JP2019045557A - 静電潜像現像用キャリア、及び2成分現像剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷初期においても、連続印刷を行った後においても、十分なキャリア粒子の帯電付与性を確保する。【解決手段】静電潜像現像用キャリアが、キャリアコアと、キャリアコアの表面を覆う第1コート層及び第2コート層とを備えるキャリア粒子を、複数含む。第1コート層及び第2コート層は、キャリアコアの表面から、第1コート層、第2コート層の順の積層構造を有する。第1コート層は、フッ素樹脂を含有する。第2コート層は、シリコーン樹脂と、シリコーン樹脂の質量に対して1質量%以上のフッ素シランとを含有する。第1コート層の表面領域のうち、第2コート層で覆われている領域の面積SAと、第2コート層で覆われていない領域の面積SBとは、「0.05≦SB/(SA+SB)≦0.50」の関係を満たす。【選択図】図1

Description

本発明は、静電潜像現像用キャリア、及び2成分現像剤に関する。
2成分現像剤は、トナーとキャリアとを含む。キャリアに関しては、複数の樹脂被覆型キャリア粒子を含むキャリアが知られている。樹脂被覆型キャリア粒子は、キャリアコアと、キャリアコアの表面を覆うコート層とを備える。例えば、特許文献1に記載の樹脂被覆型キャリア粒子では、コート層が、フッ素樹脂、バインダー樹脂、及び分散したシリカ粒子を含む。
特開2002−148869号公報
しかしながら、特許文献1に開示される技術だけでは、連続印刷において、十分なキャリア粒子の帯電付与性を維持することは難しい。詳しくは、連続印刷において、特許文献1に記載の樹脂被覆型キャリア粒子を使用すると、連続印刷中にトナーから脱離した外添剤がキャリア粒子に付着し易くなる。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、印刷初期においても、連続印刷を行った後においても、十分なキャリア粒子の帯電付与性を確保することを目的とする。
本発明に係る静電潜像現像用キャリアは、キャリアコアと、前記キャリアコアの表面を覆う第1コート層及び第2コート層とを備えるキャリア粒子を、複数含む。前記第1コート層及び前記第2コート層は、前記キャリアコアの表面から、前記第1コート層、前記第2コート層の順の積層構造を有する。前記第1コート層は、フッ素樹脂を含有する。前記第2コート層は、シリコーン樹脂と、前記シリコーン樹脂の質量に対して1質量%以上のフッ素シランとを含有する。前記第1コート層の表面領域のうち、前記第2コート層で覆われている領域の面積SAと、前記第2コート層で覆われていない領域の面積SBとは、「0.05≦SB/(SA+SB)≦0.50」の関係を満たす。
本発明に係る2成分現像剤は、本発明に係る静電潜像現像用キャリアと、前記静電潜像現像用キャリアとの摩擦により正に帯電し得る正帯電性トナーとを含む。
本発明によれば、印刷初期においても、連続印刷を行った後においても、十分なキャリア粒子の帯電付与性を確保することが可能になる。
本発明の実施形態に係る2成分現像剤の断面構造の一例を示す図である。 図1に示されるキャリア粒子の表面の一部を拡大して示す図である。
本発明の実施形態について説明する。なお、粉体(より具体的には、トナー母粒子、外添剤、トナー、又はキャリア等)に関する評価結果(形状又は物性などを示す値)は、何ら規定していなければ、その粉体に含まれる相当数の粒子について測定した値の個数平均である。
粉体の個数平均粒子径は、何ら規定していなければ、顕微鏡を用いて測定された1次粒子の円相当径(ヘイウッド径:粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)の個数平均値である。また、粉体の体積中位径(D50)の測定値は、何ら規定していなければ、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製「LA−750」)を用いて測定した値である。
本願明細書中では、未処理のシリカ粒子(以下、「シリカ基体」と記載する)も、シリカ基体に表面処理を施して得たシリカ粒子(すなわち、表面処理されたシリカ粒子)も、「シリカ粒子」と記載する。また、表面処理剤で正帯電化されたシリカ粒子を「正帯電性シリカ粒子」と記載する場合がある。
以下、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。
本実施形態に係るキャリアは、例えば電子写真装置(画像形成装置)において画像の形成に用いることができる。以下、電子写真装置による画像形成方法の一例について説明する。
まず、電子写真装置の像形成部(例えば、帯電装置及び露光装置)が、画像データに基づいて感光体(例えば、感光体ドラムの表層部)に静電潜像を形成する。続けて、電子写真装置の現像装置(詳しくは、トナーとキャリアとを含む2成分現像剤がセットされた現像装置)が、トナーを感光体に供給して、感光体に形成された静電潜像を現像する。トナーは、感光体に供給される前に、現像装置内で、キャリアとの摩擦により帯電する。例えば、正帯電性トナーは正に帯電する。現像工程では、感光体の近傍に配置された現像スリーブ(例えば、現像装置内の現像ローラーの表層部)上のトナー(詳しくは、帯電したトナー)が感光体に供給され、供給されたトナーが感光体の静電潜像に付着することで、感光体上にトナー像が形成される。消費されたトナーは、補給用トナーを収容するトナーコンテナから現像装置へ補給される。
続く転写工程では、電子写真装置の転写装置が、感光体上のトナー像を中間転写体(例えば、転写ベルト)に転写した後、さらに中間転写体上のトナー像を記録媒体(例えば、紙)に転写する。その後、電子写真装置の定着装置(定着方式:加熱ローラー及び加圧ローラーによるニップ定着)がトナーを加熱及び加圧して、記録媒体にトナーを定着させる。その結果、記録媒体に画像が形成される。例えば、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの4色のトナー像を重ね合わせることで、フルカラー画像を形成することができる。転写工程の後、感光体上に残ったトナーは、クリーニング部材(例えば、クリーニングブレード)により除去される。なお、転写方式は、感光体上のトナー像を、中間転写体を介さず、記録媒体に直接転写する直接転写方式であってもよい。また、定着方式は、ベルト定着方式であってもよい。
2成分現像剤は、トナーとキャリアとを含む。トナーは、多数のトナー粒子から構成される粉体である。キャリアは、多数のキャリア粒子から構成される粉体である。2成分現像剤に含まれるトナーは、例えば正帯電性トナーとして用いることができる。正帯電性トナーは、キャリアとの摩擦により正に帯電する。キャリアに含まれるキャリア粒子は、磁性を有する。キャリア粒子に磁性を付与するためには、磁性材料(例えば、フェライトのような強磁性物質)でキャリア粒子の少なくとも一部を形成してもよいし、磁性粒子を分散させた樹脂でキャリア粒子の少なくとも一部を形成してもよい。
本実施形態に係る2成分現像剤は、次に示す構成を有する。
(本実施形態に係る2成分現像剤)
2成分現像剤が、次に示す構成(以下、基本構成と記載する)を有する本実施形態に係るキャリアと、そのキャリアとの摩擦により正に帯電し得る正帯電性トナーとを含む。正帯電性トナーは、例えば、トナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備えるトナー粒子を、複数含む。トナーの正帯電性を向上させるためには、外添剤が正帯電性シリカ粒子を含むことが特に好ましい。
(キャリアの基本構成)
キャリアが、キャリアコアと、キャリアコアの表面を覆う第1コート層及び第2コート層とを備えるキャリア粒子を、複数含む。第1コート層及び第2コート層は、キャリアコアの表面から、第1コート層、第2コート層の順の積層構造を有する。第1コート層は、フッ素樹脂を含有する。第2コート層は、シリコーン樹脂と、シリコーン樹脂の質量に対して1質量%以上のフッ素シランとを含有する。第1コート層の表面領域のうち、第2コート層で覆われている領域の面積SAと、第2コート層で覆われていない領域の面積SBとは、「0.05≦SB/(SA+SB)≦0.50」の関係を満たす。
上記基本構成において、第2コート層は、キャリアコアの表面を、直接的に覆っていてもよいし、第1コート層を介して間接的に覆っていてもよい。第2コート層は、第1コート層上のみに存在していてもよいし、キャリアコアの表面(詳しくは、第1コート層で覆われていない領域)に接する部分を有していてもよい。第1コート層は、キャリアコアの表面全域を覆っていてもよい。
上記基本構成において、「0.05≦SB/(SA+SB)≦0.50」の関係を満たすことは、第1コート層の表面領域のうち、第2コート層で覆われていない領域の面積割合が、5%以上50%以下であることを意味する。以下、第1コート層の表面領域のうち、第2コート層で覆われていない領域の面積割合(=SB/(SA+SB))を、「第1コート層の露出率」と記載する場合がある。
2成分現像剤は、トナーとキャリアとを含む。2成分現像剤を攪拌することで、トナーとキャリアとの摩擦により、トナーが帯電する。正帯電性トナーでは、トナーの正帯電性を強めるために、トナー母粒子の表面に外添剤(例えば、正帯電性シリカ粒子)を付着させることがある。2成分現像剤では、キャリアの帯電付与性(詳しくは、トナーを帯電させる性能)を向上させるなどの目的で、樹脂被覆型キャリア粒子が使用されることがある。樹脂被覆型キャリア粒子は、キャリアコアと、キャリアコアの表面を覆うコート層(詳しくは、樹脂層)とを備える。コート層で覆われた状態のキャリアコアの帯電付与性は、キャリアコア(すなわち、コート層で覆われていない状態のキャリアコア)の帯電付与性よりも強くなる傾向がある。しかし、上述の攪拌によりトナー母粒子から脱離した外添剤がキャリア粒子の表面に付着すると、キャリア粒子の帯電付与性が低下する傾向がある。また、上述の攪拌によりコート層が摩耗することによっても、キャリア粒子の帯電付与性は低下する傾向がある。
正帯電性トナーに対するキャリア粒子の帯電付与性を向上させるためには、コート層がフッ素樹脂を含有することが好ましい。フッ素樹脂は、強い負帯電性を有するからである。しかし、攪拌によるコート層の摩耗を抑制するためには、フッ素樹脂よりも耐久性に優れるシリコーン樹脂を、コート層が含有することが好ましい。
コート層の摩耗を抑制しながら、キャリア粒子の帯電付与性を向上させるために、コート層中に、耐久性に優れる樹脂と、フッ素樹脂との両方を含有させることも考えられる。しかし、こうしたコート層では、フッ素樹脂が均一に分散しないことで、コート層の帯電性が不均一になり易い。コート層の帯電性が不均一になると、トナー母粒子から脱離した外添剤がキャリア粒子に付着し易くなる。この理由は、コート層のうち局所的に過剰に帯電した部位が、静電的な引力によって外添剤を引き付けるからであると考えられる。
前述の基本構成を有するキャリアでは、キャリアコアの表面を覆っている第1コート層及び第2コート層が、キャリアコアの表面から、第1コート層、第2コート層の順の積層構造を有する。第1コート層は、フッ素樹脂を含有する。第2コート層は、シリコーン樹脂と、シリコーン樹脂の質量に対して1質量%以上のフッ素シランとを含有する。第2コート層は、シリコーン樹脂を含有するため、優れた耐久性を有する。また、フッ素シランが、第2コート層の負帯電性を強めるように作用する。
第1コート層の露出率を適度な大きさにすることで、印刷初期においても、連続印刷を行った後においても、十分なキャリア粒子の帯電付与性を確保することが容易である。詳しくは、第1コート層の露出率を大きくするほど、露出した第1コート層によってキャリア粒子の負帯電性が強められ、印刷初期におけるキャリア粒子の帯電付与性が向上する傾向がある。また、第2コート層は、フッ素シランを含有することで、フッ素樹脂に近い帯電性を有する。第1コート層の帯電性と第2コート層の帯電性との差が小さいことで、キャリア粒子の表面の帯電性が均一になり易くなる。キャリア粒子の表面の帯電性が均一であると、トナー母粒子から脱離した外添剤がキャリア粒子に付着しにくくなる。キャリア粒子の表面の帯電性を均一にするためには、第2コート層中のフッ素シランの量が、第2コート層中のシリコーン樹脂の質量に対して、5質量%以上50質量%以下であることが好ましく、25質量%以上35質量%以下であることが特に好ましい。
また、キャリア粒子の表面において、第1コート層と第2コート層とが重なっている部分は、連続印刷が進むにつれて第2コート層が摩耗する。第2コート層が摩耗すると、キャリア粒子の表面に対する第1コート層の影響が強くなる。連続印刷が進むほど、外添剤の付着などによってキャリア粒子の帯電付与性は低下する傾向がある。しかし、第2コート層が摩耗して第1コート層の影響が強くなることによってキャリア粒子の帯電付与性が強められ、キャリア粒子の帯電付与性の低下が抑制される。
以上説明したように、前述の基本構成を有するキャリアは、印刷初期においても、連続印刷を行った後においても、十分な帯電付与性を有する。
キャリアコアはフェライト粒子であることが好ましい。フェライト粒子は、画像形成のために十分な磁性を有する傾向がある。また、一般的な製法により作製されたフェライト粒子は、真球にはならず、表面に適度な凹凸を有する傾向がある。詳しくは、フェライト粒子の表面の算術平均粗さ(詳しくは、JIS(日本工業規格)B0601−2013で規定される算術平均粗さRa)は0.3μm以上2.0μm以下である傾向がある。キャリアコアの表面が適度な粗さを有することで、キャリアコアの表面と第1コート層との密着性が向上し、第1コート層の剥がれが抑制されると考えられる。
しかし、キャリア粒子の表面にフェライト粒子が露出すると、摩擦帯電によってキャリア粒子の表面に発生した電荷がリークし易くなる。こうした電荷のリークは、画像不良の原因になり得る。このため、前述の基本構成において、キャリアコアがフェライト粒子である場合には、第1コート層が、キャリアコアの表面領域のうち85%以上98%以下の面積を覆い、第2コート層が、キャリアコアの表面領域のうち、第1コート層から露出している領域の全てを覆い、かつ、第1コート層上にも存在することが好ましい。第1コート層及び第2コート層が上記のような態様でキャリアコア(詳しくは、フェライト粒子)を被覆することにより、キャリアコアの表面全域は、第1コート層及び第2コート層のいずれかで覆われ、キャリアコアの表面には露出した部位が存在しなくなる。このため、上述した電荷のリークを抑制することができる。また、キャリア粒子の表面に存在する樹脂層により、十分なキャリアの帯電付与性を確保し易くなる。
また、連続印刷において十分なキャリアの帯電付与性を確保するためには、第1コート層の厚さが、100nm以上450nm以下であり、第2コート層の厚さが、100nm以上550nm以下であることが好ましい。コート層が多層構造を有することで、各コート層が薄くても、キャリアコアの表面を完全に覆うことが容易になる。第1コート層で被覆された状態のキャリアコア(以下、第1コート粒子と記載する場合がある)の表面をさらに第2コート層で覆うことによって、第1コート層及び第2コート層でキャリアコアの表面全域を覆うことが容易になる。単一のコート層でキャリアコアの表面を完全に覆うためには、コート層の厚さをかなり厚くしなければならない。コート層が厚くなり過ぎると、コート層の膜質が悪くなる傾向がある。また、厚過ぎるコート層は、キャリア粒子の磁性を弱める傾向がある。
コート層の厚さは、市販の画像解析ソフトウェア(例えば、三谷商事株式会社製「WinROOF」)を用いてキャリア粒子の断面のTEM撮影像を解析することによって計測できる。キャリア粒子の断面は、例えば、断面試料作製装置(日本電子株式会社製「クロスセクションポリッシャ(登録商標)」)を用いて作製できる。1つのキャリア粒子においてコート層の厚さが均一でない場合には、均等に離間した4箇所(詳しくは、キャリア粒子の断面の略中心で直交する2本の直線を引き、それら2本の直線がコート層と交差する4箇所)の各々でコート層の厚さを測定し、得られた4つの測定値の算術平均を、そのキャリア粒子の評価値(コート層の厚さ)とする。なお、TEM撮影像においてキャリアコアとコート層との境界が不明瞭である場合には、TEMと電子エネルギー損失分光法(EELS)とを組み合わせて、TEM撮影像中で、コート層に含まれる特徴的な元素のマッピングを行うことで、キャリアコアとコート層との境界を明確にすることができる。また、SEM−EDX(エネルギー分散型X線分光法)によりキャリアコアとコート層との境界を明確にしてもよい。
静電潜像現像用キャリアの好適な第1の例では、前述の基本構成において、第2コート層中のフッ素シランの量が、シリコーン樹脂の質量に対して5質量%以上50質量%以下であり、第1コート層中のフッ素樹脂の量が、第1コート層中のフッ素樹脂と第2コート層中のシリコーン樹脂との合計質量に対して40質量%以上60質量%以下であり、第1コート層の露出率が25%以上40%以下である。すなわち、前述の基本構成において、SAとSBとが、「0.25≦SB/(SA+SB)≦0.40」の関係を満たす。
静電潜像現像用キャリアの好適な第2の例では、前述の基本構成において、第2コート層中のフッ素シランの量が、シリコーン樹脂の質量に対して5質量%以上50質量%以下であり、第1コート層中のフッ素樹脂の量が、第1コート層中のフッ素樹脂と第2コート層中のシリコーン樹脂との合計質量に対して10質量%以上20質量%以下であり、第1コート層の露出率が5%以上15%以下である。すなわち、前述の基本構成において、SAとSBとが、「0.05≦SB/(SA+SB)≦0.15」の関係を満たす。
図1に、本実施形態に係る2成分現像剤の概略構成を示す。図1に示される2成分現像剤は、複数のトナー粒子10と、複数のキャリア粒子20とを含む。
トナー粒子10は、トナー母粒子11と、トナー母粒子11の表面に付着した外添剤(詳しくは、複数の外添剤粒子13)とを備える。外添剤粒子13は、無機粒子(例えば、アミノシランで表面処理されたシリカ粒子)であってもよいし、樹脂粒子であってもよい。
キャリア粒子20は、キャリアコア21と、キャリアコア21の表面を覆うコート層22とを備える。コート層22は、第1コート層22a及び第2コート層22bを含む。第1コート層22a及び第2コート層22bはそれぞれ、樹脂膜である。
図2に、キャリア粒子20の表層部を拡大して示す。図2に示すように、第1コート層22a及び第2コート層22bは、キャリアコア21の表面から、第1コート層22a、第2コート層22bの順の積層構造を有する。第1コート層22aは、例えば、キャリアコア21の表面領域のうち85%以上98%以下の面積を覆っている。また、第2コート層22bは、キャリアコア21の表面領域のうち、第1コート層22aから露出している領域(例えば、図2中の領域R)の全てを覆い、かつ、第1コート層22a上にも存在する。キャリアコア21の表面全域は、第1コート層22a及び第2コート層22bのいずれかで覆われ、キャリアコア21の表面には露出した部位が存在しない。第1コート層22aの露出率は5%以上50%以下である。
トナーに含まれるトナー粒子は、シェル層を備えないトナー粒子(以下、非カプセルトナー粒子と記載する)であってもよいし、シェル層を備えるトナー粒子(以下、カプセルトナー粒子と記載する)であってもよい。未外添の非カプセルトナー粒子(トナーコア)の表面にシェル層を形成することで、カプセルトナー粒子を製造することができる。シェル層は、実質的に熱硬化性樹脂のみからなってもよいし、実質的に熱可塑性樹脂のみからなってもよいし、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂との両方を含有してもよい。
非カプセルトナー粒子は、例えば粉砕法又は凝集法により作製できる。これらの方法は、非カプセルトナー粒子の結着樹脂中に内添剤を良好に分散させ易い。
粉砕法の一例では、まず、結着樹脂、着色剤、電荷制御剤、及び離型剤を混合する。続けて、得られた混合物を、溶融混練装置(例えば、1軸又は2軸の押出機)を用いて溶融混練する。続けて、得られた溶融混練物を粉砕し、得られた粉砕物を分級する。これにより、所望の粒子径を有するトナー母粒子が得られる。
凝集法の一例では、まず、結着樹脂微粒子と、離型剤微粒子と、着色剤微粒子とを含む水性媒体中で、これらの微粒子を所望の粒子径になるまで凝集させる。これにより、結着樹脂、離型剤、及び着色剤を含む凝集粒子が形成される。続けて、得られた凝集粒子を加熱して、凝集粒子に含まれる成分を合一化させる。これにより、所望の粒子径を有するトナー母粒子が得られる。
カプセルトナー粒子を製造する場合、シェル層の形成方法は任意である。例えば、in−situ重合法、液中硬化被膜法、及びコアセルベーション法のいずれの方法を用いて、シェル層を形成してもよい。
次に、非カプセルトナー粒子及びキャリア粒子の各々の構成の好適な例について説明する。なお、トナー粒子は、外添剤を備えてもよい。トナー粒子が外添剤を備える場合には、トナー粒子はトナー母粒子と外添剤とを備える。ただし、必要がなければ外添剤を割愛してもよい。外添剤を割愛する場合には、トナー母粒子がトナー粒子に相当する。
[非カプセルトナー粒子:トナー母粒子]
トナー母粒子は、結着樹脂を含有する。また、トナー母粒子は、内添剤(例えば、着色剤、離型剤、電荷制御剤、及び磁性粉の少なくとも1つ)を含有してもよい。
(結着樹脂)
一般に、結着樹脂は、トナーの主成分となる。磁性粉を含む磁性トナーの好適な一例では、トナーコアの約60質量%を結着樹脂が占める。磁性粉を含まない非磁性トナーの好適な一例では、トナーコアの約85質量%を結着樹脂が占める。このため、結着樹脂の性質がトナー母粒子の全体の性質に大きな影響を与えると考えられる。トナーの耐熱保存性及び低温定着性の両立を図るためには、トナー母粒子が、結着樹脂として、ポリエステル樹脂及びスチレン−アクリル酸系樹脂の少なくとも一方を含有することが特に好ましい。
(着色剤)
トナー母粒子は、着色剤を含有してもよい。着色剤としては、トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができる。画像形成に適したトナーを得るためには、着色剤の量が、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
トナー母粒子は、黒色着色剤を含有していてもよい。黒色着色剤の例としては、カーボンブラックが挙げられる。また、黒色着色剤は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤を用いて黒色に調色された着色剤であってもよい。
トナー母粒子は、イエロー着色剤(より具体的には、ナフトールイエロー、モノアゾイエロー、ジアゾイエロー、ジスアゾイエロー、又はアントラキノン化合物等)、マゼンタ着色剤(より具体的には、キナクリドン化合物、ナフトール化合物、カーミン6B、又はモノアゾレッド等)、又はシアン着色剤(より具体的には、フタロシアニンブルー、又はアントラキノン化合物等)のようなカラー着色剤を含有していてもよい。
(離型剤)
トナー母粒子は、離型剤を含有していてもよい。離型剤は、例えば、トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させる目的で使用される。トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させるためには、離型剤の量が、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下であることが好ましい。
離型剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、又はフィッシャートロプシュワックスのような脂肪族炭化水素ワックス;酸化ポリエチレンワックス又はそのブロック共重合体のような脂肪族炭化水素ワックスの酸化物;キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう、又はライスワックスのような植物性ワックス;みつろう、ラノリン、又は鯨ろうのような動物性ワックス;オゾケライト、セレシン、又はペトロラタムのような鉱物ワックス;モンタン酸エステルワックス又はカスターワックスのような脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスのような、脂肪酸エステルの一部又は全部が脱酸化したワックスを好適に使用できる。1種類の離型剤を単独で使用してもよいし、複数種の離型剤を併用してもよい。
(電荷制御剤)
トナー母粒子は、電荷制御剤を含有していてもよい。電荷制御剤は、例えば、トナーの帯電安定性又は帯電立ち上がり特性を向上させる目的で使用される。トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルにトナーを帯電可能か否かの指標になる。
トナー母粒子に正帯電性の電荷制御剤(より具体的には、ピリジン、ニグロシン、又は4級アンモニウム塩等)を含有させることで、トナー母粒子のカチオン性を強めることができる。ただし、トナーにおいて十分な帯電性が確保される場合には、トナー母粒子に電荷制御剤を含有させる必要はない。
(磁性粉)
トナー母粒子は、磁性粉を含有していてもよい。磁性粉の材料としては、例えば、強磁性金属(より具体的には、鉄、コバルト、ニッケル、又はこれら金属の1種以上を含む合金等)、強磁性金属酸化物(より具体的には、フェライト、マグネタイト、又は二酸化クロム等)、又は強磁性化処理が施された材料(より具体的には、熱処理により強磁性が付与された炭素材料等)を好適に使用できる。磁性粉からの金属イオン(例えば、鉄イオン)の溶出を抑制するためには、表面処理された磁性粒子を磁性粉として使用することが好ましい。1種類の磁性粉を単独で使用してもよいし、複数種の磁性粉を併用してもよい。
[非カプセルトナー粒子:外添剤]
トナー母粒子の表面に外添剤(詳しくは、複数の外添剤粒子を含む粉体)を付着させてもよい。外添剤は、内添剤とは異なり、トナー母粒子の内部には存在せず、トナー母粒子の表面(トナー粒子の表層部)のみに選択的に存在する。例えば、トナー母粒子(粉体)と外添剤(粉体)とを一緒に攪拌することで、トナー母粒子の表面に外添剤粒子を付着させることができる。トナー母粒子と外添剤粒子とは、互いに化学反応せず、化学的ではなく物理的に結合する。トナー母粒子と外添剤粒子との結合の強さは、攪拌条件(より具体的には、攪拌時間、及び攪拌の回転速度等)、外添剤粒子の粒子径、外添剤粒子の形状、及び外添剤粒子の表面状態などによって調整できる。
外添剤粒子としては、無機粒子が好ましく、シリカ粒子、又は金属酸化物(より具体的には、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、又はチタン酸バリウム等)の粒子が特に好ましい。ただし、外添剤粒子として、脂肪酸金属塩(より具体的には、ステアリン酸亜鉛等)のような有機酸化合物の粒子、又は樹脂粒子を使用してもよい。また、外添剤粒子として、複数種の材料の複合体である複合粒子を使用してもよい。1種類の外添剤を単独で使用してもよいし、複数種の外添剤を併用してもよい。
外添剤粒子は、表面処理されていてもよい。例えば、外添剤粒子としてシリカ粒子を使用する場合、表面処理剤によりシリカ粒子の表面に疎水性及び/又は正帯電性が付与されていてもよい。表面処理剤としては、例えば、カップリング剤(より具体的には、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、又はアルミネートカップリング剤等)、又はシリコーンオイル(より具体的には、ジメチルシリコーンオイル等)を好適に使用できる。トナーの正帯電性を向上させるためには、外添剤が、正帯電性シリカ粒子を含むことが好ましく、アミノシランで表面処理されたシリカ粒子を含むことが特に好ましい。
トナーの流動性を向上させるためには、外添剤粒子として、個数平均1次粒子径5nm以上30nm以下の無機粒子(粉体)を使用することが好ましい。外添剤をトナー粒子間でスペーサーとして機能させてトナーの耐熱保存性を向上させるためには、外添剤粒子として、個数平均1次粒子径50nm以上200nm以下の樹脂粒子(粉体)を使用することが好ましい。
トナー粒子からの外添剤粒子の脱離を抑制しながら外添剤の機能を十分に発揮させるためには、外添剤の量(複数種の外添剤粒子を使用する場合には、それら外添剤粒子の合計量)が、トナー母粒子100質量部に対して、0.5質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
[キャリア粒子]
前述の基本構成を有するキャリアでは、キャリア粒子が、キャリアコアと、キャリアコアの表面を覆う第1コート層及び第2コート層とを備える。第1コート層及び第2コート層は、キャリアコアの表面から、第1コート層、第2コート層の順の積層構造を有する。こうした積層構造を有するキャリア粒子は、キャリアコアの表面に第1コート層を形成して、第1コート粒子(詳しくは、キャリアコアと第1コート層との複合体)を得た後、第1コート粒子の表面に第2コート層を形成することで得られる。第1コート層のどの部位も、第2コート層よりもキャリアコア側に位置する。すなわち、キャリアコア上には、キャリアコアの表面から、第2コート層、第1コート層の順に積層されている部位が存在しない。
(キャリアコア)
キャリアコアは、磁性材料を含有することが好ましい。キャリアコアが磁性材料の粒子であってもよいし、キャリアコアの結着樹脂中に磁性材料の粒子を分散させてもよい。キャリアコアに含有される磁性材料の例としては、強磁性金属(より具体的には、鉄、コバルト、ニッケル、又はこれら金属の1種以上を含む合金等)、強磁性金属酸化物(より具体的には、フェライト等)が挙げられる。フェライトの好適な例としては、マグネタイト(スピネルフェライト)、バリウムフェライト、Mnフェライト、Mn−Znフェライト、Ni−Znフェライト、Mn−Mgフェライト、Ca−Mgフェライト、Liフェライト、Cu−Znフェライト、又はMn−Mg−Srフェライトが挙げられる。個々のキャリアコアの材料として、1種類の磁性材料を単独で使用してもよいし、2種以上の磁性材料を併用してもよい。キャリアコアとしては、市販品を使用してもよい。また、磁性材料を粉砕及び焼成してキャリアコアを自作してもよい。キャリアコアの作製において、磁性材料の添加量(特に、強磁性材料の割合)を変えることで、キャリアの飽和磁化を調整することができる。また、キャリアコアの作製において、焼成温度を変えることで、キャリアの円形度を調整することができる。
(第1コート層)
前述の基本構成を有するキャリアでは、第1コート層が、フッ素樹脂を含有する。フッ素樹脂としては、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリトリフルオロエチレン(より具体的には、ポリクロロトリフルオロエチレン等)、ポリヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、及びテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)からなる群より選択される1種以上の樹脂が好ましく、FEP又はPFAが特に好ましい。
(第2コート層)
前述の基本構成を有するキャリアでは、第2コート層が、シリコーン樹脂と、シリコーン樹脂の質量に対して1質量%以上のフッ素シランとを含有する。
シリコーン樹脂としては、メチルシリコーン樹脂又はメチルフェニルシリコーン樹脂が特に好ましい。シリコーン樹脂は、主鎖としてシロキサン結合「Si−O−Si」を有し、側鎖として有機基を有する。メチルシリコーン樹脂は、側鎖の有機基としてメチル基のみを有する。メチルフェニルシリコーン樹脂は、側鎖の有機基としてメチル基及びフェニル基を有する。シリコーン樹脂が優れた耐久性を有するためには、シリコーン樹脂の主鎖(シロキサン結合:Si−O−Si)同士が3次元的につながっていることが好ましい。シリコーン樹脂は、熱硬化性樹脂である。
フッ素シランの例としては、CF3CH2CH2Si(OCH33、C49CH2CH2Si(OCH33、C817CH2CH2Si(OCH33、C715COOCH2CH2CH2Si(OCH33、C715COSCH2CH2CH2Si(OCH33、C715CONHCH2CH2CH2Si(OC253、C715CONHCH2CH2CH2Si(OCH33、C817SO2NHCH2CH2CH2Si(OC253、C817CH2CH2SCH2CH2Si(OCH33、C1021CH2CH2SCH2CH2Si(OCH33、C817CH2CH2SiCH3(OCH32、C817SO2N(CH2CH2CH3)CH2CH2CH2Si(OCH33、又はC817SO2NHCH2CH2N(SO2817)CH2CH2CH2Si(OCH33のようなフッ素含有シランカップリング剤が挙げられる。
本発明の実施例について説明する。表1に、実施例又は比較例に係るキャリアCA−1〜CA−10及びCB−1〜CB−4(それぞれ静電潜像現像用キャリア)を示す。
Figure 2019045557
表1中の「フッ素樹脂」及び「シリコーン樹脂」は、それぞれキャリアコア100質量部に対する樹脂の量を示している。
表1中の第1コート層の「露出率」は、前述の基本構成における「SB/(SA+SB)」に相当する。SAは、キャリアコアの表面を覆う第1コート層の表面領域のうち、第2コート層で覆われている領域のみの面積である。SBは、キャリアコアの表面を覆う第1コート層の表面領域のうち、第2コート層で覆われていない領域のみの面積である。
表1中の第2コート層の「フッ素シラン」の量(単位:質量%)は、第2コート層中のシリコーン樹脂の質量に対する質量割合を示している。
以下、キャリアCA−1〜CA−10及びCB−1〜CB−4の製造方法、評価方法、及び評価結果について、順に説明する。なお、誤差が生じる評価においては、誤差が十分小さくなる相当数の測定値を得て、得られた測定値の算術平均を評価値とした。
[トナーの製造]
(トナー母粒子の作製)
FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−20B」)を用いて、回転速度2000rpmの条件で、ポリエステル樹脂(三井化学株式会社製「XPE258」)100質量部と、エステルワックス(日油株式会社製「ニッサンエレクトール(登録商標)WEP−3」)9質量部と、カーボンブラック(三菱化学株式会社製「MA100」)9質量部と、4級アンモニウム塩(オリヱント化学工業株式会社製「BONTRON(登録商標)P−51」)1質量部とを、4分間混合した。
続けて、得られた混合物を、溶融混練温度(シリンダー温度)100℃、軸回転速度150rpm、処理速度100g/分の条件で、2軸押出機(株式会社池貝製「PCM−30」)を用いて溶融混練した。その後、得られた混練物を圧延しながら冷却した。続けて、得られた混練物を、粉砕機(ホソカワミクロン株式会社製「ロートプレックス(登録商標)」)を用いて、設定粒子径2mmで粗粉砕した。続けて、得られた粗粉砕物を、機械式粉砕機(フロイント・ターボ株式会社製「ターボミルRS型」)を用いて微粉砕した。続けて、得られた微粉砕物を、分級機(コアンダ効果を利用した風力分級機:日鉄鉱業株式会社製「エルボージェットEJ−LABO型」)を用いて分級した。その結果、体積中位径(D50)6.7μmのトナー母粒子が得られた。
(外添)
続けて、得られたトナー母粒子に外添を行った。詳しくは、トナー母粒子100質量部と、導電性酸化チタン粒子(チタン工業株式会社製「EC−100」、基材:TiO2、被覆層:SbドープSnO2層、体積中位径:約0.35μm)1質量部と、正帯電性シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)REA90」、内容:表面処理により正帯電性が付与された乾式シリカ粒子、個数平均1次粒子径:約20nm)1質量部とを、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−10B」)を用いて回転速度3500rpmで5分間混合することにより、トナー母粒子の表面に外添剤(酸化チタン粒子及びシリカ粒子)を付着させた。その後、得られた粉体を、200メッシュ(目開き75μm)の篩を用いて篩別した。その結果、多数のトナー粒子(非カプセルトナー粒子)を含む正帯電性トナーが得られた。
[キャリアコアの作製]
MnO(体積中位径0.9μm)換算で40質量部、MgO(体積中位径0.9μm)換算で10質量部、Fe23(体積中位径0.8μm)換算で50質量部になるように各原材料(MnO、MgO、及びFe23の各原材料)を適量配合し、原材料に水を加えた。次に、湿式ボールミルを用いて原材料を2時間かけて粉砕した後、混合した。その後、得られた混合物の乾燥及び造粒を、スプレードライヤーで行った。その後、温度1000℃で5時間焼成して、3000(103/4π・A/m)の印加磁場での飽和磁化が65Am2/kgである体積中位径40μmのキャリアコア(マンガン含有フェライトキャリア)を得た。
[キャリアCA−1〜CA−10及びCB−1〜CB−3の製造]
キャリアCA−1〜CA−10及びCB−1〜CB−3の各々の製造では、キャリアコアに対して、次に示す第1コート及び第2コートを行った。
(第1コート)
テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)をメチルエチルケトンに分散させて、第1コート液を得た。前述の手順で作製したキャリアコア(粉体)を流動コーティング装置(株式会社パウレック製「マルチプレックスMP−01」)に投入し、キャリアコアを流動させた。そして、流動コーティング装置を用いて、流動しているキャリアコアに対して、表1中の「フッ素樹脂」に示す量のFEPを含む第1コート液をスプレーコーティングした。表1に示される「フッ素樹脂」の量は、キャリアコア100質量部に対する樹脂の量である。例えば、キャリアCA−1の製造では、キャリアコア100質量部に対して0.8質量部のFEPをコーティングした。その結果、第1コート粒子(詳しくは、第1コート層で覆われた状態のキャリアコア)が得られた。キャリアCA−1〜CA−10及びCB−1〜CB−3の各々では、第1コート層の厚さが100nm以上450nm以下であった。スプレーコーティングされるFEP(すなわち、キャリアコアに付与されるFEP)の量が多くなるほど、第1コート層の厚さも被覆率も大きくなる傾向があった。
(第2コート)
固形分換算で100gのメチルシリコーン樹脂をトルエン500mLに溶解させて、樹脂溶液を得た。続けて、得られた樹脂溶液に、表1中の「フッ素シラン」に示す量のフッ素シランを添加して、第2コート液を得た。フッ素シランとしては、トリメトキシ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン(東京化成工業株式会社製)を使用した。例えば、キャリアCA−1の製造では、上記樹脂溶液中のメチルシリコーン樹脂の固形分に対して20質量%のフッ素シランを添加して、第2コート液を調製した。キャリアCB−1の製造では、フッ素シランを添加しなかった。キャリアCB−1の製造では、上記樹脂溶液が第2コート液に相当する。
前述の手順で作製した第1コート粒子(粉体)を流動コーティング装置(株式会社パウレック製「マルチプレックスMP−01」)に投入し、第1コート粒子を流動させた。そして、流動コーティング装置を用いて、流動している第1コート粒子に対して、表1中の「シリコーン樹脂」に示す量のメチルシリコーン樹脂を含む第2コート液をスプレーコーティングした。表1に示される「シリコーン樹脂」の量は、キャリアコア100質量部に対する樹脂の量である。例えば、キャリアCA−1の製造では、キャリアコア100質量部に対して1.2質量部のメチルシリコーン樹脂をコーティングした。
続けて、上記流動コーティング装置内の流動層に、温度270℃の熱処理を2時間行って、第2コート液を硬化させた。その結果、多数のキャリア粒子を含むキャリア(キャリアCA−1〜CA−10及びCB−1〜CB−3)が得られた。キャリアCA−1〜CA−10及びCB−1〜CB−3の各々では、第2コート層の厚さが100nm以上550nm以下であった。スプレーコーティングされるメチルシリコーン樹脂(すなわち、第1コート粒子に付与されるメチルシリコーン樹脂)の量が多くなるほど、第2コート層の厚さも被覆率も大きくなる傾向があった。
上記のようにして得られたキャリアCA−1〜CA−10及びCB−1〜CB−3の各々に関して、第1コート層の露出率(詳しくは、「SB/(SA+SB)」)の測定結果は、表1に示すとおりであった。例えば、キャリアCA−1では、第1コート層の露出率が31%(=0.31)であった。第1コート層の露出率の測定方法は、以下のとおりであった。
<第1コート層の露出率の測定方法>
測定対象(キャリアCA−1〜CA−10及びCB−1〜CB−3のいずれか)に含まれるキャリア粒子を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて撮影し、得られた撮影像から、第1コート層の被覆面積(=SA+SB)と、第1コート層の露出面積(=SB)とを求めた。
低い加速電圧でSEMの撮影を行うことで、キャリア粒子の表面を撮影できる。そこで、加速電圧0.5kVでキャリア粒子を撮影した。加速電圧0.5kVでのSEM撮影像は、キャリア粒子の表面状態を反映していた。加速電圧0.5kVでのSEM撮影像では、キャリア粒子の表面領域において、第1コート層(すなわち、フッ素樹脂層)が露出している領域の輝度値が相対的に高くなり、それ以外の領域(すなわち、第2コート層が露出している領域、及びキャリアコアが露出している領域)の輝度値が相対的に低くなった。キャリア粒子の表面領域において、フッ素樹脂が露出している領域の輝度値は、シリコーン樹脂が露出している領域の輝度値よりも高くなった。
他方、高い加速電圧でSEMの撮影を行うことで、キャリア粒子の内部(詳しくは、キャリア粒子の表面から深い位置)を撮影できる。そこで、加速電圧5.0kVでキャリア粒子を撮影した。加速電圧5.0kVでのSEM撮影像は、キャリアコアの表面状態を反映していた。加速電圧5.0kVでのSEM撮影像では、キャリアコアの表面領域において、第1コート層で覆われた領域の輝度値が相対的に高くなり、それ以外の領域(すなわち、第2コート層で覆われた領域、並びに第1コート層及び第2コート層のいずれにも覆われていない領域)の輝度値が相対的に低くなった。キャリアコアの表面領域において、フッ素樹脂が存在する領域の輝度値は、シリコーン樹脂が存在する領域の輝度値よりも高くなった。
加速電圧5.0kVでのSEM撮影像を画像解析して、第1コート層の被覆面積を求めた。画像解析では、SEM撮影像のうち、最も明るい部分の値を255、最も暗い部分の値を0として、輝度値を256分割した。そして、所定の閾値(例えば、平均輝度値)に基づいて2値化を行い、白黒画像(黒:閾値未満の輝度値を有する画素、白:閾値以上の輝度値を有する画素)を得た。得られた白黒画像中の白い画素の数から、キャリアコアの表面において第1コート層が存在する領域の総面積(すなわち、第1コート層の被覆面積)を求めた。
加速電圧0.5kVでのSEM撮影像を画像解析して、第1コート層の露出面積を求めた。画像解析では、SEM撮影像のうち、最も明るい部分の値を255、最も暗い部分の値を0として、輝度値を256分割した。そして、所定の閾値(例えば、平均輝度値)に基づいて2値化を行い、白黒画像(黒:閾値未満の輝度値を有する画素、白:閾値以上の輝度値を有する画素)を得た。得られた白黒画像中の白い画素の数から、キャリア粒子の表面領域においてフッ素樹脂が露出している領域の総面積(すなわち、第1コート層の露出面積)を求めた。
上記のようにして得た第1コート層の被覆面積と第1コート層の露出面積とに基づいて、第1コート層の露出率を求めた。第1コート層の露出面積を第1コート層の被覆面積で除した値が、第1コート層の露出率に相当する。測定対象(キャリアCA−1〜CA−10及びCB−1〜CB−3のいずれか)に含まれる10個のキャリア粒子の個数平均値を、その測定対象の評価値(第1コート層の露出率)とした。
キャリアCA−1〜CA−10及びCB−1〜CB−3の各々では、キャリアコアの表面領域のうち85%以上98%以下の面積を第1コート層が覆っていた。いずれのキャリアでも、第2コート層が、キャリアコアの表面領域のうち、第1コート層から露出している領域の全てを覆い、かつ、第1コート層上にも存在していた。
[キャリアCB−4の製造]
キャリアCB−4の製造では、キャリアコアに対して、次に示す単一コート層の形成を行った。
(単一コート層の形成)
固形分換算で100gのメチルシリコーン樹脂をトルエン500mLに溶解させて、コート液を得た。前述の手順で作製したキャリアコア(粉体)を流動コーティング装置(株式会社パウレック製「マルチプレックスMP−01」)に投入し、キャリアコアを流動させた。そして、流動コーティング装置を用いて、流動しているキャリアコア100質量部に対して、10質量部のメチルシリコーン樹脂を含むコート液をスプレーコーティングした。続けて、上記流動コーティング装置内の流動層に、温度270℃の熱処理を2時間行って、コート液を硬化させた。その結果、多数のキャリア粒子を含むキャリア(キャリアCB−4)が得られた。
[評価方法]
各試料(キャリアCA−1〜CA−10及びCB−1〜CB−4)の評価方法は、以下の通りである。
(2成分現像剤の調製)
キャリア(評価対象:キャリアCA−1〜CA−10及びCB−1〜CB−4のいずれか)100質量部と、トナー(前述の手順で作製した正帯電性トナー)8質量部とを、粉体混合機(愛知電機株式会社製「ロッキングミキサー(登録商標)」、混合方式:容器回転揺動方式)を用いて30分間混合して、2成分現像剤を調製した。
(キャリアの帯電付与性)
評価機として、プリンター(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「FS−C5250DN」、感光体ドラム:単層型感光層を備える有機感光体ドラム、帯電装置:接触帯電方式の帯電ローラー、感光体クリーニング方式:クリーニングブレード)を用いた。前述の方法で調製した2成分現像剤を評価機の現像装置に投入し、補給用トナー(前述の手順で作製した正帯電性トナー)を評価機のトナーコンテナに投入した。
温度25℃かつ湿度65%RHの環境下、上記評価機を用いて、印字率4%のサンプル画像を記録媒体(印刷用紙)に1万枚連続で印刷する第1耐刷試験を行った。第1耐刷試験後、評価機から現像装置を取り出し、さらに現像装置から2成分現像剤を取り出して、2成分現像剤に含まれるトナーの帯電量(以下、帯電量QAと記載する)を測定した。帯電量QAの測定には、Q/mメーター(トレック社製「MODEL 210HS」)を用いた。帯電量QAの測定後、取り出した現像装置を評価機に再度取り付けて、その評価機を用いて、温度25℃かつ湿度65%RHの環境下で、印字率4%のサンプル画像を記録媒体(印刷用紙)に9万枚連続で印刷する第2耐刷試験を行った。第2耐刷試験後、評価機から現像装置を取り出し、さらに現像装置から2成分現像剤を取り出して、2成分現像剤に含まれるトナーの帯電量(以下、帯電量QBと記載する)を測定した。帯電量QBの測定には、Q/mメーター(トレック社製「MODEL 210HS」)を用いた。そして、下記式で表されるような帯電変動率を算出した。
帯電変動率=100×|帯電量QA−帯電量QB|/QA
トナーの初期帯電性に関しては、帯電量QAが、20μC/g以上40μC/g以下であれば○(良い)と評価し、20μC/g未満又は40μC/g超であれば×(良くない)と評価した。
トナーの帯電耐久性に関しては、帯電変動率が、20%以下であれば○(良い)と評価し、20%を超えていれば×(良くない)と評価した。
[評価結果]
キャリアCA−1〜CA−10及びCB−1〜CB−4の各々について、初期帯電性(帯電量QA)及び帯電耐久性(帯電変動率)を評価した結果を、表2に示す。
Figure 2019045557
キャリアCA−1〜CA−10(実施例1〜10に係るキャリア)はそれぞれ、前述の基本構成を有していた。詳しくは、キャリアCA−1〜CA−10はそれぞれ、キャリアコアと、キャリアコアの表面を覆う第1コート層及び第2コート層とを備えるキャリア粒子を、複数含んでいた。第1コート層及び第2コート層は、キャリアコアの表面から、第1コート層、第2コート層の順の積層構造を有していた。第1コート層は、フッ素樹脂を含有していた。第2コート層は、シリコーン樹脂と、シリコーン樹脂の質量に対して1.0質量%以上のフッ素シランとを含有していた(表1中の「フッ素シラン」参照)。第1コート層の表面領域のうち、第2コート層で覆われている領域の面積SAと、第2コート層で覆われていない領域の面積SBとは、「0.05≦SB/(SA+SB)≦0.50」の関係を満たしていた(表1中の「露出率」参照)。
例えば、キャリアCA−1〜CA−4ではそれぞれ、第1コート層中のフッ素樹脂の量が、第1コート層中のフッ素樹脂と第2コート層中のシリコーン樹脂との合計質量に対して40質量%(=100×0.8/(0.8+1.2))であった(表1参照)。
また、キャリアCA−5及びCA−6ではそれぞれ、第1コート層中のフッ素樹脂の量が、第1コート層中のフッ素樹脂と第2コート層中のシリコーン樹脂との合計質量に対して60質量%(=100×1.2/(1.2+0.8))であった(表1参照)。
また、キャリアCA−7及びCA−8ではそれぞれ、第1コート層中のフッ素樹脂の量が、第1コート層中のフッ素樹脂と第2コート層中のシリコーン樹脂との合計質量に対して20質量%(=100×0.4/(0.4+1.6))であった(表1参照)。
また、キャリアCA−9では、第1コート層中のフッ素樹脂の量が、第1コート層中のフッ素樹脂と第2コート層中のシリコーン樹脂との合計質量に対して10質量%(=100×0.2/(0.2+1.8))であった(表1参照)。
また、キャリアCA−10では、第1コート層中のフッ素樹脂の量が、第1コート層中のフッ素樹脂と第2コート層中のシリコーン樹脂との合計質量に対して70質量%(=100×1.4/(1.4+0.6))であった(表1参照)。
表2に示されるように、キャリアCA−1〜CA−10はそれぞれ、印刷初期においても、連続印刷を行った後においても、十分な帯電付与性を有していた。
本発明に係る静電潜像現像用キャリア、及び2成分現像剤は、例えば複写機、プリンター、又は複合機において画像を形成するために用いることができる。
10 トナー粒子
11 トナー母粒子
13 外添剤粒子
20 キャリア粒子
21 キャリアコア
22 コート層
22a 第1コート層
22b 第2コート層
R 領域

Claims (8)

  1. キャリアコアと、前記キャリアコアの表面を覆う第1コート層及び第2コート層とを備えるキャリア粒子を、複数含む、静電潜像現像用キャリアであって、
    前記第1コート層及び前記第2コート層は、前記キャリアコアの表面から、前記第1コート層、前記第2コート層の順の積層構造を有し、
    前記第1コート層は、フッ素樹脂を含有し、
    前記第2コート層は、シリコーン樹脂と、前記シリコーン樹脂の質量に対して1質量%以上のフッ素シランとを含有し、
    前記第1コート層の表面領域のうち、前記第2コート層で覆われている領域の面積SAと、前記第2コート層で覆われていない領域の面積SBとは、「0.05≦SB/(SA+SB)≦0.50」の関係を満たす、静電潜像現像用キャリア。
  2. 前記キャリアコアは、フェライト粒子であり、
    前記第1コート層は、前記キャリアコアの表面領域のうち85%以上98%以下の面積を覆っており、
    前記第2コート層は、前記キャリアコアの表面領域のうち、前記第1コート層から露出している領域の全てを覆い、かつ、前記第1コート層上にも存在する、請求項1に記載の静電潜像現像用キャリア。
  3. 前記第1コート層の厚さは、100nm以上450nm以下であり、
    前記第2コート層の厚さは、100nm以上550nm以下である、請求項2に記載の静電潜像現像用キャリア。
  4. 前記第2コート層中の前記フッ素シランの量は、前記シリコーン樹脂の質量に対して5質量%以上50質量%以下であり、
    前記第1コート層中の前記フッ素樹脂の量は、前記第1コート層中の前記フッ素樹脂と前記第2コート層中の前記シリコーン樹脂との合計質量に対して40質量%以上60質量%以下であり、
    前記SAと前記SBとは、「0.25≦SB/(SA+SB)≦0.40」の関係を満たす、請求項1〜3のいずれか一項に記載の静電潜像現像用キャリア。
  5. 前記第2コート層中の前記フッ素シランの量は、前記シリコーン樹脂の質量に対して5質量%以上50質量%以下であり、
    前記第1コート層中の前記フッ素樹脂の量は、前記第1コート層中の前記フッ素樹脂と前記第2コート層中の前記シリコーン樹脂との合計質量に対して10質量%以上20質量%以下であり、
    前記SAと前記SBとは、「0.05≦SB/(SA+SB)≦0.15」の関係を満たす、請求項1〜3のいずれか一項に記載の静電潜像現像用キャリア。
  6. 前記第2コート層中の前記フッ素シランの量は、前記シリコーン樹脂の質量に対して25質量%以上35質量%以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の静電潜像現像用キャリア。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の静電潜像現像用キャリアと、前記静電潜像現像用キャリアとの摩擦により正に帯電し得る正帯電性トナーとを含む、2成分現像剤。
  8. 前記正帯電性トナーは、トナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備えるトナー粒子を複数含み、
    前記外添剤は、正帯電性シリカ粒子を含む、請求項7に記載の2成分現像剤。
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