JP2014014502A - 内視鏡 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内視鏡は、挿入部と、操作部と、湾曲部7と、を備え、かつ、湾曲部7の先端側の第1湾曲部7aだけが湾曲する第1の状態と、第1湾曲部7aと湾曲部7の基端側の第2湾曲部7bとが湾曲する第2の状態とを切り替え可能である。内視鏡は、さらに、湾曲部7を覆うように設けられ、弾性を有する円筒状の被覆部材21を有する。被覆部材21は、第1湾曲部7aを覆う第1の部分21aと、第2湾曲部7bを覆う第2の部分21bとを有し、第2の状態において第1湾曲部7aと第2湾曲部7bの曲率半径が等しく若しくは略等しくなるように、第1の部分21aと第2の部分21bは、円筒状の薄肉部の厚さが異なる。
【選択図】図2
Description
さらに、内視鏡の挿入部の先端側には、湾曲部が設けられており、術者は、例えば、内視鏡の操作部の湾曲ノブを操作することにより、湾曲部を所望の方向に湾曲させることができる。
例えば、特許第4856289号公報には、挿入部内に設けられた柔軟な外側ガイドパイプの先端は可撓管部の先端部に固定され、さらに挿入部内に設けられワイヤが挿通された柔軟な内側ガイドパイプの先端は、湾曲部の途中位置に固定され、内側ガイドパイプの基端の状態を固定状態又は非固定状態に切り換えることができるようにした内視鏡が、提案されている。
従って、このような内視鏡によれば、挿入部の1つの湾曲部において湾曲長を変更させることができるため、内視鏡の挿入性を向上させることができる。
以上のように、1つの湾曲部において湾曲長を変更できるようにしても、第1と第2の部位で曲率あるいは曲率半径が異なると、挿入性の向上が十分に図れないという問題がある。
なお、以下の説明に用いる各図においては、各構成要素を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各構成要素毎に縮尺を異ならせてあるものであり、本発明は、これらの図に記載された構成要素の数量、構成要素の形状、構成要素の大きさの比率、及び各構成要素の相対的な位置関係のみに限定されるものではない。
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態に係わる内視鏡の構成を示す構成図である。図1に示すように、内視鏡1は、管腔内に挿入可能な挿入部2と、挿入部の基端側に連設された操作部3と、操作部3の側部から延設されたユニバーサルコード4と、ユニバーサルコード4の延出端に設けられたコネクタ5とを有して構成されている。
よって、湾曲部7は、挿入部2の先端側に設けられ、湾曲操作部材である湾曲操作ノブ10a、10bが操作されることによって湾曲する。
よって、内視鏡1は、湾曲部7の先端側の第1湾曲部分である第1湾曲部7aだけが湾曲する第1の状態と、第1湾曲部7aと湾曲部7の基端側の第2湾曲部分である第2湾曲部7bとが湾曲する第2の状態とを切り替え可能な内視鏡である。
被覆部材21は、湾曲部7を覆うように設けられ、弾性を有する円筒状の部材である。
操作部3及び挿入部2内には、湾曲部7の湾曲状態を変更するための、複数のワイヤ、ここでは4本のワイヤ30が挿通されている。具体的には、挿入方向Sの前後方向に移動自在な4本のワイヤ30が互いに挿入部2の円周方向に略90°ずれて挿通されており、第1湾曲部7aに位置する複数の湾曲駒7cには、4本のワイヤ30を保持するワイヤガイド(図示せず)がそれぞれ設けられている。
また、湾曲部7の先端側は、先端部6の金属製の先端硬質部材6aに固定されており、先端硬質部材6aには、樹脂製の先端キャップ6bが被せられている。
各ワイヤ30の先端は、複数の湾曲駒7cの内、挿入方向Sの最も先端側に位置する湾曲駒7cに対し固定されている。
尚、移動部材固定機構3aの構造については、例えば、特許第4856289号公報を参照されたし。
各外側ガイドシース50の先端部50sは、可撓管部8の先端、具体的には、連結部材31に対して、例えばロウ付けによって固定されている。
なお、各外側ガイドシース50の基端部50kは、可撓管部8よりも後方に位置する止め部材(図示せず)に対して、例えばロウ付けにより固定されている。
図8は、被覆部材21の構成を説明するための模式的な断面図である。被覆部材21は、弾性を有する部材であり、例えば、フッ素ゴム、ウレタンゴム、ウレタン系エラストマー等からなる。
特に、2つの厚さの比率(d2/d1)は、0.65〜0.75が好ましい。例えば、被覆部材21の第1の部分21aの厚さd1が0.7mmで、第2の部分21bの厚さd2が0.5mmであるときに、湾曲部7は、全体として、図6に示すように、同じ若しくは略同じ曲率半径で湾曲した。
すなわち、本実施の形態の内視鏡1は、湾曲部7に図8に示すような被覆部材21が設けられているため、長湾曲状態において、湾曲部7は、図6に示すように、湾曲する。よって、例えば、大腸検査のとき、挿入部を曲がりくねった大腸内で前進させたい場合、湾曲部7全体を湾曲させると、図6に示すように、湾曲部7は、湾曲部7全体が小さな曲率(すなわち大きな曲率半径)の状態にすることができる。その結果、挿入部2を大腸内に押し込むと、その曲がりくねった大腸が伸展することなく、挿入部2を、大腸内で前進させることができるので、挿入部2の挿入性はよい。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、被覆部材は、先端側の第1の部分と基端側の第2の部分の薄肉部の厚さを変えることにより、湾曲部7の第1湾曲部7aと第2湾曲部7bの両方が湾曲したときに、同じ若しくは略同じ曲率になるようにしているが、第2の実施の形態では、被覆部材の第1の部分と基端側の第2の部分の薄肉部の厚さは同じで、第1の部分と基端側の第2の部分のヤング率を変えることにより、湾曲部7の第1湾曲部7aと第2湾曲部7bの両方が湾曲したときに、同じ若しくは略同じ曲率になるようにしている。
図10は、本実施の形態に係る被覆部材71の構成を説明するための模式的な断面図である。被覆部材71は、第1湾曲部7aを覆う第1の部分71aと、第2湾曲部7bを覆う第2の部分71bとを有する。被覆部材71は、弾性を有する部材であり、例えば、フッ素ゴム、ウレタンゴム、ウレタン系エラストマー、等である。本実施の形態の筒状の被覆部材21も、治具を用いて拡径された状態で、湾曲部7に装着され、湾曲部7に密着する。
被覆部材71における第1の部分71aのヤング率E1と第2の部分71bのヤング率E2とを異ならせる方法には、次の方法がある。
(第1の方法)
第1の方法は、被覆部材71の外周面と内周面の少なくとも一方の第1の部分71aに対して、又は被覆部材71の外周面と内周面の少なくとも一方の第1の部分71aと第2の部分71bの両方に対して、表面コート処理を施すことにより、第1の部分71aのヤング率E1を、第2の部分71bのヤング率E2よりも大きくする方法である。
(第2の方法)
第2の方法は、被覆部材71の第1の部分71aに対して、又は第1の部分71aと第2の部分71bの両方に対して、熱処理を施すことにより、第1の部分71aのヤング率E1を、第2の部分71bのヤング率E2よりも大きくする方法である。
(第3の方法)
第3の方法は、被覆部材71の第1の部分71aと第2の部分71bを互いに異なる材料にすることによって、第1の部分71aのヤング率E1を、第2の部分71bのヤング率E2よりも大きくする方法である。
被覆部材71は、例えば、フッ素ゴム、ウレタンゴム、ウレタン系エラストマー等の材質からなる部材であり、例えば同じ材料であっても、製法あるいは成分により、ヤング率が異なる。そこで、第1の部分71aには、第2の部分71bのヤング率よりも大きい材質のものを用いる。さらに、湾曲部7の第1湾曲部7aと第2湾曲部7bの両方を湾曲させたときに、図6に示すように第1湾曲部7aと第2湾曲部7bが同じ若しくは略同じ曲率半径で湾曲するようなヤング率をそれぞれ有する第1の部分71aと第2の部分71bの材質が選択される。
なお、被覆部材71は、二色成形により、第1の部分71aと第2の部分71bを形成するようにしてもよい。
さらになお、第1の部分71aと第2の部分71bは、溶着等されずに、それぞれ別個に湾曲部7の第1湾曲部7aと第2湾曲部7bに装着されてもよい。
(変形例1)
第1の実施の形態では、被覆部材21の先端側の第1の部分21aと基端側の第2の部分21bの薄肉部の厚さを変え、第2の実施の形態では、被覆部材71の第1の部分71aと基端側の第2の部分71bのヤング率を変えることにより、湾曲部7の第1湾曲部7aと第2湾曲部7bの両方が湾曲したときに、同じ若しくは略同じ曲率になるようにしている。
(変形例2)
上述した2つの実施の形態及び変形例1では、湾曲部7の第1湾曲部7aと第2湾曲部7bの外径が同じであるが、第1湾曲部7aと第2湾曲部7bの外径が異なる場合がある。本変形例では、第1湾曲部7aと第2湾曲部7bの外径が異なる場合は、第1湾曲部7aの外径と第1の部分の内径との差と、第2湾曲部7bの外径と第2の部分の内径との差とが等しくなるように、被覆部材は形成される。
そして、湾曲部7に装着する前における被覆部材81の第1の部分81aの内径r1は、第2の部分81bの内径r2よりも小さく、かつ、第1の部分81aの内径r1と第1湾曲部7aの外径R1との差dd1と、第2の部分81bの内径r2と第2湾曲部7bの外径R2との差dd2が等しく若しくは略等しくなるように、被覆部材81は形成されている。
すなわち、第2湾曲部7bを被覆する、湾曲部7に装着する前における第2の部分81bの円筒状の内径と、第2湾曲部7bの外径との第1の差は、第1湾曲部7aを被覆する、湾曲部7に装着する前における第1の部分81aの円筒状の内径と、第1湾曲部7aの外径との第2の差と、等しい若しくは略等しい。
よって、このような構成によっても、第1及び第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
Claims (5)
- 管腔内に挿入可能な挿入部と、
前記挿入部の基端側に設けられ、湾曲操作部材を有する操作部と、
前記挿入部の先端側に設けられ、前記湾曲操作部材を操作することによって湾曲する湾曲部と、を備え、
前記湾曲部の先端側の第1湾曲部分だけが湾曲する第1の状態と、前記第1湾曲部分と前記湾曲部の基端側の第2湾曲部分とが湾曲する第2の状態とを切り替え可能な内視鏡であって、
前記湾曲部を覆うように設けられ、弾性を有する円筒状の被覆部材を有し、
前記被覆部材は、前記第1湾曲部分を覆う第1の部分と、前記第2湾曲部分を覆う第2の部分とを有し、前記第2の状態において前記第1湾曲部分と前記第2湾曲部分の曲率半径が等しく若しくは略等しくなるように、前記第1の部分と前記第2の部分は、円筒状の薄肉部の厚さ及びヤング率の少なくとも1つにおいて異なることを特徴とする内視鏡。 - 前記第1の部分と前記第2の部分が前記円筒状の薄肉部の厚さにおいて異なる場合、前記第2の部分の前記薄肉部の厚さは、前記第1の部分の前記薄肉部の厚さより薄いことを特徴とすることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
- 前記第1の部分と前記第2の部分が前記円筒状の薄肉部の厚さにおいて異なる場合、前記第2の部分の前記薄肉部の厚さは、前記第1の部分の前記薄肉部の厚さの0.6〜0.8倍であることを特徴とすることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡。
- 前記第1の部分と前記第2の部分が前記ヤング率において異なる場合、前記第2の部分のヤング率は、前記第1の部分のヤング率よりも小さいことを特徴とすることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
- 前記第2湾曲部分を被覆する、前記湾曲部に装着される前における前記第2の部分の円筒状の内径と前記第2湾曲部分の外径との第1の差は、前記第1湾曲部分を被覆する、前記湾曲部に装着される前における前記第1の部分の円筒状の内径と前記第1湾曲部分の外径との第2の差と、等しい若しくは略等しいことを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の内視鏡。
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