JP2014007327A - 描画装置、および物品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】異常な荷電粒子線を補償してスループットの点で有利な描画装置を提供することができる。
【解決手段】描画装置1は、第1方向に走査される基板6に荷電粒子線4で描画を行う。この描画装置1は、第1荷電粒子線群および第2荷電粒子線群に含まれる複数の荷電粒子線4を個別に遮蔽可能な遮蔽部14と、基板6を保持して第1方向に可動の保持部7と、制御部8とを有する。ここで、制御部8は、第1荷電粒子線群の中に条件を満たさない異常線が存在する場合に、異常線の遮蔽と、異常線の遮蔽を補償するための第2荷電粒子線群のうちの補償線の通過とを、遮蔽部14に行わせ、かつ、補償線が補償すべき荷電粒子線と補償線との第1方向における相対位置に基づいて補償線での描画を制御する。
【選択図】図1
【解決手段】描画装置1は、第1方向に走査される基板6に荷電粒子線4で描画を行う。この描画装置1は、第1荷電粒子線群および第2荷電粒子線群に含まれる複数の荷電粒子線4を個別に遮蔽可能な遮蔽部14と、基板6を保持して第1方向に可動の保持部7と、制御部8とを有する。ここで、制御部8は、第1荷電粒子線群の中に条件を満たさない異常線が存在する場合に、異常線の遮蔽と、異常線の遮蔽を補償するための第2荷電粒子線群のうちの補償線の通過とを、遮蔽部14に行わせ、かつ、補償線が補償すべき荷電粒子線と補償線との第1方向における相対位置に基づいて補償線での描画を制御する。
【選択図】図1
Description
本発明は、複数の荷電粒子線で基板に描画を行う描画装置、および物品の製造方法に関する。
電子ビームなどの荷電粒子線の偏向走査およびブランキングを制御することで基板に描画を行う描画装置が知られている。この描画装置は、線幅が0.1μm以下の4GDRAM以降のメモリデバイスの生産などにおいて、光露光方式に代わるパターン形成技術の1つとして採用され得る。この描画装置の一例として、さらに高スループットの要求に応えるべく、複数の荷電粒子線を用いて描画を行うマルチビーム方式の描画装置がある。このマルチ式描画装置に関連し、特許文献1は、複数の荷電粒子線をさらに分割したサブビームを、描画したいパターンに応じて個別に偏向走査させることで、基板に連続したストライプ領域を描画する描画方法を開示している。この描画方法では、基板に所望のパターンを描画することができないような、異常な荷電粒子線(サブビームを含む)は、基板に到達しないように遮蔽される。このとき、遮蔽された荷電粒子線が描画するはずであったストライプ領域には抜けが生じる。そこで、特許文献2は、この抜けとなったストライプ領域を2回目以降の描画時に正常な荷電粒子線で描画し補償する描画方法を開示している。
しかしながら、特許文献2に示す描画方法のような補償描画を行うと、スループットが大きく低下する可能性がある。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、例えば、異常な荷電粒子線を補償してスループットの点で有利な描画装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、第1方向に走査される基板に荷電粒子線で描画を行う描画装置であって、第1の荷電粒子線群および第2の荷電粒子線群に含まれる複数の荷電粒子線を個別に遮蔽可能な遮蔽部と、基板を保持して第1方向に可動の保持部と、制御部と、を有し、制御部は、第1の荷電粒子線群の中に条件を満たさない異常線が存在する場合に、異常線の遮蔽と、異常線の遮蔽を補償するための第2の荷電粒子線群のうちの補償線の通過とを、遮蔽部に行わせ、かつ、補償線が補償すべき荷電粒子線と補償線との第1方向における相対位置に基づいて補償線での描画を制御する、ことを特徴とする。
本発明によれば、例えば、異常な荷電粒子線を補償してスループットの点で有利な描画装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について図面などを参照して説明する。
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態に係る描画装置について説明する。本実施形態において説明する描画装置は、複数の荷電粒子線を偏向させ、かつ、荷電粒子線のブランキング(照射のOFF)を個別に制御することで、所定のパターンを基板の所定の位置に描画するマルチビーム方式の描画装置とする。ここで、荷電粒子線は、電子線(電子ビーム)やイオン線(イオンビーム)などをいう。図1は、本実施形態に係る描画装置1の構成を示す概略図である。なお、図1では、基板に対する荷電粒子線のノミナルの照射方向にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内に互いに直交するX軸およびY軸を取っている。そして、以下の説明で用いる第1方向および第2方向は、基板の表面に平行で互いに直交し、そのうち第1方向は、基板が基板ステージにより移動される方向(ステージ移動方向)である。特に本実施形態では、第1方向がY軸方向に対応し、第2方向がX軸方向に対応している。さらに、以下の各図では、図1と同一構成のものには同一の符号を付す。
まず、本発明の第1実施形態に係る描画装置について説明する。本実施形態において説明する描画装置は、複数の荷電粒子線を偏向させ、かつ、荷電粒子線のブランキング(照射のOFF)を個別に制御することで、所定のパターンを基板の所定の位置に描画するマルチビーム方式の描画装置とする。ここで、荷電粒子線は、電子線(電子ビーム)やイオン線(イオンビーム)などをいう。図1は、本実施形態に係る描画装置1の構成を示す概略図である。なお、図1では、基板に対する荷電粒子線のノミナルの照射方向にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内に互いに直交するX軸およびY軸を取っている。そして、以下の説明で用いる第1方向および第2方向は、基板の表面に平行で互いに直交し、そのうち第1方向は、基板が基板ステージにより移動される方向(ステージ移動方向)である。特に本実施形態では、第1方向がY軸方向に対応し、第2方向がX軸方向に対応している。さらに、以下の各図では、図1と同一構成のものには同一の符号を付す。
描画装置1は、荷電粒子線源2と、クロスオーバー3から発散した荷電粒子線4を複数の荷電粒子線に分割、偏向および結像させる光学系5と、基板6を保持する基板ステージ7と、描画装置1の各構成要素の動作などを制御する制御部8とを備える。ここで、荷電粒子線4は、大気圧雰囲気ではすぐに減衰するため、また高電圧による放電を防止するため、荷電粒子線源2や光学系5などの各構成要素は、真空排気系により内部圧力が調整された不図示の真空容器の内部に設置される。また、被処理体としての基板6は、例えば、単結晶シリコンからなるウエハであり、表面上には感光性のレジストが塗布されている。
荷電粒子線源2は、熱や電界の印加により荷電粒子線4を放出する機構である。この荷電粒子線源2としては、荷電粒子線4を電子ビームと想定するならば、例えば、電子放出材としてLaB6またはBaО/W(ディスペンサーカソード)などを含む、いわゆる熱電子型の電子源ユニットが採用される。なお、図中では、クロスオーバー3から発散された荷電粒子線4の軌道を点線で示している。
光学系5は、荷電粒子線源2から放射された荷電粒子線4を基板6上に投影する投影系である。この光学系5は、荷電粒子線源2の側から順に、コリメーターレンズ10、アパーチャアレイ11、コンデンサーレンズアレイ12、および、複数のサブアレイ13を含む。さらに、光学系5は、ブランキング偏向器アレイ(第1偏向器アレイ)14、第2偏向器アレイ15、ブランキング絞り16、第3偏向器アレイ17、および対物レンズアレイ18を含む。まず、コリメーターレンズ10は、クロスオーバー3で発散した荷電粒子線4を集束(平行化)させて、所望の大きさを持った面積ビームとする電磁レンズまたは静電レンズである。
アパーチャアレイ11は、マトリクス状に配列された複数の開口11aを有する開口部材であり、コリメーターレンズ10からほぼ垂直に入射した荷電粒子線4を複数に分割する。図1には、荷電粒子線入射側から見たアパーチャアレイ11の平面形状の概略図を示している。このアパーチャアレイ11は、m、nをそれぞれ自然数とすると、第2方向に沿って等間隔の第2間隔で並ぶn個の開口を含む行が、第1方向に沿って等間隔の第1間隔でm行配置された開口11aを複数含む。ここで、各行の先頭の開口は、第2方向において、それぞれ第1間隔よりも小さい第3間隔、具体的には第1間隔の1/mの間隔でずれて配置されている。さらに、複数の開口11aは、このような(m×n)個の開口11a1を含む第1開口群に加えて、(m×n)の配列の特定の規則に沿って配置される開口11a2(以下「予備開口」という)を含む第2開口群を有する。この第2開口群は、第2方向では第1開口群が含まれる範囲内に位置し、第1方向では第1開口群とは異なる位置にあることが望ましい。このように第1開口群と第2開口群とを1つのアパーチャアレイ11上に並列させることは、荷電粒子線4の照射範囲を狭くすることができるため、照射効率の点で有利となる。特に本実施形態のアパーチャアレイ11は、第2開口群(予備開口11a2の集合)として、(m×n)に配列された第1開口群(開口11a1の集合)に対してn列で1行分の開口列を冗長に配置している。このとき、予備開口11a2の第1方向に関する位置は、第2方向で予備開口11a2から最も遠い位置に存在する開口11a1の行の開口位置と一致している。また、予備開口11a2の第2方向に関する位置は、第1方向の位置が最も近い行から第4間隔(本実施形態では第1間隔と同一)で離れている。アパーチャアレイ11は、このような複数の開口11aを有することで、(m×n)本の荷電粒子線(第1荷電粒子線群)4に加えて、さらに予備開口11a2によっても荷電粒子線(第2荷電粒子線群)4を生成させることができる。
コンデンサーレンズアレイ12は、円形状の開口を有する3枚の電極板(図中では3枚の電極板を一体で示している)から構成されるコンデンサーレンズを配置し、それぞれの荷電粒子線4をサブアレイ13に配列されている開口に入射させる。図1には、上部に図示しているアパーチャアレイ11の平面形状(開口11aの配置)に対応した、荷電粒子線入射側から見たサブアレイ13の平面形状の概略図を示している。サブアレイ13は、少なくとも1つの開口13aを有し、入射したそれぞれの荷電粒子線をさらに複数に分割してサブビーム4sを形成する。なお、図1に示す例では、アパーチャアレイ11およびサブアレイ13に配置されている各開口11a、13aの形状は、矩形としているが、任意の形状でよい。ブランキング偏向器アレイ(遮蔽部)14は、マトリクス状に配置された複数のブランキング偏向器(静電型ブランカー)を有し、各サブビーム4sを個別に遮蔽可能とする。各ブランキング偏向器は、それぞれに対応したサブビーム4sを偏向させるか否か、すなわち下流側に配置されているブランキング絞り16で所望のサブビーム4sを遮蔽するかしないかにより基板6に到達するサブビーム4sを選択する。第2偏向器アレイ(偏向器アレイ)15は、アパーチャアレイ11およびサブアレイ13の各開口11a、13aを通過したサブビーム4sを基板6の表面内の第2方向に個別に移動可能とする。第3偏向器アレイ(走査偏向器アレイ)17は、基板ステージ7の第1方向に沿った移動に同期して、アパーチャアレイ11およびサブアレイ13の各開口11a、13aを通過したサブビーム4sを第1方向または第2方向に個別に偏向可能とする。さらに、対物レンズアレイ18は、第3偏向器アレイ17を通過したサブビーム4sを基板6上に結像させる。なお、図1では、一例として、第2偏向器アレイ15は、ブランキング絞り16の上流側手前に、かつ、第3偏向器アレイ17は、対物レンズアレイ18の上流側手前にそれぞれ配置されているが、適宜変更可能である。
基板ステージ7は、基板6を、例えば静電吸着により保持しつつ、少なくとも第1および第2方向に可動とする保持部である。この基板ステージ7の移動位置は、不図示のレーザー干渉計(測長器)などにより実時間で計測される。
制御部8は、主制御系20と、ブランキング制御回路21と、第2偏向器制御回路22と、第3偏向器制御回路23と、ステージ制御回路24とを含む。主制御系20は、例えばコンピュータなどで構成され、描画装置1の各構成要素(各制御回路)に回線を介して接続され、プログラムなどにしたがって各構成要素を統括的に制御し得る。特に本実施形態の制御部8は、少なくとも、ブランキング制御回路21、第2偏向器制御回路22、第3偏向器制御回路23およびステージ制御回路24を制御し得る。ブランキング制御回路21は、ブランキング偏向器アレイ14に含まれる複数のブランキング偏向器を個別に制御する。第2偏向器制御回路22は、第2偏向器アレイ15に含まれる複数の偏向器を個別に制御する。第3偏向器制御回路23は、第3偏向器アレイ17に含まれる複数の偏向器を個別に制御する。さらに、ステージ制御回路24は、レーザー干渉計による位置計測を参照して基板ステージ7の位置決めを制御する。
次に、描画装置1による描画動作について説明する。まず、図2および図3は、描画装置1の描画時の基本動作を説明する図である。この図2および図3では、一例として、アパーチャアレイ11には4行8列の開口11aが配置され、かつ1つのサブアレイ13には4行4列の開口13aが形成されていると想定している。なお、ここでは基本動作の説明とするため、アパーチャアレイ11は、前述した第1開口群(開口11a1)のみを含むものとし、第2開口群(予備開口11a2)については、一旦考慮しない。
図2(a)は、基板6上に設定された描画パターンPに対して割り当てられる各サブビーム4sを示す概略平面図である。各サブビーム4sは、描画パターンPに応じて各グリッド点(第1方向および第2方向のピッチ(グリットピッチ)がそれぞれGY、GX)でのONが割り当てられる。ここで、第1方向および第2方向は、上記のとおり、基板6の表面上で互いに直交し、第1方向は、基板6が基板ステージ7により移動される方向である。さらに、第1方向および第2方向は、サブアレイ13の4行4列の開口13aの位置を等間隔になるように投影できる方向およびそれに直交する方向でもある。なお、基板ステージ7の位置計測をレーザー干渉計を用いて実施する際には、このレーザー干渉計の光軸は、第1方向および第2方向と略一致していることが望ましい。
図2(b)は、1つのサブアレイ13からのサブビーム群(基板6に向かうサブビーム4sの集合)が第3偏向器アレイ17による1回の偏向走査により基板6上に描く像(軌跡)を示す概略平面図である。サブビーム群では、各サブビーム4sは、第1方向および第2方向のピッチ(サブビームピッチ)をそれぞれSBY、SBXとして基板6上に結像されている。また、結像される1つの像の第1方向の大きさ(幅)は、グリッドピッチGYと一致している。描画時には、基板ステージ7は、第1方向に移動し、一方、第3偏向器アレイ17は、第2方向に沿って像を描くように、各サブビーム4sを第2方向に偏向走査する。また、各サブビーム4sのブランキングは、ブランキング偏向器アレイ14により、グリッドピッチGXで規定されるグリッド点ごとに制御される。
図3(a)は、1つのサブアレイ13からのサブビーム群が複数回の偏向走査により基板6上に描く像を示す概略平面図である。基板ステージ7と第3偏向器アレイ17とが図2(b)に示す動作を連続的に繰り返すことで、基板6上にはストライプ領域SAが描画される。具体的には、基板ステージ7は、第1方向に連続的に移動し、一方、第3偏向器アレイ17は、各サブビーム4sの第2方向への偏向走査を、破線の矢印で示すような第1方向の偏向幅DPでのフライバックを介して順次繰り返す。この動作により、基板6上には、第1方向に沿ってステージ移動方向とは逆方向に、太線枠で示すような各サブビーム4sの像で埋め尽くされた幅SWのストライプ領域SAが描画されることになる。ここで、ストライプ領域SAの形成条件としては、K、L、Nを自然数とし、1つのサブアレイ13からのサブビーム4sの本数をN2とすると、以下の式(1)〜(3)をすべて満たすものとなる。
N2=K×L+1 (1)
SBY=GY×K (2)
DP=(K×L+1)×GY=N2×GY (3)
このうち、式(1)を満足するKを式(2)に適用して第1方向のサブビームピッチSBYを決めることで、製造面で限界があるアパーチャアレイ11の開口や各ブランキング偏向器の間隔の微細化によらずに、グリッドピッチGYの微細化を実現し得る。このグリットピッチGYの微細化により、描画装置1は、さらに微細なパターンを描画できることになる。さらに、式(3)により第2方向の偏向幅DPを決めることで、ストライプ領域SAでは、どの部分についてもグリッドピッチGYでの描画が可能となる。なお、図3(a)の例では、K=5、L=3、N=4である。
N2=K×L+1 (1)
SBY=GY×K (2)
DP=(K×L+1)×GY=N2×GY (3)
このうち、式(1)を満足するKを式(2)に適用して第1方向のサブビームピッチSBYを決めることで、製造面で限界があるアパーチャアレイ11の開口や各ブランキング偏向器の間隔の微細化によらずに、グリッドピッチGYの微細化を実現し得る。このグリットピッチGYの微細化により、描画装置1は、さらに微細なパターンを描画できることになる。さらに、式(3)により第2方向の偏向幅DPを決めることで、ストライプ領域SAでは、どの部分についてもグリッドピッチGYでの描画が可能となる。なお、図3(a)の例では、K=5、L=3、N=4である。
図3(b)は、アパーチャアレイ11が生成した複数の荷電粒子線4が基板6上に描く像を示す概略平面図であり、特に、各ストライプ領域SAの位置関係を説明している。描画装置1は、(m×n)本の荷電粒子線4で描画を行う場合、第1方向の先頭位置が互いに異なるm本の荷電粒子線4が描く各ストライプ領域SAを1周期とし、同時にn周期分隣接させる描画を行う。なお、図3(b)にて、各ストライプ領域SAの先頭位置には丸印を付しており、特にこのような白抜きの丸印は、基板6上に荷電粒子線4が照射されている状態を示している。これにより、基板6上には、(m×n)本のストライプ領域SAで隙間なく埋め尽くされた、描画領域EAが描画されることになる。なお、図3(b)の例では、m=4、n=8である。
ここで、一般的なマルチビーム方式の描画装置では、使用条件を満たさない荷電粒子線(以下「異常線」という)が存在すると、基板上に所望のストライプ領域SAが描画されない可能性がある。例えば、異常線は、所望の特性を満たさない荷電粒子線、または個別にブランキングができない荷電粒子線である。ここで、「使用条件」とは、ブランキングのタイミング、基板上での荷電粒子線の到達位置、荷電粒子線(サブビーム)の電流値、荷電粒子線(サブビーム)の形状などについて、基板上に所望のパターンを描画するのに必要な条件である。さらに、異常線以外にも、第2偏向器アレイ15により偏向できる条件を満たさない荷電粒子線(以下「偏向異常線」という)が存在する場合もある。ここで、「偏向できる条件」とは、第2方向へ所望の量だけ偏向できる、または第2方向に偏向された荷電粒子線が上記使用条件を満たすなどの条件である。この偏向異常線が存在する場合については、後述する。
上記のような異常線の存在による意図しないストライプ領域の発生を回避するために、描画装置1は、異常線が存在する場合、以下の各事例に示すような描画補正を実施する。なお、以下の説明に際し、異常線が存在するか否か、すなわち上記の使用条件を各荷電粒子線が満たしているかどうか、または、後述の補償線や代替線が第2方向に偏向可能か否かなどの判断は、制御部8が描画補正を実施させる前に予め判断するものとする。
まず、以下の描画制御の各事例の説明に先立ち、アパーチャアレイ11により分割された荷電粒子線4のすべてが正常に動作する場合の描画状態について説明する。図4は、この場合の、具体的には(m×n)本の荷電粒子線4を含む第1荷電粒子線群の中に、異常線、および偏向できる条件を満たさない偏向異常線が存在しない場合の基板6上における描画状態を示す概略平面図である。この状態では、すべての荷電粒子線4は、ストライプ抜けを生じさせることなく所望の描画領域EAを形成できるので、予備開口11a2により形成された荷電粒子線4は、第2偏向器アレイ15により基板6に対して遮蔽されている。なお、図4から図11までの各図では、丸印は、それぞれアパーチャアレイ11に配置されている複数の開口11a(予備開口11a2を含む)を通過した荷電粒子線4により描画される各ストライプ領域SAの先頭位置となる。これらの丸印のうち、特に、白抜きの丸印は、基板6上に荷電粒子線4が正常に照射されている状態を示している。これに対して、黒塗りの丸印は、基板6上に荷電粒子線4を照射し得るが、意図的な遮蔽によりその時点では照射されていない状態、または正常に照射されない状態を示している。さらに、図4から図11までの各図に示す描画状態におけるステージ移動方向などの基本動作は、図2および図3の各図に示す動作と同様と想定している。
次に、描画装置1における描画制御の第1事例について説明する。図5は、図4に対応した、第1事例として第1荷電粒子線群中に異常線41が存在する場合の描画補正時の様子を示す概略平面図である。特に本事例では、異常線41に対応する開口11a1の位置が、複数の予備開口11a2のうちのいずれかの開口の位置と第2方向で一致している。描画装置1は、異常線41が存在すると、正常なストライプ領域SAを描画することができず、結果的に基板6上に正常な描画領域EAを形成することができない。そこで、制御部8は、第1事例のような場合には、まず、ブランキング制御回路21を介し、ブランキング偏向器アレイ14に対して異常線41を遮蔽させる。次に、制御部8は、ブランキング制御回路21を介し、異常線41の第1方向に対応する位置にある予備開口11a2の遮蔽状態を解除する。そして、制御部8は、異常線41に代わり、異常線41が担っていた描画を補うための予備開口11a2からの荷電粒子線(以下「補償線」という)42を基板6上に到達させる。このとき、制御部8は、補償線42を、異常線41が本来描画すべきであった描画データを利用して、その描画タイミングを{(異常線41の第1方向の位置−補償線42の第1方向の位置)/ステージ移動速度}だけずらして描画させる。これにより、基板6上には、(m×n)本のストライプ領域SAで隙間なく埋め尽くされた描画領域EAが描画されることになる。すなわち、制御部8は、異常線41の第2方向の位置が予備開口11a2の第2方向の位置のいずれかと一致していれば、第2偏向器アレイ15による偏向を実施させる必要がない。そして、制御部8は、描画タイミングをずらすだけで補償線42を生成させて、異常線41が本来描画すべきであったストライプ領域SAを描画させる。
次に、描画装置1における描画制御の第2事例について説明する。図6は、図4に対応した、第2事例として第1荷電粒子線群中に異常線43が存在する場合の描画補正時の様子を示す概略平面図である。特に本事例では、異常線43に対応する開口11a1の位置が、第1事例と異なり、複数の予備開口11a2のうちのいずれの開口の位置とも第2方向で一致していない。この場合、制御部8は、第2偏向器アレイ15を用いて、異常線43に代わって描画を補う補償線44を異常線43の第2方向の位置と一致させるように第2方向に偏向させて基板6上に到達させる。まず、制御部8は、ブランキング制御回路21を介し、ブランキング偏向器アレイ14に対して異常線43を遮蔽させる。次に、制御部8は、ブランキング制御回路21を介し、異常線43の第2方向に近い位置にある予備開口11a2の遮蔽状態を解除する。そして、制御部8は、第2偏向器制御回路22を介し、第2偏向器アレイ15により異常線43と第2方向を一致させるように予備開口11a2からの補償線44を偏向させ、基板6上に到達させる。このとき、制御部8は、補償線44を、異常線43が本来描画すべきであった描画データを利用して、その描画タイミングを{(異常線43の第1方向の位置−補償線44の第1方向の位置)/ステージ移動速度}だけずらして描画させる。これにより、基板6上には、(m×n)本のストライプ領域SAで隙間なく埋め尽くされた描画領域EAが描画されることになる。このとき、制御部8は、複数の予備開口11a2のうち補償線44を照射する開口を選択する際に、異常線43の第1方向に近い、望ましくは最も近い位置にあるものを選択する。これは、第2偏向器アレイ15による偏向量を可能な限り小さくすることで、偏向される荷電粒子線(補償線44)の偏向による結像性能の変化をより低減させるためである。本事例でいえば、第2偏向器アレイ15による偏向量は、ストライプ領域SAの幅SWの1つ分で済む。
次に、描画装置1における描画制御の第3事例について説明する。図7は、図4に対応した、第3事例として第1荷電粒子線群中に異常線45が存在する場合の描画補正時の様子を示す概略平面図である。本事例では、異常線45に対応する開口11a1の位置が、第2事例と同様に、複数の予備開口11a2のうちのいずれの開口の位置とも第2方向で一致していないが、制御部8は、第2事例とは異なる描画制御を実行して、描画領域EAを描画させる。この場合、制御部8は、異常線45に代わって描画を補う荷電粒子線として、複数の開口11a1のうちの正常に動作している荷電粒子線(以下「代替線」という)46を採用する。さらに、制御部8は、この代替線46を異常線45に代わる描画に用いることに伴い、代替線46となる前の荷電粒子線が描画すべきであったストライプ領域SAを、複数の予備開口11a2のうちのいずれかの開口からの補償線47により描画させる。まず、制御部8は、ブランキング制御回路21を介し、ブランキング偏向器アレイ14に対して異常線45を遮蔽させる。次に、制御部8は、第2偏向器制御回路22を介し、第2偏向器アレイ15により異常線45と第2方向を一致させるように開口11a1からの代替線46を偏向させ、基板6上に到達させる。一方、制御部8は、代替線46の偏向と同時に、ブランキング制御回路21を介し、代替線46となる前の荷電粒子線の第2方向に対応する位置にある予備開口11a2の遮蔽状態を解除し、補償線47を基板6上に到達させる。このとき、制御部8は、代替線46を、異常線45が本来描画すべきであった描画データを利用して、その描画タイミングを{(異常線45の第1方向の位置−代替線46の第1方向の位置)/ステージ移動速度}だけずらして描画させる。さらに、制御部8は、補償線47を、代替線46となる前の荷電粒子線が本来描画すべきであった描画データを利用して、その描画タイミングを{(代替線46の第1方向の位置−補償線47の第1方向の位置)/ステージ移動速度}だけずらして描画させる。これにより、基板6上には、(m×n)本のストライプ領域SAで隙間なく埋め尽くされた描画領域EAが描画されることになる。このとき、制御部8は、複数の開口11a1のうち代替線46を照射する開口を選択する際に、その代替線46となる前の荷電粒子線が、異常線45の第2方向に近い、望ましくは最も近い位置にあるものを選択する。さらに、制御部8は、複数の予備開口11a2のうち補償線47を照射する開口を選択する際、異常線45の第2方向と一致する位置にあるものを選択する。このような選択により、結果的に異常線45の描画を補うために用いられる荷電粒子線の偏向量は、第2事例の場合と同じで最小で済む。
次に、描画装置1における描画制御の第4事例について説明する。図8は、図4に対応した、第4事例として第1荷電粒子線群中に異常線48が存在する場合の描画補正時の様子を示す概略平面図である。特に、本事例では、異常線48に対応する開口11a1の位置が、第2方向で隣り合う2つの予備開口11a2のいずれの位置からも幅SWの2つ分の距離だけ離れている。上記のとおり、異常線48の描画を補うために用いられる荷電粒子線の偏向量は、可能な限り小さい方が望ましい。そこで、制御部8は、第4事例のような場合には、まず、異常線48に代わって描画を補う荷電粒子線として、偏向する前の荷電粒子線が異常線48に隣接している代替線49を採用する。このとき、代替線49を異常線48に代わる描画に用いることに伴い、代替線49となる前の荷電粒子線が描画すべきであったストライプ領域SAに対しても、いずれかの荷電粒子線で描画を補う必要がある。そこで、制御部8は、代替線49となる前の荷電粒子線に隣接していた荷電粒子線を偏向させることで、代替線50として代替線49となる前の荷電粒子線が描画すべきであったストライプ領域SAを描画させる。次に、制御部8は、ブランキング制御回路21を介し、代替線50となる前の荷電粒子線の第2方向に対応する位置にある予備開口11a2の遮蔽状態を解除し、補償線51を基板6上に到達させる。このとき、制御部8は、代替線49を、異常線48が本来描画すべきであった描画データを利用して、その描画タイミングを{(異常線48の第1方向の位置−代替線49の第1方向の位置)/ステージ移動速度}だけずらして描画させる。また、制御部8は、代替線50を、代替線49となる前の荷電粒子線が本来描画すべきであった描画データを利用して、その描画タイミングを{(代替線49の第1方向の位置−代替線50の第1方向の位置)/ステージ移動速度}だけずらして描画させる。さらに、制御部8は、補償線51を、代替線50となる前の荷電粒子線が本来描画すべきであった描画データを利用して、その描画タイミングを{(代替線50の第1方向の位置−補償線51の第1方向の位置)/ステージ移動速度}だけずらして描画させる。これにより、基板6上には、(m×n)本のストライプ領域SAで隙間なく埋め尽くされた描画領域EAが描画されることになる。このように、異常線に代わって描画を補う第1代替線として、異常線と隣り合う荷電粒子線を用い、さらに第1代替線に代わって描画を補う第2代替線として、第1代替線と隣り合う荷電粒子線を用いることで、それぞれ偏向量を小さくすることができる。すなわち、複数の開口11a1からの荷電粒子線の中で、隣接する荷電粒子線による本来描画すべきであったストライプ領域SAの代替描画を少なくとも1回繰り返すことで、異常線の位置によらずに同様の補償を行うことができる。特に、この場合には、異常線の第2方向の位置に近い補償線を優先的に使用すれば、偏向される荷電粒子線の総数を少なくすることができる。偏向される荷電粒子線の総数を少なくすることで、結果的に、偏向により結像性能が変化し得る荷電粒子線の総数を予め少なくする、さらには、描画タイミングをずらす必要がある荷電粒子線の総数を予め少なくすることができる。
次に、描画装置1における描画制御の第5事例について説明する。図9は、図4に対応した、第5事例として第1荷電粒子線群中にそれぞれ第2方向で隣り合う複数の異常線52、53、54が存在する場合の描画補正時の様子を示す概略平面図である。本事例のような場合も、描画装置1は、第4事例での隣り合う荷電粒子線を用いた代替描画を応用することで、基板6上に(m×n)本のストライプ領域SAで隙間なく埋め尽くされた描画領域EAを描画可能である。以下、本事例での異常線52、53、54に対する代替線および補償線の対応関係を説明する。まず、第1異常線52に代わる描画は、第1異常線52の第2方向の図中左側で隣り合う第1荷電粒子線を偏向させた第1代替線55が行う。これに伴い、以下、第1荷電粒子線に代わる描画は、第1荷電粒子線の第2方向の図中左側で隣り合う第2荷電粒子線を偏向させた第2代替線56が行う。また、第2代替線56に代わる描画は、第2荷電粒子線の第2方向の図中左側で隣り合う第3荷電粒子線を偏向させた第3代替線57が行う。また、第3代替線57に代わる描画は、第3荷電粒子線の第2方向の図中左側で隣り合う第4荷電粒子線を偏向させた第4代替線58が行う。さらに、第4代替線58に代わる描画は、第4荷電粒子線の第2方向で対応した位置にある第1補償線59が行う。次に、第2異常線53に代わる描画は、第2異常線53の第2方向の図中左側で隣り合う予備開口11a2を通過した第5荷電粒子線を偏向させた第2補償線60が行う。そして、第3異常線54に代わる描画は、第3異常線54の第2方向の図中右側で隣り合う第5荷電粒子線を偏向させた第5代替線61が行う。これに伴い、第5荷電粒子線に代わる描画は、第5荷電粒子線の第2方向の図中右側で隣り合う予備開口11a2を通過した第6荷電粒子線を偏向させた第3補償線62が行う。ここで、本事例でも各描画タイミングをずらすことは、上記事例と同様である。このような描画制御によれば、異常線が複数存在している場合でも、各代替線および各補償線の第2方向の偏向量を可能な限り小さくすることができる。
次に、描画装置1における描画制御の第6事例について説明する。図10は、図4に対応した、第6事例として第1荷電粒子線群中に、異常線63に加えて偏向異常線64が存在する場合の描画補正時の様子を示す概略平面図である。異常線63は、異常なストライプ領域SAを描画しないように、上記のとおり基板6に対して予め遮蔽されることが望ましい。これに対して、図中四角で表記した偏向異常線64は、偏向さえ要しなければ上記使用条件を満たすため、偏向せずそのままの位置で描画を行ってもよい。本事例では、異常線63が存在するため、この異常線63に関しては、上記事例と同様に補償線65を用いて描画を補う。このとき、制御部8は、異常線63の描画を補う荷電粒子線を選択する際に、偏向異常線64を候補から除外する必要がある。これは、上記の各事例を第6事例に組み合わせることを想定すると、代替線となる前の荷電粒子線を選択する際も同様である。
このように、描画装置1は、第1荷電粒子線群の中に異常線が発生した場合に、補償線が補償すべき荷電粒子線と補償線との第1方向における相対位置に基づいて、補償線で描画を補償する。したがって、描画装置1は、異常線に代わる描画補正を、通常時の描画に合わせて実施することができるため、スループットへの影響を極力抑えることができる。なお、上記各事例にて例示した異常線の位置は、任意であり、異常線が(m×n)個の第1開口群のいずれで発生しても、上記各事例を組み合わせることで対応可能である。
以上のように、本実施形態によれば、異常な荷電粒子線を補償してスループットの点で有利な描画装置を提供することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る描画装置について説明する。図11は、本実施形態に係る描画装置70の構成を示す概略図である。なお、図11において、第1実施形態に係る描画装置1と同一構成のものには同一の符号を付し、説明を省略する。この描画装置70の特徴は、光学系5内に、第1実施形態に係る描画装置1にて存在していた第2偏向器アレイ15に対応する偏向器アレイを含みつつ、一方、第3偏向器アレイ17を含まない点にある。描画装置1にて第3偏向器アレイ17が本来実施していた、各サブビーム4sを第2方向に沿って像を描くように第1方向および第2方向に偏向走査させる動作を、描画装置70では、第2偏向器アレイ71が行う。この第2偏向器アレイ71は、第1実施形態での第3偏向器アレイ17の動作を兼ね、それに伴って、第2偏向器制御回路72は、第1実施形態での第3偏向器制御回路23を兼ねることになる。このように、描画装置70の構成を上記のように変更しても、第1実施形態と同様の効果を奏する。なお、図11では、第2偏向器アレイ71は、ブランキング絞り16の下流側で、かつ、対物レンズアレイ18の上流側手前に配置されているが、これは一例であり、変更可能である。
次に、本発明の第2実施形態に係る描画装置について説明する。図11は、本実施形態に係る描画装置70の構成を示す概略図である。なお、図11において、第1実施形態に係る描画装置1と同一構成のものには同一の符号を付し、説明を省略する。この描画装置70の特徴は、光学系5内に、第1実施形態に係る描画装置1にて存在していた第2偏向器アレイ15に対応する偏向器アレイを含みつつ、一方、第3偏向器アレイ17を含まない点にある。描画装置1にて第3偏向器アレイ17が本来実施していた、各サブビーム4sを第2方向に沿って像を描くように第1方向および第2方向に偏向走査させる動作を、描画装置70では、第2偏向器アレイ71が行う。この第2偏向器アレイ71は、第1実施形態での第3偏向器アレイ17の動作を兼ね、それに伴って、第2偏向器制御回路72は、第1実施形態での第3偏向器制御回路23を兼ねることになる。このように、描画装置70の構成を上記のように変更しても、第1実施形態と同様の効果を奏する。なお、図11では、第2偏向器アレイ71は、ブランキング絞り16の下流側で、かつ、対物レンズアレイ18の上流側手前に配置されているが、これは一例であり、変更可能である。
(物品の製造方法)
本発明の実施形態に係る物品の製造方法は、例えば、半導体デバイスなどのマイクロデバイスや微細構造を有する素子などの物品を製造するのに好適である。該製造方法は、感光剤が塗布された基板の該感光剤に上記の描画装置を用いて潜像パターンを形成する工程(基板に描画を行う工程)と、該工程で潜像パターンが形成された基板を現像する工程とを含み得る。さらに、該製造方法は、他の周知の工程(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージングなど)を含み得る。本実施形態の物品の製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
本発明の実施形態に係る物品の製造方法は、例えば、半導体デバイスなどのマイクロデバイスや微細構造を有する素子などの物品を製造するのに好適である。該製造方法は、感光剤が塗布された基板の該感光剤に上記の描画装置を用いて潜像パターンを形成する工程(基板に描画を行う工程)と、該工程で潜像パターンが形成された基板を現像する工程とを含み得る。さらに、該製造方法は、他の周知の工程(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージングなど)を含み得る。本実施形態の物品の製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
1 描画装置
4 荷電粒子線
6 基板
7 基板ステージ
8 制御部
14 ブランキング偏向器アレイ
4 荷電粒子線
6 基板
7 基板ステージ
8 制御部
14 ブランキング偏向器アレイ
Claims (13)
- 第1方向に走査される基板に荷電粒子線で描画を行う描画装置であって、
第1荷電粒子線群および第2荷電粒子線群に含まれる複数の荷電粒子線を個別に遮蔽可能な遮蔽部と、
前記基板を保持して前記第1方向に可動の保持部と、
制御部と、を有し、
前記制御部は、前記第1荷電粒子線群の中に条件を満たさない異常線が存在する場合、該異常線の遮蔽と、前記異常線の遮蔽を補償するための前記第2荷電粒子線群のうちの補償線の通過とを、前記遮蔽部に行わせ、かつ、前記補償線が補償すべき荷電粒子線と前記補償線との前記第1方向における相対位置に基づいて前記補償線での描画を制御する、
ことを特徴とする描画装置。 - 前記複数の荷電粒子線を前記基板上において前記第1方向とは直交する第2方向に個別に移動可能な偏向器アレイを有し、
前記制御部は、前記補償線が補償すべき荷電粒子線の前記第2方向における位置に前記補償線が位置するように前記偏向器アレイを制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の描画装置。 - 前記第1荷電粒子線群は、前記第2方向に沿って第2間隔で配置された荷電粒子線を含む行を、前記第1方向に沿って第1間隔で複数含み、かつ、前記複数の行は、各行の先頭の荷電粒子線の前記第2方向における位置が前記第2間隔より小さい第3間隔ずつずれて配列され、
前記第2荷電粒子線群は、前記第1方向において前記第1荷電粒子線群の隣りに配列されている、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の描画装置。 - 前記第2荷電粒子線群は、前記第2方向に沿って第4間隔で配置された荷電粒子線を含む、ことを特徴とする請求項3に記載の描画装置。
- 前記制御部は、前記異常線の前記第2方向における位置に前記第1荷電粒子線群のうちの代替線が位置するように前記偏向器アレイを制御し、前記異常線と前記代替線との前記第1方向における相対位置に基づいて前記代替線での描画を制御し、
前記補償線が前記代替線を補償するように前記偏向器アレイを制御し、前記代替線と前記補償線との前記第1方向における相対位置に基づいて前記補償線での描画を制御する、
ことを特徴とする請求項2に記載の描画装置。 - 前記制御部は、第1代替線としての前記代替線を前記第1荷電粒子線群のうちの第2代替線が代替するように前記偏向器アレイを制御し、前記第1代替線と前記第2代替線との前記第1方向における相対位置に基づいて前記第2代替線での描画を制御する、ことを特徴とする請求項5に記載の描画装置。
- 前記制御部は、前記異常線との前記第2方向における相対位置に基づいて、前記補償線または前記代替線となる荷電粒子線を選択する、ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の描画装置。
- 前記制御部は、前記第1方向における前記保持部の移動速度にさらに基づいて、前記補償線または前記代替線での描画を制御する、ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の描画装置。
- 前記保持部の前記第1方向に沿った移動と同期して、前記基板に入射する複数の荷電粒子線を前記第2方向に沿って走査させる走査偏向器を有する、ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の描画装置。
- 前記偏向器アレイは、さらに、前記保持部の前記第1方向に沿った移動と同期して、前記基板に入射する複数の荷電粒子線を前記第2方向に沿って走査させる、ことを特徴とする請求項2に記載の描画装置。
- 前記制御部は、前記偏向器アレイによる偏向に異常を有する偏向異常線を前記補償線または前記代替線の候補から除外する、
ことを特徴とする請求項5に記載の描画装置。 - 前記遮蔽部は、前記第1荷電粒子線群および前記第2荷電粒子線群に含まれる複数の荷電粒子線を個別に偏向してブランキングするブランキング偏向器アレイを含む、ことを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の描画装置。
- 請求項1ないし12のいずれか1項に記載の描画装置を用いて基板に描画を行う工程と、
前記工程で描画を行われた基板を現像する工程と、
を含むことを特徴とする物品の製造方法。
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