JP2013518590A - TNF−α阻害剤を用いる処置に対する応答性を予測するための方法および組成物 - Google Patents

TNF−α阻害剤を用いる処置に対する応答性を予測するための方法および組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、遺伝因子を決定することにより、TNFα抗体などのTNFα阻害剤を用いる処置に対する対象の応答性を決定または予測する方法を提供する。

Description

関節リウマチ(RA)は、慢性の炎症性自己免疫障害と考えられている。RAは、疼痛および関節破壊による実質的な移動性の喪失を導き得る身体障害性で有痛性の炎症性の状態である。RAは、関節の軟部組織腫脹を導く。
RAのための従来の処置は、RA患者集団全体について開発された方法に基づく。結果として、既知の処置により、いくらかの患者は、有効な療法を同定する前に有効でない処置を循環することがある。つまり、RAをよりよく処置し、所定の患者に有効な処置オプションを同定するための個別化医療に対する必要性が存在する。治療剤に対するRA患者の応答を適切に予測できることは、処置を容易にする。所定の治療剤に対して応答する可能性が高い患者を予め同定することも、例えば不可逆性の関節損傷およびその結果としての身体障害を妨げるために十分に早期にRA患者が処置されることを可能にする。
RAについての種々のバイオマーカーが、RA疾患状態に関連するとして同定されている(例えばPooleおよびDieppe(1994)Seminars in Arthritis and Rheumatism 23:17頁;Nakamura(2000)J Clin Lab Analysis 14:305頁;ならびにYoungら(2001)Annals Rhuematic Diseases 60:545頁;Riojaら(2008)Arthritis&Rheum 58(8):2257頁を参照されたい。)。いくつかの場合では、バイオマーカーが、ある治療用抗体の臨床上の効力に影響するとして同定されている。例えば、FCGR2AおよびFCGR3A多型は、RA患者における抗体インフリキシマブの臨床上の効力に影響することが見出されている(Caneteら(2009)Ann Rheum Dis 68:1547頁;Tsukaharaら(2008)Ann Rheum Dis 67:1791頁)。これらの知見にもかかわらず、RAを有する患者のいずれが様々な処置オプションに対して応答するかを決定するためのより有効な手段に対する必要性が依然として残っている。
PooleおよびDieppe(1994)Seminars in Arthritis and Rheumatism 23:17頁 Nakamura(2000)J Clin Lab Analysis 14:305頁 Youngら(2001)Annals Rhuematic Diseases 60:545頁 Riojaら(2008)Arthritis&Rheum 58(8):2257頁 Caneteら(2009)Ann Rheum Dis 68:1547頁 Tsukaharaら(2008)Ann Rheum Dis 67:1791頁
(発明の要旨)
RAのための所定の処置の有効性を予測または評価することを助ける遺伝子マーカーの同定は、依然として難題である。本発明は、少なくとも部分的に、単独または互いに組み合わせて、関節リウマチを有する対象がTNFα阻害剤を用いる処置に対して応答性であるかを予測するために用いることができる3つのバイオマーカーを同定する。本発明は、少なくとも部分的に、処置に対する対象の応答性を、例えば処置(複数可)、例えばヒトTNFa抗体もしくはその抗原結合部分の投与の前または投与と同時に評価するために用いることができる分子マーカーの同定に基づく。具体的に、本発明は、関節リウマチ(RA)のような自己免疫疾患を有する対象が、TNFα阻害剤を用いる処置に対して応答性であるかを決定するために用いることができる方法および組成物を提供する。本発明は、少なくとも部分的に、対象における特定の対立遺伝子、例えばHLA−DRB1共有エピトープ(HLA−DRB1 SE)、IL−4R I50V多型および/もしくはFcγRIIb I232T多型の存在またはコピー数が、TNFα阻害剤および/もしくはメトトレキセート(MTX)を用いる処置に対する応答性の増加または減少と関連するという観察結果に基づく。
よって、一態様では、本発明は、対象の遺伝子型を決定することを含み、前記遺伝子型は、対象がTNFα阻害剤を用いる処置に対して応答性であることを示す、自己免疫障害、例えば関節リウマチ(RA)を有する対象におけるTNFα阻害剤を用いる処置に対する応答性を決定、予測または評価するための方法および自己免疫障害、例えばRAを有する対象を処置するための方法を提供する。
一態様では、本発明は、対象からの試料中のHLA−DRB1共有エピトープ(HLA−DRB1 SE)対立遺伝子の存在または例えばコピー数を決定することを含み、1または2コピーのHLA−DRB1 SE対立遺伝子の存在は、対象がTNFα阻害剤を用いる処置に対して応答性であることを示す、TNFα阻害剤を用いる処置に対する自己免疫障害、例えば関節リウマチ(RA)を有する対象の応答性を予測する方法を提供する。
一態様では、本発明は、少なくとも1コピー、例えば1または2コピーのHLA−DRB1共有エピトープ(HLA−DRB1 SE)対立遺伝子が対象からの試料中に存在することを条件として、TNFα阻害剤を対象に関節リウマチ(RA)の処置のために投与することを含む、RAのような自己免疫疾患を有する対象を処置するための方法を提供する。
関連する態様では、本発明は、対象からの試料中のHLA−DRB1共有エピトープ(HLA−DRB1 SE)対立遺伝子のコピー数を決定することおよび対象が1または2コピーのHLA−DRB1 SE対立遺伝子を有する場合、治療有効量のTNFα阻害剤を対象に投与することを含む、関節リウマチ(RA)のような自己免疫疾患を有する対象を処置するための方法を提供する。
一態様では、本発明は、対象からの試料中のHLA−DRB1共有エピトープ(HLA−DRB1 SE)対立遺伝子のコピー数およびIL−4R I50対立遺伝子の存在を決定することならびに対象がHLA−DRB1 SE対立遺伝子を有さず、対象が少なくとも1(好ましくは2)のIL−4R I50対立遺伝子を試料中に有する場合、治療有効量のTNFα阻害剤を対象に投与することを含む、自己免疫疾患、例えば関節リウマチ(RA)を有する対象を処置するための方法を提供する。
別の態様では、本発明は、対象からの試料中の少なくとも1コピーのHLA−DRB1共有エピトープ(HLA−DRB1 SE)対立遺伝子の存在を検出することを含み、HLA−DRB1 SE対立遺伝子の存在は、TNFα阻害剤が対象における自己免疫疾患、例えば関節リウマチ(RA)の処置のために有効であることを示す、TNFα阻害剤が自己免疫疾患、例えばRAを有する対象の処置のために有効であるかを決定する方法を提供する。
一実施形態では、HLA−DRB1 SE対立遺伝子のコピー数は、試料中の核酸、例えばDNAまたはタンパク質をアッセイすることにより決定される。別の実施形態では、HLA−DRB1 SE対立遺伝子のコピー数は、マイクロアレイ分析、DNA配列決定またはそれに限定されないが対立遺伝子特異的PCRを含むPCR技術からなる群より選択されるアッセイ方法を用いて決定される。
本発明のある実施形態では、方法は、対象からの試料中のIL−4R I50対立遺伝子のコピー数を決定することをさらに含み、試料中のIL−4R I50対立遺伝子(AAまたはAG)の存在は、対象がTNFα阻害剤を用いる処置に対して応答性であることを示す。
他の実施形態では、本発明の方法は、対象からの試料中の2つのFcγRIIb T232対立遺伝子(FcγRIIb−CC)の存在を決定することをさらに含み、試料中の2つのFcγRIIb T232対立遺伝子(FcγRIIb−CC)の存在は、対象がTNFα阻害剤を用いる処置に対して応答性であることを示す。
他の実施形態では、本発明の方法は、対象からの試料中のIL−4R I50対立遺伝子のコピー数を決定することおよび対象からの試料中の2つのFcγRIIb T232対立遺伝子(FcγRIIb−CC)の存在を決定することをさらに含み、試料中のIL−4R I50対立遺伝子(AAまたはAG)の存在および試料中の2つのFcγRIIb T232対立遺伝子(FcγRIIb−CC)の存在は、対象がTNFα阻害剤を用いる処置に対して応答性であることを示す。
一態様では、本発明は、対象からの試料中のFcγRIIb T232対立遺伝子のコピー数を決定することを含み、2コピーのFcγRIIb T232対立遺伝子(FcγRIIb−CC)の存在は、対象がTNFα阻害剤を用いる処置に対して応答性であることを示す、TNFα阻害剤を用いる処置に対する自己免疫疾患、例えばRAを有する対象の応答性を予測する方法を提供する。
別の態様では、本発明は、2コピーのFcγRIIb T232対立遺伝子(FcγRIIb−CC)が対象からの試料中に存在することを条件として、TNFα阻害剤を対象に自己免疫疾患、例えば関節リウマチ(RA)の処置のために投与することを含む、自己免疫疾患、例えばRAを有する対象を処置するための方法を提供する。
なお別の態様では、本発明は、対象からの試料中のFcγRIIb T232対立遺伝子のコピー数を決定することを含み、2コピーのFcγRIIb T232対立遺伝子(FcγRIIb−CC)の存在は、TNFα阻害剤が対象における自己免疫疾患、例えば関節リウマチ(RA)の処置のために有効であることを示す、TNFα阻害剤が自己免疫疾患、例えばRAを有する対象の処置のために有効であるかを決定する方法を提供する。
一実施形態では、FcγRIIb T232対立遺伝子の存在は、試料中の核酸、例えばDNAまたはタンパク質をアッセイすることにより決定される。別の実施形態では、FcγRIIb T232対立遺伝子の存在は、マイクロアレイ分析、DNA配列決定またはそれに限定されないが対立遺伝子特異的PCRを含むPCR技術からなる群より選択されるアッセイ方法を用いて決定される。
一態様では、本発明は、対象からの試料中のIL−4R V50対立遺伝子のコピー数を決定することを含み、試料中の2コピーのIL−4R V50対立遺伝子(GG)の存在は、対象が少なくとも1コピーのHLA−DRB1 SE対立遺伝子も有さない限り、対象がTNFα阻害剤を用いる処置に対して応答性でないことを示す、TNFα阻害剤を用いる処置に対する自己免疫疾患、例えば関節リウマチ(RA)を有する対象の応答性を予測する方法を提供する。
一実施形態では、IL−4R V50対立遺伝子のコピー数は、試料中の核酸、例えばDNAまたはタンパク質をアッセイすることにより決定される。別の実施形態では、IL−4R V50対立遺伝子のコピー数は、マイクロアレイ分析、DNA配列決定またはそれに限定されないが対立遺伝子特異的PCRを含むPCR技術からなる群より選択されるアッセイ方法を用いて決定される。
本発明は、対象からの試料中のIL−4R I50対立遺伝子の存在を決定することを含み、試料中のIL−4R I50対立遺伝子(好ましくは2コピーのIL−4R I50対立遺伝子、例えばAAの遺伝子型)の存在は、対象がTNFα阻害剤を用いる処置に対して応答性であることを示す、関節リウマチ(RA)のような自己免疫疾患を有する対象におけるTNFα阻害剤を用いる処置に対する応答性を決定または予測するための方法も含む。
一実施形態では、IL−4R I50対立遺伝子の存在は、試料中の核酸、例えばDNAまたはタンパク質をアッセイすることにより決定される。別の実施形態では、IL−4R I50対立遺伝子の存在は、マイクロアレイ分析、DNA配列決定またはそれに限定されないが対立遺伝子特異的PCRのようなPCR技術からなる群より選択されるアッセイ方法を用いて決定される。
本発明は、対象からの試料中のIL−4R I50対立遺伝子の存在を決定することおよび対象が少なくとも1つのIL−4R I50対立遺伝子(例えば遺伝子型はAAまたはAGである。)を有する場合、対象に治療有効量のTNFα阻害剤を投与することを含む、関節リウマチ(RA)のような自己免疫疾患を有する対象を処置するための方法も含む。
一実施形態では、IL−4R I50対立遺伝子の存在は、試料中の核酸、例えばDNAまたはタンパク質をアッセイすることにより決定される。別の実施形態では、IL−4R I50対立遺伝子の存在は、マイクロアレイ分析、DNA配列決定またはそれに限定されないが対立遺伝子特異的PCRのようなPCR技術からなる群より選択されるアッセイ方法を用いて決定される。
本発明は、対象からの試料中のHLA−DRB1共有エピトープ(HLA−DRB1 SE)対立遺伝子のコピー数および対象からの試料中のIL−4R I50対立遺伝子のコピー数を決定することを含み、試料中のHLA−DRB1 SE対立遺伝子の存在およびIL−4R I50対立遺伝子(AAまたはAG)の存在は、対象がTNFα阻害剤を用いる処置に対して応答性であることを示す、TNFα阻害剤を用いる処置に対する自己免疫疾患、例えば関節リウマチ(RA)を有する対象の応答性を予測する方法も提供する。
一態様では、本発明は、1または2コピーのHLA−DRB1共有エピトープ(HLA−DRB1 SE)対立遺伝子および1または2コピーのIL−4R I50対立遺伝子(AAまたはAG)が対象からの試料中に存在することを条件として、TNFα阻害剤を対象に関節リウマチ(RA)の処置のために投与することを含む、自己免疫疾患、例えばRAを有する対象を処置するための方法を提供する。
別の態様では、本発明は、対象からの試料中の少なくとも1コピーのHLA−DRB1共有エピトープ(HLA−DRB1 SE)対立遺伝子の存在および対象からの試料中のIL−4R I50対立遺伝子のコピー数を検出することを含み、HLA−DRB1 SE対立遺伝子の存在および1または2コピーのIL−4R I50対立遺伝子(AAまたはAG)の存在は、TNFα阻害剤が対象における関節リウマチ(RA)の処置のために有効であることを示す、TNFα阻害剤が自己免疫疾患、例えばRAを有する対象の処置のために有効であるかを決定する方法を提供する。
一実施形態では、IL−4R I50対立遺伝子の存在は、試料中の核酸、例えばDNAまたはタンパク質をアッセイすることにより決定される。別の実施形態では、IL−4R I50対立遺伝子の存在は、マイクロアレイ分析、DNA配列決定またはそれに限定されないが対立遺伝子特異的PCRのようなPCR技術からなる群より選択されるアッセイ方法を用いて決定される。
本発明の一実施形態では、対象は、ヒトである。
本発明の別の実施形態では、RAは、初期関節リウマチである。
まだ別の実施形態では、方法は、対象における臨床上の応答性を決定または予測する。
別の実施形態では、対象は、1年未満の疾患持続期間のRAと診断されている。
別の実施形態では、対象は、>3.2のDAS28を有する。
別の実施形態では、対象は、全身性抗TNFα療法、MTXもしくは>2のDMARDによる処置に以前に曝露されておらずおよび/またはその他の急性炎症性関節疾患を有さない。
別の実施形態では、対象は、さらに、例えば同時に、MTXを投与される。
別の実施形態では、対象は、MTXを週1回およびアダリムマブを2週間ごとに1回投与される。
一実施形態では、本発明の方法は、試料(または対象からの複数の試料)を、例えばHLA−DRB1 SE対立遺伝子(例えばそのコピー数)およびIL−4R I50対立遺伝子の両方を含む複数の遺伝子マーカーについてアッセイすることを含む。代わりに、本発明は、試料を、HLA−DRB1 SE対立遺伝子(例えばそのコピー数)およびIL−4R V50対立遺伝子について(例えば対象が対立遺伝子についてホモ接合性であるかを決定するために)アッセイすることを含む。さらに、FcγRIIb I232T一塩基多型(SNP)の使用は、単独またはHLA−DRB1 SE対立遺伝子のコピー数および/もしくはIL−4R I50対立遺伝子の存在および/もしくは対象がIL−4R V50対立遺伝子についてホモ接合性であるかを含む本明細書に記載する任意の方法と組み合わせて用いることができる。
一実施形態では、TNFα阻害剤は、抗TNFα抗体もしくはその抗原結合部分または融合タンパク質、例えばエタネルセプトである。
一実施形態では、抗TNFα抗体またはその抗原結合部分は、ヒト抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体および多価抗体からなる群より選択される。
一実施形態では、キメラ抗TNFα抗体またはその抗原結合部分は、インフリキシマブである。
一実施形態では、ヒト抗TNFα抗体またはその抗原結合部分は、アダリムマブまたはゴリムマブである。
一実施形態では、ヒト化抗TNFα抗体またはその抗原結合部分は、セルトリズマブペゴールである。
一実施形態では、ヒト抗TNFα抗体またはその抗原結合部分は、ともに表面プラズモン共鳴により決定される1×10−8M以下のKおよび1×10−3−1以下のkoff速度定数でヒトTNFαから解離し、標準的なインビトロL929アッセイにおいて1×10−7M以下のIC50でヒトTNFα細胞毒性を中和する単離ヒト抗体である。
一実施形態では、ヒト抗TNFα抗体またはその抗原結合部分は、以下の特徴を有する単離ヒト抗体である:表面プラズモン共鳴により決定される1×10−3−1以下のkoff速度定数でヒトTNFαから解離する;配列番号3のアミノ酸配列または(1位、4位、5位、7位もしくは8位にて単一アラニン置換によりまたは1位、3位、4位、6位、7位、8位および/もしくは9位にて1から5の保存的アミノ酸置換により)配列番号3から改変されたアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3ドメインを有する;ならびに配列番号4のアミノ酸配列または(2位、3位、4位、5位、6位、8位、9位、10位もしくは11位にて単一アラニン置換によりまたは2位、3位、4位、5位、6位、8位、9位、10位、11位および/もしくは12位にて1から5の保存的アミノ酸置換により)配列番号4から改変されたアミノ酸配列を含む重鎖CDR3ドメインを有する。
一実施形態では、ヒト抗TNFα抗体またはその抗原結合部分は、配列番号1のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(LCVR)および配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(HCVR)を有する単離ヒト抗体である。
本発明は、対象からの試料中のHLA−DRB1 SE対立遺伝子の存在を決定するための手段およびHLA−DRB1 SE対立遺伝子のコピー数に基づき対象に推奨される処置についての指示書を含み、HLA−DRB1 SE対立遺伝子の存在は、対象がTNFα阻害剤を用いる処置に対して応答性であることを示す、関節リウマチ(RA)のような自己免疫疾患の処置用のTNFα阻害剤に対する対象の応答性を予測または評価するためのキットも特徴とする。
HLA−DRB1 SE対立遺伝子の存在は、当該技術において既知の標準的な方法に従って決定できる。一実施形態では、HLA−DRB1 SE対立遺伝子のコピー数を決定するための手段は、HLA−DRB1 SEとハイブリダイズする核酸を含む。別の実施形態では、HLA−DRB1 SE対立遺伝子のコピー数を決定するための手段は、HLA−DRB1 SEに相当するタンパク質と結合する抗体を含む。
一実施形態では、リットは、対象からの試料中のIL−4R I50対立遺伝子の存在を検出するための手段およびIL−4R I50対立遺伝子の存在に基づき対象に推奨される処置についての指示書をさらに含み、IL−4R I50対立遺伝子およびHLA−DRB1 SE対立遺伝子の組合せの存在は、対象がTNFα阻害剤を用いるRAの処置に対して応答性であることを示す。
一態様では、本発明は、対象からの試料中のFcγRIIb T232対立遺伝子の存在を決定するための手段および2つのFcγRIIb T232対立遺伝子(FcγRIIb−CC)の存在に基づき対象に推奨される処置についての指示書を含み、2つのFcγRIIb T232対立遺伝子の存在は、対象がTNFα阻害剤を用いる処置に対して応答性であることを示す、関節リウマチ(RA)のような自己免疫疾患の処置用のTNFα阻害剤に対する対象の応答性を予測または評価するためのキットを提供する。
一実施形態では、FcγRIIb T232対立遺伝子の存在を決定するための手段は、FcγRIIb T232をコードする核酸分子またはI232T SNPを含有するその部分とハイブリダイズする核酸を含む。別の実施形態では、FcγRIIb T232対立遺伝子の存在を決定するための手段は、FcγRIIb T232タンパク質に相当するタンパク質と特異的に結合する抗体を含む。
一実施形態では、キットは、対象からの試料中のIL−4R I50対立遺伝子の存在を検出するための手段およびIL−4R I50対立遺伝子の存在に基づき対象に推奨される処置についての指示書をさらに含み、IL−4R I50対立遺伝子およびFcγRIIb−CC対立遺伝子の組合せの存在は、対象がTNFα阻害剤を用いるRAの処置に対して応答性であることを示す。場合によって、キットは、対象からの試料中のHLA−DRB1 SE対立遺伝子の存在を検出するための手段およびHLA−DRB1 SE対立遺伝子の存在に基づき対象に推奨される処置についての指示書をさらに含み、FcγRIIb−CC対立遺伝子、IL−4R I50対立遺伝子およびHLA−DRB1 SE対立遺伝子の組合せの存在は、対象がTNFα阻害剤を用いるRAの処置に対して応答性であることを示す。
なお別の実施形態では、キットは、対象からの試料中のHLA−DRB1 SE対立遺伝子の存在を検出するための手段およびHLA−DRB1 SE対立遺伝子の存在に基づき対象に推奨される処置についての指示書をさらに含み、FcγRIIb−CC対立遺伝子およびHLA−DRB1 SE対立遺伝子の組合せの存在は、対象がTNFα阻害剤を用いるRAの処置に対して応答性であることを示す。
一実施形態では、キットは、対象から試料を得るための手段をさらに含む。
本発明は、対象からの試料中のIL−4R I50対立遺伝子の存在を決定するための手段およびIL−4R I50対立遺伝子の存在に基づき対象に推奨される処置についての指示書を含み、試料中のIL−4R I50対立遺伝子(好ましくは2コピーのIL−4R I50対立遺伝子)の存在は、対象がTNFα阻害剤を用いる処置に対して応答性であることを示す、関節リウマチ(RA)のような自己免疫疾患の処置用のTNFα阻害剤に対する対象の応答性を予測または評価するためのキットも提供する。
一実施形態では、IL−4R I50対立遺伝子の存在を決定するための手段は、IL−4R I50とハイブリダイズする核酸を含む。別の実施形態では、IL−4R I50対立遺伝子の存在を決定するための手段は、IL−4R I50タンパク質に相当するタンパク質と結合する抗体を含む。
本発明は、対象からの試料中のIL−4R V50対立遺伝子のコピー数を決定するための手段およびIL−4R V50対立遺伝子の存在に基づき対象に推奨される処置についての指示書を含み、試料中の2コピーのIL−4R V50対立遺伝子は、対象が少なくとも1コピーのHLA−DRB1 SE対立遺伝子も有さない限り、対象がTNFα阻害剤を用いる処置に対して応答性でないことを示す、関節リウマチ(RA)のような自己免疫疾患の処置用のTNFα阻害剤に対する対象の応答性を予測または評価するためのキットをさらに特徴とする。
一実施形態では、IL−4R V50対立遺伝子の存在を決定するための手段は、IL−4R V50とハイブリダイズする核酸を含む。一実施形態では、IL−4R V50対立遺伝子の存在を決定するための手段は、IL−4R V50タンパク質に相当するタンパク質と結合する抗体を含む。
一実施形態では、本発明のキットは、例えばHLA−DRB1 SE対立遺伝子(例えばそのコピー数)およびIL−4R I50対立遺伝子の両方を含む複数の遺伝子マーカーについての試料(または対象からの複数の試料)中の存在および/またはコピー数を決定するための手段を含む。代わりに、キットは、HLA−DRB1 SE対立遺伝子(例えばそのコピー数)およびIL−4R V50対立遺伝子の存在および/またはコピー数を決定するための手段を含む。さらに、本発明のキットは、FcγRIIb I232T一塩基多型(SNP)単独の存在および/またはコピー数を決定するための手段またはHLA−DRB1 SE対立遺伝子の存在および/もしくはコピー数ならびに/またはIL−4R I50対立遺伝子の存在ならびに/または対象がIL−4R V50対立遺伝子についてホモ接合性であるかを決定するための手段を含むキットを含む本明細書に記載するキットのいずれかとの組合せを含んでよい。
一実施形態では、TNFα阻害剤は、抗TNFα抗体もしくはその抗原結合部分または融合タンパク質、例えばエタネルセプトである。
一実施形態では、抗TNFα抗体またはその抗原結合部分は、ヒト抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体および多価抗体からなる群より選択される。
一実施形態では、キメラ抗TNFα抗体またはその抗原結合部分は、インフリキシマブである。
一実施形態では、ヒト抗TNFα抗体またはその抗原結合部分は、アダリムマブまたはゴリムマブである。
一実施形態では、ヒト化抗TNFα抗体またはその抗原結合部分は、セルトリズマブペゴールである。
一実施形態では、ヒト抗TNFα抗体またはその抗原結合部分は、ともに表面プラズモン共鳴により決定される1×10−8M以下のKおよび1×10−3−1以下のkoff速度定数でヒトTNFαから解離し、標準的なインビトロL929アッセイにおいて1×10−7M以下のIC50でヒトTNFα細胞毒性を中和する単離ヒト抗体である。
一実施形態では、ヒト抗TNFα抗体またはその抗原結合部分は、以下の特徴を有する単離ヒト抗体である:表面プラズモン共鳴により決定される1×10−3−1以下のkoff速度定数でヒトTNFαから解離する;配列番号3のアミノ酸配列または(1位、4位、5位、7位もしくは8位にて単一アラニン置換によりまたは1位、3位、4位、6位、7位、8位および/もしくは9位にて1から5の保存的アミノ酸置換により)配列番号3から改変されたアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3ドメインを有する;ならびに配列番号4のアミノ酸配列または(2位、3位、4位、5位、6位、8位、9位、10位もしくは11位にて単一アラニン置換によりまたは2位、3位、4位、5位、6位、8位、9位、10位、11位および/もしくは12位にて1から5の保存的アミノ酸置換により)配列番号4から改変されたアミノ酸配列を含む重鎖CDR3ドメインを有する。
一実施形態では、ヒト抗TNFα抗体またはその抗原結合部分は、配列番号1のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(LCVR)および配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(HCVR)を有する単離ヒト抗体である。
本発明の異なる態様の下で記載するものを含む、本明細書に記載する本発明の全ての実施形態は、不適当または明示的に放棄しない限り、任意のその他の実施形態と組み合わせることができることが企図される。
OPTIMA研究の設計を示す図である。 26週目にACR20、ACR50およびACR70応答を達成した対象についての処置群間(アダリムマブ+メトトレキセート対プラセボ+メトトレキセート)の、HLA−DRB1 SE対立遺伝子の存在による、百分率点の違いを示すグラフである。 26週目にLDAおよび寛解についてのDAS28基準を満たした対象についての処置群間(アダリムマブ+メトトレキセート対プラセボ+メトトレキセート)の、HLA−DRB1 SE対立遺伝子の存在による、百分率点の違いを示すグラフである。 26週目にACR20、ACR50およびACR70応答を達成した対象についての処置群間(アダリムマブ+メトトレキセート対プラセボ+メトトレキセート)の、IL−4対立遺伝子(AA、AGまたはGG)の存在による、百分率点の違いを示すグラフである。 26週目にLDAおよび寛解についてのDAS28基準を満たした対象についての処置群間(アダリムマブ+メトトレキセート対プラセボ+メトトレキセート)の、IL−4対立遺伝子(AA、AGまたはGG)の存在による、百分率点の違いを示すグラフである。 SEコピー数による、26週目にACR50およびDAS28を達成したIL−4R−AAを有するアダリムマブ処置患者の百分率を示す棒グラフである。 SEコピー数による、26週目にACR50およびDAS28を達成したIL−4R−AGを有するアダリムマブ処置患者の百分率を示す棒グラフである。 SEコピー数による、26週目にACR50およびDAS28を達成したIL−4R−GGを有するアダリムマブ処置患者の百分率を示すグラフである。 遺伝子型による、DAS28低疾患活動性を有する患者の百分率を示す棒グラフである。
定義
本発明がより容易に理解されるために、あるいくつかの用語をまず定義する。
「ヒトTNFα」(本明細書でhTNFαまたは単純にhTNFと省略する。)という用語は、本明細書で用いる場合、17kDの分泌形および26kDの膜結合形として存在するヒトサイトカイン(その生物活性形は、非共有的に結合した17kD分子のトリマーで構成される。)を指すことを意図する。hTNFαの構造は、例えばPennica,D.ら(1984)Nature 312:724−729頁;Davis,J.M.ら(1987)Biochemistry 26:1322−1326頁;およびJones,E.Y.ら(1989)Nature 338:225−228頁にさらに記載されている。ヒトTNFαという用語は、一実施形態では、標準的組換え発現方法により調製できるまたは商業的に購入できる(R&D Systems、カタログ番号210−TA、Minneapolis、MN)組換えヒトTNFα(rhTNFα)を含むことを意図する。TNFαは、TNFまたはTNFaともいう。
「TNFα阻害剤」という用語は、TNFα活性に干渉する薬剤を含む。この用語は、本明細書に記載する抗TNFαヒト抗体および抗体部分ならびに米国特許第6,090,382号;第6,258,562号;第6,509,015号および米国特許出願公開第09/801185号および第10/302356号に記載されるもののそれぞれも含む。一実施形態では、本発明で用いるTNFα阻害剤は、インフリキシマブ(REMICADE(登録商標)、Johnson and Johnson;参照により本明細書に組み込む米国特許第5,656,272号に記載される。)、CDP571(ヒト化モノクローナル抗TNF−アルファIgG4抗体)、CDP870(ヒト化モノクローナル抗TNF−アルファ抗体断片;セルトリズマブペゴールまたはCIMZIA(登録商標);UCB Group)、抗TNF dAb(Peptech)、CNTO148(ゴリムマブ;MedarexおよびCentocor、WO02/12502を参照されたい。)およびアダリムマブ(HUMIRA(登録商標)、Abbott Laboratories、ヒト抗TNF mAb、US6,090,382にD2E7として記載される。)を含む抗TNFα抗体またはその断片である。本発明で用い得る追加のTNF抗体は、それぞれを参照により本明細書に組み込む米国特許第6,593,458号;第6,498,237号;第6,451,983号;および第6,448,380号に記載される。別の実施形態では、TNFα阻害剤は、TNF融合タンパク質、例えばエタネルセプト(ENBREL(登録商標)、Amgen;参照により本明細書に組み込むWO91/03553およびWO09/406476に記載される。)である。別の実施形態では、TNFα阻害剤は、組換えTNF結合タンパク質(r−TBP−I)(Serono)である。
「抗体」という用語は、本明細書で用いる場合、4つのポリペプチド鎖、すなわちジスルフィド結合により相互に連結された2つの重鎖(H)および2つの軽鎖(L)を含む免疫グロブリン分子を指すことを意図する。各重鎖は、重鎖可変領域(本明細書でHCVRまたはVHと省略する。)および重鎖定常領域を含む。重鎖定常領域は、3つのドメイン、すなわちCH1、CH2およびCH3を含む。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書でLCVRまたはVLと省略する。)および軽鎖定常領域を含む。軽鎖定常領域は、1つのドメイン、すなわちCLを含む。VHおよびVL領域は、フレームワーク領域(FR)と称するより保存された領域が散在する相補性決定領域(CDR)と称する超可変性の領域にさらに細分化できる。各VHおよびVLは、以下の順序:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4でアミノ末端からカルボキシル末端まで配置された3つのCDRおよび4つのFRを含む。本発明の抗体は、それぞれの全体を参照により本明細書に組み込む米国特許第6,090,382号;第6,258,562号;および第6,509,015号にさらに詳細に記載されている。
抗体の「抗原結合部分」または「抗原結合断片」(または単純に「抗体部分」)という用語は、本明細書で用いる場合、抗原(例えばhTNFα)と特異的に結合する能力を保持する抗体の1つ以上の断片を指す。抗体の抗原結合機能は、全長抗体の断片により行うことができることが示されている。結合断片は、Fab、Fab’、F(ab’)、Fabc、Fv、単鎖および単鎖抗体を含む。抗体の「抗原結合部分」という用語に包含される結合断片の例は、(i)Fab断片、VL、VH、CLおよびCH1ドメインからなる1価断片;(ii)F(ab’)断片、ヒンジ領域にてジスルフィド結合により連結されている2つのFab断片を含む2価断片;(iii)VHおよびCH1ドメインからなるFd断片;(iv)抗体の単一の腕のVLおよびVHドメインからなるFv断片、(v)VHドメインからなるdAb断片(Wardら(1989)Nature 341:544−546頁);ならびに(vi)単離相補性決定領域(CDR)を含む。さらに、Fv断片の2つのドメインであるVLおよびVHは別々の遺伝子によりコードされるが、これらは、組換え法を用いて、これらのドメインをVLおよびVH領域が対形成して1価分子を形成している単一タンパク質鎖にすることを可能にする合成リンカーにより連結することができる(単鎖Fv(scFv)として既知;例えばBirdら(1988)Science 242:423−426頁;およびHustonら(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879−5883頁を参照されたい。)。このような単鎖抗体も、抗体の「抗原結合部分」という用語内に包含することを意図する。ダイアボディのような単鎖抗体のその他の形態も包含する。ダイアボディは、VHおよびVLドメインが単一ポリペプチド鎖上で、しかし同じ鎖上の2つのドメイン間の対形成を可能にするには短すぎるリンカーを用いて、そのことによりドメインが別の鎖の相補ドメインと対形成するように仕向け、2つの抗原結合部位を創出するように発現される2価の2重特異性抗体である(例えばHolligerら(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444−6448頁;Poljakら(1994)Structure 2:1121−1123頁を参照されたい。)。本発明の抗体部分は、それぞれの全体を参照により本明細書に組み込む米国特許第6,090,382号、第6,258,562号、第6,509,015号にさらに詳細に記載されている。
またさらに、抗体またはその抗原結合部分は、1もしくは複数のその他のタンパク質またはペプチドとの抗体または抗体部分の共有的または非共有的会合により形成された、より大きい免疫付着性分子の部分であり得る。このような免疫付着性分子の例は、テトラマーscFv分子を作製するためのストレプトアビジンコア領域の使用(Kipriyanov,S.M.ら(1995)Human Antibodies and Hybridomas 6:93−101頁)ならびに2価でビオチン化されたscFv分子を作製するためのシステイン残基、マーカーペプチドおよびC末端ポリヒスチジンタグの使用(Kipriyanov,S.M.ら(1994)Mol.Immunol.31:1047−1058頁)を含む。FabおよびF(ab’)断片のような抗体部分は、抗体全体のそれぞれパパインまたはペプシン消化のような従来の技術を用いて抗体全体から調製できる。さらに、抗体、抗体部分および免疫付着性分子は、本明細書に記載する標準的な組換えDNA技術を用いて得ることができる。
「保存的アミノ酸置換」は、本明細書で用いる場合、あるアミノ酸残基が、類似の側鎖を有する別のアミノ酸残基で置き換えられることである。塩基性側鎖(例えばリシン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えばアスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例えばグリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖(例えばアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、ベータ分岐側鎖(例えばトレオニン、バリン、イソロイシン)および芳香族側鎖(例えばチロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を含む、類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当該技術で定義されている。
「キメラ抗体」は、重鎖および軽鎖のアミノ酸配列のそれぞれの一部分が、特定の種に由来するまたは特定のクラスに属する抗体中の対応する配列と相同であるが、この鎖の残りのセグメントは、別の種からの対応する配列と相同である抗体を指す。一実施形態では、本発明は、軽鎖および重鎖の両方の可変領域が、哺乳動物のある種に由来する抗体の可変領域を模倣するが、定常部分は、別の種に由来する抗体中の配列と相同であるキメラ抗体または抗原結合断片を特徴とする。本発明の好ましい実施形態では、キメラ抗体は、マウス抗体からのCDRをヒト抗体のフレームワーク領域上に移植することにより作製される。
「ヒト化抗体」は、実質的にヒト抗体鎖(アクセプター免疫グロブリンまたは抗体という。)からの可変領域フレームワーク残基を含む少なくとも1つの鎖および実質的に非ヒト抗体(例えばマウス)からの少なくとも1つの相補性決定領域(CDR)を含む抗体を指す。CDRの移植に加えて、ヒト化抗体は、親和性および/または免疫原性を改善するためにさらなる変化を典型的に受ける。
「多価抗体」という用語は、1より多い抗原認識部位を含む抗体を指す。例えば、「2価」抗体は、2つの抗原認識部位を有し、「4価」抗体は、4つの抗原認識部位を有する。「単一特異性」、「2重特異性」、「3重特異性」、「4重特異性」などの用語は、多価抗体中に存在する異なる抗原認識部位特異性(抗原認識部位の数に対向して)の数を指す。例えば、「単一特異性」抗体の抗原認識部位は、全て同じエピトープと結合する。「2重特異性(bispecific)」または「2重特異性(dual specific)」抗体は、第1エピトープと結合する少なくとも1つの抗原認識部位および第1エピトープから異なる第2エピトープと結合する少なくとも1つの抗原認識部位を有する。「多価単一特異性」抗体は、全て同じエピトープと結合する複数の抗原認識部位を有する。「多価2重特異性」抗体は、そのいくつかの数のものは第1エピトープと結合し、そのいくつかの数のものは第1エピトープから異なる第2エピトープと結合する複数の抗原認識部位を有する。
「ヒト抗体」という用語は、本明細書で用いる場合、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する可変領域および定常領域を有する抗体を含むことを意図する。本発明のヒト抗体は、例えばCDR中、特にCDR3中に、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列によりコードされないアミノ酸残基(例えばランダムもしくは部位特異的突然変異誘発によりインビトロでまたは体細胞変異によりインビボで導入された変異)を含むことがある。しかし、「ヒト抗体」という用語は、本明細書で用いる場合、マウスのような別の哺乳類の種の生殖系列に由来するCDR配列がヒトフレームワーク配列上に移植された抗体を含むことを意図しない。
「組換えヒト抗体」という用語は、本明細書で用いる場合、宿主細胞にトランスフェクトされた組換え発現ベクターを用いて発現された抗体(以下にさらに記載する)、組換えコンビナトリアルヒト抗体ライブラリーから単離された抗体(以下にさらに記載する)、ヒト免疫グロブリン遺伝子についてトランスジェニックである動物(例えばマウス)から単離された抗体(例えばTaylorら(1992)Nucl.Acids Res.20:6287頁を参照されたい。)またはヒト免疫グロブリン遺伝子配列を他のDNA配列にスプライシングすることを含む任意のその他の手段により調製、発現、創出もしくは単離された抗体のような組換え手段により調製、発現、創出または単離された全てのヒト抗体を含むことを意図する。このような組換えヒト抗体は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する可変領域および定常領域を有する。ある実施形態では、しかし、このような組換えヒト抗体は、インビトロ突然変異誘発(またはヒトIg配列についてトランスジェニックな動物を用いる場合、インビボ体細胞突然変異誘発)に供され、よって組換え抗体のVHおよびVL領域のアミノ酸配列は、ヒト生殖系列VHおよびVL配列に由来し関連する一方で、ヒト抗体生殖系列レパートリー中にインビボで天然に存在しないことがある配列である。
このようなキメラ、ヒト化、ヒトおよび2重特異性抗体は、例えばPCT国際出願第PCT/US86/02269号;欧州特許出願第184,187号;欧州特許出願第171,496号;欧州特許出願第173,494号;PCT国際公開WO86/01533;米国特許第4,816,567号;欧州特許出願第125,023号;Betterら(1988)Science 240:1041−1043頁;Liuら(1987)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:3439−3443頁;Liuら(1987)J.Immunol.139:3521−3526頁;Sunら(1987)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:214−218頁;Nishimuraら(1987)Cancer Res.47:999−1005頁;Woodら(1985)Nature 314:446−449頁;Shawら(1988)J.Natl.Cancer Inst.80:1553−1559頁);Morrison(1985)Science 229:1202−1207頁;Oiら(1986)BioTechniques 4:214頁;米国特許第5,225,539号;Jonesら(1986)Nature 321:552−525頁;Verhoeyanら(1988年)Science 239:1534頁;およびBeidlerら(1988)J.Immunol.141:4053−4060頁、Queenら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:10029−10033頁(1989)、US5,530,101、US5,585,089、US5,693,761、US5,693,762、Selickら、WO90/07861ならびにWinter、US5,225,539に記載される方法を用いて、当該技術で既知の組換えDNA技術により生成できる。
「単離抗体」は、本明細書で用いる場合、異なる抗原特異性を有するその他の抗体を実質的に含まない抗体を指すことを意図する(例えばhTNFαと特異的に結合する単離抗体は、hTNFα以外の抗原と特異的に結合する抗体を実質的に含まない。)。hTNFαと特異的に結合する単離抗体は、しかし、他の種からのTNFα分子のようなその他の抗原に対する交差反応性を有することがある。さらに、単離抗体は、他の細胞性物質および/または化学物質を実質的に含まないことがある。
「中和抗体」(または「hTNFα活性を中和する抗体」)は、本明細書で用いる場合、hTNFαとの結合がhTNFαの生物活性の阻害をもたらす抗体を指すことを意図する。hTNFαの生物活性のこの阻害は、hTNFαにより誘導される細胞毒性(インビトロまたはインビボのいずれかで)、hTNFαにより誘導される細胞活性化およびhTNFα受容体とのhTNFαの結合のようなhTNFα生物活性の1つ以上の指標を測定することにより評価できる。hTNFα生物活性のこれらの指標は、当該技術において既知のいくつかの標準的なインビトロもしくはインビボアッセイの1つ以上により評価できる(米国特許第6,090,382号を参照されたい。)。好ましくは、hTNFα活性を中和する抗体の能力は、L929細胞のhTNFαにより誘導される細胞毒性の阻害により評価される。hTNFα活性の追加または代替のパラメータとして、HUVEC上のELAM−1のhTNFαにより誘導される発現を阻害する抗体の能力を、hTNFαにより誘導される細胞活性化の指標として評価できる。
「表面プラズモン共鳴」という用語は、本明細書で用いる場合、例えばBIAcoreシステム(Pharmacia Biosensor AB、Uppsala、SwedenおよびPiscataway、NJ)を用いるバイオセンサマトリックス内のタンパク質濃度の変化の検出によりリアルタイム生体分子特異的相互作用の分析を可能にする光学的現象を指す。さらなる説明のために、米国特許第6,258,562号の実施例1ならびにJonssonら(1993)Ann.Biol.Clin.51:19頁;Jonssonら(1991)Biotechniques 11:620−627頁;Johnssonら(1995)J.Mol.Recognit.8:125頁;およびJohnnsonら(1991)Anal.Biochem.198:268頁を参照されたい。
「koff」という用語は、本明細書で用いる場合、抗体/抗原複合体からの抗体の解離についての脱離速度定数を指すことを意図する。
「K」という用語は、本明細書で用いる場合、特定の抗体−抗原相互作用の解離定数を指すことを意図する。
「IC50」という用語は、本明細書で用いる場合、対象の生物学的終点を阻害する、例えば細胞毒性活性を中和するために要求される阻害剤の濃度を指すことを意図する。
「用量」という用語は、本明細書で用いる場合、対象に投与されるTNFα阻害剤の量を指す。
「投薬」という用語は、本明細書で用いる場合、治療上の目的(例えば関節リウマチの処置)を達成するための物質(例えば抗TNFα抗体)の投与を指す。
「投薬計画」は、TNFα阻害剤についての処置予定、例えば長期間にわたるおよび/または処置の経過を通しての、例えば第1用量のTNFα阻害剤を第0週に、その後、第2用量のTNFα阻害剤を隔週投薬計画で投与する処置予定を記載する。
「隔週投薬計画」、「隔週投薬」および「隔週投与」という用語は、本明細書で用いる場合、治療上の目的を達成するために、例えば処置の経過を通じて物質(例えば抗TNFα抗体)を対象に投与する時間経過を指す。隔週投薬計画は、毎週投薬計画を含むことを意図しない。一実施形態では、物質は、9−19日毎、11−17日毎、13−15日毎および14日毎に投与される。一実施形態では、隔週投薬計画は、処置の第0週に対象において開始される。別の実施形態では、維持用量が隔週投薬計画で投与される。一実施形態では、負荷用量および維持用量が隔週投薬計画に従って投与される。一実施形態では、隔週投薬は、TNFα阻害剤の用量が対象に第0週に始まって1週間おきに投与される投薬計画を含む。一実施形態では、隔週投薬は、TNFα阻害剤の用量が対象に例えば4週間、8週間、16週間、24週間、26週間、32週間、36週間、42週間、48週間、52週間、56週間などの所定の期間連続して1週間おきに投与される投薬計画を含む。隔週投薬方法は、参照により本明細書に組み込むUS20030235585にも記載される。
「第2薬剤と組み合わせた第1薬剤」との句で用いられるような「組合せ」という用語は、例えば同じ薬学的に許容される担体中に溶解もしくは混ぜられていることがある第1薬剤および第2薬剤の同時投与または第1薬剤およびその後の第2薬剤の投与または第2薬剤およびその後の第1薬剤の投与を含む。本発明は、よって、組合せの治療上の処置の方法および組合せ医薬組成物を含む。
「随伴性の治療上の処置」との句で用いられるような「随伴性」という用語は、ある薬剤を第2薬剤の存在下で投与することを含む。随伴性の治療上の処置の方法は、第1、第2、第3またはさらなる薬剤が同時投与される方法を含む。随伴性の治療上の処置の方法は、第1またはさらなる薬剤が第2またはさらなる薬剤の存在下で投与され、第2またはさらなる薬剤が、例えば以前に投与され得る方法も含む。随伴性の治療上の処置の方法は、異なる行為者により段階様式で行われることがある。例えば、ある行為者は第1薬剤を対象に投与し、第2行為者は第2薬剤を対象に投与してよく、投与ステップは、第1薬剤(およびさらなる薬剤)が第2薬剤(およびさらなる薬剤)の存在下で後投与される限り、同時、ほぼ同時または離れた時間で行われることがある。行為者および対象は、同じ実体(例えばヒト)であってよい。
「併用療法」という用語は、本明細書で用いる場合、2つ以上の治療用物質、例えば抗TNFα抗体および別の薬物の投与を指す。他の薬剤(複数可)は、抗TNFα抗体の投与に随伴して、その前にまたはその後に投与されることがある。
用語「処置」は、本発明の状況内で用いる場合、関節リウマチの処置のための治療上の処置および予防的または抑制的措置を含むことを意味する。例えば、処置という用語は、関節リウマチの発症の前または後のTNFα阻害剤の投与により、疾患または障害の徴候を妨げるまたは除去することを含み得る。別の例として、関節リウマチの臨床上の出現の後の、関節リウマチに伴う症状ならびに/または合併症および障害と闘うためのTNFα阻害剤の投与は、疾患の「処置」を含む。さらに、投与が疾患または障害の臨床パラメータおよびおそらく疾患の改善に影響する、発症後で臨床上の症状および/または合併症が発展した後の薬剤の投与は、関節リウマチの「処置」を含む。一実施形態では、対象における関節リウマチの処置は、徴候および症状を低減することを含む。別の実施形態では、対象における関節リウマチの処置は、関節リウマチの主な臨床応答を誘導することを含む。別の実施形態では、対象における関節リウマチの処置は、構造的損傷の進行を阻害することを含む。一実施形態では、関節リウマチの処置は、中等度から重度に活動的な疾患を有する成人患者における生理的機能を改善することを含む。
「処置を必要とする」ものは、疾患または障害を妨げようとするものを含む関節リウマチを既に有するヒトのような哺乳動物を含む。
本発明の方法および組成物で用いるTNFα阻害剤は、TNFα活性に干渉する任意の薬剤を含む。好ましい実施形態では、TNFα阻害剤は、TNFα活性、特に関節リウマチおよび関連する合併症および症状に伴う有害なTNFα活性を中和できる。
一実施形態では、本発明で用いるTNFα阻害剤は、キメラ、ヒト化およびヒト抗体を含むTNFα抗体(本明細書でTNFα抗体ともいう。)またはその抗原結合断片である。本発明で用い得るTNFα抗体の例は、それらに限定されないが、インフリキシマブ(REMICADE(登録商標)、Johnson and Johnson;参照により本明細書に組み込む米国特許第5,656,272号に記載される。)、CDP571(ヒト化モノクローナル抗TNF−アルファIgG4抗体)、CDP870(ヒト化モノクローナル抗TNF−アルファ抗体断片)、抗TNF dAb(Peptech)、CNTO148(ゴリムマブ;MedarexおよびCentocor、WO02/12502を参照されたい。)およびアダリムマブ(HUMIRA(登録商標)、Abbott Laboratories、ヒト抗TNF mAb、US6,090,382にD2E7として記載される。)を含む。本発明で用い得るさらなるTNF抗体は、それぞれを参照により本明細書に組み込む米国特許第6,593,458号;第6,498,237号;第6,451,983号;および第6,448,380号に記載される。
本発明の方法および組成物で用い得るTNFα阻害剤のその他の例は、エタネルセプト(Enbrel、WO91/03553およびWO09/406476に記載される。)、可溶性TNF受容体I型、peg化可溶性TNF受容体I型(PEGs TNF−R1)、p55 TNFR IgG(Lenercept)および組換えTNF結合タンパク質(r−TBP−I)(Serono)を含む。
一実施形態では、「TNFα阻害剤」という用語は、インフリキシマブを除外する。一実施形態では、「TNFα阻害剤」という用語は、アダリムマブを除外する。別の実施形態では、「TNFα阻害剤」という用語は、アダリムマブおよびインフリキシマブを除外する。
一実施形態では、「TNFα阻害剤」という用語は、エタネルセプトならびに場合によってアダリムマブ、インフリキシマブならびにアダリムマブおよびインフリキシマブを除外する。
一実施形態では、「TNFα抗体」という用語は、インフリキシマブを除外する。一実施形態では、「TNFα抗体」という用語は、アダリムマブを除外する。別の実施形態では、「TNFα抗体」という用語は、アダリムマブおよびインフリキシマブを除外する。
本明細書で用いる場合、「患者」という用語は、それに対する処置が所望される任意の単一の動物、より好ましくは哺乳動物(ヒトならびに例えばイヌ、ネコ、ウマ、ウサギ、動物園動物、ウシ、ブタ、ヒツジおよび非ヒト霊長類のような非ヒト動物を含む。)を指す。最も好ましくは、本明細書における患者はヒトである。
本明細書で用いる場合、「対象」は、例えば新しく診断されたもしくは以前に診断され、再発もしくは再燃を現在経験しているまたは原因に関係なくRAについての危険性があるいずれかでの、RAの1つ以上の徴候、症状もしくはその他の指標を経験しているかまたは経験したことがある、処置されるのに適格な患者を含む任意の単一のヒト対象である。対象として含むことを意図するものは、いずれの疾患の臨床徴候も示さない臨床研究試験に参加した任意の対象または疫学調査に参加した対象または対照として一旦用いられた対象である。対象は、TNFa阻害剤を含むRA用の医薬品を用いて以前に処置されたことがあるかまたはそのように処置されたことがない。
「キット」は、少なくとも1つの試薬、例えばRAの処置用の医薬品または本発明のバイオマーカー遺伝子もしくはタンパク質を特異的に検出するためのプローブを含む任意の製造物品(例えば包装または容器)である。製造物品は、好ましくは、本発明の方法を行うための単位として販売促進、流通または販売される。
「試料」という用語は、全般的に、個体、体液、体組織、株化細胞、組織培養またはその他の供給源から得られた任意の生体試料を意味する。体液は、例えばリンパ液、血清、新鮮全血、末梢血単核細胞、凍結全血、血漿(新鮮または凍結を含む。)、尿、唾液、***、滑液および髄液である。試料は、滑膜組織、皮膚、毛包および骨髄も含む。組織生検および体液を哺乳動物から得るための方法は、当該技術において公知である。「試料」という用語が単独で用いられる場合、これは、「試料」が「生体試料」であることをまだ意味し、すなわちこれらの用語は交換可能に用いられる。「遺伝子試料」は、核酸、特にDNAのような遺伝子材料を含有する試料である。典型的に、遺伝子材料は、従来の手段により試料から抽出し、多型および対立遺伝子について分析して、バイオマーカーの存在または発現を決定できる。遺伝子試料は、血液およびその他の体液ならびに組織および細胞を含む。
「決定する」および「評価する」との動詞は、同じ意味を有し、本出願を通じて交換可能に用いられる。
本発明の実施形態で用いる遺伝子マーカー
本発明は、関節リウマチを有する対象が例えばアダリムマブのようなヒト抗TNFa抗体を含むTNFα阻害剤を用いる処置に対して応答性であるかを評価するための3つの遺伝子マーカー、すなわちHLA−DRB1 SE対立遺伝子、IL−4R I50V一塩基多型(SNP)および/またはFcγRIIb I232T SNP(単独または互いの組合せで用いられる。)を提供する。
本明細書で用いる場合、配列中の個別のアミノ酸は、ANまたはNAまたはANA(ここで、Aは配列中のアミノ酸であり、Nは配列中の位置である。)として表される。例えば、I50Vは、アミノ酸50位での一アミノ酸多型を表し、ここで、イソロイシン(I)が集団中のより頻度が高いタンパク質バリアント中に存在し、バリン(V)がより頻度が低いバリアント中に存在する。別の例では、I50は、50位でのイソロイシンを表す。
HLA−DRB1共有エピトープ(SE)
HLA−DRB1共有エピトープ(HLA−DRB1 SE)対立遺伝子は、RA易罹患性の1/3を担うとしておよび疾患活動性の調節に関連付けられている遺伝因子である(Calin Aら、Arthritis Rheum.32:1221−5頁(1989)を参照されたい。)。HLA−DRB1 SE対立遺伝子は、HLA−DRB1対立遺伝子の第3超可変領域内の70−74位での配列類似性のために、集合的に、「共有エピトープ」(SE)対立遺伝子という(Gregersenら、Arthritis Rheum.、30:1205−1213頁(1987))。HLA−DRB1のヌクレオチドおよびアミノ酸配列は既知であり、例えばGenBank受託番号NM_002124.2およびNP_002115(これらの内容全体を参照により本明細書に組み込む。)で見出すことができる。HLA−DRB1 SE対立遺伝子内で最もよく保存されたアミノ酸配列は、72−74位の「RAA」である。一実施形態では、本発明の方法および組成物で用いるために適切なHLA−DRB1 SE対立遺伝子は、HLA−DRB10101(QRRAA)(配列番号43)、0102(QRRAA)(配列番号44)、0103(DERAA)(配列番号45)、03(QKRGR)(配列番号46)、0401(QKRAA)(配列番号47)、0402(DERAA)(配列番号48)、0403(QRRAE)(配列番号49)、0404(QRRAA)(配列番号50)、0405(QRRAA)(配列番号51)、0407(QRRAE)(配列番号52)、0408(QRRAA)(配列番号53)、0411(QRRAE)(配列番号54)、07(DRRGQ)(配列番号55)、08(DRRAL)(配列番号56)、0901(RRRAE)(配列番号57)、1001(RRRAA)(配列番号58)、1101(DRRAA)(配列番号59)、1102(DERAA)(配列番号60)、1103(DERAA)(配列番号61)、1104(DRRAA)(配列番号62)、12(DRRAA)(配列番号63)、1301(DERAA)(配列番号64);1302(DERAA)(配列番号65);1303(DKRAA)(配列番号66)、1323(DERAA)(配列番号67)、1401(RRRAA)(配列番号68)、1402(QRRAA)(配列番号69)、1404(RRRAE)(配列番号70)、15(QARAA)(配列番号71)および16(DRRAA)(配列番号72)の1つ以上である(例えば Essentials of Genomic and Personalized Medicine、G.GinsbergおよびH.Willard編(2010)Academic Press、San Diego、CA、553頁(この内容を参照により本明細書に明示的に組み込む。)を参照されたい;HLA−DRB1 SE対立遺伝子の後の括弧内に示すアミノ酸残基は、NP_002115の残基70−74に相当する。)。別の実施形態では、本発明の方法で用いるために適切なHLA−DRB1 SE対立遺伝子は、01、例えば0101、0102および0103、04、例えば0401、0402、0403、0404、0405、0407、0408および0411、1001ならびに14、例えば1401、1402および1404の1つ以上である。
IL−4R
インターロイキン4受容体(IL−4R)は、免疫応答の調節において役割を演じる多機能性サイトカインである(Nelmsら(1999)Ann Rev Immunol 17:701頁)。IL−4R I50V(A→G[I50V])一塩基多型(SNP)は、初期の関節糜爛と関連する遺伝子マーカーである(Prots I.ら、Arthritis Rheum.54:1491−500頁(2006)を参照されたい。)。「IL−4R I50V一塩基多型」または「IL−4R I50V SNP」は、本明細書で用いる場合、IL−4Rのアミノ酸配列の50位での変動を指す。この対立遺伝子変動は、イソロイシンをバリンに変化させ、これは、対応するポリヌクレオチドのAからGへの対応するコードされる遺伝子中の変動により引き起こされる。IL−4Rのヌクレオチドおよびアミノ酸配列は既知であり、例えばGenBank受託番号NM_000418.2、NM_001008699、NP_000409.1およびNP_001008699.1(これらの内容全体を参照により本明細書に組み込む。)で見出すことができる。IL−4Rの核酸およびアミノ酸配列も、参照により本明細書に組み込む米国特許第7205106号で見出すことができる。成熟IL−4Rタンパク質のアミノ酸および核酸配列も、以下に配列番号38および39として示す。
Figure 2013518590
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FcγRIIb
Fcγ受容体IIb(FcγRIIb;CD32またはFCGR2Bともいう)は、免疫複合体の食作用およびB細胞による抗体生成の調節に関与する。FcγRIIb I232T(T→C[I232T])SNPは、限局的なびらん性疾患およびループスのようなその他の疾患の患者における急速な放射線学的関節損傷と関連する(RadstakeらArthritis Rheum.54:3828−37頁(2006);Konoら(2005)Hum Mol Genetic 14:2881頁を参照されたい。)。「FcγRIIb I232T一塩基多型」または「FcγRIIb I232T SNP」は、本明細書で用いる場合、FcγRIIbのアミノ酸配列の232位での変動を指す。この対立遺伝子変動は、イソロイシンをトレオニンに変化させ、これは、対応するポリヌクレオチドのTからCへの対応するコード化遺伝子中の変動により引き起こされる。FcγRIIbのヌクレオチドおよびアミノ酸配列は既知であり、例えばGenBank受託番号NM_001002273.2、NM_001002274.2、NM_001002275.2、NM_001190828.1、NM_004001.4、NP_001002273.1、NP_001002274.1、NP_001002275.1、NP_001177757.1、NP_003992.3(これらの内容全体を参照により本明細書に組み込む。)で見出すことができる。FcγRIIbの例示的なアミノ酸およびヌクレオチド配列は、以下にそれぞれ配列番号40および41として示す。
Figure 2013518590
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診断法
一態様では、本発明は、抗TNFα阻害剤に対する関節リウマチを有するまたは有する傾向がある対象の応答性を予測または評価するための方法を提供する。これらの方法は、対象から得られた生体試料中のHLA−DRB1 SE、IL−4R I50V SNPおよび/またはFcγRIIb I232T SNPの存在もしくは不在(例えばコピー数)を決定することを全般的に含み、試料中の特定の対立遺伝子(複数可)の存在は、対象がTNFa阻害剤を用いる処置に対して応答することを示す。
一実施形態では、本明細書に記載するおよび当該技術で既知の方法を用いて、対象からの試料は、SNPに関連する一方または両方の対立遺伝子の存在について試験できる。例えば、対象の試料は、IL−4R I50対立遺伝子(または代わりにIL−4R V50対立遺伝子)の存在について試験して、対象がAA(I50I)、AG(I50V)またはGG(V50V)遺伝子型を有するかおよびそれにより対象がTNFa阻害剤を用いる処置に対して応答性であるかを決定できる。同様に、対象の試料は、FcγRIIb I232対立遺伝子(または代わりにFcγRIIb T232対立遺伝子)の存在について試験して、対象がTT(I232I)、TC(I232T)またはCC(T232T)遺伝子型を有するかおよびそれにより対象がTNFa阻害剤を用いる処置に対して応答性であるかを決定できる。以下に記載するようにSNPの検出とは、対象がどの対立遺伝子(複数可)を有するかを決定することを指す。
一実施形態では、本明細書に記載するおよび当該技術で既知の方法を用いて、対象からの試料は、HLA−DRB1 SE対立遺伝子の存在について試験できる。例えば、対象からの試料は、例えばDNAまたはタンパク質中のHLA−DRB1のSE領域の存在について試験できる。試料は、0のSE対立遺伝子カウントに等しいHLA−DRB1 SE対立遺伝子の不在についても試験できることに注意すべきである。
HLA−DRB1 SE対立遺伝子、IL−4R I50V SNPおよび/またはFcγRIIb I232T SNPの検出は、本明細書に記載する方法を用いてならびに/または商業的に入手可能なキットおよび/もしくは当該技術において公知の技術のいずれかを用いて達成できる。例えば、添付の実施例に記載するように、Protrans S4配列決定キット(Medipro)を用いる高解像度タイピングは、患者がHLA−DRB1 SEホモ接合性またはヘテロ接合性のいずれを有するかを決定するために用いてよく、Assay−on−Demand(Applied Biosystems)を用いる対立遺伝子特異的PCRは、IL−4R(AからG[I50V])SNPを決定するために用い、Assay−by−Design(Applied Biosystems)を用いる対立遺伝子特異的PCRは、FcγRIIb(TからC[I232T])バリアントを決定するために用いた。
遺伝子マーカー(SEおよび/または多型)を検出するための方法は、対象からの試料中のSNPもしくはSEの存在および/または発現を調べるプロトコールを含む。生体試料中のHLA−DRB1 SE対立遺伝子、IL−4R I50および/もしくはV50対立遺伝子(つまりI50V多型を区別する。)ならびに/またはFcγRIIb I232対立遺伝子および/もしくはT232対立遺伝子(つまりI232T多型を区別する。)の存在または不在を決定することも、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅反応、逆転写酵素PCR分析、1本鎖高次構造多型分析(SSCP)、ミスマッチ切断検出、ヘテロ2重鎖分析、サザンブロット分析、ウェスタンブロット分析、デオキシリボ核酸配列決定、制限断片長多型分析、ハプロタイプ分析、血清型検査およびそれらの組合せもしくは部分的組合せのような任意のその他の公知の技術を用いて達成できる。
例えば、組織または細胞試料を含むこのような試料は、例えば遺伝子マーカーmRNAまたはDNAについて、例えばノザンブロット法、サザンブロット法、ドットブロット、PCR分析、アレイハイブリダイゼーション、RNアーゼプロテクションアッセイ、FISH法、CGH法、RNAチップ法またはDNA SNPチップマイクロアレイ(例えばAffymetrixのマイクロアレイシステムまたはIlluminaのBeadArray技術)のようなDNAチップ法を用いて簡便にアッセイできる。DNAマイクロアレイスナップショットを含むDNA SNPチップマイクロアレイは、商業的に利用可能である。一実施形態では、本発明の方法およびキットは、マイクロアレイ分析を用いて実施される。一実施形態では、本発明の方法は、HLA−DRB1 SE、FcγRIIb I232T SNPおよび/もしくはIL−4R I50V SNPについて特異的な核酸プローブを含む遺伝子チップまたはDNAマイクロアレイを用いて行う。
例えば、mRNA試料は、対象から得て(例えば標準的な方法により末梢血単核細胞から単離する。)、mRNA試料中のHLA−DRB1 SE対立遺伝子、IL−4R I50および/もしくはV50対立遺伝子ならびに/またはFcγRIIb I232および/もしくはT232対立遺伝子をコードするmRNA(複数可)の発現は、PCR分析のような標準的な分子生物学技術を用いて検出できる。PCR分析の好ましい方法は、逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)である。mRNA試料分析のためのその他の適切な系は、マイクロアレイ分析を含む(例えばAffymetrixのマイクロアレイシステムまたはIlluminaのBeadArray技術を用いて)。
例えば、定量PCRアッセイのようなリアルタイムPCR(RT−PCR)アッセイは、本明細書に記載するバイオマーカーの存在または不在を検出するために用いてもよく、このような方法は、当該技術において公知である。本発明の例証となる実施形態では、生体試料中のFcγRIIb I232T SNP mRNAを検出するための方法は、少なくとも1つのプライマーを用いる逆転写により試料からcDNAを生成すること、このようにして生成されたcDNAを、センスおよびアンチセンスプライマーとしてFcγRIIb I232T SNPポリヌクレオチドを用いて増幅して、その中のFcγRIIb I232T SNP cDNAを増幅することおよび増幅されたFcγRIIb I232T SNP cDNAの存在を検出することを含む。さらに、このような方法は、生体試料中のFcγRIIb I232T SNP mRNAのレベルを決定することを可能にする1つ以上のステップを含むことができる(例えばアクチンファミリーメンバーのような「ハウスキーピング」遺伝子の比較対照mRNA配列のレベルを同時に調べることにより)。場合によって、増幅されたFcγRIIb I232T SNP cDNAの配列を決定できる。
具体的な一実施形態では、IL−4RI50VまたはFcγRIIb I232T多型の遺伝子型決定は、RT−PCR技術により、TAQMAN(商標)5’−対立遺伝子弁別アッセイ、制限断片長多型のPCRに基づく分析またはPYROSEQUENCER(商標)装置を用いて行うことができる。さらに、参照により組み込む米国特許第7,175,985号に示される遺伝子変動または多型を検出する方法を用いてよい。この方法では、核酸は、次の回の相補鎖合成のための起源と同じ鎖のヌクレオチド配列として存在する標的ヌクレオチド配列の特定の領域上のハイブリダイズした3’端(これは、相補鎖合成により合成される。)を利用して合成される。
PCRのために用いるプローブは、例えば放射性同位体、蛍光化合物、生物発光化合物、化学発光化合物、金属キレート化剤または酵素のような検出可能マーカーで標識されることがある。このようなプローブおよびプライマーは、試料中のSNPまたはSEポリヌクレオチドの存在を検出するためおよびSEまたはSNPタンパク質を発現する細胞を検出するための手段として用いることができる。当業者により理解されるように、非常に多くの異なるプライマーおよびプローブを、本明細書に示す配列に基づいて調製し、SNPもしくはSE mRNAを増幅する、クローニングするならびに/またはその存在および/もしくはレベルを決定するために効果的に用いることができる。
本発明の遺伝子マーカーまたはその部分のいずれも、試料中のSNPもしくはSEの存在または不在を決定するために配列決定してよい。例えば米国特許第5,075,216号、Engelkeら(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.85、544−548頁およびWongら(1987)Nature 330、384−386頁;MaximおよびGilbert(1977)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.74:560頁;またはSanger(1977)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.74:5463頁に記載される方法のようなHLA−DRB1 SE対立遺伝子、IL−4R I50および/もしくはV50対立遺伝子ならびに/またはFcγRIIb I232および/もしくはT232対立遺伝子の一方または両方の鎖を配列決定するための公知の方法のいずれも、本発明の方法において用いてよい。さらに、多様な自動化配列決定手順のいずれも利用できる。例えば、質量分析による配列決定を含むNaeve,C.W.ら(1995)Biotechniques 19:448頁を参照されたい(例えばPCT国際公開WO94/16101;Cohenら(1996)Adv.Chromatogr.36:127−162頁;およびGriffinら(1993)Appl.Biochem.Biotechnol.38:147−159頁を参照されたい。)。一実施形態では、対象の試料からのHLA−DRB1 SE対立遺伝子は、直接配列決定して、対象が少なくとも1コピーのHLA−DRB1 SE対立遺伝子を有するかを決定する。
上記のように、HLA−DRB1 SE対立遺伝子、IL−4R I50対立遺伝子および/もしくはIL−4R V50対立遺伝子ならびに/またはFcγRIIb I232もしくはT232対立遺伝子の存在または不在を決定することは、例えば制限断片長多型分析を含んでよい。制限断片長多型分析(RFLPS)は、制限酵素部位での変化に基づく。さらに、配列特異的リボザイムの使用(例えば米国特許第5,498,531号を参照されたい。)は、特異的リボザイム切断部位の存在について評点するために用いてよい。
HLA−DRB1 SE対立遺伝子、IL−4R I50対立遺伝子、V50対立遺伝子および/またはFcγRIIb I232対立遺伝子もしくはT232対立遺伝子の存在または不在を決定するための別の技術は、例えばWallaceら(1981)Nucl.Acids Res.9、879−894頁に記載されるように、分析されるDNAセグメント(標的DNA)を、標識された相補オリゴヌクレオチドプローブとハイブリダイズさせることを含む。単一の塩基対ミスマッチを含有するDNA2重鎖さえ高い熱的不安定性を示すので、示差融解温度は、プローブと完全に相補的な標的DNAを、単一ヌクレオチドだけが異なる標的DNAから区別するために用いることができる。この方法は、例えば米国特許第4,683,194号に記載されるように、特定の制限部位の存在または不在を検出するように適応されている。この方法は、標的DNAとハイブリダイズする制限部位にまたがる端標識オリゴヌクレオチドプローブを用いることを含む。DNAのハイブリダイズした2重鎖は、次いで、その部位について適当な制限酵素とインキュベートされる。再形成された制限部位は、制限エンドヌクレアーゼを用いることによるプローブと標的との間の2重鎖の対における消化により切断される。特定の制限部位は、短くされたプローブ分子が検出される場合、標的DNA中に存在する。
HLA−DRB1 SE対立遺伝子、IL−4R I50および/もしくはV50対立遺伝子ならびに/またはFcγRIIb I232対立遺伝子および/もしくはT232対立遺伝子の存在または不在を決定するためのその他の方法は、切断剤からの保護を用いてRNA/RNAまたはRNA/DNAヘテロ2重鎖中のミスマッチ塩基を検出する方法を含む(例えばMyersら(1985)Science 230:1242頁に記載されるように)。全般的に、「ミスマッチ切断」の当該技術における技術は、多型配列を含有する(標識)RNAまたはDNAを試料から得られた多型である可能性があるRNAまたはDNAとハイブリダイズさせることにより形成されたヘテロ2重鎖を提供することにより開始される。2本鎖形成した2重鎖は、対照鎖および試料鎖の間の塩基対ミスマッチにより存在するもののような2重鎖の1本鎖領域を切断する薬剤を用いて処理される。例えば、RNA/DNA2重鎖はRNアーゼで処理し、DNA/DNAハイブリッドはS1ヌクレアーゼで処理して、ミスマッチ領域を酵素により消化できる。他の実施形態では、DNA/DNAまたはRNA/DNA2重鎖のいずれも、ミスマッチ領域を消化するために、ヒドロキシルアミンまたは四酸化オスミウムおよびピペリジンを用いて処理できる。ミスマッチ領域の消化の後に、得られた物質は、次いで、変性ポリアクリルアミドゲル上のサイズにより分離される。例えばCottonら(1988)Proc.Natl Acad Sci USA 85:4397頁;Saleebaら(1992)Methods Enzymol.217:286−295頁を参照されたい。好ましい実施形態では、対照DNAまたはRNAは、検出のために標識できる。
別の実施形態では、電気泳動移動度における変化は、HLA−DRB1 SE対立遺伝子、IL−4R I50および/もしくはV50対立遺伝子ならびに/またはFcγRIIb I232および/もしくはT232対立遺伝子の存在または不在を決定するために用いてよい。例えば、1本鎖高次構造多型(SSCP)は、様々なHLA−DRB1 SE、IL−4R I50Vおよび/またはFcγRIIb I232T対立遺伝子間の電気泳動移動度の差を検出するために用いてよい(例えばOritaら(1989)Proc Natl.Acad.Sci.USA:86:276頁;Cotton(1993)Mutat Res 285:125−144頁;およびHayashi(1992)Genet Anal Tech Appl 9:73−79頁に記載されるように)。試料および対照核酸の1本鎖DNA断片は、変性して、復元させることができる。1本鎖核酸の2次構造は、配列によって変動し、それによる電気泳動移動度の変化は、単一塩基変化の検出さえ可能にする。DNA断片は、標識できるまたは標識プローブを用いて検出できる。アッセイの感度は、2次構造が配列における変化に対してより感受性であるRNAを用いる(DNAよりもむしろ)ことにより増強できる。好ましい実施形態では、主題の方法は、ヘテロ2重鎖分析を利用して、電気泳動移動度の変化に基づいて2本鎖ヘテロ2重鎖分子を分離する(Keenら(1991)Trends Genet.7:5頁)。
なお別の実施形態では、変性剤の勾配を含有するポリアクリルアミドゲル中の核酸分子の移動は、変性勾配ゲル電気泳動(DGGE)を用いてアッセイされる(例えばMyersら(1985)Nature 313:495頁に記載されるように)。DGGEが分析の方法として用いられる場合、DNAは、それが完全に変性しないことを確実にするために、高融解温度GCリッチDNAの例えばおよそ40bpのGCクランプをPCRにより付加することにより改変できる。さらなる実施形態では、対照および試料DNAの移動度の差を同定するために、温度勾配が変性剤勾配の代わりに用いられる(RosenbaumおよびReissner(1987)Biophys Chem 265:12753頁)。
HLA−DRB1 SE対立遺伝子、IL−4R I50V SNPおよび/またはFcγRIIb I232T SNPの存在または不在を決定するためのその他の技術の例は、それらに限定されないが、選択的オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション、選択的増幅または選択的プライマー伸長を含む。例えば、多型領域が中央にあるオリゴヌクレオチドプライマーを調製し、次いで完全なマッチが見出される場合にのみハイブリダイゼーションを許容する条件下で標的DNAとハイブリダイゼーションさせることができる(Saikiら(1986)Nature 324:163頁;Saikiら(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:6230頁)。このような対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドは、PCRにより増幅された標的DNAまたはいくつかの異なる多型と、オリゴヌクレオチドがハイブリダイズメンブレンに付着し、標識された標的DNAとハイブリダイズする場合にハイブリダイズする。
HLA−DRB1 SE対立遺伝子、IL−4R I50V SNPおよび/またはFcγRIIb I232T SNPの存在または不在を決定するための別のプロセスは、標識オリゴヌクレオチドプライマーを鋳型RNAまたはDNAとハイブリダイズさせ、次いでDNAポリメラーゼおよびデオキシヌクレオシド三リン酸を用いてプライマーを鋳型の5’端まで伸長することからなるプライマー伸長プロセスである。標識プライマー伸長生成物の分割は、次いで、例えば変性ポリアクリルアミドゲルによる電気泳動によりサイズに基づいて分画することにより行われる。このプロセスは、相同DNAセグメントを比較し、ヌクレオチド挿入または欠失による差を検出するためにしばしば用いられる。ヌクレオチド置換による差は、サイズがプライマー伸長生成物を特徴づけるために用いられる唯一の基準であるので、検出されない。
さらに、このようなSNPの遺伝子型決定のための公知の方法(例えばDNA配列決定、ハイブリダイゼーション技術、PCRに基づくアッセイ、蛍光色素および消光剤に基づくPCRアッセイ(Taqman PCR検出システム)、RFLPに基づく技術、1本鎖高次構造多型(SSCP)、変性勾配ゲル電気泳動(DGGE)、温度勾配ゲル電気泳動(TGGE)、化学的ミスマッチ切断(CMC)、ヘテロ2重鎖分析に基づくシステム、質量分析に基づく技術、侵入型切断アッセイ、多型比率配列決定(PRS)、マイクロアレイ、ローリングサークル伸長アッセイ、HPLCに基づく技術、DHPLCに基づく技術、オリゴヌクレオチド伸長アッセイ(OLA)、伸長に基づくアッセイ(ARMS(増幅抵抗性変異システム)、ALEX(増幅抵抗性変異直鎖状伸長)、SBCE(一塩基鎖伸長)、分子ビーコンアッセイ、インベーダ(Third wave technologies)、リガーゼ鎖反応アッセイ、5’−ヌクレアーゼアッセイに基づく技術、ハイブリダイゼーションキャピラリーアレイ電気泳動(CAE)、ピロシーケンス、短縮タンパク質アッセイ(PTT)、イムノアッセイ、ハプロタイプ分析および固相ハイブリダイゼーション(ドットブロット、リバースドットブロット、チップ)のいずれも当該技術において非常によく知られており、例えばSiitari、Nucleic acid diagnostics market、Technology Review 125/2002、ISDN1239−758;Caplin(1999)Biochemica 1:5−8頁;Neville(2002)BioTechniques 32:34−43頁;Underhill(197)Genome Res 7:996−1005頁;Oefner(2000)J Chromatogr B Biomed Sci Appl 739:345−55頁および米国特許出願公開第20010049586号に記載され、本発明の方法において用いてよい。
HLA−DRB1 SE対立遺伝子、IL−4R I50V SNPおよび/またはFcγRIIb I232T SNPの存在または不在を決定するためのなお別の適切な方法は、例えばHLA−DRB1 SE対立遺伝子、IL−4R I50V SNPおよび/またはFcγRIIb I232T SNPについての商業的に入手可能な抗体をELISAアッセイにおいて用いる、対象からの生体試料の血清型検査である。
ある状況では、試料は、タンパク質レベルにてHLA−DRB1 SE対立遺伝子、IL−4R I50および/もしくはV50対立遺伝子ならびに/またはFcγRIIb I232および/もしくはT232対立遺伝子の発現について、マーカーのmRNAによりコードされるタンパク質生成物を検出する検出試薬を用いてアッセイしてよい。例えば、検出されるHLA−DRB1 SE対立遺伝子、IL−4R I50対立遺伝子もしくはIL−4R V50対立遺伝子および/またはFcγRIIb I232もしくはT232対立遺伝子のタンパク質生成物と特異的に結合し、他のタンパク質と結合しない抗体試薬が入手可能である場合、このような抗体試薬は、対象からの試料または試料に由来する調製物中のHLA−DRB1 SE対立遺伝子、IL−4R I50対立遺伝子もしくはV50対立遺伝子および/またはFcγRIIb I232もしくはT232対立遺伝子の発現を、FACS分析、ELISAなどのような当該技術において既知の標準的な抗体に基づく技術を用いて検出するために用いることができる。一実施形態では、抗体は、I50 IL−4R対立遺伝子およびV50 IL−4R対立遺伝子の2つのタンパク質生成物を区別できる。別の実施形態では、抗体は、FcγRIIb I232対立遺伝子およびFcγRIIb T232対立遺伝子の2つのタンパク質生成物を区別できる。一実施形態では、検出方法において用いられる抗体は、HLA−DB1タンパク質のアミノ酸70−74を同定でき、さらなる実施形態では、SEに特異的である。
関節リウマチを有するまたは有する傾向がある対象から得られたいずれの試料も、HLA−DRB1 SE対立遺伝子、IL−4R I50V SNPおよび/またはFcγRIIb I232T SNPの存在または不在を決定するために用いてよい。例えば、試料は、対象から得られた任意の流体またはその部分的な成分、例えば血液流体、嘔吐物、関節内流体、唾液、リンパ液、嚢胞液、尿、気管支洗浄により回収された流体、腹腔リンスにより回収された流体または婦人科の流体であってよい。典型的な状況では、流体は、対象から得られた血液試料またはその成分であってよい。試料は、対象から得られた任意の組織またはその断片もしくは部分的な成分、例えば骨、結合組織、軟骨、肺、肝臓、腎臓、筋肉組織、心臓、膵臓および皮膚であってもよい。
対象から試料を得るための技術または方法は当該技術において公知であり、例えば、口腔スワブもしくは洗口;採血;または生検採取により試料を得ることを含む。流体または組織試料の部分的な成分(例えば細胞またはRNAまたはDNA)を単離することは、当該技術において公知の技術および以下の実施例部分に記載するものを用いて遂行できる。
別の態様では、本発明は、対象に由来する生体試料を、試料中のHLA−DRB1 SE対立遺伝子、IL−4R I50V SNPおよび/またはFcγRIIb I232T SNPの存在または不在を検出できる薬剤と接触させることによりTNFα阻害剤に対する関節リウマチを有するまたは有する傾向がある対象の応答性を予測または評価するための方法に関係し、試料中のHLA−DRB1 SE対立遺伝子および/またはIL−4R I50対立遺伝子および/またはFcγRIIb−CC対立遺伝子(T232T)の存在は、対象がTNFα阻害剤に対して応答することを示し、それによりTNFα阻害剤に対する対象の応答性が予測または評価される。対象に由来する生体試料を、試料中のHLA−DRB1 SE対立遺伝子、IL−4R I50V SNPおよび/またはFcγRIIb I232T SNPの存在または不在を検出できる薬剤と接触させることにより、試料は、その元来の形態から、試料中のHLA−DRB1 SE対立遺伝子、IL−4R I50V SNPおよび/またはFcγRIIb I232T SNPの存在または不在の検出が達成できるように、ある様式で必然的に変形または変化される。生体試料と接触させる薬剤は、例えばPCR/配列決定プライマー(複数可)、試料中に存在するHLA−DRB1 SE対立遺伝子、IL−4R I50もしくはV50対立遺伝子および/またはFcγRIIb I232もしくはT232対立遺伝子を増幅および/または配列決定および/または標識するために適切なヌクレオチドならびに酵素(例えばHLA−DRB1 SE対立遺伝子(例えばアミノ酸70−74に対応する核酸配列)、IL−4R I50もしくはV50対立遺伝子(すなわちSNPを区別する領域)および/またはFcγRIIb I232もしくはT232対立遺伝子内の独特の領域)、試料中のHLA−DRB1 SE対立遺伝子を検出できる、IL−4R I50V SNPを区別できるおよび/またはFcγRIIb I232T SNPを区別できる抗体、制限酵素ならびに/またはマイクロアレイであってよい。
バイオマーカー発現レベルまたは存在の測定は、適切なプロセッサにより実行されるソフトウェアプログラムを用いることにより行ってよい。適切なソフトウェアおよびプロセッサは、当該技術において公知であり、商業的に入手可能である。プログラムは、CD−ROM、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードドライブ、DVDまたはプロセッサに付随するメモリのような有形媒体上に保存されたソフトウェアに組み入れられることがあるが、当業者は、プログラム全体またはその一部が、代わりに、プロセッサ以外のデバイスにより実行されるおよび/またはファームウェアに組み入れられるおよび/または公知の様式でハードウェアに割り当てられることができることを容易に認識する。
本明細書で同定される遺伝子またはそれらの発現生成物の発現レベルまたは存在の測定および対象がTNFa阻害剤を用いる処置に対して応答する可能性が高いまたは応答する可能性が高くないことの決定の後に、アッセイの結果、知見、診断、予測および/または推奨される処置は、記録して、例えば技術者、医師および/または患者に伝達してよい。ある実施形態では、コンピュータが、患者および/または担当医のような対象の関係者にこのような情報を伝達するために用いられる。いくつかの実施形態では、結果または診断を伝達する国または管轄区とは異なる国または管轄区でアッセイが行われるまたはアッセイ結果が分析される。
好ましい実施形態では、本明細書での1つ以上の遺伝子マーカーの試験対象における遺伝子マーカーの発現レベルもしくは存在に基づき診断、予測および/または推奨される処置は、アッセイが完了し、診断および/または予測が行われた後できるだけすぐに対象に伝達される。結果および/または関連する情報は、対象を処置する医師により対象に伝達されることがある。代わりに、結果は、書面、電子メールのような電子的伝達の形態または電話を含む任意の伝達手段により試験対象に直接伝達してよい。伝達は、電子メール伝達の場合のようにコンピュータの使用により容易になることがある。ある実施形態では、診断試験の結果および/または試験から得られた結論および/または試験に基づき推奨される処置を含む伝達は、電気通信学の当業者に知られるコンピュータハードウェアおよびソフトウェアの組合せを用いて行われ、対象に自動的に送達されることがある。健康管理主導の伝達システムの一例は、米国特許第6,283,761号に記載される。しかし、本発明は、この特定の伝達システムを利用する方法に限定されない。本発明の方法のある実施形態では、試料のアッセイ、疾患の診断およびアッセイの結果もしくは診断の伝達を含む方法ステップの全てまたはいくつかは、多様な(例えば外国の)管轄区において行われることがある。
TNFα阻害剤を用いる処置計画の選択および使用
関節リウマチ(RA)を有するまたは有する傾向がある対象におけるHLA−DRB1 SE対立遺伝子、IL−4R I50および/もしくはV50対立遺伝子ならびに/またはFcγRIIb I232および/もしくはT232対立遺伝子の存在または不在がTNFα阻害剤、例えばヒトTNFa抗体またはそれに限定されないがアダリムマブのようなその抗原結合部分を用いる処置に対する対象の応答性に影響するという観察結果に鑑みて、対象におけるHLA−DRB1 SE対立遺伝子、IL−4R I50および/もしくはV50対立遺伝子ならびに/またはFcγRIIb I232および/もしくはT232対立遺伝子の存在または不在に基づいて対象に適当な処置計画を選択できる。したがって、一実施形態では、本発明は、対象におけるHLA−DRB1 SE対立遺伝子、IL−4R I50および/もしくはV50対立遺伝子ならびに/またはFcγRIIb I232および/もしくはT232対立遺伝子の存在または不在に基づいてTNFα阻害剤を用いる処置計画を選択するための方法を提供する。別の態様では、方法は、対象における関節リウマチが処置されるように処置計画に従ってTNFα阻害剤を対象に投与することをさらに含む。別の態様では、方法は、対象における関節リウマチが処置されるように処置計画に従ってMTXおよびTNFα阻害剤の両方を対象に投与することをまださらに含む。
一態様では、本発明は、関節リウマチを有するまたは有する傾向がある対象におけるTNFα阻害剤、例えばヒトTNFa抗体またはそれに限定されないがアダリムマブのようなその抗原結合部分を用いる療法のための処置計画を選択するための方法を提供する。方法は、対象におけるHLA−DRB1 SE対立遺伝子、IL−4R I50および/もしくはV50対立遺伝子ならびに/またはFcγRIIb I232および/もしくはT232対立遺伝子の存在または不在(またはコピー数)を決定することおよび対象におけるHLA−DRB1 SE対立遺伝子、IL−4R I50および/もしくはV50対立遺伝子ならびに/またはFcγRIIb I232および/もしくはT232対立遺伝子の存在または不在(またはコピー数)に基づいて、TNFα阻害剤を用いる処置計画を選択することを含む。
一態様では、本発明は、対象がHLA−DRB1 SE対立遺伝子を有するかを決定することにより、TNFα阻害剤、例えばヒトTNFa抗体またはそれに限定されないがアダリムマブのようなその抗原結合部分を用いる処置に対する関節リウマチ(RA)を有する対象の応答性を予測する方法を提供する。一態様では、試料は、対象から得られ、HLA−DRB1 SE対立遺伝子の存在(または不在/またはコピー数)について評価される。別の態様では、本発明は、少なくとも1コピーのHLA−DRB1共有エピトープ(HLA−DRB1 SE)対立遺伝子が対象からの試料中に存在することを条件として、TNFa阻害剤を投与することにより、RAを有する対象を処置する方法を提供する。一実施形態では、対象からの試料は、少なくとも1コピーのHLA−DRB1共有エピトープ(HLA−DRB1 SE)対立遺伝子の存在について試験される。以下の実施例に記載するように、少なくとも1コピーのHLA−DRB1 SE対立遺伝子の存在は、対象がTNFα阻害剤を用いる処置に対して応答性であることを示す。
一態様では、本発明は、対象がFcγRIIb T232対立遺伝子を有するか(または代わりに対象がFcγRIIb I232対立遺伝子を有するか)を決定することにより、TNFα阻害剤、例えばヒトTNFa抗体またはそれに限定されないがアダリムマブのようなその抗原結合部分を用いる処置に対する関節リウマチ(RA)を有する対象の応答性を予測する方法を提供する。一態様では、試料は、対象から得られ、FcγRIIb T232対立遺伝子の存在(または不在/またはコピー数)(または代わりに対象がFcγRIIb I232対立遺伝子を有するか)について評価される。別の態様では、本発明は、2コピーのFcγRIIb T232対立遺伝子が対象からの試料中に存在することを条件として、TNFa阻害剤を投与することにより、RAを有する対象を処置する方法を提供する。以下の実施例に記載するように、FcγRIIb−CC対立遺伝子の存在は、対象がTNFα阻害剤を用いる処置に対して応答性であることを示す。
本発明の一実施形態では、RAを有する対象がTNFa阻害剤、例えばヒトTNFa抗体またはそれに限定されないがアダリムマブのようなその抗原結合部分を用いる処置に対して応答性であるかを決定するために、HLA−DRB1 SE対立遺伝子の存在(または不在/またはコピー数)は、FcγRIIb I232および/またはFcγRIIb T232対立遺伝子の存在と組み合わせて試験される。本発明の一実施形態では、RAを有する対象がTNFa阻害剤を用いる処置に対して応答性であるかを決定するために、HLA−DRB1 SE対立遺伝子の存在は、IL−4R I50および/またはIL−4R V50対立遺伝子の存在と組み合わせて試験される。本発明の一実施形態では、RAを有する対象がTNFa阻害剤を用いる処置に対して応答性であるかを決定するために、HLA−DRB1 SE対立遺伝子の存在は、IL−4R I50および/またはIL−4R V50対立遺伝子ならびにFcγRIIb I232および/またはFcγRIIb T232対立遺伝子の存在と組み合わせて試験される。一実施形態では、RAを有する対象がTNFa阻害剤を用いる処置に対して応答性であるかを決定するために、FcγRIIb I232および/またはFcγRIIb T232対立遺伝子の存在は、IL−4R I50および/またはIL−4R V50対立遺伝子の存在と組み合わせて試験される。
一実施形態では、本明細書に記載する遺伝子マーカーは、TNFa阻害剤、例えばヒトTNFa抗体またはそれに限定されないがアダリムマブのようなその抗原結合部分を用いる処置に対して応答性であるRAを有する患者を選択する方法において用いてよい。
一実施形態では、対立遺伝子の存在を決定することにおいて、方法は、対立遺伝子のコピー数を決定することを含んでよい。代わりに、アッセイ方法は、遺伝子マーカーの存在または不在を決定するだけでよい。
別の実施形態では、本発明は、TNFα阻害剤を用いて関節リウマチを有する対象を処置する方法も提供する。方法は、対象におけるHLA−DRB1 SE対立遺伝子、IL−4R I50および/もしくはV50対立遺伝子ならびに/またはFcγRIIb I232および/もしくはT232対立遺伝子の存在または不在を決定すること、対象におけるHLA−DRB1 SE対立遺伝子、IL−4R I50および/もしくはIl−4R V50対立遺伝子ならびに/またはFcγRIIb I232および/もしくはT232対立遺伝子の存在または不在に基づいて、TNFα阻害剤を用いる処置計画を選択することならびに対象が関節リウマチについて処置されるように処置計画に従ってTNFα阻害剤を投与することを含む。
選択される処置計画は、以下のパラメータの少なくとも1つを典型的に含み、以下のパラメータの多くまたは全てを含んでよい:投与のために選ばれる薬剤の型、投与量、処方、投与経路および/または投与頻度。
例えば少なくとも1コピーのHLA−DRB1 SE対立遺伝子またはFcγRIIb−CC対立遺伝子を有する対象を含む以下の実施例に記載するように、アダリムマブおよびメトトレキセートを用いる併用療法は、メトトレキセート単剤療法と比較して著しく改善された臨床応答を伴った。さらに、著しく増強された臨床応答は、アダリムマブおよびメトトレキセートについて、IL−4R I50対立遺伝子(AAまたはAG)についてホモ接合性またはヘテロ接合性のいずれかである患者について観察されたが、2つのIL−4R V50対立遺伝子(GG)を有する患者において観察されなかった。FcγRIIb−CCは、臨床応答を達成することと著しく関連した。さらに、組合せで、SEコピー数の影響は、IL−4R−AAおよびFcγRIIb−TT野生型背景で弱められたが、少なくとも1コピーのIL−4R(AGまたはGG)またはFcγRIIb(TCまたはCC)遺伝子バリアントのいずれかが存在した場合に明確であった。
本明細書に記載する処置の方法は、治療目標、例えばあるACR応答、例えばACR20、ACR50、ACR70を達成することおよび/または例えばDAS28低疾患活動性(DAS28 LDA)もしくはDAS28寛解を含んでDAS28スコアを改善することを達成するためにTNFα阻害剤を対象に投与することを含んでよい。
DAS28(疾患活動性スコア)は、罹患した対象における関節リウマチの活動性の容認された指標として当該技術において既知である。以下のパラメータは、計算に含まれる:圧痛関節数(TEN);腫脹関節数(SW);赤血球沈降速度(ESR);疾患活動性の患者評価(VAS;mm)(Van der HeijdeらAnn Rheum Dis 1990;49:916−20頁を参照されたい。)。改訂DAS(DAS28)では、28の関節が評価される(Prevoo MLLらArthritis Rheum 1995;38:44−8頁を参照されたい。)。
関節リウマチの改善についてのAmerican College of Rheumatologyの予備的基準(ACR20、50、70応答)は、関節リウマチ(RA)処置のための効力指標を提供するために開発された。ACR20、ACR50およびACR70は、それぞれ20%、50%および70%を超える改善を要求する。応答基準は、参照により本明細書に組み込むFelson DT、Anderson JJ、Boers M、Bombardier C、Furst D、Goldsmith CらAmerican College of Rheumatology preliminary definition of improvement in rheumatoid arthritis.Arthritis Rheum 1995;38:727−35頁に詳述される。全般的に、患者は、スクリーニング、ベースラインおよび処置中に頻繁に、臨床的に検査される。徴候および症状についての1次効力は、第12週に改善についてのAmerican College of Rheumatologyの予備的基準(ACR20)により測定される。追加の1次終点は、構造損傷の変化を評価するための6から12カ月にわたる放射線学的変化の評価を含む。
一実施形態では、対象は、隔週投薬計画に従ってTNFa阻害剤を用いて処置される。隔週投薬計画は、参照により本明細書に組み込む米国特許出願第10/163657号(US20030235585)にさらに記載されている。
本発明の一態様では、TNFa阻害剤は、RAを有する対象に、固定用量(mg/kg用量とは対照的に)として投与される。一実施形態では、固定用量は、約20−80mg、約20−60mg、約30−50mgまたは約40mgである。さらなる実施形態では、固定用量は、約50mgである。
一実施形態では、対象は、40mgのヒトTNFa抗体またはその抗原結合部分を、RAの処置のために1週間おきに皮下投与される。
本発明の別の態様では、対象は、毎月投薬計画に従ってTNFa阻害剤を用いて処置される。一実施形態では、対象は、50mgのヒトTNFa抗体またはその抗原結合部分を、RAの処置のために月1回皮下投与される。
さらなる実施形態では、TNFa阻害剤は、対象に、RAの処置のためにメトトレキセートと組み合わせて投与される。
本発明のTNFα阻害剤
特に好ましいTNFα阻害剤は、関節リウマチの処置においてヒト用にFDAにより承認されたまたは関節リウマチの処置のために臨床試験を受けている生物学的薬剤である。
一実施形態では、本発明は、TNFα抗体が、高い親和性および低い脱離速度でヒトTNFαと結合し、高い中和能力も有する単離ヒト抗体またはその抗原結合部分である、関節リウマチの処置のためのTNFα阻害剤の効力を予測または決定するための使用および組成物を特徴とする。好ましくは、本発明で用いるヒト抗体は、組換え中和ヒト抗hTNFα抗体である。本発明の最も好ましい組換え中和抗体は、本明細書にてD2E7といい、HUMIRA(登録商標)またはアダリムマブともいう(D2E7 VL領域のアミノ酸配列は配列番号1に示す;D2E7 VH領域のアミノ酸配列は配列番号2に示す;VLおよびVHドメインの核酸配列はそれぞれ配列番号36および37に記載する。)。D2E7(アダリムマブ/HUMIRA(登録商標))の特性は、Salfeldら、米国特許第6,090,382号、第6,258,562号および第6,509,015号(これらは参照により本明細書に組み込む。)に記載されている。
一実施形態では、TNFa阻害剤は、アダリムマブのバイオ後続品である完全ヒトTNFa抗体である。一実施形態では、TNFa阻害剤は、アダリムマブに非常に類似し、例えば、臨床的に不活性な成分のわずかな差を含むことがある。一実施形態では、TNFa阻害剤は、アダリムマブと交換可能であり、例えば、いずれの所定の患者においてもアダリムマブと同じ臨床結果を生じることができる。
一実施形態では、本発明の方法は、関節リウマチの処置について、低い解離速度論および高い中和能力でのhTNFαとの高い親和性結合のような、D2E7抗体および抗体部分、D2E7関連抗体および抗体部分またはD2E7と等価な特性を有するその他のヒト抗体および抗体部分の効力を決定することを含む。一実施形態では、本発明は、ともに表面プラズモン共鳴により決定される1×10−8M以下のKおよび1×10−3−1以下のkoff速度定数でヒトTNFαから解離し、標準的なインビトロL929アッセイにおいて1×10−7M以下のIC50でヒトTNFα細胞毒性を中和する単離ヒト抗体またはその抗原結合部分を用いる処置を提供する。より好ましくは、単離ヒト抗体またはその抗原結合部分は、5×10−4−1以下のkoff、さらにより好ましくは1×10−4−1以下のkoffでヒトTNFαから解離する。より好ましくは、単離ヒト抗体またはその抗原結合部分は、標準的なインビトロL929アッセイにおいて1×10−8M以下のIC50、さらにより好ましくは1×10−9M以下のIC50、まだより好ましくは1×10−10M以下のIC50でヒトTNFα細胞毒性を中和する。好ましい実施形態では、抗体は、単離ヒト組換え抗体またはその抗原結合部分である。
抗体重鎖および軽鎖CDR3ドメインは、抗原についての抗体の結合特異性/親和性において重要な役割を演じることが当該技術において公知である。したがって、別の態様では、本発明は、hTNFαとの会合について緩慢な解離速度論を有し、D2E7のものと構造的に同一または関連する軽鎖および重鎖CDR3ドメインを有するヒト抗体を投与することによりクローン病を処置することに関係する。D2E7 VL CDR3の9位は、koffに実質的に影響することなくAlaまたはThrにより占有され得る。したがって、D2E7 VL CDR3のコンセンサスモチーフは、アミノ酸配列:Q−R−Y−N−R−A−P−Y−(T/A)(配列番号3)を含む。さらに、D2E7 VH CDR3の12位は、koffに実質的に影響することなくTyrまたはAsnにより占有され得る。したがって、D2E7 VH CDR3のコンセンサスモチーフは、アミノ酸配列:V−S−Y−L−S−T−A−S−S−L−D−(Y/N)(配列番号4)を含む。さらに、米国特許第6,090,382号の実施例2において証明されるように、D2E7重鎖および軽鎖のCDR3ドメインは、koffに実質的に影響することなく、単一アラニン残基で置換できる(VL CDR3内の1位、4位、5位、7位もしくは8位またはVH CDR3内の2位、3位、4位、5位、6位、8位、9位、10位もしくは11位にて)。まださらに、当業者は、D2E7 VLおよびVH CDR3ドメインがアラニンにより置換できることに鑑みて、抗体の低い脱離速度定数をまだ保持しながら、CDR3ドメイン内の他のアミノ酸の置換、特に保存的アミノ酸での置換も可能であることを認識する。好ましくは、1から5を超えない保存的アミノ酸置換が、D2E7 VLおよび/またはVH CDR3ドメイン内で作製される。より好ましくは、1から3を超えない保存的アミノ酸置換が、D2E7 VLおよび/またはVH CDR3ドメイン内で作製される。さらに、保存的アミノ酸置換は、hTNFαとの結合にとって重要なアミノ酸位置で作製されるべきでない。D2E7 VL CDR3の2位および5位ならびにD2E7 VH CDR3の1位および7位は、hTNFαとの相互作用にとって重要であり、よって、保存的アミノ酸置換は、好ましくは、これらの位置で作製されない(しかし、D2E7 VL CDR3の5位でのアラニン置換は、上記のように許容できる。)(米国特許第6,090,382号を参照されたい。)。
したがって、別の実施形態では、抗体またはその抗原結合部分は、好ましくは、以下の特徴を有する:
a)表面プラズモン共鳴により決定される1×10−3−1以下のkoff速度定数でヒトTNFαから解離する;
b)配列番号3のアミノ酸配列または(1位、4位、5位、7位もしくは8位にて単一アラニン置換によりまたは1位、3位、4位、6位、7位、8位および/もしくは9位にて1から5の保存的アミノ酸置換により)配列番号3から改変されたアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3ドメインを有する;

c)配列番号4のアミノ酸配列または(2位、3位、4位、5位、6位、8位、9位、10位もしくは11位にて単一アラニン置換によりまたは2位、3位、4位、5位、6位、8位、9位、10位、11位および/もしくは12位にて1から5の保存的アミノ酸置換により)配列番号4から改変されたアミノ酸配列を含む重鎖CDR3ドメインを有する。
より好ましくは、抗体またはその抗原結合部分は、5×10−4−1以下のkoffでヒトTNFαから解離する。さらにより好ましくは、抗体またはその抗原結合部分は、1×10−4−1以下のkoffでヒトTNFαから解離する。
なお別の実施形態では、抗体またはその抗原結合部分は、好ましくは、配列番号3のアミノ酸配列または1位、4位、5位、7位もしくは8位にて単一アラニン置換により配列番号3から改変されたアミノ酸配列を含むCDR3ドメインを有する軽鎖可変領域(LCVR)および配列番号4のアミノ酸配列または2位、3位、4位、5位、6位、8位、9位、10位もしくは11位にて単一アラニン置換により配列番号4から改変されたアミノ酸配列を含むCDR3ドメインを有する重鎖可変領域(HCVR)を含有する。一実施形態では、LCVRは、配列番号5のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン(すなわちD2E7 VL CDR2)をさらに有し、HCVRは、配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR2ドメイン(すなわちD2E7 VH CDR2)をさらに有する。一実施形態では、LCVRは、配列番号7のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン(すなわちD2E7 VL CDR1)をさらに有し、HCVRは、配列番号8のアミノ酸配列を含むCDR1ドメイン(すなわちD2E7 VH CDR1)を有する。VLのフレームワーク領域は、好ましくはVκIヒト生殖系列ファミリーから、より好ましくはA20ヒト生殖系列Vk遺伝子から、最も好ましくは米国特許第6,090,382号の図1Aおよび1Bに示すD2E7 VLフレームワーク配列からである。VHのフレームワーク領域は、好ましくはV3ヒト生殖系列ファミリーから、より好ましくはDP−31ヒト生殖系列VH遺伝子から、最も好ましくは米国特許第6,090,382号の図2Aおよび2Bに示すD2E7 VHフレームワーク配列からである。
したがって、別の実施形態では、抗体またはその抗原結合部分は、好ましくは、配列番号1のアミノ酸配列(すなわちD2E7 VL)を含む軽鎖可変領域(LCVR)および配列番号2のアミノ酸配列(すなわちD2E7 VH)を含む重鎖可変領域(HCVR)を含有する。ある実施形態では、抗体は、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、IgE、IgMまたはIgD定常領域のような重鎖定常領域を含む。好ましくは、重鎖定常領域は、IgG1重鎖定常領域またはIgG4重鎖定常領域である。さらに、抗体は、カッパ軽鎖定常領域またはラムダ軽鎖定常領域のいずれかの軽鎖定常領域を含むことができる。好ましくは、抗体は、カッパ軽鎖定常領域を含む。代わりに、抗体部分は、例えばFab断片または単鎖Fv断片であることができる。
まだ他の実施形態では、本発明は、D2E7関連VLおよびVH CDR3ドメインを含有する単離ヒト抗体またはその抗原結合部分の使用を含む。例えば、配列番号3、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25および配列番号26からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むCDR3ドメインを有する軽鎖可変領域(LCVR)または配列番号4、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34および配列番号35からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むCDR3ドメインを有する重鎖可変領域(HCVR)を有する抗体またはその抗原結合部分。
本発明の方法は、関節リウマチの処置のための臨床試験を受けたキメラおよびヒト化マウス抗hTNFα抗体を用いて行ってもよい(例えばElliott,M.J.ら(1994)Lancet 344:1125−1127頁;Elliot,M.J.ら(1994)Lancet 344:1105−1110頁;Rankin,E.C.ら(1995)Br.J.Rheumatol.34:334−342頁を参照されたい。)。I
本発明の方法および組成物で用いられるTNFα抗体は、関節リウマチの改善された処置のために改変されてよい。いくつかの実施形態では、TNFα抗体またはその抗原結合断片は、所望の効果を提供するために化学改変される。例えば、本発明の抗体および抗体断片のpeg化は、例えば以下の参考文献:Focus on Growth Factors 3:4−10頁(1992);EP0154316;およびEP0401384(これらのそれぞれの全体を参照により本明細書に組み込む)に記載されるような当該技術において既知のpeg化反応のいずれにより行ってもよい。好ましくは、peg化は、反応性ポリエチレングリコール分子(または類似の反応性水溶性ポリマー)を用いるアシル化反応またはアルキル化反応により行われる。本発明の抗体および抗体断片のpeg化のための好ましい水溶性ポリマーは、ポリエチレングリコール(PEG)である。本明細書で用いる場合、「ポリエチレングリコール」は、モノ(Cl−ClO)アルコキシ−またはアリールオキシ−ポリエチレングリコールのような他のタンパク質を誘導体化するために用いられている任意の形態のPEGを包含することを意味する。
本発明のpeg化抗体および抗体断片を調製するための方法は、全般的に、(a)抗体または抗体断片を、PEGの反応性エステルまたはアルデヒド誘導体のようなポリエチレングリコールと、それにより抗体または抗体断片が1つ以上のPEG基に付着するような条件下で反応させるステップおよび(b)反応生成物を得るステップを含む。既知のパラメータおよび所望の結果に基づいて最適な反応条件またはアシル化反応を選択することは、当業者に明確である。
peg化抗体および抗体断片は、全般的に、本明細書に記載するTNFα抗体および抗体断片の投与により関節リウマチを処置するために用いてよい。全般的に、peg化抗体および抗体断片は、非peg化抗体および抗体断片と比較して半減期が増加されている。peg化抗体および抗体断片は、単独、一緒にまたはその他の医薬組成物と組み合わせて採用してよい。
本発明のなお別の実施形態では、TNFα抗体またはその断片は、抗体の定常領域が改変されて、未改変抗体と比べて少なくとも1つの定常領域媒介生物学的エフェクター機能が低減されるように変更できる。抗体がFc受容体との低減された結合を示すように本発明の抗体を改変するために、抗体の免疫グロブリン定常領域セグメントは、Fc受容体(FcR)相互作用のために必要な特定の領域にて変異できる(例えばCanfield,S.M.およびS.L.Morrison(1991)J.Exp.Med.173:1483−1491頁;ならびにLund,J.ら(1991)J.of Immunol.147:2657−2662頁を参照されたい。)。抗体のFcR結合能力の低減も、オプソニン作用および食作用ならびに抗原依存性細胞性細胞毒性のようなFcR相互作用に依存する他のエフェクター機能を低減できる。
本発明の方法で用いる抗体または抗体部分は、別の機能的分子(例えば別のペプチドまたはタンパク質)に誘導体化または連結させることができる。したがって、本発明の抗体および抗体部分は、免疫付着性分子を含む本明細書で記載するヒト抗hTNFα抗体の誘導体化およびそうでなければ改変された形態を含むことを意図する。例えば、本発明の抗体または抗体部分は、別の抗体(例えば2重特異性抗体またはダイアボディ)、検出可能薬剤、細胞傷害性薬剤、医薬剤および/または抗体もしくは抗体部分と別の分子の会合を媒介できるタンパク質またはペプチド(例えばストレプトアビジンコア領域またはポリヒスチジンタグ)のような1つ以上の別の分子実体と機能的に連結(化学カップリング、遺伝子融合、非共有的会合またはその他により)できる。
誘導体化抗体のある型は、2つ以上の抗体(例えば2重特異性抗体を創出するために同じ型または異なる型のもの)を架橋することにより生成される。適切な架橋剤は、適当なスペーサ(例えばm−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)により分けられた2つの異なる反応性の基を有するヘテロ2重機能性またはホモ2重機能性(例えばジスクシンイミジルスベレート)であるものを含む。このようなリンカーは、Pierce Chemical Company、Rockford、ILから入手可能である。
本発明の抗体または抗体部分を誘導体化できる有用な検出可能薬剤は、蛍光化合物を含む。例示的な蛍光検出可能薬剤は、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、5−ジメチルアミン−1−ナフタレンスルホニルクロリド、フィコエリスリンなどを含む。抗体は、アルカリホスファターゼ、セイヨウワサビペルオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼなどのような検出可能酵素を用いて誘導体化してもよい。検出可能酵素を用いて抗体が誘導体化される場合、これは、酵素が検出可能反応生成物を生成するために用いる追加の試薬を加えることにより検出される。例えば、検出可能薬剤であるセイヨウワサビペルオキシダーゼが存在する場合、過酸化水素およびジアミノベンジジンの添加は、検出可能な着色反応生成物を導く。抗体は、ビオチンを用いて誘導体化してもよく、アビジンまたはストレプトアビジン結合の間接的測定により検出される。
本発明の方法および組成物で用いる抗体または抗体部分は、宿主細胞中での免疫グロブリン軽鎖および重鎖遺伝子の組換え発現により調製できる。抗体を組換え発現させるために、宿主細胞は、抗体の免疫グロブリン軽鎖および重鎖をコードするDNA断片を有する1つ以上の組換え発現ベクターで、軽鎖および重鎖が宿主細胞で発現され、好ましくは宿主細胞が培養されている培地中に分泌されるようにトランスフェクトされ、この培地から抗体が回収できる。標準的な組換えDNA法は、Sambrook、FritschおよびManiatis(編)、Molecular Cloning;A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor、N.Y.、(1989)、Ausubel,F.M.ら(編)Current Protocols in Molecular Biology、Greene Publishing Associates、(1989)ならびにBossらによる米国特許第4,816,397号に記載されるもののように、抗体の重鎖および軽鎖遺伝子を得て、これらの遺伝子を組換え発現ベクターに組み込み、ベクターを宿主細胞に導入するために用いられる。
アダリムマブ(D2E7)またはアダリムマブ(D2E7)関連抗体を発現させるために、軽鎖および重鎖可変領域をコードするDNA断片をまず得る。これらのDNAは、生殖系列軽鎖および重鎖可変配列を、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて増幅および改変することにより得ることができる。ヒト重鎖および軽鎖可変領域遺伝子についての生殖系列DNA配列は、当該技術において既知である(例えば「Vbase」ヒト生殖系列配列データベースを参照されたい;Kabat,E.A.ら(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、U.S.Department of Health and Human Services、NIH出版物第91−3242号;Tomlinson,I.M.ら(1992)「The Repertoire of Human Germline V Sequences Reveals about Fifty Groups of V Segments with Different Hypervariable Loops」J.Mol.Biol.227:776−798頁;およびCox,J.P.L.ら(1994)「A Directory of Human Germ−line V78 Segments Reveals a Strong Bias in their Usage」Eur.J.Immunol.24:827−836頁も参照されたい;これらのそれぞれの内容を参照により本明細書に明示的に組み込む)。D2E7またはD2E7関連抗体の重鎖可変領域をコードするDNA断片を得るために、ヒト生殖系列VH遺伝子のV3ファミリーのメンバーを、標準的なPCRにより増幅する。最も好ましくは、DP−31 VH生殖系列配列を増幅する。D2E7またはD2E7関連抗体の軽鎖可変領域をコードするDNA断片を得るために、ヒト生殖系列VL遺伝子のVκIファミリーのメンバーを、標準的なPCRにより増幅する。最も好ましくは、A20 VL生殖系列配列を増幅する。DP−31生殖系列VHおよびA20生殖系列VL配列の増幅において用いるために適切なPCRプライマーは、上で引用した参考文献に開示されるヌクレオチド配列に基づいて、標準的な方法を用いて設計できる。
生殖系列VHおよびVL断片を一旦得ると、これらの配列は、本明細書に開示するD2E7またはD2E7関連アミノ酸配列をコードするように変異できる。生殖系列VHおよびVL DNA配列によりコードされるアミノ酸配列は、まず、D2E7またはD2E7関連VHおよびVLアミノ酸配列と比較して、D2E7またはD2E7関連配列中で生殖系列と異なるアミノ酸残基を同定する。次いで、生殖系列DNA配列の適当なヌクレオチドを、変異生殖系列配列がD2E7またはD2E7関連アミノ酸配列をコードするように、遺伝子コードを用いて変異させて、どのヌクレオチドの変化を作製すべきかを決定する。生殖系列配列の突然変異誘発は、PCR媒介突然変異誘発(ここでは、PCR生成物が変異を含有するように変異ヌクレオチドがPCRプライマーに組み込まれている。)または部位特異的突然変異誘発のような標準的な方法により行われる。
さらに、PCR増幅により得られた「生殖系列」配列が、真の生殖系列構造からのフレームワーク領域におけるアミノ酸の違い(すなわち、例えば体細胞変異の結果としての、真の生殖系列配列と比較しての増幅された配列中の違い)をコードする場合、これらのアミノ酸の違いを、真の生殖系列配列に変えて戻すことが望ましい(すなわち生殖系列構造へのフレームワーク残基の「逆突然変異」)。
D2E7またはD2E7関連VHおよびVLセグメントをコードするDNA断片が一旦得られると(上記のように生殖系列VHおよびVL遺伝子の増幅ならびに突然変異誘発により)、これらのDNA断片は、標準的な組換えDNA技術によりさらに操作して、例えば可変領域遺伝子を全長抗体鎖遺伝子、Fab断片遺伝子またはscFv遺伝子に変換できる。これらの操作において、VLまたはVHをコードするDNA断片は、抗体定常領域またはフレキシブルリンカーのような別のタンパク質をコードする別のDNA断片に作動可能に連結される。「作動可能に連結される」という用語は、この文脈で用いる場合、2つのDNA断片によりコードされるアミノ酸配列がインフレームのままであるように2つのDNA断片がつながれることを意味する。
VH領域をコードする単離DNAは、VHをコードするDNAを、重鎖定常領域(CH1、CH2およびCH3)をコードする別のDNA分子に作動可能に連結させることにより、全長重鎖遺伝子に変換できる。ヒト重鎖定常領域遺伝子の配列は、当該技術において既知であり(例えばKabat,E.A.ら(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、U.S.Department of Health and Human Services、NIH出版物第91−3242号を参照されたい。)、これらの領域を包含するDNA断片は、標準的なPCR増幅により得ることができる。重鎖定常領域は、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、IgE、IgMまたはIgD定常領域であり得るが、最も好ましくは、IgG1またはIgG4定常領域である。Fab断片重鎖遺伝子について、VHをコードするDNAは、重鎖CH1定常領域だけをコードする別のDNA分子に作動可能に連結できる。
VL領域をコードする単離DNAは、VLをコードするDNAを、軽鎖定常領域CLをコードする別のDNA分子に作動可能に連結させることにより、全長軽鎖遺伝子(およびFab軽鎖遺伝子)に変換できる。ヒト軽鎖定常領域遺伝子の配列は、当該技術において既知であり(例えばKabat,E.A.ら(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、U.S.Department of Health and Human Services、NIH出版物第91−3242号を参照されたい。)、これらの領域を包含するDNA断片は、標準的なPCR増幅により得ることができる。軽鎖定常領域は、カッパまたはラムダ定常領域であり得るが、最も好ましくは、カッパ定常領域である。
scFv遺伝子を創出するために、VHおよびVLをコードするDNA断片は、フレキシブルリンカーをコードする、例えばアミノ酸配列(Gly−Ser)(配列番号42)を、フレキシブルリンカーによりつながれたVLおよびVH領域を有するVHおよびVL配列が連続する単一鎖タンパク質として発現できるようにコードする別の断片に作動可能に連結される(例えばBirdら(1988)Science 242:423−426頁;Hustonら(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879−5883頁;McCaffertyら、Nature(1990)348:552−554頁を参照されたい。)。
本発明で用いられる抗体または抗体部分を発現するために、上記のようにして得られた部分または全長軽鎖および重鎖をコードするDNAは、遺伝子が転写および翻訳制御配列に作動可能に連結されるように発現ベクターに挿入される。この文脈において、「作動可能に連結される」という用語は、ベクター内の転写および翻訳制御配列が、抗体遺伝子の転写および翻訳を調節する意図した機能のために働くように抗体遺伝子がベクター内にライゲーションされることを意味することを意図する。発現ベクターおよび発現制御配列は、用いられる発現宿主細胞に適合するように選ばれる。抗体軽鎖遺伝子および抗体重鎖遺伝子は、別々のベクターに挿入できるまたはより典型的に、両方の遺伝子は同じ発現ベクターに挿入される。抗体遺伝子は、標準的な方法により発現ベクターに挿入される(例えば抗体遺伝子断片およびベクター上の相補制限部位のライゲーションまたは制限部位が存在しない場合は平滑末端ライゲーション)。D2E7もしくはD2E7関連軽鎖または重鎖配列の挿入の前に、発現ベクターは、抗体定常領域配列を既に有することがある。例えば、D2E7またはD2E7関連VHおよびVL配列を全長抗体遺伝子に変換するためのあるアプローチは、それらを、重鎖定常および軽鎖定常領域をそれぞれ既にコードする発現ベクターに挿入して、VHセグメントがベクター内のCHセグメント(複数可)に作動可能に連結され、VLセグメントがベクター内のCLセグメントに作動可能に連結されるようにすることである。さらにまたは代わりに、組換え発現ベクターは、宿主細胞からの抗体鎖の分泌を容易にするシグナルペプチドをコードできる。抗体鎖遺伝子は、シグナルペプチドが抗体鎖遺伝子のアミノ末端にインフレームで連結されるようにベクターにクローニングできる。シグナルペプチドは、免疫グロブリンシグナルペプチドまたは異種シグナルペプチド(すなわち非免疫グロブリンタンパク質からのシグナルペプチド)であり得る。
抗体鎖遺伝子に加えて、本発明の組換え発現ベクターは、宿主細胞における抗体鎖遺伝子の発現を制御する調節配列を有する。「調節配列」という用語は、プロモーター、エンハンサーおよび抗体鎖遺伝子の転写または翻訳を制御するその他の発現制御エレメント(例えばポリアデニル化シグナル)を含むことを意図する。このような調節配列は、例えばGoeddel;Gene Expression Technology:Methods in Enzymology 185、Academic Press、San Diego、CA(1990)に記載される。調節配列の選択を含む発現ベクターの設計は、形質転換される宿主細胞の選択肢、所望のタンパク質発現レベルなどのような因子に依存し得ることが当業者により認識される。哺乳類宿主細胞発現のための好ましい調節配列は、サイトメガロウイルス(CMV)(例えばCMVプロモーター/エンハンサー)、サルウイルス40(SV40)(例えばSV40プロモーター/エンハンサー)、アデノウイルス(例えばアデノウイルス主要後期プロモーター(AdMLP))およびポリオーマに由来するプロモーターおよび/またはエンハンサーのような哺乳類細胞における高レベルのタンパク質発現を駆動するウイルスエレメントを含む。ウイルス調節エレメントおよびその配列についてのさらなる説明について、例えばStinskiによる米国特許第5,168,062号、Bellらによる米国特許第4,510,245号およびSchaffnerらによる米国特許第4,968,615号を参照されたい。
抗体鎖遺伝子および調節配列に加えて、本発明で用いる組換え発現ベクターは、宿主細胞におけるベクターの複製を調節する配列(例えば複製起点)および選択可能マーカー遺伝子のような追加の配列を有してよい。選択可能マーカー遺伝子は、ベクターが導入された宿主細胞の選択を容易にする(例えば全てAxelらによる米国特許第4,399,216号、第4,634,665号および第5,179,017号を参照されたい。)。例えば、典型的に、選択可能マーカー遺伝子は、G418、ハイグロマイシンまたはメトトレキセートのような薬物に対する耐性を、ベクターが導入された宿主細胞に付与する。好ましい選択可能マーカー遺伝子は、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)遺伝子(dhfr宿主細胞においてメトトレキセート選択/増幅とともに用いるため)およびneo遺伝子(G418選択のため)を含む。
軽鎖および重鎖の発現のために、重鎖および軽鎖をコードする発現ベクター(複数可)は、標準的な技術により宿主細胞にトランスフェクトされる。「トランスフェクション」という用語の様々な形態は、外因性DNAを原核または真核宿主細胞に導入するために一般的に用いられる広く多様な技術、例えばエレクトロポレーション、リン酸カルシウム沈殿、DEAE−デキストラントランスフェクションなどを包含することを意図する。本発明の抗体を原核または真核宿主細胞のいずれかで発現させることが理論的に可能であるが、真核細胞、最も好ましくは哺乳類宿主細胞での抗体の発現が最も好ましい。なぜなら、このような真核細胞、特に哺乳類細胞は、原核細胞よりも、正しく折り畳まれ免疫学的に活性な抗体を組み立てて分泌する可能性が高いからである。抗体遺伝子の原核生物での発現は、活性な抗体を高収率で生成するために効率的でないことが報告されている(Boss,M.A.およびWood,C.R.(1985)Immunology Today 6:12−13頁)。
本発明の組換え抗体の発現のために好ましい哺乳類宿主細胞は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO細胞)(UrlaubおよびChasin、(1980)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4216−4220頁に記載され、例えばR.J.KaufmanおよびP.A.Sharp(1982)Mol.Biol.159:601−621頁に記載されるようにDHFR選択可能マーカーとともに用いられるdhfrCHO細胞を含む)、NS0骨髄腫細胞、COS細胞およびSP2細胞を含む。抗体遺伝子をコードする組換え発現ベクターが哺乳類宿主細胞に導入される場合、抗体は、宿主細胞における抗体の発現またはより好ましくは宿主細胞が成長している培養培地中への抗体の分泌を可能にするのに十分な期間宿主細胞を培養することにより生成される。抗体は、培養培地から、標準的なタンパク質精製方法を用いて回収できる。
宿主細胞は、Fab断片またはscFv分子のようなインタクトな抗体の部分を生成するためにも用いることができる。上記の手順に対する変動が本発明の範囲内であることが理解される。例えば、本発明の抗体の軽鎖または重鎖のいずれか(しかし両方でない。)をコードするDNAを宿主細胞にトランスフェクトすることが望ましいことがある。組換えDNA技術は、hTNFαとの結合にとって必要でない軽鎖および重鎖のいずれかまたは両方をコードするDNAのいくらかまたは全部を除去するために用いてもよい。このような短縮DNA分子から発現される分子も、本発明の抗体に包含される。さらに、標準的な化学架橋法により本発明の抗体を第2抗体に架橋させることにより、一方の重鎖および一方の軽鎖が本発明の抗体であり、他方の重鎖および軽鎖が、hTNFα以外の抗原に特異的である2重機能性抗体を生成できる。
本発明の抗体またはその抗原結合部分の組換え発現のための好ましい系では、抗体重鎖および抗体軽鎖の両方をコードする組換え発現ベクターは、dhfr−CHO細胞にリン酸カルシウム媒介トランスフェクションにより導入される。組換え発現ベクター内で、抗体重鎖および軽鎖遺伝子は、それぞれ、CMVエンハンサー/AdMLPプロモーター調節エレメントに作動可能に連結されて、遺伝子の高レベルの転写を駆動する。組換え発現ベクターは、DHFR遺伝子も有し、これは、ベクターをトランスフェクトされたCHO細胞を、メトトレキセート選択/増幅を用いて選択することを可能にする。選択された形質転換体宿主細胞は、抗体重鎖および軽鎖の発現を可能にするように培養され、インタクトな抗体が培養培地から回収される。標準的な分子生物学の技術は、組換え発現ベクターを調製し、宿主細胞をトランスフェクトし、形質転換体を選択し、宿主細胞を培養し、培養培地から抗体を回収するために用いられる。
上記の観点で、本発明で用いる抗体および抗体部分の組換え発現のために用いることができる核酸、ベクターおよび宿主細胞の組成物は、ヒトTNFα抗体アダリムマブ(D2E7)を含む核酸および上記の核酸を含むベクターを含む。D2E7軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列は、配列番号36に示す。LCVRのCDR1ドメインは、ヌクレオチド70−102を包含し、CDR2ドメインは、ヌクレオチド148−168を包含し、CDR3ドメインは、ヌクレオチド265−291を包含する。D2E7重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列は、配列番号37に示す。HCVRのCDR1ドメインは、ヌクレオチド91−105を包含し、CDR2ドメインは、ヌクレオチド148−198を包含し、CDR3ドメインは、ヌクレオチド295−330を包含する。D2E7関連抗体またはその部分(例えばCDR3ドメインのようなCDRドメイン)をコードするヌクレオチド配列は、遺伝子コードおよび標準的な分子生物学の技術を用いてD2E7 LCVRおよびHCVRをコードするヌクレオチド配列から導くことができることが、当業者により認識される。
本明細書に開示されるD2E7もしくはこの抗原結合部分またはD2E7関連抗体に加えて、本発明の組換えヒト抗体は、ヒトリンパ球由来のmRNAから調製されたVLおよびVH cDNAを使用して調製される組換えコンビナトリアル抗体ライブラリー、好ましくはscFvファージディスプレイライブラリーをスクリーニングすることにより単離することができる。そのようなライブラリーを調製しスクリーニングするための方法論は当技術分野では公知である。ファージディスプレイライブラリーを作製するための市販のキットに加えて(例えば、the Pharmacia Recombinant Phage Antibody System、カタログ番号27−9400−01;およびStratagene SurfZAP(商標)ファージディスプレイキット、カタログ番号240612)、抗体ディスプレイライブラリーを作製しスクリーニングするのに使用するための特に受け入れられる方法および試薬の例は、例えば、Ladnerら米国特許第5,223,409号;KangらPCT公開第WO92/18619号;DowerらPCT公開第WO91/17271号;WinterらPCT公開第WO92/20791号;MarklandらPCT公開WO92/15679号;BreitlingらPCT公開第WO93/01288号;McCaffertyらPCT公開第WO92/01047号;GarrardらPCT公開第WO92/09690号;Fuchsら(1991)Bio/Technology 9:1370−1372;Hayら(1992)Hum Antibod Hybridomas 3:81−65;Huseら(1989)Science 246:1275−1281;McCaffertyら、Nature(1990)348:552−554;Griffithsら(1993)EMBO J 12:725−734;Hawkinsら(1992) J Mol Biol 226:889−896;Clacksonら(1991)Nature 352:624−628;Gramら(1992)PNAS 89:3576−3580;Garrardら(1991)Bio/Technology 9:1373−1377;Hoogenboomら(1991)Nuc Acid Res 19:4133−4137;およびBarbasら(1991)PNAS 88:7978−7982に見ることが可能である。
好ましい実施形態では、hTNFαに対する親和性が高く脱離速度定数が低いヒト抗体を単離するために、hTNFαに対して高親和性および低い脱離速度定数を有するマウス抗hTNFα抗体(例えば、MAK195、寄託番号ECACC87 050801を有するハイブリドーマ)をまず使用して、Hoogenboomら、PCT公開第WO93/06213号に記載されているエピトープインプリンティング法を使用して、hTNFαに対する類似の結合活性を有するヒト重鎖および軽鎖配列を選択する。この方法において使用される抗体ライブラリーは、好ましくは、McCaffertyらPCT公開第WO92/01047号、McCaffertyら、Nature(1990)348:552−554およびGriffithsら、(1993)EMBO J 12:725−734に記載される通りに調製されスクリーニングされたscFvライブラリーである。scFv抗体ライブラリーは、好ましくは、抗原として組換えヒトTNFαを使用してスクリーニングされる。
最初のヒトVLおよびVHセグメントが選択されると、最初に選択されたVLおよびVHセグメントの異なる対がhTNFα結合についてスクリーニングされる「ミックスアンドマッチ」実験が実施されて、好ましいVL/VH対の組合せが選択される。さらに、hTNFα結合に対する親和性をさらに改善しおよび/または低い脱離速度定数をさらに下げるために、好ましいVL/VH対(複数可)のVLおよびVHセグメントは、自然免疫応答中の抗体の親和性成熟の原因であるインビボ体細胞変異プロセスと類似しているプロセスにおいて、好ましくはVHおよび/またはVLのCDR3領域内で無作為に変異させることが可能である。このインビトロ親和性成熟は、それぞれVH CDR3またはVL CDR3に相補的であるPCRプライマーを使用してVHおよびVL領域を増幅することにより実現することが可能であり、このプライマーは、こうして得られたPCR産物が、ランダム変異がVHおよび/またはVL CDR3領域に導入されているVHおよびVLセグメントをコードするように、ある種の位置で4つのヌクレオチド塩基の無作為な混合物で「スパイク」されている。これらのランダム変異されたVHおよびVLセグメントは、hTNFαへの結合について再スクリーニングすることができ、hTNFα結合に対する高親和性および低脱離速度を示す配列を選択することができる。
組換え免疫グロブリンディスプレイライブラリーからの本発明の抗hTNFα抗体のスクリーニングおよび単離に続いて、選択された抗体をコードする核酸は、ディスプレイパッケージから(例えば、ファージゲノムから)回収し、標準的な組換えDNA技術により他の発現ベクターにサブクローニングすることができる。必要であれば、核酸をさらに操作して(例えば、追加の定常領域などの追加の免疫グロブリンドメインをコードする核酸に連結させる)、本発明の他の抗体形態を創出することが可能である。コンビナトリアルライブラリーのスクリーニングにより単離された組換えヒト抗体を発現させるためには、上でさらに詳細に記載されている通りに、抗体をコードするDNAは組換え発現ベクターにクローニングされ、哺乳動物宿主細胞に導入される。
hTNFαに対する親和性が高く脱離速度定数が低いヒト中和抗体を単離する方法は、米国特許第6,090,382号、米国特許第6,258,562号および米国特許第6,509,015号に記載されており、これら特許文献はそれぞれ参照により本明細書に組み込まれる。
本発明の方法において使用するための抗体、抗体部分および他のTNFα阻害剤は、対象への投与に適した医薬組成物に取り込むことが可能である。典型的には、医薬組成物は、抗体、抗体部分または他のTNFα阻害剤および医薬的に許容される担体を含む。本明細書で使用されるように、「医薬的に許容される担体」には、ありとあらゆる溶媒、分散媒、コーティング剤、抗菌剤および抗真菌剤、等張および吸収遅延剤ならびに生理学的に適合性の同類の物が含まれる。医薬的に許容される担体の例には、水、生理食塩水、リン酸緩衝食塩水、ブドウ糖、グリセロール、エタノールなどのうちの1つまたは複数の他にもこれらの組合せが含まれる。多くの場合に、組成物中に、等張剤、例えば、糖、マンニトール、ソルビトールなどのポリアルコールまたは塩化ナトリウムを含むのが好ましい。医薬的に許容される担体は、湿潤剤または乳化剤、保存剤または緩衝剤などの少量の補助物質をさらに含んでよく、これらの物質は抗体、抗体部分または他のTNFα阻害剤の有効期間または有効性を増強する。
本発明の方法および組成物において使用するための組成物は、種々の形態であってもよい。これらの組成物には、例えば、液体溶液(例えば、注射可能なおよび不溶解性溶液)、分散液または懸濁液、錠剤、ピル、粉末、リポソームおよび坐薬などの液体、半流動体および固体製剤形態が含まれる。好ましい形態は、目的とする投与様式および治療適用に依拠する。典型的な好ましい組成物は、他の抗体または他のTNFα阻害剤と一緒にヒトの受動免疫のために使用される組成物に類似する組成物などの注射可能なまたは不溶解性溶液の形態である。好ましい投与様式は非経口(例えば、静脈内、皮下、腹腔内、筋肉内)である。好ましい実施形態では、抗体または他のTNFα阻害剤は、静脈注入または注射により投与される。別の好ましい実施形態では、抗体または他のTNFα阻害剤は、筋肉内または皮下注射により投与される。
治療組成物は、典型的には、製造および貯蔵条件下で、無菌で安定していなければならない。組成物は、溶液、マイクロエマルジョン、分散液、リポソームまたは高薬物濃度まで適している他の秩序構造として処方することが可能である。無菌注射可能溶液は、上に列挙されている成分のうちの1つまたは組合せと一緒に、適切な溶媒中に活性化合物(すなわち、抗体、抗体部分または他のTNFα阻害剤)を必要な量で取り込み、必要に応じ、続いて濾過滅菌により調製することが可能である。一般に、分散液は、基本的分散媒および上に列挙されている成分由来の必要な他の成分を含有する無菌媒体に活性化合物を取り込むことにより調製される。無菌注射可能の調製のための無菌粉末の場合は、好ましい調製法は、活性成分プラスその既に無菌濾過された溶液由来の任意の追加の所望の成分の粉末を生じる真空乾燥および凍結乾燥である。溶液の適切な流動度は、例えば、レシチンなどの被膜の使用により、分散液の場合は必要な粒子サイズの維持によりおよび界面活性剤の使用により維持することが可能である。注射可能な組成物の長期の吸収は、組成物中に吸収を遅延させる作用薬、例えば、モノステアリン酸塩およびゼラチンを含むことによりもたらすことが可能である。
一実施形態では、本発明は、関節リウマチを処置するのに使用し得る効果的なTNFα阻害剤を含む医薬組成物および医薬的に許容される担体を含む。
一実施形態では、本発明の方法において使用するための抗体または抗体部分は、PCT/IB03/04502および米国特許出願公開第20040033228号に記載されている医薬製剤に組み込まれ、これら特許文献は参照により本明細書に組み込まれる。この製剤は、濃度50mg/mlの抗体D2E7(アダリムマブ)を含み、1つの前充填されたシリンジは皮下注射のための抗体を40mg含有している。高濃度のアダリムマブを含有する代わりの製剤は、US20090291062とUS2010027882の両方に記載されており、各特許文献の内容は参照により本明細書に組み込まれる。
本発明の抗体、抗体部分および他のTNFα阻害剤は、当技術分野で公知の種々の方法により投与することが可能であるが、多くの治療適用では、投与の好ましい経路/様式は、非経口、例えば、皮下注射である。別の実施形態では、投与は静脈注射または注入を介してである。
当業者であれば認識するように、投与の経路/様式は、所望の結果に応じて変わる。ある種の実施形態では、活性化合物は、インプラント、経皮パッチおよびマイクロカプセル送達システムを含む徐放製剤などの、化合物を急速放出に対して保護する担体と一緒に調製し得る。エチレン酢酸ビニル、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステルおよびポリ乳酸などの、生分解性、生体適合性ポリマーを使用することが可能である。そのような製剤の調製のための多くの方法は特許権を有するまたは一般に当業者には公知である。例えば、Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems、Robinson、ed.、Dekker、Inc.、New York、1978を参照されたい。
一実施形態では、本発明において使用されるTNFα抗体および阻害剤は対象の皮下に送達される。一実施形態では、対象は、TNFα抗体またはこの抗原結合部分を含むが、これらに限定されないTNFα阻害剤を自分に投与する。
本発明において使用されるTNFα抗体および阻害剤は、ポリマー担体内に被包されて被膜粒子を形成するタンパク質結晶の組合せを含むタンパク質結晶製剤の形態で投与してもよい。タンパク質結晶製剤の被膜粒子は球状形態を有し、径が500マイクロメータまでのミクロスフェアでもよく、またはなにか他の形態を有していて微粒子でもよい。タンパク質結晶の濃度を高めると、本発明の抗体は皮下に送達されることが可能になる。一実施形態では、本発明のTNFα抗体はタンパク質送達システムを介して投与され、タンパク質結晶製剤または組成物のうちの1つまたは複数がTNFα関連障害を有する対象に投与される。全抗体結晶または抗体断片結晶の安定化された製剤を調製する組成物および方法も、WO02/072636に記載されており、この特許文献は参照により本明細書に組み込まれる。一実施形態では、PCT/IB03/04502および米国特許出願公開第20040033228号(これらの特許文献は参照により本明細書に組み込まれる。)に記載されている結晶化された抗体断片を含む製剤を使用して、本発明の処置法を使用して関節リウマチを処置する。
ある種の実施形態では、本発明の抗体、抗体部分または他のTNFα阻害剤は、例えば、不活性希釈剤または同化できる食用担体と一緒に経口投与してもよい。化合物(および必要であれば、他の成分)は、硬いもしくは柔らかいシェルゼラチンカプセルに封入される、錠剤中に加圧注入される、または対象の食餌に直接組み込まれてもよい。経口治療投与では、化合物は、賦形剤と一緒に組み込まれ、経口摂取可能な錠剤、バッカル錠、トローチ、カプセル、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ、ウエハなどの形態で使用し得る。本発明の化合物を非経口投与以外により投与するためには、化合物をその不活化を防ぐ物質で被膜するまたは化合物を前記物質と同時投与することが必要なこともある。
補充性活性化合物も組成物中に組み込むことが可能である。ある種の実施形態では、本発明の方法において使用するための抗体または抗体部分は、関節リウマチ阻害剤もしくはアンタゴニストを含む1つもしくは複数の追加の治療薬と同時に処方されるおよび/または同時投与される。例えば、本発明の抗hTNFα抗体または抗体部分は、TNFα関連障害に関連する他の標的に結合する1つもしくは複数の追加の抗体(例えば、他のサイトカインに結合するもしくは細胞表面分子に結合する抗体)、1つもしくは複数のサイトカイン、可溶性TNFα受容体(例えば、PCT公開第WO94/06476号参照)および/またはhTNFα産生もしくは活性を阻害する1つもしくは複数の化学剤(例えば、PCT公開第WO93/19751号に記載されているシクロヘキサンイリデン誘導体)またはこれらの任意の組合せと同時に処方されるおよび/または同時投与されてもよい。さらに、本発明の1つまたは複数の抗体は、前述の治療薬のうちの2つまたはそれよりも多い治療薬と組み合わせて使用し得る。そのような併用療法は、もっと低用量の投与される治療薬を有利に利用し、したがって、考えられる副作用、合併症または様々な単独療法に関連する患者による低レベルの応答を回避し得る。
本発明の医薬組成物は、本発明の抗体または抗体部分の「治療有効量」または「予防有効量」を含み得る。「治療有効量」とは、所望の治療結果を達成するのに必要な用量で必要な期間効果的である量のことである。抗体、抗体部分または他のTNFα阻害剤の治療有効量は、個人の病状、年齢、性別および体重などの要因ならびに個人において所望の応答を誘発する抗体、抗体部分、他のTNFα阻害剤の能力に従って変化し得る。治療有効量は、抗体、抗体部分または他のTNFα阻害剤のどんな毒性または有害効果よりも治療的に有益な効果のほうが勝る量でもある。「予防有効量」とは、所望の予防結果を達成するのに必要な用量で必要な期間効果的である量のことである。典型的には、予防用量は疾病の初期段階に先立ってまたは初期段階で対象において使用されるために、予防有効量は治療有効量よりも少ない。
本発明のキット
本発明は、関節リウマチ(RA)の処置のためのTNFα阻害剤に対する対象の応答性を評価するためのキットならびに関節リウマチ(RA)に罹っている対象を処置するためのキットも提供する。これらのキットには、HLA−DRB1 SE、IL−4R I50および/もしくはV50対立遺伝子ならびに/またはFcγRIIb I232および/もしくはT232対立遺伝子のコピー数(または存在もしくは不在)を決定するための手段と前記キットを使用するための指示書が含まれる。
本発明のキットは、本発明の方法を実施するのに有用な追加の成分を場合によって含んでよい。例を挙げると、キットは、対象から生体試料、対照試料、例えば、対象由来の試料、1つまたは複数の試料区画を得るための手段、本発明の方法の実施を説明する教材および特定の対照/標準物質を含んでよい。
指示書は、例えば、結果を評価するためのアッセイを実施するための印刷された指示書であることも可能である。
対象から生体試料を単離するための手段は、対象から体液または組織を得るのに使用することができる1つまたは複数の試薬を含むことが可能である。対象から生体試料を得るための手段は、例えば、単球のポジティブ選択によりまたは単球以外の他の細胞型全てが除去されるネガティブ選択により、血液試料から末梢血単核球を単離するための手段も含んでよい。
本発明のキットは、TNFα阻害剤をさらに含んでよい。
好ましくは、キットはヒト対象に関して使用するために設計されている。
本発明のキットを使用すれば、RAに罹っている対象がTNFα阻害剤に有効に応答性であるかどうかを判定することが可能である。これらのキットは、バイアル、チューブ等などの1つまたは複数の容器手段を厳重に封じ込めて受け入れるよう区画化されている担体手段を含んでよく、容器手段はそれぞれ本方法において使用される別々の要素のうちの1つを含む。例えば、容器手段のうちの1つは、検出可能な程度に標識されているまたは標識することができるプローブを含んでよい。そのようなプローブは、それぞれタンパク質またはバイオマーカー(HLA−DRB1 SE、IL−4R I50V SNPおよび/もしくはFcγRIIb I232 SNP)遺伝子もしくはメッセージに特異的な抗体またはポリヌクレオチドでもよい。キットが標的核酸を検出するために核酸ハイブリダイゼーションを利用する場合、キットは、標的核酸配列の増幅のためのヌクレオチド(複数可)を含有する容器および/またはビオチン結合タンパク質、例えば、酵素標識、蛍光標識もしくは放射性同位体標識などのリポーター分子に結合している、アビジンもしくはストレプトアビジンなどのリポーター手段を含む容器を有していてもよい。
そのようなキットは、典型的には、上記の容器ならびに緩衝剤、希釈剤、フィルター、針、シリンジおよび使用指示書付きの添付文書を含む商業上の観点および使用者の観点から望ましい材料を含む1つまたは複数の他の容器を含む。組成物が特定用途に使用されることを示すラベルが容器上に存在していてもよく、ラベルは上記の指示などのインビボ使用またはインビトロ使用のための指示を示していてもよい。
本発明のキットはいくつかの実施形態を有する。典型的な実施形態は、容器、容器上のラベルおよび容器内に含有される組成物を含むキットであり、前記組成物には、厳密な条件下でIL−4R I50V SNPおよび/もしくはFcγRIIb I232 SNPの相補体ならびに/またはHLA−DRB1 SEの相補体にハイブリダイズする1つまたは複数のポリヌクレオチドが含まれ、容器上のラベルは前記組成物を使用して試料中のIL−4R I50V SNPおよび/もしくはFcγRIIb I232 SNPの存在ならびに/またはHLA−DRB1 SEの存在を評価することが可能であることを示しており、前記キットは特定の試料型におけるSNPおよび/またはSE RNAもしくはDNAの存在を評価するためのポリヌクレオチド(複数可)を使用するための指示書を含む。
別の態様は、容器、容器上のラベルおよび容器内に含有される組成物を含むキットであり、前記組成物はタンパク質または自己抗体バイオマーカーに結合する一次抗体を含み、容器上のラベルは前記組成物を使用して試料中のそのようなタンパク質または抗体の存在を評価することが可能であることを示しており、前記キットは特定の試料型におけるバイオマーカータンパク質の存在を評価するための抗体を使用するための指示書を含む。前記キットは、試料を調製し抗体を試料に適用するための一組の指示書および材料をさらに含むことが可能である。前記キットは、一次抗体と二次抗体の両方を含んでよく、二次抗体は標識、例えば、酵素標識にコンジュゲートされている。
キットの他の場合による成分には、1つまたは複数の緩衝液(例えば、ブロック緩衝液、洗浄緩衝液、基質緩衝液等)、酵素標識により化学的に改変される基質(例えば、色素原)などの他の試薬、エピトープ回収溶液、対照試料(正および/または負の対照)、対照スライド(複数可)等が含まれる。キットは、キットを使用して得られる結果を解釈するための指示書も含むことが可能である。
追加の特定の実施形態では、抗体ベースのキットでは、キットは、例えば、(1)バイオマーカータンパク質に結合する第1の抗体(例えば、固形支持体に付着している)、および場合によって(2)前記タンパク質または第1の抗体のどちらかに結合し検出可能な標識にコンジュゲートされている第2の異なる抗体を含むことが可能である。
オリゴヌクレオチドベースのキットでは、キットは、例えば、(1)バイオマーカータンパク質をコードする核酸配列にハイブリダイズするオリゴヌクレオチド、例えば、検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドまたは(2)バイオマーカー核酸分子を増幅するのに有用な1対のプライマーを含むことが可能である。キットは、例えば、緩衝剤、保存剤またはタンパク質安定化剤も含むことが可能である。キットは、検出可能な標識(例えば、酵素または基質)を検出するのに必要な成分をさらに含むことが可能である。キットは、アッセイして試験試料と比較することができる対照試料または一連の対照試料も含有することが可能である。キットの各成分は、個々の容器内に封入することが可能であり、様々な容器全てが、キットを使用して実施されるアッセイの結果を解釈するための指示書と一緒に単一包装内に含むことが可能である。
RAの処置に有用な材料を含有する製造物品も本発明により提供される。製造物品は、容器および容器上のまたは容器に付随するラベルまたは添付文書を含む。本態様では、添付文書は容器上にあるまたは容器に付随している。適切な容器には、例えば、ビン、バイアル、シリンジ等が含まれる。容器は、ガラスまたはプラスチックなどの種々の材料から形成してもよい。容器は、RAの処置に有効なアンタゴニストを保持または含有し、無菌のアクセスポートを有し得る(例えば、容器は、静脈注射液バッグでもまたは皮下注射針により突き通すことが可能な栓を有するバイアルでもよい)。組成物中の少なくとも1つの活性薬剤はB細胞アンタゴニストである。ラベルまたは添付文書は、組成物が、提供されているアンタゴニストおよび他の任意の薬物の投与量および間隔に関する特定の指針を用いて処置に適格な対象においてRAを処置するために使用されることを示している。
本明細書のキットおよび製造物品は、例えば、添付文書またはラベルの形態で、前記組成物が、本明細書において多型および/またはSEを示す遺伝子型(複数可)がRAに罹っている患者由来の遺伝子試料において検出されるRAを処置するために使用されることを示す情報も含む。添付文書またはラベルは、紙または電子メディア、例えば、磁気的に記録されるメディア(例えば、フロッピーディスク)もしくはCD−ROMなどのいかなる形態でもとり得る。ラベルまたは添付文書は、キットまたは製造物品における医薬組成物および剤形に関する他の情報を含んでよい。
一般に、そのような情報は封入されている医薬組成物および剤形を有効に安全に使用するうえで患者および医師の助けになる。例えば、アンタゴニストに関する以下の情報、薬理動態学、薬物動力学、臨床研究、有効性パラメータ、指示書および用途、禁忌症、警告、注意、有害反応、過量、適切な用量および投与、供給方法、適切な貯蔵条件、参考文献ならびに患者情報を添付文書において供給してもよい。
本発明の特定の実施形態では、TNFα阻害剤を含む医薬組成物ならびに医薬的に許容される担体ならびに前記阻害剤または医薬組成物がIL−4R I50V SNPおよび/またはFcγRIIb I232 SNPおよび/またはHLA−DRB1 SE対立遺伝子の存在を示す遺伝子試料が得られているRAに罹っている患者を処置するために指示されていることを述べるラベルを一緒に梱包して含む製造物品が提供される。これは、IL−4R I50V SNPおよび/またはFcγRIIb I232 SNPおよび/またはHLA−DRB1 SE対立遺伝子のバイオマーカーとしての遺伝子発現を評価することにより示すことが可能である。
その上、本発明は、パッケージにおいて、TNFα阻害剤または医薬組成物ならびにHLA−DRB1 SE、FcγRIIb I232 SNPおよび/またはIL−4R I50V SNPの存在を示す遺伝子試料が得られているRAに罹っている患者を処置するために指示されていることを述べるラベルを組み合わせることを含む、TNFα阻害剤またはこの医薬組成物を製造するための方法を提供する。代わりに、応答に相関する各SNPに関連する特定の対立遺伝子を個々に列挙してもよい。ラベルは、IL−4R I50V SNPおよび/またはFcγRIIb I232 SNPおよび/またはHLA−DRB1 SEのバイオマーカーとしての遺伝子発現を評価することによりこのことを示すことが可能であることをさらに述べてもよい。注目すべきは、本発明において同定される遺伝子マーカーはそれぞれ個々にまたは互いに組み合わせて記載してもよいことである。
本出願全体で引用されている参考文献、特許および公開された特許出願全ての内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は以下の実施例によりさらに例証されるが、この実施例を限定するものと解釈するべきではない。
[実施例1]
アダリムマブプラスメトトレキセート対メトトレキセート単独を用いた処置に対する初期関節リウマチの応答:遺伝子マーカー解析による臨床応答を予測する
以下の研究および実施例2−4は、TNFα阻害剤、アダリムマブプラスメトトレキセート対メトトレキセート単独を用いた関節リウマチ(RA)の処置への遺伝因子の寄与を調べた。
本研究の目的は、OPTIMA(初期関節リウマチに罹った患者におけるメトトレキセートとアダリムマブ併用療法を用いた処置開始の最適プロトコールを決定するための多施設無作為二重期間二重盲検研究)のサブ研究におけるアダリムマブ(ADA)とメトトレキセート(MTX)を用いた併用療法またはMTX単独療法の26週間後の臨床疾患活性を有する重症RAに対する3つの遺伝リスク因子(HLA−DRB1共有エピトープ(SE)、FcγRIIbおよびIL−4R)の関連を予期的に解析することであった。
OPTIMAは、26週および52週期間を有する78週の継続研究である。適格患者はRA<1年(1987年改定ACR分類)、28関節疾患活性スコア(DAS28)>3.2、≧6腫れた関節(TJC≧6)および≧8圧痛のある関節(SSJC66≧8)を有していた。患者は、上昇した赤血球沈降速度(ESR)≧28mm/hまたはC−反応性タンパク質(CRP)≧1.5mg/dLおよびまたは以下の≧1:>1糜爛、リウマトイド因子陽性(RF+)または抗サイクリックシトルリン化されたペプチド抗体陽性(抗CCP+)を有していた。排除基準は、全身抗TNF療法への先行曝露、MTXもしくは>2疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)を用いた処置、他の急性炎症関節疾患またはそれぞれ4週間もしくは2カ月以内のステロイド処置もしくは外科処置を含んでいた。
HLA−DRB1 SE(ホモまたはヘテロ接合性)、FcγRIIb I232T一ヌクレオチド多型(SNP)(アッセイオンデマンド(Applied Biosystems)を使用する対立遺伝子特異的PCRによって)およびIL−4R I50V SNP(アッセイオンデマンド(Applied Biosystems)を使用する対立遺伝子特異的PCRによって)の存在について対立遺伝子特異的ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)ならびに必要であれば直接塩基配列決定により患者の遺伝子型を同定した。
図1に示されるように、MTX未処置患者は無作為化され、最初の26週間の処置(期間1)で、毎週経口MTX(20mgまで増加される)プラス隔週ごとにアダリムマブ(ADA)40mgまたは皮下注射によるブラセボ(PBO)を受けることに最初1対1で無作為化された。期間2では、例えば、DAS28低疾患活動性(LDA)基準(DAS28<3.2)を満たす併用療法応答者らは、1対1で再無作為化され、26−78週間ADA+MTXのままであるまたはPBO+MTXまで「ステップダウン」された。最初のPBO+MTX単独療法群では、期間1後にDAS28 LDAを達成した対象は期間2ではPBO+MTXに盲検されたままであった。22週目および/または26週目にDAS28 LDA基準を満たすことができなかったどんな対象も26週をすぎて非盲検ADA+MTXを受けた。遺伝子データは26週臨床応答に関連していた。
臨床評価では、ベースラインACRスコアから20%、50%および70%改善を達成した対象の百分率は、ノンレスポンダー帰属アプローチを使用して26週目の後に決定された。DAS28(CRP)スコアは26週目に評価された。LDA(DAS28<3.2)および寛解基準(DAS28<2.6)を達成した対象の割合は、ノンレスポンダー帰属アプローチを使用して決定された。
統計解析では、処置群間の対立遺伝子分布は、カイ二乗検定またはデータがまばらである場合にはフィッシャーの正確検定を使用して評価された。カイ二乗検定を使用して、処置群内および処置群間でACR20/50/70およびDAS28 LDA(<3.2)または寛解(<2.6)を達成した対象の割合を比較した。
調査集団は、最初の26週間PBO+MTX(N=517)またはADA+MTX(N=515)に無作為化された1032患者を含んでいた。期間1の間、106の対象(10%)は早期に停止した(PBO+MTX:N=57、11%;およびADA+MTX:N=49、10%)。登録された1032の対象にうち894対象(87%)はこのサブ解析に利用することができる遺伝子データを有していた(PBO+MTX:N=451、87%;およびADA+MTX:N=443、86%)。
下の表1に見られるように、3つの遺伝因子全てが、両処置群ともハーディワインベルグ平衡であった。MTXおよびADA+MTX群は、HLA−DRB1 SE(それぞれ63%対67%)を担持している患者の百分率にもまたは0、1または2コピーのSE(MTX:37%、48%、15%;ADA+MTX:33%、49%、19%)を担持している患者の百分率にも有意差はなかった。同様に、IL−4R I50V対立遺伝子を有する患者の百分率は、MTXとADA+MTX群間で有意差はなかった(A対立遺伝子ホモ接合性:29%対33%;G対立遺伝子ホモ接合性:20%対20%;ヘテロ接合性:52%対47%)。これとは対照的におよび偶然に、FcγRIIb I232T対立遺伝子の分布は群間で有意差があり、さらなる解析からこの対立遺伝子を排除した。FcγRIIb I232T対立遺伝子の解析は実施例4に提供されている。
Figure 2013518590
HLA−DRB1 SEおよびIL−4R対立遺伝子により層別された対象のベースライン人口統計ならびに疾患特性は、それぞれ表2および3に表示されている。
Figure 2013518590
Figure 2013518590
全体として、ADA+MTX併用療法を受けた対象は、PBO+MTX処置群の対象と比べて、26週の処置に有意に良好な応答をした。
下の図2および表4a−4cに示されるように、HLA−DRB1 SEコピーの数は、臨床応答に関連していた。しかし、コピー数の増加は、アメリカリウマチ学会評価尺度改善度(ACR20、ACR50およびACR70)ならびにMTX群に対する28関節疾患活性スコア寛解基準の達成度が減少したことと関連していたが、コピー数の増加はADA+MTX群とのほうがより良好な臨床応答と著しく直接的に相関していた(例えば、0、1および2コピーではACR50:MTX群についての40%、33%および29%対ADA−MTX群についての42%、53%および65%)。これらのデータは、少なくとも1コピーのSEを有する対象においては、ADA+MTXとの併用療法は、MTX単独療法と比べて著しく改善されたACR20/50/70応答率と関連していたことおよびADA+MTXへのACR応答の累積的増加が1または2コピーのSE対立遺伝子を有する対象において観察されたことを示している。
Figure 2013518590
Figure 2013518590
Figure 2013518590
さらに、図3および下の表5に示されるように、少なくとも1コピーのSEを有する対象においては、ADA−MTXとの併用療法は、MTX単独療法と比べて著しく改善されたDAS28応答と関連していた。DAS28 LDA基準を満たすADA+MTX対象の割合の累積的増加が、1または2コピーのSE対立遺伝子を有する対象において観察された。SEの存在はMTX単独療法へのDAS28応答とは関連していなかった。
Figure 2013518590
下の図4および表6a−6cに見られるように、著しく増強された臨床応答が、IL−4R I50対立遺伝子についてホモ接合性またはヘテロ接合性であったADA+MTXの患者では観察されたが、2つのIL−4R V50対立遺伝子を有する患者では観察されなかった。少なくとも1つのIL−4R I50対立遺伝子(AAまたはAG)を担持する対象は、MTX単独療法と比べてADA+MTXとの併用療法へのACR応答の著しい改善を示した。ADA+MTXを用いて処置されIL−4R I50対立遺伝子についてホモ接合性(AA)またはヘテロ接合性(AG)であった対象は、IL−4R V50V対立遺伝子(GG)を有するADA+MTX対象と比べてACR20応答が著しく増強されていた。IL−4R対立遺伝子は、ACR20/50/70応答率により評価される場合、PBO+MTXへの差示的応答とは関連していなかった。
Figure 2013518590
Figure 2013518590
Figure 2013518590
下の図5および表7に見られるように、ACR応答では、少なくとも1つのIL−4R I50対立遺伝子(AAまたはAG)を担持する対象は、MTX単独療法と比べてADA+MTXとの併用療法へのDAS28応答の著しい改善を示した。IL−4R V50V対立遺伝子(GG)を有するADA+MTX対象と比べて、ADA+MTXを用いて処置されI50対立遺伝子についてホモ接合性(AA)またはヘテロ接合性(AG)であった対象の比較的高い割合がDAS28 LDAを達成した。逆に、I50対立遺伝子の存在は、MTX単独療法を用いて処置されDAS28 LDAおよび寛解基準を満たした対象の割合が減少する傾向と関連していた。
Figure 2013518590
結論として、HLA−DRB1共有エピトープおよびIL−4R I50V多型は、初期RAに罹った患者の差示的処置応答と独立して関連していた。HLA−DRB1共有エピトープまたはIL−4R I50対立遺伝子の存在は、アダリムマブプラスメトトレキセートを用いて処置された患者において臨床応答を増加させた。HLA−DRB1共有エピトープおよびIL−4R I50対立遺伝子は、メトトレキセート単独療法と比べて、アダリムマブプラスメトトレキセートを用いた26週の処置に続いて臨床応答の増強と独立して関連していた。したがって、本研究の結果により、HLA−DRB1 SEおよびIL−4R I50Vが、ADA+MTX治療への臨床応答に寄与したことが示されている。したがって、遺伝子マーカー解析は、初期RAに罹った患者において個別医療を促進することが可能であり、この解析を使用して、対象がTNFα阻害剤を用いたRAの処置に応答性かどうかを予測し得る。
[実施例2]
アダリムマブプラスメトトレキセート対メトトレキセート単独への応答に対する遺伝子相互作用の影響:OPTIMA試験の6カ月の結果
関節リウマチ(RA)疾患重症度および処置への応答に影響を与える遺伝因子の同定は、個別療法アプローチを導くことが可能である。疾患活性の変化に対する候補遺伝因子の影響を探求するため、以下の研究はアダリムマブプラスメトトレキセート対メトトレキセート単独を用いた関節リウマチ(RA)の処置への遺伝因子の寄与を調べた。
OPTIMAは、26週期間および52週期間を有する進行中の78週研究である。研究設計および患者適格性/排除基準の詳細は上の実施例1に記載されている。手短に言えば、適格患者は、RA<1年、DAS28>3.2、≧6SJC、≧8TJC、ESR≧28mm/hまたはCRP≧1.5、および以下の≧1:>1糜爛、RF+または抗CCP+を有していた(上参照)。MTX無処置患者はADA40mg隔週+MTXまたはプラセボ(PBO)+MTX(上参照)に無作為化された。HLA−DRB1共有エピトープ(SE)、FcγRIIb I232T一ヌクレオチド多型(SNP)およびIL−4R I50V SNPの存在について対立遺伝子特異的ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)および必要であれば、直接塩基配列決定により、患者の遺伝子型が調べられた。26週の処置への臨床応答は、遺伝子バックグラウンドにより対立遺伝子ごとに独立して、SEおよびIL−4Rでは対立遺伝子組合せにおいて調べられた。
処置群の対象は、0、1または2コピーのHLA−DRB1 SE(それぞれPBO+MTX:37%、48%、15%;ADA+MTX:33%、49%、19%、P=0.28、上の表1参照)の比較分布を示した。同様に、IL−4R対立遺伝子、AA、AGおよびGGは処置群間で類似の分布をしていた(それぞれPBO+MTX:29%、52%、20%;ADA+MTX:33%、47%、20%、P=0.38、上の表1参照)。しかし、FcγRIIb対立遺伝子は、処置群間に非類似的に割り当てられ(上の表1参照)、本実施例では追加の解析はこのSNPに関しては行われなかったが、実施例4に提供されている。
SEの存在は、MTX単独への処置応答に影響を与えなかった(例えば、0、1または2コピーでは40%、33%および29%のACR50、P=0.23、上の表4参照)。逆に、処置応答率は、ADA+MTXを受けた対象においてSEのコピーが増加するのに対応して増強された(0、1または2SEでは42%、53%および65%のACR50、P=0.004、上の表4参照)。したがって、1コピーのSEの存在は、PBO+MTX群と比べてADA+MTX対象についてのACR50の20%増加を与え(P<0.001)、2コピーのSEはADA+MTXにおけるACR50をPBO+MTXよりも36%増加させた(P<0.001)。上の表4を参照されたい。
同様に、MTXへの臨床応答はIL−4R対立遺伝子による影響を受けず、ADA+MTXを用いた処置成績はAAまたはAG IL−4R対立遺伝子を有する対象では増強されていた。上の表6を参照されたい。
PBO+MTX群におけるSEとIL−4R対立遺伝子組合せについての処置応答の試験は、遺伝子型による応答の変化はまったく示しておらず、個々の対立遺伝子の解析からの結果を支持している。しかし、SEの非存在下では、IL−4R遺伝子型はADA+MTXへの処置応答に影響を与え、SEの存在はIL−4R対立遺伝子の効果を遮蔽している(表8参照)。
Figure 2013518590
本明細書に報告される結果は、アダリムマブプラスメトトレキセートへの臨床応答は、HLA−DRB1共有エピトープとIL−4R対立遺伝子の両方により独立して影響され、メトトレキセート単独療法への応答に対する遺伝子型の影響はなかった。さらに、アダリムマブプラスメトトレキセートを用いた処置への応答にはHLA−DRB1共有エピトープとIL−4R対立遺伝子間の相互作用がある。
[実施例3]
アダリムマブプラスメトトレキセート対メトトレキセート単独への応答に対する遺伝子相互作用の影響:OPTIMA試験の6カ月の結果
背景
関節リウマチ(RA)疾患重症度および処置への応答に影響を与える遺伝因子が同定されると、個別療法アプローチを導くことが可能である。特定の遺伝因子は関節リウマチ(RA)への感受性および関節リウマチ(RA)の重症度に関連付けられてきたが、生物学的RA処置への応答に対する遺伝子成分の効果は広く探求されてはこなかった。
目的
本研究の目的は、アダリムマブ(ADA)プラスメトトレキセート(MTX)またはMTX単独を用いた処置に続く疾患活性の変化に対する候補遺伝因子の影響を探求することであった。さらに、アダリムマブ(ADA)プラスメトトレキセート(MTX)またはMTX単独を用いた処置に続いて初期RAに罹っている患者における疾患活性の変化に対する候補遺伝因子の影響も探求された。
方法
研究設計(図1)
OPTIMAは、初期RAに罹っている患者におけるメトトレキセートとアダリムマブの併用療法を用いた処置開始のための最適なプロトコールを決定するための第4相多施設2期間二重盲検プラセボ対照無作為化臨床試験であった。適格患者のキーとなる組み入れ基準は、
1)年齢18歳
2)RA(1987 ACR分類基準)<診断から1年
3)DAS28>3.2
4)TJC68≧8およびSJC66≧6
5)ESR≧28mm/hまたはCRP≧1.5mg/dL
この遺伝子サブ研究における対象は、追加の自発的書面での告知に基づく参加への同意を与えた。
MTX無処置患者は、最初の26週間ADA(40mg eow)+MTX(8週までに20mg/wkまで滴定される)またはプラセボ(PBO)+MTXに1対1で無作為化された。
22週目および/または26週目にLDA(DAS28<3.2)を満たせないどんな対象も、非盲検ADA+MTXを用いた処置を続ける選択肢を与えられた。
最初にADA+MTXを用いて処置され22週目および26週目にLDAを達成した応答者対象は、連続する併用療法対78週を通じたADA休止を比較するために再無作為化された。22週目および26週目にLDAを有するPBO+MTX対象は、MTX単独療法には盲検のままであった。
要約すると、OPTIMAは、26週および52周期間を有する進行中の78週研究である。適格患者は、RA<1年、DAS28>3.2、≧6 SJC、≧8 TJC.ESR≧28mm/hまたはCRP≧1.5mg/dLおよび以下の≧1:>1糜爛、RF+または抗CCP+を有していた。MTX無処置患者はADA 40mg隔週+MTXまたはプラセボ(PBO)+MTXに無作為化された。HLA−DRB1共有エピトープ(SE)、FcγRIIb I232T一ヌクレオチド多型(SNP)およびIL−4R I50V SNPの存在について対立遺伝子特異的ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)および必要であれば、直接塩基配列決定により、患者は遺伝子型を調べられた。26週の処置への臨床応答は、遺伝子バックグラウンドにより対立遺伝子ごとに独立して、SEおよびIL−4Rでは対立遺伝子組合せにおいて調べられた。
遺伝子解析
HLA−DRB1 SEホモ接合性またはヘテロ接合性を決定するために、HLA−DRB1分類が2ステップ法において実施された。第一に、全ての患者が、LABType SSOアッセイ(One Lambda Inc.)を使用して低解像度で分類された。DRB101、04、10および14陽性患者は続いて配列ベースの分類(AlleleSEQR、Abbott Molecular Diagnostics)を使用して高解像度で分類された。多義性の場合は、Biotest製のDRB高解像SSOキットをさらに使用した。
ある種の例では、Protrans S4 Sequencing Kits(Medipro)を用いた高解像分類を使用して、患者がHLA−DRB1 SEホモ接合性を有するのかヘテロ接合性を有するのかを決定した。
Assay−on−Demand(Applied Biosystems)を使用する対立遺伝子特異的PCRを使用してIL−4R(AからG[I50V])SNPを決定した。
Assay−by−Design(Applied Biosystems)を使用する対立遺伝子特異的PCRを使用してFcγRIIb(TからC[I232T])バリアントを決定した。
臨床評価
ベースラインからACRスコアの50%改善を達成する対象の百分率は、ノンレスポンダー帰属アプローチを使用して26週目に決定された。DAS28(CRP)寛解(DAS28<2.6)を達成する対象の百分率は、ノンレスポンダー帰属アプローチを使用して26週目に決定された。
統計的解析
処置群間の対立遺伝子分布は、カイ二乗検定、データが希薄な場合はフィッシャーの正確検定を使用して評価された。多変量ロジスティック回帰を使用して、26週目の臨床応答に対する処置、個々の対立遺伝子、処置と遺伝子成分間の相互作用ならびにベースライン人口統計および疾患特性の効果を評価した。
結果
研究対象集団
対象の配置
OPTIMA試験無作為化された1032患者:PBO+MTX:N=517およびADA+MTX:N=515
最初の26週期間中に、106対象(10%)は早期に休止した:PBO+MTX:N=57、11%およびADA+MTX:N=49、10%
本遺伝子サブ研究では、1032対象のうちの894(87%)が本解析に利用することができる遺伝子型データを有していた:
PBO+MTX:N=451、87%
ADA+MTX:N=443、86%
ベースライン特性
無作為化は、対立遺伝子型に基づいて層別されなかった:
各処置群の対象は、HLA−DRB1 SEおよびIL−4R対立遺伝子バリアントの類似する分布を示した。しかし、FcγRIIb SNPは不均等に分布しており追加の解析からは排除された(下の表9参照)が、実施例4に記載される個別解析では解析された。
Figure 2013518590
ベースライン人口統計および疾患特性は、処置群全体にわたり対立遺伝子バリアント間で類似していた(表10および11)。
抗CCP+患者の百分率の増加は、SEのコピーの増加と共に注目された。
1つのSE対立遺伝子を有するADA+MTX患者と比べて、1コピーのSEを有する患者ではPBO+MTX群において多くの喫煙者が同定された。
Figure 2013518590
Figure 2013518590
処置応答
考えられる交絡変数について制御するために、多変量回帰分析を用いてベースライン人口統計および疾患状態変数を用いて遺伝因子の影響を探求した。多変量回帰では、ADA+MTXについての処置効果は、26週目にACR50とDAS28寛解の両方を達成したので著しかった(P<0.001)。
SEコピー数
ACR50
2つの処置群において応答率の逆パターンが観察された。つまり、PBO+MTX群におけるACR50応答は、SE多重度と共に減少傾向を示した(表4)が、ADA+MTXへのACR50応答率は、SEの存在が増加すると共に対象において増加した(表4)。
2つの処置群におけるSEコピー数と処置応答間の逆の関係のせいで、各処置群内において追加の多変量モデルが行われた。性別、喫煙者、RF+、抗CCP+、TJC68およびDAS28というベースライン変数を説明する際に、PBO+MTX群内にSEコピー数の著しい効果があることが発見された(OR[95%信頼区間、CI]:2×対0×SEについて0.469[0.247、0.893])。さらに、ADA+MTX群では、SEコピー数の効果も著しいことが発見された(OR[95%CI]:2×対0×SEについて2.048[1.127、3.722])。
DAS28寛解
PBO+MTX対象間には、DAS28寛解に対するSEコピー数の効果はなかった(表5)。しかし、ADA+MTX対象において、増加するDAS28応答率のパターンがSEのコピーの増加と共に観察された(表5)。さらに、PBO+MTXまたはADA+MTX群のどちらかの中に、多変量回帰によるDAS28寛解に対するSEコピー数の著しい効果は見られなかった。
IL−4R対立遺伝子
ACR50
ADA+MTXまたはPBO+MTXのどちらかを受ける対象では、26週目のACR50はIL−4R対立遺伝子により意味のある影響は受けなかった(表6)。
DAS28寛解
PBO+MTXまたはADA+MTX処置群のどちらかの中の対象では、IL−4R対立遺伝子は26週目のDAS28寛解応答率に影響を与えなかった(表7)。これらの所見は多変量回帰により支持されており、どちらの処置応答変数に対してもIL−4R対立遺伝子の著しい効果はなかった。
組み合わされた対立遺伝子効果
個々の成分分析からの所見と一致して、ADA+MTXを用いて処置された患者におけるACR50およびDAS28応答率は、IL−4R AA対立遺伝子ではホモ接合性の対象を除いて、少なくとも1コピーのSEの存在下で増強された(図6、7および8)。PBO+MTXへの応答率に対するSEおよびIL−4R対立遺伝子組合せの影響には一貫したパターンはなかった(データは示されず)。
要約して言えば、処置群の対象は、0、1または2コピーのHLA−DRB1 SEの比較可能な分布を示した(それぞれPBO+MTX:37%、48%、15%;ADA+MTX:33%、49%、19%、P=0.28)。同様に、IL−4R対立遺伝子、AA、AGおよびGGは処置群間で類似の分布をしていた(それぞれPBO+MTX:29%、52%、20%;ADA+MTX:33%、47%、20%、P=0.38)。しかし、FcγRIIb対立遺伝子は処置群間で類似せずに割り当てられ、このSNPに関しては追加の解析は行われなかった(追加の解析は下の実施例4に表示されている。)。SEの存在はMTX単独への処置応答に影響を与えなかった(例えば、0、1または2コピーについて40%、33%および29%のACR50、P=0.23)。逆に、処置応答率はADA+MTXを受けた対象においてSEのコピーが増加するのに対応して増強された(0、1、2SEについて42%、53%および65%のACR50、P=0.004)。したがって、1コピーのSEが存在すると、PBO+MTX群と比べてADA+MTX対象ではACR50の20%増加を与え(P<0.001)、2コピーのSEではPBO+MTXよりも、ADA+MTXではACR50を36%増加させた(P<0.001)。同様に、MTXへの臨床応答はIL−4R対立遺伝子によって影響されず、ADA+MTXを用いた処置成果はAAまたはAG IL−4R対立遺伝子を有する対象においては増強された。PBO+MTX群におけるSEとIL−4R対立遺伝子の組合せについての処置応答の試験では、遺伝子型による応答の変化は示されず、個々の対立遺伝子の解析から得られた結果を支持していた。SEの非存在下では、IL−4R遺伝子型はADA+MTXへの処置応答に影響を与えたが、SEの存在がIL−4R対立遺伝子の効果を遮断した(上の表8参照)。
結論
ADA+MTXを用いた処置は、PBO+MTXと比べて、処置の26週目にACR50またはDAS28を達成するのに著しい利点を与えることが発見された。HLA−DRB1共有エピトープは、ベースライン人口統計および疾患状態変数を説明する時でさえ、処置応答(ACR50)に対する著しい効果を示した。さらに、IL−4Rは、多変量回帰においてACR50またはDAS28寛解応答に認識できるほどの効果を示さなかった。したがって、TNFアンタゴニストへの処置応答に寄与する遺伝子成分を理解すれば、治療決定を導くのに役立つことが可能である。
要約すると、アダリムマブプラスメトトレキセートへの臨床応答は、HLA−DRB1共有エピトープとIL−4R対立遺伝子の両方により独立して影響を受けたが、メトトレキセート単独療法への応答に対する遺伝子型の影響はなかった。したがって、アダリムマブプラスメトトレキセートを用いる処置への応答において、HLA−DRB11共有エピトープとIL−4R対立遺伝子間には相互作用があった。
[実施例4]
初期関節リウマチに罹った患者においてアダリムマブプラスメトトレキセートへの処置応答に対するHLA−DRB1、IL−4RおよびFcγRIIbの遺伝子影響:OPTIMAの26週の結果
遺伝因子は関節リウマチの発現、重症度およびX線検査進行に影響を与えることが知られている。抗TNF薬を用いた処置への応答に対するその効果ははっきりしていない。
本研究の目的は、3つの候補遺伝子座、すなわちHLA−DRB1共有エピトープ(SE)、IL−4R I50VバリアントおよびFcγRIIb I232T多型に従った26週の処置に続いてアダリムマブプラスメトトレキセート(ADA+MTX)またはプラセボ(PBO)+MTXへの応答を調べることであった。
方法
RA<1年および活性疾患(DAS28>3.2、ESR≧28mm/hまたはCRP≧1.5mg/dL)および>1糜爛、RF+または抗CCP+のいずれかを有するMTX無処置患者≧18歳は、26週間ADA+MTX(N=515)またはPBO+MTX(N=517)に無作為化された。この解析は、HLA−DRB1 SEコピー数(0×、1×または2×)、IL−4R I50V(AA、AGまたはGG)およびFcγRIIb I232T(TT、TC、CC)対立遺伝子による26週目の臨床成果を提示する。ノンレスポンダー帰属を使用して、ACR20/50/70およびDAS28低疾患活動性(LDA、DAS28<3.2)および寛解(DAS28<2.6)を達成する患者の百分率を計算した。多重ロジスティック回帰を使用して、潜在的交絡ベースライン変数の影響を評価した。カテゴリーベースライン説明変数には、性別、喫煙者、RF(>50または≦50IU)、抗CCP(≧3×または<3× ULN)、CRP(≧1.5または<1.5mg/dl)および糜爛の存在(0または>0)が含まれる。ベースラインTJC68、SJC66およびDAS28の連続値も含まれた。
結果
本研究では、遺伝子データは、それぞれPBO+MTXまたはADA+MTXに無作為化された451および443患者について入手可能であった。対立遺伝子の分布は、SEおよびIL−4Rでは処置群間で類似していた。PBO+MTX群はより多くのTCおよびより少ないCC FcγRIIb患者を有していたので、FcγRIIb対立遺伝子は両処置アーム(PBO+MTX)対(ADA+MTX)において患者間で不均等に分布していた。FcγRIIbについての両処置アーム間の比較は実施されなかったが、そのそれぞれの処置への応答に対する1アーム単独内での3つのFcγRIIb遺伝子型全ての影響を解析することは可能であった。
遺伝子座ごとに、ベースライン人口統計は対立遺伝子全体にわたり類似していた。抗CCP+患者のより高い割合は、SEのコピーが増加する患者間で注目された。
ADA+MTXへの応答はSEコピー数の増加と共に増加し、IL−4R−GGと共に減少し、FcγRIIb−CCと共に増加した。PBO+MTX群の患者では逆パターンが検出された(例えば、DAS28<3.2、図9)。
この違いのために、各処置群内で多重ロジスティック回帰が実施された。PBO+MTXを用いた処置への応答では、SEコピー数はACR20およびACR50に対して著しい負の効果を示した。IL−4RおよびFcγRIIbは、PBO+MTXへの26週応答との著しい関連を示せなかった。
ADA+MTX応答のモデルでは、SEコピー数は、ACR20/50/70およびDAS28 LDAを達成することと顕著に関連していた。オッズ比は、2コピーのSEを有する患者は、SE対立遺伝子のない患者のほぼ2倍これらの標的に到達する可能性が高いことを示した。IL−4R単独ではADA+MTXへの26週処置応答に対して影響を与えなかった。FcγRIIb−CCはACR70およびDAS28寛解を達成することと顕著に関連しており、オッズ比はFcγRIIb−TCの10倍より大きかった。組み合わせると、SEコピー数の効果は、IL−4R−AAおよびFcγRIIb−TT野生型バックグラウンドにおいては弱められていたが、IL−4RまたはFcγRIIb遺伝子バリアントのどちらかの少なくとも1コピーが存在した場合には明らかであった。
結論として、遺伝子バックグラウンドとは無関係に、処置応答率は、PBO+MTXと比べると、ADA+MTX群の患者では高かった。多重ロジスティック回帰モデルに基づくと、IL−4R単独は処置成果とは関連していなかった。HLA−DRB1 SEおよびFcγRIIbは、ADA+MTX処置への応答の独立した顕著な陽性予測因子であった。これらの遺伝子座間の潜在的相互作用は、抗TNF薬への応答におけるこれらの遺伝子成分の役割のさらなる探求を正当化するが、HLA−DRB1 SEおよびFcγRIIb単独または組合せ(および/またはIL−4Rとのさらに組み合わせて)は、それぞれTNF阻害剤を用いた処置への患者応答の予測因子であることは、本明細書に提示されるデータから明らかである。
均等物
当業者であれば日常の実験法のみを使用して、本明細書に記載される本発明の特定の実施形態の均等物を数多く認識するまたは確認することができる。そのような均等物は以下の特許請求の範囲により包含されることが意図されている。
参考文献
1.Disease Activity Score(DAS) in Rheumatoid Arthritis.[website]http://www.das−score.nl/www.das−score.nl/index.html.Accessed August 21,2006.
2.John M.Davis IIIy Eric L.Matteson.Reumatol Clin.2009;5(4):143−146

Claims (45)

  1. TNFα阻害剤を用いる処置に対する関節リウマチ(RA)を有する対象の応答性を予測する方法であって、対象からの試料中のHLA−DRB1共有エピトープ(HLA−DRB1 SE)対立遺伝子の存在を決定することを含み、少なくとも1コピーのHLA−DRB1 SE対立遺伝子の存在は、対象がTNFα阻害剤を用いる処置に対して応答性であることを示す、方法。
  2. 関節リウマチ(RA)を有する対象を処置するための方法であって、少なくとも1コピーのHLA−DRB1共有エピトープ(HLA−DRB1 SE)対立遺伝子が対象からの試料中に存在することを条件として、RAの処置のためにTNFα阻害剤を対象に投与することを含む、方法。
  3. TNFα阻害剤が関節リウマチ(RA)を有する対象の処置のために有効であるかを決定する方法であって、対象からの試料中の少なくとも1コピーのHLA−DRB1共有エピトープ(HLA−DRB1 SE)対立遺伝子の存在を検出することを含み、HLA−DRB1 SE対立遺伝子の存在は、TNFα阻害剤が対象におけるRAの処置のために有効であることを示す、方法。
  4. HLA−DRB1 SE対立遺伝子の存在が、試料中の核酸またはタンパク質をアッセイすることにより決定される、請求項1、2または3のいずれか一項の方法。
  5. HLA−DRB1 SE対立遺伝子の存在が、マイクロアレイ分析、DNA配列決定またはPCR技術からなる群より選択されるアッセイ方法を用いて決定される、請求項1、2または3のいずれか一項の方法。
  6. 対象からの試料中のIL−4R I50対立遺伝子の存在を決定することをさらに含み、試料中のIL−4R I50対立遺伝子(AAまたはAG)の存在が、対象がTNFα阻害剤を用いる処置に対して応答性であることを示す、請求項1、2または3のいずれか一項の方法。
  7. 対象からの試料中の2つのFcγRIIb T232対立遺伝子(FcγRIIb−CC)の存在を決定することをさらに含み、試料中の2つのFcγRIIb T232対立遺伝子(FcγRIIb−CC)の存在が、対象がTNFα阻害剤を用いる処置に対して応答性であることを示す、請求項1、2または3のいずれか一項の方法。
  8. 対象からの試料中のIL−4R I50対立遺伝子の存在を決定することをさらに含み、試料中のIL−4R I50対立遺伝子(AAまたはAG)の存在が、対象がTNFα阻害剤を用いる処置に対して応答性であることを示す、請求項7の方法。
  9. TNFα阻害剤を用いる処置に対するRAを有する対象の応答性を予測する方法であって、対象からの試料中のFcγRIIb T232対立遺伝子のコピー数を決定することを含み、2コピーのFcγRIIb T232対立遺伝子(FcγRIIb−CC)の存在は、対象がTNFα阻害剤を用いる処置に対して応答性であることを示す、方法。
  10. 関節リウマチ(RA)を有する対象を処置するための方法であって、2コピーのFcγRIIb T232対立遺伝子(FcγRIIb−CC)が対象からの試料中に存在することを条件として、RAの処置のためにTNFα阻害剤を対象に投与することを含む、方法。
  11. TNFα阻害剤が関節リウマチ(RA)を有する対象の処置のために有効であるかを決定する方法であって、対象からの試料中のFcγRIIb T232対立遺伝子のコピー数を決定することを含み、2コピーのFcγRIIb T232対立遺伝子(FcγRIIb−CC)の存在は、TNFα阻害剤が対象におけるRAの処置のために有効であることを示す、方法。
  12. FcγRIIb T232対立遺伝子の存在が、試料中の核酸またはタンパク質をアッセイすることにより決定される、請求項9から11のいずれか一項の方法。
  13. FcγRIIb T232対立遺伝子の存在が、マイクロアレイ分析、DNA配列決定またはPCR技術からなる群より選択されるアッセイ方法を用いて決定される、請求項9から11のいずれか一項の方法。
  14. TNFα阻害剤を用いる処置に対するRAを有する対象の応答性を予測する方法であって、対象からの試料中のIL−4R V50対立遺伝子のコピー数を決定することを含み、試料中の2コピーのIL−4R V50対立遺伝子(GG)の存在は、対象が少なくとも1コピーのHLA−DRB1 SE対立遺伝子も有さない限り、対象がTNFα阻害剤を用いる処置に対して応答性でないことを示す、方法。
  15. IL−4R V50対立遺伝子のコピー数が、試料中の核酸またはタンパク質をアッセイすることにより決定される、請求項14の方法。
  16. IL−4R V50対立遺伝子のコピー数が、マイクロアレイ分析、DNA配列決定またはPCR技術からなる群より選択されるアッセイ方法を用いて決定される、請求項14の方法。
  17. TNFα阻害剤が、抗TNFα抗体もしくはその抗原結合部分または融合タンパク質である、請求項1から16のいずれか一項の方法。
  18. 融合タンパク質が、エタネルセプトである、請求項17の方法。
  19. 抗TNFα抗体またはその抗原結合部分が、ヒト抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体および多価抗体からなる群より選択される、請求項17の方法。
  20. キメラ抗TNFα抗体またはその抗原結合部分が、インフリキシマブである、請求項19の方法。
  21. ヒト抗TNFα抗体またはその抗原結合部分が、アダリムマブまたはゴリムマブである、請求項19の方法。
  22. ヒト抗TNFα抗体またはその抗原結合部分が、ともに表面プラズモン共鳴により決定される1×10−8M以下のKおよび1×10−3−1以下のkoff速度定数でヒトTNFαから解離し、ならびに標準的なインビトロL929アッセイにおいて1×10−7M以下のIC50でヒトTNFα細胞毒性を中和する単離ヒト抗体である、請求項19の方法。
  23. ヒト抗TNFα抗体またはその抗原結合部分が、以下の:
    a)表面プラズモン共鳴により決定される1×10−3−1以下のkoff速度定数でヒトTNFαから解離する;
    b)配列番号3のアミノ酸配列または(1位、4位、5位、7位もしくは8位にて単一アラニン置換によりまたは1位、3位、4位、6位、7位、8位および/もしくは9位にて1から5の保存的アミノ酸置換により)配列番号3から改変されたアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3ドメインを有する;ならびに
    c)配列番号4のアミノ酸配列または(2位、3位、4位、5位、6位、8位、9位、10位もしくは11位にて単一アラニン置換によりまたは2位、3位、4位、5位、6位、8位、9位、10位、11位および/もしくは12位にて1から5の保存的アミノ酸置換により)配列番号4から改変されたアミノ酸配列を含む重鎖CDR3ドメインを有する
    という特徴を有する単離ヒト抗体である、請求項19の方法。
  24. ヒト抗TNFα抗体またはその抗原結合部分が、配列番号1のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(LCVR)および配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(HCVR)を有する単離ヒト抗体である、請求項19の方法。
  25. 対象が、1年未満の疾患持続期間のRAと診断されている、請求項1から24のいずれか一項の方法。
  26. 対象が、>3.2のDAS28を有する、請求項1から25のいずれか一項の方法。
  27. 対象が、MTXをさらに投与される、請求項1から26のいずれか一項の方法。
  28. 対象における臨床上の応答性を決定または予測する、請求項1、3、9および11のいずれか一項の方法。
  29. 関節リウマチ(RA)の処置用のTNFα阻害剤に対する対象の応答性を予測するためのキットであって、
    対象からの試料中のHLA−DRB1 SE対立遺伝子の存在を決定するための手段および
    HLA−DRB1 SE対立遺伝子の存在に基づき対象に推奨される処置についての指示書であり、HLA−DRB1 SE対立遺伝子の存在は、対象がTNFα阻害剤を用いるRAの処置に対して応答性であることを示す指示書
    を含む、キット。
  30. HLA−DRB1 SE対立遺伝子の存在を決定するための手段が、
    HLA−DRB1 SEをコードする核酸分子もしくはSE領域を含有するその部分とハイブリダイズする核酸または
    HLA−DRB1 SEに相当するタンパク質と特異的に結合する抗体
    のいずれかを含む、請求項29のキット。
  31. 対象からの試料中のIL−4R I50対立遺伝子の存在を検出するための手段および
    IL−4R I50対立遺伝子の存在に基づき対象に推奨される処置についての指示書であり、IL−4R I50対立遺伝子およびHLA−DRB1 SE対立遺伝子の組合せの存在が、対象がTNFα阻害剤を用いるRAの処置に対して応答性であることを示す指示書
    をさらに含む、請求項29または30のキット。
  32. 関節リウマチ(RA)の処置用のTNFα阻害剤に対する対象の応答性を予測または評価するためのキットであって、
    a)対象からの試料中のFcγRIIb T232対立遺伝子の存在を決定するための手段および
    b)2つのFcγRIIb T232対立遺伝子(FcγRIIb−CC)の存在に基づき対象に推奨される処置についての指示書であり、2つのFcγRIIb T232対立遺伝子の存在は、対象がTNFα阻害剤を用いるRAの処置に対して応答性であることを示す指示書
    を含む、キット。
  33. FcγRIIb T232対立遺伝子の存在を決定するための手段が、
    FcγRIIb T232をコードする核酸分子もしくはI232T SNPを含有するその部分とハイブリダイズする核酸または
    FcγRIIb T232タンパク質に相当するタンパク質と特異的に結合する抗体
    のいずれかを含む、請求項32のキット。
  34. 対象からの試料中のIL−4R I50対立遺伝子の存在を検出するための手段および
    IL−4R I50対立遺伝子の存在に基づき対象に推奨される処置についての指示書であり、IL−4R I50対立遺伝子およびFcγRIIb−CC対立遺伝子の組合せの存在が、対象がTNFα阻害剤を用いるRAの処置に対して応答性であることを示す指示書
    をさらに含む、請求項32または33のキット。
  35. 対象からの試料中のHLA−DRB1 SE対立遺伝子の存在を検出するための手段および
    HLA−DRB1 SE対立遺伝子の存在に基づき対象に推奨される処置についての指示書であり、FcγRIIb−CC対立遺伝子、IL−4R I50対立遺伝子およびHLA−DRB1 SE対立遺伝子の組合せの存在が、対象がTNFα阻害剤を用いるRAの処置に対して応答性であることを示す指示書
    をさらに含む、請求項34のキット。
  36. 対象からの試料中のHLA−DRB1 SE対立遺伝子の存在を検出するための手段および
    HLA−DRB1 SE対立遺伝子の存在に基づき対象に推奨される処置についての指示書であり、FcγRIIb−CC対立遺伝子およびHLA−DRB1 SE対立遺伝子の組合せの存在が、対象がTNFα阻害剤を用いるRAの処置に対して応答性であることを示す指示書
    をさらに含む、請求項32または33のキット。
  37. 対象から試料を得るための手段をさらに含む、請求項29から36のいずれか一項のキット。
  38. TNFα阻害剤が、抗TNFα抗体もしくはその抗原結合部分または融合タンパク質である、請求項29から37のいずれか一項のキット。
  39. 融合タンパク質が、エタネルセプトである、請求項38のキット。
  40. 抗TNFα抗体またはその抗原結合部分が、ヒト抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体および多価抗体からなる群より選択される、請求項38のキット。
  41. キメラ抗TNFα抗体またはその抗原結合部分が、インフリキシマブである、請求項40のキット。
  42. ヒト抗TNFα抗体またはその抗原結合部分が、アダリムマブまたはゴリムマブである、請求項40のキット。
  43. ヒト抗TNFα抗体またはその抗原結合部分が、ともに表面プラズモン共鳴により決定される1×10−8M以下のKおよび1×10−3−1以下のkoff速度定数でヒトTNFαから解離し、ならびに標準的なインビトロL929アッセイにおいて1×10−7M以下のIC50でヒトTNFα細胞毒性を中和する単離ヒト抗体である、請求項40のキット。
  44. ヒト抗TNFα抗体またはその抗原結合部分が、以下の:
    a)表面プラズモン共鳴により決定される1×10−3−1以下のkoff速度定数でヒトTNFαから解離する;
    b)配列番号3のアミノ酸配列または(1位、4位、5位、7位もしくは8位にて単一アラニン置換によりまたは1位、3位、4位、6位、7位、8位および/もしくは9位にて1から5の保存的アミノ酸置換により)配列番号3から改変されたアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3ドメインを有する;ならびに
    c)配列番号4のアミノ酸配列または(2位、3位、4位、5位、6位、8位、9位、10位もしくは11位にて単一アラニン置換によりまたは2位、3位、4位、5位、6位、8位、9位、10位、11位および/もしくは12位にて1から5の保存的アミノ酸置換により)配列番号4から改変されたアミノ酸配列を含む重鎖CDR3ドメインを有する
    という特徴を有する単離ヒト抗体である、請求項40のキット。
  45. ヒト抗TNFα抗体またはその抗原結合部分が、配列番号1のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(LCVR)および配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(HCVR)を有する単離ヒト抗体である、請求項40のキット。
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