JP2013529169A - 有機被覆微細粒子粉末 - Google Patents

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Abstract

固体状の有機物で被覆されている微細固体状粒子および前記被覆粒子の適用を記述する。そのように均一に被覆された炭素質粒子は電気化学材料として用いるに適した向上した材料をもたらす。一例として、均一に被覆された粒子をリグニンおよびグラファイトから製造する方法を記述する。別の態様では、石油ピッチで被覆された焼成コークス粉末を明示する。

Description

関連出願に対する相互参照
本出願は、2010年4月19日付けで出願した表題が“ORGANIC MATTER COATED FINE PARTICLES”の米国仮出願連続番号61/325,458(これは全体が本明細書に組み入れられる)に対する利点を35 USC §119(e)の下で請求する仮ではない出願である。
本発明は、有機物被覆微細固体状粒子を製造する工程または方法および前記被覆粒子の適用に関する。
固体状の有機物で被覆されている固体状粒子は様々な産業用途用の機能的材料として用いるに有用である。特に、炭素質材料被覆微細グラファイト粒子および燐酸リチウム鉄粒子はリチウムイオン電池に入れる陽極および陰極材料として使用可能である。炭素質材料を微細な粒子に被覆する方法は様々存在し、例えば気相化学蒸着、機械的混合および液相沈澱などが存在するが、しかしながら、そのような方法は特定の制限、例えば被覆工程が遅いこと、被膜の品質が劣ることおよび被覆用材料の選択に関して柔軟性が不足していることなどの制限を有する。様々な産業用途で好ましい特性を示す微細な粒子を経済的に製造することができるように様々な固体状有機材料を固体状粒子に被覆するに適した柔軟性がある有効な方法が必要とされている。
合成のグラファイト粉末がリチウムイオン電池に入れる負電極材料として幅広く用いられている。また、そのような電池では他の炭素質材料も効率およびコストが妥当であることが理由で幅広く用いられている。リチウムイオン電池は主にポータブル電子機器に入れる電力源として用いられている。リチウムイオン電池は、他の種類の充電式電池、例えばニッケル−カドミウムおよびニッケル−金属水素化物蓄電池などに比べて相対的に高い蓄電容量および再充電性を有することが理由で益々普及してきている。
リチウムイオン電池は、単位質量または単位体積当たりの蓄電容量が同様な等級のニッケル−カドミウムおよびニッケル−金属水素化物蓄電池に比べて高いことが理由で空間の要求がより低いことから、特定の蓄電および送出要求を満足させる電池の製造を可能にする。従って、リチウムイオン電池は、特に利用性の観点から小型であることが好ましい益々多くのデバイス、例えばデジタルカメラ、デジタルビデオレコーダー、コンピューターなどで広く用いられている。
それにも拘らず、充電式リチウムイオン蓄電池は欠点を有する。改良された構築材料を用いることでそのような欠点を最小限にすることができるであろう。合成のグラファイト電極が用いられている市販のリチウムイオン電池は製造価格が高くかつリチウム容量が相対的に低い。加うるに、リチウムイオン電極で現在用いられているグラファイト製品はエネルギー貯蔵に関してほぼ理論的限界(372mAhr/g)にある。従って、当該技術分野では、充電式リチウム電池のコストを低くしかつ向上した操作特性、例えばより高いエネルギー密度、より大きな可逆容量およびより大きな初期充電効率などをもたらすように改良された電極材料が必要とされている。また、そのような電極材料の製造に適するように改良された方法の必要性も存在する。
ケイ素は蓄電容量がより大きくなるように相対的に多量のリチウムと合金を形成し得ることからケイ素はリチウムイオン電池用陽極材料として調査されてきた。実際、ケイ素の
理論的リチウム容量はグラファイトのそれの10倍よりも大きい。しかしながら、高純度のケイ素は劣った電極材料である、と言うのは、それをリチウム化すると単位電池体積が300%を超えるまで高くなる可能性があるからである。このように体積がサイクリング中に膨張すると電極の機械的一体性が壊れることで電池サイクリング中に急速な容量損失がもたらされてしまう。ケイ素は炭素に比べてリチウムをより多く保持する能力を有するが、リチウムをケイ素に導入するとケイ素が分解を起こす結果として電気的接触が小さくなり、その結果として最終的に蓄電池の再充電能力が低下してしまう。
リグニンの熱分解、生じた熱分解炭素の精製および熱分解炭素を負電極として用いることが特許文献1に記述されている。その熱分解リグニンは熱分解後に非晶質炭素を含有する微細な粉末をもたらすことで、不純物を除去するためのさらなる精製が必要であった。その微細炭素粉末は負電極用電気化学材料として構造化されていない炭素粉末をもたらした。
ケイ素体積膨張問題を解決しようとして研究努力が継続して行われたが、もたらされた結果には制限があった。ケイ素/炭素複合粒子もしくは粉末は、粉砕または他の機械的方法で作られた炭素とケイ素粉末の機械的混合物に比べて良好なサイクル寿命を有する。薄膜ケイ素被覆炭素粒子または炭素被覆ケイ素粉末は、次世代のリチウムイオン電池用陽極材料としてグラファイト粉末の代わりになる可能性がある。しかしながら、ケイ素被膜または炭素被膜の付着で典型的に用いられている化学蒸着方法は固有の欠点を有し、それには蒸着速度が遅いことおよび/または蒸着用前駆体が高価であることが含まれる。蒸着ケイ素膜はバルクケイ素粉末の価格に比べて極めて高価であり得る。従って、別の被覆ケイ素粒子製造方法が必要とされている。
Mao他、米国特許第5972537号
開示の簡単な要約
電気化学材料として用いるに適するように改良した材料を記述し、この記述に、そのような材料をリグニン被覆グラファイトから製造する方法も含める。
1つの態様では、固体状の重質炭化水素被覆粒子の製造を記述するようにして実施するが、ここでは、高分子量の長鎖炭化水素を2種類の有機溶媒に溶解させることで溶液Bを生じさせそして溶液Bを加熱し、被覆を受けさせるべき固体状粒子を2番目の溶媒に入れて分散させることで混合物Cを生じさせそして前記混合物Cを加熱し、溶液Bと混合物Cを一緒にして混合しそして冷却することで前記高分子量の長鎖炭化水素の全部または一部を前記固体状粒子上の被膜として析出させ、その被覆固体状粒子を前記溶液から分離し、そしてそれを炭化させる。
別の態様では、電極用電気化学材料をグラファイト粒子とリグニンの被膜で構成させるが、ここでは、前記グラファイトをキシレンに入れて分散させ、前記リグニンをピッチとキシレンに溶解させ、前記グラファイト−キシレン溶液と前記リグニン−ピッチ−キシレン溶液を混合することでグラファイトをリグニンで均一に被覆する。
加うるに、電極用電気化学材料の製造をリグニンとピッチを混合し、前記リグニンとピッチをキシレンと混合し、グラファイト粒子をキシレンに入れて分散させ、前記溶液と前記混合物を沸点にまで加熱し、前記溶液と前記混合物を沸点で混合しそしてリグニンで均一に被覆された孤立したグラファイト粒子を生じさせることで実施することも可能である
別法として、リグニンで均一に被覆されているグラファイト粒子の製造を
a)リグニンをピッチに溶解させ、
b)前記リグニンとピッチ(a)をキシレンと混合し、
c)グラファイト粒子をキシレンに入れて分散させ、
d)前記段階(b)で得た溶液と前記段階(c)で得た混合物を沸点にまで加熱し、
e)前記段階(b)で得た溶液と前記段階(c)で得た混合物を沸点で混合し、そして
f)リグニンで均一に被覆されたグラファイト粒子を単離する、
ことで実施することも可能である。
重質炭化水素には、リグニン、フェノール樹脂、天然の樹脂状重合体、リグニン、高分子量のオレフィン、合成重合体、アクリレート、ポリエチレンおよび異なる2種以上の長鎖炭化水素を含有するそれらの組み合わせなどの如き有機化合物および混合物が含まれる。重質炭化水素の溶解で用いる有機化合物混合物には、分溜石油、分溜デカントオイル、熱分解タール、石油ピッチ、石炭のタールピッチおよび重質石油が含まれる。固体状粒子と有用な炭素質材料には、石油および石炭のコークスと合成および天然のグラファイトが含まれる。混合物BおよびCを生じさせる時に有用な溶媒は、数多くの液状有機化合物の中の1つであり得、それにはキシレン、トルエン、ベンゼン、テトラリン、メチル−ピロリジノン、キノリン、石油溜分およびこれらの組み合わせが含まれる。
重質炭化水素を前記溶媒に完全またはほぼ完全に溶解させてもよい。1つの態様として、前記1番目の溶媒は2番目の溶媒に完全に溶解する。前記1番目の溶媒に対する前記2番目の溶媒の比率を1未満にすると前記1番目の溶媒は完全に溶解し得る。混合後の前記1番目の溶媒に対する前記2番目の溶媒の全体的質量比は2以上であってもよい。溶液Bと混合物Cを混合する前または混合中に溶液B、混合物Cまたは溶液Bと混合物Cの両方を前記溶媒の中の1種以上の沸点近くにまで加熱してもよい。その被覆粒子に炭化をある場合には400℃を超える不活性な環境、例えば窒素ガスなど中で受けさせてもよい。その均一に被覆された粒子が生じた後、次にそれに炭化、化学的修飾、金属によるメッキまたは2種以上の処理の組み合わせを受けさせてもよい。その炭素質材料被覆粒子を電気化学エネルギー電池の電極に組み込む時に多様な技術を用いることができる。
1つの態様では、リグニン、ピッチおよびキシレンを約1:10:5の比率で混合して溶液Bを生じさせた。グラファイトおよびキシレンを約2:9の比率で混合して混合物Cを生じさせた。溶液BおよびCを様々な量の均一被膜が達成されるように多様な比率で混合してもよく、1つの態様では、それらを約1:10の比率で混合した。
以下の説明を添付図と協力させて参照することで本発明および本発明の利点のより完全な理解を得ることができるであろう。
図1:有機被覆微細固体状粒子の略図。 図2:(a)未被覆、(b)実施例1で被覆および(c)実施例2で被覆したグラファイト粒子を撮った走査電子顕微鏡(SEM)写真の比較 図3:(a)未被覆、(b)実施例3で被覆および(c)比較実施例3で被覆したコークス粒子を撮った走査電子顕微鏡(SEM)写真の比較
詳細な説明
ここで、本発明の好適な配置1種または2種以上の詳細な説明に取り掛かるが、本発明の特徴および概念が他の配置で明らかになる可能性がありかつ本発明の範囲を記述または説明する態様に限定するものでないと理解されるべきである。本発明の範囲を以下の請求
項の範囲でのみ限定することを意図する。
以前に、Millsの米国特許第4308073号に、グラファイトをカーボンブラックと混合した後に液状のペレット化用媒体と混合し、その湿った状態の混合物をペレットに成形しそしてその湿った状態のペレットを乾燥させることが記述されている。MaoおよびCarelのUS20070092429に炭素被覆粒子の製造方法が記述されており、そこでは、粉砕した炭素質材料に被覆を受けさせそしてその炭素材料に熱による条件付けを受けさせることで製造を行っている。MaoおよびCarelが製造したグラファイト構造の炭素被覆粒子の平均粒径は約30μm未満であることに加えてアスペクト比は約4未満でありかつ炭素質被膜の濃度は約1から約50重量%である。
有機固体で被覆されている微細固体状粒子を製造する工程または方法およびそのような被覆粒子の適用。
段階A:有機化合物Xを有機溶媒Mに完全またはほぼ完全に溶解させることで混合物または溶液Aを生じさせる。
段階B:溶液Aを溶媒Qと混合することで溶液(またはスラリー)Bを生じさせる。
段階C:固体状粒子(被覆を受けさせるべき)を溶媒Qに入れて機械的撹拌で分散させることで溶液Cを生じさせる。
段階D:溶液BおよびCを混合することで化合物Xの全部または一部を固体状粒子Sの上に沈澱させる。
段階E:化合物Xで被覆された粒子を機械的濾過で得る。
ここで、化合物Xは溶媒Mに完全またはほぼ完全に溶解するが、有機溶媒Qにはあまり溶解しないか、或は段階Bで有機溶媒Qに不溶である塊を特定量で含有する。溶媒Mを芳香族炭化水素混合物から選択するが、それには、石油精製残留物、例えばデカントオイル、真空残留物、ピッチおよび石炭のタールピッチが含まれ、それらは周囲温度で液状または固体状のいずれかの形態であってもよく(しかし、高温では液状になる)そして溶媒Qに完全に溶解する。いくつかの態様では、化合物Xの軽質部分を溶媒Mとして用いる。
混合または混ぜ合わせは、有機化合物Xが溶媒に完全またはほぼ完全に溶解するように機械的混合を周囲温度もしくは高温で行うことで実施可能である。この溶液中の溶媒Mおよび化合物Xは両方とも完全またはほぼ完全に溶解したままである。1つの態様では、段階AおよびBを合併させて1つの段階にする。場合により、溶媒Qを前以て溶媒Mと混合しておいてもよく、その後、有機化合物Xを溶媒混合物に溶解させることで溶液Bを生じさせる。1つの態様では混合を高温の機械的撹拌で実施する。段階Dの後の高温の溶液を冷却して周囲温度にする。化合物Xで被覆された粒子に化学的および熱処理を次の段階で受けさせることでそれの物理的および化学的特性を変えることも可能である。様々な炭化水素化合物で固体状粒子を覆うことで様々な用途に適した必要な特性を生じさせることができる。
1番目の段階(段階A)は、所望の有機化合物Xと有機溶媒Mを混合または混ぜ合わせることで混合物または溶液Aを生じさせる段階である。所望の有機化合物Xは、以下に記述するように、次の段階で固体状粒子の上を覆うべき材料である。この材料は、これと溶媒Mを特定の比率で一緒に混合した時に溶媒Mに完全またはほぼ完全に溶解すべきであるが、段階Bの有機溶媒Qにはあまり溶解しない。いわゆる“溶媒”Mを炭化水素混合物、例えば石油および石炭のタールピッチなどから選択し、それは周囲温度で液状または固体状いずれかの形態でり得るが、高温にすると液状になりそして溶媒Qに完全に溶解する。混合または混ぜ合わせは周囲温度または高温の機械的混合で実施可能である。
段階Bの操作は、溶液Aと溶媒Qを混合して溶液またはスラリーBを生じさせることを伴う。この溶液中の、有機溶媒Mおよび有機化合物Xは両方とも溶解または少なくともあ
る程度溶解したままである。好適には、段階AおよびBを合併して1つの段階にする。即ち、有機化合物X、溶媒Mおよび溶媒Qを1つの段階で混合して溶液またはスラリーを生じさせてもよい。段階Cは、固体状粒子を溶媒Qに入れて機械的撹拌で分散させて溶液Cを生じさせる段階である。段階Dは、溶液BおよびCを混合することで有機化合物Xおよび一部の溶媒Mを固体状粒子S上に沈澱させる段階である。その結果として生じた固体状粒子はコア粒子Sと有機化合物Xの膜から成るか或は粒子Sの表面を覆っている超微細な粒子から成る。混合を高温の機械的撹拌で行ってもよく、その後に周囲温度に冷却してもよい。
本明細書で用いる如き化合物Xは高分子量の長鎖炭化水素である。高分子量の長鎖炭化水素には、多様な天然の樹脂状重合体、リグニンおよび合成重合体、例えばポリアクリレート、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、ポリハロゲン化ビニル、ポリビニルニトリル、ポリビニルエステル、ポリスチレン、ポリアセチレン、ポリアクリル樹脂、ポリビニルエーテルなど、2種以上の異なる長鎖炭化水素を含有するこれらの組み合わせが含まれる。
1つの態様では、炭素質基質材料の固体状粒子を様々な給源から得ることができ、それの例には、石油および石炭のタールコークス、合成および天然のグラファイト、またはピッチばかりでなく炭素およびグラファイト材料の製造で公知の他の炭素質材料源が含まれる。炭素質材料源には、焼成もしくは未焼成石油コークス、合成グラファイト、高結晶性“針状”コークス、天然のグラファイトおよびフレーク状コークスが含まれる。このように、好適な炭素質材料は、グラファイト系材料または約2200℃以上のグラファイト化温度に加熱された時にグラファイトになる材料のいずれかである。
別の態様では、固体状粒子を他の固体状無機材料から選択してもよく、それには金属、金属合金、金属および非金属の酸化物、リチウム金属ポリアニオン化合物および金属塩が含まれる。
有機化合物Xおよび1番目の溶媒Mを溶解させるに適した溶媒(溶媒Q)には、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、キノリン、テトラヒドロフラン、ナフタレン、アセトン、シクロヘキサンおよびテトラヒドロナフタレン(Dupont(c) が商標テトラリン(登録商標)の下で販売)、エーテル、水およびメチル−ピロリジノンなどが含まれる。石油または石炭のタールピッチを炭素残留物形成材料もしくは被覆材料として用いる場合、溶媒、例えばトルエン、キシレン、キノリン、テトラヒドロフラン、テトラリン(登録商標)またはナフタレンなどを用いてもよい。溶媒1種または2種以上と炭素残留物形成材料の比率および溶液の温度を調節することで前記炭素残留物形成材料が溶媒に完全またはほぼ完全に溶解することを確保する。1つの態様では、炭素残留物形成材料に対する溶媒の比率を約2未満、約1.75未満、約1.5未満、約1.25未満、約1未満、約0.75未満、約0.5未満、約0.25未満またはそれ以下にしそして前記炭素残留物形成材料を溶媒にこの溶媒の沸点以下の温度で溶解させる。
溶媒対溶質の比率が2:1未満である濃溶液(溶液A)は一般にフラックス溶液として知られている。数多くのピッチ型材料が濃フラックス溶液になり、その溶液中のピッチはこれと溶媒を溶媒対ピッチの比率が0.5から2.0になるように混合した時に高度に溶解する。そのようなフラックス材料を同じ溶媒または当該炭素残留物形成材料があまり溶解しない溶媒で希釈すると結果として前記炭素残留物形成材料のある程度の沈澱がもたらされる。この希釈および沈澱を固体状粒子懸濁液の存在下で起こさせると、その粒子が沈澱のための核形成部位として作用する。その結果として前記固体状粒子の上に有機化合物の特に均一な被膜がもたらされる。
本明細書で用いる如き有機化合物Xまたは被膜前駆体には、有機重合体および重合体混合物、例えば石油および石炭のタールピッチ、熱分解タール、石油精製残留物、分溜デカントオイル、リグニン、フェノール樹脂、ポリアクリロニトリル、セルロース、ポリアミンおよびアントラセンタールなどが含まれる。
本明細書で用いる如きピッチには、Ashland A240、グラファイトグレードのピッチ、含浸ピッチ、液状のピッチ、顆粒状のピッチ、石油ピッチ、トール油ピッチ、石炭のタール、石炭のタールピッチ、石炭抽出物、石炭のタール溜分、結合用ピッチ、鉱物タール、鉱物ピッチばかりでなく様々な炭素源から生じた同様な炭素含有タールおよびピッチが含まれる。ピッチを様々な希釈剤、溶媒、コークスまたは他の材料と混合することで混合物の粘度を高くするか或は低くすることができそして/または様々な炭素材料の相対的濃度を変えることができる。ピッチの混合物の目標粘度範囲は約300csから約1000csのどこかであり得る。1つの態様ではピッチを約500csから約700csの範囲になるように混合する。ピッチはしばしば約600cs+/−100csである。また、ピッチの全体的温度を高くするか或は低くすることでピッチの粘度を変えることも可能である。約35から55℃(100から125°F)にするか或はそれ以下にすると、ピッチの粘度が高くなる一方、約80から95℃(175から200°F)にするか或はそれ以上にするとピッチ組成物が化学的変化または分離を起こす可能性がある。粘度が低い材料が達成されるようにピッチを約35から95℃の範囲の温度に維持してもよいが、それを35℃未満で貯蔵して95℃を超える温度で使用することも可能である。様々なピッチ、タールおよびタール−ピッチを世界中の供給業者から商業的に入手することができ、それらには、Parchem(商標) Trading Ltd.、KOPPERS(商標) Inc.、Boise Int’l Holdings Ltd.、Jalan Carbons & Chemicals Ltd.、Nangalia Hydrocarbon Ltd.、Shandong Gude Chemistry Co.、CEL Trillium(商標) Trade Inc.、Kadel Trading LLC、Yaren Grup Ltd.および他の供給業者が含まれる。別法として、様々な密度のタール、ピッチ、コークスおよび炭素生成物が精製工程中にしばしば生じる。様々な粘度および様々な組成を有するタールおよびピッチを廃棄生成物として入手することができるか、或は高グレードのコークス、タールおよびピッチを特殊な精製工程で生じさせる。
化学的構造の変動が比較的僅かであることで定義されるリグニンが数種存在する。リグニン間の区別は主に下記である:硬材リグニンに対して軟材リグニン、原木からリグニンを取り出す目的で用いられる化学的パルプ化の種類およびその後の化学的修飾。その得たリグニンの酸化および/または劣化の度合はパルプ化工程の選択に伴って変わる。実際、リグニンは空気に長期間さらされてもそれが示す自然発生的酸化および劣化は遅い。しかしながら、様々なパルプ化方法からもたらされたリグニン製品は本明細書に記述する如き炭素生成の目的にとって実質的に同様である。多様なリグニンをBorregaard(商標)、Sigma(商標)、Fischer(商標)を包含する商業的供給業者から入手することができそしてほとんどの製紙工場で得られる紙製品の副生成物として得ることができる。
有機化合物Xまたは炭素残留物形成材料が所定の溶媒もしくは溶媒混合物中で示す溶解度は多様な要因に依存し、そのような要因には例えば濃度、温度および圧力が含まれる。この上に記述したように、炭素残留物形成材料が有機溶媒中で示す溶解度は温度に伴って高くなることから、濃フラックス溶液を希釈すると溶解度の低下がもたらされ、工程を高温で開始して被覆工程中の温度を徐々に低くして行くと被膜の沈澱が更に向上する。その炭素残留物形成材料の沈着は周囲圧力および減圧下および約−5℃から約400℃の範囲の温度で起こり得る。溶媒と炭素残留物形成材料の全体的比率および溶液の温度を調整す
ることで、固体状粒子上に沈澱してくる炭素残留物形成材料の総量および硬度を調節することができる。
特に明記しない限り、これらの工程は全部大気条件下で実施可能である。炭化の場合には典型的に周囲の空気を伴う大気条件を用いて約850℃にする。不活性な雰囲気を約400℃を超える温度で用いてもよい。適切な不活性雰囲気には、窒素、アルゴン、ヘリウムおよびその時点の反応条件で反応しない他の気体が含まれる。
前記炭素残留物形成材料で被覆された粒子に炭化を受けさせることを利用して被膜材料と中心部の粒子の炭素含有量を高くすることができる。これは温度を制御した様式で出発温度、通常は周囲温度から最終的炭化温度にまで上昇させることで達成可能であり、そのような最終的炭化温度は約400℃、450℃、500℃、550℃、600℃、650℃、700℃、750℃、800℃、850℃、900℃、950℃、1000℃、1050℃、1100℃、1150℃、1200℃、1250℃、1300℃、1350℃、1400℃、1450℃または約1500℃であってもよいことに加えて中央温度範囲は約50、100または200℃でさえあってもよい。しばしば、温度を粒子の大きさおよび特性に応じて様々な範囲内にまで上昇させるが、その範囲は約400℃から約1500℃の範囲内、または約800℃から約1300℃の範囲内、または約900℃から1200℃の範囲内であってもよい。
沈澱段階が終了した後、その被覆された粒子を溶媒と粒子と炭素残留物形成材料の混合物から通常方法、例えば濾過、傾斜法、遠心分離、蒸発、結晶化、蒸留または他の公知分離技術を用いて分離する。1つの態様では、粒子を濾過で取り出し、溶媒で洗浄して残存ピッチ(または他の炭素形成残留物)溶液を除去した後、乾燥を通常方法で実施する。
以下に本発明の特定態様の実施例を示す。各実施例は本発明の説明として示すものであり、本発明の数多くの態様の中の1つであり、そして以下の実施例は本発明の範囲を限定、即ち範囲を決めるとして読まれるべきでない。
この実施例では、石油ピッチを1番目の溶媒Mとして用いかつキシレンを2番目の溶媒Qとして用いてリグニンでグラファイト粒子を被覆することを説明する。Westvaco Corp.が供給しているか或は他の数多くの商業源から入手可能な如きクラフトリグニンは非極性溶媒、例えばキシレンなどには溶解しないが、極性溶媒、例えば水およびN−メチルピロリジノン(NMP)などには完全に溶解する。以前のConocoPhillipsピッチ被覆方法を包含する公知の如何なる方法を用いてもリグニンを微細なグラファイト粒子に均一に被覆するのは不可能である、と言うのは、グラファイト粒子とリグニンは相溶しないからである。しかしながら、リグニンは石油ピッチ、例えばAshland A240ピッチなどには少なくともある程度溶解し、そしてキシレンに対するピッチの比率を1以上にするとピッチはキシレンに完全に溶解する。従って、ピッチとリグニンの溶液は、キシレンに対するリグニンを伴うピッチの比率を1以上にするとキシレンに少なくともある程度溶解する。その後、キシレンの含有量を高くしていくにつれてリグニンは沈澱を起こす。
1つの態様では、リグニンをピッチに溶解させることを通してグラファイト粒子をリグニンで被覆した。最初に、0.71グラムのリグニンを10グラムのピッチに溶解させそしてそのリグニン−ピッチ混合物を5グラムのキシレンに溶解させた。その溶液を混合装置に入れて約30分間振とうした。その結果として生じた溶液は目で見て滑らかでありかつ塊が存在しておらず、それを“溶液B”と表示した。天然の球形グラファイト粉末(20グラム)を90グラムのキシレンに溶解させることで“溶液C”を生じさせた。溶液B
を水浴中で約95℃に加熱しそして溶液Cをこれの沸点である約140℃にまで加熱した。溶液Cを沸点で絶えず撹拌しながらこれに溶液Bを迅速に加えた。その混合物を沸点に維持しながら10分間撹拌し、熱源を取り除いて、その溶液を周囲温度に冷却した。その結果として生じた固体状粉末を濾過で取り出すことで得て、キシレンで徹底的に洗浄した後、真空下85℃で12時間乾燥させた。その結果として得た無水粉末の重量は21.86gであり、被覆固体は1.15グラムであることに加えてリグニンに由来する重量は0.71グラムであった。総被膜濃度は8.5重量%であった。
この態様では、リグニンを前以てピッチと混合した後にキシレンと混合したが、それらの比率を1:10:5にした(溶液B)。グラファイト粒子をキシレンに2:9の比率で入れて分散させた(溶液C)。溶液Bと溶液Cを沸点にまで加熱した。最後に、BとCを約1:10の比率で混合した。その結果として得たグラファイト粒子はリグニンで均一に被覆されており、乾燥を実施することで生成物をほぼ100%の収率で得た(20gのグラファイト)。
この実施例では、2グラムのリグニンをピッチにこの上に記述したようにして溶解させた後にキシレンに溶解させたが、それらの比率を1:10:5にした。グラファイト溶液の調製では、20グラムのグラファイト粒子をキシレンに2:9の比率で入れて分散させることで調製を実施した。そのリグニン溶液(B)をグラファイト溶液(C)と沸騰温度で混合した。濾過、洗浄そして乾燥を実施した後の固体総重量は23.1グラムであり、実施例1に記述したようにほぼ100%の収率を得たが、リグニンは全部(2.0グラム)組み込まれていた。この場合の総被膜濃度は13.4重量%であった。
図2に示す粒子の比較は、未被覆粒子と実施例1で得た被覆粒子と実施例2で得た被覆粒子を撮った走査電子顕微鏡(SEM)によってそれらの形態に差があることを示している。未被覆粒子は表面上に明瞭で鋭角な縁とねじれを示していたが、被覆粒子は丸い縁を示しかつねじれとねじれの間の溝が満たされているばかりでなくまた表面上の粒子が微細である。実施例1または2のいずれにも遊離した微細粒子はいくらか存在するとしても僅かのみであったことを注目すべきである。このことは両方の実施例とも均一なリグニン膜がグラファイト粒子を覆っていたことを立証している。リグニンはキシレンに溶解せず、その結果として、リグニンとキシレンとグラファイト粒子を一緒にして単に混合するか或は単に温度と成分の比率を調整することではグラファイト粒子がリグニンで被覆されることはないが、ピッチに溶解させそしてキシレン濃度を高くしてピッチ−キシレン溶液から沈澱を起こさせるとリグニンが非常に微細な粒子の均一な膜を形成してグラファイト粒子にむらなく接着することを述べることは価値があることである。
均一なリグニン被膜が達成された後、その被覆されたグラファイトにさらなる処理を受けさせることでグラファイト特性を向上させ、活性部分を付着させそして被覆粒子に追加的層を加えることも可能である。いくつかの態様では、そのリグニンで被覆された粒子に炭化を温度を上昇させることで受けさせる。他の態様では、前記粒子に酸性もしくは塩基性部分を充填することでリグニン被膜に化学的特性を与える。更に別の態様では、前記粒子に導電性金属、希土類磁石または他の金属によるメッキを受けさせる。均一なリグニン被膜が存在すると、グラファイト粒子に様々な技術を用いた被覆を一貫して完全に受けさせることが可能になる、と言うのは、リグニンの特性は粒子表面全体に渡って同じであるからである。
更に別の態様では、100グラムの石油ピッチを100グラムの石油デカントオイルに溶解させて溶液を生じさせた後、その結果として生じた溶液を50グラムのキシレンと混
合して、絶えず撹拌しながら140℃に加熱することで溶液Bを生じさせた。並行して、200グラムの焼成石油コークス粉末(平均粒径が約8ミクロメートル)をフラスコ内で500グラムのキシレンに入れて分散させ、そしてまたキシレンの沸点(〜140℃)にまで加熱することで溶液Cを生じさせた。次に、その熱ピッチ溶液Bを前記コークス溶液Cに注ぎ込んだ後、絶えず撹拌しながら約5分間混合した。熱源を取り除くことでその溶液を周囲温度に冷却した。その結果として生じた固体状粒子を濾過で溶液から分離した後、キシレンで徹底的に洗浄した。乾燥を真空下100℃で5時間実施した後、その結果として得た固体状粒子の重量は223グラムであった。このように、その結果として得た固体状粒子はキシレンに不溶な固体状ピッチを約10%含有していた。電子走査顕微鏡[図3(a)]により、キシレンに不溶な固体状ピッチがコークス粒子を均一に覆っていることが分かった。
溶液Aを生じさせる時に石油デカントオイルを用いない以外は上述したようにして実施例3を繰り返した。キシレンに不溶な固体状ピッチが溶液から同じ量で析出したが、コークス粒子上に均一な被膜を形成しておらず、代わりに、石油コークスに接着していない非常に微細な粒子が生じたことを確認した[図3(c)]。
適切な溶媒組み合わせを選択することで、多様な被膜が多様な種類の粒子に付着するように本被覆方法を実施することができる。表1に、高分子量の長鎖炭化水素がグラファイト、金属および重質炭化水素粒子を覆っている均一な粒子被膜を達成することができる様々な被膜と溶媒と粒子の組み合わせを示す。適切な組み合わせにすると、被覆用重合体である化合物Xが溶媒Mに完全もしくはほぼ完全に溶解することで溶液Aが生じ、溶液Aを溶媒Qに溶解させると溶液Bが生じる。被覆を受けさせるべき固体状の粒子をいずれかの溶媒Qに入れて分散させると溶液Cが生じる。溶液Bと溶液Cを混合すると溶解していた重合体化合物Xが沈澱を起こすと同時に固体状粒子を覆う。
より大きな被覆用重合体を溶解させる分散もしくは混合溶媒(M)を用いると、そのような重合体を固体状粒子に送り込むための媒体が得られる。そのような固体状粒子は、溶媒Qの濃度を高くするにつれて溶液から析出してくる被覆用重合体の核形成をもたらす。最終的な被覆粒子は重合体の薄層で均一に被覆されている。1つの態様では、本方法を用いると典型的に不溶な重合体を溶解させて溶液を生じさせることができ、その後に有機溶媒の濃度を高くすることでその重合体を固体状粒子の上に制御した様式で沈澱させることができる。本方法は、表1に示した材料を用いて、重合体の中のいずれか1種を混合溶媒のいずれか1種に溶解させることで実施可能である。いくつかの態様では、その溶媒を加熱することで当該重合体が当該溶媒に溶解するのを助長することができる。その溶媒は混合溶液であることから、その沸点は多様であり得そして/または重合体が完全もしくはほぼ完全に溶解する温度も多様であり得る。表1に示した溶媒Qを当該固体状粒子と混合することでその粒子が前記溶媒全体に渡って分散することを確保する。その後、溶媒Mと溶媒Qを混合すると、被覆用重合体が前記固体状粒子の表面上にむらなく分散することで均一な薄膜が作り出される。
本明細書に記述するシステムおよび方法を詳細に説明してきたが、以下の請求項で定義する如き本発明の精神および範囲から逸脱しない限り様々な変更、置換および代替を行うことができると理解されるべきである。当業者は、好適な態様を研究しかつ他の方法を見つけることで本明細書に正確には記述しなかった如き発明を実施することができる可能性がある。本発明の変形および相当物は本請求項の範囲内であると同時に説明、要約および図は本発明の範囲を限定するために用いたものでないことは本発明者が意図することであ
る。本発明は特に以下の請求項およびそれらの相当物と同程度に幅広いことを意図する。締めくくりとして、それによって、以下に示すありとあらゆる請求項は本発明の追加的態様として本詳細な説明または明細書に組み入れられることを注目すべきである。
引用文献
本明細書に引用する文献は全部引用することによって明らかに組み入れられる。如何なる文献、特に本出願の優先日の後の公開日付を有する可能性のある如何なる文献の考察も本発明に対する従来技術であることを認めるものでない。便利さの目的で、組み入れた文献をここに再び挙げる:
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Claims (14)

  1. 固体状の重質炭化水素被覆粒子の製造方法であって、
    a)高分子量の炭化水素化合物または高分子量の炭化水素化合物の混合物を2種類の有機溶媒に溶解させることで溶液Bを生じさせそして溶液Bを加熱し、
    b)固体状粒子を2番目の溶媒に入れて分散させることで混合物Cを生じさせそしてその混合物Cを加熱し、
    c)溶液Bと混合物Cを一緒にして混合しそしてその混合物を冷却することで前記高分子量の長鎖炭化水素の全部または一部を固体状粒子上の被膜として析出させ、
    d)その被覆固体状粒子を前記溶液から分離し、そして
    e)前記被覆固体状粒子を炭化させることで炭素質材料被覆粒子を生じさせる、
    ことを含んで成る方法。
  2. a)グラファイト粒子、および
    b)リグニン被膜、
    を含有して成る電極用電気化学材料であって、前記グラファイト粒子を溶媒に入れて分散させ、前記リグニンをピッチと溶媒に溶解させ、前記グラファイト−溶媒溶液と前記リグニン−ピッチ−溶媒溶液を混合しそしてその混合した溶液を沸騰させながら前記グラファイトをリグニンで均一に被覆したものである材料。
  3. 電極用電気化学材料の製造方法であって、
    a)リグニンとピッチを混合し、
    b)前記リグニンとピッチ(a)をキシレンと混合し、
    c)グラファイト粒子をキシレンに溶解させ、
    d)前記段階(b)で得た溶液と前記段階(c)で得た溶液を沸点にまで加熱し、
    e)前記段階(b)で得た溶液と前記段階(c)で得た溶液を沸点で混合し、そして
    f)リグニンで均一に被覆されたグラファイト粒子を単離する、
    ことを含んで成る方法。
  4. リグニンで均一に被覆されたグラファイト粒子であって、
    a)リグニンをピッチに溶解させ、
    b)前記リグニンとピッチ(a)をキシレンと混合し、
    c)グラファイト粒子をキシレンに溶解させ、
    d)前記段階(b)で得た溶液と前記段階(c)で得た溶液を沸点にまで加熱し、
    e)前記段階(b)で得た溶液と前記段階(c)で得た溶液を沸点で混合し、そして
    f)リグニンで均一に被覆されたグラファイト粒子を単離する、
    工程段階で生じさせた粒子。
  5. 前記重質炭化水素をリグニン、フェノール樹脂、天然の樹脂状重合体、リグニン、高分子量のオレフィン、合成重合体、アクリレート、ポリエチレンおよび異なる2種以上の長鎖炭化水素を含有するそれらの組み合わせを包含する有機化合物および混合物から選択する請求項1から4の1項記載の方法。
  6. 混合物Bを生じさせる時の1番目の溶媒を分溜石油、分溜デカントオイル、熱分解タール、石油および石炭のタールピッチ、および石炭のタールピッチと重質石油を包含する有機化合物混合物から選択する請求項1から5の1項記載の方法。
  7. 混合物BおよびCを生じさせる時の溶媒の1つをキシレン、トルエン、ベンゼン、テトラリン、メチル−ピロリジノン、キノリン、石油溜分およびこれらの組み合わせを包含する液状の有機化合物から選択する請求項1から6の1項記載の方法。
  8. a.前記重質炭化水素が前記1番目の溶媒に完全またはほぼ完全に溶解するか、
    b.前記1番目の溶媒が前記2番目の溶媒に完全に溶解するか、
    c.前記1番目の溶媒に対する前記2番目の溶媒の比率を1未満にした時に前記1番目の溶媒が完全に溶解するか、
    d.前記1番目の溶媒に対する前記2番目の溶媒の全体的質量比を2よりも大きくするか、或は
    e.(a)、(b)、(c)および/または(d)の組み合わせである、
    請求項1から7の1項記載の方法。
  9. 前記固体状粒子が石油および石炭のコークスおよび合成および天然のグラファイトを包含する炭素質材料である請求項1から8の1項記載の方法。
  10. 前記炭化が前記固体を不活性環境、例えば窒素ガスなど中で400℃以上に加熱することを包含する請求項1から9の1項記載の方法。
  11. 更に前記炭素質材料被覆粒子を電気化学エネルギー電池の電極の中に組み込むことも含んで成る請求項1から10の1項記載の方法。
  12. 溶液B、溶液Cまたは溶液BとCの両方を前記溶媒の中の1種以上の沸点近くにまで加熱することを含んで成る請求項1から11の1項記載の方法。
  13. 請求項1から12の1項記載の高分子量炭化水素化合物で均一に被覆されているグラファイト粒子であって、
    a.前記リグニン、ピッチおよびキシレンを約1:10:5の比率で混合(溶液B)したか、
    b.前記グラファイトとキシレンを約2:9の比率で混合(溶液C)したか、
    c.溶液BとCを約1:10の比率で混合したか、或は
    d.(a)、(b)および/または(c)の組み合わせである、
    グラファイト粒子。
  14. 請求項1から13の1項記載の高分子量炭化水素化合物で均一に被覆されているグラファイト粒子であって、後に炭化、化学的修飾、金属によるメッキまたはこれらの組み合わせを受けさせたものであるグラファイト粒子。
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