JP2013530821A5 - - Google Patents

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連続処理反応器およびその使用方法
本願発明は、処理反応器、さらにとりわけ、処理される流体に高い熱伝達率、高い物質移動速度、高い混合速度および高い他の輸送(transport)速度を与えることができる連続処理反応器に関する。
化学反応過程における一般的な問題は、所望の製品を効率的に製造するように、いかにして反応器内において適切な流体力学を達成するかである。反応成分の分子が、触媒を含む反応の他の成分に接触するように反応物が混合される必要がある。気体反応物の存在は、反応効率を向上させるように気体成分と液体成分との間の境界における表面積の増加を更に必要するであろう。
反応成分間における混合と接触とを改善するように、薄膜反応器は、とりわけ、処理チャンバーの内面(すなわち、処理表面)への触媒のコーティングを含むように構成されている。さらに、処理チャンバーの処理表面への触媒の接着を向上させるように、ゾルゲルまたはウォッシュコート(またはウォッシュコーティング、washcoating)を処理表面に塗布できる。しかしながら、コーティングは、時間とともに磨耗する傾向があり、不可避的に非活性化する傾向がある
成分間の表面積増加の要求に対処するように、特定の薄膜反応器は、処理される材料(例えば、流体)を内壁上に供給するように用いることができる回転分配器を含むように構成されている。しかしながら、これらの反応器は、処理される材料について強力な熱交換と短い滞留時間とを組み合わせるので、このような構成は、材料が処理チャンバーに入ると、処理チャンバーとソース(または熱源、source)との間における急激の温度差に起因して材料を急速に膨張させることがあり、処理チャンバーの内壁上に材料の不均一な広がりをもたらす。
他の薄膜反応器は、処理される材料を内壁(すなわち、処理表面)上に分配するように、処理チャンバーの内壁に適用できる1以上の回転ワイパーを備えている。しかしながら、処理表面上へのワイパーの直接接触は、材料の汚染と、ワイパーと反応器の内壁との望ましくない磨耗とをもたらすであろう。更に、必要なワイパーの配置に起因し、処理チャンバーの内壁について実質的に全体の長さに沿った均一な薄膜を得ることは問題として残る。粘性流体の存在下において、不均一な流れに起因して材料の堆積が生じるであろう。このことが起こり、堆積した材料がワイパーに接触すると、この回転システムは、その機械的バランスを失う恐れがあり、回転を損なうかもしれない。
薄膜反応器は、また、回転盤を備えており、処理される流体が、回転盤から処理チャンバーの処理表面上に分配される。不幸にも、このような反応器は、十分に長い滞留時間を有するようには構成されておらず、大規模処理には適していない。更に、薄膜反応器の現在の構成では、これらの薄膜反応器は、高い輸送速度(すなわち、処理される流体に関連した比較的高い、熱伝達率、物質移動速度、混合速度またはそれらの組合せ)を備える能力を欠いているようであってもよい
従って、処理表面上で処理される流体または材料の実質的に均一な薄い分配を与えることができ、反応成分間の混合および/または接触を向上でき、十分に長い滞留時間を与えることができ、比較的高い輸送速度を与えることができ、その一方で高い処理量を与える構成を備えた薄膜反応器の必要性がある。
発明の要旨
本願発明の1つの実施形態によれば、流体を処理するための反応器が備えられる。反応器は内面を有する外側容器を含み、処理される流体を該内面に接触して収容できる。1つの実施形態では、外側容器の内面は、処理される流体が実質的に均一な薄膜の状態で降下でき、処理される流体が、比較的高い、熱伝達率、物質移動速度、混合速度、他の輸送速度またはそれらの組合せを有することができるように構成できる。外側容器の内面は、付加的な表面積を生成するように形状パターン(profiled pattern)を備えていてもよく、処理される流体が、取り扱い(treatment)、処理(processing)、分離、滞留時間の増加の1つまたはそれらの組合せを容易にするように付加的な表面積に亘って流れることができる。反応器は、また、処理される流体のための熱交換面として働く外面を有する、外側容器内に設置された内側容器をも含む。1つの実施形態では、内側容器は、熱交換流体が内面に接触して流れることができる内面を含む。熱交換流体は、概して、内側容器の外面と外側容器の内面との間に温度差を与えるように、処理される流体の温度と異なり得る温度を有する。反応器は、経路を備えるために外側容器と内側容器との間に規定された環状空間を更に含み、流体の処理は、該経路に沿って実施できる。1つの実施形態では、環状空間は、外側容器と内側容器との間の温度差を維持し、処理される流体に比較的高い輸送速度を与えるように構成できる。さらに、環状空間は、処理される流体との相互作用のための第2の流体を収容できる。1つの実施形態では、第2の流体は、処理される流体の流れに対して逆流となるように環状空間内を移動できる。パッキング材料(packing material)のベッド(または床、bed)は、表面積を増加させるように環状空間内に備えられ、処理される流体の一部が、その輸送速度を向上させるために該表面積に亘って接触でき、かつ環状空間に亘って実質的に均一な温度分布を与える。
本願発明の別の実施形態では、流体を処理する方法が提供される。当該方法は、初期に、処理される流体を外側容器内に、その内面に接触するように導入する工程を含む。この工程において、取り扱われ、処理され、および/または分離される流体の能力を向上させ、処理される流体が、比較的高い、熱伝達率、物質移動速度、混合速度またはそれらの組合せを有することができるように、処理される流体の実質的に均一な薄膜の流れが外側容器の内面に接して与えられてよい。1つの実施形態では、処理される流体は、実質的に細かい液滴または繊維状の要素を外側容器の内面上に形成するように、回転様式で供給されてよい。この方法は、また、処理される流体の温度と異なる温度の熱交換面を有する内側容器を外側容器内に備える工程を含む。この工程では、処理される流体の温度と異なる温度で供給された熱交換流体を内側容器の内面に接して分配できる。熱交換流体の分配は、内側容器の内面上に実質的に細かい液滴または繊維状の要素を形成するように、回転様式であってよい。この方法は、そこで処理される流体に比較的高い輸送速度を与えるように、外側容器と内側容器との間の経路に亘って温度差を維持する工程を更に含む。1つの実施形態において、該維持する工程は、内側容器の外面と外側容器の内面との間に比較的短い距離を有する経路を備えることを含む。さらに、第2の流体を経路内に移動させることができ、処理される流体と相互作用することができる。1つの実施形態では、第2の流体は、処理される流体の流れに対して逆流となるように移動できる。所望する範囲で、パッキング材料のベッドは、表面積を増加させるように経路内に位置することができ、処理される流体が、輸送速度の増加のために該表面積に亘って接触できる。このような実施形態では、処理される流体の一部が、外側容器内および経路内に導入できる。
本願発明の処理反応器および処理方法は、有機システムに関連した流体流体または固体−流体流体の相互作用を含む様々な用途(とりわけ、蒸留、蒸発、過熱した蒸気の冷却、紫外線および/またはマイクロ波開始反応、脱塩および二酸化炭素の除去)のために利用できる。
それぞれの反応器を通って処理される流体のための複数の通路が輸送速度を増加できるように、本願発明の反応器は、順番に(または直列に、in series)配置することもできる。このシステムにおけるそれぞれの反応器は、必要に応じて、異なる機能のために構成できる。または、本願発明の反応器は、第3の容器と内側容器との間に別の環状空間を備えるように内側容器内に第3の容器を含んでいてもよく、このような反応器を通って処理される流体のための複数の通路を可能にする。必要に応じて、追加の容器が更に備えられてもよく、それぞれが従来の内側容器内に首尾よく設置される。
図1は、本願発明の1つの実施形態に係る、流体流体反応または固体−流体流体反応を与えるための連続反応器を有する処理システムの長軸方向の断面図を示す。 図2は、本願発明の1つの実施形態に係る、流体流体反応または固体−流体流体反応を与えるための別の連続反応器の長軸方向の断面図を示す。 図3は、本願発明の1つの実施形態に係る、流体流体反応または固体−流体流体反応を与えるための更なる別の連続反応器の長軸方向の断面図を示す。 図4は、本願発明の1つの実施形態に係る、流体流体反応または固体−流体流体反応を与えるための別の連続反応器の長軸方向の断面図を示す。 図5は、本願発明の1つの実施形態に係る、蒸発および/または蒸留プロセスを実施するための連続反応器の長軸方向の断面図を示す。 図6は、本願発明の1つの実施形態に係る、過熱した蒸気の冷却のための連続反応器の長軸方向の断面図を示す。 図7は、本願発明の1つの実施形態に係る、UV開始反応(またはUV誘起反応、UV initiated reaction)および/またはマイクロ波開始反応(またはマイクロ波誘起反応、microwave initiated reaction)を実施するための連続反応器の長軸方向の断面図を示す。 図8は、本願発明の反応器の追加の実施形態を示す。 図9は、本願発明の反応器の追加の実施形態を示す。
具体的な実施形態の説明
本願発明の1つの実施形態によれば、材料の連続処理のための反応器を有する処理システムが提供される。反応器は、反応成分間の混合および/または接触を向上させるように処理される材料に十分に長い滞留時間を与えることができ、かつ比較的高い輸送速度を与えることができ、その一方で高い処理量を与える。
反応器は、概して、外側容器に接触して処理または使用される材料(例えば、流体および/または固体)を収容する外側容器と、エネルギー交換面として機能するように、外側容器内に置かれた内側容器と、外側容器と内側容器との間で規定された環状空間(比較的高い輸送速度を与えるように外側容器および内側容器に沿って温度差を与えることができる)とを含み、その一方で処理される材料に関連して高い処理量を与える。
反応器
ここで、図1を参照して、1つの実施形態によれば、本願発明の処理システムは、とりわけ連続処理のための反応器10を備えてよい。図示するように、反応器10は、処理される流体を収容するための外側容器11を含む。1つの実施形態では、外側容器11は、処理される1または複数の流体(および必要に応じて外側容器11に接触して使用される任意の材料)をその内部に収容できる本体部12を含む。1つの実施形態では、本体部12は実質的に円筒形状であってもよく、上端部121と底端部122とを含んでよい。本体部12は、本体部12の上端部121と底端部122との間で延在している、内面123(すなわち、処理表面)向かい合った外面124とを含んでもよい。1つの実施形態では、内面123は、処理される流体を、内面123に接して、または内面123上に入れることができるように構成されてよい。1つの実施形態では、処理される流体は、実施的に均一な薄膜の状態で矢印125の方向に内面123の長さに沿って下方に流れることができる。1つの実施形態では、内面123に沿った流体の実質的に均一な流れは、例えば、重力の力によって容易にすることができてもよい。流体が、薄膜として実質的に均一に流れることができることによって、流体は、比較的高いレベルのエネルギー効率で取り扱い、処理および/または分離によく適合でき、その一方で比較的高い輸送速度(すなわち、熱伝達率、物質移動速度および/または混合速度)を流体に与える。本願発明の1つの実施形態によれば、外側容器11の内面123上に与えられた薄膜の流れは、約1.0ミクロンから約1.0cmまでの範囲の厚さを有することができる。しかしながら、当然ながら、本願発明の反応器10はこの様式で制限されることを意図しないため、与えられた範囲よりも小さい、または与えられた範囲よりも大きい厚さについても、また特定の用途に応じて検討されることがわかる
外側容器11が、熱伝達率、物質移動速度、混合速度および/または高い他の関連した輸送速度を更に向上させる要求があり得る範囲で、処理される流体に比較的高い輸送速度を与えるように構成できるので、内面123は、付加的な表面積を生成するように形成でき、処理される流体が、この付加的な表面積に亘って流れることができる。とりわけ、流体がそれに亘って流れることができる付加的な表面積を与えることによって、熱の伝達が流体へ(または流体から)生じることができる滞留時間または滞留期間が増加できる。内面123の形状パターンは、また、内面123に沿って流れている流体の表面張力を増加することを支援でき、内面123に沿った液体の実質的に薄く均一な膜を維持することを支援できる。内面123のための形状パターンの例は、溝を含む。1つの実施形態では、溝は、水平に、垂直に、ジグザグパターンで、または任意の他の構成で設置できる。溝は内面123に沿って備えることができるがしかし、任意の他の形状パターン(例えば、へこみ(indentations)、こぶ(bumps)、凹凸(undulations))が輸送速度を増加させるのに支援できる限り、その形状パターンが備えられてよい。
本体部12の内面123に形状パターンを与えることに加えて(またはその代わりに)、内面123は、取り扱い、処理および/または分離を容易にするコーティングを含むことができ、その一方で内面123に沿って流れている流体に比較的高い輸送速度を与える。1つの実施形態では、このコーティングは、任意の化学的、物理的、電気的、磁気的または他のタイプの当該分野で公知の特性を有してよい。
当然のことながら、外側容器11の本体部12は、円筒形状として図示されるがしかし、例えば、三角形、正方形、六角形、八角形の任意の形状もしくは構成、または任意の所望の長さおよび直径の任意の他の幾何学的構成を用途に応じて備えてよいことがわかる。さらに、本体部12は、金属、金属合金、プラスティック、ガラス、石英、セラミックを含む任意の固体材料、または熱の伝達を可能にし、所定の温度で維持し、および/または必要に応じて温度の変化を可能にし得る任意の他の固体材料により作られてよい。
更に図1を参照して、反応器10の外側容器12は、とりわけ、本体部12の内面123に沿って処理され、かつ降下している流体を収集および除去するように構成された底部13を含んでもよい。さらに、底部13は、処理される流体に関連した使用のために、外側容器11内に他の1または複数の流体を導入するように構成されてもよい。1つの実施形態では、底部13は、本体部12と一体であってよい。または、底部13は、実質的な流体密封シールをそれとともに備えるように本体部12に取り外し可能に固定されてよい。実質的な流体密封シールを備えるように、本体部12と底部13とが、相補的に係合するフランジ131を備えてもよく、該フランジが、ネジ、ナットおよびボルト、または任意の他の当該分野で公知のメカニズムの使用を介して、互いに固定できる。流体密閉シールを強化するように、ラバーoリングまたは他の同様のシールを、相補的に係合するフランジ131の間に備えることもできる。実質的な流体密閉シールを備えることができる限り、当然に、他の構成がフランジ131の使用以外に利用されてよい。さらに、所望する範囲で、底部13が本体部12に旋回可能に固定されてよい。
底部13内に収集された処理され流体の除去を可能にするように、少なくとも1つの排出口132を底部13に沿った場所に設置でき、収集された流体の除去が十分に達成できるようになる。1つの実施形態では、底部13から除去された流体は、排出口132の近くに設置された集水溝(図示せず)内に、または任意の他の当該分野で公知の手段を介して収集できる。または、外側容器11内に流体を導入するように、注入口133を底部13に沿って任意の場所に設置でき、流体を、底部13を通て導入できる。所定の用途において、底部13を通って反応器10内に導入できる他の流体との干渉を最小限にするように、本体部122の内面123に沿って流れている流体が、排出口132を通って他の流体が存在することができる底部13内において下方に流れるのを実質的に防止するように、仕切板134を排出口132に隣接して設置できる。
図示するように、底部13は放物線形状であってよい。しかしながら、当然ながら、底部13が、円錐形もしくは平らであり、または本体部12の底端部122の幾何学的な形状を補完できる任意の他の幾何学的な形状を備えてよいことがわかる。底部13を1または複数の流体を収容するように用いることができるように、底部13は、金属、金属合金、プラスティック、ガラス、石英、セラミックを含む、本体部12が作られる材料と同じような任意の固体材料、または所定の温度で維持でき、および/もしくは必要に応じて温度の変化を可能にする任意の他の固体材料により作られてよい。
反応器10の外側容器11は、外側容器11内で処理される流体を保持するための上部14を更に含んでよい。底部13に類似した上部14は、本体部12と一体であってよい。または、上部14は、それとともに実質的な流体密封シールを備えるように本体部12に取り外し可能に固定されてよい。実質的な流体密封シールを備えるように、本体部12と上部14とは、相補的に係合するフランジ141を備えてもよく、該フランジは、ネジ、ナットおよびボルト、あるいは任意の他の当該分野で公知のメカニズムの使用を介して、互いに固定できる。流体密閉シールを強化するように、ラバーoリングまたは他の同様のシールが、相補的に係合するフランジ141の間に備えることもできる。実質的な流体密閉シールを備えることができる限り、当然に、他の構成が、フランジ141の使用以外に利用されてよい。さらに、所望する範囲で、上部14が本体部12に旋回可能に固定されてよい。
1つの実施形態では、上部14は、液体と気体とを含む任意の流体(本体部12の内面123に沿って流れている流体の処理に接触して用いられてよい)の除去を可能にするように、少なくとも1つの排気管(exhaust)142を備えてよい。排気管142は、内面123に沿った流体の処理の間、外側容器11を加圧することに用いることができていた任意の気体を解放するように用いられてもよい。図示するように、上部14は、放物線形状であってよい。しかしながら、当然ながら、上部14が、円錐形、平らであってもよく、または本体部12の上端部121の幾何学的な形状を補完できる任意の他の幾何学的な形状を備えてよい。更に、上部14が、高圧に耐える必要があるかもしれないため、上部14は、金属、金属合金、プラスティック、ガラス、石英、セラミックを含む、本体部12が作られる材料と同じような任意の固体材料、または所定の温度で維持でき、および/もしくは必要に応じて温度の変化を可能にする任意の他の固体材料により作られることが好ましいであろう。
排気管(exhaust)、注入口または排出口(outlet)として言及されるこれらの開口部(openings or aperture)は、外側容器11からの流体を導入または除去するように用いることができることに留意すべきである。
図1を更に参照すると、外側容器11に加えて、反応器10は、外側容器内に設置されかつ外側容器11の内面123(すなわち、処理表面)に沿って流れている流体のために熱交換面を備えるように構成された内側容器15を更に含んでよい。1つの実施形態では、内側容器15は、実質的に円筒形状であってもよく、かつ外側容器11内に同心円状に設置されてもよく、内側容器15と外側容器11とが、互いに実質的に軸方向に一直線になり得る。さらに、内側容器15は、外側容器11の直径よりもある程度小さい直径を有してもよく、環状空間16は、経路を備えるように内側容器15と外側容器11との間で規定されてもよく、外側容器11の内面123に沿った流体の処理を該経路に沿って実施できる。1つの実施形態では、内側容器15および外側容器11のサイズおよび直径、または一方の容器の他方の容器に対する相対的な比率は、特定の用途によって変更および決定できる。外側容器11内に内側容器15をその位置で支持するように、内側容器15は、直立して、またはレッグ(leg)151上に設置されてよい。レッグ151が、外側容器11の底部13内に設置されてもよく、ここで、流体の流れが、底部13全体に亘って維持される必要があるかもしれないため、流体の流れがレッグ151を通過して進行できるように、レッグ151は多孔質であってよい。
図示するように、内側容器15は、反応器10内で熱交換面として働くように構成された本体部17を含んでよい。とりわけ、内側容器の本体部17は外面171と内面172とを含んでいてもよく、熱交換流体が、外面171および内面172に沿って矢印173の方向に流れてよい。1つの実施形態では、内側容器15の内面172に沿って流れている熱交換流体は、外側容器12の内面123に沿って流れている処理される流体と異なる温度で供給されてよい。異なる温度を有した熱交換流体を供給することによって、外側容器12の内面123に沿って流れている流体の取り扱い、処理および/または分離の際に、比較的高い輸送速度を容易にするように外側容器11の内面123と内側容器15の外面171との間の環状空間16に亘って温度差が生じ得る。熱交換流体の例は、水、油、グリコール混合物、ダウサーム(商標登録)または熱交換を実施できる任意の流体を含む。
1つの実施形態では、熱交換流体が実質的に均一な薄膜の状態で内面172の長さに沿って下方に流れることができるように、外側容器の内面123に類似した、内側容器15の内面172が構成されてよい。1つの実施形態では、内面172に沿った熱交換流体の実質的に均一な流れは、例えば重力の力によって促進させることができる。本願発明の1つの実施形態によれば、内側容器15の内面172に与えられた薄膜の流れは、約1.0ミクロンから約1.0cmの範囲の厚さを有してよい。しかしながら、本願発明の内側容器15がこの様式で制限されるように意図されないため、与えられた範囲よりも小さいか、または与えられた範囲よりも大きい厚さが、特定の用途に応じて検討されことに留意すべきである。
側容器15の内面172に沿った流体の実質的に薄く均一な膜を維持するように、比表面張力の増加を支援し、内面172が、外側容器11の内面123に沿って備えられた形状パターンと類似した形状パターン(図示せず)を備えることができる。内側容器15の内面172のための形状パターンの例は、溝を含む。1つの実施形態では、当該溝は、水平に、垂直に、ジグザグパターンで、または任意の他の構成で備えられてよい。溝は、内面172に沿って備えられてよいがしかし、例えば、へこみ(identations)、こぶ(bumps)、凹凸(undulations)などの他の形状パターンが、薄膜の流れの均一性を向上させることに支援できる限り、該形状パターンを備えることができる。
当然ながら、内側容器15の本体部17は、円筒形状として図示されるがしかし、例えば、三角形、正方形、六角形、八角形等の任意の形状もしくは構成、または任意の所望の長さおよび直径の任意の他の幾何学的な構成を、その用途に応じて備えてよいことがわかる。さらに、本体部17は、外側容器11の内面123と内側容器15の外面171との間に亘って温度差を生ずるように、金属、金属合金、プラスティック、ガラス、石英、セラミックを含む任意の固体材料、または熱の伝達を可能にすることができ、所定の温度で維持されることができ、および/もしくは必要に応じて温度の変化を可能にすることができる任意の他の固体材料により作られてよい。
反応器10の内側容器15は、本体部17の内面172から下方に移動していてもよい熱交換流体を収集および除去するための底端部18を含んでもよい。1つの実施形態では、本体部17に実質的な密着流体シールを備えるように、底端部18は本体部17と一体であってよい。底端部18から収集された流体の除去を可能にするように、出口ポート181が備えられてよい。1つの実施形態では、出口ポート181は、外側容器11の底部13と流体接続の状態であってもよく、熱交換流体は、内側容器15から外側容器11の底部13内に出ることができ、その後、熱交換流体は、出口182を通過して除去できる。図示するように、底端部18は、円錐形状であってよい。しかしながら、当然ながら、底端部18は、放物形状もしくは平らであり、または底端部18が熱交換流体を出口ポーロ181に向かわせることができる限り、任意の他の幾何学的な形状で備えられてよいことがわかる
反応器10の内側容器15は、内側容器15内に熱交換流体を保持するための上端部19を更に含んでよい。1つの実施形態では、上端部19は、本体部17に実質的な密閉流体シールを備えるように、本体部17と一体であってよい。底端部18と同様に、内側容器15の上端部19は、円筒形状であってよい。しかしながら、当然ながら、上端部19が、放物線状もしくは平らであり、または上端部19が、内側容器15内に熱交換流体を維持するように機能できる限り、任意の他の幾何学的な形状で備えられてよい。
本願発明の1つの実施形態では、内側容器15の上端部19と底端部18とは、内側容器の本体部17のために備えられた材料と同じような任意の固体材料により作られてよい。このような材料の例は、金属、金属合金、プラスティック、ガラス、石英、セラミック、または熱の伝達を可能にし、所定の温度で維持され、および/もしくは必要に応じて温度の変化を可能にすることができる任意の他の固体材料を含む。
上述したように、外側容器11の内面123と内側容器15の外面171との間の温度差を維持し、取り扱い、処理および/または分離を促進し、内面123に沿って流れている流体に比較的高い輸送速度を与えるように、環状空間16が、外側容器11の内面123と内側容器15の外面171との間に設置されてよい。本願発明の1つの実施形態では、環状空間16が、経路を備え、外側容器11の内面123に沿った流体の処理が該経路に沿って実施できるため、環状空間16は、降下している処理される流体に接触し、かつ影響を及ぼすために、少なくとも第2の流体(すなわち、気体または液体)を環状空間16内に入れることができる構成を備えてよい。1つの実施形態では、第2の流体は、環状空間16内で上方に(すなわち上昇する流れ)移動できてもよく、かつ矢印125の方向に沿って処理される流体の降下している流れに対して逆流となるように矢印161の方向に沿って移動できてもよい。上昇している第2の流体と降下している処理される流体との間に逆流の流れを形成することによって、第2の流体と処理される流体との間の界面における接触部が、比較的高い輸送速度を与える比較的大きい表面積に亘って増加できる。
さらに、形状パターンを有する、外側容器11の内面123および内側容器15の外面171の1つまたは両方を備えることによって、環状空間16内の降下している流体と上昇している流体との間で接触が起こり得る滞留時間または滞留期間が、実質的に増加できる。内側容器15の外面171に示すパターン174のような形状パターンが利用されてよい。または、溝、へこみ、こぶ、凹凸のような他の形状パターンが用いられてよい。さらに、これらのパターンのそれぞれは、上述したように、水平に、垂直に、ジグザグパターンで、または任意の他の構成で備えられてよい。説明する目的のために、示される形成パターン174は、図示する通り、外側容器11の内面123および内側容器15の内面172のそれぞれに実施できる。環状空間16内のプロセスの滞留時間を増加させることによって、1つの実施形態では、該プロセスは、比較的より高い、エネルギー効率および他の処理効率を得ることができる。
本願発明の1つの実施形態によれば、環状空間16は、約0.2cmから約2cmまでの範囲の幅を有して備えられてよい。しかしながら、任意のサイズ幅を有する環状空間を用いることができることを理解すべきである。環状空間16を横切る比較的短い距離に起因して、環状空間16内に形成できる温度差または温度勾配は、比較的より高いエネルギー効率および処理効率をもたらすこともできる。更に、反応器10の構成に起因して、環状空間16は、反応速度に影響を及ぼすために、所定の用途に関連して真空条件下で維持できる。当然ながら、第2の流体が環状空間16内に移動できることに起因して、出口132に隣接して設置された仕切板134のサイズおよび構成は、仕切板134が内側容器15と接触せずに環状空間16内まで延在することを可能にしてもよい。そのようにして、仕切板134の存在は、環状空間16内への第2の流体の流入を危うくすることを回避し、流体を外側容器11の内面123から出口132を通って移動する十分な長さを維持している。
外側容器11の内面123に沿って処理される流体に輸送速度を更に与え、かつ増加させるように、内面123に沿って流れている流体を加熱または冷却するためのソースとして働くように、熱ポンプジャケット111のようなエネルギーソースが、外側容器11の本体部12周辺に環状に備えられてよい。例えば、環状空間16内において、降下している処理される流体と上昇している第2の流体との間の相互作用が、降下している流体のある程度の温度変化をもたらす場合、ジャケット111は、降下している流体の温度を適切に所望の温度が達成されるまで上げて、または下げて調節するように用いられてよい。
1つの実施形態では、ジャケット111は、任意の商用の入手可能な熱ポンプであり、誘導要素(inductive element)、抵抗要素(resistive element)または導電要素(conductive element)を含んでよい。ジャケット132は、熱的性能を改善する付加的な要素を更に含んでよい。または、ジャケット111は、熱ポンプの代わりに、相対的に上昇した温度または相対的に冷たい温度の流体がジャケット111を通り抜けることができ、外側容器11の内面123に沿って流れている流体を加熱または冷却するためのソースとして働くように構成されてよい。そのためにも、ジャケット111は、気体、液体、固体、または流体がジャケット111を出入りできるポート112を含んでよい。1つの実施形態では、ジャケット111は、金属、金属合金、プラスティック、ガラス、石英、セラミック、または高温もしくは冷温を維持、かつ与えることができる任意の他の材料により作られてよい。
本願発明の反応器10の利点の1つは、処理するための外側容器11の内面123に沿った実質的に均一な薄膜を与える能力である。そうするため、反応器10は、1つの実施形態によれば、図1に図示するような流体供給システム101を利用する。1つの実施形態では、供給システム101は、処理される流体をソース(図示せず)から外側容器11の内側に導入するように構成された経路102を含んでよい。供給システム101は、経路102と流体接続の状態である、円盤などの第1の回転可能な部材103をも含むことができ、経路102からの流体は、必要に応じて、連続的に移動でき、その後、第1の回転可能な部材103によって外側容器11の内面123上に供給できる。
当然ながら、1つの実施形態では、部材103は、その回転が遠心動作をもたらす様式で、経路102から受容された流体を部材103周辺(すなわち、端部)に向かって外側に移動させるように構成できる。部材103の回転は、部材103周辺の流体を部材103から離れ、外側容器11の内面123上に、実質的に細かい液滴または繊維状の要素に更に連続的に紡糸させることができる。内面123上への実質的に細かい液滴または繊維状の要素の連続的な供給は、処理される流体が内面123に沿って降下するように実質的に均一な薄膜を形成することができる。
図1に示す実施形態では、部材103は、外側容器11内において、細長いチューブ104上に設置されてもよく、経路102から離れてよい。図示したように細長いチューブ104は、外側容器11の底部13を通って内側容器15内まで延在してもよく、かつ内側容器15の上端部19を通過して延在してよく、経路102と実質的に軸方向に一直線になるようにする。1つの実施形態では、チューブ104は、出口182内に同軸に設置でき、内側容器15から排出する流体が出ることができる。
供給システム101は、チューブ104と流体接続の状態であり、内側容器15内に設置された第2の回転可能な部材105を含んでもよい。1つの実施形態では、第2の回転可能な部材105は、内側容器15の内面172上に、熱交換流体の実質的に均一な薄膜を供給するように用いられてよい。図示するように、第2の部材105は、孔を開けることができ、チューブ104に沿って移動された流体を第2の部材105から供給できる。
第1の回転可能な部材103と同様に、第2の回転可能な部材105は、その回転が遠心動作をもたらすこのような様式で、チューブ104から受容された流体を部材105周辺(すなわち、端部)に向かって外側に移動するようにも構成できる。第2の部材105の回転は、その周辺の流体を実質的に細かい液滴または繊維状の要素として、内側容器15の内面172上に、そのパーフォレーション(perforations)を通って更に連続的に供給することができる。内面172上への実質的に細かい液滴または繊維状の要素の連続的な供給は、実質的に均一な薄膜を内面172に沿って降下している処理される流体として形成することを可能にする。
供給システム101は、例えば、矢印106で示される方向へのチューブ104の回転と、従って部材103および105の回転とを作動させるように構成されたモーター(図示せず)を更に含んでよい。1つの実施形態では、モーターは、部材103が位置するのと反対のチューブ104の端部に連結されてもよく、かつ十分な速度で回転するように構成されてよい。1つの実施形態では、モーターの回転速度は、必要に応じて回転速度を変更できるように制御されてよい。例えば、流体の流動速度が変化していてもよい場合、モーターの回転速度は、薄膜の均一な分配を確実にするように変更できる。
図2に示すように、供給システム101内の第1の回転可能な部材103の位置は、経路102から離れているように図示されるがしかし、回転可能な部材103が経路102に実質的に接触して、経路102と流体接続の状態になり得るように、構成されてよい。図2に示す実施形態では、経路102は、チューブ104の延長であってもよく、チューブ104と実質的に軸方向に一直線のままであってよい。すなわち、チューブ104が、内側容器15の上端部19から延在し、外側容器11の上部14を通過して延在し続けるように、チューブ104は延長されてよい。他方では、第1の回転可能な部材103は、その周辺に開口部(図示せず)を含んでいてもよく、回転可能な部材103内に移動された流体は、部材103内から開口部を通って、外側容器11の内面123上に供給できる。モーター(図示せず)は外側容器11の上部14から延在しているチューブ104の端部に連結されてもよく、矢印20の方向にチューブ104の回転を作動させてよい。当然に、所望する範囲で、モーターは、外側容器11の底部13に隣接した、チューブ104の反対の端部に、その代わりに連結されてよい。
図2に図示すように、第1の回転可能な部材103は、供給する目的のために回転可能であり、かつその周辺に開口部を備えることができる限り、中空の円盤、中空のチューブまたは任意の他の構成であってよい。しかしながら、当然ながら、図3に示すように、回転可能な部材103が、第2の回転可能な部材105に類似した構成を備えることもできることがわかる。特に回転可能な部材103は、複数のパーフォレーションを備えてもよく、チューブ104の経路102に沿って移動された流体は、回転可能な部材103内に存在でき、そこから供給できる。
図4を参照して、そこでの所定の用途のために、反応器10の環状空間16は、薄膜の流体を収容する代わりに、処理される流体の一部で満たされてよい。このような1つの実施形態では、本出願の連続反応器10は、環状空間16内にパッキング材料40のベッドを備えてよい。パッキング材料40のベッドは、表面積を増加させるように用いることができ、処理される流体の一部は、輸送速度を増加させるように該表面積に亘って接触できる。1つの実施形態では、パッキング材料40は、流体を処理できる滞留時間または滞留期間を増加させるように、メッシュ状の材料、ビーズ、モノリス(monolith)または処理される流体が通過する必要がある実質的に入り組んだ(または曲がりくねった、tortuous)経路を有することができる任意の他の材料を含んでよい。このような1つの実施形態では、反応は、処理される流体の存在下で、環状空間16内に導入される逆流する気体を含んでよい。この導入によって、逆流する気体は、流体の一部に気泡を生成でき、かつパッキング材料40のベッドを通して移動させることができる。さらに、パッキング材料40のベッド内の入り組んだ通路の存在と、パッキング材料40の存在とが、それぞれの気泡を結合するように働くことができるか、または多数のより小さい気泡に分割するように働くことができる。このようにして、処理される流体との反応のためのたくさんのより多い気に亘って表面積の増加が生じることができる。1つの実施形態では、より小さい気泡が生成されるにつれて、パッキング材料40のベッドは、環状空間16内の流体の一部に気泡を実質的に均一に分配するように機能できる。
所望する範囲で、パッキング材料40は、取り扱い、処理および/または分離を促進させる触媒層によりコーティングでき、比較的高い輸送速度を伴う、環状空間16を通って流れている流体を更に向上させる。1つの実施形態では、例えば、外側容器11の内面123を介したジャケット11によっておよび/または内側容器15の外面171を介した熱交換流体によって特定の用途に応じてパッキング材料40は加熱または冷却できる。更に、加熱または冷却する際、環状空間16内のパッキング材料の存在は、環状空間16に亘って実質的に均一な温度分布を与えることができる。
操作
図1を再び参照して、操作中、処理される流体は、概して、経路102を通過して反応器10の外側容器11内に実質的に連続して導入されてよい。処理される流体は、次に、第1の回転可能な部材103上(または内部)に移動されてもよく、部材103の回転による遠心力に起因して、部材103周辺(すなわち端部)に向かって外側に移動できる。部材103の回転は、周辺の流体を実質的に細かい液滴または繊維状の要素として部材103から外側容器11の内面123上に更に連続して供給させる。内面123上への実質的に細かい液滴または繊維状の要素の連続的な供給は、処理される流体が内面123に沿って降下するように実質的に均一な薄膜を形成することができる。
処理される流体が経路102を通って導入される頃に、処理される流体の温度と異なる温度の熱交換流体が、チューブ104を通って内側容器15に実質的に連続して導入されてよい。この熱交換流体は、その後に、第2の回転可能な部材105内に移動されてもよく、再び、回転部材105によってもたらされる遠心力に起因して、熱交換流体は、部材105周辺に向かって移動する。それ故、第1の回転可能な部材103と同様に、熱交換流体は、実質的に均一な薄膜が内面172に沿って流れることができるように、実質的に細かい液滴または繊維状の要素として内側容器15の内面172上に連続的に供給できる。
特定の用途では、例えば、気体−液体反応において、逆流する流体(すなわち、気体)が、外側容器11の底部13上の入口133を介して環状空間16内に導入できる。このような流体は、内側容器15の外面171に沿って環状空間16内に移動されてもよく、外側容器11の内面123に沿って移動している降下する処理される流体(すなわち、液体)と相互作用することができる。環状空間16に沿って逆流する流体の存在は、降下している流体の反応、取り扱い、処理または分離の効率を向上できる。このような効率の向上は、降下している流体との接触部の増加の結果となり、および/または降下している流体と上昇している逆流する流体との間の境界における表面積の増加の結果となり得る。このような用途では、降下している流体と上昇している逆流する流体との間の連続的な相互作用に基づいて生じた反応は、それぞれの流体の温度に効果または影響を及ぼすことができる(例えば、発熱反応)。そのため、降下している処理される流体の温度は必要に応じてジャケット111によって制御できるがしかし、内側容器15の外面171に沿って逆流する流体の温度は、内側容器15の内面172に沿って移動している熱交換流体によって制御できる。
降下している処理される流体が、外側容器11の内面123に沿って流れるとき、一旦、降下している処理される流体が、底部13に到達すると、出口132内に移動されてもよく、反応器10から除去されてよい。同じように、降下している熱交換流体が、一旦、内側容器15の底端部18に到達すると、降下している熱交換流体が、出口ポート181を通って移動してもよく出口182を通って反応器10から除去されてよい。
本願発明の反応器10の構成に起因して、処理される流体の実質的に均一な薄膜の流れと、処理される流体と逆流する流体との間の相互作用のための表面積の増加および滞留時間の増加とを与える反応器10の能力と、狭い環状空間16に亘って温度勾配を形成するように、処理される薄膜の流体と熱交換流体との間に温度差を与える能力とを備えた本願発明の反応器10は、処理される流体の取り扱い、処理および/または分離を向上でき、その一方で、このような流体に比較的高い、熱伝達率、物質移動速度および/または混合速度のような輸送速度を与える。さらに、実質的に大きい表面積に亘って流体の実質的に均一な薄膜を連続的に供給する能力に起因して、本願発明の反応器10が、関与した1または複数の流体の実質的に高い処理量の処理を提供できる。
実施例1:流体流体または固体−流体流体反応
図1、2、3および5に図示した実施形態に示すように、本願の反応器10は、有機システムに関連した流体−流体反応または固体−流体−流体反応に適用可能である。当然ながら、本明細書および本出願全体に亘って用いられる用語流体は、気体と液体とを含むことがわかる。従って、反応器10は、例えば、気体−液体、液体−液体、固体−気体−液体反応または任意の他の組合せに適用可能であってもよい
1つの実施形態では、図1、2および3に図示した反応器10は、高圧および高温が用いられる有機システムのための特定の用途(例えば、水素添加、酸化、重合、脱アルキル化、アルキル化、メチル化、カルボキシル化、脱カルボキシル化およびとりわけフィッシャートロップ(Fisher-Tropps))を有する。この用途は、例えば、石炭スラリーからの有機製品の製造、または供給原料として、天然ガス、メタノールもしくは他の有機液体または気体の混合物を用いたジメチルエーテル(DME)の製造に更に有用であり得る。エステル交換およびエステル化プロセスを用いた、ディーゼルのための低い遊離脂肪酸を有したバイオディーゼルおよび供給原料の製造に更に適用可能であってよい。
図1〜3では、液体−気体反応において、処理される液体は、最初に、経路102を通って第1の回転可能な部材103上に連続的に導入されてよい。液体は、水、溶媒、化学薬品、消毒剤、油、塩水、メタノール、エタノール、液体触媒、スラリータイプの触媒または任意の他の種類の流体を含んでよい。一旦、回転可能な部材103上においては、回転部材103からの遠心力は、液体を実質的に細かい液滴または繊維状の要素として外側容器11の内面123上に連続して分散させるように働き、これは、内面123上の流体の連続した実質的に均一な薄膜を形成するような方法においてである。処理される液体が経路102を通って導入される頃に、逆流する気体は、外側容器11上の入口133を通って環状空間16内に導入されてよい。この気体は、内側容器15の外面171に沿って環状空間16内に移動されてもよく、外側容器11の内面123に沿って移動している降下する液体と相互作用することができてもよい。このような気体の例は、水素、酸素、空気、合成気体、CO、窒素または任意の他の反応性ガスもしくは非反応性ガスを含むことができる。
この液体−気体反応において、特定の場合において、発熱反応が生じてよい。そのため、降下している流体の温度は、降下している流体を所望の温度で維持するように、ジャケット111によって制御できる。上昇している逆流する気体に関して、その温度を制御するように、降下している流体の温度と異なる温度の熱交換流体がチューブ104を通って内側容器15に実質的に連続して導入できる。この熱交換流体は、その後、第2の回転可能な部材105内に移動されてもよく、回転部材105により与えられる遠心力に起因して、この熱交換流体は、内面172に沿った、連続した実質的に均一な薄膜を生成するように、実質的に細かい液滴または繊維状の要素として内側容器15の内面172上に連続的に分散されるようになる
降下している処理される液体が、外側容器11の内面123に沿って流れ、一旦、降下している処理される液体が、底部13に到達すると、出口132内に移動されてもよく、反応器10から除去されてよい。同様に、一旦、降下している熱交換流体が、内側容器15の底端部18に到達すると、この降下している熱交換流体は、出口ポート181を通過して移動されてもよく出口182を通過して反応器10から除去されてよい。上昇している逆流する気体に関して、上昇している逆流する気体は、排気管142を通って除去されてよい。所望する範囲で、コンデンサが、効率的な収集のために除去された逆流する気体を凝縮するように備えられてよい。更に、適切な場合には、環状空間16に沿った反応は、反応速度に影響を及ぼすために減圧下で維持されてよい。
別の実施形態では、図4に図示するように、反応器10は固体−流体−流体反応に用いられてもよく、環状空間16内にパッキング材料40のベッドを含んでよい。パッキング材料40のベッドは、表面積を増加させるように用いられてもよく、降下している処理される流体の一部は、輸送速度を更に増加させるように該表面積に亘って接触することができる。さらに、パッキング材料40は、降下している流体が通過する必要があり、および/または降下している液体を処理できる期間を増加する必要がある実質的に入り組んだ経路を備えることができる。そのため、パッキング材料40は、降下している液体に比較的高い輸送速度を更に与える一方で、取り扱い、処理および/または分離を更に促進するように働くことができる。パッキング材料40は、例えば、ジャケット11によっておよび/または内側容器15内の熱交換流体によって特定の用途に応じて加熱または冷却されてもよい。加熱または冷却する際、環状空間16内のパッキング材料の存在は、環状空間16に亘って実質的に均一な温度分布を与えることができる。
実施例2:蒸発および蒸留
図5に図示した実施形態に示すように、本願発明の反応器50は、蒸発および蒸留プロセスに用いられてよい。蒸発および蒸留プロセスは、例えば、油、エタノール、メタノール、グリセリンまたは他の化合物から水を除去することを含む。さらに、このようなプロセスは、例えば、重油から軽質スイート原油、バイオディーゼルとグリセリンとの混合物からメタノール、グリセリンからメタノールそして、重油から軽い有機物(light organics)を、重い有機物から軽い有機物を除去することを含んでよい。更に、このようなプロセスは、高分子分散体からエチルアセテートなどの有機溶剤を除去すること、または解重合プロセスの間に有機溶媒またはモノマーを除去することを含んでよい。このプロセスは、また、水の脱塩、フルーツジュースの濃縮、スープ、ミルクなどの食品材料の濃縮、地下水からの軽い有機物の除去、処理される水(すなわち、工場廃水)からの溶解した有機物の除去、熱いアミン溶液からの二酸化炭素、水からの硫化水素などの液体からの溶解した気体の除去、スラリーの濃縮および様々な他の用途に用いられてもよい。
重い有機物から軽い有機物を除去する用途では、外側容器11の内面123は、例えば、ジャケット111によって加熱されてもよく、内側容器15の外面171は、内側容器15の内面172に沿って流れている実質的に冷却された流体によって冷却されてよい。さらに、外側容器11と内側容器15との間の環状空間16は、反応速度論に影響を与えるために減圧下で維持されてよい。
1つの実施形態では、上述した条件下において、蒸発または蒸留される軽い有機物または材料を含む液体は、経路102を通って導入されてもよく、第1の回転可能な部材103によって、外側容器11の加熱された内面123上に均一に沿って分配されてよい。液体の薄膜が、加熱された内面123を降下すると、蒸気が、内面123に沿って生じてもよく、その後、蒸気が、側容器15の相対的により冷たい外面171に接触してよい。相対的により冷たい外面171に接触する際、蒸気は凝縮して、液体に相変化してよい。それから、この凝縮された液体は、内側容器15の外面171に沿って下方に流れてもよく、外側容器11の底部13で収集できる。蒸気から液体の形態へのこの相変化は、環状空間16内の実質的に短い距離(典型的には、外側容器11の内面123と内側容器15の外面171との間の距離)に亘って起こり得る。この構成の1つの利点は、より重い組成物からより軽い組成物を分離するためのエネルギー効率の良い方法を提供することである。
この特定のプロセスに関係してエネルギー効率またはエネルギーの節約を更に向上させるように、処理される液体を、熱交換流体としても用いることができる。とりわけ、相対的に低温の処理される液体は、チューブ104を通って内面172に沿って内側容器15内に移動できる。この液体が内面172に沿って降下すると、外側容器11の内面123に沿って降下している処理される流体から生じた蒸気は、内側容器15の外面171に接触できるようになる。蒸気からの熱エネルギーは、その後、内側容器15の内面172に沿って降下している相対的に低温の処理される体によって吸収できる。ここで、高い温度となった内面172に沿ったこの液体は、内側容器15の底端部18で収集され、経路102と第1の回転部材103とを通って外側容器11の内面123上に移動できる。この液体が内面123に沿って降下すると、その蒸気は、内側容器15の内面172に沿った流体を加熱するように、再び、内側容器15の相対的により低温の外面171に接触するようになる。一旦、この循環が確立されると、エネルギーを節約するようにジャケット111を止めることができ、本明細書に記載されたプロセスが、高いエネルギー効率で進行できる。
外側容器11の上部14に向かって移動していてもよい全ての凝縮していない蒸気のために、コンデンサが、このような残りの蒸気を凝縮するように備えられてよい。1つの実施形態では、コンデンサは、排気管142を通して移動された凝縮していない蒸気を受容するように、外側容器11の外側に位置していてもよく、排気管142と流体接続の状態であってよい。または、コンデンサは、外側容器104内に位置してよい。1つの実施形態であってもよく、これは、コンデンサは、コイル51の形態で排気管142内に位置する
外側容器11の加熱された内面123上に分配された全ての液体が蒸発していなくてもよいことにも留意すべきである。そのため、このような液体は、内面123を下方に流れることができてもよく、外側容器11の底部13の出口132を通して移動されてよい。必要に応じて、このような液体は、再処理するために経路102を通って(戻って)再循環されてよい。
または、集水溝(catch basin)は、底部13の出口132から除去された液体を収集するように反応器50の部に位置してよい。外面171を降下し、かつ底部13に堆積した凝縮された液体のために、分離した集水溝が、入口133を通るこのような流体を収集するように備えられてよい。
実施例3:過熱した蒸気の冷却(deheating)
図6に図示された実施形態では、本願発明の反応器60は、過熱した蒸気の冷却または蒸気の脱過熱(過熱防止、desuperheating)に関連して用いられてよい。外側容器11の内面123および内側容器15の外面171の両方が、過熱した蒸気に対してある程度より低い(すなわち、より冷たい)温度で維持できる。
外側容器11の内面123を相対的に低い温度に維持するように、相対的に低温の液体が、経路102を通って導入されてもよく、第1の回転可能な部材103によって外側容器11の内面123上に実質的に均一に沿って分配されてよい。加えて、またはこれに代えて、ジャケット111は、内面123をこのような相対的に低い温度で維持するように、所定の温度レベルに設定されてよい。内側容器15の外面171を同じような相対的に低い温度に維持するように、相対的に低温の液体がチューブ104を通って内側容器15内に導入されてよい。それに続いて、この流体は、第2の回転可能な部材105内に移動されてもよく、その後、内側容器15の内面172上に実質的に均一に沿って分配されてよい。
上述した条件下において、過熱した蒸気は、外側容器11の上部14の排気管142を通って外側容器11内に注入されてよい。1つの実施形態では、過熱した蒸気は、例えば、ミクロスケールからナノスケールまでの範囲の水粒子の降下物(precipitation)として供給できる。それから、蒸気は、環状空間16内に移動されてもよく、一方の側面において、外側容器11の相対的に低温の内面123に接触し、他方の側面において、内側容器15の相対的に低温の外面171に接触する。さらに、この過熱した蒸気が相対的に低温の環状空間16に入る際、第1の回転部材103から供給されている低温の流体と衝突するようになる。回転部材103から供給されている相対的に低温の流体との接触は、過熱した蒸気を所定のレベルまで下げて冷却する役割を果たす。それから、蒸気が、環状空間16に沿って移動する際、蒸気は、収集のために更に冷却されてもよく、凝縮して液化されてよい。
とりわけ、1つの実施形態では、過熱した蒸気が、環状空間16内を通り、供給されている相対的に低温の液体を通過する際、該蒸気は、供給された液体にそのいくらかの熱的エネルギー(すなわち、熱)を伝達してもよく、かつ外側容器104の内面123上に供給された液体によって押し付けられるようになってもよい。1つの実施形態では、この供給された液体は、蒸気の粒子をコーティングする(すなわち、その場コーティングするプロセス(in-situ coating process))ように働いていてもよく、内面123上に蒸気を押し付ける。蒸気が外側容器11の内面123上に押し付けられると、蒸気は、内面123に沿って維持されている相対的に低い温度によって再び冷却されてよい。さらに、蒸気が、環状空間内または内面123に沿って供給された液体にその熱を伝達すると、温度の増加によって液体の気化を生じてもよい。環状空間16内に生じた蒸気は、内側容器15の相対的に低温の外面171によって凝縮されてもよい。供給された流体と、外側容器11の内面123および内側容器15の外面171とのこの連続的な相互作用は、過熱した蒸気を急激に冷却するように働くことができる。それから、冷却された蒸気は、凝縮してもよく、内側容器15の外面171および外側容器11の内面123に沿って、蒸気を収集できる外側容器11の底部13に向かって下方に流れることができる。
当然ながら、過熱した蒸気の冷却は、上述したように同方向の流れにより実施されてよいが、逆流する流れの構成で実施されてもよいことがわかる。すなわち、蒸気は、第1の回転部材103から供給されている相対的に低温の流体に対して逆流する方向に導入できる。
実施例4:UVまたはマイクロ波開始反応
図7に図示した実施形態に示すように、本願発明の反応器70は、光重合、水処理もしくは消毒などの紫外線(UV)開始反応(または紫外線誘起反応、ultraviolet initiated reactions)、または医薬品の製造のための有機反応に関連して用いられてよい。さらに、反応器70は、マイクロ波開始反応(またはマイクロ波誘起反応、microwave initiated reactions)に関連して用いられてもよい。とりわけ、マイクロ波エネルギーは、熱を与えるためのソースとして、および有機反応のための活性化助剤(とりわけ、石炭スラリー、液体有機物、薬を含むものと、ソウダストおよび他の木材ベースの製品をセルロースに変換するもののための活性化助剤)として用いられてよい。マイクロ波エネルギーは、水の高いエネルギー効率での蒸発、脱塩プロセスおよび二酸化炭素捕集および分離の目的のためにも用いられてよい。例えば、マイクロ波およびUV波からのエネルギーは、流体中の病原菌およびバクテリアを破壊るように働くことができることに注目してもよいこの発明は、この様式で限定されることを意図していないため他のエネルギーソースも可能である。
マイクロ波を用いた水の脱塩および処理における使用のために、反応器70は、図1に関連して示されるのと実質的に同じ様式で配置されてよい。1つの実施形態では、塩を含んだ液体は、経路102を通って導入されてもよく、第1の回転可能な部材103によって外側容器11の加熱された内面123上に均一に沿って分配されてよい。概ね同じ時間において、相対的に低温の液体が、チューブ104を通って内側容器15内に導入されてよい。それに続いて、この流体は、第2の回転可能な部材105内に移動されてもよく、その後に、内側容器15の内面172上に実質的に均一に沿って分配されてよい。
塩を含んだ液体の実質的に均一な薄膜が、容器11の内面123に沿って移動する際、外側容器11の本体部12の周辺に位置したマイクロ波生成装置71などのエネルギーソースは、マイクロ波の放射が本体部12の壁を介して伝達するように作動してもよく、容器11の内面123に沿って流れている塩を含んだ流体を加熱してよい。これにより、塩を含んだ流体の薄膜が気化する。当然ながら、エネルギーが外側容器11内の処理される流体に影響を与える必要があるが、内側容器15内の熱交換流体に影響を与える必要がない、マイクロ波ジェネレーター71などのエネルギーソースを用いる際、外側容器11の本体部12は、このようなエネルギーが、外側容器11の本体部12を通過できる材料により作られていてもよく、その一方で、内側容器15は、このようなエネルギーに影響を受けなくてもよい材料により作られてもよいことがわかる
次いで、生じた蒸気は、環状空間16を横断してもよく、内側容器15の相対的に低温の外面171に向かって、移動してよい。相対的に低温の外面171との接触においては、蒸気は、液体に凝縮でき、内側容器15の外面171を降下することができる。凝縮された液体は、その後、外側容器11の底部13内から収集できる。1つの実施形態では、当該プロセスは、減圧条件下の環状空間16により実施されてよい。または、当該プロセスは、大気または大気よりも高圧の条件下で実施されてよい。
当然ながら、すべての流体はマイクロ波の放射によって加熱されなかったことがわかる。そのため、外側容器11の内面123に沿って流れている加熱された流体は、底部13の出口132を通って収集されてもよく、経路102を通って外側容器11内に戻って再循環されてよい。このようにして、このプロセスが開始した後、塩を含んだ処理される流体を加熱するように、かなり多いエネルギーは、マイクロ波ソース71から必要とされなくてもよい。結果として、この構成は、蒸留のための実質的なエネルギー効率システムを提供することができる。
特定の例では、マイクロ波の放射の利用に加えて、処理される流体に存在できる全ての病原菌またはバクテリアを破壊するように、紫外線(UV)の放射が用いられてもよい。
実施例5:二酸化炭素除去
二酸化炭素捕集および分離の目的での使用のために、図1、2および3に図示した反応器を含む上記で示した反応器のいずれもが、上述の記載と実質的に同じ様式で用いられてよい。
気体の二酸化炭素を吸収できる液体(例えば、アミン溶液)を用いた1つの実施形態では、このような液体のプールは、気体の二酸化炭素を含有する環境に曝されてもよく、二酸化炭素を液体内に吸収し、この環境から二酸化炭素を除去できる。一旦、二酸化炭素で飽和されると、液体は、経路102を通って導入されてもよく、第1の回転可能な部材103によって外側容器11の加熱された内面123上に均一に沿って分配されてよい。概ね同じ時間において、二酸化炭素を吸収できる上昇している逆流する気体の流れが、環状空間16内に導入されてよい。
飽和した液体の実質的に均一な薄膜が、容器11の内面123に沿って移動する際、外側容器11の本体部12の周辺に位置した、マイクロ波または流体のパイプなどの加熱装置71は、容器11の内面123に沿って流れている飽和した流体を加熱するように作動できる。他方で、逆流する気体の流れが、相対的により低い温度で維持されてよい。そうするため、相対的に低温の液体が、チューブ104を通って内側容器15内に導入されてよい。それに続いて、この流体は、第2の回転可能な部材105内に移動されてもよく、その後、内側容器15の内面172上に、実質的に均一に沿って分配されてもよい
上昇している逆流する気体の流れが、加熱された飽和した液体に接触するようになる際、逆流する気体は、飽和した液体と相互作用してもよくこの液体から二酸化炭素を吸収できる。液体は、それから、内面123を下方に移動し続けてもよく、かつ外側容器11の底部13の出口132を通って移動し続け、ここで、収集でき、または経路102内に戻って再循環できる。上昇している逆流する気体の流れが、ここで、二酸化炭素で飽和すると、外側容器11の上部14の排気管142を通って除去できる。二酸化炭素で飽和した気体の流れは、その後に、カーボネート化された製品を製造するように他の液体または材料と混合できる。
実施例6
図8に示すように、1つの実施形態では、図1〜7に図示した反応器の全てに類似した反応器80が順番に配置されてもよく、互いに流体接続の状態で構成されてもよく、全ての上記の用途が、順番に連続して実施され、または当該反応器もしくは同じような反応器の構成を通る流体のための複数の通路を可能にしてもよい。反応器の全ての可能な組み合わせが、順番に確立されてもよく、この順番は、任意の最大数の反応器として制限されなくてもよいことに留意すべきである。
図9に示すように、更なる実施形態では、順番に反応器を備える代わりに、本願発明の反応器10が、少なくとも第3の容器90を含むように構成でき、この第3の容器90は内側容器15内に設置されてもよく、第3の容器90の外面と内側容器15の内面172との間に第2の環状空間91を備えてもよい。この構成では、外側容器11と内側容器15との間の環状空間16に沿って流れている流体および/または気体は、この環状空間16の外側では、内側容器15と内側容器15内の第3の容器90との間に位置する環状空間91に再び移動されてよい。この再移動は、上端部19の開口部92と内側容器15の底端部18の開口部93とを通って達成できる。この構成によって、反応器10を通過する複数の通路で処理される流体が輸送速度を増加できることができる。第4の容器も第3の容器の内部に設置でき、第3の環状空間を提供することに留意すべきである。この構成は、付加的な第5、第6または任意の付加的な容器を必要に応じて繰り返して提供することができる。
当然に、複数の通路がましい場合、図1〜7の反応器のいずれかの環状空間16から捕集された流体および/または気体が、必要に応じて複数の通路のために環状空間16に戻って再循環できる。
本願発明が、これらの特定の実施形態を参照して記載されていて、当業者によって様々な変化が為され、同様のものが、本願発明の本当の精神と範囲とから逸脱せずに置換されてよいことを理解すべきである。さらに、多くの修正が、本願発明の精神と範囲とから逸脱せずに特定の状況、指示、材料および問題の構成、1または複数の処理工程に適合するように為されてよい。全てのこのような修正は、本明細書に添付した特許請求の範囲の範囲内であることを意図している。
本明細書の開示内容は、以下の態様を含み得る。
(態様1)
内面を有し、処理される流体を該内面に接触して収容できる外側容器と、
前記処理される流体のための熱交換面として機能する外面を有する、前記外側容器内に設置された内側容器と、
それ(経路)に沿って前記流体の処理を実施可能な経路を備えるために前記外側容器と前記内側容器との間で規定された環状空間であって、前記外側容器と前記内側容器との間の温度差を維持し、前記処理される流体に比較的高い輸送速度を与えるように構成された環状空間と、
を含むことを特徴とする反応器。
(態様2)
前記外側容器の前記内面が、前記処理される流体が実質的に均一な薄膜の状態で降下できるように構成されることを特徴とする態様1に記載の反応器。
(態様3)
前記実質的に均一な薄膜が、前記流体を取り扱い、処理および/または分離によく適して処理できることを特徴とする態様2に記載の反応器。
(態様4)
前記実質的に均一な薄膜が、前記処理される流体が比較的高い、熱伝達率、物質移動速度、混合速度の1つまたはそれらの組み合わせを備えることができることを特徴とする態様2に記載の反応器。
(態様5)
前記外側容器の前記内面が、付加的な(増加した)表面積を形成するように形状パターンを備えることができ、前記処理される流体が、前記環状空間内において取り扱い、処理、分離、滞留時間の増加の1つまたはそれらの組み合わせを促進するように、前記付加的な表面積に亘って流れることができることを特徴とする態様1に記載の反応器。
(態様6)
前記外側容器の前記内面が、前記処理される流体の取り扱い、処理および/または分離を促進するようにコーティングされ得ることを特徴とする態様1に記載の反応器。
(態様7)
前記外側容器が、前記内面から降下した前記処理される流体を収集および除去するように構成された底部をも含むことを特徴とする態様1に記載の反応器。
(態様8)
前記内側容器が内面を含み、熱交換流体が該内面に沿って流れることができることを特徴とする態様1に記載の反応器。
(態様9)
前記熱交換流体が、前記内側容器の前記外面と前記外側容器の前記内面との間に温度差を与えるように、前記処理される流体の温度と異なる温度を有することを特徴とする態様8に記載の反応器。
(態様10)
表面張力を増加させ、前記熱交換流体の実質的に薄く均一な膜を与え、かつ維持するように、前記内側容器の前記内面が形状パターンを備えることができることを特徴とする態様8に記載の反応器。
(態様11)
前記内側容器が、前記内面から降下した前記熱交換流体を収集および除去するように構成された底端部をも含むことを特徴とする態様8に記載の反応器。
(態様12)
前記処理される流体と相互作用するために第2の流体が前記環状空間内に移動できるように、前記環状空間が構成されることを特徴とする態様1に記載の反応器。
(態様13)
前記環状空間内の比較的大きい表面積に亘って、前記第2の流体と前記処理される流体との間の界面における接触部を増加させ、前記処理される流体に比較的高い輸送速度を与えるように、前記第2の流体が働くことができることを特徴とする態様12に記載の反応器。
(態様14)
前記処理される流体と相互作用するために第2の流体が前記処理される流体に対して逆流となるように前記環状空間内に移動できるように、前記環状空間が構成されることを特徴とする態様1に記載の反応器。
(態様15)
前記環状空間が、前記外側容器の前記内面と前記内側容器の前記外面との間に比較的短い距離を有し、前記処理される流体に比較的高い輸送速度を与えることを特徴とする態様1に記載の反応器。
(態様16)
前記外側容器の前記内面と前記内側容器の前記内面とに前記処理される流体の導入を可能にする流体供給システムを更に含むことを特徴とする態様1に記載の反応器。
(態様17)
前記流体供給システムが、前記処理される流体から実質的に細かい液滴または繊維状の要素を生成するために前記外側容器内に回転部材を含み、前記処理される流体の実質的に均一な薄膜を前記外側部材の前記内面上に供給できることを特徴とする態様16に記載の反応器。
(態様18)
前記流体供給システムが、前記熱交換流体から実質的に細かい液滴または繊維状の要素を生成するために前記内側容器内に回転部材を含み、前記熱交換流体の実質的に均一な薄膜を前記内側部材の前記内面上に供給できることを特徴とする態様16に記載の反応器。
(態様19)
前記外側容器の前記内面に沿った前記処理される流体を加熱または冷却するためのソースとして機能するように、前記外側容器周辺に備えられたエネルギーソースを更に含むことを特徴とする態様1に記載の反応器。
(態様20)
表面積を増加させるように前記環状空間内にパッキング材料のベッドを更に含み、前記処理される流体の一部が、その輸送速度を増加させるように前記表面積に亘って接触できることを特徴とする態様1に記載の反応器。
(態様21)
前記パッキング材料のベッドが、前記環状空間に亘って実質的に均一な温度分布を与えることができることを特徴とする態様20に記載の反応器。
(態様22)
前記内側容器内に設置された第3の容器を更に含み、前記第3の容器と前記内側容器との間に別の環状空間を備え、前記反応器を通る複数の通路で前記処理される前記流体が、輸送速度を増加できることを特徴とする態様1に記載の反応器。
(態様23)
前記反応器を通る複数の通路で処理される前記流体が輸送速度を増加できるように、複数の態様1に記載の反応器が順番に連結されることを特徴とする流体を処理するシステム。
(態様24)
それぞれの反応器が、前記処理される流体を異なって処理するように構成されることを特徴とする態様23に記載のシステム。
(態様25)
処理される流体を外側容器内に、その内面に接するように導入する工程と、
前記処理される流体の温度と異なる温度の熱交換面を有した内側容器を、前記外側容器内に備える工程と、
ここで(通路内で)、前記処理される流体に比較的高い輸送速度を与えるように、前記外側容器と前記内側容器との間の経路に亘って温度差を維持する工程と、
を含む、流体を処理する方法。
(態様26)
前記導入する工程が、前記処理される流体の実質的に均一な薄膜の流れを前記外側容器の前記内面に接して形成する工程を含むことを特徴とする態様25に記載の方法。
(態様27)
前記形成する工程において、前記実質的に均一な薄膜の流れが、取り扱われ、処理され、および/または分離される前記流体の能力を向上させることを特徴とする態様26に記載の方法。
(態様28)
前記形成する工程が、前記処理される流体が比較的速い、熱伝達率、物質移動速度、混合速度またはそれらの組み合わせを有することができることを含むことを特徴とする態様26に記載の方法。
(態様29)
前記形成する工程が、前記処理される流体の実質的に細かい液滴または繊維状の要素を前記外側容器内に回転して供給することを含むことを特徴とする態様26に記載の方法。
(態様30)
前記導入する工程が、付加的な表面積を形成するように形状パターンを前記外側容器の前記内面に与えることを含み、前記処理される流体が、前記経路内の前記処理される流体の取り扱い、処理、分離、滞留時間の増加の1つまたはそれらの組合せを促進するように、前記付加的な表面積に亘って流れることができることを特徴とする態様25に記載の方法。
(態様31)
前記導入する工程が、前記処理される流体の取り扱い、処理および/または分離を容易にするように、前記外側容器の前記内面をコーティングすることを含むことを特徴とする態様25に記載の方法。
(態様32)
前記備える工程が、前記処理される流体の温度と異なる温度の熱交換流体を前記内側容器の前記内面に接して分配する工程を含むことを特徴とする態様25に記載の方法。
(態様33)
前記分配する工程が、前記内側容器の前記外面と前記外側容器の前記内面との間に温度差を形成することを含むことを特徴とする態様32に記載の方法。
(態様34)
前記分配する工程が、前記熱交換流体の実質的に細かい液滴または繊維状の要素を前記内側容器内に回転して供給することを含むことを特徴とする態様29に記載の方法。
(態様35)
前記備える工程が、表面張力を増加させ、前記熱交換流体の実質的に薄く均一な膜を与え、かつ維持するように前記内側容器の前記内面に形状パターンを備えることを含むことを特徴とする態様25に記載の方法。
(態様36)
前記処理される流体との相互作用を可能にするように、第2の流体を前記外側容器と前記内側容器との間の前記経路内に移動させる工程を更に含むことを特徴とする態様25に記載の方法。
(態様37)
前記処理される流体に比較的高い輸送速度を与えるように、前記経路内の比較的大きい表面積に亘って、前記第2の流体と前記処理される流体との間の界面における接触部を増加させることを、前記移動させる工程が含むことを特徴とする態様36に記載の方法。
(態様38)
前記第2の流体が、前記処理される流体に対して逆流となるように前記経路内を移動できることを、前記移動させる工程が含むことを特徴とする態様36に記載の方法。
(態様39)
前記処理される流体に比較的高い輸送速度を与えるように、前記内側容器の前記外面と前記外側容器の前記内面との間に比較的短い距離を有する前記経路を備えることを、前記維持する工程が含むことを特徴とする態様25に記載の方法。
(態様40)
前記外側容器の前記内面に沿った前記処理される流体を加熱または冷却することを更に含むことを特徴とする態様25に記載の方法。
(態様41)
表面積を増加させるように前記外側容器と前記内側容器との間の前記経路内にパッキング材料のベッドを更に設置する工程を更に含み、前記処理される流体が、その輸送速度を増加させるように前記表面積に亘って接触できることを特徴とする態様25に記載の方法。
(態様42)
前記設置する工程では、前記処理される流体の一部が、前記外側容器内に導入されることを特徴とする態様41に記載の方法。
(態様43)
前記設置する工程が、前記外側容器と前記内側容器との間の前記経路に亘って実質的に均一な温度分布を与えるように前記パッキング材料のベッドを利用することを含むことを特徴とする態様41に記載の方法。
(態様44)
前記処理される流体が、有機システムに関連した流体−流体反応に用いられることを特徴とする態様25に記載の方法。
(態様45)
前記処理される流体が、蒸留または蒸発プロセスに用いられることを特徴とする態様25に記載の方法。
(態様46)
前記処理される流体が、冷却または冷やされる過熱した蒸気であることを特徴とする態様25に記載の方法。
(態様47)
前記処理される流体が、紫外線および/またはマイクロ波開始反応に用いられることを特徴とする態様25に記載の方法。
(態様48)
前記処理される流体が、脱塩プロセスに用いられることを特徴とする態様25に記載の方法。
(態様49)
前記処理される流体が、二酸化炭素で飽和され、二酸化炭素除去プロセスに用いられることを特徴とする態様25に記載の方法。

Claims (49)

  1. 内面を有し、処理される流体を該内面に接触して収容できる外側容器と、
    前記処理される流体のための熱交換面として機能する外面と、熱交換流体を実質的に均一な薄膜の状態で流すことができるように構成された内面とを有する、前記外側容器内に設置された内側容器と、
    それに沿って前記流体の処理を実施可能な経路を備えるために前記外側容器と前記内側容器との間で規定された環状空間であって、前記外側容器と前記内側容器との間の温度差を維持し、前記処理される流体の熱伝達率、物質移動速度および/または混合速度を増加させるように構成された環状空間と、
    を含むことを特徴とする反応器。
  2. 前記外側容器の前記内面が、前記処理される流体が実質的に均一な薄膜の状態で降下できるように構成されることを特徴とする請求項1に記載の反応器。
  3. 前記実質的に均一な薄膜が、前記流体を取り扱い、処理および/または分離によく適して処理できることを特徴とする請求項2に記載の反応器。
  4. 前記実質的に均一な薄膜が、前記処理される流体が、増加した熱伝達率、物質移動速度、混合速度の1つまたはそれらの組み合わせを備えることができることを特徴とする請求項2に記載の反応器。
  5. 前記外側容器の前記内面が、増加した表面積を形成する形状パターンを含み、前記処理される流体が、前記増加した表面積の表面において流れることができ、前記環状空間内において取り扱い、処理、分離、滞留時間の増加の1つまたはそれらの組み合わせを促進することができることを特徴とする請求項1に記載の反応器。
  6. 前記外側容器の前記内面が、前記処理される流体の取り扱い、処理および/または分離を促進するコーティングを含むことを特徴とする請求項1に記載の反応器。
  7. 前記外側容器が、前記内面から降下した前記処理される流体を収集および除去するように構成された底部をも含むことを特徴とする請求項1に記載の反応器。
  8. 前記内側容器が内面を含み、熱交換流体が該内面に沿って流れることができることを特徴とする請求項1に記載の反応器。
  9. 前記熱交換流体が、前記内側容器の前記外面と前記外側容器の前記内面との間に温度差を与えるように、前記処理される流体の温度と異なる温度を有することを特徴とする請求項8に記載の反応器。
  10. 記内側容器の前記内面が、溝、へこみ、こぶ、凹凸のうちの一つを含むことを特徴とする請求項8に記載の反応器。
  11. 前記内側容器が、前記内面から降下した前記熱交換流体を収集および除去するように構成された底端部をも含むことを特徴とする請求項8に記載の反応器。
  12. 記環状空間が第2の流体を収容して前記処理される流体と相互作用することを特徴とする請求項1に記載の反応器。
  13. 前記環状空間内の増加した表面積の表面において、前記第2の流体と前記処理される流体との間の界面における接触部を増加させて、前記処理される流体の熱伝達率、物質移動速度および/または混合速度を増加させるように、前記第2の流体が働くことができることを特徴とする請求項12に記載の反応器。
  14. 記環状空間が前記処理される流体の流れに対して逆流で移動する第2の流体を収容し、前記第2の流体が前記処理される流体と相互作用することを特徴とする請求項1に記載の反応器。
  15. 前記環状空間が、前記外側容器の前記内面と前記内側容器の前記外面との間に比較的短い距離を有し、前記処理される流体の熱伝達率、物質移動速度および/または混合速度を増加させることを特徴とする請求項1に記載の反応器。
  16. 前記外側容器の前記内面と前記内側容器の前記内面とに前記処理される流体の導入を可能にする流体供給システムを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の反応器。
  17. 前記流体供給システムが、前記処理される流体実質的に細かい液滴または繊維の形態で供給するために前記外側容器内に回転部材を含み、前記処理される流体の実質的に均一な薄膜を前記外側部材の前記内面上に供給できることを特徴とする請求項16に記載の反応器。
  18. 前記流体供給システムが、前記熱交換流体実質的に細かい液滴または繊維の形態で供給するために前記内側容器内に回転部材を含み、前記熱交換流体の実質的に均一な薄膜を前記内側部材の前記内面上に供給できることを特徴とする請求項16に記載の反応器。
  19. 前記外側容器の前記内面に沿った前記処理される流体を加熱または冷却するためのソースとして機能するように、前記外側容器周辺に備えられたエネルギーソースを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の反応器。
  20. 表面積を増加させるように前記環状空間内にパッキング材料のベッドを更に含み、前記処理される流体の一部が、その熱伝達率、物質移動速度および/または混合速度を増加させるように前記増加した表面積の表面おいて接触できることを特徴とする請求項1に記載の反応器。
  21. 前記パッキング材料のベッドが、前記環状空間に亘って実質的に均一な温度分布を与えることができることを特徴とする請求項20に記載の反応器。
  22. 前記内側容器内に設置された第3の容器と、前記第3の容器と前記内側容器との間に第2の環状空間とを更に含み、前記反応器を通る複数の通路処理される前記流体が、熱伝達率、物質移動速度および/または混合速度を増加させることができることを特徴とする請求項1に記載の反応器。
  23. 前記反応器を通る複数の通路で処理される前記流体熱伝達率、物質移動速度および/または混合速度を増加させることができるように、複数の請求項1に記載の反応器が順番に連結されることを特徴とする流体を処理するシステム。
  24. それぞれの反応器が、前記処理される流体を異なる方法で処理するように構成されることを特徴とする請求項23に記載のシステム。
  25. 処理される流体を外側容器内に、その内面に接するように導入する工程と、
    前記処理される流体の温度と異なる温度の熱交換面を有した内側容器を、前記外側容器内に備える工程と、
    熱交換流体の実質的に均一な薄膜の流れを前記内側容器の内面に与える工程と、
    前記処理される流体の熱伝達率、物質移動速度および/または混合速度を増加させるように、前記外側容器と前記内側容器との間の経路に亘って温度差を維持する工程と、
    を含む、流体を処理する方法。
  26. 前記導入する工程が、前記処理される流体の実質的に均一な薄膜の流れを前記外側容器の前記内面に接して形成する工程を含むことを特徴とする請求項25に記載の方法。
  27. 前記形成する工程において、前記実質的に均一な薄膜の流れが、取り扱われ、処理され、および/または分離される前記流体の能力を向上させることを特徴とする請求項26に記載の方法。
  28. 前記形成する工程が、前記処理される流体が、増加した熱伝達率、物質移動速度、混合速度またはそれらの組み合わせを有することができることを含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
  29. 前記形成する工程が、前記処理される流体実質的に細かい液滴または繊維の形態で前記外側容器内に回転して供給することを含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
  30. 前記導入する工程が、増加した表面積を形成する形状パターンを前記外側容器の前記内面に与えることを含み、前記処理される流体が、前記増加した表面積の表面において流れることができ、前記経路内の前記処理される流体の取り扱い、処理、分離、滞留時間の増加の1つまたはそれらの組合せを促進することができることを特徴とする請求項25に記載の方法。
  31. 前記導入する工程が、前記外側容器の前記内面をコーティングすることを含み、前記コーティングが、前記処理される流体の取り扱い、処理および/または分離を促進することを特徴とする請求項25に記載の方法。
  32. 前記備える工程が、前記処理される流体の温度と異なる温度の熱交換流体を前記内側容器の前記内面に接して分配する工程を含むことを特徴とする請求項25に記載の方法。
  33. 前記分配する工程が、前記内側容器の前記外面と前記外側容器の前記内面との間に温度差を形成することを含むことを特徴とする請求項32に記載の方法。
  34. 前記分配する工程が、前記熱交換流体実質的に細かい液滴または繊維の形態で前記内側容器内に回転して供給することを含むことを特徴とする請求項29に記載の方法。
  35. 記内側容器の前記内面が、溝、へこみ、こぶ、凹凸のうちの一つを含むことを特徴とする請求項25に記載の方法。
  36. 前記処理される流体との相互作用を可能にするように、第2の流体を前記外側容器と前記内側容器との間の前記経路内に移動させる工程を更に含むことを特徴とする請求項25に記載の方法。
  37. 前記処理される流体の熱伝達率、物質移動速度および/または混合速度を増加させるように、前記経路内の増加した表面積の表面において、前記第2の流体と前記処理される流体との間の界面における接触部を増加させることを、前記移動させる工程が含むことを特徴とする請求項36に記載の方法。
  38. 前記第2の流体が、前記処理される流体に対して逆流となるように前記経路内を移動できることを、前記移動させる工程が含むことを特徴とする請求項36に記載の方法。
  39. 前記処理される流体の熱伝達率、物質移動速度および/または混合速度を増加させるように、前記内側容器の前記外面と前記外側容器の前記内面との間に比較的短い距離を有する前記経路を備えることを、前記維持する工程が含むことを特徴とする請求項25に記載の方法。
  40. 前記外側容器の前記内面に沿った前記処理される流体を加熱または冷却することを更に含むことを特徴とする請求項25に記載の方法。
  41. 表面積を増加させるように前記外側容器と前記内側容器との間の前記経路内にパッキング材料のベッドを更に設置する工程を更に含み、前記処理される流体が、その熱伝達率、物質移動速度および/または混合速度を増加させるように前記増加した表面積の表面において接触できることを特徴とする請求項25に記載の方法。
  42. 前記設置する工程では、前記処理される流体の一部が、前記外側容器内に導入されることを特徴とする請求項41に記載の方法。
  43. 前記設置する工程が、前記外側容器と前記内側容器との間の前記経路に亘って実質的に均一な温度分布を与えるように前記パッキング材料のベッドを利用することを含むことを特徴とする請求項41に記載の方法。
  44. 前記処理される流体が、有機システムにおける流体−流体反応に用いられることを特徴とする請求項25に記載の方法。
  45. 前記処理される流体が、蒸留または蒸発プロセスに用いられることを特徴とする請求項25に記載の方法。
  46. 前記処理される流体が、冷却または冷やされ過熱した蒸気であることを特徴とする請求項25に記載の方法。
  47. 前記処理される流体が、紫外線および/またはマイクロ波開始反応に用いられることを特徴とする請求項25に記載の方法。
  48. 前記処理される流体が、脱塩プロセスに用いられることを特徴とする請求項25に記載の方法。
  49. 前記処理される流体が、二酸化炭素で飽和され、二酸化炭素除去プロセスに用いられることを特徴とする請求項25に記載の方法。
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