重量−加熱後の重量)×100/加熱前の重量
撹拌機付きフラスコにトルエン300gを投入して、窒素ガス気流下で90℃まで昇温した。次いでこれに、 CH=CMe−COO−C−Si(OSiMe (式中、Meはメチル基である。)で示される3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン84.4g(200ミリモル:サイラプレーン TM−0701T/チッソ株式会社製)、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン 39g(150ミリモル)、メタクリル酸メチル65.0g(650ミリモル)、および、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル0.58g(3ミリモル)の混合物を1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル0.06g(0.3ミリモル)をトルエン15gに溶解した溶液を加えて(2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリルの合計量0.64g=3.3ミリモル)、90〜100℃で3時間混合してラジカル共重合させてメタクリル系共重合体を得た。
得られたメタクリル系共重合体の重量平均分子量は33,000であった。次いで、このメタクリル系共重合体溶液の不揮発分が25重量%になるようにトルエンで希釈した。このようにして得られた共重合体溶液の粘度は8.8mm/sであり、比重は0.91であった。
[樹脂2]
樹脂2として、シリコン樹脂溶液[固形分20重量%](SR2410:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)]を用いた。
<コート液塗布工程>
コート液の塗布方法については前述の装置A、装置B、及び装置Aの高さを変更する前の状態(都合上装置Cと称する)の3種で検討した。
<キャリアの製造>
[実施例1:キャリアAの製造]
(i)第1コート層
・樹脂1[固形分25重量%] 3.3重量部
・樹脂2[固形分20重量%] 36.7重量部
・アミノシラン[固形分100重量%] 0.8重量部
(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)]
・導電性微粒子 なし
・トルエン 13.5重量部
を0.5mmZrビーズ1000部とともに、ペイントシェイカーで1時間分散した後、メッシュでビーズを除去し、樹脂被覆膜形成溶液を得た。芯材として前述した[芯粒子1]:5000重量部を用い、上記被覆膜形成溶液にTC−750(マツモトファインケミカル社製)[固形分60重量%] 1.9重量部を加えた溶液を芯粒子表面に前記装置Aによりコーター内温度75℃で塗布し乾燥した。得られたキャリアを窒素雰囲気下において電気炉中にて280℃で1時間放置して焼成した。冷却後フェライト粉バルクを目開き63μmの篩を用いて解砕した。
(ii)第2コート層
・樹脂1[固形分25重量%] 54.4重量部
・樹脂2[固形分20重量%] 612.2重量部
・アミノシラン[固形分100重量%] 14.1重量部
(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)
・導電性微粒子2 250.0重量部
・トルエン 238.5重量部
を0.5mmZrビーズ1000部とともに、ペイントシェイカーで1時間分散した後、メッシュでビーズを除去し、樹脂被覆膜形成溶液を得た。芯材として第1コート層で得られたキャリア:5000重量部を用い、上記被覆膜形成溶液にTC−750(マツモトファインケミカル社製)[固形分60重量%] 33.2重量部を加えた溶液を芯粒子表面に前記装置Cによりコーター内温度75℃で塗布し乾燥した。得られたキャリアを窒素雰囲気下において電気炉中にて230℃で1時間放置して焼成した。冷却後フェライト粉バルクを目開き63μmの篩を用いて解砕し、[キャリアA]を得た。
[実施例2:キャリアBの製造]
実施例1に準拠した方法で、表1、表2に示される芯材、樹脂(樹脂1及び樹脂2)、導電性微粒子、シランカップリング剤を用い、表1、表2に示されるコーティング工程、焼成工程で、第一コート層、第二コート層を芯材に設け、キャリアBを製造した。
Figure 2014056005
Figure 2014056005
[実施例3:キャリアCの製造]
実施例1に準拠した方法で、表1、表2に示される芯材、樹脂(樹脂1及び樹脂2)、導電性微粒子、シランカップリング剤を用い、表1、表2に示されるコーティング工程、焼成工程で、第一コート層、第二コート層を芯材に設け、キャリアCを製造した。
[実施例4:キャリアDの製造]
実施例1に準拠した方法で、表1、表2に示される芯材、樹脂(樹脂1及び樹脂2)、導電性微粒子、シランカップリング剤を用い、表1、表2に示されるコーティング工程、焼成工程で、第一コート層、第二コート層を芯材に設け、キャリアDを製造した。
[実施例5:キャリアEの製造]
実施例1に準拠した方法で、表1、表2に示される芯材、樹脂(樹脂1及び樹脂2)、導電性微粒子、シランカップリング剤を用い、表1、表2に示されるコーティング工程、焼成工程で、第一コート層、第二コート層を芯材に設け、キャリアEを製造した。
[実施例6:キャリアFの製造]
実施例1に準拠した方法で、表1、表2に示される芯材、樹脂(樹脂1及び樹脂2)、導電性微粒子、シランカップリング剤を用い、表1、表2に示されるコーティング工程、焼成工程で、第一コート層、第二コート層を芯材に設け、キャリアFを製造した。
[実施例7:キャリアGの製造]
実施例1に準拠した方法で、表1、表2に示される芯材、樹脂(樹脂1及び樹脂2)、導電性微粒子、シランカップリング剤を用い、表1、表2に示されるコーティング工程、焼成工程で、第一コート層、第二コート層を芯材に設け、キャリアGを製造した。
[実施例8:キャリアHの製造]
実施例1に準拠した方法で、表1、表2に示される芯材、樹脂(樹脂1及び樹脂2)、導電性微粒子、シランカップリング剤を用い、表1、表2に示されるコーティング工程、焼成工程で、第一コート層、第二コート層を芯材に設け、キャリアHを製造した。
[実施例9:キャリアJの製造]
実施例1に準拠した方法で、表1、表2に示される芯材、樹脂(樹脂1及び樹脂2)、導電性微粒子、シランカップリング剤を用い、表1、表2に示されるコーティング工程、焼成工程で、第一コート層、第二コート層を芯材に設け、キャリアJを製造した。
[実施例10:キャリアKの製造]
実施例1に準拠した方法で、表1、表2に示される芯材、樹脂(樹脂1及び樹脂2)、導電性微粒子、シランカップリング剤を用い、表1、表2に示されるコーティング工程、焼成工程で、第一コート層、第二コート層を芯材に設け、キャリアKを製造した。
[比較例1:キャリアLの製造]
実施例1に準拠した方法で、表1、表2に示される芯材、樹脂(樹脂1及び樹脂2)、導電性微粒子、シランカップリング剤を用い、表1、表2に示されるコーティング工程、焼成工程で、第一コート層、第二コート層を芯材に設け、キャリアLを製造した。
[比較例2:キャリアMの製造]
実施例1に準拠した方法で、表1、表2に示される芯材、樹脂(樹脂1及び樹脂2)、導電性微粒子、シランカップリング剤を用い、表1、表2に示されるコーティング工程、焼成工程で、第一コート層、第二コート層を芯材に設け、キャリアMを製造した。
[比較例3:キャリアNの製造]
実施例1に準拠した方法で、表1、表2に示される芯材、樹脂(樹脂1及び樹脂2)、導電性微粒子、シランカップリング剤を用い、表1、表2に示されるコーティング工程、焼成工程で、第一コート層、第二コート層を芯材に設け、キャリアNを製造した。
[比較例4:キャリアPの製造]
実施例1に準拠した方法で、表1、表2に示される芯材、樹脂(樹脂1及び樹脂2)、導電性微粒子、シランカップリング剤を用い、表1、表2に示されるコーティング工程、焼成工程で、第一コート層、第二コート層を芯材に設け、キャリアPを製造した。
[比較例5:キャリアQの製造]
実施例1に準拠した方法で、表1、表2に示される芯材、樹脂(樹脂1及び樹脂2)、導電性微粒子、シランカップリング剤を用い、表1、表2に示されるコーティング工程、焼成工程で、第一コート層、第二コート層を芯材に設け、キャリアQを製造した。
[比較例6:キャリアRの製造]
実施例1に準拠した方法で、表1、表2に示される芯材、樹脂(樹脂1及び樹脂2)、導電性微粒子、シランカップリング剤を用い、表1、表2に示されるコーティング工程、焼成工程で、第一コート層、第二コート層を芯材に設け、キャリアRを製造した。
[比較例7:キャリアSの製造]
第1コート層は設けず、実施例1に準拠した方法で、表1、表2に示される芯材、樹脂(樹脂1及び樹脂2)、導電性微粒子、シランカップリング剤を用い、表1、表2に示されるコーティング工程、焼成工程で第二コート層のみを芯材に設け、キャリアSを製造した。
[比較例8:キャリアTの製造]
第1コート層は設けず、実施例1に準拠した方法で、表1、表2に示される芯材、樹脂(樹脂1及び樹脂2)、導電性微粒子、シランカップリング剤を用い、表1、表2に示されるコーティング工程、焼成工程で第二コート層のみを芯材に設け、キャリアTを製造した。
[比較例9:キャリアUの製造]
第1コート層は設けず、実施例1に準拠した方法で、表1、表2に示される芯材、樹脂(樹脂1及び樹脂2)、導電性微粒子、シランカップリング剤を用い、表1、表2に示されるコーティング工程、焼成工程で第二コート層のみを芯材に設け、キャリアUを製造した。
(現像剤の作製)
実施例及び比較例で得られた[キャリアA]〜[キャリアU](930質量部)、及び市販のデジタルフルカラープリンター(RICOH Pro C901、リコー社製)用のトナー(70質量部)を混合して、タービュラーミキサーを用いて81rpmで5分間攪拌し、評価用現像剤を作製した。また、補給用現像剤は、トナー濃度が10質量%となるように、前記キャリア及び前記トナーを用いて作製した。
(評価)
実施例及び比較例で得られた静電潜像現像用キャリアを評価した。結果を表3及び表4に示す。
<印字評価>
作製した各現像剤及び各補給現像剤を、市販のデジタルフルカラープリンター(RICOH Pro C901、株式会社リコー製)にセットし、画像面積8%の文字チャート(1文字の大きさ;2mm×2mm程度)を5万枚印字した後、更に10万枚印字した。
<履歴現象による影響の評価>
履歴現象による影響を評価するために、印字評価において5万枚出力した後に、図5に示す縦帯チャートを印刷した。そして、スリーブ(トナー担持体)一周分(a)と一周後(b)の濃度差を測定することにより、直前画像履歴による影響を評価した。前記測定は、色彩値測定器(X−Rite938、X−Rite社製)を用いた。前記スリーブのセンター、リア、及びフロントを3箇所測定して得られた平均濃度差をΔIDとし、下記評価基準により評価した。なお、ΔIDの値が小さいほど、前回画像による履歴の影響が小さいことを示し、「◎:非常に良好」、「○:良好」を合格とし、「△:許容できない」「×:実用上使用できないレベル」を不合格とした。
また、実験ばらつきで○や△が出るものについては「△〜○」とし、許容とした。
[評価基準]
◎: ΔID≦0.01
○:0.01<ΔID≦0.03
△:0.03<ΔID≦0.06
×:0.06<ΔID
<静電潜像現像用キャリアの抵抗変化の評価>
5万枚印刷時の現像剤における静電潜像現像用キャリアの抵抗値、及び15万枚印刷時の現像剤における静電潜像現像用キャリアの抵抗値の差を測定し、経時に伴うキャリアの抵抗変化を評価した。図3に示すように、795メッシュの網を有するブローオフケージ(7)を用いて、現像剤からトナー(5)を吸引除去した静電潜像現像用キャリア(3)を用いて測定した。また、前記静電潜像現像用キャリアの抵抗値の測定は、図4に示すように、電極間距離2mm、表面積2×4cmの電極(1a)、(1b)を収容したフッ素樹脂製容器からなるセルに静電潜像現像用キャリア(3)を充填し、両極間に1,000Vの直流電圧を印加して、ハイレジスタンスメーター(4329A+LJK 5HVLVWDQFH OHWHU、横川ヒューレットパッカード社製)にて直流抵抗を測定し、0枚印刷時とのΔLogRを算出した。なお、「◎:非常に良好」、「○:良好」、「△:許容」を合格とし、「×:実用上使用できないレベル」を不合格とした。
[評価基準]
◎: ΔLogR≦0.4
○:0.4<ΔLogR≦0.7
△:0.7<ΔLogR≦1.3
×:1.3<ΔLogR
<キャリア付着>
キャリア付着(ベタ部)
キャリア付着が発生すると、感光体ドラムや定着ローラーの傷の原因となり、画像品質の低下を招く。感光体上にキャリア付着が発生しても、一部のキャリアしか紙に転写しないため、以下の方法で評価した。なお、15万枚印刷時の現像剤における評価である。
前述の現像条件(帯電電位(Vd):−600V、画像部(ベタ原稿)にあたる部分の感光後の電位:−100V、現像バイアス:DC −500V)における、ベタ画像(30mm×30mm)に付着したキャリアの個数を、感光体上でカウントしてベタキャリア付着の評価を行った。
表中記載の記号は、◎:大変良好、○:良好、△:使用不可、×:不良とした。
Figure 2014056005
上記実施例及び比較例のキャリアA〜キャリアUの各キャリア粒子について、断面写真観察を実施した。結果は次表に示される。
Figure 2014056005
以上より、製造した本発明の静電潜像現像用キャリアを用いることにより、長期間連続で使用しても、履歴現象による影響を受けることなく、安定したトナー量を静電潜像現像用担持体に供給することができ、かつ、トナースペントの堆積によるキャリア抵抗の増加を低減できることがわかった。
1a 電極
1b 電極
2 フッ素樹脂製
3 静電潜像現像用キャリア
5 トナー
7 ブローケージ
10 プロセスカートリッジ
11 感光体
12 帯電装置
13 現像装置
14 クリーニング装置
20 静電潜像担持体
32 帯電装置
33 露光装置
40 現像装置
50 転写装置
60 クリーニング装置
70 除電装置
100 画像形成装置
特開2007−25693号公報 特許3356948号公報 特開2005−157002号公報 特開平11−231652号公報 特開平07−072733号公報 特開平07−128983号公報 特開平07−092813号公報 特開平11−065247号公報 特開2007−272165号公報 特開2007−61730号公報

Claims (10)

  1. 磁性を有する芯粒子と、該芯粒子を被覆する被覆層とを含むキャリア粒子からなる静電潜像現像用キャリアであって、芯粒子に対して樹脂の成分で構成された第1コート層と、樹脂中にフィラーの含有された第2コート層を持ち、該第1コート層は、該芯粒子に対して少なくとも凸部にコートされ、隣接する凸部間に、コートされていない領域を有することを特徴とする静電潜像現像用キャリア。
  2. 前記芯粒子の形状係数SF−2が、120〜160であり、
    前記芯粒子の算術平均表面粗さRaが、0.5μm〜1.0μmであることを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像用キャリア。
  3. 以下の条件を満足するキャリア粒子の存在確率が50個数%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電潜像現像用キャリア。
    ・断面SEM観察において、凸部に対し、半径0.1umの範囲でフィラーが存在しない。
    ・断面SEM観察時、芯材1粒の凹部に対し、半径0.3umの範囲でフィラーが存在する。
  4. 前記フィラーが、粒径100nm乃至500nmであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。
  5. 前記フィラーは、前記樹脂100質量部に対して50乃至500質量部の範囲で含有されるものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。
  6. 前記樹脂が、少なくとも下記一般式(A)で表されるA部分、及び下記一般式(B)で表されるB部分を含む共重合体を加水分解し、シラノール基を生成して縮合することにより得られる架橋物を含有するものである請求項1乃至5のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。
    Figure 2014056005

    (ただし、一般式(A)中、Rは、水素原子又はメチル基を表し、Rは、炭素数1〜4のアルキル基を表し、mは、1〜8の整数を表し、Xは、10mol%〜90mol%を表す。)
    Figure 2014056005
    (ただし、一般式(B)中、Rは、水素原子又はメチル基を表し、Rは、炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rは、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を表し、mは、1〜8の整数を表し、Yは、10mol%〜90mol%を表す。)
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア及びトナーを含むことを特徴する静電潜像現像用二成分系現像剤。
  8. 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、請求項7に記載の現像剤を用いて現像する手段とが、一体に支持されることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  9. 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する手段と、前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、請求項7に記載の現像剤を用いて現像しトナー像を形成する手段と、前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する手段と、前記録媒体に転写されたトナー像を定着させる手段とを含むことを特徴とする画像形成装置。
  10. 前記トナー像を形成する手段が、磁気ブラシが形成された現像剤を用いて現像し、トナー像を形成する手段である請求項9に記載の画像形成装置。
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