JP6079311B2 - 静電潜像現像用キャリア - Google Patents
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Description
フルカラー電子写真法によるカラー画像形成は一般に3原色であるイエロー、マゼンタ、シアンの3色のカラートナー又はそれに黒色を加えた4色のカラートナーを積層させて全ての色の再現を行なうものである。
静電潜像担持体上のトナー量が変動すると記録媒体上で画像濃度が変わったり、画像の色調が変動してしまう。
特許文献1に示すゴースト現象は、ハイブリッド現像方式固有の課題であり、トナー担持体上のトナー量が、直前画像のトナー消費パターンに応じて変化するために、次画像の画像濃度が変動する現象である。
即ち、前画像がトナー消費の少ない画像を印刷時には、トナー担持体上の残トナー量は多く、トナー供給後にはトナー担持体上のトナー量は更に多くなってしまい画像濃度は濃くなる。一方、トナー消費の多い画像を印刷後には、トナー担持体上の残トナー量が少なく、トナー供給後にはトナー担持体上のトナー量が少なくなり画像濃度が薄くなる。
以上のように、ハイブリッド現像におけるゴースト現像は、二成分現像剤からトナー担持体上にトナーを転移させるときに、直前の画像形成過程でトナーが現像されトナー担持体上からトナーが無くなった部分と、トナーが現像されずトナー担持体上のトナーがそのまま残る部分が生じこのトナー量不均一を克服して、トナー量を均一になるように再塗布することが困難で、直前画像の履歴に応じて次画像印刷時のトナー担持体上のトナー量が変動してしまうことに起因している。
さらに磁気ブラシを用いた履歴現象の対応策として特許文献5に、磁気ロールの磁束密度の半値幅領域を広く設定することにより、現像ロール上のトナーの回収と供給を図る提案がなされている。また、特許文献6には、二成分現像剤用のキャリアとして非球形状のキャリアを使用することで、磁気ブラシ先端のキャリアまで電荷注入し、現像剤担持体とトナー担持体との実質的な間隔を狭めることで、トナー担持体への一回でのトナー供給量を増やし、トナー担持体上のトナー飽和量までトナーを供給することで、直前画像の履歴の影響を受けずに、トナー担持体上のトナー量を一定に保つ方法が提案されている。
二成分現像剤の剥離は、現像スリーブ内のマグネットを奇数個とし現像スリーブの回転軸よりも下側の位置に同極のマグネット対を設けて磁力が殆どゼロとなる剥離領域を作り、その領域で重力を用いて現像後の現像剤を自然落下させることにより剥離を行っている。
しかし、直前画像でのトナー消費量時に、キャリアにカウンターチャージが発生することで、キャリア/現像剤担持体間に鏡像力が発生し、剤離れ極において正常に剤離れされず、トナー消費によりトナー濃度の低下した剤が再度現像領域に搬送されることで、現像能力が低下し画像濃度が薄くなる現象である。即ちスリーブ一周分は正常濃度であるのに対し、二周目以降は濃度が薄くなる問題である。
これらを解決するために、例えば、特許文献7には、内部にマグネットを有した汲上ロールを現像スリーブ上の剥離領域付近に配置し、その磁力をもって現像後の現像剤の剥離を行う構成が記載されている。剥離された現像剤は、さらにもう1本の汲上ロールによって汲み上げられた後、スクリューを有した現像剤攪拌室に搬送され、トナー濃度の再調整とトナーの帯電が行われる構成となっている。
更には長期に亘り安定した帯電付与能力を有し、キャリア被覆膜の硬度及び靭性(可撓性&弾力性)の双方に優れ耐摩耗性(削れ・剥がれ)に優れキャリア抵抗の変化が少なく、芯材露出の影響によるキャリア付着が発生せず、トナー組成物のスペントによる帯電変動が少なく、かつ、帯電の環境変動を抑制し、さまざまな使用環境においても画像濃度変動、地肌汚れ、トナー飛散による機内汚染などを生じないという諸特性を同時に満足するキャリアを提供することにある。
第二に、前記芯材の体積固有抵抗(LogΩ・cm)が6.0以上7.0以下であることを特徴とする上記第一に記載の静電潜像現像用キャリアを提供する。
第三に、前記キャリアのSF−2が115〜150の範囲にあることを特徴とする上記第一又は上記第二に記載の静電潜像現像剤用キャリアを提供する。
第四に、前記被覆層中の樹脂成分が、少なくともシリコン樹脂を含有することを特徴とする上記第一乃至上記第三のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリアを提供する。
第五に、前記被覆層中の樹脂成分が、少なくとも下記一般式(A)で表されるA成分と下記一般式(B)で表されるB成分とを含む共重合体を加熱処理して得られる樹脂を含有することを特徴とする上記第一乃至上記第四のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリアを提供する。
第八に、前記導電性微粒子の体積平均粒径が50〜800nmであることを特徴とする上記第一乃至第七のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリアを提供する。
第九に、上記第一乃至第八のいずれかに記載のキャリアとトナーからなることを特徴とする静電潜像現像用現像剤を提供する。
第十に、前記トナーが、カラートナーであることを特徴とする上記第九に記載の静電潜像現像用現像剤を提供する。
第十一に、上記第九又は第十に記載の現像剤を有することを特徴とする現像剤入り容器を提供する。
第十二に、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を上記第九又は第十に記載の現像剤を用いてトナー像を形成する工程と、該静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する工程と、該記録媒体に転写されたトナー像を定着させる工程とを有することを特徴とする画像形成方法を提供する。
第十三に、静電潜像を形成する静電潜像担持体と、形成された静電潜像を上記第九又は第十に記載の現像剤を用いてトナー像に現像する現像手段と、該トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、該記録媒体に転写されたトナー像を定着させる定着手段とを有することを特徴とする画像形成装置を提供する。
第十四に、静電潜像担持体、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を上記第九又は第十に記載の現像剤を用いて現像する手段が少なくとも一体に支持されていることを特徴とするプロセスカートリッジを提供する。
第十五に、上記第一乃至第八のいずれかに記載のキャリアとトナーからなる補給用現像剤であって、前記キャリアとトナーの配合割合が、キャリア1質量部に対してトナーが2〜50重量部であることを特徴とする補給用現像剤を提供する。
更には長期に亘り安定した帯電付与能力を有し、キャリア被覆膜の硬度及び靭性(可撓性&弾力性)の双方に優れ耐摩耗性(削れ・剥がれ)に優れてキャリア抵抗の変化が少なく、芯材露出の影響によるキャリア付着が発生せず、トナー組成物のスペントによる帯電変動が少なく、かつ、帯電の環境変動を抑制し、さまざまな使用環境においても画像濃度変動、地肌汚れ、トナー飛散による機内汚染などを生じないという諸特性を同時に満足するキャリアが提供されるという、非常に優れた効果が発揮される。
詳細には、現像剤担持体へのトナー付着は、非現像時に、現像スリーブ方向へバイアスが掛かるため、トナーが現像剤担持体上へ現像されてしまうことで発生し、現像剤担持体上へ現像されたトナーは電位を持つために、印刷時には現像剤担持体上のトナーの持つ電位分だけ現像電位が嵩上げされ、トナー現像量が増加してしまう。また、現像剤担持体上へ現像されたトナーは、現像時に消費されてしまうため、現像剤担持体上のトナー量は一定ではなく前画像の履歴により変動する。即ち、直前画像が非画像である場合や用紙と用紙の間隔直後である場合の現像時は、現像剤担持体上にはトナーが現像され、現像剤担持体上にトナーが付着しており、画像濃度は高くなる。一方、直前画像が画像面積の多い画像の場合には、現像剤担持体上にはトナーは消費されるために少なくなり画像濃度は低くなる。
以上のように、本発明が課題とする現象は、直前画像の履歴を受け現像剤担持体上のトナー現像量が変動し、その変動の影響を受け、次画像の濃度変動が現れる現象である。
したがって、本発明のキャリアの芯材の露出面積比率は0.1〜5.0%が好ましく、0.1〜2.0%であることがさらに好ましい。このとき、芯材表面の露出面積比率が0.1%未満だと低抵抗部が少ないため、印刷時に現像剤担持体上に現像されたトナーが消費されてしまう。また、5.0%を超えるとキャリア全体の抵抗が低抵抗となるために、非画像時に現像担持体上へ現像されるトナー量が増えてしまい、画像の均一性が得られない。
すなわち、日立製走査型電子顕微鏡S−4200を用いて、印加電圧1KV、倍率1000倍の条件で反射電子像を撮影する。これをTIFF画像に取り込み、Media Cybernetics社製の画像処理ソフト、Image−Pro Plusを用いて、粒子だけの画像にした後、二値化処理を行い、白色の部分(芯材露出部分)と黒色の部分(樹脂によって被覆されている部分)に分け、それぞれの面積と白色の部分で最も広い箇所の面積を測定する。この結果を以下の計算式によって計算し、数値を算出する。
芯材露出箇所のうち最大露出面積の比率(%)={白色部で最も広い箇所の面積/(白色部の面積+黒色部の面積)}×100・・・計算式(2)
両極間に1000Vの直流電圧を印加し、ハイレジスタンスメーター4329A(4329A+LJK5HVLVWDQFH 0HWHU;横川ヒューレットパッカード株式会社製)により直流抵抗を測定して電気抵抗率R(Ω・cm)を求め、LogR(Ω・cm)を算出する。
なお、芯材の形状係数SF1、SF2は以下のものを意味する。
形状係数を示すSF1、SF2とは、例えば日立製作所製FE−SEM(S−800)を用い300倍に拡大したキャリア粒子像を100個無作為にサンプリングし、その画像情報はインターフェースを介して、例えばニレコ社製画像解析装置(Luzex AP)に導入し解析を行い、下記計算式(3)、(4)より算出し得られた値を形状係数SF1、SF2と定義する。
SF2=(P2/A)×(1/4π)×100・・・計算式(4)
(上式中、Lは粒子の絶対最大長(外接円の長さ)、Pは粒子の周囲長、Aは粒子の投影面積を示す。)
表面を均一に酸化処理するにはロータリー式電気炉を用いることが好ましい。
これは、シリコン樹脂は表面エネルギーが低いためにトナー成分のスペントがし難くいためである。
本明細書でいうシリコン樹脂とは、一般的に知られているシリコン樹脂全てを指し、オルガノシロサン結合のみからなるストレートシリコンや、アルキド、ポリエステル、エポキシ、アクリル、ウレタンなどで変性したシリコン樹脂などが挙げられるが、これに限るものではない。
シランカップリング剤としては、特に限定されず、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン等が挙げられるが、アミノシランが好ましい。
アミノシランとしては、特に限定されないが、下記化学式、
H2N(CH2)3Si(OCH3)3、
H2N(CH2)3Si(OC2H5)3、
H2N(CH2)3Si(CH3)2(OC2H5)、
H2N(CH2)3Si(CH3)(OC2H5)2、
H2N(CH2)2(NH)(CH2)Si(OCH3)3、
H2N(CH2)2(NH)(CH2)3Si(CH3)(OCH3)2、
H2N(CH2)2(NH)(CH2)3Si(OCH3)3、
(CH3)2N(CH2)3Si(CH3)(OC2H5)2、
(C4H9)2N(CH2)3Si(OCH3)3
で表される化合物が挙げられる。
R1:水素原子、またはメチル基、
m:炭素原子数1〜8のメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基、
R2:炭素原子数1〜4のメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、及びブチル基等のアルキル基、
R3:炭素数1〜8のメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、及びブチル基等のアルキル基、または炭素数1〜4のメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基。
R1:水素原子、またはメチル基、
m:炭素原子数1〜8のメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基、
R2:炭素原子数1〜4の脂肪族炭化水素基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、及びブチル基、
を表わす。)
A成分は、側鎖にメチル基が多数存在する原子団・トリス(トリメチルシロキシ)シランを有しており、樹脂全体に対してA成分の比率が高くなると表面エネルギーが小さくなり、トナーの樹脂成分、ワックス成分などの付着が少なくなる。A成分が10モル%未満だと十分な効果が得られず、トナー成分の付着が急増する。また、90モル%より多くなると、成分B、および成分Cが減り、架橋が進まず、強靭性が不足すると共に、芯材と樹脂層の接着性が低下し、キャリア被膜の耐久性が悪くなる。
CH2=CH−COO−C3H6−Si(OSiMe3)3
CH2=CMe−COO−C4H8−Si(OSiMe3)3
CH2=CMe−COO−C3H6−Si(OSiEt3)3
CH2=CH−COO−C3H6−Si(OSiEt3)3
CH2=CMe−COO−C4H8−Si(OSiEt3)3
CH2=CMe−COO−C3H6−Si(OSiPr3)3
CH2=CH−COO−C3H6−Si(OSiPr3)3
CH2=CMe−COO−C4H8−Si(OSiPr3)3
R1:水素原子、またはメチル基、
m:炭素原子数1〜8のメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基、
R2:炭素原子数1〜4の脂肪族炭化水素基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、及びブチル基、
R3:炭素数1〜8のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基など)、又は炭素数1〜4のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基)、を表わす。)
すなわち、B成分は、ラジカル重合性の2官能、又は3官能性のシラン化合物であり、Y=10〜90モル%であるが、より好ましくは30〜70モル%である。
このようなB成分としては、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリトキシプロピルトリ(イソプロペキシ)シラン、3−アクリロキシプロピルトリ(イソプロペキシ)シランが例示される。
このようなC成分を加えたものとしては、下記一般式(1)の共重合体が挙げられる。
R1:水素原子、またはメチル基、
m:炭素原子数1〜8のアルキレン基、
R2:炭素原子数1〜4のアルキル基、
R3は、炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基、
を表わす。)
その理由は十分明らかになっているとは言えないが、前述の共重合体をイソシアネート系化合物により架橋させた熱硬化性樹脂の場合、構造式からも分かるように、共重合体樹脂中のイソシアネート化合物と反応(架橋)する単位重量当りの官能基が少なく、架橋点において、ニ次元、あるいは三次元的な緻密な架橋構造を形成することができない。そのために長時間使用すると、被膜剥がれ・削れなどが生じ(被膜の耐磨耗性が小さく)易く、十分な耐久性が得られていないと推察される。
本発明の樹脂は、樹脂単位重量当たりでみても、二官能、あるいは三官能の架橋可能な官能基(点)を多数(単位重量当り、2倍〜3倍多い)有した共重合樹脂であり、これを更に、縮重合により架橋させたものであるため、被膜が極めて強靭で削れ難く、高耐久化がはかれていると考えられる。
試料を6.0g加え、ミキサー回転速度をlowにセットし、3分間分散する。1000mlビーカーに予め用意されたトルエン溶液500mlの中に分散液を適量加えて希釈する。希釈液はホモジナイザーにて常に攪拌を続ける。この希釈溶液を超遠心式自動粒度分布測定装置CAPA―700にて測定する。
回転速度:2000rpm
最大粒度:2.0μm
最小粒度:0.1μm
粒度間隔:0.1μm
分散媒粘度:0.59mPa・s
分散媒密度:0.87g/cm3
粒子密度:無機微粒子の密度は乾式自動嵩密度計アキュピック1330(島津製作所社製)を用い測定した真比重値を入力。
粉体比抵抗は以下の方法で測定する。(図2参照)。上皿天秤で試料5gを取り、内径1インチの塩ビ管の下部に鋼鉄製電極を当て、塩ビ管内に試料を入れる。次に塩ビ管上部にも鋼鉄製電極を当てる。電極の上下に2mm厚テフロン(登録商標)板を敷き、油圧プレス機にて油圧ゲージ目盛で10kg/cm2の加重を加える。10kg/cm2で加圧した状態でLCRメータ(横川−HEWLETT−PACKARD社製4261A又は同等以上の性能を有する測定器)を接続する。接続直後の抵抗r(Ω)を読み取りノギスで全長L(cm)を測定し粉体比抵抗(Ω・cm)を算出する。計算式は以下の式に示すものである。
r :接続直後の抵抗
L :試料を充填した場合の全長
11.35:試料を充填しない場合の全長
本発明のトナーに用いる結着樹脂としては、公知のものが使用できる。例えばポリスチレン、ポリ−p−スチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸共重合隊、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプロピル共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体、ポリチメルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は芳香族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂などが単独あるいは混合して使用できる。
そして、圧力定着用結着樹脂としては、公知のものを混合して使用できる。例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂等のオレフィン共重合体、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸、マレイン酸変性フェノール樹脂、フェノール変性テルペン樹脂などが単独あるいは混合して使用でき、これらに限られるものではない。
橙色顔料としては、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGKが挙げられる。
赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bが挙げられる。
紫色顔料としては、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキが挙げられる。
青色顔料としては、コバルトブルー、アルカリブルー、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBCが挙げられる。
緑色顔料としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ等が挙げられる。
黒色顔料としては、カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物が挙げられる。
また、これら着色剤は1種または2種以上を使用することができる。
さらに、疎水化処理されたシリカ及び疎水化処理された酸化チタンを併用し、疎水化処理されたシリカの外添量より疎水化処理された酸化チタンの外添量を多くすることにより湿度に対する帯電の安定性にも優れたトナーとすることができる。上記の無機微粒子と併用して、比表面積20乃至50m/gのシリカや平均粒径がトナーの平均粒径の1/100乃至1/8である樹脂微粒子のように、従来用いられていた外添剤より大きな粒径の外添剤をトナーに外添することにより耐久性を向上させることができる。
これはトナーが現像装置内でキャリアと混合・攪拌され帯電し現像に供される過程でトナーに外添された金属酸化物微粒子は母体トナー粒子に埋め込まれていく傾向にあるが、これらの金属酸化物微粒子より大きな粒径の外添剤をトナーに外添することにより金属酸化物微粒子が埋め込まれることを抑制することができるためである。
上記した無機微粒子や樹脂微粒子はトナー中に含有(内添)させることにより外添した場合より効果は減少するが転写性や耐久性を向上させる効果が得られるとともにトナーの粉砕性を向上させることができる。また、外添と内添を併用することにより外添した微粒子が埋め込まれることを抑制することができるため優れた転写性が安定して得られるとともに耐久性も向上する。
図3に本発明の現像剤を用いる現像手段を有するプロセスカートリッジを搭載する画像形成装置例の概略構成を示す。
図5はプロセスカートリッジ全体を示し、感光体、帯電手段、現像手段及びクリーニング手段を備えている。
本発明おいては、上述の感光体、帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段等の構成要素のうち、本発明の現像剤を用いる現像手段と、他の単数又は複数の手段とをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やプリンタ等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成する。
そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図3中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。タンデム型現像器120の近傍には、露光装置21が配置されている。
中間転写体50における、タンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される記録媒体(転写紙)と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写装置22の近傍には定着装置25が配置されている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26と、これに押圧されて配置された加圧ローラ27とを備えている。なお、タンデム画像形成装置においては、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、転写紙の両面に画像形成を行うために、転写紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした時は直ちに、スキャナ300が駆動し、第1走行体33及び第2走行体34が走行する。このとき、第1走行体33により、光源からの光が照射されると共に原稿面からの反射光を第2走行体34におけるミラーで反射し、結像レンズ35を通して読取りセンサ36で受光されてカラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報とされる。
こうして形成されたブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像は、図3に示される支持ローラ14、15及び16により回転移動される中間転写体50上にそれぞれ、ブラック用感光体10K上に形成されたブラック画像、イエロー用感光体10Y上に形成されたイエロー画像、マゼンタ用感光体10M上に形成されたマゼンタ画像及びシアン用感光体10C上に形成されたシアン画像が、順次転写(一次転写)される。そして、中間転写体50上にブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像、及びシアン画像が重ね合わされて合成カラー画像(カラー転写像)が形成される。
[芯材製造例1]
MnCO3、Mg(OH)2、Fe2O3、及びSrCO3粉を秤量し混合して混合粉を得た。この混合粉を、加熱炉により900℃、1時間、大気雰囲気下で仮焼成し、得られた仮焼物を冷却後、粉砕して、粒径3μm以下の粉体とした。この粉体を1wt%の分散剤を水と共に加えてスラリーとし、このスラリーをスプレードライヤに供給して造粒し、平均粒径約40μmの造粒物を得た。
この造粒物を焼成炉に装填し、窒素雰囲気下で、1200℃、4時間焼成した。得られた焼成物を解砕機で解砕した後、篩い分けにより粒度調整を行い、体積平均粒径が約35μm、SF−1は136、SF−2は131の球形フェライト粒子1を得た。また球形フェライト粒子1の体積固有抵抗は測定下限以下(ブレイクダウン)で測定不能であった。
芯材製造例1で得られた球形フェライト粒子1を、体積固有抵抗(LogΩ・cm)が6.0となるように、大気雰囲気の条件の元、ロータリー式の電気炉で表面酸化処理を行い、球形フェライト粒子2を得た。
芯材製造例1で得られた球形フェライト粒子1を、体積固有抵抗(LogΩ・cm)が6.5となるように、大気雰囲気の条件の元、ロータリー式の電気炉で表面酸化処理を行い、球形フェライト粒子3を得た。
芯材製造例1で得られた球形フェライト粒子1を、体積固有抵抗(LogΩ・cm)が7.0となるように、大気雰囲気の条件の元、ロータリー式の電気炉で表面酸化処理を行い、球形フェライト粒子4を得た。
芯材製造例1と同様に混合粉を仮焼成し、得られた仮焼物を冷却後、粉砕して、粒径3μm以下の粉体とした。
この粉体を1wt%の分散剤を水と共に加えてスラリーとし、このスラリーをスプレードライヤに供給して造粒し、平均粒径約40μmの造粒物を得た。
この造粒物を焼成炉に装填し、窒素雰囲気下で、1140℃、4時間焼成した。
得られた焼成物を解砕機で解砕した後、篩い分けにより粒度調整を行い、体積平均粒径が約35μm、SF−1は142、SF−2は152の球形フェライト粒子を得た。
この球形フェライト粒子を体積固有抵抗(LogΩ・cm)が6.5となるように、大気雰囲気の条件の元、ロータリー式の電気炉で表面酸化処理を行い、球形フェライト粒子6を得た。
芯材製造例1と同様に混合粉を仮焼成し、得られた仮焼物を冷却後、粉砕して、粒径3μm以下の粉体とした。
この粉体を1wt%の分散剤を水と共に加えてスラリーとし、このスラリーをスプレードライヤに供給して造粒し、平均粒径約40μmの造粒物を得た。
この造粒物を焼成炉に装填し、窒素雰囲気下で、1200℃、5時間焼成した。
得られた焼成物を解砕機で解砕した後、篩い分けにより粒度調整を行い、体積平均粒径が約35μm、SF−1は130、SF−2は140の球形フェライト粒子を得た。
この球形フェライト粒子を体積固有抵抗(LogΩ・cm)が6.5となるように、大気雰囲気の条件の元、ロータリー式の電気炉で表面酸化処理を行い、球形フェライト粒子6を得た。
芯材製造例1と同様に混合粉を仮焼成し、得られた仮焼物を冷却後、粉砕して、粒径1μm以下の粉体とした。
この粉体を1wt%の分散剤を水と共に加えてスラリーとし、このスラリーをスプレードライヤに供給して造粒し、平均粒径約40μmの造粒物を得た。
この造粒物を焼成炉に装填し、窒素雰囲気下で、1300℃、5時間焼成した。
得られた焼成物を解砕機で解砕した後、篩い分けにより粒度調整を行い、体積平均粒径が約35μm、SF−1は125、SF−2は119の球形フェライト粒子を得た。この球形フェライト粒子を体積固有抵抗(LogΩ・cm)が6.5となるように、大気雰囲気の条件の元、ロータリー式の電気炉で表面酸化処理を行い、球形フェライト粒子7を得た。
撹拌機付きフラスコにトルエン300gを投入して、窒素ガス気流下で90℃まで昇温した。次いでこれに、CH2=CMe−COO−C3H6−Si(OSiMe3)3(式中、Meはメチル基である。)で示される3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン(サイラプレーン TM−0701T チッソ社製)84.4g(200ミリモル)、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン39g(150ミリモル)、メタクリル酸メチル65.0g(650ミリモル)及び2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル0.58g(3ミリモル)の混合物を1時間かけて滴下した。
滴下終了後、さらに、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル0.06g(0.3ミリモル)をトルエン15gに溶解した溶液(2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリルの合計量0.64g=3.3ミリモル)を加え、90〜100℃で3時間混合することによってラジカル共重合させてメタクリル系共重合体を得た。
得られたメタクリル系共重合体の重量平均分子量は33,000であった。次いで、このメタクリル系共重合体溶液の不揮発分が25質量%になるようにトルエンで希釈し、共重合体溶液1を得た。このようにして得られた共重合体溶液の粘度は8.8mm2/sであり、比重は0.91であった。
撹拌機付きフラスコにトルエン500gを投入して、窒素ガス気流下で90℃まで昇温した。次いでこれに、CH2=CMe−COO−C3H6−Si(OSiMe3)3(式中、Meはメチル基である。)で示される3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン(サイラプレーン TM−0701T チッソ社製)126.6g(300ミリモル)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン173.6g(700ミリモル)及び2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル0.58g(3ミリモル)の混合物を1時間かけて滴下した。
滴下終了後、さらに、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル0.06g(0.3ミリモル)をトルエン15gに溶解した溶液(2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリルの合計量0.64g=3.3ミリモル)を加え、90〜100℃で3時間混合することによってラジカル共重合させてメタクリル系共重合体を得た。
得られたメタクリル系共重合体の重量平均分子量は35,000であった。次いで、このメタクリル系共重合体溶液の不揮発分が25質量%になるようにトルエンで希釈し、共重合体溶液3を得た。このようにして得られた共重合体溶液の粘度は8.5mm2/sであり、比重は0.91であった。
〔キャリア被覆層〕
・共重合体溶液1[固形分25重量%] 37.6重量部
・シリコン樹脂溶液 930.5重量部
[固形分20重量%(SR2410:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)]
・アミノシラン 9.1重量部
[固形分100重量%(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)]
・EC−700(チタン工業社製 粒径:0.35μm) 426.7重量部
・トルエン 2400重量部
上記キャリア被覆層形成用原料混合物を、0.5mmZrビーズ1000部とともに、ペイントシェイカーで1時間分散した後、メッシュでビーズを除去し、樹脂被覆膜形成溶液を得た。芯材として前述した球形フェライト粒子2:5000重量部を用い、上記被覆膜形成溶液にTC−750(マツモトファインケミカル社製)22.6重量部を加えた溶液を芯材表面にスピラコーター(岡田精工社製)によりコーター内温度70℃で塗布し乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて230℃で1時間放置して焼成した。冷却後フェライト粉バルクを目開き63μmの篩を用いて解砕し、結着樹脂量4.5重量部、体積平均粒径35.8μm、体積固有抵抗(LogΩ・cm)11.4の[キャリア1]を得た。
(トナーバインダーの合成)
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、イソフタル酸276部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10乃至15mmHgの減圧で5時間反応した後、160℃まで冷却して、これに32部の無水フタル酸を加えて2時間反応した。
次いで、80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソフォロンジイソシアネート188部と2時間反応を行いイソシアネート含有プレポリマー(1)を得た。
次いでプレポリマー(1)267部とイソホロンジアミン14部を50℃で2時間反応させ、重量平均分子量64000のウレア変性ポリエステル(1)を得た。
ウレア変性ポリエステル(1)200部と変性されていないポリエステル(a)800部を酢酸エチル/MEK(1/1)混合溶剤2000部に溶解、混合し、トナーバインダー(1)の酢酸エチル/MEK溶液を得た。一部減圧乾燥し、トナーバインダー(1)を単離した。Tgは62℃であった。
ビーカー内に前記のトナーバインダー(1)の酢酸エチル/MEK溶液240部、ペンタエリスリトールテトラベヘネート(融点81℃、溶融粘度25cps)20部、C.I.Pigment Yellow154の生顔料4部を入れ、60℃にてTK式ホモミキサーで12000rpmで攪拌し、均一に溶解、分散させた。ビーカー内にイオン交換水706部、ハイドロキシアパタイト10%懸濁液(日本化学工業(株)製スーパタイト10)294部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を入れ均一に溶解した。ついで60℃に昇温し、TK式ホモミキサーで12000rpmに攪拌しながら、上記トナー材料溶液を投入し10分間攪拌した。
次いで、この混合液を攪拌棒および温度計付のコルベンに移し、98℃まで昇温して溶剤を除去した。分散スラリーを減圧濾過した後、濾過ケーキを得た。
1:濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
2:上記1の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液1OO部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
3:上記2の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
4:上記3の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行い、ケーキ状物を得た。
これを、[濾過ケーキ1]とする。
上記[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥した。
その後、水90部に対して[濾過ケーキ1]の15部を加えて、これにフッ素化合物を0.0005部分散させることで、トナー粒子表面にフッ素化合物(2)を付着させた後、循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥した。その後目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体粒子を得た。
これを、[トナー母体粒子1]とする。上記で得られた[トナー母体粒子1]の100部に対して、外添剤として疎水性シリカ1.5部と、疎水化酸化チタン0.7部をヘンシェルミキサーにて2000rpm×30秒、5サイクルで混合処理し、トナーを得た。これを、[トナー1]とする。
こうして得た[トナー1]7部と[キャリア1]93部を混合攪拌して得た現像剤を評価した。
〔キャリア被覆層〕
・共重合体溶液1[固形分25重量%] 32.9重量部
・シリコン樹脂溶液 814.2重量部
[固形分20重量%(SR2410:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)]
・アミノシラン 7.9重量部
[固形分100重量%(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)]
・EC−700(チタン工業社製 粒径:0.35μm) 373.3重量部
・トルエン 2100重量部
上記被覆原料混合物を0.5mmZrビーズ1000部とともに、ペイントシェイカーで1時間分散した後、メッシュでビーズを除去し、樹脂被覆膜形成溶液を得た。芯材として前述した球形フェライト粒子2の5000重量部を用い、上記被覆膜形成溶液にTC−750(マツモトファインケミカル社製)19.8重量部を加えた溶液を芯材表面にスピラコーター(岡田精工社製)によりコーター内温度70℃で塗布し乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて230℃で1時間放置して焼成した。冷却後フェライト粉バルクを目開き63μmの篩を用いて解砕し、結着樹脂量4.0重量部、体積平均粒径35.6μm、体積固有抵抗(LogΩ・cm)10.6の[キャリア2]を得た。
こうして得た[トナー1]7部と[キャリア2]93部を混合攪拌して得た現像剤を評価した。
参考例1において、芯材を球形フェライト粒子2の代わりに球形フェライト粒子3を使用した以外は参考例1と同様にして、結着樹脂量4.5重量部、体積平均粒径36.0μm、体積固有抵抗(LogΩ・cm)11.6の[キャリア3]を得た。
こうして得た[キャリア3]93部と[トナー1]7部を混合攪拌して得た現像剤を評価した。
参考例2において、芯材を球形フェライト粒子2の代わりに球形フェライト粒子4を使用した以外は参考例2と同様にして、結着樹脂量4.0重量部、体積平均粒径35.8μm、体積固有抵抗(LogΩ・cm)11.9の[キャリア4]を得た。
〔キャリア被覆層〕
・共重合体溶液1[固形分25重量%] 23.5重量部
・シリコン樹脂溶液 581.6重量部
[固形分20重量%(SR2410:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)]
・アミノシラン 5.7重量部
[固形分100重量%(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)]
・EC−700(チタン工業社製 粒径:0.35μm) 266.7重量部
・トルエン 1500重量部
上記被覆原料混合物を、0.5mmZrビーズ1000部とともに、ペイントシェイカーで1時間分散した後、メッシュでビーズを除去し、樹脂被覆膜形成溶液を得た。芯材として前述した球形フェライト粒子5の5000重量部を用い、上記被覆膜形成溶液にTC−750(マツモトファインケミカル社製)14.1重量部を加えた溶液を芯材表面にスピラコーター(岡田精工社製)によりコーター内温度70℃で塗布し乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて230℃で1時間放置して焼成した。冷却後フェライト粉バルクを目開き63μmの篩を用いて解砕し、結着樹脂量2.8重量部、体積平均粒径35.6μm、体積固有抵抗(LogΩ・cm)10.4の[キャリア5]を得た。
こうして得た[トナー1]7部と[キャリア5]93部を混合攪拌して得た現像剤を評価した。
実施例5において、芯材を球形フェライト粒子5の代わりに球形フェライト粒子6を使用した以外は実施例5と同様にして、結着樹脂量2.8重量部、体積平均粒径35.8μm、体積固有抵抗(LogΩ・cm)11.1の[キャリア6]を得た。
こうして得た[キャリア6]93部と[トナー1]7部を混合攪拌して得た現像剤を評価した。
実施例6において、樹脂を共重合体溶液1の代わりに共重合体溶液2を使用した以外は実施例6と同様にして、結着樹脂量2.8重量部、体積平均粒径35.7μm、体積固有抵抗(LogΩ・cm)11.3の[キャリア7]を得た。
こうして得た[キャリア7]93部と[トナー1]7部を混合攪拌して得た現像剤を評価した。
〔キャリア被覆層〕
・シリコン樹脂溶液 855.3重量部
[固形分20重量%(SR2410:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)]
・アミノシラン 7.9重量部
[固形分100重量%(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)]
・EC−700(チタン工業社製 粒径:0.35μm) 373.3重量部
・トルエン 2100重量部
上記被覆原料混合物を、0.5mmZrビーズ1000部とともに、ペイントシェイカーで1時間分散した後、メッシュでビーズを除去し、樹脂被覆膜形成溶液を得た。芯材として前述した球形フェライト粒子1の5000重量部を用い、上記被覆膜形成溶液にTC−750(マツモトファインケミカル社製)19.8重量部を加えた溶液を芯材表面にスピラコーター(岡田精工社製)によりコーター内温度70℃で塗布し乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて230℃で1時間放置して焼成した。冷却後フェライト粉バルクを目開き63μmの篩を用いて解砕し、結着樹脂量4.0重量部、体積平均粒径35.9μm、体積固有抵抗(LogΩ・cm)11.2の[キャリア8]を得た。
こうして得た[キャリア8]93部と[トナー1]7部を混合攪拌して得た現像剤を評価した。
参考例2において、芯材として球形フェライト粒子2の代わりに球形フェライト粒子1を使用した以外は参考例2と同様にして、結着樹脂量4.0重量部、体積平均粒径35.9μm、体積固有抵抗(LogΩ・cm)10.8の[キャリア9]を得た。
こうして得た[キャリア9]93部と[トナー1]7部を混合攪拌して得た現像剤を評価した。
実施例3において、芯材として球形フェライト粒子3の代わりに球形フェライト粒子7を使用した以外は実施例3と同様にして、結着樹脂量4.5重量部、体積平均粒径36.1μm、体積固有抵抗(LogΩ・cm)11.3の[キャリア10]を得た。
こうして得た[キャリア10]93部と[トナー1]7部を混合攪拌して得た現像剤を評価した。
すなわち、こうして得た現像剤を用いて、以下の現像剤特性評価を行った。尚、表1にキャリア性質、表2に現像剤特性評価結果を記す。
<印字評価>
市販のデジタルフルカラープリンター(リコー社製 RICOH Pro C901)に、作成した上記各現像剤及び補給トナーをセットし、画像面積8%の文字チャート(1文字の大きさ;約2mm×2mm)を100kp枚出力した後、更に200kp枚印字した。
ゴーストについては、100kp枚出力した後に、図6に示す縦帯チャートを印刷し、スリーブ一周分(a)と、一周後(b)の濃度差をX−Rite938(X−Rite社製)により、センター、リア、フロントの3箇所測定の平均濃度差を△IDとし、以下ランク分けした。
◎:非常に良好
○:良好
△:許容
×:実用上使用できないレベル
◎、○、△を合格とし×を不合格とした。
◎:0.01≧△ID
○:0.01<△ID≦0.03
△:0.03<△ID≦0.06
×:0.06<△ID
キャリア付着については、100kp枚出力した後に、現像条件を、
帯電電位(Vd):−600V
画像部にあたる部分の感光後の電位:−100V
現像バイアス:DC−500V
とし、ベタ画像(30mm×30mm)を出力して、画像上のキャリア付着による白ヌケ個数をカウントし、以下ランク分けした。
◎:非常に良好
○:良好
△:許容
×:実用上使用できないレベル
◎、○、△を合格とし×を不合格とした。
◎:0個
○:1〜2個
△:3〜4個
×:5個以上
0kp印刷の現像剤と300kp印刷した現像剤を用い、キャリアの静抵抗を測定した。
このとき現像剤を図7の装置を用い、795メッシュの網を有するブローオフケージ(7)を用いてキャリア(3)とトナー(5)を分離し、トナー(5)を吸引除去し、キャリアのみとし、そのキャリアの抵抗値を図2の装置を用いて測定し、0kpとの△LogRを算出し、以下のように判断した。
◎:非常に良好
○:良好
△:許容
×:実用上使用できないレベル
◎、○、△を合格とし×を不合格とした。
◎:△LogR≦0.5
○:0.5<△LogR≦1
△:1<△LogR≦2
×:2<△LogR
300kp枚ランニングしたキャリアと初期キャリアについて、トナー成分をメチルエチルケトンで抽出し、その差をスペントトナー量(キャリア重量に対するwt%で表示)する。
◎:非常に良好
○:良好
△:許容
×:実用上使用できないレベル
◎、○、△を合格とし×を不合格とした。
◎:0以上〜0.03Wt%未満
○:0.03Wt%以上〜0.07Wt%未満
△:0.07Wt%以上〜0.15Wt%未満
×:0.15Wt%以上
3 キャリア
5 トナー
7 ブローオフケージ
11 フッ素樹脂製容器からなるセル
12a 電極
12b 電極
13 キャリア
(図3、4について)
10 感光体
10K ブラック用感光体
10Y イエロー用感光体
10M マゼンタ用感光体
10C シアン用感光体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写体クリーニング装置
18 画像形成手段
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 手差しトレイ
53 手差し給紙路
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 ローラ
61 現像装置
62 転写帯電器
63 クリーニング装置
64 除電器
100 画像形成装置
110 複写装置本体
120 タンデム型現像器
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
160 帯電装置
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
L 露光
Claims (14)
- キャリア芯材上に少なくとも結着樹脂と微粒子を含む被覆層を有する静電潜像現像用キャリアにおいて、
該キャリア芯材が表面酸化処理されており、
該キャリア芯材の体積固有抵抗(LogΩ・cm)が6.0以上7.0以下であり、
該キャリアの芯材表面露出面積比率が0.1〜5.0%であることを特徴とする静電潜像現像用キャリア。 - 前記静電潜像現像用キャリアのSF−2が115〜150の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像用キャリア。
- 前記被覆層が、樹脂成分を含み、
前記樹脂成分が、少なくともシリコン樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至請求項2のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。 - 前記被覆層が、樹脂成分を含み、
前記樹脂成分が、少なくとも下記一般式(A)で表されるA成分と下記一般式(B)で表されるB成分とを含む共重合体を加熱処理して得られる樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至請求項2のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。
- 前記共重合体は、下記一般式(1)で表される共重合体を含むことを特徴とする請求項4に記載の静電潜像現像用キャリア。
- 前記微粒子が導電性微粒子であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。
- 前記導電性微粒子の体積平均粒径が50〜800nmであることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリア。
- 請求項1乃至7のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリアとトナーからなることを特徴とする静電潜像現像用現像剤。
- 前記トナーが、カラートナーであることを特徴とする請求項8に記載の静電潜像現像用現像剤。
- 請求項8又は9に記載の静電潜像現像用現像剤を有することを特徴とする現像剤入り容器。
- 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を請求項8又は9に記載の静電潜像現像用現像剤を用いてトナー像を形成する工程と、該静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する工程と、該記録媒体に転写されたトナー像を定着させる工程とを有することを特徴とする画像形成方法。
- 静電潜像を形成する静電潜像担持体と、形成された静電潜像を請求項8又は9に記載の静電潜像現像用現像剤を用いてトナー像に現像する現像手段と、該トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、該記録媒体に転写されたトナー像を定着させる定着手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
- 静電潜像担持体、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を請求項8又は9に記載の静電潜像現像用現像剤を用いて現像する手段が少なくとも一体に支持されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 請求項1乃至7のいずれかに記載の静電潜像現像用キャリアとトナーからなる補給用現像剤であって、前記静電潜像現像用キャリアとトナーの配合割合が、前記静電潜像現像用キャリア1質量部に対して前記トナーが2〜50質量部であることを特徴とする補給用現像剤。
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