JP2014005385A - ポリアセタール樹脂組成物 - Google Patents

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Masayuki Nagai
雅之 永井
Kunihiko Fujimoto
邦彦 藤本
Hidetoshi Nawata
英俊 縄田
Makoto Nihei
誠 二瓶
Yasuo Oki
康雄 沖
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Abstract

【課題】ホルムアルデヒドの発生及び成形加工時の金型の汚染を十分に抑制できるポリアセタール樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対して(B)下記式(1)で表される化合物が0.05〜5質量部配合されているポリアセタール樹脂組成物。
Figure 2014005385

(上記式(1)中、mは0又は1を表し、nは正の整数を表す。Rは(m+n)価の基であって、炭素数1〜40の脂肪族炭化水素基等を表す。Rは、一価の基であって、炭素数1〜40の脂肪族炭化水素基等を表す。Yは、ヒドラジド残基を表す。
【選択図】なし

Description

本発明はポリアセタール樹脂組成物に関する。
エンジニアリングプラスチックスのポリアセタール樹脂は、優れた機械的性質、摺動特性、摩擦・磨耗特性、耐熱性、成形加工性などを有している。このため、ポリアセタール樹脂を含むポリアセタール樹脂組成物は、自動車、OA機器などの各種機械部品や電気部品等に広く用いられている。
ところが、ポリアセタール樹脂は、その主原料にホルムアルデヒドを使用するため、加工成形時等における熱履歴によって僅かながら熱分解反応を起こし、極めて微量ながらもホルムアルデヒドを発生させる。ここで、ホルムアルデヒドは、シックハウス症候群等を引き起こす可能性があるとされているため、ホルムアルデヒドの発生を十分に抑制できるポリアセタール樹脂組成物が求められている。
このようなポリアセタール樹脂組成物として、下記特許文献1に開示されるものが知られている。下記特許文献1では、ポリアセタール樹脂に、ヒドラジド化合物およびイソシアネート化合物を配合したポリアセタール樹脂組成物により、成形品からのホルムアルデヒドの発生量を抑制することが提案されている。
特開2008−156489号公報
しかし、特許文献1記載のポリアセタール樹脂組成物は、ホルムアルデヒドの発生を抑制する点で未だ改善の余地があった。
また、ポリアセタール樹脂組成物を成形加工する際には金型が使用される。このとき、金型は、成形加工時の熱分解反応によって生成される化合物の付着により汚染されることがある。この汚染された金型を用いて繰り返し成形品を製造すると、金型に付着した付着物が、後に成形される成形品に異物として転写され、最悪の場合、成形品を廃棄することが必要となる。成形品の廃棄は成形品の歩留まり低下につながるため、ポリアセタール樹脂組成物は、金型の汚染を十分に抑制できるものであることが望ましい。
このため、ホルムアルデヒドの発生を十分に抑制でき、且つ成形加工時の金型の汚染を十分に抑制できるポリアセタール樹脂組成物が望まれていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ホルムアルデヒドの発生を十分に抑制でき、且つ成形加工時の金型の汚染を十分に抑制できるポリアセタール樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、ポリアセタール樹脂に対し、ヒドラジン部位とアミド結合とを有し且つ末端が炭化水素基等である基を含む化合物を特定の割合で配合させることにより、ホルムアルデヒドの発生及び成形加工時の金型の汚染を十分に抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対して(B)下記式(1)で表される化合物が0.05〜5質量部配合されているポリアセタール樹脂組成物である。
Figure 2014005385
(前記式(1)中、mは0又は1を表し、nは正の整数を表す。Rは(m+n)価の基であって、炭素数1〜40の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜40の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基、炭素数2〜5の複素環基、又は、−CZ−CZ−を構成単位として含むポリマーの主鎖を表す。m=1、n=1である場合、Rは単結合であってもよい。m=0、n=1である場合、Rは水素原子であってもよい。Z〜Zはそれぞれ独立に、単結合、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、Z〜Zのうち少なくとも1つは単結合を表す。Rは、一価の基であって、炭素数1〜40の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜40の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基、炭素数2〜5の複素環基又は下記式(1−A)で表される基を表す。Yは、下記式(1−B)で表される基を表す。)
Figure 2014005385
(前記式(1−A)中、Rは、二価の基であって、炭素数1〜40の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜10の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基、炭素数2〜5の複素環基を表す。またRは、一価の基であって、炭素数1〜40の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜40の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基、炭素数2〜5の複素環基を表す。)
Figure 2014005385
本発明のポリアセタール樹脂組成物によれば、ホルムアルデヒドの発生及び成形加工時の金型の汚染を十分に抑制できる。
上記効果が得られる理由については定かではないが、本発明者は以下のように推測している。
ポリアセタール樹脂組成物を成形加工するために加熱溶融させると、ポリアセタール樹脂において一部熱分解反応が起こり、ホルムアルデヒドが発生する。そして、発生したホルムアルデヒドは、ポリアセタール樹脂組成物中の上記式(1)で表される化合物と反応することにより消費される。このとき、Rが水素原子ではなく、炭化水素基等で構成されることで、ヒドラジド化合物およびイソシアネート化合物をポリアセタール樹脂に別々に添加する場合と比較してホルムアルデヒドと化合物(B)との反応性が高まり、その結果、ポリアセタール樹脂組成物からのホルムアルデヒドの発生が十分に抑制される。また上記式(1)で表される化合物とホルムアルデヒドとの反応による生成物は、成形加工時にポリアセタール樹脂組成物からブリードアウトしにくい、あるいはブリードアウトしても金型に付着しにくい。
その結果、本発明のポリアセタール樹脂組成物によれば、ホルムアルデヒドの発生及び成形加工時の金型の汚染を十分に抑制できるのではないかと本発明者は推測している。
上記ポリアセタール樹脂組成物においては、前記式(1)で表される化合物がヒドラジド化合物とイソシアネート化合物との付加物であることが好ましい。
この場合、式(1)で表される化合物が上記付加物以外のものである場合に比べて、より容易に製造することが可能となる。
また、上記ポリアセタール樹脂組成物においては、前記式(1)で表される化合物が下記一般式(2)〜(4)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
Figure 2014005385
Figure 2014005385
Figure 2014005385
(前記式(2)〜(4)中、R及びR12は、式(1)におけるRと同義であり、前記式(4)においては互いに同一でも異なっていてもよい。R11は、一価の基であって、水素原子、炭素数1〜40の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜40の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基又は炭素数2〜5の複素環基を表す。R21は、二価の基であって、単結合、炭素数1〜40の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜10の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基又は炭素数2〜5の複素環基を表す。)
この場合、ホルムアルデヒドの発生及び成形加工時の金型の汚染をより効果的に抑制できる。
前記式(2)〜(4)において、R及びR12がそれぞれ炭素数1〜40の脂肪族炭化水素基であることが好ましい。
式(2)〜(4)において、R及びR12が炭素数1〜40の脂肪族炭化水素基であると、R及びR12が炭素数1〜40の脂肪族炭化水素基以外の基である場合に比べて、R及びR12による立体障害がより小さくなるため、式(2)〜(4)で表される化合物のホルムアルデヒドに対する反応性がより高くなり、ホルムアルデヒドの発生をさらに効果的に抑制できる。
上記ポリアセタール樹脂組成物においては、前記ポリアセタール樹脂100質量部に対して熱安定剤(C)が0.01〜3質量部配合されていることが好ましい。
この場合、熱安定剤(C)の配合量が0.01質量部未満である場合に比べて、ポリアセタール樹脂の熱分解がより効果的に抑制され、ホルムアルデヒドの発生がより効果的に抑制される。また熱安定剤(C)の配合量が3質量部を超える場合に比べて、ポリアセタール樹脂組成物の機械特性をより向上させることができる。
前記熱安定剤(C)は、ヒンダードフェノール化合物およびトリアジン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の熱安定剤であることが好ましい。
この場合、ポリアセタール樹脂組成物の劣化が効果的に抑制される。
上記ポリアセタール樹脂組成物においては、前記ポリアセタール樹脂100質量部に対して離型剤(D)が0.01〜3質量部配合されることが好ましい。
この場合、離型剤(D)の配合量が0.01質量部未満である場合に比べて、成形加工時の金型の汚染がより効果的に抑制される。また離型剤(D)の配合量が3質量部を超える場合に比べて、ポリアセタール樹脂組成物の機械特性をより向上させることができる。
前記離型剤(D)は、ポリエチレン、シリコーンオイル、脂肪酸、脂肪酸エステルおよび脂肪酸金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の離型剤であることが好ましい。
この場合、成形加工時の金型の汚染がさらに効果的に抑制される。
上記ポリアセタール樹脂組成物においては、ポリアセタール樹脂100質量部に対して耐侯安定剤(E)が0.01〜3質量部配合されることが好ましい。
この場合、耐侯安定剤(E)の配合量が0.01質量部未満である場合に比べて、ポリアセタール樹脂組成物の劣化が十分に抑制される。また耐侯安定剤(E)の配合量が3質量部を超える場合に比べて、ポリアセタール樹脂組成物の機械特性をより向上させることができる。
上記ポリアセタール樹脂組成物においては、前記ヒンダードアミン系光安定剤が下記一般式(5)で示されるヒンダードアミン系光安定剤であることが好ましい。
Figure 2014005385
(前記式(5)中、Rは窒素原子との結合部が炭素原子である有機基、Xは酸素原子若しくは窒素原子を介してピペリジル基の4−位と結合する有機基又は水素原子を表す。)
この場合、ポリアセタール樹脂組成物の劣化がさらに効果的に抑制される。
本発明によれば、ホルムアルデヒドの発生を十分に抑制でき、且つ成形加工時の金型の汚染を十分に抑制できるポリアセタール樹脂組成物を提供することができる。
B−3のH−NMRスペクトルを示すグラフである。 B−4のH−NMRスペクトルを示すグラフである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対して(B)下記式(1)で表される化合物が0.05〜5質量部配合されているポリアセタール樹脂組成物である。
Figure 2014005385
上記式(1)中、mは0又は1を表し、nは正の整数を表す。Rは(m+n)価の基であって、炭素数1〜40の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜40の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基、炭素数2〜5の複素環基、又は、−CZ−CZ−を構成単位として含むポリマーの主鎖を表す。m=1、n=1である場合、Rは単結合であってもよい。m=0、n=1である場合、Rは水素原子であってもよい。Z〜Zはそれぞれ独立に、単結合、水素原子又は1〜10のアルキル基を表し、Z〜Zのうち少なくとも1つは単結合を表す。Rは、一価の基であって、炭素数1〜40の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜10の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基、炭素数2〜5の複素環基又は下記式(1−A)で表される基を表す。Yは、下記式(1−B)で表される基を表す。
Figure 2014005385
上記式(1−A)中、Rは、二価の基であって、炭素数1〜40の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜40の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基又は炭素数2〜5の複素環基を表す。またRは、一価の基であって、炭素数1〜40の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜40の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基又は炭素数2〜5の複素環基を表す。
Figure 2014005385
このポリアセタール樹脂組成物によれば、ホルムアルデヒドの発生及び成形加工時の金型の汚染を十分に抑制することができる。
次に、本発明のポリアセタール樹脂組成物に用いられるポリアセタール樹脂(A)及び化合物(B)について詳細に説明する。
(A)ポリアセタール樹脂
本発明のポリアセタール樹脂組成物に用いられるポリアセタール樹脂は特に限定されるものではなく、二価のオキシメチレン基のみを構成単位として含むホモポリマーであっても、二価のオキシメチレン基と、炭素数が2〜6の二価のオキシアルキレン基とを構成単位として含むコポリマーであってもよい。
炭素数が2〜6のオキシアルキレン基としては、例えばオキシエチレン基、オキシプロピレン基、及び、オキシブチレン基などが挙げられる。
ポリアセタール樹脂においては、オキシメチレン基および炭素数2〜6のオキシアルキレン基の総モル数に占める炭素数2〜6のオキシアルキレン基の割合は特に限定されるものではなく、たとえば0.5〜10モル%であればよい。
上記ポリアセタール樹脂を製造するためには通常、主原料としてトリオキサンが用いられる。また、ポリアセタール樹脂中に炭素数2〜6のオキシアルキレン基を導入するには、例えば環状ホルマールや環状エーテルを用いることができる。環状ホルマールの具体例としては、例えば1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキセパン、1,3−ジオキソカン、1,3,5−トリオキセパン、1,3,6−トリオキソカン等が挙げられ、環状エーテルの具体例としては、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシドおよびブチレンオキシド等が挙げられる。ポリアセタール樹脂(A)中にオキシエチレン基を導入するには、例えば1,3−ジオキソランを用いればよく、オキシプロピレン基を導入するには、1,3−ジオキサンを用いればよく、オキシブチレン基を導入するには、1,3−ジオキセパンを導入すればよい。
(B)化合物
本発明のポリアセタール樹脂組成物に配合される化合物(B)は、上記式(1)で表される化合物である。
上記式(1)において、nは、正の整数であればよいが、Rが、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基又は複素環基を表す場合には、nは通常、1〜4の整数である。Rが、−CZ−CZ−を構成単位として含むポリマーの主鎖を表す場合には、nは通常、ポリマーの主鎖に含まれる−CZ−CZ−の全構成単位数における単結合の数の合計と同一である。
上記式(1)において、Rで表される脂肪族炭化水素基は、飽和又は不飽和であってもよく、直鎖状又は分岐状であってもよい。
例えばm+nが1である場合、脂肪族炭化水素基は一価の脂肪族炭化水素基となり、m+nが2である場合、二価の脂肪族炭化水素基となる。
一価の脂肪族炭化水素基の具体例としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、ウンデシル基、n−ドデシル基、n−ヘキサデシル基、n−エイコシル基、n−トリアコンチル基、n−テトラコンチル基などの直鎖アルキル基、i−プロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基などの分岐状アルキル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基などのアルケニル基、エチニル基、2−プロピニル基などのアルキニル基が挙げられる。
二価の脂肪族炭化水素基の具体例としては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、へキシレン基、デシレン基などのアルキレン基が挙げられる。
上記式(1)において、Rで表される脂環式炭化水素基は、飽和又は不飽和であってもよい。例えばm+nが1である場合、脂環式炭化水素基は一価の脂環式炭化水素基となり、m+nが2である場合、二価の脂環式炭化水素基となる。
一価の脂環式炭化水素基としては、炭素数3〜40のシクロアルキル基およびシクロアルケニル基などが挙げられる。シクロアルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基、シクロドデシル基、シクロヘキサデシル基、シクロエイコシル基、シクロトリアコンチル基、シクロテトラコンチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。シクロアルケニル基としては、例えば1−シクロヘキセニル基などが挙げられる。
二価の脂環式炭化水素基としては、炭素数3〜18のシクロアルキレン基などが挙げられる。
上記式(1)において、Rで表される芳香族炭化水素基は、m+nが1である場合、一価の芳香族炭化水素基となり、m+nが2である場合、二価の芳香族炭化水素基となる。
一価の芳香族炭化水素基の具体例としては、例えばフェニル基及びナフチル基などのアリール基が挙げられる。
二価の芳香族炭化水素基としては、例えばフェニレン基及びナフチレン基などのアリーレン基が挙げられる。
芳香族炭化水素基の炭素原子の少なくとも一部に置換基が結合していてもよい。この置換基としては、例えばハロゲン基、ニトロ基、炭素数1〜40のアルキル基などが挙げられる。
上記式(1)において、Rで表される複素環基は、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含んでいる(m+n)価の基であり、複素環化合物の任意の炭素原子から(m+n)個の水素原子を除去してなるものである。このような複素環化合物としては、例えば、ピペリジン、ピペラジン、ピリジン、トリアジン、イミダゾール、ピロール、カルバゾール、ピロリジン、ルミノール、ウラシル、クレアチン、尿素環、ラクタム、イソニアジド等の窒素原子を含む複素環化合物、フラン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のヘテロ原子として酸素原子のみを含む複素環化合物、チオフェン等の硫黄原子を含む複素環化合物などが挙げられる。中でも、窒素原子を含む複素環基が特に好ましい。この場合、化合物(B)とホルムアルデヒドとの反応性がより高くなり、ホルムアルデヒドの発生をさらに効果的に抑制できる。
上記式(1)において、Rで表されるポリマーの主鎖は、−CZ−CZ−を構成単位として含む主鎖であればよい。ここで、Z〜Zはそれぞれ独立に、単結合、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、Z〜Zのうち少なくとも1つは単結合を表す。この単結合に一般式(1)の−C(O)NHCONHR及びYが結合される。このようなポリマーの主鎖をRとして含むヒドラジド化合物の具体例としては、例えばポリ(メタクリル酸−2−メチルヒドラジド)、ポリ(アクリル酸−2−メチルヒドラジド)及びポリ(エチレンエチルアクリル酸ヒドラジド)等が挙げられる。
上記式(1−A)において、Rで表される脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基は、式(1)において、Rで表される二価の脂肪族炭化水素基、二価の脂環式炭化水素基、二価の芳香族炭化水素基、二価の複素環基と同様である。また上記式(1−A)において、Rで表される脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基は、式(1)において、Rで表される一価の脂肪族炭化水素基、一価の脂環式炭化水素基、一価の芳香族炭化水素基、一価の複素環基と同様である。
上記化合物(B)は、ヒドラジド化合物とイソシアネート化合物との付加物であることが好ましい。この場合、化合物(B)が上記付加物以外のものである場合に比べて、より容易に製造することが可能となる。
上記化合物は、下記式(2)〜(4)で示される化合物であることが好ましい。
Figure 2014005385
Figure 2014005385
Figure 2014005385
ここで、式(2)で表される化合物は、式(1)においてm=0、n=1、RをR11とした化合物であり、式(3)で表される化合物は、式(1)においてm=1、n=1、RをR21とした化合物であり、式(4)で表される化合物は、式(1)においてm=0、n=2、RをR21とした化合物である。
上記式(2)〜(4)中、R及びR12は、式(1)におけるRと同義であり、上記式(4)においては互いに同一でも異なっていてもよい。R11は、一価の基であって、水素原子、炭素数1〜40の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜40の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基又は炭素数2〜5の複素環基を表す。R21は、二価の基であって、単結合、炭素数1〜40の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜40の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基又は炭素数2〜5の複素環基を表す。
この場合、ホルムアルデヒドの発生及び成形加工時の金型の汚染をより効果的に抑制できる。
式(2)〜(4)において、R11又はR21で表される脂肪族炭化水素基は、炭素数が5〜20であることが好ましく、6〜15であることがより好ましい。
式(2)〜(4)において、R11又はR21で表される脂環式炭化水素基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、6〜10であることがより好ましい。
式(2)〜(4)において、R及びR12が炭素数1〜40の脂肪族炭化水素基であることが好ましい。
式(2)〜(4)において、R及びR12が炭素数1〜40の脂肪族炭化水素基であると、R及びR12が炭素数1〜40の脂肪族炭化水素基以外の基である場合に比べて、R及びR12による立体障害がより小さくなるため、上記化合物のホルムアルデヒドに対する反応性がより高くなり、ホルムアルデヒドの発生をさらに効果的に抑制できる。
ここで、脂肪族炭化水素基は、直鎖アルキル基であることが好ましい。
この場合、上記式(2)〜(4)で表される化合物とホルムアルデヒドとの反応性がより高くなり、ホルムアルデヒドの発生がより効果的に抑制される。
また脂肪族炭化水素基が直鎖アルキル基である場合に、脂肪族炭化水素基の炭素数はより好ましくは1〜20であり、さらに好ましくは1〜15である。
上記式(2)〜(4)で表される化合物は1種類が単独で配合されても、2種類以上が組み合わせて配合されてもよい。
上記(2)〜(4)で表される化合物のうち、上記式(3)で表される化合物が好ましい。
この場合、式(2)又は(4)で表される化合物を用いる場合と比べて、化合物(3)で表される化合物とホルムアルデヒドとの反応性をより高くすることができ、ホルムアルデヒドの発生をより十分に抑制できる。
化合物(B)の配合量は、ポリアセタール樹脂100質量部に対して0.05〜5質量部である。化合物(B)の配合量が0.05質量部未満である場合、ホルムアルデヒドの発生を十分に抑制できない。また、化合物(B)の配合量が5質量部以上である場合、成形加工時にブリードアウトが発生し、金型が汚染される。
化合物(B)の配合量は、0.07〜4質量部であることが好ましく、0.1〜3質量部であることがより好ましい。
次に、上記式(1)で表される化合物の製造方法について説明する。
式(1)で表される化合物は、例えばヒドラジド化合物とイソシアネート化合物とを付加させることにより合成することができる。以下、詳細に説明する。
上記イソシアネート化合物は、特に限定されるものではないが、一価又は二価の直鎖飽和イソシアネートが好ましく用いられる。
上記イソシアネート化合物の具体例としては、イソシアン酸メチル、イソシアン酸エチル、イソシアン酸プロピル、イソシアン酸ブチル、イソシアン酸へキシル、イソシアン酸オクチル、イソシアン酸デシル、イソシアン酸ドデシル、イソシアン酸ヘキサデシル、イソシアン酸オクタデシル、イソシアン酸エイコシル、メタクリル酸2−イソシアネートエチル、フェニルイソシアネートなどの一価のイソシアネート化合物、メチレンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、ヘキサデカメチレンジイソシアネート、エイコサメチレンジイソシアネート、メチレンビス(4,1−シクロヘキサンジイル)ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイルジイソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイルジイソシアネートなどの二価イソシアネート化合物などが挙げられる。
上記ジイソシアネート化合物の使用量は、得ようとする化合物の種類によって以下のように調節される。
一価のヒドラジド化合物1分子と、一価のイソシアネート化合物1分子の縮合化合物を得る場合、イソシアネート化合物の使用量はヒドラジド1モルに対して1モルとすればよい。
一価のヒドラジド化合物2分子と、二価のイソシアネート化合物1分子の付加化合物を得る場合、イソシアネート化合物の使用量はヒドラジド1モルに対して0.5モルとすればよい。
二価のヒドラジド化合物1分子と、一価のイソシアネート化合物1分子の付加化合物を得る場合、イソシアネート化合物の使用量はヒドラジド1モルに対して1モルとすればよい。
二価のヒドラジド化合物1分子と、一価のイソシアネート化合物2分子の付加化合物を得る場合、イソシアネート化合物の使用量はヒドラジド1モルに対して2モルとすればよい。
ヒドラジド化合物とイソシアネート化合物との付加反応に使用される溶媒としては、例えばN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。中でも、N,N−ジメチルアセトアミドが好ましく用いられる。
ヒドラジド化合物とイソシアネート化合物との付加反応に際しては、ヒドラジド化合物とイソシアネート化合物は両方の成分を予め反応容器に仕込んで反応させて反応溶液を得てもよいし、片方の成分を仕込んだ反応溶液にもう片方の成分を滴下しながら反応させてもよいが、ヒドラジド化合物を仕込んだ反応溶液にイソシアネート化合物を滴下しながら反応させて反応溶液を得ることが好ましい。イソシアネート化合物が固体である場合は、上記溶媒に溶解させた溶液を滴下すればよい。反応は空気雰囲気下で行っても、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。また、反応は常圧で行っても、減圧下で行っても、加圧下で行ってもよい。反応温度は20〜80℃であることが好ましい。一方の反応成分又はその溶液を他方の反応成分に滴下する場合、反応成分又はその溶液の滴下速度は通常、ヒドラジド化合物1モルあたり0.1モル/時間〜1モル/時間である。
反応終了後、反応溶液を室温以下に冷却し、必要ならば貧溶媒を加えて化合物の結晶を析出させ、ろ過、溶媒洗浄し、必要ならば更に抽出、濃縮、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の公知の精製方法で精製して化合物を得ることができる。
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、必要に応じ、熱安定剤(C)、離型剤(D)および耐候安定剤(E)のうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。以下、熱安定剤(C)、離型剤(D)および耐候安定剤(E)について詳細に説明する。
(C)熱安定剤
熱安定剤は特に限定されるものではないが、熱安定剤としては、ヒンダードフェノール化合物又はトリアジン化合物が好ましく用いられる。これらは1種類単独で配合しても、2種類以上を組み合わせて配合してもよい。この場合、ホルムアルデヒドの発生がさらに効果的に抑制される。
ヒンダードフェノール(立体障害性フェノール)化合物とは、下記一般式(6)で表されるフェノール性水酸基に対するオルト位に置換基を有する構造を分子内に少なくとも一個有する化合物をいう。
Figure 2014005385
上記式(6)において、R及びRは各々独立して、置換又は非置換のアルキル基を表す。
、Rが示すアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基等の炭素数1〜6のものが挙げられる。なかでもt−ブチル基のような嵩高い分岐アルキル基が好ましく、R、Rのうちの少なくとも一つはこのような分岐アルキル基であることが好ましい。置換アルキル基としては、非置換アルキル基の水素原子を塩素等のハロゲン原子で置換したものを用いることができる。
本発明に用いるヒンダードフェノール化合物としては、例えば2,2'−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'−メチレン−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルジメチルアミン、ジステアリル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、2,6,7−トリオキサ−1−ホスファ−ビシクロ〔2,2,2〕−オクト−4−イル−メチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル−3,5−ジステアリル−チオトリアジルアミン、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,6−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、N,N'−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリトール−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,2'−チオジエチル−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕等が挙げられる。
これらのなかでも好ましいのは、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)のような下記一般式(7)で表される構造を有する化合物である。
Figure 2014005385
一般式(7)において、R及びRは、それぞれ、一般式(6)のR及びRと同義である。
また、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリトール−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,2'−チオジエチル−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕等のような、3−位に3,5−ジアルキルー4−ヒドロキシフェニル基を有するプロピオン酸と多価アルコールのエステルも好ましい。
上記トリアジン化合物とは、基本的には、下記一般式(8)で表される構造を有する置換トリアジン類、または該置換トリアジン類とホルムアルデヒドとの初期重縮合物である。
Figure 2014005385
上記一般式(8)において、R、R10、R11はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、アルキル基、アラルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アミノ基または置換アミノ基を表し、その少なくとも一つは、アミノ基、または置換アミノ基を表す。
アミノ置換トリアジン化合物、または、アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドとの初期重縮合物の具体例としては、例えばグアナミン、メラミン、N−ブチルメラミン、N−フェニルメラミン、N,N−ジフェニルメラミン、N,N−ジアリルメラミン、N,N’,N”−トリフェニルメラミン、N,N’,N”−トリメチロールメラミン、ベンゾグアナミン、2,4−ジアミノ−6−メチル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ブチル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ベンジルオキシ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ブトキシ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−シクロヘキシル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−クロロ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メルカプト−sym−トリアジン、アメリン(N,N,N’,N’−テトラシアノエチルベンゾグアナミン)、または、それらとホルムアルデヒドとの初期重縮合物等が挙げられる。中でも、メラミン、メチロールメラミン、ベンゾグアナミン、水溶性メラミン−ホルムアルデヒド樹脂が特に好ましい。
熱安定剤(C)の配合量はポリアセタール樹脂100質量部に対して0.01〜3質量部であることが好ましく、0.05〜2質量部であることがより好ましく、0.1〜1質量部であることがさらに好ましい。熱安定剤(C)の配合量が0.01〜3質量部である場合、熱安定剤(C)の配合量が0.01質量部未満である場合に比べて、ポリアセタール樹脂の熱分解がより効果的に抑制され、ホルムアルデヒドの発生がより効果的に抑制される。また熱安定剤(C)の配合量が3質量部を超える場合に比べて、ポリアセタール樹脂組成物の機械特性をより向上させることができる。
(D)離型剤
離型剤(D)は特に限定されるものではないが、離型剤(D)としては、ポリエチレン、シリコーンオイル、脂肪酸、脂肪酸エステル又は脂肪酸金属塩が好ましく用いられる。これらは1種類単独で配合しても、2種類以上を組み合わせて配合してもよい。この場合、成形加工時の金型の汚染がさらに効果的に抑制される。
ポリエチレンとしては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリエチレン共重合体、これらを酸化変性又は酸変性することによって極性基を導入した変性ポリエチレンワックスなどが挙げられる。ポリエチレンの数平均分子量は、好ましくは500〜15000であり、より好ましくは1000〜10000である。
低分子量ポリエチレン及び低分子量ポリエチレン共重合体等のポリエチレンワックスは、エチレン又はエチレンとα−オレフィンとをチーグラー触媒などで直接重合する方法、高分子量ポリエチレンあるいは共重合体製造時の副成物として得る方法、高分子量ポリエチレンあるいは共重合体を熱分解する方法等により製造することができる。こうしたポリエチレンワックスとしては、エチレン50〜99モル%とα−オレフィン1〜50モル%との共重合体型ポリエチレンワックスが好ましく、特に好ましいポリエチレンワックスは、α−オレフィンがポリプロピレンであるポリエチレンワックスである。
酸化変性ポリエチレンワックスは、ポリエチレンワックスをパーオキシドや酸素などで処理してカルボキシル基や水酸基等の極性基を導入したものである。酸変性ポリエチレンワックスは、必要と有ればパーオキシドや酸素の存在下に、無機酸、有機酸あるいは不飽和カルボン酸等で処理することにより、カルボキシル基やスルホン酸基等の極性基を導入したものである。これらのポリエチレンワックス類は、一般型高密度ポリエチレンワックス、一般型低密度ポリエチレンワックス、低酸化型ポリエチレンワックス、高酸化型ポリエチレンワックス、酸変性型ポリエチレンワックスあるいは特殊モノマー変性型などの名称で市販されており、容易に入手することができる。
シリコーンオイルとしては、例えば、ポリジメチルシロキサンからなるシリコーンオイル、ポリジメチルシロキサンのメチル基の一部がフェニル基に置換されたシリコーンオイル、ポリジメチルシロキサンのメチル基の一部が水素や炭素数2以上のアルキル基に置換されたシリコーンオイル、ポリジメチルシロキサンのメチル基の一部がハロゲン化フェニル基に置換されたシリコーンオイル、ポリジメチルシロキサンのメチル基の一部がフルオロエステル基に置換されたシリコーンオイル、エポキシ基を有するポリジメチルシロキサンのようなエポキシ変性シリコーンオイル、アミノ基を有するポリジメチルシロキサンのようなアミノ変性シリコーンオイル、ジメチルシロキサンとフェニルメチルシロキサンのようなアルキルアラルキルシリコーンオイル、ジメチルシロキサン単位のメチル基の一部がポリエーテルに置換された構造を有するポリジメチルシロキサンのようなポリエーテル変性シリコーンオイル、ジメチルシロキサン単位のメチル基の一部がポリエーテルに置換されたジメチルシロキサンとフェニルメチルシロキサンとのポリマーのようなアルキルアラルキルポリエーテル変性シリコーンオイル等が挙げられる。
脂肪酸としては、炭素数12以上の飽和又は不飽和脂肪酸が挙げられる。脂肪酸の例としては、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、セトレイン酸、エルカ酸等が挙げられる。脂肪酸は、好ましくは炭素数12〜22の飽和脂肪酸である。
脂肪酸エステルとしては、炭素数5〜32の脂肪酸と炭素数2〜30の一価もしくは多価アルコールとの脂肪酸エステルが挙げられる。脂肪酸としては、カプロン酸、カプリル酸、ウンデシル酸、ラウリル酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチル酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸等の飽和脂肪酸、あるいはオレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、プラジシン酸、エルカ酸、リシノール酸などの不飽和脂肪酸などが挙げられる。アルコールとしては、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、オクチルアルコール、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールなどの一価アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビタン等の多価アルコールが挙げられる。脂肪酸エステルは、好ましくは、炭素数12〜22の脂肪酸と炭素数2〜22の一価もしくは多価アルコールとの脂肪酸エステルである。
脂肪酸金属塩は、高級脂肪酸と金属との塩であり、高級脂肪酸としては、ステアリン酸、オレイン酸、オクタン酸、ラウリル酸、べへニン酸、リシノレイン酸等が挙げられる。金属としては、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅等が挙げられる。
離型剤(D)の配合量はポリアセタール樹脂100質量部に対して0.01〜3質量部であることが好ましく、0.05〜2.5質量部であることがより好ましく、0.05〜2質量部であることがさら好ましい。離型剤(D)の配合量がポリアセタール樹脂100質量部に対して0.01〜3質量部である場合、離型剤(D)の配合量が0.01質量部未満である場合に比べて、成形加工時の金型の汚染がより効果的に抑制される。また離型剤(D)の配合量が3質量部を超える場合に比べて、ポリアセタール樹脂組成物の機械特性をより向上させることができる。
(E)耐侯安定剤
本発明のポリアセタール樹脂組成物には、さらに耐侯安定剤が配合されることが好ましい。この場合、ホルムアルデヒドの発生をより効果的に抑制できる。耐侯安定剤としては、光安定剤又は紫外線吸収剤が好ましく用いられる。光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤が好ましく用いられ、特に下記一般式(5)で表されるものが好ましく用いられる。
Figure 2014005385
上記式(5)中、Rは窒素原子との結合部が炭素原子である有機基、Xは、酸素原子若しくは窒素原子を介してピペリジル基の4−位と結合する有機基、又は水素原子を表す。
としては、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基等が挙げられる。このようなアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等が挙げられる。中でもメチル基が好ましい。
好ましいヒンダードアミン系光安定剤の具体例としては、例えばビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、1−[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル及びトリデシル−1,2,3,4ブタンテトラカルボキシレート(ブタンテトラカルボキシレートの4つのエステル部の一部が1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル基で他がトリデシル基である化合物の混合物)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β,β−テトラメチル−3,9(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウデンカン)−ジエタノールとの縮合物、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの縮合物、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート、N,N´,N´´,N´´´−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネートが挙げられる。
上記耐侯安定剤(E)は1種類単独で配合しても、2種類以上を組み合わせて配合してもよい。耐侯安定剤(E)の配合量はポリアセタール樹脂100質量部に対して0.01〜3質量部であることが好ましく、0.03〜2質量部であることがより好ましく、0.05〜1質量部であることがさら好ましい。この場合、耐侯安定剤(E)の配合量が0.01質量部未満である場合に比べて、ポリアセタール樹脂組成物の劣化が十分に抑制される。また耐侯安定剤(E)の配合量が3質量部を超える場合に比べて、ポリアセタール樹脂組成物の機械特性をより向上させることができる。
ポリアセタール樹脂組成物には、上記(A)〜(E)成分のほか、酸化防止剤、着色剤、核剤、可塑剤、蛍光増白剤、摺動剤、ポリエチレングリコール、グリセリンのような帯電防止剤、高級脂肪酸塩等の添加剤をさらに配合してもよい。
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、例えばホルムアルデヒドの発生が十分に抑制されていることから、いわゆるシックハウス症候群対策として、自動車内装部品、家屋等の内装部品(熱水混合栓等)、衣料部品(ファスナー、ベルトバックル等)や建材用途(配管、ポンプ部品等)、機械部品(歯車等)、肥料、カルボン酸の捕捉を必要とする樹脂組成物などに有用である。
以下、本発明について実施例及び比較例を挙げてより具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例で使用した材料は下記の通りである。
(A)ポリアセタール樹脂(POM)
トリオキサンと1,3−ジオキソランとを、POM中の1,3−ジオキソランの含有率が4.2質量%となるように共重合して得られたアセタールコポリマーであって、メルトインデックス(ASTM−D1238規格:190℃、2.16kg)が10.5g/10分であるアセタールコポリマー
(B)化合物
B−1: 下記式で表されるステアリン酸ヒドラジドとイソシアン酸オクタデシルの付加物
Figure 2014005385
B−2:下記式で表されるステアリン酸ヒドラジド2分子とヘキサメチレンジイソシアネート1分子の付加物
Figure 2014005385
B−3:下記式で表されるラウリン酸ヒドラジド2分子とヘキサメチレンジイソシアネート1分子の付加物
Figure 2014005385
B−4:下記式で表されるドデカン二酸ジヒドラジド1分子とイソシアン酸オクタデシル1分子の付加物
Figure 2014005385
B−5:下記式で表されるアジピン酸ジヒドラジド1分子とイソシアン酸オクタデシル1分子の付加物
Figure 2014005385
B−6:下記式で表されるイソフタル酸ジヒドラジド1分子とイソシアン酸オクタデシル1分子の付加物
Figure 2014005385
B−7:下記式で表されるドデカン二酸ジヒドラジド1分子とイソシアン酸オクタデシル2分子の付加物
Figure 2014005385
(C)熱安定剤
C−1(ヒンダードフェノール化合物):商品名「イルガノックス245」、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、BASF社製
C−2(トリアジン化合物):メラミン、三井化学社製
(D)離型剤
商品名「カオーワックスEB−P」、エチレンビスステアリルアミド、花王社製
(E)耐侯安定剤
商品名「チヌビン622」、ブタン二酸1−[2−(4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピリジノ)エチル]、BASF社製
[化合物(B)の製造]
上記化合物B−1〜7はそれぞれ以下のようにして製造した。
B−1
ステアリン酸ヒドラジド0.1モルおよびN,N−ジメチルアセトアミド400gをガラス製反応器に仕込み、ガラス製反応器中の溶液を60℃に加熱した。次に、そのガラス製反応器中の溶液にイソシアン酸オクタデシル0.1モルをゆっくり滴下してステアリン酸ヒドラジドとイソシアン酸オクタデシルとを反応させて反応溶液を得た。そして、この反応溶液を冷却して結晶を析出させ、析出した結晶を濾別、メタノール洗浄後、乾燥して化合物B−1を得た。
B−2
イソシアネート化合物として、イソシアン酸オクタデシルに代えて、ヘキサメチレンジイソシアネートを用い、ステアリン酸ヒドラジド0.1モルに対し、ヘキサメチレンジイソシアネートを0.05モル滴下したこと以外は化合物B−1と同様の方法で化合物B−2を得た。
B−3
出発物質としてステアリン酸ヒドラジドを用いる代わりにラウリン酸ヒドラジドを用いたこと以外は化合物B−2と同様の方法で化合物B−3を得た。
B−4
出発物質としてステアリン酸ヒドラジドを用いる代わりにドデカン二酸ジヒドラジドを用いたこと以外は化合物B−1と同様の方法で化合物B−4を得た。
B−5
出発物質としてステアリン酸ヒドラジドを用いる代わりにアジピン酸ジヒドラジドを用いたこと以外は化合物B−1と同様の方法で化合物B−5を得た。
B−6
出発物質としてステアリン酸ヒドラジドを用いる代わりにイソフタル酸ジヒドラジドを用いたこと以外は化合物B−1と同様の方法で化合物B−6を得た。
B−7
ドデカン二酸ジヒドラジドを用い、ドデカン二酸ジヒドラジド0.1モルに対し、イソシアン酸オクタデシルを0.2モル滴下したこと以外はB−1と同様の方法で化合物B−7を得た。
なお、上記化合物B−1〜7のうち、例えばB−3及びB−4についてH−NMRスペクトルの測定結果を図1及び図2に示す。ここで、H−NMRスペクトルは、NMR測定装置(製品名:AVANCE III、ブルカー・バイオスピン社製)を用いて行い、測定条件は以下の通りとした。
使用溶媒:トリフルオロ酢酸
周波数 :500MHz
測定温度:室温、周波数は500MHzとした
[ポリアセタール樹脂組成物の製造]
(実施例1〜14及び比較例1〜8)
ポリアセタール樹脂(A)、化合物(B)、熱安定剤(C)、離型剤(D)及び耐侯安定剤(E)を表1〜3に示す配合割合で、川田製作所社製スーパーミキサーを用いて均一に混合したのち、常法に従って2軸押出機(池貝鉄工社製PCM−30、スクリュー径30mm)を用いて、スクリュー回転数120rpm、シリンダー設定温度190℃の条件下で溶融混練したのち、ストランドに押出し、ペレタイザーにてカットすることでポリアセタール樹脂組成物のペレットを製造した。なお、表1〜3において、配合量の単位は質量部である。
(比較例9)
ポリアセタール樹脂(A)100質量部に対し化合物(B)を0.05質量部配合する代わりに、ステアリン酸ヒドラジドおよびヘキサメチレンジイソシアネートをそれぞれ0.5質量部ずつ配合したこと以外は実施例1と同様の方法でポリアセタール樹脂組成物のペレットを製造した。
[特性評価]
(1)ホルムアルデヒド発生の抑制効果
ホルムアルデヒド発生の抑制効果については、ホルムアルデヒド発生量を測定し、そのホルムアルデヒド発生量に基づいて評価した。
ホルムアルデヒド発生量については以下にようにして求めた。
<平板試験片の作製>
まず日精樹脂工業社製射出成形機PS−40を用い、シリンダー温度215℃、金型温度80℃にて、実施例1〜14及び比較例1〜9で得られたポリアセタール樹脂組成物のペレットを射出成形し、100mm×40mm×2mmの平板試験片を作製した。
<ホルムアルデヒド発生量の測定>
この平板試験片を作製した日の翌日に、この平板試験片につき、ドイツ自動車工業組合規格VDA275(自動車室内部品−改訂フラスコ法によるホルムアルデヒド放出量の定量)に記載された方法に準拠して、下記の方法によりホルムアルデヒド発生量を測定した。
(i)まずポリエチレン容器中に蒸留水50mlを入れ、上記平板試験片を空中に吊るした状態で蓋を閉め、密閉状態で60℃にて3時間加熱した。
(ii)続いて室温で60分間放置した後、平板試験片を取り出した。
(iii)ポリエチレン容器内の蒸留水中に吸収されたホルムアルデヒド量を、UVスペクトロメーターにより、アセチルアセトン比色法で測定し、このホルムアルデヒド量を平板試験片中のPOMの質量で除した値をホルムアルデヒド発生量とした。結果を表1〜3に示す。
なお、表1〜3において、ホルムアルデヒド発生抑制効果に関する合否の基準は下記の通りとした。
ホルムアルデヒド発生量が4μg/g−POM未満 :合格
ホルムアルデヒド発生量が4μg/g−POM以上 :不合格
(2)金型汚染抑制効果
金型汚染抑制効果については以下のようにして評価した。まず住友重機械工業社製ミニマットM8/7A成形機を用い、いわゆるしずく型金型を用いて、実施例1〜14及び比較例1〜9で得られたポリアセタール樹脂組成物のペレットを、成形温度230℃、金型温度35℃で3000ショット連続成形した。成形終了後、金型の内壁面の状態を肉眼で観察した。ここで、金型汚染抑制効果に関する合否基準は以下の通りとした。

A:金型付着物が殆どなく、金型汚染抑制効果は極めて良好
B:金型付着物が少しあるものの、金型汚染抑制効果は良好
C:金型付着物が多く、金型汚染抑制効果は不良

ここで、A及びBについては合格とし、Cについては不合格とした。結果を表1〜3に示す。


Figure 2014005385

Figure 2014005385

Figure 2014005385
表1〜3に示すように、実施例1〜14はすべて、ホルムアルデヒド発生抑制及び金型汚染抑制の点で合格基準を満たすことが分かった。これに対し、比較例1〜9はすべて、ホルムアルデヒド発生量又は金型汚染抑制の点で合格基準を満たさないことが分かった。
従って、本発明のポリアセタール樹脂組成物によれば、ホルムアルデヒドの発生及び成形加工時の金型の汚染を十分に抑制できることが確認された。

Claims (11)

  1. (A)ポリアセタール樹脂100質量部に対して(B)下記式(1)で表される化合物が0.05〜5質量部配合されたポリアセタール樹脂組成物。
    Figure 2014005385
    (前記式(1)中、mは0又は1を表し、nは正の整数を表す。Rは(m+n)価の基であって、炭素数1〜40の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜40の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基、炭素数2〜5の複素環基、又は、−CZ−CZ−を構成単位として含むポリマーの主鎖を表す。m=1、n=1である場合、Rは単結合であってもよい。m=0、n=1である場合、Rは水素原子であってもよい。Z〜Zはそれぞれ独立に、単結合、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、Z〜Zのうち少なくとも1つは単結合を表す。Rは、一価の基であって、炭素数1〜40の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜40の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基、炭素数2〜5の複素環基又は下記式(1−A)で表される基を表す。Yは、下記式(1−B)で表される基を表す。)
    Figure 2014005385
    (前記式(1−A)中、Rは、二価の基であって、炭素数1〜40の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜10の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基又は炭素数2〜5の複素環基を表す。またRは、一価の基であって、炭素数1〜40の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜40の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基又は炭素数2〜5の複素環基を表す。)

    Figure 2014005385
  2. 前記式(1)で表される化合物がヒドラジド化合物とイソシアネート化合物との付加物である請求項1に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  3. 前記式(1)で表される化合物が下記一般式(2)〜(4)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1又は2に記載のポリアセタール樹脂組成物。
    Figure 2014005385
    Figure 2014005385
    Figure 2014005385
    (前記式(2)〜(4)中、R及びR12は、式(1)におけるRと同義であり、前記式(4)においては互いに同一でも異なっていてもよい。R11は、一価の基であって、水素原子、炭素数1〜40の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜40の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基又は炭素数2〜5の複素環基を表す。R21は、二価の基であって、単結合、炭素数1〜40の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜40の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基又は炭素数2〜5の複素環基を表す。)
  4. 前記式(2)〜(4)において、R及びR12がそれぞれ炭素数1〜40の脂肪族炭化水素基である請求項3に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  5. 前記ポリアセタール樹脂100質量部に対して熱安定剤(C)が0.01〜3質量部配合されている請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  6. 前記熱安定剤(C)がヒンダードフェノール化合物およびトリアジン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の熱安定剤である請求項5記載のポリアセタール樹脂組成物。
  7. 前記ポリアセタール樹脂100質量部に対して離型剤(D)が0.01〜3質量部配合されている請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  8. 前記離型剤(D)がポリエチレン、シリコーンオイル、脂肪酸、脂肪酸エステルおよび脂肪酸金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の離型剤である請求項7記載のポリアセタール樹脂組成物。
  9. ポリアセタール樹脂100質量部に対して前記耐侯安定剤(E)が0.01〜3質量部配合されている請求項1〜8のいずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  10. 前記耐侯安定剤(E)がヒンダードアミン系光安定剤および紫外線吸収剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の耐侯安定剤である請求項9記載のポリアセタール樹脂組成物。
  11. 前記ヒンダードアミン系光安定剤が下記一般式(5)で表されるヒンダードアミン系光安定剤である請求項10記載のポリアセタール樹脂組成物。
    Figure 2014005385
    (前記式(5)中、Rは窒素原子との結合部が炭素原子である有機基、Xは酸素原子若しくは窒素原子を介してピペリジル基の4−位と結合する有機基または水素原子を表す。)

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