JP2014007518A - アナログデジタル変換器のノイズ低減システム、およびノイズ低減方法 - Google Patents

アナログデジタル変換器のノイズ低減システム、およびノイズ低減方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アナログデジタル変換器において、良好なS/Nを実現する。
【解決手段】ノイズ低減システムは、帰還回路13を有するオーバーサンプリング型のアナログデジタル変換器ADC1と、アナログデジタル変換器ADC1にディザ信号を与えるディザ生成回路17と、ノイズ源回路20の動作クロックCLK2の周波数情報を得て、その周波数情報に応じてディザ生成回路17におけるディザ信号の設定を行うディザ設定部25とを備えている。そして、ディザ生成回路17は、ディザ信号の設定の調整により、アナログデジタル変換器ADC1において生じるトーンの周波数を変えることが可能である。
【選択図】図4

Description

本発明は、オーバーサンプリング方式のアナログデジタル変換器のノイズ低減システム、およびノイズ低減方法に関するものである。
一般的なオーバーサンプリング方式のアナログデジタル変換器において、アナログ入力信号が無入力および弱入力のとき、量子化器の出力信号の「H」と「L」との割合は1対1となり、かつ交互に出現する連続パターンの状態となる。このアナログデジタル変換器のアナログ入力信号に微小なDC成分ΔVなどが重畳された場合、上記の1対1の連続パターンが崩れて、量子化器の出力にトーン性のノイズ(以下、トーンと記載する)が発生し、アナログデジタル変換器のデジタル出力信号のS/N(Signal/Noise)が顕著に悪化するという問題があった。
従来のアナログデジタル変換器のノイズ低減システムにおいては、上記のS/Nの悪化を防ぐためにディザ信号が用いられている。例えば、ディザ信号をアナログ入力信号に加算することによって、量子化器の出力に現れるトーンの周波数を信号帯域外にすることが可能となる。この信号帯域外となったトーンをデジタルフィルタによって減衰させることにより、アナログデジタル変換器のデジタル出力信号のS/Nを改善することができる。ここで、ディザ信号としては、例えばDCオフセットや、小さな振幅のクロックパルスなどが用いられる。
また、ディザ信号を印加した際の強入力時の変調器の飽和を防ぐために、量子化器の基準電圧側にディザ信号を入力する対策(特許文献1参照)や、量子化器の出力に応じて、クロックパルスであるディザ信号の強度を変更する対策(特許文献2参照)が実施されている。
特許第4648996号公報 特許第4644289号公報
近年、LSIの機能統合が進み、複数のアナログデジタル変換器やデジタルアナログ変換器がLSIに内蔵される傾向にある。それぞれのアナログデジタル変換器(デジタルアナログ変換器)が異なる周波数のクロックを使用する場合には、単一のLSIに複数のクロック成分が存在することになり、周期的なノイズ(以下、CLKノイズと記載する)の発生要因になる。また、LSIの端子数や面積を削減するために、複数の回路における電源端子およびグランド端子の共有化、並びに基準電圧の共有化を実施することが多い。さらに、例えば回路の精度を向上させるために、回路の電流を増加させたり、回路に使用するクロックの周波数を上昇させたりすることがある。
これらに伴い、アナログデジタル変換器の各構成要素に対して、他の回路で発生したCLKノイズが、電源やグランド、基準電圧を介して、アナログデジタル変換器のデジタル出力信号に影響が出る程度に十分強い強度で回り込む。このため、例えば、アナログデジタル変換器が音声の信号処理に用いられる場合、CLKノイズに起因してノイズ音が発生するなどの課題がある。
従来のノイズ低減システムは、微小なDC成分ΔVなどに起因するトーンに対しては良好なS/Nは確保される一方、上記のようなCLKノイズに対してはS/Nが悪化する場合がある。
上記の点に鑑み、本発明は、外部からのCLKノイズを受けても、良好なS/Nを得ることができるアナログデジタル変換器のノイズ低減システム、およびノイズ低減方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様では、アナログデジタル変換器のノイズ低減システムは、オーバーサンプリング型であって、帰還回路を有するアナログデジタル変換器と、前記アナログデジタル変換器にディザ信号を与えるものであり、かつ、前記アナログデジタル変換器において生じるトーンの周波数を変えるように、前記ディザ信号の設定を調整可能に構成されているディザ生成回路と、前記アナログデジタル変換器に対して周期的なノイズを与えるノイズ源回路の、動作クロックの周波数に関する周波数情報を得て、当該周波数情報に応じて、前記ディザ生成回路における前記ディザ信号の設定を行うディザ設定部とを備えている。
この第1の態様によると、ディザ設定部は、ノイズ源回路の動作クロックの周波数情報に応じて、ディザ生成回路におけるディザ信号の設定を行う。ディザ生成回路は、ディザ設定部からの設定を受け、調整されたディザ信号をアナログデジタル変換器に与える。これにより、トーンの周波数が変わるとともに、トーンと周期的なノイズとから生じる変調信号の周波数が変わる。すると、例えば周波数情報に応じて、トーンと周期的なノイズとから生じる変調信号の周波数が信号帯域から外れるようにディザ生成回路におけるディザ信号の設定を行うことにより、アナログデジタル変換器のS/Nの悪化を回避することができる。すなわち、良好なS/Nを得ることができる。
本発明の第2の態様では、アナログデジタル変換器のノイズ低減システムは、オーバーサンプリング型のアナログデジタル変換器と、前記アナログデジタル変換器に対して周期的なノイズを与えるノイズ源回路の、動作クロックの周波数に関する周波数情報を得て、当該周波数情報に応じて、前記アナログデジタル変換器のサンプリングクロックの周波数の設定を行うサンプリングクロック設定部とを備えている。
この第2の態様によると、サンプリングクロック設定部は、ノイズ源回路の動作クロックの周波数情報に応じて、アナログデジタル変換器のサンプリングクロックの周波数の設定(調整)を行う。これにより、サンプリングクロックと周期的なノイズとから生じるエイリアス信号の周波数が変わる。すると、例えば周波数情報に応じて、エイリアス信号の周波数が信号帯域から外れるようにサンプリングクロックの周波数の設定を行うことにより、アナログデジタル変換器のS/Nの悪化を回避することができる。すなわち、良好なS/Nを得ることができる。
本発明の第3の態様では、アナログデジタル変換器のノイズ低減システムは、オーバーサンプリング型であって、帰還回路を有するアナログデジタル変換器を備えており、前記アナログデジタル変換器に対して周期的なノイズを与えるノイズ源回路の、動作クロックの周波数に応じて、前記アナログデジタル変換器によって生じるトーンの周波数を制御する。
この第3の態様によると、アナログデジタル変換器によって生じるトーンの周波数を動作クロックの周波数に応じて制御することにより、トーンと周期的なノイズとから生じる変調信号の周波数が変わる。これにより、アナログデジタル変換器のS/Nの悪化を回避することができる。すなわち、良好なS/Nを得ることができる。
本発明の第4の態様では、オーバーサンプリング型であって、帰還回路を有するアナログデジタル変換器のノイズ低減方法は、前記アナログデジタル変換器に対して周期的なノイズを与えるノイズ源回路の、動作クロックの周波数に関する周波数情報を得て、当該周波数情報に応じて、前記アナログデジタル変換器において生じるトーンの周波数を変えるようにディザ信号の設定を行う信号設定ステップと、前記信号設定ステップにおいて設定された前記ディザ信号を、前記アナログデジタル変換器に与える信号印加ステップとを備えている。
この第4の態様によると、信号設定ステップによって得たノイズ源回路の動作クロックの周波数情報に応じたディザ信号が設定され、アナログデジタル変換器に与えられる。これにより、トーンと周期的なノイズとから生じる変調信号の周波数が変わるため、アナログデジタル変換器のS/Nの悪化を回避することができる。すなわち、良好なS/Nを得ることができる。
本発明によると、外部からのCLKノイズの周波数に応じて、サンプリングクロックの周波数やディザ信号の設定を切り替えることにより、アナログデジタル変換器において良好なS/Nを得ることができる。
第1の実施形態に係るアナログデジタル変換器のノイズ低減システムの構成例を示す図である。 図1において、サンプリング周波数の切り替え前後における信号のスペクトルの一例を示す図である。 図1において、サンプリング周波数の切り替え前後における信号のスペクトルの他の例を示す図である。 第2の実施形態に係るアナログデジタル変換器のノイズ低減システムの構成例を示す図である。 図4において、ディザ信号の設定の切り替え前後における信号のスペクトルの一例を示す図である。 ディザ信号の設定例を示す図である。 周波数計算器および切替制御器の構成例を示す図である。 周波数計算器および切替制御器をソフトウェアで実現する場合におけるアナログデジタル変換器のノイズ低減システムの構成例を示す図である。 周波数計算器および切替制御器による処理の一例を示すフローチャートである。 周波数計算器および切替制御器による処理の一例を示すフローチャートである。 第3の実施形態に係るアナログデジタル変換器のノイズ低減システムの構成例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に係るアナログデジタル変換器のノイズ低減システムの構成例を示す図である。図1において、アナログデジタル変換器ADC1は、加減算器10、積分器11、量子化器12、帰還回路13およびデジタルフィルタ14を備えている。
加減算器10は、アナログ入力信号AINから後述する帰還回路13の出力信号を減算する。積分器11は、加減算器10の出力信号を積分する。
量子化器12は、積分器11によって積分された信号を受け、第一のPLL15から出力されたサンプリングクロックCLK1でサンプリングを行い、サンプリングされたデータを量子化する。量子化器12から出力されたデジタル信号は、帰還回路13およびデジタルフィルタ14に入力される。
帰還回路13は、量子化器12の出力信号と、基準電圧源回路16から出力された基準電圧とをかけ合わせて(変調して)アナログ信号に変換し、出力する。デジタルフィルタ14は、アナログ入力信号AINの信号帯域以上の周波数成分を減衰させて、デジタル出力信号DOUTを生成する。
ここで、CLKノイズはノイズ源回路20から発生されるものとし、ノイズ源回路20はPLLとしての第二のPLL21から出力された動作クロックCLK2(周波数をfnとする)で動作しているものとする。例えば、ノイズ源回路20がアナログデジタル変換器やデジタルアナログ変換器の場合は、CLK2はそのサンプリングクロックとなる。
また、ノイズ源回路20の動作クロックCLK2の周波数fnを変化させる、すなわち第二のPLL21から出力される動作クロックCLK2の周波数fnを変化させて使用する場合がある。この場合には、ノイズ源回路20から発生するCLKノイズの周波数が変動する。例えば、ノイズ源回路20が映像信号処理回路の場合、映像フォーマットに応じて動作クロックCLK2の周波数fnを変化させる場合がある。
サンプリングクロック設定部24は、周波数計算器22と切替制御器23とを備えている。
周波数計算器22は、第二のPLL21からの周波数設定情報または動作クロックCLK2を受け、ノイズ源回路20の動作クロックCLK2の周波数fnを計算する。
切替制御器23は、周波数計算器22によって計算された動作クロックCLK2の周波数fnに応じて、サンプリングクロックCLK1のサンプリング周波数が切り替わるように第一のPLL15を制御する。
[ノイズ低減システムの動作(1)]
図2は、図1におけるサンプリング周波数の切り替え前後における信号のスペクトルの一例を示す図である。ここで、サンプリングクロックCLK1のサンプリング周波数をfsa,fsbとし、CLKノイズの周波数すなわち動作クロックCLK2の周波数をfnとする。また、アナログ入力信号AINの信号帯域をfbwとする。
図2において、(a),(b),(c)は動作クロックCLK2の周波数fnが(サンプリングクロックCLK1のサンプリング周波数fsaの整数倍)±(信号帯域fbw)の周波数範囲に入っている状態(後述の(式2)を満たす状態)における信号のスペクトルを示しており、(d),(e),(f)はサンプリングクロックCLK1のサンプリング周波数をfsaからfsbに切り替えた後における信号のスペクトルを示す。
また、(a),(d)は量子化器12の入力信号のスペクトル、(b),(e)は量子化器12の出力信号のスペクトル、(c),(f)はデジタル出力信号DOUTのスペクトルを示している。
図2(a)に示すように、量子化器12の入力信号には、電源や基準電圧Vb経由で伝播したCLKノイズが重畳しているものとする。量子化器12において、このようなCLKノイズが重畳された信号をサンプリングクロックCLK1でサンプリングすると、fsa/2以下の周波数に折り返されたエイリアス信号が発生する。このエイリアス信号の周波数をfpaとすると、fpaは下記の(式1)で示した値となる。
Figure 2014007518
ここで、mはfn/fsaに最も近い整数とする。また、|A|はAの絶対値を意味する。
周波数fnと(fsa×m)の周波数とが近い場合、図2(b)に示すようにエイリアス信号の周波数fpaと信号帯域fbwとは下記の(式2)の関係となる場合がある。
Figure 2014007518
このとき、図2(c)に示すように、デジタルフィルタ14通過後におけるデジタル出力信号DOUTのエイリアス信号は減衰されず、結果としてS/Nが悪化する。
このS/Nの悪化を防ぐために、エイリアス信号の周波数fpaと信号帯域fbwとの間に(式2)の関係があるとき、サンプリング周波数fsaをサンプリング周波数fsbに切り替える。具体的には、動作クロックCLK2の周波数fnが下記の(式3)を満たすとき、サンプリング周波数fsaをサンプリング周波数fsbに切り替える。
Figure 2014007518
このとき、切り替えた後のサンプリング周波数fsbは下記の(式4)のうちのいずれか一方を満たすようにする。
Figure 2014007518
ここで、mbはfn/fsbに最も近い整数とする。なお、mbはmと同じでもよい。
(式4)はfsbを左辺とする式に変換すると、下記の(式5)になる。
Figure 2014007518
図2(d),(e),(f)はサンプリングクロックCLK1のサンプリング周波数をfsaから上記の(式5)を満たすfsbに切り替えた後の信号のスペクトルを示している。図2(e)に示すように、サンプリング周波数を切り替えた後のエイリアス信号の周波数fpb(=|fsb×m−fn|)は、信号帯域fbwより高くなっている。すなわち、エイリアス信号の周波数fpbは信号帯域fbwから外れている。これにより、図2(f)に示すように、デジタルフィルタ14通過後のデジタル出力信号DOUTにおいて、周波数fpbの信号成分は十分に減衰され、結果としてS/Nは悪化しない。
なお、上記の[ノイズ低減システムの動作(1)]では、帰還回路を有するオーバーサンプリング型のアナログデジタル変換器について説明したが、帰還回路を有しないオーバーサンプリング型のアナログデジタル変換器(図示しない)においても同様の効果が得られる。
[ノイズ低減システムの動作(2)]
図3は、図2と同様に図1におけるサンプリング周波数の切り替え前後の信号のスペクトルの他の例を示す図である。ここで、fsa,fsb,fn,fbwについては、図2と同様とする。また、量子化器12の出力に発生する、すなわちアナログデジタル変換器ADC1において生じるfsa/2以下のトーンの周波数をfta,ftbとする。
図3において、(a)〜(d)は動作クロックCLK2の周波数fnが(サンプリングクロックCLK1のサンプリング周波数fsaの整数倍)+(量子化器12から発生するトーンの周波数fta)±(信号帯域fbw)の周波数範囲に入っている状態の信号のスペクトルを示しており、(e)〜(h)はサンプリングクロックCLK1のサンプリング周波数をfsaからfsbに切り替えた後の信号のスペクトルを示す。
また、(a),(e)は基準電圧源回路16から帰還回路13に入力される基準電圧Vbのスペクトル、(b),(c),(f),(g)は量子化器12の出力のスペクトル、(d),(h)はデジタル出力信号DOUTのスペクトルを示している。なお、(a)〜(h)のそれぞれについて、図5においても図3と同様の電圧および信号のスペクトルを示すものとする。
図3(a)に示すように、基準電圧VbにはCLKノイズが重畳しているものとする。また、図3(b)に示すように、量子化器12の出力にはfsa/2以下のトーンが発生しているものとする。したがって、そのトーンが発生した出力が帰還回路13に入力される。
帰還回路13では、基準電圧源回路16から出力された基準電圧に重畳している動作クロックCLK2と量子化器12の出力に発生したトーンとが変調される。量子化器12では、この変調された信号がフィードバックされ、サンプリングクロックCLK1でサンプリングされるため、出力にfsa/2以下の変調信号が発生する(図3(c))。
この変調信号の周波数をfmaとすると、周波数fmaは下記の(式6)となる。
Figure 2014007518
ここで、nは整数であり、かつ、fmaが0≦fma<fsa/2の条件を満たすような値とする。
(fn−fta)の周波数と(fsa×n)の周波数とが近い場合、変調信号の周波数fmaと信号帯域fbwとは下記の(式7)の関係となる場合がある。
Figure 2014007518
このとき、図3(d)に示すように、デジタルフィルタ14通過後におけるデジタル出力信号DOUTの変調信号は減衰されず、結果としてS/Nが悪化する。
このS/Nの悪化を防ぐために、変調信号の周波数fmaと信号帯域fbwとの間に(式7)の関係があるとき、サンプリング周波数fsaをサンプリング周波数fsbに切り替える。具体的には、動作クロックCLK2の周波数fnが下記の(式8)を満たすとき、サンプリング周波数fsaをサンプリング周波数fsbに切り替える。
Figure 2014007518
このとき、切り替えた後のサンプリング周波数fsbは下記の(式9)のうちのいずれか一方を満たすようにする。
Figure 2014007518
ここで、nbは整数であり、かつ、サンプリング周波数を切り替えた後の変調信号の周波数fmbが0≦fmb<fsb/2を満たすような値にする。なお、nbはnと同じ値でもよい。また、トーンの周波数はサンプリングクロックCLK1のサンプリング周波数が変化した場合、同じ比率で変わるため、ここではftbとする。
図3(e)〜(h)はサンプリングクロックCLK1のサンプリング周波数をfsaから上記の(式9)を満たすfsbに切り替えた後の信号のスペクトルを示している。図3(g)に示すように、変調信号の周波数fmb(=|fn−ftb−fsb×nb|)は、信号帯域fbwより高くなっている。すなわち、変調信号の周波数fmbは信号帯域fbwから外れている。これにより、図3(h)に示すように、デジタルフィルタ14通過後のデジタル出力信号DOUTにおいて、変調信号の周波数fmbの成分は十分に減衰され、結果としてS/Nは悪化しない。
以上のように、サンプリングクロックのサンプリング周波数と動作クロックの周波数とが図2(a)または図3(a)のような状態の際には、サンプリング周波数を切り替える一方、図2(d)または図3(e)のような状態の際には、現状のサンプリング周波数を維持することにより、S/Nの悪化を回避することができる。
本実施形態によれば、信号帯域内のエイリアス信号や変調信号の信号強度を小さくするのではなく、サンプリング周波数を動かしているため、CLKノイズの強度が増加しても、信号帯域内にエイリアス信号や変調信号は発生せず、S/Nは悪化しない。したがって、ノイズ源回路20と電源端子、グランド端子、および基準電圧を共有化し、LSIのコストを下げることが可能となる。
なお、本実施形態では、fsa/2以下のトーンを1つのみ記載したが、実際にはトーンが複数存在する場合もある。この場合、例えば所定の強度以上のトーンに対して、それらのトーンに起因する変調信号が信号帯域に入らないようにサンプリング周波数を切り替えることにより、同様の効果が得られる。また、すべてのトーンに対して、それらの変調信号が信号帯域に入らないようにサンプリング周波数を切り替えてもかまわない。
(第2の実施形態)
実施形態1では、サンプリングクロックCLK1のサンプリング周波数を切り替える例について示した。しかしながら、例えば、サンプリングクロックCLK1を供給する第一のPLL15のクロックが他の回路で使用されている場合など、サンプリングクロックCLK1のサンプリング周波数を切り替えることが困難な場合がある。第2の実施形態では、サンプリングクロックの周波数を切り替えずに良好なS/Nを得る例を示す。
図4は第2の実施形態に係るアナログデジタル変換器のノイズ低減システムの構成例を示す図である。図4において、図1と共通の構成要素には同一の符号を付しており、ここではその詳細な説明を省略する。
図1と対比すると、加減算器10にディザ信号を与えるディザ生成回路17を備える点、およびサンプリングクロック設定部24に代えてディザ設定部25を備える点で異なる。ここで、ディザ設定部25は、周波数計算器22と、切替制御器23とを備えている。また、図4において切替制御器23は、周波数計算器22によって計算された動作クロックCLK2の周波数fnに応じて、ディザ生成回路17におけるディザ信号の設定を行う。また、加減算器10はアナログ入力信号AINから帰還回路13の出力信号を減算し、ディザ信号を加算する。
ディザ生成回路17は、切替制御器23からの設定信号に基づいてディザ信号の設定を切り替える。例えば、ディザ生成回路17は複数の設定可能なディザ信号を有し、その中から上記設定信号に基づいたディザ信号を選択し、出力する。量子化器12の出力に発生するトーンは、アナログデジタル変換器ADC1の伝達関数と、設定されたディザ信号とに応じて決定される。
なお、ディザ生成回路17は複数の設定可能なディザ信号を有しており、設定信号に基づいたディザ信号を選択するものとしたが、これに限定されない。例えば、ディザ生成回路17によって上記設定信号に基づいた計算を行い、その計算に基づいて調整されたディザ信号を出力してもよい。また、ディザ信号の設定によっては、トーンが複数発生することがある。
[ノイズ低減システムの動作]
図5は、図4におけるディザ信号の設定の切り替え前後における信号のスペクトルの一例を示す図である。ここで、fsa,fn,fbw,fta,ftb,nについては、図3と同様とする。
図5において、(a)〜(d)は動作クロックCLK2の周波数fnが(サンプリングクロックCLK1のサンプリング周波数fsaの整数倍)+(量子化器12から発生するトーンの周波数fta)±(信号帯域fbw)の周波数範囲に入っている状態の信号のスペクトルを示しており、(e)〜(h)はディザ信号の設定を切り替え、トーンの周波数をftaからftbに切り替えた後の信号のスペクトルを示す。
図5(a)において、図3(a)と同様に、量子化器12の入力信号には、電源や基準電圧Vb経由で伝播したCLKノイズが重畳しているものとする。また、図3(b)と同様に、量子化器12の出力にはfsa/2以下のトーンが発生しているものとし、その信号は帰還回路13に入力される(図5(b))。
すると、量子化器12では、図3(c)と同様に、(式6)で示した周波数fmaの変調信号が発生する(図5(c))。
(fn−fta)と(fsa×m)との周波数が近い場合、すなわち変調信号の周波数fmaと信号帯域fbwとが(式7)の関係を満たす場合、図5(d)に示すように、デジタルフィルタ14通過後のデジタル出力信号DOUTにおいても変調信号は減衰されず、結果としてS/Nが悪化する。
このS/Nの悪化を防ぐために、変調信号の周波数fmaと信号帯域fbwとの間に(式7)の関係があるときに、ディザ信号の設定を切り替えて、トーンの周波数をftaからftbに移動させる。具体的には、動作クロックCLK2の周波数fnが(式8)を満たす場合、ディザ信号の設定を切り替えて、トーンの周波数をftaからftbに移動させる。
このとき、ディザ信号の設定を切り替えた後のトーンの周波数ftbは下記の(式10)のうちのいずれか一方を満たすようにする。
Figure 2014007518
ここで、nbは整数であり、かつ、サンプリング周波数を切り替えた後の変調信号の周波数fmbが0≦fmb<fsa/2を満たすような値にする。なお、nbはnと同じ値でもよい。
図5(e)〜(h)はトーンの周波数をftaから(式10)を満たすftbに切り替えた後の信号のスペクトルを示している。図5(g)に示すように、変調信号の周波数fmb(=|fn−ftb−fsa×nb|)は、信号帯域fbwより高くなっている。すなわち、変調信号の周波数fmbは信号帯域fbwから外れている。これにより、図5(h)に示すように、デジタルフィルタ14通過後のデジタル出力信号DOUTにおいて、変調信号の周波数fmbの成分は十分に減衰され、結果としてS/Nは悪化しない。
なお、図4において、基準電圧源回路16と帰還回路13との間にバッファが設けられ、このバッファの電源およびグランドからCLKノイズが回り込むことも考えられる。このような場合にも、本実施形態のノイズ低減システムにより良好なS/Nを得ることができる。
[ディザ信号の設定]
図6はディザ信号の設定例を示した図である。図6(a)はディザ信号が微小なDC電圧の場合の例を示しており、ディザ信号の設定を切り替える際にはその電圧値を切り替えている。具体的には、トーンの周波数の移動方向(高周波側または低周波側)に応じて、ディザ信号(DC電圧)の電圧値を上昇または下降させる。図6(b),(c),(d)はディザ信号が微小な振幅のクロック信号の場合の例を示している。図6(b)において、ディザ信号の設定を切り替える際にはその振幅を切り替えている。具体的には、トーンの周波数の移動方向に応じて、ディザ信号(クロック信号)の振幅を増大または減少させる。図6(c)において、ディザ信号の設定を切り替える際にはその周波数を切り替えている。具体的には、トーンの周波数の移動方向に応じて、ディザ信号(クロック信号)の周波数を早めたり、遅くしたりする。図6(d)において、ディザ信号の設定を切り替える際にはデューティーを切り替えている。具体的には、トーンの周波数の移動方向に応じて、ディザ信号(クロック信号)のデューティーの比率を上げたり、下げたりする。なお、図6(b)〜(d)を組み合わせて設定してもかまわない。このようなディザ信号の設定をすることにより、トーンの周波数を変えることができる。
なお、図4ではディザ信号をアナログデジタル変換器ADC1の初段の入力、すなわち加減算器10によって加えているが、量子化器12の入力、または量子化器12の基準電圧側などに加えてもかまわない。また、高次のアナログデジタル変換器の場合、2段目の積分器の入力などにディザ信号を加えてもかまわない。
また、アナログデジタル変換器の次数や具体的な回路構成によって、トーンの周波数が切り替わるディザ信号の設定は様々である。したがって、ディザ信号の設定は図6の例に限定されず、ディザ信号の設定によりトーンの周波数の切り替えができれば別の態様でもかまわない。
図1および図4の周波数計算器22および切替制御器23は、ハードウェアでもソフトウェアどちらでも実現することが可能である。以下では、その一例について示す。
[周波数計算器および切替制御器(ハードウェア)]
図7は図4における周波数計算器22および切替制御器23をすべてハードウェアで実現した例を示した図である。このハードウェアをアナログデジタル変換器ADC1およびノイズ源回路20と同じLSIに実装することにより、周波数情報に応じて自動的にディザ信号を設定し、トーンと周期的なノイズとから生じる変調信号の周波数を変えることが可能になる。
図7において、周波数計算器22は、余算器30、トーン計算器31および減算器32を備えている。また、切替制御器23は、信号帯域判別器33およびディザ切替器34を備えている。
余算器30は、サンプリングクロックCLK1(周波数をfsとする)および動作クロックCLK2を受け、(fn÷fs)の剰余の値を計算し、出力する。
減算器32は、余算器30の出力である(fn÷fs)の剰余の値と、後述するトーン計算器31が示すトーンの周波数ftとの差を求める。この求めた差が(式6)に示す変調信号の周波数fmaに相当する。
信号帯域判別器33は、減算器32の出力の周波数が信号帯域fbw内にあるか否かを判別する。ディザ切替器34は、信号帯域判別器33から判別結果を受ける。そして、減算器32の出力の周波数が信号帯域内の場合、ディザ切替器34はディザ生成回路17のディザ信号の設定を切り替える一方、減算器32の出力の周波数が信号帯域外の場合、ディザ切替器34はディザ生成回路17のディザ信号の設定を維持する。
トーン計算器31は、ディザ切替器34のディザ信号の設定結果を受け、あらかじめ保持しているトーンの周波数ftを示す固定値の中からその設定結果に応じた固定値を減算器32に出力する。
[周波数計算器および切替制御器(ソフトウェア)]
図8は図4における周波数計算器22および切替制御器23をソフトウェアで実現する場合のアナログデジタル変換器ADC1およびノイズ源回路20を含むハードウェア並びにソフトウェアの構成の概念図である。
ソフトウェアは、動作クロックCLK2の周波数fnを求めるのに必要な第二のPLL21の設定情報およびディザ生成回路17におけるディザ信号の現在の設定を、レジスタから読み取ることができる。また、アナログデジタル変換器ADC1のディザ生成回路17における最適なディザ信号の設定値を、ディザ生成回路17のレジスタに書き込むことができる。第一のPLL15の設定情報はあらかじめソフトウェアが保持しているものとする。ただし、ハードウェアの中のレジスタに第一のPLL15の設定情報を格納し、ソフトウェアからそのレジスタを読み取ってもよい。なお、レジスタは各回路が保有しているものとしたが、これに限定されない。例えば、レジスタを別の回路と共有化してもよい。
図9,図10は周波数計算器22および切替制御器23によって行われる処理のフローチャートを示した図である。図9は全体のフローチャートであり、図10は図9のステップS5の詳細を示すフローチャートである。
ステップS1では、ディザ信号の設定の切り替えを有効にするか否かを決定する。切り替えを有効にする場合はステップS2に進む一方、切り替えを無効にする場合は処理を終了する。例えば、アナログデジタル変換器ADC1やノイズ源回路20が動作していない場合は切り替えを無効にする。
ステップS2では、第二のPLL21の動作クロックCLK2の情報をレジスタから読み取る。情報は、例えば第二のPLL21の分周比などである。
ステップS3では、ステップS2で読み取った動作クロックCLK2の情報から動作クロックCLK2の周波数fnを計算する。
ステップS4では、ディザ生成回路17におけるディザ信号の現在の設定をレジスタから読み取り、現在のトーンの周波数ftを確認する。具体的には、例えば設計時にディザ信号の各設定におけるトーンの周波数をあらかじめ知ることができるため、ディザ信号の現在の設定からトーンの周波数ftの確認が可能である。
ステップS5では、ステップS3において計算した動作クロックCLK2の周波数fnと、ステップS4において確認したトーンの周波数ftとから、干渉するか否かを判定する。“干渉する”場合、ステップS6に進む一方、“干渉しない”場合、処理は終了となり、現在のディザ信号の設定を維持する。
図10を用いて、図9のステップS5における干渉するか否かの判定の詳細を説明する。ここで、動作クロックCLK2の次数をNとし、次数の最大値であるNmaxまで次数を考慮するものとする。
ステップS51ではN=1に設定する。
ステップS52では、動作クロックCLK2の周波数fnをfs/2以下の周波数に変換した周波数fn2を計算する。具体的には下記(式11)を用いて計算する。
Figure 2014007518
ここで、(式11)の(A mod B)は、(A÷B)の剰余の値を表している。
ステップS53では、周波数fn2が(トーンの周波数ft)±(信号帯域fbw)の周波数範囲に入るか否かを判定する。周波数fn2が(ft−fbw)から(ft+fbw)の周波数範囲に入っている場合、“干渉する”と判定する。一方、周波数fn2が(ft−fbw)から(ft+fbw)の周波数範囲外の場合、ステップS54でNの数を“+1”し、ステップS55でN>Nmaxか判定する。N≦Nmaxの場合、ステップS52に戻り、ステップS53の判定を再度実施する。上記のフローをN=Nmaxまで繰り返し、ステップS55においてN>Nmaxとなったとき、“干渉しない”と判定する。
トーンが複数存在する場合、ステップS53において、すべてのトーンの周波数ftについて、周波数fn2が(ft−fbw)から(ft+fbw)の周波数範囲内に入っているか判定し、1つでもこの周波数範囲内に入っていれば、“干渉する”と判定する。
ステップS6では、ディザ信号の設定を現状から変更し、終了する。ここで、動作クロックCLK2の周波数fnとトーンの周波数ftから、干渉しないトーンの周波数を見積もり、その見積もったトーンの周波数となるようにディザ信号を設定する。具体的には、ステップS6において見積もるトーンの周波数ftは、すべてのNにおいて以下の(式12)のうちのいずれか一方を満たすようにする。
Figure 2014007518
ここで、(式11)を用いて(式12)を変換すると、下記の(式13)、(式14)になる。
Figure 2014007518
Figure 2014007518
例えば、ノイズ源回路20が複数ある場合、ステップS2およびS3において、ノイズ源になる動作クロックCLK2の周波数fnをすべて計算する。このとき、ステップS5の“干渉する”か否かの判定では、すべての動作クロックCLK2の一次成分(N=1)から高調波(N=Nmax)までを繰り返し実施し、すべて干渉しない場合、“干渉しない”と判定する。そして、ステップS6の干渉しないトーンの周波数ftの見積もりは、すべての周波数fnのN=1からN=Nmaxを満たす周波数ftに設定する。
上記の図9および図10のフローを動作クロックCLK2の周波数fnが変更になるイベント時、例えば起動時、およびアナログ入力信号AINの形式等が切り替わった時などに実行する。なお、例えば動作クロックCLK2の周波数fnが随時変動する可能性がある場合、例えば100ms毎などの一定時間毎に図9および図10のフローを実行するとよい。
また、図1、図4および図8では、動作クロックCLK2は第二のPLL21からの出力を使用しているが、水晶発振器などの発振器のクロックや他のLSIからの出力クロックを使用してもよい。
また、周波数計算器22をハードウェアで実現する場合、図7の例で示したような動作クロックCLK2そのものを使用した周波数計算に限定されない。例えば、図8のソフトウェアでの実現例で記載したようなPLLの分周比などを使用する方式でもよいし、動作クロックCLK2の発生源が電圧制御発振器の場合、電圧などから周波数fnの計算が可能である。また、電源や基準電圧に、ノイズ周波数検出回路を設けて、その出力から周波数fnを計算してもよい。
ノイズ源回路20は、主にアナログデジタル変換器やデジタルアナログ変換器が想定される。特に、音声用アナログデジタル変換器と映像用アナログデジタル変換器等のようにセット機器における入出力が近い場合、LSI内でも近くに配置される傾向があり、電源やグランドの端子、基準電圧を共有化することは、LSIのコスト削減になりうる。しかしながら、この共有化を実施した場合、アナログデジタル変換器ADC1の電源、グランド、基準電圧にノイズ源回路20のクロック成分が重畳しやすくなる。このような場合、第1および第2の実施形態におけるサンプリング周波数やディザ信号の切り替えによる、トーンの周波数すなわち変調信号の周波数の変更はより有効である。
また、例えば、ノイズ源回路20が映像用アナログデジタル変換器の場合、映像用アナログデジタル変換器のサンプリング周波数は、入力の映像信号および識別信号によって検出された映像フォーマットや水平同期信号の周波数により決定され、その決定されたサンプリング周波数に基づいて第二のPLL21の分周比を決定する。すなわち、周波数計算器22および切替制御器23は、第二のPLL21の設定情報を周波数情報として読み取ることにより、映像用アナログデジタル変換器のサンプリング周波数を計算してディザ信号の設定を切り替えることができる。なお、検出された映像フォーマットに応じて、ディザ信号の設定を切り替えてもよい。
なお、上記の第1および第2の実施形態では、デルタシグマ変調型のアナログデジタル変換器について説明したが、アナログデジタル変換器はデルタシグマ変調型に限定されず、他のアナログデジタル変換器でも同様である。例えば、帰還回路を有するデルタ変調型のアナログデジタル変換器においても、量子化器の出力が帰還してアナログデジタル変換器の入力に加算する回路があり、その帰還回路(DAC)によってトーンと基準電圧に重畳したCLKノイズとが変調しやすい。したがって、デルタ変調型のアナログデジタル変換器においても、サンプリング周波数やディザ信号を切り替えてトーン周波数を移動させることにより、変調信号の周波数を信号帯域外にすることができる。
(第3の実施形態)
図11は第3の実施形態に係るアナログデジタル変換器のノイズ低減システムの構成例を示す図である。図11において、図4と共通の構成要素には同一の符号を付しており、ここではその詳細な説明を省略する。
図4と対比すると、アナログデジタル変換器ADC1とデジタル出力信号DOUTとの間に出力レベル調整回路18を備えている点で異なる。
出力レベル調整回路18は、アナログデジタル変換器ADC1のデジタルフィルタ14の出力を受け、切替制御器23からのディザ信号の設定に基づいてこの出力のレベルを調整し、デジタル出力信号DOUTとして出力する。例えば、図6(a)〜(d)に示したような形でディザ信号を切り替える際に、アナログデジタル変換器ADC1の出力に切替ノイズが発生することがある。具体的には、例えばアナログ入力信号AINが音声信号の場合において、図6(a)に示したようにDC電圧を切り替えたとき、切り替え前と切り替え後の電圧差であるDCオフセット電圧が出力に音として聞こえることがある。そこで、このような切り替え時に、出力レベル調整回路18により、デジタルフィルタ14の出力のレベルを小さくするまたはOFFにすることにより切替ノイズによる音が出力されるのを防ぐことができる。例えば、この出力レベル調整回路18によるデジタルフィルタ14の出力のレベルの制御は、切り替えの際の数μsec〜数msecの期間実施する。そして、それ以外の期間において、出力レベル調整回路18は出力のレベル制御をせずにデジタルフィルタ14の出力をデジタル出力信号DOUTとして出力する。
なお、本実施形態ではアナログ入力信号が音声信号の例について説明したが、これに限定されず、別のアナログ入力信号でもかまわない。
また、本実施形態では出力レベル調整回路18を図4のノイズ低減システムに適用する例について説明したが、出力レベル調整回路18を図1のノイズ低減システムに適用しても同様の効果が得られる。
また、各実施形態は組み合わせて使用することが可能である。例えば、第1の実施形態におけるサンプリング周波数の切り替えと、第2の実施形態におけるディザ信号の設定の切り替えとを組み合わせて使用してもよい。
また、上記の各実施形態ではエイリアス信号の周波数または外部CLKノイズとトーンとの変調信号の周波数を信号帯域外に移動させる例について説明したが、信号帯域外への移動に限定されない。信号帯域内であっても、例えば信号帯域内外の境界付近の周波数にエイリアス信号および変調信号を移動させて、その境界付近の周波数成分を減衰させてもよい。また、例えば信号帯域内に、含有される情報量が少ない周波数成分や信号としての重要度の低い周波数成分等がある場合に、上記のエイリアス信号または変調信号をこれらの周波数成分付近の周波数に移動させ、その移動させた周波数成分をバンドパスフィルタ等により減衰させ、エイリアス信号および変調信号を減衰させるようにしてもよい。
また、上記の各実施形態では基準電圧を共有している例について説明したが、これに限定されない。例えば、電源およびグランドのうちの少なくともいずれか一方を共有した場合においても各実施形態の態様により同様の効果が得られる。また、基準電圧、電源およびグランドを共有しない場合においても、クロストーク等の影響により基準電圧、電源、グランドおよび各信号経路等に、アナログデジタル変換器のデジタル出力信号に影響が出る程度に十分強い強度でノイズが回り込むことが考えられる。このような場合にも、そのクロストークの原因となるノイズ源回路の動作クロックに基づいて、各実施形態の態様を実施することにより、同様の効果が得られる。
本発明では、複数のクロックを有するLSI上のアナログデジタル変換器に対し良好なS/Nが得られる。したがって、例えば携帯電話やオーディオ機器において、音声や音響を処理する回路等に組み込んで用いられるデルタ変調型アナログデジタル変換器、およびデルタシグマ変調型アナログデジタル変換器に対して有用である。
ADC1 アナログデジタル変換器
13 帰還回路
17 ディザ生成回路
18 出力レベル調整回路
20 ノイズ源回路
21 第二のPLL(PLL)
24 サンプリングクロック設定部
25 ディザ設定部
30 余算器
32 減算器
CLK1 サンプリングクロック
CLK2 動作クロック
AIN アナログ入力信号
fs,fsa,fsb サンプリングクロックの周波数
fn 動作クロックの周波数
ft,fta,ftb トーンの周波数
fpa,fpb エイリアス信号の周波数
fma,fmb 変調信号の周波数
fbw 信号帯域

Claims (19)

  1. オーバーサンプリング型であって、帰還回路を有するアナログデジタル変換器と、
    前記アナログデジタル変換器にディザ信号を与えるものであり、かつ、前記アナログデジタル変換器において生じるトーンの周波数を変えるように、前記ディザ信号の設定を調整可能に構成されているディザ生成回路と、
    前記アナログデジタル変換器に対して周期的なノイズを与えるノイズ源回路の、動作クロックの周波数に関する周波数情報を得て、当該周波数情報に応じて、前記ディザ生成回路における前記ディザ信号の設定を行うディザ設定部とを備えている
    ことを特徴とするアナログデジタル変換器のノイズ低減システム。
  2. 請求項1記載のアナログデジタル変換器のノイズ低減システムにおいて、
    前記ディザ設定部は、前記周波数情報に応じて、前記トーンと前記周期的なノイズとから生じる変調信号の周波数が信号帯域から外れるように、前記ディザ生成回路における前記ディザ信号の設定を行う
    ことを特徴とするアナログデジタル変換器のノイズ低減システム。
  3. 請求項1記載のアナログデジタル変換器のノイズ低減システムにおいて、
    前記ディザ設定部は、前記動作クロックを供給するPLLから前記周波数情報を得る
    ことを特徴とするアナログデジタル変換器のノイズ低減システム。
  4. 請求項3記載のアナログデジタル変換器のノイズ低減システムにおいて、
    前記ディザ設定部は、
    前記アナログデジタル変換器のサンプリングクロックと前記動作クロックとを受け、当該サンプリングクロックと当該動作クロックとの周波数の剰余を計算して出力する余算器と、
    前記余算器によって計算された剰余の周波数と前記トーンの周波数との周波数差を計算して出力する減算器とを備えており、
    前記減算器によって計算された周波数差が信号帯域から外れるように前記ディザ生成回路における前記ディザ信号の設定を行う
    ことを特徴とするアナログデジタル変換器のノイズ低減システム。
  5. 請求項1記載のアナログデジタル変換器のノイズ低減システムにおいて、
    前記ディザ生成回路は、前記アナログデジタル変換器のアナログ入力信号に対して、前記ディザ信号を加算する
    ことを特徴とするアナログデジタル変換器のノイズ低減システム。
  6. 請求項1記載のアナログデジタル変換器のノイズ低減システムにおいて、
    前記ディザ信号は、直流電圧信号であり、
    前記ディザ生成回路は、前記ディザ信号の直流電圧値を変えることにより前記トーンの周波数を変える
    ことを特徴とするアナログデジタル変換器のノイズ低減システム。
  7. 請求項1記載のアナログデジタル変換器のノイズ低減システムにおいて、
    前記ディザ信号は、前記アナログデジタル変換器のサンプリングクロックより低い周波数の信号であり、
    前記ディザ生成回路は、前記ディザ信号の振幅を変えることにより前記トーンの周波数を変える
    ことを特徴とするアナログデジタル変換器のノイズ低減システム。
  8. 請求項1記載のアナログデジタル変換器のノイズ低減システムにおいて、
    前記ディザ信号は、前記アナログデジタル変換器のサンプリングクロックより低い周波数の信号であり、
    前記ディザ生成回路は、前記ディザ信号の周波数を変えることにより前記トーンの周波数を変える
    ことを特徴とするアナログデジタル変換器のノイズ低減システム。
  9. 請求項1記載のアナログデジタル変換器のノイズ低減システムにおいて、
    前記ディザ信号は、前記アナログデジタル変換器のサンプリングクロックより低い周波数の信号であり、
    前記ディザ生成回路は、前記ディザ信号のデューティー比を変えることにより前記トーンの周波数を変える
    ことを特徴とするアナログデジタル変換器のノイズ低減システム。
  10. 請求項1記載のアナログデジタル変換器のノイズ低減システムにおいて、
    前記ディザ生成回路が前記ディザ信号の設定を切り替える時に、前記アナログデジタル変換器の出力信号のレベルを所定の期間減少させる出力レベル調整回路をさらに備える
    ことを特徴とするアナログデジタル変換器のノイズ低減システム。
  11. 請求項1記載のアナログデジタル変換器のノイズ低減システムにおいて、
    前記ノイズ源回路は、前記動作クロックの周波数が映像フォーマットによって決定される映像信号処理回路であり、
    前記ディザ設定部は、前記映像フォーマットを前記周波数情報として得て、前記映像フォーマットに応じて、前記ディザ生成回路における前記ディザ信号の設定を行う
    ことを特徴とするアナログデジタル変換器のノイズ低減システム。
  12. オーバーサンプリング型のアナログデジタル変換器と、
    前記アナログデジタル変換器に対して周期的なノイズを与えるノイズ源回路の、動作クロックの周波数に関する周波数情報を得て、当該周波数情報に応じて、前記アナログデジタル変換器のサンプリングクロックの周波数の設定を行うサンプリングクロック設定部とを備えている
    ことを特徴とするアナログデジタル変換器のノイズ低減システム。
  13. 請求項12記載のアナログデジタル変換器のノイズ低減システムにおいて、
    前記サンプリングクロック設定部は、前記サンプリングクロックと前記周期的なノイズとから生じるエイリアス信号の周波数が、信号帯域から外れるように前記サンプリングクロックの周波数を設定する
    ことを特徴とするアナログデジタル変換器のノイズ低減システム。
  14. 請求項12記載のアナログデジタル変換器のノイズ低減システムにおいて、
    前記アナログデジタル変換器は、帰還回路を有しており、
    前記サンプリングクロック設定部は、前記周期的なノイズの周波数と前記アナログデジタル変換器によって生じるトーンの周波数との差が、信号帯域から外れるように前記サンプリングクロックの周波数を設定する
    ことを特徴とするアナログデジタル変換器のノイズ低減システム。
  15. 請求項1または12記載のアナログデジタル変換器のノイズ低減システムにおいて、
    前記ノイズ源回路と前記アナログデジタル変換器とは、電源、グランドおよび基準電圧のうちの少なくともいずれか一つを共有している
    ことを特徴とするアナログデジタル変換器のノイズ低減システム。
  16. オーバーサンプリング型であって、帰還回路を有するアナログデジタル変換器を備えており、
    前記アナログデジタル変換器に対して周期的なノイズを与えるノイズ源回路の、動作クロックの周波数に応じて、前記アナログデジタル変換器によって生じるトーンの周波数を制御する
    ことを特徴とするアナログデジタル変換器のノイズ低減システム。
  17. オーバーサンプリング型であって、帰還回路を有するアナログデジタル変換器のノイズ低減方法であって、
    前記アナログデジタル変換器に対して周期的なノイズを与えるノイズ源回路の、動作クロックの周波数に関する周波数情報を得て、当該周波数情報に応じて、前記アナログデジタル変換器において生じるトーンの周波数を変えるようにディザ信号の設定を調整する信号設定ステップと、
    前記信号設定ステップにおいて設定された前記ディザ信号を、前記アナログデジタル変換器に与える信号印加ステップとを備えている
    ことを特徴とするアナログデジタル変換器のノイズ低減方法。
  18. 請求項17記載のアナログデジタル変換器のノイズ低減方法において、
    前記信号設定ステップにおいて、前記アナログデジタル変換器において生じるトーンと前記周期的なノイズとから生じる変調信号の周波数が信号帯域から外れるように、前記周波数情報に応じた前記ディザ信号の設定を行う
    ことを特徴とするアナログデジタル変換器のノイズ低減方法。
  19. 請求項17記載のアナログデジタル変換器のノイズ低減方法において、
    前記信号設定ステップは、
    前記ノイズ源回路の動作クロックの周波数を検知する周波数検知ステップと、
    前記周波数検知ステップにおいて検知した前記動作クロックの周波数に基づいて、前記アナログデジタル変換器において生じるトーンの周波数を計算する周波数計算ステップとを備えており、
    前記周波数検知ステップにおいて検知した前記周期的なノイズの周波数と、前記周波数計算ステップにおいて計算した前記トーンの周波数との差が信号帯域から外れるように前記ディザ信号の設定を行う
    ことを特徴とするアナログデジタル変換器のノイズ低減方法。
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