JP2014038909A - 部品実装基板およびその製造方法 - Google Patents

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朋紀 木山
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Abstract

【課題】はんだ溶融時の部品位置が変化することによる回路設計上の制約又は部品接合形状のばらつきを解決し、新規な高密度部品実装基板及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】回路基板上の複数の電極上に導電性ペーストを塗布する工程、該導電性ペーストが塗布された1つの電極の上に、少なくとも2つの電子部品の一部を配置する工程、及び、該導電性ペーストを熱処理することによって該少なくとも2つの電子部品の一部を、該1つの電極に接合して、接合部を形成する工程、を含む部品実装基板製造方法であって、前記導電性ペーストは、はんだ粒子、該はんだ粒子より融点の高い高融点金属粒子、及び、フラックスを含むか、又は、該高融点金属粒子の表面をはんだめっきした複合金属粒子、及びフラックスを含む部品実装基板製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、部品実装基板およびその製造方法に関する。
近年の電子機器の高性能化に伴い、高密度実装技術の発展は目覚しく、単位面積当たりにより多くの電子部品が実装されるようになってきている。従って、基板電極間ギャップ又は部品間ギャップをより狭くするよう基板設計がなされている。また、搭載される電子部品のサイズも著しく小型化しており、例えば受動部品に関しては、従来の1005(1.0mm×0.50mm)サイズ、又は0603(0.60mm×0.30mm)サイズの部品に代わり、近年0402(0.40mm×0.20mm)サイズの部品が多数搭載されるようになり、今後は更に0201(0.20mm×0.10mm)サイズへの小型化が進むことが予想される。
これとは別に、一般的な部品実装基板は、図1及び図2の(a)はんだペースト印刷後、(b)部品実装後に示すように、1つの基板電極3に対して1つの電子部品(端子)6がはんだペースト5等の接合材で接合されるため、搭載する部品の端子数に応じた基板電極3を設ける必要がある。この時、基板電極間に一定のギャップを設ける必要があるため、事実上高密度実装に対する設計上での限界がある。
これに対して特許文献1では、1つのはんだペースト塗布部を介して、2つのチップ部品を直列に接合する部品実装方法が提案されており、はんだ粒子の溶融時の表面張力によって、リフロー前後で部品位置を変化させ部品間ギャップを狭める1つの手法が開示されている。
特開2000−269628号公報
しかしながら、特許文献1の部品実装方法は、はんだ溶融時の表面張力を利用してリフロー前後でチップ部品間の距離を狭くする方法であり、リフロー前後で部品の位置が変化しても良い用途でのみ適用が可能となる。また、接合状態を安定化させる観点から、はんだ溶融時の表面張力によって、電子部品が特定の位置に、特定の角度で部品が接合されるように基板および印刷マスクを設計する必要があり、適用できる回路基板の設計に関して限定的であると言える。
また、図3の(a)はんだペースト印刷後、(b)部品実装後、(c)熱処理後に示すように、3個以上の複数の電子部品6を特許文献1のように直列に部品実装しようとした場合、溶融したはんだペースト成分5が表面張力によって部品電極3に濡れあがり、部品間ギャップを狭めようとするが、異なる2箇所で部品間ギャップを狭める力が互いに働くため、(c)に示すように部品の長手方向に電子部品6の実装位置又は接続部の形状がばらつく。特に、直列に実装する部品のサイズ又は種類が異なる場合には、上記現象は顕著となる。そのため、各々の部品接合部の接続安定性にもばらつきが生じる。更に、上述したような熱処理の前後での部品位置のランダムな変化は、熱処理後に部品接合部の外観検査をする際に、基板面のX−Y座標に対して接合部の座標がランダムに変化するため光学検査等が困難となる。
また、図4(詳細は後述)で示すような電子部品の並列実装方法に関して、一般的なPbフリーはんだペースト(Sn3.0Ag0.5Cu等)を用いた場合には、部品同士が流動するのを効果的に抑制する手法は知られていない。
本発明が解決しようとする課題は、上述したような、はんだ溶融時の部品位置が変化することによる回路設計上の制約又は部品接合形状のばらつきを解決し、従来の実装方法では困難とされてきた、新たな高密度部品実装基板の製造方法を提案することである。
本発明は、以下の方法を用いることによって上記課題を解決するものである。
すなわち本発明は以下の通りである。
[1] 以下の工程:
回路基板上の複数の電極上に導電性ペーストを塗布する工程;
該導電性ペーストが塗布された1つの電極の上に、少なくとも2つの電子部品の一部を配置する工程;及び
該導電性ペーストを熱処理することによって該少なくとも2つの電子部品の一部を、該1つの電極に接合して、接合部を形成する工程;
を含む部品実装基板製造方法であって、
前記導電性ペーストは、はんだ粒子、該はんだ粒子より融点の高い高融点金属粒子、及び、フラックスを含むか、又は、
該高融点金属粒子の表面をはんだめっきした複合金属粒子、及びフラックスを含む前記方法。
[2] 以下の工程:
基板上の複数の所定領域内の金属面上に導電性ペーストを塗布する工程;
該導電性ペーストが塗布された1つの所定領域内に、少なくとも2つの電子部品の一部を配置する工程;
該導電性ペーストを熱処理することによって該少なくとも2つの電子部品の一部を、該1つの所定領域内の金属面に接合して、接合部を形成する工程;及び
該金属面の所定領域外を選択的にエッチングして、該所定領域内に残存する金属からなる配線パターンを形成する工程;
を含む部品実装基板製造方法であって、
前記導電性ペーストは、はんだ粒子、該はんだ粒子より融点の高い高融点金属粒子、及び、フラックスを含むか、又は、
該高融点金属粒子表面をはんだめっきした複合金属粒子、及びフラックスを含む前記方法。
[3] 前記電子部品が2端子素子である、[1]又は[2]に記載の部品実装基板製造方法。
[4] 前記2端子素子の両端が、それぞれ異なる前記接合部によって、回路基板上の電極上、又は、金属面に接合される、[3]に記載の部品実装基板製造方法。
[5] 前記高融点金属粒子が、Cu、Ag、Ni及びAuの内の少なくとも1種の金属を含む、融点280℃以上の高融点金属粒子である、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の部品実装基板製造方法。
[6] 前記高融点金属粒子が、In及び/又はGeをさらに含む、[5]に記載の部品実装基板製造方法。
[7] 前記はんだ粒子、又は前記はんだめっきが、Sn組成、又は、Sn及び、Ag、Bi、Cu、Ge、Ga、In、Sb、Ni、Zn、Pb、及びAuから成る群から選ばれる少なくとも1種の金属を含むSn合金組成である、[1]〜[6]のいずれか1項に記載の部品実装基板製造方法。
[8] 前記導電性ペーストは、前記はんだ粒子100質量部に対して、前記高融点金属粒子を17質量部以上含む、[1]〜[7]のいずれか1項に記載の部品実装基板製造方法。
[9] 前記フラックスが、有機酸、アミン化合物、及びハロゲン化合物の内の少なくとも1種を含む、[1]〜[8]のいずれか1項に記載の部品実装基板製造方法。
[10] 前記フラックスが、熱硬化性樹脂をさらに含む、[9]に記載の部品実装基板製造方法。
[11] 前記フラックスが、硬化剤をさらに含む、[10]に記載の部品実装基板製造方法。
[12] 以下の工程:
回路基板上の複数の電極上に導電性ペーストを塗布する工程;
該導電性ペーストが塗布された1つの電極の上に、少なくとも2つの電子部品の一部を配置する工程;及び
該導電性ペーストを熱処理することによって該少なくとも2つの電子部品の一部を、該1つの電極に接合して、接合部を形成する工程;
を含み、
前記導電性ペーストは、はんだ粒子、該はんだ粒子より融点の高い高融点金属粒子、及び、フラックスか、又は、
該前期高融点金属粒子の表面をはんだめっきした複合金属粒子、及びフラックスを含む部品実装基板製造方法により製造された部品実装基板であって、該接合部は、Snを含むはんだマトリクスを有し、該はんだマトリクス中に、Cu、Ag、Ni、及びAuからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を含む高融点金属粒子を含み、該高融点金属粒子の融点は、前記はんだマトリクスの融点よりも高く、かつ、該高融点金属粒子の表面には、Cu、Ag、Ni、及びAuからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属と、Snを含む金属間化合物相が存在している、前記部品実装基板。
[13] 以下の工程:
基板上の複数の所定領域内の金属面上に導電性ペーストを塗布する工程;
該導電性ペーストが塗布された1つの所定領域内に、少なくとも2つの電子部品の一部を配置する工程;
該導電性ペーストを熱処理することによって該少なくとも2つの電子部品の一部を、該1つの所定領域内の金属面に接合して、接合部を形成する工程;及び
該金属面の所定領域外を選択的にエッチングして、該所定領域内に残存する金属からなる配線パターンを形成する工程;
を含み、
前記導電性ペーストは、はんだ粒子、該はんだ粒子より融点の高い高融点金属粒子、及び、フラックスを含むか、又は、
該高融点金属粒子表面をはんだめっきした複合金属粒子、及びフラックスを含む部品実装基板製造方法により製造された部品実装基板であって、該接合部は、Snを含むはんだマトリクスを有し、該はんだマトリクス中に、Cu、Ag、Ni、及びAuからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を含む高融点金属粒子を含み、該高融点金属粒子の融点は、前記はんだマトリクスの融点よりも高く、かつ、該高融点金属粒子の表面には、Cu、Ag、Ni、及びAuからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属と、Snを含む金属間化合物相が存在している、前記部品実装基板。
[14] 前記電子部品が2端子素子である、[12]又は[13]に記載の部品実装基板。
[15] 前記2端子素子の両端が、それぞれ異なる前記接合部によって、回路基板上の電極上、又は、金属面に接合された、[14]に記載の部品実装基板。
[16] 2つ以上の前記2端子素子が、並列に接合された、[15]に記載の部品実装基板。
[17] 前記高融点金属粒子が、Cu、Ag、Ni及びAuの内の少なくとも1種以上の金属を含む、融点280℃以上の高融点金属粒子である、[12]〜[16]のいずれか1項に記載の部品実装基板。
[18] 前記高融点金属粒子が、In及び/又はGeをさらに含む、[17]に記載の部品実装基板。
[19] 前記はんだマトリクスが、Sn組成、又は、Sn及び、Ag、Bi、Cu、Ge、Ga、In、Sb、Ni、Zn、Pb、及びAuから成る群から選ばれる少なくとも1種の金属を含む、Sn合金組成である、[12]〜[18]のいずれか1項に記載の部品実装基板。
[20] 前記金属間化合物相が、Cu−Sn、Ni−Sn、Cu−Sn−Ni、Ag−Sn、Au−Sn、Cu−Sn−In、Cu−Sn−Ge又はCu−Sn−In−Geのいずれかを含む、[12]〜[19]のいずれか1項に記載の部品実装基板。
[21] [12]〜[20]のいずれか1項に記載の部品実装基板を、熱硬化性樹脂でモールドしたモジュール。
[22] [12]〜[20]のいずれか1項に記載の部品実装基板を積層化することで得られる部品内蔵基板。
本発明によれば、はんだ溶融時の部品位置が変化することによる回路設計上の制約又は部品接合形状のばらつきの少ない、高密度部品実装基板及びその製造方法を提供することができる。
従来の部品実装基板の上面図である。 従来の部品実装基板の上面図である。 同一接合部を用いる部品実装例の上面図である。 本実施の形態の製造方法の一例を示す流れ図である。 本実施の形態の製造方法の一例を示す流れ図である。 本実施の形態の製造方法の一例を示す流れ図である。 本実施の形態の製造方法の一例を示す流れ図である。 本実施の形態の製造方法の一例を示す流れ図である。 実施例1〜26及び比較例1〜3の基板、印刷パターン及び部品配置条件を示す概略図である。 部品間Gapの表記方法を示す概略図である。 実施例27〜34及び比較例4〜7の基板、印刷パターン及び部品配置条件を示す概略図である。 比較例7の熱処理前後部品実装基板外観を示す撮像図である。 実施例34の熱処理前後部品実装基板外観を示す撮像図である。 実施例35〜38及び比較例8〜9の基板、印刷パターン及び部品配置条件を示す概略図である。 実施例36及び37並びに比較例9の熱処理後部品実装外観を示す撮像図である。 部品接合形状ばらつきを評価するための接合部分の略断面図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態と略記する)を詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で変形して実施することができる。
本実施の形態では、回路基板上の複数の電極上に導電性ペーストを塗布する工程、
該導電性ペーストが塗布された1つの電極の上に、少なくとも2つの電子部品の一部を配置する工程、及び、該導電性ペーストを熱処理することによって該少なくとも2つの電子部品の一部を、該1つの電極に接合して、接合部を形成する工程、を含む部品実装基板製造方法であって、前記導電性ペーストは、はんだ粒子、該はんだ粒子より融点の高い高融点金属粒子、及び、フラックスを含むか、又は、該高融点金属粒子の表面をはんだめっきした複合金属粒子、及びフラックスを含む部品実装基板製造方法を提供する。
本実施の形態における接合部とは、少なくとも2つの電子部品の一部を、1つの基板電極又は所定領域内の金属面に接合させる為の特定の接合部を意味する。また、電子部品の接合は、該電子部品の持つ端子を接合するものとする。
尚、上記回路基板上の導通回路又は電極に関しては熱処理後に形成してもよく、すなわち、基板上の複数の所定領域内の金属面上に導電性ペーストを塗布する工程、該導電性ペーストが塗布された1つの所定領域内に、少なくとも2つの電子部品の一部を配置する工程、前記導電性ペーストを熱処理することによって該少なくとも2つの電子部品の一部を、該1つの所定領域内の金属面に接合して、接合部を形成する工程、該金属面の所定領域外を選択的にエッチングして、該所定領域内に残存する金属からなる配線パターンを形成する工程を含む部品実装基板製造方法であって、前記導電性ペーストは、はんだ粒子、該はんだ粒子より融点の高い高融点金属粒子、及び、フラックスを含むか、又は、該高融点金属粒子表面をはんだめっきした複合金属粒子、及びフラックスを含む部品実装基板製造方法にも関する。前記エッチングをする際は、部品が実装されておらず凹凸の少ない金属面の裏面に、レジストを用いて選択的にエッチングするのが好ましい。
以下に、詳細な形態を説明する。
<導電性ペースト>
本実施の形態に使用する導電性ペーストは、はんだ粒子、該はんだ粒子より融点の高い高融点金属粒子、及び、フラックスを含むか、又は、該高融点金属粒子表面をはんだめっきした複合金属粒子、及びフラックスを含む導電性ペーストである。
該導電性ペーストの熱処理は、該はんだ粒子の融点以上の温度、かつ、該高融点金属粒子より低い温度で熱処理をすることが好ましい。該熱処理によって、はんだ粒子又ははんだめっきを溶融させると共に、溶融したはんだ成分が前記高融点金属粒子との間で金属の拡散現象を起こし、該高融点金属粒子表面に、該はんだ成分の融点より高い金属間化合物相が形成する。そのため、該導電性ペーストを上記条件にて熱処理した場合、熱処理前後で、はんだ溶融時の電子部品の溶融流動を意図的に抑制することが可能となる。従って、回路基板の電極上に前記導電性ペーストを塗布した後、前記導電性ペーストによる1つの接合部を介して、2つ以上の電子部品を1つの電極上に接合させた場合、溶融したはんだ成分が、異なる2つ以上の電子部品の端子に不均一に濡れあがることを抑制でき、また、近接した部品が流動(部品同士が引きつけ合う)することを抑制できる。
一方で、回路基板の電極上に一般のはんだ(例えば、Sn−3.5Ag−0.5Cu組成)ペーストを塗布した後、2つ以上の電子部品を、前記はんだペーストによる1つの接合部を介して、1つの電極上に接合さる場合、加熱時に、溶融したはんだ粒子成分の表面張力によって部品位置は流動し、また、溶融したはんだ粒子成分が、異なる2つ以上の電子部品の端子に不均一に濡れあがる。
これらのことから、本明細書に記載する導電性ペーストを接合材として用い、かつ、一般的には用いられない部品実装構造を形成することによって、前記一般はんだペーストでは実現できない、高密度実装を実現することが可能となる。尚具体的な、実装構造の例は、図4〜図8にて後述する。
[はんだ粒子]
本実施の形態に使用できるはんだ粒子は、溶融したはんだ粒子成分が、後述する高融点金属粒子との間で金属間化合物を形成すれば、はんだ溶融時の部品流動を抑制することができるため、特定の金属組成に限定されるものではなく、Sn組成、又は、Sn及び、Ag、Bi、Cu、Ge、Ga、In、Sb、Ni、Zn、Pb及びAuから成る群から選ばれる少なくとも1種の金属を含むSn合金組成であることが可能となる。また、基板に与える熱ダメージを低減する観点から、本実施に使用するはんだ粒子は、融点280℃未満のものが好ましい。
具体的には、Sn−Bi系、Sn−In系、Sn−Cu系、Sn−Zn系、Sn−Ag系、Sn−Au系、Sn−Pb系、Sn−Sb系、Sn−Bi−Ag系、Sn−Ag−Cu系、Sn−Bi−Cu系、Sn−Zn−Bi系、Sn−Bi−In系、Sn−Ag−In系、Sn−Ag−In−Bi系、Sn−Cu−Ni系、Sn−Cu−Ni−Ge系、Sn−Ag−Cu−Ni−Ge系のはんだ粒子が例示できる。はんだペーストの推奨リフローピーク温度が230℃以上の鉛フリーはんだとしては、例えば、Sn−Ag−Cu(例えば、Sn−3.0Ag−0.5Cu)系、Sn−Ag(例えば、Sn−3.5Ag)系、Snなどが好ましい。また、リフローピーク温度が200℃以下推奨の鉛フリーはんだとしては、Snを含み、かつ、Bi又はIn又はZnのいずれかを含む融点200℃以下のSn合金粒子が好ましい。中でも、Sn−58Bi又はSn−57Bi−1Agが特に好ましい。また、Sn合金粒子中にCを1.0wt%以下で僅かに添加することによって、はんだ自身の引っ張り強度又は伸び率を向上させることができるため接続信頼性が向上する。
また、使用するはんだ粒子は1種に限定されない。例えば、Sn−58Bi粒子に2種目のはんだ粒子としてSn粒子を添加することによって、160℃程度の低温でSn−58Bi粒子を溶融させることが可能となり、かつ、溶融したSnBi成分とSn粒子へ拡散することによって、熱処理後のはんだ部のBi組成を低減させることが可能である。一般的に、Biは機械的に脆い特性を示すため、前記Sn粒子およびSn合金粒子を添加することによって熱処理後のBi組成を低減させることが可能となり、脆性改善に繋がる。このように、複数のはんだ粒子を添加する場合には、添加量(質量)の多い方のはんだ粒子の融点より10〜30℃程度高いピーク温度で熱処理することが好ましい。
また、用いるはんだ粒子の平均粒子径は、0.30〜50μmであることが好ましく、はんだペーストの使用用途に応じて定めることができる。例えば、スクリーン印刷用途では、版抜け性を重視して、粒度分布はブロードにするのが好ましく、平均粒子系は2.0〜40μmであることが好ましい。本実施の形態のはんだペーストは、ディスペンス用途、及びビア充填用途でも使用可能であり、吐出流動性及び穴埋め性を重視して、1.5〜35μmの粒度分布が好ましい。
[高融点金属粒子]
本実施の形態の導電性ペーストが含む高融点金属粒子は、Cu、Ag、Ni及びAuのいずれかを含む融点280℃以上の高融点金属粒子であることが好ましく、溶融したはんだ粒子と高融点金属粒子との金属拡散性の観点から、高融点金属粒子としては、Cu粒子、Cu合金粒子、Ag粒子、又はAg合金粒子、Ni粒子、又はNi合金粒子が好ましい。また、使用する高融点金属粒子は1種に限定されるものではなく、はんだ粒子の溶融成分との間で、金属間化合物相を形成する高融点金属粒子であれば、複数種使用しても効果は得られる。
前記Cu合金粒子としては、Cuに、In、Ni、Sn、Bi、Ag、又はGeの金属のいずれかを添加することによって各種特性を付与することができる。
例えば、Inは、溶融したはんだとCu合金粒子との界面で形成するCu−Sn系の金属間化合物相の結晶粒を微細化する効果を有することから、Cu合金粒子にInが含まれることが好ましい。InのCu合金粒子中の含有量は、安定した合金相を接合部に形成させる観点から、0.10wt%以上が好ましく、より好ましくは、1wt%以上であり、さらに好ましくは3wt%以上である。また、Cu合金粒子中のInの量を一定量以下にすることによって、熱処理後の接合部の耐熱性を高めることができるため、Inの含有量は30wt%以下が好ましく、さらに好ましくは、15wt%以下であり、特に好ましくは10wt%以下である。
Cu合金粒子にSnが添加されることで、溶融したはんだとの濡れ性が良くなるため、Cu合金粒子はSnを2wt%以上含むことが好ましく、より好ましくは、Cu合金粒子中のSnの含有量は、5wt%以上であり、さらに好ましくは10wt%以上である。また、はんだとの間に良好に金属間化合物を生成させる観点から、Cu合金粒子中のSnの含有量は、50wt%以下であることが好ましい。
また、Cu合金粒子にBiが添加されることでも、溶融したはんだとの濡れ性が良くなるため、Cu合金粒子はBiを0.1wt%以上含むことが好ましく、より好ましくは、Cu合金粒子中のBiの含有量は、2wt%以上である。また、Biの含有量を一定以下に抑えることによって、Cu合金粒子の脆性を改善することができるため、Cu合金粒子中のBiの含有量は、20wt%以下が好ましく、より好ましくは10wt%以下である。
また、Agは、溶融したはんだのSn成分と融点の高い金属間化合物を形成し易いので、耐熱性を有する接合部を形成する。そのため、Cu合金粒子は、Agを0.1wt%以上含むことが好ましく、さらに好ましくは、Cu合金粒子中のAgの含有量は、2wt%以上である。また、コストの面から、Cu合金粒子中のAgの含有量は、50wt%以下であることが好ましく、20wt%以下であることがより好ましく、さらに好ましくは10wt%以下である。
Geは、はんだ溶融時に優先的に酸化して、Sn等の他のはんだ成分の酸化を抑制する効果を有するため、Cu合金粒子はGeを0.10wt%以上含むことが好ましい。また、酸化物がはんだ流動を阻害し、接合性に悪影響を与えることを防ぐ観点から、Cu合金粒子中のGeの含有量は、5.0wt%以下が好ましい。
Ag合金粒子及びNi合金粒子としては、溶融したはんだとの濡れ性を向上させる観点から、Snを5wt%以上含むことが好ましく、Snを10wt%以上含むことがより好ましい。また、はんだとの間に良好に金属間化合物を生成させる観点から、Snの含有量は50wt%以下であることが好ましい。さらに、低温での接合性を向上させる観点から、In又はBiとの合金粒子であることが好ましい。
本実施の形態において、導電性ペースト中に高融点金属粒子を添加することによって、溶融したはんだと高融点金属粒子との界面で、融点の高い金属間化合物相を形成するため、部品接合部形状が安定し、かつ、熱処理時にはんだ粒子が溶融して電子部品が流動するのを抑制できるため、これまで、はんだ溶融時の部品流動によって事実上設計が不可能であった基板回路設計が可能となる。一方で、はんだ粒子に対する高融点金属粒子の割合が多すぎると、接合部がはんだ成分による金属結合の接合割合が減り、高融点金属粒子の点接触による接合が主になるため、接続抵抗値が上昇する。そのため、重視する材料特性に応じてはんだ粒子と高融点金属粒子の割合を決めることができる。例えば、はんだ粒子溶融時の部品流動を抑制する観点から、はんだ粒子100質量部に対して、高融点金属粒子5質量部以上であることが好ましく、より好ましくは17質量部以上であり、さらに好ましくは33質量部以上であり、最も好ましくは53質量部以上である。また、接続抵抗値の観点から、はんだ粒子100質量部に対して900質量部以下が好ましく、より好ましくは300質量部以下であり、186質量部以下であり、最も好ましくは、54質量部以下である。
また、用いる高融点金属粒子の平均粒子径は、溶融したはんだ粒子との拡散反応を短時間で進行させる観点から50μm以下であることが好ましく、さらにスクリーン印刷特性を考慮すると、30μm以下が好ましい。一方平均粒子径が小さいと、比表面積が大きくなるため、溶融したはんだ粒子との濡れ性が低下するため、高融点金属粒子の平均粒子径は1.0μm以上であることが好ましく、より好ましくは、10μm以上である。また、前記はんだ粒子同様、はんだペーストの使用用途に応じて定めることができる。例えば、スクリーン印刷用途では、版抜け性を重視して、粒度分布はブロードにするのが好ましく、平均粒子系は2.0〜40μmであることが好ましい。本実施の形態のはんだペーストは、ディスペンス用途、及びビア充填用途でも使用可能であり、吐出流動性及び穴埋め性を重視して、1.5〜35μmの粒度分布が好ましい。
また、溶融して形成する前記金属間化合物相は、Cu−Sn(Cu3Sn、Cu6Sn5)、Ni−Sn、Cu−Sn−Ni、Ag−Sn、Au−Sn(Ag3Sn)、Cu−Sn−In、Cu−Sn−Ge、Cu−Sn−In−Ge等が例示できる。
〔はんだめっき〕
本実施の形態に使用する、はんだめっきには、一般的な電解めっき、又は、無電解めっき等のはんだめっきプロセスを用いることができる。はんだ組成としては、Sn組成、又は、Sn及び、Ag、Bi、Cu、Ge、Ga、In、Sb、Ni、Zn、Pb、及びAuから成る群から選ばれる少なくとも1種の金属を含むSn合金組成が好ましい。また、基板に与える熱ダメージを低減する観点から、本実施に使用するはんだめっきは、融点280℃未満の組成のものが好ましい。
[フラックス]
本実施の形態に使用する導電性ペーストに含まれるフラックスは、一般的なはんだペーストに使用されているフラックス作用を有する添加剤のことを意味し、熱処理時の金属フィラー表面酸化膜の清浄化、再酸化の抑制作用を有する。はんだ粒子の溶融、及び熱拡散による合金化を促進する観点から、上記フラックスは、有機酸、アミン化合物、ハロゲン化合物等の活性剤を含むことが好ましい。中でも有機酸を含んでいることが好ましく、例としては、ロジン、変性ロジン、公知のモノカルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸等を使用することができる。例えば、グルタル酸、アジピン酸、安息香酸、ステアリン酸、クエン酸、シュウ酸、コハク酸、セバシン酸、マロン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、シトラコン酸、α−ケトグルタル酸、ジグリコール酸、チオジグリコール酸、ジチオジグリコール酸、レブリン酸、5−ケトヘキサン酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、4−アミノ酪酸、3−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトイソブチル酸、3−メチルチオプロピオン酸、3−フェニルプロピオン酸、3−フェニルイソブチル酸、4−フェニル酪酸、吉草酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、デカン酸、ノナン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸、ウンデシレン酸、2,2−ジメチル酪酸、α―リノレン酸、パルミトレイン酸、ドコサヘキサエン酸、ミリストレイン酸等が挙げられる。
また、ペースト特性を改良するためチクソ剤(例えば、ヒマシ油、水添ヒマシ油、ソルビトール系のチクソ剤)、消泡剤、酸化防止剤、溶剤(例えば、グリコールエーテル系の溶剤)、無機フィラー等、従来のクリームはんだに使用される公知のものを添加することができる。
さらに、前記フラックスは接合強度等の接続信頼性を向上させるために、熱硬化性樹脂を含んでいても良く、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シアン酸エステル樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、尿素樹脂、アルキド樹脂、ビニルエステル樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂等を使用することができるが、低温での樹脂硬化特性と密着性の観点から、好ましくはエポキシ樹脂である。エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ヒンダート型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂及びこれらをハロゲン化したエポキシ樹脂、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等のジグリシジルエーテル等を用いることができる。さらに、分子内にエポキシ基を3個以上有する多官能エポキシ樹脂から選ぶ場合、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ビスAノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン/フェノールエポキシ樹脂、脂環式アミンエポキシ樹脂、脂肪族アミンエポキシ樹脂などが挙げられる。中でも、ペースト化の観点から、比較的低粘度のビスフェノールA型エポキシ樹脂又はビスフェノールF型エポキシ樹脂が好ましい。
また、上記熱硬化性樹脂をフラックスに含む場合には、前記フラックスによって加熱時に熱硬化性樹脂が硬化するため、硬化剤は必須成分ではないが、別途硬化剤を含むことが好ましい。尚、本明細書では、有機酸は硬化剤とは別に扱う。硬化剤としては、一般的なアミン化合物、有機酸ジヒドラジド、りん系化合物、フェノール樹脂、酸無水物及びイミダゾール系硬化剤、スルホニウム塩等のカチオン硬化剤、アニオン硬化剤等公知のものが使用できる。アミン化合物としては、具体的には、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコール性アミン類、又はブチルアミン、ジエチレントリアミン、キシリレンジジアミン、イソホロンジアミン、ノルボルネンジアミン、メタフェニレンジアミン、グアナミン化合物、アミノ基を有するトリアジン系硬化剤(例えば、2,4−ジアミノ−6−メチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ビニル−s−トリアジン イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−s−トリアジン イソシアヌル酸付加物)、ジフェニルグアニジン等の非アルコール性アミン類、これらの塩化物塩若しくは臭化物塩等のアミン塩類が挙げられるが、中でもトリエタノールアミン、ブチルアミン、又はアミンカルボン酸塩が好ましい。
また、イミダゾール系硬化剤の例として、四国化成社製の製品名(2MZ、C11Z、C17Z、2E4MZ、2PZ、2P4MZ、1B2MZ、1B2PZ、1.2DMZ、2MZ−A、C11Z−A、2E4MZ−A、2MA−OK、2PZ−OK、2MZ−OK、2PHZ、2P4MHZ、TBZ、2E4MZ・BIS、SFZ)等が例示できる。中でも、イソシアヌル酸付加物である、2MA−OK、2PZ−OK、2MZ−OKは、樹脂硬化後の湿熱耐性を向上させる観点から好ましい。
また、フラックス中に含まれる硬化剤の割合は、はんだ粒子溶融特性及び保存安定性の観点から、0.10〜60wt%が好ましく、より好ましくは0.50〜30wt%であり、さらに好ましくは1.0〜14wt%であり、最も好ましくは5.0〜12wt%である。
例えば、硬化剤として酸無水物を使用する場合には、フラックス中に含まれる硬化剤の割合が20〜60wt%であることが好ましく、硬化剤としてイミダゾール硬化剤を使用する場合には、フラックス中に含まれる硬化剤の割合が1.0〜20wt%であることが好ましく、より好ましくは2.0〜12wt%である。また、フラックス中に添加するアミン化合物の割合は、フラックスの保存安定性の観点から、20wt%以下が好ましく、短時間硬化性と保存安定性の観点から、より好ましくは0.10〜14wt%であり、さらに好ましくは0.20〜7.0wt%であり、最も好ましくは、0.50〜5.0wt%である。
前記導電性ペースト中に含まれる金属粒子の含有率が高くなり過ぎないように調整することで、ペーストの粘度を最適化し、スクリーン印刷等での印刷性が良くなる。逆に、金属粒子の含有率が低くなり過ぎないように調整することで、部品接合強度を確保できるため、40〜96質量%の範囲が好ましく、60〜94質量%の含有率がより好ましく、さらに好ましくは80〜93質量%である。尚、金属粒子とは、上述したはんだ粒子と高融点金属粒子を含む。
<部品実装基板製造工程>
本実施の形態は、回路基板上の複数の電極上に導電性ペーストを塗布する工程、該導電性ペーストが塗布された1つの電極の上に、少なくとも2つの電子部品の一部を配置する工程、及び、該導電性ペーストを熱処理することによって該少なくとも2つの電子部品の一部を、該1つの電極に接合して、接合部を形成する工程を含み、前記導電性ペーストは、はんだ粒子、該はんだ粒子より融点の高い高融点金属粒子、及び、フラックスを含む部品実装基板製造方法に関する。
尚、上記回路基板上の導通回路又は電極に関しては、熱処理後に形成してもよく、すなわち、基板上の複数の所定領域内の金属面上に導電性ペーストを塗布する工程、該導電性ペーストが塗布された1つの所定領域内に、少なくとも2つの電子部品の一部を配置する工程、該導電性ペーストを熱処理することによって該少なくとも2つの電子部品の一部を、該1つの所定領域内の金属面に接合して、接合部を形成する工程、及び、該金属面の所定領域外を選択的にエッチングして、該所定領域内に残存する金属からなる配線パターンを形成する工程を含み、前記導電性ペーストは、はんだ粒子、該はんだ粒子より融点の高い高融点金属粒子、及び、フラックスを含む部品実装基板製造方法にも関する。
以下に、各工程の詳細な好ましい実施形態を記す。
〔回路基板〕
本明細書記載の回路基板としては、ガラスエポキシ基板、セラミック基板、ポリイミド等のフレキシブル基板、紙フェノール樹脂基板等公知の回路基板が使用できるが、耐熱性およびコストの観点から、ガラスエポキシ基板が好ましい。基板電極は、Cu、Au−Pd、Ag、AuめっきNi等、溶融したはんだ成分と金属的に接合するものであれば公知のものが使用できる。尚、本明細書に示す回路基板とは、パッケージ、各種電子機器等の回路も含める。
〔電子部品〕
本明細書の電子部品は、該電子部品の端子が部品表面に露出しているものであれば、端子数、又は受動素子、能動素子等、特に種類を限定されるものでは無い。本明細書では、端子数2の電子部品を例として、詳細に実装形態および特性について説明する。2端子素子の例としては、抵抗、コンデンサ、コイル等が例示できる。
〔導電性ペースト塗布方法〕
導電性ペーストの塗布方法としては、スクリーン印刷、ディスペンス、転写等の一般的な公知の技術を用いることができるが、量産性の観点からスクリーン印刷が好ましい。
〔部品実装構造〕
本実施の形態の製造方法によって得られる部品実装基板は、以下に限定されるものでは無いが、2端子素子(例えばコンデンサ、抵抗チップ等)の実装例として、以下、図4〜8に基板上面図で例示する。図4〜8に関して、(a)〜(d)は、本実施の形態に使用する導電性ペースト5を用いた(a)回路基板1の電極パターン、(b)導電性ペースト印刷後、(c)部品配置後、(d)熱処理後の部品接合状態を表す。また、図4〜8の(d’)に関しては、一般はんだ(Sn−3.5Ag−0.5Cu組成)ペーストを用いて、各図の(a)〜(d)と同様のプロセスを経た後の、部品接合状態の概略図である。図4は複数の部品を並列に接合する例、図5は並列および直列の複合実装例、図6は2端子素子7の1端は1つの接合部により接合され、もう1端は別の接合部に実装される例、図7は複数の部品実装方向が異なる例、図8は複数の部品を直列に接合する例である。いずれの実装例に関しても、一般はんだペーストを用いた場合(図4〜8の(d’))は、熱処理前後で溶融したはんだ粒子の表面張力により、部品位置がランダムに動き部品接合部の形状が不均一になるため、接続安定性の懸念、又は部品流動による基板設計上での制限、熱処理後の光学検査が困難になる等の課題が生じるため、量産で適用することが困難である。一方で、本実施の形態の製造方法を用いた場合には、熱処理前後で部品流動が抑制され、かつ、安定した接合部形状が得られるため、従来部品流動によって制限されており事実上不可能とされてきた基板回路設計が可能となり、より高密度実装が可能となる。
〔熱処理工程〕
熱処理方法としては、部品実装プロセスで公知のものが使用でき、例えばIR、熱風等を用いたリフロー装置、又はオーブン、ホットプレート、レーザー加熱等が利用できるが、中でも熱処理中の酸素濃度の管理、又はライン式での高い生産性の観点からリフロー装置が好ましい。熱処理温度としては、導電性ペーストに含まれる最も融点の低いはんだ粒子の融点より10℃以上高く、高融点金属粒子の融点より低い温度帯で、基板が損傷を出来る限り抑制した熱処理をすることが好ましい。例えば、Sn粒子(融点232℃)とCu粒子を含む導電性ペーストを用いて、ガラスエポキシ基板(FR4)の基板電極に部品実装する場合、Sn粒子の融点より10℃以上高い例えば250℃程度のピーク温度で熱処理することが好ましい。
<部品実装基板>
回路基板上の複数の電極上に導電性ペーストを塗布する工程、該導電性ペーストが塗布された1つの電極の上に、少なくとも2つの電子部品の一部を配置する工程、及び
該導電性ペーストを熱処理することによって該少なくとも2つの電子部品の一部を、該1つの電極に接合して、接合部を形成する工程、を含む部品実装基板製造方法であって、
前記導電性ペーストは、はんだ粒子、該はんだ粒子より融点の高い高融点金属粒子、及び、フラックスか、又は、該前期高融点金属粒子の表面をはんだめっきした複合金属粒子、及びフラックスを含み、そして前記1つの電極に対する前記少なくとも2つの電子部品の一部の相対的位置が、前記熱処理の前後で、変わらない、前記方法により製造された部品実装基板であって、該接合部は、Snを含むはんだマトリクスを有し、該はんだマトリクス中に、Cu、Ag、Ni、及びAuからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を含む高融点金属粒子を含み、該高融点金属粒子の融点は、前記はんだマトリクスの融点よりも高く、かつ、該高融点金属粒子の表面には、Cu、Ag、Ni、及びAuからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属と、Snを含む金属間化合物相が存在している、前記部品実装基板にも関する。
電子部品、回路基板およびその電極、高融点金属粒子、金属間化合物相の詳細に関しては、上述した本実施の形態の部品実装基板製造方法に記載した通りであり、Snを含むはんだマトリクスは、Sn組成、又は、Sn及び、Ag、Bi、Cu、Ge、Ga、In、Sb、Ni、Zn、Pb、及びAuの群から選ばれる1種以上の金属を含むSn合金組成であることが好ましく、具体的には、Sn−Bi系、Sn−In系、Sn−Cu系、Sn−Zn系、Sn−Ag系、Sn−Au系、Sn−Pb系、Sn−Sb系、Sn−Bi−Ag系、Sn−Ag−Cu系、Sn−Bi−Cu系、Sn−Zn−Bi系、Sn−Bi−In系、Sn−Ag−In系、Sn−Ag−In−Bi系、Sn−Cu−Ni系、Sn−Cu−Ni−Ge系、Sn−Ag−Cu−Ni−Ge系の組成が例示できる。
また、前記金属間化合物相としては、Cu−Sn(Cu3Sn、Cu6Sn5)、Cu−Sn−Ni、Sn−Ni、Ag−Sn、Au−Sn(Ag3Sn)、Cu−Sn−In、Cu−Sn−Ge、Cu−Sn−In−Ge等が例示できる。
また、本実施の形態の部品実装基板は、電子部品同士の間隔を極めて短くすることが可能であることから、従来の実装方法によって得られる部品実装基板と比較して、信号配線長を短くして電気特性を向上させることが可能となり、電子機器の小型化に対しても大きなメリットを有する。さらに、接合部は繰り返しリフロー等に対して、高い再溶融耐性を有する。以上のことから、得られた部品実装基板を樹脂モールドしたモジュールへの適用が好ましい。また、本実施の形態で得られた部品実装基板をプリプレグ又は内層配線基板等で積層化した部品内蔵基板への適用も上記理由から好ましい。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
尚、各金属粒子の平均粒径は、Sympatec社(ドイツ)製レーザー回折式粒子径分布測定装置「HELOS&RODOS」により体積積算平均値を測定し、平均粒径値として求めた。
はんだ粒子の融点は、島津製作所株式会社製「DSC−60」を用い、窒素雰囲気下、昇温10℃/分の条件で、測定温度範囲30〜600℃で測定し、最低温の吸熱ピークを融点とした。
〔実施例1〕
はんだ粒子として以下のものを用いて検証実験を行った。
(1)はんだ粒子A
Sn10.0kg(純度99質量%以上)を黒鉛坩堝に入れ、99体積%以上のヘリウ
ム雰囲気で、高周波誘導加熱装置により1400℃まで加熱、融解した。
次に、この溶融金属を坩堝の先端より、ヘリウムガス雰囲気の噴霧槽内に導入した後、
坩堝先端付近に設けられたガスノズルから、ヘリウムガス(純度99体積%以上、酸素濃
度0.1体積%未満、圧力2.5MPa)を噴出してアトマイズを行い、Sn粒子を作製
した。この時の冷却速度は、2600℃/秒であった。
得られたSn粒子を走査型電子顕微鏡(日立製作所:S−3400N)で観察したとこ
ろ球状であった。このSn粒子を気流式分級機(日清エンジニアリング:TC−15N)用いて、5μm設定で分級し、大粒子側を回収後、もう一度40μm設定で分級し、小粒子側を回収した。回収したSn粒子をレーザー回折式粒子径分布測定装置(HELOS&RODOS)で測定したところ平均粒径は、6.9μmであった。
次にSn粒子の融点を示差走査熱量計(島津製作所:DSC−50)で、測定したところ、融点232℃であることが確認できた。
(2)高融点金属粒子
Cu6.5kg(純度99質量%以上)、Sn1.5kg(純度99質量%以上)、A
g1.0kg(純度99質量%以上)、Bi0.5kg(純度99質量%以上)、及びI
n0.5kg(純度99質量%以上)を黒鉛坩堝に入れ、99体積%以上のヘリウム雰囲
気で、高周波誘導加熱装置により1400℃まで加熱、融解した。
次に、この溶融金属を坩堝の先端より、ヘリウムガス雰囲気の噴霧槽内に導入した後、
坩堝先端付近に設けられたガスノズルから、ヘリウムガス(純度99体積%以上、酸素濃
度0.1体積%未満、圧力2.5MPa)を噴出してアトマイズを行い、Cu合金粉(Cu65Ag10Bi5In5Sn15粉)を作製した。この時の冷却速度は、2600℃/秒であった。
このCu合金粒子を気流式分級機(日清エンジニアリング:TC−15N)用いて、2
0μm設定で分級し、大粒子側を回収後、もう一度30μm設定で分級し、小粒子側を回
収した。回収した合金粒子をレーザー回折式粒子径分布測定装置(HELOS&RODO
S)で測定したところ平均粒径は、15.1μmであった。得られたCu合金粒子を前記測定条件にて示差走査熱量計で測定したところ、502℃、及び521℃に吸熱ピークが検出された。
(3)導電性ペースト
前記はんだ粒子と前記高融点金属粒子とを、質量比100:300で混合し金属フィラーを作製し、次に、該金属フィラー89.3質量%に対して一般的なはんだペーストに使用されるロジン系フラックス10.7質量%を混合し、ソルダーソフナー(マルコム:SPS−1)、脱泡混練機(松尾産業:SNB−350)に順次かけて導電性ペーストを作製した。
(4)部品溶融流動特性
図9(a)に示す高耐熱エポキシ樹脂ガラス布からなる回路基板1(基板A)のCu電極3上に、前記(3)で作製したはんだ導電性ペースト5を、ヤマハ発動機社製印刷機(YVP−Xg−w)を用いて図9(b)に示す印刷パターン(印刷パターンA)に対応する開口を持ったマスクを用いて印刷塗布した。本明細書の図は、基板電極3の中心に導電性ペースト5を塗布した図である。印刷マスクは80μm厚みのメタルマスクを使用し、印刷速度は10mm/秒、メタルスキージを用いて印刷した。その後、0603(0.6mm×0.3mm)サイズの0Ω抵抗部品8(以後、0603Rと表記する)を、ヤマハ発動機社製マウンター装置(YS12)を用いて、図9(C)に示したように部品間GapIが0.15mmになるように20個並列に配置し、N2リフロー(O2濃度:1000ppm以下)して評価サンプルを得た。尚、本明細書および図表では、以後、図10に示すように、マウンター装置による部品配置時の位置座標と部品サイズ(例えば、0.6mm×0.3mm)より計算される、部品短辺方向のGapをGapIとし、部品長辺方向のGapをGapIIと表記する。熱処理装置は、エイテックテクトロン(株)社製(NIS−20−82C)を使用した。温度プロファイルは、熱処理開始(常温)から140℃までを2.0℃/秒で昇温し、140℃から170℃まで150秒かけて昇温させ、170℃からピーク温度250℃まで2℃/秒で昇温し、240℃以上で30s保持する温度プロファイルを採用した。熱処理後の部品実装基板を、KEYENCE社製デジタルマイクロスコープ(VHX−500)で観察をし、部品が熱処理中に流動して、隣接した部品同士で融合して部品端部同士が接触した部品の数を数えたところ20個中0個であった。本結果を、表1の部品流動率に記載する。
〔実施例2〜7、比較例1〕
実施例1における、はんだ粒子と高融点金属粒子の混合比率を表1記載の比率に変更し、その他は同様の条件で部品流動特性を測定した。評価結果を表1に記載する。尚、実施例7のみ、配置する部品を0603サイズのコンデンサ(0603C)を用いて評価した。本結果から、導電性ペーストに高融点金属粒子を添加するにつれて部品流動が効果的に抑制されることが分かる。
〔実施例8〜12〕
実施例1における、高融点金属粒子をCu粉に変更し、表2記載の金属フィラー組成で、実施例1と同様の評価を実施した。使用したCu粉は、福田金属箔粉工業社製、Cu−HWQを用いた。該Cu粉の平均粒径は、15μmであった。
〔実施例13〜17〕
実施例1における、高融点金属粒子をAg粉に変更し、表3記載の金属フィラー組成で、実施例1と同様の評価を実施した。使用したAg粉は、日本アトマイズ加工社製HXR−Agを用いた。該Ag粉の平均粒子径は、5.3μmであった。
〔実施例18〜19〕
実施例1における、高融点金属粒子をNi粉に変更し、表4記載の金属フィラー組成で、実施例1と同様の評価を実施した。使用したNi粉は、日本アトマイズ加工社製SFR−Niを用いた。該Ni粉の平均粒子径は、10.1μmであった。
〔実施例20〜22〕
実施例3における、はんだ粒子を、それぞれ以下に示すSn−3.0Ag−0.5Cu粉(実施例20)、Sn−3.5Ag粉(実施例21)、Sn−58Bi粉(実施例22)に変更して、実施例3と同様の評価を実施した。評価結果を表5に記載する。
Sn−3.0Ag−0.5Cu粉:平均粒子径30.3μm、融点219℃
Sn−3.5Ag粉:平均粒子径20.1μm、融点221℃
Sn−58Bi粉:平均粒子径35μm、融点138℃
尚、実施例22のみ、実施例3とは異なる温度プロファイルを用いた。熱処理装置は、エイテックテクトロン(株)社製(NIS−20−82C)を使用し、温度プロファイルは、熱処理開始(常温)から110℃までを2.0℃/秒で昇温し、110℃から130℃まで150秒かけて昇温させ、130℃からピーク温度160℃まで2℃/秒で昇温し、160℃で45s保持する温度プロファイルを採用した。この時、酸素濃度は1000ppmに管理した。
〔実施例23〜24、比較例2〕
熱硬化性樹脂フラックスとしては、以下のものを用いて評価をおこなった。熱硬化性樹脂組成物として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂である旭化成エポキシ社製のエポキシ樹脂(AER260)90質量部と、アジピン酸5.0質量部と、トリエタノールアミン6.0質量部を、自転・公転ミキサー(THINKY社製 あわとり練太郎)を用いて室温(25℃)で5分混練した後3分間脱泡し、熱硬化性樹脂組成物Aを作製した。本実施例ではアジピン酸は、平均粒子径3.4μmのものを使用した。
はんだ粒子と高融点金属粒子とを、表6記載の比率で混合して金属フィラーを作製し、次に、該金属フィラー85質量%に対して前記熱硬化性樹脂組成物A15質量%を混合し、ソルダーソフナー(マルコム:SPS−1)、脱泡混練機(松尾産業:SNB−350)に順次かけて導電性ペーストを作製した。その後、実施例1と同様の手法で、部品溶融流動特性を評価した。尚、はんだ粒子は、前記Sn−3.0Ag−0.5Cu粉を用い、高融点金属粒子には、前記Cu粉を用いた。ただし、熱処理は大和製作所社製(NRY−325−5Z)を使用し、温度プロファイルは、熱処理開始(常温)から120℃までを1.0℃/秒で昇温し、120℃から3.5℃/秒で260℃のピーク温度まで昇温し、220℃以上の保持時間が125秒となる温度プロファイルを採用した。
〔実施例25〜26、比較例3〕
熱硬化性樹脂フラックスとしては、以下のものを用いて評価をおこなった。熱硬化性樹脂組成物として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂である旭化成エポキシ社製のエポキシ樹脂(AER260)5.5質量部と、ビスフェノールF型エポキシ樹脂である三菱化学社製エポキシ樹脂(YL983U)37質量部、四国化成社製のイミダゾール系硬化剤である2−フェニルイミダゾール イソシアヌル酸付加物(2PZ−OK)3質量部と、n−ブチルアミン0.5質量部を、アジピン酸を3質量部、自転・公転ミキサー(THINKY社製 あわとり練太郎)を用いて室温(25℃)で5分混練した後3分間脱泡し、熱硬化性樹脂組成物Bを作製した。
はんだ粒子と高融点金属粒子とを、表7記載の比率で混合し金属フィラーを作製し、次に、該金属フィラー85質量%に対して前記熱硬化性樹脂組成物B15質量%を混合し、ソルダーソフナー(マルコム:SPS−1)、脱泡混練機(松尾産業:SNB−350)に順次かけて導電性ペーストを作製した。その後、実施例1と同様の手法で、部品溶融流動特性を評価した。尚、はんだ粒子は、前記Sn−58Bi粉を用い、高融点金属粒子には、前記Cu粉を用いた。ただし、熱処理条件はエイテックテクトロン(株)社製(NIS−20−82C)を使用し、温度プロファイルは、熱処理開始(常温)から160℃までを2.0℃/秒で昇温し、160℃で360秒保持する温度プロファイルを採用した。熱処理雰囲気の酸素濃度は1000ppm以下であった。
〔実施例27〜34、比較例4〜7〕
表8に記載した、はんだ粒子と高融点金属粒子の比率で、実施例1と同様に導電性ペーストを作製し、実施例1同様に部品流動特性を評価した。使用した、はんだ粒子と高融点金属粒子は、前記Sn粉、及び、前記Sn−3.0Ag−0.5Cu粉、及び、前記Cu65Ag10Bi5In5Sn15粉を使用した。ただし、図11(a)に示す高耐熱エポキシ樹脂ガラス布からなる回路基板1(基板B)を用いて、図11(b)に示す印刷パターン(印刷パターンB)に対応する開口を持った印刷マスクを用いて、導電性ペースト5を印刷し、図11(c)に記すGapIおよびGapIIに設定して、0603Rを部品実装した(図11中の符号8)。その他の条件は実施例1と同様である。
部品流動特性評価結果として、図12(a)に部品間ギャップを0.05mmの設定でマウントした比較例7のマウント後の外観を示す。図12(b)に、その熱処理後の外観を示す。さらに、図13(a)に部品間ギャップを0.05mmの設定でマウントした実施例34の部品マウント後の外観、およびその熱処理後の外観を図13(b)に示す。従来の一般的なはんだペーストでこのような特殊な製造方法を用いた場合には、図12に示すように部品が熱処理中にランダムに流動してしまうため、量産に適用することは極めて困難である。一方で、本発明の部品実装基板製造方法を用いれば、図13に示すように、極めて狭ギャップでの部品実装が可能となることが分かる。例えば、0603サイズの部品実装を従来の回路基板設計で行う場合には、一般的には、部品間は狭くても0.12mm程度のギャップを設けるのが一般的であることからも、本発明の製造方法を用いることにより、より高密度実装が可能となるといえる。
〔実施例35〜37、比較例8〜9〕
表9に記載した、はんだ粒子と高融点金属粒子の比率で、実施例1と同様に導電性ペーストを作製し、実施例1同様に部品流動特性を評価した。使用した、はんだ粒子と高融点金属粒子は、前記Sn粉、及び、前記Sn−3.0Ag−0.5Cu粉、及び、前記Cu65Ag10Bi5In5Sn15粉を使用した。ただし、図14(a)に示す高耐熱エポキシ樹脂ガラス布からなる回路基板1(基板C)を用いて、図14(b)に示す印刷パターン(印刷パターンC)に対応する開口を持った印刷マスクを用いて、導電性ペースト5を印刷し、図14(c)に記すように、GapIIが0.10mmとなるように設定して、0603R部品8を直列に48個直線上に配置した。その後、実施例1と同様の条件で熱処理した。実施例36、37に関する、熱処理後の部品接合部外観を、図15の(a)、(b)にそれぞれ示す。また、比較例9の熱処理後の部品接合部外観を図15(c)に示す。これらの外観から分かるように部品従来のPbフリーはんだペーストを用いた場合には、図15(c)のように、隣接した部品電極に対して溶融したはんだ成分が不均一に濡れあがるため、部品接合状態が個々の両端で大きくばらつく。一方で、図15(a)、(b)のように、本発明の製造方法によって作製される部品実装基板は、接合形状が安定していることが分かる。これら部品接合形状のばらつきに関して、図14(c)の点線(部品短辺方向に対して)の断面研磨を行い、48個の直列に接合された部品8のうち、両末端の電子部品を除いた46個の部品8に関して以下の評価を実施した。図16に示すように2端子素子(0603R)8の両端子の接合部分の最も窪んだ箇所に関して、Cu電極3の表面からの高さT1、T2をそれぞれ測定し、T1−T2の絶対値が、部品厚み(0603Rの部品厚み:0.23mm)に対して25%以上である場合に、部品接合形状ばらつきが大きいと判断し、46個の電子部品中これら部品接合形状ばらつきが大きい部品数を数えて、表9の部品接合形状ばらつきに記載した。
本発明により、特にモジュール等の分野で著しく進んでいる高密度実装化が達成され、より小型化したモジュール等の製造に有用である。
1 回路基板
2 ソルダーレジスト
3 基板(Cu)電極
4 配線
5 はんだ(導電性)ペースト
6 電子部品
7 2端子素子
8 0603サイズ部品(抵抗チップ)
電極幅
電極幅
電極幅
電極幅
電極幅
ペースト印刷幅
ペースト印刷幅
ペースト印刷幅
ペースト印刷幅
ペースト印刷幅
ペースト印刷幅
y 電極間ギャップ
T1 基板(Cu)電極からの距離
T2 基板(Cu)電極からの距離

Claims (22)

  1. 以下の工程:
    回路基板上の複数の電極上に導電性ペーストを塗布する工程;
    該導電性ペーストが塗布された1つの電極の上に、少なくとも2つの電子部品の一部を配置する工程;及び
    該導電性ペーストを熱処理することによって該少なくとも2つの電子部品の一部を、該1つの電極に接合して、接合部を形成する工程;
    を含む部品実装基板製造方法であって、
    前記導電性ペーストは、はんだ粒子、該はんだ粒子より融点の高い高融点金属粒子、及び、フラックスを含むか、又は、
    該高融点金属粒子の表面をはんだめっきした複合金属粒子、及びフラックスを含む前記方法。
  2. 以下の工程:
    基板上の複数の所定領域内の金属面上に導電性ペーストを塗布する工程;
    該導電性ペーストが塗布された1つの所定領域内に、少なくとも2つの電子部品の一部を配置する工程;
    該導電性ペーストを熱処理することによって該少なくとも2つの電子部品の一部を、該1つの所定領域内の金属面に接合して、接合部を形成する工程;及び
    該金属面の所定領域外を選択的にエッチングして、該所定領域内に残存する金属からなる配線パターンを形成する工程;
    を含む部品実装基板製造方法であって、
    前記導電性ペーストは、はんだ粒子、該はんだ粒子より融点の高い高融点金属粒子、及び、フラックスを含むか、又は、
    該高融点金属粒子表面をはんだめっきした複合金属粒子、及びフラックスを含む前記方法。
  3. 前記電子部品が2端子素子である、請求項1又は2に記載の部品実装基板製造方法。
  4. 前記2端子素子の両端が、それぞれ異なる前記接合部によって、回路基板上の電極上、又は、金属面に接合される、請求項3に記載の部品実装基板製造方法。
  5. 前記高融点金属粒子が、Cu、Ag、Ni及びAuの内の少なくとも1種の金属を含む、融点280℃以上の高融点金属粒子である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の部品実装基板製造方法。
  6. 前記高融点金属粒子が、In及び/又はGeをさらに含む、請求項5に記載の部品実装基板製造方法。
  7. 前記はんだ粒子、又は前記はんだめっきが、Sn組成、又は、Sn及び、Ag、Bi、Cu、Ge、Ga、In、Sb、Ni、Zn、Pb、及びAuから成る群から選ばれる少なくとも1種の金属を含むSn合金組成である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の部品実装基板製造方法。
  8. 前記導電性ペーストは、前記はんだ粒子100質量部に対して、前記高融点金属粒子を17質量部以上含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の部品実装基板製造方法。
  9. 前記フラックスが、有機酸、アミン化合物、及びハロゲン化合物の内の少なくとも1種を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の部品実装基板製造方法。
  10. 前記フラックスが、熱硬化性樹脂をさらに含む、請求項9に記載の部品実装基板製造方法。
  11. 前記フラックスが、硬化剤をさらに含む、請求項10に記載の部品実装基板製造方法。
  12. 以下の工程:
    回路基板上の複数の電極上に導電性ペーストを塗布する工程;
    該導電性ペーストが塗布された1つの電極の上に、少なくとも2つの電子部品の一部を配置する工程;及び
    該導電性ペーストを熱処理することによって該少なくとも2つの電子部品の一部を、該1つの電極に接合して、接合部を形成する工程;
    を含み、
    前記導電性ペーストは、はんだ粒子、該はんだ粒子より融点の高い高融点金属粒子、及び、フラックスか、又は、
    該前期高融点金属粒子の表面をはんだめっきした複合金属粒子、及びフラックスを含む部品実装基板製造方法により製造された部品実装基板であって、該接合部は、Snを含むはんだマトリクスを有し、該はんだマトリクス中に、Cu、Ag、Ni、及びAuからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を含む高融点金属粒子を含み、該高融点金属粒子の融点は、前記はんだマトリクスの融点よりも高く、かつ、該高融点金属粒子の表面には、Cu、Ag、Ni、及びAuからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属と、Snを含む金属間化合物相が存在している、前記部品実装基板。
  13. 以下の工程:
    基板上の複数の所定領域内の金属面上に導電性ペーストを塗布する工程;
    該導電性ペーストが塗布された1つの所定領域内に、少なくとも2つの電子部品の一部を配置する工程;
    該導電性ペーストを熱処理することによって該少なくとも2つの電子部品の一部を、該1つの所定領域内の金属面に接合して、接合部を形成する工程;及び
    該金属面の所定領域外を選択的にエッチングして、該所定領域内に残存する金属からなる配線パターンを形成する工程;
    を含み、
    前記導電性ペーストは、はんだ粒子、該はんだ粒子より融点の高い高融点金属粒子、及び、フラックスを含むか、又は、
    該高融点金属粒子表面をはんだめっきした複合金属粒子、及びフラックスを含む部品実装基板製造方法により製造された部品実装基板であって、該接合部は、Snを含むはんだマトリクスを有し、該はんだマトリクス中に、Cu、Ag、Ni、及びAuからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を含む高融点金属粒子を含み、該高融点金属粒子の融点は、前記はんだマトリクスの融点よりも高く、かつ、該高融点金属粒子の表面には、Cu、Ag、Ni、及びAuからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属と、Snを含む金属間化合物相が存在している、前記部品実装基板。
  14. 前記電子部品が2端子素子である、請求項12又は13に記載の部品実装基板。
  15. 前記2端子素子の両端が、それぞれ異なる前記接合部によって、回路基板上の電極上、又は、金属面に接合された、請求項14に記載の部品実装基板。
  16. 2つ以上の前記2端子素子が、並列に接合された、請求項15に記載の部品実装基板。
  17. 前記高融点金属粒子が、Cu、Ag、Ni及びAuの内の少なくとも1種以上の金属を含む、融点280℃以上の高融点金属粒子である、請求項12〜16のいずれか1項に記載の部品実装基板。
  18. 前記高融点金属粒子が、In及び/又はGeをさらに含む、請求項17に記載の部品実装基板。
  19. 前記はんだマトリクスが、Sn組成、又は、Sn及び、Ag、Bi、Cu、Ge、Ga、In、Sb、Ni、Zn、Pb、及びAuから成る群から選ばれる少なくとも1種の金属を含む、Sn合金組成である、請求項12〜18のいずれか1項に記載の部品実装基板。
  20. 前記金属間化合物相が、Cu−Sn、Ni−Sn、Cu−Sn−Ni、Ag−Sn、Au−Sn、Cu−Sn−In、Cu−Sn−Ge又はCu−Sn−In−Geのいずれかを含む、請求項12〜19のいずれか1項に記載の部品実装基板。
  21. 請求項12〜20のいずれか1項に記載の部品実装基板を、熱硬化性樹脂でモールドしたモジュール。
  22. 請求項12〜20のいずれか1項に記載の部品実装基板を積層化することで得られる部品内蔵基板。
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