JP2013532164A - トロンビン特異的インヒビターを調製する方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、ダビガトラン、ダビガトランエテキシレート、並びにその薬学的に許容可能な塩を調製するための方法に関する。また、それらの調製に有用な新規中間体と該中間体を調製方法にも関する。
ダビガトランは、化合物N-[([(アミジノフェニル)-アミノ]メチル)-1-メチル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボニル]-N-(2-ピリジル)-3-アミノプロピオン酸の一般名であり、その化学構造は以下の通りである:
ダビガトランは、プロドラッグダビガトランエテキシレートの形態で経口的に投与されるトロンビン特異的インヒビターである。最新型は経口投与された後に急速に吸収され、血漿及び肝臓エステラーゼにより触媒される加水分解を介して、薬学的に活性な分子であるダビガトランに転換する。ダビガトランエテキシレートの化学名は、N-[([([(N'-ヘキシルオキシカルボニル)アミジノ]フェニル)アミノ]メチル)-1-メチル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボニル]-N-(2-ピリジル)-3-アミノプロピオン酸エチルであり、その化学構造は以下の通りである:
ダビガトラン及びダビガトランエテキシレートは、特許出願WO98/37075に最初に記載された。メシレートを含むいくつかのダビガトランエテキシル塩は、文献WO03/74056、WO2006/114415及びWO2008/43759に記載されている。
文献WO2008/095928には化合物(IV)が記載され、文献WO2009/111997には化合物(IV)のシュウ酸塩が記載されている。
上述した合成経路のいくつかの工程、特に式(IV)及び(II−HCl)を調製する工程では、得られた化合物をクロマトグラフィーにより精製する必要があるが、これらの工程は工業的レベルで実施するには適切ではない。
文献WO98/37075において、式(II)の化合物は、塩酸塩の形態で単離される。式(IV)の化合物の式(II)の化合物への転換と、続く塩酸塩以外の塩の形態での単離は、他の文献に記載されている。例えば、文献WO2008/095928では、式(II)の化合物がp−トルエンスルホネートの形態で単離され、文献WO2010/045900では、一塩酸塩エタノール溶媒和物又は二塩酸塩の形態で単離されている。
これらの特許出願に記載されている式(IV)の化合物の式(II)の化合物への転換には、式(II)の化合物を形成させるために、多量のアンモニア又は炭酸アンモニウム等価物を使用し、よって、溶液中の多量のHClを中和する必要がある。
例えば、文献WO2008/095928では、11当量までのアンモニアが添加され;文献WO98/37075及びWO2010/045900では、10〜16当量の炭酸アンモニウムが、出発物質に対して添加されている。
その結果、その方法は、NH4Clの形態で除去されるべき多量の残留塩を生じ、これが工業的な規模拡大をかなり妨げ、ある場合には、クロマトグラフィーのような面倒な精製をさらに必要とする。
よって、特に工業化が容易であるならば、ダビガトラン及びダビガトランエテキシレートを調製するための他の方法が必要とされている。
本発明者は、特に塩酸塩の形態で、シアノ中間体のアミジノ中間体(II)への転換において形成されるイミデート中間体(III−HCl)の単離を通過するダビガトラン及びダビガトランエテキシレートの調製方法の開発を達成した。
式(III)の化合物は、1以上のHCl分子を有しうる。
本発明者は、前記イミデートを単離することにより、上述の問題が解決されることを見出した。すなわち、固形物として単離された生成物の使用により、アンモニア又はアンモニウム塩の量を、かなり低減させることができる(次の工程において、出発化合物に対して3−5当量)。さらに、従来から知られている方法よりも、より少量の塩しか生じせしめず、高い化学的純度でクロマトグラフィー精製の必要なく実施される方法によって、式(II−HCl)の化合物を得ることが可能になる。
特に、例えば文献WO2008/095928に記載されているように、11当量のアンモニアを使用すると、形成されるアミジノ化合物の各モル当たり約0.5Kgの塩が生じる一方、本発明の方法に従い、3当量のアンモニアを使用すると、形成されるアミジノ化合物の各モル当たり約0.1Kgの塩が生じる。
同様に、生じる塩(反応媒体に不溶)の量の低減は、反応における少量の溶媒の使用を可能にし、節約を伴い、塩を含まない生成物の結晶化を容易にし、工業的応用が困難なクロマトグラフィー精製を回避することができる。
この点は、これらの残基はダビガトランエテキシレートへの転換に必要なn-ヘキシルハロホルメートの一部を消費するため、合成の次の工程、すなわちエテキシレートの調製に有害な、NH4Clでのアミジノ化合物の汚染を回避するというさらなる利点を有している。
よって、上述の転換を含むダビガトランの調製方法は、当該技術分野で知られている方法よりも、工業的観点から、より適している。
本発明に記載される工程の残りもまた、既に記載されている方法に対して有意に改善されている。さらに、本発明における様々な工程が一緒に実施される場合、得られる方法は特に効果的な工業化可能なプロセスである。
他方、本発明者は、高純度を示し、ダビガトランの調製方法の最適化に寄与する、式(III−HCl)の化合物以外の中間体の新規な固形形態を見出した。これらの固形形態の中間体の単離には、クロマトグラフィー精製の必要がなく、高純度の最終生成物を得ることができるという利点がある。
よって、本発明の第1の態様は、式(I)
(上式中、R1及びR2はHを表し;又はR1はエチルを表し、R2はn-ヘキシルオキシカルボニルを表す)の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、又は水和物を含むその薬学的に許容可能な溶媒和物を調製する方法であって、
a)式(III−HCl)
の化合物を固形物として提供し;
b)式(III−HCl)の化合物を、式(III−HCl)の化合物の各モル当たり、3−5モルの間からなる量のアンモニア又はアンモニウム塩と反応させて、式(II−HCl)
の化合物を得、固形物として得られた生成物を単離し;
c)得られた式(II−HCl)の化合物を式(I)の化合物に転換させ;
d)場合によっては、式(I)の化合物を、酸での処理によりその薬学的に許容可能な塩に、又は式(I)の化合物の薬学的に許容可能な塩を、塩基での処理により、式(I)の化合物に、又は式(I)の化合物の塩を、イオン交換により、式(I)の化合物の他の塩に転換させる方法に関する。
(上式中、R1及びR2はHを表し;又はR1はエチルを表し、R2はn-ヘキシルオキシカルボニルを表す)の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、又は水和物を含むその薬学的に許容可能な溶媒和物を調製する方法であって、
a)式(III−HCl)
の化合物を固形物として提供し;
b)式(III−HCl)の化合物を、式(III−HCl)の化合物の各モル当たり、3−5モルの間からなる量のアンモニア又はアンモニウム塩と反応させて、式(II−HCl)
の化合物を得、固形物として得られた生成物を単離し;
c)得られた式(II−HCl)の化合物を式(I)の化合物に転換させ;
d)場合によっては、式(I)の化合物を、酸での処理によりその薬学的に許容可能な塩に、又は式(I)の化合物の薬学的に許容可能な塩を、塩基での処理により、式(I)の化合物に、又は式(I)の化合物の塩を、イオン交換により、式(I)の化合物の他の塩に転換させる方法に関する。
式(III−HCl)の化合物の式(II−HCl)の化合物への転換は、アンモニア又はアンモニウム塩、例えば炭酸アンモニウム又は酢酸アンモニウムとの反応により生じる。好ましい実施態様では、アンモニウム塩は(NH4)2CO3である。典型的には、使用されるNH3供給源は、固形(NH4)2CO3、NH3溶液で、水又は有機溶媒に溶解したものでありうる。一般的に、これらの有機溶媒は(C1-C6)アルコール、例えばメタノール又はエタノール;又は(C3-C6)エーテル、例えばテトラヒドロフラン又はジオキサンでありうる。イミデート塩の加水分解が次に最小にされるため、有機溶媒中のNH3溶液の使用が好ましい。
一般的に、式(III−HCl)の化合物の各モル当たり、1−8モル、好ましくは3−5モルのアンモニア又はアンモニウム塩が使用される。最も好ましい実施態様では、式(III−HCl)の化合物の各モル当たり、3モルのアンモニアが使用される。
この反応は、溶媒、例えば(C1-C6)アルコール、例えばメタノール、エタノール又はイソプロパノール;(C3-C8)ケトン、例えばアセトン、メチルエチルケトン又はメチルイソブチルケトン;(C1-C6)アルキル (C1-C6)エステル、例えば酢酸エチル;(C3-C6)アミド、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、又はN-メチルピロリドン;又は(C3-C6)エーテル、例えばテトラヒドロフラン又はジオキサンにおいて実施される。好ましくは、反応は、(C1-C6)アルコール、より好ましくはエタノールにおいて実施される。
反応は、0−100℃の範囲の温度で実施され、反応に好ましい温度は室温である。
ひとたび反応が完了すると(典型的には24−48時間)、固形の式(III−HCl)の化合物で開始したため、不溶の塩を濾過する前に、式(II−HCl)の化合物を含む溶液の容量を最小にすることができる。その結果、可溶化されたNH4Clの量が最小となり、生成物の良好な精製が可能となる。例として、反応がエタノール中で実施される場合、出発イミデート塩に対して、約5容量まで、溶液の量を低減することができる。
ついで、生成物は、式(II−HCl)の化合物を不溶にする逆溶媒で、反応溶媒を置き換えるか、又はそれと混合することによって単離される。可能な逆溶媒は、(C3-C8)ケトン、例えばアセトン、メチルエチルケトン又はメチルイソブチルケトン;(C1-C6)アルキル (C1-C6)エステル、例えば酢酸エチル;(C3-C6)アミド、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、又はN-メチルピロリドン;又は(C3-C6)エーテル、例えばテトラヒドロフラン又はジオキサン;(C6-C9)芳香族溶媒、例えばトルエン又はキシレン;(C5-C12)アルカン、例えばヘプタン、(C5-C12)シクロアルカン、例えばシクロヘキサン、又は(C3-C6)アルコールであってよい。共沸蒸留によりエタノールを除去可能で、90%以上の高純度の固形物として式(II−HCl)の化合物が得られ、少量のNH4Clでのみ汚染されるために、好ましい逆溶媒はトルエンである。
さらに、得られた固形物を、好ましくはイソプロパノールから再結晶化させると、99%を越える純度を有し、NH4Clを絶対的に含まない、定まり特徴付けられた構造の結晶性化合物が得られる。式(II−HCl)の化合物は、文献WO98/37075では、クロマトグラフィーによる精製の後に得られる。本発明の方法に従って、本発明者は、本発明の一部でもある結晶形態での式(II−HCl)の化合物の単離を達成した。
よって、本発明の他の態様は、結晶形態の式(II−HCl)の化合物、すなわち、N−([([(アミジノ)フェニル]-アミノ)メチル]-1-メチル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボニル)-N-(2−ピリジル)-3-アミノプロピオン酸エチル塩酸塩(II−HCl)に関する。
結晶化及び乾燥条件に応じて、式(II−HCl)の化合物の様々な多型が得られる。
好ましい実施態様では、Cu Kα線(1.5418Å)を用いてX線回折計で測定して、6.8、7.8、9.2、11.7、12.3、15.6、18.4、23.5の2θ角度値を含むX線粉末回析パターンを示し、以下形態Iと称される、他の結晶形態を本質的に含まない式(II−HCl)の化合物の結晶形態が提供される。より好ましい実施態様では、式(II−HCl)の化合物の結晶形態は、実質的に図6によるX線粉末回折パターンを示す。
「他の結晶形態を本質的に含まない」なる用語は、他の可能な多型の全体の比率が、10重量%以下であることを意味する。好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下、さらに好ましくは1重量%以下である。割合を決定する方法は、示された比率の純粋な多型標準体の混合物と比較することにより、実施されうる。
結晶形態の式(II−HCl)の化合物は、環境条件に応じて、可変量の水を含み得る。
他の好ましい実施態様では、Cu Kα線(1.5418Å)を用いてX線回折計で測定して、6.7、9.4、14.1、17.6、18.0、19.8、21.9、23.6、24.0、27.7の2θ角度値を含むX線粉末回析パターンを示し、以下形態Vと称される、他の結晶形態を本質的に含まない式(II−HCl)の化合物の結晶形態が提供される。より好ましい実施態様では、式(II−HCl)の化合物のこの結晶形態は、実質的に図7によるX線粉末回折パターンを示す。
式(II−HCl)の化合物の形態Iは、それが固形形態でこの中間体の単離を可能にし、その精製並びにその操作性を容易にし、工業的規模での操作に適した特性を有する安定形態であるために、ダビガトランエテキシレート又はその薬学的に許容可能な塩を得るのに特に適していると考えられる。同じことが、高い結晶性があり、例えば良好な濾過能力など、工業的規模での操作に特に適した機械的特性を有する式(II−HCl)の化合物の形態Vでも生じる。
式(II−HCl)の化合物の他の多型、特に形態Iの調製のための中間体として有用な形態II、形態III及び形態IVの提供も、本発明の一部である。
形態IIは、Cu Kα線(1.5418Å)を用いてX線回折計で測定されて、7.0、9.2、10.2、11.9、12.4、16.0、及び18.4の2θ角度値を含むX線粉末回析パターンを示す。好ましくは、式(II−HCl)の化合物の結晶形態IIは、実質的に図8によるX線粉末回折パターンを示す。
形態IIIは、Cu Kα線(1.5418Å)を用いてX線回折計で測定されて、6.2、6.5、10.4、10.9、11.2、11.9、12.4、14.8、15.3、15.8、15.9、16.3、17.5、及び18.4の2θ角度値を含むX線粉末回析パターンを示す。好ましくは、式(II−HCl)の化合物の結晶形態IIIは、実質的に図9によるX線粉末回折パターンを示す。
形態IVは、Cu Kα線(1.5418Å)を用いてX線回折計で測定されて、6.3、7.4、11.3、15.5、17.7、及び18.2の2θ角度値を含むX線粉末回析パターンを示す。好ましくは、式(II−HCl)の化合物の結晶形態IVは、実質的に図10によるX線粉末回折パターンを示す。
結晶化方法の条件に応じて、形態II、III、IV又はその混合物、並びに形態Iとの混合物を得ることができる。加熱時、これらの混合物は形態Iに転換される。
Cu Kα線(1.5418Å)を用いてX線回折計で測定されて、6.8、7.1、7.8、9.2、11.7、12.3、15.6、18.4、23.5の2θ角度値を含むX線粉末回析パターンを示す式(II−HCl)の化合物の結晶形態も、本発明の一部である。好ましくは、結晶形態は、実質的に図1によるX線粉末回折パターンを示す。この結晶形態は、約70重量%の割合の結晶形態I、及び約30重量%の割合の結晶形態IIを含む。
形態I及び形態IIの混合物である式(II−HCl)の化合物の上記結晶形態を調製する方法も、本発明の一部である。この結晶形態は、10−80℃を含む温度、3−20容量のイソプロパノールの濃度で、そのイソプロパノール溶液からの、化合物(II−HCl)の結晶化により得ることができる。一般的に、結晶化された生成物は−15℃から室温の範囲の温度で濾過され、真空下で室温で乾燥される。
この再結晶化工程の実施には、次の合成工程を進めるにはあまり都合の良くないNH4Cl残基の除去を可能にするという利点を有する。
他の結晶形態を本質的に含まない形態Vは、実施例6に示されるように、すなわち、後続するイソプロパノールから再結晶化させ、及び約65℃、真空下で、得られた固形物を乾燥させることにより調製され得る。
得られた固形物を乾燥させる温度及び雰囲気に応じて、実施例8、9及び10に例証するような、他の結晶形態、特に形態II、III又はIVを得ることができる。
また、形態Iは、好ましくは加熱により、他の結晶形態の混合物から得ることもできる。例えば、60−70℃の温度での、形態I、II及びIVの混合物から。好ましくは温度は約65℃である。また、約60−70℃で、形態I及びIIの混合物を加熱することにより得ることもできる。好ましくは、温度は約65℃である。
また、形態Iは、イソプロパノールにおいて再結晶化させ、真空下、約85℃の温度で得られる化合物を乾燥させることにより得ることができる。乾燥の開始時に、他の結晶形態が出現する可能性がある。実施例7に例証されているように、加熱により、形態Iに変換される形態IVを得ることができる。
式(III−HCl)の化合物は、式(IV)
の化合物、又はその対応する塩酸塩(IV−HCl)
を、塩酸及びエタノールと、場合によっては共溶媒の存在下で反応させ、続いて、固形物として得られた生成物を単離することで得られる。好ましい実施態様において、出発化合物は式(IV−HCl)の化合物である。他の好ましい実施態様において、出発化合物は式(IV−HCl)の結晶性化合物である。
の化合物、又はその対応する塩酸塩(IV−HCl)
を、塩酸及びエタノールと、場合によっては共溶媒の存在下で反応させ、続いて、固形物として得られた生成物を単離することで得られる。好ましい実施態様において、出発化合物は式(IV−HCl)の化合物である。他の好ましい実施態様において、出発化合物は式(IV−HCl)の結晶性化合物である。
この反応は、エタノールにおけるHClの濃溶液(必ずしも飽和していなくてよい)を使用して実施することができる。エタノールは、溶媒としてのみ及び反応体として、同時に作用させることができ、又は適切な共溶媒、例えば(C3-C6)エーテル、例えばテトラヒドロフラン;(C1-C6)ハロゲン化溶媒、例えばジクロロメタン;(C5-C12)アルカン、例えばヘプタン、(C5-C12)シクロアルカン、例えばシクロヘキサン;(C6-C9)芳香族溶媒、例えばトルエン又はキシレンと混合させてもよい。好ましい実施態様では、エタノールは唯一の溶媒として使用される。他の好ましい実施態様では、溶媒のこの混合物は生成物の単離に対して利点が提供されるため、エタノールはトルエンと混合される。特に、濾過が容易な固形物を得ることが可能であり、湿度に敏感でなく、良好な収率を有する。
一般的に、反応は10−50℃、好ましくは30−35℃、より好ましくは35℃の範囲の温度で実施される。完全な転換に必要な時間は12−48時間、好ましくは15−30時間である。
本発明のより好ましい実施態様において、HClの飽和溶液は、35℃でエタノール:トルエンの1:1混合物で使用される。
エタノールのみを使用して、反応が実施される場合、ついで、式(III−HCl)のイミデート塩の単離のために、共溶媒が添加される。可能な共溶媒の例は、例えば(C3-C6)エーテル、例えばtert-ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル又はテトラヒドロフラン;(C6-C9)芳香族溶媒、例えばトルエン、クロロベンゼン又はキシレン;又は(C1-C6)ハロゲン化溶媒である。好ましくはトルエンが使用される。
好ましくは、母液からの固形物の分離の改善を可能にするために、約7の反応容量にまで、エタノール/トルエンを用い、反応混合物を希釈し、室温で数時間混合物を攪拌することが望ましい。
特定の実施態様では、単離された化合物は、化合物(III−HCl)の結晶形態Iである。前記結晶形態は、実質的に図3のX線粉末回折パターンを示す。他の好ましい実施態様では、本発明は、Cu Kα線(1.5418Å)を用いてX線回折計で測定されて、4.7、7.6、11.5、14.1、16.6、20.5、22.3、23.1、23.9及び26.0の2θ角度値を含むX線粉末回析パターンを示す、式(III−HCl)の化合物の結晶形態Iに関する。化合物(III−HCl)の結晶形態Iは、エタノール/トルエン混合物の5−15容量の濃度;0−40℃を含む温度;35℃で、約1/1のトルエン/エタノール混合物の飽和濃度の50−100%のHCl濃度で、約1/1のトルエン/エタノール混合物のおけるその溶液から、化合物(III−HCl)を結晶化させる方法により得ることができる。一般的に、結晶化された生成物は、−20℃〜室温の範囲の温度で濾過される。
イミデート塩の結晶形態Iの単離を可能にする結晶化方法を誘発させるために、反応中にそれが起こっていない場合には、いくつかの選択肢が存在し、例えば溶液を0℃まで冷却することができる。さらに、結晶化を促進させるために、シード添加することもできる。
化合物(III−HCl)の結晶形態Iは、1−10mbarの圧力、15−30℃の温度、好ましくは室温で、真空乾燥させることにより、同じ化合物の非晶質形態に転換させることができる。よって、本発明の他の態様は、非晶質形態の化合物(III−HCl)に関する。前記非晶質形態は、実質的に図4のX線粉末回折パターンを示す。
上述の条件で乾燥させることによる、非晶質化合物(III−HCl)の調製方法も、本発明の一部である。
式(VI)の化合物と式(V)の化合物との間のカップリング反応は、当該技術分野、例えば特許出願WO98/37075において既に知られている。例えば、この反応は適切な溶媒、例えばテトラヒドロフランにおいて、適切な温度で、好ましくは加熱することにより実施される。使用されるカップリング剤は、好ましくは1,1'-カルボニルジイミダゾールであり、環化剤は酢酸である。
しかしながら、本発明においては、文献WO98/37075に記載された方法とは異なり、得られた式(IV)の化合物はクロマトグラフィーで精製されないが、ワークアップ後、対応する塩酸塩(IV−HCl)が沈殿する。
標準的な沈殿プロセスは、適切な溶媒において、0−60℃の温度、好ましくは30−40℃、純粋なガスの形態、又は溶液で、好ましくはHClの水溶液又は有機溶液、より好ましくは35−37%の水性HClとして、HClを添加することにより、式(IV)の化合物の溶液において生じる。典型的には、出発化合物(VI)に対して0.7−1.5当量、好ましくは1.1−1.2当量のHClが使用される。
式(IV)の化合物が溶解される溶媒は、(C1-C6)アルコール、例えばエタノール、イソプロパノール又はブタノール;(C1-C6)アルキル (C1-C6)エステル、例えば酢酸エチル、酢酸イソプロピル又は酢酸イソブチル;(C3-C8)ケトン、例えばメチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン又はアセトン;(C3-C6)エーテル、例えばメチル tert-ブチルエーテル、2-メチルテトラヒドロフラン、又はテトラヒドロフラン;(C1-C6)ハロゲン化溶媒、例えばジクロロメタン;(C6-C9)芳香族溶媒、例えばトルエン又はキシレン;(C5-C12)アルカン、例えばヘプタン、(C5-C12)シクロアルカン、例えばシクロヘキサン、又は上述したものの混合物でありうる。
塩酸塩(IV−HCl)に対応する固形物が出現した後、反応混合物を所定時間、一般的には0−3時間、好ましくは30分、上述した温度を維持しつつ攪拌する。続いて、場合によっては0℃で所定時間、一般的には0−3時間、好ましくは30分攪拌し、濾過する。好ましい実施態様において、反応混合物を、室温で30分〜3時間、続いて0℃で30分〜3時間攪拌する。最後に、固形物を濾過し、洗浄し、乾燥させることで、化合物(IV−HCl)が得られる。得られた固形物は、場合によってはエタノールから再結晶させることができ、HPLC/MSにより、99%a/a以上の純度を有する生成物が得られる。
イソプロパノールから沈殿させた生成物と、エタノールから再結晶させた生成物の双方とも、同じ結晶構造を示す。
先に示されたように、従来技術で既に記載されている中間体(IV)の式(II)の化合物への転換は、HClを添加する第1の工程を含む。よって、化合物(IV−HCl)が、この転換中に反応媒体中に存在しうることが考えられるが、固形形態ではいつでも単離されず、式(II)の化合物に直接転換される。
固形形態の化合物(IV−HCl)は、特に濾過による分離が容易であるという利点を有する。この特徴は、プロセスの全体収率に対して直接的な効果を有しており、よって、改善された分離特性を示す生成物を、より早く単離することができ、より良好に洗浄され、よって素早く乾燥されるので、該プロセスを工業的規模で実施する場合、特に重要である。
よって、本発明の他の態様は、固形形態の式(IV−HCl)の化合物、すなわち、N-[(2-[(p-シアノフェニル)アミノ]メチル)-1-メチル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボニル]-N-(2−ピリジル)-3-アミノプロピオン酸エチル塩酸塩に関する。好ましい実施態様では、本発明は、結晶形態の式(IV−HCl)の化合物に関する。
他の好ましい実施態様では、本発明は、実質的に図2によるX線粉末回析パターンを示す式(IV−HCl)の化合物の結晶形態に関する。他の好ましい実施態様では、本発明は、Cu Kα線(1.5418Å)を用いてX線回折計で測定されて、3.7、10.0、10.9、17.7、18.3、20.9、22.0、22.5、23.7、25.9及び26.4の2θ角度値を含むX線粉末回析パターンを示す式(IV−HCl)の化合物の結晶形態に関する。
式(IV−HCl)の化合物の前記結晶形態を調製する方法も、本発明の一部である。この結晶形態は、イソプロパノール又はエタノールにおいて、HClと化合物(IV)とを反応させ、反応媒体から結晶化生成物を、例えば濾過により分離させることを含む方法により調製することができる。また前記結晶形態は、エタノール又はイソプロパノールにおいて、10−80℃を含む温度、5−20容量のエタノール又はイソプロパノール;好ましくは4−7容量のエタノール又はイソプロパノールの濃度で、その溶液から式(IV−HCl)の化合物を再結晶化させることによって得ることができる。一般的に、結晶化生成物は、0−40℃の範囲であってよい温度で濾過される。
本発明の方法の各工程は、記載されている方法に対して有意に改善されており、既に知られているいくつかの工程と組合せられてもよい。さらに、本発明の種々の工程が一緒に実施される場合、得られた方法は特に効果的な工業化可能なプロセスである。
既に上述したように、式(II−HCl)の化合物は、R1がHを表し、R2がHを表す式(I)の化合物、すなわちダビガトランに対応する式
の化合物(Ia)、又はR1がエチルを表し、R2がn-ヘキシルオキシカルボニルを表し、ここでn-ヘキシルオキシカルボニル基が基-COO-(CH2)5CH3を指す式(I)の化合物、すなわちダビガトランエテキシレートに対応する式
の化合物(Ib)に転換され得る。
の化合物(Ia)、又はR1がエチルを表し、R2がn-ヘキシルオキシカルボニルを表し、ここでn-ヘキシルオキシカルボニル基が基-COO-(CH2)5CH3を指す式(I)の化合物、すなわちダビガトランエテキシレートに対応する式
の化合物(Ib)に転換され得る。
既に上述したように、式(II)の化合物から式(I)の化合物を調製することは、当該技術分野、例えば特許出願WO98/37075において既に知られている。好ましい実施態様では、式(I)の化合物は、上述した化合物(II−HCl)の結晶形態から調製される。
本発明の方法によって、R1がHを表し、R2がHを表す式(I)の化合物、すなわちダビガトランに対応する式
の化合物(Ia)、又はR1がエチルを表し、R2がn-ヘキシルオキシカルボニルを表し、ここでn-ヘキシルオキシカルボニル基が基-COO-(CH2)5CH3を指す式(I)の化合物、すなわちダビガトランエテキシレートに対応する化合物(Ib)
を得ることができる。
の化合物(Ia)、又はR1がエチルを表し、R2がn-ヘキシルオキシカルボニルを表し、ここでn-ヘキシルオキシカルボニル基が基-COO-(CH2)5CH3を指す式(I)の化合物、すなわちダビガトランエテキシレートに対応する化合物(Ib)
を得ることができる。
例示すると、式(Ib)の化合物は、式(II)の化合物を式(XI)
(上式中、Xはハロゲン、例えばCl又はBr、好ましくはClである)の化合物と反応させることにより調製されうる。反応は、0−50℃、好ましくは10−25℃の温度で、塩基、例えばK2CO3、Na2CO3、KHCO3、NaHCO3、又はトリエチルアミンの存在下で実施される。特に好ましい実施態様では、K2CO3が使用される。他の好ましい実施態様では、トリエチルアミンが使用される。この反応は(C3−C8)ケトン型溶媒、例えばアセトン、又はエーテル型、例えばジオキサン又はテトラヒドロフランにおいて、場合によっては水の存在下で実施することができる。好ましくは、この反応はテトラヒドロフラン又はアセトンにおいて実施される。好ましい実施態様において、溶媒としてアセトンが使用され、塩基としてトリエチルアミンが使用される。
(上式中、Xはハロゲン、例えばCl又はBr、好ましくはClである)の化合物と反応させることにより調製されうる。反応は、0−50℃、好ましくは10−25℃の温度で、塩基、例えばK2CO3、Na2CO3、KHCO3、NaHCO3、又はトリエチルアミンの存在下で実施される。特に好ましい実施態様では、K2CO3が使用される。他の好ましい実施態様では、トリエチルアミンが使用される。この反応は(C3−C8)ケトン型溶媒、例えばアセトン、又はエーテル型、例えばジオキサン又はテトラヒドロフランにおいて、場合によっては水の存在下で実施することができる。好ましくは、この反応はテトラヒドロフラン又はアセトンにおいて実施される。好ましい実施態様において、溶媒としてアセトンが使用され、塩基としてトリエチルアミンが使用される。
反応過程で生じるトリエチルアンモニウム塩は、濾過又は水洗浄により除去されうる。
式(Ia)の化合物は、適切な溶媒、例えばエタノールと水の混合物において、適切な温度、例えば室温で、塩基、例えば水酸化ナトリウムと、式(II)又は(II−HCl)の化合物とを反応させることより調製することができる。
さらに、式(I)の化合物は、場合によってはその薬学的に許容可能な塩に転換されうる。式(I)の化合物、特に化合物(Ib)の塩とその取得は、例えば文献WO03/074056、WO2006/114415及びWO2008/43759に既に記載されている。好ましい実施態様では、本発明は、化合物(Ib)のメタンスルホネート又はメシレート、すなわちダビガトランエテキシレートメシレート(Ib−MsOH)に関する。この塩は、化合物(Ib)とメタンスルホン酸から、例えばアセトンと水の混合物中において、20−40℃の温度で調製される。
式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩の、水和物を含む溶媒和物もまた本発明の一部である。一般的に、水、エタノール等の薬学的に許容可能な溶媒との溶媒和形態は、本発明の目的にとっては、非溶媒和形態と等価である。
明細書と特許請求の範囲を通して、「含む」なる用語及びその用語の変形語は、他の技術的特徴、添加剤、成分又は工程を排除することを意図していない。本発明のさらなる目的、利点及び特徴は、明細書の検討により当業者には明らかになるであろうし、又は本発明の実施により知得することができる。以下の実施例及び図面は、例証のために提供されるもので、それらは本発明を限定することを意図するものではない。さらに、本発明は、以下に記載する特定の好ましい実施態様のあらゆる可能な組合せを包含する。
実施例中、次の略語を使用した:
EtOAc:酢酸エチル
Ar:アルゴン
c.:濃縮
t.l.c.:薄層クロマトグラフィー
DMF:ジメチルホルムアミド
EtOH:エタノール
Et3N:トリエチルアミン
IPA:イソプロパノール
PXRD:粉末X線回折
r.t.:室温
THF:テトラヒドロフラン
EtOAc:酢酸エチル
Ar:アルゴン
c.:濃縮
t.l.c.:薄層クロマトグラフィー
DMF:ジメチルホルムアミド
EtOH:エタノール
Et3N:トリエチルアミン
IPA:イソプロパノール
PXRD:粉末X線回折
r.t.:室温
THF:テトラヒドロフラン
DRX分析を、Bragg−Bentano幾何及びCu Kα線(1.5418Å)を用いるPANalytical X´Pert PRO MPD回折計で実施した。システムにはRTMS検出器が備えられていた。サンプルを粉砕し、ゼロバックグラウンドのSiサンプルホルダーに配した。記録パラメーターは2θ範囲=3−40°、全記録時間125秒とした。
実施例1:N-[(2-[(p-シアノフェニル)アミノ]メチル)-1-メチル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボニル]-N-(2-ピリジル)-3-アミノプロピオン酸エチル塩酸塩(IV−HCl)
Ar雰囲気下、N-(p-シアノフェニル)-グリシン(V)(7.22g、41.0mmol)と1,1'-カルボニルジイミダゾール(6.64g、41.0mmol)を、無水THF(315mL)に懸濁させた。これを45分還流させ、無水THF(56mL)中の化合物(VI)の溶液(12.74g、37.2mmol)をゆっくりと添加した。還流下で6時間後、反応混合物を冷却し、溶媒を低圧下で蒸留した。得られた油を氷酢酸(155mL)に溶解させ、1時間還流した。低圧下で溶媒を除去し、残留物をCH2Cl2(130mL)に溶解させ、H2O(2×130mL)で洗浄した。有機相を無水MgSO4で乾燥させ、溶媒を低圧で蒸留した。得られた残留物を真空下で乾燥させ、20.19gの粗物質(IV)(HPLC/MSによるa/a純度75%)を得た。
Ar雰囲気下、N-(p-シアノフェニル)-グリシン(V)(7.22g、41.0mmol)と1,1'-カルボニルジイミダゾール(6.64g、41.0mmol)を、無水THF(315mL)に懸濁させた。これを45分還流させ、無水THF(56mL)中の化合物(VI)の溶液(12.74g、37.2mmol)をゆっくりと添加した。還流下で6時間後、反応混合物を冷却し、溶媒を低圧下で蒸留した。得られた油を氷酢酸(155mL)に溶解させ、1時間還流した。低圧下で溶媒を除去し、残留物をCH2Cl2(130mL)に溶解させ、H2O(2×130mL)で洗浄した。有機相を無水MgSO4で乾燥させ、溶媒を低圧で蒸留した。得られた残留物を真空下で乾燥させ、20.19gの粗物質(IV)(HPLC/MSによるa/a純度75%)を得た。
褐色の油をイソプロパノール(101mL)に35℃で溶解させ、HCl(c)(37%、3.40mL、41.1mmol)をゆっくりと添加した。しばらくしてから多量の白色の固形物が現れた。それを、35℃で30分、その後0℃で30分攪拌した。固形物を濾過し、IPA(15mL)で洗浄し、真空下で乾燥させ、生成物(IV−HCl)(14.25g、収率74%、HPLC/MSによるa/a純度97%)を得た。この固形物をEtOH(160mL)から再結晶させ、EtOH(2×10mL)で洗浄し、真空で乾燥させ、12.13g(23.4mmol、全収率63%、HPLC/MSによるa/a純度99%)の生成物(IV−HCl)を得た。
1H RMN(400MHz、CD3OD):δ(ppm)=8.33(ddd,J=4.8,2.0,0.8,1H)、7.77(d,J=8.8,1H)、7.66(dd,J=1.6,0.8,1H)、7.60(ddd,J=8.0,8.0,2.0,1H)、7.55-7.50(m,3H)、7.17(ddd,J=7.6,4.8,0.8,1H)、7.09(d,J=8.0,1H)、6.83(d,J=8.8,2H)、5.02(s,2H)、4.34(t,J=7.2,2H)、4.05(q,J=7.2,2H)、4.02(s,3H)、2.76(t,J=7.2,2H)、1.19(t,J=7.2,3H)。
融点(Tmelt):213−215℃
PXRD:図2、2θ角度値(o)=3.7、10.0、10.9、17.7、18.3、20.9、22.0、22.5、23.7、25.9、26.4
PXRD:図2、2θ角度値(o)=3.7、10.0、10.9、17.7、18.3、20.9、22.0、22.5、23.7、25.9、26.4
実施例2:N-[(2-[(p-[エトキシイミゾイル]フェニル)アミノ]メチル)-1-メチル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボニル]-N-(2-ピリジル)-3-アミノプロピオン酸エチル塩酸塩(III−HCl)
a)溶媒としてEtOHを使用する反応、トルエンを添加することによる生成物の環化
塩酸塩(IV−HCl)(2.12g、4.08mmol)を、30℃で24時間、EtOH(3.8mL)中の飽和HCl溶液において攪拌した。得られた混合物をEtOH(3.8mL)で希釈し、トルエン(7.6mL)を添加した。室温で2時間30分、0℃で15分攪拌し、結晶性固形物をアルゴン雰囲気下で濾過し、1:1の冷トルエン:EtOH(2mL)で洗浄し、室温で真空下で乾燥させ、非晶質のイミデート塩酸塩(2.05g、収率89%、HPLC/MSによるa/a純度86%)を得た。
a)溶媒としてEtOHを使用する反応、トルエンを添加することによる生成物の環化
塩酸塩(IV−HCl)(2.12g、4.08mmol)を、30℃で24時間、EtOH(3.8mL)中の飽和HCl溶液において攪拌した。得られた混合物をEtOH(3.8mL)で希釈し、トルエン(7.6mL)を添加した。室温で2時間30分、0℃で15分攪拌し、結晶性固形物をアルゴン雰囲気下で濾過し、1:1の冷トルエン:EtOH(2mL)で洗浄し、室温で真空下で乾燥させ、非晶質のイミデート塩酸塩(2.05g、収率89%、HPLC/MSによるa/a純度86%)を得た。
b)1:1のEtOH:トルエン中で実施される反応、反応媒体における生成物の直接環化
圧力反応器において、塩酸塩(IV−HCl)(2.34g、4.51mmol)を、30℃で26時間、35℃で17時間、1:1のEtOH:トルエン(11.6mL)のHClの飽和溶液において攪拌した。混合物を冷却し、1:1のEtOH:トルエン(4.6mL)で希釈し、新規に得られた生成物をシード添加し、室温で3時間攪拌した。結晶性固形物を窒素雰囲気下で濾過し、真空下、室温で乾燥させ、非晶質のイミデート塩酸塩(2.03g、収率80%、HPLC/MSによる純度85%)を得た。
圧力反応器において、塩酸塩(IV−HCl)(2.34g、4.51mmol)を、30℃で26時間、35℃で17時間、1:1のEtOH:トルエン(11.6mL)のHClの飽和溶液において攪拌した。混合物を冷却し、1:1のEtOH:トルエン(4.6mL)で希釈し、新規に得られた生成物をシード添加し、室温で3時間攪拌した。結晶性固形物を窒素雰囲気下で濾過し、真空下、室温で乾燥させ、非晶質のイミデート塩酸塩(2.03g、収率80%、HPLC/MSによる純度85%)を得た。
1H RMN(400MHz、CD3OD):δ(ppm)=8.36(ddd,J=5.6,2.8,0.8,1H)、7.93(d,J=8.8,1H)、7.79(dd,J=8.8,0.8,1H)、7.75-7.70(m,2H)、7.54(dd,J=8.8,1.6,1H)、7.25(ddd,J=7.6,5.2,0.8,1H)、7.22(d,J=8.0,1H)、6.94(d,J=8.8,2H)、5.12(s,2H)、4.55(q,J=6.8,2H)、4.34(t,J=6.8,2H)、4.04(q,J=6.8,2H)、4.04(bs,3H)、2.77(t,J=6.8,2H)、1.57(t,J=6.8,3H)、1.18(t,J=6.8,3H)
PXRD結晶性中間体:図3、2θ角度値(o)=4.7、7.6、11.5、14.1、16.6、20.5、22.3、23.1、23.9、26.0
PXRD結晶性中間体:図3、2θ角度値(o)=4.7、7.6、11.5、14.1、16.6、20.5、22.3、23.1、23.9、26.0
実施例3:N-([([(アミジノ)フェニル]アミノ)メチル]-1-メチル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボニル)-N-(2-ピリジル)-3-アミノプロピオン酸エチル塩酸塩(II−HCl)
a)(NH4)2CO3を使用する反応
Ar雰囲気下、(NH4)2CO3(1.05g、10.93mmol)をEtOH(20mL)に懸濁させた。室温で40分攪拌させ、イミデート塩(III−HCl)(2.06g、3.64mmol、HPLC/MSによるa/a純度>90%)の溶液を、EtOH(12mL)に添加した。室温で一晩攪拌し、固形物を濾過し、EtOH(2mL)で洗浄し、低圧、55℃の温度で、濾液を約10mLの容量まで蒸留した。トルエン(25mL)を添加し、25mLの溶媒を、低圧下、60−65℃の温度で蒸留し;この操作を2回実施した。得られた懸濁液を冷却し、固形物を濾過し、トルエン(1mL)で洗浄し、真空で乾燥させ、非晶質の形態のアミジノ化合物の塩酸塩(II−HCl)(1.69g、収率82%、HPLC/MSによるa/a純度93%、図11を参照)を得た。
a)(NH4)2CO3を使用する反応
Ar雰囲気下、(NH4)2CO3(1.05g、10.93mmol)をEtOH(20mL)に懸濁させた。室温で40分攪拌させ、イミデート塩(III−HCl)(2.06g、3.64mmol、HPLC/MSによるa/a純度>90%)の溶液を、EtOH(12mL)に添加した。室温で一晩攪拌し、固形物を濾過し、EtOH(2mL)で洗浄し、低圧、55℃の温度で、濾液を約10mLの容量まで蒸留した。トルエン(25mL)を添加し、25mLの溶媒を、低圧下、60−65℃の温度で蒸留し;この操作を2回実施した。得られた懸濁液を冷却し、固形物を濾過し、トルエン(1mL)で洗浄し、真空で乾燥させ、非晶質の形態のアミジノ化合物の塩酸塩(II−HCl)(1.69g、収率82%、HPLC/MSによるa/a純度93%、図11を参照)を得た。
b)EtOH中のNH3溶液を使用する反応
Ar雰囲気下、イミデート塩(III−HCl)(7.15g、12.65mmol、HPLC/MSによる純度94%)を、EtOH(51mL)に溶解させた。EtOH(2.0M、20mL、40.0mmol)中のNH3溶液をゆっくりと添加し、室温で48時間攪拌した。低圧下でEtOHを蒸留し(約35mL)、反応混合物を冷却し、固形物を濾過し、EtOH(7mL)で洗浄した。濾液を混合し、低圧下で、約14mLの容量まで再度蒸留した。トルエン(56mL)を添加し、同量の溶媒を低圧下で蒸留し;この操作を2回実施した。放置して冷却し、固形物を濾過し、トルエン(7mL)で洗浄し、真空下で乾燥させ、非晶質の粗塩酸塩(II−HCl)(6.63g、収率98%、HPLC/MSによるa/a純度92%)を得た。塩酸塩をIPA(86mL)から再結晶化させ、冷濾過し、冷IPA(13mL)で洗浄した。固形物を真空下で乾燥させ、関心ある生成物(4.75g、イミデート塩からの収率70%、HPLC/MSによるa/a純度99%以上)を得た。
Ar雰囲気下、イミデート塩(III−HCl)(7.15g、12.65mmol、HPLC/MSによる純度94%)を、EtOH(51mL)に溶解させた。EtOH(2.0M、20mL、40.0mmol)中のNH3溶液をゆっくりと添加し、室温で48時間攪拌した。低圧下でEtOHを蒸留し(約35mL)、反応混合物を冷却し、固形物を濾過し、EtOH(7mL)で洗浄した。濾液を混合し、低圧下で、約14mLの容量まで再度蒸留した。トルエン(56mL)を添加し、同量の溶媒を低圧下で蒸留し;この操作を2回実施した。放置して冷却し、固形物を濾過し、トルエン(7mL)で洗浄し、真空下で乾燥させ、非晶質の粗塩酸塩(II−HCl)(6.63g、収率98%、HPLC/MSによるa/a純度92%)を得た。塩酸塩をIPA(86mL)から再結晶化させ、冷濾過し、冷IPA(13mL)で洗浄した。固形物を真空下で乾燥させ、関心ある生成物(4.75g、イミデート塩からの収率70%、HPLC/MSによるa/a純度99%以上)を得た。
1H RMN(400MHz、CD3OD):δ(ppm)=8.39(m,1H)、7.63-7.58(m,3H)、7.51(ddd,J=8.0,8.0,2.0,1H)、7.38(d,J=8.4,1H)、7.29(dd,J=8.8,1.6,1H)、7.15-7.12(m,1H)、6.93(d,J=8.0,1H)、6.86(d,J=8.8,2H)、4.70(s,2H)、4.36(t,J=7.2,2H)、4.05(q,J=7.2,2H)、3.83(s,3H)、2.76(t,J=7.2,2H)、1.20(t,J=7.2,3H)
PXRD:図1、2θ角度値(o)=6.8、7.1、7.8、9.2、11.7、12.3、15.6、18.4、23.5
PXRD:図1、2θ角度値(o)=6.8、7.1、7.8、9.2、11.7、12.3、15.6、18.4、23.5
実施例4:N-[([([(N-ヘキシルオキシカルボニル)アミジノ]フェニル)アミノ]メチル)-1-メチル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボニル]-N-(2-ピリジル)-3-アミノプロピオン酸エチル(Ib)
a)溶媒としてTHFを使用する反応
Ar雰囲気下、アミジノ化合物塩酸塩(II−HCl)(1.70g、3.17mmol、HPLC/MSによるa/a純度92%)を、無水THF(30mL)において攪拌し、0℃まで冷却し、Et3N(1.35mL、9.68mmol)及びn-ヘキシルクロロホルメート(0.65mL、3.98mmol)を添加し、室温で1時間攪拌した。t.l.cにより反応の進行性を検証した後、さらにn−ヘキシルクロロホルメート(0.20mL、1.22mmol)及び無水THF(5mL)を添加し、室温で2時間攪拌した。固形物を濾過し、低圧下で溶媒を蒸発させた。残留物をEtOAc(30mL)に溶解させ、有機相を1NのNaOH(10mL)で洗浄した。水相をEtOAc(2×10mL)で抽出し、有機相を混合し、NaCl(飽和)(10mL)で洗浄し、無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を蒸発乾固させ、関心ある粗生成物(1.81g、収率94%、HPLC/MSによる純度86%)を得た。
a)溶媒としてTHFを使用する反応
Ar雰囲気下、アミジノ化合物塩酸塩(II−HCl)(1.70g、3.17mmol、HPLC/MSによるa/a純度92%)を、無水THF(30mL)において攪拌し、0℃まで冷却し、Et3N(1.35mL、9.68mmol)及びn-ヘキシルクロロホルメート(0.65mL、3.98mmol)を添加し、室温で1時間攪拌した。t.l.cにより反応の進行性を検証した後、さらにn−ヘキシルクロロホルメート(0.20mL、1.22mmol)及び無水THF(5mL)を添加し、室温で2時間攪拌した。固形物を濾過し、低圧下で溶媒を蒸発させた。残留物をEtOAc(30mL)に溶解させ、有機相を1NのNaOH(10mL)で洗浄した。水相をEtOAc(2×10mL)で抽出し、有機相を混合し、NaCl(飽和)(10mL)で洗浄し、無水MgSO4で乾燥させた。溶媒を蒸発乾固させ、関心ある粗生成物(1.81g、収率94%、HPLC/MSによる純度86%)を得た。
b)溶媒としてアセトンを使用する反応
Ar雰囲気下、アミジノ化合物塩酸塩(II−HCl)(1.50g、2.80mmol、HPLC/MSによるa/a純度100%)を、アセトン(38mL)において攪拌し、0℃まで冷却し、Et3N(1.17mL、8.40mmol)及びn−ヘキシルクロロホルメート(0.50mL、3.06mmol)を添加し、室温で30分攪拌した。t.l.cにより反応の進行を検証した後、さらにn−ヘキシルクロロホルメート(0.30mL、1.84mmol)を添加し、室温で1時間攪拌した。低圧下、溶媒を蒸留し、残留物をEtOAc(30mL)に溶解させ、有機相を1NのNaOH(15mL)で洗浄した。水相をEtOAc(30mL)で抽出し、有機相を混合し、NaCl(飽和)(15mL)で洗浄した。有機相を無水MgSO4で乾燥させ、溶媒を蒸発乾固させ、得られた残留物を真空下で乾燥させ、関心ある粗生成物(1.56g、収率89%、HPLC/MSによる純度97%)を得た。
Ar雰囲気下、アミジノ化合物塩酸塩(II−HCl)(1.50g、2.80mmol、HPLC/MSによるa/a純度100%)を、アセトン(38mL)において攪拌し、0℃まで冷却し、Et3N(1.17mL、8.40mmol)及びn−ヘキシルクロロホルメート(0.50mL、3.06mmol)を添加し、室温で30分攪拌した。t.l.cにより反応の進行を検証した後、さらにn−ヘキシルクロロホルメート(0.30mL、1.84mmol)を添加し、室温で1時間攪拌した。低圧下、溶媒を蒸留し、残留物をEtOAc(30mL)に溶解させ、有機相を1NのNaOH(15mL)で洗浄した。水相をEtOAc(30mL)で抽出し、有機相を混合し、NaCl(飽和)(15mL)で洗浄した。有機相を無水MgSO4で乾燥させ、溶媒を蒸発乾固させ、得られた残留物を真空下で乾燥させ、関心ある粗生成物(1.56g、収率89%、HPLC/MSによる純度97%)を得た。
1H RMN(400MHz、CD3OD):δ(ppm)=8.39(dd,J=4.8,1.2,1H)、7.70(d,J=8.8,2H)、7.57(d,J=0.8,1H)、7.51(ddd,J=8.0,8.0,1.6,1H)、7.37(d,J=8.4,1H)、7.29(dd,J=8.4,1.6,1H)、7.14(m,1H)、6.92(d,J=8.0,2H)、6.76(d,J=8.8,2H)、4.65(s,2H)、4.36(t,J=7.2、2H)、4.09(t,J=6.8,2H)、4.05(q,J=7.2,2H)、3.82(s,3H)、2.76(t,J=7.2,2H)、1.68(m,2H)、1.46-1.30(m,6H)、1.20(m,J=7.2,3H)、0.92(t,J=6.8,3H)
実施例5:N-([([(アミジノ)フェニル]アミノ)メチル]-1-メチル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボニル)-N-(2-ピリジル)-3-アミノプロピオン酸エチル塩酸塩(II−HCl)形態I
実施例10で得られた形態I、II及びIVの形態の生成物II・HCl(0.50g)を、真空下、65℃で一晩乾燥させた。生成物II・HCl(0.50g)が、他の結晶性形態を本質的に含まない形態Iで得られた(図6)。
実施例10で得られた形態I、II及びIVの形態の生成物II・HCl(0.50g)を、真空下、65℃で一晩乾燥させた。生成物II・HCl(0.50g)が、他の結晶性形態を本質的に含まない形態Iで得られた(図6)。
実施例6:N-([([(アミジノ)フェニル]アミノ)メチル]-1-メチル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボニル)-N-(2-ピリジル)-3-アミノプロピオン酸エチル塩酸塩(II−HCl)形態V
実施例5で得られた生成物II・HCl(3.69g、形態I)をIPA(30mL)に懸濁させ、混合物を沸点まで加熱した。さらなるIPA(19mL)を添加した。混合物を室温で冷却し、水/氷浴で1時間攪拌した。固形物を濾過し、冷IPA(4mL)で洗浄し、真空オーブンで、65℃で一晩乾燥させた。生成物II・HCl(3.28g)が、他の結晶性形態を本質的に含まない形態Vで得られた(図7)。
実施例5で得られた生成物II・HCl(3.69g、形態I)をIPA(30mL)に懸濁させ、混合物を沸点まで加熱した。さらなるIPA(19mL)を添加した。混合物を室温で冷却し、水/氷浴で1時間攪拌した。固形物を濾過し、冷IPA(4mL)で洗浄し、真空オーブンで、65℃で一晩乾燥させた。生成物II・HCl(3.28g)が、他の結晶性形態を本質的に含まない形態Vで得られた(図7)。
実施例7:N-([([(アミジノ)フェニル]アミノ)メチル]-1-メチル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボニル)-N-(2-ピリジル)-3-アミノプロピオン酸エチル塩酸塩(II−HCl)形態I
実施例6で得られた生成物II・HCl(4.00g、形態V)をiBuOH(44mL)に懸濁させた。大気圧下、9mLの溶媒を蒸留し、溶液を冷却し、71℃で固形物の出現が観察された。40℃まで冷却し、混合物を水/氷浴で1時間攪拌した。固形物を濾過し、冷iBuOH(8mL)で洗浄し、真空オーブンにおいて85℃で一晩乾燥させた。化合物II・HClの形態IVが得られた。固形物の一部(1.60g)を真空オーブンにおいて85℃でさらに5日間乾燥させ、他の結晶性形態を本質的に含まない形態Iで、生成物II・HCl(1.41g)が得られた。
実施例6で得られた生成物II・HCl(4.00g、形態V)をiBuOH(44mL)に懸濁させた。大気圧下、9mLの溶媒を蒸留し、溶液を冷却し、71℃で固形物の出現が観察された。40℃まで冷却し、混合物を水/氷浴で1時間攪拌した。固形物を濾過し、冷iBuOH(8mL)で洗浄し、真空オーブンにおいて85℃で一晩乾燥させた。化合物II・HClの形態IVが得られた。固形物の一部(1.60g)を真空オーブンにおいて85℃でさらに5日間乾燥させ、他の結晶性形態を本質的に含まない形態Iで、生成物II・HCl(1.41g)が得られた。
実施例8:N-([([(アミジノ)フェニル]アミノ)メチル]-1-メチル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボニル)-N-(2-ピリジル)-3-アミノプロピオン酸エチル塩酸塩(II−HCl)形態III
II・HCl(5.00g)をIPA(40mL)に懸濁させ、固形物が完全に溶解するまで、混合物を加熱した。溶液を冷却すると、63℃で固形物の形成が観察され、混合物を30℃で一晩攪拌した。固形物を室温で濾過し、冷IPA(5mL)で洗浄し、湿った固形物をX線回折により分析したところ、図9に示すディフラクトグラムが得られた(形態III)。
II・HCl(5.00g)をIPA(40mL)に懸濁させ、固形物が完全に溶解するまで、混合物を加熱した。溶液を冷却すると、63℃で固形物の形成が観察され、混合物を30℃で一晩攪拌した。固形物を室温で濾過し、冷IPA(5mL)で洗浄し、湿った固形物をX線回折により分析したところ、図9に示すディフラクトグラムが得られた(形態III)。
実施例9:N-([([(アミジノ)フェニル]アミノ)メチル]-1-メチル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボニル)-N-(2-ピリジル)-3-アミノプロピオン酸エチル塩酸塩(II−HCl)形態II
実施例8の湿った固形物を、室温で、大気と接触させつつ保持し、3日後に再分析し、図8に示すディフラクトグラムが得られた(形態II)。
実施例8の湿った固形物を、室温で、大気と接触させつつ保持し、3日後に再分析し、図8に示すディフラクトグラムが得られた(形態II)。
実施例10:N-([([(アミジノ)フェニル]アミノ)メチル]-1-メチル-1H-ベンズイミダゾール-5-カルボニル)-N-(2-ピリジル)-3-アミノプロピオン酸エチル塩酸塩(II−HCl)形態I、II及びIVの混合物
実施例8の湿った固形物を、室温、真空下にて、3日間乾燥させ、X線回折により分析したところ、図5に示すディフラクトグラムが得られた(形態I、II及びIVの混合物)。
実施例8の湿った固形物を、室温、真空下にて、3日間乾燥させ、X線回折により分析したところ、図5に示すディフラクトグラムが得られた(形態I、II及びIVの混合物)。
Claims (17)
- 式(I)
(上式中、R1及びR2はHを表し;又はR1はエチルを表し、R2はn-ヘキシルオキシカルボニルを表す)の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩を調製する方法であって、
a)式(III−HCl)
の化合物を固形物として提供し;
b)式(III−HCl)の化合物を、式(III−HCl)の化合物の各モル当たり3−5モルの量のアンモニア又はアンモニウム塩と反応させ、式(II−HCl)
の化合物を得、固形物として得られた生成物を単離し;
c)得られた式(II−HCl)の化合物を式(I)の化合物に転換させ;
d)場合によっては、式(I)の化合物を、酸での処理によりその薬学的に許容可能な塩に、又は式(I)の化合物の薬学的に許容可能な塩を、塩基での処理により、式(I)の化合物に、又は式(I)の化合物の塩を、イオン交換により、式(I)の化合物の他の塩に転換させる
ことを含む方法。 - 有機溶媒中のアンモニア溶液が使用される、請求項1に記載の方法。
- 出発化合物が式(IV−HCl)の化合物である、請求項3に記載の方法。
- 出発化合物が式(IV−HCl)の結晶性化合物である、請求項4に記載の方法。
- 共溶媒がトルエンである、請求項4又は5に記載の方法。
- 反応が30−35℃の範囲の温度で実施される、請求項4から6のいずれか一項に記載の方法。
- 式(IV−HCl)の化合物が固形物として単離される、請求項8に記載の方法。
- Cu Kα線(1.5418Å)を用いてX線回折計で測定されて、6.8、7.8、9.2、11.7、12.3、15.6、18.4及び23.5の2θ角度値を含むX線粉末回析パターンを示す、他の結晶形態を本質的に含まない式(II−HCl)の化合物の結晶形態。
- Cu Kα線(1.5418Å)を用いてX線回折計で測定されて、6.8、7.1、7.8、9.2、11.7、12.3、15.6、18.4及び23.5の2θ角度値を含むX線粉末回析パターンを示す、式(II−HCl)の化合物の結晶形態。
- Cu Kα線(1.5418Å)を用いてX線回折計で測定されて、6.7、9.4、14.1、17.6、18.0、19.8、21.9、23.6、24.0及び27.7での角度値を含むX線粉末回析パターンを示す、他の結晶形態を本質的に含まない、式(II−HCl)の化合物の結晶形態。
- 式(III-HCl)の非晶質化合物。
- Cu Kα線(1.5418Å)を用いてX線回折計で測定された、3.7、10.0、10.9、17.7、18.3、20.9、22.0、22.5、23.7、25.9及び26.4の2θ角度値を含むX線粉末回析パターンを示す、結晶形態の式(IV-HCl)の化合物。
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