JP2014024239A - 記録ヘッドとその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】インクを吐出口まで小さいエネルギーで送ることができ、かつ流路形成部材と基板の密着性が高く、メニスカスの強い振動があっても窪み部からインクが溢れない構造のインク吐出口を有した記録ヘッドを提供する。
【解決手段】記録ヘッドは、基板1と、複数のエネルギー発生装置2と、エネルギー発生装置2の上方に形成され、平面的にみて一つの方向に沿う長手部と長手部に直交する方向に沿う短手部を含む細長形状を有する窪み部9を備えている。窪み部9の内部であって複数のエネルギー発生装置2の直上に設けられた記録液を吐出する複数の吐出口5と、複数の吐出口5に連通し、吐出口5からエネルギー発生装置2に向かって広がるテーパ形状を形成する複数の吐出部20を有している。窪み部9は、平面的にみて細長形状の長手部が、エネルギー発生装置2の配列方向に対して0°より大きく90°より小さい角度で交差することを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】記録ヘッドは、基板1と、複数のエネルギー発生装置2と、エネルギー発生装置2の上方に形成され、平面的にみて一つの方向に沿う長手部と長手部に直交する方向に沿う短手部を含む細長形状を有する窪み部9を備えている。窪み部9の内部であって複数のエネルギー発生装置2の直上に設けられた記録液を吐出する複数の吐出口5と、複数の吐出口5に連通し、吐出口5からエネルギー発生装置2に向かって広がるテーパ形状を形成する複数の吐出部20を有している。窪み部9は、平面的にみて細長形状の長手部が、エネルギー発生装置2の配列方向に対して0°より大きく90°より小さい角度で交差することを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、インクの吐出によって記録動作を行うインクジェット記録装置に搭載される記録ヘッドとその製造方法に関する。
記録媒体へ高画質の記録を行うために、インクを吐出する記録ヘッドのインクの吐出口の微小化および高密度化が求められており、特許文献1に微小かつ高密度なインクの吐出口を有する記録ヘッドの形状が開示されている。記録ヘッドは、インクの吐出口と、インクタンクからインクが供給されるインク流路と、インクの吐出口を中心として記録ヘッドのインク吐出面に形成された窪み部(lens)と、インク流路からインクの吐出口までをつなぐ通路である吐出部を有している。さらに、この記録ヘッドは、複数のインクの吐出口を有しており、一つのインクの吐出口に対応して、インク流路と窪み部と吐出部がそれぞれ一つずつ形成されている。
特許文献1に開示された発明では、記録ヘッドが、インク流路が設けられている流路形成部材と、流路形成部材のインク流路形成面に接合される基板を有している。この流路形成部材は、インク流路形成面の反対側の面であって記録ヘッドのインク吐出面となる面にインクの吐出口が設けられており、インク流路と吐出口を連通させる吐出部が厚さ方向に貫通して形成されている。この吐出部は真円状の断面形状を有し、インク流路から吐出口に向かって先細になるように全周にわたってテーパ形状に形成されている。吐出部がテーパ状に形成されているのは、インクを吐出口まで小さいエネルギーで送るためであるが、所定の大きさの吐出口に連通する吐出部の全体をテーパ形状にしていることによって、隣り合うインク流路との間のスペースが狭くなる。このスペースが狭くなると、基板と流路形成部材の接触面積が小さくなるため、基板との密着性が弱くなるという問題がある。流路形成部材と基板の密着性が弱いと、インクを吐出するための圧力によって流路形成部材が基板から浮いてしまうことで、インクが隣のインク流路に流入して、隣り合うインク流路のインク同士が混ざって吐出されてしまう。さらには、圧力によって流路形成部材自体が基板から剥がれてしまうことで、インクが吐出できなくなるおそれがある。
一方で、記録媒体への記録速度を向上させるために、インクの吐出後に次のインクを吐出するまでの周期を示すリフィル周波数が、高く設定されている。リフィル周波数を高くすると、単位時間当たりのインクを吐出する回数が増えるため、インクが吐出口より吐出しやすくする必要があり、インクを吐出しやすくするために、吐出部を吐出口に向かって小さくなっている断面積を持つテーパ形状にしている。このようにすることで、吐出部がテーパのない円柱形状の場合に比べて、小さなエネルギーでインクを吐出することができる。しかし、リフィル周波数が高く、かつインクの流路抵抗が小さいと、吐出口でインクのメニスカスが振動しやすくなり、この振動によってインクが吐出口から溢れて、溢れたインクによって記録ヘッドのインク吐出面が濡れてしまうという問題がある。そこで、記録ヘッドのインク吐出面にインクを吸収し易くする処理を施し、溢れたインクを吸収させる対策がとられている。しかし、溢れるインクが多量であると、記録ヘッドのインク吐出面の処理だけでは溢れたインクをすべて吸収することができずに、記録ヘッドのインク吐出面が濡れてしまう。その対策として、インクが吐出口から記録ヘッドのインク吐出面に溢れないようにインクの吐出部に窪み部が設けられている。ところが、高いリフィル周波数に対して窪み部の容積が小さいと、吐出部を越えて溢れたインクを窪み部が収容しきれずに、窪み部を越えてインクが溢れて記録ヘッドのインク吐出面がインクによって濡れてしまう可能性がある。
そこで本発明の目的は、インクを吐出口まで小さいエネルギーで送ることができ、かつ流路形成部材と基板の密着性が高く、メニスカスの強い振動があっても窪み部からインクが溢れない構造のインク吐出口を有した記録ヘッドを提供することにある。
前記した目的を達成するために、本発明は、基板と、基板上に列を成すように配置された複数のエネルギー発生装置と、エネルギー発生装置の上方に形成され、平面的にみて一つの方向に沿う長さが長い長手部と長手部に直交する方向に沿う長さが短い短手部とを含む細長形状を有する窪み部と、窪み部の内部であって複数のエネルギー発生装置の直上にそれぞれ設けられた記録液を吐出するための複数の吐出口と、複数の吐出口にそれぞれ連通し、吐出口からエネルギー発生装置に向かって広がるテーパ形状を有している複数の吐出部を有し、窪み部は、平面的にみて細長形状の長手部が、エネルギー発生装置の配列方向に対して0°より大きく90°より小さい角度で交差するように形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、記録ヘッドを、吐出口が設けられた窪み部の平面形状が長手部と短手部を有する細長形状にすることで、窪み部の容積が大きくできる。従って、インクの吐出後にメニスカスの振動によって、インクが溢れて記録ヘッドのインク吐出面が濡れてしまうことが抑えられる。また、吐出部を、隣り合う吐出部同士の間の隔壁の幅を広くするように形成可能であり、それによって基板の固定強度を向上させることができる。
以下、発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態における記録ヘッドの斜視図で、図2(a)はその要部拡大図である。
図1は、本発明の第1の実施形態における記録ヘッドの斜視図で、図2(a)はその要部拡大図である。
インクジェット記録装置は、記録液であるインクを吐出する吐出口を備えた記録ヘッドを有している。記録ヘッドは、主に基板1と流路形成部材4から構成されており、インク供給口6と、インクを吐出するためのエネルギーを発生させるインク吐出エネルギー発生装置2と、インク流路3(記録液流路)と、吐出部20と、吐出口5と、窪み部9を有している。インク供給口6は、インク吐出エネルギー発生装置2の列同士の間に設けられており、不図示のインクタンクからインクをインク流路3に供給している。
図1と図3(b)に示すように、インク吐出エネルギー発生装置2は規則的に配列され、具体的には基板1に所定のピッチPで複数の列をなすように形成され、基板1から電気エネルギーを受け取ることによって熱エネルギーを発生する。
図2(b)〜(e)に示すように、インク流路3は、インク供給口6からインクを供給される流路で、流路形成部材4の基板1との接合面に形成されている。吐出部20は、インク流路3と連通して流路形成部材4を厚さ方向に貫通するように設けられており、吐出部20とインク流路3は、それぞれの延びる方向(インクの流れる方向)が互いに交差(本実施形態では直交)するように配置されている。さらに、この吐出部20は、吐出口5に連通している。吐出口5は、インク吐出エネルギー発生装置2の直上に設けられており、吐出部20は吐出口5からインク流路3に向かって広がるテーパ形状を有している。一つの吐出口5に対応して、インク流路3と窪み部9と吐出部20とインク吐出エネルギー発生装置2がそれぞれ一つずつ形成されている。
本実施形態の窪み部9は、図2(a)〜(e)に示すように、窪み部9の最深部に吐出口5の中心が位置するように記録ヘッドのインク吐出面11に設けられた、長手部と長手部に直交する短手部を有する細長形状(小判型)の窪みである。記録ヘッドに備えられているそれぞれの窪み部9に形成された吐出口5の内周縁部の深さは、それぞれ一定になっており、窪み部9はインク吐出エネルギー発生装置2の上方に設けられている。小判型の窪み部9は、長手方向が、一列に配列されている吐出口5の配列方向に対して鋭角αで交差するように配置されている。これは、隣り合う窪み部9と干渉しないように配置するためである。鋭角αは、0°<α<90°に設定されている。
図3(a)に示すように、吐出部20とインク流路3の接続部分20aの平面形状は、吐出口5からみて楕円形状となっており、列をなして配列されている接続部分20aの配列方向に対して、楕円形状の長径部が角度βを持って配置されている。これは、隣り合う接続部分20a同士の間のスペースを大きくするためであり、すなわち所定のピッチPで基板1に形成された隣り合うインク流路3同士の間のスペースを大きくするためである。角度βは、90°<β<180°に設定されている。
図7(a)と図7(b)に示すように、従来技術ではインク流路3と吐出部20の接続部分20aの吐出口5からみた形状が真円形状であるため、隣り合うインク流路3とのスペースが小さくなり、基板1との密着性が低くなっていた。しかし、本実施形態では、隣り合うインク流路3同士の間のスペースが大きいため、基板1との密着性が高くなっている。
尚、本実施形態では、小判型の窪み部9の長手方向と、楕円形状の接続部分20aの長径部は直交している。すなわち、窪み部9と接続部分20aは、直交した状態で設けられている。このため、隣り合う窪み部9が干渉せずに、接続部分20a同士の間のスペースを大きくするためには、鋭角αは45°であることが望ましい。
流路形成部材4は、ネガ型感光性樹脂によって形成されている。本発明で用いられるネガ型感光性樹脂は、機械的強度、インク耐性、基板1と固定層7との密着性を有し、フォトリソグラフィ材料としての解像性を有している必要がある。これらの特性を有する材料として、カオチン重合型のエポキシ樹脂組成物を用いることができる。特に、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂、フェノールノボラック型のエポキシ樹脂、クレゾールノボラック型のエポキシ樹脂、オキシシクロヘキサン骨格を有する多官能エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂が用いられる。または、オキセタン樹脂をベースとする光カチオン重合型のエポキシ樹脂組成物や、オキセタン樹脂組成物、及びそれらを混合した組成物が用いられる。尚、エポキシ基を三個以上有する上記エポキシ樹脂を用いることで、三次元架橋することが可能になり、所望の特性を得るのに適している。
市販のエポキシ樹脂としては、ダイセル化学工業製「セロキサイド2021」(登録商標)、「GT−300シリーズ」、「GT−400シリーズ」、「EHPE3150」(登録商標)等が挙げられる。その他にも、ジャパンエポキシレジン社製「157S70」、大日本インキ化学工業株式会社製「エピクロンN−865」(登録商標)、エキシオン社製「EPIKOTE631」(登録商標)等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂組成物に添加される光重合開始剤としては、スルホン酸化合物、ジアゾメタン化合物、スルホニウム塩化合物、ヨードニウム塩化合物、ジスルホン系化合物等が好ましい。市販の光重合開始剤としては、ADEKA製「アデカオプトマーSP−170」、「アデカオプトマーSP−172」、「アデカオプトマーSP−150」等が挙げられる。その他にも、みどり化学製「BBI−103」、「BBI−102」、三和ケミカル製「IBPF」、「IBCF」、「TS−01」、「TS−91」等が挙げられる。更に上記エポキシ樹脂組成物には、フォトリソグラフィ性能や密着性能等の向上を目的に、アミン類等の塩基性物質やアントラセン誘導体等の光増感物質、シランカップリング剤等を含んでもよい。
また、ネガ型レジストとして市販されている日本化薬社製「SU−8シリーズ」、「KMPR−1000」(登録商標)、東京応化工業社製「TMMR S2000」(登録商標)、「TMMF S2000」(登録商標)等を用いてもよい。
図2(a)と図2(c)に示すように、本実施形態において、基板1及び流路形成部材4の厚さ方向に沿う基板1から吐出口5までの高さXは40μm、基板1及び流路形成部材4の厚さ方向に沿うインク流路3の高さYは20μmに設定されている。さらに、平面的にみたインク流路3の幅Wは27μmに設定されている。平面的にみた吐出口5の直径Oはφ20μm、インク流路3の幅方向に沿う吐出口5のピッチPは21μm(1200dpi)と設定されている。また、平面的にみた窪み部9の短手部の長さd1は24μm、窪み部9の長手部の長さd3は60μm以上、基板1及び流路形成部材4の厚さ方向における窪み部9の深さHは4μmに設定されている。吐出部20のテーパ角度17は、第一のテーパ角度である窪み部9の長手方向に沿って切断した断面におけるテーパ角度17aが0°、第二のテーパ角度である窪み部9の短手方向に沿って切断した断面におけるテーパ角度17cが11°である。インク流路3に平行な方向に沿って切断した断面におけるテーパ角度17bが6°、インク流路3に垂直な方向に沿って切断した断面におけるテーパ角度17dが4°となっている。
このようにして、後述するインク吐出面11におけるインクの溢れ防止と、インク吐出のエネルギー効率の向上と、基板1と流路形成部材4の接着力低下の防止を、すべて実現している。
以上に説明した構成の記録ヘッドによって、インクを吐出する方法を説明する。
不図示のインクタンクがインク供給の電気信号を受けると、インクタンクから記録ヘッドへインクが供給される。インクは不図示の供給ルートを通って、インク流路3に供給される。インクがインク流路3に供給されると、吐出部20にインクが流入し、図4(b)に示すようにメニスカス力によって吐出口5に液面が形成される。次にインクを吐出させるために、インク吐出エネルギー発生装置2に基板1を介して電気信号が送られ、インク吐出エネルギー発生装置2が駆動して発熱する。インク吐出エネルギー発生装置2が発した熱によって、インクがインク流路3で発泡させられ、吐出口5からインクが吐出される。
近年は、高画質な記録を実現可能なインクジェット記録装置が求められており、高画質の記録を実現するためには、記録媒体への定着性を向上させた高粘度のインクを用いる必要がある。高粘度のインクを発泡させて吐出させるためには、大きなエネルギーが必要となる。インク吐出エネルギー発生装置2は大きな電気エネルギーを基板1から受け取り、インクを発泡させて吐出させるための熱エネルギーを生み出す。しかし、インク吐出エネルギー発生装置2がインクを発泡させるために、大きな熱エネルギーを生み出すと、記録ヘッドが熱を帯び、インクの吐出量の変化等の吐出特性に変化が生じてしまう。そのため、高粘度のインクを出来るだけ小さい熱エネルギーで吐出させて、記録ヘッドが帯びる熱の量を減らす必要があった。
この対策として、図2(b)〜(e)に示すように、吐出部20を吐出口5に向けて断面積が小さくなるようにテーパ角度17を有するテーパ形状に形成する。このようにすることによって、吐出部20が円柱形状であるときよりも流体の流れに対する抵抗を小さくして、小さいエネルギーでインクが吐出されるようにした。このとき、テーパ角度17が大きいと流体の流れに対する抵抗が小さくなるため、テーパ角度17は5°以上20°以下になることが好ましい。しかし、基板1にたくさんのスペースがある場合など、テーパ角度17を20°以上に設定できる状態であれば、テーパ角度17は20°以上であってもよい。
ここで、本実施形態における窪み部の技術的意義について説明する。従来技術の記録ヘッドでは、記録ヘッドのインク吐出面に窪み部を有しておらず、インクの吐出口がインク吐出面上に設けられていた。この構成の記録ヘッドでインクを吐出すると、インク吐出面にインクが溢れてしまい、適切な記録ができなくなっていた。
図4(a)に示すように、インクが吐出口5から吐出した直後には、吐出部20から吐出した分のインクが減り、液面が吐出口5から吐出部20にまで下がる。その後、インクのメニスカス力によって、再度液面は吐出口5に戻る。しかしながら、高速記録のためにリフィル周波数を向上させると、インクの液面が吐出口5を越えて記録ヘッドのインク吐出面11に溢れてしまうオーバーシュートが発生しやすくなる。この場合に、吐出口5に窪み部がないと、インクが直ちに記録ヘッドのインク吐出面11に溢れてしまい、記録ヘッドのインク吐出面11に不均一に広がる。この状態で次のインクの吐出を行うと、記録ヘッドのインク吐出面11に不均一に広がったインクによってインクの吐出を妨げられ、適切な記録ができなくなる。
そのため、図7(a)と図7(b)に示すように、オーバーシュートが発生しても、すぐにインクが記録ヘッドのインク吐出面11に溢れてしまわないために、吐出口5に真円の円形窪み部21が設けられた。この円形窪み部21が設けられたおかげで、オーバーシュートによってインクが溢れても、直ちにインク吐出面11にインクが溢れることがなくなった。しかし、窪み部9の容積が小さいと、オーバーシュートしたインクがすぐに窪み部9から溢れだしてしまい、結果として記録ヘッドのインク吐出面11にインクが溢れてしまう。従って、窪み部9の容積が大きくなるように、窪み部9を形成する必要がある。ところが、窪み部9の容積を大きくしたために、隣り合う窪み部9が繋がった状態に形成されてしまうと、オーバーシュートによって窪み部9に溢れたインクが、隣り合う繋がった窪み部9に流れ込んでしまう。この状態では、窪み部9に溢れたインクと隣り合う窪み部9から流れ込んだインクが混ざってしまったり、流れ込んだインクの量が多いために記録ヘッドの吐出面にインクが溢れてしまい、適切な記録ができなくなる。
そこで、図2(a)に示すように、本実施形態では窪み部9を小判型に形成して窪み部9の容積を大きくし、一列に配列されている窪み部9の配列方向に対して小判型の長手方向が角度βを持って配置されることで、隣り合う窪み部9同士が重ならないようにした。このようにすることで、インクがオーバーシュートにより記録ヘッドのインク吐出面11に溢れたり、窪み部9でインクが混ざることがなくなるため、記録媒体に適切な記録をすることができる。
(記録ヘッドの製造方法)
図5(a)〜(g)は、本実施形態の記録ヘッドの製造工程を示す図である。
図5(a)〜(g)は、本実施形態の記録ヘッドの製造工程を示す図である。
インクを吐出するエネルギーを発生するインク吐出エネルギー発生装置2が所定のピッチで基板上に形成され、その上にインク流路3の型となる固定層7が形成される(図5(a)参照)。さらに、基板1と固定層7の上に、ネガ型感光性樹脂層8であるカチオン重合性の光重合性樹脂組成物の日本化薬社製「SU−8レジスト」が、40μmの膜厚で形成される(図5(b)参照)。本発明で用いる固定層7は、ネガ型感光性樹脂層8に用いるネガ型レジストで溶解せず、微細パターンが形成可能で、ノズル形成後に除去が可能でなければならないため、ポジ型レジストが用いられる。特に、ポリメチルイソプロペニルケトン、ポリビニルケトン等のビニルケトン系、あるいはアクリル系の光崩壊型高分子化合物が用いられる。アクリル系の光崩壊型高分子化合物としては、メタクリル酸とメタクリル酸メチルとの共重合体、メタクリル酸とメタクリル酸メチルと無水メタクリル酸との共重合体等が挙げられる。本実施形態では、ポリメチルイソプロペニルケトンである東京応化工業社製「ODUR−1010」(登録商標)を用いた。
次に、不図示のマスクを介してフォトリソグラフィ技術を用いて、第一の露光を行う。図5(c)に示すように、ネガ型感光性樹脂層8の、窪み部9を形成する領域である窪み部パターン10は、第一の露光の段階では未露光である。第一の露光の後に、図5(d)に示すように、ネガ型感光性樹脂層8で用いる樹脂の軟化点以上の温度で熱処理(PEB:Post Exposure Bake)をすることで、窪み部パターン10に窪み部9が形成される。尚、窪み部9の形状及び配置は、使用するヘッドの必要特性に応じて適切なマスクパターンを選択することにより変更することができ、窪み部9の深さは、露光量、PEBの温度及び時間、流路形成部材の膜厚等によって制御することが可能である。本実施形態では、キヤノン社製のI線露光ステッパーを用いて、2500J/m2で露光し、80℃でPEBした。
窪み部9を形成した後に、図5(e)と図6(a)〜(c)に示すように、マスク15を介して第二の露光を行い、吐出口5及び吐出部20の潜像及び窪み部9が形成される。その後に、PEB及び現像を行うことで、図5(f)に示すように、吐出口5と吐出部20が形成される。本実施形態では、キヤノン社製のI線露光ステッパーを用いて、4500J/m2で露光し、90℃でPEBし、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートで現像した。
尚、第一及び第二の露光に用いる露光装置は、前記しているキヤノン社製のI線露光ステッパーやKrFステッパー等の単一波長の光源を用いる。または、キヤノン社製「マスクアライナーMPA−600Super」(登録商標)等の水銀ランプのブロード波長を光源に持つ投影露光装置を用いる。マスクは、露光波長の光を透過するガラスや石英等の材質から成る基材に、ネガ型感光性樹脂層8を硬化させないためのパターン形状のクロム膜等の遮光膜を組み合わせて形成されたものである。
吐出口5と吐出部20が形成された後に、図5(g)に示すように、基板1の流路形成部材4が接合している面と反対側の面(裏面)にインク供給口6が形成される。基板1の裏面に不図示のマスクを配置し、流路形成部材4を不図示のゴム膜で保護して、Si基板の異方性エッチングによってインク供給口6が形成される。さらに、異方性エッチングを完了した後に、ゴム膜を取り去り、溶剤(例えば乳酸メチル)を用いて固定層7を溶解除去することで、インク流路3が形成される。最後に、流路形成部材4を完全に硬化させるために、加熱プロセス(200℃で一時間)を経て、電気的な接続及びインク供給の手段が適宜配置されると、記録ヘッドが完成する。
尚、本実施形態では、フォトリソグラフィ工程を用いて窪み部パターン10に窪み部9を形成したが、インプリント法等の別の方法で窪み部9を形成してもよい。インプリント法を用いて窪み部9を形成する場合には、転写する窪みのパターンを有するモールド(成型用原版)を、温度20〜120℃に熱した状態で、圧力0.01〜5MPaで押し付けて、窪みのパターンをネガ型感光性樹脂層8に転写する。モールドの基材としては、各種金属材料、ガラス、セラミック、シリコン、石英、プラスチック、感光性樹脂等の強度と加工性に優れた材料が用いられる。
さらに、流路形成部材4の上層に撥水層が形成されてもよい。撥水層にはインクに対する撥水性と、ワイパー等による接触を伴う拭き取り動作に対する機械的強度が求められる。そこで、フッ素、ケイ素等の撥水性を有するネガ型レジストや、フッ素含有基を有する加水分解性シラン化合物と、カチオン重合性基を有する加水分解性シラン化合物とを含む縮合物が用いられる。
(吐出部のテーパ形成方法)
図6(a)から6(c)は、フォトリソグラフィ技術を用いて吐出部20にテーパ形状を形成する方法を示している。
図6(a)から6(c)は、フォトリソグラフィ技術を用いて吐出部20にテーパ形状を形成する方法を示している。
まず、遮光された直径d2の遮光領域16を有するマスク15で、遮光領域16がネガ型感光性樹脂層8の表面にある窪み部9に重なるようにネガ型感光性樹脂層8の表面が覆われる。このとき、窪み部9の短手部の長さd1と遮光領域16の直径d2には、d1>d2の関係が成り立つ。この状態で、マスク15を通してネガ型感光性樹脂層8に露光用の光が照射される。図6(b)に示すように、窪み部9の短手部の長さd1において、遮光領域16によって遮光されない光19は、窪み部9の照射部18に照射された後に、ネガ型感光性樹脂層8の内部に屈折して入射する。このとき、窪み部9の照射部18における接線をL1、接線L1の垂線をL2とすると、光19の入射角は光19の入射光とL2のなす角度θ1である。ここで、光19の屈折光とL2のなす屈折角θ2、光19が入射する窪み部9における屈折率をn1、ネガ型感光性樹脂層8の屈折率をn2とすると、スネルの法則によって、n1sinθ1=n2sinθ2の関係が成り立つ。ネガ型感光性樹脂層8への光の照射が大気中で行われたとすると、窪み部9における屈折率n1=1となり、ネガ型感光性樹脂層8の屈折率n2は1より大きいため、(光19の入射角θ1)>(光19の屈折角θ2)が成り立つ。この結果から、窪み部9から照射部18を経由してネガ型感光性樹脂層8に入射した光19は、照射部18に形成される吐出口5より断面積が大きくなるように広がってネガ型感光性樹脂層8の内部を進んでいくことになる。従って、ネガ型感光性樹脂層8を現像すると、インク流路3から吐出口5に向かって断面積が小さくなるテーパ形状を有した吐出部20が形成される。
一方で、図6(c)に示すように、窪み部9の長手部の長さd3においては、遮光領域16によって遮光されない光19は、窪み部9の照射部18’に照射された後に、ネガ型感光性樹脂層8の内部に屈折して入射する。このとき、窪み部9の照射部18’における接線をL3、接線L3の垂線をL4とすると、光19の入射角は、光19の入射光とL4のなす角度θ3である。照射部18’は、窪み部9の長手方向にあるため、短手部方向にある照射部18に比べて曲率が小さい。そのため、照射部18’における接線L3は、照射部18における接線L1に比べて傾きが小さく、照射部18’における垂線L4は、照射部18における垂線L2に比べて傾きが大きい。従って、(光19の照射部18’における入射角θ3)<(光19の照射部18における入射角θ1)という関係が成り立つ。さらに、光19は、前述した条件と同じ条件でネガ型感光性樹脂層8に入射するため、(光19の照射部18’における屈折角θ4)<(光19の照射部18における屈折角θ2)が成り立つ。この結果から、窪み部9から照射部18’を経由してネガ型感光性樹脂層8に入射した光19は、照射部18から入射した光19より広がらずにネガ型感光性樹脂層8の内部を進んでいく。よって、照射部18’から入射した光が形成する吐出部20のテーパ角度17は、照射部18から入射した光が形成する吐出部20のテーパ角度より小さくなる。
このように、窪み部9の光が照射される部分の曲率を変えることによって、吐出部20のテーパ角度17を変えられるため、吐出部20は吐出するインクの特性に応じたテーパ形状を有することができる。粘度の高いインクを吐出する場合には、テーパ角度17を大きくするように形成し、粘度の低いインクを吐出する場合には、基板1と流路形成部材4の接着力を向上させるため、テーパ角度17を小さくするように形成する。また、吐出部20にテーパを設けたくない場合には、光19の入射角が0°にする必要があるため、窪み部9の光が照射される部分を水平面にすればよい。
図8は、φ20μmの吐出口5の端部から窪み部9の端部までの距離を変化させたときに、吐出部20に形成されるテーパ角度17の変化を描いたグラフである。
本実施形態では、窪み部9の長手部の長さd3は60μm以上、窪み部9の短手部の長さd1は24μmに設定されている。そのため、長手方向の吐出口5の端部から窪み部9の端部に至る距離は20μm以上、短手部方向の吐出口5の端部から窪み部9の端部に至る距離は2μmとなる。これを図8のグラフに当てはめると、長手方向の吐出部20のテーパ角度はほぼ0°となり、短手部方向の吐出部20のテーパ角度17cは11°になることがわかる。尚、インク流路同士の間の間隔を十分に確保できるのはテーパ角度が4°までであるため、短手方向の吐出口5の端部から窪み部9の端部に至る距離は10μm以下であることが好ましい。
(第2の実施形態)
図9(a)は、本発明の第2の実施形態における記録ヘッドの要部拡大図である。図9(b)と(c)は、図9(a)の指定部分の断面図である。
図9(a)は、本発明の第2の実施形態における記録ヘッドの要部拡大図である。図9(b)と(c)は、図9(a)の指定部分の断面図である。
本実施形態の窪み部9は、吐出口5が形成される領域であって、吐出口5の配列方向に対して垂直な方向における吐出口5の中心から窪み部9の端部までの距離が最も短い部分である最短部9aと、最短部9a以外の部分である傾斜部9bを有している。また、窪み部9は、吐出口5を中心として点対称な形状を有している。最短部9aは、一列に配置された吐出口5の配列方向に対して平行に延びるように形成され、傾斜部9bは、吐出口5の配列方向に対して鋭角α’を持って交差するように配置されている。鋭角α’は、0°<α’<90°に設定されている。尚、隣り合う窪み部9同士は重なり合わないように形成されている。このように、窪み部9が大きな容積を有していることで、インクがオーバーシュートにより記録ヘッドのインク吐出面11に溢れたり、窪み部9でインクが混ざることがなくなるため、記録媒体に適切な記録をすることができる。
図10に示すように、吐出部20とインク流路3の接続部分20aの平面形状は、平面的にみて長径部と短径部を有する楕円形状となっており、接続部分20aは、接続部分20aの配列方向に対して楕円形状の長径部が垂直に交差するように配置されている。これによって、接続部分20aが真円である場合と比較して、隣り合う接続部分20a同士の間の間隔が広く設定される。そのため、所定のピッチPで基板1に形成された隣り合うインク流路3同士の間のスペースを大きくすることができるので、基板1と流路形成部材4の接続強度を向上させることができる。さらにインク流路3と接続部分20aの長径部が平行になるため、インクの着弾精度を向上することができる。
図9(a)〜(c)に示すように、本実施形態において、基板1及び流路形成部材4の厚さ方向に沿う基板1から吐出口5までの高さXは40μm、基板1及び流路形成部材4の厚さ方向に沿うインク流路3の高さYは20μmに設定されている。平面的にみた吐出口5の直径Dはφ20μm、インク流路3の幅方向に沿う吐出口5のピッチPは21μm(1200dpi)と設定されている。また、平面的にみた窪み部9の短手部の長さd1は24μm、基板1及び流路形成部材4の厚さ方向における窪み部9の深さHは4μmに設定されている。吐出部20のテーパ角度17は、テーパ角度17aが4°、テーパ角度17bが11°となっている。その他の構成については、第1の実施形態と同じであるため省略する。
このようにして、インク吐出面11におけるインクの溢れ防止と、インク吐出のエネルギー効率の向上と、基板1と流路形成部材4の接着力低下の防止を、すべて実現している。
以上に説明した構成の記録ヘッドによって、インクを吐出する方法は、第1の実施形態と同じであるため省略する。
(比較例)
図7(a)と(b)に、本発明の実施形態の比較例として、従来の技術を用いた、円形の窪み部を有する記録ヘッドを示す。図7(a)は、比較例の記録ヘッドの要部拡大図で、図7(b)は、図7(a)の指定部分の断面図である。
図7(a)と(b)に、本発明の実施形態の比較例として、従来の技術を用いた、円形の窪み部を有する記録ヘッドを示す。図7(a)は、比較例の記録ヘッドの要部拡大図で、図7(b)は、図7(a)の指定部分の断面図である。
比較例の円形窪み部21は、吐出口5を中心とした円形になっており、隣り合う円形窪み部21同士は重なり合っていない。
基板1及び流路形成部材4の厚さ方向に沿う基板1から吐出口5までの高さXは25μm、基板1及び流路形成部材4の厚さ方向に沿うインク流路3の高さYは14μmに設定されている。さらに、平面的にみたインク流路3の幅Wは19μm、インク流路3同士の間の壁幅Zは2μmに設定されている。平面的にみた吐出口5の直径Dはφ12μm、インク流路3の幅方向に沿う吐出口5のピッチPは21μm(1200dpi)と設定されている。また、平面的にみた円形窪み部21の直径dはφ20μm、基板1及び流路形成部材4の厚さ方向における円形窪み部21の深さHは4μm、吐出部20のテーパ角度17は7.5°に設定されている。
上記の寸法を有する記録ヘッドを、図5(a)〜(g)に示す製造工程で製作した。しかし、インク流路3同士の間の壁の形状が変形してしまっていたり、インク流路3同士の間の壁と基板1との溶着不良が発生して、所望の形状を得ることができなかった。形状を得ることができた少数の記録ヘッドにて記録動作を行ったところ、オーバーシュートによるインク吐出面へのインク溢れによって記録が適切に行えず、さらには記録動作の最中にインク流路3同士の間の壁と基板1とが剥がれてしまって破損してしまった。
これに対し、前記したように本発明の構成によると、インク流路同士の間の壁を厚くすることで強度を高め、さらに基板と流路形成部材との接着強度も向上させることができる。また、インク吐出面に設けた長手方向と短手方向を有する窪み部が、オーバーシュートによるインク吐出面へのインク溢れを抑制することで、記録媒体への記録乱れが生じることを抑えることができる。
1 基板
2 インク吐出エネルギー発生装置
3 インク流路
4 流路形成部材
5 吐出口
6 インク供給口
7 固定層
8 ネガ型感光性樹脂
9 窪み部
10 窪み部パターン
11 インク吐出面
15 マスク
16 遮光領域
17 テーパ角度
18 照射部
19 入射光
20 吐出部
21 円形窪み部
22 記録ヘッドのインク吐出面
2 インク吐出エネルギー発生装置
3 インク流路
4 流路形成部材
5 吐出口
6 インク供給口
7 固定層
8 ネガ型感光性樹脂
9 窪み部
10 窪み部パターン
11 インク吐出面
15 マスク
16 遮光領域
17 テーパ角度
18 照射部
19 入射光
20 吐出部
21 円形窪み部
22 記録ヘッドのインク吐出面
Claims (13)
- 基板と、前記基板上に列を成すように配置された複数のエネルギー発生装置と、前記エネルギー発生装置の上方に形成され、平面的にみて一つの方向に沿う長さが長い長手部と前記長手部に直交する方向に沿う長さが短い短手部とを含む細長形状を有する窪み部と、前記窪み部の内部であって前記複数のエネルギー発生装置の直上にそれぞれ設けられた記録液を吐出するための複数の吐出口と、前記複数の吐出口にそれぞれ連通し、前記吐出口から前記エネルギー発生装置に向かって広がるテーパ形状を有している複数の吐出部と、を有し、
前記窪み部は、平面的にみて前記細長形状の前記長手部が前記エネルギー発生装置の配列方向に対して0°より大きく90°より小さい角度で交差するように形成されていることを特徴とする記録ヘッド。 - 前記窪み部は、前記吐出口が形成されている領域であって、平面的にみて前記エネルギー発生装置の配列方向に対して平行になるように形成された部分を含むことを特徴とする請求項1に記載の記録ヘッド。
- 前記吐出部の前記テーパ形状は、前記窪み部の長手方向に沿って切断した断面における第一のテーパ角度と、前記窪み部の短手方向に沿って切断した断面における第二のテーパ角度を有し、前記第二のテーパ角度は前記第一のテーパ角度よりも大きい請求項1または2に記載の記録ヘッド。
- 複数の前記窪み部の、前記吐出口の内周縁部における深さは、それぞれ一定であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の記録ヘッド。
- 前記窪み部の短手方向において、前記窪み部の端部から前記吐出口の端部に至る距離が2μmより長いことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の記録ヘッド。
- 前記窪み部の短手方向において、前記窪み部の端部から前記吐出口の端部に至る距離が10μmより短いことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の記録ヘッド。
- 前記窪み部の長手方向において、前記窪み部の端部から前記吐出口の端部に至る距離が5μmより長いことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の記録ヘッド。
- 基板上に複数のエネルギー発生装置を、列を成すように配置する工程と、
前記エネルギー発生装置が設けられた前記基板上に感光性樹脂層を形成する工程と、
前記感光性樹脂層の表面であって前記エネルギー発生装置の上方に長手部と前記長手部に直交する短手部とを有する窪み部を、前記エネルギー発生装置の配列方向と前記長手部が平面的にみて0°より大きく90°より小さい角度で交差するように形成する工程と、
前記窪み部の中心に位置する記録液を吐出する吐出口と、前記吐出口に連通し前記吐出口から前記エネルギー発生装置に向かって広がるテーパ形状を有する吐出部とを潜像させるために、前記感光性樹脂層を露光する工程と、
前記吐出口と前記吐出部とを形成するために、前記感光性樹脂層を現像する工程とを有する記録ヘッドの製造方法。 - 前記窪み部は、前記吐出口が形成されている領域であって、平面的にみて前記エネルギー発生装置の配列方向に対して平行になるように形成された部分を含むことを特徴とする請求項8に記載の記録ヘッドの製造方法。
- 前記吐出部の前記テーパ形状は、前記窪み部の長手方向に沿って切断した断面における第一のテーパ角度と、前記窪み部の短手方向に沿って切断した断面における第二のテーパ角度を有し、前記第二のテーパ角度は前記第一のテーパ角度よりも大きいことを特徴とする請求項8または9に記載の記録ヘッドの製造方法。
- 前記窪み部を形成する工程が、前記感光性樹脂層を露光し、熱処理する工程を含むことを特徴とする請求項8から10のいずれか1項に記載のヘッドの製造方法。
- 前記感光性樹脂層は、カチオン重合性のネガ型レジストであることを特徴とする請求項8から11のいずれか1項に記載の記録ヘッドの製造方法。
- 前記熱処理の温度が前記感光性樹脂層の軟化点以上の温度であることを特徴とする請求項11または12に記載の記録ヘッドの製造方法。
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JP2012165806A JP2014024239A (ja) | 2012-07-26 | 2012-07-26 | 記録ヘッドとその製造方法 |
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JP2020074428A (ja) * | 2014-07-07 | 2020-05-14 | マクセルホールディングス株式会社 | 配列用マスク |
-
2012
- 2012-07-26 JP JP2012165806A patent/JP2014024239A/ja active Pending
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