JP2014024156A - 研磨材、研磨用組成物、硬脆材料の研磨方法及び硬脆材料基板の製造方法 - Google Patents

研磨材、研磨用組成物、硬脆材料の研磨方法及び硬脆材料基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】表面欠陥の発生を抑制しつつ、且つ高い研磨速度で硬脆材料を研磨することの容易な研磨材及び研磨用組成物を提供する。また、その研磨用組成物を用いた硬脆材料の研磨方法、及び硬脆材料基板の製造方法を提供する。
【解決手段】研磨材は酸化ジルコニウム粒子と、酸化アルミニウム粒子及び酸化ケイ素粒子から選ばれる少なくとも1種の酸化物粒子とを含有する。研磨用組成物は、研磨材と水とを含有し、研磨材の含有量が0.1質量%以上である。硬脆材料の研磨方法は、研磨用組成物を用いて硬脆材料を研磨する。硬脆材料基板の製造方法は、研磨用組成物を用いて硬脆材料からなる基板原料を研磨する研磨工程を含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、酸化ジルコニウム粒子を含有する研磨材及び研磨用組成物に関する。また、本発明は、研磨用組成物を用いた硬脆材料の研磨方法及び硬脆材料基板の製造方法に関する。
例えば、ハードディスク用ガラス基板、液晶ディスプレイパネルのガラス基板、フォトマスク用合成石英基板等の硬脆材料からなる基板を研磨する用途で使用される研磨用組成物には、研磨後の基板の品質向上の観点から、スクラッチ等の表面欠陥が少ないことが要求されている。また、研磨作業にかかる時間短縮の観点から、基板の研磨速度(除去速度)が高いことも要求されている。
硬脆材料からなる基板を研磨する用途で使用される研磨用組成物としては、酸化セリウム系の研磨材を含有する研磨用組成物が知られている(特許文献1参照)。しかしながら、現在の日本では酸化セリウムを始めとするレアアースは国外からの輸入に依存している。そのため、レアアースには国際情勢による供給不足や、それに伴う価格上昇等が起こる懸念がある。したがって、レアアースに代わる代替材料を用いた研磨材の開発が望まれている。
一方、特許文献2には、磁気ディスク用のアルミニウム基板を研磨する用途で使用される研磨用組成物として、酸化ジルコニウム微粒子及び研磨促進剤を含有する研磨用組成物が開示されている。
特開2010−16064号公報 特開平10−121034号公報
本発明の目的は、表面欠陥の発生を抑制しつつ、且つ高い研磨速度で研磨することの容易な研磨材及び研磨用組成物を提供することにある。また、その研磨用組成物を用いた硬脆材料の研磨方法及び硬脆材料基板の製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の一態様では、酸化ジルコニウム粒子を含有する研磨材であって、酸化アルミニウム粒子及び酸化ケイ素粒子から選ばれる少なくとも1種の酸化物粒子を含有する研磨材が提供される。
酸化物粒子は、酸化ジルコニウム粒子100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下の範囲で含有されることが好ましい。
酸化ジルコニウム粒子の平均一次粒子径は、0.3μm以下であることが好ましい。
酸化ジルコニウム粒子の平均二次粒子径は、0.1μm以上5μm以下であることが好ましい。
本発明の別の態様では、上記研磨材と水とを含有する研磨用組成物であって、上記研磨材の含有量が0.1質量%以上である研磨用組成物が提供される。
本発明の別の態様では、上記研磨用組成物を用いて硬脆材料を研磨する研磨方法が提供される。
本発明の別の態様では、上記研磨用組成物を用いて硬脆材料からなる基板原料を研磨する研磨工程を含む硬脆材料基板の製造方法が提供される。
本発明によれば、表面欠陥の発生を抑制しつつ、且つ高い研磨速度で研磨することの容易な研磨材及び研磨用組成物が提供される。また、その研磨用組成物を用いた硬脆材料の研磨方法及び硬脆材料基板の製造方法が提供される。
以下、本発明の一実施形態を説明する。
本実施形態の研磨用組成物は、研磨材及び水を含有する。研磨材は、酸化ジルコニウム粒子及び特定の酸化物粒子を含有する。研磨用組成物は、例えば、サファイア、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化ケイ素、ガラス、窒化ガリウム、ヒ化ガリウム、ヒ化インジウム、リン化インジウム等の硬脆材料を研磨する用途に好適に使用できる。
研磨材中に含まれる酸化ジルコニウム粒子は、立方晶系、正方晶系、単斜晶系等の結晶質ジルコニアからなるものであってもよいし、非晶質ジルコニアからなるものであってもよい。研磨材としては、正方晶系や単斜晶系のジルコニアからなる酸化ジルコニウム粒子を用いることが好ましい。なお、酸化ジルコニウム粒子の結晶構造は、株式会社リガク製MiniFlex等の粉末X線回折装置により測定することができる。例えば、粉末X線回折装置を用いて測定される2θが28.0°付近での回折強度及び31.0°付近での回折強度に基づいて算出される結晶子サイズが共に330Å以上である場合には、酸化ジルコニウム粒子の結晶系が単斜晶系であり、またその結晶子サイズが大きいことを示す。
酸化ジルコニウム粒子は不純物を含有するものであってもよい。但し、酸化ジルコニウム粒子の純度はできる限り高いことが好ましい。具体的には、酸化ジルコニウム粒子の純度は99質量%以上であることが好ましく、より好ましくは99.5質量%以上であり、更に好ましくは99.8質量%以上である。酸化ジルコニウム粒子の純度が99質量%以上の範囲においては、純度の増大によって研磨用組成物による硬脆材料の研磨速度が向上する。この点、酸化ジルコニウム粒子の純度が99質量%以上、好ましくは99.5質量%以上、より好ましくは99.8質量%以上であれば、研磨用組成物による硬脆材料の研磨速度を実用上、特に好適なレベルにまで向上させることが容易となる。なお、酸化ジルコニウム粒子の純度は、例えば株式会社島津製作所製XRF−1800等の蛍光X線分析装置による酸化ジルコニウム及び酸化ハフニウムの合計量の測定値より算出することができる。
酸化ジルコニウム粒子に含有される不純物としては、例えば、カルシウム、マグネシウム、ハフニウム、イットリウム、ケイ素、アルミニウム、鉄、銅、クロム、チタンや、それらの酸化物が挙げられる。但し、酸化ジルコニウム粒子に含有される不純物の量は少ないことが好ましい。例えば、酸化ジルコニウム粒子中の酸化ケイ素の含有量は、1質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5質量%以下であり、更に好ましくは0.2質量%以下である。酸化ジルコニウム粒子中の酸化アルミニウム及び酸化鉄の含有量は、それぞれ0.1質量%以下であることが好ましい。なお、酸化ケイ素、酸化アルミニウム及び酸化鉄等の不純物の含有量は、例えばICP発光分光分析装置による測定値より算出することができる。
また、酸化ジルコニウム粒子に含有される不純物は、株式会社リガク製MiniFlex等の粉末X線回折法によって測定することもできる。例えば、粉末X線回折装置を用いて測定される2θが26.5°付近の回折ピークの強度に基づいて、酸化ジルコニウム粒子中の石英シリカの含有量を測定することができる。上記回折ピークの強度が小さいほど、不純物としての石英シリカの含有量が少ないことを示す。なお、上記回折ピークの強度が200cps以下であることが好ましく、上記回折ピークが現れないこと、すなわち不純物としての石英シリカを実質的に含有していないことがより好ましい。
酸化ジルコニウム粒子の比表面積は15.0m/g以下であることが好ましく、より好ましくは13.0m/g以下であり、更に好ましくは9.0m/g以下である。酸化ジルコニウム粒子の比表面積は1.0m/g以上であることが好ましく、より好ましくは2.0m/g以上である。酸化ジルコニウム粒子の比表面積を1.0m/g以上15.0m/g以下の範囲とすることにより、研磨用組成物による硬脆材料の研磨速度を実用上、好適なレベルにまで向上させることが容易となる。なお、酸化ジルコニウム粒子の比表面積は、例えば島津株式会社製FlowSorbII2300等の窒素吸着法による比表面積測定装置により測定することができる。
酸化ジルコニウム粒子の平均一次粒子径は0.3μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.2μm以下であり、更に好ましくは0.15μm以下である。平均一次粒子径の減少によって、研磨後の硬脆材料の表面粗さが低減する。この点、酸化ジルコニウム粒子の平均一次粒子径が0.3μm以下、好ましくは0.2μm以下、更に好ましくは0.15μm以下であれば、研磨後の硬脆材料の表面粗さを実用上、特に好適なレベルにまで低減させることが容易となる。
なお、酸化ジルコニウム粒子の一次粒子径は、例えば株式会社日立ハイテクノロジーズ製S−4700等の走査型電子顕微鏡により撮影される写真に基づいて算出できる。例えば、倍率10,000〜50,000倍で撮影された酸化ジルコニウム粒子の電子顕微鏡写真から所定数(例えば、100個以上)の粒子を無作為に選択する。選択した粒子について、電子顕微鏡写真の画像から面積を計測し、その面積と同じ面積となる円の直径を酸化ジルコニウム粒子の一次粒子径として求める。そして、その一次粒子径の平均値(体積基準の積算分率における50%粒子径)を平均一次粒子径として算出する。なお、一次粒子径及び平均一次粒子径の算出は市販の画像解析装置を用いて行うことができる。
酸化ジルコニウム粒子の平均二次粒子径は0.1μm以上であることが好ましく、より好ましくは0.3μm以上であり、更に好ましくは0.5μm以上である。平均二次粒子径の増大によって、研磨用組成物による硬脆材料の研磨速度が向上する。この点、酸化ジルコニウム粒子の平均二次粒子径が0.1μm以上、好ましくは0.3μm以上、より好ましくは0.5μm以上であれば、研磨用組成物による硬脆材料の研磨速度を実用上、特に好適なレベルにまで向上させることが容易となる。
酸化ジルコニウム粒子の平均二次粒子径は5μm以下であることが好ましく、より好ましくは3μm以下、更に好ましくは1.5μm以下である。平均二次粒子径の減少によって、研磨用組成物の分散安定性が向上するとともに、研磨後の硬脆材料に生じるスクラッチ等の表面欠陥が抑制される。この点、酸化ジルコニウム粒子の平均二次粒子径が5μm以下、好ましくは3μm以下、より好ましくは1.5μm以下であれば、研磨用組成物の分散安定性、及び研磨後の硬脆材料の表面精度を実用上、特に好適なレベルにまで向上させることが容易となる。
なお、酸化ジルコニウム粒子の平均二次粒子径は、体積基準の積算分率における50%粒子径であり、例えば、株式会社堀場製作所製LA−950等のレーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置によって求めることができる。
酸化ジルコニウム粒子の製造方法は特に限定されるものではない。例えば、湿式法及び乾式法のいずれの方法により製造された酸化ジルコニウム粒子も使用することができる。湿式法では、ジルコンやジルコン砂等のジルコニウム含有鉱石を原料とし、それを溶融、溶解及び精製して得られるジルコニウム化合物を加水分解して水酸化ジルコニウムを得た後、それを焼成及び粉砕して酸化ジルコニウム粒子が得られる。乾式法では、高温処理によりジルコンやジルコン砂等のジルコニウム含有鉱石から酸化ケイ素を取り除くこと、或いはバデライト等の酸化ジルコニウム鉱石を粉砕した後、不純物を除くことにより酸化ジルコニウム粒子が得られる。
湿式法よりも乾式法のほうが製造コストを抑えることができる。しかし、乾式法よりも湿式法のほうが、純度の高い酸化ジルコニウム粒子を得ることが可能であることに加え、焼成、粉砕、分級等の操作により、得られる酸化ジルコニウム粒子の粒度や比表面積の調整が比較的容易である。そのため、本実施形態における酸化ジルコニウム粒子は湿式法で製造されることが好ましい。なお、乾式法により純度の高い酸化ジルコニウム粒子を得るためには、高温処理により酸化ケイ素などの不純物を昇華させる工程を含めることが好ましい。その場合の高温処理は、例えばアーク炉を用いて、通常2000℃以上、好ましくは約2700℃以上にまで原料鉱石を加熱することにより行われる。
酸化ジルコニウム粒子の製造方法において、酸化ジルコニウム粒子を粉砕する粉砕工程は、得られる酸化ジルコニウム粒子の粒子径を小さく揃えるために、また不純物を取り除くために必要な工程である。この粉砕により、一次粒子が凝集して形成される二次粒子の少なくとも一部は一次粒子を最小単位とする粒子に崩壊する。酸化ジルコニウム粒子を粉砕する方法としては、例えば、メディアを用いたボールミル、ビーズミル、ハンマーミル等による方法や、メディアを用いないジェットミル等による方法が挙げられる。また、溶媒を用いた湿式法と溶媒を用いない乾式法が挙げられる。
メディアを用いた粉砕方法と比較して、メディアを用いない粉砕方法を採用することが好ましい。ボールやビーズ等のメディアを用いた粉砕方法の場合、メディアの摩耗又は破壊により生じる破片が酸化ジルコニウム粒子中に混入する虞がある。また、メディアから受ける圧力により一次粒子の形状が変化して、酸化ジルコニウム粒子の比表面積や研磨性能に影響を与える虞がある。一方、メディアを用いない粉砕方法の場合には、上記の懸念は大きく低減される。
湿式法による粉砕方法と比較して、乾式法による粉砕方法を採用することが好ましい。湿式法による粉砕方法の場合には分散剤を添加する必要がある。この分散剤が酸化ジルコニウム粒子に混在されていると、研磨材の安定性に影響を与える虞がある。また、酸化ジルコニウム粒子を乾燥粉末状態で得るためには、粉砕工程後に乾燥の工程を行う必要がある。一方、乾式法による粉砕方法の場合、分散剤を必要とせず、また乾燥の工程を行う必要もない。また、乾式法による粉砕方法の場合、粉砕効率が比較的高く、所望とする粒子径の酸化ジルコニウム粒子が効率よく得られる。したがって、粉砕工程は、メディアを用いないジェットミル等による方法、且つ乾式法による粉砕方法を採用することが特に好ましい。
研磨材中における酸化ジルコニウム粒子の含有量は、50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは90質量%以上である。酸化ジルコニウム粒子の含有量の増大によって、研磨用組成物による硬脆材料の研磨速度が向上する。
研磨材は、特定の酸化物粒子として、酸化アルミニウム粒子及び酸化ケイ素粒子から選ばれる少なくとも1種の酸化物粒子(以下、上記酸化物粒子と記載する。)を含有する。上記酸化物粒子は、酸化ジルコニウム粒子との共用によって、研磨用組成物による硬脆材料の研磨速度を低下させることなく、研磨後の表面に生じるスクラッチ等の表面欠陥を抑制する。上記酸化物粒子としては、例えば、フュームドアルミナ、フュームドシリカ、コロイダルシリカが挙げられる。上記酸化物粒子の中でも、フュームドアルミナ又はフュームドシリカを用いることが好ましく、フュームドシリカを用いることが更に好ましい。好ましい酸化物微粒子を用いた場合には、研磨後の表面に生じるスクラッチ等の表面欠陥を抑制する効果をより顕著に得ることができ、表面精度を特に好適なレベルまで向上させることが容易となる。
上記酸化物粒子の平均一次粒子径は、1nm以上であることが好ましく、より好ましくは5nm以上であり、更に好ましくは10nm以上であり、特に好ましくは13nm以上である。平均一次粒子径の増大によって、研磨用組成物による硬脆材料の研磨速度が向上する。この点、上記酸化物粒子の平均一次粒子径が1nm以上、好ましくは5nm以上、より好ましくは10nm以上、更に好ましくは13nm以上であれば、研磨用組成物による硬脆材料の研磨速度を実用上、特に好適なレベルにまで向上させることが容易となる。
上記酸化物粒子の平均一次粒子径は、80nm以下であることが好ましく、より好ましくは40nm以下であり、更に好ましくは30nm以下であり、特に好ましくは27nm以下である。平均一次粒子径の減少によって、研磨後の硬脆材料の表面粗さが低減される。この点、上記酸化物粒子の平均一次粒子径が80nm以下、好ましくは40nm以下、より好ましくは30nm以下、更に好ましくは27nm以下であれば、研磨後の硬脆材料の表面粗さを実用上、特に好適なレベルにまで向上させることが容易となる。
なお、上記酸化物粒子の平均一次粒子径は、例えば、粒子の比表面積と質量とから算出することができる。粒子の比表面積は、例えば島津株式会社製FlowSorbII2300等の窒素吸着法による比表面積測定装置により測定することができる。
上記酸化物粒子の平均二次粒子径は、5nm以上であることが好ましく、より好ましくは10nm以上であり、更に好ましくは15nm以上である。平均二次粒子径の増大によって、研磨用組成物による硬脆材料の研磨速度が向上する。この点、上記酸化ジルコニウム粒子の平均二次粒子径が5nm以上、好ましくは10nm以上、より好ましくは15nm以上であれば、研磨用組成物による硬脆材料の研磨速度を実用上、特に好適なレベルにまで向上させることが容易となる。
上記酸化物粒子の平均二次粒子径は200nm以下であることが好ましく、より好ましくは150nm以下であり、更に好ましくは100nm以下であり、特に好ましくは60nm以下である。平均二次粒子径の減少によって、研磨後の硬脆材料の表面粗さが低減される。この点、上記酸化物粒子の平均二次粒子径が200nm以下、好ましくは150nm以下、より好ましくは100nm以下、更に好ましくは60nm以下であれば、研磨後の硬脆材料の表面粗さを実用上、特に好適なレベルにまで向上させることが容易となる。なお、酸化物粒子の平均二次粒子径は、例えば、日機装株式会社製Nanotrac UPA−UT151を用いて、動的光散乱法により測定することができる。
研磨材中における上記酸化物粒子の含有量は、酸化ジルコニウム粒子100質量部に対して1質量部以上であることが好ましく、より好ましくは3質量部以上である。上記酸化物粒子の含有量の増大によって、スクラッチ等の表面欠陥が抑制される。研磨材中における上記酸化物粒子の含有量は、酸化ジルコニウム粒子100質量部に対して20質量部以下であることが好ましく、より好ましくは15質量部以下である。上記酸化物粒子の含有量の減少によって、研磨速度が向上する。
研磨材は、酸化ジルコニウム粒子及び上記酸化物粒子に加えて、他の粒子を更に含有していてもよい。他の粒子としては、例えば、酸化セリウム粒子や酸化チタニウム粒子等の他の酸化物粒子、ジルコン粒子等が挙げられる。例えば、本実施形態の研磨材は、酸化ジルコニウム粒子及び酸化アルミニウム粒子と、酸化セリウム粒子とを含有するものであってもよい。他の粒子として酸化セリウムを含有する場合、研磨材中における酸化セリウムの含有量は、40質量%未満であることが好ましく、より好ましくは9質量%未満である。
研磨材中の粒子全体の平均二次粒子径は、0.1μm以上であることが好ましく、より好ましくは0.3μm以上であり、更に好ましくは0.5μm以上である。平均二次粒子径の増大によって、研磨用組成物による硬脆材料の研磨速度が向上する。この点、研磨材の平均二次粒子径が0.1μm以上、好ましくは0.3μm以上、より好ましくは0.5μm以上であれば、研磨用組成物による硬脆材料の研磨速度を実用上、特に好適なレベルにまで向上させることが容易となる。
研磨材中の粒子全体の平均二次粒子径は5μm以下であることが好ましく、より好ましくは3μm以下であり、更に好ましくは1.5μm以下である。平均二次粒子径の減少によって、研磨用組成物の分散安定性が向上するとともに、研磨後の硬脆材料に生じるスクラッチ等の表面欠陥が抑制される。この点、研磨材の平均二次粒子径が5μm以下、好ましくは3μm以下、より好ましくは1.5μm以下であれば、研磨用組成物の分散安定性、及び、研磨後の硬脆材料の表面精度を実用上、特に好適なレベルにまで向上させることが容易となる。なお、研磨材の平均二次粒子径は、体積基準の積算分率における50%粒子径であり、例えば、株式会社堀場製作所製LA−950等のレーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置によって求めることができる。
研磨材のうち5μm以上の二次粒子径を有する粗大粒子の個数は、できる限り少ないことが好ましい。具体的には、1質量%の研磨材を含有する水分散液1mL当たりの上記粗大粒子の個数は、10,000,000個以下であることが好ましく、より好ましくは5,000,000個以下であり、更に好ましくは2,000,000個以下である。粗大粒子の個数の減少によって、研磨後の硬脆材料に生じるスクラッチ等の表面欠陥が抑制される。この点、上記粗大粒子の個数が、10,000,000個以下、好ましくは5,000,000個以下、より好ましくは2,000,000個以下であれば、研磨後の硬脆材料の表面精度を実用上、特に好適なレベルにまで向上させることが容易となる。なお、上記粗大粒子の個数は、例えばPaeticle Sizing Systems社製AccuSizer780FX等の個数カウント式粒度分布測定機によって求めることができる。
研磨用組成物は、上記研磨材及び水を含有する。研磨用組成物中における研磨材の含有量は0.1質量%以上であることが好ましく、より好ましくは1質量%以上であり、更に好ましくは3質量%以上である。研磨材の含有量の増大によって、研磨用組成物による硬脆材料の研磨速度が向上する。この点、研磨用組成物中における研磨材の含有量が0.1質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上であれば、研磨用組成物による硬脆材料の研磨速度を実用上、特に好適なレベルにまで向上させることが容易となる。
研磨用組成物のpHは3以上であることが好ましい。また、研磨用組成物のpHは12以下であることが好ましい。研磨用組成物のpHが上記範囲内であれば、研磨用組成物による硬脆材料の研磨速度を実用上、特に好適なレベルにまで向上させることが容易となる。
研磨用組成物のpHは種々の酸、塩基、又はそれらの塩を用いて調整が可能である。具体的には、カルボン酸、有機ホスホン酸、有機スルホン酸等の有機酸や、燐酸、亜燐酸、硫酸、硝酸、塩酸、ホウ酸、炭酸等の無機酸、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、トリメタノールアミン、モノエタノールアミン等の有機塩基、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア等の無機塩基、又はそれらの塩が好ましく用いられる。
研磨用組成物には、研磨促進のためにセリウム塩又はジルコニウム塩を添加してもよい。セリウム塩としては、例えば、硝酸セリウムアンモニウム、硝酸セリウム、塩化セリウム、硫酸セリウム等が挙げられる。ジルコニウム塩としては、例えば、オキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム等が挙げられる。
研磨用組成物中におけるセリウム塩の含有量は、2mM以上であることが好ましく、より好ましくは20mM以上である。また、研磨用組成物中におけるジルコニウム塩の含有量は1mM以上であることが好ましく、より好ましくは10mM以上である。セリウム塩又はジルコニウム塩の含有量の増大によって、硬脆材料の研磨速度が向上する。
研磨用組成物中のセリウム塩の含有量は360mM以下であることが好ましい。また、研磨用組成物中のジルコニウム塩の含有量は180mM以下であることが好ましい。なお、セリウム塩を研磨用組成物に添加した場合には、pH調整のために使用されるアルカリの種類によってはセリウム塩の析出が起こることがある。セリウム塩が析出すると、セリウム塩の添加による研磨促進の効果が十分得られない場合がある。
研磨用組成物には、分散安定性の向上のために分散剤が添加されていてもよい。分散剤としては、例えば、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム等のポリリン酸塩が挙げられる。また、ある種の水溶性高分子又はそれらの塩も分散剤として用いることができる。分散剤を添加することによって研磨用組成物の分散安定性が向上し、スラリー濃度の均一化による研磨用組成物の供給の安定化が可能になる。
分散剤として使用される水溶性高分子としては、例えば、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸塩、ポリスルホン酸、ポリスルホン酸塩、ポリアミン、ポリアミド、ポリオール、多糖類の他、それらの誘導体や共重合体等が挙げられる。具体的には、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリイソプレンスルホン酸塩、ポリアクリル酸塩、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリグリセリン、ポリビニルピロリドン、イソプレンスルホン酸とアクリル酸の共重合体、ポリビニルピロリドンポリアクリル酸共重合体、ポリビニルピロリドン酢酸ビニル共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物の塩、ジアリルアミン塩酸塩二酸化硫黄共重合体、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースの塩、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、プルラン、キトサン、キトサン塩類等が挙げられる。
研磨用組成物中における分散剤の含有量は、0.001質量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.005質量%以上であり、更に好ましくは0.02質量%以上である。分散剤の含有量が0.001質量%以上であれば、良好な分散安定性を有する研磨用組成物を得ることが容易である。
一方、分散剤を過剰に添加した場合には、研磨用組成物中の研磨材が保管時や輸送時に沈降して生じた沈殿が強固なものとなる傾向がある。そのため、研磨用組成物を使用する際に、その沈殿を分散させることが困難となる、すなわち、研磨用組成物中における研磨材の再分散性が低下することがある。そのため、研磨用組成物中における分散剤の含有量は、1質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.2質量%以下である。分散剤の含有量が1質量%以下であれば、研磨用組成物中の研磨材の再分散性を低下させることなく、研磨用組成物の保存安定性の向上を図ることができる。
次に、実施形態の研磨用組成物の調製方法について説明する。
研磨用組成物は、酸化ジルコニウム粒子及び上記酸化物粒子を含有する研磨材を水に分散させ、必要に応じて公知の添加剤を添加することにより調製される。研磨用組成物を調製する際の各成分の混合順序は任意である。例えば、研磨材、水及び添加剤を含有する濃縮組成物を製造し、その濃縮組成物を水希釈することにより研磨用組成物を調製してもよい。また、添加剤を溶解させた水溶液に研磨材を分散させることにより研磨用組成物を調製してもよい。また、粉末状の研磨材に粉末状の添加剤を混合し、その混合物に水を加えることより研磨用組成物を調製してもよい。
次に、実施形態の研磨用組成物を用いた硬脆材料基板の製造方法について説明する。
硬脆材料基板の製造方法は、実施形態の研磨用組成物を用いて硬脆材料からなる基板原料を研磨する研磨工程を含む。
研磨工程における研磨用組成物を用いた基板原料の研磨は、基板原料の研磨に通常に用いられる装置及び条件と同じ装置及び条件を使用して行うことができる。研磨装置としては、例えば、片面研磨装置や両面研磨装置を用いることができる。片面研磨装置を使用する場合には、キャリアと呼ばれる保持具を用いて基板原料を保持し、研磨パッドを貼付した定盤を基板原料の片面に押しつけた状態で、基板原料に対して研磨用組成物を供給しながら定盤を回転させることにより基板原料の片面を研磨する。両面研磨装置を使用する場合には、キャリアと呼ばれる保持具を用いて基板原料を保持し、研磨パッドをそれぞれ貼付した上下の定盤を基板原料の両面に押しつけた状態とする。そして、上方から基板原料に対して研磨用組成物を供給しながら、2つの定盤を互いに反対方向に回転させることにより基板原料の両面を研磨する。研磨工程においては、研磨パッド及び研磨用組成物と基板原料との摩擦による物理的作用、並びに研磨用組成物が基板原料にもたらす化学的作用によって基板原料が研磨される。
研磨工程時の荷重、すなわち研磨荷重を高くするほど、研磨速度が上昇する。研磨用組成物を用いて基板原料を研磨するときの研磨荷重は特に限定されないが、基板表面の面積1cm当たり50g以上1,000g以下であることが好ましく、より好ましくは70g以上800g以下である。研磨荷重が上記範囲内である場合には、実用上、十分な研磨速度が得られるとともに、研磨後の基板表面に生じるスクラッチ等の表面欠陥が抑制される。
研磨工程時の線速度、すなわち研磨線速度は一般に、研磨パッドの回転数、キャリアの回転数、基板原料の大きさ、基板原料の数等のパラメータの影響を受ける。線速度が大きくなるほど、基板原料に加わる摩擦力が大きくなるため、基板原料はより強く機械的な研磨作用を受ける。また、摩擦熱が大きくなるために、研磨用組成物による化学的な研磨作用が強まることもある。但し、線速度が大きすぎると、研磨パッドが基板原料に対して十分に摩擦せず、研磨速度の低下をきたすことがある。研磨用組成物を用いて基板原料を研磨するときの線速度は特に限定されないが、10m/分以上150m/分以下であることが好ましく、より好ましくは30m/分以上100m/分以下である。線速度が上記範囲内である場合には、実用上、十分な研磨速度を得ることが容易である。
研磨工程時における研磨装置への研磨用組成物の供給速度は、研磨する基板原料の種類、研磨装置の種類、研磨条件等によって適宜設定される。但し、基板原料及び研磨パッドの全体に対してむら無く研磨用組成物が供給されるのに十分な供給速度であることが好ましい。
研磨用組成物を用いた基板原料の研磨に使用される研磨パッドは、その材質、硬度や厚み等の物性等について特に限定されるものではない。例えば、ポリウレタンタイプ、不織布タイプ、スウェードタイプ等のいずれのタイプのものを使用してもよい。また、研磨パッドは、砥粒を含むものであっても、砥粒を含まないものであってもよい。また、研磨パッドの硬度や厚みも特に限定されない。
なお、基板原料が半導体基板、ハードディスク用基板、液晶ディスプレイパネル、フォトマスク用合成石英基板等の特に高い面精度が要求される基板である場合には、研磨工程後に更に精研磨工程を行うことが好ましい。精研磨工程では精研磨用研磨材を含有した研磨用組成物、すなわち精研磨用組成物を用いて、研磨工程後の基板原料の表面を更に研磨する。精研磨用組成物のpHは、1以上4以下、又は9以上11以下であることが好ましい。精研磨用組成物のpHの調整は、研磨用組成物と同様に、種々の酸、塩基又はそれらの塩を用いて行うことができる。
精研磨用研磨材は、基板表面のうねり、粗さ、欠陥を低減する観点から、平均粒子径が0.15μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.10μm以下であり、更に好ましくは0.07μm以下である。また、研磨速度向上の観点から、精研磨用研磨材の平均粒子径は0.01μm以上であることが好ましく、より好ましくは0.02μm以上である。精研磨用研磨材の平均粒子径は、例えば日機装株式会社製Nanotrac UPA−UT151を用いて、動的光散乱法により測定することができる。
上記研磨工程、及び必要に応じて上記精研磨工程を経ることによって、硬脆材料からなる基板原料は、表面の面精度が高められた硬脆材料基板となる。
以上詳述した本実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
(1)研磨用組成物は、酸化ジルコニウム粒子及び酸化物粒子を含有する研磨材と水とを含有する。酸化物粒子は、酸化アルミニウム粒子及び酸化ケイ素粒子から選ばれる少なくとも1種の酸化物粒子である。
研磨用組成物に含有される上記酸化ジルコニウム粒子は、特に、硬脆材料を研磨する能力に優れる。したがって、ガラス、セラミックス、石材及び半導体材料等の硬脆材料の研磨する用途に好適に使用することができる。特に、硬脆材料の中でもサファイア、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化ケイ素、ガラス、窒化ガリウム、ヒ化ガリウム、ヒ化インジウム、リン化インジウムを研磨する用途に特に好適に使用することができる。更には、石英ガラス、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、ボロシリケートガラス、アルミノボロシリケートガラス、無アルカリガラス、結晶化ガラス、ソーダアルミノケイ酸ガラス、シリコン酸化膜等のガラス又は酸化物からなる硬脆材料を研磨する用途においては、酸化セリウムを主体とした従来の研磨材及び研磨用組成物の代替として好適に使用することができる。更に、上記酸化ジルコニウム粒子と特定の酸化物粒子とを共用することにより、表面欠陥の発生を抑制しつつ、且つ高い研磨速度で硬脆材料を研磨することができる。
(2)好ましくは、酸化物粒子は、酸化ジルコニウム粒子100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下の範囲で含有される。これにより、スクラッチ等の表面欠陥が抑制される。
(3)好ましくは、酸化ジルコニウム粒子の平均一次粒子径は、0.3μm以下であるこれにより、研磨後の硬脆材料の表面粗さを低減させることができる。
(4)好ましくは、酸化ジルコニウム粒子の平均二次粒子径は、0.1μm以上5μm以下である。これにより、表面欠陥の発生を抑制しつつ、且つ高い研磨速度で硬脆材料を研磨する効果をより顕著に得ることができる。
(5)硬脆材料の研磨方法は、上記(1)欄で述べた研磨用組成物を用いて硬脆材料を研磨する工程を含む。これにより、表面の面精度が高められた硬脆材料を効率よく得ることができる。
(6)硬脆材料基板の製造方法は、上記(1)欄で述べた研磨用組成物を用いて硬脆材料からなる基板原料を研磨する研磨工程を含む。これにより、表面の面精度が高められた硬脆材料基板を効率よく得ることができる。
前記実施形態は、次のようにして変更されてもよい。
・必要に応じて上記研磨用組成物中に添加剤を添加してもよい。また、必要に応じて上記精研磨用組成物中に添加剤を添加してもよい。添加剤としては、例えば、キレート剤、界面活性剤、防腐剤、防黴剤、防錆剤が挙げられる。
・上記研磨用組成物及び上記精研磨用組成物は、希釈用原液の形態で製造及び販売されるとともに、希釈して使用されるものであってよい。つまり、希釈用原液を水で希釈することにより調製されるものであってもよい。
・上記研磨用組成物及び上記精研磨用組成物は、分散・溶解用粉末の形態で製造及び販売されるとともに、水に分散・溶解させて使用されるものであってよい。つまり、分散・溶解用粉末を水に混合することにより調製されるものであってもよい。
・上記精研磨用組成物として、実施形態の研磨用組成物を用いてもよい。
・上記研磨工程時において、使用された研磨用組成物を回収して再利用(循環使用)してもよい。例えば、研磨装置から排出される使用済みの上記研磨用組成物をタンク内に一旦回収し、タンク内から再び研磨装置へと供給するようにしてもよい。この場合、使用済みの研磨用組成物を廃液として処理する必要が減るため、環境負荷の低減及びコストの低減が可能である。
更に、上記研磨用組成物を循環使用するときには、基板原料の研磨に使用されることにより消費されたり損失したりした研磨用組成物中の研磨材等の成分のうちの少なくともいずれかの減少分の補充を行うようにしてもよい。補充する成分は個別に使用済みの研磨用組成物に添加してもよいし、二以上の成分を任意の濃度で含んだ混合物の状態で使用済みの研磨用組成物に添加してもよい。
・上記研磨用組成物は、硬脆材料以外の材料を研磨する用途に用いることもできる。
次に、前記実施形態から把握できる技術的思想について記載する。
(イ)硬脆材料を研磨する用途に使用される前記研磨材及び前記研磨用組成物。
実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
酸化ジルコニウム粒子と酸化物粒子とからなる研磨材を水に混合し、亜リン酸又は水酸化カリウムによってpHを7に調整することにより、実施例1〜4及び比較例1の研磨用組成物を調製した。また、比較例2として、研磨材中に酸化物粒子を含有しない研磨用組成物を調製した。
各例の研磨用組成物の詳細を表1に示す。表1中における比表面積は、島津株式会社製FlowSorbII2300を用いて窒素吸着法により求めた比表面積を示す。表1中における純度は、株式会社島津製作所製XRF−1800を用いて測定した酸化ジルコニウム粒子の純度を示す。表1中におけるSiO及びTiOは、酸化ジルコニウム粒子に含まれる二酸化ケイ素及び二酸化チタンの含有量をそれぞれ示す。二酸化ケイ素及び二酸化チタンの含有量の測定は、株式会社島津製作所製ICPE−9000を使用して行った。
表1中における平均一次粒子径は、走査型電子顕微鏡により撮影した写真に基づいて算出した体積基準の積算分率における50%粒子径の値を示す。なお、走査型電子顕微鏡として、株式会社日立ハイテクノロジーズ製のS−4700を用いるとともに、画像解析装置として、株式会社マウンテック製Mac−Viewを用いた。表1中における平均二次粒子径は、株式会社堀場製作所製LA−950により測定された体積基準の積算分率における50%粒子径の値を示す。
各例の研磨用組成物中に含有される酸化物粒子の詳細を表2に示す。表2中における“平均一次粒子径”欄は、島津株式会社製FlowSorbII2300を用いて窒素吸着法により測定した比表面積と、質量とから算出した平均一次粒子径を示す。表2中における“平均二次粒子径”欄は、株式会社堀場製作所製LA−950等のレーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置によって求めた体積基準の積算分率における50%粒子径を示す。表2中における“質量比”欄は、研磨材に含有される酸化ジルコニウム粒子と酸化物粒子との質量比を示す。
各例の研磨用組成物を用いて、直径65mm(約2.5インチ)の磁気ディスク用アルミノシリケートガラス基板の表面を表3に示す条件で研磨した。また、各例の研磨用組成物を用いて、直径50mm(約2インチ)の液晶ディスプレイガラス用無アルカリガラス基板の表面を表4に示す条件で研磨した。そして、各例の研磨用組成物について、研磨速度及び表面欠陥の評価を行った。それらの結果を表5に示す。
表5における“研磨速度”欄には、研磨速度についての評価結果を示す。研磨前後の基板の質量の差に基づいて求めた研磨速度が、0.6μm/分以上である場合を「6」、0.5μm/分以上0.6μm/分未満である場合を「5」、0.4μm/分以上0.5μm/分未満である場合を「4」、0.3μm/分以上0.4μm/分未満である場合を「3」、0.2μm/分以上0.3μm/分未満である場合を「2」、0.2μm/分未満である場合を「1」として評価した。
表5における“スクラッチ”欄には、研磨後の基板において計測されるスクラッチの個数に基づいた表面欠陥についての評価結果を示す。VISION PSYTEC社製“Micro Max VMX−2100”を用いて計測される基板表面のスクラッチの個数が、20未満である場合を「5」、20以上100未満である場合を「4」、100以上200未満である場合を「3」、200以上300未満である場合を「2」、300以上400未満である場合を「1」、400以上である場合を「0」として評価した。
表5に示すように、実施例1〜4の研磨用組成物では、研磨速度及び表面欠陥(スクラッチ)に関して実用上、満足できる結果が得られた。一方、比較例1〜2の研磨用組成物では、表面欠陥(スクラッチ)に関して満足できる結果が得られなかった。

Claims (7)

  1. 酸化ジルコニウム粒子を含有する研磨材であって、
    酸化アルミニウム粒子及び酸化ケイ素粒子から選ばれる少なくとも1種の酸化物粒子を含有することを特徴とする研磨材。
  2. 前記酸化物粒子は、前記酸化ジルコニウム粒子100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下の範囲で含有されることを特徴とする請求項1に記載の研磨材。
  3. 前記酸化ジルコニウム粒子の平均一次粒子径は、0.3μm以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の研磨材。
  4. 前記酸化ジルコニウム粒子の平均二次粒子径は、0.1μm以上5μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の研磨材。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の研磨材と水とを含有する研磨用組成物であって、
    前記研磨材の含有量が0.1質量%以上であることを特徴とする研磨用組成物。
  6. 請求項5に記載の研磨用組成物を用いて硬脆材料を研磨することを特徴とする硬脆材料の研磨方法。
  7. 請求項5に記載の研磨用組成物を用いて硬脆材料からなる基板原料を研磨する研磨工程を含むことを特徴とする硬脆材料基板の製造方法。
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