JP2013534435A - ベルトバックル用バックルキャップおよびその組み立て方法 - Google Patents

Abstract

互いに結合されている２つの半シェル（１０，２０）と、両半シェル（１０，２０）を互いに結合させている複数個の結合ユニットとを備えたベルトバックル用バックルキャップが記載される。各結合ユニットはそれぞれ、各半シェル（１０，２０）に設けた穴と、少なくとも部分的にリブを備えた結合ピン（３０）とを有している。結合ピン（３０）の一部分は前記第１の結合ユニット（１０）の前記穴の中にあり、前記結合ピン（３０）の第２の部分は前記第２の半シェル（２０）の前記穴の中にある。簡単な組み立てを達成できるようにするため、前記第１の半シェル（１０）の前記穴は貫通穴（１２）であり、該貫通穴を前記結合ピン（３０，３０’）が完全に貫通して延在し、前記結合ピン（３０，３０’）は前記穴内にある前記部分に対し肉厚の頭部（３４，３４’）を有し、該頭部は、前記結合ピン（３０）の、前記貫通穴（１２）を貫通して延在している前記部分に接続し、且つ前記貫通穴（１２）の外側にある。
【選択図】図３

Description

本発明は、請求項１の上位概念に記載のベルトバックル用バックルキャップおよび請求項１０に記載のその組み立て方法に関するものである。

自動車の安全システム用ベルトバックルのほとんどが２つの半シェルから成るバックルキャップを有し、該バックルキャップ内にベルトバックルの機構が受容され、解除キーに抗して可動に保持されている。解除キーはもっぱら前記機構により、或いは、部分的にバックルキャップによって保持されている。

ベルトキャップの両半シェルを互いにいかに結合させるかについてはいくつかの可能性が知られている。

その一つは、両バックルキャップを互いに結合させることが知られているが、これは通常は手だけで行われる作業ステップであり、比較的多くの時間を要する。また、すべてのねじが正確に締められているかどうかの最終検査には多くのコストを要する。

さらに、両バックルキャップを溶接により、たとえば超音波溶接または摩擦溶接により互いに結合させることが知られているが、比較的複雑な溶接機を必要とする。

最後に、両半シェルをスナップ結合により互いに結合させることも知られているが、これには、バックルキャップ自体が比較的複雑に成形されていなければならず、このためには複雑な、高価な射出成形金型が必要であるという欠点がある。

この種のバックルキャップを開示している特許文献１からは、バックルキャップの２つの半シェルをリブ付き結合ピンを介して結合させるようにしたベルトバックル用バックルキャップが知られている。これらのリブ付き結合ピンは互いに離間する方向に向いている２つの部分を有し、この場合両部分は互いに逆方向のリブを有している。各バックルキャップは１つの結合ピンにつき１つの穴を有し、この穴の径は、非組み立て状態では、リブ付き部分の最大径よりも幾分小さい。組み立てのため、前記ピンが穴内に圧入されて、そこでリブにより保持される。ここではねじ止めを自動化する必要がなく、ねじ止めの不具合は生じないが、少なくとも最終組み立てステップにおいて、結合ピンのそれぞれの部分を１つの半シェルの穴の中に同時に且つ平行に挿入しなければならない。これには大きな組み立て力が必要であり、他方これにより、１つのバックルキャップにおいて複数の結合態様を適用することは実際的に不可能である。

独国特許出願公開第１０２００８０３００４８Ａ１号明細書

そこで、本発明の課題は、上記欠点が解消されるようにこの種のバックルキャップを改善することである。

この課題は、請求項１の構成を備えたバックルキャップおよび請求項１０に記載の組み立て方法によって解決される。

本発明によるバックルキャップは、少なくとも部分的にリブを形成した少なくとも１つの結合ピンを有し、該結合ピンは両半シェルに設けた穴の中に延在している。この場合、第１の半シェルに設けた穴は貫通穴であり、この貫通穴を結合ピンが完全に貫通する。結合ピンは、穴の中にある部分に比べて肉厚の頭部を有し、該頭部は貫通穴の外側にある。すなわち結合ピンは実質的にねじのように見えるが、ねじ山の代わりにリブがあるのが異なっている。組み立てはねじ止め式のバックルキャップと同様に行う。すなわち、まず両バックルキャップを互いにその最終位置へもたらし、次に少なくとも１つの結合ピンをまず貫通穴に挿入し、その後第２の半シェルの穴の中に到達させる。これはもちろんねじ止めの場合のように回転によって行うのではなく、圧入によって行う。この種の組み立て態様により、組み立て中に両半シェルを平行案内する必要はなく、従って本発明による結合態様は他の結合態様と「混用させる」ことができる。このような結合態様は特にロックまたは純粋な形状拘束的結合であってよい。

本発明の有利な実施態様は、従属項および図面を用いて以下に詳細に説明する実施形態から明らかである。

バックルキャップの展開図である。 図１のバックルキャップを組み立て状態で示した図である。 図２に示したバックルキャップの結合ユニットの断面図である。 図３の詳細図で、結合ユニットの頭部がカバーキャップによって覆われているのを示した図である。

以下に説明するバックルキャップは、ベルトバックルの外側ケースとして用いられ、公知のロック機構はバックルキャップ内に受容されている。ロック機構とこれに付属のロック解除キーとは図示していない。このような機構は技術的に公知である。

バックルキャップは、２つの半シェル１０，２０と、２つの結合ピン３０，３０’とから成っている。結合ピン３０，３０’は複数の結合ユニットの一部であり、これら結合ユニットはそれぞれ結合ピン３０，３０’と、第１の半シェル１０に設けた貫通穴１２，１２’と、第２の半シェル２０に設けた袋穴２２，２２’とから成っている。さらに複数の結合ユニットが設けられており、これらの結合ユニットはそれぞれ第１の半シェル１０に設けた突起１６，１６’，１６”と、第２の半シェル２０の、後方へ向いたエッジ２４とから構成されている。両半シェル１０，２０はそれぞれ長手方向Ｌに沿って延在している。突起１６，１６’，１６”は長手方向Ｌに関して前部のエッジに位置するように第１の半シェル１０に配置されている。第２の半シェル２０は、長手方向Ｌにおいて前部の端部に、閉じた領域２３を有し、該閉じた領域の上部後端は後方へ向いた前記エッジ２４を有している。貫通穴１２，１２’は、第１の半シェル１０の、長手方向Ｌにおいて後部の端部にあり、同様に袋穴２２，２２’は、第２の半シェル２０の後部の端部にある。貫通穴１２，１２’にはそれぞれ第１の半シェル１０の沈降領域１４，１４’が接続している。

各結合ピン３０，３０’はピン部分３２，３２’と頭部３４，３４’とを有している。ピン部分３２，３２’は鋸歯プロファイルの形状でリブを有し、この場合鋸歯プロファイルの側面３６は頭部から離間する方向に向いている（これに対しては図３をも参照）。

図３は、１つの結合ユニットの組み立て状態での詳細図である。ここで述べることは他の結合ユニットに対しても対応的にあてはまる。ピン部分３２は貫通穴１２の全長にわたって袋穴２２まで延在し、頭部３４は貫通穴１２の外側で沈降領域１４上に載置されている。図３からわかるように、第１の半シェル１０の貫通穴２２の径Ｄ１は、第２の半シェル２０の袋穴２２の径Ｄ２よりも大きい。この場合、貫通穴１２の径Ｄ１はピン部分３２の最大径Ｄ３よりも幾分大きく、袋穴２２の径Ｄ２はピン部分３２の最大径Ｄ３よりも幾分小さい。頭部３４の径Ｄ４は袋穴２２の径Ｄ１よりも大きい。

組み立ては次のように行う。まず、第１の半シェル１０を第２の半シェル２０上に配置し、その際この配置の最後のステップは方向Ｌにおける第１の半シェル１０の縦移動であり、その結果突起１６，１６’，１６”は後方へ向いているエッジ２４の下にくる。これにより第２の半シェル２０上での第１の半シェル１０の位置決めが終了する。いま、結合ピン３０，３０’をそれぞれ貫通穴１２，１２’内へ挿入し、かなりの力で、たとえば７５０Ｎの力で袋穴２２，２２’内へ圧入して、結合ピン３０，３０’の頭部３４，３４’が沈降領域１４，１４’の上面に載置されるようにする。この最終状態では、ピン部分３２，３２’の第１の部分３２ａ，３２ａ’は貫通穴１２，１２’内にあり、ピン部分３２，３２’の第２の部分３２ｂ，３２ｂ’は袋穴２２，２２’内にある。これにより組み立てが終了する。

上述した組み立て態様から、本発明によるバックルキャップの利点を直接読み取ることができる。一つは、結合ピン３０，３０’を順次圧入することが可能であり、圧入中に複数個の結合ピンまたは両半シェルのうちの一方の平行案内が必要なく、よって必要な装置コストが低いことである。さらに、圧入される結合ピンの結合方法を他の結合方法（ここでは、突起と後方へ向いているエッジとの形状拘束的結合）と組み合わせることが可能である。これらの他の結合方法はたとえばロック等を含むことができる。

好ましくは、両半シェルはプラスチックから成り、結合ピンは金属、特にアルミニウムのような軽金属から成っている。結合ピンは押し出し成形によって製造されていてよい。

バックルキャップの最適な外観を改善するため、頭部はそれぞれ好ましくは第１の半シェル１０と同じ材料から成るカバー要素によって覆われていてよい。このようなカバー要素をいかに構成し配置するかにはいくつかの可能性があるが、最も重要なことは以下のとおりである。

一つは、カバー要素として別個のカバーキャップ４０を設けて、これを最終の作業ステップで配置することが可能である。このようなカバーキャップ４０は図４に示されている。この場合、１つのカバーキャップは複数個の頭部３４，３４’（図示した実施形態では２個）を覆うことができる。その固定は頭部へのロックまたは或いは第１の半シェルの適当なロック要素へのロックによって行うことができる。第１の半シェルとの接着または溶接も可能である。

他の可能性は、適当なカバーをすでに最終組み立て前に各頭部上に配置することであり、これは特に鋳造、プレス、または接着によって行うことができる。このケースでは、頭部３４，３４’が完全に沈降するように第１の半シェルを形成し、その結果カバーの上面が第１の半シェルの上面と面一になるようにすることが重要である。

１０ 第１の半シェル
１２，１２’ 貫通穴
１４，１４’ 沈降領域
１６．１６Ｍ６ 突起
２０ 第２の半シェル
２２，２２’ 袋穴
２３ 閉じた領域
２４ 後方へ向いているエッジ
３０，３０’ 結合ピン
３２，３２’ ピン部分
３２ａ，３２ａ’ 第１の部分
３２ｂ，３２ｂ’ 第２の部分
３４，３４’ 頭部
３６ 側面
４０ カバーキャップ
Ｌ 縦方向

Claims (10)

1. 互いに結合されている２つの半シェル（１０，２０）と、両半シェル（１０，２０）を互いに結合させている複数個の結合ユニットとを備え、少なくとも１つの前記結合ユニットがそれぞれ、各半シェル（１０，２０）に設けた穴と、少なくとも部分的にリブを備えた結合ピン（３０，３０’）とを有し、該結合ピン（３０，３０’）の一部分が前記第１の結合ユニット（１０）の前記穴の中にあり、前記結合ピン（３０，３０’）の第２の部分が前記第２の半シェル（２０）の前記穴の中にあるベルトバックル用バックルキャップにおいて、
   前記第１の半シェル（１０）の前記穴が貫通穴（１２，１２’）であること、前記結合ピン（３０，３０’）が前記貫通穴（１２，１２’）を完全に貫通して延在していること、前記結合ピン（３０，３０’）が前記穴内にある前記部分に対し肉厚の頭部（３４，３４’）を有し、該頭部が、前記結合ピン（３０，３０’）の、前記貫通穴（１２，１２’）を貫通して延在している前記部分に接続し、且つ前記貫通穴（１２，１２’）の外側にあることを特徴とするバックルキャップ。
2. 前記第１の半シェル（１０）に設けた前記貫通穴（１２，１２’）が、前記第２の半シェルに設けた前記穴よりも大きな径を有していることを特徴とする、請求項１に記載のバックルキャップ。
3. 前記リブが鋸歯プロファイルとして形成されていることを特徴とする、請求項２に記載のバックルキャップ。
4. 前記鋸歯プロファイルの平坦な側面（３６）が前記頭部から離間する方向に向いていることを特徴とする、請求項３に記載のバックルキャップ。
5. 前記貫通穴（１２，１２’）に前記第１の半シェル（１０）の沈降領域（１４，１４’）が接続し、該沈降領域に前記頭部（３４，３４’）が受容されていることを特徴とする、上記請求項のいずれか一つに記載のバックルキャップ。
6. 前記結合ピン（３０，３０’）が金属から成っていることを特徴とする、上記請求項のいずれか一つに記載のバックルキャップ。
7. 前記金属が軽金属であることを特徴とする、請求項６に記載のバックルキャップ。
8. 前記結合ピン（３０，３０’）が押し出し成形法によって製造されていることを特徴とする、請求項６または７に記載のバックルキャップ。
9. 前記頭部（３４，３４’）がカバー要素によって覆われていることを特徴とする、上記請求項のいずれか一つに記載のバックルキャップ。
10. 請求項１から９までのいずれか一つに記載のバックルキャップを組み立てる方法において、
    −前記両半シェル（１０，２０）がその終端位置をそれぞれ占めるように、該両半シェルを互いに上下に配置するステップと、
    −前記少なくとも１つの結合ピン（３０，３０’）を第１の方向において前記半シェル（１０）の前記貫通穴（１２，１２’）内へ挿入するステップと、
    −前記結合ピン（３０，３０’）を前記第１の方向へさらに移動させることにより、該結合ピン（３０，３０’）前記第２の半シェル（２０）の前記穴内へ圧入するステップと、
    を備える方法。

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