JP2013517407A - マルチリンク式クランク機構と2次慣性力を打ち消すための一本のみのバランスシャフトとを具備した直列エンジン - Google Patents

マルチリンク式クランク機構と2次慣性力を打ち消すための一本のみのバランスシャフトとを具備した直列エンジン Download PDF

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Abstract

本発明はマルチリンク式クランク機構(11)を具備したエンジン(1)に関するものであり、マルチリンク式クランク機構(11)は、クランクシャフト(2)のクランクピン(7)に回転自在に軸受けされる複数のカップリングリンク(12)と、エキセントリックシャフト(9)の連結ピン(24)に回転自在に軸受けされる複数のリンク用コネクティングロッド(20)を有しており、各カップリングリンク(12)は、エンジン(1)のピストン(3)のピストン用コネクティングロッド(4)及びリンク用コネクティングロッド(20)のうちの一つと旋回自在に接続されている。摩擦損失の著しい増大を招くことなく実質上完全に慣性力を平衡化できるように、本発明のエンジン(1)は、2次慣性力を打ち消すためのバランスシャフト(31)を1本のみ備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、請求項1の前提部に記載のエンジンに関する。
この種のエンジンは、例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、または特許文献5から知られており、しばしば可変圧縮比エンジンとも、可変ピストンストローク式エンジン(可変ストローク・エンジン)とも呼ばれる。
これらのエンジンは、マルチリンク式クランク機構を介してクランクシャフトに連結される1本のエキセントリックシャフトを有している。マルチリンク式クランク機構は、気筒数と同数のカップリングリンクを有しているが、これらはいずれも、クランクシャフトのクランクピンの周囲に回転自在に軸受けされており、また、クランクシャフトを挟んでそれぞれ反対側に延びている、それぞれの端部に旋回連結部が1つずつ備えられた2つのアーム部を有している。エンジンのピストンのうち1つをクランクシャフトへカップリングリンクを介して接続するピストン用コネクティングロッドを連結するため、旋回連結部のうちの一方が用いられ、これに対し、他方の旋回連結部は、反対側の端部がエキセントリックシャフトの連結ピンの周囲に回転自在に軸受けされる、いわゆるリンク用コネクティングロッドを連結するために用いられる。
マルチリンク式クランク機構を介してクランクシャフトに連結されるエキセントリックシャフトが具備されない従来型のエンジンと同様に、冒頭に記した種類のエンジンにおいても、質量の振動およびクランク角の変化によって1次および2次の慣性力が発生する。所望される回転の滑らかさを達成するとともに騒音を低減するためには、これらの慣性力が可能な限り平衡化されなければならない。1次慣性力については、クランクシャフトに設けられるバランスウェイトと一連のクランクスローとにより平衡化が可能であるのに対して、2次慣性力の平衡化は、従来型のエンジンでは、クランクシャフトの2倍の回転数で駆動される、互いに逆方向に回転する2本のバランスシャフトの補助により行われることが多い。
しかし冒頭に記した種類のエンジンでは、ただでさえ従来型のエンジンよりも摩擦損失が高くなっているために、これにさらに2本のバランスシャフトによる摩擦損失分が追加されるとなると、摩擦損失の許容範囲を超えることになりかねない。
この問題を解決するために、冒頭に記した特許文献4では、マルチリンク式クランク機構の構成部品の重心を好ましい位置に配置することにより、質量の釣り合いを改善することが提案されているが、重心位置を最適化すると大抵はクランク機構の質量がさらに増大することになるため、2次慣性力を考慮してみると有効な対策とはいえない。
また、冒頭に記した特許文献3では、マルチリンク式クランク機構を具備した直列型の4気筒エンジンにおいて、キネマティクスの最適化により2次慣性力を所定の限界値未満に抑えることが可能であることが記述されているが、回転の滑らかさをバランスシャフトにより向上することについては、何ら示唆されていない。
また、冒頭に記した特許文献1、特許文献2、または特許文献5のような、いくつかの刊行物に記述されているその他の対策によっても、2次慣性力は極めて不完全な形でしか平衡化できないために、マルチリンク式クランク機構を具備した直列型エンジンは、回転の滑らかさに関しては、従来型の直列型エンジンよりも劣ってしまっている。
独国特許出願公開第102005054761号明細書 独国特許出願公開第102005054760号明細書 欧州特許出願公開第1126144号明細書 特開2004−124775号公報 国際公開第2007/057149号
以上のような背景から、本発明の主な課題は、2次慣性力の平衡化が、摩擦損失を大幅に増大することなく可能となるように、冒頭に記した種類のエンジンを改良することにある。
この課題は、本発明により、2次慣性力を打ち消すために用いられるバランスシャフトをエンジンに1本のみ備えることで解決される。
様々な実験を行った結果、冒頭に記した種類のエンジンにおいては、発生する2次慣性力をバランスシャフト1本だけで完全に平衡化できることが判明した。これにより、バランスシャフトの必要数を1本だけとすることで、追加される摩擦損失だけでなく、追加される所要取付け空間、追加重量、追加コストも許容範囲内に抑えることができる。
本発明は、冒頭に記した種類のマルチリンク式クランク機構を具備したエンジンでは、同等のストロークおよび同等の質量振動を有する従来型のエンジンよりも、2次慣性力の度合いが既にかなり低いものとなっている一方で、マルチリンク式クランク機構の構成部品、すなわちクランクシャフト、カップリングリンク、ピストン用コネクティングロッド、リンク用コネクティングロッド、およびエキセントリックシャフトの配置を適切に行うとともに、これらの構成部品のキネマティクスあるいは寸法仕様を所定の範囲内で適切に設定することによって、2次慣性力の度合いをさらに低減させることができる、という考え方に基づくものである。
従来型のエンジンでは、直列エンジンである場合はその上下軸に相当するシリンダの軸線の向きだけに2次慣性力が作用するのに対して、冒頭に記した種類のマルチリンク式クランク機構を具備した直列エンジンでは、2次慣性力が、この上下軸の向きだけではなく、それに対して垂直な、エンジンの左右軸の向きにも作用する力のベクトルを有している。これらの2つの力のベクトルから求められる各時点での合力は、クランクシャフトが1回転する過程で変化する振幅を有しており、クランクシャフトの回転軸に対して垂直なエンジンのYZ座標面内で閉じた曲線として表すことができる。この曲線は、マルチリンク式クランク機構の構成部品の配置方式および寸法仕様に応じて、細長く延伸されたループ状の形状か、またはそれよりもさらに丸みを帯びた楕円形または長円形からほぼ円形に近い形状をとることができる。この曲線が正確に円形を描く場合には、単一のバランスシャフトのみの補助によって2次慣性力を完全に打ち消し得るため、マルチリンク式クランク機構の構成部品の配置および寸法仕様あるいはキネマティクスの最適化により、可能な限り円形に近い形状、あるいは円形からのずれが可能な限り僅かな形状で、できればさらに力のベクトルも可能な限り小さな曲線が模索されることになる。
これを達成するために、マルチリンク式クランク機構の構成部品の配置および寸法仕様は、次に示す関係式の内、可能な限り多くの、好ましくは全ての関係式を満足するように選定される。
4.5×r_KW<LP1P2<6×r_KW (1)
1.5×r_KW<LP2P3<3×r_KW (2)
5.5×r_KW<LP2P4<8×r_KW (3)
3.5×r_KW<LP3P4<5×r_KW (4)
3×r_KW<LP4P5<5×r_KW (5)
130°<α<160° (6)
0.75×r_KW<S<2×r_KW (7)
0.05×r_KW<r_EW<0.9×r_KW (8)
−3×r_KW<y_EW<−8×r_KW (9)
−1×r_KW<z_EW<−3×r_KW (10)
上記関係式中、
− r_KWは、クランク半径、すなわちクランクシャフトの回転軸から、クランクシャフトのクランクピンの長手方向中心軸までの距離であり、また、
− 全てのカップリングリンクについて、
− LP1P2は、カップリングリンクとそれに付属するピストン用コネクティングロッドとの間の旋回連結部の旋回軸までの、ピストン用コネクティングロッドとそれに付属するピストンとの間の旋回連結部の旋回軸からの距離であり、
− LP2P3は、ピストン用コネクティングロッドの1つとそれに付属するカップリングリンクとの間の旋回連結部の旋回軸までの、カップリングリンクが取り付いているクランクシャフトのクランクピンの長手方向中心軸からの距離であり、
− LP2P4は、ピストン用コネクティングロッドの1つとそれに付属するカップリングリンクとの間の旋回連結部の旋回軸までの、カップリングリンクとそれに付属するリンク用コネクティングロッドとの間の旋回連結部の旋回軸からの距離であり、
− LP3P4は、リンク用コネクティングロッドの1つとそれに付属するカップリングリンクとの間の旋回連結部の旋回軸までの、カップリングリンクが取り付いているクランクシャフトのクランクピンの長手方向中心軸からの距離であり、
− LP4P5は、エキセントリックシャフトの連結ピンの長手方向中心軸までの、連結ピンの周囲に軸受けされたリンク用コネクティングロッドとそれに付属するカップリングリンクとの間の旋回連結部の旋回軸からの距離であり、
− αは、カップリングリンクの内周部に備えられるクランクピンのベアリングシートの長手方向中心軸を、カップリングリンクとそれに付属するピストン用コネクティングロッドとの間の旋回連結部の旋回軸を結ぶ第1の直線と、カップリングリンクの内周部に備えられるクランクピンのベアリングシートの長手方向中心軸を、このクランクピンの周囲に軸受けされたカップリングリンクとそれに付属するリンク用コネクティングロッドとの間の旋回連結部の旋回軸と結ぶ第2の直線との、2本の直線が成す角度であり、
− Sは、クランクシャフトの回転軸までの、エンジンのシリンダのシリンダ軸が位置している1つの平面EZからの、オフセットと呼ばれる水平距離であり、
− r_EWは、エキセントリックシャフトの連結ピンの長手方向中心軸までの、エキセントリックシャフトの回転軸からの距離であり、
− y_EWは、エキセントリックシャフトの回転軸までの、エンジンのシリンダのシリンダ軸が位置している平面EZからの、エンジンの左右軸方向への水平位置の差であり、さらに、
− z_EWは、エキセントリックシャフトの回転軸までの、クランクシャフトの回転軸からの、エンジンの上下軸方向への垂直位置の差である。
実験により、マルチリンク式クランク機構の構成部品のこのような配置および寸法仕様によって、2次の回転次数の、すなわちクランクシャフトの2倍の回転数で回転するバランスシャフトを1本だけ使用して、2次慣性力をほぼ完全に打ち消し得ることが判明している。ほかにも実験結果から、このバランスシャフトの回転方向によって2次不平衡慣性力の大きさにばらつきが見られることが判明したので、本発明のさらに有利な実施形態においては、このバランスシャフトを、クランクシャフトの回転方向と同じ回転方向に回転させることが考えられる、なぜならばこのようにした場合、上述の諸条件の下では、バランスシャフトが逆方向に回転する場合よりも、打ち消されずに残存する2次慣性力が格段と小さくなるからである。
エンジンに、膨張行程を延長するためにクランクシャフトにより駆動されクランクシャフトの回転方向とは逆の回転方向に回転するエキセントリックシャフトが備えられる場合は、所定の境界条件下において、単一のバランスシャフトのみにより2次慣性力を完全に打ち消す、あるいは平衡化することが可能となる。
好ましくは、エキセントリックシャフトおよびバランスシャフトは、クランクシャフトによって、共通の歯車式伝動機構またはベルトドライブを介しながらも、異なる減速比あるいは増速比で駆動される。しかし原理的には、別々の歯車式伝動機構またはベルトドライブを使用することも可能である。
以下では図面に示される実施例に基づき本発明を詳しく説明する。
マルチリンク式クランク機構によってクランクシャフトに連結されるエキセントリックシャフトが備えられたエンジンにおいて相互作用する各部品を示す斜視図 図1の一部を示すさらに別の斜視図 図2の部分側面断面図 図2の部分正面断面図 図4に対応するマルチリンク式クランク機構の各種回転軸および旋回連結部と、各種配置パラメータあるいは寸法仕様パラメータを示す概略図 クランクシャフトの回転軸に対して垂直な平面内における、クランクシャフトが1回転する間の2次慣性力の振幅特性曲線を示すグラフ エンジンの上下軸方向および左右軸方向における2次不平衡慣性力を表す棒の組をエンジンの構成別に示す棒グラフ
図1に最も良く示されているように、この図においては一部のみ示す4サイクル直列4気筒エンジン1は、1本のクランクシャフト2と4つのピストン3を有しており、これらのピストン3はいずれも、エンジン1の4つのシリンダ(図示せず)の1つ1つの内部で往復運動を行うように配置されて、ピストン用コネクティングロッド4によりクランクシャフト2に接続されている。クランクシャフト2は、エンジン1のシリンダクランクケース(図示せず)のクランクシャフト軸受部5(図5)に回転自在に軸受けされるとともに、この軸受けのために利用される5つのクランク中心ジャーナル6及び4つのクランクピン7(図1,2においては1つのみ図示)を有している。クランク中心ジャーナル6の長手方向中心軸およびクランクピン7の長手方向中心軸は、クランクシャフト2の回転軸8に対する角度位置を互いにずらして平行に配置されている。
さらにエンジン1は1本のエキセントリックシャフト9を有しており、これは、クランクシャフト2の回転軸8に対して平行な回転軸10を有していて、シリンダクランクケースの内部でクランクシャフト2近傍のやや下方位置で回転自在に軸受けされ、マルチリンク式クランク機構11を介してクランクシャフト2に連結されている。
マルチリンク式クランク機構11は、クランクシャフト2とエキセントリックシャフト9の近傍に、クランクシャフト2のクランクピン7の周囲にいずれも回転自在に軸受けされている合計4つのカップリングリンク12を有している。図4,5に最も良く示されているように、カップリングリンク12はいずれも、1つの分割面15に沿って互いに当接している上側部材13と下側部材14とから成っており、この上側部材13と下側部材14のそれぞれに、分割面15に隣接して、クランクピン7を受け入れるための半円筒形の凹部と、クランクピン7とカップリングリンク12との間に配置され2つのクランクピン7を囲む滑り軸受16の半割軸受胴が備えられている。各カップリングリンク12の上側部材13と下側部材14は、2本のボルトにより、ばらばらにならないように互いに繋ぎ止められている。カップリングリンク12はいずれも、短い方のアームであるリフトアーム17を有しているが、これは、旋回連結部18を介して、ピストン用コネクティングロッド4のうちの1つの下端部に旋回自在に接続されており、またピストン用コネクティングロッド4の上端部は、さらにもう1つの旋回連結部19を介して、それに付属するピストン3に連結されている。
マルチリンク式クランク機構11はほかにもさらに、ピストン用コネクティングロッド4およびカップリングリンク12の数と同数のリンク用コネクティングロッド20を有しており、これらは、各ピストン用コネクティングロッド4に対して概ね平行に配向され、クランクシャフト2およびエキセントリックシャフト9の軸方向においては、各自対応するピストン用コネクティングロッド4とほぼ同一の平面内に、但しクランクシャフト2を挟んで反対側に、配置されている。図2,4に最も良く示されているように、リンク用コネクティングロッド20はいずれも、1つのコネクティングロッド本体部21と、このコネクティングロッド本体部21を挟んだ対向端に配置される、内径を異にする2つのコネクティングロッド環部22、23を有している。各リンク用コネクティングロッド20のコネクティングロッド本体部21の下側端部に位置するコネクティングロッド大環部23は、エキセントリックシャフト9の回転軸10に対して偏心したエキセントリックシャフト9のエキセントリックシャフト・連結ピン24を取り囲んでおり、リンク用コネクティングロッド本体部21は、この連結ピン24の周囲に回転軸受け25を使用して回転自在に軸受けされている。各リンク用コネクティングロッド20のコネクティングロッド本体部21の上側端部に位置するコネクティングロッド小環部22は、リンク用コネクティングロッド20と、これに隣接しているカップリングリンク12の、クランクシャフト2を挟んでリフトアーム17とは反対側に位置してクランクシャフト2から突出している長い方のアームであるカップリングアーム27との間の旋回連結部26の部材を形成している。
図1および2に最も良く示されているように、エキセントリックシャフト9は、隣接する各エキセントリックシャフト・連結ピン24の間およびエキセントリックシャフト9の両側の端面のところに、エキセントリックシャフト9をシャフト軸受部29(図5)に軸受けするために用いられる、回転軸10と同心のシャフト部分28を有している。
前述の配置により、可変圧縮比とは別に、クランクシャフト2が回転する間の、ピストン用コネクティングロッド4の対応するシリンダのシリンダ軸に対する傾斜角を低減することも可能であり、それによりピストンのサイドフォースが低減され、これにより、ピストン3とシリンダの内壁との間の摩擦力が低減されることになる。
ただし、このエンジン1においても、他のエンジンと同様、ピストン3、ピストン用コネクティングロッド4、カップリングリンク9、およびリンク用コネクティングロッド20の振動する質量により不平衡慣性力が発生するので、エンジン1の回転の滑らかさおよび音響を改善するためには、そのような慣性力は可能な限り平衡化されなければならない。こうした不平衡慣性力は主に1次慣性力と2次慣性力とで構成され、前者はクランクシャフト2に取り付けられるバランスウェイト30およびクランクスローにより平衡化されるのに対し、後者の打ち消しについては、バランスウェイト(図示せず)を備えた一本のバランスシャフト31が用いられる。このバランスシャフト31は、エンジン1のシリンダクランクケースの内部で、クランクシャフト2の上方に回転自在に軸受けされており、クランクシャフト2によって、変速歯車装置(図示せず)を介して、クランクシャフト2の2倍の回転数でクランクシャフト2の回転方向と同じ回転方向に駆動されるようになっている。
このようなバランスシャフト31がエンジン1に備えられていない場合は、図6に最も良く示されているように、クランクシャフト2の回転軸8に対して垂直なYZ座標面(図5)内において、シリンダの軸線の向きすなわちエンジン1のZ軸または上下軸に対して平行な向きを持つ力のベクトルと、それに対して垂直な向きすなわちエンジン1のY軸または左右軸に対して平行な向きを持つ力のベクトルと、を成分とする、2次慣性力が発生する。図6に符号FおよびFで示されているこれらの力のベクトルはいずれも、クランクシャフト2が1回転する過程で周期的に変化する振幅を有しており、このためクランクシャフト2が1回転するごとに、その1回転の間に、両方の力のベクトルFおよびFの合力ベクトルRの先端は、図6に示される座標系の原点Oの周りに閉じた曲線を描くことになる。図6に示される曲線AおよびBは、エンジン1のレイアウトもしくはキネマティクスについて考えられる2通りの例について、それぞれに対応する曲線特性を示したものである。ここに例示されるように、マルチリンク式クランク機構11が最適化されていない場合には、曲線特性は、曲線Aで示される細長く延伸されたループ状の形状をとることがある。このような場合には不平衡慣性力が大きな回転不整現象を引き起こしてしまう。これを平衡化するためにはバランスシャフトが2本必要となるだろう。
これに対し、従来型のエンジンの場合は、2次不平衡慣性力が図6に線Cで示されるように上下軸の向きにのみ発生する。図7の棒グラフ右側の右下がりハッチングの棒Vに示されるように、従来型のエンジンの場合のこの慣性力は、ストロークが等しく、かつ振動する等価質量が等しいとしても、図7の一番左側の棒の組Iで示されるマルチリンク式クランク機構11を具備したエンジン1の場合の不平衡慣性力よりも格段に大きくなっている。この棒の組Iは、打ち消しが全く行われない場合の、上下軸の向きの力のベクトルF(右下がりハッチング)および左右軸の向きの力のベクトルF(右上がりハッチング)の最大振幅を示している。
単一のバランスシャフト31のみによる2次不平衡慣性力の減衰を可能にし、またそれにより、エンジン1の摩擦損失を低減するだけでなく、エンジン1おいて力を釣り合わせるために必要となる追加取付け空間、追加重量、および追加コストもまた低減するため、エンジン1のマルチリンク式クランク機構11には、特殊な配置またはキネマティクスが備えられる。以下ではこれについて図5を参照しながら説明する。
図5に示されるように、配置またはキネマティクスに関する以後の説明のために、ピストン3とそれに対応するピストン用コネクティングロッド4との間の旋回連結部19の旋回軸が符号P1で示され、それに対してピストン用コネクティングロッド4とそれに対応するカップリングリンク12との間の旋回連結部18の旋回軸は符号P2で示されている。また、このカップリングリンク12が取り付いているクランクシャフト2のクランクピン7の長手方向中心軸が符号P3で示され、それに対してカップリングリンク12とそれに付属するリンク用コネクティングロッド20との間の旋回連結部26の旋回軸は符号P4で示されている。リンク用コネクティングロッド20が取り付いているエキセントリックシャフト9の連結ピン24の長手方向中心軸は符号P5で示されている。図5にはさらに、直線P3P2とP3P4との間の角度αや、エンジンのシリンダのシリンダ軸が位置している平面EZからクランクシャフト2の回転軸8までの水平距離あるいはこの平面EZとクランクシャフト2の回転軸8を通る鉛直面EKWとの間のクランクシャフト2の回転軸8と直交する座標面内の距離を表すオフセットSが示されている。このクランクシャフト2の回転軸8と直交する座標面内では、図5に示されるように、Z軸が直列エンジン1の鉛直な上下軸に、Y軸が直列エンジン1の水平な左右軸に対応する。また図5においてはシリンダ軸線を含む平面EZからエキセントリックシャフト9の回転軸10までの水平位置の差が符号y_EWで、クランクシャフトの回転軸8からエキセントリックシャフト9の回転軸10までの垂直位置の差が符号z_EWで示されている。
さらに以下の説明においては、クランクシャフト2の回転軸8からクランクピン7の長手方向中心軸P3までの距離として定義されるクランクシャフト2のクランク半径r_KWを基準量として使用し、また、エキセントリックシャフト9のクランク半径r_EWは、エキセントリックシャフト9の回転軸10からその連結ピン24の長手方向中心軸P5までの距離を表す。そして、P1とP2との間の距離をLP1P2、P2とP3との間の距離をLP2P3、P2とP4との間の距離をLP2P4、P3とP4との間の距離をLP3P4、P4とP5との間の距離をLP4P5、ピストンストロークをs_Kと表す。
計算と実験を通じて、ピストンストロークs_Kが84.2mmであるエンジン1のキネマティクスが次の各条件を満足する場合に、2次不平衡慣性力のおおむね大部分を打ち消すことができることが確認された。
4.5×r_KW<LP1P2<6×r_KW (1)
1.5×r_KW<LP2P3<3×r_KW (2)
5.5×r_KW<LP2P4<8×r_KW (3)
3.5×r_KW<LP3P4<5×r_KW (4)
3.0×r_KW<LP4P5<5×r_KW (5)
上記の条件を満たす場合は、クランクシャフト2が1回転するごとに、その1回転の間に、両方の力のベクトルF,Fの合力ベクトルRの先端が、図6において、やや長円形または卵形の形状であり曲線Aよりもより円形に近付いた形状を描く。最も好ましい形状は円形である、なぜならばその場合は1本のバランスシャフト31だけで2次不平衡慣性力の完全な打ち消しが可能となりうるからである。
曲線Bよりもさらに円形に近付けて、それによりできる限りの2次不平衡慣性力の打ち消しが達成されるようにするために、エンジン1のキネマティクスは、さらに次の条件を満たすべきである。
130°<α<160° (6)
0.75×r_KW<S<2×r_KW (7)
0.05×r_KW<r_EW<0.9×r_KW (8)
−3×r_KW<y_EW<−8×r_KW (9)
−1×r_KW<z_EW<−3×r_KW (10)
これらの条件が満たされ、かつ単一のバランスシャフト31がクランクシャフト2と同じ回転方向に回転する場合は、クランクシャフト2が1回転するごとに、その1回転の間に両方向の力のベクトルF,Fの合力ベクトルRの先端は図6において小さな楕円曲線Dを描く。この場合は、図6の座標および図7の棒グラフの棒の組IIに示されるように、力のベクトルFおよびFの最大振幅がいずれも約500Nと、ほぼ同じ大きさを有している。したがって図7の棒の組IとIIを比較すると分かるように、前述の条件によって2次不平衡慣性力を曲線Bに対してさらに70%から80%低減することが可能となる。図6および7を参照しながら上記で説明したように、バランスシャフト31を用いた打ち消しによっても、この楕円曲線Dの円形からの偏差により、2次不平衡慣性力の力のベクトルFおよびFについて、500N程度の比較的小さな最大振幅がなおも残存することになるが、この振幅は、エンジンの動弁機構の振幅の範囲内にあるため、これは実施の際にはさほど問題にならない。図7の棒の組IIIに示されるように、上記の条件下でバランスシャフト31がクランクシャフト2の回転方向とは逆の回転方向に回転する場合は、2次不平衡慣性力を低減することができなくなる。参考までに、図7の棒の組IVに示すように、2本のバランスシャフトによる補助で打ち消しを行う場合は、残存する2次不平衡慣性力を完全に減衰することが確かに可能ではあるが、その場合は、エンジンの摩擦損失、取付け空間、重量、およびコストについて無視できない増大を招くことになるだろう。
4.5×r_KW<LP1P2<6×r_KW (1)
1.5×r_KW<LP2P3<3×r_KW (2)
5.5×r_KW<LP2P4<8×r_KW (3)
3.5×r_KW<LP3P4<5×r_KW (4)
3×r_KW<LP4P5<5×r_KW (5)
130°<α<160° (6)
0.75×r_KW<S<2×r_KW (7)
0.05×r_KW<r_EW<0.9×r_KW (8)
×r_KW<y_EW<×r_KW (9)
−3×r_KW<z_EW<−1×r_KW (10)
130°<α<160° (6)
0.75×r_KW<S<2×r_KW (7)
0.05×r_KW<r_EW<0.9×r_KW (8)
×r_KW<y_EW<×r_KW (9)
−3×r_KW<z_EW<−1×r_KW (10)

Claims (16)

  1. マルチリンク式クランク機構を具備したエンジンであって、
    前記マルチリンク式クランク機構が、
    クランクシャフトのクランクピンの周囲に回転自在に軸受けされる複数のカップリングリンクと、
    エキセントリックシャフトの連結ピンの周囲に回転自在に軸受けされる複数のリンク用コネクティングロッド
    を有しており、
    前記複数のカップリングリンクのそれぞれが、
    前記エンジンのピストンのピストン用コネクティングロッドのうちの1つ及び前記複数のリンク用コネクティングロッドのうちの1つ
    と旋回可能に接続されているエンジンにおいて、
    2次慣性力を打ち消すために用いられるバランスシャフト(31)が1本のみであること
    を特徴とするエンジン。
  2. クランクシャフト(2)が1回転する間の前記2次慣性力(F,F,R)の最大振幅が、エンジン(1)の動弁機構の振幅の範囲内にあることを特徴とする、請求項1に記載のエンジン。
  3. クランクシャフト(2)の回転軸(8)から、クランクシャフト(2)のクランクピン(7)の長手方向中心軸(P3)までの距離を、クランク半径r_KWとし、
    カップリングリンク(12)の1つとそれに対応するピストン用コネクティングロッド(4)との間の旋回連結部(18)の旋回軸(P2)の、このピストン用コネクティングロッド(4)とそれに対応するピストン(3)との間の旋回連結部(19)の旋回軸(P1)からの距離を、LP1P2としたとき、
    次の関係式:
    4.5×r_KW<LP1P2<6×r_KW
    が成立することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のエンジン。
  4. クランクシャフト(2)の回転軸(8)から、クランクシャフト(2)のクランクピン(7)の長手方向中心軸(P3)までの距離を、クランク半径r_KWとし、
    ピストン用コネクティングロッド(4)の1つとそれに対応するカップリングリンク(12)との間の旋回連結部(18)の旋回軸(P2)の、このカップリングリンク(12)が取り付けられているクランクシャフト(2)のクランクピン(7)の長手方向中心軸(P3)からの距離を、LP2P3としたとき、
    次の関係式:
    1.5×r_KW<LP2P3<3×r_KW
    が成立することを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のエンジン。
  5. クランクシャフト(2)の回転軸(8)から、クランクシャフト(2)のクランクピン(7)の長手方向中心軸(P3)までの距離を、クランク半径r_KWとし、
    ピストン用コネクティングロッド(4)の1つとそれに対応するカップリングリンク(12)との間の旋回連結部(18)の旋回軸(P2)の、このカップリングリンク(12)とそれに対応するリンク用コネクティングロッド(20)との間の旋回連結部(26)の旋回軸(P4)からの距離を、LP2P4としたとき、
    次の関係式:
    5.5×r_KW<LP2P4<8×r_KW
    が成立することを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のエンジン。
  6. クランクシャフト(2)の回転軸(8)から、クランクシャフト(2)のクランクピン(7)の長手方向中心軸(P3)までの距離を、クランク半径r_KWとし、
    リンク用コネクティングロッド(20)の1つとそれに対応するカップリングリンク(12)との間の旋回連結部(26)の旋回軸(P4)の、このカップリングリンク(12)が取り付けられているクランクシャフト(2)のクランクピン(7)の長手方向中心軸(P3)からの距離を、LP3P4としたとき、
    次の関係式:
    3.5×r_KW<LP3P4<5×r_KW
    が成立することを特徴とする、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のエンジン。
  7. クランクシャフト(2)の回転軸(8)から、クランクシャフト(2)のクランクピン(7)の長手方向中心軸(P3)までの距離を、クランク半径r_KWとし、
    エキセントリックシャフト(9)の連結ピン(24)の旋回軸(P5)の、連結ピン(24)の周囲に軸受けされたリンク用コネクティングロッド(20)とそれに対応するカップリングリンク(12)との間の旋回連結部(26)の旋回軸(P4)からの距離を、LP4P5としたとき、
    次の関係式:
    3×r_KW<LP4P5<5×r_KW
    が成立することを特徴とする、請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のエンジン。
  8. カップリングリンク(12)のうちの1つにおけるクランクピン(7)の軸受座の長手方向中心軸(P3)と、このカップリングリンク(12)とそれに対応するピストン用コネクティングロッド(4)との間の旋回連結部(18)の旋回軸(P2)と、を結ぶ一方の直線(P3P2)、及び、
    このカップリングリンク(12)におけるクランクピン(7)の軸受座の長手方向中心軸(P3)と、このクランクピン(7)の周囲に軸受けされたカップリングリンク(12)とそれに対応するリンク用コネクティングロッド(20)との間の旋回連結部(26)の旋回軸(P4)と、を結ぶ他方の直線(P3P4)の、
    2本の直線(P3P2,P3P4)が成す角度を、αとしたとき、
    次の関係式:
    130°<α<160°
    が成立することを特徴とする、請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のエンジン。
  9. クランクシャフト(2)の回転軸(8)から、クランクシャフト(2)のクランクピン(7)の長手方向中心軸(P3)までの距離を、クランク半径r_KWとし、
    エンジン(1)のシリンダのうちの1つのシリンダ軸が位置している平面(EZ)から、前記クランクシャフト(2)の回転軸(8)までの水平距離を、オフセットSとしたとき、
    次の関係式:
    0.75×r_KW<S<2×r_KW
    が成立することを特徴とする、請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載のエンジン。
  10. クランクシャフト(2)の回転軸(8)から、クランクシャフト(2)のクランクピン(7)の長手方向中心軸(P3)までの距離を、クランク半径r_KWとし、
    エキセントリックシャフト(9)の回転軸(10)から、エキセントリックシャフト(9)の連結ピン(24)の長手方向中心軸(P5)までの距離を、r_EWとしたとき、
    次の関係式:
    0.05×r_KW<r_EW<0.9×r_KW
    が成立することを特徴とする、請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載のエンジン。
  11. クランクシャフト(2)の回転軸(8)から、クランクシャフト(2)のクランクピン(7)の長手方向中心軸(P3)までの距離を、クランク半径r_KWとし、
    エンジン(1)のシリンダのうちの1つのシリンダ軸が位置している1つの平面(EZ)から、エキセントリックシャフト(9)の回転軸(10)までの、エンジン(1)の左右軸(Y)方向における水平位置の差を、y_EWとしたとき、
    次の関係式:
    −3×r_KW<y_EW<−8×r_KW
    が成立することを特徴とする、請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載のエンジン。
  12. クランクシャフト(2)の回転軸(8)から、クランクシャフト(2)のクランクピン(7)の長手方向中心軸(P3)までの距離を、クランク半径r_KWとし、
    クランクシャフト(2)の回転軸(8)から、エキセントリックシャフト(9)の回転軸(10)までの、エンジン(1)の上下軸(Z)方向における垂直位置の差を、z_EWとしたとき、
    次の関係式:
    −1×r_KW<z_EW<−3×r_KW
    が成立することを特徴とする、請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載のエンジン。
  13. バランスシャフト(31)がクランクシャフト(2)と同じ回転方向に回転することを特徴とする、請求項1ないし請求項12のいずれか1項に記載のエンジン。
  14. バランスシャフト(31)がクランクシャフト(2)の2倍の回転数で回転することを特徴とする、請求項1ないし請求項13のいずれか1項に記載のエンジン。
  15. バランスシャフト(31)が、シリンダクランクケースの内部でクランクシャフト(2)の上方にて回転自在に軸受けされることを特徴とする、請求項1ないし請求項14のいずれか1項に記載のエンジン。
  16. エキセントリックシャフト(9)がクランクシャフト(2)の2分の1の回転数で、かつクランクシャフト(2)の回転方向とは逆の回転方向に駆動されることを特徴とする、請求項1ないし請求項15のいずれか1項に記載のエンジン。
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