JP2014021200A - 光スイッチ及び反射型ディスプレイ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】表示の切り替え速度が速く、使用環境の制約を受けずに表示でき、高い信頼性を有する光スイッチを提供する。
【解決手段】反射型ディスプレイ装置2は、薄膜PZTからなるアクチュエータ104が形成された基板103と、光スイッチとしてのインバースオパール構造体102が形成された透明カバー部材101とを組み合わせて構成されている。インバースオパール構造体102は、球形微粒子の最密充填構造を鋳型として可撓性を有する材料で構成され、且つ、構造周期が所望の波長を反射するフォトニックバンドギャップ機能を持つ構造を有し、アクチュエータ104で力を印加してインバースオパール構造体を変形させることによりスイッチング機能を得るこことができる。インバースオパール構造体とアクチュエータの一対の組み合わせは、1つの画素の表示部を構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、特定の波長の光を反射する光スイッチ、該光スイッチを表示部材として備える反射型ディスプレイ装置に関する。
太陽光などの強力な光線下においては、自発光型のディスプレイは視認性が劣る。
このため、明るい環境下でも高い視認性を発揮できるディスプレイの実現に対する要求は高く、これまでさまざまな方法による反射型ディスプレイが実現されてきた。
その中で、粒子径の揃った微粒子が最密充填構造で配列したオパール結晶などの規則的周期構造が発揮する構造色を利用したものは、比較的省エネルギーで駆動できるために、盛んに研究開発が行われている。
圧縮応力や引っ張り応力により周期構造を変化させて、それにより構造色が変化する原理を利用した光スイッチやディスプレイを実現する技術が提案されている。
従来におけるオパール結晶や微粒子の集積体をベースとした周期構造変化型の構造色利用のディスプレイは、セル内に封入された微粒子とマトリックスからなる混合系の構造色変化を利用するものであった。
このため、反応速度が遅いために表示を切り替えるための時間が長くなるといったことや、溶液を含むセルであるために、小型化、アレイ化が困難であるという問題があった。
また、固体である微粒子と液体との混合系であるために、重力や加速度、さらには環境温度の影響を受けやすく、使用する環境や使用姿勢により制約を受けるという問題があった。
特許文献1には、外部からの刺激を受けて構造色が変化して得られる表示色を高い応答速度で実現し、かつ、経時変化や温度などの環境変化による変動の変化を小さくするという目的を持つ表示部材が提案されている。
この表示部材は、球体とマトリックスとからなり、セル枠内に封入された構造であって、外部からの刺激を受けることにより変形を生じ、これに伴って構造色変化を表示させるものである。
マトリックスは融点が50℃以下であるイオン液体からなることを特徴としている。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、セル内に液体を封入している構造であるために、表示を切り替える十分な速度が得られにくく、さらには駆動方式が複雑で小型化、アレイ化が困難である等の上記問題は依然として解消できていない。
本発明は、このような現状に鑑みて創案されたもので、表示の切り替え速度が速く、使用環境等の制約を受けずに表示でき、高い信頼性を有する光スイッチの提供を、その主な目的する。
上記目的を達成するために、本発明は、球形微粒子の最密充填構造を鋳型として可撓性を有する材料で構成され、且つ、構造周期が所望の波長を反射するフォトニックバンドギャップ機能を持つ構造のインバースオパール構造体を有し、前記インバースオパール構造体を変形させることによりスイッチング機能を得ることを特徴とする光スイッチとした。
本発明によれば、インバースオパール構造体を可撓性を有する材料で形成し、インバースオパール構造体そのものを変形させて構造色の変化を発現させる構成としたので、構成要素を全て固体にでき、これにより表示の切り替え速度が速く、使用環境や使用姿勢の制約を受けることがない。
また、駆動方式が簡易で小型化、アレイ化が容易となる。
本発明の一実施形態に係る反射型ディスプレイ装置の要部断面図である。 インバースオパール構造体の形成方法を示す図で、(a)は各セル内に球形微粒子を含む分散液を導入した状態を示す図、(b)は分散液が蒸発し、球形微粒子が最密充填構造を形成した後に、最密充填構造の空隙に可撓性を有する材料(紫外線硬化型エポキシ樹脂)を充填した状態を示す図、(c)は球形微粒子のみを除去した状態を示す図、(d)はセルを形成している分離壁を除去した状態を示す図である。
以下、本発明の一実施形態を図を参照して説明する。
具体的な構成を説明する前に、本発明の趣旨を説明する。光の波長に近い周期構造を有する構造体は、光に対して特長的な振る舞いを発揮するという特徴を持っている。
具体的には屈折率が3次元で周期的に変化する構造体において、その周期が光の波長のオーダーに近い場合、その2種類の屈折率の差と、周期サイズによって決定されるある波長の光が伝播できないという現象が起こる。
この現象をフォトニック結晶におけるフォトニックバンドギャップという。
つまり、フォトニック結晶を構成する2種類の物質の屈折率、または周期サイズを変化させることにより、フォトニックバンドギャップの波長を制御することが可能となる。
フォトニックバンドギャップに相当する波長がフォトニック結晶の中を伝播することができないということは、その波長の光が選択的に反射するということを示している。
したがって、フォトニックバンドギャップの波長を変化させれば、反射する光の波長が変化するということであり、アレイ状に形成した画素のフォトニックバンドギャップを個別に制御することにより、反射型のディスプレイとして機能させることが可能となる。
本発明においては、この周期構造を、微粒子の規則的配列体を鋳型としたインバースオパール構造体で実現するので、寸法制御性の優れた製造方法でインバースオパール構造を形成することができる。
さらにインバースオパール構造体は可撓性材料からなる、いわゆるスケルトン構造であるので、変形に必要な力を小さくでき、その結果省エネルギー駆動であっても反応速度の高い光スイッチ(構造色の変化)の実現が可能となる。
本発明は、フォトニック結晶のフォトニックバンドギャップを利用した光スイッチである。さらには、光スイッチをアレイ状に形成し、それらを個別に制御してフォトニックバンドギャップの波長を変化させることによって反射型ディスプレイを実現するものである。
本発明においては、フォトニックバンドギャップの機能を発揮する部材としてインバースオパール構造体を用いることを最大の特徴としている。
一般に、粒子径の揃った球形微粒子が自己組織的に配列した規則的配列体はフォトニック結晶の性質を有する。
これを鋳型として形成した反転オパール構造、すなわち一般的にインバースオパール構造と呼ばれるものもフォトニックバンドギャップの機能を発揮することが知られている。
本発明においては、粒子径の揃った球形微粒子を自己組織的に配列させて形成したこの規則的配列体が連通した空隙を有していることを利用している。
この空隙にある種の流動性を有する材料を充填、固化した後に、微粒子のみを選択的に除去することにより、インバースオパール構造体を得ることができる。
充填する材料として、可撓性を有する材料を用いることで、インバースオパール構造体を容易に変形させることができる。
このようなインバースオパール構造を形成する際に、画素に応じた個別の領域が形成されるように基板を準備し、また、各画素に変形を与えるアクチュエータを個別に設けることで、狙った画素のみを変形させることができる。
変形されたインバースオパール構造体からなる画素は、フォトニックバンドギャップに応じた波長が、その周期構造が変形しない画素と異なるという現象が生じる。
このことはつまり、変形した画素と変形しない画素で反射する光の波長が異なることとなり、すなわち反射型のディスプレイとして機能することになる。
インバースオパール構造体を変形させるためのアクチュエータとして、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術において一般的に用いられている薄膜PZTを用いることも本発明の大きな特徴である。
薄膜PZTは、半導体製造プロセスを利用することで所望の領域に個別駆動できるアクチュエータとして形成することは一般的な技術を用いれば容易に達成できる。
また、薄膜PZTは電圧駆動型のアクチュエータであるので、消費電力が少ないという特徴を有しているので、省エネルギー駆動にも貢献する。
本発明は、そのような薄膜PZTからなるアクチュエータを、表示画素として機能するインバースオパール構造体に寸法精度よく一致させて形成することを特徴としている。
すなわち、変形するインバースオパール構造体と、変形させる力を発揮するアクチュエータとの双方をすべて固体の構成要件(ソリッドステート)で形成できることが大きな特徴となっている。
従来のように、微粒子と溶液からなるマトリックスの混合系という複雑な系ではなく、全て固体の構成要件で形成できるので、重力の影響や加速度の影響を受けず、使用環境、使用姿勢の自由度を高い状態で維持できる。
以下、図面を用いて具体的に説明する。
図1は、反射型ディスプレイ装置2の要部断面図である。基板103と、薄膜PZT(以下、単に「PZT」ともいう)からなるアクチュエータ104と、光スイッチとしてのインバースオパール構造体102と、透明カバー部材101と、アクチュエータ104を選択的に駆動する図示しない制御部等から構成されている。
透明カバー部材102に接してインバースオパール構造体102が設けられている。
インバースオパール構造体102に力を印加するアクチュエータ104が基板103に形成されている。
これらが組み合わされて、反射型ディスプレイ装置2が構成されている。
独立して設けられたインバースオパール構造体102は、ある波長を反射するように選定された球形微粒子の規則的配列体を鋳型として形成されたインバースオパール構造体である。
各インバースオパール構造体102と各アクチュエータ104は一対一で対応し、その一組で一つの画素を表示する表示部が構成されている。
以下に本発明における構造色の発現とその制御について詳細に説明する。
球形微粒子の集積体、いわゆるオパール結晶と呼ばれ、フォトニック結晶の特性を有する構造体に対して、ある波長の入射光を入射させた場合を考える。本発明において最終的に構造色を発現するインバースオパール構造体についても、体積分率を反転して計算すれば、同様の計算が成り立つものである。
フォトニック結晶の大きな特性であるフォトニックバンドギャップの位置を定性的に計算するには、以下に示すブラッグの式が有効である。
ここで、fcc構造を有するオパール結晶の(111)面に光が入射する場合、そのフォトニックバンドギャップの波長(λ)は、以下の(1)式で表される。
Figure 2014021200
ここで、na は、以下の(2)式で表される。
Figure 2014021200
ここで、dは微粒子間距離、θは光の入射角度、naは平均屈折率、nsphereとnvoid はそれぞれ微粒子の屈折率、および空隙の屈折率、f は微粒子の体積分率である。
垂直に入射する光を考える場合、θ=0°であるからsinθ=0となる。また、最密充填状態のfcc構造における微粒子の体積分率fは0.74と計算から求めることができ、このことから1-fの値は0.26と求められる。
したがって、球形の空隙の屈折率と骨格を成す材料の屈折率が既知であれば(1)式、(2)式により、フォトニックバンドギャップの位置の波長(λ)が計算により求めることができる。
ここで、具体的な材料を挙げてその屈折率を利用してフォトニックバンドギャップの計算した例を示す。
インバースオパール構造体において、骨格をなす可撓性のある材料として、紫外線硬化型エポキシ樹脂を用いた場合について説明する。
なお、インバースオパール構造体であるので、球形の空隙を占める物質は空気としている。
球形の空隙:空気 屈折率 nsphere=1
体積分率=0.74
粒子径=300nm
骨格:紫外線硬化型エポキシ樹脂 屈折率 nvoid=1.55
体積分率=0.26
これらの値を上記の(1)式、(2)式に代入してフォトニックバンドギャップ位置の波長(λ)を求めると、
λ=572.3(nm)と求められる。
次に骨格をなす可撓性のある材料として、紫外線硬化型エポキシ樹脂を用いた場合について説明する。
球形の空隙:空気 屈折率 nsphere=1
体積分率=0.74
粒子径=300nm
骨格;低密度ポリエチレン 屈折率 nvoid=1.51
体積分率=0.26
これらの値を上記の(1)式、(2)式に代入してフォトニックバンドギャップ位置の波長(λ)を求めると、
λ=565.6(nm)と求められる。
このように同じ球形の空隙のサイズが同じ300nmとした場合でも、骨格を形成する材料の屈折率によって、フォトニックバンドギャップの波長が異なることがわかる。
また、最初に用いる球形微粒子の粒子径が最終的なインバースオパール構造体のフォトニックバンドギャップの波長を決定するので、球形微粒子の粒子径の寸法精度や寸法バラツキがインバースオパール構造体の品質を決定する。
この点、最近では、シリカ微粒子やポリスチレン微粒子のように、粒子径の寸法精度や寸法バラツキに優れた微粒子は容易に入手できる環境であるので、有効な製造方法といえる。
インバースオパール構造体以外の3次元規則的周期構造を半導体製造プロセスを駆使して形成することも可能であるが、工程が複雑で非常にコストの高い製造方法となってしまうという問題がある。
その面からも微粒子集積体を鋳型とするインバースオパール構造体を利用する本発明は大きな特徴を有しているといえる。
次に、実際に反射型ディスプレイとして実現する場合の設計指針について説明する。
骨格をなす可撓性のある材料として、紫外線硬化型エポキシ樹脂(屈折率=1.55)を用いて、変形しない状態では緑の構造色を呈し、変形したときにその色が消失する場合について説明する。
緑の波長として、524nmの波長を選択する。
前述の計算式、(1)、(2)を用いてフォトニックバンドギャップが524nmとなるインバースオパール構造体の周期、つまり、インバースオパール構造体を形成する際の鋳型となる球形微粒子粒子径を求めると、280.0nmと求めることができる。
この程度の粒子径の球形微粒子は容易に入手することが可能で、規則的配列体を形成する上でも扱いやすいサイズであるので、製造工程上は全く問題ないものである。
このサイズの周期構造を有するインバースオパール構造体に対して圧縮の力を印加し、たとえば周期の寸法が254.7nmに減少したとする。
本発明の構成では、等方的な圧縮とはならないが、少なくとも膜厚方向における収縮は達成できる。
計算を容易にするために、仮に等方的に収縮し、周期の寸法がこのような変化をしたとすると、フォトニックバンドギャップの波長は480nmとなり、もはや緑色の構造色は消滅してしまう。
このように、インバースオパール構造に対して圧縮の力を印加した領域と、しない領域とでは、呈する構造色の色が異なるために、これらを制御することで反射型ディスプレイを実現することができる。
次に、骨格をなす可撓性のある材料として、低密度ポリエチレン(屈折率=1.51)を用いて、変形しない状態では赤の構造色を呈し、変形したときにその色が消失する場合について説明する。
赤の波長として、564nmの波長を選択する。
前述の計算式、(1)、(2)を用いてフォトニックバンドギャップが564nmとなるインバースオパール構造体の周期、つまり、インバースオパール構造体を形成する際の鋳型となる球形微粒子粒子径を求めると、295.7nmと求めることができる。
このサイズの周期構造を有するインバースオパール構造体に対して圧縮の力を印加し、たとえば周期の寸法が262.1nmに減少したとする、フォトニックバンドギャップの波長は500nmとなり、もはや赤色の構造色は消滅してしまう。
この場合も反射型ディスプレイとして実現できる。
同様に青についても、構造色を呈する場合と構造色が消失する場合を制御できるので、カラーのディスプレイの実現も可能となる。
以上説明した構造の変化は、いずれの場合も10%程度の寸法変化で実現できるものであるので、可撓性のある材料で構成したインバースオパール構造体であれば、無理なく変形が可能で、繰り返し使用についても対応できるものである。
次にアクチュエータについて説明する。前述のインバースオパール構造体に力を印加できるアクチュエータであれば本発明の目的を達成することは可能であるが、好適にはPZTを用いて圧縮の力を印加する方法を採用することが望ましい。
その理由は、PZTはいわゆる半導体プロセスで形成することが可能であり、パターニングが可能で配線部材との整合も問題なく行えることが有利な点である。
具体的には、スパッタリング法や蒸着法などでPZTを形成し、フォトリソグラフィー、ドライエッチングといった一般的な半導体プロセスでパターニングすることで、所望の形状のPZTアクチュエータが容易に得られる。
インバースオパール構造体に対応するように設計、形成すれば、独立したインバースオパール構造体に対して個別に力を印加することができる。
また、PZTは電圧駆動型のアクチュエータであるので消費する電流が少なくて済み、結果的に省エネルギー駆動が可能となることもメリットである。また、反応速度も十分早く、全く問題はない。
図2に基づいて、構造色発現部材(光スイッチ)としてのインバースオパール構造体の形成方法について説明する。
まず、図2(a)に示すように、透明カバー部材101に複数の分離壁105を形成して、分離されたセル106を形成する。
各分離壁105が、最終的に各画素に対応する領域を決定するように設計され、形成されている。
分離壁105は、最終的に除去するものであるために、透明カバー部材101の材質との組み合わせを考慮して適宜選択すべきものである。
また、各セル106を形成するためにパターニングにも可能であることが望ましい。
具体的には、透明カバー部材101がガラスである場合には、膜厚が厚く形成できるタイプのフォトレジストやドライフィルムレジストが好適な材料である。
このような分離壁105により形成されたセル106の中に、球形微粒子(ここではシリカ)107を含む分散液を導入し、静置させる。
分散液の溶媒の蒸発に伴って、球形微粒子が最密充填構造で集積する。この工程は一般的に知られている技術を用いれば容易に実現できるものである。
この点についてさらに説明する。本発明は、微粒子の自己組織化現象を利用した配列技術を用いることを特徴としている。
一般に、微粒子を分散させた分散液を基板に供給、乾燥することによって条件が整えば微粒子が最密充填構造をとることが知られている。
この現象は、分散液の溶媒が乾燥する際に、微粒子に対して横毛管力が働くためと解釈されている。その結果、横毛管力を受けた微粒子は乾燥に伴って最密充填構造で配列すると考えられている。
本発明では、この現象を積極的に利用しているものである。
微粒子一つずつをマニュピレーション操作により狙った位置に配列させることも考えられるが、このような手法では、膨大な時間とコストがかかり、実際のデバイス作成の技術としては非現実的である。
最密充填構造で積層した微粒子の集積体は、お互いに密着しているものの、同時に連通した空隙を有している。
その空隙に対して、図2(b)に示すように、流動性を有する充填材108を注入し、含侵させて固化する。
具体的には、紫外線硬化型エポキシ樹脂を空隙に充填し、すべての空隙に十分に樹脂がいきわたったところで、紫外線を照射して紫外線硬化型エポキシ樹脂を固化させる。
このとき、紫外線硬化型エポキシ樹脂を空隙に充填した際に、シリカの集積体の崩壊を防止するために、紫外線硬化型エポキシ樹脂を充填する前に微粒子集積体に対して短時間の熱処理を行うことも推奨される。
シリカ微粒子集積体の場合の推奨条件としては、300℃の熱処理を30分程度行えば十分である。
次に、図2(c)に示すように、球形微粒子のみを選択的に除去する。
上記のように、微粒子の構成材料はシリカ、空隙に充填された樹脂は紫外線硬化型エポキシ樹脂であるので、希フッ酸を用いてシリカ微粒子のみを溶解させ、除去する。
先に述べたように微粒子は密着して集積しているので、シリカ微粒子を溶解させながら希フッ酸は中に侵入していき、最終的には全てのシリカ微粒子を完全に除去することが可能となる。
紫外線硬化型エポキシ樹脂は希フッ酸に対して耐性があるので、なんら損傷を受けることなく、骨格としてインバースオパール構造体102の形状が得られる。
最後に、図2(d)に示すように、各セルを分離するために存在していた分離壁105を除去して、透明カバー部材101上に、独立して形成されたインバースオパール構造体102のみが存在する部材が得られる。
分離壁105の除去は、先に述べたフォトレジストやドライフィルムレジストにおいては、アセトンなどの有機溶媒を用いれば、完全に除去が可能である。
インバースオパール構造体102が形成された透明カバー部材101と、PZTパターン、および配線部材を形成した基板103とを組み合わせて一体化させて、別個に設ける制御回路や電源など必要な周辺機構を接続して反射型ディスプレイ2を完成させる。
本発明は、高規則性の微粒子配列構造を、溶液系を用いることにより実現することを特徴の一つとしている。
すなわち、乾燥状態では、凝集しやすくなる超微粒子であっても、溶液系という状態の利点を最大限に利用し分散性を向上させることにより凝集を防ぐことができる。
pHの制御、例えば添加するイオン種を適切に選択、制御することにより、等電点の関係を利用することができる。その結果、高規則性の微粒子配列が得られるものである。
この点についてさらに詳細に説明する。一般に、例えば金属酸化物からなる微粒子を水中に浸漬すると、微粒子は正または負の電荷を持ち、電界が存在すると対向する電場を有する方向へ移動する。
この現象が電気泳動現象である。この電気泳動現象によって、微粒子の水中における荷電すなわち界面電位(ゼータ電位)の存在を知ることができる。この界面電位は微粒子-水系のpHによって大きく変化する。
一般に横軸に水系のpHを、縦軸に界面電位をとると、界面電位は水系のpHによって変化し、界面電位「0」を切る点の水系のpHを「等電点」と定義される。
この現象から、一般的に金属酸化物微粒子表面の界面電位は、酸性側では正、アルカリ側では負の極性を取る。しかし、この等電点は材料によって大きく異なり、例えば、コロイダルシリカでは「2.0」、α-アルミナでは「9.0」、ヘマタイトでは「6.7」という値が紹介されている。
つまり、等電点から離れるほど界面電位が大きくなり、酸性側にいくほど界面電位の値は正の大きい方に向かう。
また逆に、アルカリ側にいくほど界面電位の値は負の大きい方に向かう。これはpHで制御することができることを意味する。
pHの制御は、酸やアルカリの添加で、制御性よくコントロールできるものである。本発明では、この現象を積極的に利用するものであり、分散液の状態で微粒子の凝集を効果的に防ぐことができるものである。
この結果、分散液をセル内に滴下した際にも、微粒子が凝集しない状態で存在するために、その後の配列の工程において、高品質の配列状態を容易に実現できるものである。
この現象は、乾式プロセスでは得られない利点といえる。
2 反射型ディスプレイ装置
102 インバースオパール構造体
104 アクチュエータとしてのPZT
107 球形微粒子としてのシリカ
108 可撓性を有する材料としての紫外線硬化型エポキシ樹脂
特開2009−216964号公報

Claims (8)

  1. 球形微粒子の最密充填構造を鋳型として可撓性を有する材料で構成され、且つ、構造周期が所望の波長を反射するフォトニックバンドギャップ機能を持つ構造のインバースオパール構造体を有し、
    前記インバースオパール構造体を変形させることによりスイッチング機能を得ることを特徴とする光スイッチ。
  2. 請求項1に記載の光スイッチにおいて、
    前記可撓性を有する材料が、紫外線硬化型エポキシ樹脂であることを特徴とする光スイッチ。
  3. 請求項1に記載の光スイッチにおいて、
    前記可撓性を有する材料が、低密度ポリエチレンであることを特徴とする光スイッチ。
  4. 光スイッチと、該光スイッチの前記インバースオパール構造体に力を印加してスイッチング機能を発現させるアクチュエータとを有する反射型ディスプレイ装置であって、
    前記光スイッチが、請求項1〜3のいずれか1つに記載のものであることを特徴とする反射型ディスプレイ装置。
  5. 請求項4に記載の反射型ディスプレイ装置において、
    前記インバースオパール構造体が複数アレイ状に配置され、各インバースオパール構造体に対して個別駆動可能なアクチュエータがそれぞれ対をなすように配置され、その一組で一つの画素を表示する表示部が構成されていることを特徴とする反射型ディスプレイ装置。
  6. 請求項4又は5に記載の反射型ディスプレイ装置において、
    前記アクチュエータがPZTであることを特徴とする反射型ディスプレイ装置。
  7. 前記球形微粒子が分散した分散液を原料として区画されたセル内に入れ、前記分散液の溶媒を蒸発させて球形微粒子を最密充填構造に配列させ、その後セル内に前記可撓性を有する材料を入れ、前記可撓性を有する材料の固化後、前記球形微粒子を除去して前記インバースオパール構造体を形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の光スイッチの製造方法。
  8. 請求項7に記載の光スイッチの製造方法において、
    前記球形微粒子の最密充填構造を作製する際に、前記球形微粒子の材質に応じて、pH値を制御して前記球形微粒子を分散させた分散液を用いることを特徴とする光スイッチの製造方法。
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