以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
先ず、図1を参照し、本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタの全体構成について説明する。ヘッド1(記録ヘッド)は、図1に示すように、一方向(図1の紙面に直交する方向)に沿って長尺なラインヘッドであり、その長手方向を主走査方向として、インクジェットプリンタ500に組み込まれている。プリンタ500は、ライン式のカラーインクジェットプリンタである。
プリンタ500は、直方体形状の筐体501aを有する。筐体501aの天板上部には、排紙部531が設けられている。筐体1aの内部空間は、上から順に空間A,B,Cに区分できる。空間A,Bは、排紙部531に連なる用紙搬送経路が形成された空間である。空間Aでは、用紙Pの搬送と用紙Pへの画像形成が行われる。空間Bでは、給紙に係る動作が行われる。空間Cには、インク供給源としてのメインタンク58が収容されている。
空間Aには、4つのヘッド1、ヘッド1にインクを供給するインク供給ユニット50、用紙Pを搬送する搬送ユニット521、用紙Pをガイドするガイド部等が配置されている。空間Aの上部には、プリンタ500各部の動作を制御してプリンタ500全体の動作を司るコントローラ501(供給制御手段)が配置されている。
各ヘッド1は、主走査方向に長尺な略直方体形状を有する。4つのヘッド1は、副走査方向に所定ピッチで並び、ヘッドフレーム503を介して筐体501aに支持されている。4つのヘッド1の下面(吐出面)4aからそれぞれマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックのインク滴が搬送される用紙P上に吐出される。インク供給ユニット50は、メインタンク58からのインクをヘッド1へと供給する。ヘッド1及びインク供給ユニット50のより具体的な構成については後に詳述する。
搬送ユニット521は、2つのベルトローラ506,507、両ローラ506,507間に巻回されたエンドレスの搬送ベルト508、搬送ベルト508の外側に配置されたニップローラ504及び剥離プレート505、搬送ベルト508の内側に配置されたプラテン519等を有する。ベルトローラ507は、駆動ローラであって、コントローラ501による制御の下、搬送モータ(図示せず)の駆動により回転し、図1中時計回りに回転する。ベルトローラ507の回転に伴い、搬送ベルト508が図1中の矢印方向に走行する。ベルトローラ506は、従動ローラであって、搬送ベルト508が走行するのに伴って、図1中時計回りに回転する。ニップローラ504は、ベルトローラ506に対向配置され、上流側ガイド部(後述)から供給された用紙Pを搬送ベルト508の外周面508aに押さえつける。外周面508aには、弱粘着性のシリコン層が形成されている。剥離プレート505は、ベルトローラ507に対向配置され、用紙Pを外周面508aから剥離して下流側ガイド部(後述)へと導く。プラテン519は、4つのヘッド1に対向配置され、搬送ベルト508の上側ループをベルト内周面側から支持する。これにより、外周面508aとヘッド1の吐出面4aとの間に、画像形成に適した所定の間隙が形成される。
ガイド部は、搬送ユニット521を挟んで両側に配置されている。上流側ガイド部は、2つのガイド527a,527b及び一対の送りローラ526を有する。当該ガイド部は、給紙ユニット501b(後述)と搬送ユニット521とを繋ぐ。下流側ガイド部は、2つのガイド529a,529b及び二対の送りローラ528を有する。当該ガイド部は、搬送ユニット521と排紙部531とを繋ぐ。
空間Bには、給紙ユニット501bが配置されている。給紙ユニット501bは、給紙トレイ523及び給紙ローラ525を有し、給紙トレイ523が筐体501aに対して着脱可能である。給紙トレイ523は、上方に開口する箱であり、複数の用紙Pを収納可能である。給紙ローラ525は、コントローラ501による制御の下、給紙トレイ523の最も上方にある用紙Pを送り出し、上流側ガイド部に供給する。
空間A,Bには、上述のように、給紙ユニット501bから搬送ユニット521を介して排紙部531に至る、用紙搬送経路が形成されている。記録指令に基づいて、コントローラ501は、給紙トレイ523から用紙Pを送り出す。用紙Pは、上流側ガイド部を介して搬送ユニット521に送られる。用紙Pが各ヘッド1の吐出面4aの真下を副走査方向に通過する際、ヘッド1から順にインク滴が吐出され、用紙P上に所望のカラー画像が形成される。その後用紙Pは、剥離プレート505により外周面508aから剥離され、下流側ガイド部を介して上方の排紙部531に排紙される。
ここで、副走査方向とは、搬送ユニット521による用紙Pの搬送方向と平行な方向であり、主走査方向とは、副走査方向に直交する方向であって水平面に沿った方向である。
空間Cには、タンクユニット501cが筐体501aに対して着脱可能に配置されている。タンクユニット501cは、トレイ535及び4つのメインタンク58を有する。4つのメインタンク58は、4つのヘッド1と一対一に対応し、トレイ535内において副走査方向に並設されている。
次に、図2、図3、及び図4を参照し、ヘッド1及びインク供給ユニット50の構成について説明する。ヘッド1は、図2に示すように、上から順に、フィルタユニット2、リザーバユニット3、及び流路ユニット4を含む。ヘッド1の内部には、記録時にインクが流れる流路の他に、パージ時の流路が形成されている。
なお、パージは、ヘッド1内の異物(気泡含む)を除去する処理で、インクがヘッド1外に強制的に排出される。本実施の形態では、フィルタ上流部で循環する循環パージ(図6(b)参照)、2つのフィルタ間を通って循環するフィルタ間パージ(図7(a)参照)、および吐出口4yからインクを排出するノズルパージ(図7(b)参照)を含む。
インク供給ユニット50(液体供給手段)は、サブタンク54(液体タンク)及びポンプ56を有し、メインタンク58からヘッド1(フィルタユニット2)にインクを供給する。サブタンク54は、内部にインクを貯留し、大気開放孔54aを介してインク中の気泡を大気に開放する。サブタンク54は、弾性チューブ52及び53(第2の戻り流路及び第1の戻り流路)を介してフィルタユニット2と接続されていると共に、弾性チューブ57を介してメインタンク58と接続されている。弾性チューブ52、53及び57の端部は、サブタンク54内に貯留された液体の液面Sより下に配置されている。ポンプ56は、弾性チューブ51及び55を介して、フィルタユニット2及びサブタンク54と接続されている。ポンプ56は、コントローラ501によって制御され、弾性チューブ55を介してサブタンク54内のインクを吸引すると共に、吸引したインクを弾性チューブ51及びジョイント2aを介してフィルタユニット2へと供給する。
弾性チューブ52、53及び57には、これらのチューブ内をインクが流通する開状態とインクが流通しない閉状態とを切り替える開閉弁61、62及び63が設けられている。開閉弁61又は62が開状態のとき、サブタンク54からポンプ56を介してフィルタユニット2にインクが流入し、フィルタユニット2からは開状態の開閉弁61又は62を介してサブタンク54へとインクが流出する循環経路が形成される。このようなポンプ駆動によって、フィルタユニット2からサブタンク54へと気泡や粉塵等の異物混じりのインクを排出できる。開閉弁63が開状態のときにポンプ56が作動すると、メインタンク58からサブタンク54へとインクが供給される。開閉弁61〜63の状態は、コントローラ501の制御によって切り替えられる。
フィルタユニット2は、例えば樹脂を材料とした一体成形により形成される。フィルタユニット2は、その長手方向一端側の3つのジョイント2a,2b及び2c(供給部、第2及び第1の排出部)を含む接続部と、その長手方向他端側のフィルタ2f(第1のフィルタ)を含む基部20(図3(a)参照)とを有する。ジョイント2a〜2cは、円筒形の延出部であって、吐出面4aを鉛直方向下方に向けたとき、延出部先端が下方に向く。ジョイント2a〜2cには、弾性チューブ51,52及び53が装着されている。
フィルタユニット2のより具体的な構成、並びに、ヘッド1における記録時及び各パージ時のインクの流れについては、後に詳述する。
リザーバユニット3は、平面視で略同一サイズの矩形状の4枚の金属プレート31,32,33,34を積層し互いに接着することにより形成されたものである。リザーバユニット3は、図3(a)に示すように、ゴム等の弾性材料からなる2つのOリング30及び適宜の固定部材を介してフィルタユニット2と水密に固定されている。
リザーバユニット3の各プレート31〜34には、インク流路を構成する貫通孔や凹部が形成されている。具体的には、最上層のプレート31は2つの貫通孔31a,31bを有する。上から2番目のプレート32は、貫通孔31aに対応する貫通孔32a、貫通孔31bに対応する凹部32xを有し、凹部32xの分岐流路の各先端には貫通孔32bが形成されている。凹部32xは、プレート32の上面において、ヘッド長手方向に沿って延在し、後述のフィルタ間パージ時(図7(a)参照)にフィルタユニット2へと戻るインクが流れる空間である。上から3番目のプレート33は、インクを一時的に貯留するリザーバ33xを有する。リザーバ33xは、プレート33の厚み方向に貫通し、且つ、ヘッド長手方向に延在している。リザーバ33xは、長手方向中央部が貫通孔32aと対向し、フィルタユニット2からのインクが流入する。さらに、リザーバ33xは、分岐流路の各先端部が上方の貫通孔32bおよび下方の流路ユニット4の開口4a(図4参照)と対向している。なお、リザーバ33xは、分岐流路先端部(貫通孔326及び開口4aとの連通部)を除いて、上側の開口がプレート32の下面によって覆われ、下側の開口がプレート34の上面によって覆われている。最下層のプレート34は、各開口4xと対向する貫通孔34xを有する。本実施の形態では、プレートの積層方向に関して、開口4x、貫通孔34x、リザーバ33xの分岐流路先端部および貫通孔32bがほぼ直線上に配置されている。吐出面4aが下方を向く状態では、仮に気泡が存在しても、一番下の開口4xからこれを遠ざける浮力が働くので、気泡は流路ユニット4側に移動しにくい。
このように、リザーバユニット3には、フィルタユニット2に接続した貫通孔31aから、リザーバ33xの分岐流路先端部を介してフィルタユニット2に接続した貫通孔31bに連通する流路(第2の流路の一部分)、及び、リザーバ33xの分岐流路先端部から分かれて、流路ユニット4(開口4x)に接続する貫通孔34xに連通する流路(供給流路の一部分)が形成されている。リザーバ33xの分岐流路先端部が、第2の流路と供給流路との分岐部である。ここで、貫通孔31aからリザーバ33xの分岐流路先端部までの部分流路は、記録時、フィルタ間パージ時およびノズルパージに共通の流路である。リザーバ33xの分岐流路先端部から貫通孔31bまでの部分流路は、フィルタ間パージ時の流路である。また、リザーバ33xの分岐流路先端部から貫通孔34xまでの部分流路は、記録時およびノズルパージ時に共通の流路である。
流路ユニット4は、図4に示すように、上面4bに、台形形状の8つのアクチュエータユニット5が2列の千鳥状に配置されている。アクチュエータユニット5の上面には、コントローラ501からの駆動信号を供給するフレキシブルプリント基板(図示せず)が貼り付けられている。上面4bには、アクチュエータユニット5の配置領域を避けて開口4xが形成され、フィルタ72によって覆われている。フィルタ72は、リザーバユニット3の下面と流路ユニット4の上面4bとに挟まれて固定され、貫通孔34xと開口4xとを連通している。フィルタ72は、メッシュ状の素材が配置された板状部材であり、リザーバユニット3から流路ユニット4へと流れ込むインクをろ過する。フィルタ72は、アクチュエータユニット5及びフレキシブルプリント基板より厚く形成されており、リザーバユニット3と流路ユニット4の上面4bとの間にアクチュエータユニット5及びフレキシブルプリント基板の設置空間を形成するためのスペーサの役割も果たしている。
流路ユニット4の下面4a(図2参照)における各アクチュエータユニット5に対応する領域は、インク滴を吐出する吐出口4y(図6〜図7参照)が多数開口した吐出領域である。流路ユニット4の内部には、開口4xに連通した共通インク流路(マニホールド流路41及び副マニホールド流路41a)、副マニホールド流路41aの出口から各吐出口4yに至る個別インク流路が形成されている。副マニホールド流路41aは、図4に示すように、マニホールド流路41から分岐してヘッド長手方向に延在している。
次に、図3及び図5を参照し、フィルタユニット2のより具体的な構成について説明する。
フィルタユニット2は、図3(a)に示すように、ジョイント2a〜2cと基部20との間に、各ジョイント2a〜2cと基部20とを接続する接続部を有する。基部20は、フィルタ2fが配置され、第1室21(フィルタ2fの上流側空間)、フィルタ室29(フィルタ2fの下流側空間)、第1室21に連通した第2室22、排出流路26a等が形成されている。排出流路26aは、サブタンク54に流入する(戻る)インクの流路である。接続部には、3つの接続流路7a,7b,7cが形成されている。このうち、接続流路7aはジョイント2aと基部20の第2室22とを接続し、接続流路7bはジョイント2bと排出流路26a(後述)とを接続し、接続流路7cはジョイント2cと基部の第2液室21とを接続している。接続流路7a〜7cは、上面を可撓性膜により封止されている。当該可撓性膜上には、金属板が積層されており、可撓性膜の外側に向かう過度な撓みが抑制される。図示は省略するが、これら接続流路7a〜7cを画定する上壁は、後述する可撓性膜27と金属板28との積層体(図3(b)参照)と同様の構成である。
流路ユニット4の下面4aが水平になるようにヘッド1を配置したとき、図3(b)に示すように、鉛直方向に立設された区画板23が、基部20内の空間を左右に分割(2分割)している。第1及び第2室21,22は、区画板23を挟んで水平方向に並設されている。第1及び第2室21,22は、鉛直方向及びこれら室21,22の並設方向(以下、単に「並設方向」と称す。)に平行な面に沿った断面が水平方向より鉛直方向に長い。また、一方の側壁が区画板23、他方の側壁が可撓性膜27と金属板28との積層体により構成されている。金属板28の積層により、可撓性膜27の外側に向かう過度な撓みが抑制されると共に、可撓性膜27に対する外力の直接的付加が防止される。なお、図3(a)では、これら可撓性膜27と金属板28との積層体の図示を省略している。
第1及び第2室21,22は、図3(a)に示すように、区画板23に形成された略楕円形の貫通孔により構成される連通流路23xを介して、互いに連通している。連通流路23xは、各室21,22におけるジョイント2a〜2cとは反対側の端部、即ち各室21,22の長手方向一端の上方に配置されている。
第1室21は、図5(a)に示すように、共に水平方向に延在する上壁21a及び下壁21b、並びに、共に鉛直方向に対して斜めに配置された側壁21c,21dにより囲まれている。並設方向に沿った方向から見て、第1室21は、逆台形形状の空間である。可撓性膜27と金属板28との積層体(図3(b)参照)は、並設方向に関して区画板23と対向して配置されている。このうち、可撓性膜27は、第1室21を覆うように、壁21a〜21dの先端に取り付けられている。
第2室22は、図5(b)に示すように、共に水平方向に延在する上壁22a及び下壁22b、並びに、共に鉛直方向に対して斜めに配置された側壁22c,22dにより囲まれている。並設方向に沿った方向から見て、第2室22は、逆台形形状の主空間と、これに接続する流路22eとを含む。流路22eは、側壁22dの上方から基部20の長手方向に沿って細長く延在している。流路22eは、鉛直方向に関して第2室22の主空間よりも高い位置にある。流路22eの下方には、隔壁を隔てて、フィルタ室29が形成されている。第2室22及びフィルタ室29の周囲には、これらを図5(b)中左方及び上方から取り囲むように、排気流路26aが形成されている。可撓性膜27と金属板28との積層体(図3(b)参照)は、並設方向に関して区画板23と対向して配置されている。このうち、可撓性膜27は、第2室22、フィルタ室29、及び排気流路26aを覆うように、壁22a〜22dの先端、並びに、流路22e、フィルタ室29、及び排気流路26aを画定する側壁の先端に取り付けられている。ここで、排気流路26aは、リザーバ33xから排出されたインクをヘッド1外部へと導く流路である。
図5(a)に示すように、第1室21において、側壁21c,21dの下壁21bに対する角度θ1,θ2は共に鈍角(例えば140度)であり、側壁21c,21dの上壁21aに対する角度θ3,θ4は共に略40度である。また、図5(b)に示すように、第2室22において、側壁22c,22dの下壁22bに対する角度θ5,θ6は共に鈍角(例えば140度)であり、側壁22c,22dの上壁22aに対する角度θ7,θ8は共に略40度である。
このように、各室21,22における下方の角部が鈍角であるため、各室21,22内をその長手方向に沿って流れるインクは、当該下方の角部で滞留することなく、滑らかに略水平に流れる。各室21,22に流入した気泡もまた、インクと共に滑らかに略水平に流れ、室21,22内に残留することがない。
第1室21は、長手方向に関してジョイント2a〜2cに近接した端部の上方において、開口21xを介して、接続流路7c(図3(a)参照)と連通している。上壁21aにおける開口21x近傍の領域には、図5(a)に示すような凹部21yが形成されている。凹部21yは、インクの記録時流動方向に沿って下流側に延びている。凹部21yは、第1室21に流入したインク中の気泡を一時的に捕獲する。これにより、当該気泡がフィルタ2fへと移動するのが防止される。
第2室22の主空間は、ジョイント2a〜2cに近接した端部、即ち長手方向他端の上方において、開口22xを介して、接続流路7a(図3(a)参照)と連通している。また、図5(b)に示すように、第2室22の主空間は、開口22xとは反対側の端部の上方において、流路22eと連通している。流路22eは、その先端に連通流路23xの貫通孔が開口している。フィルタ室29は、並設方向に沿った方向から見て、第2室22における流路22eの下壁及び主空間の側壁22d等によって囲まれた、平行四辺形形状を有する。さらに、フィルタ室29は、フィルタ2fと略同じ形状で且つこれよりも一回り大きなサイズを有する。
区画板23におけるフィルタ2fの配置領域は開口しており、当該開口にフィルタ2fが装着されている。フィルタ2fは、インク中の異物を捕捉するメッシュ状の板状部材であり、区画板23の板面に沿って鉛直方向に立設されている。したがって、フィルタ2fを介して、第1室21及びフィルタ室29が連通している。フィルタ2fは、第1室21からフィルタ室29に向かうインクをろ過する。フィルタ室29はまた、下方の隔壁に形成された貫通孔24を介して、リザーバユニット3の貫通孔31aと連通している。
図5(a)に示すように、フィルタ2fは、第1室21内において、上壁21aよりも下壁21bに近い位置に配置されている。フィルタ2fと上壁21aとの間には、フィルタ2fと下壁21bとの間よりも大きな隙間が形成されている。当該大きな隙間は、第1室21に流入した気泡を捕獲し、気泡がフィルタ2fに到達するのを防止する。連通流路23xは、第1室21において、フィルタ2fの斜め上方にあり、鉛直方向に関してフィルタ2fと上壁21aとの間に位置している。
排気流路26aは、図5(b)に示すように、ジョイント2a〜2cに近接した端部において、開口26xを介して、接続流路7b(図3(a)参照)と連通している。また、排気流路26aは、下方の貫通孔25を介して、リザーバユニット3の貫通孔31bと連通している。
以上の構成により、本実施形態においては、図6及び図7に模式的に示すように、ジョイント2aから接続流路7a、第2室22、第1室21及び接続流路7cを経てジョイント2cまでを結ぶ第1の流路と;この第1の流路の途中部である第1室21から分岐し、フィルタ2fを通じてフィルタ室29へと向かい、リザーバ33x、凹部32x、排気流路26a、及び接続流路7bを経てジョイント2bへと連通する第2の流路と;この第2の流路の途中部であるリザーバ33xの分岐流路先端部から分岐し、フィルタ72を通じてマニホールド流路41及び副マニホールド流路41aへと向かい、吐出口4yへとインクを供給する供給流路とが形成されている。ここで、フィルタ25が、第1の流路と第2の流路との分岐部に相当する。
次に、図6(a)を参照しつつ、インクジェットヘッド1における記録時のインクの流れについて説明する。記録時にはコントローラ501が、開閉弁62及び63を開状態にすると共に、開閉弁61を閉状態とする。これにより、画像形成時のインクの消費に伴って、メインタンク58からサブタンク54を経てフィルタユニット2へのインクの流れが自発的に生ずる。
図6(a)の矢印は、記録時におけるサブタンク54から流路ユニット4までのインクの流れを示している。記録時には、ジョイント2cを介してサブタンク54内のインクがフィルタユニット2に供給される。フィルタユニット2においては、主に、図6(a)に示す流路をインクが流れる。まず、ジョイント2cから流入したインクは、接続流路7c(図3(a)参照)を通り、開口21xを介して第1室21に導入され、当該室21内においてフィルタ2fへと向かう。フィルタ21を通過する間にろ過されたインクはフィルタ室29に至り、さらに、貫通孔24を通ってリザーバユニット3内に流入する。貫通孔31aからリザーバユニット3内に流入したインクは、貫通孔32aを通ってリザーバ33xに流入し、リザーバ33xにおいて分岐した後、各貫通孔34xを介して流路ユニット4内に供給される(図3(a)参照)。開口4xを介してリザーバユニット3から流路ユニット4に供給されたインクは、マニホールド流路41及び副マニホールド流路41aを通って各個別インク流路に分配され、アクチュエータユニット5の駆動に伴い、吐出口4yから吐出される(図4、図6(a)参照)。
以上のように、記録時には、第1の流路の一部分(ジョイント2cからフィルタ2fまでの部分流路)、第2の流路の一部分(フィルタ2fからリザーバ33xの分岐流路先端部までの部分流路)、第3の流路の順に各流路を経て、サブタンク54のインクが吐出口4yに供給される。
次に、図6(b)を参照し、インクジェットヘッド1における循環パージ時のインクの流れについて説明する。循環パージとは、主にフィルタ2fの目詰まり解消又は防止のため、強制的にインクをフィルタユニット2に導入してフィルタ2f上の異物をインクと共に排出する処理である。コントローラ501は、開閉弁61、62を開状態とし開閉弁63を閉状態とすると共に、ポンプ56を作動させることにより、循環パージを開始する。所定時間の経過後、ポンプ56を停止することにより、循環パージを終了する。ここで、フィルタ2fからジョイント2cまでの流路抵抗は、フィルタ2fから吐出口4yまでの流路抵抗に比べ小さい。そのため、循環パージ中は、ジョイント2aが吐出口4yと連通しているにもかかわらず、吐出口4yからインクが漏れることはない。なお、コントローラ501が開閉弁61も開状態としたままポンプを駆動した際は、循環パージと同時に後述のフィルタ間パージも実行される。循環パージとフィルタ間パージが同時に行われる期間は、ポンプの駆動条件が変わらなければ全体的な流路抵抗が低くなる分、各パージ領域において流れるインクの流量が小さくなる。各パージ経路におけるインク流量を確保するため、両パージの同時実行中は、ポンプの駆動条件を流量が増加するように変更するとよい。
図6(b)の矢印は、循環パージ時における、サブタンク54からフィルタユニット2を経てサブタンク54に戻るインクの流れ(第1の液体流形成動作)を示している。この流れは、以下の通り、ジョイント2aから第1の流路を経て、ジョイント2cへと向かう流れとなる。コントローラ501がポンプを作動させると、サブタンク54のインクがジョイント2aからフィルタユニット2へと流入し始める。フィルタユニット2に流入したインクは、接続流路7a(図3(a)参照)を通り、開口22xを介して第2室22の主空間に導入され、当該主空間内において流路22eへと向かい、流路22e端部の貫通孔23xに至る。その後、貫通孔23xから第1室21内に流入したインクは、第1室21内のフィルタ2f表面に沿って開口21xへと向かい、開口21xから接続流路7c(図3(a)参照)を通り、ジョイント2cからサブタンク54に排出される。フィルタ2fの上流側表面に蓄積する異物が、この表面に沿うインクの流れによって除去されることになる。
次に、図7(a)を参照し、インクジェットヘッド1におけるフィルタ間パージ時のインクの流れについて説明する。フィルタ間パージとは、フィルタユニット2のフィルタ2fと、リザーバユニット3及び流路ユニット4間に配置されたフィルタ72との間の流路内の異物を除去するため、強制的にインクをこれら2つのフィルタ2f、72間に導入して流路内の異物をインクと共に排出する処理である。コントローラ501は、開閉弁61を開状態とし開閉弁62、63を閉状態とすると共に、ポンプ56を作動させることにより、フィルタ間パージを開始する。所定時間の経過後、ポンプ56を停止させることにより、フィルタ間パージを終了する。ここで、リザーバ33xの分岐流路先端部からジョイント2bまでの流路抵抗は、リザーバ33xの分岐流路先端部から吐出口4yまでの流路抵抗に比べ小さい。そのため、フィルタ間パージ中は、ジョイント2aが吐出口4yと連通しているにもかかわらず、吐出口4yからインクが漏れることはない。
図7(a)の矢印は、フィルタ間パージ時における、サブタンク54からフィルタユニット2及びリザーバユニット3を経てサブタンク54に戻るインクの流れ(第2の液体流形成動作)を示している。この流れは、以下の通り、ジョイント2aから上述の第1の流路に流入し、フィルタ2fで第2の流路に分岐してジョイント2bへと向かう流れとなる。コントローラ501がポンプを作動させると、サブタンク54のインクがジョイント2aからフィルタユニット2へと流入し始める。フィルタユニット2に流入したインクは、循環パージ時と同様の経路を通って、貫通孔23xに至る。そして、貫通孔23xから第1室21内に流入したインクは、フィルタ2fを通り、フィルタ室29に至った後、貫通孔24を通ってリザーバユニット3内に流入する。貫通孔31aからリザーバユニット3内に流入したインクは、貫通孔32aを通ってリザーバ33xに流入し、リザーバ33xにおいて分岐した後、フィルタ72の真上に至る(図3(a)参照)。
そしてインクは、貫通孔34xに関してフィルタ72と反対側の上方に移動し、リザーバ33xの分岐流路先端から貫通孔32bを介して凹部32x、そして貫通孔31bを通って、貫通孔25から排気流路26aに至る。そして排気流路26aに至ったインクは、開口26xから接続流路7b(図3(a)参照)に流入し、ジョイント2bからサブタンク54に排出される。
次に、図7(b)を参照し、インクジェットヘッド1におけるノズルパージ時のインクの流れについて説明する。ノズルパージとは、流路ユニット4の吐出口4yのインクの増粘や詰まり解消又は防止のため、強制的にインクを流路ユニット4に導入して吐出口4yからインクを吐出させる処理である。ノズルパージによって、各吐出口4yにおけるインクの吐出性能が回復する。コントローラ501は、開閉弁61〜63の全てを閉状態とすると共に、ポンプ56を作動させることにより、ノズルパージを開始する。所定時間の経過後、ポンプ56を停止することにより、ノズルパージを終了する。
図7(b)の矢印は、ノズルパージ時における、サブタンク54からフィルタユニット2及びリザーバユニット3、流路ユニット4内のインク流路を経て吐出口4yに至るインクの流れ(第3の液体流形成動作)を示している。この流れは、以下の通り、ジョイント2aから第1の流路に流入し、フィルタ2fで第2の流路に分岐し、さらにリザーバ33xの分気流路線端部で供給流路に分岐して、吐出口4yへと向かう流れとなる。コントローラ501がポンプを作動させると、サブタンク54のインクがジョイント2aからフィルタユニット2へと流入し始める。フィルタユニット2に流入したインクは、フィルタ間パージ時と同様の経路を通って、リザーバユニット3内に流入する。また、リザーバユニット3内に流入した後のインクの流れは、記録時と同様である。
以上の3種類のパージにより、各フィルタ2f及び72の上流側と下流側で個別に気泡などの異物を除去することができる。循環パージ及びフィルタ間パージには、フィルタユニット2やリザーバユニット3内のインクを全体的に流動させることにより、記録時に関与しないインクの増粘を防止する効果もある。
コントローラ501は、インク流路内の各領域でさらに適切に異物を除去できるようにするため、これらのパージ動作を以下のようなタイミングで実行するように構成されている。図8(a)〜図8(c)は、各パージ動作を実行するタイミングを示すタイミング図である。
コントローラ501は、図8(a)に示すように、循環パージ、フィルタ間パージ及びノズルパージの全てを実行する全パージ(全部液体流形成動作)と、循環パージ及びフィルタ間パージを実行するがノズルパージは実行しない一部パージ(一部液体流形成動作)とを区別して実行する。全部パージを実行する際、コントローラ501は、図8(b)に示すように、まず、時刻t1において循環パージを開始する。そして、時刻t2においてフィルタ間パージを開始した後、時刻t3において循環パージを終了する。時刻t3より後の時刻t4においてフィルタ間パージを終了すると同時にノズルパージを開始する。その後、時刻t5においてノズルパージを終了する。
このような全パージの特徴は、以下の(1)〜(3)のとおりである。(1)循環パージ、フィルタ間パージ及びノズルパージの順で各パージが開始する。これにより、インク流路においてフィルタ2f及び72を境界として(イ)フィルタ2fより上流の領域、(ロ)フィルタ2fとフィルタ72との間の領域、及び(ハ)フィルタ72から吐出口4yまでの領域の各領域において、(イ)→(ロ)→(ハ)の順で、つまり上流から順に下流へとパージが開始する。したがって、各フィルタに関して、下流の領域でパージが実行される前に上流側でパージが開始される。一方、これとは逆に、上流においてパージを実行する前に下流においてパージを実行すると、上流の気泡がフィルタに溜まり、上流側から下流側への流れが悪くなるおそれがある。これに対して上記(1)より、下流側でパージが実行される前に上流側の気泡が除去されるので、下流側でパージが実行される際、フィルタに気泡が溜まりにくい。したがって、各フィルタを通じて上流側から下流側へとインクが円滑に流れ込む。これにより、下流側においても適切に異物が除去される。また、各フィルタの上流側の気泡を除去した後に下流側の気泡を除去するので、各フィルタにおいて気泡による目詰まりが生じるのが抑制されるため、下流側のパージにおいて異物を除去するために必要な継続時間が短くて済む。
(2)フィルタ間パージが開始してからフィルタ間パージが終了するまでの間に循環パージが終了する。つまり、時刻t2〜t3においては循環パージとフィルタ間パージとが同時に実行され、期間t3〜t4においてはフィルタ間パージが単独で実行される。フィルタ間パージに関与する流路は、循環パージに関与する流路と比べて流路抵抗が高いため、インクの一部が流路ユニット4へと流れ込んで、メニスカスが破壊されたりするおそれがある。しかし、上記(2)より、期間t2〜t3においては、期間t3〜t4よりも流路抵抗が低くなり、フィルタ2fに対して過度の圧力がかからないので、上記のようなおそれが小さい。このように、循環パージとフィルタ間パージが一旦同時に実行されることにより、循環パージからフィルタ間パージに円滑に切り替わる。そしてその後、フィルタ間パージが単独で実行される際、循環パージと同時に実行される期間と比べてフィルタ間の流路における流量が多くなる。したがって、フィルタ2fの下流側において強力に異物が除去される。
フィルタ間パージが単独実行される期間では、メニスカスが破壊されない範囲で最大流量が得られるような駆動条件にするとよい。このとき、リザーバ33xの分岐流路先端部から吐出口4y側の流路抵抗とジョイント2b側の流路抵抗との違いによるが、循環パージ単独時の駆動条件に比べてポンプ出力を上げる場合もあれば、下げる場合もある。このように、ポンプ出力を各期間に合わせて調整する。
(3)フィルタ間パージの終了直後にノズルパージが単独で開始する。このため、フィルタ72より下流側の異物を強力に排出できる。特に、吐出口4y内の増粘したインクが強力に排出される。また、フィルタ間パージの終了直後にノズルパージが開始するので、全パージ全体を実行するのに要する時間が短縮される。
また、循環パージにおいて、バルブの切り替え制御が完了した後に、ポンプの駆動を開始する。フィルタ間パージを開始するに際しても、フィルタ間パージ用にバルブの切り替え制御が完了した後に、ポンプの駆動条件を変更する。バルブを切り替えてポンプ出力が高くなるまでは、第2の流路に流入するインク量は少ない。しかし、その分、第2の流路へのインク流入時の衝撃による第3の流路へのインクの流入を確実に防ぐことができる。一方、ノズルパージ用にバルブを切り替える直前には、一段とポンプ出力を上げる。バルブに切換後には、フィルタ72より下流側にインクを高圧力で一気に流すことができ、パージ時間の短縮に寄与する。
一部パージを実行する際、コントローラ501は、図8(c)に示すように、循環パージ及びフィルタ間パージを時刻t6において同時に開始すると共に、時刻t7において同時に終了する。これにより、一部パージにおいては、吐出口4yからインクが吐出されたりメニスカスが破壊されたりするおそれを回避しつつ、流路内のインクが攪拌される。また、循環パージ及びフィルタ間パージが同時に開始して同時に終了するので、短期間で処理が完了する。
コントローラ501は、全部パージ又は一部パージを完了してからの経過時間を計測するタイマ(計測手段)を有している。コントローラ501は、タイマの計測結果に基づき、全パージが終了してから所定の時間Tだけ経過したと判断した場合は、図8(a)に示すように一部パージを実行する。コントローラ501は、時間Tが経過するたびに一部パージを繰り返す。さらに、前回の全パージから所定の期間が経過した場合は、次の全パージを実行する。
このように、コントローラ501は、全パージを実行した後、一部パージを繰り返し実行してから次の全パージを実行する。これは、以下のような理由による。全パージにより一度フィルタ周辺から気泡等の異物が除去されると、しばらくの間は異物を除去する必要がない。一方で、インク流路において上記(イ)や(ロ)の領域内でインクが滞留して粘度が増加するおそれがある。したがって、全パージが実行された後に、一部パージが定期的に実行されることにより、上記(イ)や(ロ)の領域におけるインク粘度の増加が抑制される。
全パージの終了からある程度時間が経過すると、インク中の気泡が成長したり、吐出口4y内のインクが乾燥したりする。コントローラ501は、前回の全パージが終了してから所定の期間が経過した場合、次の全パージを実行することにより、成長した気泡などの異物や増粘したインクを排除する。なお、所定の期間が経過した場合に次の全パージが実行されるのではなく、一部パージが所定の回数繰り返された場合に、次の全パージが実行されてもよい。また、一部パージが定期的に実行されるのではなく、ランダムに実行されてもよい。
<変形例>
以上は、本発明の好適な実施形態についての説明であるが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、課題を解決するための手段に記載された範囲の限りにおいて様々な変更が可能なものである。
例えば、上述の実施形態では、全パージが図8(b)に示すタイミングで開始及び終了する。しかし、少なくとも上記の(イ)→(ロ)→(ハ)の順でパージが開始されればよく、各パージの終了タイミングが上述の実施形態と異なっていてもよい。循環パージの終了がフィルタ間パージの開始と同時又はそれ以前であってもよいし、フィルタ間パージの終了と同時又はそれ以降であってもよい。また、フィルタ間パージの終了がノズルパージの開始以前であってもよいし、ノズルパージの終了以降であってもよい。
例えば、全パージにおいては、循環とフィルタ間パージの同時実行期間で気泡等の異物が除去されてしまうのであれば、必ずしもフィルタ間パージの単独実行期間を設けなくても良い。両パージの同時実行期間後、ノズルパージに移行する。同時実行期間において、第2の流路にメニスカスを破壊しない範囲で最大流量を得るため、ポンプ出力が上がる駆動条件に変更してもよい。ノズルパージに移行したときには、さらにポンプ出力が上がる駆動条件に変更するとよい。このように、初めの循環パージから最後のノズルパージへとパージ内容が変化するに伴って、ポンプ出力を段階的に上げる制御を行う。比較的簡単なポンプ制御であり、全パージを短時間で完了できる。
なお、バルブ及びポンプ出力の切り替えの手順は、上述の実施形態と同様である。これにより、フィルタ間パージ開始時における第2の流路へのインク流入時の衝撃低減とパージ時間の短縮が可能になる。
また、上述の実施形態では、一部パージにおいて、循環パージとフィルタ間パージが同時に開始し、同時に終了する。しかし、一部パージにおいても、全パージと同様に、循環パージの実行中にフィルタ間パージが開始してもよい。これにより、全パージの場合と同様、フィルタ間パージが実行される際にフィルタ2fより上流側から下流側へとインクが円滑に流れるため、フィルタ2fより下流の領域において異物が適切に除去される。先の全パージや一部パージからの経過期間によって、フィルタ2fの上流側で異物の蓄積が心配される場合に有効である。
また、インク供給ユニット50の構成は、ジョイント2aからインクを導入すると共にジョイント2b又は2cからインクを排出することができる構成であれば、上述の実施形態以外の構成であってもよい。例えば、サブタンク54を介さずジョイント2b又は2cから排出されたインクをジョイント2aへと直接流入させる構成であってもよい。
また、上述の実施形態は、ノズルからインクを吐出するインクジェットヘッドに本発明を適用した一例であるが、本発明を適用可能な対象はこのようなインクジェットヘッドに限られない。例えば、導電ペーストを吐出して基板上に微細な配線パターンを形成したり、あるいは、有機発光体を基板に吐出して高精細ディスプレイを形成したり、さらには、光学樹脂を基板に吐出して光導波路等の微小電子デバイスを形成するための、液滴吐出ヘッドに適用することができる。