JP2014046569A - 積層フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】高い透明性(光線透過率)を有すると共に、ハンドリング性にも優れ表面欠点の発生し難い積層フィルムを提供すること。
【解決手段】ポリエチレンテレフタレート系ポリエステルからなる基材層の少なくとも一方の面に、平均粒径が4〜12μmの塊状粒子を含有するポリエチレンテレフタレート系ポリエステルからなる表面層を有する積層フィルムであって、表面層の中心線平均表面粗さRaが15〜300nm、十点平均粗さRzが400〜10000nm、積層フィルムの全光線透過率が91.0%以上である積層フィルムによって達成される。
【選択図】なし

Description

本発明は積層フィルムに関するものである。さらに詳しくは、ハンドリング性に優れていて傷などの表面欠点が発生しがたく、しかも高い透明性を有し、特に光学用基材フィルムとして好適な積層フィルムに関するものである。
従来、光学用基材フィルムは、高い透明性(光線透過率)と、傷などの表面欠点がないことが要求されている。例えば、タッチパネルの透明電極に用いられる基材フィルムは、それにハードコート加工を施して、透明導電層を設けることで透明電極とし、これをタッチパネルモジュールとして液晶表示装置等に組み込んで用いられるが、このようにして作成されたタッチパネルにおいては、透明電極を通して液晶表示を視認するため、鮮明な表示を得るためには高透明で表面欠点がない基材フィルムが要求される。しかしながら、従来の表面欠点が少ないフィルムは、一般的に表面欠点の低減と高い透明性との両立は非常に困難であるところ、近年さらに高い光線透過率が要求されている。
特開2001−261856号公報 特開2003−266622号公報
本発明は、上記背景技術に鑑みなされたもので、その目的は、高い透明性(光線透過率)を有すると共に、ハンドリング性にも優れ表面欠点の発生し難い積層フィルムを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ポリエステルからなる基材層の少なくとも片面に特定の大粒子を含有する表面層を設ければ、高い透明性と少ない表面欠点とが同時に達成できることを見出し、さらに検討を重ねた結果本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の目的は、以下の構成により達成できる。
1.エチレンテレフタレート単位を主たる繰返し単位とするポリエステル(I)からなる基材層の少なくとも一方の面に表面層を有する積層フィルムであって、該表面層は、平均粒径が4〜12μmの塊状粒子を含有する、エチレンテレフタレート単位を主たる繰返し単位とするポリエステル(II)からなり、その中心線平均表面粗さRaが15〜300nm、十点平均粗さRzが400〜10000nmであり、かつ積層フィルムの全光線透過率が91.0%以上である積層フィルム。
2.ポリエステル(I)の融点Tm(I)とポリエステル(II)の融点Tm(II)とが下記式を満足する上記1に記載の積層フィルム。
Tm(I)−5<Tm(II)
3.基材層の両面に表面層を有する上記1または2に記載の積層フィルム。
4.基材層と表面層が共押出法によって積層された上記1〜3のいずれかに記載の積層フィルム。
5.光学用途に用いられる上記1〜4のいずれかに記載の積層フィルム。
本発明の積層フィルムは、高い透明性を有すると同時に、ハンドリング性にも優れているので表面欠点が発生し難いという特徴を有する。したがって、近年透明性に関して要求が高まっている光学用フィルムとして特に好適に用いることができる。
本発明の積層フィルムは、エチレンテレフタレート単位を主たる繰返し単位とするポリエステル(I)からなる基材層の少なくとも一方の面に、後述する表面層を有するものである。
[基材層]
本発明における基材層は、エチレンテレフタレート単位を主たる繰返し単位とするポリエステル(I)から形成される。ここで「主たる」とは、ポリエステルの全繰返し単位(100モル%)を基準として、エチレンテレフタレート単位が80モル%以上、好ましくは85モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上であることをいい、耐熱性の観点からは、共重合成分を含有しないホモポリエチレンテレフタレート等の共重合成分が少ないポリエステルが好ましい。共重合ポリエチレンテレフタレートである場合には、共重合成分として、ジカルボン酸成分としては、例えばイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸の如き芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸の如き脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸の如き脂環族ジカルボン酸を例示することができる。また、ジオール成分としては、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコールの如き脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールの如き脂環族ジオール、ビスフェノールAの如き芳香族ジオールを例示することができる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を用いてもよい。
ポリエステル(I)の固有粘度は、o−クロロフェノール中35℃において、0.40dl/g以上であることが好ましく、0.50〜0.90dl/gであることがさらに好ましい。固有粘度が0.40dl/g未満の場合には、フィルム製膜時に切断が多発したり、成形加工後の製品の強度が不足することがある。一方、固有粘度が高くなりすぎると溶融粘度が高くなるため、溶融押出が困難であるうえ、重合に長時間を要し生産性も悪くなることがある。
ポリエステル(I)の融点Tmは、耐熱性の観点から、好ましくは235℃以上、より好ましくは240℃以上、さらに好ましくは245℃以上、特に好ましくは250℃以上である。
また、ポリエステル(I)には、本発明の目的を損なわない範囲で添加剤を少量含有していてもよく、例えば不活性粒子などの滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤などの添加剤が例示される。
なお、本発明の基材フィルムは、高い光線透過率を得るという観点から基材層中に不活性粒子を含まないことが好ましい。しかし、製造工程での微小なキズ発生防止や、フィルムの巻取り性を向上させるために、滑剤としての不活性粒子を、基材層の質量を基準として100ppm以下、好ましくは10ppm以下、特に好ましくは1ppm以下の少量であれば配合してもよい。
かかるポリエステル(I)からなる基材層は、一軸配向されていても、二軸配向されていてもよいが、面内方向の機械的特性や熱的特性の均一性、熱による変形抑制の観点から二軸配向されていることが好ましい。
[表面層]
本発明の積層フィルムは、上記の基材層の少なくとも片面に、好ましくは両面に、後述する塊状粒子を含有する下記ポリエステル(II)からなる表面層を有する。
(ポリエステル(II))
表面層を形成するポリエステル(II)は、前述のポリエステル(I)と同じくエチレンテレフタレート単位を主たる繰返し単位とするポリエステルであり、固有粘度も0.40dl/g以上、特に0.50〜0.90dl/gであることが好ましい。かかるポリエステル(II)は、ポリエステル(I)と同一であっても異なっていてもよいが、ポリエステル(II)の融点Tm(II)が、ポリエステル(I)の融点Tm(I)−5℃より高いこと(Tm(I)−5<Tm(II))、特にTm(I)−3℃より高いことが、得られる積層フィルムの耐熱性の点から好ましく、特に両ポリエステルが同一の場合には、さらに生産性およびコストの面からも好ましくなる。
ポリエステル(II)の融点Tmは、耐熱性の観点から、好ましくは235℃以上、より好ましくは240℃以上、さらに好ましくは245℃以上、特に好ましくは250℃以上である。
また、ポリエステル(II)には、次述する塊状粒子の他に、本発明の目的を損なわない範囲で、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等の添加剤を少量添加してもよい。
かかるポリエステル(II)からなる表面層は、未配向であっても、基材層と同様に一軸配向または二軸配向されていてもよいが、二軸配向されていることが積層フィルムの機械的特性や熱的特性の観点からより好ましい。
(塊状粒子)
ポリエステル(II)に含有される塊状粒子は、一次粒子が凝集して二次粒子を形成したものである。かかる塊状粒子を用いることにより、平均粒径(二次粒径)が4〜12μmといった粗大な粒子であっても、積層フィルムを延伸配向させる際に塊状粒子が崩壊して形状が変形するため、表面層の延伸変形に追随できるようになり、その結果、ポリエステルと粒子の界面にボイドが発生することを抑制できる。そして、ボイドの発生が抑制されることにより、粗大粒子を含有していても高い光線透過率を有する積層フィルムが得られる。
かかる塊状粒子の平均粒径(二次粒径)は4〜12μm、好ましくは5〜12μm、さらに好ましくは5〜10μmである。平均粒径が上記範囲にあることにより、少量の配合量で後述する表面粗さを同時に達成することができる結果、高い透明性とハンドリング性に優れ表面欠点が発生し難いという特徴を同時に達成できる。平均粒径が大きすぎる場合には、後述する中心線平均表面粗さと十点平均粗さとを同時に満足させることが難しくなり、一方小さすぎる場合には、中心線平均表面粗さと十点平均粗さとを同時に満足させることできても光の散乱が増加して光線透過率が低下するので好ましくない。
また、塊状粒子の屈折率は、透明性の観点から表面層を構成するポリエステル(II)の屈折率に近いことが好ましく、通常1.45〜1.65である。好ましくは1.50〜1.65、さらに好ましくは1.55〜1.65、特に好ましくは1.55〜1.60である。
さらに、塊状粒子のBET比表面積が200〜800m/gの範囲、さらに250〜750m/gの範囲、特に300〜700m/gの範囲にあることが好ましい。BET比表面積がこの範囲内であることにより、積層フィルムを延伸配向させる際の塊状粒子の崩壊、変形がより適度なものとなり、ボイド発生の抑制効果が大きくなって光線透過率を高くすることができる。なお、BET比表面積は小さくなると塊状粒子の特徴であるボイド発生の抑制効果が低下する傾向にあり、一方BET比表面積の大きい塊状粒子は生産が難しくなる。
好ましく用いられる塊状粒子としては、例えば、塊状シリカ粒子、塊状硫酸バリウム粒子、塊状アルミナ粒子、塊状炭酸カルシウム粒子をあげることができ、特に、高い光線透過率の積層フィルムが得られることから、塊状シリカ粒子が好ましい。
かかる塊状粒子の表面層中の含有量は、粒子の平均粒径を勘案して、表面層の中心線平均表面粗さRaおよび十点平均粗さRzが後述する範囲となるように調整すればよい。なお、含有量が少なすぎるとRaまたはRzが小さくなってハンドリング性が低下する傾向にあり、他方多すぎると透明性が低下する傾向にあるので、表面層の厚みにもよるが、表面層の質量を基準として好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.05〜1質量%、さらに好ましくは0.05〜0.20質量%、特に好ましくは0.08〜0.16質量%の範囲である。
(厚み)
本発明においては、表面層の厚みと塊状粒子の平均粒径が特定の関係にあることが好ましい。すなわち、塊状粒子の平均粒径を1としたときの表面層の厚み(表面層1層の厚み)は、好ましくは0.1〜0.6、さらに好ましくは0.1〜0.5、特に好ましくは0.2〜0.5である。表面層の厚みと塊状粒子の平均粒径がこの関係を満足することにより、高い透明性と優れたハンドリング性とを、容易に同時に達成することができる。
[積層フィルム]
(総厚み)
本発明の積層フィルムの総厚みは、好ましくは10〜500μm、さらに好ましくは10〜400μmである。
(全光線透過率)
本発明の積層フィルムは、光線透過率が91.0%以上、好ましくは91.5%以上、さらに好ましくは92.0%以上である。光線透過率が91.0%以上であると光学特性に優れ、例えば透明電極用途として用いた際には、タッチパネルの表示の視認性を高くすることができる。
(表面粗さ)
本発明の積層フィルムは、表面層表面における中心線平均表面粗さRaが15〜300nm、好ましくは15〜100nm、より好ましくは15〜70nm、さらに好ましくは20〜50nmの範囲である。Raがかかる範囲にあると、滑性に優れ、フィルムの表面欠点が低減し、生産性に優れる。また、透明性に優れる。Raが低すぎる場合は、滑性に劣る傾向にあり、フィルムの表面欠点が増大し、透明性も低下する傾向にある。他方、高すぎる場合は、透明性が低下する傾向にある。
また、表面層表面における十点平均粗さRzは、400〜9000nm、好ましくは600〜8000nm、さらに好ましくは600〜7000nm、特に好ましくは1000〜5000nmである。Rzがかかる範囲にあるとハンドリング性に優れ、フィルムの表面欠点が減少する。Rzが低すぎる場合は、ハンドリング性に劣る傾向にあり、他方高すぎる場合は、透明性が低下する傾向にある。
表面層表面におけるRaおよびRzを上記範囲とするためには、例えば表面層における塊状粒子の平均粒径(二次粒径)と含有量を前述の範囲で適宜調整すればよい。二次粒径を大きくしたり、含有量を多くしたりすることによってRaおよびRzは大きくなる傾向にある。
(ヘーズ)
本発明の積層フィルムは、ヘーズが5%以下であることが好ましく、より好ましくは3%以下、さらに好ましくは2.5%以下、特に好ましくは2%以下であり、これによりLCD等のディスプレイの視認性に優れる。本発明においては、表面層に適度な大きさの塊状粒子を含有し、かつ表面層表面を適度な粗さとすることにより、低ヘーズを達成できる。
以上に説明した本発明の積層フィルムの表面には、プライマー層を塗設したり、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理などを施してもよい。これらの処理は、フィルム製造工程内で施してもフィルム製造後に施してもよい。また、本発明の目的を阻害しない範囲において、他の機能層を有することができる。
[積層フィルムの製造方法]
本発明においては、積層フィルムの製造方法は特に限定されないが、基材層と表面層が共押出法により積層されるのが、生産性に優れるので好ましく、例えば以下のようにして製造することができる。
すなわち、基材層を形成するポリエステル(I)と、表面層を形成する塊状粒子含有ポリエステル(II)とを、両方のポリエステルが溶融した状態で、例えば(Tm(I)+10)〜(Tm(I)+50)℃の温度で、両者が接するようにダイから押出して未延伸積層シートとする。この未延伸積層シートを、一軸方向(縦方向(機械軸方向)または横方向(機械軸方向と垂直な方向))に、(ポリエステル(I)のガラス転移温度Tg(I)+5)〜(Tg(I)+50)℃の温度で2倍以上、好ましくは3〜5倍、さらに好ましくは3〜4倍の倍率で延伸し、次いで上記延伸方向と直角方向に(Tg(I)+5)〜(Tg(I)+50)℃の温度で2倍以上、好ましくは3〜5倍、さらに好ましくは3〜4倍の倍率で延伸する。このような延伸温度および倍率の条件を採用することによって、表面層におけるボイド発生の抑制効果を高くすることができ、得られる積層フィルムの光線透過率を高くすることができる。次いで、延伸により得られた二軸配向積層フィルムを、(Tm(I)−30)℃〜(Tm(I)−5)℃の温度範囲で熱処理する。この熱処理の時間は、例えば1秒〜1分程度である。かかる熱処理を行うことによって、基材層の結晶配向を促進させることができ、耐熱性を高くすることができる。なお、Tm(II)が熱処理温度より高い場合には、表面層の結晶配向も促進させることができ、耐熱性がより向上するので好ましい。
積層フィルムの延伸は、逐次二軸延伸法、同時二軸延伸法のいずれでもよいが、同時二軸延伸法で延伸すると、延伸が二軸方向に同時に行われるためボイドが発生しにくく、それにより透明性が高くなるのでより好ましい。
以下、実施例により本発明を詳述するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、各特性値は以下の方法で測定した。
(1)粒子の平均粒径
平均粒径の測定は島津製作所製「CP−50型Centrifugal Particle Size Analyzer」を用いて行った。この測定器によって得られる遠心沈降曲線をもとに算出した各粒径の粒子とその存在量とのcumulative曲線から、50mass percentに相当する粒径を読み取り、この値を上記平均粒径とした(参照「粒度測定技術」、242〜247頁、日刊工業新聞社、1975年発行)。
(2)BET比表面積
JIS Z 8901に従って比表面積を算出した。
(3)ポリエステルの融点(Tm)、ガラス転移温度(Tg)
フィルムから、各層をそれぞれ分離して得たサンプル10mgを測定用のアルミニウム製パンに封入して示差熱量計(デュポン社製・V4.OB2000型DSC)に装着し、25℃から20℃/分の速度で300℃まで昇温させ、融点(Tm、単位:℃)を測定し、300℃で5分間保持した後取出し、直ちに氷の上に移して急冷した。このパンを再度、示差熱量計に装着し、25℃から20℃/分の速度で昇温させて、ガラス転移温度(Tg、単位:℃)を測定した。
(4)ボイドの有無
フィルムサンプルを厚み方向にミクロトームで切断し、切断面を(株)日立製走査型電子顕微鏡S−4700にて観察(約2000倍)し、粒子の断面積に対するボイドの断面積の割合を算出した。少なくとも10点について割合を算出してその平均を求め、下記の評価基準で評価した。
○: ボイド断面積が30%以下
△: ボイド断面積が30%超、50%以下
×: ボイド断面積が50%超
(5)各層の厚み
フィルムサンプルを三角形に切り出し、包埋カプセルに固定後、エポキシ樹脂にて包埋した。そして、包埋されたサンプルをミクロトーム(ULTRACUT−S)でスライスし、縦方向および厚み方向に平行なフィルム断面が観測できるような50nm厚の薄膜切片にした後、透過型電子顕微鏡を用いて、加速電圧100kvにて観察撮影し、写真から各層の厚みを測定した。このとき、粒子がない箇所において測定した。任意の5箇所について行い、それぞれ平均値を各層の厚みとして求めた。
(6)積層フィルムの総厚み
フィルムサンプルをエレクトリックマイクロメーター(アンリツ製 K−402B)にて、任意の10点につき厚みを測定し、平均値をフィルムの総厚みとした。
(7)全光線透過率
JIS K7361に準じ、日本電色工業社製のヘーズ測定器(NDH−2000)を使用してフィルムの全光線透過率(単位:%)を測定した。
(8)ヘーズ
JIS K7136に準じ、日本電色工業社製のヘーズ測定器(NDH−2000)を使用してフィルムのヘーズ値を測定した。
(9)中心線平均表面粗さ(Ra)、十点平均表面粗さ(Rz)
小坂研究所社製の表面粗さ測定器SE−3FATを用い、JIS B0601の測定法により、フィルムの光学機能層表面における中心線平均粗さ(Ra)、および十点平均粗さ(Rz)をそれぞれ求めた。なお、カットオフ0.25mm、測定長:1mm、走査ピッチ2μm、走査本数100本とした。
(10)易滑(ハンドリング)性
フィルムサンプルの一方の面と他方の面について、JIS K7125(ISO 8295)に即して摩擦係数を測定し、以下の基準で評価した。
[易滑性の評価基準]
◎:0.25未満
○:0.25以上0.30未満
△:0.30以上0.40未満
×:0.40以上
(11)粒子の屈折率
室温にて、屈折率分散法にて粒子の屈折率を測定した。
[実施例1]
表面層を形成するためのポリエステル(II)としてのポリエチレンテレフタレート(PET)に、平均粒径4μmの塊状シリカ粒子(富士シリシア社製、サイリシア、屈折率1.45)を0.08質量%含有するポリエステル組成物を用意した。他方、基材層を形成するためのポリエステル(I)として、ポリエチレンテレフタレート(PET)を用意した。
これらのポリエステル組成物とPETとを、それぞれ十分に乾燥し、別々の押出機で溶融し、これらを表面層/基材層/表面層の積層構成であって、かつ各層の最終的な厚みが表1に記載の厚みとなるように積層した状態でダイから押出して、キャスティングドラム上で急冷し、未延伸積層シートを得た。この後75℃でこの未延伸積層シートを余熱し、延伸温度110℃で縦方向に3.3倍に延伸し、さらに110℃で余熱し、延伸温度130℃にて横方向に3.6倍に延伸した。この後、結晶化ゾーンにて235℃にて10秒間熱処理して積層フィルムを得た。なお、熱処理する際に、縦方向1.5%および横方向2.0%に弛緩を入れて熱収縮率を調整した。得られた積層フィルムの評価結果を表1に示す。
[実施例2〜15、比較例1〜6]
使用するポリエステル(I)、ポリエステル(II)、粒子の種類、粒子含有量および各層の厚みを表1、2に記載のとおり変更する以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの評価結果を表1および2に示す。
Figure 2014046569
Figure 2014046569
なお、表中、PETはポリエチレンテレフタレート、IAnPETは、イソフタル酸nモル共重合ポリエチレンテレフタレートを表わす。この際、共重合量は全酸成分100モル%に対する値である。
また、表中の粒子は以下の通りである。
塊状シリカ:富士シリシア社製、サイリシア、屈折率1.45
球状シリコーン:GE東芝シリコーン社製、トスパール、屈折率1.43
球状シリカ:東亜合成社製、HPS、屈折率1.45
実施例にて得られた積層フィルムについて、高結晶化ITO膜の積層工程を想定した耐熱性試験を実施した。すなわち、温度150℃環境下において、フィルムを120分間放置し、フィルムの平面性について評価した。熱処理後においてもシワの発生がないかシワの発生がわずかなものは、フィルムの耐熱性に優れる(評価○)、シワの発生が生じたが使用に耐えうる程度のものは、フィルムの耐熱性にやや優れる(評価△)、シワの発生が多大であり使用に耐え得ない程度のものは、フィルムの耐熱性に劣る(評価×)とした。
本発明の積層フィルムは、高い透明性を有すると同時に、ハンドリング性にも優れているので表面欠点が発生し難いといった特徴を有するので、近年透明性の要求が高まっている各種光学用フィルムとして特に好適に用いることができる。
また、本発明の好ましい態様を具備する積層フィルムは、耐熱性に優れるため、例えば静電容量タッチパネルの電極等に用いられるような導電性の高い電極を得るべく、高結晶化したITO膜を形成する用途に適用したとしても、平面性を保持することができるため、該用途に好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. エチレンテレフタレート単位を主たる繰返し単位とするポリエステル(I)からなる基材層の少なくとも一方の面に表面層を有する積層フィルムであって、該表面層は、平均粒径が4〜12μmの塊状粒子を含有する、エチレンテレフタレート単位を主たる繰返し単位とするポリエステル(II)からなり、その中心線平均表面粗さRaが15〜300nm、十点平均粗さRzが400〜10000nmであり、かつ積層フィルムの全光線透過率が91.0%以上である積層フィルム。
  2. ポリエステル(I)の融点Tm(I)とポリエステル(II)の融点Tm(II)とが下記式を満足する請求項1に記載の積層フィルム。
    Tm(I)−5<Tm(II)
  3. 基材層の両面に表面層を有する請求項1または2に記載の積層フィルム。
  4. 基材層と表面層が共押出法によって積層された請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  5. 光学用途に用いられる請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層フィルム。
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