JP2014005337A - テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体 - Google Patents

テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体 Download PDF

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Abstract

【課題】 メルトフローレートの過剰な低減やパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)含量の増加を伴わずに、耐久性に優れた溶融成形性テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体を提供すること、及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】 動的粘弾性測定装置の平行板モードで、測定周波数を1Hzに固定しつつ、温度を−40度から200度まで5℃/minにて昇温しつつ測定したとき、50℃〜75℃の範囲内であり、かつ温度差は3℃以上である任意の2点間での損失正接(tanδ)の傾き(Δtanδ/ΔT)が常に0.0005〜0.0030の範囲内にあることを特徴とする溶融成形性テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体及びその製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は耐久性の優れた溶融成形用フッ素樹脂に関する。さらに詳しくは耐久性の優れたテトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体に関する。
各種フッ素樹脂の中で、テトラフルオロエチレン(TFE)とパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)との共重合体(PFA)は耐熱性、耐薬品性、純粋性等に優れた特徴を有するため、化学プラントや半導体あるいは液晶の製造工程において使用される各種薬液移送用の配管、配管用の継ぎ手、搬送容器、貯蔵容器、ポンプやフィルターハウジング等の溶融成形や鋼製配管、バルブ、継ぎ手等のライニングに利用されている。
また、PFAは優れた非粘着性を有しており、複写機の画像を定着させるためのロールやベルトの被覆材や、フライパン、炊飯器など調理器具の表面のコーティングに利用されている。
上述の用途の中で、薬液移送用の配管(チューブ・ホース)においては、近年、使用薬液の高温化や使用薬液流速の高速・高圧化が進んでいる。しかし、熱膨張・収縮が繰り返し起こる環境下において、従来公知のPFAでは変形ストレスに対する耐久性は不十分であり、より耐久性の大きいPFAが求められている。また、複写機などの定着装置においても定着ロール・ベルトの高温化、高速化、PFA被覆の薄肉化に伴い、PFAの耐久性向上が求められている。
後述するが、これまでにいくつものPFAの耐久性向上の試みがなされてきた。(米国特許第5932673号、特開2002−3514、特開2004−161921など)しかしながら、これらの試みでは未だ上記耐久性向上の要請に応えられるPFAは提案されていない。
米国特許第5,932,673号 特開2002−3514 特開2004−161921 特開2007−131670 特開昭62−104822 特許3993018号 米国特許第8,058,376号
Fluoroplastics Volume 2 Melt Processible Fluoropolymers J.C. Lee et al, Polymer 2001, v42, p5453
本発明者らは、上記問題を解決するため鋭意研究を行った結果、本発明に到達したものである。
本発明では、PFAの耐久性を評価する指標として、フレックスライフ値を用いる。
PFAの分子量が大きくなると、PFAの溶融粘度が大きくなり、その結果、メルトフローレート(MFR)は小さくなるが、この時、フレックスライフ値は増加することが知られている。更に、PFA中のPAVE含量が増加するほど、フレックスライフ値が増加することも知られている。(非特許文献1)
よって、MFRを小さく、PAVE含量を大きくすることによりPFAの耐久性は向上する。しかし、MFRを過剰に小さくすると溶融成形が困難になる。一方、PAVE含量を過剰に大きくすると、PFAの物性の低下(ガスや薬液透過率の増加、機械的強度の低下など)を招く上に、PAVEが高価であるという事情もあり、PAVE含量は一定の範囲内に限定せざるを得ない。
したがって、MFR及びPAVE含量を考慮しつつ耐久性を向上させたPFAが求められている。
これまでのPFAの耐久性改善の試みをいくつか下に例示する。
特許文献1では、PAVEとして従来のパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)を用いたPFAの代わりに、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)(PEVE)を用いて耐久性改善を試みている。しかし、フレックスライフ値は最大で240万回であって、耐久性の改善は満足する水準ではない。
特許文献2では、リモネン等のテルペン類の存在下でPFAを水性乳化重合により製造することで、PFAの耐久性改善を試みている。その効果として具体的なフレックスライフ値は記載されていないが、本発明の知見ではフレックスライフ値は満足する水準ではない。
特許文献3では、PAVEとしてPEVEを用い、且つPEVE含量を多くすることで、柔軟性の向上と共に耐久性の向上を試みているが、フレックスライフ値の最大値は635万回であり、ある程度の改善は見られるものの、耐久性の改善はなお満足する水準ではない。
さらに、特許文献4ではフレックスライフ値の大きいPFAとポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を溶融混練することで、耐久性の改善を図る試みがされているが、用いられているPFAのフレックスライフ値は最大で135万回であって、耐久性の改善は満足する水準ではない。
本発明は、MFRの過剰な低減及びPAVE含量の増加を伴わずに、耐久性に優れたPFAを提供するものである。
本発明は、従来のPFAでは到達し得なかったレベルのフレックスライフ値、即ち優れた耐久性を有するPFAを提供する。
本発明はまた、このような耐久性を有するPFAの製造方法を提供する。
本発明は動的粘弾性測定装置の平行板モードで、測定周波数を1Hzに固定しつつ、温度を−40度から200度まで5℃/minにて昇温しつつ測定したとき、50℃〜75℃の範囲内であり、かつ温度差は3℃以上である任意の2点間での損失正接(tanδ)の傾き(Δtanδ/ΔT)が常に0.0005〜0.0030の範囲内にあることを特徴とする溶融成形性PFAを提供する。
ここで、上記の条件を満たすΔtanδ/ΔTの最大値と最小値を求めたときに、最大値と最小値のいずれも0.0005〜0.0030の範囲内にあれば、Δtanδ/ΔTが常に0.0005〜0.0030の範囲内にあると判断できる。
フレックスライフ比(定義については後述する)が1以上である前記した溶融成形性PFAは本発明の好ましい態様である。
溶融成形性PFAのPAVE含量が1.0wt%〜50wt%である前記した溶融成形性PFAは本発明の好ましい態様である。
MFRが1〜80g/10分である、前記した溶融成形性PFAは本発明の好ましい態様である。
本発明は、前記溶融成形性PFAを成形してなる成形物を提供する。
乳化重合によるPFAの製造において、反応容器に供給される所定量のTFEの内30wt%が反応容器に供給される前に、反応容器に供給される所定量のPAVEの内70wt%以上が反応容器に供給されることを特徴とする前記した溶融成形性PFAの製造方法が提供される。
本発明により、MFRの過剰な低減及びPAVE含量の増加を伴わずに、耐久性の格段に優れたPFAが提供される。
本発明により、従来のPFAでは到達し得なかったレベルのフレックスライフ値、即ち優れた耐久性を有するPFAが提供される。
本発明により提供されるPFAは、フレックスライフ比が1以上の優れた耐久性を有する。
本発明により提供されるPFAは、優れた耐久性と溶融成形性を有しているため、溶融成形により加工され、薬液移送用の配管として、あるいは複写機などの定着装置の被覆部材として有用である。また、フッ素樹脂塗料の原料としても有用である。
実施例1のPFAについての動的粘弾性測定結果を示すグラフである。 実施例2のPFAについての動的粘弾性測定結果を示すグラフである。 比較例1のPFAについての動的粘弾性測定結果を示すグラフである。 比較例2のPFAについての動的粘弾性測定結果を示すグラフである。 比較例3のPFAについての動的粘弾性測定結果を示すグラフである。 比較例4のPFAについての動的粘弾性測定結果を示すグラフである。
本発明者は、動的粘弾性測定装置の平行板モードで、測定周波数を1Hzに固定しつつ、温度を−40度から200度まで5℃/minにて昇温し測定したとき、50℃〜75℃の範囲内であり、かつ温度差は3℃以上である任意の2点間での損失正接(tanδ)の傾き(Δtanδ/ΔT)が常に0.0005〜0.0030の範囲内にあることを特徴とするPFAの耐久性が飛躍的に改善することを見出し、本発明を完成させたものである。
本発明のPFAは、主成分であるTFEと、コモノマーとしてPAVEとの共重合により得られる溶融成形性共重合体である。
本発明のPFAにおいて、コモノマーとして用いられるPAVE(パーフルオロ(アルキルビニルエーテル))はパーフルオロアルコキシトリフルオロエチレンとも呼ばれ、下式(1)又は(2)として示すことができる。
Figure 2014005337
(式中、XはHまたはFを表し、nは0〜4の整数であり、mは0〜7の整数である。)
Figure 2014005337
(qは0〜3の整数である。)
本発明に用いるPAVEとしては、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)(PEVE)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)などが好ましく、中でもパーフルオロ(エチルビニルエーテル)(PEVE)が好ましい。
本発明において、PAVE含量は、1重量%以上であることが好ましい。更に好ましいPAVE含量の下限は5重量%である。PAVE含量が低すぎると、樹脂の耐久性が低下する、溶融成形が困難になるなどの問題がある。
また、好ましいPAVE含量の上限は、50重量%であり、更に好ましくは20重量%である。過剰のPAVE含量は、PFAのガス及び薬液の透過率の増大や、機械的強度の低下をもたらす。
したがって、PAVE含量は1〜50重量%、好ましくは5〜50重量%、さらに好ましくは5〜20重量%であることが望ましい。
本発明のPFAは、追加の共重合性コモノマーを含んでいても良い。このとき、追加のコモノマー含量は上記のPAVE含量より少なく、且つ1重量%より少ないことが好ましい。TFEと共重合可能なコモノマーの例としては、炭素数3〜6のパーフルオロアルケン、炭素数1〜6のPAVE、クロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニルなどのフッ素含有コモノマーや、エチレン、プロピレンなどのフッ素非含有コモノマーが挙げられる。
TFEとPAVEの共重合は、通常の水系媒体中での乳化重合法によって行われ、重合圧1.0〜4.0MPa、重合温度50℃〜120℃の重合条件下にTFEとコモノマーであるPAVEを供給し、重合中に液を撹拌することによって行われる。なお、本発明のPFAを得る共重合条件については後記する。
重合によって得られたPFAは、ポリマー末端基が不安定末端基である為、フッ素ガスによって処理することにより、ポリマー鎖の末端を−CF3基とすることが出来る。この処理をフッ素化と呼ぶ。フッ素化によって、ポリマーの非粘着性、耐熱性、耐油性、耐薬品性を向上させることができる。(特開昭62−104822など)
フッ素ガス処理は、PFAにフッ素ガスを通常50℃〜250℃、好ましくは200℃までの温度で1〜20時間、接触させることによって行う。圧力は0.0〜1.0MPaの範囲で良いが、通常大気圧で行われる。用いるフッ素ガスは、純粋なフッ素ガスを用いても良いが、安全性の面から窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガスなどの不活性ガスで2〜50容量%に希釈したガスが好ましい。
フッ素ガスとの接触に際して、PFAは粉末状、ペレット状、フレーク状のいずれの形状であっても良い。その後、必要によっては、フッ素化後のPFAを融点以下の温度で加熱処理することによって、あるいは、再押出しすることによって樹脂中に僅かに含まれている低分子量のテロマー・オリゴマーを除去し、PFAの品質を向上させることも出来る。
本発明においてPFAのMFRは、溶融成形時の流動性、及び成形物の耐熱性・強度を考慮すると、1〜80g/10分の範囲内である。好ましくは1〜50g/10分の範囲内であり、より好ましくは1〜30g/10分の範囲内であることが望ましい。
本発明のPFAは用途によっては各種の充填材を含有することもできる。充填材としては、50J/g以上の結晶化熱を有するポリテトラフルオロエチレン、金属粉末、金属繊維、カーボンブラック、カーボン繊維、炭化珪素、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク、グラファイト、耐熱性樹脂(例えばポリフェニレンサルファイド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、芳香族ポリアミド等)を例示することができる。
本発明におけるPFAは、動的粘弾性測定装置の平行板モードで、測定周波数を1Hzに固定しつつ、温度を−40度から200度まで5℃/minにて昇温し測定したとき、50℃〜75℃の範囲内であり、かつ温度差は3℃以上である任意の2点間での損失正接(tanδ)の傾き(Δtanδ/ΔT)が常に0.0005〜0.0030の範囲内にあることを特徴とする。
PFAの動的粘弾性測定により得られる損失正接tanδは、非特許文献2に記載されているとおり、フッ素樹脂中の非晶領域の分子鎖の分子運動、分子緩和の様子を表すものである。一定の測定周波数条件下において、PFAの動的粘弾性測定を行った際のtanδ曲線の立ち上がりの温度は、分子運動、分子緩和が始まる温度であり、tanδが極大ピークを示す温度では、分子運動・分子緩和が一番活発になる、即ち、その温度がPFAのガラス転移温度であると考えられる。
また、非特許文献2には、PAVE含量が高いPFAほど、ガラス転移温度が低温側に移動することが記載されている。また、異なるPAVE含量を持っているPFAが(分子レベルで)不均一に分散されていると二つのtanδピークが現れることも記載されている。
これらより、tanδ曲線の極大ピークが複数のピークに分離せずに、ブロードな単一のピークとして現れる場合は、異なるPAVE含量を持っているPFAが分子レベルに均一に分散されていると考えられる。即ち、本発明のPFAでは、異なるPAVE含量を持っているPFAの、分子レベルでの適度な分散が達成されたために、耐久性が改善されたものと推定される。
本発明におけるPFAは、動的粘弾性測定装置の平行板モードで、測定周波数を1Hzに固定しつつ、温度を−40度から200度まで5℃/minにて昇温し測定したとき、50℃〜75℃の範囲内であり、かつ温度差は3℃以上である任意の2点間での損失正接(tanδ)の傾き(Δtanδ/ΔT)が常に0.0005〜0.0030の範囲内にあることを特徴とする。
この時、50℃〜75℃の範囲内であり、かつ温度差は3℃以上である任意の2点間での損失正接(tanδ)の傾き(Δtanδ/ΔT)が0.0005未満である部分を含むPFAでは、異なるPAVE含量を持っているPFAの分散性が劣っていると考えられ、それゆえに、耐久性は既存のPFAと同等であり、特に優れてはいない。
一方、50℃〜75℃の範囲内であり、かつ温度差は3℃以上である任意の2点間での損失正接(tanδ)の傾き(Δtanδ/ΔT)が0.0030を超える部分を含むPFAでは、本発明のPFAと異なり、PFA中のPAVEがより均一に分布していると考えられ、それゆえに、耐久性は既存のPFAと同等であり、特に優れてはいない。
本発明のPFAは、従来のPFAでは到達し得なかったレベルのフレックスライフ値、即ち優れた耐久性を有するPFAが提供される。本発明により提供されるPFAは、フレックスライフ比が1以上の優れた耐久性を有する。
PFAの耐久性を評価する指標として、フレックスライフ値が慣用されており、フレックスライフ値は後記の測定法によって具体的実測値として測定できる。
フレックスライフ値は、PFAのメルトフローレート(MFR)及びPAVE含量によって影響を受けることが知られている。PAVE含量(重量%)[PAVE]、及び、メルトフローレート(g/分)[MFR]を用いた下記の関係式によりフレックスライフ推定値[FL calc]が求められることが知られている。(例えば、特許3993018号に記載されている。)
Ln[FL calc]=B1−B2×Ln[MFR]+B3×Ln[PAVE]
(但し、Lnは自然対数)
本発明においては、従来公知のPFAに基づいて、B1、B2、及びB3の各係数を算出して、以下の式より、フレックスライフ推定値を求める。(本発明では、B1、B2、及びB3の各係数はコモノマーとなるPAVEの種類、及びメルトフローレートの値によって異なった値を用いる。)
PAVEがPEVEであるとき、
B1=9.446 B2=1.358 B3=3.552
PAVEがPPVEであり、かつMFRが5g/10分未満のとき、
B1=12.983 B2=3.322 B3=2.406
PAVEがPPVEであり、かつMFRが5g/10分以上のとき、
B1=12.07 B2=2.48 B3=3.22
上式により得られるフレックスライフ推定値に対する、実際に測定して得られるフレックスライフ実測値の割合を「フレックスライフ比」と定義する。即ち、フレックスライフ推定値[FL calc]に対して、実際に測定して得られたフレックスライフ実測値を[FL meas]とすると、フレックスライフ比は下式によって与えられる。
フレックスライフ比 = [FL meas] / [FL calc]
フレックスライフ比は、通常のPFAから推定されるフレックスライフ値に対して、実測されるフレックスライフ値の比を表すものである。したがって、フレックスライフ比が大きいPFAほど、そのMFRやPAVE含量から推定されるフレックスライフ値に対して、予想外に大きいフレックスライフ値、即ち予想外に優れた耐久性を有していることを表すものと判断できる。即ち、PFAのフレックスライフ比の値を比較することにより、MFR及びPAVE含量の影響を考慮することなく、PFAの耐久性を比較することが可能となる。
このようなフレックスライフ比を耐久性の判断指標とするならば、本発明のPFAのフレックスライフ比は1以上である。更に好ましくは1.2以上であることが望ましい。
本発明の優れた耐久性を有するPFAは、これに限定されるものではないが、以下の重合方法により得ることが可能である。
TFEとPAVEとの共重合において、重合媒体として水性重合媒体を用いて乳化重合を行なう。重合媒体は実質的に水であり、必要に応じて5容量%以下程度の少量の他の溶媒との混合溶媒であってもよい。
乳化重合を行うために界面活性剤が用いられるが、界面活性剤としては、従来公知のものから適宜選択して使用することができるが、特にパーフルオロオクタン酸アンモニウム(C−8)が好適である。
重合開始剤も、特に限定されるものではなく従来公知のものから適宜選択して利用できる。
乳化重合の条件としては、特許文献1などに記載された条件を参照して採用することができる。
上記PFAの乳化重合において、反応容器に供給される所定量のTFEの内30wt%が反応容器に供給される前に、反応容器に供給される所定量のPAVEの内70wt%以上、好ましくは90wt%以上、さらに好ましくは全量が反応容器に供給されることが望ましい。
本発明のPFAは、優れた耐久性を有しているため、例えば、溶融押し出し成形、射出成形、ブロー成形、トランスファー成形、溶融圧縮成形等の溶融成形により成形され、半導体製造工程や化学プラント等において薬液移送用の配管、継ぎ手や薬液貯蔵容器等として、あるいは配管やタンク等のライニング等の用途に使用できる。
また、本発明のPFAは、優れた耐久性を有しているため、基材上にフッ素樹脂塗膜を形成するためのフッ素樹脂塗料の原料としても有用である。
本発明において、各物性の測定は下記の方法によって行った。
(1)メルトフローレート(MFR)
ASTM D1238−95に準拠した耐食性のシリンダー、ダイ、ピストンを備えたメルトインデクサー(東洋精機製)を使用し、5gの試料を372±1℃に保持されたシリンダーに充填して5分間保持した後、5kgの荷重(ピストン及び重り)下でダイオリフィスを通して押し出し、この時の溶融物の押し出し速度(g/10分)をMFRとして求めた。
(2)PAVE含量
試料を350℃で圧縮した後水冷して得られた厚さ約50ミクロンのフィルムの赤外吸収スペクトル(窒素雰囲気)から、米国特許第5,760,151号記載の方法に従い求めた。
(3)動的粘弾性
試料を350℃で圧縮した後水冷して得られた厚さ0.8mm〜2.0mmのフィルムから45mm×12.5mm(タテ×ヨコ)の寸法を切り取り、測定用試料とした。動的粘弾性測定装置(Rheometric Scientific F.E.社製 通称ARES)の平行板モードで、測定周波数を1Hzに固定しつつ、温度を−40度から200度まで5℃/minにて昇温し測定を行った。
(4)フレックスライフ値
350℃で溶融圧縮成型によって作成された厚さ約0.19−0.21mmのフィルムから長さ約110mm、幅15mmの試験片を切り取り、ASTM D−2176の規格に準拠した耐屈曲疲労試験機に取り付け、1kgの荷重下に左右135度の角度で、175回/分の速度で折り曲げ、試験片が切れるまでの折り曲げ回数を、5試験片について測定し、その平均値をフレックスライフ値とした。
(5)フレックスライフ比
フレックスライフ比は、前記段落[0041]〜[0042]に記載された方法で、フレックスライフ実測値およびフレックスライフ推測値から算出される。
(6)引張強度・引張弾性率・伸び
測定はASTM D−638に準じて行った。試料を350℃で溶融圧縮成形することによって作成された厚み約1.5mmのシートよりダンベル状の試験片を切り取り、オリエンテック(株)製テンシロンを用いて、試料温度23℃に保持しつつ、50mm/minの引張速度で測定を行った。
(7)示差走査熱量測定(DSC)
示差走査熱量計(Diamond DSC、パーキンエルマー社製)を用いて測定を行った。試料10mgを秤量して専用のアルミパンに入れ、専用のクリンパーによってクリンプした後、DSC本体に収納し、140℃から360℃まで10℃/分で昇温し、360℃で1分間保持した後、140℃まで10℃/分で降温し、140℃で1分間保持した後、さらに再び380℃まで10℃/分で昇温した。
最初の昇温時に得られる融解曲線から融解ピーク温度(Tm)及び融解熱量を、続く降温時に得られる結晶化曲線から、結晶化ピーク温度及び結晶化熱を、更に2回目の昇温時に得られる融解曲線から融解ピーク温度(Tm)及び融解熱量をそれぞれ求めた。融解熱量と結晶化熱量は、融解ピーク及び結晶化ピーク前後で曲線がベースラインから離れる点とベースラインに戻る点とを直線で結んで定められるピーク面積からそれぞれ求めた。
以下に、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明がこれらによって何ら限定されるものではない。
[実施例1]
重合容器として容積845L、横型撹拌羽根付きの清浄なステンレス製容器を用いた。純水500リッターを仕込み、系内から酸素を取り除いた後、重合容器に、パーフルオロオクタン酸アンモニウム(C−8)を1.18kg、ペルオキソ二硫酸アンモニウム(APS)を32.3g、PEVEを31.0kg加え、TFEを導入して、全体の圧力を2.06MPaとした。重合開始後、TFE及びAPS40.4gを更に重合容器に連続的に注入しながら重合を行った。重合は78℃及び2.06MPaの圧力のもとで行い、2時間経過後に撹拌を止め、約20重量%のPFA分散液を得た。
得られたPFA分散液を攪拌・凝集して凝集物を得た後に、280℃において12時間乾燥し、2軸押出し機を用いて、樹脂温度を300〜340℃に保持して押し出し、ペレット化を行った。続いて、得られたペレットを、大気圧の希釈フッ素ガス中で、200℃下で8時間保持してフッ素化した。得られたPFAの物性を測定した。その結果を表1に示す。
上記で得られたPFAの動的粘弾性測定の結果を図1に示す。tanδ曲線を見ると、50℃〜75℃の範囲ではほぼ直線状になっており、その傾きもほぼ一定であると推測される。50℃〜75℃の範囲内であり、かつ温度差は3℃以上である2点をそれぞれT(℃)、T(℃)(ただしT>T)と定義して、温度Tのときのtanδの値をF(T)とすると、傾き(Δtanδ/ΔT)は下式で与えられる。
Δtanδ/ΔT=(F(T)−F(T))/(T−T
図1においてΔtanδ/ΔTの最大値は、T1=72.0℃、T2=75.0℃であるときのΔtanδ/ΔT=0.0019であった。
また、Δtanδ/ΔTの最小値は、T1=57.0℃、T2=60.1℃であるときのΔtanδ/ΔT=0.0011であった。
よって、実施例1で得られたPFAでは、50℃〜75℃の範囲内であり、かつ温度差は3℃以上である任意の2点間での損失正接(tanδ)の傾き(Δtanδ/ΔT)が常に0.0005〜0.0030の範囲内にあることが確認された。
[実施例2]
実施例1の重合方法において、PEVE導入量を28.0kgに、APSの重合開始前の導入量を40.5gに、APSの重合開始後の導入量を50.6gに変更するほかは同様にして、TFEとPEVEの共重合を行った。得られたPFAの特性を測定し、その結果を表1に示す。
得られたPFAの動的粘弾性測定の結果を図2に示す。tanδ曲線を見ると、50℃〜75℃の範囲ではほぼ直線状になっており、その傾きもほぼ一定であると推測される。
実施例1と同様に、50℃〜75℃の範囲内であり、かつ温度差は3℃以上である2点間でのtanδの傾き(Δtanδ/ΔT)を確認したところ、常に0.0005〜0.0030の範囲内であった。
[比較例1]
重合容器として容積3080L、横型撹拌羽根付きの清浄なステンレス製容器を用いた。純水2087リッターを仕込み、系内から酸素を取り除いた後、重合容器に、エタン277.5g、C−8を4.42kg、APSを176g、PEVEを41.0kg加え、TFEを導入して全体の圧力を2.40MPaとし、系内の温度を70℃に安定させた。重合開始後、TFE及びAPS65.3g、PEVE50.0gを更に重合容器に連続的に注入しながら重合を行なった。重合は70℃の一定温度及び2.40MPaの一定圧力のもとで行ない、2時間経過後に撹拌を止め、約30重量%のPFA分散液を得た。
280℃において12時間乾燥し、押出し機を用いて、樹脂温度が400℃に到達しない範囲にて押出しを行い、続いて、得られたペレットを、大気圧の希釈フッ素ガス中で、200℃下で8時間保持してフッ素化した。得られたPFAの特性を表1に示す。
動的粘弾性測定の結果を図3に示す。tanδ曲線を見ると、50℃〜75℃の範囲では温度が上昇するにつれて、徐々に傾きが大きくなっていることがわかる。
実施例1と同様に、T1=72.0℃、T2=75.0℃であるときのtanδの傾き(Δtanδ/ΔT)を求めると、0.0043であり、0.0030を超えていた。
[比較例2]
PAVEがPEVEであり、その含量が異なる2種類のPFA、(PFA(I)とPFA(II))を比較例1の重合手順に準じて製造した。
PFA(I)のPEVE含量は22.9重量%であり、MFRは3g/10分であった。
PFA(II)のPEVE含量は5.8重量%であり、MFRは1.8g/10分であった。
上記のPFA(I)25重量%とPFA(II)75重量%を混合し、東洋精機製 LABO PLASTOMILL 4C150−01により、350度にて1分間に20〜50回転の回転速度にて5分間溶融混練した。得られたPFA組成物の特性を表1に示す。
得られたPFA組成物の動的粘弾性測定の結果を図4に示す。tanδ曲線を見ると、50℃〜75℃の範囲では温度が上昇するにつれて、一旦tanδが減少し、その後増加している。即ち、tanδの極大ピークが分離している。
実施例1と同様に、T1=52.4℃、T2=56.8℃であるときのtanδの傾き(Δtanδ/ΔT)を求めると、−0.0005であり、0.0005より小さい。
[比較例3]
比較例2において、PFA(I)と、PFA(II)の割合を、それぞれ35重量%と65重量%に変えるほかは同様にして両者を混合し、溶融混練した。得られたPFA組成物の特性を表1に示す。
得られたPFA組成物の動的粘弾性測定の結果を図5に示す。tanδ曲線を見ると、比較例2と同様に、50℃〜75℃の範囲では温度が上昇するにつれて、一旦tanδが減少し、その後増加している。即ち、tanδの極大ピークが分離している。
実施例1と同様に、T1=57.0℃、T2=60.0℃であるときのtanδの傾き(Δtanδ/ΔT)を求めると、−0.0008であり、0.0005より小さい。
[比較例4]
PAVEがPEVEであり、コア/シェル構造を有するPFAを、米国特許第8,058,376号の実施例1に示された方法に準じて重合した。コアが30重量%、シェルが70重量%であり、コアのPEVE含量が15重量%であり、シェルのPEVE含量が7重量%となるように重合を行った。得られたPFAの特性を表1に示す。
得られたPFAの動的粘弾性測定の結果を図6に示す。T1=50.0℃、T2=53.0℃であるときのtanδの傾き(Δtanδ/ΔT)を求めると、0.0040であり、0.0030を超えていた。
また、実施例1と同様に、T1=60.9℃、T2=63.9℃であるときのtanδの傾き(Δtanδ/ΔT)を求めると、0.0000であり、0.0005より小さい。
Figure 2014005337
実施例1及び2に関しては、動的粘弾性測定において、50℃〜75℃の範囲内での温度差は3℃以上である任意の2点間において、損失正接(tanδ)の傾き(Δtanδ/ΔT)が常に0.0005〜0.0030の範囲内にあり、フレックスライフ比は共に1.2以上であり、耐久性が大きく改善されている。
比較例1では、50℃〜75℃の範囲内での温度差は3℃以上である任意の2点間において、損失正接(tanδ)の傾き(Δtanδ/ΔT)は、部分的に0.0030を超えており、フレックスライフ比は1未満となり、耐久性は改善されていない。
比較例2及び3についても、50℃〜75℃の範囲内での温度差は3℃以上である任意の2点間において、損失正接(tanδ)の傾き(Δtanδ/ΔT)が0.0005〜0.0030から逸脱している。フレックスライフ比はどちらも1未満であり、耐久性の改善効果はみられない。
比較例4についても、50℃〜75℃の範囲内での温度差は3℃以上である任意の2点間において、損失正接(tanδ)の傾き(Δtanδ/ΔT)が0.0005〜0.0030から逸脱している。フレックスライフ比は1未満であり、耐久性の改善効果はみられない。
本発明によれば、MFRの過剰な低減及びPAVE含量の増加を伴わずに、耐久性の格段に優れたPFAを得ることができる。
本発明により提供されるPFAは、従来のPFAでは到達し得なかった優れた耐久性を有するPFAである。
このようなPFAは、溶融成形により加工され、薬液移送用の配管として、あるいは複写機などの定着装置の被覆部材として有用である。また、フッ素樹脂塗料の原料としても有用である。

Claims (8)

  1. 動的粘弾性測定装置の平行板モードで、測定周波数を1Hzに固定しつつ、温度を−40度から200度まで5℃/minにて昇温しつつ測定したとき、50℃〜75℃の範囲内であり、かつ温度差は3℃以上である任意の2点間での損失正接(tanδ)の傾き(Δtanδ/ΔT)が常に0.0005〜0.0030の範囲内にあることを特徴とする溶融成形性テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体。
  2. パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)が下式(1)又は(2)で示される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の溶融成形性テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体。
    Figure 2014005337
    (式中、XはHまたはFを表し、nは0〜4の整数であり、mは0〜7の整数である。)
    Figure 2014005337
    (qは0〜3の整数である。)
  3. 前記パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)が、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)又はパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)であることを特徴とする請求項1または2に記載の溶融成形性テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体。
  4. 溶融成形性テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体のフレックスライフ比が1以上であることを特徴とする請求項3に記載の溶融成形性テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体。
    本願におけるフレックスライフ比とは、溶融成形性テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体のフレックスライフ測定値(回数)を[FL meas]、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)含量(重量%)を[PAVE]、メルトフローレート(g/分)を[MFR]、下式(3)で与えられるフレックスライフ計算値を[FL calc]としたときに、下式(4)により定義される。
    Ln[FL calc]=B1−B2×Ln[MFR]+B3×Ln[PAVE]
    (但し、Lnは自然対数) 式(3)
    式中、B1、B2、及びB3の各係数はコモノマーとなるパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)の種類、及びメルトフローレートにより異なり、以下のように定められる。
    パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)がパーフルオロ(エチルビニルエーテル)であるとき、
    B1=9.446、B2=1.358、B3=3.552
    パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)がパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)であり、かつメルトフローレートが5g/10分未満のとき、
    B1=12.983、B2=3.322、B3=2.406
    パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)がパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)であり、かつメルトフローレートが5g/10分以上のとき、
    B1=12.07、B2=2.48、B3=3.22
    フレックスライフ比=[FL meas]/[FL calc] 式(4)
  5. 溶融成形性テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体のパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)含有量が1.0〜50wt%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の溶融成形性テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体。
  6. 溶融成形性テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体のメルトフローレートが1〜80g/10分であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の溶融成形性テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の溶融成形性テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体を成形して得られる成形品。
  8. 乳化重合によるテトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体の製造において、反応容器に供給される所定量のテトラフルオロエチレンの内30wt%が反応容器に供給される前に、反応容器に供給される所定量のパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)の内70wt%以上が反応容器に供給されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の溶融成形性テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体の製造方法。
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