JP2013529627A - ヒドロキシクロロキンまたはヒドロキシクロロキンおよび抗ウイルス剤の組合せを使用するc型肝炎ウイルス関連疾患の処置 - Google Patents

ヒドロキシクロロキンまたはヒドロキシクロロキンおよび抗ウイルス剤の組合せを使用するc型肝炎ウイルス関連疾患の処置 Download PDF

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Abstract

治療有効量のヒドロキシクロロキンを対象に投与することを含む、C型肝炎ウイルス(HCV)関連疾患を処置する方法。対象においてHCV誘導自食作用の阻害に十分な、治療有効量のヒドロキシクロロキンが開示される。抗ウイルス剤は、ヒドロキシクロロキンと共投与されることができる。ヒドロキシクロロキンと抗ウイルス剤の相乗的組み合わせを利用する方法が開示される。ヒドロキシクロロキンと抗ウイルス剤を含む組成物、並びにC型肝炎ウイルス(HCV)関連疾患を処置のためのヒドロキシクロロキンおよびその使用がさらに開示される。
【選択図】 なし

Description

本発明は、そのいくつかの実施形態において、治療法に関連し、限定的ではないが、より具体的には、C型肝炎ウイルス(HCV)関連疾患(例えば、慢性HCV感染など)を処置するための方法および組成物に関連する。
HCVは、フラビウイルス科において独立した属として分類されているプラス鎖RNAウイルスである。フラビウイルス科のウイルスは全て、単一の中断されていない読み取り枠の翻訳によりすべての公知ウイルス特異的タンパク質をコードするプラス鎖RNAゲノムを含有する包膜ビリオンを有する。この一本鎖HCV RNAゲノムは長さがおよそ9500ヌクレオチドであり、約3000のアミノ酸からなる単一の大きなポリタンパク質をコードする単一の読み取り枠(ORF)を有する。感染細胞において、このポリタンパク質が細胞およびウイルスのプロテアーゼによって多数の部位で切断されて、構造タンパク質および非構造(NS)タンパク質をもたらす。HCVの場合、成熟した非構造タンパク質(NS2、NS3、NS4A、NS4B、NS5AおよびNS5B)の生成が2つのウイルスプロテアーゼによって行われる。第1のプロテアーゼはNS2−NS3接合部を切断し、第2のプロテアーゼは、NS3のN末端領域内に含まれるセリンプロテアーゼであり、NS3の下流における後続の切断のすべてを、NS3−NS4Aの切断部位ではシス作用、残るNS4A−NS4B部位、NS4B−NS5A部位、NS5A−NS5B部位ではトランス作用の両方で伝達する。NS4Aタンパク質は、NS3プロテアーゼのための補因子として作用し、また、場合によっては、NS3および他のウイルスレプリカーゼ成分の膜局在化を助けるなど、複数の機能を果たすと思われる。NS3タンパク質はまた、ヌクレオシドトリホスファターゼ活性およびRNAヘリカーゼ活性を示す。NS5Bは、HCVの複製に関与するRNA依存性RNAポリメラーゼである。
C型肝炎ウイルス(HCV)による感染はヒトにおける切実な医療問題である。HCVは非A非B型肝炎のほとんどの症例についての病原体として認識されており、ヒトの血清有病率が世界全体で3%であると推定される。合衆国だけでもほぼ400万人が感染している可能性がある。HCVに初めてさらされると、感染者の約20%のみが臨床的急性肝炎を発症し、他の感染者は感染を自然消散させると思われる。しかしながら、ほぼ70%の場合において、ウイルスは、何十年間にもわたって持続する慢性感染を確立する。この結果、通常の場合、再発性の、徐々に悪化する肝臓の炎症が生じ、その炎症により、より重篤な疾患状態(例えば、肝硬変および肝細胞癌など)に至ることが多い。
ペグ化インターフェロン(例えば、peg−IFNアルファ−2a/b)と、リバビリン(抗ウイルス剤)の1日2回経口用量の併用が、慢性HCV感染を処置するための現行の標準治療である。peg−IFNとリバビリンの併用治療に対して持続性ウイルス陰性化を最終的に達成する患者では、通常、HCV−RNAレベルの急激な減少が治療開始後に現れ、レベルは4週間〜24週間のうちに検出不能になる。肝臓酵素のレベルは正常になり、また、組織学的所見は顕著に改善する。上述の併用療法では、HCVの遺伝子型2または遺伝子型3に感染する患者のおよそ75%〜80%、および、遺伝子型1に感染する患者の40%〜50%が持続性ウイルス陰性化(SVR)を達成する[Sherman K.E.、新しいHCV剤の臨床的必要性および治療標的、The Future of HCV:Small molecules in Development for Chronic Hepatitis C、Clinical Care Options LLC、2007]。
しかしながら、この併用療法の成功率は、その結果が、感染しているHCVの遺伝子型により大きく異なるため限定的である。この処置は、HCVの遺伝子型1または遺伝子型4(すなわち、欧州および米国における最も代表的な遺伝子型)に感染する患者の50%未満において有効である。多くの場合、無応答は、宿主の生得的なインターフェロン駆動免疫応答の活性化を損なう宿主因子またはウイルス因子に関係づけられる。
他の患者は、ウイルスの減少を治療期間中に達成し得るが、血球減少症、疲労、または、処置の他の副作用のために、完全な治療用量または十分な処置継続期間に耐えることができない。実際、これらの理由による用量変更が、処置を受ける患者の35%〜42%で必要となり、また、これらの患者のおよそ3分の1が最終的には処置を完全に中断する。これらの用量減少、一時的な中断および中断された処置過程により、SVRを達成する機会が減少する。
最後に、peg−IFNおよびリバビリンの併用は、抗HCV治療を必要としている多くの患者において完全に禁忌である。治療のための禁忌には、重症の血球減少症、肝臓の代償不全、腎不全、十分に抑制されない自己免疫疾患、重症の心肺疾患、および、能動的な心理学的問題が含まれる[Davis G.L.、慢性C型肝炎の処置のための研究中の小分子薬剤、The Future of HCV:Small molecules in Development for Chronic Hepatitis C、Clinical Care Options LLC、2007]。
Briolantら[Antiviral Research、61(2004)、111〜117]は、IFN−α2bおよびリバビリンの組合せがCHIKVおよびSFVに対する亜相乗的な抗ウイルス効果を有することを教示している。
HCV関連疾患を処置するための代替治療法が開発されている。米国特許第6849254号は、リバビリンに関連した溶血を改善するために十分な期間抗酸化剤を配合した形での、HCV−RNAを低下させるのに十分な期間にわたるインターフェロンアルファおよびリバビリンの投与を含む併用療法を開示している。
米国特許第7115578号は、治療有効量のリバビリン誘導体および治療有効量のインターフェロン−アルファを投与することを含む併用療法を開示している。米国特許第7410979号は、HCV感染に対する、ジハロアセトアミド化合物と、インターフェロンまたはリバビリンとの相乗効果的な併用療法を開示している。米国特許第7671017号は、HCVを処置するための、シクロスポリンおよびペグ化インターフェロンの使用を開示している。
クロロキンは、リソソームに送達された積み荷の分解に対するそのpH依存的阻害作用のために、すなわち、自食作用経路のこの最終段階を効果的に無力化するために、抗ウイルス治療および抗腫瘍効果の点で、現在、多くの期待を集めている公知リソソーム作用剤である。
ヒドロキシクロロキン(HCQ)は、エチル基の代わりにヒドロキシエチル基を特徴とするクロロキン(CQ)の化学誘導体である。
HCQは、効果的な抗マラリア薬剤としてこれまで分類されてきたが、全身性エリテマトーデスならびに慢性関節リウマチおよびシェーグレン症候群の処置における効力を示している。HCQは、かなりの間、リソソームのpHを抗原提示細胞において増大させることが知られてきたが、炎症状態におけるその作用機構が解明されたのはごく最近のことであり、その作用機構は、形質細胞様樹状細胞(PDC)上のtoll様受容体の活性化の阻止を伴う。
CQおよびHCQの治療効果の直接比較はかなり困難であるが、ヒドロキシクロロキンは、リウマチ性疾患の処置において、有効性がクロロキンの2分の1〜3分の2であり、毒性が2分の1であることが示唆されている[Scherbel ALら、Cleve Clin Q、1958、25:95]。クロロキンの方が、かなり強い網膜毒性を有すると思われるので、ヒドロキシクロロキンの頻用が増えている[Rynes R.I.、British Journal of Rheumatology、1997、36:799〜805]。
Chandramohan M.ら[Indian J Pharm Sci、2006、68:538〜40]は、クロロキンおよびヒドロキシクロロキンをHuh5−2細胞においてHCVに対する潜在的なインビトロ抗ウイルス活性についてスクリーニングしたことを報告しており、クロロキンは、10.75μMの濃度で非処理対照に関して、ウイルスRNAを7%未満まで減少させることができ、かつ、細胞成長を91%超まで促進させること、および、ヒドロキシクロロキンは、6.6μMの濃度で非処理対照に関して、ウイルスRNAを7%未満まで減少させることができ、かつ、細胞成長を81%超まで促進させることを示した。Chandramohan M.らは、HCQが、HCV関連疾患を処置するために抗ウイルス剤と併用され得ることを明らかにしておらず、また、そのような組合せの効果(アンタゴニスト、相加的または相乗的)について特性確認していない。
Freibergら[Journal of General Virology(2010)、91、765〜772]は、クロロキンの抗ウイルス効力を、ゴールデンハムスターのモデルを使用したインビボ実験におけるNiV感染およびHeV感染の処置において、個々に、または、リバビリンとの併用において評価しており、両方の薬剤が、ウイルスの拡大をインビトロで阻害することにおいて強力な抗ウイルス活性を示す一方で、それらはインビボモデルにおいて保護的でないことが判明したことを報告している。リバビリンはNiV感染ハムスターにおいてウイルス疾患による死亡をおよそ5日遅らせたが、HeV感染ハムスターにおける顕著な効果は何ら認められなかった。クロロキンは、個々に投与されたとき、または、リバビリンとの併用で投与されたときのどちらでもハムスターを保護せず、後者は、好都合な薬剤−薬剤相互作用の欠如を示した。
Zuckermanら[BioDrugs、2001、15(9)、pp.574〜584]は、HCQ、コルチコステロイドおよび他の抗炎症剤などの薬剤の経口投与が、HCV関連関節炎を抑制するために抗ウイルス治療と併用され得ることを示唆している。
Mizuiら[J Gastroenterol.、2010(2月)、45(2):195〜203。Epub、2009年9月17日]は、HCVレプリコンでトランスフェクションされた細胞のクロロキンによる処置がHCVレプリコンの複製を用量依存的に抑制することを後に報告している。クロロキン(自食作用の公知阻害剤)およびインターフェロン−アルファによる処置がインターフェロンの抗ウイルス効果を高め、それにより、HCVレプリコンの再伝播を妨げることが示された。MizuiらはCQ/インターフェロンアルファの組合せの相乗効果または相加効果を何ら明らかにしておらず、また、HCV併用療法用の想定薬剤としてHCQを関連づけることもなかった。
JFH1 HCV感染Huh7細胞の遺伝子発現プロファイリングの近年の取り組みにより、感染が、いくつかの細胞プロセス(例えば、ERストレス応答、アポトーシス、p53シグナル伝達、解毒、細胞内脂質代謝、タンパク質の合成および分解、翻訳後プロセスまたは細胞骨格組織化など)に関与する宿主遺伝子の発現を明らかに調節していることが示された。
自食作用(細胞死における細胞ストレスの役割に応じた細胞生存のための機構)と、ウイルス複製との関係は、HCV感染の場合を含めて、現在、研究中である。
自食作用、すなわち、構成成分の自己分解に至る細胞経路は、ウイルス感染後に開始されるERストレスを含めて、ストレスに応答して活性化されることが知られている。自食作用は様々な感染からの保護をもたらし、また、自然免疫応答の一成分として報告されているが、いくつかの細菌およびウイルス(HCVを含む)は、自食作用プロセスを妨害して、自身の複製を容易にするための戦略を発達させている[SchmidおよびMunz、Immunity、2007、27:11〜21;Wileman、Science、2006、312:875〜878]。自食作用関連遺伝子のサイレンシングにより、HCVの複製が顕著に弱まること[Mizuiら、2010、上掲]、また、感染性HCV粒子の産生が低下することが見出された。HCVによる自食作用の誘導は自然免疫応答を損ない、また、HCV感染肝細胞における自食作用の乱れはインターフェロンのシグナル伝達経路を活性化し、自然免疫応答を高めることが示唆されている[Shrivastavaら、Hepatology、2011、53:406〜414]。
HCV感染により、インビトロおよびインビボにおいて、ERストレスが誘導され、自食作用が、下流側のIRE1シグナル伝達経路、ATF6シグナル伝達経路およびEIF2AK3/PERKシグナル伝達経路を含む小胞体ストレス応答(UPR)の誘導を介して誘発される[Sirら、Hepatology、2008、48:1054〜1061]。しかしながら、HCVにより誘導される自食作用プロセスは、タンパク質の分解を引き起こさないので、不完全であると考えられた[Sirら、Hepatology、2008、48:1054〜1061]。
Ke PY.らは、完成した自食作用プロセスにより、生得的な抗ウイルス性免疫が、HCV RNAの複製を可能にする内因性IFN応答の阻止を介して完全に抑制されることを報告している。
主な自食作用タンパク質は、進入するHCV RNAの翻訳、したがって、HCV複製の開始に要求されるプロウイルス因子であると思われるが、感染が確立されると、自食作用が要求されないことが示唆されている[例えば、Dreuxら、PNAS、2009、106:14046〜14051を参照のこと]。
しかしながら、HCV感染に対する応答に関わる宿主分子機構、または、CQの抗ウイルス活性および自食作用とのその相互作用の分子的基礎はいずれも、これまでのところ明確には解明されていない。
近年、自食作用が、化学療法(例えば、DNA損傷化学療法など)、放射線療法および分子標的療法によって誘導されるように、癌治療にも関与すること、また、クロロキン誘導体(例えば、HCQなど)が、化学療法により誘導される自食作用の防止に使用され得ることが示唆されている[Ravi K.Amaravadi、J Clin Invest.、2008、118(12):3837〜3840]。
追加の背景技術は、Jacksonら[PLoS Biol 2005,3:e156],Wongら[J Virol 2008,82:9143−9153],Khakpoorら[J Gen Virol 2009,90:1093−1103],Leeら[Virology 2008,378:240−248],Prenticeら[J Bio Chem 2004,279:10136−10141],およびKroemerら[Nat Rev Mol Cell Biol 2008,9:1004−1010]を含む。
本発明のいくつかの実施形態の一実施態様によれば、処置の必要性のある対象においてC型肝炎ウイルス(HCV)関連疾患を処置する方法であって、治療有効量のヒドロキシクロロキンまたはその医薬的に許容され得る塩を対象に投与すること(この治療有効量は、HCV誘導自食作用を対象において阻害するのに十分な量である)によりHCV関連疾患を処置することを含む方法が提供される。
本発明のいくつかの実施形態の一実施態様によれば、HCV誘導自食作用の阻害に十分な量でのC型肝炎ウイルス(HCV)関連疾患の処置における使用のために特定されるヒドロキシクロロキンが提供される。
本発明のいくつかの実施形態の一実施態様によれば、HCV誘導自食作用の阻害に十分な量でヒドロキシクロロキンをその必要のある対象に投与することを含むC型肝炎ウイルス(HCV)関連疾患の処置において使用される医薬の製造におけるヒドロキシクロロキンの使用が提供される。
本発明のいくつかの実施形態の一実施態様によれば、処置の必要性のある対象においてC型肝炎ウイルス(HCV)関連疾患を処置する方法であって、治療有効量のヒドロキシクロロキンまたはその医薬的に許容され得る塩と、治療有効量の抗ウイルス剤とを対象に共投与し(ただし、この抗ウイルス剤はHCV誘導自食作用を阻害しない)、それにより、HCV感染を処置することを含む方法が提供される。
本発明のいくつかの実施形態の一実施態様によれば、HCV誘導自食作用を阻害しない抗ウイルス剤と組み合わせてC型肝炎ウイルス(HCV)関連疾患の処置に使用されるヒドロキシクロロキンが提供される。
本発明のいくつかの実施形態の一実施態様によれば、HCV誘導自食作用を阻害しない抗ウイルス剤と組み合わせてC型肝炎ウイルス(HCV)関連疾患の処置に使用される医薬の製造におけるヒドロキシクロロキンの使用が提供される。
本発明のいくつかの実施形態の一実施態様によれば、抗ウイルス剤に対して抵抗性のC型肝炎ウイルス(HCV)遺伝子型によって誘発されるHCV関連疾患を処置の必要性のある対象において処置する方法であって、治療有効量のヒドロキシクロロキンまたはその医薬的に許容され得る塩と、治療有効量の前記抗ウイルス剤とを対象に共投与し、それにより、HCV関連疾患を処置することを含む方法が提供される。
本発明のいくつかの実施形態の一実施態様によれば、抗ウイルス剤に対して抵抗性のC型肝炎ウイルス(HCV)遺伝子型により誘発されるHCV関連疾患の処置において前記抗ウイルス剤と併用されるヒドロキシクロロキンが提供される。
本発明のいくつかの実施形態の一実施態様によれば、抗ウイルス剤に対して抵抗性のC型肝炎ウイルス(HCV)遺伝子型により誘発こされるHCV関連疾患の処置において前記抗ウイルス剤と併用される医薬の製造におけるヒドロキシクロロキンの使用が提供される。
本発明のいくつかの実施形態の一実施態様によれば、C型肝炎ウイルス(HCV)関連疾患を処置の必要性のある対象において処置する方法であって、治療有効量のヒドロキシクロロキンまたはその医薬的に許容され得る塩を治療有効量の抗ウイルス剤との併用で対象に共投与し(ただし、この場合、ヒドロキシクロロキンの治療有効量および抗ウイルス剤の治療有効量は、ヒドロキシクロロキンおよび抗ウイルス剤が相乗的に作用するように選択される)、それにより、HCV関連疾患を処置することを含む方法が提供される。
本発明のいくつかの実施形態の一実施態様によれば、C型肝炎ウイルス(HCV)関連疾患を処置の必要性のある対象において処置する方法であって、400〜2000mg/日のヒドロキシクロロキンまたはその医薬的に許容され得る塩を50〜250μg/週のインターフェロンと組み合わせて対象に共投与し(ただし、この場合、ヒドロキシクロロキンおよびインターフェロンは相乗的に作用する)、それにより、HCV関連疾患を処置することを含む方法が提供される。
本発明のいくつかの実施形態の一実施態様によれば、C型肝炎ウイルス(HCV)関連疾患を処置の必要のある対象において処置する方法であって、400〜2000mg/日のヒドロキシクロロキンまたはその医薬的に許容され得る塩を治療有効量のウイルスプロテアーゼ阻害剤と組み合わせて対象に共投与し(ただし、ヒドロキシクロロキンおよびウイルスプロテアーゼ阻害剤は相乗的に作用する)、それにより、HCV関連疾患を処置することを含む方法が提供される。
本発明のいくつかの実施形態の一実施態様によれば、C型肝炎ウイルス(HCV)関連疾患を処置の必要性のある対象において処置する方法であって、400〜2000mg/日のヒドロキシクロロキンまたはその医薬的に許容され得る塩を治療有効量のウイルスポリメラーゼ阻害剤と組み合わせて対象に共投与し(ただし、ヒドロキシクロロキンおよびウイルスポリメラーゼ阻害剤は相乗的に作用する)、それにより、HCV関連疾患を処置することを含む方法が提供される。
本発明のいくつかの実施形態の一実施態様によれば、ヒドロキシクロロキンおよび抗ウイルス剤が相乗的に作用するC型肝炎ウイルス(HCV)関連疾患の処置における抗ウイルス剤との併用のために特定されるヒドロキシクロロキンが提供される。
本発明のいくつかの実施形態の一実施態様によれば、ヒドロキシクロロキンおよび抗ウイルス剤が相乗的に作用するC型肝炎ウイルス(HCV)関連疾患の処置における抗ウイルス剤との併用のために特定される医薬の製造におけるヒドロキシクロロキンの使用が提供される。
本発明のいくつかの実施形態の一実施態様によれば、ヒドロキシクロロキンまたはその医薬的に許容され得る塩、抗ウイルス剤、および、医薬的に許容され得る担体を含む医薬組成物が提供される。
本発明のいくつかの実施形態の一実施態様によれば、ヒドロキシクロロキンまたはその医薬的に許容され得る塩、抗ウイルス剤、および、医薬的に許容され得る担体を含む医薬組成物単位用量形態が提供される。
本発明のいくつかの実施形態によれば、ヒドロキシクロロキンの治療有効量は400〜2000mg/日の範囲にある。
本発明のいくつかの実施形態によれば、HCV誘導自食作用は、ULK1、AMBRA1、ATG2A、GABARAPL1、FOX03、SQSTM1、PIK3C3およびMAP1LC3Bからなる群から選択されるタンパク質のレベルの増大を特徴とする。
本発明のいくつかの実施形態によれば、疾患は、抗ウイルス剤抵抗性のHCV遺伝子型により誘発される。
本発明のいくつかの実施形態によれば、HCVは、遺伝子型1のHCVおよび遺伝子型4のHCVからなる群から選択される。
本発明のいくつかの実施形態によれば、方法はさらに、治療有効量の抗ウイルス剤を対象に共投与することを含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、抗ウイルス剤は、リバビリン、ビラミジン、インターフェロン、ウイルスプロテアーゼ阻害剤、NS4A阻害剤、NS5A阻害剤、ウイルスポリメラーゼ阻害剤、シクロフィリン阻害剤、ヘリカーゼ阻害剤、グリコシル化阻害剤および抗リン脂質抗体ならびにそれらの任意の組合せからなる群から選択される。
本発明のいくつかの実施形態によれば、抗ウイルス剤は、インターフェロン−α、リバビリン、ビラミジン、ボセプレビル、テラプレビル、NM−107、バロピシタビンおよびアリスポリビルならびにそれらの任意の組合せからなる群から選択される。
本発明のいくつかの実施形態によれば、抗ウイルス剤はHCV誘導自食作用を阻害しない。
本発明のいくつかの実施形態によれば、抗ウイルス剤は、リバビリン、ビラミジン、ボセプレビル、テラプレビル、NM−107、バロピシタビンおよびアリスポリビルならびにそれらの任意の組合せからなる群から選択される。
本発明のいくつかの実施形態によれば、方法はさらに、治療有効量のインターフェロン−αを対象に共投与することを含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、HCV誘導自食作用の阻害に十分なヒドロキシクロロキンの量は400〜2000mg/日の範囲にある。
本発明のいくつかの実施形態によれば、処置はさらに、治療有効量の抗ウイルス剤を共投与することを含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、ヒドロキシクロロキンの治療有効量は、HCV誘導自食作用を対象において阻害するのに十分である。
本発明のいくつかの実施形態によれば、ヒドロキシクロロキンの治療有効量は500〜1000mg/日の範囲にある。
本発明のいくつかの実施形態によれば、方法はさらに、治療有効量の追加の抗ウイルス剤を対象に共投与することを含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、追加の抗ウイルス剤は、インターフェロン、ウイルスプロテアーゼ阻害剤、NS4A阻害剤、NS5A阻害剤、ウイルスポリメラーゼ阻害剤、シクロフィリン阻害剤、ヘリカーゼ阻害剤、グリコシル化阻害剤および抗リン脂質抗体からなる群から選択される。
本発明のいくつかの実施形態によれば、リバビリンの治療有効量は50〜1200mg/日の範囲にある。
本発明のいくつかの実施形態によれば、疾患は、抗ウイルス剤に対して抵抗性であるHCV遺伝子型によって誘発される。
本発明のいくつかの実施形態によれば、方法はさらに、追加の抗ウイルス剤を対象に共投与することを含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、追加の抗ウイルス剤は、インターフェロン、ウイルスプロテアーゼ阻害剤、NS4A阻害剤、NS5A阻害剤、ウイルスポリメラーゼ阻害剤、シクロフィリン阻害剤、ヘリカーゼ阻害剤、グリコシル化阻害剤および抗リン脂質抗体ならびにそれらの任意の組合せからなる群から選択される。
本発明のいくつかの実施形態によれば、処置は、ヒドロキシクロロキンを、HCV誘導自食作用の阻害に十分な量で投与することを含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、処置は、400〜2000mg/日のヒドロキシクロロキンを投与することを含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、処置は、500〜1000mg/日のヒドロキシクロロキンを投与することを含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、抗ウイルス剤はウイルスプロテアーゼ阻害剤である。
本発明のいくつかの実施形態によれば、ウイルスプロテアーゼ阻害剤はボセプレビルである。
本発明のいくつかの実施形態によれば、抗ウイルス剤はウイルスポリメラーゼ阻害剤である。
本発明のいくつかの実施形態によれば、ウイルスポリメラーゼ阻害剤は、NM−107およびバロピシタビンからなる群から選択される。
本発明のいくつかの実施形態によれば、抗ウイルス剤はインターフェロンである。
本発明のいくつかの実施形態によれば、インターフェロンはインターフェロン−αである。
本発明のいくつかの実施形態によれば、インターフェロン−αはPEG化インターフェロン−αである。
本発明のいくつかの実施形態によれば、インターフェロンの治療有効量は50〜250μg/週の範囲にある。
本発明のいくつかの実施形態によれば、処置は、ヒドロキシクロロキンを400〜2000mg/日の用量で投与することを含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、処置は、インターフェロンを50〜250μg/週の範囲における用量で投与することを含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、処置はさらに、治療有効量の追加の抗ウイルス剤を共投与することを含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、組成物は、C型肝炎ウイルス(HCV)関連疾患の処置用に特定される。
本発明のいくつかの実施形態によれば、組成物は経口投与用に製剤化される。
本発明のいくつかの実施形態によれば、組成物は固体形態である。
本発明のいくつかの実施形態によれば、組成物は当該組成物の単位用量形態である。
本発明のいくつかの実施形態によれば、単位用量形態は、C型肝炎ウイルス(HCV)関連疾患の処置用に特定される。
本発明のいくつかの実施形態によれば、単位用量形態は経口投与用に製剤化される。
本発明のいくつかの実施形態によれば、単位用量形態は固体形態である。
本発明のいくつかの実施形態によれば、単位用量形態は、HCV誘導自食作用の阻害に十分な量のヒドロキシクロロキンを含む。
本発明のいくつかの実施形態によれば、ヒドロキシクロロキンの量は、C型肝炎ウイルス(HCV)を抗ウイルス剤に対して感作するのに十分なものである。
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術的用語および/または科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載される方法および材料と類似または同等である方法および材料を本発明の実施または試験において使用することができるが、例示的な方法および/または材料が下記に記載される。矛盾する場合には、定義を含めて、本特許明細書が優先する。加えて、材料、方法および実施例は例示にすぎず、限定であることは意図されない。
本明細書では本発明のいくつかの実施形態を単に例示し添付の図面を参照して説明する。特に詳細に図面を参照して、示されている詳細が例示として本発明の実施形態を例示考察することだけを目的としていることを強調するものである。この点について、図面について行う説明によって、本発明の実施形態を実施する方法は当業者には明らかになるであろう。
図1は、細胞株Huh7のHCV RNAレプリコンの構造を示す図である。
図2は、0、0.22、0.66、2、6または18μMのヒドロキシクロロキンと、0、0.41、1.23、3.7、11.1、33.3、100または300IU/mlのインターフェロン−α(IFNαA)との組合せによる72時間の処理の後のレプリコン細胞におけるHCV RNAのレベルを示すグラフである。
図3Aおよび図3Bは、0、0.22、0.66、2、6または18μMのヒドロキシクロロキンと、0、0.41、1.23、3.7、11.1、33.3、100または300IU/mlのインターフェロン−α(IFNa)との組合せの測定された抗ウイルス効果と、相加効果のPrichard−Shipmanモデルに従って予想される理論的抗ウイルス効果との差を示すグラフである(正の値は相乗作用を示し、負の値は拮抗作用を示す)。データは3次元的(図3A)および2次元的(図3B)スキームで示される。
図4は、50%の抗ウイルス性阻害(ED50)、75%の抗ウイルス性阻害(ED75)および90%の抗ウイルス性阻害(ED90)をもたらす、インターフェロン−α(IFNa)およびヒドロキシクロロキンの濃度(実験的に求められる場合(データ点)および相加効果についての理論的モデルによって計算される場合(点線))を示すアイソボログラムを示す。
図5は、0、0.22、0.66、2、6または18μMのヒドロキシクロロキンと、0、0.41、1.23、3.7、11.1、33.3、100または300IU/mlのインターフェロン−α(IFNαA)との組合せによる72時間の処理の後のHCVレプリコン細胞における生存能を示すグラフである。
図6は、0、0.66、2、6または18μMのクロロキンと、0、0.41、1.23、3.7、11.1、33.3または100IU/mlのインターフェロン−α(IFN−αA)との組合せの測定された抗ウイルス効果と、相加効果のPrichard−Shipmanモデルに従って予想される理論的な抗ウイルス効果との差を示すグラフである(正の値は相乗作用を示し、負の値は拮抗作用を示す)。
図7は、0、0.5、1または10μMのヒドロキシクロロキン(HCQ)の組合せによる72時間の処理の後のレプリコン細胞におけるHCV RNAのレベル(レプリコンにより運ばれるネオマイシン遺伝子産物(NPTII)の定量によって求められた)を示すグラフである。
図8は、Huh7レプリコン細胞の、0.5μMまたは1μMのヒドロキシクロロキン(HCQ)による48時間の処理後または無処理(NT)の場合におけるHCVコアタンパク質およびHCV NS5Aタンパク質のレベルを示すウエスタンブロットの画像である(α−アクチンは負荷対照としての役割を果たす)。
図9Aは、JFH/CsN6A4ウイルス粒子によるHCV感染の6、24または48時間後におけるHuh7細胞で調節(アップレギュレーションまたはダウンレギュレーション)される宿主遺伝子の割合(合計で10238個の顕著に発現された遺伝子のうちの割合)を示す棒グラフである。
図9Bは、JFH/CsN6A4ウイルス粒子によるHCV感染の6、24または48時間後、あるいは、HCQによる処理(黄色棒)またはCQによる処理(青色棒)を伴うHCV感染の12または48時間後におけるHuh7細胞で調節された宿主遺伝子の発現プロファイルを示す。赤色はアップレギュレーションを示し、緑色はダウンレギュレーションを示し、黒色は、調節がないことを示す。
図9Cは、HCQおよびCQ処理後48時間に過剰発現またはダウンレギュレーション(発現の少なくとも2倍の調節)された、JFH/CsN6A4ウイルス粒子によるHCV感染の48時間後に調節(誘導または抑制)される1736個のうちの118個の遺伝子の調節を示す棒グラフである(それぞれの棒は、HCV誘導遺伝子またはHCV抑制遺伝子中における処理により調節された遺伝子の割合を表す;白抜きは、処理によってダウンレギュレーションされた遺伝子の割合を示し、黒塗りは、処理によってアップレギュレーションされた遺伝子の割合を示す)。
図10は、遺伝子調節ネットワークに関与する57個の遺伝子のセット、ならびに、JFH/CsN6A4ウイルス粒子による感染後48時間でのHuh7細胞におけるHCQ抑制(青色棒)およびCQ抑制(黄色棒)を示す(HCQまたはCQ処理が行われない場合の、感染後6時間、24時間および48時間での発現を比較のために示す。赤色棒は、インターフェロン−αにより処理された感染細胞における発現を示す)。
図11は、HCV誘導経路のHCQ阻害を示す遺伝子ネットワークである。
図12は、マイクロアレイ解析、SYBRGreen qRT−PCRおよびNanostringの技術によって求められた、感染細胞(Hi/H)およびHCQ(HiCQd/Hi)、CQ(HiCQ/Hi)またはインターフェロン−α(HiIFN/Hi)で処理された感染細胞における例示的な調節された遺伝子の発現を示す。
図13Aおよび図13Bは、0、0.22、0.66、2、6または18μMのヒドロキシクロロキンと、0、0.11、0.33、1、3.3または10μMのNM−107との組合せの測定された抗ウイルス効果と、相加効果のPrichard−Shipmanモデルに従って予想される理論的な抗ウイルス効果との差を示すグラフである(正の値は相乗作用を示し、負の値は拮抗作用を示す)。データは3次元的(図13A)および2次元的(図13B)スキームで示される。
図14Aおよび図14Bは、0、0.22、0.66、2、6または18μMのヒドロキシクロロキンと、0、0.041、0.123、0.37、1.1、3.3および10μMのボセプレビルとの組合せの測定された抗ウイルス効果と、相加効果のPrichard−Shipmanモデルに従って予想される理論的な抗ウイルス効果との差を示すグラフである(正の値は相乗作用を示し、負の値は拮抗作用を示す)。データは3次元的(図14A)および2次元的(図14B)スキームで示される。
本発明は、そのいくつかの実施形態において、治療法に関連し、限定的ではないが、より具体的には、C型肝炎ウイルス(HCV)関連疾患(例えば、慢性HCV感染など)を処置するための方法および組成物に関連する。
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、下記の説明に示される細部、または、実施例によって例示される細部に必ずしも限定されないことを理解しなければならない。本発明は他の実施形態が可能であり、あるいは、様々な方法で実施、または、実行される。
現行法に伴う非応答性および/または非寛容を未然に防ぐ、HCV関連疾患、具体的には慢性HCV感染を処置するための新規方法の探索において、本発明者らは驚くべきことに、ヒドロキシクロロキン(HCQ)が、単独あるいは、1つまたは複数の抗ウイルス剤との併用で、HCV関連疾患を処置するための薬剤として使用され得ることを発見している。
下記の実施例の節において明らかにされるように、本発明者らは、HCQが、様々な抗ウイルス剤(例えば、インターフェロン−α(IFNα)、ボセプレビルおよびNM−107など)と相乗作用することにより、これらの薬剤の改善された治療効果をもたらし、かつ/または、より低用量の上記抗ウイルス剤(複数も可)の使用ですむことを示している。
したがって、HCQおよびIFNαの例示的な組合せは、様々な理論的モデルによって求められるように、相乗効果を示すことが本明細書中において明らかにされる(図2〜図4および表1)。加えて、HCQおよびIFNαの例示的な組合せは、単独投与のときには抗ウイルス効果を示さないHCQおよび/またはIFNαの濃度においてさえ、抗ウイルス効果を示すことが明らかにされている(図2)。上述の相乗効果を示す例示的な組合せは非毒性であった(図5)。そのうえ、クロロキンは、HCQと同じ相乗効果を示さないことが明らかにされた(図6)。このことは、HCQの上述の好都合な特性がクロロキン関連化合物の一般的特性ではないことを示している。
さらに、HCQおよび抗ウイルス剤(例えば、ボセプレビル(プロテアーゼ阻害剤)およびNM−107(HCVポリメラーゼ阻害剤)など)の例示的な組合せは相乗効果を示すことが明らかにされている。
細胞が約6μMの濃度のHCQにより処理されたとき、最高の相乗作用が達成されたことが示されている(例えば、図3A〜図3Bおよび図13A〜図14Bを参照のこと)。この用量は、公認の換算係数を使用した場合、体重が70Kgである平均的なヒトについての約910mgの用量に言い換えることができる。
HCQの作用機構を探求する一方で、本発明者らは、HCQ処理が、いくつかのHCV誘導によるNF−κBシグナル伝達、ERストレス、自食作用およびp53シグナル伝達経路の発現レベルを効果的に低下させることを明らかにしている。加えて、IFNおよびHCQがこれらのHCV誘導による経路に対する類似した抑制効果を有することが明らかにされている。特定の理論にとらわれることなく、これらの発見は、HCV活性化生物学的経路のHCQ阻害的調節が、HCVの根絶を効率的に誘発する上流での抗ウイルス的事象の結果を反映するものであることを示唆している。
予備分析では、HCQ処理が下記のことを同時にまねくことが明らかにされた:1)HCV感染細胞の数の用量依存的減少(図7)、2)HCVのNS5Aタンパク質およびコアタンパク質のレベルの用量依存的減少(図8)、および、3)特に処理開始後24時間でのいくつかのNF−κB関連遺伝子についてのmRNAレベルの低下(表2〜表3)。NS5Aタンパク質およびHCVコアタンパク質レベルのHCQ誘導による低下は、いくつかのNF−κB関連遺伝子(例えば、RELB、NFKB2、CXCL5およびCYR61)の発現において認められる低下と一致している。
興味深いことに、NS5Aタンパク質およびHCVコアタンパク質は、NF−κBの活性化を、異なったシグナル伝達経路を介して、すなわち、小胞体(ER)ストレスから生じるCa2+の乱れを介して、または、TNFシグナル伝達を介してそれぞれ引き起こし得ることが以前に報告されている。他の研究では、HCV感染におけるNF−κB経路活性化のいくつかの証拠がインビトロおよびインビボの両方で明らかにされている。したがって、HCVによるNF−κBの構成的活性化は、HCV感染に伴う肝細胞癌を含む慢性肝臓疾患に関わっている可能性がある。
JFH1 HCVccモデル(生理学的HCV感染の正確なモデル)に対して行われたさらなる遺伝子発現解析では、HCV感染は、予想されるように、いくつかのNF−κB関連遺伝子の発現を増大させることが示された。そのうえ、HCVレプリコンモデルを使用する以前の発見と一致して、HCQによる処理は、これらのHCV誘導によるNF−κB関連遺伝子の発現、例えば、RELB、CYR61、CXCL5(これらは、HCVレプリコン細胞のHCQ処理によって抑制されることが以前に見出された)、BCL3、CY1PA1、NFKBIA、NFKBIB、NFKBIEおよびNKIRAS1などの発現をひどく低下させることが明らかにされた(図9Bおよび図10)。まとめると、これらの発見は、HCQがNF−κB関連遺伝子の発現レベルのHCV誘導による増大を打ち消すことを明らかにする。そのうえ、クロロキン処理後に得られる発現比と比較した場合、HCQは、HCVにより誘導されるこの増大を打ち消すことにおいてクロロキンよりも効果的であることが示された。
加えて、包括的な遺伝子発現プロファイリングでは、HCV感染により、ERストレス/UPR(小胞体ストレス応答)およびp53シグナル伝達のアポトーシス細胞死、同様に、細胞周期および脂質代謝の経路を含めて、いくつかの他の経路が誘導されたことが明らかにされている(図9B)。興味深いことに、NF−κBと同様に、すべてのこれらのプロセスについて、HCQ処理により、プロセスが、特に感染後48時間および処置後において、HCV感染がプロセスを調節したのとは逆の方法で調節された(図9A〜図9C)。
118個の遺伝子は、下記の両条件のもとでは、すなわち、HCV感染と、HCQおよびヒドロキシクロロキンによる処理とのもとでは、48時間後において少なくとも2倍の変化を被ることが明らかにされた。これらの遺伝子のほとんどは、発現がHCVによってアップレギュレーションされ、HCQ処理によってダウンレギュレーションされる遺伝子であることが明らかにされた(図9Cおよび表5)。HCVレプリコンモデル(表2)およびHCVccモデル(表4〜表5)の両方を使用して得られる結果は、HCQが主として転写抑制因子として作用することを示しており、アップレギュレーションよりもかなり多くのダウンレギュレーションが認められることと一致していた。
上述の118個の遺伝子のうち、57個の遺伝子は、上述の2つの試験条件下において示差的に発現されたという点が特に顕著であることが見出されたか、または、PredictSearch(商標)を使用して行われたテキストマイニングに基づく分析に従って顕著な遺伝子に機能的に関連づけられることが見出された(表6)。
得られた結果に基づいて、JFH1により誘導されるHuh7遺伝子発現調節に対するHCQ処理の阻害効果を示す遺伝子調節ネットワークが構築された(図11)。図11に示されるように、HCQ処理の顕著な結果は、(上流NF−κB、p53およびERストレス/UPRシグナル伝達の阻害の結果としての)自食作用経路の阻害であり、これにより、HCVの複製が妨害される。
上記の発見は、HCV関連疾患(例えば、HCV感染など)の処置が、HCQを、HCV誘導自食作用の阻害に十分な量で利用しながら有益に行われ得ることを示唆する。
自食作用は、HCV遺伝子型に無関係な経路であるので、これらの発見はさらに、他の点で現行治療に対する低い応答性を特徴とする抵抗性HCV遺伝子型の処置におけるHCQの役割を示している。そのうえ、これらの発見は、HCQおよび抗ウイルス剤(複数も可)の相加効果およびさらには相乗効果による、ならびに/または、HCVにより誘導される経路(例えば、HCV誘導による自食作用など)の阻害によると推定されるが、HCVを抗ウイルス剤に対して感作することによる、抗ウイルス剤を用いた併用HCV処置におけるHCQについての役割を示唆している。
HCQは、クロロキンのより低毒性の誘導体として知られていることはさらに特筆される。したがって、クロロキンと比較して、より高用量のHCQを使用することができる。
本発明のいくつかの実施形態の一実施態様によれば、C型肝炎ウイルス(HCV)関連疾患を処置の必要のある対象において処置する方法が提供される。本方法は、本発明のこの実施態様によれば、治療有効量のヒドロキシクロロキン(HCQ)またはその医薬的に許容され得る塩を対象に投与し(ただし、HCQの治療有効量は、HCV誘導による自食作用を対象において阻害するのに十分な量である)、それにより、HCV関連疾患を処置することによって行われる。
本明細書全体で使用されるように、用語「C型肝炎ウイルス」は、HCVと略記され、ヒトにおけるC型肝炎の原因である、フラビウイルス科の、包膜プラス−センス型の一本鎖RNAウイルスであり、別途示されない限り、このウイルスのすべての遺伝子型を包含する。
現在知られているHCV遺伝子型には、1型、2型、3型、4型、5型および6型の遺伝子型が含まれ、これらのうち、1型および4型の遺伝子型は既存の処置(例えば、インターフェロンおよびリバビリン)に対して比較的非応答性であり、これに対して、2型、3型、5型および6型の遺伝子型は処置に対してより応答性である。
いくつかの実施形態において、HCV関連疾患は、本明細書中で定義されるように、HCV(HCVのすべての遺伝子型を含む)によって引き起こされる感染である。
いくつかの実施形態において、HCVによって引き起こされる感染は急性感染であり、これは、HCV感染のあらゆる急性期(例えば、感染後の最初の6ヶ月)を包含し、また、本明細書中およびこの分野では「急性HCV感染」とも呼ばれる。
したがって、「急性HCV感染」は、排除されてしまった感染、すなわち、ウイルス複製がなくなっており、ウイルスが根絶されている場合も関連している。
ウイルス複製が急性期のうちに首尾よく阻害されないならば、そのHCV感染は慢性感染と見なされる。
いくつかの実施形態において、HCVによって引き起こされる感染は慢性感染であり、また、本明細書中およびこの分野では「慢性HCV感染」とも呼ばれる。
いくつかの実施形態において、HCV感染を処置することは、急性HCV感染を処置すること、および、急性HCV感染が慢性HCV感染と見なされることを防止することを包含する。
本明細書全体を通して使用されるように、「HCV関連疾患」という表現はまた、HCV感染に伴うすべての疾患または障害を包含し、これには、急性HCV感染に伴う症状、例えば、食欲減退、疲労、腹痛、黄疸、かゆみおよびインフルエンザ様症状などの症状、同様にまた、慢性HCV感染に伴う症状、例えば、疲労、インフルエンザ様症状、関節痛、関節炎、多発性関節痛、皮膚白血球破砕性血管炎、神経障害、かゆみ、睡眠障害、食欲変化、悪心、うつ状態、肝硬変、腹水症、紫斑および/または出血傾向、静脈瘤、黄疸、肝性脳症、晩発性皮膚ポルフィリン症、クリオグロブリン血症、糸球体腎炎(例えば、膜性増殖性糸球体腎炎)、血小板減少症、扁平苔癬、真性糖尿病およびリンパ増殖性障害などの症状が含まれる。
いくつかのタイプのHCV関連疾患は、比較的簡単な抗炎症治療によって処置され得る炎症状態(例えば、関節炎)である。しかしながら、他のタイプのHCV関連疾患は、処置することがより困難な場合がある。
いくつかの実施形態において、「HCV関連疾患」という表現は、上記炎症状態以外の(例えば、関節炎以外の)HCV疾患を示す。
加えて、抗ウイルス剤に対して抵抗性(抗ウイルス剤抵抗性)のHCV遺伝子型によって引き起こされる疾患は、首尾よく処置することが特に困難であり得る。
現在知られている抵抗性HCV遺伝子型には、遺伝子型1のHCVおよび遺伝子型4のHCVが含まれる。これらの遺伝子型は、HCV関連疾患の処置に一般に使用される抗ウイルス剤に対する抵抗性を示すことがこの分野では知られている。
いくつかの実施形態において、HCV関連疾患は抗ウイルス剤抵抗性のHCV遺伝子型によって引き起こされる。
抵抗性は生物にとって先天的であり得るか、または(例えば、抗ウイルス剤への暴露の結果、抗ウイルス剤に対して抵抗性である突然変異体遺伝子型について選抜される)後天的であり得る。抵抗性が抗ウイルス剤暴露時に獲得されるとき、この抵抗性はその抗ウイルス剤(および、場合により、非常に類似する抗ウイルス剤)に対して特異的であり得るか、または、獲得された抵抗性は、生物が暴露を受けなかった抗ウイルス剤を含めて、様々な抗ウイルス剤に対するものであり得る。
本明細書中で使用される場合、「対象」は、本明細書中に記載されたHCV関連疾患に苦しむか、または、苦しんでいる疑いがあり、かつ/あるいは、本明細書中に記載される処置方法が所望される哺乳動物を包含するもので、これには、ヒト、ウシ、ウマ、イヌ、ネズミおよびネコである対象が含まれる。いくつかの実施形態において、対象はヒトである。
いくつかの実施形態において、「(処置)の必要性のある対象」は、HCV関連疾患を有するとして診断された対象である。HCV関連疾患を明らかにすることは、HCVに対する抗体を検出するための血液検査、および、HCVの存在を検出するための分子的核酸検査(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応法、転写伝達増幅法および/または分岐DNA法)によって行うことができる。場合により、抗体検査および核酸検査の両方が、HCV感染の存在を確認するために使用される。特定のHCV関連疾患は、どの症状が対象に存在するかにより、標準的な方法(例えば、身体検査、肝機能検査)を使用して医師によって決定され得る。
いくつかの実施形態において、「(処置)の必要性のある対象」は、HCV関連疾患(例えば、慢性HCV感染など)に苦しむ対象であって、抗ウイルス剤または抗ウイルス剤の組合せにより処置されたが、処置に対して非応答性であるとして、または、処置に対して非寛容であるとして特定された対象である。
本明細書中で使用される場合、用語「非応答性(の)」は、HCV関連疾患の進行を止めるか、または、実質的に阻害するか、または、遅らせるか、または、覆すか、あるいは、HCV関連疾患の臨床症状を実質的に改善するために、HCVに対してこの分野で使用される抗ウイルス治療(例えば、リバビリンとの併用でのPEG化インターフェロン−α−2aまたはPEG化インターフェロン−α−2bによる処置)が不首尾であること、また、場合により、2つの上記抗ウイルス治療が不首尾であることを示す。
いくつかの実施形態において、処置に対する非応答性は、治療に対して抵抗性であるHCV(例えば、HCV遺伝子型)の結果である。他方、または、加えて、非応答性は対象に起因する(例えば、対象の生理機能、対象による順守が不十分であること)。いくつかの実施形態においては、非応答性の理由が不明である。
本明細書中で使用される場合、用語「非寛容(の)」は、処置に起因すると医師によって判断される、処置された対象における1つまたは複数の有害な影響が現れることであり、この場合、そのような有害な影響は、(例えば、抗ウイルス治療の用量を減少させることによって、および/または、抗ウイルス治療を換えることによって)処置を終了または変更することを必要とするほどの重篤なものである。
対象は処置に対して非応答性かつ非寛容であり得ることを理解しなければならない。したがって、例えば、対象は、この分野で使用される比較的高用量の抗ウイルス剤(例えば、様々な用量のPEG化インターフェロン−αおよび/またはリバビリン)に対して非寛容であるかもしれず、一方で、この分野で使用される比較的低用量の抗ウイルス剤に対してもまた非応答性であり、その結果、対象は抗ウイルス剤のすべての可能な用量に対して非寛容および/または非応答性となる。
本明細書中で使用され、また、この分野で知られているように、用語「自食作用」は、リソソーム機構による細胞自身の成分の分解を伴う細胞生物学におけるプロセス(これはこの分野では「オートファゴサイトーシス」としてもまた知られている)を表す。
表現「HCV誘導(による)自食作用」は、HCVによる細胞の感染に起因する細胞における自食作用を表す。
本明細書中で使用される場合、「HCV誘導(による)自食作用の阻害に十分な量」および「HCV誘導(による)自食作用を阻害する量」なる表現は互換的に使用され、HCV誘導自食作用を少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%低下させるか、または、HCV誘導自食作用を完全に無効にする(すなわち、自食作用のレベルを正常なレベルに回復させる)HCQまたはその塩の量を包含する。10%〜100%の間のいかなる整数でも、この事項では包含される。
HCV誘導による自食作用、同様にまた、HCV誘導による自食作用の阻害は、例えば、感染細胞では生じるが、対応する非感染細胞では生じない自食作用または自食作用関連プロセスを特定することによって決定され得る。
いくつかの実施形態において、HCV誘導による自食作用は、自食作用に伴う1つまたは複数のタンパク質のレベルの増大を特徴とする。場合により、この増大は、標準的な技術(例えば、マイクロアレイ解析、RT−PCRおよび/またはNanoString(商標)遺伝子発現解析)を使用して測定される、上記の1つまたは複数のタンパク質の発現の少なくとも100%の増大を特徴とする。HCV誘導による自食作用に伴う例示的なタンパク質には、HCV感染細胞においてアップレギュレーションされることが見出されたULK1、AMBRA1、ATG2A、GABARAPL1、FOX03、SQSTM1、PIK3C3およびMAP1LC3Bが含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、HCV誘導による自食作用は、上述タンパク質のうちの少なくとも1つ、場合により少なくとも2つ、場合により少なくとも3つ、場合により少なくとも4つ、場合により少なくとも5つ、場合により少なくとも6つ、場合により少なくとも7つ、また、場合により8つすべてのレベルの増大(例えば、少なくとも100%の増大)を特徴とする。
いくつかの実施形態において、HCV誘導による自食作用の阻害(例えば、10%〜100%の間での阻害)は、上述タンパク質のうちの少なくとも1つ、場合により少なくとも2つ、場合により少なくとも3つ、場合により少なくとも4つ、場合により少なくとも5つ、場合により少なくとも6つ、場合により少なくとも7つ、また、場合により8つすべてのレベルの増大における(例えば、少なくとも100%の)低下を特徴とする。したがって、例えば、タンパク質レベルにおけるHCV誘導による100%の増大の、処置により誘導される90%の低下により、非感染かつ非処理の細胞におけるレベルに対して10%の増大がもたらされる。
いくつかの実施形態において、自食作用は、Klionskyら[Autophagy、2008、4:151〜175](これについては、出典明示により本明細書中で援用する)に記載されるように、末梢組織における動静脈アミノ酸交換速度を測定することによって求められる。
本明細書中で使用される場合、用語「ヒドロキシクロロキン」には、ラセミ体ヒドロキシクロロキン(これは、米国特許第2546658号に開示された2−[[4−[(7−クロロ−4−キノリニル)アミノ]ペンチル]エチルアミノ]エタノールである)、あるいは、米国特許第5314894号に開示された単一鏡像体の「(S)−(+)ヒドロキシクロロキン」または「(R)−(−)ヒドロキシクロロキン」が含まれる。この用語は、ヒドロキシクロロキンの遊離形態またはその任意の医薬的に許容され得る塩(例えば、ヒドロキシクロロキン硫酸塩など)のどちらにも関連し得る。
本明細書中において、用語「医薬的に許容され得る塩」は、親化合物の荷電化学種と、その対イオンとを示し、典型的には、投与化合物の生物学的活性および特性を取り消すことなく、親化合物の溶解特性を改変するために、かつ/または、親化合物による生物に対する何らかの著しい刺激を軽減するために使用される。医薬的に許容され得る塩の例には、限定されないが、アニオン(例えば、カルボン酸アニオンまたは硫酸アニオンなど)および/またはカチオン(例えば、アンモニウム、ナトリウムおよびカリウムなど、これらに限定されない)を含む塩が含まれる。好適な塩は、例えば、Birgeら[J Pharm Sci、1977、66:1〜19]に記載されている。ヒドロキシクロロキンの医薬的に許容され得る塩の一例はヒドロキシクロロキン硫酸塩である。
ヒドロキシクロロキン(HCQ)は現在、典型的には200mgまたは400mgの一日用量で、マラリア、紅斑性狼瘡、慢性関節リウマチ、ライム病後関節炎およびシェーグレン症候群の処置において使用される。
クロロキンと比べて毒性が低いために、HCQの高いピークレベルが寛容できると見なされる。
本明細書中で明らかにされるように、驚くべきことに、HCQは、自食作用に伴うHCV誘導プロセスを阻害し、かつ、上記プロセスの阻害においてクロロキンよりも効果的であり、また、抗ウイルス剤抵抗性HCV遺伝子型のモデルにおいてもまた効果的であることが見出された。
特定の理論によってとらわれることなく、ヒドロキシクロロキンは、HCVの複製を容易にするHCV誘導自食作用を阻害することによるHCV複製阻害において特に効果的であること、そして、HCQはそれにより、強い抗ウイルス効果をHCV感染対象において示し得ることが考えられる。
本明細書中で使用される場合、用語「治療有効量」は、投与されたとき、処置されている状態の1つまたは複数の症状をある程度緩和する(単独または本明細書記載の化合物の組合せでの)本明細書記載の化合物の量を表す。
本発明のいくつかの実施形態の関連において、「治療有効量」は、HCV複製を根絶または低下させる量を表す。そのような量はまた、急性HCV感染が慢性HCV感染になることを防止する量として本明細書中では定義され得る。
本明細書中に示されるように、本発明のこの実施態様の実施形態は、HCV誘導による自食作用を阻害する量に関連する。そのような量は、例えば、HCV感染対象における自食作用(例えば、本明細書記載)を所定量のHCQの投与の前後で測定し、その結果、HCV誘導自食作用の低下(例えば、本明細書記載の低下)が検出されるか否かを求めることによって決定され得る。
いくつかの実施形態において、HCQまたはその塩の治療有効量は、100mg/日と、2000mg/日との間の範囲である(この範囲に含まれる整数はすべて含まれる)。
いくつかの実施形態において、HCQまたはその塩の治療有効量は、100mg/日である。
いくつかの実施形態において、HCQまたはその塩の治療有効量は、200mg/日である。
いくつかの実施形態において、HCQまたはその塩の治療有効量は、300mg/日である。
いくつかの実施形態において、HCQまたはその塩の治療有効量は、400mg/日である。
いくつかの実施形態において、HCQまたはその塩の治療有効量は、500mg/日である。
いくつかの実施形態において、HCQまたはその塩の治療有効量は、600mg/日である。
いくつかの実施形態において、HCQまたはその塩の治療有効量は、700mg/日である。
いくつかの実施形態において、HCQまたはその塩の治療有効量は、800mg/日である。
いくつかの実施形態において、HCQまたはその塩の治療有効量は、900mg/日である。
いくつかの実施形態において、HCQまたはその塩の治療有効量は、1000mg/日である。
いくつかの実施形態において、HCQまたはその塩の治療有効量は、1100mg/日である。
いくつかの実施形態において、HCQまたはその塩の治療有効量は、1200mg/日である。
いくつかの実施形態において、HCQまたはその塩の治療有効量は、1300mg/日である。
いくつかの実施形態において、HCQまたはその塩の治療有効量は、1400mg/日である。
いくつかの実施形態において、HCQまたはその塩の治療有効量は、1500mg/日である。
いくつかの実施形態において、HCQまたはその塩の治療有効量は、1600mg/日である。
いくつかの実施形態において、HCQまたはその塩の治療有効量は、1700mg/日である。
いくつかの実施形態において、HCQまたはその塩の治療有効量は、1900mg/日である。
いくつかの実施形態において、HCQまたはその塩の治療有効量は、2000mg/日である。
いくつかの実施形態において、自食作用の阻害に十分なHCQの量は、マラリア、紅斑性狼瘡、関節リウマチ、ライム病後関節炎およびシェーグレン症候群の処置において治療上有効であることが今日までに知られている量を含めて、また、HCV感染の処置に有効であると見なされる量を含めて、現在知られている治療効果を発揮させるために要求されるHCQの量よりも多い。
いくつかの実施形態において、自食作用の阻害に十分なHCQの量は、現在知られている治療効果を発揮させるために要求されるHCQの量よりも少なくとも10%高く、例えば、10%〜約50%、または、約10%〜約100%、または、さらには200%高いものであり得る。
いくつかの実施形態において、自食作用の阻害に十分なHCQの量は、現在知られている治療効果を発揮させるために要求されるHCQの量よりも20%高い。
いくつかの実施形態において、自食作用の阻害に十分なHCQの量は、現在知られている治療効果を発揮させるために要求されるHCQの量よりも30%高い。
いくつかの実施形態において、自食作用の阻害に十分なHCQの量は、現在知られている治療効果を発揮させるために要求されるHCQの量よりも40%高い。
いくつかの実施形態において、自食作用の阻害に十分なHCQの量は、現在知られている治療効果を発揮させるために要求されるHCQの量よりも50%高い。
いくつかの実施形態において、自食作用の阻害に十分なHCQの量は、現在知られている治療効果を発揮させるために要求されるHCQの量よりも60%高い。
いくつかの実施形態において、自食作用の阻害に十分なHCQの量は、現在知られている治療効果を発揮させるために要求されるHCQの量よりも70%高い。
いくつかの実施形態において、自食作用の阻害に十分なHCQの量は、現在知られている治療効果を発揮させるために要求されるHCQの量よりも80%高い。
いくつかの実施形態において、自食作用の阻害に十分なHCQの量は、現在知られている治療効果を発揮させるために要求されるHCQの量よりも90%高い。
いくつかの実施形態において、自食作用の阻害に十分なHCQの量は、現在知られている治療効果を発揮させるために要求されるHCQの量よりも100%高い。
いくつかの実施形態において、自食作用の阻害に十分なHCQの量は、現在知られている治療効果を発揮させるために要求されるHCQの量よりも110%高い。
いくつかの実施形態において、自食作用の阻害に十分なHCQの量は、現在知られている治療効果を発揮させるために要求されるHCQの量よりも120%高い。
いくつかの実施形態において、自食作用の阻害に十分なHCQの量は、現在知られている治療効果を発揮させるために要求されるHCQの量よりも150%高い。
いくつかの実施形態において、自食作用の阻害に十分なHCQの量は、現在知られている治療効果を発揮させるために要求されるHCQの量よりも200%高い。
いくつかの実施形態において、自食作用の阻害に十分なHCQの量は、現在知られている治療効果を発揮させるために要求されるHCQの量よりも300%高い。
いくつかの実施形態において、自食作用の阻害に十分なHCQの量は、現在知られている治療効果を発揮させるために要求されるHCQの量よりも400%高い。
いくつかの実施形態において、自食作用の阻害に十分なHCQの量は、現在知られている治療効果を発揮させるために要求されるHCQの量よりも500%高い。
いくつかの実施形態において、HCV自食作用の阻害に十分なHCQの量は、少なくとも400mg/日である。
いくつかの実施形態において、HCV自食作用の阻害に十分なHCQの量は、少なくとも500mg/日である。
いくつかの実施形態において、HCV自食作用の阻害に十分なHCQの量は、少なくとも600mg/日である。
いくつかの実施形態において、HCV自食作用の阻害に十分なHCQの量は、少なくとも700mg/日である。
いくつかの実施形態において、HCV自食作用の阻害に十分なHCQの量は、少なくとも800mg/日である。
いくつかの実施形態において、HCV自食作用の阻害に十分なHCQの量は、少なくとも900mg/日である。
いくつかの実施形態において、HCV自食作用の阻害に十分なHCQの量は、少なくとも1000mg/日である。
いくつかの実施形態において、HCV自食作用の阻害に十分なHCQの量は、少なくとも500mg〜1500mg/日である。
いくつかの実施形態において、HCV自食作用の阻害に十分なHCQの量は、少なくとも600mg〜1200mg/日である。
いくつかの実施形態において、HCV自食作用の阻害に十分なHCQの量は、少なくとも800mg/〜1200mg/日である。
いくつかの実施形態において、HCV自食作用の阻害に十分なHCQの量は、少なくとも600mg/〜1000mg/日である。
いくつかの実施形態において、HCV自食作用の阻害に十分なHCQの量は、少なくとも800mg/〜1000mg/日である。
いくつかの実施形態において、HCV自食作用の阻害に十分なHCQの量は、少なくとも900mg/〜1100mg/日である。
いくつかの実施形態において、HCV自食作用の阻害に十分なHCQの量は、少なくとも850mg〜950mg/日である。
上記で示された範囲の間における整数はすべて包含される。
本明細書中を通して、ある量のHCQが示される場合は常に、これは、本明細書記載の量と同じHCQの医薬的に許容され得る塩の量、または、HCQの医薬的に許容され得る塩の当モル量を包含する。
本明細書中を通して、HCQまたはその塩の量が1日あたりの量として示される場合は常に、この量を、1日に1回、2回、3回、また、さらには4回で投与することができる。
いくつかの実施形態において、方法は、治療有効量のHCQまたはその塩を1日に1回投与することによって行われる。
いくつかの実施形態において、方法は、治療有効量のHCQまたはその塩を1日に1回投与することによって行われる。
1日に2回以上(例えば、1日に2回または3回)投与されるとき、上記の量はそれぞれの投与回数に応じて分けられる。
例えば、方法が、1日あたり900mgである量のHCQを投与することによって行われ、1日2回の投与を含む実施形態では、450mgのHCQがそれぞれの投与において使用される。別法として、1回の投与は400mgであり、もう1回の投与は500mgである。そのような1日用量が1日に3回投与されることになるならば、一例として、300mgのHCQを各投与時に使用することができる。
方法が、1日あたり600mgである量のHCQを投与することによって行われる実施形態では、300mgのHCQが1日2回の投与のそれぞれにおいて使用される。別法として、1回の投与は200mgであり、もう1回の投与は400mgである。別法として、200mgのHCQを1日3回の投与のそれぞれにおいて使用することができる。
方法が、1日あたり800mgである量のHCQを投与することによって行われ、1日2回の投与を含む実施形態では、400mgのHCQがそれぞれの投与において使用される。別法として、1回の投与は200mgであり、もう1回の投与は600mgである。別法として、200mgのHCQを1日4回の投与のそれぞれにおいて使用することができる。
方法が、1日あたり1000mgである量のHCQを投与することによって行われ、1日2回の投与を含む実施形態では、500mgのHCQがそれぞれの投与において使用される。別法として、1回の投与は400mgであり、もう1回の投与は600mgである。別法として、方法は、1日3回の投与を含み、例えば、そのうち2回は400mgであり、1回は200mgである。別法として、方法は、1日4回の投与を含み、例えば、それぞれの投与は250mgである。
本明細書記載の方法は、本明細書中に記載されるように、HCQまたはその塩を投与することによってHCV関連疾患を処置するために利用され得る。しかしながら、HCV関連疾患の処置におけるHCQの治療効果、および、HCV誘導による自食作用の阻害におけるHCQの効果の一方または両方を、HCQまたはその塩が1つまたは複数の抗ウイルス剤と併用される併用療法においてさらに利用することができる。
本明細書中において明らかにされるように、そのような併用療法では、本明細書中下記においてさらに詳しく記載されるように、両薬剤によって示される相加的な治療効果が少なくとももたらされ、また、いくつかの実施形態においては、相乗的な治療効果がもたらされる。
いくつかの実施形態において、そのような併用療法では、抗ウイルス剤の効果が、HCV誘導自食作用の阻害を介して高められる。
特定の理論によってとらわれることなく、様々なHCVモデルにおいて本明細書中で立証されたアップレギュレーションされた自食作用は抗ウイルス剤の治療効果を低下させ、したがって、HCV誘導自食作用の阻害は、抗ウイルス剤の治療効果を増大させ、かつ、さらには少なくともいくつかの場合には、HCVを抗ウイルス剤に対して感作すると見なすことさえできることが示唆されている。
したがって、いくつかの実施形態において、本明細書中に記載される方法はさらに、本明細書中上記で示される量でのHCQまたはその塩と、治療有効量の抗ウイルス剤とを対象に共投与することによって行われる。
本明細書中において、用語「抗ウイルス剤」は、ウイルス(具体的にはHCV)に対して活性である活性化合物または活性化合物の混合物のすべてを包含し、リバビリンならびにその誘導体およびプロドラッグ(例えば、ビラミジン);各種インターフェロン(例えば、インターフェロン−α);ウイルスプロテアーゼ阻害剤(例えば、ボセプレビル、SCH503034、テラプレビル、ITMN B、BILN2061、SCH6);NS4A阻害剤(例えば、GS−9132);NS5A阻害剤;ウイルスポリメラーゼ阻害剤、これには、ヌクレオシド系および非ヌクレオシド系のポリメラーゼ阻害剤(例えば、NM−107およびそのプロドラッグのバロピシタビン(NM−283)、R1626/R1479、HCV−796、BILB1941、R7128/PSI6130、GSK625433、A−848837、BCX−4678、GL59728、GL60667、NV−008、HCV−086、R803、JTK003、XTL−2125)が含まれる;シクロフィリンB阻害剤(例えば、アリスポリビル(DEBIO−025)、NIM811);ヘリカーゼ阻害剤(例えば、QU665);グリコシル化阻害剤(例えば、セルゴシビル(MX−3253));抗リン脂質抗体(例えば、バビツキシマブ);ならびにそれらの任意の組合せを包含するが、これらに限定されない。
用語「抗ウイルス剤」は、本明細書中で使用される場合、本明細書中に記載される例示的薬剤のいずれかのプロドラッグ、医薬的に許容され得る塩、水和物、溶媒和物および医薬活性誘導体のすべてを包含する。
本発明の実施形態による使用に好適である抗ウイルス剤の例には、下記のものが含まれる:
PEG化インターフェロンアルファ−2a(例えば、PEGASYS(登録商標));インターフェロンアルファコン−1(例えば、INFERGEN(登録商標));天然インターフェロン(例えば、OMNIFERON(登録商標));ALBUFERON(登録商標);インターフェロンベータ−1a(例えば、REBIF(登録商標));オメガインターフェロン(BioMedicineから入手可能);経口用インターフェロンアルファ(Amarillo Biosciencesから入手可能);インターフェロンガンマ−1b(InterMuneから入手可能);IP−501(Interneuronから入手可能);メリメドジブ(Merimedodib) VX−497(Vertex);アマンタジン;IDN−6556(Idun Pharma.);XTL−002(XTL);HCV/MF59(Chiron);Civacir(NABI);ビラミジン(ICN);チモシンアルファ−1(例えば、ZADAXIN)(Sci Clone);ヒスタミン二塩酸塩(CEPLENE)(Maxim);VX950/LY570310(Vertex/Eli Lilly);ISIS14803(Isis);IDN−6556(Idun Pharma.);JTK003(AKROS Pharma);タルバシン(Peregrine);HCV−796(ViroPharma);CH−6(Schering);ANA971(ANADYS);ANA245(ANADYS);CPG10101(ACTILON)(Coley);リツキシマブ;バロピシタビン;HepX(商標)−C抗体(XTL);IC41(Intercell);Medusa Interferon(Flamel Technologies);E−1(Innogenetics);Multiferon(Viragen);およびBILN2061(Boehringer−mannheim)。
いくつかの実施形態において、抗ウイルス剤は、本明細書中で定義されるように、そのプロドラッグを含めて、インターフェロン−αである。
いくつかの実施形態において、抗ウイルス剤はリバビリンまたはそのプロドラッグ(例えば、ビラミジン)である。
いくつかの実施形態において、抗ウイルス剤はボセプレビルまたはそのプロドラッグである。
いくつかの実施形態において、抗ウイルス剤はテラプレビルである。
いくつかの実施形態において、抗ウイルス剤はアリスポリビルである。
いくつかの実施形態において、抗ウイルス剤はNM−107またはそのプロドラッグである。
用語「プロドラッグ」は、生体内で活性化合物(活性親薬物)に変換される薬剤を示す。プロドラッグは典型的には、親薬物の投与を容易にするために有用である。プロドラッグは、例えば、親薬物とは違って、経口投与により生物学的利用が可能となる場合がある。プロドラッグはまた、医薬組成物において親薬物と比較してすぐれた溶解性を有することができる。プロドラッグはまた、活性化合物の持続放出を生体内で達成するために使用されることが多い。
用語「溶媒和物」は、溶質(本発明の化合物)および溶媒によって形成される一定でない化学量論(例えば、2、3、4、5、6など)の複合体(ただし、、溶媒は溶質の生物学的活性を妨げない)を示す。好適な溶媒には、例えば、エタノールおよび酢酸などが含まれる。
用語「水和物」は、溶媒が水である、本明細書中上記で定義された溶媒和物を示す。
本明細書中で使用される場合、用語「共投与する」は、2つの薬剤を処置期間中に対象に投与することを表す。この用語は、HCQまたはその塩を投与する前に、あるいは、その投与と同時に、あるいは、その投与の後で抗ウイルス剤を投与することを包含する。この用語はまた、2つの薬剤を同じ投与経路により、または、異なる投与経路により投与することを包含する。この用語はさらに、本明細書中下記でさらに詳述されるように、2つの薬剤を1つの医薬組成物に含めて投与すること、または、単1薬剤をそれぞれが含む2つの別々の医薬組成物で投与することを包含する。
いくつかの実施形態において、共投与は、HCQの効力域および抗ウイルス剤の効力域が実質的に重なるように行われる。
この分野では広く知られているように、薬剤の効力域は、様々な要因(例えば、全身吸収速度、最高血漿中濃度到達時間、および/または、クリアランス速度など)により異なる。
1つの化合物がHCVを第2の化合物に対して感作するとき、および/または、これらの化合物が相乗作用するときには、HCV関連疾患に罹患する対象を、抗ウイルス効果を示す2つ以上の化合物で処置することにより、ウイルスに対して、2つ以上の抗ウイルス機構を介して同時に作用するようにすることが多くの場合に望ましい。
2つ以上の薬剤の同時作用は、これらの薬剤がその効果を同じ時間域の中で示すならば、達成され得る。
本明細書中で使用される場合、表現「効力域」は、活性な薬剤が、投与時に、所望される薬理学的効果(例えば、抗ウイルス効果など)を示す時間域を表す。別の言い方をすれば、この表現は、活性な薬剤の血漿中濃度がその最小薬理学的有効濃度と同等以上である期間を表す。
活性な薬剤の効力域に関する表現「実質的に重なる」は、本明細書中に記載される2つの薬剤(例えば、HCQおよび抗ウイルス剤)を投与したときの特定の期間中に、両薬剤が、ある程度までは所望される薬理学的効果を示すこと、すなわち、各薬剤の血漿中濃度が薬剤の最小薬理学的有効濃度と同等以上であることを意味する。活性な薬剤の効力域は、例えば、5分間、10分間、15分間、20分間、25分間、30分間、1時間、2時間、3時間、また、さらにはそれより長期間、重なることができる。活性な薬剤の効力域は、重なる期間中において、両薬剤が最大効力を示すように、または、一方の薬剤が最大効力を示し、他方の薬剤が部分的効力を示すように、または、両薬剤が部分的効力を示すように重なることができる。
いくつかの実施形態において、抗ウイルス剤はインターフェロンである。
いくつかの実施形態において、抗ウイルス剤は、インターフェロンと、本明細書中に記載される少なくとも1つの他の抗ウイルス剤(例えば、HCV誘導による自食作用を阻害しない抗ウイルス剤)とを含む。場合により、HCQは、インターフェロンおよびリバビリンと共投与されてもよい。
本明細書中で使用される場合、用語「インターフェロン」は、ウイルスの複製および細胞の増殖を阻害し、かつ、免疫応答を調節する高相同性の種特異的タンパク質の一群に含まれるタンパク質を示す。本明細書中において、用語「インターフェロン」は、天然に存在するタンパク質の誘導体を包含し、これには、限定されないが、天然に存在するインターフェロンの突然変異体形態、ならびに、天然に存在するインターフェロンの誘導体(例えば、コンジュゲート)、例えば、PEG化インターフェロン(インターフェロンのポリエチレングリコール修飾コンジュゲート)、および、別のタンパク質に結合されたインターフェロン(例えば、融合タンパク質)などが含まれる。
ヒトインターフェロンは、それらの細胞起源および抗原性に基づいて3つのクラスに分類される:インターフェロン−α(白血球)、インターフェロン−β(線維芽細胞)およびインターフェロン−γ(B細胞)、これらのそれぞれは、本明細書中で用語「インターフェロン」に包含される。各群の組換え形態が開発され、市販されている。各群におけるサブタイプは抗原性/構造上の特徴に基づいている。
例示的な実施形態において、インターフェロンはインターフェロン−αである。
本明細書中で使用される場合、用語「インターフェロン−α」はインターフェロンの1つのクラスを示す。異なったアミノ酸配列を有する少なくとも24形態のインターフェロン−α(これらはA〜Hのサブタイプに分けられる)は、これらのペプチドをコードするDNAを単離し、配列決定することによって同定されている。天然に存在するインターフェロン−αと、組換えインターフェロン−α(コンセンサス・インターフェロンを含む)との両方を本発明の実施において使用することができる。本明細書中に記載される本発明の実施形態に好適なインターフェロン−αには、組換えインターフェロンアルファ−2b、例えば、INTRON(登録商標)−AインターフェロンおよびVIRAFERON(登録商標)など;組換えインターフェロンアルファ−2a、例えば、ROFERON(登録商標)インターフェロンなど;組換えインターフェロンアルファ−2c例えば、BEROFOR(登録商標)アルファ−2インターフェロンなど;インターフェロンアルファ−n1、天然アルファインターフェロンの精製ブレンド、例えば、SUMIFERON(登録商標)またはWELLFERON(登録商標)のインターフェロンアルファ−n1(INS)など;または、コンセンサス・アルファインターフェロン、例えば、米国特許第4897471号および同第4695623号に記載されたもの;または、インターフェロンアルファ−n3、天然アルファインターフェロンの混合物、例えば、ALFERON(登録商標)などが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、インターフェロン−αは、インターフェロンアルファ−2aおよびインターフェロンアルファ−2bからなる群から選択される。インターフェロンアルファ2bの製造は米国特許第4530901号に記載されている。
用語「インターフェロン−α」はさらに、インターフェロン誘導体、例えば、インターフェロン−α、場合により、インターフェロンアルファ−2aおよびインターフェロンアルファ−2bのPEG化類似体などを包含するものとする。本発明の実施形態において使用され得るPEG化インターフェロン−αには、例えば、PEG化インターフェロンアルファ−2a、PEG化インターフェロンアルファ−2b、PEG化コンセンサス・インターフェロンおよびPEG化精製インターフェロンアルファ生成物がある。PEG化インターフェロンアルファ−2aは、例えば、欧州特許第EP0593868号に記載され、例えば、PEGASYS(登録商標)(Hoffmann−La Roche)の商品名で市販されている。PEG化インターフェロンアルファ−2bは、例えば、米国特許第5908621号および国際公開第98/48840号に記載され、例えば、PEGINTRON(登録商標)A(Schering Plough)の商品名で市販されている。PEG化コンセンサス・インターフェロンは国際公開第96/11953号に記載されている。用語「インターフェロン−α」はさらに、インターフェロン−αを水溶性ポリマーにカップリングすることによって調製され得る他のインターフェロン−αコンジュゲートを包含する。上記ポリマーの非限定的な例には、他のポリアルキレンオキシドホモポリマーが含まれ、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン化ポリオール、それらのコポリマーおよびそれらのブロックコポリマーなどが含まれる。ポリアルキレンオキシド系ポリマーに対する代替として、事実上非抗原性の材料、例えば、デキストラン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコールおよび炭水化物系ポリマーなどを使用することができる。そのようなインターフェロン−α−ポリマーコンジュゲートは、米国特許第4766106号、米国特許第4917888号、欧州特許出願第0236987号、欧州特許出願第0510356号、同第0593868号および同第0809996号(PEG化インターフェロンアルファ−2a)、ならびに、国際公開第WO95/13090号に記載されている。
用語「インターフェロン−α」はさらに、インターフェロン−αの融合タンパク質を包含し、例えば、インターフェロン−α−2a、インターフェロン−α−2b、コンセンサス・インターフェロンまたは精製インターフェロン−α生成物の融合タンパク質など(これらのそれぞれが別のタンパク質と融合される)を包含する。ある種の好ましい融合タンパク質は、米国特許第6972322号ならびに国際特許出願公開第WO2005/003296号および同第WO2005/077042号に記載されたインターフェロン(例えば、インターフェロン−α−2b)およびアルブミンを含む。所望によりヒトアルブミンにコンジュゲートされていてもよいインターフェロンは、アルブミン融合技術を使用して作製される、インターフェロン−αの長時間作用形態であるALBUFERON(登録商標)である。ALBUFERON(登録商標)は、ヒトアルブミンおよびインターフェロン−αの遺伝子融合から生じる。また、コンセンサス・インターフェロン、例えば、INFERGEN(登録商標)も含まれる。
下記の実施例の節で立証されるように、HCQおよびインターフェロン−αは相乗作用し得ることが示されている。
「相乗作用」とは、併用で投与されたときの化合物の効果が、単独薬剤として単独投与されたときの化合物の相加効果よりも大きいことを意味する。
下記の実施例において例示されるように、相乗作用は、例えば、PrichardおよびShipman[Antiviral Res、1990、14:181〜205]によって記載された方法に従って測定され得、この場合、理論的な相加効果は下記の等式によって個々の化合物の用量応答曲線から計算される:Z=X+Y(1−X)、式中、XおよびYは、個々の化合物によってもたらされる阻害を表し、Zは、化合物の組合せによってもたらされる効果を表す。Zよりも大きい(場合により20%大きい、また、場合により30%大きい)化合物組合せの効果は、相乗作用を示す。
下記の実施例においてさらに例示されるように、相乗作用は、ChouおよびTalalay[Trends Pharmacol Sci、1983、4:450〜454;Adv Enzyme Regul、1984、22:27]によって記載される方法に従って、および/または、アイソボログラム、例えば、Tallarida[J Pharmacol Exp Therap、2001、298:865〜872]によって記載されるようなアイソボログラムを使用して測定され得る。
いくつかの実施形態において、相乗効果は、PrichardおよびShipmanの上記方法に従って求められる。例示的ないくつかの実施形態において、相乗効果は、上記方法のそれぞれに従って求められる。
したがって、いくつかの実施形態において、本明細書記載の方法は、対象(本明細書中で定義される通り)に、本明細書中で定義された量のHCQと、本明細書中で定義された治療有効量のインターフェロンとを共投与することによって行われる。
いくつかの実施形態において、インターフェロン(例えば、PEG化インターフェロン)の治療有効量は(場合により1週間あたり)50μgから250μgの範囲である。
いくつかの実施形態において、インターフェロンの治療有効量は、(場合により1週間あたり)1回の投与につき、3000〜1000000単位の範囲にあり、場合により10000〜1000000単位の範囲にある。
インターフェロン投与の頻度は、少なくとも部分的には当該インターフェロンの体内半減期により異なり得る。PEG化インターフェロンは、典型的にはより長い半減期を有しており、したがって、他のインターフェロンより少ない頻度で投与される。
いくつかの実施形態において、インターフェロン(例えば、非PEG化インターフェロン)は、1週間あたり2回〜4回、場合により1週間あたり3回投与される。
いくつかの実施形態において、PEG化インターフェロンは1週間あたり1回投与される。
いくつかの実施形態において、方法は、本明細書中に記載されるような量のHCQと、治療有効量のリバビリン(またはそのプロドラッグ)とを対象に共投与することによって行われる。
いくつかの実施形態において、方法は、本明細書中に記載されるような量のHCQと、治療有効量のボセプレビルとを対象に共投与することによって行われる。
いくつかの実施形態において、方法は、本明細書中に記載されるような量のHCQと、治療有効量テラプレビルとを対象に共投与することによって行われる。
HCV関連疾患の現行の標準的処置は、リバビリンをインターフェロン−α(例えば、PEG化インターフェロン−α)と共投与することを含む。
従って、いくつかの実施形態において、方法は、本明細書中に記載されるような量のHCQと、治療有効量のリバビリンと、治療有効量のインターフェロン−α(例えば、PEG化インターフェロン−α)とを対象に共投与することによって行われる。
いくつかの実施形態において、方法は、本明細書中に記載されるような量のHCQと、治療有効量のリバビリンと、治療有効量のボセプレビルとを対象に共投与することによって行われる。
いくつかの実施形態において、方法は、本明細書中に記載されるような量のHCQと、治療有効量のリバビリンと、治療有効量のテラプレビルとを対象に共投与することによって行われる。
いくつかの実施形態において、方法は、本明細書中に記載されるような量のHCQと、治療有効量のリバビリンと、治療有効量のインターフェロン−αと、治療有効量のボセプレビルとを対象に共投与することによって行われる。
いくつかの実施形態において、方法は、本明細書中に記載されるような量のHCQと、治療有効量のリバビリンと、治療有効量のインターフェロン−αと、治療有効量のテラプレビルとを対象に共投与することによって行われる。
いくつかの実施形態において、方法は、本明細書中に記載されるような量のHCQと、治療有効量のリバビリンと、治療有効量のインターフェロン−αと、治療有効量のNS5B阻害剤とを対象に共投与することによって行われる。
いくつかの実施形態において、方法は、本明細書中に記載されるような量のHCQと、治療有効量のリバビリンと、治療有効量のインターフェロン−αと、治療有効量のシクロフィリン阻害剤(例えば、本明細書中に記載されるようなシクロフィリン阻害剤)とを対象に共投与することによって行われる。
いくつかの実施形態において、方法は、本明細書中に記載されるような量のHCQと、治療有効量のリバビリンと、治療有効量のインターフェロン−αと、治療有効量のNS5A阻害剤とを対象に共投与することによって行われる。
本明細書中に記載されるように、HCV関連疾患に罹患する対象を、相補的な効果を示す2つ以上の化合物により処置することが多くの場合に望ましい。
したがって、いくつかの実施形態において、HCV誘導による自食作用を阻害するHCQは、異なる機構によりHCVに対して作用する抗ウイルス剤と共投与され、例えば、この場合抗ウイルス剤はHCV誘導による自食作用を阻害しない。
HCV誘導による自食作用を阻害しない好適な抗ウイルス剤の例には、限定されないが、ポリメラーゼ阻害剤(例えば、NM−107、バロピシタビン)、リバビリン、ビラミジン、ボセプレビル、テラプレビルおよびアリスポリビルが含まれる。リバビリンは例示的な抗ウイルス剤である。いくつかの実施形態では、リバビリンのプロドラッグ(例えば、ビラミジン)が使用される。
特定の理論によってとらわれることなく、自食作用のHCQによる阻害により、第2の抗ウイルス効果(例えば、HCQと共投与される抗ウイルス剤の抗ウイルス効果)に対するHCVの感受性をかなり高める程度までHCVの生活周期が乱され、その結果、HCQはHCV(例えば、抗ウイルス剤に対して部分的または完全に抵抗性であるHCV)を抗ウイルス剤に対して感作し得るものと考えられる。
さらに、本発明のいくつかの実施形態の一実施態様によれば、C型肝炎ウイルス(HCV)関連疾患を、HCV誘導自食作用の阻害に十分な量(本明細書中で定義される通り)で処置する際での使用に特定されるヒドロキシクロロキンが提供される。
本発明のこの実施態様の実施形態によれば、上記HCQは、本明細書中に記載されるようにHCV関連疾患の処置で使用されるためのものであり、この処置は、処置の必要性のある対象(本明細書中に記載される通り)に、HCV誘導自食作用の阻害に十分な量のHCQ(本明細書中で定義される通り)を投与することによって行われる。
さらに、本発明のいくつかの実施形態の一実施態様によれば、C型肝炎ウイルス(HCV)関連疾患の処置において使用される医薬の製造におけるヒドロキシクロロキンの使用が提供される。いくつかの実施形態において、医薬は、HCV関連疾患を、HCV誘導自食作用の阻害に十分な量(本明細書中で定義される通り)でヒドロキシクロロキンを処置の必要性のある対象に投与することによって処置する際での使用のために特定される。
本発明のこの実施態様のいくつかの実施形態において、医薬は、治療有効量のHCQまたはその塩を含むか、あるいは、医薬は、本明細書中に示されるような量のHCQを対象に投与するための説明書を含む。
HCV誘導自食作用の阻害に十分なHCQの量は、場合により、本明細書中の他の箇所で記載された任意の量または量の任意の範囲であってもよい(例えば、1日あたり400〜2000mg)。
HCV誘導による自食作用は、場合により、本明細書中の他の箇所の記載にしたがい特徴確認されてもよく、また、場合により、(例えば、本明細書中に記載されるように)ULK1、AMBRA1、ATG2A、GABARAPL1、FOX03、SQSTM1、PIK3C3およびMAP1LC3Bからなる群から選択されるタンパク質のレベルの増大によって特徴確認されてもよい。
いくつかの実施形態において、疾患は、(例えば、本明細書中の他の箇所に記載された)抗ウイルス剤抵抗性HCVによって引き起こされ、また、場合により、遺伝子型1のHCVおよび/または遺伝子型4のHCVによって引き起こされる。
上述の処置は、本明細書記載の方法のいずれかに従って行うことができ、また、場合によりさらに、治療有効量の抗ウイルス剤(例えば、HCQとの共投与について本明細書中に記載される任意の個々の抗ウイルス剤またはそのような抗ウイルス剤の任意の組合せ)を共投与することを含む。
本明細書中で検討されるように、自食作用のHCQによる阻害により、異なる抗ウイルス効果(例えば、自食作用の阻害を伴わない抗ウイルス効果)に対するHCVの感受性をかなり高める程度までHCVの生活周期が乱され、その結果、HCQは、HCVを抗ウイルス剤(具体的には、HCQ誘導による自食作用を阻害しない抗ウイルス剤)に対して感作し得るものと考えられる。
したがって、本発明のいくつかの実施形態の一実施態様によれば、C型肝炎ウイルス(HCV)関連疾患、例えば、本明細書中で定義されるようなHCV感染などを処置の必要性のある対象において処置する方法であって、治療有効量のヒドロキシクロロキンまたはその医薬的に許容され得る塩と、治療有効量の抗ウイルス剤とを対象に共投与し(ただし、抗ウイルス剤はHCV誘導による自食作用を阻害しない)、それにより、HCV感染を処置することによって行われる方法が提供される。
いくつかの実施形態において、ヒドロキシクロロキンの治療有効量は、HCV誘導による自食作用を対象において阻害するのに十分である。本発明のいくつかの実施形態による好適な量は本明細書中の他の箇所で記載されている。
HCV誘導による自食作用を阻害しない好適な抗ウイルス剤の例には、限定されないが、リバビリン、ビラミジン、ボセプレビル、テラプレビルおよびアリスポリビルが含まれる。リバビリンは典型的な抗ウイルス剤である。いくつかの実施形態では、リバビリンのプロドラッグ(例えば、ビラミジン)が使用される。
いくつかの実施形態において、方法はさらに、治療有効量の追加の抗ウイルス剤を対象に共投与し、その結果、少なくとも3つの化合物、すなわち、HCQおよび少なくとも2つの抗ウイルス剤(すなわち、HCV誘導による自食作用を阻害しない上記抗ウイルス剤、および、上述の追加の抗ウイルス剤)が共投与されるようにすることを含む。
追加の抗ウイルス剤は、例えば、本明細書記載の任意の抗ウイルス剤であってもよく(ただし、追加の抗ウイルス剤は、HCV誘導による自食作用を阻害しない上述の抗ウイルス剤と同一でない)、また、追加の抗ウイルス剤は、HCV誘導による自食作用を阻害する能力を有してもよく、または、有しなくてもよい。したがって、例えば、追加の抗ウイルス剤は、(例えば、本明細書中の他の箇所で記載されるような)インターフェロン、ウイルスプロテアーゼ阻害剤、NS4A阻害剤、NS5A阻害剤、ウイルスポリメラーゼ阻害剤、シクロフィリン阻害剤、ヘリカーゼ阻害剤、グリコシル化阻害剤および抗リン脂質抗体のいずれか1つであり得る。
HCQおよび2つの抗ウイルス剤(ただし、少なくとも1つの抗ウイルス剤はHCV誘導による自食作用を阻害しない)の特定の組合せの共投与は本明細書中の他の箇所で記載されており、本発明のこの実施態様のいくつかの実施形態による使用に適している。
いくつかの実施形態において、追加の抗ウイルス剤はインターフェロン(例えば、本明細書中に記載されるインターフェロン)である。場合により、インターフェロンはインターフェロン−αであり、場合により、PEG化インターフェロン−α(例えば、本明細書中に記載されるインターフェロン−α)である。
いくつかの実施形態において、上述のインターフェロンはリバビリンと共投与され、その結果、方法は、HCQ、インターフェロンおよびリバビリンの共投与を含むことになる。リバビリンの治療有効量は場合により、1日あたり50〜1200mgの範囲にある(場合により1日あたり50〜150mg、また、場合により1日あたり400〜1200mgの範囲にある)。
さらに、本発明のいくつかの実施形態の一実施態様によれば、C型肝炎ウイルス(HCV)関連疾患(本明細書中で定義される通り)を、HCV誘導による自食作用を阻害しない抗ウイルス剤(本明細書中で定義される通り)との併用で処置する際の使用のために特定されるヒドロキシクロロキンが提供される。
本発明のこの実施態様の実施形態によれば、上記HCQは、処置の必要性のある対象(これは本明細書中に記載される通りである)に、HCQを、HCV誘導自食作用を阻害しない抗ウイルス剤(本明細書中で定義される通り)との併用で投与することによって行われる、本明細書中に記載されるようなHCV関連疾患の処置において使用されるためのものである。
処置は、本明細書中下記でさらに詳述されように、これら2つの薬剤を別々に共投与することによって、または、単一の医薬組成物中に共配合して行われ得る。
さらに、本発明のいくつかの実施形態の一実施態様によれば、C型肝炎ウイルス(HCV)関連疾患の処置で使用される医薬の製造におけるヒドロキシクロロキンの使用が提供される。いくつかの実施形態において、医薬は、HCV誘導による自食作用を阻害しない抗ウイルス剤(本明細書中で定義される通り)との併用でヒドロキシクロロキンを処置の必要性のある対象に投与することによるHCV関連疾患の処置における使用のために特定される。
本発明のこの実施態様のいくつかの実施形態では、医薬は、治療有効量のHCQまたはその塩を含むか、あるいは、医薬は、本明細書中に示されるような量のHCQを対象に投与するための説明書を含む。
いくつかの実施形態において、医薬はさらに、HCV誘導による自食作用を阻害しない抗ウイルス剤の治療有効量を含むか、または、医薬は、HCV誘導による自食作用を阻害しない抗ウイルス剤の量(本明細書中に示される通り)を対象に共投与するための説明書を含む。
いくつかの実施形態において、医薬は、本明細書中下記でさらに詳述されるように、単一の医薬組成物に共配合されるHCQおよび本明細書記載の抗ウイルス剤を含む。
本発明のこの実施態様のいくつかの実施形態によるHCQの治療有効量は、本明細書中の他の箇所で記載されるHCQの量またはHCQの量の範囲である(例えば、1日あたり400g〜2000mg)。
HCQを1つまたは複数の抗ウイルス剤と共投与することに関連する本明細書記載の本発明の実施態様のいずれかのいくつかの実施形態において、処置されるべき疾患は抗ウイルス剤抵抗性HCVによって引き起こされ、場合により、HCQと共投与される抗ウイルス剤(例えば、HCV誘導による自食作用を阻害しない抗ウイルス剤(本明細書中で定義される通り))に対して抵抗性であるHCV遺伝子型によって引き起こされる。いくつかの実施形態において、疾患は遺伝子型1のHCVおよび/または遺伝子型4のHCVによって引き起こされる。
上述の処置は、本明細書中に記載される方法のいずれかに従って行うことができ、また、場合によりさらに、治療有効量の抗ウイルス剤(例えば、HCQとの共投与について本明細書中に記載される任意の個々の抗ウイルス剤またはそのような抗ウイルス剤の任意の組合せ)を共投与することを含んでもよい。
本明細書中上記で検討されているように、HCQは、例えば、HCVがHCQの非存在下では抵抗性である抗ウイルス剤に対してHCVを感作することを含めて、抗ウイルス剤の効力を高め得る効果(例えば、HCV誘導による自食作用の阻害)を示す。
したがって、本発明のいくつかの実施形態の一実施態様によれば、C型肝炎ウイルス(HCV)関連疾患を処置の必要性のある対象において処置する方法であって、疾患が、抗ウイルス剤に対して抵抗性であるHCV遺伝子型によって引き起こされる方法が提供される。この方法は、本発明の実施形態のこの実施態様によれば、治療有効量のヒドロキシクロロキンまたはその医薬的に許容され得る塩と、治療有効量の抗ウイルス剤とを対象に共投与することによって行われ、この場合、この抗ウイルス剤に対して、HCV遺伝子型は抵抗性であるものとする。
本明細書中において、「抗ウイルス剤に対して抵抗性の(である)HCV遺伝子型」および「抗ウイルス剤に対して抵抗性の(である)C型肝炎ウイルス(HCV)遺伝子型」なる表現は、所与の抗ウイルス剤に対して抵抗性であることが、a)この抗ウイルス剤による対象の先行処置(この場合、対象は処置に対して非応答性であった)、および/または、b)HCVの遺伝子型の同定(この場合、遺伝子型は、上記HCV遺伝子型に感染したほとんど(50%超)の対象がこの抗ウイルス剤による処置に対して非応答性である遺伝子型として同定される)によって明らかにされた、感染対象におけるHCV遺伝子型を示す。「抗ウイルス剤に対して抵抗性の(である)」なる表現には、抗ウイルス剤の用量を、単に対象により依然として許容されるさらなる高用量まで上げることによって克服され得る抵抗性は含まれない。
いくつかの実施形態において、疾患は遺伝子型1のHCVおよび/または遺伝子型4のHCVによって引き起こされる。
いくつかの実施形態において、本明細書記載の方法によって処置可能である対象は、抵抗性遺伝子型のHCVに苦しむものとして特定された、HCVに苦しむ対象、ならびに/あるいは、1サイクルまたは複数サイクルの抗ウイルス治療を受けたが、ウイルス感染の根絶が全く認められないか、もしくは不完全であるという点から、および/または、ウイルス感染に伴う症状の緩和が不十分であるという点から、この治療に対して非応答性であることが見出された、HCVに苦しむ対象である。
本発明の実施形態のこの実施態様に従って共投与される抗ウイルス剤の治療有効量は場合により、非抵抗性のHCV遺伝子型の処置に有効な量であってもよい。別法として、または、加えて、治療有効量は、HCQと共投与されたとき、所望される治療効果を発揮する量である。場合により、治療有効量は、対象によって許容されるように選択される。
本発明のこの実施態様による実施形態は、抗ウイルス剤に対するHCV遺伝子型の感作を含み、その結果、抗ウイルス剤が、本明細書中に記載されるように、HCQと共投与されたときにはHCVに対する臨床的に顕著な抗ウイルス効果を発揮し、HCQを伴うことなく投与されたときには、そのような抗ウイルス効果が発揮されないことになるものとする。
HCQの治療有効量は、感作有効量としてみなされ得る。
本明細書中において、「感作有効量」は、抗ウイルス剤に対して抵抗性であるHCV遺伝子型(本明細書中で定義される通り)を、共投与される量の抗ウイルス剤に対して感受性にする(すなわち、もはや抵抗性でない)HCQの量を示す。
いくつかの実施形態において、ヒドロキシクロロキンの治療有効量は、本明細書中の他の箇所で記載されているように、HCV誘導による自食作用(本明細書中で定義される通り)を対象において阻害するのに十分である。
本発明のいくつかの実施形態による好適な治療有効量は本明細書中の他の箇所で記載されている。
いくつかの実施形態において、抗ウイルス剤はHCV誘導による自食作用を阻害しない。そのような抗ウイルス剤の好適な例は本明細書中の他の箇所で記載されている。
いくつかの実施形態において、抗ウイルス剤はリバビリンである。いくつかの実施形態において、抗ウイルス剤はリバビリンのプロドラッグ(例えば、ビラミジン)である。
いくつかの実施形態において、方法はさらに、本明細書中の他の箇所でより詳しく記載されているように、治療有効量の追加の抗ウイルス剤を対象に共投与し、その結果、少なくとも3つの化合物、すなわち、HCQおよび少なくとも2つの抗ウイルス剤(すなわち、HCV誘導による自食作用を阻害しない上記抗ウイルス剤、および、上述の追加の抗ウイルス剤)が共投与されるようにすることを含む。
さらに、本発明のいくつかの実施形態の一実施態様によれば、(本明細書中で定義されるような)抗ウイルス剤に対して抵抗性のHCV遺伝子型によって引き起こされるC型肝炎ウイルス(HCV)関連疾患の処置における抗ウイルス剤との併用のために特定されるヒドロキシクロロキンが提供される。
本発明のこの実施態様の実施形態によれば、そのようなHCQは、処置の必要性のある対象(本明細書中に記載される通り)に、HCQを抗ウイルス剤との併用で投与することによって行われる、本明細書中に記載されるようなHCV関連疾患の処置において使用されるためのものであり、この場合、疾患は、本明細書中で定義されるように、抗ウイルス剤に対して抵抗性のHCV遺伝子型によって引き起こされるものとする。
さらに、本発明のいくつかの実施形態の一実施態様によれば、本明細書中で定義されるように、抗ウイルス剤に対して抵抗性のHCV遺伝子型によって引き起こされるC型肝炎ウイルス(HCV)関連疾患の処置において使用される医薬の製造におけるヒドロキシクロロキンの使用が提供される。いくつかの実施形態において、医薬は、HCV関連疾患を、ヒドロキシクロロキンを上述の抗ウイルス剤との併用で処置の必要性のある対象に投与することによって処置する際の使用のために特定される。
抗ウイルス剤は場合により、本明細書中に記載される抗ウイルス剤の組合せを含めて、本明細書記載のいかなる抗ウイルス剤であってもよい。いくつかの実施形態において、HCV遺伝子型がインターフェロン−αおよび/またはリバビリンに対して抵抗性であるように、抗ウイルス剤はインターフェロン−αおよび/またはリバビリンである。
本発明のこの実施態様のいくつかの実施形態において、医薬は、治療有効量(例えば、本明細書中で定義されるような感作有効量)のHCQまたはその塩を含み、あるいは、医薬は、本明細書中に示されるような治療有効量のHCQを対象に投与するための説明書を含む。
いくつかの実施形態において、上述の処置は、HCQを、本明細書中の他の箇所で記載されるように、HCV誘導による自食作用の阻害に十分な量で投与することを含む。
上述の処置は、本明細書中に記載される方法に従って行うことができる。
本発明のこの実施態様のいくつかの実施形態によるHCQの治療有効量は、本明細書中の他の箇所で記載されるHCQの量またはHCQの量の範囲である(例えば、1日あたり400〜2000mg)。
場合により、抗ウイルス剤は、本明細書中の他の箇所で記載されるように、HCV誘導による自食作用を阻害しない抗ウイルス剤(例えば、リバビリン)である。
いくつかの実施形態において、疾患は、遺伝子型1のHCVおよび/または遺伝子型4のHCVによって引き起こされる。
下記の実施例の節において例示されるように、HCQは、別の抗ウイルス剤との併用であるときには相乗的な抗ウイルス効果を示すが、そのような相乗効果は驚くべきことに、構造が類似するクロロキンによって示されることはない。そのような相乗効果は、HCQおよび抗ウイルス剤の両方の治療可能性を高め、したがって、より効果的な抗ウイルス処置をいかなる所与の薬物用量についても可能にし、かつ/または、寛容性を改善し、有害な影響を減らす、より低用量での処置を可能にする。
したがって、本発明の実施形態の別の実施態様によれば、C型肝炎ウイルス(HCV)関連疾患を処置の必要性のある対象において処置する方法であって、治療有効量のヒドロキシクロロキンまたはその医薬的に許容され得る塩を治療有効量の抗ウイルス剤との併用で対象に共投与することを含み、ただし、この場合、ヒドロキシクロロキンの治療有効量および抗ウイルス剤の治療有効量が、本明細書中で定義されるように、ヒドロキシクロロキンおよび抗ウイルス剤が相乗作用するように選択される方法が提供される。
相乗作用する組合せはまた、本明細書中では相乗的組合せとして示される。
相乗作用をもたらす治療有効量は、実施例の節において例示されるように、HCQおよび抗ウイルス剤の種々の組合せの効果を(場合により、HCQ単独および/または抗ウイルス剤単独の効果を含めて)求めることによって選択され得る。
いくつかの実施形態では、相乗作用は、1日あたり少なくとも400mgである量(例えば、1日あたり400〜2000mgの範囲にある量)、好ましくは、1日あたり少なくとも500mgである量(例えば、1日あたり500〜1000mgの範囲にある量)、場合により1日あたり少なくとも600mgである量、また、場合により1日あたり少なくとも800mg(例えば、800〜1000mg/日、850〜950mg/日、900mg/日)である量のHCQを使用して達成される。1日あたり少なくとも600mgおよび1日あたり少なくとも800mgの好適な範囲は本明細書中の他の箇所で記載されている。
相乗作用をHCQとの併用で示す抗ウイルス剤は場合により、本明細書中に記載される任意の抗ウイルス剤または抗ウイルス剤の任意の組合せであってもよい。
いくつかの実施形態において、相乗作用をHCQとの併用で示す抗ウイルス剤はウイルスプロテアーゼ阻害剤(例えば、本明細書中に記載されるプロテアーゼ阻害剤)である。
いくつかの実施形態において、相乗作用をHCQとの併用で示す抗ウイルス剤はウイルスポリメラーゼ阻害剤(例えば、本明細書中に記載されるポリメラーゼ阻害剤)である。
いくつかの実施形態において、相乗作用をHCQとの併用で示す抗ウイルス剤はインターフェロンである。例示的な実施形態において、インターフェロンは、インターフェロン−α(例えば、PEG化インターフェロン−α)である。
いくつかの実施形態において、インターフェロンの治療有効量は、本明細書中の他の箇所で記載されるように、(場合により1週間あたり)1回の投与につき50〜250μgの範囲にある。
いくつかの実施形態によれば、方法は、(例えば、本明細書中に記載されるように)、1日あたり400〜2000mgのHCQ(またはその医薬的に許容され得る塩)を50〜250μgのインターフェロンとの併用で共投与することを含む。
いくつかの実施形態において、ヒドロキシクロロキンの治療有効量は、相乗作用を示すことに加えて、本明細書中に記載されるように、HCV誘導による自食作用を阻害するのに十分である。
場合により、方法はさらに、治療有効量の追加の抗ウイルス剤(例えば、本明細書中に記載される抗ウイルス剤)(これは相乗作用を示してもよく、または示さなくてもよい)を共投与することを含み、その結果、少なくとも3つの化合物、すなわち、HCQおよび少なくとも2つの抗ウイルス剤(ただし、それらのうちの少なくとも1つは、本明細書中に記載されるように、HCQとの併用で相乗作用を示す)が共投与されることになる。場合により、追加の抗ウイルス剤はリバビリン(またはそのプロドラッグ)である。
さらに、本発明のいくつかの実施形態の一実施態様によれば、C型肝炎ウイルス(HCV)関連疾患の処置における抗ウイルス剤との併用のために特定されるヒドロキシクロロキンが提供され、この場合、上記HCQおよび抗ウイルス剤は、(例えば、本明細書中に記載されるように共投与されるとき)、疾患の処置に際し(本明細書中で定義されるように)相乗作用するものとする。
本発明のこの実施態様の実施形態によれば、上記HCQは、処置の必要性のある対象(本明細書中に記載される通り)に、HCQを抗ウイルス剤との併用で投与することによって行われる、本明細書中に記載されるようなHCV関連疾患の処置において使用されるためのものであり、この場合、上記HCQおよび抗ウイルス剤は、本明細書中に記載されるように、疾患の処置に際し相乗作用するものとする。
これらの実施形態によれば、処置は、本明細書中で定義されるように、HCQおよび抗ウイルス剤の相乗的組合せを含む。
さらに、本発明のいくつかの実施形態の一実施態様によれば、C型肝炎ウイルス(HCV)関連疾患の処置において使用される医薬の製造におけるヒドロキシクロロキンの使用が提供される。いくつかの実施形態において、医薬は、HCV関連疾患を、処置の必要性のある対象に、(例えば、本明細書中に記載されるように)HCQと相乗作用する抗ウイルス剤との併用でヒドロキシクロロキンを投与することによって処置する際の使用のために特定される。
これらの実施形態によれば、処置は、本明細書中で定義されるように、HCQおよび抗ウイルス剤の相乗的組合せを含む。
相乗作用を達成するための好適な抗ウイルス剤および(HCQおよび抗ウイルス剤の)好適な用量は本明細書中に記載されている。
治療有効量の追加の抗ウイルス剤は場合により、本明細書中の他の箇所で記載されているように、HCQ、および、HCQと相乗作用する抗ウイルス剤と共投与され得る。
本発明の様々な実施態様による本明細書記載の方法および処置は、ヒドロキシクロロキンまたはその医薬的に許容され得る塩、抗ウイルス剤、ならびに、場合により、少なくとも1つの医薬的に許容され得る担体、希釈剤、賦形剤および/または添加剤を含む単一医薬組成物が投与される段階を含む。別法として、本発明の方法は、上記で挙げられた有効成分のうちの少なくとも1つをその1つまたは複数の許容され得る担体と一緒に含む別個の組成物が実質的に同時または連続的に投与される段階を含むことができる。
本発明の組合せ剤は好ましくは経口投与され得る。現行治療で用いられる活性併用薬剤化合物は、錠剤、カプセル剤、丸薬、散剤、顆粒剤、エリキシル剤、チンキ剤、懸濁液、シロップ剤および乳化剤(これらに限定されない)を含めて、様々な経口用形態で投与され得る。活性薬剤化合物は、任意の医薬的に許容され得る経路によって、また、任意の医薬的に許容され得る用量形態で送達され得るものとする。これらには、経口用の慣用的迅速放出型、徐放性および遅延放出型の医薬用量形態の使用が含まれるが、これらに限定されない。活性薬剤成分は、好適な医薬用の希釈剤、賦形剤または担体(これらはまとめて、本明細書中では、意図された投与形態に関して好適に選択される「担体」材料として示される)との混合物で投与され得る。示されるように、経口投与が事実上用いられ得るものとする。したがって、錠剤、カプセル剤およびシロップ剤など、同様にまた、慣用的製薬実務と合致する他の様式を用いることができる。
別の実施形態によれば、本発明によって使用される有効成分またはその組合せを含む組成物は、任意の投与方法を介して投与され得る。例えば、経口投与、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、腹腔内投与、非経口投与、経皮投与、膣内投与、鼻腔内投与、粘膜投与、舌下投与、局所投与、直腸投与または皮下投与、あるいは、それらの任意の組合せなど。
経口投与が錠剤またはカプセル剤の形態をとる場合、活性薬剤成分を、非毒性の医薬的に許容され得る不活性担体(例えば、ラクトース、デンプン、スクロース、グルコース、修飾糖、修飾デンプン、メチルセルロースおよびその誘導体、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、マンニトール、ソルビトール、ならびに、他の還元糖および非還元糖、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、フマル酸ステアリルナトリウム、ベヘン酸グリセリルおよびステアリン酸カルシウムなど)と組み合わせることができる。液体形態での経口投与の場合、活性薬剤成分を、非毒性の医薬的に許容され得る不活性担体(例えば、エタノール、グリセリンおよび水など)と組み合わせることができる。所望または要求されるときには、好適な結合剤、滑沢剤、崩壊剤、ならびに、着色剤および調味料もまた、混合物に取り込むことができる。安定剤(例えば、酸化防止剤、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、クエン酸、メタ重亜硫酸カルシウム、ヒドロキノンおよび7−ヒドロキシクマリンなど)もまた、用量形態を安定させるために添加され得る。他の好適な化合物には、ゼラチン、甘味剤、天然ゴムおよび合成ゴム(例えば、アラビアゴム、トラガカントまたはアルギン酸塩など)、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ならびに、ワックスなどが含まれ得る。
別法として、本発明の組合せ剤はまた、放出制御型製剤(例えば、徐放性または速放性製剤など)で投与され得る。本発明の組合せ剤の上記放出制御型製剤は、当業者に公知の方法を使用して調製され得る。投与方法は、対象の状態および要件を評価した後で主治医または当業者によって決定されることになる。
本発明の組み合わされた化合物は一般には、本発明の両化合物を医薬的に許容され得る担体または希釈剤と一緒に含む医薬組成物形態で投与される。したがって、本発明によって使用される化合物は、キットにおいて個々に、あるいは、任意の慣用的経口、非経口または経皮用量形態において一緒に投与され得る。
より具体的には、本発明は、別々に投与され得る有効成分の組合せを用いた疾患および状態の処置に関連するため、本発明はまた、さらなる実施態様として、別々の医薬組成物をキット形態で組み合わせることに関連する。キットは、2つの別々の医薬組成物、すなわち、ヒドロキシクロロキンまたはその医薬的に許容され得る塩と、インターフェロンアルファとを含む。キットは、両方の別々の医薬組成物を含有するための容器手段(例えば、分割ボトルまたは分割ホイルパケットなど)を含むが、これら個別の組成物はまた、1つの非分割容器に含有されてもよい。典型的には、キットは、個別成分を投与するための使用説明書を含む。これら個別成分が好ましくは、異なる用量形態(例えば、経口用および非経口用)で投与され、または、異なる投薬間隔で投与されるとき、あるいは、組合せ剤の個々の成分の滴定が処方医によって所望されるとき、キット形態は特に有利である。
キットは、本明細書記載の処置方法のいずれかを行うためのものであり得、場合により、その方法をいかにして行うかを記載する使用説明書を伴い得る。
キットの両方の成分、すなわち、第1用量形態でのヒドロキシクロロキンおよび第2用量形態での抗ウイルス剤は同時に投与され得るものとする。
別法として、前記第1の化合物または用量形態および前記第2の化合物または用量形態は、どちらの順序であれ、連続して投与される。
本明細書中上記の方法および使用のいずれにおいても、HCQおよび場合により別の1つまたは複数の抗ウイルス剤の投与は、処置すべきHCV関連疾患によって、場合により1ヶ月から生涯、場合により24週間からから生涯、また、場合により24週間から1年に及ぶ期間にわたって行われる。
一般に、投与は、ウイルスが対象から見出される限り、かつ/または、疾患に伴う症状の少なくとも1つが緩和されるまで行われる。
HCV関連(疾患)が慢性である実施形態において、処置は、本明細書中に記載されるように、少なくとも24週間にわたって行われる。
本発明のいくつかの実施形態のさらなる実施態様によれば、医薬用キットが提供される。
いくつかの実施形態において、HCQおよび抗ウイルス剤を含むキット(ただし、それぞれがキット内に個々に包装される)であって、HCQを、本明細書中で定義されるように、HCV誘導による自食作用の阻害に十分な量で使用するための説明書を含むキットが提供される。
本明細書中に記載される方法、使用およびキットのいずれにおいても、HCQまたはその塩および抗ウイルス剤は、利用されるならば、それ自体で利用され得るか、あるいは、本明細書中で定義されるように、医薬的に許容され得る担体をさらに含む医薬組成物の一部を形成し得るかのどちらかである。
本明細書中に記載される方法および使用のいずれにおいても、HCQまたはその塩が抗ウイルス剤と併用されるか、あるいは、抗ウイルス剤と共投与されるときは常に、HCQおよび抗ウイルス剤は単一の医薬組成物に製剤化され得る。
本発明の実施形態のさらなる実施態様によれば、HCQ(またはその医薬的に許容され得る塩)および抗ウイルス剤(例えば、HCQと共投与されるときには有用であるとして本明細書中に記載される抗ウイルス剤)、ならびに、医薬的に許容され得る担体を含む医薬組成物が提供される。
いくつかの実施形態において、組成物は2つ以上の抗ウイルス剤を含む。そのような組成物は、HCQおよび少なくとも2つの抗ウイルス剤の共投与を含む本明細書中に記載される処置方法を行うのに好適であるように製剤化され得る。
いくつかの実施形態において、組成物は、本明細書中の他の箇所でより詳細に検討されているように、HCQの自食作用阻害特性を、異なる機構を介して作用する抗ウイルス剤と組み合わせるように製剤化される。したがって、組成物における抗ウイルス剤は、(例えば、本明細書中に記載されるように)HCV誘導による自食作用を阻害しない抗ウイルス剤である。場合により、組成物は、HCV関連疾患の処置用において使用するために(例えば、包装材の中または表面において)特定される。
いくつかの実施形態において、組成物は、本明細書中の他の箇所でより詳細に検討されているように、抗ウイルス剤に対して抵抗性のHCV遺伝子型によって引き起こされるHCV関連疾患を、(例えば、HCVを抗ウイルス剤に対して感作することによって)処置するために製剤化される。したがって、組成物における抗ウイルス剤は、(例えば、本明細書中に記載されるように)、HCV遺伝子型が抵抗性である抗ウイルス剤である。場合により、組成物は、抗ウイルス剤に対して抵抗性のHCV遺伝子型によって引き起こされるHCV関連疾患の(本明細書中に記載されるように)処置用において使用するために(例えば、包装材の中または表面において)特定される。
いくつかの実施形態において、組成物は、本明細書中の他の箇所でより詳細に検討されているように、HCQと、抗ウイルス剤との間における相乗効果を提供するように製剤化される。したがって、組成物における抗ウイルス剤は、(例えば、本明細書中に記載されるように)HCQとの相乗作用する抗ウイルス剤である。場合により、組成物は、HCV関連疾患の処置用において使用するために(例えば、包装材の中または表面において)特定される。
組成物は好ましくは、HCQおよび抗ウイルス剤の両方について好適な経路による投与用に製剤化される。
本明細書中で検討されているように、HCQは経口投与に好適である。そのうえ、経口投与は、比較的好都合な投与経路である。
したがって、いくつかの実施形態において、組成物は経口投与用に製剤化される。抗ウイルス剤は好ましくは、経口投与に好適であるように選択される。
所与の抗ウイルス剤について、好適な投与経路は典型的には、当業界では公知である。例えば、リバビリンは、経口投与に好適であることが知られており、これに対して、インターフェロンは、経口投与に好適であると見なされていない。
いくつかの実施形態において、抗ウイルス剤は、(例えば、インターフェロンとは対照的に)小分子である。場合により、そのような小分子は、1500Da未満、場合により1000Da未満、場合により800Da未満、場合により600Da未満、また、場合により400Da未満の分子量を特徴とする。一般に、小分子は、経口投与については、より大きな分子(例えば、ポリマー)よりもかなり適している。
いくつかの実施形態において、組成物は、追加の抗ウイルス剤との使用のために特定される。場合により、組成物および追加の抗ウイルス剤の共投与は、(例えば、本明細書中に記載されるように)、HCQおよび少なくとも2つの抗ウイルス剤の共投与を含む処置方法を行うためのものである。
いくつかの実施形態において、追加の抗ウイルス剤は、組成物に含めることに適しておらず、したがって、別々に投与される。追加の抗ウイルス剤は場合により、組成物の投与経路に適していないことがあり得、例えば、組成物が経口投与用に製剤化され、追加の抗ウイルス剤が経口投与に適していない(例えば、インターフェロン)場合がある。別法として、または、加えて、追加の抗ウイルス剤は場合により、組成物の投与頻度に適していないことがあり得、例えば、組成物が1日1回投与用に製剤化され、追加の抗ウイルス剤が1週間あたり1回の投与により適している(例えば、PEG化インターフェロン−α)場合がある。
組成物は、例えば、液体、半固体(例えば、ゲル)または固体の形態であってもよい。
いくつかの実施形態において、組成物は固体形態である。組成物用の固体形態の例には、限定されないが、錠剤、カプセル剤(例えば、封入固体を含む)、カプレット剤、散剤、ミクロスフェロイドおよび顆粒剤が含まれる。
組成物は好ましくは、組成物の意図された投与頻度に従って製剤化される。これは結果的には、活性薬剤の特性に左右される。本明細書中で検討されているように、HCQは、例えば、1日あたり1回投与され得るが、同様に、他の頻度(例えば、1日に2回または3回)でも投与され得る。したがって、意図された投与頻度は、HCQと共投与される抗ウイルス剤の特性に左右される。
したがって、例えば、抗ウイルス剤が1日あたり1回の投与に好適である実施形態において、組成物は必要に応じて、1日あたり1回の投与用に製剤化され、抗ウイルス剤が1日あたり2回の投与に好適である実施形態では、組成物は必要に応じて、1日あたり2回の投与用に製剤化される。他の場合についても同様である。
いくつかの実施形態において、抗ウイルス剤は、事実上様々な頻度で投与され得る(例えば、1日あたり1回、1日あたり2回、および、1日あたり3回)。典型的には、他の要因が同等であるとき、対象にとって、組成物は1日あたり1回投与されることの方が、1日あたり2回投与されるよりも好都合であるはずであり、また、組成物が1日あたり2回投与されることの方が、1日あたり3回以上投与されるよりも好都合であるはずであり、また、組成物が1日あたり一定の回数で投与されることの方が、日毎に異なる回数で投与されるよりも好都合であるはずである。
任意の所与の抗ウイルス剤について、薬剤の最適な投与頻度(例えば、最も治療有効的および/または最も好都合な投与頻度)は、典型的には、当業者には知られているはずである。
活性薬剤は、組成物を適切に製剤化することによって、例えば、組成物を組成物中の活性薬剤の放出遅延用に製剤化することによって、より低頻度の投与(例えば、1日あたり2回以上の代わりに、特に好都合であるような1日あたり1回)により適するようにされ得るものとする。
徐放性の調製物は典型的には、徐放性の生分解性担体を含む。様々な徐放性の生分解性担体が当業界では広く知られている。これらは、活性化合物(複数も可)を内部に捕らえ、好適な環境(例えば、水性、酸性、塩基性など)のもとでゆっくり分解/溶解させ、それによって、体液中で分解/溶解し、そこで活性化合物を放出することができる粒子を形成し得る物質である。粒子は好ましくはナノ粒子である(すなわち、ナノメートル範囲にあり、例えば、直径が約1〜約500nmの範囲、好ましくは、直径が約50〜200nmの範囲、最も好ましくは、直径が約100nmである)。
薬剤が放出される速度は一般には、用量形態が崩壊または溶解する速度に左右される。崩壊は、GI液と接触している薬剤表面積を大きく増大させ、それにより、薬剤の溶解および吸収を促進させる。崩壊剤および他の賦形剤(例えば、希釈剤、滑沢剤、界面活性剤、結合剤、分散剤)は、多くの場合、これらのプロセスを容易にするために製造時に加えられる。界面活性剤は、溶解速度を、薬剤の湿潤性、溶解性および分散性を増大させることによって増大させる。固体形態の崩壊を、錠剤化手順の期間中に加えられる過度な圧力によって、または、錠剤を消化管の消化プロセスから保護するために施される特殊コーティングによって遅らせることができる。疎水性の滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)は活性薬剤に結合し、その生物学的利用能を低下させることができる。
溶解速度により、吸収に関する薬剤の利用能が決定される。溶解が吸収よりも遅いときには、溶解は律速段階になる。全体的な吸収を、製剤化を操作することによって制御することができる。例えば、粒子サイズを小さくすることにより、薬剤の表面積が増大し、したがって、遅い溶解によって通常の場合にはその吸収が制限される薬剤のGI吸収の速度および程度が大きくなる。溶解速度は、薬剤が、塩、結晶または水和物の形態であるかどうかに影響される。
経口用の徐放性形態は多くの場合、治療的薬剤濃度を12時間超にわたって維持するために設計される。吸収速度は、薬剤粒子をワックスまたは他の水不溶性物質により被覆することによって、あるいは、薬剤を、GI管通過中に薬剤をゆっくり放出させるマトリックスに包埋することによって、あるいは、薬剤をイオン交換樹脂と複合体化することによって制御することができる。
したがって、例えば、錠剤形態での徐放性製剤は、消化液と接触して膨潤して、ゲルを形成し、これにより、錠剤をコーティングするバリアを生じさせる親水性ポリマーの使用に基づき得る。バリアにより、錠剤の内部と、周囲の媒体との間における物理的交換が制限される。結果として、水が錠剤マトリックスに向かって侵入すること、および、薬剤の拡散が遅くなることによって、薬剤は制御された形で遅延放出され得る。
様々なタイプのポリマーを、薬剤の遅延放出用マトリックスとして使用することができ、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンポリアミド、エチルセルロース、シリコーン、ポリ(メタクリル酸ヒドロキシエチル)、他のアクリル酸コポリマーおよびポリ酢酸ビニル−ポリ塩化ビニルコポリマーなどを使用することができる。
いくつかの実施形態において、組成物は単位用量形態(例えば、経口投与のために製剤化された単位用量形態)である。
用語「単位用量形態物」は、本明細書中で使用される場合、(例えば、固体形態での)物理的個別単位(ただし、それぞれの単位は、所望される治療効果を生じさせるために計算された所定量のHCQおよび抗ウイルス剤を、(例えば、本明細書中に記載されるように)少なくとも1つの医薬的に許容され得る担体、希釈剤、賦形剤またはそれらの組合せと共に含有する)を表す。
組成物におけるHCQおよび抗ウイルス剤の量は場合により、(例えば、本明細書中の他の箇所で記載されるように)1日あたりの適切な量の各活性薬剤を提供するように調節されていてもよい。場合により、HCQの量は、(例えば、本明細書中の他の箇所で記載されるように)HCV誘導による自食作用を阻害するのに十分であり、かつ/または、HCVを(例えば、本明細書中の他の箇所で記載されるように)、組成物に含まれる抗ウイルス剤に対して感作するのに十分なものである。
場合により、各単位用量形態は、1日について好適である本明細書中上記で記載されるようなHCQの治療有効量(例えば、400〜2000mg、500〜1000mg、など)を含む。場合により、そのような医薬組成物はさらに、1日あたり1回の投与用に特定される。
別法として、各単位用量形態は、1日について好適である本明細書中上記で記載されるようなHCQの治療有効量の半分(例えば、200〜1000mg、250〜500mg、など)を含む。場合により、そのような医薬組成物はさらに、1日あたり2回の投与用に特定される。
本明細書中に記載される単位用量形態は、本明細書中に記載される個別単位用量形態を包装材で一緒に包装された形で含むキットにおいて一緒に提供され得る。
薬物の配合および投与のための技術が「Remington’s Pharmaceutical Sciences」(Mack Publishing Co.、Easton、PA、最新版)に見出されることができ、これは参考として本明細書中に組み込まれる。
本発明の実施形態の医薬組成物は、この分野で十分に知られているプロセスによって、例えば、従来の混合、溶解、造粒、糖衣錠作製、研和、乳化、カプセル化、包括化または凍結乾燥のプロセスによって製造されることができる。
従って、本発明に従って使用される医薬組成物は、医薬品として使用されることができる調製物への有効成分(HCQおよび本明細書中に記載される抗ウイルス剤)の加工を容易にする賦形剤および補助剤を含む1つまたは複数の生理学的に許容され得る担体を使用して従来の様式で配合されることできる。適正な配合は、選ばれた投与経路に依存する。
注射の場合、本発明の実施形態の医薬組成物の有効成分は、水溶液において、好ましくは生理学的に適合しうる緩衝液(例えば、ハンクス溶液、リンゲル溶液、または生理学的な食塩緩衝液など)において、プロピレングリコールやポリエチレングリコールなどの有機溶媒と共にまたはかかる有機溶媒なしで配合されることができる。
経粘膜投与の場合、浸透剤が配合において使用される。そのような浸透剤は、この分野では一般に知られている。
経口投与の場合、有効成分は、本明細書中に記載される有効成分をこの分野でよく知られている医薬的に許容され得る担体と組み合わせることによって容易に配合されることができる。そのような担体は、有効成分が、患者によって経口摂取される錠剤、ピル、糖衣錠、カプセル、液剤、ゲル、シロップ、スラリー剤および懸濁物などとして配合されることを可能にする。経口使用される薬理学的調製物は、固体の賦形剤を使用し、得られた混合物を場合により粉砕し、錠剤または糖衣錠コアを得るために、望ましい好適な補助剤を添加した後、顆粒の混合物を加工して作製されることができる。好適な賦形剤は、特に、ラクトース、スクロース、マンニトールまたはソルビトールを含む糖などの充填剤;セルロース調製物、例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボメチルセルロースなど;および/またはポリビニルピロリドン(PVP)などの生理学的に許容され得るポリマーである。もし望むなら、架橋されたポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸もしくはその塩(例えば、アルギン酸ナトリウムなど)などの崩壊剤が加えられることができる。
糖衣錠コアには、好適なコーティングが施される。この目的のために、高濃度の糖溶液を使用することができ、この場合、糖溶液は、場合により、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、二酸化チタン、ラッカー溶液、および好適な有機溶媒または溶媒混合物を含有しうる。色素または顔料は、活性化合物の量を明らかにするために、または活性化合物の量の種々の組合せを特徴づけるために、錠剤または糖衣錠コーティングに加えられることができる。
経口使用されうる医薬組成物としては、ゼラチンから作製されたプッシュ・フィット型カプセル、ならびに、ゼラチンおよび可塑剤(例えば、グリセロールまたはソルビトールなど)から作製された軟いシールされたカプセルが挙げられる。プッシュ・フィット型カプセルは、充填剤(例えば、ラクトースなど)、結合剤(例えば、デンプンなど)、滑剤(例えば、タルクまたはステアリン酸マグネシウムなど)、および場合により安定化剤との混合で有効成分を含有することができる。軟カプセルでは、本明細書中に記載される有効成分は、好適な液体(例えば、脂肪油、流動パラフィンまたは液状のポリエチレングリコールなど)に溶解または懸濁されることができる。さらに、安定化剤が加えられることができる。経口投与される配合物はすべて、選ばれた投与経路について好適な投薬形態でなければならない。
口内投与の場合、組成物は、従来の方法で配合された錠剤またはトローチの形態を取ることができる。
鼻吸入による投与の場合、本発明の実施形態による使用のための有効成分は、好適な噴射剤(例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタンまたは二酸化炭素)の使用により加圧パックまたはネブライザーからのエアロゾルスプレー提示物(これは、典型的には、粉末化された、液状化された、および/または気体状の担体を含む)の形態で都合よく送達される。加圧されたエアロゾルの場合、投与量は、計量された量を送達するためのバルブを備えることによって決定されることができる。吸入器において使用される、例えば、ゼラチン製のカプセルおよびカートリッジは、有効成分および好適な粉末基剤(例えば、ラクトースまたはデンプンなどであるが、これらに限定されない)の粉末混合物を含有して配合されることができる。
本明細書中に記載される有効成分は、例えば、ボーラス注射または持続注入による非経口投与のために製剤化され得る。注射用製剤は、単位用量形態で、例えば、場合により、保存剤が加えられたアンプルまたは多回用量容器での単位用量形態で与えられ得る。組成物は、油性または水性賦形剤における懸濁液、溶液または乳化液であってもよく、また、製剤化剤(例えば、懸濁剤、可溶化剤および/または分散剤など)を含有することができる。
非経口投与用の医薬組成物は、有効成分の水溶液を含む。加えて、有効成分の懸濁液を油性の適切な注射用の懸濁液および乳化液(例えば、油中水型、水中油型または油中油中水型の乳化液)として調製することができる。好適な親油性溶媒または親油性賦形剤には、油脂類(例えば、ゴマ油など)、あるいは、合成脂肪酸エステル(例えば、オレイン酸エチルなど)、トリグリセリドまたはリポソームが含まれる。水性の注射用懸濁液は、懸濁液の粘稠度を増大させる物質、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトールまたはデキストランなどを含有することができる。場合により、懸濁液はまた、高濃度溶液の調製に備えるために有効成分の溶解性を増大させる好適な安定剤または薬剤を含有することができる。
別法として、有効成分は、好適な賦形剤(例えば、無菌の発熱物質不含有水)を用いて使用前に構成されるための粉末形態であってもよい。
本発明の実施形態の有効成分はまた、例えば、慣用的坐薬基剤(例えば、カカオ脂または他のグリセリドなど)を使用して直腸用組成物(例えば、坐薬または停留浣腸剤など)に製剤化され得る。
本明細書中に記載される医薬組成物はまた、ゲル相担体または賦形剤の好適な固体を含むことができる。そのような担体または賦形剤の例には、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチンおよびポリマー(例えば、ポリエチレングリコールなど)が含まれるが、これらに限定されない。
本発明の組成物は、所望されるならば、有効成分を含有する1つまたは複数の単位投薬形態物を含有し得るパックまたはディスペンサーデバイス(例えば、FDA承認キットなど)で提供され得る。パックは、例えば、金属ホイルまたはプラスチックホイルを含むことができる(例えば、ブリスターパックなど)。パックまたはディスペンサーデバイスには、投与のための説明書が付随し得る。パックまたはディスペンサーデバイスはまた、医薬品の製造、使用または販売を規制する政府当局によって定められた形式で、容器に関連した通知によって適応させることがあり、この場合、そのような通知は、組成物の形態、あるいはヒトまたは動物への投与の当局による承認を反映する。そのような通知は、例えば、処方薬物について米国食品医薬品局によって承認されたラベル書きであり得るか、または、承認された製品添付文書であり得る。
適合し得る医薬用担体に配合された、HCQおよび本明細書中に記載される抗ウイルス剤を含む組成物もまた、上で詳述されたように、HCV関連疾患を処置するために調製され、包装材中に包装され、包装材中にまたは包装材の表面において特定され得る。
本明細書中で使用される用語「約」は、±10%を示す。
用語「含む/備える(comprises、comprising、includes、including)」、「有する(having)」、およびそれらの同根語は、「含むが、それらに限定されない(including but not limited to)」ことを意味する。
用語「からなる(consisting of)」は、「含み、それらに限定される(including and limited to)」ことを意味する。
表現「から本質的になる(consisting essentially of)」は、さらなる成分、工程および/または部分が、主張される組成物、方法または構造の基本的かつ新規な特徴を実質的に変化させない場合にだけ、組成物、方法または構造がさらなる成分、工程および/または部分を含み得ることを意味する。
用語「例示的」は、本明細書では「例(example,instance又はillustration)として作用する」ことを意味するために使用される。「例示的」として記載されたいかなる実施形態も必ずしも他の実施形態に対して好ましいもしくは有利なものとして解釈されたりかつ/または他の実施形態からの特徴の組み入れを除外するものではない。
用語「任意選択的(場合により)」は、本明細書では、「一部の実施形態に与えられるが、他の実施形態には与えられない」ことを意味するために使用される。本発明のいかなる特定の実施形態も対立しない限り複数の「任意選択的(場合による)」な特徴を含むことができる。
本明細書中で使用される場合、単数形態(「a」、「an」および「the」)は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数の参照物を包含する。例えば、用語「化合物(a compound)」または用語「少なくとも1つの化合物」は、その混合物を含めて、複数の化合物を包含し得る。
本開示を通して、本発明の様々な態様が範囲形式で提示され得る。範囲形式での記載は単に便宜上および簡潔化のためであり、本発明の範囲に対する柔軟性のない限定として解釈すべきでないことを理解しなければならない。従って、範囲の記載は、具体的に開示された可能なすべての部分範囲、ならびに、その範囲に含まれる個々の数値を有すると見なさなければならない。例えば、1〜6などの範囲の記載は、具体的に開示された部分範囲(例えば、1〜3、1〜4、1〜5、2〜4、2〜6、3〜6など)、ならびに、その範囲に含まれる個々の数値(例えば、1、2、3、4、5および6)を有すると見なさなければならない。このことは、範囲の広さにかかわらず、適用される。
数値範囲が本明細書中で示される場合には常に、示された範囲に含まれる任意の言及された数字(分数または整数)を含むことが意味される。第1の示された数字および第2の示された数字「の範囲である/の間の範囲」という表現、および、第1の示された数字「から」第2の示された数「まで及ぶ/までの範囲」という表現は、交換可能に使用され、第1の示された数字と、第2の示された数字と、その間のすべての分数および整数とを含むことが意味される。
本明細書中で使用される用語「方法(method)」は、所与の課題を達成するための様式、手段、技術および手順を示し、これには、化学、薬理学、生物学、生化学および医学の技術分野の実施者に知られているそのような様式、手段、技術および手順、または、知られている様式、手段、技術および手順から、化学、薬理学、生物学、生化学および医学の技術分野の実施者によって容易に開発されるそのような様式、手段、技術および手順が含まれるが、それらに限定されない。
本明細書で使用される場合、用語「治療する/処置する」には、状態の進行を取り消すこと、実質的に阻害すること、遅くすること、または、逆向きにすること、状態の臨床的症状または審美的症状を実質的に改善すること、あるいは、状態の臨床的症状または審美的症状の出現を実質的に防止することが含まれる。
明確にするため別個の実施形態の文脈で説明されている本発明の特定の特徴が、単一の実施形態に組み合わせて提供されることもできることは分かるであろう。逆に、簡潔にするため単一の実施形態で説明されている本発明の各種の特徴は別個にまたは適切なサブコンビネーションで、あるいは本発明の他の記載される実施形態において好適なように提供することもできる。種々の実施形態の文脈において記載される特定の特徴は、その実施形態がそれらの要素なしに動作不能である場合を除いては、それらの実施形態の不可欠な特徴であると見なされるべきではない。
本明細書中上記に描かれるような、および、下記の請求項の節において特許請求されるような本発明の様々な実施形態および態様のそれぞれは、実験的裏付けが下記の実施例において見出される。
次に下記の実施例が参照されるが、下記の実施例は、上記の説明と一緒に、本発明を非限定様式で例示する。
材料:
クロロキン二リン酸塩をSigmaから得た;
ヒドロキシクロロキン硫酸塩をSigmaから得た;
インターフェロン−α(ヒト、PEG化体)(ペグインターフェロンアルファ−2b)をSchering Ploughから得た;
リバビリンをSigma−Aldrichから得た;
ボセプレビルおよびNM−107を文献の記載の通りに合成した。
インビトロHCVレプリコンモデル:
C型肝炎ウイルス(HCV)複製に関する研究は、レプリコンシステムとして知られている細胞培養モデルの開発によって大きく進んでいる。
ヘパトーマ細胞株Huh7は細胞株9−13由来のサブクローンである。HCV遺伝子型1bのレプリコンI377/NS3−3’(受け入れ番号AJ242652)を発現するHuh7細胞株がLohmannらによって作製された[Lohmannら、Science、1999、285:110〜113]。GS4.3と称されるレプリコン含有細胞培養物を、Christoph Seeger博士(Institute for Cancer Reserach、Fox Chase Cancer Center、フィラデルフィア、ペンシルベニア)から得て、Zhuら[J Virol、2003、77:9204〜9210]に記載されるように調製した。
図1に示されるように、レプリコンは、HCV構造タンパク質をコードする遺伝子ユニットが、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼII(NPTII)をコードする遺伝子によって置き換えられたサブゲノムHCV配列からなる。NPTIIの発現はHCVの内部リボソーム進入部位(IRES)の制御下にあり、これに対して、(真の3’−UTRに至るまでの)HCVタンパク質のNS3からNS5までをもたらす領域の翻訳は脳心筋炎ウイルス(EMCV)の内部リボソーム進入部位(IRES)によって制御される。NS3タンパク質はHCVポリタンパク質を切断して、HCV複製のために要求される成熟型のNS3、NS4A、NS4B、NS5AおよびNS5Bタンパク質を放出する。
この構築物は、細胞株9−13に存在するレプリコンと類似しており、抗ウイルス剤のスクリーニングのための安定したNPTII発現をもたらす。
Huh7細胞の培養および処理:
Huh7細胞を、2mMのL−グルタミン、非必須アミノ酸(NEAA)、10%のウシ胎児血清(FBS)および500mg/mlのジェネティシンが補充されたDMEM(ダルベッコ改変イーグル培地)において5%COの雰囲気、および37℃で維持した。細胞を2〜3日毎に1:3または1:4の比率で小分けした。アッセイの24時間前に、Huh7細胞を集め、計数し、100μlの標準的な維持培地において96ウエルプレートに7500細胞/ウエルで置床し、上記条件でインキュベーションした。アッセイを開始するために、培養培地を除き、細胞をPBS(リン酸塩緩衝食塩水)により1回洗浄した。対照化合物のみについては、90μlのアッセイ培地(L−グルタミン、NEAAおよび10%FBSを含むDMEM)を加えた。
試験化合物をアッセイ培地における10Xストック液として調製した。アッセイ培地における化合物の系列希釈物を10μlの総体積で加え、その後、プレートを揺すって混合し、上記のように72時間インキュベーションした。
ヒトインターフェロン−α(ペグインターフェロンアルファ−2b)およびリバビリンは、RNA複製を低下させるC型肝炎ウイルス阻害剤であり、陽性対照化合物として各実験に含めた。陽性対照化合物を、低い対照値および高い対照値を与えるために、2つの異なる濃度で、すなわち、インターフェロンについては1pMおよび1nMで、リバビリンについては100μMおよび200μMでデュプリケイトで加えた。
HCVレベルの定量:
HCVのRNAレベルを、TaqMan(登録商標)RT−PCRを使用して測定した。総細胞RNAを単離し、HCVの遺伝子型1〜6を検出および定量するRealTime HCVアッセイ(逆転写、PCR増幅および検出/定量のためのm1000(商標)Automated Sample Preparation Systemおよびm2000rt(商標)装置、Abbott Molecular Inc.)を使用することによって増幅した。この分子的遺伝子型決定法はウイルスゲノムの5’非翻訳(UTR)領域を標的とし(図1を参照のこと)、ウイルスゲノムの増幅に基づく。内部対照(これはRT−PCRによって同時に増幅される)は、プロセスが各サンプルについて正しく進行したことを立証する役割を果たした。陰性対照、低い陽性対照および高い陽性対照もまた導入された。結果は国際単位/ml(IU/ml)で記録される:1IU/ml=4.3コピー/ml。検出下限は95%以上の確率により12IU/mlであった。アッセイのダイナミックレンジは12から100000000IU/mlにまで広がっていた。EC50は、レプリコン細胞におけるHCV RNAレベルが50%低下する化合物の濃度として定義された。
細胞毒性の定量:
細胞毒性効果を測定するために、化合物による72時間の処理の後におけるレプリコン細胞の生存能を、MTS(3−[4,5−ジメチルチアゾール−2−イル]−5−[3−カルボキシメトキシフェニル]−2−[4−スルホフェニル]−2H−テトラゾリウム内部塩)アッセイ(CellTiter96(登録商標)AQueous One Solution Cell Proliferation Assay;Promega)を使用して求めた。CC50は、細胞生存能を50%低下させる化合物の濃度として定義された。
抗ウイルス薬剤の組合せの分析:
抗ウイルスアッセイを、Huh7細胞について本明細書中上記で記載されたように、Hu7細胞を2つの化合物の組合せで処理することによって行った。薬剤の各組合せをトリプリケイトでアッセイした。
薬剤組合せの効果を、PrichardおよびShipman[Antiviral Res、1990、14:181〜205]によって記載される方法に従って評価した。理論的な相加効果を下記の等式によって個々の化合物の用量応答曲線から計算した:Z=X+Y(1−X)(これは、Bliss独立モデルとしてこの分野では示される等式である)、式中、XおよびYは、個々の化合物によってもたらされる阻害を表し、Zは、化合物の組合せによってもたらされる理論的効果を表す。実験結果を、相加効果(すなわち、「Z」)について予想される理論的結果に対して正規化し、その後、理論的な相加曲面を実際の実験曲面から引いて、薬剤間の相乗作用を表す水平曲面を得た。したがって、曲面がゼロ平面に等しいとき、組合せは、相乗的よりはむしろ相加的である。ゼロ平面の上側(例えば、少なくとも20%)にある曲面は組合せの相乗効果を示し、ゼロ平面より低い(例えば、−20%より低い)曲面は薬剤間の拮抗作用を示す。
薬剤組合せの効果はまた、ChouおよびTalalay[Trends Pharmacol Sci、1983、4:450〜454]によって記載される方法に基づくCalcuSynソフトウエアを使用して、併用指数(CI)をLoewe相加性モデルにおいて3つの異なる薬剤比率について計算することによって評価された。1未満、1および1超のCI値は、相乗作用、相加効果および拮抗作用をそれぞれ示す。
薬剤組合せの効果はまた、CalcuSynソフトウエアを使用して、標準的なアイソボログラム解析によって評価された。
実施例1
HCVのRNA複製に対するインターフェロン−αとの併用でのヒドロキシクロロキンの効果
Huh7細胞を、本明細書中上記のように、様々な濃度(0、0.41、1.23、3.7、11.1、33.3、100および300IU/ml)のPEG化ヒトインターフェロン−α(ペグインターフェロンアルファ−2b)との併用において様々な濃度(0、0.22、0.66、2、8および18μM)のヒドロキシクロロキン硫酸塩(HCQ)により処理した。HCV RNAのレベルをRT−PCRによって測定し、結果を、本明細書中上記のように、PrichardおよびShipmanモデル、Chou−Talalayモデルおよびアイソボログラムモデルに従って解析した。加えて、HCQおよびインターフェロン−α(IFNα)の試験された組合せの細胞毒性を本明細書中上記のように求めた。
図2に示されるように、HCQおよびIFNαはそれぞれが、単独および併用での両方で、HCVのRNA複製を用量依存的に阻害した。
図3Aおよび図3Bに示されるように、HCQおよびIFNαは、Prichard−Shipmanモデルに従って求められたように、併用における相乗効果を示した。この相乗効果は3.7IU/mlのIFNαおよび6μMのHCQの組合せについて特に強く、これらについては、HCVの阻害が、相加効果について予想されるよりも30%大きかった。
表1は、Chou−Talalayモデルに従って計算される、ヒドロキシクロロキン(HCQ)およびインターフェロン−α(IFNα)の組合せについての併用指数(CI)の値を示す。
表1に示されるように、HCQおよびIFNαは併用における相乗効果を示し、計算された併用指数はすべて、1よりもかなり低かった。
ED50、ED75およびED90は、ウイルス活性の50%阻害、75%阻害および90%阻害をもたらす薬剤の量を表す。
図4に示されるように、HCQおよびIFNαは、アイソボログラムに従って求められた場合、併用における相乗効果を示した。
これらの様々なモデルの間における一致は、ヒドロキシクロロキンおよびインターフェロン−αが、併用投与されたとき、相当の相乗効果を示すことを示している。
図5に示されるように、細胞生存能はIFNαの試験用量によって影響されず、HCQの最大試験用量(18μM)によってほんのわずかに低下しただけであった。
これらの結果は、特に強い相乗作用を示した組合せを含めて、HCQおよびIFNαの試験された組合せのほとんどが実質的に非毒性であることを示している。
比較のために、クロロキン二リン酸塩を、HCQについて記載されたのと同じ手順を使用して、IFNαとの併用で試験した。クロロキンおよびIFNαはそれぞれがHCVのRNA複製を阻害した(データは示されず)。
図6に示されるように、クロロキンは、Prichard−Shipmanモデルに従って求められた場合、認められるほどの相乗効果をIFNαとの併用において何ら示さなかった。
実施例2
機構的洞察
HCVレプリコン細胞におけるNF−κBシグナル伝達に対するヒドロキシクロロキンの効果:
Huh7保有レプリコンモデルを使用して、HCV感染に対するヒドロキシクロロキン(HCQ)の効果を評価した。
一組の実験において、HCVレプリコン−Huh−7/neo細胞を96ウエルプレートに16時間播種した。その後、細胞をいくつかの濃度のHCQと72時間インキュベーションした。HCVレプリコンの複製レベルを、レプリコンにより運ばれるネオマイシン遺伝子産物(NPTII)を定量すること(%NTPII)によって求めた。データを図7に示す。棒は、対照細胞と比較した場合の百分率として表されるデュプリケイトウエルの平均を表し、誤差は標準偏差(SD)を示している。差を、スチューデントt検定を使用して、HCQにより処理された状態について、対応する非処理の状態と比較した。基本的には、0.05未満のp値を統計学的に有意であると見なし、星印(*)によって表す。
別の一組の実験において、HCVレプリコンを有するHuh7細胞を0.5μMおよび1μMのHCQにより48時間処理した。NS5Aタンパク質およびHCVコアタンパク質を検出するために行われる免疫ブロットアッセイは、同様に、HCQが、非処理の状態と比較した場合、図8に示されるように、HCVコアタンパク質およびNS5aタンパク質の両方のレベルを用量依存的に低下させ得ることを示した。α−アクチンのウエスタンブロッティングは、サンプルの同等の負荷を示した。
NS5Aタンパク質およびHCVコアタンパク質は、細胞遺伝子の発現および/または活性化を調節することが示されているので、包括的遺伝子発現に対するHCQの効果を評価した。Huh7保有レプリコン細胞を、10μMのHCQにより、6時間、12時間および24時間処理した。それぞれの状態をデュプリケイトで行った。細胞から抽出された総RNAを、遺伝子発現解析のために、Whole Human Genome Agilent 4×44Kにハイブリダイゼーションさせた。
正規化後、相対強度値がバックグラウンドよりも大きかった、それぞれのデュプリケイトにおいてアノテーションされた遺伝子を選択した。調節を受けた遺伝子の数を、倍数変化(FC)に基づく選択に従った選別、すなわち、6時間、12時間および24時間における少なくとも2FCに従った選別を使用して求めた。
倍数変化を下記のように計算した:(デュプリケイトで行われた)10μMのHCQにより処理されたHuh7保有レプリコン細胞において測定された遺伝子発現の正規化された値を、速度論的な6時間、12時間および24時間の各時点で、非処理細胞における対応する値によって除した。倍数変化(FC)のカットオフを12時間および24時間において、アップレギュレーションについては、FC≧2として設定し、ダウンレギュレーションについては、FC≦0.5として設定した。データを表2および表3に示す。
表2に示されるように、調節を受けた遺伝子のほとんどはダウンレギュレーションされ、効果は24時間の処理においてより顕著であった。
表3に示されるように、23個の調節された遺伝子の中で、3つだけがアップレギュレーションされることが見出され(FC≧2;太字)、一方、20個が有意に抑制されている(FC≦0.5;斜体字)。
興味深いことに、2つのダウンレギュレーションされた遺伝子は転写因子のRELBおよびNFKB2をコードする。そのうえ、NF−κB経路のいくつかの既知標的遺伝子はダウンレギュレーションされていることが同時に見出された:ICAM1、CXCL1、CXCL5およびCYR61/CCN1。他のダウンレギュレーションされた遺伝子(例えば、C8orf4、GPR109B、NRG1、PHLDA1およびRHOBなど)はアポトーシスプロセスのGO用語(term)に機能的に関連づけられる。
NS5Aタンパク質およびHCVコアタンパク質はNF−κBを活性化することが知られているので、関連した転写因子をコードする遺伝子のHCQによるダウンレギュレーションはウイルスタンパク質発現の阻害の結果を反映し得る。
HCVによって誘導される遺伝子発現調節に対するHCQ処理の効果:
HCVレプリコンモデルは、HCV複製の各段階の期間中に生じる細胞内調節を研究することを可能にするが、このモデルは、HCV感染性粒子の産生を不完全なウイルス生活周期のために維持することができないことによって制限され、したがって、HCV進入段階の期間中に生じる分子的事象を研究することができない。加えて、このモデルでは、急性感染から生じる分子内修飾を研究することができない。
したがって、HCV感染に対するHCQの包括的影響を調べるために、感染性のHCV細胞培養(HCVcc)系(これはレプリコンモデルよりも自然感染に近い)の遺伝子発現プロファイリングを行った。遺伝子発現解析を、感染の包括的影響を調べるためにHCV感染細胞およびHCV非感染細胞に対して行い、また、HCVによって前もって調節された宿主遺伝子発現に対するHCQの効果を特定するために、HCQにより処理されたHCV感染細胞に対して行った。
最初に、感染期間中に生じる遺伝子発現調節を、非感染Huh7細胞およびJFH1/CsN6A4感染Huh7細胞を感染後6時間、24時間および48時間の速度論的時点で比較することによって解析した。このモデルは抗ウイルス剤抵抗性HCV遺伝子型についてのモデルであることが特筆される。
発現が感染によって調節される遺伝子を、非感染の対照状態と比較して発現の少なくとも2倍の変化に基づくデータ選別に従って選択した。調節を受けた遺伝子の百分率を、10238個の遺伝子との比較において、すなわち、意味のある遺伝子(バックグラウンドを超え、RefSeq mRNA IDによってアノテーションされた顕著に発現された遺伝子)の総数との比較において計算した。
感染によって顕著に調節された遺伝子の各速度論的時点についての割合を図9Aに例示する。6時間では、遺伝子の総数の1%未満が調節されていることが見出された(6個がダウンレギュレーションされ、15個がアップレギュレーションされている)。24時間では、約13%の遺伝子(1319個の遺伝子)が調節され、それらの中で、約8%がアップレギュレーションされ、約5%がダウンレギュレーションされている。48時間では、約17%の遺伝子(1736個の遺伝子)がHCV感染によって調節され、それらの中で、約9%がアップレギュレーションされ、約8%がダウン抑制されている。
HCV感染によって誘導される転写調節の機能解析を、2つの相補的方法によって、すなわち、DAVIDデータベースからのFunctional Annotation Clustering(FAC)を使用する包括的方法、および、PredictSearchソフトウエア(商標)を使用する、テキストマイニングに基づく方法によって並行して行った。
FAC Davidツールを使用する包括的解析:
DAVID FACツールを使用して行われる包括的方法のために、解析を、48時間の感染の後で調節された1736個の遺伝子に集中させた(それらの中で、895個がアップレギュレーションされ、842個がダウンレギュレーションされている)。FACは、いくつかの機能的アノテーションがこのデータセットにおいて顕著に過剰提示されていることを示した。最も代表的な機能的クラスターは、図9Bに表されたヒートマップで示されている。
これらの濃縮された機能的アノテーションの中で、下記のGene Ontologyアノテーションに焦点を絞った:NF−κB、ウイルス複製、小胞体(ER)、ストレス/ERストレス/UPRに対する細胞応答、リソソームおよび巨大分子異化プロセス。
遺伝子発現解析を、12時間から48時間に至るまでの間40μMのHCQにより処理された、または非処理のJFH1/CsN6A4感染Huh7細胞に対して行った。比較のために、また、シグナル対ノイズ比を低下させるために、遺伝子発現解析はまた、HCQの場合と同じ手順を使用して、クロロキン(CQ)処理細胞に対しても行われた。
表4は、発現が、JFH1感染Huh7細胞において、HCQおよびCQの両方の処理によって12時間から48時間に至るまで調節される遺伝子の総数を示す。調節を受けた遺伝子の数を倍数変化(FC)に基づく選択に従って求めた。2FCのカットオフを、HCQおよびCQにより処理された状態については、12時間および48時間で設定した。FC≧2は、アップレギュレーションされた遺伝子に対応し、FC≦0.5は、ダウンレギュレーションされた遺伝子についてである。
表4に示されるように、また、遺伝子発現調節がHCQおよびCQに関して共通していると見なすと、遺伝子の総数の1%未満(62個の遺伝子)および約3%(271個の遺伝子)が、12時間または48時間のどちらの処理の後でも、顕著にアップレギュレーションおよびダウン調節されていることが認められた。
感染による1736個の調節された遺伝子に対応する発現データはまた、FACにも含まれており、対応する発現プロフィルは、図9Bに示されたヒートマップで示されている。
Huh7細胞をJFH1/CsN6A4ウイルス粒子に感染させた後6時間、24時間および最大で48時間において示差的に発現された宿主遺伝子の発現プロフィル(少なくとも2の倍数変化(FC)の調節)を、Agilent 4×44Kマイクロアレイ解析を使用して特徴確認した。試験された他の状態において得られた発現プロフィルもまた含まれた(すなわち、HCQおよびCQによる12時間から48時間に至るまでの処理の後で得られた発現プロフィル)。選択された遺伝子の各クラスターの階層的クラスター化(HCL)を、TMevフリーソフトウエアを使用して行った。遺伝子発現におけるFCを、JFH1感染Huh7における遺伝子発現を感染後の各時点で非感染Huh7細胞における遺伝子発現と比較することによって計算した。これらの遺伝子のFCはまた、HCQおよびCQにより処理された感染細胞を感染後の12時間および48時間の速度論的時点で非処理感染細胞における遺伝子発現と比較することによっても計算された。
発現プロフィルを、FCが2を底として対数変換されたので、2FCのスケールで図9Bに表す。赤色で示される遺伝子はアップレギュレーションされ、緑色で示される遺伝子はダウンレギュレーションされ、黒色で示される遺伝子は調節されなかった。
各サンプルの発現プロフィルは縦列で表され、各ヒートマップの上部にカラーコードの水平の棒で表すことによってアノテーションされている。黒色の棒は感染状態に対応し、青色の棒は、CQ処理された状態に対応し、黄色の棒は、HCQ処理された細胞に対応する。
DAVID FACツールを使用して行われた、JFH1/CsN6A4感染によって調節される選択された遺伝子の機能的アノテーションは、濃縮されたいくつかのGOアノテーション、例えば、転写調節、ストレス(ERストレスを含む)に対する細胞応答、アポトーシス、細胞周期などを示した。いくつかの他のアノテーションは、一組のHCV調節遺伝子において顕著に濃縮されることが見出された(例えば、ウイルス複製、NF−κB経路または脂質生合成プロセスなど)。HCQ処理は、HCV感染に応答して誘導される発現調節のほとんどを打ち消すことが示された。
HCV感染状態と、HCQまたはCQのどちらかにより処理された状態との間において認められる反対の遺伝子発現プロフィルによれば、HCQは、感染期間中に生じる遺伝子発現調節を打ち消すことが示唆される。
遺伝子発現の調節の最大数は感染後48時間の速度論的時点で生じているので、さらなる解析をこの時点において行った。
したがって、HCV感染細胞に対するHCQの効果を例示する遺伝子調節ネットワークを確立するために、さらなる解析を、発現がHCQおよびCQの両方の48時間の処理によって少なくとも2倍の変化により調節されるHCV調節遺伝子に集中させた。118個のHCV調節遺伝子が選択された。それらの中で、表5および図9Cに示されるように、12個は両化合物によってアップレギュレーションされ(FC≧2)、106個は両化合物によってダウンレギュレーションされる(FC≦0.5)。
得られた結果は、HCQが(表2に示されるデータと一致して)転写阻害剤として主に作用することを示唆している。さらに、発現がHCQ処理によってダウンレギュレーションされる遺伝子のほとんどは、HCV感染によってアップレギュレーションされることが見いだされ、また、逆もまた同様に、HCQ処理によってアップレギュレーションされる遺伝子は、HCV感染によってダウンレギュレーションされることが見出された。この発見は、包括的FAC方法により得られた以前の結果と一致している。
PredictSearch:
感染状態およびHCQ処理状態の両方が発現により識別される118個の遺伝子のリストをPredictSearch(商標)ソフトウエアにかけた。PredictSearch(商標)は、これらの遺伝子、機能的関連遺伝子および生物学的概念の間における相関関係を、テキストマイニング方法を使用して特定することを可能にする。テキストマイニング・アルゴリムにより、NCBIデータベースにおいて利用可能な書誌データにおいて参照されるすべての概念の中で、処理にかけられた選択に関連づけられる適切なデータが取り出される。ほとんどの場合において、これらの追加の遺伝子は、おそらくは下記のためであると推定されるが、マイクロアレイデータでは顕著に転写調製されることが見出されない:(i)遺伝子が、考慮されるどの生物学的状態においても、(本明細書中では感染および処理において)調節されないかもしれない;(ii)遺伝子が、調べられた速度論的時点に匹敵する遅延応答を有しているかもしれない;および/または(iii)発現調節が、トランスクリプトーム解析では認められ得ない転写後または翻訳後のレベルで生じている。
PredictSearch解析に基づいて選択される57個の遺伝子の発現プロフィルを図10に示す。試験された各状態において得られる遺伝子の発現プロフィルが含まれた。すなわち、感染後の各時点、および、HCQまたはCQまたはIFNのいずれかによる感染細胞の48時間の処理の後において得られる遺伝子の発現プロフィルが含まれた。これらの遺伝子は、ERストレス応答、自食作用シグナル伝達、NF−κBシグナルおよびp53シグナル伝達経路などの経路に関与することが見出された。
各サンプルの発現プロフィルは縦列に表され、各ヒートマップの上部にカラーコードの水平の棒で表すことによってアノテーションされる。黒色の棒は感染状態に対応し、青色の棒は、CQ処理状態に対応し、黄色の棒は、HCQ処理細胞に対応し、オレンジ色の棒は、IFN処理細胞に対応する。
これらの結果は本明細書中上記の包括的FAC解析と一致している。
表6は、興味の対象である各状態においてこれら57個の遺伝子について測定されるFCをまとめたものである。この機能的生物学的ネットワークの概略図を図11に示す。このネットワークでは、HCV感染細胞において過剰発現され、HCQ処理によって抑制される経路が強調されている。
HCV誘導によるNF−κBシグナル伝達に対するヒドロキシクロロキンの効果:
選択された57個の遺伝子の中で、NF−κBの活性化または下流側のシグナル伝達に機能的に関連づけられる16個の遺伝子が見出された:IKBKAP、NFKB1、NFKBIA、NFKBIB、NFKBIE、NFKBIL2、NKIRAS1、NKIRAS2、NKRF、TANK、RELB、CYP1A1およびCYR61。これらの遺伝子のほとんどはHCV感染によってアップレギュレーションされることが見出された。
これら16個の遺伝子の中で、いくつかの遺伝子の発現はHCVによってアップレギュレーションされ、その一方で、HCQおよびCQの両方によって明確に抑制されること(FC≦0.5)が見出された(CYP1A1およびCYR61)。それ以外の遺伝子のほとんどは、感染によって、また、HCQによる48時間の処理の後で示差的に発現され、その一方で、CQによってわずかに調節される(0.6≦FC≦0.8):NFKBIA、NFKBIB、NFKBIE、NKIRAS1およびRELB。顕著に調節されることがそれらの発現比に従って見出されなかったいくつかの他の遺伝子は、それらがこの経路に属するため、ネットワークに含まれていた:NFKB1、NFKBIL2、NKIRAS2、NKRFおよびTANK。加えて、IKBKAPはその発現プロフィルに従って含まれた。すなわち、IKBKAPは感染によってダウンレギュレーションされ、HCQ処理によって増大した。p53シグナル伝達およびNF−κBシグナル伝達に関連づけられるBBC3およびMYCもまた、両方の状態によって顕著に調節されることが見出された。すなわち、それらは感染によって高度に誘導され、両方の化合物によって重度に抑制された。そのうえ、BBC3、MYC、CYR61および他の遺伝子(例えば、CXCL5、ICAM1およびBCL3など)は、NF−κB転写因子遺伝子の直接転写標的である(例えば、www.bioinfo.lifl.fr/NF−KB/を参照のこと)。CXCL5、ICAM1およびBCL3のmRNA発現は感染期間中に増大し、HCQ処理によってわずかに抑制されるか(CXCL5およびBCL3)、または、変化しない(ICAM1)。
以前の研究では、HCV感染はいくつかのNK−κB関連遺伝子の発現レベルを増大させることが示唆された。HCQ処理は、本明細書中上記のHCVレプリコンに基づく結果と一致して、HCVにより誘導されるこのNF−κB経路を打ち消すことが本明細書中において立証されている。
HCV誘導によるERストレスおよび自食作用経路に対するヒドロキシクロロキンの効果:
最初の組の57個の遺伝子の中で、感染によって正に調節され、HCQ処理によって顕著に抑制されることが見出された12個の他の遺伝子は、ERストレス応答およびその後のUPR活性化に機能的に関連づけられる:ATF2、ATF3、ATF4、ATF7IP、DDIT3、DDIT4、DUSP1、DUSP4、DUSP8、TRAF2、TRAF4、UBD(表6ならびに図10および図11を参照のこと)。
ATF2、ATF3、ATF4およびATF7IPは、哺乳類活性化転写因子/cAMP応答性エレメント結合(CREB)タンパク質ファミリーのメンバーである。これらのATF遺伝子の転写および翻訳はストレス状態(例えば、ERストレスなど)において誘導性である。ATF2によりコードされるタンパク質はc−Junとともに、CRE依存的転写を刺激し、かつ、DUSP1、DUSP4およびDUSP8の活性化を直接誘導して、ストレスキナーゼのJNKおよびp38の活性化を制限する。加えて、ATF3は、いくつかの経路(例えば、p53依存的アポトーシスなど)およびTヘルパー細胞タイプ(Th)1の分化活性化に関与することが知られている。ATF4は、小胞体ストレス応答(UPR)に対する細胞の低酸素性応答の主要な転写調節因子であり、ERストレスに応答した自食作用の調節において重要な役割を有している。ATF4は、おそらくはDDIT4を介して、UPRと、自食作用機構との間に直接の機構的連携を提供する。実際、増大したATF4発現は、DDIT4のアップレギュレーションに要求されること、また、DDIT4のアップレギュレーションに十分であることが示されている。
DDIT4およびDDIT3は、DNA損傷誘導性転写物であり、ERストレスによって活性化され、同様にまたアップレギュレーションされ、自食作用の調節に関与する。DDIT3/CHOP(転写因子のC/EBPファミリーのメンバー)もまた、アポトーシスの促進および前炎症性NF−κBに関与する。
DUSP1、DUSP4およびDUSP8は二重特異性のプロテインホスファターゼであり、環境ストレスに対するヒト細胞応答、同様にまた、細胞増殖の負の調節において重要な役割を果たしている。これらの遺伝子は、細胞の増殖および分化に関連する、マイトジェン活性化タンパク質(MAP)キナーゼスーパーファミリーのメンバー(MAPK/ERK、SAPK/JNK、p38)を負に調節する。DUSP4/MPK−2遺伝子産物は、ERK1、ERK2およびJNKの遺伝子産物を不活性化する。DUSP8/MPK−1の遺伝子産物はSAPK/JNKおよびp38を不活性化する。
TRAF2遺伝子およびTRAF4遺伝子はTNF受容体関連因子(TRAF)ファミリーのタンパク質メンバーをコードする。TRAF2はMAPK8/JNKおよびNF−カッパのTNF−アルファ伝達活性化に要求され、TNF受容体からの抗アポトーシスシグナルの伝達物質として機能し、自食作用に関与する。TRAF4は、細胞死およびNF−カッパB活性化の調節におけるその役割に加えて、MAPK8/JNKの酸化的活性化に関与すると考えられている。UBD/FAT10は、免疫応答における推定上の役割を有する、TNF−アルファ誘導性ユビキチン様タンパク質であり、TNF−アルファ誘導性NF−カッパB活性化を伝達することが示された。
自食作用経路に関与する12個の他の遺伝子がネットワークに含まれた(表6ならびに図10および図11を参照のこと)。それらの中で、6個の遺伝子の発現はHCVによって明確に正に調節され、HCQおよびCQの両方によって抑制される:ULK1、AMBRA1、ATG2A、GABARAPL1、FOXO3およびSQSTM1。18個の中の2つの他の遺伝子はHCQ処理によってそれほど強く抑制されない:PIK3C3およびMAP1LC3B。4つの他の遺伝子もまた、自食経路におけるそれらの既知関与に従ってネットワークに含まれるが、顕著な転写調節は試験された両状態において全く測定されなかった:ATG4B、ATG7、ATG12およびBECN1。ATG2A、ATG4B、ATG7およびATG12は自食作用関連遺伝子(ATG)ファミリーに属しており、自食作用プロセスの活性化を引き起こす逐次事象に関与する。このプロセスに関与する重要な遺伝子は、初期相についてはULK1およびKIAA0652/ATG13であり、小胞核形成段階についてはUVRAG、MAP1LC3BおよびSQSTM1/P62であり、後期の小胞拡大および完了段階についてはATG12およびGABARAPL1である。
MAP1LC3B/LC3Bは、その発現がいくつかのストレス状態(例えば、ERストレスなど)において誘導され、かつ、タンパク質MAP1LC3Bがオートファゴソーム表面で高度に発現されるので、自食作用プロセス活性化のマーカーである。SQSTM1はカーゴアダプターであり、MAP1LC3Bと相互作用して、オートファゴリソソームにおいて消化されるカーゴタンパク質を補充する。
PredictSearchソフトウエアはまた、アポトーシスのトリガーとしてだけでなく、自食作用のトリガーとしても機能するFOXO3(転写因子のフォークヘッドファミリーのメンバー)を同定することを可能にした。ULK1、ATG13、BECN1、UVRAG/VPS38、PIK3C3、ATG12、GABARAPL1、ATG4BおよびMAP1LC3Bなどの遺伝子の転写誘導におけるFOXO3の自食作用的役割は、別の病理学的状態においても知られている。FOXO3の転写レベル自体は、SESN2、STK11、PRKAA1およびSIRT1を介するp53下流シグナル伝達によって間接的に調節される。アセチル化SIRT1のレベルに従って、FOXO3の発現は増大する。
以前の研究では、HCV感染は、ERストレス、および、UPRの後続活性化を誘導し、このことが自食作用経路の活性化を誘発することが示された。注目すべきことに、HCQ処理は、HCV誘導によるERストレス応答、UPRおよび自食作用経路を打ち消すことが本明細書中において立証されている。
HCV誘導によるp53シグナル伝達経路に対するヒドロキシクロロキンの効果:
最初の組の57個の遺伝子の中で、17個のp53標的遺伝子が同定された:BBC3、TNFRSF10B、GADD45A、GADD45B、GADD45G、DAPK3、HRK、BMF、PDRG1、MYC、SIRT1、SESN2、PRKAA1、STK11、TSC2、TSC1およびJUN(表6ならびに図10および図11を参照のこと)。HRK、STK11、TSC2およびTSC1を除いて、これらすべての遺伝子の発現はHCV感染によってアップレギュレーションされる。
SIRT1、PRKAA1、TSC1、TNFRSF10B、GADD45GおよびPDRG1を除いて、これらの遺伝子のすべてはまた、HCQ処理によってダウンレギュレーションされることが見出された。p53によって転写調節される3つの遺伝子(TSC2、PRKAA1およびSESN2)は、NF−κB経路の活性化、Rheb/mTORシグナル伝達の阻害、および、FOXO3の転写活性化に密接に関連している。STK11、TSC2およびTSC1はまた、p53経路におけるそれらの既知与に従ってネットワークに含まれるが、顕著な転写調節は両方の状態において全く測定されなかった。p53転写因子自体の発現が両方によって調節されることが示されなかったことは注目に値する。しかしながら、p53の転写活性はほとんどの場合、核または細胞質におけるその局在化によって調節されることが広く知られている。
以前の研究では、HCV感染はp53シグナル伝達経路を誘導することが示されたが、HCQ処理はHCV誘導p53経路を打ち消すことが本明細書中において立証された。
まとめると、本明細書中に立証された遺伝子調節ネットワークにより、HCV感染およびHCQ処理の両方によって調節される分子的事象が説明される。これらの転写調節の遺伝子発現解析により、HCQ処理は、HCV誘導によるNF−κBシグナル伝達、ERストレス、UPR、自食作用シグナル伝達およびp53シグナル伝達経路を強く減少させることが示された。このことは、HCQの抗ウイルス効果がこれらのHCV誘導による経路の抑制を介して伝達されることを示唆している。
HCV誘導によるERストレス応答、自食作用、NF−κBおよびp53シグナル伝達経路に対するHCQの効果
HCV誘導によるシグナル伝達経路に対するこれらのHCQ阻害効果がHCQの直接的な標的化から生じるか、または、リソソームpHに対するHCQの効果によって誘導されるウイルス根絶の結果であるかを明らかにするために、さらなる解析を行って、インターフェロンα(IFN)による48時間の処理の後で誘導される遺伝子発現調節を調べた。IFNは、慢性HCV感染に対する標準治療としてリバビリン(RBV)と現在併用されている抗ウイルス剤である。外因性IFNの投与によって誘導される抗ウイルス効果に関与する分子的機構は十分に報告されている。
遺伝子発現プロファイリングを、100IUのIFNにより48時間にわたって処理されたJFH1/CsN6A4 huh7細胞に対して行った。
予想されるように、HCV感染細胞の外因性IFN刺激は、IFNシグナル伝達に関与する以下の遺伝子の発現を顕著に増大させることが示された:CXCL1、CXCL5、EIF2AK2、ICAM1、ICAM2、IFI35、IFIT1、IFITM2、IFITM3、ISG20、PML、STAT1、ISG15およびWARS。IFNによって調節されたこれらの遺伝子の中で、IFIT1を除いて、HCQによる48時間の処理によって調節されることが見出されたものは無かった。
選択された57個の遺伝子に基づいて、IFNα処理の後で得られる遺伝子発現プロフィルを、HCQ処理後、48時間の速度論的時点における以前に得られた遺伝子発現プロフィルと比較した。リストの各遺伝子について、FCを計算した。結果を表6に示す。IFN処理状態に対応する発現データは、図10に示された階層的クラスター化に含まれた。
HCQ(およびCQ)と同様に、IFNは、下記の経路に関与する、HCV誘導による遺伝子の発現を抑制することが示された:NF−κBシグナル伝達(NFKBIA、NFKBIB、NFKBIE、NKIRAS1、RELB、CY1PA1、CYR61およびBCL3)、ER/UPRストレス応答シグナル伝達(ATF2、ATF3、ATF4、ATF7IP、DDIT3、DDIT4、DUSP1、DUSP4、DUSP8)、自食作用経路(ULK1、AMBRA1、ATG2A、GABARAPL1、FOXO3およびSQSTM1)およびp53シグナル伝達(BBC3、GADD45A、GADD45B、DAPK3、BMF、MYC、JUNおよびSESN2)。
57個の選択された遺伝子の上記組に属するいくつかの他の遺伝子は、IFNおよびHCQの処理によって異なるように調節されることが見出された。これらには、例えば、ER/UPRシグナル伝達に関与する遺伝子(TRAF2、TRAF4およびUBD)、自食作用経路に関与する遺伝子(PIK3C3およびMAP1LC3B)、および、p53シグナル伝達に関与する遺伝子(SIRT1、PRKAA1、STK11、TSC2、GADD45GおよびHRK)が含まれる。興味深いことに、PIK3C3のHCVによりわずかに誘導される発現(FC:1.8)はIFNによって抑制されるが(FC:0.5)、この発現はHCQ処理またはCQ処理によって大幅には調節されない(FC−CQ:1、HCQ:0.7)。加えて、PRKAA1およびMAP1LC3BのHCVにより誘導される発現はIFNによって明確に低下し(それぞれ、FC=0.3および0.4)、CQ(FC=0.7および0.9)およびHCQ(FC=0.6および0.8)はそれらをよりわずかに低下させた。計算された発現比に基づいて、HCQおよびIFNは、CQよりも類似した大きな抑制効果を有することが注目され得る。
結論として、HCV感染細胞のIFN処理およびHCQ処理は、HCV誘導による経路(ERストレス、UPR、NFKB、自食作用およびp53シグナル伝達)に対する類似した抑制効果を有することが本明細書中において示され、このことから、HCVにより誘導されるこれらの生物学的経路に対して認められるHCQの阻害効果は、HCQ(またはIFN)の上流抗ウイルス直接効果に応答して生じるウイルス減少の結果であることが立証された。
選択された宿主遺伝子発現のqRT−PCRおよびNanoStringによる検証:
SYBR−Green qRT−PCR法を使用し、また、NanoString技術を使用するmRNA定量を、マイクロアレイ解析により得られたデータを検証するために行った。ネットワーク(図10を参照のこと)のいくつかの重要な遺伝子についての発現レベルを、48時間の速度論的時点およびそれぞれの下記の状態において抽出されたRNAにおいて調べた:感染細胞(Hi/H)、CQにより処理された細胞(HiCQ/Hi)またはHCQにより処理された細胞(HiCQd/Hi)またはIFNにより処理された細胞(HiIFN/Hi)。
SYBRGreen qRT−PCRおよびNanoStringによる定量を一般的手順に従って行った。比率を、RT−PCRの場合にはRPL19およびRPL0に対して正規化された所与遺伝子の相対的シグナルに基づいて計算した。Nanostringシグナルの正規化を、さらなる3つの他の遺伝子(CLTC、POLR1BおよびRPL19)について測定された発現を使用して行った。発現比を、2を底として対数変換した。したがって、正の値は誘導比に対応し、負の値は抑制比に対応する。
得られたデータを図14に示す。得られたデータはさらに、マイクロアレイ、RT−qPCRおよびNanostringの各実験により、再現性のある遺伝子発現パターンが立証されたことを裏付けているが、より大きいFC値が、試験された遺伝子のほとんどについてはNanostringにより得られた。
HCVにより誘導されるNF−κB関連遺伝子CYR61のマイクロアレイ発現をNanostringによって確認した。加えて、RT−PCRおよびNanostringによる解析では、自食作用マーカー(例えば、ULK1およびMAP1LC3B/LC3など)について測定されたマイクロアレイ相対的発現比が確認された。自食作用を誘引する重要な遺伝子(FOXO3およびSIRT1)の発現もまた、PRKAA1を除いて、検証された。
マイクロアレイでの結果と感染状態においてPRKAA1のmRNAについて求められたRT−PCRおよびNanostringでの両比率との間に不一致が認められるが、PRKAA1の発現は、感染によって誘導されるのではなく、むしろ、抑制されることが示唆され得る。
p53シグナル伝達に関与する、HCVにより誘導される遺伝子(BBC3およびSESN2)に対するHCQの阻害効果もまた確認された。最後に、IFNシグナル伝達に関与する遺伝子(ISG15、STAT1およびWARS)のマイクロアレイでの発現比もまた、Nanostring技術によって確認された。
実施例3
HCV RNA複製に対するポリメラーゼ阻害剤およびプロテアーゼ阻害剤との併用でのヒドロキシクロロキンの効果
Huh7細胞を、組合せが相乗作用を示すかどうかを求めるために、様々な濃度の抗ウイルス剤NM−107およびボセプレビルとの併用において様々な濃度(0、0.22、0.66、2、6および18μM)のヒドロキシクロロキン硫酸塩(HCQ)により処理した。手順は、HCQ+IFNの組合せについて実施例1で記載された手順と同様であった。
NM−107はウイルスポリメラーゼ阻害剤である。NM−107は、一薬剤としてよりも一般に、プロドラッグ形態で利用される(バロピシタビンはNM−107のプロドラッグである)。ボセプレビルはウイルスプロテアーゼ阻害剤である。したがって、これら2つの化合物は、互いに関して、また、IFNに関しての両方で、抗ウイルス剤の異なる一群を代表する。
0、0.11、0.33、1、3および9μMのNM−107をHCQと組合せ、同様に、0、0.041、0.123、0.37、1.1、3.3および10μMのボセプレビルをHCQと組合せた。HCVのRNAをRT−PCRによって測定し、結果を、本明細書中上記のように、Prichard−Shipmanモデルに従って解析した。
図13Aおよび図13Bに示されるように、HCQおよびNM−107は併用で相乗効果を示した。相乗効果は、およそ0.33〜1μMのNM−107と、およそ2〜6μMのHCQとの組合せについて最も強く、これらについては、HCVの阻害が、相加効果について予想されるよりも20%超えて大きかった。
図14Aおよび図14Bに示されるように、HCQおよびボセプレビルは、試験された濃度範囲の一部についてはほどほどの相乗効果を示し、他の濃度範囲については相加効果を示した。相乗効果は、およそ0.37〜1.1μMのボセプレビルと、およそ6μMのHCQとの組合せについて最も強かった。
実施例1に示された結果を考え合わせると、これらの結果は、HCQが広範囲の様々な抗ウイルス剤との相乗的な抗ウイルス効果を呈することを示している。これらの結果はさらに、異なる抗ウイルス剤との相乗効果が、類似するHCQ濃度(例えば、およそ6μMのHCQ)において最も強いことを示している。
本発明はその特定の実施態様によって説明してきたが、多くの別法、変更および変形があることは当業者には明らかであることは明白である。従って、本発明は、本願の請求項の精神と広い範囲の中に入るこのような別法、変更および変形すべてを包含するものである。
本明細書で挙げた刊行物、特許および特許出願はすべて、個々の刊行物、特許および特許出願が各々あたかも具体的にかつ個々に引用提示されているのと同程度に、全体を本明細書に援用するものである。さらに、本願で引用または確認したことは本発明の先行技術として利用できるという自白とみなすべきではない。節の見出しが使用されている程度まで、それらは必ずしも限定であると解釈されるべきではない。

Claims (92)

  1. 抗ウイルス剤に対して抵抗性のC型肝炎ウイルス(HCV)遺伝子型によって誘発されるHCV関連疾患を処置の必要性のある対象において処置する方法であって、治療有効量のヒドロキシクロロキンまたはその医薬的に許容され得る塩と、治療有効量の抗ウイルス剤とを対象に共投与し、それにより、HCV関連疾患を処置することを含む方法。
  2. 前記ヒドロキシクロロキンの治療有効量は、HCV誘導自食作用を対象において阻害するのに十分である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ヒドロキシクロロキンの治療有効量は400〜2000mg/日の範囲にある、請求項1に記載の方法。
  4. 前記ヒドロキシクロロキンの治療有効量は500〜1000mg/日の範囲にある、請求項3に記載の方法。
  5. 前記HCV誘導自食作用は、ULK1、AMBRA1、ATG2A、GABARAPL1、FOX03、SQSTM1、PIK3C3およびMAP1LC3Bからなる群から選択されるタンパク質のレベルの増大を特徴とする、請求項2に記載の方法。
  6. 前記抗ウイルス剤はHCV誘導自食作用を阻害しない、請求項1に記載の方法。
  7. 前記抗ウイルス剤は、リバビリン、ビラミジン、ボセプレビル、テラプレビル、NM−107、バロピシタビンおよびアリスポリビルならびにそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記方法はさらに、追加の抗ウイルス剤を前記対象に共投与することを含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記追加の抗ウイルス剤は、インターフェロン、ウイルスプロテアーゼ阻害剤、NS4A阻害剤、NS5A阻害剤、ウイルスポリメラーゼ阻害剤、シクロフィリン阻害剤、ヘリカーゼ阻害剤、グリコシル化阻害剤および抗リン脂質抗体ならびにそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
  10. 前記追加の抗ウイルス剤はインターフェロン−αである、請求項9に記載の方法。
  11. 前記HCV遺伝子型は、遺伝子型1のHCVおよび遺伝子型4のHCVからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  12. 抗ウイルス剤に対して抵抗性のC型肝炎ウイルス(HCV)遺伝子型により誘発されるHCV関連疾患の処置において前記抗ウイルス剤と併用されるヒドロキシクロロキン。
  13. 抗ウイルス剤に対して抵抗性のC型肝炎ウイルス(HCV)遺伝子型により誘発されるHCV関連疾患の処置において前記抗ウイルス剤と併用される医薬の製造におけるヒドロキシクロロキンの使用。
  14. 前記処置は、ヒドロキシクロロキンを、HCV誘導自食作用の阻害に十分な量で投与することを含む、請求項12または13に記載のヒドロキシクロロキンまたは使用。
  15. 前記処置は、400〜2000mg/日のヒドロキシクロロキンを投与することを含む、請求項12または13に記載のヒドロキシクロロキンまたは使用。
  16. 前記処置は、500〜1000mg/日のヒドロキシクロロキンを投与することを含む、請求項15に記載のヒドロキシクロロキンまたは使用。
  17. 前記抗ウイルス剤はHCV誘導自食作用を阻害しない、請求項12または13に記載のヒドロキシクロロキンまたは使用。
  18. 前記抗ウイルス剤はリバビリンである、請求項17に記載のヒドロキシクロロキンまたは使用。
  19. 前記HCV遺伝子型は、遺伝子型1のHCVおよび遺伝子型4のHCVからなる群から選択される、請求項12または13に記載のヒドロキシクロロキンまたは使用。
  20. 処置の必要性のある対象においてC型肝炎ウイルス(HCV)関連疾患を処置する方法であって、治療有効量のヒドロキシクロロキンまたはその医薬的に許容され得る塩を対象に投与し、それにより、HCV関連疾患を処置することを含み、前記治療有効量は、HCV誘導自食作用を対象において阻害するのに十分な量である、方法。
  21. 前記治療有効量は400〜2000mg/日の範囲にある、請求項20に記載の方法。
  22. 前記HCV誘導自食作用は、ULK1、AMBRA1、ATG2A、GABARAPL1、FOX03、SQSTM1、PIK3C3およびMAP1LC3Bからなる群から選択されるタンパク質のレベルの増大を特徴とする、請求項20に記載の方法。
  23. 前記疾患は、抗ウイルス剤に対して抵抗性であるHCV遺伝子型によって誘発される、請求項20に記載の方法。
  24. 前記HCV遺伝子型は、遺伝子型1のHCVおよび遺伝子型4のHCVからなる群から選択される、請求項20に記載の方法。
  25. 前記方法はさらに、治療有効量の抗ウイルス剤を対象に共投与することを含む、請求項20に記載の方法。
  26. 前記抗ウイルス剤は、リバビリン、ビラミジン、インターフェロン、ウイルスプロテアーゼ阻害剤、NS4A阻害剤、NS5A阻害剤、ウイルスポリメラーゼ阻害剤、シクロフィリン阻害剤、ヘリカーゼ阻害剤、グリコシル化阻害剤および抗リン脂質抗体ならびにそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項25に記載の方法。
  27. 前記抗ウイルス剤は、インターフェロン−α、リバビリン、ビラミジン、ボセプレビル、テラプレビル、NM−107、バロピシタビンおよびアリスポリビルならびにそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項25に記載の方法。
  28. 前記抗ウイルス剤はHCV誘導自食作用を阻害しない、請求項25に記載の方法。
  29. 前記抗ウイルス剤は、リバビリン、ビラミジン、ボセプレビル、テラプレビル、NM−107、バロピシタビンおよびアリスポリビルならびにそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項28に記載の方法。
  30. 前記方法はさらに、治療有効量のインターフェロン−αを対象に共投与することを含む請求項28または29に記載の方法。
  31. HCV誘導自食作用の阻害に十分な量でのC型肝炎ウイルス(HCV)関連疾患の処置における使用のために特定されるヒドロキシクロロキン。
  32. HCV誘導自食作用の阻害に十分な量でヒドロキシクロロキンをその必要のある対象に投与することを含むC型肝炎ウイルス(HCV)関連疾患の処置において使用される医薬の製造におけるヒドロキシクロロキンの使用。
  33. 前記HCV誘導自食作用の阻害に十分な量は400〜2000mg/日の範囲にある、請求項31または32に記載のヒドロキシクロロキンまたは使用。
  34. 前記HCV誘導自食作用は、ULK1、AMBRA1、ATG2A、GABARAPL1、FOX03、SQSTM1、PIK3C3およびMAP1LC3Bからなる群から選択されるタンパク質のレベルの増大を特徴とする、請求項31または32に記載のヒドロキシクロロキンまたは使用。
  35. 前記HCV遺伝子型は、遺伝子型1のHCVおよび遺伝子型4のHCVからなる群から選択される、請求項31または32に記載のヒドロキシクロロキンまたは使用。
  36. 前記処置はさらに、治療有効量の抗ウイルス剤を共投与することを含む、請求項31または32に記載のヒドロキシクロロキンまたは使用。
  37. 処置の必要性のある対象においてC型肝炎ウイルス(HCV)関連疾患を処置する方法であって、治療有効量のヒドロキシクロロキンまたはその医薬的に許容され得る塩と、治療有効量の抗ウイルス剤とを対象に共投与し、それにより、HCV関連疾患を処置することを含み、前記抗ウイルス剤はHCV誘導自食作用を阻害しない、方法。
  38. 前記ヒドロキシクロロキンの治療有効量は、HCV誘導自食作用を対象において阻害するのに十分である、請求項37に記載の方法。
  39. 前記ヒドロキシクロロキンの治療有効量は400〜2000mg/日の範囲にある、請求項38に記載の方法。
  40. 前記ヒドロキシクロロキンの治療有効量は500〜1000mg/日の範囲にある、請求項39に記載の方法。
  41. 前記抗ウイルス剤は、リバビリン、ビラミジン、ボセプレビル、テラプレビル、NM−107、バロピシタビンおよびアリスポリビルからなる群から選択される、請求項37に記載の方法。
  42. 前記方法はさらに、治療有効量の追加の抗ウイルス剤を対象に共投与することを含む、請求項37に記載の方法。
  43. 前記追加の抗ウイルス剤は、インターフェロン、ウイルスプロテアーゼ阻害剤、NS4A阻害剤、NS5A阻害剤、ウイルスポリメラーゼ阻害剤、シクロフィリン阻害剤、ヘリカーゼ阻害剤、グリコシル化阻害剤および抗リン脂質抗体からなる群から選択される、請求項42に記載の方法。
  44. 前記追加の抗ウイルス剤はインターフェロンである、請求項43に記載の方法。
  45. 前記インターフェロンはインターフェロン−αである、請求項44に記載の方法。
  46. 前記抗ウイルス剤はリバビリンである、請求項37に記載の方法。
  47. 前記リバビリンの治療有効量は50〜1200mg/日の範囲にある、請求項46に記載の方法。
  48. HCV誘導自食作用を阻害しない抗ウイルス剤と組み合わせてC型肝炎ウイルス(HCV)関連疾患の処置に使用されるヒドロキシクロロキン。
  49. HCV誘導自食作用を阻害しない抗ウイルス剤と組み合わせてC型肝炎ウイルス(HCV)関連疾患の処置に使用される医薬の製造におけるヒドロキシクロロキンの使用。
  50. 前記疾患は、前記抗ウイルス剤抵抗性のHCV遺伝子型により誘発される、請求項37〜49のいずれかに記載の方法、ヒドロキシクロロキンまたは使用。
  51. 前記HCVは、遺伝子型1のHCVおよび遺伝子型4のHCVからなる群から選択される、請求項37〜49のいずれかに記載の方法、ヒドロキシクロロキンまたは使用。
  52. C型肝炎ウイルス(HCV)関連疾患を処置の必要性のある対象において処置する方法であって、治療有効量のヒドロキシクロロキンまたはその医薬的に許容され得る塩を治療有効量の抗ウイルス剤との併用で対象に共投与し、それにより、HCV関連疾患を処置することを含み、前記ヒドロキシクロロキンの治療有効量および前記抗ウイルス剤の治療有効量は、ヒドロキシクロロキンおよび前記抗ウイルス剤が相乗的に作用するように選択される、方法。
  53. 前記ヒドロキシクロロキンの治療有効量は、HCV誘導自食作用を阻害するのに十分である、請求項52に記載の方法。
  54. 前記ヒドロキシクロロキンの治療有効量は400〜2000mg/日の範囲にある、請求項52に記載の方法。
  55. 前記ヒドロキシクロロキンの治療有効量は500〜1000mg/日の範囲にある、請求項54に記載の方法。
  56. 前記抗ウイルス剤はウイルスプロテアーゼ阻害剤である、請求項52に記載の方法。
  57. 前記ウイルスプロテアーゼ阻害剤はボセプレビルである、請求項56に記載の方法。
  58. 前記抗ウイルス剤はウイルスポリメラーゼ阻害剤である、請求項52に記載の方法。
  59. 前記ウイルスポリメラーゼ阻害剤は、NM−107およびバロピシタビンからなる群から選択される、請求項58に記載の方法。
  60. 前記抗ウイルス剤はインターフェロンである、請求項52に記載の方法。
  61. 前記インターフェロンはインターフェロン−αである、請求項60に記載の方法。
  62. 前記インターフェロン−αはPEG化インターフェロン−αである、請求項61に記載の方法。
  63. 前記インターフェロンの治療有効量は50〜250μg/週の範囲にある、請求項60に記載の方法。
  64. C型肝炎ウイルス(HCV)関連疾患を処置の必要性のある対象において処置する方法であって、400〜2000mg/日のヒドロキシクロロキンまたはその医薬的に許容され得る塩を50〜250μg/週のインターフェロンと組み合わせて対象に共投与し、それにより、HCV関連疾患を処置することを含み、前記ヒドロキシクロロキンおよび前記インターフェロンは相乗的に作用する、方法。
  65. 前記インターフェロンはインターフェロン−αである、請求項64に記載の方法。
  66. 前記インターフェロン−αはPEG化インターフェロン−αである、請求項65に記載の方法。
  67. C型肝炎ウイルス(HCV)関連疾患を処置の必要のある対象において処置する方法であって、400〜2000mg/日のヒドロキシクロロキンまたはその医薬的に許容され得る塩を治療有効量のウイルスプロテアーゼ阻害剤と組み合わせて対象に共投与し、それにより、HCV関連疾患を処置することを含み、前記ヒドロキシクロロキンおよび前記ウイルスプロテアーゼ阻害剤は相乗的に作用する、方法。
  68. 前記ウイルスプロテアーゼ阻害剤はボセプレビルである、請求項67に記載の方法。
  69. C型肝炎ウイルス(HCV)関連疾患を処置の必要性のある対象において処置する方法であって、400〜2000mg/日のヒドロキシクロロキンまたはその医薬的に許容され得る塩を治療有効量のウイルスポリメラーゼ阻害剤と組み合わせて対象に共投与し、それにより、HCV関連疾患を処置することを含み、前記ヒドロキシクロロキンおよび前記ウイルスポリメラーゼ阻害剤は相乗的に作用する、方法。
  70. 前記ウイルスポリメラーゼ阻害剤は、NM−107およびバロピシタビンからなる群から選択される、請求項69に記載の方法。
  71. 前記方法はさらに、治療有効量の追加の抗ウイルス剤を対象に共投与することを含む、請求項52〜70のいずれかに記載の方法。
  72. ヒドロキシクロロキンおよび抗ウイルス剤が相乗的に作用するC型肝炎ウイルス(HCV)関連疾患の処置における前記抗ウイルス剤との併用のために特定されるヒドロキシクロロキン。
  73. ヒドロキシクロロキンおよび抗ウイルス剤が相乗的に作用するC型肝炎ウイルス(HCV)関連疾患の処置における前記抗ウイルス剤との併用のために特定される医薬の製造におけるヒドロキシクロロキンの使用。
  74. 前記処置は、400〜2000mg/日のヒドロキシクロロキンを投与することを含む、請求項72または73に記載のヒドロキシクロロキンまたは使用。
  75. 前記抗ウイルス剤はインターフェロンである、請求項72または73に記載のヒドロキシクロロキンまたは使用。
  76. 前記インターフェロンはインターフェロン−αである、請求項75に記載のヒドロキシクロロキンまたは使用。
  77. 前記インターフェロン−αはPEG化インターフェロン−αである、請求項76に記載のヒドロキシクロロキンまたは使用。
  78. 前記処置は、前記インターフェロンを50〜250μg/週の範囲における用量で投与することを含む、請求項75に記載のヒドロキシクロロキンまたは使用。
  79. 前記処置はさらに、治療有効量の追加の抗ウイルス剤を共投与することを含む、請求項72または73に記載のヒドロキシクロロキンまたは使用。
  80. ヒドロキシクロロキンまたはその医薬的に許容され得る塩、抗ウイルス剤、および、医薬的に許容され得る担体を含む医薬組成物。
  81. 前記組成物は、C型肝炎ウイルス(HCV)関連疾患の処置用に特定される、請求項80に記載の組成物。
  82. 前記疾患は、前記抗ウイルス剤抵抗性のHCV遺伝子型により誘発される、請求項81に記載の組成物。
  83. 前記組成物は経口投与用に製剤化される、請求項80に記載の組成物。
  84. 前記組成物は固体形態である、請求項83に記載の組成物。
  85. 前記組成物は前記組成物の単位用量形態である、請求項80に記載の組成物。
  86. ヒドロキシクロロキンまたはその医薬的に許容され得る塩、抗ウイルス剤、および、医薬的に許容され得る担体を含む医薬組成物単位用量形態。
  87. 前記単位用量形態は、C型肝炎ウイルス(HCV)関連疾患の処置用に特定される、請求項86に記載の単位用量形態。
  88. 前記疾患は、前記抗ウイルス剤抵抗性のHCV遺伝子型により誘発される、請求項87に記載の単位用量形態。
  89. 前記単位用量形態は経口投与用に製剤化される、請求項86に記載の単位用量形態。
  90. 前記単位用量形態は固体形態である、請求項89に記載の単位用量形態。
  91. 前記単位用量形態は、HCV誘導自食作用の阻害に十分な量のヒドロキシクロロキンを含む、請求項85〜90のいずれかに記載の単位用量形態。
  92. 前記ヒドロキシクロロキンの量は、C型肝炎ウイルス(HCV)を前記抗ウイルス剤に対して感作するのに十分なものである、請求項85〜90のいずれかに記載の単位用量形態。
JP2013516021A 2010-06-24 2011-06-23 ヒドロキシクロロキンまたはヒドロキシクロロキンおよび抗ウイルス剤の組合せを使用するc型肝炎ウイルス関連疾患の処置 Pending JP2013529627A (ja)

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