JP2014044924A - 高遮断容量ヒューズ - Google Patents
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Abstract
【課題】高遮断容量ヒューズは、可溶体の周囲に粒状の消弧剤を充填し、また可溶体に狭隘部を設け遮断性能を確保するのが一般的であるが、消弧剤が粒状故に充填作業が難しく、またその粒度の管理や筒内への充填密度の違いが消弧性能に大きなバラツキを生じさせ遮断特性が不安定となる問題や、狭隘部を設けた可溶体は、その狭隘部が耐久性を低下させる問題がある。
【解決手段】硫酸カルシウムから成り可溶体外周に接触する細溝と細溝に比べ数倍以上の大きな径を有し幅の狭い半円筒空間を複数個形成した二つ割構造の容器に断面積が一様な可溶体を挟み収納する。
【選択図】図1
【解決手段】硫酸カルシウムから成り可溶体外周に接触する細溝と細溝に比べ数倍以上の大きな径を有し幅の狭い半円筒空間を複数個形成した二つ割構造の容器に断面積が一様な可溶体を挟み収納する。
【選択図】図1
Description
本考案は電流ヒューズに関するもので、特に大電流の遮断を必要とする高遮断容量ヒューズの改良に関するものである。
従来、高遮断容量ヒューズとして、遮断性能を確保するため金属平板を打ち抜き加工により断面積を部分的に小さくした狭隘部を設けた可溶体と、その周囲を粒状の消弧剤を充填する或いは粒状の消弧剤を可溶体の形にプレスにより押し固めたもので挟み込むことにより、短絡電流で可溶体が溶断、発弧する際、可溶体の狭隘部で限流効果を持たせるとともにアークによる発熱を消弧剤で吸熱、冷却させ、アークの広がりを抑えるとともにアーク抵抗を高めアーク電流を減少させる限流効果で遮断を完了させる例えば、特許文献1のヒューズが知られている。
特許文献1は、従来の消弧剤を充填するヒューズが、可溶体を端子間に架張後、消弧剤を充填しプレスで押し固めることにより可溶体に負荷が加わり歪みを生じ信頼性を損なう問題を持つのに対し、予め粒状の消弧剤をプレスにより押し固めたもので可溶体を挟み込むものであるが、可溶体に限流効果のため設けた狭隘部は、通常使用状態での電流の通電と休止の繰返しによる熱膨張と収縮による応力が集中し、長期耐久性に問題があった。
本発明は、このような問題に対し、可溶体の周囲を粒状の消弧剤で充填することなく、消弧剤と同じような遮断効果を有する容器で断面積が全長において一様な可溶体を挟み込むことにより信頼性の高い高遮断容量ヒューズを提供することを目的とする。
請求項1に記載された発明は、断面積が全長において一様な可溶体を絶縁材料から成り前記可溶体外周に接触する細溝と前記細溝に比べ数倍以上の大きな径を有し幅の狭い半円筒空間が複数個形成された二つ割構造の容器に挟み込んだ高遮断容量ヒューズである。
請求項2に記載された発明は、請求項1記載の高遮断容量ヒューズにおいて、容器が硫酸カルシウムから成る高遮断容量ヒューズである。
請求項3に記載された発明は、請求項1及び請求項2記載の高遮断容量ヒューズにおいて、曲線形状を成し断面積が全長において一様な可溶体を前記可溶体形状に沿い接触する細溝が形成された容器に挟み込んだ高遮断容量ヒューズである。
請求項4に記載された発明は、請求項1及び請求項3記載の高遮断容量ヒューズにおいて可溶体を挟み込んだ容器を外筒に収納した高遮断容量ヒューズである。
本発明によれば、可溶体として強度的に弱点となる狭隘部がなく、全長において断面積が一様な可溶体により通常使用状態での電流の通電と休止の繰返しに対する長期耐久性を確保できる効果を有する。
また可溶体外周に接触する細溝と、この細溝に比べ数倍以上の大きな径を有する幅の狭い円筒空間を複数個形成した絶縁材料である硫酸カルシウムから成る二つ割構造の容器に可溶体を挟み込むことにより、大きな短絡電流が流れた際、可溶体に接する細溝部分では含水率として約19wt%を有する硫酸カルシウムの優れた吸熱、冷却効果でアーク抵抗を高めアークの成長を抑える効果がある。
さらに二つ割構造の容器を合わせることにより形成される径が大きく幅の狭い円筒空間では金属蒸気を飛散、吸着し、金属蒸気密度を下げ、アークの成長を抑えるとともに絶縁抵抗を高め遮断させる効果を有する。
また過負荷電流のような比較的小さな電流では、消弧剤が可溶体の全周を取り囲んでいる従来のヒューズでは、可溶体の中央部分から溶融が始まり、金属蒸気化するものの、金属蒸気は消弧剤に阻まれ周囲に飛散出来ず、アークが端子方向に向かい徐々に広がっていく過程をたどるため、アーク抵抗が急激に高まらずアーク時間が長くなり、その結果アークエネルギーが大きなものとなり、過負荷電流のような比較的小さな電流での遮断が難しいものとなるが、本発明の高遮断容量ヒューズは、細溝に比べ数倍以上の大きな径を有する幅の狭い複数の円筒空間で可溶体が溶融、蒸気化し、溶断間隔を広げることにより、すばやくアーク抵抗を高め、遮断を完了させることが出来る効果を有する。
また消弧剤を使用した従来のヒューズが粒状故に充填作業が難しく、またその粒度の管理や筒内への充填密度の違いが消弧性能に大きなバラツキを生じさせ遮断特性が不安定となる問題があったが、本発明によれば硫酸カルシウムを水で液状としたものを細溝とその間にある幅の狭い半円筒空間を作り出す雄型に流し込むことで、充填密度の違いを生じることなく室温において数分で固形化し、特許文献1のような焼成工程を必要とせず焼き縮みを生じることなく安定した二つ割構造の容器を容易に得られ遮断特性も安定する効果がある。
図1から図9に基づき本発明の高遮断容量ヒューズについて説明すると図中1は断面積が全長において一様な可溶体であり、2a、2bは容器で、この内部に可溶体1に接触する幅の細溝3と細溝3に比して数倍以上の径で幅の短い半円筒空間4が成形されており、容器2a、2bは図1に示すように一対を成し、容器2a、2bを上下で合わせ固着することにより細長空間と細長空間より数倍径が大きく幅の狭い円筒空間を形成する。
可溶体1は容器2a、2bの造る細溝空間に挟まれ、容器両端に固着される口金端子5の端面穴6から引き出し、口金端子5にはんだ8或いは溶接により接続される。
また図2に示すように容器平面部の長手方向縁に一方は凹部2c、もう一方は凸部2dを形成することもある。
さらに図3、図4に示すように容器2a、2bを外筒7に収納後、外筒7両端に固着される口金端子5の端面穴6から引き出し、口金端子5にはんだ8或いは溶接により接続することもある。
また図5、図6に示すように可溶体1は断面積が全長において一様であるものの、曲線状に成形するとともに、容器細溝3を可溶体に沿うよう曲線状に成形することもある。
実際にIEC 60127−2の高遮断容量試験の条件AC250V 1,500A(力率0.7〜0.8)において定格電流6.3Aの本発明の高遮断容量ヒューズ(材質が硫酸カルシウムで細溝幅0.5mm、径2.5mmで幅1mmの円筒空間を7個成形した容器で径5.2mm長さ20mmサイズのヒューズに組み上げたもの)と、比較のため消弧剤を充填した従来のヒューズ(径5.2mm長さ20mmサイズのヒューズ)との遮断波形比較を行った結果、本発明の高遮断容量ヒューズの遮断波形図7、従来のヒューズの遮断波形図8のように同じような遮断波形となり、同じ効果が得られることを確認した。
なお前記本発明の高遮断容量ヒューズで円筒空間がない場合は図9の遮断波形のようにアーク電流が図7のように速やかに減衰することなくアークが成長する危険を有した波形となり、安全且つ確実な遮断達成のため円筒空間が重要な役割を成すことを確認した。
本発明の高遮断容量ヒューズは、長期使用における信頼性と高遮断容量を必要とする電気、電子機器に利用可能である。
1 可溶体
2a2b 容器
2c 凹付容器
2d 凸付容器
3 細溝
4 円筒空間
5 口金端子
6 口金端子端面穴
7 外筒
8 はんだ
2a2b 容器
2c 凹付容器
2d 凸付容器
3 細溝
4 円筒空間
5 口金端子
6 口金端子端面穴
7 外筒
8 はんだ
Claims (4)
- 断面積が全長において一様な可溶体を絶縁材料から成り前記可溶体外周に接触する細溝と前記細溝に比べ数倍以上の大きな径を有し幅の狭い半円筒空間が複数個形成された二つ割構造の容器に挟み込んだことを特徴とする高遮断容量ヒューズ。
- 容器が硫酸カルシウムから成ることを特徴とする請求項1記載の高遮断容量ヒューズ。
- 曲線形状を成し断面積が全長において一様な可溶体と前記可溶体形状に沿い接触する細溝が形成された容器に挟み込んだことを特徴とする請求項1乃至請求項2記載の高遮断容量ヒューズ。
- 可溶体を挟み込んだ容器を外筒に収納したことを特徴とする請求項1乃至請求項3記載の高遮断容量ヒューズ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012200933A JP2014044924A (ja) | 2012-08-28 | 2012-08-28 | 高遮断容量ヒューズ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012200933A JP2014044924A (ja) | 2012-08-28 | 2012-08-28 | 高遮断容量ヒューズ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014044924A true JP2014044924A (ja) | 2014-03-13 |
Family
ID=50396045
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012200933A Pending JP2014044924A (ja) | 2012-08-28 | 2012-08-28 | 高遮断容量ヒューズ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2014044924A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109411311A (zh) * | 2018-10-16 | 2019-03-01 | 南京萨特科技发展有限公司 | 一种熔断器用灭弧浆料及其制备方法 |
CN114127884A (zh) * | 2019-07-24 | 2022-03-01 | 迪睿合株式会社 | 保护元件 |
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2012
- 2012-08-28 JP JP2012200933A patent/JP2014044924A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN109411311A (zh) * | 2018-10-16 | 2019-03-01 | 南京萨特科技发展有限公司 | 一种熔断器用灭弧浆料及其制备方法 |
CN109411311B (zh) * | 2018-10-16 | 2021-02-02 | 南京萨特科技发展有限公司 | 一种熔断器用灭弧浆料及其制备方法 |
CN114127884A (zh) * | 2019-07-24 | 2022-03-01 | 迪睿合株式会社 | 保护元件 |
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