JP2014045651A - 回転電機の固定子及びその製造方法 - Google Patents

回転電機の固定子及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014045651A
JP2014045651A JP2013255026A JP2013255026A JP2014045651A JP 2014045651 A JP2014045651 A JP 2014045651A JP 2013255026 A JP2013255026 A JP 2013255026A JP 2013255026 A JP2013255026 A JP 2013255026A JP 2014045651 A JP2014045651 A JP 2014045651A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stator
stator core
fastening
outer cylinder
recess
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013255026A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5682800B2 (ja
Inventor
Hiroyuki Ikuta
裕之 生田
Yusuke Hara
雄介 原
Nobuyuki Kimura
信幸 木村
Kuniharu Tejima
邦治 手嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2013255026A priority Critical patent/JP5682800B2/ja
Publication of JP2014045651A publication Critical patent/JP2014045651A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5682800B2 publication Critical patent/JP5682800B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • Y02T10/641

Landscapes

  • Manufacture Of Motors, Generators (AREA)
  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)

Abstract

【課題】加工荷重を低減しつつ、固定子コアと外筒との締結を実現し得るようにした回転電機の固定子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】固定子20は、複数の鋼板を軸方向に積層して形成され且つ周方向に分割された複数の分割コア32を円環状に組み付けてなる固定子コア30と、固定子コア30に巻装された固定子巻線40と、固定子コア30の外周に嵌合固定された外筒50とを備える。固定子コア30の所定の分割コア32の外周面には凹部35が設けられている。外筒50は、外周面と内周面とを連通する第1及び第2スリット51a,51bが形成され、第1及び第2スリット51a,51bに囲まれた部位に形成された締結部52a,52bを有する。締結部52の先端部を径方向内方側へ塑性変形させて凹部35に当接した状態で係合させることにより、外筒50と固定子コア30の複数の鋼板とが締結されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、例えば車両において電動機や発電機として使用される回転電機の固定子及びその製造方法に関する。
従来、回転電機の固定子として、周方向に分割された複数の分割コアを円環状に組み付けてなる固定子コアと、該固定子コアの外周に嵌合固定された外筒と、前記固定子コアに巻装された固定子巻線と、を備えたものが一般に知られている。この固定子においては、特に、固定子コアが複数の分割コアを円環状に組み付けてなるものであることから、固定子コアはその外周に嵌合される外筒と強固に固定されている必要がある。
例えば、特許文献1には、図15に示すように、固定子コア30Aの外周面に締結凹部35Aを形成するとともに、外筒50Aの内周面側に径方向内方へ突出する締結凸部52Aを形成しておき、締結凸部52Aを治具61Aにより外周側から打ち込んで締結凹部35Aと締結することが開示されている。この場合、治具61Aにより打ち込まれた締結凸部52Aが締結凹部35Aの両側壁に当接した状態となることにより、外筒50Aと固定子コア30Aが締結され、両者の周方向への相対回転が防止される。
特許第4562093号公報
ところで、上記の特許文献1の場合、外筒50Aの締結凸部52Aを治具61Aで打ち込む際には、大きな加工荷重が必要となり、締結凸部52Aと締結凹部35Aとを十分に当接させることが困難になることがある。このように締結凸部52Aと締結凹部35Aとの接触面積を十分に採れない場合には、局部応力の集中が発生し、締結凸部52Aに割れや疲労破壊等が発生し易くなる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、加工荷重を低減しつつ、固定子コアと外筒との締結を実現し得るようにした回転電機の固定子及びその製造方法を提供することを解決すべき課題とするものである。
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、複数の鋼板を軸方向に積層して形成され且つ周方向に分割された複数の分割コアを円環状に組み付けてなる固定子コアと、該固定子コアに巻装された固定子巻線と、前記固定子コアの外周に嵌合締結された外筒と、を備えた回転電機の固定子において、前記固定子コアは、外周面に凹部を有し、前記外筒は、外周面と内周面とを連通し周方向に延びる複数の第2スリット及び該第2スリットの間を軸方向に延びる第1スリットが形成されて前記第1及び第2スリットに囲まれた部位に形成された締結部を有し、該締結部の少なくとも一部を径方向内方側かつ周方向に向けて塑性変形させて前記凹部に係合させることにより前記外筒と前記固定子コアの複数の前記鋼板とが締結されていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、外筒は、少なくとも一部が径方向内方側へ塑性変形されて固定子コアの凹部に係合する締結部を有するので、外筒と固定子コアとの締結を実現し、外筒と固定子コアとの周方向への相対回転を防止することができる。特に、本発明における締結部は、外周面と内周面とを連通する第1及び第2スリットに囲まれた部位に形成されているので、締結部を径方向内方側へ塑性変形させて凹部に係合させる際の加工荷重を大幅に低減することができる。本発明の場合、締結部を径方向内方側かつ周方向に向けて塑性変形させて凹部に係合させる際の加工荷重は、前記特許文献1の場合に比べて、1/3程度に低減できることが本願発明者等により確認されている。
なお、本発明において、外筒の所定部位に設けられる締結部は、コの字形状のスリットを形成することより、容易に形成することができる。この場合、コの字形状のスリットは、外筒の周方向一方側を除いた3方向を囲むように形成することが好ましい。このようにすれば、締結部を径方向内方側へ塑性変形させる際に、締結部の塑性変形させた面を周方向に対向させることができるので、締結部と凹部が、周方向において対向する面同士で係合する構造を確実に得ることができる。
請求項2に記載の発明は、前記スリットは、軸方向に延在する第1スリットと、周方向に延在する第2スリットとを有し、前記第1スリットと前記第2スリットが交差していることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、締結部を分割してより多く形成することが可能となるので、締結部を塑性変形させる際に、締結部に負荷される加工荷重を小さくすることができる。これにより、締結部を塑性変形させる際に、固定子コアに発生する欠けや割れ等のダメージを低減することができる。また、加工荷重が小さくなることによって、設備コストの低減が可能となる。
請求項3に記載の発明は、前記締結部と前記凹部は、接合されていることを特徴とする。請求項3に記載の発明によれば、締結部と凹部が接合されていることにより、外筒と固定子コアとをより強固に締結することができる。
請求項4に記載の発明は、前記締結部と前記凹部は、周方向において対向する面同士が係合していることを特徴とする。請求項4に記載の発明によれば、外筒と固定子コアとの周方向への相対回転をより確実に防止することができる。
請求項5に記載の発明は、前記締結部と前記凹部は、周方向に分割された前記分割コア毎にそれぞれ設けられていることを特徴とする。請求項5に記載の発明によれば、それぞれの分割コアが外筒と締結されているので、微振動等に入力時にそれぞれの分割コアの動きを抑制することができる。
請求項6に記載の発明は、前記締結部と前記凹部は、溶接固定されていることを特徴とする。請求項6に記載の発明によれば、外筒と固定子コアとの周方向への相対回転をより確実に防止することができる。
請求項7に記載の発明は、前記外筒は、前記固定子コアの外周面との間に隙間を有する状態で前記固定子コアの外周に嵌合されていることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、複数の鋼板を軸方向に積層して形成され且つ周方向に分割された複数の分割コアを円環状に組み付けてなる固定子コアと、該固定子コアの外周に嵌合締結された外筒と、前記固定子コアに巻装された固定子巻線と、を備えた回転電機の固定子の製造方法において、所定の前記分割コアの外周面に凹部を形成した前記固定子コアと、外周面と内周面とを連通し周方向に延びる複数の第2スリット及び該第2スリットの間を軸方向に延びる第1スリットを所定部位に形成して前記第1及び第2スリットに囲まれた部位に締結部が形成された前記外筒と、を準備する準備工程と、前記固定子巻線と前記固定子コアとを組み付ける組み付け工程と、前記固定子コアの外周に前記外筒を嵌合し、前記締結部の少なくとも一部を径方向内方側かつ周方向に向けて塑性変形させて前記固定子コアの前記凹部に係合させることにより前記外筒と前記固定子コアの複数の前記鋼板とを締結する締結工程と、を有することを特徴とする。
請求項8に記載の発明によれば、上記の準備工程と、組み付け工程と、締結工程とを行うようにしているため、加工荷重を低減しつつ、固定子コアと外筒との締結を実現し得るようにした回転電機の固定子を簡単に製造することができる。
請求項9に記載の発明は、前記締結工程の前に、予め前記締結部の少なくとも一部を径方向内方側へ塑性変形させる予備曲げ工程を行うことを特徴とする。
請求項9に記載の発明によれば、予備曲げ工程を行うことによって、締結工程を行う際に締結部のスプリングバック発生に伴い締結部と固定子コアとの間に形成される径方向の隙間を小さく抑制することができる。そのため、外筒の締結部と固定子コアの凹部との径方向の係合を確実にすることができるので、外筒と固定子コアとの締結を確実にすることが可能となる。
なお、予備曲げ工程における締結部の予備曲げ量は、固定子コアの外周に外筒を嵌合した際に、締結部が凹部の開口エッジ部に接触する状態となるように設定するのが、締結部と凹部とのより確実な係合を得るためには好ましい。しかし、この状態に締結部の予備曲げを行うと、固定子コアの外周に外筒を嵌合する際の嵌合作業に支障を来す恐れがあるため、それらのバランスを考慮して、締結部の予備曲げ量を設定すればよい。また、予備曲げ工程は、準備工程で外筒の所定部位にスリットを形成した後から締結工程で締結部の少なくとも一部を径方向内方側へ塑性変形させる本曲げ加工を行う前までの間であれば何時行ってもよいが、締結工程で固定子コアの外周に外筒を嵌合する前に行えば、予備曲げ加工を容易に行うことができる。
請求項10に記載の発明は、前記締結工程は、前記固定子コアの外周に前記外筒を嵌合した後、前記外筒を外周側から圧縮して弾性変形させた状態で、前記締結部の少なくとも一部を径方向内方側へ塑性変形させることを特徴とする。
請求項10に記載の発明によれば、締結部を塑性変形させた後、外筒への加圧を解除した際に、外筒が拡径方向に弾性復帰するのに伴って締結部が周方向に変位するため、その締結部と固定子コアの凹部の開口エッジ部との間に形成される周方向の隙間を小さく抑制することができる。そのため、外筒の締結部と固定子コアの凹部との周方向の係合を確実にすることができるので、外筒と固定子コアとの締結を確実にすることが可能となる。
請求項11に記載の発明は、前記締結工程において、前記締結部の少なくとも一部を径方向内方側へ塑性変形させる際に、前記締結部の内周面に前記凹部の開口エッジ部と係合する係合段部を形成することを特徴とする。
請求項11に記載の発明によれば、締結部を塑性変形させた後、外筒への加圧を解除した際に、外筒が拡径する方向に弾性復帰するのに伴って、締結部の内周面に形成された係合段部が固定子コアの凹部の開口エッジ部と係合する。これにより、係合段部と開口エッジ部との間に形成される周方向の隙間を確実に小さく抑制することができる。そのため、外筒の締結部と固定子コアの凹部との周方向の係合をより一層確実にすることができるので、外筒と固定子コアとの締結をより一層確実にすることが可能となる。
請求項12に記載の発明は、前記締結工程において、前記外筒を、前記固定子コアの外周面との間に隙間を有する状態で前記固定子コアの外周に嵌合させることを特徴とする。
実施形態1に係る回転電機の構成を模式的に示す軸方向断面図である。 実施形態1に係る固定子の全体斜視図である。 実施形態1において固定子コアの外周に外筒を嵌合した状態を示す斜視図である。 実施形態1において固定子コアと外筒との締結状態を示す要部断面図である。 実施形態1に係る固定子の製造方法の各工程を示すブロック図である。 実施形態1に係る固定子の製造方法の締結工程を示す説明図であって、(a)はパンチによる加工前の状態を示し、(b)はパンチによる加工後の状態を示す。 実施形態2において固定子コアの外周に外筒を嵌合した状態を示す斜視図である。 実施形態2において固定子コアと外筒の締結状態を示す要部断面図である。 実施形態3において固定子コアの外周に外筒を嵌合した状態を示す斜視図である。 実施形態3において固定子コアと外筒の締結状態を示す要部断面図である。 実施形態4において固定子コアの外周に外筒を嵌合した状態を示す斜視図である。 実施形態4において固定子コアと外筒の締結状態を示す要部断面図であって図11のA−A線に沿う断面図である。 実施形態5に係る固定子の製造方法の各工程を示すブロック図である。 実施形態5に係る固定子の製造方法の各工程を模式的に示す説明図であって、(a)は予備曲げ工程を示し、(b)は締結工程において固定子コアの外周に外筒を嵌合した状態を示し、(c)は締結工程において外筒を縮径させた状態を示し、(d)は締結工程において締結部のかしめ加工を施した状態を示し、(e)は締結工程において外筒の縮径を開放した状態を示す。 従来の固定子において固定子コアと外筒とを締結する状態を示す説明図である。
以下、本発明の回転電機の固定子を具体化した一実施形態について図面を参照しつつ具体的に説明する。
〔実施形態1〕
図1は、実施形態1に係る回転電機の構成を模式的に示す軸方向断面図である。本実施形態に係る回転電機は、車両用の電動機として使用されるものであって、図1に示すように、略有底筒状の一対のハウジング部材10a,10bが開口部同士で接合されてなるハウジング10と、ハウジング10に軸受け11,12を介して回転自在に支承される回転軸13に固定された回転子14と、ハウジング10の内部で回転子14を包囲する位置でハウジング10に固定された固定子20と、を備えている。
回転子14は、固定子20の内周側と向き合う外周側に、永久磁石により磁性が周方向に交互に異なる磁極を複数形成している。回転子14の磁極の数は、回転電機により異なるため限定されるものではない。本実施形態においては、8極(N極:4、S極:4)の回転子が用いられている。
次に、図2〜図4を参照して固定子20について説明する。図2は、実施形態1に係る固定子の斜視図である。図3は、実施形態1において固定子コアの外周に外筒を嵌合した状態を示す斜視図である。図4は、実施形態1において固定子コアと外筒との締結状態を示す要部断面図である。
固定子20は、図2に示すように、周方向に分割された複数の分割コア32を円環状に組み付けてなる固定子コア30と、固定子コア30に巻装された三相の固定子巻線40と、固定子コア30の外周に嵌合固定された円筒状の外筒50と、を備えている。
固定子コア30は、所定数(本実施形態では24個)の分割コア32を周方向に連結して円環状に形成され、その内周側に周方向に配列された複数のスロット31を有する。スロット31は、その深さ方向が径方向と一致するように形成されている。固定子コア30に形成されたスロット31の数は、回転子14の磁極数(8磁極)に対し、固定子巻線40の一相あたり2個の割合で形成されている。本実施形態では、8×3×2=48より、スロット数は48個とされている。
スロット31には、固定子コア30に巻装された固定子巻線40を構成する導線45のスロット収容部が設置されている。本実施形態では、図4に示すように、各スロット31に12本の導線45のスロット収容部が径方向に一列に整列した状態で設置されている。
分割コア32は、一つのスロット31を区画するとともに、周方向で隣接する分割コア32との間で一つのスロット31を区画する形状を呈している。具体的には、分割コア32は、図4に示すように、径方向内方に突出する一対のティース部33と、ティース部33を径方向外方で連結するバックコア部34とを有している。分割コア32は、プレス打ち抜き加工により所定形状に形成された複数の電磁鋼板を固定子コア30の軸方向に積層してかしめ固定することにより形成されている。
なお、24個のうちの1個の分割コア32の外周面には、外筒50に設けられた後述の第1及び第2締結部52a、52bが当接した状態で係合している凹部35(図4参照)が設けられている。この凹部35は、所定の幅で分割コア32の軸方向両端付近まで軸方向に延びる溝状に形成されている。凹部35の周方向両側の側壁は、径方向内方側の底部に向かうにつれて互いに近づくように傾斜した傾斜面とされている。この凹部35は、径方向内方に突出する一対のティース部33のうちの一方のティース部33と対応する位置に設けられている。
固定子巻線40は、所定の波形形状に成形した所定数(本実施形態では12本)の導線45を所定の状態に積み重ねて帯状の導線集積体を形成し、その導線集積体を渦巻き状に巻き付ける(本実施形態では6周)ことにより円筒形状に成形されている。固定子巻線40を構成する導線45は、固定子コア30のスロット31に設置されるスロット収容部と、周方向の異なるスロット31に収容されているスロット収容部同士をスロット31の外部で接続しているターン部とを有する波形形状に形成されている。導線45は、矩形断面の導体と、導体の外周を被覆する絶縁皮膜とからなる絶縁被覆平角線が採用されている。
固定子コア30は、円筒形状に成形された固定子巻線40に対して、外周側からティース部33が挿入された所定数の分割コア32により円環状に組み付けられている。これにより、固定子巻線40は、図2に示すように、各導線45の所定のスロット収容部が固定子コア30の所定のスロット31内に収容された状態に組付けられる。この場合、各導線45のスロット収容部は、所定のスロット数(本実施形態では3相×2個(倍スロット)=6個)ごとのスロット31に収容されている。また、導線45の隣り合うスロット収容部同士を接続しているターン部は、固定子コア30の軸方向の両端面30aからそれぞれ突出し、その突出している多数のターン部により、固定子巻線40の軸方向両端部にコイルエンド部42が形成されている。
固定子巻線40に対して所定数の分割コア32を円環状に組み付けてなる固定子コア30は、分割コア32の外周に嵌合された円筒状の外筒50により円環状に固定(保形)されている。図2及び図3に示すように、外筒50の所定の1箇所には、軸方向に延在する1本の第1スリット51aと、周方向に延在する2本の第2スリット51bとからなるエの字形状のスリット51が設けられている。これにより、第1スリット51aの周方向両側には、1本の第1スリット51aと2本の第2スリット51bにより外筒50の周方向一方側を除いた3方向を囲むように形成されたコの字形状のスリット51が形成されており、コの字形状のスリット51に囲まれたそれぞれの部位には、第1及び第2締結部52a、52bが形成されている。
第1及び第2締結部52a、52bは、第1スリット51a側の先端部が径方向内方側へ向けて塑性変形させられて、固定子コア30の外周面に設けられた凹部35に当接した状態で係合しており、これにより、外筒50と固定子コア30とが締結されている。この場合、第1締結部52aの先端部は、内面が凹部35の周方向一方側(図4の左側)にある側壁の傾斜面に当接している。また、第2締結部52bの先端部は、内面が凹部35の周方向他方側(図4の右側)にある側壁の傾斜面に当接している。即ち、第1及び第2締結部52a、52bと凹部35は、周方向において対向する面同士が当接していることにより、外筒50と固定子コア30との周方向両側への相対回転がより確実に防止されるようになっている。
また、塑性変形して凹部35内に進入した第1及び第2締結部52a、52bの先端部は、軸方向両端が凹部35の軸方向両側の側壁に当接することによって、外筒50と固定子コア30の軸方向への相対移動を規制する。さらに、本実施形態では、第1及び第2締結部52a、52bの先端部と凹部35の底面が溶接固定されている。これにより、外筒50と固定子コア30との周方向両側への相対回転、及び軸方向への相対移動が更に確実に防止されるようになっている。
次に、本実施形態の固定子20の製造方法について説明する。本実施形態の固定子20の製造方法は、図5に示すように、所定の固定子コア30及び外筒50を準備する準備工程101と、固定子巻線40と固定子コア30とを組み付ける組み付け工程102と、外筒50と固定子コア30とを締結する締結工程103とを順に行うものである。
先ず、準備工程101では、所定の分割コア32の外周面に凹部35を形成した固定子コア30と、第1スリット51aと第2スリット51bよりなるエの字形状のスリット51を所定部位に形成して、スリット51に囲まれたそれぞれの部位に第1及び第2締結部52a、52bが形成された外筒50を準備する。
次の組み付け工程102では、円筒状に成形された固定子巻線40に対して、外周側から各分割コア32のティース部33を挿入して、所定数の分割コア32を固定子巻線40の周方向に沿って円環状に組み付ける。これにより、固定子巻線40が固定子コア30に巻装された状態に組み付けられる。
次の締結工程103では、固定子巻線40が巻装された固定子コア30の外周に外筒50を、固定子コア30の凹部35と外筒50の第1及び第2締結部52a、52bとを位置合わせして軸方向に嵌合する。この場合、固定子コア30の凹部35の周方向中央に外筒50の第1スリット51aが位置するように外筒50を嵌合する。
続いて、図6(a)に示すように、パンチ(押圧部材)61を、外筒50に形成された第1スリット51aの周方向両側にある第1及び第2締結部52a、52bの先端部のそれぞれに外周側から当接させて打ち込むことにより、第1及び第2締結部52a、52bの先端部を径方向内方側へ向けて塑性変形させる。これにより、図6(b)に示すように、第1及び第2締結部52a、52bの先端部の内面を、凹部35の周方向両側にある側壁の傾斜面にそれぞれ当接させる。その後、第1及び第2締結部52a、52bの先端部と凹部35の底面を溶接固定して、締結工程103を終了する。これにより、外筒50と固定子コア30とが強固に締結される。
その後、必要に応じて仕上げ処理等を適宜施して、図2に示す固定子20を完成させ、全工程を終了する。
以上のように、本実施形態の固定子20によれば、外筒50は、少なくとも一部が径方向内方側へ塑性変形されて固定子コア30の凹部35に当接した状態で係合する第1及び第2締結部52a、52bを有するので、外筒50と固定子コア30との締結を実現し、外筒50と固定子コア30との周方向への相対回転を防止することができる。特に、第1及び第2締結部52a、52bは、外周面と内周面とを連通するスリット51に囲まれた部位に形成されているので、第1及び第2締結部52a、52bを径方向内方側へ塑性変形させて凹部35に当接させる際の加工荷重を大幅に低減することができる。
また、本実施形態では、第1及び第2締結部52a、52bと凹部35は、周方向において対向する面同士が当接しているので、外筒50と固定子コア30との周方向への相対回転をより確実に防止することができる。また、第1及び第2締結部52a、52bと凹部35は、溶接固定されているため、外筒50と固定子コア30との周方向への相対回転、及び軸方向への相対移動をさらに確実に防止することができる。
特に、本実施形態では、エの字形状のスリット51を形成することにより2個の第1及び第2締結部52a、52bを形成して、外筒50と固定子コア30との周方向両側への相対回転を防止するようにしている。そのため、本実施形態の固定子コア30は、電動機と発電機の機能を選択的に使用可能に構成された回転電機のように、トルク伝達方向が逆方向に変化する回転電機にも適用することができる。
そして、本実施形態の固定子20の製造方法によれば、準備工程101と、組み付け工程102と、締結工程103とを行うようにしているため、加工荷重を低減しつつ、固定子コア30と外筒50の締結を実現し得るようにした回転電機の固定子を簡単に製造することができる。
〔実施形態2〕
図7は、実施形態2において固定子コアの外周に外筒を嵌合した状態を示す斜視図である。図8は、実施形態2において固定子コアと外筒の締結状態を示す要部断面図である。
実施形態2の固定子20は、実施形態1の固定子20と基本的構成が同じであるが、図7及び図8に示すように、外筒50に設けられるスリット51の形状が実施形態1と異なる。以下、異なる点を説明する。
実施形態2において、外筒50の所定の1箇所には、軸方向に延在する1本の第1スリット53aと、周方向に延在する2本の第2スリット53bとからなるコの字形状のスリット53が設けられている。このスリット53は、1本の第1スリット53aと2本の第2スリット53bにより外筒50の周方向一方側(図7の左側)を除いた3方向を囲むように形成されたコの字形状に形成されており、コの字形状のスリット53に囲まれた部位には、それぞれ締結部54が形成されている。
この締結部54は、第1スリット53a側の先端部が径方向内方側へ向けて塑性変形させられて、固定子コア30の外周面に設けられた凹部35に当接した状態で係合しており、これにより、外筒50と固定子コア30とが締結されている。この場合、締結部54の先端部の内面が、凹部35の周方向一方側(図8の左側)にある側壁の傾斜面に当接している。即ち、締結部54と凹部35は、周方向において対向する面同士が当接していることにより、外筒50と固定子コア30との周方向一方側への相対回転がより確実に防止されるようになっている。
以上のように構成された実施形態2の固定子20によれば、外筒50は、少なくとも一部が径方向内方側へ塑性変形されて固定子コア30の凹部35に当接した状態で係合する締結部54を有するので、締結部54を径方向内方側へ塑性変形させて凹部35に当接させる際の加工荷重を大幅に低減しつつ、固定子コア30と外筒50との締結を実現することができる等、実施形態1と同様の作用及び効果を奏する。
〔実施形態3〕
図9は、実施形態3において固定子コアの外周に外筒を嵌合した状態を示す斜視図である。図10は、実施形態3において固定子コアと外筒の締結状態を示す要部断面図である。
実施形態3の固定子20は、実施形態1の固定子20と基本的構成が同じであるが、図9及び図10に示すように、外筒50に設けられるスリット55の形状が実施形態1と異なる。以下、異なる点を説明する。
実施形態3において、外筒50の所定の1箇所には、軸方向に延在する1本の第1スリット55aと、周方向に延在する3本の第2スリット55bとからなる王の字形状のスリット55が設けられている。これにより、第1スリット55aの周方向両側には、1本の第1スリット55aと2本の第2スリット55bにより外筒50の周方向一方側を除いた3方向を囲むように形成されたコの字形状のスリット55が2個ずつ合計4個形成されており、それらコの字形状のスリット55に囲まれた4箇所の部位には、第1〜第4締結部56a〜56dが形成されている。
即ち、実施形態3の場合には、軸方向両側にある2本の第2スリット55bの間に、第1スリット55aと直角に交差する1本の第2スリット55bが形成されていることによって、軸方向両側にある2本の第2スリット55bの間には2個に分割された第1及び第2締結部56a、56bと第3及び第4締結部56c、56dが形成されている。これにより、4箇所に形成された第1〜第4締結部56a〜56dは、実施形態1の第1及び第2締結部52a、52bに比べて、軸方向幅が約1/2の大きさになっている。そのため、図10に示すように、第1〜第4締結部56a〜56dの第1スリット55a側の先端部が、径方向内方側へ向けて塑性変形させられて、固定子コア30の外周面に設けられた凹部35に当接する際には、第1〜第4締結部56a〜56dに負荷される加工荷重を小さくすることができる。
なお、第1〜第4締結部56a〜56dの先端部は、内面が凹部35の周方向両側にある側壁の傾斜面にそれぞれ当接した状態で係合している。よって、実施形態3の場合にも、第1〜第4締結部56a〜56dと凹部35は、周方向において対向する面同士が当接した状態で係合していることにより、外筒50と固定子コア30との周方向両側への相対回転がより確実に防止されるようになっている。
以上のように構成された実施形態3の固定子20によれば、外筒50は、少なくとも一部が径方向内方側へ塑性変形されて固定子コア30の凹部35に当接した状態で係合する第1〜第4締結部56a〜56dを有するので、第1〜第4締結部56a〜56dを径方向内方側へ塑性変形させて凹部35に当接させる際の加工荷重を大幅に低減しつつ、固定子コア30と外筒50との締結を実現することができる等、実施形態1と同様の作用及び効果を奏する。
特に、実施形態3の場合には、スリット55は、軸方向に延在する1本の第1スリット55aと、周方向に延在する3本の第2スリット55bとからなる王の字形状に形成されており、軸方向両側にある2本の第2スリット55bの間に、第1スリット55aと直角に交差する1本の第2スリット55bが形成されていることによって、軸方向両側にある2本の第2スリット55bの間に形成された第1及び第2締結部56a、56b、第3及び第4締結部56c、56dが2個に分割されている。そのため、第1〜第4締結部56a〜56dを塑性変形させる際に、第1〜第4締結部56a〜56dに負荷される加工荷重を、実施形態1よりもさらに小さくすることができるので、固定子コア30に発生する欠けや割れ等のダメージを低減することができる。また、加工荷重が大幅に小さくなることによって、設備コストの低減が可能となる。
〔実施形態4〕
図11は、実施形態4において固定子コアの外周に外筒を嵌合した状態を示す斜視図である。図12は、実施形態4において固定子コアと外筒の締結状態を示す要部断面図であって図11のA−A線に沿う断面図である。
実施形態4の固定子20は、実施形態1の固定子20と基本的構成が同じであるが、図11及び図12に示すように、外筒50に設けられるスリット57の形状が実施形態1と異なる。以下、異なる点を説明する。
実施形態4において、外筒50の所定の1箇所には、軸方向に延在する2本の第1スリット57aと、周方向に延在する3本の第2スリット57bとからなる逆Sの字形状のスリット57が設けられている。これにより、中央の第2スリット57bの軸方向両側には、1本の第1スリット57aと2本の第2スリット57bにより外筒50の周方向一方側を除いた3方向を囲むように形成されたコの字形状のスリット57が形成されており、コの字形状のスリット57に囲まれたそれぞれの部位には、第1及び第2締結部58a、58bが形成されている。
また、固定子コア30を構成する24個のうちの1個の分割コア32の外周面には、外筒50に設けられた第1及び第2締結部58a、58bがそれぞれ当接(係合)している2個の凹部35a、35bが設けられている。第1及び第2凹部35a、35bは、径方向内方に突出する一対のティース部33と対応する位置に設けられている。この場合、第1締結部58aの先端部は、第1凹部35aの周方向一方側(図12の左側)にある傾斜面よりなる側壁に当接している。また、第2締結部58bの先端部は、第2凹部35bの周方向他方側(図12の右側)にある傾斜面よりなる側壁に当接している。これにより、実施形態4の場合にも、第1及び第2締結部58a、58bと凹部35は、周方向において対向する面同士が当接していることにより、外筒50と固定子コア30との周方向両側への相対回転がより確実に防止されるようになっている。
なお、第1及び第2締結部58a、58bは、実施形態1の第1及び第2締結部52a、52bに比べて、軸方向幅が約1/2の大きさになっている。そのため、実施形態4の場合にも、図12に示すように、第1及び第2締結部58a、58bの先端部が、径方向内方側へ向けて塑性変形させられて、固定子コア30の外周面に設けられた凹部35に当接する際には、第1及び第2締結部58a、58bに負荷される加工荷重を小さくすることができる。
以上のように構成された実施形態4の固定子20によれば、外筒50は、少なくとも一部が径方向内方側へ塑性変形されて固定子コア30の第1及び第2凹部35a、35bに当接した状態で係合する第1及び第2締結部58a、58bを有するので、第1及び第2締結部58a、58bを径方向内方側へ塑性変形させて第1及び第2凹部35a、35bに当接させる際の加工荷重を大幅に低減しつつ、固定子コア30と外筒50との締結を実現することができる等、実施形態1と同様の作用及び効果を奏する。
〔実施形態5〕
図13は、実施形態5に係る固定子の製造方法の各工程を示すブロック図である。図14は、実施形態5に係る固定子の製造方法の各工程を模式的に示す説明図であって、(a)は予備曲げ工程を示し、(b)は締結工程において固定子コアの外周に外筒を嵌合した状態を示し、(c)は締結工程において外筒を縮径させた状態を示し、(d)は締結工程において締結部のかしめ加工を施した状態を示し、(e)は締結工程において外筒の縮径を開放した状態を示す。なお、図14(b)(c)(d)(e)において、固定子コアに組み付けられた固定子巻線は省略されている。
実施形態5の固定子20は、実施形態1の固定子20(図2参照)と基本的構成が同じであるが、図13及び図14に示すように、その製造方法が実施形態1と異なる。以下、実施形態5の固定子20の製造方法の異なる点を中心に説明するとともに、固定子20の異なる点を説明する。なお、本実施形態では、固定子20の実施形態1と共通する部材には同じ符号を付して詳しい説明は省略する。
実施形態5の固定子20の製造方法は、所定の固定子コア30及び外筒50を準備する準備工程201と、予め第1及び第2締結部52a、52bの少なくとも一部を径方向内方側へ塑性変形させる予備曲げ工程202と、固定子巻線40と固定子コア30とを組み付ける組み付け工程203と、外筒50と固定子コア30とを締結する締結工程204とを順に行うものである。
準備工程201では、所定の分割コア32の外周面に凹部35を形成した固定子コア30と、第1スリット51aと第2スリット51bよりなるエの字形状のスリット51を所定部位に形成して、スリット51に囲まれたそれぞれの部位に第1及び第2締結部52a、52bが形成された外筒50を準備する。なお、固定子コア30に形成される凹部35は、実施形態1では、凹部35の周方向両側の側壁が径方向内方側の底部に向かうにつれて互いに近づくように傾斜した傾斜面とされているのに対して、実施形態5では、凹部35の周方向両側の側壁が底面及び分割コア32の外周面と略直角に交わる平面とされている点で異なる。
次の予備曲げ工程202では、図14(a)に示すように、図示しないパンチ(押圧部材)を用いて外筒50の第1及び第2締結部52a、52bに曲げ加工を施して、第1及び第2締結部52a、52bの全体を径方向内方側へ塑性変形させる。この場合、第1及び第2締結部52a、52bの予備曲げ量は、第1及び第2締結部52a、52bと凹部35とのより確実な係合と、締結工程204において行う固定子コア30の外周に外筒50を嵌合する嵌合作業の容易さとのバランスを考慮して適宜設定される。本実施形態では、締結工程204において固定子コア30の外周に外筒50を嵌合した際に、第1及び第2締結部52a、52bと凹部35の周方向両側の開口エッジ部とが接触する状態、或いは所定距離離間した状態となるように設定されている。なお、この予備曲げ工程202は、準備工程201で外筒50にスリット51を形成した直後に連続して行うようにすれば、作業効率の向上を図ることができる。
次の組み付け工程203では、実施形態1と同様に、円筒状に成形された固定子巻線40に対して、外周側から各分割コア32のティース部33を挿入して、所定数の分割コア32を固定子巻線40の周方向に沿って円環状に組み付ける。これにより、固定子巻線40が固定子コア30に巻装された状態に組み付けられる。
次の締結工程204では、図14(b)に示すように、固定子巻線40が巻装された固定子コア30の外周に外筒50を、固定子コア30の凹部35と外筒50の第1及び第2締結部52a、52bとを位置合わせして軸方向に嵌合する。この場合、固定子コア30の凹部35の周方向中央に外筒50の第1スリット51aが位置するように外筒50を嵌合する。
続いて、図14(c)に示すように、固定子コア30の外周に嵌合された外筒50の外周側に配置された複数のダイス63を外筒50の求心方向に進出させて、外筒50を外周側から圧縮して弾性変形させる。これにより、第1及び第2締結部52a、52bの先端は、凹部35の周方向中央に向かって互いに近づくように変位する。そして、このように外筒50を圧縮した状態で、図14(d)に示すように、パンチ(押圧部材)62を、外筒50に形成された第1スリット51aの周方向両側にある第1及び第2締結部52a、52bの先端部のそれぞれに外周側から当接させて打ち込むことにより、第1及び第2締結部52a、52bの先端部を径方向内方側へ向けて塑性変形させる。このとき、パンチ62により第1及び第2締結部52a、52bを塑性変形させる際には、第1及び第2締結部52a、52bの内周面に凹部35の開口エッジ部と係合する係合段部59を形成する。
続いて、図14(e)に示すように、外筒50の外周側に配置された複数のダイス63を外筒50の遠心方向に後退させて外筒50への加圧を解除する。これにより、外筒50が拡径する方向に弾性復帰するのに伴って、第1及び第2締結部52a、52bの内周面にそれぞれ形成された係合段部59が凹部35の周方向両側の開口エッジ部とそれぞれ係合する。これにより、外筒50と固定子コア30とが強固に締結され、締結工程204を終了する。
その後、必要に応じて仕上げ処理等を適宜施して、図2に示す固定子20を完成させ、全工程を終了する。
以上のように、本実施形態の固定子20の製造方法によれば、締結工程204の前に、予め第1及び第2締結部52a、52bを径方向内方側へ塑性変形させる予備曲げ工程202を行うようにしている。そのため、締結工程204を行う際に第1及び第2締結部52a、52bのスプリングバック発生に伴い第1及び第2締結部52a、52bと固定子コア30との間に形成される径方向の隙間を小さく抑制することができる。そのため、外筒50の第1及び第2締結部52a、52bと固定子コア30の凹部35との径方向の係合を確実にすることができるので、外筒50と固定子コア30との締結を確実にすることが可能となる。
また、本実施形態の締結工程204は、固定子コア30の外周に外筒50を嵌合した後、外筒50を外周側から圧縮して弾性変形させた状態で、第1及び第2締結部52a、52bを径方向内方側へ塑性変形させるようにしている。そのため、第1及び第2締結部52a、52bを塑性変形させた後、外筒50への加圧を解除した際に、外筒50が拡径方向に弾性復帰するのに伴って第1及び第2締結部52a、52bが周方向に変位するため、第1及び第2締結部52a、52bと凹部35の開口エッジ部との間に形成される周方向の隙間を小さく抑制することができる。そのため、外筒50の第1及び第2締結部52a、52bと凹部35との周方向の係合を確実にすることができるので、外筒50と固定子コア30との締結を確実にすることが可能となる。
さらに、締結工程204において、第1及び第2締結部52a、52bの先端部を径方向内方側へ塑性変形させる際に、第1及び第2締結部52a、52bの内周面に凹部35の開口エッジ部と係合する係合段部59を形成するようにしている。これにより、係合段部59と開口エッジ部との間に形成される周方向の隙間を確実に小さく抑制することができる。そのため、外筒50の第1及び第2締結部52a、52bと固定子コア30の凹部35との周方向の係合をより一層確実にすることができるので、外筒50と固定子コア30との締結をより一層確実にすることが可能となる。
〔他の実施形態〕
本発明は、上記の実施形態1〜4に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更することが可能である。
例えば、実施形態1〜4においては、外筒50の締結部と固定子コア30の凹部35は、1個の分割コア32に相当する部位に設けられていたが、締結部と凹部を、周方向に分割された分割コア32毎にそれぞれ設けるようにしてもよい。このようにすれば、それぞれの分割コア32が外筒50と締結されているので、微振動等の入力時にそれぞれの分割コア32の動きを抑制することができる。
1…回転電機、 10…ハウジング、 11、12…軸受け、 13…回転軸、 14…回転子、 20…固定子、 30…固定子コア、 31…スロット、 32…分割コア、 33…ティース部、 34…バックコア部、 35…凹部、 35a…第1凹部、 35b…第2凹部、 40…固定子巻線、 42…コイルエンド部、 45…導線、 50…外筒、 51、53、55、57…スリット、 51a、53a、55a、57a…第1スリット、 51b、53b、55b、57b…第2スリット、 54…締結部、 52a、56a、58a…第1締結部、 52b、56b、58b…第2締結部、 56c…第3締結部、 56d…第4締結部、 59…係合段部、 61、62…パンチ、 63…ダイス。

Claims (12)

  1. 複数の鋼板を軸方向に積層して形成され且つ周方向に分割された複数の分割コアを円環状に組み付けてなる固定子コアと、該固定子コアに巻装された固定子巻線と、前記固定子コアの外周に嵌合締結された外筒と、を備えた回転電機の固定子において、
    前記固定子コアは、外周面に凹部を有し、
    前記外筒は、外周面と内周面とを連通し周方向に延びる複数の第2スリット及び該第2スリットの間を軸方向に延びる第1スリットが形成されて前記第1及び第2スリットに囲まれた部位に形成された締結部を有し、該締結部の少なくとも一部を径方向内方側かつ周方向に向けて塑性変形させて前記凹部に係合させることにより前記外筒と前記固定子コアの複数の前記鋼板とが締結されていることを特徴とする回転電機の固定子。
  2. 前記スリットは、軸方向に延在する第1スリットと、周方向に延在する第2スリットとを有し、前記第1スリットと前記第2スリットが交差していることを特徴とする請求項1に記載の回転電機の固定子。
  3. 前記締結部と前記凹部は、接合されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の回転電機の固定子。
  4. 前記締結部と前記凹部は、周方向において対向する面同士が係合していることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の回転電機の固定子。
  5. 前記締結部と前記凹部は、周方向に分割された前記分割コア毎にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の回転電機の固定子。
  6. 前記締結部と前記凹部は、溶接固定されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の回転電機の固定子。
  7. 前記外筒は、前記固定子コアの外周面との間に隙間を有する状態で前記固定子コアの外周に嵌合されていることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の回転電機の固定子。
  8. 複数の鋼板を軸方向に積層して形成され且つ周方向に分割された複数の分割コアを円環状に組み付けてなる固定子コアと、該固定子コアの外周に嵌合締結された外筒と、前記固定子コアに巻装された固定子巻線と、を備えた回転電機の固定子の製造方法において、
    所定の前記分割コアの外周面に凹部を形成した前記固定子コアと、外周面と内周面とを連通し周方向に延びる複数の第2スリット及び該第2スリットの間を軸方向に延びる第1スリットを所定部位に形成して前記第1及び第2スリットに囲まれた部位に締結部が形成された前記外筒と、を準備する準備工程と、
    前記固定子巻線と前記固定子コアとを組み付ける組み付け工程と、
    前記固定子コアの外周に前記外筒を嵌合し、前記締結部の少なくとも一部を径方向内方側かつ周方向に向けて塑性変形させて前記固定子コアの前記凹部に係合させることにより前記外筒と前記固定子コアの複数の前記鋼板とを締結する締結工程と、
    を有することを特徴とする回転電機の固定子の製造方法。
  9. 前記締結工程の前に、予め前記締結部の少なくとも一部を径方向内方側へ塑性変形させる予備曲げ工程を行うことを特徴とする請求項8に記載の回転電機の固定子の製造方法。
  10. 前記締結工程は、前記固定子コアの外周に前記外筒を嵌合した後、前記外筒を外周側から圧縮して弾性変形させた状態で、前記締結部の少なくとも一部を径方向内方側へ塑性変形させることを特徴とする請求項8又は9に記載の回転電機の固定子の製造方法。
  11. 前記締結工程において、前記締結部の少なくとも一部を径方向内方側へ塑性変形させる際に、前記締結部の内周面に前記凹部の開口エッジ部と係合する係合段部を形成することを特徴とする請求項10に記載の回転電機の固定子の製造方法。
  12. 前記締結工程において、前記外筒を、前記固定子コアの外周面との間に隙間を有する状態で前記固定子コアの外周に嵌合させることを特徴とする請求項8〜11の何れか一項に記載の回転電機の固定子の製造方法。
JP2013255026A 2011-01-11 2013-12-10 回転電機の固定子及びその製造方法 Active JP5682800B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013255026A JP5682800B2 (ja) 2011-01-11 2013-12-10 回転電機の固定子及びその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011003061 2011-01-11
JP2011003061 2011-01-11
JP2013255026A JP5682800B2 (ja) 2011-01-11 2013-12-10 回転電機の固定子及びその製造方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011270573A Division JP2012161237A (ja) 2011-01-11 2011-12-09 回転電機の固定子及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014045651A true JP2014045651A (ja) 2014-03-13
JP5682800B2 JP5682800B2 (ja) 2015-03-11

Family

ID=46841317

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011270573A Pending JP2012161237A (ja) 2011-01-11 2011-12-09 回転電機の固定子及びその製造方法
JP2013255026A Active JP5682800B2 (ja) 2011-01-11 2013-12-10 回転電機の固定子及びその製造方法

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011270573A Pending JP2012161237A (ja) 2011-01-11 2011-12-09 回転電機の固定子及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (2) JP2012161237A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016048975A (ja) * 2014-08-27 2016-04-07 株式会社デンソー ダブルステータ型回転電機

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9806566B2 (en) 2012-08-30 2017-10-31 Asmo Co., Ltd. Brushless motor, stator, stator manufacturing method and brushless motor manufacturing method
JP2014050187A (ja) * 2012-08-30 2014-03-17 Asmo Co Ltd ステータ、ステータの製造方法及びブラシレスモータ
JP6116327B2 (ja) * 2013-04-11 2017-04-19 三菱電機株式会社 電気機械の電機子およびその製造方法
JP6070996B2 (ja) * 2013-06-04 2017-02-01 株式会社デンソー 回転電機の固定子の製造方法
JP6127794B2 (ja) * 2013-07-18 2017-05-17 株式会社デンソー 回転電機の固定子
WO2021059502A1 (ja) * 2019-09-27 2021-04-01 三菱電機株式会社 電機子鉄心、電機子および電動機

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5510853A (en) * 1978-07-10 1980-01-25 Shibaura Eng Works Co Ltd Motor
JPS57113648U (ja) * 1980-12-27 1982-07-14
JPS6343541A (ja) * 1986-08-06 1988-02-24 Matsushita Seiko Co Ltd モ−タの固定子
JPH05199695A (ja) * 1992-01-20 1993-08-06 Toshiba Corp 回転電機の固定子枠
JP2001268855A (ja) * 2000-03-23 2001-09-28 Denso Corp 整流子及びその製造方法
JP2007043845A (ja) * 2005-08-04 2007-02-15 Toyota Motor Corp ステータ構造およびステータの製造方法
JP2007507195A (ja) * 2003-06-26 2007-03-22 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング プレス嵌めを介して互いに結合された構成部分を備えた装置、特に電気機械
JP2007522786A (ja) * 2004-02-14 2007-08-09 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 電気機械に用いられる固定子アッセンブリ
JP2010041851A (ja) * 2008-08-06 2010-02-18 Daikin Ind Ltd 固定子とケーシングとの固定構造及びそれを備えた圧縮機

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4562093B2 (ja) * 2006-03-16 2010-10-13 三菱電機株式会社 回転電機および回転電機の製造方法

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5510853A (en) * 1978-07-10 1980-01-25 Shibaura Eng Works Co Ltd Motor
JPS57113648U (ja) * 1980-12-27 1982-07-14
JPS6343541A (ja) * 1986-08-06 1988-02-24 Matsushita Seiko Co Ltd モ−タの固定子
JPH05199695A (ja) * 1992-01-20 1993-08-06 Toshiba Corp 回転電機の固定子枠
JP2001268855A (ja) * 2000-03-23 2001-09-28 Denso Corp 整流子及びその製造方法
JP2007507195A (ja) * 2003-06-26 2007-03-22 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング プレス嵌めを介して互いに結合された構成部分を備えた装置、特に電気機械
JP2007522786A (ja) * 2004-02-14 2007-08-09 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 電気機械に用いられる固定子アッセンブリ
JP2007043845A (ja) * 2005-08-04 2007-02-15 Toyota Motor Corp ステータ構造およびステータの製造方法
JP2010041851A (ja) * 2008-08-06 2010-02-18 Daikin Ind Ltd 固定子とケーシングとの固定構造及びそれを備えた圧縮機

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016048975A (ja) * 2014-08-27 2016-04-07 株式会社デンソー ダブルステータ型回転電機
US10020697B2 (en) 2014-08-27 2018-07-10 Denso Corporation Double-stator electric rotating machine

Also Published As

Publication number Publication date
JP5682800B2 (ja) 2015-03-11
JP2012161237A (ja) 2012-08-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5682800B2 (ja) 回転電機の固定子及びその製造方法
US9397541B2 (en) Stator for electric rotating machine and method of manufacturing the same
JP5859112B2 (ja) 回転電機の電機子、及び回転電機の電機子の製造方法
US9583987B2 (en) Stator for electric rotating machine and method of manufacturing the same
JP6070996B2 (ja) 回転電機の固定子の製造方法
JP2007104812A (ja) 配電部材
JP6084039B2 (ja) ブラシレスモータ
JP6200720B2 (ja) ブラシレスモータ及びブラシレスモータの製造方法
JP2009268159A (ja) インナーロータ型回転電機のステータ及びその製造方法
JP6818476B2 (ja) 回転電機の固定子鉄心
WO2015173932A1 (ja) 回転電機の電機子鉄心および電機子の製造方法
JP5376262B2 (ja) 回転電機の固定子及びその製造方法
JP2012023805A (ja) 電動機の固定子とその製造方法
JP2010259174A (ja) モータステータの製造方法
JP5146077B2 (ja) モータ及びその製造方法
JP2015023630A (ja) ステータの製造方法及びステータ
JP2012228094A (ja) 回転電機の固定子
JPH10136618A (ja) 積層鉄心の製造方法
JP6084040B2 (ja) ステータの製造方法
JP5607591B2 (ja) ステータ用外筒、ステータ、及びステータの製造方法
CN103915919A (zh) 用于旋转电机的定子以及制造所述定子的方法
JP6045300B2 (ja) ステータの製造方法
JP5751441B2 (ja) 回転電機の固定子
JPH10309065A (ja) 回転電機の回転子の製造方法
JP5921302B2 (ja) 回転電機の積層鉄心及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20131211

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20141112

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141218

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141231

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5682800

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250