JP2014015600A - インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 - Google Patents

インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐オゾン性に優れるとともに、高湿度の環境においてもにじみや色調変化を起こしにくく、耐湿性に優れた画像を記録可能なインクを提供する。
【解決手段】色材及びリチウムイオンを含有するインクである。色材が、下記一般式(I)で表される化合物であり、インク中の、前記リチウムイオンの含有量が、一般式(I)で表される化合物の含有量に対するモル比率で、3.5倍以上である。
Figure 2014015600

【選択図】なし

Description

本発明は、インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方法は、インク小滴を普通紙などの記録媒体に付与して画像を形成する記録方法であり、その低価格化、記録速度の向上により、急速に普及が進んでいる。一般に、インクジェット記録方法で得られた記録物は、銀塩写真と比較してその画像の堅牢性が低い。特に、記録物が、光、湿度、熱、空気中に存在するオゾンガスなどの環境ガスに長時間さらされた際に、記録物の色材が劣化し、画像の色調変化や褪色が発生しやすいといった問題がある。
インクジェット記録方法においては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなどの色相を有するインクが用いられる。なかでも、ブラックの色相を有するインクに関しては、以前より耐オゾン性などの性能を向上する必要があるという認識があり、様々な提案がなされている。例えば、記録される画像の耐オゾン性を向上させるために、アゾ基に直結していない芳香族の共役π電子の数を規定したアゾ染料を含有するインクに関する提案がある(特許文献1参照)。また、ポリアゾ化合物を使用したインクに関する提案がある(特許文献2〜4参照)。特許文献4には、かかるインクによれば、記録される画像の耐湿性が向上することも記載されている。
一方、固着回復性などのインクジェット特性を向上するために、カルボキシ基を有する色材と、アルカリ金属イオンとを含有するインクに関する提案もある(特許文献5参照)。
特開2005−139427号公報 特開2008−169374号公報 特開2012−046559号公報 特開2002−332426号公報 特開2003−206421号公報
近年、インクジェット記録方法により記録される画像に対する要求レベルが高まっており、これまでに様々な検討がなされている。しかし、特許文献1〜4に記載の染料を含有するインクを用いて記録した画像の耐オゾン性は、近年要求されるレベルには達していない。また、特許文献5には画像の耐湿性を向上させることが記載されてはいるが、画像のにじみや色調変化の程度は近年要求されるレベルを満たしてはいなかった。
したがって、本発明の目的は、耐オゾン性に優れるとともに、高湿度の環境においてもにじみや色調変化を起こしにくく、耐湿性に優れた画像を記録可能なインクを提供することにある。また、本発明の別の目的は、前記インクを用いたインクカートリッジ、及びインクジェット記録方法を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明によれば、色材及びリチウムイオンを含有するインクであって、前記色材が、下記一般式(I)で表される化合物であり、インク中の、前記リチウムイオンの含有量が、前記一般式(I)で表される化合物の含有量に対するモル比率で、3.5倍以上であることを特徴とするインクが提供される。
Figure 2014015600
(前記一般式(I)中、R1は、炭素数1乃至4のアルキル基;カルボキシ基で置換された炭素数1乃至4のアルキル基;フェニル基;スルホン酸基で置換されたフェニル基;又はカルボキシ基を表し、R2は、シアノ基;カルバモイル基;又はカルボキシ基を表し、R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子;炭素数1乃至4のアルキル基;ハロゲン原子;炭素数1乃至4のアルコキシ基;又はスルホン酸基を表し、R5及びR7は、それぞれ独立に、炭素数1乃至4のアルキルチオ基;又はヒドロキシ基、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基で置換された炭素数1乃至4のアルキルチオ基を表し、R6及びR8は、それぞれ独立に、炭素数1乃至4のアルキルカルボニルアミノ基を表し、R9及びR10は、それぞれ独立に、水素原子;カルボキシ基;スルホン酸基;アセチルアミノ基;ハロゲン原子;炭素数1乃至4のアルキル基;炭素数1乃至4のアルコキシ基;又はヒドロキシ基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基で置換された炭素数1乃至4のアルコキシ基を表し、R11、R12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子;カルボキシ基;スルホン酸基;ヒドロキシ基;アセチルアミノ基;ハロゲン原子;シアノ基;ニトロ基;スルファモイル基;炭素数1乃至4のアルキル基;炭素数1乃至4のアルコキシ基;ヒドロキシ基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基で置換された炭素数1乃至4のアルコキシ基;炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基;又はヒドロキシ基、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基で置換された炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基を表す)
本発明によれば、耐オゾン性に優れるとともに、高湿度の環境においてもにじみや色調変化を起こしにくく、耐湿性に優れた画像を記録可能なインクを提供することができる。また、本発明によれば、このインクを用いたインクカートリッジ、及びインクジェット記録方法を提供することができる。
本発明のインクカートリッジの一実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)はヘッドカートリッジの斜視図である。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、さらに本発明を詳細に説明する。なお、本発明においては、化合物が塩である場合は、インク中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現する。
画像の耐湿性の低下は、高湿度の環境において記録媒体が空気中の水分を吸収し、この水分に溶解した色材が記録媒体内を移動することで発生する。そこで、本発明者らは、記録媒体における色材の存在状態に着目して、耐湿性が低下する原因についての検討を行った。その結果、記録媒体内において、色材が記録媒体に吸着ないしは結合せずに、複数の色材分子が凝集した状態で存在していることが、画像の耐湿性が低下する主原因であることがわかった。したがって、記録媒体内に存在する色材の状態を、記録媒体内のカチオン性成分(アルミナやその水和物、カチオン性樹脂、填料)に色材を強く吸着した状態で存在させるようにすれば、にじみや色調変化の抑制につながることがわかった。
そこで、本発明者らは、記録媒体内において、複数の色材分子が凝集するのよりも早く、記録媒体内のカチオン性成分に色材を吸着させるために、記録媒体に浸透する以前の色材の会合状態に着目してさらに検討した。そして、このためには、インク中での色材の状態を、複数の色材分子が会合した状態ではなく、できるだけ単独で存在しているような状態にするのが有効であると考えた。
後述する一般式(I)で表される化合物は、その分子構造により、堅牢性、特に耐オゾン性の良好な画像を記録することができる色材である。この一般式(I)で表される化合物は凝集しやすいという特性を有するため、インク中でも会合した状態で存在していると考えられる。また、一般式(I)で表される化合物は凝集性が高いため、上記で説明したことから理解されるように、耐湿性が低い。
本発明者らの検討の結果、耐オゾン性が良好な画像を記録可能な色材である一般式(I)で表される化合物を用いる場合、以下のようにすることで、耐湿性の低下を抑制できることを見出した。すなわち、インクにリチウムイオンを含有させ、その含有量を、一般式(I)で表される化合物の含有量に対するモル比率で3.5倍以上とすればよいことがわかった。
このような効果が得られる理由を本発明者らは以下のように推測している。一般式(I)で表される化合物のアニオン性基は、リチウムイオンと他のカチオン(例えばナトリウムイオンやカリウムイオン)を比べると、リチウムイオンが存在する場合にイオン解離しやすくなる。リチウムイオンの含有量を、一般式(I)で表される化合物の含有量に対するモル比率で3.5倍以上としたインク中では、一般式(I)で表される化合物のアニオン性基の多くがイオン解離した状態となる。このようなインク中では、複数の色材分子の間に強い静電的反発力(マイナスの電荷)が発生するため、複数の色材分子の凝集が起こりにくく、分子が単独で存在した状態となりやすい。そして、マイナスの電荷を帯びた色材は、記録媒体に浸透すると、カチオン性成分と素早く相互作用を起こす。このため、インクが記録媒体に付与されると、インク中の色材(一般式(I)で表される化合物)は、記録媒体内のカチオン性成分に素早く吸着する。その結果、記録媒体が空気中の水分を吸収した場合であっても、色材の溶解が抑制され、画像の耐湿性の低下が抑制されると考えられる。
<インク>
以下、インクジェット用にも好適な、本発明のインクを構成する各成分について詳細に説明する。
本発明のインクは、耐オゾン性に優れるとともに、高湿度の環境に放置してもにじみや色調変化が起こりにくい、高いレベルの耐湿性を有する画像を記録可能なものである。このような効果を得るためには、一般式(I)で表される化合物を色材として含有させるとともに、インク中のリチウムイオンの含有量を、一般式(I)で表される化合物の含有量に対するモル比率で3.5倍以上とすることが必要である。このモル比率は、インク中のリチウムイオン及び一般式(I)で表される化合物の含有量(モル数)を、インクの単位質量(又は単位体積)当たりの値として求め、それらの比から算出される。インク中のリチウムイオンの含有量はイオンクロマトグラフィーなどの常法により測定することができる。また、インク中の一般式(I)で表される化合物の含有量は、高速液体クロマトグラフィーなどの常法により測定することができる。
(リチウムイオン)
本発明者らは、インク中のリチウムイオンの含有量を、一般式(I)で表される化合物の含有量に対するモル比率で3.5倍以上とした場合に、以下の効果を示すインクが得られることを見出した。すなわち、耐オゾン性に優れるとともに、高湿度の環境に放置してもにじみや色調変化が起こりにくい、高いレベルの耐湿性を有する画像を記録可能なインクとすることができる。
インクにリチウムイオンを含有させるためには、例えば、イオン解離によってリチウムイオンを生じる化合物をインクに添加すればよい。このような化合物としては、例えば、無機リチウム塩、有機リチウム塩などを挙げることができる。無機のリチウム塩としては、例えば、フッ化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウムなどのハロゲン化リチウム;炭酸リチウム、硫酸リチウム、リン酸リチウム、硝酸リチウム、ホウ酸リチウムなどの無機酸のリチウム塩;水酸化リチウム;酢酸リチウム、安息香酸リチウムなどの有機酸のリチウム塩、などをインクに添加すればよい。また、リチウムイオンをカウンターイオンとして含む、一般式(I)で表される化合物や、それ以外の色材をインクに含有させた場合であっても、同様の効果を得ることができる。インク中のリチウムイオンの含有量(mol/g)は、1.0×10-6mol/g以上1.0×10-3mol/g以下であることが好ましい。なお、この値はインク1g当たりの含有量を示す。
インク中のリチウムイオンの含有量は、一般式(I)で表される化合物の含有量に対するモル比率で30.0倍以下であることが好ましい。リチウムイオンの含有量が、一般式(I)で表される化合物の含有量に対するモル比率で30.0倍超であると、吐出安定性などの信頼性が得られない場合がある。
(一般式(I)で表される化合物)
本発明のインクは、下記一般式(I)で表される化合物を色材として含有することを要する。
Figure 2014015600
前記一般式(I)中、R1は、炭素数1乃至4のアルキル基;カルボキシ基で置換された炭素数1乃至4のアルキル基;フェニル基;スルホン酸基で置換されたフェニル基;又はカルボキシ基を表す。R2は、シアノ基;カルバモイル基;又はカルボキシ基を表す。R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子;炭素数1乃至4のアルキル基;ハロゲン原子;炭素数1乃至4のアルコキシ基;又はスルホン酸基を表す。R5及びR7は、それぞれ独立に、炭素数1乃至4のアルキルチオ基;又はヒドロキシ基、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基で置換された炭素数1乃至4のアルキルチオ基を表す。R6及びR8は、それぞれ独立に、炭素数1乃至4のアルキルカルボニルアミノ基を表す。R9及びR10は、それぞれ独立に、水素原子;カルボキシ基;スルホン酸基;アセチルアミノ基;ハロゲン原子;炭素数1乃至4のアルキル基;炭素数1乃至4のアルコキシ基;又はヒドロキシ基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基で置換された炭素数1乃至4のアルコキシ基を表す。R11、R12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子;カルボキシ基;スルホン酸基;ヒドロキシ基;アセチルアミノ基;ハロゲン原子;シアノ基;ニトロ基;スルファモイル基;炭素数1乃至4のアルキル基;炭素数1乃至4のアルコキシ基;ヒドロキシ基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基で置換された炭素数1乃至4のアルコキシ基;炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基;又はヒドロキシ基、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基で置換された炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基を表す。
一般式(I)で表される化合物には互変異性体が存在する。互変異性体としては、一般式(I)で表される化合物以外に、下記一般式(III)及び(IV)などで表される化合物が考えられる。本発明においては、これらの化合物(互変異性体)や塩も一般式(I)で表される化合物に含まれるものとする。なお、一般式(III)及び(IV)中のR1乃至R13は、前記一般式(I)中のR1乃至R13と同義である。
Figure 2014015600
Figure 2014015600
一般式(I)中、R1で表される炭素数1乃至4のアルキル基としては、直鎖又は分岐鎖の無置換アルキル基を挙げることができる。これらのなかでも、直鎖の無置換アルキル基が好ましい。炭素数1乃至4のアルキル基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチルなどの直鎖アルキル基;イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの分岐鎖アルキル基などを挙げることができる。これらのなかでも、メチル基、n−プロピル基が好ましく、メチル基がさらに好ましい。
一般式(I)中、R1で表されるカルボキシ基で置換された炭素数1乃至4のアルキル基としては、上記の無置換アルキル基のいずれかの炭素原子にカルボキシ基が置換したものを挙げることができる。カルボキシ基の置換位置は、アルキル基の末端であることが好ましい。また、カルボキシ基の置換数は、1又は2であることが好ましく、1であることがさらに好ましい。カルボキシ基で置換された炭素数1乃至4のアルキル基の具体例としては、カルボキシメチル、2−カルボキシエチルなどを挙げることができる。これらのなかでも、カルボキシメチル基が好ましい。
一般式(I)中、R1で表されるスルホン酸基で置換されたフェニル基としては、1乃至3個、好ましくは1又は2個のスルホン酸基が置換したフェニル基を挙げることができる。スルホン酸基で置換されたフェニル基の具体例としては、3−スルホフェニル、4−スルホフェニル、2,4−ジスルホフェニル、3,5−ジスルホフェニルなどを挙げることができる。これらのなかでも、4−スルホフェニル基が好ましい。
一般式(I)中のR1は、炭素数1乃至4のアルキル基、カルボキシ基で置換された炭素数1乃至4のアルキル基、フェニル基、又はスルホン酸基で置換されたフェニル基であることが好ましい。R1は、炭素数1乃至4のアルキル基、フェニル基、又はスルホン酸基で置換されたフェニル基であることがさらに好ましく、炭素数1乃至4のアルキル基、又はフェニル基であることがより好ましい。R1は、炭素数1乃至4のアルキル基であることが特に好ましく、メチル基であることが最も好ましい。
一般式(I)中のR2は、シアノ基又はカルバモイル基であることが好ましく、シアノ基であることがさらに好ましい。
一般式(I)中、R3及びR4で表される炭素数1乃至4のアルキル基としては、前記R1で表される炭素数1乃至4のアルキル基について例示したものと、好ましいものを含めて同様のものを挙げることができる。
一般式(I)中、R3及びR4で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子を挙げることができ、これらのなかでも、塩素原子が好ましい。
一般式(I)中、R3及びR4で表される炭素数1乃至4のアルコキシ基としては、直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基を挙げることができる。これらのなかでも、直鎖のアルコキシ基が好ましい。アルコキシ基は置換基を有していてもよいが、無置換アルコキシ基が好ましい。炭素数1乃至4のアルコキシ基の具体例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、n−ブトキシなどの直鎖アルコキシ基;イソプロポキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシなどの分岐鎖アルコキシ基などを挙げることができる。これらのなかでも、メトキシ基が特に好ましい。
一般式(I)中のR3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、又はスルホン酸基であることが好ましい。また、R3及びR4の一方が水素原子であり、他方がスルホン酸基である組み合わせがさらに好ましい。R3及びR4の一方が水素原子であり、他方がスルホン酸基である場合において、スルホン酸基の置換位置は、ベンズイミダゾロピロリドン環を構成する、いずれの窒素原子にも隣接しない2つの炭素原子のどちらかであることが好ましい。一般式(I)で表される化合物は、合成の容易さ及びコストの観点から、R3及びR4の置換位置が相違する、少なくとも2種類の位置異性体を含む混合物であってもよい。
一般式(I)中のR1乃至R4の好適な組み合わせは以下に示す通りである。
1:炭素数1乃至4のアルキル基、又はフェニル基(好ましくは炭素数1乃至4のアルキル基、さらに好ましくはメチル基)
2:シアノ基、又はカルバモイル基(好ましくはシアノ基)
3:水素原子、メチル基、又はメトキシ基(好ましくはメトキシ基)
4:スルホン酸基
一般式(I)中、R5及びR7で表される炭素数1乃至4のアルキルチオ基としては、アルキルが直鎖又は分岐鎖の無置換アルキルチオ基を挙げることができる。なかでも直鎖の無置換アルキルチオ基が好ましい。炭素数1乃至4のアルキルチオ基の具体例としては、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、n−ブチルチオなどの直鎖アルキルチオ基;イソプロピルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ、tert−ブチルチオなどの分岐鎖アルキルチオ基などを挙げることができる。
一般式(I)中、R5及びR7で表される、特定の置換基で置換された炭素数1乃至4のアルキルチオ基としては、炭素数1乃至4のアルキルチオ基を構成する任意の炭素原子に特定の置換基が結合したものを挙げることができる。特定の置換基は、ヒドロキシ基、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基である。置換基の数は、1又は2であることが好ましく、1であることがさらに好ましい。置換基の位置は、アルキルチオ基を構成する硫黄原子が結合する炭素原子以外の炭素原子であることが好ましい。特定の置換基で置換された炭素数1乃至4のアルキルチオ基の具体例としては、2−ヒドロキシエチルチオ、2−ヒドロキシプロピルチオ、3−ヒドロキシプロピルチオなどのヒドロキシアルキルチオ基;2−スルホエチルチオ、3−スルホプロピルチオなどのスルホアルキルチオ基;2−カルボキシエチルチオ、3−カルボキシプロピルチオ、4−カルボキシブチルチオなどのカルボキシアルキルチオ基を挙げることができる。
一般式(I)中のR5及びR7は、それぞれ独立に、スルホアルキルチオ基又はカルボキシアルキルチオ基であることが好ましく、スルホアルキルチオ基であることがさらに好ましく、スルホプロピルチオ基であることが特に好ましい。
一般式(I)中、R6及びR8で表される炭素数1乃至4のアルキルカルボニルアミノ基としては、アルキルが直鎖又は分岐鎖のアルキルカルボニルアミノ基を挙げることができる。これらのなかでも、直鎖のアルキルカルボニルアミノ基が好ましい。アルキルカルボニルアミノ基は置換基を有していてもよいが、無置換アルキルカルボニルアミノ基が好ましい。炭素数1乃至4のアルキルカルボニルアミノ基の具体例としては、アセチルアミノ(メチルカルボニルアミノ)、プロピオニルアミノ(エチルカルボニルアミノ)、n−プロピルカルボニルアミノ、n−ブチルカルボニルアミノなどの直鎖の無置換アルキルカルボニルアミノ基;イソプロピルカルボニルアミノ、イソブチルカルボニルアミノ、sec−ブチルカルボニルアミノ、ピバロイルアミノ(tert−ブチルカルボニルアミノ)などの分岐鎖の無置換アルキルカルボニルアミノ基を挙げることができる。これらのなかでも、直鎖の無置換アルキルカルボニルアミノ基が好ましく、アセチルアミノ基がさらに好ましい。
一般式(I)中のR5とR6の組み合わせとしては、R5が炭素数1乃至4のスルホアルキルチオ基であるとともに、R6がアセチルアミノ基であることが好ましい。また、R5がスルホプロピルチオ基であるとともに、R6がアセチルアミノ基であることがさらに好ましい。
一般式(I)中のR7とR8の組み合わせとしては、R7が炭素数1乃至4のスルホアルキルチオ基であるとともに、R8がアセチルアミノ基であることが好ましい。また、R7がスルホプロピルチオ基であるとともに、R8がアセチルアミノ基であることがさらに好ましい。
一般式(I)中、R9及びR10で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子を挙げることができ、これらのなかでも、塩素原子が好ましい。
一般式(I)中、R9及びR10で表される炭素数1乃至4のアルキル基としては、前記R1で表される炭素数1乃至4のアルキル基について例示したものと、好ましいものを含めて同様のものを挙げることができる。
一般式(I)中、R9及びR10で表される炭素数1乃至4のアルコキシ基としては、前記R3及びR4で表される炭素数1乃至4のアルコキシ基について例示したものと、好ましいものを含めて同様のものを挙げることができる。
一般式(I)中、R9及びR10で表される、特定の置換基で置換された炭素数1乃至4のアルコキシ基としては、炭素数1乃至4のアルコキシ基を構成する任意の炭素原子に特定の置換基が結合したものを挙げることができる。特定の置換基は、ヒドロキシ基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基である。置換基の数は、1又は2であることが好ましく、1であることがさらに好ましい。置換基の位置は、アルコキシ基を構成する酸素原子が結合する炭素原子以外の炭素原子であることが好ましい。特定の置換基で置換された炭素数1乃至4のアルコキシ基の具体例としては、2−ヒドロキシエトキシ、2−ヒドロキシプロポキシ、3−ヒドロキシプロポキシなどのヒドロキシアルコキシ基;2−スルホエトキシ、3−スルホプロポキシ、4−スルホブトキシなどのスルホアルコキシ基;2−カルボキシエトキシ、3−カルボキシプロポキシ、4−カルボキシブトキシなどのカルボキシアルコキシ基を挙げることができる。
9は、スルホアルコキシ基又はカルボキシアルコキシ基であることが好ましく、スルホアルコキシ基であることがさらに好ましく、スルホプロポキシ基又はスルホブトキシ基であることが特に好ましい。また、R10は、アルキル基、アルコキシ基、スルホアルコキシ基、カルボキシアルコキシ基、又はアセチルアミノ基であることが好ましく、アルキル基であることがさらに好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
一般式(I)中のR9とR10の組み合わせとしては、R9がスルホアルコキシ基であるとともに、R10がアルキル基であることが好ましい。また、R9がスルホプロポキシ基(特に3−スルホプロポキシ基)又はスルホブトキシ基(特に4−スルホブトキシ基)であるとともに、R10がメチル基であることがさらに好ましい。
一般式(I)中、R11、R12及びR13で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子を挙げることができ、これらのなかでも、塩素原子が好ましい。
一般式(I)中、R11、R12及びR13で表される炭素数1乃至4のアルキル基としては、前記R1で表される炭素数1乃至4のアルキル基について例示したものと、好ましいものを含めて同様のものを挙げることができる。
一般式(I)中、R11、R12及びR13で表される炭素数1乃至4のアルコキシ基としては、前記R3及びR4で表される炭素数1乃至4のアルコキシ基について例示したものと、好ましいものを含めて同様のものを挙げることができる。
一般式(I)中、R11、R12及びR13で表される、特定の置換基で置換された炭素数1乃至4のアルコキシ基としては、前記R9及びR10で表される、特定の置換基で置換された炭素数1乃至4のアルコキシ基について例示したものと同様のものを挙げることができる。また、特定の置換基で置換された炭素数1乃至4のアルコキシ基の好ましい例も、前記R9及びR10において例示したものと同様である。なお、特定の置換基は、ヒドロキシ基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基である。
一般式(I)中、R11、R12及びR13で表される炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基としては、直鎖又は分岐鎖の無置換アルキルスルホニル基を挙げることができる。これらのなかでも、直鎖の無置換アルキルスルホニル基が好ましい。炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基の具体例としては、メチルスルホニル、エチルスルホニル、n−プロピルスルホニル、n−ブチルスルホニルなどの直鎖のアルキルスルホニル基;イソプロピルスルホニル、イソブチルスルホニルなどの分岐鎖のアルキルスルホニル基を挙げることができる。これらのなかでも、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、又はイソプロピルスルホニル基が好ましく、メチルスルホニル基がさらに好ましい。
一般式(I)中、R11、R12及びR13で表される、特定の置換基で置換された炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基としては、前記炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基を構成する任意の炭素原子に特定の置換基が結合したものを挙げることができる。特定の置換基は、ヒドロキシ基、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基である。置換基の数は、1又は2であることが好ましく、1であることがさらに好ましい。特定の置換基で置換された炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基の具体例としては、ヒドロキシエチルスルホニル、2−ヒドロキシプロピルスルホニル、2−スルホエチルスルホニル、3−スルホプロピルスルホニル、2−カルボキシエチルスルホニル、3−カルボキシプロピルスルホニルなどを挙げることができる。
11は、水素原子、カルボキシ基、スルホン酸基、塩素原子、ニトロ基、メチル基、メトキシ基、又は炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基であることが好ましい。また、水素原子;電子吸引性基である、カルボキシ基、スルホン酸基、塩素原子、ニトロ基、炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基;メチル基;又はメトキシ基であることがさらに好ましく、水素原子又は塩素原子であることが特に好ましい。
12は、水素原子、カルボキシ基、スルホン酸基、塩素原子、ニトロ基、スルファモイル基、メチル基、メトキシ基、炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基、カルボキシアルキルスルホニル基(アルキルの炭素数は1乃至4)、炭素数1乃至4のスルホアルキルスルホニル基(アルキルの炭素数は1乃至4)であることが好ましい。また、水素原子;電子吸引性基である、カルボキシ基、スルホン酸基、塩素原子、ニトロ基、スルファモイル基、炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基、カルボキシアルキルスルホニル基(アルキルの炭素数は1乃至4)、炭素数1乃至4のスルホアルキルスルホニル基(アルキルの炭素数は1乃至4);メチル基;又はメトキシ基であることがさらに好ましく、スルホン酸基、ニトロ基、スルファモイル基、メチル基、メトキシ基、スルホプロピルスルホニル基、又はカルボキシエチルスルホニル基であることが特に好ましく、スルホン酸基が最も好ましい。
13は、水素原子、カルボキシ基、スルホン酸基、メトキシ基、塩素原子、ニトロ基、炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基であることが好ましい。また、水素原子;電子吸引性基である、カルボキシ基、スルホン酸基、塩素原子、ニトロ基、炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基;又はメトキシ基であることがさらに好ましく、水素原子であることが特に好ましい。
一般式(I)中のR11、R12及びR13の好適な組み合わせは以下に示す(a)、(b)及び(c)である。これらのなかでも、(c)の組み合わせが特に好ましい。
(a)R11が水素原子、R12がスルホン酸基、R13が水素原子の組み合わせ
(b)R11が水素原子、R12がスルファモイル基、R13が水素原子の組み合わせ
(c)R11が水素原子、R12が塩素原子、R13がスルホン酸基の組み合わせ
一般式(I)で表される化合物のなかでも、下記一般式(V)で表される化合物が好ましい。
Figure 2014015600
一般式(V)中のR1乃至R13は、一般式(I)中のR1乃至R13と同義であり、好ましい基及びその組み合わせも一般式(I)の場合と同じである。また、一般式(V)中のR11、R12及びR13が置換したベンゼン環において、アゾ基の置換位置を1位とした場合に、R11の置換位置は2位又は3位、R12の置換位置は4位、R13の置換位置は5位又は6位であることが好ましい。一般式(I)中のR1乃至R13の好適な組み合わせは以下に示す(i)及び(ii)である。(i)の組み合わせよりも(ii)の組み合わせの方がより好ましい。
(i)
1:メチル基
2:シアノ基又はカルバモイル基
3:水素原子、メチル基、又はメトキシ基
4:スルホン酸基
5:炭素数1乃至4のスルホアルキルチオ基
6:炭素数1乃至4のアルキルカルボニルアミノ基
7:炭素数1乃至4のスルホアルキルチオ基
8:アルキルカルボニルアミノ基(アルキルの炭素数は1乃至4)
9:炭素数1乃至4のスルホアルコキシ基
10:炭素数1乃至4のアルキル基又はアセチルアミノ基
11、R12及びR13:それぞれ独立に、水素原子、スルホン酸基、メチル基、メトキシ基、塩素原子、ニトロ基、又はスルファモイル基
(ii)
1:メチル基
2:シアノ基
3:水素原子又はメトキシ基
4:スルホン酸基
5:炭素数1乃至4のスルホアルキルチオ基
6:アセチルアミノ基
7:炭素数1乃至4のスルホアルキルチオ基
8:アセチルアミノ基
9:スルホプロポキシ基又はスルホブトキシ基
10:炭素数1乃至4のアルキル基
11:水素原子又はスルホン酸基
12:スルホン酸基又は塩素原子
13:水素原子又はスルホン酸基
一般式(I)で表される化合物の好適な具体例としては、表1−1〜1−3に示す例示化合物1乃至90を挙げることができる。なお、表1−1〜1−3においては、下記一般式(V’)の形式で、遊離酸型(H型)として例示化合物を示す。勿論、本発明においては、一般式(I)の構造及びその定義に包含されるものであれば、表1−1〜1−3に示す例示化合物に限定されない。本発明においては、表1−1〜1−3に示す例示化合物のなかでも、例示化合物1〜12、19及び20が好ましく、例示化合物7〜12、19及び20がさらに好ましく、例示化合物7〜12が特に好ましい。
Figure 2014015600
Figure 2014015600
Figure 2014015600
Figure 2014015600
一般式(I)で表される化合物は、例えば以下に示す方法にしたがって合成することができる。以下、各工程における化合物の構造式は、遊離酸型として表す。なお、下記一般式(1)乃至(8)中のR1乃至R13は、前記一般式(I)中のR1乃至R13と同義である。
下記一般式(1)で表される化合物を常法にしたがってジアゾ化して得られたジアゾ化合物と、下記一般式(2)で表される化合物とを常法にしたがってカップリング反応させ、下記一般式(3)で表される化合物を得る。
Figure 2014015600
Figure 2014015600
Figure 2014015600
前記一般式(3)で表される化合物を常法にしたがってジアゾ化して得られたジアゾ化合物と、下記一般式(4)で表される化合物とを常法にしたがってカップリング反応させ、下記一般式(5)で表される化合物を得る。
Figure 2014015600
Figure 2014015600
前記一般式(5)で表される化合物を常法にしたがってジアゾ化して得られたジアゾ化合物と、下記一般式(6)で表される化合物とを常法にしたがってカップリング反応させ、下記一般式(7)で表される化合物を得る。
Figure 2014015600
Figure 2014015600
前記一般式(7)で表される化合物を常法にしたがってジアゾ化して得られたジアゾ化合物と、下記一般式(8)で表される化合物とを常法にしたがってカップリング反応させれば、前記一般式(I)で表される化合物を得ることができる。
Figure 2014015600
一般式(1)で表される化合物のジアゾ化は、公知の方法で実施される。例えば、無機酸媒質中、−5〜30℃、好ましくは0〜15℃で、亜硝酸塩を用いてジアゾ化される。亜硝酸塩としては、亜硝酸ナトリウムなどのアルカリ金属の亜硝酸塩を用いることができる。一般式(1)で表される化合物のジアゾ化物と、一般式(2)で表される化合物とのカップリング反応も、公知の方法で実施される。例えば、水又は水性有機媒体中、−5〜30℃、好ましくは0〜25℃、酸性から中性のpH値、好ましくはpH1〜6でカップリング反応が実施される。ジアゾ化反応液は酸性である。また、カップリング反応が進行するため、ジアゾ化反応液はさらに酸性化する。このため、塩基を添加することで、反応液のpHを好ましい値に調整する。塩基としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩;酢酸ナトリウムなどのアルカリ金属の酢酸塩;アンモニア;有機アミンなどを用いることができる。また、一般式(1)で表される化合物と一般式(2)で表される化合物とは、ほぼ化学量論量で用いればよい。
一般式(3)で表される化合物のジアゾ化は、公知の方法で実施される。例えば、無機酸媒質中、−5〜40℃、好ましくは5〜30℃で、亜硝酸塩を用いてジアゾ化される。一般式(3)で表される化合物のジアゾ化物と、一般式(4)で表される化合物とのカップリングも、公知の方法で実施される。水又は水性有機媒体中、−5〜40℃、好ましくは10〜30℃、酸性から中性のpH値、好ましくはpH2〜7でカップリング反応が実施される。ジアゾ化反応液は酸性である。また、カップリング反応が進行するため、ジアゾ化反応液はさらに酸性化する。このため、塩基を添加することで、反応液のpHを好ましい値に調整する。塩基としては上記と同じものを用いることができる。また、一般式(3)で表される化合物と一般式(4)で表される化合物とは、ほぼ化学量論量で用いればよい。
一般式(5)で表される化合物のジアゾ化は、公知の方法で実施される。例えば、無機酸媒質中、−5〜50℃、好ましくは5〜40℃で、亜硝酸塩を用いてジアゾ化される。一般式(5)で表される化合物のジアゾ化物と、一般式(6)で表される化合物とのカップリングも、公知の方法で実施される。水又は水性有機媒体中、−5〜50℃、好ましくは10〜40℃、酸性から中性のpH値、好ましくはpH2〜7でカップリング反応が実施される。ジアゾ化反応液は酸性である。また、カップリング反応が進行するため、ジアゾ化反応液はさらに酸性化する。このため、塩基を添加することで、反応液のpHを好ましい値に調整する。塩基としては上記と同じものを用いることができる。また、一般式(5)で表される化合物と一般式(6)で表される化合物とは、ほぼ化学量論量で用いればよい。
一般式(7)で表される化合物のジアゾ化は、公知の方法で実施される。例えば、無機酸媒質中、−5〜50℃、好ましくは10〜40℃で、亜硝酸塩を用いてジアゾ化される。一般式(7)で表される化合物のジアゾ化物と、一般式(8)で表される化合物とのカップリングも、公知の方法で実施される。水又は水性有機媒体中、−5〜50℃、好ましくは10〜40℃、弱酸性からアルカリ性のpH値、好ましくはpH5〜10でカップリング反応が実施される。ジアゾ化反応液は酸性である。また、カップリング反応が進行するため、ジアゾ化反応液はさらに酸性化する。このため、塩基を添加することで、反応液のpHを好ましい値に調整する。塩基としては上記と同じものを用いることができる。また、一般式(7)で表される化合物と一般式(8)で表される化合物とは、ほぼ化学量論量で用いればよい。
一般式(I)で表される化合物の塩は、一般式(I)で表される化合物と、無機又は有機のカチオンとの塩である。無機塩の具体例としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びアンモニウム塩を挙げることができる。これらのなかでも、リチウム、ナトリウム、カリウム及びアンモニウム塩が好ましい。また、有機塩の具体例としては、例えば、下記一般式(9)で表される4級アンモニウムイオンとの塩を挙げることができる。また、一般式(1)で表される化合物は、一般式(I)で表される化合物の遊離酸、その互変異性体、及びそれらの各種の塩を含有する混合物であってもよい。具体的には、ナトリウム塩とアンモニウム塩の混合物、遊離酸とナトリウム塩の混合物、リチウム塩、ナトリウム塩及びアンモニウム塩の混合物など、いずれの組み合わせであってもよい。塩の種類によって、溶解性などの物性が異なる場合もある。このため、必要に応じて適宜塩の種類を選択すること、又は複数の塩などを含む場合にはその比率を変化させることにより、目的に適う物性を有する混合物を得ることもできる。
Figure 2014015600
前記一般式(9)中、Z1乃至Z4は、それぞれ独立に、水素原子、無置換アルキル基、ヒドロキシアルキル基、及びヒドロキシアルコキシアルキル基からなる群より選択される基を表す。ただし、Z1乃至Z4の少なくとも1つは水素原子以外の基である。
一般式(9)中、Z1乃至Z4で表される無置換アルキル基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの炭素数1乃至4の無置換アルキル基を挙げることができる。ヒドロキシアルキル基の具体例としては、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチルなどの炭素数1乃至4のヒドロキシアルキル基を挙げることができる。また、ヒドロキシアルコキシアルキル基の具体例としては、ヒドロキシエトキシメチル、2−ヒドロキシエトキシエチル、3−ヒドロキシエトキシプロピル、2−ヒドロキシエトキシプロピル、4−ヒドロキシエトキシブチル、3−ヒドロキシエトキシブチル、2−ヒドロキシエトキシブチルなどのヒドロキシアルコキシアルキル基(アルコキシ及びアルキルの炭素数は、それぞれ1乃至4)を挙げることができる。これらのなかでも、ヒドロキシエトキシアルキル基(アルキルの炭素数は1乃至4)が好ましい。
一般式(9)中のZ1乃至Z4は、それぞれ独立に、水素原子(ただし、Z1乃至Z4の少なくとも1つは水素原子以外の基である);メチル;ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチルなどの炭素数1乃至4のヒドロキシアルキル基;ヒドロキシエトキシメチル、2−ヒドロキシエトキシエチル、3−ヒドロキシエトキシプロピル、2−ヒドロキシエトキシプロピル、4−ヒドロキシエトキシブチル、3−ヒドロキシエトキシブチル、2−ヒドロキシエトキシブチルなどのヒドロキシエトキシアルキル基(アルキルの炭素数は1乃至4)であることが好ましい。
一般式(9)で表される4級アンモニウムイオンの好適な具体例としては、表2に示す例示化合物a〜lを挙げることができる。
Figure 2014015600
一般式(I)で表される化合物の塩を合成する方法としては、例えば、以下に示す(a)及び(b)の方法を挙げることができる。以下に示すような方法により、目的とする一般式(I)で表される化合物の塩を溶液又は析出固体の状態で得ることができる。
(a)一般式(I)で表される化合物の合成反応における最終工程の終了後、無機塩又は4級アンモニウム塩を反応液に加えて塩析する。
(b)上記の反応液に塩酸などの鉱酸を加えて単離したアゾ化合物の遊離酸を、必要に応じて水、酸性の水、又は水性有機媒体などで洗浄した後、付着した無機塩などの不純物を除去する。再度、水性の媒体中(好ましくは水中)で、遊離酸に所望の無機塩基又は前記4級アンモニウム塩に対応する有機塩基を加える。
なお、酸性の水とは、例えば、硫酸、塩酸などの鉱酸;酢酸などの有機酸を水に溶解して酸性にしたものをいう。また、水性有機媒体とは、水と混和可能な有機化合物と、水との混和物をいう。「水と混和可能な有機化合物」の具体例としては、後述する水溶性有機溶剤などを挙げることができる。
一般式(I)で表されるアゾ化合物を所望の塩とする際に用いる無機塩の具体例としては、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどのアルカリ金属のハロゲン化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;塩化アンモニウム、臭化アンモニウムなどのハロゲン化アンモニウム;水酸化アンモニウム(アンモニア水)などを挙げることができる。また、有機陽イオンの塩の具体例としては、ジエタノールアミン塩酸塩、トリエタノールアミン塩酸塩などの、前記一般式(9)で表される4級アンモニウムイオンのハロゲン塩などを挙げることができる。
本発明においては、一般式(I)で表される化合物がアニオン性基を有し、アニオン性基に占める、リチウム塩型のアニオン性基の割合を特定の範囲とすることが好ましい。この割合は、一般式(I)で表される化合物におけるアニオン性基の数がn個(n≠0)であり、そのうち、リチウム塩型のアニオン性基の数がm個である場合(n≧m)、(m/n)×100の式より算出される。一般式(I)で表される化合物の1分子についてnやmの値を知るのが難しい場合には、便宜上、インクの単位質量又は単位体積当たりのmやnの値として求め、これらの値から割合を算出してもよい。なお、一般式(I)で表される化合物が、リチウム塩とその他の塩との混合塩である場合、溶解性の観点から、その他の塩はナトリウム塩であることが好ましい。
アニオン性基に占める、リチウム塩型のアニオン性基の割合を70.0%以上とした場合、インク中の一般式(I)で表される化合物の会合がより効果的に抑制され、非常に高いレベルの耐湿性を有する画像を記録することができる。さらに、アニオン性基に占める、リチウム塩型のアニオン性基の割合を90.0%以下とした場合、光源演色性が良好な画像を記録することができる。ここで、「光源演色性が良好」とは、光源が違っていても画像の色調が変わらないことを意味する。逆に、光源演色性が劣る場合、同一の画像が、例えば、太陽光下と蛍光灯下とで色調が変わって見えることになる。
ここで、あるインクが可視領域の広範囲にわたって吸収を有すれば、光源演色性が良好な画像を記録することが可能となる。したがって、このような特性を付与できる色材をインクに含有させることが好ましい。リチウム塩型のアニオン性基の割合が90.0%を超える一般式(I)で表される化合物は、長波長領域(600nm付近)には強い吸収を有するが、短波長領域(400乃至500nm)の吸収は弱い。これに対して、リチウム塩型アニオン性基の割合が90.0%以下である一般式(I)で表される化合物は、90.0%を超えるものよりも吸収ピークがブロードになるとともに、短波長領域の吸収が増加する。
このような現象が生ずる理由を本発明者らは以下のように推測している。一般式(I)で表される化合物は、リチウムイオン以外のイオンがアニオン性基のカウンターイオンとして存在する場合、分子同士で会合しやすい。この分子同士の会合により、一般式(I)で表される化合物は分子間で共役する。この分子間の共役により、一般式(I)で表される化合物の吸収ピークがブロードになるとともに、短波長領域の吸収が強くなる。その結果、可視領域のより広い範囲にわたって吸収を有するようになるため、光源の違いによる色調の変化が抑制された画像を記録可能なインクが得られたと考えられる。
(色材の検証方法)
本発明で用いる色材(一般式(I)で表される化合物)が各インク中に含まれているか否かを検証するには、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた下記(1)〜(3)の検証方法を適用することができる。
(1)ピークの保持時間
(2)(1)のピークについての最大吸収波長
(3)(1)のピークについてのマススペクトルのM/Z(posi)、M/Z(nega)
高速液体クロマトグラフィーの分析条件は、以下に示す通りである。純水で約1,000倍に希釈した液体(インク)を測定用サンプルとする。そして、下記の条件で高速液体クロマトグラフィーでの分析を行い、ピークの保持時間(retention time)、及びピークの極大吸収波長を測定する。
・カラム:SunFire C18(日本ウォーターズ製)2.1mm×150mm
・カラム温度:40℃
・流速:0.2mL/min
・PDA:200nm〜700nm
・移動相及びグラジエント条件:表3
Figure 2014015600
また、マススペクトルの分析条件は以下に示す通りである。得られたピークについて、下記の条件でマススペクトルを測定し、最も強く検出されたM/Zをposi及びnegaのそれぞれに対して測定する。
・イオン化法:ESI
・キャピラリ電圧:3.5kV
・脱溶媒ガス:300℃
・イオン源温度:120℃
・検出器:
posi;40V 200〜1500amu/0.9sec
nega;40V 200〜1500amu/0.9sec
上記した方法及び条件下で、一般式(I)で表される化合物の具体例である例示化合物7について測定を行った。その結果、得られた保持時間、極大吸収波長、M/Z(posi)、及びM/Z(nega)の値を表4に示す。未知のインクについて、上記と同様の方法及び条件下で測定を行って、得られた測定値が表4に示す値に該当する場合、本発明のインクに用いる一般式(I)で表される化合物を含有すると判断することができる。
Figure 2014015600
(その他の色材)
本発明のインクは、さらに、下記一般式(VI)で表される化合物、及び下記一般式(VII)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種をその他の色材として含有することが好ましい。本発明者らは、これらの色材を含有させることで、画像の耐湿性を維持しながら、オゾンガスによるカラーバランスの低下を抑制できることを見出した。
Figure 2014015600
一般式(VI)中、R14は、水素原子、炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、又はスルホン酸基を表す。nは1又は2の整数を表し、mは1乃至3の整数を表し、xは2乃至4の整数を表し、yは1乃至3の整数を表す。Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す。R14で表されるスルホン酸基は塩型であってもよく、塩を形成するカチオンはMとして例示したものと同様のものを挙げることができる。
Figure 2014015600
一般式(VII)中、R15及びR16は、それぞれ独立にアリール基を表す。R15及びR16の少なくとも一方は、カルボキシ基及びスルホン酸基からなる群より選択される少なくとも1種の置換基を有する。R17は、それぞれ独立に、1,3,5−トリアジン又はその誘導体を表す。R18は、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、又は窒素原子とともにペルヒドロキシアジン環を形成する原子群を表す。R19は2価の有機連結基を表す。Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す。R15及びR16の少なくとも一方が置換基として有しうるカルボキシ基やスルホン酸基は塩型であってもよく、塩を形成するカチオンはMとして例示したものと同様のものを挙げることができる。
(色材の含有量)
インク中の一般式(I)で表される化合物の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上2.0質量%以下であることがさらに好ましい。また、一般式(VI)及び(VII)で表される化合物の少なくともいずれかをその他の色材として含有する場合には、その他の色材の含有量(質量%)(の合計)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上2.0質量%以下であることが好ましい。インク中の一般式(VI)、及び(VII)で表される化合物のそれぞれの含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.05質量%以上1.5質量%以下であることが好ましい。さらに、インク中の色材の含有量(質量%)の合計が、0.3質量%以上8.0質量%以下であることが好ましく、0.3質量%以上4.0質量%以下であることがさらに好ましい。
前述の通り、耐湿性を維持しながら、オゾンガスによるカラーバランスの低下を抑制した画像を記録可能なインクとするためには、色材としてさらに、一般式(VI)、及び(VII)で表される化合物の少なくともいずれかを含有させることが好ましい。このような効果を高いレベルで得るためには、これらの化合物の質量比率を以下のようにすることが好ましい。具体的には、インク全質量を基準とした、一般式(I)で表される化合物の含有量(質量%)が、一般式(VI)、及び(VII)で表される化合物の含有量(質量%)の合計に対する質量比率で、0.5倍以上30.0倍以下であることが好ましい。すなわち、{(一般式(I)で表される化合物の含有量)/(一般式(VI)、及び(VII)で表される化合物の含有量の合計)}=0.5倍以上30.0倍以下であることが好ましい。前記質量比率は、0.5倍以上10.0倍以下であることがさらに好ましく、0.5倍以上2.0倍以下であることが特に好ましい。
(水性媒体)
本発明のインクには、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を用いることができる。水は、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、10.0質量%以上90.0質量%以下であることが好ましい。
水溶性有機溶剤は、水溶性であれば特に制限はなく、アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、グリコールエーテル、含窒素極性溶媒、含硫黄極性溶媒などを用いることができる。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、5.0質量%以上90.0質量%以下、さらには10.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤の含有量が上記した範囲を外れると、高いレベルのインクの吐出安定性が十分に得られない場合がある。
(その他の添加剤)
本発明のインクは、上記した成分以外にも必要に応じて、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール類や、尿素、エチレン尿素などの尿素誘導体などの、常温で固体の水溶性有機化合物を含有してもよい。さらに、本発明のインクは、必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及び水溶性樹脂など、種々の添加剤を含有してもよい。
(その他のインク)
フルカラーの画像などを形成するために、本発明のインクと、本発明のインクとは別の色相を有するその他のインクとを組み合わせて用いることができる。その他のインクとしては、例えば、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、レッドインク、グリーンインク、及びブルーインクからなる群より選択される少なくとも一種のインクを挙げることができる。また、これらのインクと実質的に同一の色相を有する、いわゆる淡インクをさらに組み合わせて用いることもできる。その他のインクや淡インクに用いられる色材は、公知の染料であっても、新規に合成された染料であってもよい。
<インクカートリッジ>
本発明のインクカートリッジは、インクと、このインクを収容するインク収容部とを備える。そして、このインク収容部に収容されているインクが、上記で説明した本発明のインクである。図1は、本発明のインクカートリッジの一実施形態を模式的に示す断面図である。図1に示すように、インクカートリッジの底面には、記録ヘッドにインクを供給するためのインク供給口12が設けられている。インクカートリッジの内部はインクを収容するためのインク収容部となっている。インク収容部は、インク収容室14と、吸収体収容室16とで構成されており、これらは連通口18を介して連通している。また、吸収体収容室16はインク供給口12に連通している。インク収容室14には液体のインク20が収容されており、吸収体収容室16には、インクを含浸状態で保持する吸収体22及び24が収容されている。インク収容部は、液体のインクを収容するインク収容室を持たず、収容されるインク全量を吸収体により保持する形態であってもよい。また、インク収容部は、吸収体を持たず、インクの全量を液体の状態で収容する形態であってもよい。さらには、インク収容部と記録ヘッドとを有するように構成された形態のインクカートリッジとしてもよい。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、上記で説明した本発明のインクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録する方法である。インクを吐出する方式としては、インクに力学的エネルギーを付与する方式や、インクに熱エネルギーを付与する方式が挙げられる。本発明においては、インクに熱エネルギーを付与してインクを吐出する方式を採用することが特に好ましい。本発明のインクを用いること以外、インクジェット記録方法の工程は公知のものとすればよい。
図2は、本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)はヘッドカートリッジの斜視図である。インクジェット記録装置には、記録媒体32を搬送する搬送手段(不図示)、及びキャリッジシャフト34が設けられている。キャリッジシャフト34にはヘッドカートリッジ36が搭載可能となっている。ヘッドカートリッジ36は記録ヘッド38及び40を具備しており、インクカートリッジ42がセットされるように構成されている。ヘッドカートリッジ36がキャリッジシャフト34に沿って主走査方向に搬送される間に、記録ヘッド38及び40から記録媒体32に向かってインク(不図示)が吐出される。そして、記録媒体32が搬送手段(不図示)により副走査方向に搬送されることによって、記録媒体32に画像が記録される。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、成分量に関して「部」及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。
<色材の合成>
以下に示す手順にしたがって各色材を合成した。水を溶媒として、得られた色材の吸収スペクトルの最大吸収波長(λmax)を以下の条件で測定した。
・分光光度計:自記分光光度計(商品名「U−3300」、日立製作所製)
・測定セル:1cm 石英セル
・サンプリング間隔:0.1nm
・スキャン速度:30nm/min
(化合物Aの合成)
(a)
4−クロロ−3−ニトロアニリン51.8部をN−メチル−2−ピロリドン60.0部に溶解させ、ここに無水酢酸35.2部を約15分かけて滴下した。40〜50℃で2時間反応させた後、反応液を水400.0部に添加した。室温で30分撹拌した後、析出した固体をろ過した。得られた固体を水100.0部で洗浄した後、分離し、乾燥することにより下記式(10)で表される化合物63.0部を得た。
Figure 2014015600
(b)
前記手順(a)で得た式(10)で表される化合物42.9部をN−メチル−2−ピロリドン115.0部に溶解させ、ここに3−メルカプトプロパンスルホン酸ナトリウム40.9部及び炭酸カリウム29.0部を添加した。その後、130〜140℃に加熱し、同温度で2時間反応させた。3−メルカプトプロパンスルホン酸ナトリウム3.6部をさらに添加した後、130〜140℃で1時間反応させた。60℃まで冷却した後、反応液を2−プロパノール700.0部に添加し、室温まで冷却し、生成した固体をろ過により分離し、ウェットケーキを得た。得られたウェットケーキを水300.0部に溶解させた後、35%塩酸を添加してpHを3.0〜4.0とした。その後、塩化ナトリウムを添加して塩析し、析出した固体をろ過により分離し、下記式(11)で表される化合物のウェットケーキ205.3部を得た。
Figure 2014015600
(c)
水150.0部に、前記手順(b)で得た式(11)で表される化合物のウェットケーキ102.6部、活性炭1.6部、及び無水塩化鉄(III)0.4部を添加し、60℃に加熱した後、80%ヒドラジンヒドラート15.9部を約30分かけて滴下した。90℃に加熱した後、同温度で1.5時間反応させた。40℃まで冷却した後、不溶物をろ過により除去し、ろ液を室温まで冷却した。50%硫酸を添加してpHを1.0〜1.5とした。析出した固体をろ過により分離し、下記式(12)で表される化合物のウェットケーキ62.3部を得た。
Figure 2014015600
(d)
水40.0部に下記式(13)で表される5−アミノ−2−クロロベンゼンスルホン酸12.6部を添加した後、25%水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH4.0〜5.0の水溶液を得た。得られた水溶液に35%塩酸25.0部を添加した後、40%亜硝酸ナトリウム水溶液12.6部を添加して約30分反応させた。ここにスルファミン酸1.5部を添加して5分間撹拌し、ジアゾ化反応液を得た。一方、水200.0部に、前記手順(c)で得た式(12)で表される化合物のウェットケーキ32.4部を添加した後、25%水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH4.0〜5.0の水溶液を得た。得られた水溶液を前記ジアゾ化反応液に約5分かけて滴下した。滴下後、15%炭酸ナトリウム水溶液を添加してpHを2.0〜2.5に保持しながら3時間反応させた。その後、塩化ナトリウムを添加して塩析し、析出した固体をろ過により分離し、下記式(14)で表される化合物のウェットケーキ31.5部を得た。
Figure 2014015600
Figure 2014015600
(e)
水40.0部に、前記手順(d)で得た式(14)で表される化合物のウェットケーキ全量を添加した後、25%水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH6.0〜7.0の水溶液を得た。35%塩酸24.8部を添加した後、40%亜硝酸ナトリウム水溶液9.8部を添加して約30分反応させた。ここにスルファミン酸2.0部を添加して5分間撹拌し、ジアゾ化反応液を得た。一方、水250.0部に、前記手順(c)で得た式(12)で表される化合物のウェットケーキ30.8部を添加した後、25%水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH4.0〜5.0の水溶液を得た。この水溶液を前記ジアゾ化反応液に約5分かけて滴下した。滴下後、15%炭酸ナトリウム水溶液を添加してpHを2.0〜2.5に保持しながら3時間反応させた。その後、塩化ナトリウムを添加して塩析し、析出した固体をろ過により分離し、下記式(15)で表される化合物のウェットケーキ90.0部を得た。
Figure 2014015600
(f)
水250.0部に、前記手順(e)で得た式(15)で表される化合物のウェットケーキ45.0部を添加し、撹拌して溶解させた。35%塩酸16.5部を添加した後、40%亜硝酸ナトリウム水溶液4.7部を添加して約30分撹拌した。ここにスルファミン酸2.0部を添加して5分間撹拌し、ジアゾ化反応液を得た。一方、水60.0部に、下記式(16)で表される化合物5.5部を添加し、25%水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH4.5〜5.5の水溶液を得た。得られた水溶液を前記ジアゾ化反応液に約5分かけて滴下した。滴下後、15%炭酸ナトリウム水溶液を添加してpHを2.0〜3.0に保持しながら3時間反応させた。15%炭酸ナトリウム水溶液を添加してpHを4.5とした後、メタノール350.0部を添加した。析出した固体をろ過により分離し、下記式(17)で表される化合物のウェットケーキ6.0部を得た。
Figure 2014015600
Figure 2014015600
(g)
水170.0部に、前記手順(f)で得た式(17)で表される化合物のウェットケーキ32.2部を添加し、撹拌して溶解させた。35%塩酸5.2部を添加した後、40%亜硝酸ナトリウム水溶液1.5部を添加して約30分撹拌した。ここにスルファミン酸1.0部を添加して5分間撹拌し、ジアゾ化反応液を得た。一方、水60.0部に、下記式(18)で表される化合物2.2部を添加し、25%水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH7.5〜8.5の水溶液を得た。得られた水溶液を15〜30℃に保ちながら、前記ジアゾ化反応液を約30分かけて滴下した。この際、炭酸ナトリウム水溶液を加えて反応液のpHを7.5〜8.5に保持し、同温度及びpHを維持しながら、さらに2時間反応させた。その後、塩化ナトリウムを添加して塩析し、析出した固体をろ過により分離し、ウェットケーキ29.5部を得た。得られたウェットケーキを水100.0部に溶解させ、35%塩酸でpHを7.0〜7.5とした後、メタノール80.0部を添加し、析出した固体をろ過により分離した。得られたウェットケーキを再度水60.0部に溶解した後、メタノール90.0部を添加した。析出した固体をろ過により分離し、乾燥することにより、下記式(19)で表される化合物(化合物A)6.3部をナトリウム塩として得た。化合物Aの吸収スペクトルの最大吸収波長λmaxは589nmであった。この化合物Aが有するアニオン性基に占める、リチウム塩型のアニオン性基の割合は0.0%であり、ナトリウム塩型のアニオン性基の割合は100.0%である。
Figure 2014015600
Figure 2014015600
(化合物Bの合成)
(h)
メタノール300.0部に2−メチル−6−ニトロアニリン15.2部を溶解させた。得られた溶液をオートクレーブ中に移し、5%Pd/炭素2.0部を加え、20〜30℃で0.2〜0.5MPaの水素雰囲気での加圧下で、水素の吸収がなくなるまで反応させた。同温度で30分間さらに反応させた。触媒(5%Pd/炭素)をろ過により分離し、下記式(20)で表される化合物を含む溶液(ろ液)を得た。
Figure 2014015600
(i)
前記手順(h)で得た式(20)で表される化合物を含む溶液200.0部に、シアノ酢酸メチル13.0部を加え、30分還流した。メタノールを減圧留去して濃縮した後、水100.0部及び炭酸ナトリウムを加えてpHを7.0〜7.5とした。析出した固体をろ過により分離した後、乾燥することにより、下記式(21)で表される化合物8.3部を得た。
Figure 2014015600
(j)
エタノール100.0部に、前記手順(i)で得た式(21)で表される化合物8.3部、28%ナトリウムメトキシド12.0部、及びアセト酢酸メチル7.2部を加え、30分還流した。エタノールを減圧留去して濃縮した後、水100.0部及び35%塩酸を加えてpHを7.0〜7.5とした。析出した固体をろ過により分離した後、乾燥することにより、下記式(22)で表される化合物11.1部を得た。得られた下記式(22)で表される化合物は、メトキシ基がbに置換した化合物と、cに置換した化合物との混合物であった。
Figure 2014015600
(k)
前記手順(j)で得た式(22)で表される化合物5.6部を、8%発煙硫酸77.0部に5〜10℃でゆっくり添加した後、同温度で1.5時間反応させた。反応液を150.0部の氷水に約10分かけて滴下し、65〜70℃で30分撹拌した後、析出した固体をろ過により分離することにより、下記式(23)で表される化合物のウェットケーキ24.4部を得た。得られた下記式(23)で表される化合物は、(i)メトキシ基がbに置換し、スルホン酸基がa、c又はdに置換した化合物と、(ii)メトキシ基がcに置換し、スルホン酸基がa、b又はdに置換した化合物との混合物であった。
Figure 2014015600
(l)
式(18)で表される化合物2.2部に代えて、前記手順(k)で得た式(23)で表される化合物のウェットケーキ7.2部を用いた。それ以外は前述の「化合物Aの合成」の手順(g)の場合と同様にして、下記式(24)で表される化合物(化合物B)6.3部をナトリウム塩として得た。得られた下記式(24)で表される化合物は、(A)メトキシ基がbに置換しスルホン酸基がa、c又はdに置換した化合物と、(B)メトキシ基がcに置換しスルホン酸基がa、b又はdに置換した化合物とを含む、2乃至6種の化合物からなる混合物であった。また、化合物Bの吸収スペクトルの最大吸収波長λmaxは592nmであった。この化合物Bが有するアニオン性基に占める、リチウム塩型のアニオン性基の割合は0.0%であり、ナトリウム塩型のアニオン性基の割合は100.0%である。
Figure 2014015600
(化合物C〜Gの合成)
前記手順(l)で得た式(24)で表される化合物Bをイオン交換することにより、アニオン性基のカウンターイオンの割合が異なる化合物C〜Gをそれぞれ合成した。なお、化合物Bが有するアニオン性基に占める、リチウム塩型のアニオン性基の割合は0.0%であり、ナトリウム塩型のアニオン性基の割合は100.0%である。具体的には、以下の操作において塩化リチウムの使用量を異ならせることで、アニオン性基のカウンターイオンをナトリウムイオンからリチウムイオンに交換する割合を調整した。合成した化合物C〜Gを公知の方法で脱塩処理した後、イオンクロマトグラフィーによりリチウムイオンの含有量を定量し、リチウム塩の比率を求めた。
前記手順(l)で得た式(24)で表される化合物B及び塩化リチウムを水に添加して撹拌した。2−プロパノールをさらに添加し、析出した固体をろ過により分離し、ウェットケーキを得た。得られたウェットケーキ及び塩化リチウムを水に添加して撹拌した。2−プロパノールをさらに添加し、析出した固体をろ過により分離し、ウェットケーキを得た。得られたウェットケーキを水に添加した後、2−プロパノールをさらに添加した。析出した固体をろ過により分離し、ウェットケーキを得た。得られたウェットケーキを水に添加した後、2−プロパノールをさらに添加した。析出した固体をろ過により分離した後、乾燥することにより化合物C〜Gをそれぞれ得た。
化合物C〜Gが有するアニオン性基に占める、リチウム塩型のアニオン性基の割合及びナトリウム塩型のアニオン性基の割合は以下の通りであった。
・化合物C:リチウム塩型60.0%、ナトリウム塩型40.0%
・化合物D:リチウム塩型70.0%、ナトリウム塩型30.0%
・化合物E:リチウム塩型80.0%、ナトリウム塩型20.0%
・化合物F:リチウム塩型90.0%、ナトリウム塩型10.0%
・化合物G:リチウム塩型100.0%
<その他の色材の準備>
その他の色材(染料)として、遊離酸型として下記式(25)及び(26)で表される化合物H及びIを用いた。下記式(25)で表される化合物Hは、一般式(VI)で表される化合物の具体例である。また、下記式(26)で表される化合物Iは、一般式(VII)で表される化合物の具体例である。なお、C.I.ダイレクトバイオレット107も、一般式(VII)で表される化合物の具体例である。水酸化ナトリウム水溶液を用いてこれらの化合物H及びIのpHを調整し、アニオン性基をナトリウム塩型としてインクの調製に使用した。
Figure 2014015600
Figure 2014015600
一般式(I)で表される化合物の比較化合物(染料)として、遊離酸型として下記式(27)乃至(31)で表される比較化合物A〜Eを用いた。これらの比較化合物A〜Eは、水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを調整してアニオン性基をナトリウム塩型とし、さらに塩化リチウムを添加して撹拌した。2−プロパノールをさらに添加し、析出した固体をろ過により分離し、ウェットケーキを得た。得られたウェットケーキ及び塩化リチウムを水に添加して撹拌した。2−プロパノールをさらに添加し、析出した固体をろ過により分離し、ウェットケーキを得た。得られたウェットケーキを水に添加した後、2−プロパノールをさらに添加した。析出した固体をろ過により分離し、ウェットケーキを得た。得られたウェットケーキを水に添加した後、2−プロパノールをさらに添加した。析出した固体をろ過により分離した後、乾燥することにより、アニオン性基をリチウム塩型及びナトリウム塩型(モル比=80:20)としてインクの調製に使用した。
Figure 2014015600
Figure 2014015600
Figure 2014015600
Figure 2014015600
Figure 2014015600
<インクの調製>
表5−1〜5−3の上段に示す各成分(単位:%)を混合し、十分に撹拌した後、ポアサイズ0.20μmのフィルターで加圧ろ過して各インクを調製した。なお、表5−1〜5−3中の「アセチレノールE100」はノニオン性界面活性剤(川研ファインケミカル製)の商品名である。また、表5−1〜5−3の下段には、インク中の、リチウムイオンの含有量の、一般式(I)で表される化合物の含有量に対するモル比率を「リチウムイオンのモル比率(倍)」として示した。さらに、表5−1〜5−3の下段には、一般式(I)で表される化合物が有するアニオン性基に占める、リチウム塩型のアニオン性基の割合を「リチウム塩の割合(%)」として示した。なお、インクの調製の際には、表5−1〜5−3の下段に示すリチウムイオンのモル比率(倍)の値となるように、適量の酢酸リチウムを添加し、その分イオン交換水を差し引いて調整を行った。
Figure 2014015600
Figure 2014015600
Figure 2014015600
<評価>
上記で得られた各インクをそれぞれインクカートリッジに充填し、熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出するインクジェット記録装置(商品名「PIXUS Pro9000MarkII」、キヤノン製)に搭載した。本実施例においては、1/600インチ×1/600インチの単位領域に22ngのインクを付与して記録したベタ画像を「記録デューティが100%である」と定義する。
このインクジェット記録装置を用いて、温度23℃、相対湿度55%の環境で、記録媒体(商品名「キヤノン写真用紙・光沢 ゴールド GL−101」、キヤノン製)に、記録デューティが50%であるベタ画像を記録した記録物を作製した。得られた記録物は、温度23℃、相対湿度55%の環境で24時間載置して、十分に乾燥させた後に各評価を行った。評価には、分光光度計(商品名「Spectrolino」、Gretag Macbeth製)を用いた。この分光光度計を用いて、光源:D50、視野:2°の条件で、CIE(国際照明委員会)により規定されたL***表示系におけるL*、a*、b*を測定して行った。本発明においては、下記の各項目の評価基準で、Cを許容できないレベル、A及びBを許容できるレベルとした。評価結果を表6に示す。
(耐オゾン性)
上記で得られた記録物におけるベタ画像のL1、a1及びb1を測定した(耐オゾン性試験前のLab値)。この記録物をオゾン試験装置(商品名「OMS−H」、スガ試験機製)中に載置し、槽内温度23℃、相対湿度50%、オゾンガス濃度10ppmで8時間載置する条件を1サイクルとして、2サイクル分のオゾン曝露を行った。その後、記録物におけるベタ画像のL2、a2及びb2を測定した(耐オゾン性試験後のLab値)。得られた耐オゾン性試験前のLab値及び耐オゾン性試験後のLab値から、ΔE(色差)={(L1−L22+(a1−a22+(b1−b221/2を算出し、以下に示す評価基準にしたがって耐オゾン性の評価を行った。
A:ΔEが6.5未満であった。
B:ΔEが6.5以上8.0未満であった。
C:ΔEが8.0以上であった。
(耐湿性)
上記で得られた記録物におけるベタ画像のL1、a1及びb1を測定した(耐湿性試験前のLab値)。この記録物を温度30℃、相対湿度90%に設定した恒温槽中に1週間載置した。その後、記録物におけるベタ画像のL2、a2及びb2を測定した(耐湿性試験後のLab値)。得られた耐湿性試験前のLab値及び耐湿性試験後のLab値から、ΔE(色差)={(L1−L22+(a1−a22+(b1−b221/2を算出し、以下に示す評価基準にしたがって耐湿性を評価した。ΔEが小さい場合、高湿度の環境においても画像のにじみや色調変化が起こりにくいことを意味する。
A:ΔEが1.5未満であった。
B:ΔEが1.5以上2.6未満であった。
C:ΔEが2.6以上であった。
(光源演色性)
上記で得られた記録物におけるベタ画像のL1、a1及びb1を測定した(光源D50におけるLab値)。また、光源をD65、A、C、F1〜F12にそれぞれ変更して(合計14種)、同様に記録物におけるベタ画像のL2、a2及びb2を測定した(各光源におけるLab値)。そして、光源がD50である場合におけるLab値を基準として、14種の各光源におけるLab値のずれを、ΔE(色差)={(L1−L22+(a1−a22+(b1−b221/2として算出した。そして、これらの14種の各光源でそれぞれ得られたΔEの最大値から、以下に示す評価基準にしたがって光源演色性を評価した。光源による色差を示すΔEの最大値が小さければ、光源が違っていても画像の色調が変わりにくいことを意味する。
A:ΔEの最大値が5.5未満であった。
B:ΔEの最大値が5.5以上6.5未満であった。
C:ΔEの最大値が6.5以上であった。
Figure 2014015600
なお、実施例12及び13のインクで記録した画像の耐オゾン性は、同じ「A」評価である他の実施例のインクで記録した画像の耐オゾン性よりも優れており、オゾンガスによるカラーバランスの低下も特に高いレベルで抑制されていた。

Claims (8)

  1. 色材及びリチウムイオンを含有するインクであって、
    前記色材が、下記一般式(I)で表される化合物であり、
    インク中の、前記リチウムイオンの含有量が、前記一般式(I)で表される化合物の含有量に対するモル比率で、3.5倍以上であることを特徴とするインク。
    Figure 2014015600
    (前記一般式(I)中、R1は、炭素数1乃至4のアルキル基;カルボキシ基で置換された炭素数1乃至4のアルキル基;フェニル基;スルホン酸基で置換されたフェニル基;又はカルボキシ基を表し、R2は、シアノ基;カルバモイル基;又はカルボキシ基を表し、R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子;炭素数1乃至4のアルキル基;ハロゲン原子;炭素数1乃至4のアルコキシ基;又はスルホン酸基を表し、R5及びR7は、それぞれ独立に、炭素数1乃至4のアルキルチオ基;又はヒドロキシ基、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基で置換された炭素数1乃至4のアルキルチオ基を表し、R6及びR8は、それぞれ独立に、炭素数1乃至4のアルキルカルボニルアミノ基を表し、R9及びR10は、それぞれ独立に、水素原子;カルボキシ基;スルホン酸基;アセチルアミノ基;ハロゲン原子;炭素数1乃至4のアルキル基;炭素数1乃至4のアルコキシ基;又はヒドロキシ基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基で置換された炭素数1乃至4のアルコキシ基を表し、R11、R12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子;カルボキシ基;スルホン酸基;ヒドロキシ基;アセチルアミノ基;ハロゲン原子;シアノ基;ニトロ基;スルファモイル基;炭素数1乃至4のアルキル基;炭素数1乃至4のアルコキシ基;ヒドロキシ基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基で置換された炭素数1乃至4のアルコキシ基;炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基;又はヒドロキシ基、スルホン酸基及びカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基で置換された炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基を表す)
  2. 前記一般式(I)において、R1がメチル基、R2がシアノ基又はカルバモイル基、R3が水素原子、メチル基、又はメトキシ基、R4がスルホン酸基、R5及びR7が、それぞれ独立に、炭素数1乃至4のスルホアルキルチオ基、R6及びR8が、それぞれ独立に、炭素数1乃至4のアルキルカルボニルアミノ基、R9が炭素数1乃至4のスルホアルコキシ基、R10が炭素数1乃至4のアルキル基又はアセチルアミノ基、R11、R12及びR13が、それぞれ独立に、水素原子、カルボキシ基、スルホン酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、メチル基、メトキシ基、又はスルファモイル基である請求項1に記載のインク。
  3. 前記一般式(I)において、R1がメチル基、R2がシアノ基、R3が水素原子又はメトキシ基、R4がスルホン酸基、R5及びR7が、それぞれ独立に、炭素数1乃至4のスルホアルキルチオ基、R6及びR8がアセチルアミノ基、R9がスルホプロポキシ基又はスルホブトキシ基、R10が炭素数1乃至4のアルキル基、R11が水素原子又はスルホン酸基、R12がスルホン酸基又はハロゲン原子、R13が水素原子又はスルホン酸基である請求項1に記載のインク。
  4. 前記一般式(I)で表される化合物がアニオン性基を有し、
    前記アニオン性基に占める、リチウム塩型のアニオン性基の割合が70.0%以上である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインク。
  5. 前記一般式(I)で表される化合物がアニオン性基を有し、
    前記アニオン性基に占める、リチウム塩型のアニオン性基の割合が90.0%以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインク。
  6. さらに、下記一般式(VI)で表される化合物、及び下記一般式(VII)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含有する請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインク。
    Figure 2014015600
    (前記一般式(VI)中、R14は、水素原子、炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、又はスルホン酸基を表し、nは1又は2の整数を表し、mは1乃至3の整数を表し、xは2乃至4の整数を表し、yは1乃至3の整数を表し、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す)
    Figure 2014015600
    (前記一般式(VII)中、R15及びR16は、それぞれ独立に、アリール基を表し、R15及びR16の少なくとも一方は、カルボキシ基及びスルホン酸基からなる群より選択される少なくとも1種の置換基を有する。R17は、それぞれ独立に、1,3,5−トリアジン又はその誘導体を表し、R18は、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、又は窒素原子とともにペルヒドロキシアジン環を形成する原子群を表し、R19は2価の有機連結基を表し、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す)
  7. インクと、前記インクを収容するインク収容部とを備えたインクカートリッジであって、
    前記インクが、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインクであることを特徴とするインクカートリッジ。
  8. インクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    前記インクが、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
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