JP2013500301A - Jakの三環系阻害剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、式I及び式IIの新規化合物(式中、可変基R、X、X、X、Y、Y、Y、Z、及びZは、本明細書に記載の通りに定義される)の使用に関する。該化合物はJAKを阻害し、自己免疫疾患及び炎症性疾患の治療に有用である。

Description

発明の詳細な説明
本発明は、JAK阻害剤であり、選択的にJAK3を阻害し、自己免疫疾患及び炎症性疾患の治療に有用な化合物の使用に関する。
タンパク質キナーゼは、ヒト酵素の最大のファミリーの一つを構成し、タンパク質にリン酸基を付加することによって、多種多様なシグナル伝達過程を制御する。特にチロシンキナーゼは、チロシン残基のアルコール部分のタンパク質をリン酸化する。チロシンキナーゼファミリーは、細胞増殖、細胞遊走及び細胞分化を制御するメンバーを含む。異常なキナーゼ活性は、癌、自己免疫疾患、炎症性疾患を含む様々なヒト疾患に関与しているとされている。タンパク質キナーゼは、細胞シグナル伝達の重要な制御因子の一つであるので、細胞機能をキナーゼ活性の小分子阻害剤で調節する手段を提供し、したがって、薬物設計の良好な標的となる。選択的で効果的なキナーゼ活性の阻害剤は、キナーゼが介在する疾患過程の処置に加えて、細胞シグナル伝達過程の研究及び治療対象である他の細胞標的の同定にも有用である。
JAK(JAnus Kinase=ヤヌスキナーゼ)は、JAK1、JAK2、JAK3及びTYK2を含む細胞質タンパク質チロシンキナーゼファミリーである。JAKの各々は、優先的に個々のサイトカイン受容体の細胞質内部分と会合する(Annu. Rev. Immunol. 16 (1998), pp. 293-322)。JAKは、リガンド結合に続いて活性化され、それ自体本来キナーゼ活性が欠損しているサイトカイン受容体をリン酸化することによって、シグナル伝達を開始する。このリン酸化は、STATタンパク質(シグナル伝達物質及び転写活性化因子)として知られる他の分子のために受容体に結合部分を作り、リン酸化されたJAKは、様々なSTATタンパク質と結合する。STATタンパク質、即ち、STAT類は、チロシン残基のリン酸化によって活性化されるDNA結合タンパク質であり、シグナル伝達分子及び転写因子の両方として機能し、最終的には、サイトカイン応答遺伝子のプロモーター内に存在する特定のDNA配列に結合する(Leonardら、(2000), J. Allergy Clin. Immunol. 105:877-888)。
JAK/STATのシグナル伝達は、多くの異常な免疫応答(例えば、アレルギー、喘息、並びに移植(同種移植)拒絶反応、関節リウマチ、筋萎縮性側索硬化症及び多発性硬化症等の自己免疫疾患)の媒介、さらに、固形悪性腫瘍、及び白血病及びリンパ腫等の血液悪性腫瘍に関与しているとされている。
このように、JAK及びSTATは、絡み合いが起こりうる多数のシグナル伝達経路の構成要素であり(Oncogene 19 (2000), pp. 5662-5679)、このことは、他のシグナル伝達経路を妨げずにJAK−STAT経路の一つの要素を特異的に標的にすることの難しさを示している。
JAK3を含むJAKキナーゼは、最も一般的に見られる形態の小児癌である急性リンパ性白血病の小児由来の初代白血病細胞に多く発現しており、ある種の細胞におけるSTAT活性化がアポトーシスを調節するシグナルと相関することが研究よって示されている(Demoulin ら、(1996), Mol. Cell. Biol. 16:4710-6; Jurlanderら、(1997), Blood. 89:4146-52; Kaneko ら、(1997), Clin. Exp. Immun. 109:185-193; 及びNakamuraら、(1996), J. Biol. Chem. 271: 19483-8)。それらは、リンパ球の分化、機能及び生存にとって重要であることも知られている。特にJAK3は、リンパ球、マクロファージ、及び肥満細胞の機能に不可欠な役割を果たしている。このJAKキナーゼの重要性を考えると、JAK3に選択性を示す化合物を含むJAK経路を調節する化合物は、リンパ球、マクロファージ又は肥満細胞の機能が関与する疾患、即ち病気の治療に有用な可能性がある(Kudlaczら、(2004) Am. J. Transplant 4:51-57; Changelian (2003) Science 302:875-878)。JAK経路を標的とすること、又は、JAKキナーゼ、特にJAK3、を調節することが治療上有用であると考えられる病気には、白血病、リンパ腫、移植拒絶反応[例えば、ランゲルハンス島移植拒絶反応、骨髄移植の適用(例えば移植片対宿主疾患)]、自己免疫疾患(例えば、糖尿病)、及び炎症(例えば、喘息、アレルギー反応)が含まれる。JAK3の阻害により恩恵を受けうる病気について、以下にさらに詳細に考察する。
しかしながら、JAK1、JAK2及びTyk2が比較的どこにでも発現するのとは対照的に、JAK3の発現は、より限定的で規制されている。JAK(JAK1、JAK2、Tyk2)の中には、様々なサイトカイン受容体に使用されるものがあるが、JAK3は、受容体にγcを含有するサイトカインにのみ使用されている。したがって、JAK3は、その受容体が共通のγ鎖を使用することがこれまでに示されたサイトカイン、即ち、IL−2、IL−4、IL−7、IL−9、IL−15及びIL−21に対するサイトカインシグナル伝達において役割を果たす。JAK1は特にサイトカインIL−2、IL−4、IL−7、IL−9、及び、IL−21の受容体と相互作用するのに対し、JAK2は特にIL−9及びTNF−αの受容体と相互作用する。特定のサイトカイン(例えば、IL−2、IL−4、IL−7、IL−9、IL−15及びIL−21)がその受容体に結合すると、受容体のオリゴマー形成がおこり、その結果、会合したJAKキナーゼの細胞質尾部が接近し、JAKキナーゼ上のチロシン残基のリン酸化転移反応を促進する。このリン酸化転移反応により、JAKキナーゼの活性化がもたらされる。
動物実験により、JAK3がBリンパ球及びTリンパ球の成熟に重要な役割を果たすだけでなく、JAK3がT細胞機能の維持にも構成的に必要であることが示唆されている。この新規メカニズムによる免疫活性の調節が、移植拒絶反応及び自己免疫疾患等のT細胞増殖障害の治療に有用であることが分かる。
特にJAK3は、様々な生物学的過程に関与しているとされている。例えば、IL−4及びIL−9に誘発されるマウス肥満細胞の増殖及び生存は、JAK3シグナル伝達及びγ鎖シグナル伝達に依存することが示されている(Suzukiら、(2000), Blood 96:2172-2180)。JAK3はまた、IgE受容体を介した肥満細胞脱顆粒応答に重大な役割を果たし(Malaviyaら、(1999), Biochem. Biophys. Res. Commun. 257:807-813)、JAK3キナーゼの阻害は、アナフィラキシーを含むI型過敏症応答を防ぐことが示されている(Malaviyaら、(1999), J. Biol. Chem. 274:27028-27038)。JAK3阻害はまた、同種移植拒絶に対する免疫抑制をもたらすことも示されている(Kirken, (2001), Transpl. Proc. 33:3268-3270)。さらに、JAK3キナーゼは、関節リウマチ(Muller-Ladnerら、(2000), J. Immunal. 164:3894-3901);家族性筋萎縮性側索硬化症(Trieuら、(2000), Biochem Biophys. Res. Commun. 267:22-25);白血病(Sudbeckら、(1999), Clin. Cancer Res. 5:1569-1582);菌状息肉腫、T細胞リンパ腫の一形態(Nielsenら、(1997), Prac. Natl. Acad. Sci. USA 94:6764-6769);及び、異常な細胞増殖(Yuら、(1997), J. Immunol. 159:5206-5210; Catlett-Falconeら、(1999), Immunity 10:105-115)の初期及び後期段階に関わるメカニズムに関与しているとされている。
JAK3阻害剤は、臓器移植、異種移植、紅斑性狼瘡、多発性硬化症、関節リウマチ、乾癬、I型糖尿病及び糖尿病由来の合併症、癌、喘息、アトピー性皮膚炎、自己免疫甲状腺障害、潰瘍性大腸炎、クローン病、アルツハイマー病、白血病、及び免疫抑制が望ましいと考えられるその他の適応症に対する免疫抑制物質として有用な治療法である。
その機能的意義は未だ明確になっていないが、JAK3の非造血系での発現も報告されている(J. Immunol. 168 (2002), pp. 2475-2482)。SCIDのための骨髄移植は治効があるので(Blood 103 (2004), pp. 2009-2018)、JAK3が、他の組織又は器官において必須の機能をもつことはないようである。それ故、免疫抑制薬の他の標的とは対照的に、JAK3が限定的に分布することは興味深い。免疫系に発現が限定している分子標的に作用する薬剤は、最適な薬効:毒性比を発揮する可能性がある。したがって、JAK3を標的とすれば、理論上、これらの細胞集団以外になんら影響を及ぼさずに、必要とされる部位(即ち、免疫応答に能動的に関与する細胞)での免疫抑制が可能である。様々なSTAT-/-株における不完全な免疫応答についての記載はあるが(J. Investig. Med. 44 (1996), pp. 304-311; Curr. Opin. Cell Biol. 9 (1997), pp. 233-239)、STATの満遍ない分布、及び、それらの分子に小分子阻害剤で標的にされることがありうる酵素活性が欠如しているという事実が、免疫抑制のための重要な標的として選択されないできた一因となっていた。
JAK経路の調節を伴う処置により恩恵を受けると考えられる非常に多くの病気のことを考慮すれば、JAK経路を調節する新規化合物及びそれらの化合物を使用する方法が広範な様々な患者に対して相当な治療効果を提供するに違いないことはすぐに分かることである。本明細書では、病気の治療(JAK経路を標的とする、即ち、JAKキナーゼ(特にJAK3)を阻害する)に使用し、自己免疫疾患及び炎症性疾患の治療に対する治療効果が大きい新規化合物を提供する。
本明細書において提供される新規化合物は、選択的にJAK3を阻害し、自己免疫疾患及び炎症性疾患の治療に有用である。本発明の化合物は、JAK経路を調節し、自己免疫疾患及び炎症性疾患の治療に有用な新規化合物であり、好ましい化合物は選択的にJAK3を阻害する。例えば、本発明の化合物はJAK3を阻害し、好ましい化合物はJAKキナーゼのJAK3に選択的であり、自己免疫疾患及び炎症性疾患の治療に有用な新規化合物である。さらに、本発明の化合物はJAK3及びJAK2を阻害し、好ましい化合物はJAKキナーゼのJAK3に選択的であり、自己免疫疾患及び炎症性疾患の治療に有用な新規化合物である。同様に、本発明の化合物はJAK3及びJAK1を阻害し、好ましい化合物はJAKキナーゼのJAK3に選択的であり、自己免疫疾患及び炎症性疾患の治療に有用な新規化合物である。
本発明は、式I及び式II:
Figure 2013500301
(式中、可変基R、X、X、X、Y、Y、Y、Z、及びZは、本明細書に記載の通りに定義され、JAKを阻害し、自己免疫疾患及び炎症性疾患の治療に有用である)の化合物を提供する。
一側面において、本出願は、炎症疾患及び/又は自己免疫疾患を治療する方法であって、それを必要とする患者に治療有効量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。
一側面において、本出願は、炎症疾患及び/又は自己免疫疾患を治療する方法であって、それを必要とする患者に治療有効量の式IIの化合物を投与することを含む方法を提供する。
本出願は、少なくとも1つの薬学的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤と混合された、式Iの化合物を含む医薬組成物を提供する。
本出願は、少なくとも1つの薬学的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤と混合された、式IIの化合物を含む医薬組成物を提供する。
本出願は、式I:
Figure 2013500301
の化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する[式中:
は、CH又はNであり;
は、CH又はNであり;
は、CH又はNであり;
は、CH、NS(=O)、又はNC(=O)R1’
は、低級アルキル基;
1’は、H、アミノ、又はR1’’
1’’は、1つ以上のR1’’’で置換されていてもよい低級アルキル;
1’’’は、ハロゲン、低級アルコキシ、シアノ、又はアミノであり、
は、CHR、又はS(=O)
は、H、又は低級アルキル基であり;
は、H、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン、又は低級ハロアルキルであり;
は、H、又は低級アルキルであり;かつ
は、H、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン、又は低級ハロアルキルである]。
式Iの一つの例では、ZはCH、及びZはCHである。
式Iの一つの例では、XはCHである。
式Iの一つの例では、XはCH、ZはCH、及びZはCHである。
式Iの1つの例では、XはNである。
式Iの一つの例では、XはN、ZはCH、及びZはCHである。
式Iの一つの例では、XはS(=O)である。
式Iの一つの例では、XはS(=O)、XはCH、ZはCH、及びZはCHである。
式Iの一つの例では、XはCHである。
式Iの一つの例では、XはCH、XはCH、ZはCH、及びZはCHである。
式Iの一つの例では、XはNS(=O)CHCHである。
式Iの一つの例では、XはNS(=O)CHCH、XはCH、XはCH、ZはCH、及びZはCHである。
式Iの一つの例では、YはH、及びYはHである。
式Iの一つの例では、YはH、YはH、XはNS(=O)CHCH、XはCH、XはCH、ZはCH、及びZはCHである。
式Iの一つの例では、Yはメチルである。
式Iの一つの例では、Yはメチル、YはH、YはH、XはNS(=O)CHCH、XはCH、XはCH、ZはCH、及びZはCHである。
式Iの一つの例では、ZはN、及びZはNである。
式Iの一つの例では、YはH、及びXはCHである。
式Iの一つの例では、YはH、XはCH、ZはN、及びZはNである。
式Iの一つの例では、XはNS(=O)CHCHである。
式Iの一つの例では、XはNS(=O)CHCH、YはH、XはCH、ZはN、及びZはNである。
式Iの一つの例では、Yはメチルである。
式Iの一つの例では、Yはメチル、XはNS(=O)CHCH、YはH、XはCH、ZはN、及びZはNである。
式Iの一つの例では、YはH、及びXはCHである。
式Iの一つの例では、YはH、XはCH、YはH、XはCH、ZはN、及びZはNである。
式Iの一つの例では、Yはメチルである。
式Iの一つの例では、Yはメチル、YはH、XはCH、YはH、XはCH、ZはN、及びZはNである。
本出願は、
8−(1,1−ジオキソ−1λ−チオモルホリン−4−イル)−3H−3,4,8a−トリアザ−as−インダセン、
8−シクロヘキシル−3H−3,4,8a−トリアザ−as−インダセン、
8−(2−メチル−ピペリジン−1−イル)−3H−3,4,8a−トリアザ−as−インダセン、
8−((3S,4S)−1−エタンスルホニル−4−メチルピペリジン−3−イル)−3H−3,4,8a−トリアザ−as−インダセン、
8−((3S,4R)−1−エタンスルホニル−4−メチル−ピペリジン−3−イル)−3H−3,4,8a−トリアザ−as−インダセン、
1−((1R,2S)−2−メチル−シクロヘキシル)−6H−2,3,5,6,8b−ペンタアザ−as−インダセン、
1−((3R,4R)−1−エタンスルホニル−4−メチル−ピペリジン−3−イル)−6H−2,3,5,6,8b−ペンタアザ−as−インダセン、
1−シクロヘキシル−6H−2,3,5,6,8b−ペンタアザ−as−インダセン、
3−[(3S,4S)−4−メチル−3−(6H−2,3,5,6,8b−ペンタアザ−as−インダセン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピオニトリル、
1−シクロヘキシル−6H−2,5,6,8b−テトラアザ−as−インダセン、
からなる群から選択される式Iの化合物を提供する。
本出願は、式II:
Figure 2013500301
の化合物、又は、その薬学的に許容される塩を提供する[式中:
は、CH又はNであり;
は、CH又はNであり;
Rは、低級アルキル、低級アルコキシ、アミノ、シクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルであって、1つ以上のRで置換されていてもよく;
は低級アルキル、ハロゲン、低級ハロアルキル、低級アルコキシ、低級アルキルスルホニル、又はC(=O)Rであり、
はH、アミノ、又はRであり、Rは1つ以上のRで置換されていてもよい低級アルキルであり、かつRはハロゲン、低級アルコキシ、シアノ、又はアミノである]。
式IIの一つの例では、Rは低級アルキルである。
式IIの一つの例では、Rは低級アルコキシである。
式IIの一つの例では、Rはアミノである。
式IIの一つの例では、Rはシクロアルキルである。
式IIの一つの例では、Rはヘテロシクロアルキルである。
式IIの一つの例では、Rはヘテロシクロアルキル、RはC(=O)R、RはR、Rは低級アルキル、及びRはシアノである。
一側面において、本出願は、式I又は式IIの化合物の治療有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む、喘息を治療する方法を提供する。
一側面において、本出願は、式I又は式IIの化合物の治療有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む、関節炎を治療する方法を提供する。
一側面において、本出願は、式I又は式IIの化合物の治療有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む、関節リウマチを治療する方法を提供する。
一側面において、本出願は、式I又は式IIの化合物の治療有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む、炎症疾患及び/又は自己免疫疾患を治療する方法を提供する。
上記方法の1つの例では、上記方法はさらに化学療法薬若しくは抗増殖薬、抗炎症薬、免疫調節薬若しくは免疫抑制薬、神経栄養因子、循環器疾患を治療のための薬剤、糖尿病の治療のための薬剤、又は免疫不全障害治療のための薬剤から選択される追加の治療薬を投与することを含む。
一側面において、本出願は、式I又は式IIの化合物の治療有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む、炎症疾患を治療する方法を提供する。
一側面において、本出願は、式I又は式IIの化合物の治療有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む、T細胞増殖障害を抑制する方法を提供する。
一側面において、本出願は、式I又は式IIの化合物の治療有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む、T細胞増殖障害を抑制する方法を提供する。
上記方法の1つの例では、増殖障害は癌である。
一側面において、本出願は、式I又は式IIの化合物の治療有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む、B細胞増殖障害を治療する方法を提供する。
一側面において、本出願は、紅斑性狼瘡、多発性硬化症、関節リウマチ、乾癬、I型糖尿病、臓器移植による合併症、異種移植、糖尿病、癌、喘息、アトピー性皮膚炎、自己免疫甲状腺障害、潰瘍性大腸炎、クローン病、アルツハイマー病、及び、白血病を含む免疫障害を治療する方法であって、それを必要とする患者に治療有効量の式I又は式IIの化合物を投与することを含む方法を提供する。
一側面において、本出願は、血管柄付き若しくは非血管柄付き移植の、急性同種移植拒絶若しくは急性異種移植拒絶及び慢性同種移植拒絶若しくは慢性異種移植拒絶を含むすべての形態の臓器拒絶反応を予防又は治療する方法であって、それを必要とする患者に治療有効量の式I又は式IIの化合物を投与することを含む方法を提供する。
一側面において、本出願は、式I又は式IIの化合物を投与することを含むJAK3活性を阻害する方法を提供し、この化合物は、JAK3活性の体外生物化学アッセイにおいて50マイクロモル以下のIC50を示す。
上記方法の1つの例では、この化合物は、JAK3活性の体外生物化学アッセイにおいて100ナノモル以下のIC50を示す。
上記方法の1つの例では、化合物は、JAK3活性の体外生物化学アッセイにおいて10ナノモル以下のIC50を示す。
一側面において、本出願は、炎症疾患を治療する方法であって、それを必要とする患者に抗炎症性化合物を治療有効量の式I又は式IIの化合物と組み合わせて同時投与することを含む方法を提供する。
一側面において、本出願は、免疫障害を治療する方法であって、それを必要とする患者に免疫抑制化合物を治療有効量の式I又は式IIの化合物と組み合わせて同時投与することを含む方法を提供する。
本出願は、少なくとも1つの薬学的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤と混合された、式I又は式IIの化合物を含む医薬組成物を提供する。
1つの例において、上記医薬組成物は、さらに化学療法薬若しくは抗増殖薬、抗炎症薬、免疫調節薬若しくは免疫抑制剤、神経栄養因子、循環器疾患を治療するための薬剤、糖尿病を治療するための薬剤及び、免疫不全障害を治療するための薬剤から選択される追加の治療薬を含む。
一側面において、本出願は、炎症性障害の治療のための薬剤の製造における式I又は式IIの化合物の使用を提供する。
一側面において、本出願は、自己免疫障害の治療のための薬剤の製造における式I又は式IIの化合物の使用を提供する。
さらなる一側面において、本出願は、炎症性障害の治療に使用される式I又は式IIの化合物を提供する。
さらなる一側面において、本出願は、自己免疫障害の治療に使用される式I又は式IIの化合物を提供する。
定義
本明細書において使用される語句「1つ」の実体は、その実体が1以上であることを意味し、例えば、1つの化合物は、1つ以上の化合物又は少なくとも1つの化合物を意味する。そのような場合、用語「1つ」、「1つ以上」及び「少なくとも1つ」は、本明細書において、相互に置き換え可能である。
語句「本明細書において上記に定義されるように」は、明細書又は最も広い特許請求の範囲に提示された各群の最も広い定義を意味する。下記に提示される他のすべての態様において、各態様で存在しうるが明確には定義されていない置換基は、明細書に提示された最も広い定義を保持する。
本明細書において使用される場合、特許請求の範囲の移行句又は本体部で、用語「含む」及び「含んでいる」は、非限定的な意味を有すると解釈されるべきである。即ち、その用語は、語句「少なくとも〜有する」又は「少なくとも〜含む」の同義句として解釈されるべきである。方法の文脈で使用される場合、用語「含んでいる」は、方法が少なくとも列挙された工程を含むが、追加の工程も含みうることを意味する。化合物又は組成物の文脈で使用される場合、用語「含んでいる」は、化合物又は組成物が少なくとも列挙された特徴又は構成要素を含むが、追加の特徴又は構成要素も含みうることを意味する。
本明細書で使用されるとき、特に明示されていない限り、単語「又は」は、「及び/又は」という「包括的な」意味で使用され、「いずれか一方」という「排他的な」意味では使用されない。
本明細書において使用される用語「独立して」は、同じ化合物の範囲内の同じ又は異なる定義を有する可変部分の存在の有無に関わりなく、可変部分が任意の場合に適用されることを示すために使用される。したがって、R’’が二度現れ、R’’が「独立して炭素又は窒素」と定義される化合物においては、両方のR’’が炭素であってもよく、両方のR’’が窒素であってもよく、又は一方のR’’が炭素で、他方が窒素であってもよい。
任意の可変部分(例えば、R、R又はQ)が、本発明で用いられる又は請求される化合物を記述又は記載する任意の部分又は化学式に2回以上出現する場合、各々の出現したときの定義は、他のすべての出現での定義とは無関係である。また、置換基及び/又は可変部分の組み合わせは、そのような化合物が安定した化合物をもたらす場合にのみ許容される。
結合の末端に存在する記号“*”又は結合を貫いて描かれる「−−−−」は、各々、官能基又は他の化学部分の、それが一部分となる分子の残部との結合点を意味する。したがって、例えば:MeC(=O)OR、式中、
Figure 2013500301
である。
環系の中へと描かれた結合は(明確な頂点で連結されるのとは異なり)、結合が適切な環原子のいずれかに連結し得ることを示す。
本明細書において使用する「任意選択の」又は「されていてもよい」という用語は、その次に記載される事象又は状況が起こり得るが起こる必要はなくて、該記載が該事象又は状況が起こる場合とそれが起こらない場合とを含むことを意味する。例えば、「置換されていてもよい」は、置換されていてもよい部分が水素であるか又は置換基を組み込み得ることを意味する。
本明細書において使用される語句「一緒になって2環式系を形成する」は、それぞれの環が4〜7個の炭素原子あるいは4〜7個の炭素原子とヘテロ原子のいずれかから構成されることができ、飽和でも不飽和でもよい二環式の環系を一緒になって形成することを意味する。
本明細書においてに使用される用語「約」は、およそ、〜の辺り、大体、又は、〜前後を意味する。用語「約」が、数値範囲とともに使用される場合、明記された数値の上下に境界を広げることにより、その範囲を緩和する。一般に、用語「約」は、表示した値の上下20%の変動で数値を緩和するために本明細書では使用される。
本明細書に記載された定義は、「ヘテロアルキルアリール」、「ハロアルキルヘテロアリール」、「アリールアルキルへテロシクリル」、「アルキルカルボニル」、「アルコキシアルキル」、「シクロアルキルアルキル」等のように付け加えて化学的に関連する組み合わせを形成することができる。用語「アルキル」が、「フェニルアルキル」又は「ヒドロキシアルキル」のように別の用語の後に接尾辞として使用される場合、他の具体的に命名される基から選択される1〜2個の置換基で置換されている上記で定義されているアルキル基を指すものである。したがって、例えば、「フェニルアルキル」は、1〜2個のフェニル置換基を有するアルキル基を指し、したがって、ベンジル、フェニルエチル、及びビフェニルを含む。「アルキルアミノアルキル」は、1〜2個のアルキルアミノ置換基を有するアルキル基である。「ヒドロキシアルキル」としては、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、1−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシブチル、2−(ヒドロキシメチル)、3−ヒドロキシプロピル等が挙げられる。したがって、本明細書において使用される用語「ヒドロキシアルキル」は、以下に定義されるヘテロアルキル基の部分集合を定義するために使用される。用語アルキル又はアラルキルは、非置換アルキル基又はアラルキル基のいずれかを指す。用語(ヘテロ)アリール又はアリール若しくはヘタリールは、アリール基又はヘテロアリール基のいずれかを指す。
式Iの化合物は、互変異性を示しうる。互変異性化合物は、2つ以上の相互変換可能な種として存在できる。プロトン互変異性体は、2個の原子間の共有結合した水素原子の移動の結果生じる。互変異性体は、一般的に平衡状態で存在し、個々の互変異性体を単離する試みは、通常は化学的及び物理的特性が化合物の混合物と一致する混合物を生成する。平衡の位置は、分子内の化学的特徴に依存する。例えば、アセトアルデヒド等の、多くの脂肪族アルデヒド及び脂肪族ケトンでは、ケト型が優位であるが、フェノールでは、エノール型が優位である。一般的なプロトン互変異性体としては、ケト/エノール(−C(=O)−CH−←→−C(−OH)=CH−)、アミド/イミド酸(−C(=O)−NH−←→−C(−OH)=N−)及びアミジン(−C(=NR)−NH−←→−C(−NHR)=N−)互変異性体が挙げられる。後者の2つは、ヘテロアリール環及び複素環において特に一般的であり、本発明は化合物のすべての互変異性体を包含する。
本明細書において使用される技術及び科学用語は、特に定義のない限りは、本発明に関係する当業者によって一般的に理解される意味を有する。当業者に周知のさまざまな方法論及び材料が本明細書において参照される。薬理学の一般原理を示す標準参考文献としては、Goodman及びGilmanのThe Pharmacological Basis of Therapeutics, 10th Ed., McGraw Hill Companies Inc., New York (2001)が挙げられる。当業者に周知のすべての適切な材料及び/又は方法は、本発明を実施する上で活用できる。しかしながら、好ましい材料及び方法は記載されている。以下の記載及び実施例に参照される材料や試薬などは、特に断りのない限り、市販のものを入手できる。
本明細書において使用される用語「アシル」は、式−C(=O)R基を示し、式中Rは、水素又は本明細書で定義されている低級アルキルである。本明細書において使用される用語「アルキルカルボニル」は、式C(=O)R基を表し、式中Rは、本明細書で定義されているアルキルである。用語C1−6アシルは、炭素原子6個を含むC(=O)R基を指す。本明細書において使用される用語「アリールカルボニル」は、式C(=O)R基を意味し、式中Rはアリール基である。本明細書において使用される用語「ベンゾイル」は、式中Rがフェニルである「アリールカルボニル」基を意味する。
本明細書において使用される用語「アルキル」は、1〜10個の炭素原子を含む非分岐鎖状又は分岐鎖状の飽和一価炭化水素残基を示す。用語「低級アルキル」は、1〜6個の炭素原子を含む直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素残基を示す。本明細書において使用される「C1−10アルキル」は、1〜10個の炭素原子からなるアルキルを指す。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、又はペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、及びオクチルを含む低級アルキル基が挙げられるが、それらに限定されない。
用語「アルキル」が「フェニルアルキル」又は「ヒドロキシアルキル」におけるように別の用語に続く接尾辞として使用される場合、これは、他の具体的に命名される基から選択される1〜2個の置換基で置換されている、上記に定義されているアルキル基を指すものである。したがって、例えば「フェニルアルキル」は、残基R’’−を示し、式中Rはフェニル残基であり、R’’は本明細書に定義されているアルキレン残基であり、フェニルアルキル部分の結合点は、アルキレン残基にあることが理解される。アリールアルキル残基の例としては、ベンジル、フェニルエチル、3−フェニルプロピルが挙げられるが、それらに限定されない。用語「アリールアルキル(arylalkyl)」、「アリールアルキル(aryl alkyl)」又は「アラルキル」は、Rがアリール残基であることを除いて同様に解釈される。用語「ヘテロアリール アルキル(heteroaryl alkyl)」又は「ヘテロアリールアルキル(heteroarylalkyl)」は、Rが任意選択のアリール残基又はヘテロアリール残基であることを除いて同様に解釈される。
本明細書において使用される用語「ハロアルキル」は、上記に定義されているような非分岐鎖又は分岐鎖アルキル基(基中、1、2、3個又はそれより多い水素原子がハロゲンで置換されている)を示す。用語「低級ハロアルキル」は、1〜6個の炭素原子を含む直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素残基(基中、1、2、3個又はそれより多い水素原子がハロゲンで置換されている)を示す。例には、1−フルオロメチル、1−クロロメチル、1−ブロモメチル、1−ヨードメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、トリブロモメチル、トリヨードメチル、1−フルオロエチル、1−クロロエチル、1−ブロモエチル、1−ヨードエチル、2−フルオロエチル、2−クロロエチル、2−ブロモエチル、2−ヨードエチル、2,2−ジクロロエチル、3−ブロモプロピル、又は、2,2,2−トリフルオロエチルがある。
本明細書において使用される用語「アルキレン」は、特に指示されない限りは、1〜10個の炭素原子からなる二価飽和直鎖炭化水素残基(例えば(CH)、又は、2〜10個の炭素原子からなる分岐鎖飽和二価炭化水素残基(例えば−CHMe−又は−CHCH(i−Pr)CH−)を示す。メチレンの場合を除き、アルキレン基の空結合価は、同じ原子に結合しない。アルキレン残基の例としては、メチレン、エチレン、プロピレン、2−メチル−プロピレン、1,1−ジメチル−エチレン、ブチレン、2−エチルブチレンが挙げられるがそれらに限定されない。
本明細書において使用される用語「アルコキシ」は、その異性体を含む−O−アルキル基(基中、アルキルは上記の定義の通りで、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、i−プロピルオキシ、n−ブチルオキシ、i−ブチルオキシ、t−ブチルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等である)を意味する。本明細書において使用される「低級アルコキシ」は、前に定義したように「低級アルキル基」を伴うアルコキシ基を示す。本明細書において使用される「C1−10アルコキシ」は、アルキルがC1−10であるO−アルキルを指す。
本明細書において使用される用語「ヒドロキシアルキル」は、明細書中に定義されているアルキル残基を示し、ここで、異なる炭素原子の1〜3個の水素原子がヒドロキシル基で置換されている。
本明細書において使用される用語「シクロアルキル」は、3〜8個の炭素原子を含む飽和炭素環、即ち、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロへプチル、又はシクロオクチルを指す。本明細書において使用される「C3−7シクロアルキル」は、炭素環中の3〜7個の炭素からなるシクロアルキルを指す。
本明細書において使用される用語「ハロゲン」又は「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素を意味する。
本明細書において使用される用語「ヘテロアリール」又は「芳香族複素環」は、環1つあたり1個以上のN、O又はSのヘテロ原子を含む4〜8個の原子を含有する少なくとも1つの芳香族環を有し、残りの環原子が炭素である少なくとも1つの芳香族環を有する、環原子5〜12個の単環式又は二環式残基を意味し、ヘテロアリール残基の結合点が芳香族環にあることが理解される。当業者に周知のとおり、ヘテロアリール環は、すべてが炭素原子で構成されるその等価物よりも芳香族性が少ない。このように、本発明の目的のためには、ヘテロアリール基は、ある程度の芳香族性を有していれば十分である。ヘテロアリール部分の例としては、5個から6個の環原子及び1個から3個のヘテロ原子を有する単環芳香族へテロ環が挙げられ、それらは、限定されないが、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、トリアゾリン、チアジアゾール、及びオキサジアゾリンが挙げられ、それらは場合により、ヒドロキシ、シアノ、アルキル、アルコキシ、チオ、低級ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロ、ハロアルキル、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、及びジアルキルアミノアルキル、ニトロ、アルコキシカルボニル、及びカルバモイル、アルキルカルバモイル、ジアルキルカルバモイル、アリールカルバモイル、アルキルカルボニルアミノ及び、アリールカルボニルアミノから選択される1個以上の、好ましくは1個又は2個の置換基で置換されていてもよい。二環部分の例としては、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、及びベンゾイソチアゾールが挙げられるが、それらに限定されない。二環部分は、場合により、どちらかの一方の環に置換されうるが、結合点はヘテロ原子を含む環である。
本明細書において使用される用語「ヘテロシクロアルキル」、「ヘテロシクリル」又は「複素環」は、環1つあたり1個以上の環炭素原子及び1個以上の環ヘテロ原子(N、O又はS(=O)0〜2から選択される)を含む原子3〜8個の1つ以上の環、好ましくは1〜2つの環又は3つの環から構成される一価飽和環式残基を示し、ここで、結合点は、炭素原子又はヘテロ原子のいずれかを介し、特に示されていない限り、それは、場合によりヒドロキシ、オキソ、シアノ、低級アルキル、低級アルコキシ、低級ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ニトロ、アルコキシカルボニル、アミノ、アルキルアミノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノから選択される1個以上、好ましくは1個又は2個又は3個の置換基で独立して置換されてもよい。複素環残基の例としては、アゼチジニル、ピロリジニル、ヘキサヒドロアゼピニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、キヌクリジニル及びイミダゾリニルが挙げられるが、それらに限定されない。
語句「臓器拒絶反応」は、血管柄付き及び/又は非血管柄付き(例えば骨髄、膵島細胞)移植における急性同種移植拒絶反応又は急性異種移植拒絶反応、及び慢性同種移植拒絶反応又は慢性異種移植拒絶反応を含む。
上述の定義の化学基に対する好ましい残基は、実施例中に具体的に例示しているものである。
一般に使用される略語としては以下が挙げられる:アセチル(Ac)、アゾビスイソブチリルニトリル(AIBN)、気圧(Atm)、9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(9−BBN又はBBN)、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、ジ−tert−ブチルピロカルボナート又はboc無水物(BOCO)、ベンジル(Bn)、ブチル(Bu)、CAS登録番号(Chemical Abstracts Registration Number)(CASRN)、ベンジルオキシカルボニル(CBZ又はZ)、カルボニルジイミダゾール(CDI)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、三フッ化ジエチルアミノ硫黄(DAST)、ジベンジリデンアセトン(dba)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1,2−ジクロロエタン(DCE)、ジクロロメタン(DCM)、ジエチルアゾジカルボキシラート(DEAD)、ジイソプロピルアゾジカルボキシラート(DIAD)、水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL又はDIBAL−H)、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、4−N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、1,1’−ビス−(ジフェニルホスフィノ)エタン(dppe)、1,1’−ビス−(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)、エチル(Et)、酢酸エチル(EtOAc)、エタノール(EtOH)、2−エトキシ−2H−キノリン−1−カルボン酸エチルエステル(EEDQ)、ジエチルエーテル(EtO)、ヘキサフルオロリン酸O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム(HATU)、酢酸(HOAc)、1−N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、イソプロピルアルコール(IPA)、リチウムヘキサメチルジシラザン(LiHMDS)、メタノール(MeOH)、融点(mp)、MeSO−(メシル又はMs)、メチル(Me)、アセトニトリル(MeCN)、m−クロロ過安息香酸(MCPBA)、質量分析(ms)、メチルt−ブチルエーテル(MTBE)、N−ブロモスクシンイミド(NBS)、N−カルボキシ無水物(NCA)、N−クロロスクシンイミド(NCS)、N−メチルモルホリン(NMM)、N−メチルピロリドン(NMP)、クロロクロム酸ピリジニウム(PCC)、二クロム酸ピリジニウム(PDC)、フェニル(Ph)、プロピル(Pr)、イソプロピル(i−Pr)、ポンド/平方インチ(psi)、ピリジン(pyr)、室温(rt又はRT)、トリメチルシラニル−エトキシメチル(SEM)、tert−ブチルジメチルシリル又はt−BuMeSi(TBDMS)、トリエチルアミン(TEA又はEtN)、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル(TEMPO)、トリフラート又はCFSO−(Tf)、トリフルオロ酢酸(TFA)、1,1’−ビス−2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−2,6−ジオン(TMHD)、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(TBTU)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、テトラヒドロフラン(THF)、トリメチルシリル又はMeSi(TMS)、p−トルエンスルホン酸一水和物(TsOH又はpTsOH)、4−Me−CSO−又はトシル(Ts)、N−ウレタン−N−カルボン酸無水物(UNCA)である。接頭辞ノルマル(n)、イソ(i−)、第二級(sec−)、第三級(tert−)及びネオを含む従来の命名法では、アルキル部分と一緒に使用されるとき、慣習的な意味を有する(J. Rigaudy 及び D. P. Klesney, Nomenclature in Organic Chemistry, IUPAC 1979 Pergamon Press, Oxford.)。
本発明により包含され、発明の範囲内に含まれる代表的化合物の例を以下の表に提示する。当業者がより明確に本発明を理解し、実施できるようにするために、以下にこれらの実施例及び製剤を提示する。それらは、発明の範囲を限定するものではなく、単に、それらの例証及び代表例とみなされるべきである。
一般的に、本出願で使用される命名法は、IUPAC系統的命名の生成のためのBeilstein Instituteのコンピュータ化システムであるAUTONOM(登録商標)v.4.0に基づいている。表示された構造とその構造に与えられた名前に不一致がある場合には、表示された構造に準じるべきである。さらに、構造又は構造の一部分の立体化学が、例えば、太字又は点線で示されていない場合、構造又は構造の一部分には、そのすべての立体異性体が含まれると解釈すべきである。
表1は、式Iの例示的な化合物を示す。
Figure 2013500301
Figure 2013500301
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上記のスキーム1において、XはCH又はN、XはCH、NS(=O)、又はNC(=O)R1’、Rは低級アルキル、R1’はH、アミノ、又はR1’’、R1’’は低級アルキルで、場合により1つ以上のR1’’’で置換されてもよく、R1’’’はハロゲン、低級アルコキシ、シアノ、又はアミノ、XはCHR又はS(=O)、RはH又は低級アルキル、YはH、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン、又は低級ハロアルキル、YはH、又は低級アルキル、及び、YはH、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン、又は低級ハロアルキルであり得る。
本発明の化合物は、多種多様の経口投与剤形及び担体に処方することができる。経口投与は錠剤、コーティング錠剤、糖衣錠、硬質ゼラチンカプセル及び軟質ゼラチンカプセル、液剤、乳剤、シロップ剤又は懸濁剤の剤形にすることができる。本発明の化合物は、他の投与経路のうち、連続(静脈点滴)局所非経口、筋肉内、静脈内、皮下、経皮(浸透増強剤を含んでもよい)、口腔、鼻腔、吸入及び坐薬投与を含む他の投与経路によって投与されるときに効果的である。好ましい投与方法は、一般に、病気の程度及び活性成分に対する患者の反応によって調節できる簡便な日常の投与計画を利用した経口投与である。
本発明の化合物及びその薬学的に使用できる塩は、1個以上の従来の賦形剤、担体、又は希釈剤と共に医薬組成物及び単位投与剤形にすることができる。この医薬組成物及び単位投与剤形は、従来の成分を従来の割合で、追加の活性化合物又は有効成分と共に又はなしで構成され、単位投与剤形は所望の一日用量範囲に相応する活性成分のあらゆる適切な有効量を含有してもよい。医薬組成物は、錠剤若しくは充填カプセル剤、半固体剤、散剤、徐放性製剤等の固体、又は液剤、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤若しくは経口用充填カプセル等の液体、又は直腸若しくは膣内投与用の坐剤の形態;又は非経口使用のための無菌注射剤の形態で使用してもよい。典型的な製剤は、約5%〜約95%の活性化合物(w/w)を含有する。用語「製剤」又は「投与剤形」は、活性化合物の固体及び液体の両方の製剤を含むことを意図し、当業者は、活性化合物が標的器官又は組織、並びに所望の用量及び薬物動態パラメーターに依存して様々な製剤で存在できることを十分理解している。
本発明において使用される用語「賦形剤」は、一般に、安全で、非毒性で、かつ生物学的にも他の意味でも不適切でない医薬組成物を調製するのに有用である化合物を指し、ヒトへの薬学的使用だけでなく獣医学的使用にも許容できる賦形剤を含む。本発明の化合物は、単独で投与することができるが、一般的に、所望の投与経路及び標準的な薬務に照らして選択された1種以上の適切な医薬賦形剤、希釈剤又は担体と混合して投与される。
「薬学的に許容される」は、一般に安全で、非毒性であり、生物学的にも、それ以外にも他の意味でも不適切でない医薬組成物を製剤するのに有用であることを意味し、ヒトに対する薬学的使用と同様に獣医学用に許容されることが含まれる。
活性成分の「薬学的に許容される塩」形態は、非塩形態では存在しなかった所望の薬物動態特性を最初に活性成分に与えることができ、さらに体内でのその治療活性に関して薬力学に良い影響を及ぼすことさえできる。化合物の「薬学的に許容される塩」という句は、薬学的に許容され、親化合物の所望の薬理学的活性を有する塩を意味する。そのような塩としては以下が挙げられる:(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸で形成される酸付加塩、又は、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタン−ジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4−メチルビシクロ[2.2.2]−オクト−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプトン酸、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸等の有機酸と形成された酸付加塩。あるいは、(2)親化合物に存在する酸性プロトンが金属イオン(例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン又はアルミニウムイオン)によって置換されるか;又は、有機塩基(エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミン等)と配位結合する場合に形成される塩。
固形製剤としては、散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤及び分散性顆粒剤が挙げられる。固体担体は、希釈剤、着香料、可溶化剤、滑沢剤、懸濁剤、結合剤、保存剤、錠剤崩壊剤、又は、カプセル化材料として機能もできる1種以上の物質であってもよい。散剤では、担体は一般的に、微粉砕された活性成分との混合物である微粉砕された固体である。錠剤では、活性成分は、一般的に必要な結合能を有する担体と適切な割合で混合され、所望の形態と大きさに圧縮成形される。適切な担体としては、特に限定されないが、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖類、乳糖、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ワックス、カカオ脂等が挙げられる。固形製剤は、活性化合物に加えて、着色剤、着香料、安定剤、緩衝液、人工甘味料及び天然甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤等を含有してもよい。
液体製剤も経口投与に適しており、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤、水性液剤、水性懸濁剤を包含する液体製剤を含む。これらは使用の直前に液体製剤に変換することを意図した固体製剤を含む。乳剤は、溶液、例えば、水溶性プロピレングリコール溶液中に調製されるか、又は、レクチン、ソルビタンオレイン酸モノエステル、又は、アカシア等の乳化剤を含んでもよい。水性液剤は活性成分を水に溶解し、適切な着色剤、風味剤、安定剤、及び増粘剤を添加することによって製剤できる。水性懸濁液は微粉砕された活性成分を、天然若しくは合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び他のよく知られた懸濁化剤等の粘稠性物質とともに水に分散することによって製剤できる。
本発明の化合物は、非経口投与(例えば注射、例としてはボーラス注射又は持続点滴による)用に処方することができ、アンプル、充填済み注射器、低容量点滴、又は保存剤を加えた複数回投与容器に単位投与剤形で存在してもよい。本組成物は、油性若しくは水性溶媒中で懸濁液、溶液、又は乳化液の剤形、例えば水性ポリエチレングリコール中の溶液の形態をとってもよい。油性若しくは非水性担体、希釈剤、溶媒、又は溶剤の例としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(例えばオリーブオイル)及び注射可能な有機エステル(例えばオレイン酸エチル)が挙げられ、保存剤、湿潤剤、乳化剤、又は、懸濁剤、安定剤及び/又は分散剤等の製剤化剤を含んでもよい。あるいはまた、活性成分は、適切な溶剤、例えば発熱物質を含まない滅菌水を用いた使用前構成のための、滅菌固体の無菌分離によるか、又は溶液から凍結乾燥することにより得られる散剤形態であってよい。
本発明の化合物は、軟膏剤、クリーム剤、若しくはローション剤として、又は経皮パッチとして表皮への局所投与用に処方することができる。軟膏剤及びクリーム剤は、例えば、適切な増粘剤及び/又はゲル化剤を加え、水性又は油性基剤を用いて処方することができる。ローション剤は、水性又は油性基剤を用いて処方することができ、一般には、1種以上の乳化剤、安定化剤、分散剤、懸濁剤、増粘剤、又は着色剤も含有する。口腔内の局所投与に適した製剤としては、着香基剤(通常はショ糖及びアラビアゴム若しくはトラガントゴム)中に活性薬剤を含むトローチ剤;ゼラチン及びグリセリン又はショ糖及びアラビアゴム等の不活性基剤中に活性成分を含む香錠;並びに適切な液体担体中に活性成分を含む洗口液が挙げられる。
本発明の化合物は、坐剤としての投与するために処方できる。脂肪酸グリセリド又はカカオ脂の混合物等の低融点ワックスを最初に融解し、活性成分を、例えば撹拌により、均一に分散させる。この融解した均一な混合物を、次いで都合のよい大きさの型に流し込み、冷却し、凝固させる。
本発明の化合物は、膣内投与用に処方できる。活性成分に加えて当業界で適切であることが周知の担体を含むペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、泡又はスプレーが挙げられる。
本発明の化合物は、鼻内投与用に処方できる。液剤又は懸濁剤を従来の方法(例えば、スポイト、ピペット、又はスプレー)によって、直接鼻腔に適用する。製剤は、単回投与剤形又は多回投与剤形で提供できる。後者をスポイト又はピペットで行う場合、液剤又は懸濁剤の適切で所定の容量を患者が投与することによって達成できる。スプレーの場合、例えば計量噴霧スプレーポンプを用いて達成できる。
本発明の化合物は、特に、鼻腔内投与を含む気道へのエアロゾル投与用に処方できる。本化合物は、一般に、例えば、約5ミクロン以下の小さな粒径を有する。そのような粒径は、例えば微粒子化等の当業者に周知の手段によって得られる。活性成分は、クロロフルオロカーボン(CFC)、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン若しくはジクロロテトラフルオロエタン、又は二酸化炭素又は他の適切な気体等の適切な噴射剤を用いた加圧パックとして提供される。エアロゾルは、レクチン等の界面活性剤も都合良く含有することができる。薬物の用量は、計量弁によって制御できる。あるいは、活性成分は、乾燥散剤、例えば、適切な散在基剤(乳糖、デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のデンプン誘導体及びポリビニルピロリドン(PVP)等)中の化合物の粉末混合物の剤形で提供してもよい。散剤担体は、鼻腔内でゲルを形成する。散剤組成物は、単位投与剤形として、ゼラチン等のカプセル若しくはカートリッジとして、又は吸入器を用いて粉末を投与できるブリスターパックとして提供してもよい。
所望であれば、処方は、活性成分の持続又は制御放出投与に合わせた腸溶性コーティングをして調製することができる。例えば、本発明の化合物は、経皮又は皮下の薬物送達装置中に処方することができる。これらの送達系は、化合物の持続放出が必要であり、及び患者の治療計画順守が決定的に重要な場合に有利である。経皮送達系における化合物は、しばしば皮膚付着固体支持体に取り付けられる。目的の化合物はまた、浸透促進剤、例えば、アゾン(1−ドデシルアザ−シクロヘプタン−2−オン)と併用することができる。持続放出送達系は、手術又は注入によって皮下層に至るまで皮下に挿入する。皮下インプラントは、シリコーンゴム等の脂質可溶性膜、又はポリ乳酸等の生分解性ポリマー中に本化合物を封入する。
医薬品担体、希釈剤及び賦形剤と共に適切な処方は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy 1995, edited by E.W. Martin, Mack Publishing Company, 19th edition, Easton, Pennsylvaniaに記載されている。熟練の製剤科学者ならば、本明細書の教示内で本処方を変更することにより、本発明の組成物を不安定にせず、またその治療活性を損なわないで、特定の投与経路用に多数の製剤を提供することができる。
水又は他の溶媒への可溶性を上げるための本発明の化合物の修飾は、例えば、小さな修飾(塩形成、エステル化など)で簡単に達成でき、当業者が十分に対応できる範囲である。患者での薬効の最大化を目的として、本発明の化合物の薬物動態を操作するために、特定の化合物の投与経路及び投薬計画を変更することも当業者は十分に行える。
本明細書において使用される用語「治療有効量」は、個々の疾患の症状を軽減するために必要な量を意味する。用量は、それぞれの特定の場合において個々の要求に合わせることができる。用量は、治療すべき疾患の重篤度、患者の年齢及び身体全体の健康状態、患者が治療を受けている他の医薬、投与経路及び剤形、並びに担当医師の優先傾向や経験等の様々な因子によって、広い範囲内で変化しうる。単剤療法及び/又は併用療法において、経口投与には、約0.01〜約1000mg/kg体重/日の1日用量が適切である。好ましい1日用量は、一日あたり約0.1から約500mg/kg体重、さらに好ましくは、0.1から約100mg/kg体重、及び最も好ましくは、1.0〜約10mg/kg体重である。したがって、70kgのヒトに投与するには、用量の範囲は、一日に約7mgから0.7gである。この一日用量は、単回用量又は分割用量として投与でき、典型的には一日に1回〜5回投与である。一般に、治療は化合物の最適用量よりも少ない用量から開始する。その後、用量は、個別の患者に最適な効果が達成されるまで少量ずつ増やされる。本明細書に記載されている疾患を治療する当業者は、必要以上に実験をすることなく、個人の知識、経験及び本出願の開示によって、所与の疾患及び患者のための本発明の化合物の治療有効量を確定できる。
医薬製剤は、好ましくは、単位投与剤形である。そのような剤形では、製剤は適切な量の活性成分を含有する単位用量に小分けされる。単位投与剤形は、パッケージ製剤でもよく、そのパッケージは、パケット錠剤、カプセル剤及びバイアル又はアンプル中の粉末剤のような製剤の別個の分量を含有する。また、単位投与剤形は、カプセル剤、錠剤、カシェ剤又はトローチ剤そのものでもよく、又はこれらのいずれかの適切な数の包装形態でもよい。
以下の実施例は、本発明の範囲内で化合物の製剤及び生物学的評価を例示する。これらの実施例及びそれに続く製剤例は、当業者が本発明をより明確に理解し、実施できるようにするために提供される。それらは、本発明の範囲を限定するものと見なされるべきではなく、単にそれらの例示及び代表例であると見なされるべきである
実施例
実施例1
8−(1,1−ジオキソ−1λ−チオモルホリン−4−イル)−3H−3,4,8a−トリアザ−as−インダセンの調製
8−(1,1−ジオキソ−1λ−チオモルホリン−4−イル)−3−(3−トリメチルシラニル−プロポキシメチル)−3H−3,4,8a−トリアザ−as−インダセン。2−ブロモ−5−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン(295mg、0.9mmol)、4−プロパルギル−チオモルホリン−1,1−ジオキシド(市販品、156mg、0.9mmol)、ヨウ化銅(17mg、0.09mmol)、ジクロロビス−(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(13mg、0.018mmol)、DBU(0.4mL、2.7mmol)及び乾燥ジメチルアセトアミド(3mL)をフラスコに入れた。この混合物を真空脱気し、アルゴン中で80℃に加熱した。1.5時間後、120℃まで加温し、12時間撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、水(45ml)及び酢酸エチル(45ml)を添加して反応停止させた。この混合物を分液漏斗で振盪し、酢酸エチル相を回収した。水相を酢酸エチルで逆抽出(40mlで2回)し、有機物を合わせ、乾燥(MgSO)、濾過して分離した。残留物を、溶離液として45%酢酸エチル含有ヘキサンを用いて、分取TLCによって精製して、232mgの8−(1,1−ジオキソ−1λ−チオモルホリン−4−イル)−3−(3−トリメチルシラニル−プロポキシメチル)−3H−3,4,8a−トリアザ−as−インダセンを濃褐色の油状物として得た。MS(M+H)=421。
実施例2
(+/−)−8−(2−メチル−ピペリジン−1−イル)−3H−3,4,8a−トリアザ−as−インダセンの調製
(2−エタンスルホニル−エチル)−メチル−(3H−3,4,8a−トリアザ−as−インダセン−8−イル)−アミン。(2−エタンスルホニル−エチル)−メチル−[3−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−3H−3,4,8a−トリアザ−as−インダセン−8−イル]−アミン(68mg、0.16mmol)を塩化メチレン(3mL)及びトリフルオロ酢酸(2mL)に溶解し、軽く蓋をして、2時間攪拌した。揮発性物質をロータリーエバポレーターで除去し、残留物をCHCl(25mL)に溶解した。揮発性物質を揮散させ、残留物を乾燥ポンプに30分間置いた。この物質を塩化メチレン(2mL)とエチレンジアミン(2mL)に溶解し、1.5時間攪拌した。酢酸エチル(40mL)と塩水(40mL)を加え、分液漏斗中で振盪した。酢酸エチル相を回収し、同量の塩水溶液で洗浄した。水相を酢酸エチルで逆抽出(30mlで2回)し、有機物を合わせ、乾燥(MgSO)、濾過して分離した。粗生成物を溶離液として7%MeOH含有CHClを用いて、分取TLCによって精製して、49mgの8−(1,1−ジオキソ−1λ−チオモルホリン−4−イル)−3H−3,4,8a−トリアザ−as−インダセンを緑黒色の結晶性固体として得た。MS(M+H)=291。
Figure 2013500301
(+/−)−2−メチル−1−プロパ−2−イニル−ピペリジン。乾燥メタノール(21mL)に溶解した塩化プロパルギル(17.27g、0.232mol、70重量%トルエン溶液)を窒素雰囲気中でフラスコに入れた。乾燥メタノール(43mL)に溶解した(+/−)−2−メチル−ピペリジン(55mL、0.46mol)を30分かけて滴下して添加した。この混合物を一晩撹拌した。この混合物をロータリーエバポレーターにかけて、約半量のメタノールを揮散させ、沈殿を得た。この固体沈殿を濾過して分離し、エーテル(150mL)で洗浄した。この濾液をロータリーエバポレーターにかけて濃縮した。新たに生成した少量の沈殿を濾過によって除去した。残留油状生成物を蒸留によって精製し、7.23gの(+/−)−2−メチル−1−プロパ−2−イニル−ピペリジン(沸点:180℃〜185℃)を透明な流動性油状物として得た。
(+/−)−2−[3−(2−メチル−ピペリジン−1−イル)−プロパ−1−イニル)−5−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン。2−ブロモ−5−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン(250mg、0.76mmol)、2−プロパギル−1−メチル−ピペリジン(105mg、0.76mmol)、ヨウ化銅(15mg、0.076mmol)、ジクロロビス−(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(11mg、0.02mmol)、DBU(0.34mL、2.28mmol)及び乾燥ジメチルアセトアミド(3mL)をフラスコに入れた。この混合物を真空脱気し、120℃に加熱し、10時間攪拌した。この混合物を室温まで冷却し、水(45ml)及び酢酸エチル(45ml)を添加して反応停止させた。この混合物を分液漏斗で振盪し、酢酸エチル相を回収した。水相を酢酸エチルで逆抽出(40mlで2回)し、有機物を合わせ、乾燥(MgSO)、濾過して分離した。残留物を、溶離液として15%酢酸エチル含有ヘキサンを用いて、分取TLCによって精製した。このプレートを逐次、40%、次いで60%の酢酸エチル含有ヘキサンで再展開させた。生成物バンドを回収し、185mgの(+/−)−2−[3−(2−メチル−ピペリジン−1−イル)−プロパ−1−イニル]−5−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジンを明黄色の油状物として得た。MS(M+H)=385。
(+/−)−8−(2−メチル−ピペリジン−1−イル)−3−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−3H−3,4,8a−トリアザ−as−インダセン。(+/−)−2−[3−(2−メチル−ピペリジン−1−イル)−プロパ−1−イニル]−5−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン(185mg、0.48mmol)を含むフラスコにヨウ化銅(37mg、0.19mmol)、DBU(0.34ml、2.28mmol)及び乾燥ジメチルアセトアミド(1ml)を加えた。この混合物を真空乾燥し、130℃まで加熱し、3時間撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、水(30ml)及び酢酸エチル(30ml)を添加して反応停止させた。この混合物を分液漏斗で振盪し、酢酸エチル相を回収した。水相を酢酸エチルで逆抽出(25mlで2回)し、有機物を合わせ、乾燥(MgSO)、濾過して分離した。残留物を、溶離液として25%酢酸エチル含有ヘキサンを用いて分取TLCによって精製した。生成バンドを回収し、36mgの(+/−)−8−(2−メチル−ピペリジン−1−イル)−3−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−3H−3,4,8a−トリアザ−as−インダセンを黒褐色の油状物として回収した。なお、出発材料(90mg)も回収されたので、この物質を上述と同一条件(一晩加熱した以外)で反応させ、さらに12mgの生成物を得た。MS(M+H)=385。
(+/−)−8−(2−メチル−ピペリジン−1−イル)−3H−3,4,8a−トリアザ−as−インダセン。(+/−)−8−(2−メチル−ピペリジン−1−イル)−3−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−3H−3,4,8a−トリアザ−as−インダセン(48mg、0.12mmol)を上記実施例2に記載したのと同じ手順を用い、SEMの脱保護を行い、粗生成物を得た。その生成物を、6%メタノール含有塩化メチレンを用いて溶離する分取TLCで精製して半精製生成物を得た。この生成物を、8%メタノール含有塩化メチレンを用いて溶離する分取TLCを再度行い、15mgの(+/−)−メチル−(1−メチル−ペンチル)−(3H−3,4,8a−トリアザ−as−インダセン−8−イル)−アミンを黒緑色の固体として得た:MS(M+H)=255。
実施例3
8−シクロヘキシル−3H−3,4,8a−トリアザ−as−インダセンの調製
Figure 2013500301
2−(3−シクロヘキシル−プロパ−1−イニル)−5−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン。2−ブロモ−5−(2−(トリメチルシラニル−エトキシメチル)−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン(402mg、1.22mmol)と3−シクロヘキシル−1−プロピン(745mg、6.1mmol)とを上記実施例4に記載したのと同じ条件で反応させた。この粗生成物をシリカ(1.5g)に吸着させ、5%〜20%酢酸エチルを含有するヘキサンを用いて溶離するシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、395mgの2−(3−シクロヘキシル−プロパ−1−イニル)−5−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジンを薄茶色の半流動性油状物質として得た。MS(M+H)=370。
8−シクロヘキシル−3−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−3H−3,4,8a−トリアザ−as−インダセン。2−(3−シクロヘキシル−プロパ−1−イニル)−5−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン(395mg、1.07mmol)を実施例5に記載したのと同じ条件で反応させ、粗生成物を得た。この生成物を、20%酢酸エチル含有ヘキサンを用いて分取TLCによって精製し、220mgの8−シクロヘキシル−3−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−3H−3,4,8a−トリアザ−as−インダセンを暗緑黄色の半固体として得た。MS(M+H)=370。
8−シクロヘキシル−3H−3,4,8a−トリアザ−as−インダセン。8−シクロヘキシル−3−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−3H−3,4,8a−トリアザ−as−インダセン(220mg、0.6mmol)を実施例2に記載したのと同じ条件でSEMの脱保護を行い、粗組成物を得た。この生成物を、4.5%メタノール含有塩化メチレンを用いて分取TLCによって精製した。半精製生成物を熱塩化メチレン(少量のメタノールを含有)から結晶化させ、89mgの8−(1−メチル−ヘキシル)−3H−3,4,8a―トリアザ−as−インダセンを薄緑灰色の固体として得た。MS(M+H)=240。
実施例4
トランス−(+/−)−8−(1−エタンスルホニル−4−メチル−ピペリジン−3−イル)−3H−3,4,8a−トリアザ−as−インダセンの調製
Figure 2013500301
4−メチルニコチン酸エチル。乾燥無水エタノール(120mL)に溶解した4−メチルニコチン酸・1.5塩酸塩(9.6g、55.3mmol)を含むフラスコに濃硫酸(6mL)を滴下して添加した。この混合物を還流温度に加熱して一晩攪拌した。フラスコを周囲温度まで冷却し、約85%の溶媒をローターリーエバポレーターで除去した。酢酸エチル(40mL)を加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を滴下して塩基性化した。酢酸エチル(40mL)及び水(20mL)を加え、混合物を分液漏斗で振盪した。酢酸エチル相を回収し、塩水(60mL)で洗浄した。水相を酢酸エチルで逆抽出(50mLで2回)し、有機相を合わせ、乾燥(MgSO)、濾過して分離し、褐色の流動性油状物として4−メチルニコチン酸エチルを得た。MS(M+H)=166。
(+/−)−4−メチル−ピペリジン−3−カルボン酸エチルエステル。パール(Parr)ボトルに4−メチルニコチン酸エチル(5.01g、30.32mmol)、L−(+)−酒石酸(4.67g、31.2mmoL)及び酸化白金(アダムス触媒、827mg)を入れた。混合物を無水エタノール(100mL)に溶解し、水素雰囲気(50psi)中、パール水素化装置で一晩振盪した。次にセライト栓で濾過し、濾液をロータリーエバポレータで濃縮し、約85%の溶媒を除去した。残留物を酢酸エチル(120mL)に溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(120mL)を加え分液漏斗で振盪した。酢酸エチル相を回収した。水相を2N水酸化ナトリウム溶液(25mL)で処理し、酢酸エチル(100mL)と共に振盪した。この酢酸エチル相を回収し、水相を酢酸エチル(100mL)で逆抽出した。有機相を合わせて、乾燥し(MgSO)、濾過分離し、4.7gの(+/−)−4−メチル−ピペリジン−3−カルボン酸エチルエステルを流動性黄色油状物として得た。MS(M+H)=172。
(+/−)−4−メチル−ピペリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル3−エチルエステル。(+/−)−4−メチル−ピペリジン−3−カルボン酸エチルエステル(4.69g、27.4mmol)とジ−tert−ブチルジカルボナート(6.58g、30.1mmol)を乾燥テトラヒドロフラン(30mL)に溶解した溶液に、4−ジメチルアミノピリジン(135mg)を3回に分けて加えた。混合物を窒素雰囲気中で48時間攪拌した。溶媒をロータリーエバポレータで揮散させ、粗生成物を1%〜20%酢酸エチル含有ヘキサンで溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、7.08gの(+/−)−4−メチルーピペリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチル3−エチルエステルを透明の半流動性油状物として得た。MS(M+Na)=294。
(+/−)−3−ヒドロキシメチル−4−メチル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル。乾燥テトラヒドロフラン(40mL)に溶解した(+/−)−4−メチル−ピペリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル3−エチルエステル(5.96g、21.94mmol)を含むフラスコをアルゴン雰囲気中で0℃(氷浴)に冷却した。水素化リチウムアルミニウム(19.4mL、1Mテトラヒドロフラン溶液)をゆっくりと滴下して添加した。冷却した混合物を2時間攪拌した。1M塩酸溶液(23mL)をゆっくりと滴下して添加した。10分後、粉末硫酸マグネシウムを添加し、続いて酢酸エチル(80mL)を加えた。その混合物をセライト栓で濾過し、酢酸エチルでよく洗浄した。濾液を揮散させ、5.08gの(+/−)−3−ヒドロキシメチル−4−メチル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを透明の半流動性油状物として得た。MS(M+Na)=252。
(+/−)−4−メチル−3−(トルエン−4−スルホニルオキシメチル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル。フラスコに乾燥ピリジン(30mL)に溶解した(+/−)−4−メチル−3−メタノール−N−tert−ブトキシカルボニルピペリジン(5.08g、21.5mmolとみなす)を入れ、窒素雰囲気中で0℃に冷却(氷浴)した。冷却した混合物に、塩化4−トルエンスルホニル(4.51g、23.65mmol)を5分間かけて2回に分けて添加した。この混合物を攪拌し、一晩周囲温度に温めた。この混合物を、再び0℃に冷却し、さらに塩化4−トルエンスルホニル(1.2g)を加えた。この混合物を攪拌して24時間にわたり周囲温度に温めた。ピリジンをロータリーエバポレータで揮散させた。残留物を酢酸エチル(80mL)と水(80ml)に溶解し、分液漏斗で振盪した。酢酸エチル相を回収し、同量の塩水で洗浄した。水相を酢酸エチルで逆抽出した(60mLで2回)。有機物を合わせ、乾燥し(MgSO)、濾過分離した。粗生成物を塩化メチレンに溶解し、25gの粉末シリカゲルに吸着させた。それを3%〜25%酢酸エチル含有ヘキサンで溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、6.91gの(+/−)−4−メチル−3−(トルエン−4−スルホニルオキシメチル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを透明な半流動性油状物として得た。MS(M+Na)=406。
(+/−)−4−メチル−3−プロパ−2−イニル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル。乾燥DMSO(50mL)に溶解したリチウムアセチリドのエチレンジアミン錯体(3.82g、37.4mmol)を含むフラスコをアルゴン雰囲気中でおよそ8℃に(希釈した氷浴)冷却した。冷却した混合物に、乾燥DMSO(40mL)に溶解した(+/−)−4−メチル−3−(トルエン−4−スルホニルオキシメチル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(6.91g、17.79mmol)の溶液をゆっくりと滴下して加えた。暗黒褐色混合物を周囲温度で4.5時間激しく攪拌した。塩化アンモニウム飽和水溶液(60mL)を添加して注意深く反応停止し、続いてジエテルエーテル(120mL)と水(50m)を加えた。この混合物を分液漏斗に移し、振盪した。エーテル相を回収し、同量の塩水と共に振盪した。水相をジエチルエーテルで逆抽出した(100mLで2回)。粗生成物を塩化メチレン(40mL)に溶解し、25gのシリカゲルに吸着させた。溶媒を揮散させ、粗生成物を4%〜20%酢酸エチル含有ヘキサンで溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、2.21gの(+/−)−4−メチル−3−プロパ−2−イニル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを透明な流動性オイル状物として得た。MS(M+Na)=260。
(+/−)−4−メチル−3−{3−[5−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−5H−ピロロ−[2,3−b]ピラジン−2−イル]−プロパ−2−イニル}−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル。2−ブロモ−5−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン(1.67g、5.09mmol)と(+/−)−4−メチル−3−プロパ−2−イニル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.21g、5.09mmol)とを上記実施例4に記載したのと同じ条件で反応させた。粗生成物をシリカ(10g)に吸着させ、5%〜30%の酢酸エチル含有ヘキサンで溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、2.11gの(+/−)−4−メチル−3−{3−[5−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−5H−ピロロ−[2,3−b]ピラジン−2−イル]−プロパ−2−イニル}−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを黄色の粘稠な油状物質として得た。MS(M+H)=485。
(+/−)−2−[3−(1−エタンスルホニル−4−メチル−ピペリジン−3−イル)−プロパ−1−イニル]−5−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン。塩化メチレン(4mL)に(+/−)−4−メチル−3−{3−[5−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−2−イル]−プロパ−2−イニル}−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(505mg、1.04mmol)を溶解した溶液を含むフラスコに、ジオキサンに溶解した25%無水HCl溶液(3mL)を加えた。この混合物を、軽く栓をして45分間攪拌した。溶媒をロータリーエバポレーターで揮散させ、残留物を塩化メチレン(15mL)に溶解し、揮散させた。これをもう一度繰り返して黄色の泡状固体を得た。粗生成物を乾燥塩化メチレンに溶解し、アルゴン雰囲気中で0℃(氷浴)に冷却した。エチルジイソプロピルアミンを加え、この混合物を5分間攪拌した。塩化エタンスルホニル(0.1mL、1.1mmol)を注射器でゆっくり加え、混合物を10分間攪拌した。冷却浴を取り外し、攪拌を1.5時間続けた。粗混合物を水(40mL)と塩化メチレン(40mL)に溶解し、分液漏斗中で振盪した。有機相を回収し、水相を塩化メチレンで逆抽出(30mlを2回)し、有機相を合わせ、乾燥(MgSO)、濾過して分離した。残留物を50%酢酸エチル含有ヘキサンで溶離する分取TLCによって精製した。生成物バンドを回収し、395mgの(+/−)−2−[3−(1−エタンスルホニル−4−メチル−ピペリジン−3−イル)−プロパ−1−イニル]−5−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジンを粘稠な黄色油状物質として得た。MS(M+H)=477。
(+/−)−8−(1−エタンスルホニル−4−メチル−ピペリジン−3−イル)−3−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−3H−3,4,8a−トリアザ−as−インダセン。(+/−)−2−[3−(1−エタンスルホニル−4−メチル−ピペリジン−3−イル)−プロパ−1−イニル]−5−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン(395mg、0.83mmol)を含むフラスコに、ヨウ化銅(79mg、0.41mmol)及び乾燥ジメチルアセトアミド(4mL)に溶解したDBU(0.57mL、3.8mmol)を添加した。この混合物を真空脱気し、フラスコをスズ箔で包み(遮光)、130℃に加熱し、5時間攪拌した。さらにヨウ化銅(110mg)を添加し、混合物をさらに6時間攪拌し、次いで、一晩撹拌しながら周囲温度に冷却した。この混合物を水(30mL)と酢酸エチル(30mL)に溶解し、分液漏斗に移して振盪した。有機相を回収し、同量の塩水溶液と共に振盪した。水相を酢酸エチルで逆抽出(25mlで2回)し、有機相を合わせ、乾燥(MgSO)、濾過して分離した。残留物を45%酢酸エチル含有ヘキサンで溶離させる分取TLCによって精製した(プレートを暗所で展開した)。極性が低い方の成分を回収し、23mgの半純粋なトランス−(+/−)−8−(1−エタンスルホニル−4−メチル−ピペリジン−3−イル)−3−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−3H−3,4,8a−トリアザ−as−インダセン生成物を得た。MS(M+H)=477。また、17mgの極性が高い方のシス−(+/−)−8−(1−エタンスルホニル−4−メチル−ピペリジン−3−イル)−3−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−3H−3,4,8a−トリアザ−as−インダセンを得た。MS(M+H)=477。
トランス−(+/−)−8−(1−エタンスルホニル−4−メチル−ピペリジン−3−イル)−3H−3,4,8a−トリアザ−as−インダセン。トランス−(+/−)−8−(1−エタンスルホニル−4−メチル−ピペリジン−3−イル)−3−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−3H−3,4,8a−トリアザ−as−インダセン(23mg、0.05mmol)を実施例2に記載したのと同じ条件(遮光以外)でSEMの脱保護を行い、粗生成物を得た。この物質を、5%メタノール含有塩化メチレンを用いた分取TLC(暗所)で精製した。生成物バンドを回収して5mgのトランス−(+/−)−8−(1−エタンスルホニル−4−メチル−ピペリジン−3−イル)−3H−3,4,8a−トリアザ−as−インダセンを淡緑褐色の固体として得た。MS(M+H)=347。
実施例5
シス−(+/−)−8−(1−エタンスルホニル−4−メチル−ピペリジン−3−イル)−3H−3,4,8b−トリアザ−as−インダセンの調製
シス−(+/−)−8−(1−エタンスルホニル−4−メチル−ピペリジン−3−イル)−3H−3,4,8a−トリアザ−as−インダセン。シス−(+/−)−8−(1−エタンスルホニル−4−メチル−ピペリジン−3−イル)−3−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−3H−3,4,8a−トリアザ−as−インダセン(17mg、0.04mmol)を実施例2に記載したのと同じ条件(遮光以外)でSEMの脱保護を行い、粗生成物を得た。この物質を、5%メタノール含有塩化メチレンを用い、分取TLC(暗所)で精製した。生成物バンドを回収し、6mgのシス−(+/−)−8−(1−エタンスルホニル−4−メチル−ピペリジン−3−イル)−3H−3,4,8a−トリアザ−as−インダセンを緑褐色固体として得た。MS(M+H)=347。
実施例6
(+/−)−1−(2−メチル−シクロヘキシル)−6H−2,3,5,6,8a−ペンタアザ−as−インダセンの調製
Figure 2013500301
N’−[5−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−2−イル]−ヒドラジン−1,2−ビス(カルボン酸tert−ブチルエステル)。ジ−tert−ブチルヒドラゾジホルマート(924mg、3.97mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(182mg、0.2mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(330mg、0.6mmol)、及び炭酸セシウム(1.62g、4.96mnol)をアルゴン雰囲気中でフラスコに入れた。この混合物に、2−ブロモ−5−(2−ジメチルシラニル−エトキシメチル)−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン(1.5g、4.57mmol)を乾燥トルエン(30mL)に溶解した溶液を加えた。この混合物をアルゴン中で真空脱気し、4時間100℃に加熱した。さらにトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(55mg)及び1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンは(99mg)を添加し、加熱を10時間続けた。この混合物を周囲温度まで冷却した。水(80mL)及び塩化メチレン(80mL)を加え、混合物を分液漏斗で振盪した。有機相を回収し、水相を塩化メチレン(60mLで2回)で逆抽出した。塩化メチレン相を合わせ、乾燥(MgSO)、濾過して分離した。粗残留物を5〜45%の酢酸エチル含有ヘキサンの勾配を用いたシリカクロマトグラフィーで精製して、1.37gのN’−[5−(2−トリメチルシラニル−エトキシ)−5H−ピロロ[2,3−b〕ピラジン−2−イル]−ヒドラジン−1,2−ビス−(カルボン酸tert−ブチルエステル)の白黄色の固体として得た。MS(M+Na)=502。
[5−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−5H−ピロロ[2,3−b〕ピラジン−2−イル]−ヒドラジン塩酸塩。N’−[5−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−5H−ピロロ[2,3−b〕ピラジン−2−イル]−ヒドラジン−1,2−ビス−(カルボン酸tert−ブチルエステル)(854mg、1.78mmol)をジクロロメタン(2mL)に溶解した溶液に、酢酸エチルに溶解した12%乾燥塩酸の溶液(4mL)を添加した。この混合物に軽く栓をし、3.5時間撹拌した。溶媒を揮散させ、残留物を高真空度のロータリーエバポレーターに約2時間かけ、554mgの[5−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−5H−ピロロ[2,3−b〕ピラジン−2−イル]−ヒドラジン塩酸塩を黄色の固体生成物として得た。MS(M+H)=280。
(+/−)−2−メチル−シクロヘキサンカルボン酸−N’−[5−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−5H−ピロロ[2,3−b〕ピラジン−2−イル]−ヒドラジド。乾燥ジクロロメタン(11mL)に[5−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−5H−ピロロ[2,3−b〕ピラジン−2−イル]−ヒドラジン塩酸塩(336mg、1.06mmol)及び(+/−)−2−メチル−1−シクロヘキサン−カルボン酸(0.18mL、1.22mmol)を溶解させた混合物を含むフラスコを窒素雰囲気中で0℃(氷浴)に冷却した。この冷却した混合物にトリエチルアミン(0.31mL、2.1mmol)及びEDCI(278mg、1.45mmol)を添加した。30分後、冷却浴を除去し、混合物を3時間撹拌した。5%の炭酸水素ナトリウム水溶液(40mL)及び塩化メチレン(30mL)を添加し、混合物を分液漏斗で振盪した。有機相を回収し、塩水(40mL)で洗浄した。水相を塩化メチレンで逆抽出(30mLで2回)した。有機相を合わせて、乾燥(MgSO)、濾過して分離した。粗残留物を、溶離のための45%酢酸エチル含有ヘキサンを用いた分取TLCによって精製した。生成物バンドを回収し、152mgの(+/−)−2−メチル−シクロヘキサンカルボン酸−N’−[5−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−5H−ピロロ[2,3−b〕ピラジン−2−イル]−ヒドラジドを琥珀色の油状物質として得、放置によって固化した。MS(M+H)=404。
(+/−)−1−(2−メチルシクロヘキシル)−6−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−6H−2,3,5,6,8b−ペンタアザ−as−インダセン。(+/−)−2−メチル−シクロヘキサンカルボン酸−N’−[5−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−5H−ピロロ[2,3−b〕ピラジン−2−イル]−ヒドラジド(115mg、0.29mmol)をテトラヒドロフラン(3.7mL)及び四塩化炭素(2.8mL)に溶解した溶液をアルゴン雰囲気中で0℃(氷浴)に冷却した。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.4mL、2.3mmol)を添加し、続いて、トリエチルホスフィン溶液(0.87mL、1モルTHF溶液)をゆっくりと2分間にわたって滴下した。混合物を周囲温度で一晩攪拌した。水(40mL)と酢酸エチル(40mL)を加え、混合物を10分間激しく攪拌した。有機相を回収し、水相を酢酸エチル(30mLで2回)で抽出した。合わせた有機相を合わせ、乾燥(MgSO)、濾過して分離した。粗残留物を33%酢酸エチル含有ヘキサンで溶離する分取TLCによって精製した。プレートを2度目は50%酢酸エチル含有ヘキサンで展開した。極性が低い方の成分を回収し、32mgの半純粋な生成物を得た。極性の高い方の画分には、23mgの純粋な(+/−)−1−(2−メチルシクロヘキシル)−6H−2,3,5,6,8b−ペンタアザ−as−インダセンが黄褐色の半固体として含まれていた。MS(M+H)=386。
(+/−)−1−(2−メチルシクロヘキシル)−6H−2,3,5,6,8b−ペンタアザ−as−インダセン。(+/−)−1−(2−メチルシクロヘキシル)−6H−2,3,5,6,8b−ペンタアザ−as−インダセン(23mg、0.06mmol)を実施例2に記載したのと同じ条件で脱保護を行い、粗生成物を得た。この生成物を、4%メタノール含有塩化メチレンを用い、2度目は6%メタノール含有ジクロロメタンで溶離する分取TLCによって精製した。不純な生成物を回収し、溶離液として最初は80%酢酸エチル含有ヘキサン、最後は100%酢酸エチルで溶離する分取TLCによって再精製した。生成物バンドを回収し、13mgの(+/−)−1−(2−メチル−シクロヘキシル)−6H−2,3,5,6,8b−ペンタアザ−as−インダセンを黄褐色の固体として得た。MS(M+H)=256。
実施例7
(+/−)−1−(1−エタンスルホニル−トランス−4−メチルピペリジン−3−イル)−6H−2,3,5,6,8b−ペンタアザ−as−インダセンの調製
Figure 2013500301
トランス(+/−)−4−メチル−ピペリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル。テトラヒドロフラン(12mL)とメタノール(3mL)に溶解した(+/−)−4−メチル−ピペリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル3−エチルエステル(1.12g、4.1mmol;上記の実施例8から)を含むフラスコを0℃に冷却(氷浴)した。水酸化リチウム(4.5mL、1M)の溶液を添加し、混合物を3時間にわたって周囲温度に加温した。更にメタノール(2mL)を加え、5.5時間にわたって60℃(油浴)に加熱した。この混合物を周囲温度まで冷却し、激しく攪拌しながら1N塩酸溶液(4.7mL)で処理した。溶媒を揮散させ、残留物を高真空で数時間乾燥し、1.06gの主にトランス(+/−)−4−メチル−ピペリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステルを灰色がかった白色の固体として得た。MS(M−H)=242。
(+/−)−3−{−N’−[5−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−2−イル]−ヒドラジノカルボニル}−トランス−4−メチル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル。[5−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−5H−ピロロ[2,3−b〕ピラジン−2−イル]−ヒドラジン塩酸塩(510mg、1.6mmol、実施例15より)とトランス−(+/−)−4−メチル−ピペリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル(480mg、1.9mmol)を実施例16に記載した条件と同様の条件で反応させ粗生成物を得た。55%酢酸エチル含有ヘキサンで溶離する分取TLCの精製によって、200mgの(+/−)−3−{−N’−[5−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−2−イル]−ヒドラジノカルボニル}−トランス−4−メチル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを褐色の粘稠な油状物として得た。MS(M+H)=505。
(+/−)−1−エタンスルホニル−トランス−4−メチル−ピペリジン−3−カルボン酸N’−[5−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−5H−ピロロ[2,3−b〕ピラジン−2−イル]−ヒドラジド。(+/−)−3−{−N’−[5−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−2−イル]−ヒドラジノカルボニル}−トランス−4−メチル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(200mg、0.4mmol)を、上記実施例17に記載した条件と同様の条件で反応させた。粗生成物を分取TLCによって精製し、107mgの(+/−)−1−エタンスルホニル−トランス−4−メチル−ピペリジン−3−カルボン酸N’−[5−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−5H−ピロロ[2,3−b〕ピラジン−2−イル]−ヒドラジドを黄色の粘稠な油状物質として得た。MS(M+H)=497。
(+/−)−1−(1−エタンスルホニル−トランス−4−メチル−ピペリジン−3−イル)−6−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−6H−2,3,5,6,8b−ペンタアザ−as−インダセン。(+/−)−1−エタンスルホニル−トランス−4−メチル−ピペリジン−3−カルボン酸N’−[5−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−5H−ピロロ[2,3−b〕ピラジン−2−イル]−ヒドラジド(107mg、0.22mmol)を、上記実施例17に記載した条件と同様の条件を用いて環化してトリアゾロ三環系生成物とした[ただし、一晩撹拌した後、さらにN、N−ジイソプロピルエチルアミン4当量及びさらにトリエチルホスフィン3当量を添加し、混合物をさらに6時間撹拌して仕上げた]。粗生成物を、90%酢酸エチル含有ヘキサンで溶離する分取TLCによって精製した。不純な生成物を回収し、1回目は3.75%メタノール含有塩化メチレンで、次いで2回目は5%メタノール含有塩化メチレンで溶離する分取TLCで再び精製した。生成物バンドを回収し、41mgの(+/−)−1−(1−エタンスルホニル−トランス−4−メチル−ピペリジン−3−イル)−6−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−6H−2,3,5,6,8b−ペンタアザ−as−インダセンを淡黄白粉末として得た。MS(M+H)=479。
(+/−)−1−(1−エタンスルホニル−トランス−4−メチルピペリジン−3−イル)−6H−2,3,5,6,8b−ペンタアザ−as−インダセン。(+/−)−1−(1−エタンスルホニル−トランス−4−メチル−ピペリジン−3−イル)−6−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−6H−2,3,5,6,8b−ペンタアザ−as−インダセン(41mg、0.09mmol)を上記実施例2に記載した条件と同様の条件でSEMの脱保護を行った。粗生成物を、最初に5%メタノール含有塩化メチレンを用いて溶離し、次いで7%メタノール含有塩化メチレンで再展開する分取TLCによって精製し、25mgの(+/−)−1−(1−エタンスルホニル−トランス−4−メチル−ピペリジン−3−イル)−6H−2,3,5,6,8b−ペンタアザ−as−インダセンを淡黄白色の粉末として得た。MS(M+H)=349。
実施例8
Figure 2013500301
SEMで保護されたピロロピラジン(269mg、0.534mol)のTHF(7mL)及び四塩化炭素(5.5mL)の溶液を0℃に冷却した。ジイソプロピルエチルアミン(950μL、5.34mmol)を加え、次いで、トリエチルホスフィン(3.2mL、3.2mmol、1モルTHF溶液)を5分間かけて徐々に添加した。室温まで昇温した後、反応混合物を40時間にわたり攪拌した。LCMSにより変換率は92%であった。ジイソプロピルエチルアミン(316μL、1.78mmol)を加え、次いでトリエチルホスフィン(1.06mL、1.06mmol、1モルTHF溶液)を0℃で徐々に添加した。反応混合物を水60mL及び酢酸エチル60mLに注ぎ、20分間撹拌した。有機相を回収し、水相を酢酸エチルで逆抽出(30mLを2回)した。それら有機相を合わせ、乾燥(MgSO)、濾過して分離した。粗残留物を25〜70%酢酸エチル含有ヘキサンの勾配で溶離するSiOクロマトグラフィーによって精製し、130mg(50%)の化合物Xを褐色の油状物として得た。MS(M+H)=357。
SEMで保護されたピロロピラジン(130mg、0.267mmol)のTHF(12mL)の溶液を室温でTBAF(0.8mL、1モルTHF溶液)で処理した。室温で24時間撹拌した後、TBAF(0.4mL、1モルTHF溶液)を添加し、混合物をさらに24時間60℃で撹拌した。水と酢酸エチルを加えた。有機相を回収し、水相を酢酸エチルで逆抽出(30mLで2回)した。それらの有機相を合わせ、乾燥(MgSO)、濾過して分離した。揮発性物質を減圧で除去した。残留物をDCM(6mL)に溶解し、室温でHCl(4.8mL、1Mジオキサン溶液)を用いて処理した。90分間、室温で撹拌後、反応混合物を濃縮し、78mg(90%)の褐色の油状物を得た。この物質をメタノール(2ml)に溶解し、褐色の溶液を得た。次に、DBU(61.0mg、60.4μL、401μmol)を加え、次いで2−シアノ酢酸エチル(60.4mg、56.8μL、534μmol)を添加した。反応混合物を40℃に加熱し、18時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、10%メタノール及び0.5%水酸化アンモニウム含有DCMを用いて溶離する分取TLCによって精製し、所望の化合物2mg(2%)を淡褐色の油状物として得た。MS(M+H)=324。
実施例9
Figure 2013500301
[5−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−5H−ピロロ[2,3−b〕ピラジン−2−イル]−ヒドラジン塩酸塩(1.1g、3.48mmol)及びシクロヘキサンカルボン酸(412mg、3.22mmol)を乾燥ジクロロメタン(22mL)に溶解した混合物を含むフラスコを窒素雰囲気中で0℃(氷浴)に冷却した。この冷却した混合物にトリエチルアミン(0.9mL、7.27mmol)とEDCI(703mg、3.68mmol)を添加した。30分後、冷却浴を取り外し、この混合物を室温で一晩攪拌した。炭酸水素ナトリウム(40mL)及び塩化メチレン(40mL)の飽和水溶液を添加し、混合物を分液漏斗で振盪した。有機相を回収し、塩水(40mL)で洗浄した。水相を塩化メチレン(2×30mL)で逆抽出した。それら有機相を合わせ、乾燥(MgSO)、濾過して分離した。粗残留物を35〜60%の酢酸エチル含有ヘキサンの勾配を用いたSiOクロマトグラフィーで精製して、化合物X584mg(54%)を黄色の固体として得た。MS(M+H)=390。
ヒドラジド(578mg、1.48mmol)をテトラヒドロフラン(21mL)及び四塩化炭素(17mL)に溶解した溶液をアルゴン雰囲気中で0℃(氷浴)に冷却した。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.6mL、14.8mmoL)を加え、次いで、トリエチルエチル溶液(8.9mL、1モルTHF溶液)を5分間にわたりゆっくりと滴下して添加した。この混合物を周囲温度で一晩にわたって撹拌した。24時間室温で攪拌後、反応液を0℃に冷却(氷浴)し、ジイソプロピルエチルアミン(2.3mL、7.4mmol)、続いてトリエチルエチル溶液(4.45mL、1モルTHF溶液)で処理した。水(40mL)と酢酸エチル(40mL)を加え、混合物を10分間激しく攪拌した。有機相を回収し、水相を酢酸エチル(30mLで2回)で逆抽出した。それら有機相を合わせ、乾燥(MgSO)、濾過して分離した。粗残留物を35〜60%の酢酸エチル含有ヘキサンの勾配を用いたSiOクロマトグラフィーで精製して、化合物450mg(82%)を褐色の油状物として得た。MS(M+H)=372。
化合物(225mg、0.606mmol)は、上記実施例2に記載した条件と同様の条件でSEMの脱保護を行った。粗残留物を3〜6%のメタノール含有塩化メチレンの勾配で溶離するSiOクロマトグラフィーで精製して、化合物110mg(76%)を黄色の固体として得た。MS(M+H)=242。
実施例10
Figure 2013500301
1−メチル−イミダゾール(5mL)中のピロロピラジン(1.66g、5.06mmol)、CuI(342mg、1.8mmol)、K[Fe(CN)](433mg、1.17mmol)の混合物を140℃で16時間攪拌した。反応物を室温まで冷却し、エーテル(60mL)と水(140mL)で処理した。有機相を分離し、水相をエーテル(40mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を水で洗浄(100mLで3回)し、NaSOで乾燥、減圧して濃縮し、所望の化合物1.33g(96%)を淡褐色の固体として得た。MS(M+H)=275。
シアノピラジン(1.32g、4.8mmol)をTHF(20mL)に溶解した溶液を0℃まで冷却した。水素化リチウムアルミニウム(7.2mL、1モルTHF溶液)を徐々に添加した。混合物を室温まで加温し、2時間その温度で攪拌した。反応液を0℃まで冷却し、エーテルで希釈した。反応液を水(1mL)及び15%NaOH(0.28mL)水溶液で処理した。反応液を室温で15分間撹拌した。固体を濾過によって分離し、酢酸エチルで洗浄した。濾液を減圧蒸発させ、所望の化合物560mg(42%)を得た。MS(M+H)=278。
乾燥ジクロルメタン(17mL)に溶解したアミン(560mg、2.01mmol)とシクロヘキサンカルボン酸(2.28μL、2.02mmol)との混合物を窒素雰囲気中で0℃(氷浴)まで冷却した。この冷却した混合物にトリエチルアミン(0.58mL、3.6mmol)、HOBT(361mg、2.65mmol)及びEDCI(499mg、2.34mmol)を添加した。30分後、冷却浴を取り外し、この混合物を室温で一晩攪拌した。炭酸水素ナトリウム(40mL)の飽和水溶液及び塩化メチレン(40mL)を添加し、混合物を分液漏斗で振盪した。有機相を回収し、塩水(40mL)で洗浄した。水相を塩化メチレン(30mLで2回)で逆抽出した。それら有機相を合わせ、乾燥(MgSO)、濾過して、減圧蒸発させ、所望の物質820mg(54%)を得た。この粗混合物は精製せずに、次の段階に移した。MS(M+H)=389。
SEMで保護されたピロロピラジン(820mg、0.464mol)のTHF(15mL)及び四塩化炭素(9mL)の溶液を0℃に冷却した。ジイソプロピルエチルアミン(811μL、4.64mmol)を加え、次いで、トリエチルホスフィン(2.79mL、2.79mmol、1モルTHF溶液)を5分間かけてゆっくり添加した。反応混合物を室温まで昇温した後、週末の間ずっと攪拌した。反応混合物を水(90mL)及び酢酸エチル(90mL)に注ぎ、20分攪拌した。相を分取し、水相を酢酸エチルで抽出して一緒にし、硫酸ナトリウムで乾燥して濃縮した。LC/MSから、およそ17%の純度の所望の物質が得られたことが分かった。粗生成物をさらに精製はせずに、次の段階に送った。粗生成物をTBAF(8mL、1モルTHF溶液)で処理し、一晩室温で攪拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥、濾過して濃縮した。粗生成物は、酢酸エチルで溶離する分取TLCで精製し、所望の化合物3mg(2%)を淡褐色油状物として得た。MS(M+H)=241。
JAKアッセイ情報
ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害のIC50の測定
使用する酵素及びペプチド基質を以下に記載する。
JAK1:Invitrogenからの組み換えヒトキナーゼドメイン(カタログナンバーPV4774)
JAK3:Milliporeからの組み換えヒトキナーゼドメイン(カタログナンバー14−629)
JAK2:Milliporeからの組み換えヒトキナーゼドメイン(カタログナンバー14−640)
基質:ペプチド基質の配列をもつJAK1活性化ループ由来のN−末端ビオチン化14量体ペプチド:ビオチン−KAIETDKEYYTVKD
使用するアッセイ条件を以下に記載する。
アッセイ緩衝液:JAKキナーゼ緩衝液:50mMHepes[pH7.2]、10mMのMgCl、1mMDTT、1mg/mlBSA。アッセイを、この緩衝液中で実施する。
アッセイ形式:3種類すべてのJAKキナーゼのキナーゼ活性を、放射性終点分析法を使用し、微量の33P−ATPを用いて測定する。アッセイは、96−ウェルポリプロピレンプレートで実施する。
実験方法
すべての濃度は、反応混合物中の最終濃度であり、すべてのインキュベーションは室温で実施する。アッセイ工程を以下に記載する。
化合物を100%DMSOで、典型的には出発濃度1mMの10倍に順次希釈した。反応物中のDMSOの最終濃度は10%であった。化合物を酵素(0.5nMのJAK3、1nMのJAK2、5nMのJAK1)と共に10分間、予備インキュベーションする。
2種の基質(JAKキナーゼ緩衝液中で予め混合したATP及びペプチド)の混合物を添加することにより、反応を開始する。JAK2/JAK3アッセイにおいて、ATP及びペプチドをそれぞれ、1.5μM及び50μMの濃度で用いた。JAK1アッセイを、ATP濃度10μM及びペプチド濃度50μMで行う。
JAK2及びJAK3でのアッセイの時間は20分間である。JAK1アッセイは、40分間行う。すべての3種の酵素で、0.5MEDTAを最終濃度100mMになるように添加することにより、反応を終結させる。終結反応物25μlを、96ウェルの1.2μmMultiScreen−BVフィルタープレート中の、EDTA50mMを含むMgCl及びCaClを含有しない1×リン酸緩衝生理食塩水中のストレプトアビジン被覆されたセファロースビーズの7.5%(v/v)スラリー150μlに移す。30分間のインキュベーション後、ビーズを真空中で下記緩衝液で洗浄する。
2MのNaCl200μlで3〜4回洗浄。
2MのNaCl+1%(v/v)リン酸200μlで3〜4回洗浄。
水で1回洗浄。
洗浄したプレートを60℃のオーブンで1〜2時間乾燥させる。Microscint20シンチレーション液70μlを、フィルタープレートの各ウェルに添加し、少なくとも30分間のインキュベーション後、放射性カウントをPerkinElmerマイクロプレートシンチレーションカウンタで測定する。
代表的なIC50の結果を、以下の表IIに示す。
Figure 2013500301
前述の発明は、明瞭さ及び理解のために、例示及び実施例として、ある程度詳細に記載した。添付の請求の範囲内で変更及び修正できることは、当業者には明らかである。それ故、当然のことながら、上記記載は例示であり限定ではない。発明の範囲は、それ故、上記記載を参照して決定されるべきではなく、代わりに、以下の添付の特許請求の範囲の記載を参照し、かかる特許請求の範囲によって認められる均等な全範囲によって決定すべきである。
本出願に引用されたすべての特許、特許出願及び刊行物は、各特許、特許出願又は刊行物がそのように個別に示された場合と同じ範囲に、全ての目的のために全体として本明細書に参照により組み込まれる。

Claims (27)

  1. 式I:
    Figure 2013500301
    [式中、
    は、CH、又はNであり;
    は、CH、又はNであり;
    は、CH、又はNであり;
    は、CH、NS(=O)、又はNC(=O)R1’であり;
    は、低級アルキル基であり;
    1’は、H、アミノ、又はR1’’であり;
    1’’は、1つ以上のR1’’’で置換されていてもよい低級アルキルであり;
    1’’’は、ハロゲン、低級アルコキシ、シアノ、又はアミノであり、
    は、CHR、又はS(=O)であり;
    は、H、又は低級アルキル基であり;
    は、H、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン、又は低級ハロアルキルであり;
    は、H、又は低級アルキルであり;かつ
    は、H、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン、又は低級ハロアルキルである]
    の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  2. がCHで、ZがCHである、請求項1に記載の化合物。
  3. がCHである、請求項1又は2に記載の化合物。
  4. がNである、請求項1又は2に記載の化合物。
  5. がS(=O)である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
  6. がCHである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
  7. がNS(=O)CHCHである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
  8. がHで、YはHである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物。
  9. がメチルである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物。
  10. がNで、ZはNである、請求項1に記載の化合物。
  11. がHで、XはCHである、請求項1又は10に記載の化合物。
  12. がNS(=O)CHCHである、請求項1、10又は11に記載の化合物。
  13. がメチルである、請求項1及び10〜12のいずれか一項に記載の化合物。
  14. がHで、XがCHである、請求項1、10又は11に記載の化合物。
  15. がメチルである、請求項1、10、11又は14に記載の化合物。
  16. 8−(1,1−ジオキソ−1λ−チオモルホリン−4−イル)−3H−3,4,8a−トリアザ−as−インダセン、
    8−シクロヘキシル−3H−3,4,8a−トリアザ−as−インダセン、
    8−(2−メチル−ピペリジン−1−イル)−3H−3,4,8a−トリアザ−as−インダセン、
    8−((3S,4S)−1−エタンスルホニル−4−メチル−ピペリジン−3−イル)−3H−3,4,8a−トリアザ−as−インダセン、
    8−((3S,4R)−1−エタンスルホニル−4−メチル−ピペリジン−3−イル)−3H−3,4,8a−トリアザ−as−インダセン、
    1−((1R,2S)−2−メチル−シクロヘキシル)−6H−2,3,5,6,8b−ペンタアザ−as−インダセン、
    1−((3R,4R)−1−エタンスルホニル−4−メチル−ピペリジン−3−イル)−6H−2,3,5,6,8b−ペンタアザ−as−インダセン、
    1−シクロヘキシル−6H−2,3,5,6,8b−ペンタアザ−as−インダセン、
    3−[(3S,4S)−4−メチル−3−(6H−2,3,5,6,8b−ペンタアザ−as−インダセン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−3−オキソ−プロピオニトリル、
    1−シクロヘキシル−6H−2,5,6,8b−テトラアザ−as−インダセン、
    からなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
  17. 式II:
    Figure 2013500301
    [式中:
    は、CH又はNであり;
    は、CH又はNであり;
    Rは、低級アルキル、低級アルコキシ、アミノ、シクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルであって、1つ以上のRで置換されていてもよく;
    は、低級アルキル、ハロゲン、低級ハロアルキル、低級アルコキシ、低級アルキルスルホニル、又はC(=O)Rであり;
    は、H、アミノ、又はRであり;
    は、1つ以上のRで置換されていてもよい低級アルキルであり;かつ
    は、ハロゲン、低級アルコキシ、シアノ、又はアミノである]
    の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  18. 炎症疾患又は自己免疫疾患を治療する方法であって、それを必要とする患者に治療有効量の請求項1〜17のいずれか一項に記載の化合物を投与することを含む方法。
  19. さらに、化学療法薬若しくは抗増殖薬、抗炎症薬、免疫調節薬若しくは免疫抑制薬、神経栄養因子、循環器疾患の治療薬、糖尿病の治療薬、又は免疫不全障害の治療薬から選択される追加の治療薬を投与することを含む請求項18に記載の方法。
  20. 炎症疾患を治療する方法であって、それを必要とする患者に治療有効量の請求項1〜17のいずれか一項に記載の化合物を投与することを含む方法。
  21. 喘息を治療する方法であって、それを必要とする患者に治療有効量の請求項1〜17のいずれか一項に記載の化合物を投与することを含む方法。
  22. 関節リウマチを治療する方法であって、それを必要とする患者に治療有効量の請求項1〜17のいずれか一項に記載の化合物を投与することを含む方法。
  23. 少なくとも1つの薬学的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤と混合された、請求項1〜17のいずれか一項に記載の化合物を含む医薬組成物。
  24. さらに、化学療法薬若しくは抗増殖薬、抗炎症薬、免疫調節薬若しくは免疫抑制薬、神経栄養因子、循環器疾患の治療薬、糖尿病の治療薬、及び免疫不全障害の治療薬から選択される追加の治療薬を含む、請求項23に記載の医薬組成物。
  25. 炎症性障害の治療に使用される請求項1〜17のいずれか一項に記載の化合物。
  26. 自己免疫障害の治療に使用される請求項1〜17のいずれか一項に記載の化合物。
  27. 本明細書において上記に記載の本発明。
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