JP2013254072A - 偏光板、光学フィルムおよび画像表示装置 - Google Patents

偏光板、光学フィルムおよび画像表示装置 Download PDF

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智弘 山下
Mie Nakada
美恵 中田
Tetsuro Takeda
哲郎 竹田
Shunsuke Murayama
俊介 村山
Takeshi Saito
武士 斉藤
Masa Shinagawa
雅 品川
Tetsuro Ikeda
哲朗 池田
Tatsuya Yamazaki
達也 山崎
Toshiki Omine
俊樹 大峰
Masayuki Satake
正之 佐竹
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Abstract

【課題】偏光子の少なくとも片面に、接着剤層を介して透明保護フィルムが設けられている偏光板であって、接着剤層が、ラジカル重合性化合物を含有する活性エネルギー線硬化型接着剤に活性エネルギー線を照射することにより形成されたものである場合においても、高温下における耐久性を満足することができる偏光板を提供すること。
【解決手段】偏光子の少なくとも片面に、接着剤層を介して、透明保護フィルムが貼り合わされていること偏光板であって、前記偏光子は、二色性物質が吸着配向されており、かつ、ホウ酸含有率が23重量%以下のポリビニルアルコール系フィルムであり、かつ、前記接着剤層は、ラジカル重合性化合物を含有する活性エネルギー線硬化型接着剤に活性エネルギー線を照射することにより形成されたものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、偏光子の少なくとも片面に、活性エネルギー線硬化型接着剤により形成された接着剤を介して透明保護フィルムが設けられている偏光板に関する。当該偏光板はこれ単独で、またはこれを積層した光学フィルムとして液晶表示装置(LCD)、有機EL表示装置、CRT、PDPなどの画像表示装置を形成しうる。
時計、携帯電話、PDA、ノートパソコン、パソコン用モニタ、DVDプレーヤー、TVなどでは液晶表示装置が急激に市場展開している。液晶表示装置は、液晶のスイッチングによる偏光状態を可視化させたものであり、その表示原理から、偏光子が用いられる。特に、TVなどの用途では、ますます高輝度、高コントラスト、広い視野角が求められ、偏光板においてもますます高透過率、高偏光度、高い色再現性などが求められている。
偏光子としては、高透過率、高偏光度を有することから、例えばポリビニルアルコール(以下、単に「PVA」ともいう)にヨウ素を吸着させ、延伸した構造のヨウ素系偏光子が最も一般的に広く使用されている。一般的に偏光板は、ポリビニルアルコール系の材料を水に溶かしたいわゆる水系接着剤によって、偏光子の少なくとも片面に透明保護フィルムを貼り合わせたものが用いられている(特許文献1乃至4)。
偏光板を製造する際に、ポリビニルアルコール系接着剤のような水系接着剤を用いた場合(いわゆるウェットラミネーション)には、偏光子と透明保護フィルムとを貼り合わせた後に、乾燥工程が必要となる。当該乾燥工程は、偏光板の生産性を向上させるうえで好ましくない。特に、TVで代表されるように、近年、画像表示装置の大画面化が進むにつれ、偏光板の大型化も生産性やコストの面(歩留まり,取り数アップ)から非常に重要になっている。上記のような理由から、偏光板の製造に際して、水系接着剤の代わりに、活性エネルギー線硬化型(特に紫外線硬化型)接着剤を使用することが多く提案されている。
特開2006−220732号公報 特開2001−296427号公報 特開2009−104062号公報 特開2011−203641号公報
しかし、活性エネルギー線硬化型接着剤を用いて、ポリビニルアルコール系偏光子と透明保護フィルムを貼り合わせて得られた偏光板は、加熱条件下において著しい寸法変化が起き、高温下における耐久性を満足できていなかった。即ち、活性エネルギー線硬化型接着剤を使用して得られた偏光板においては、水系接着剤を使用して得られた偏光板に比べて、高温条件化での寸法収縮率が大きいことが分かった。そのため、活性エネルギー線硬化型接着剤を使用して得られた偏光板が貼り合わされた液晶パネルが、例えば、液晶表示装置に用いられた場合には、バックライトの熱により偏光板が収縮して、画面全体のうち一部分で黒表示が白く見えるといったいわゆる光抜けが顕著になるという問題が生じることがあった。
本発明は、偏光子の少なくとも片面に、接着剤層を介して透明保護フィルムが設けられている偏光板であって、接着剤層が、ラジカル重合性化合物を含有する活性エネルギー線硬化型接着剤に活性エネルギー線を照射することにより形成されたものである場合においても、高温下における耐久性を満足することができる偏光板を提供することを目的とする。
また本発明は、前記偏光板を用いた光学フィルムを提供すること、さらには、当該偏光板、光学フィルムを用いた液晶表示装置等の画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す偏光板により前記目的に達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、偏光子の少なくとも片面に、接着剤層を介して、透明保護フィルムが貼り合わされていること偏光板であって、
前記偏光子は、二色性物質が吸着配向されており、かつ、ホウ素含有率が23重量%以下のポリビニルアルコール系フィルムであり、
かつ、前記接着剤層は、ラジカル重合性化合物を含有する活性エネルギー線硬化型接着剤に活性エネルギー線を照射することにより形成されたものであることを特徴とする偏光板、に関する。
前記偏光板において、接着剤層は、Tgが、60℃以上であることが好ましい。
前記偏光板において、活性エネルギー線硬化型接着剤は、ラジカル重合性化合物(A)、(B)および(C)を含有する活性エネルギー線硬化型接着剤であって、組成物全量を100重量%としたとき、
SP値が29.0(kJ/m1/2以上32.0以下(kJ/m1/2であるラジカル重合性化合物(A)を20〜60重量%、
SP値が18.0(kJ/m1/2以上21.0(kJ/m1/2未満であるラジカル重合性化合物(B)を10〜30重量%、および
SP値が21.0(kJ/m1/2以上23.0(kJ/m1/2以下であるラジカル重合性化合物(C)を20〜60重量%含有し、
前記ラジカル重合性化合物(A)、(B)および(C)それぞれのホモポリマーのガラス転移温度(Tg)がいずれも60℃以上であることが好ましい。
前記偏光板において、上記活性エネルギー線硬化型接着剤における、前記ラジカル重合性化合物(A)が、N−ヒドロキシエチルアクリルアミドおよび/またはN−メチロールアクリルアミドであることが好ましい。また、上記活性エネルギー線硬化型接着剤における、前記ラジカル重合性化合物(B)が、トリプロピレングリコールジアクリレートであることが好ましい。さらに、上記活性エネルギー線硬化型接着剤における、前記ラジカル重合性化合物(C)が、アクリロイルモルホリンおよび/またはN−メトキシメチルアクリルアミドであることが好ましい。これらの構成によれば、接着剤層の接着性、耐久性および耐水性をよりバランス良く向上することができる。
前記偏光板において、上記活性エネルギー線硬化型接着剤は、光重合開始剤として、下記一般式(1)で表される化合物;
(式中、RおよびRは−H、−CHCH、−iPrまたはClを示し、RおよびRは同一または異なっても良い)を含有することが好ましい。
また、前記偏光板において、上記活性エネルギー線硬化型接着剤は、光重合開始剤として、一般式(1)の光重合開始剤に加えて、さらに下記一般式(2)で表される化合物;
(式中、R、RおよびRは−H、−CH、−CHCH、−iPrまたはClを示し、R、RおよびRは同一または異なっても良い)を含有することが好ましい。上記一般式(1)および一般式(2)の光重合開始剤を併用することで、これらの光増感反応により反応が高効率化し、接着剤層の接着性が特に向上する。
前記偏光板において、接着剤層の厚みが、0.01〜7μmであることが好ましい。
また、本発明は、前記偏光板が、少なくとも1枚積層されていることを特徴とする光学フィルム、に関する。
さらに、本発明は、前記偏光板、および/または前記光学フィルムが用いられていることを特徴とするに係る画像表示装置は、に関する。かかる光学フィルムおよび画像表示装置では、偏光板の偏光子と透明保護フィルムとが、接着剤層を介して強固に接着し、接着剤層の耐久性および耐水性に優れる。
ポリビニルアルコール系偏光子と透明保護フィルムの貼り合わせに水系接着剤を用いた場合に、貼り合わせ後の乾燥工程にて乾燥に伴い水系接着剤が徐々に硬化するため、偏光子の応力が緩和された状態で偏光板が作製される。一方、本発明では、活性エネルギー線型接着剤を使用しているため、水系接着剤に比べ、硬化速度が速いため、偏光子への応力が蓄積されたまま透明保護フィルムと貼合される。そのため、偏光板としての耐久性評価の一つである加熱寸法収縮は、水系接着剤よりも、活性エネルギー線型接着剤を使用した用いた場合に大きくなる。
本発明の偏光板では、偏光子として、ホウ酸含有率が23重量%以下の低い値になるように制御したものを用いている。かかるホウ酸含有率を下げた偏光子は柔軟性、即ち、応力緩和しやすい分子鎖構造を発現させることができ、当該偏光子を用いることにより、高温条件下での寸法耐久性に優れた偏光板が得ることができる。即ち、本発明の偏光板は、前記のホウ酸含有率が23重量%以下の低い値になるように制御した偏光子を用いているため、偏光子と透明保護フィルムの貼り合わせに、活性エネルギー線硬化型接着剤を使用した場合においても、高温での耐久性に優れる。そのため、本発明の偏光板は、例えば、60℃の高温条件下においても寸法収縮率が小さく、パネルに適用した場合にも、光抜けを抑えることができる。
本発明の偏光板では、偏光子と透明保護フィルムを接着剤層により貼り合せているが、当該接着剤層には、ラジカル重合性化合物を含有する活性エネルギー線硬化型接着剤を使用している。カチオン重合性硬化では、水分が接着の阻害因子となり、水分があると接着不良が起こる。その為、カチオン重合性化合物を含有する活性エネルギー線硬化型接着剤を用いる場合には、用いる偏光子の水分率をかなり低い範囲(10重量%以下)にする必要がある。しかし、偏光子の水分率を落とすために、偏光子を乾燥させる必要があり、生産性が低下する。また、偏光子の水分率が低すぎると、透明保護フィルムと貼り合わせる際に、偏光子がダメージを受けやすく、気泡などの点欠点が増加する。つまり、欠点数が少なく、外観が良好な偏光板を作製する観点において、ラジカル重合性化合物を含有する活性エネルギー線硬化型接着剤は、カチオン重合性化合物を含有する活性エネルギー線硬化型接着剤よりも優れている。
また本発明の偏光板では、前記活性エネルギー線硬化型接着剤としては、所定のSP値(溶解性パラメータ)を有するラジカル重合性化合物を組み合わせた組成物が好適である。一般に、SP値が近い物質同士は、互いに親和性が高いと言える。偏光子はSP値が高く(PVA系偏光子のSP値は例えば32.8)、一方、透明保護フィルムのSP値は一般に低い(SP値は18〜24程度)。したがって、例えばラジカル重合性化合物同士のSP値が近いと、これらの相溶性が高まり、また、活性エネルギー線硬化型接着剤中のラジカル重合性化合物と偏光子とのSP値が近いと、接着剤層と偏光子との接着性が高まる。同様に、活性エネルギー線硬化型接着剤中のラジカル重合性化合物と透明保護フィルム(トリアセチルセルロースフィルム(TAC)、アクリルフィルム、シクロオレフィンフィルム)とのSP値が近いと、接着剤層と透明保護フィルムとの接着性が高まる。これらの傾向に基づき、活性エネルギー線硬化型接着剤中、少なくとも3種類のラジカル重合性化合物の各SP値を特定の範囲内に設計し、かつ最適な組成比率としたものを好適に用いることができる。
前記のように、SP値を特定の範囲内に設計し、かつ最適な組成比率に調整した活性エネルギー線硬化型接着剤の硬化物により接着剤層を形成した場合には、偏光子と透明保護フィルムとの接着性が向上し、かつ耐久性および耐水性を向上した接着剤層を形成することができる。
本発明の偏光板は、偏光子の少なくとも片面に、ラジカル重合性化合物を含有する活性エネルギー線硬化型接着剤に活性エネルギー線を照射することにより形成された接着剤層を介して、透明保護フィルムが貼り合わされている。
<偏光子>
前記偏光子は、二色性物質が吸着配向されており、かつ、ホウ素含有率が23重量%以下のポリビニルアルコール系フィルムが用いられる。かかるポリビニルアルコール系偏光子は、原反ポリビニルアルコール系フィルムに、各種工程を施し、かつ、最終的に、ホウ酸含有率が23重量%以下に制御されたものが用いられる。
前記原反ポリビニルアルコール系フィルムとしては、可視光領域において透光性を有し、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を分散吸着するものを特に制限なく使用できる。例えば、従来より偏光子に用いられているポリビニルアルコール系フィルムが好適に用いられる。ポリビニルアルコール系フィルムの材料としては、ポリビニルアルコールまたはその誘導体があげられる。ポリビニルアルコールの誘導体としては、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール等があげられる他、エチレン、プロピレン等のオレフィン、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸及びそのアルキルエステル、アクリルアミド等で変性したものがあげられる。ポリビニルアルコールの重合度は、100〜10000程度が好ましく、1000〜10000がより好ましい。ケン化度は80〜100モル%程度のものが一般に用いられる。通常、ポリビニルアルコール系フィルムは厚さ10〜300μm程度のものが用いられる。好ましくは20〜100μmである。
上記の他、ポリビニルアルコール系フィルムとしては、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルム、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等があげられる。
前記ポリビニルアルコール系フィルム中には、可塑剤、界面活性剤等の添加剤を含有することもできる。可塑剤としては、ポリオールおよびその縮合物等があげられ、たとえばグリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等があげられる。可塑剤等の使用量は、特に制限されないがポリビニルアルコール系フィルム中20重量%以下とするのが好適である。
前記偏光子は、前記ポリビニルアルコール系フィルムに、例えば、膨潤工程、染色工程および架橋工程をこの順に施すことにより得られる。各工程は、各工程に係る処理浴にポリビニルアルコール系フィルムを浸漬することにより行う。また、当該偏光子の製造方法では、前記工程の他にまたは前記工程とともに延伸工程を有する。
膨潤工程において用いられる処理液としては、通常、水、蒸留水、純水が用いられる。当該処理液は、主成分が水であれば、下記に示すヨウ化化合物、界面活性剤等の添加物、アルコール等が少量入っていてもよい。また、当該処理液にはヨウ化化合物を含有させる場合、ヨウ化化合物濃度は0.1〜10重量%程度、さらには0.2〜5重量%で用いるのが好ましい。膨潤工程により、ポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるほかに、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。
膨潤工程における処理温度は、通常、20〜45℃程度に調整するのが好ましい。さらには、25〜40℃であるのが好ましい。なお、膨潤ムラがあるとその部分が染色工程において染色のムラになるため膨潤ムラは発生させないようにする。浸漬時間は通常10〜300秒間程度、好ましくは20〜240秒間の範囲である。
染色工程は、上記ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素または二色性染料を吸着・配向させることにより行う。染色工程は、延伸工程とともに行うことができる。染色は、通常、上記フィルムを染色溶液に浸漬することにより一般に行われる。染色溶液としてはヨウ素溶液が一般的である。ヨウ素溶液として用いられるヨウ素水溶液は、ヨウ素および溶解助剤であるヨウ化化合物によりヨウ素イオンを含有させた水溶液などが用いられる。ヨウ化化合物としては、例えばヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタン等が用いられる。ヨウ化化合物としては、ヨウ化カリウムが好適である。本発明で用いるヨウ化化合物は、他の工程で用いる場合についても、上記同様である。
ヨウ素溶液中のヨウ素濃度は0.01〜1重量%程度、好ましくは0.02〜0.5重量%である。ヨウ化化合物濃度は0.1〜10重量%程度、さらには0.2〜8重量%で用いるのが好ましい。ヨウ素染色にあたり、ヨウ素溶液の温度は、通常20〜50℃程度、好ましくは25〜40℃である。浸漬時間は通常10〜300秒間程度、好ましくは20〜240秒間の範囲である。
架橋工程は、ホウ酸処理浴によるホウ酸処理工程により行う。処理浴において、ホウ酸は、水溶液または水−有機溶媒混合溶液の形態で一般に用いられる。通常は、ホウ酸水溶液が用いられる。ホウ酸処理工程は、1つまたは2つ以上の工程により行うことができる。以下、処理浴として、ホウ酸水溶液を用いる場合について説明する。
ホウ酸処理工程は、高耐久性の観点から、最終的に得られる偏光子においてポリビニルアルコール系フィルム中のホウ酸含有量が23重量%以下になるように、ホウ酸処理を行う。一方、前記ホウ酸含有量が少なくなると、加熱・加湿条件下における耐久性が著しく低下するため、前記ホウ酸含有量は17重量%以上が好ましい
ホウ酸処理工程における、ホウ酸水溶液のホウ酸濃度は、3重量%以下であるのが好ましく、1〜3重量%程度であるのが好ましい。ホウ酸水溶液等には、ヨウ化カリウム等のヨウ化化合物を含有させることができる。ホウ酸水溶液にヨウ化化合物を含有させる場合、ヨウ化化合物濃度は0.1〜10重量%程度であり、さらには0.2〜5重量%で用いるのが好ましい。またホウ酸処理工程における処理温度は、通常、25℃以上、好ましくは40〜85℃、さらには50〜70℃の範囲である。処理時間は、通常、5〜800秒間、好ましくは8〜500秒間程度である。前記ホウ酸含有量は、ホウ酸処理工程における、ホウ酸水溶液のホウ酸濃度、処理温度、処理時間により制御することができる。
また、延伸工程は、一軸延伸処理を施すことにより行うことできる。延伸工程は、前記膨潤工程、染色工程、架橋工程とともに行うことができ、または前記工程とは別工程として行うことができる。延伸は、ポリビニルアルコール系フィルムの元長に対して、総延伸倍率が5〜7倍になるようになるように行うことが好ましい。前記総延伸倍率はさらには5.2〜6.7倍が好ましく、さらには5.8〜6.3倍であるのが好ましい。なお、総延伸倍率は、各工程において延伸工程を伴う場合には、それらの工程における延伸を含めた累積の延伸倍率をいう。
前記偏光子の製造方法では、上記膨潤工程、染色工程および架橋工程(延伸工程を含む)を施した後に、洗浄工程を施すことができうる。洗浄工程の前には、上記工程の他に、金属イオン処理を施すことができる。金属イオン処理は、金属塩を含む水溶液に、ポリビニルアルコール系フィルムを浸漬することにより行う。金属イオン処理により、種々の金属イオンをポリビニルアルコール系フィルム中に含有させる。
洗浄工程は、水またはヨウ化物含有水溶液(処理液)により行うことができる。前記ヨウ化物含有水溶液におけるヨウ化物としては、前述のものが使用でき、その中でも、例えば、ヨウ化カリウムやヨウ化ナトリウム等が好ましい。洗浄工程によって、前記架橋工程において使用した残存するホウ酸を、ポリビニルアルコール系フィルムから洗い流すことができる。前記水溶液が、ヨウ化カリウム水溶液の場合、その濃度は、例えば、0.5〜20重量%の範囲内が好ましく、1〜15重量%の範囲内がより好ましく、1.5〜7重量%の範囲内が更に好ましい。
前記ヨウ化物含有水溶液の温度は特に限定されないが、通常は15〜40℃の範囲内が好ましく、20〜35℃の範囲内がより好ましい。また、ポリビニルアルコール系フィルムとの接触時間は特に限定されないが、通常は2〜30秒の範囲内が好ましく、3〜20秒の範囲内がより好ましい。
前記各工程を施した後には、最終的に、乾燥工程を施して、偏光子を製造する。前記乾燥工程としては、自然乾燥、風乾、加熱乾燥等、適宜な方法を用いることができるが、通常、加熱乾燥が好ましく用いられる。加熱乾燥を行う場合、加熱温度は特に限定されないが、通常は25〜80℃の範囲内が好ましく、30〜70℃の範囲内がより好ましく、30〜60℃の範囲内が更に好ましい。また、乾燥時間は1〜10分間程度であることが好ましい。
前記偏光子は、水分率が好ましくは10〜25重量%であるのが好ましく、より好ましくは10〜20重量%である。水分率を前記範囲に制御することは、光学特性や外観欠点が少ない観点から好ましい。偏光子の水分率が低すぎると、透明保護フィルムとのラミネートの際にダメージを受けやすく、気泡などの外観欠点が発生するおそれがある。また、偏光子の水分率が高すぎると、光学特性が悪くなる傾向がある。
前記偏光子の水分率は、任意の適切な方法で調整すればよい。例えば偏光子の製造工程における乾燥工程の条件を調整することにより制御する方法があげられる。
偏光子の水分率は、以下の方法により測定される。すなわち、偏光子を、100×100mmの大きさに切り出して、このサンプルの初期重量を測定した。続いて、このサンプルを120℃で2時間乾燥し、乾燥重量を測定して、下記式により水分率を測定した。水分率(重量%)={(初期重量−乾燥重量)/初期重量}×100。重量の測定はそれぞれ3回ずつ行い、その平均値を用いた。
前記偏光子の厚みは特に制限されないが、一般的に80μm程度以下である。偏光子の厚みは、通常、15〜35μmであるのが好ましい。
また前記偏光子としては厚みが10μm以下の薄型の偏光子を用いることができる。薄型化の観点から言えば当該厚みは1〜7μmであるのが好ましい。このような薄型の偏光子は、厚みムラが少なく、視認性が優れており、また寸法変化が少ないため耐久性に優れ、さらには偏光板としての厚みも薄型化が図れる点が好ましい。
<透明保護フィルム>
透明保護フィルムを構成する材料としては、例えば透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性などに優れる熱可塑性樹脂が用いられる。このような熱可塑性樹脂の具体例としては、トリアセチルセルロール等のセルロール樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ナイロンや芳香族ポリアミド等のポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン樹脂、シクロ系ないしはノルボルネン構造を有する環状オレフィン系樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、およびこれらの混合物があげられる。前記樹脂のなかでも、ポリカーボネート系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂が好ましく、特に、環状ポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂が好ましい。なお、偏光子の片側には、透明保護フィルムが接着剤層により貼り合わされるが、他の片側には、透明保護フィルムとして、(メタ)アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化性樹脂または紫外線硬化型樹脂を用いることができる。
透明保護フィルムの厚みは、適宜に決定しうるが、一般には強度や取扱性などの作業性、薄層性などの点より1〜500μm程度であり、1〜300μmが好ましく、5〜200μmがより好ましい。さらには20〜200μmが好ましく、30〜80μmが好ましい。
環状ポリオレフィン樹脂の具体例としては、好ましくはノルボルネン系樹脂である。環状オレフィン系樹脂は、環状オレフィンを重合単位として重合される樹脂の総称であり、例えば、特開平1−240517号公報、特開平3−14882号公報、特開平3−122137号公報等に記載されている樹脂があげられる。具体例としては、環状オレフィンの開環(共)重合体、環状オレフィンの付加重合体、環状オレフィンとエチレン、プロピレン等のα−オレフィンとその共重合体(代表的にはランダム共重合体)、および、これらを不飽和カルボン酸やその誘導体で変性したグラフト重合体、ならびに、それらの水素化物などがあげられる。環状オレフィンの具体例としては、ノルボルネン系モノマーがあげられる。
環状ポリオレフィン樹脂としては、種々の製品が市販されている。具体例としては、日本ゼオン株式会社製の商品名「ゼオネックス」、「ゼオノア」、JSR株式会社製の商品名「アートン」、TICONA社製の商品名「トーパス」、三井化学株式会社製の商品名「APEL」があげられる。
(メタ)アクリル系樹脂としては、Tg(ガラス転移温度)が好ましくは115℃以上、より好ましくは120℃以上、さらに好ましくは125℃以上、特に好ましくは130℃以上である。Tgが115℃以上であることにより、偏光板の耐久性に優れたものとなりうる。上記(メタ)アクリル系樹脂のTgの上限値は特に限定きれないが、成形性等の観点から、好ましくは170℃以下である。(メタ)アクリル系樹脂からは、面内位相差(Re)、厚み方向位相差(Rth)がほぼゼロのフィルムを得ることができる。
(メタ)アクリル系樹脂としては、本発明の効果を損なわない範囲内で、任意の適切な(メタ)アクリル系樹脂を採用し得る。例えば、ポリメタクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸エステル、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂など)、脂環族炭化水素基を有する重合体(例えば、メタクリル酸メチル−メタクリル酸シクロヘキシル共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ノルボルニル共重合体など)があげられる。好ましくは、ポリ(メタ)アクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸C1−6アルキルがあげられる。より好ましくはメタクリル酸メチルを主成分(50〜100重量%、好ましくは70〜100重量%)とするメタクリル酸メチル系樹脂があげられる。
(メタ)アクリル系樹脂の具体例として、例えば、三菱レイヨン株式会社製のアクリペットVHやアクリペットVRL20A、特開2004−70296号公報に記載の分子内に環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂、分子内架橋や分子内環化反応により得られる高Tg(メタ)アクリル系樹脂があげられる。
(メタ)アクリル系樹脂として、ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂を用いることもできる。高い耐熱性、高い透明性、二軸延伸することにより高い機械的強度を有するからである。
ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂としては、特開2000−230016号公報、特開2001−151814号公報、特開2002−120326号公報、特開2002−254544号公報、特開2005−146084号公報などに記載の、ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂があげられる。
なお、前記透明保護フィルムは、偏光子の少なくとも片面に設けられるが、両面に設けられる場合には、その表裏で同じポリマー材料からなる透明保護フィルムを用いてもよく、異なるポリマー材料等からなる透明保護フィルムを用いてもよい。
前記透明保護フィルムとして、正面位相差が40nm以上および/または、厚み方向位相差が80nm以上の位相差を有する位相差板を用いることができる。正面位相差は、通常、40〜200nmの範囲に、厚み方向位相差は、通常、80〜300nmの範囲に制御される。透明保護フィルムとして位相差板を用いる場合には、当該位相差板が透明保護フィルムとしても機能するため、薄型化を図ることができる。
位相差板としては、高分子素材を一軸または二軸延伸処理してなる複屈折性フィルム、液晶ポリマーの配向フィルム、液晶ポリマーの配向層をフィルムにて支持したものなどがあげられる。位相差板の厚さも特に制限されないが、20〜150μm程度が一般的である。
なお、前記位相差を有するフィルムは、位相差を有しない透明保護フィルムに、別途、貼り合せて上記機能を付与することができる。
上記透明保護フィルムの偏光子を接着させない面には、ハードコート層、反射防止層、スティッキング防止層、拡散層ないしアンチグレア層などの機能層を設けることができる。なお、上記ハードコート層、反射防止層、スティッキング防止層、拡散層やアンチグレア層などの機能層は、透明保護フィルムそのものに設けることができるほか、別途、透明保護フィルムとは別体のものとして設けることもできる。
<活性エネルギー線硬化型接着剤>
本発明の偏光板において、偏光子と透明保護フィルムの接着には、ラジカル重合性化合物を含有する活性エネルギー線硬化型接着剤が用いられる。活性エネルギー線硬化型接着剤に活性エネルギー線を照射することにより形成された接着剤層(硬化物層)は水系接着剤層に比べて、耐久性が高い。本発明の偏光板における、接着剤層は、Tgが60℃以上であることが好ましい。本発明の偏光板において、接着剤層が60℃以上の高Tgになる、活性エネルギー線硬化型接着剤を用いるとともに、接着剤層の厚みを上記範囲に制御した場合、高湿下および高温下の過酷な環境下における耐久性を満足させることができる。
上記のとおり、活性エネルギー線硬化型接着剤に用いるラジカル重合性化合物は、これにより形成される接着剤層のTgが60℃以上になるように選択されることが好ましく、さらには70℃以上であることが好ましく、さらには75℃以上、さらには100℃以上、さらには120℃以上であることが好ましい。一方、接着剤層のTgが高くなりすぎると偏光板の屈曲性が低下することから、接着剤層のTgは300℃以下、さらには240℃以下、さらには180℃以下にすることが好ましい。
ラジカル重合性化合物としては、(メタ)アクリロイル基を有する化合物、ビニル基を有する化合物があげられる。これらラジカル重合性化合物は、単官能または二官能以上のいずれも用いることができる。これらラジカル重合性化合物としては、(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好適である。(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、N−置換アミド系モノマーが好適に用いられる。これらモノマーは、接着性の点で好ましい。なお、(メタ)アクリロイル基は、アクリロイル基および/またはメタクリロイル基を意味する。本発明では(メタ)は前記同様の意味である。
N−置換アミド系モノマーは、一般式(1):CH=C(R)−CONR(R)(Rは水素原子またはメチル基を示し、Rは水素原子または水酸基、メルカプト基、アミノ基もしくは第4級アンモニウム基を有してもよい炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を示し、Rは水素原子または炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖のアルキル基を示す。但し、R、Rが同時に水素原子の場合を除く。または、R、Rは、結合して、酸素原子を含んでもよい5員環または6員環を形成したものである。)で表わされる。前記一般式(1)中のRまたはRにおける炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖のアルキル基としては、たとえば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基等があげられ、水酸基を有するアルキル基としてはヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基等があげられ、アミノ基を有するアルキル基としてはアミノメチル基、アミノエチル基等があげられる。また、R、Rが、結合して、酸素原子を含んでもよい5員環または6員環を形成する場合には、窒素を有する複素環を有する。当該複素環としては、モルホリン環、ピペリジン環、ピロリジン環、ピペラジン環等があげられる。
前記N−置換アミド系モノマーの具体例としては、例えば、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール−N−プロパン(メタ)アクリルアミド、アミノメチル(メタ)アクリルアミド、アミノエチル(メタ)アクリルアミド、メルカプトメチル(メタ)アクリルアミド、メルカプトエチル(メタ)アクリルアミドなどがあげられる。また、複素環を有する複素環含有モノマーとしては、例えば、N−アクリロイルモルホリン、N−アクリロイルピペリジン、N−メタクリロイルピペリジン、N−アクリロイルピロリジン等があげられる。これらN−置換アミド系モノマーは1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記N−置換アミド系モノマーとしては、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、およびN−アクリロイルモルホリンが好適である。N−置換アミド系モノマーは、低水分率の偏光子や、透湿度の低い材料を用いた透明保護フィルムに対しても、良好な接着性を示すが、前記例示のモノマーは、特に、良好な接着性を示す。なかでも、N−ヒドロキシエチルアクリルアミドが好適である。
前記N−置換アミド系モノマーは、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができるが、2種以上を組み合わせる場合には、耐久性、接着性の点から、N−ヒドロキシエチルアクリルアミドおよびN−アクリロイルモルホリンの組み合わせが好適である。また、当該組み合わせの場合、N−ヒドロキシエチルアクリルアミドおよびN−アクリロイルモルホリンの合計量に対するN−ヒドロキシエチルアクリルアミドの割合は、40重量%以上であることが、良好な接着性を得るうえで好ましい。前記割合は、40〜90重量%がより好ましく、さらには、60〜90重量%であるのが好ましい。
また、上記ラジカル重合性化合物としては、上記の他に、(メタ)アクリロイル基を有する化合物として、例えば、各種のエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレートや、各種の(メタ)アクリレート系モノマー等があげられる。これらのなかでも、エポキシ(メタ)アクリレート、特に、芳香環およびヒドロキシ基を有する単官能の(メタ)アクリレートが好適に用いられる。これらラジカル重合性化合物は、単独で、Tg60℃以上の接着剤層を形成できない場合には、前記N−置換アミド系モノマーと併用して用いられる。
芳香環およびヒドロキシ基を有する単官能の(メタ)アクリレートは、芳香環およびヒドロキシ基を有する、各種の単官能の(メタ)アクリレートを用いることができる。ヒドロキシ基は、芳香環の置換基として存在してもよいが、本発明では、芳香環と(メタ)アクリレートとを結合する有機基(炭化水素基、特に、アルキレン基に結合したもの)として存在するものが好ましい。
前記芳香環およびヒドロキシ基を有する単官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、芳香環を有する単官能のエポキシ化合物と、(メタ)アクリル酸との反応物があげられる。芳香環を有する単官能のエポキシ化合物としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、t‐ブチルフェニルグリシジルエーテル、フェニルポリエチレングリコールグリシジルエーテル等があげられる。芳香環およびヒドロキシ基を有する単官能の(メタ)アクリレートの、具体例としては、例えば、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルポリエチレングリコールプロピル(メタ)アクリレート等があげられる。
また、(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、カルボキシル基モノマーがあげられる。カルボキシル基モノマーも接着性の点で好ましい。カルボキシル基モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、などがあげられる。これらのなかでもアクリル酸が好ましい。
上記の他、(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等の炭素数は1〜12のアルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリルや(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)−メチルアクリレートなどのヒドロキシル基含有モノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物基含有モノマー;アクリル酸のカプロラクトン付加物;スチレンスルホン酸やアリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などのスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどの燐酸基含有モノマーなどがあげられる。また、(メタ)アクリルアミド;マレイミド、N−シクロへキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド等;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチル、3−(3−ピリニジル)プロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルアミノアルキル系モノマー;N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミドやN−(メタ)アクリロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミドなどのスクシンイミド系モノマーなどの窒素含有モノマーがあげられる。
上記の通り、活性エネルギー線硬化型接着剤における、ラジカル重合性化合物としては、N−置換アミド系モノマーを単独で用いるか、または、N−置換アミド系モノマーと芳香環およびヒドロキシ基を有する単官能の(メタ)アクリレートを併用することが好ましい。これらを併用する場合には、N−置換アミド系モノマーの割合を、40重量%以上、さらには50重量%以上、さらには60重量%以上、さらには70重量%以上、さらには80重量%以上とするのが好ましい。
上記ラジカル重合性化合物としては、二官能以上のラジカル重合性化合物を用いることができる。二官能以上のラジカル重合性化合物としては、二官能以上の(メタ)アクリレート、特に二官能以上のエポキシ(メタ)アクリレートが好ましい。二官能以上のエポキシ(メタ)アクリレートは、多官能のエポキシ化合物と、(メタ)アクリル酸との反応により得られる。多官能のエポキシ化合物は、各種のものを例示できる。多官能のエポキシ化合物としては、例えば、芳香族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂があげられる。
芳香族エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、ビスフェノールSのジグリシジルエーテルのようなビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ヒドロキシベンズアルデヒドフェノールノボラックエポキシ樹脂のようなノボラック型のエポキシ樹脂;テトラヒドロキシフェニルメタンのグリシジルエーテル、テトラヒドロキシベンゾフェノンのグリシジルエーテル、エポキシ化ポリビニルフェノールのような多官能型のエポキシ樹脂などがあげられる。
脂環式エポキシ樹脂としては、前記芳香族エポキシ樹脂の水添物、シクロヘキサン系、シクロヘキシルメチルエステル系、シクロヘキシルメチルエーテル系、スピロ系、トリシクロデカン系等のエポキシ樹脂があげられる。
脂肪族エポキシ樹脂としては、脂肪族多価アルコール又はそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテルがあげられる。これらの例としては、1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル、エチレングリコールやプロピレングリコール、グリセリンのような脂肪族多価アルコールに1種又は2種以上のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド)を付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテルなどがあげられる。
前記エポキシ樹脂の、エポキシ当量は、通常30〜3000g/当量、好ましくは50〜1500g/当量の範囲である。
前記二官能以上のエポキシ(メタ)アクリレートは、脂肪族エポキシ樹脂のエポキシ(メタ)アクリレートが好ましい、特に、二官能の脂肪族エポキシ樹脂のエポキシ(メタ)アクリレートが好ましい。
本発明の偏光板に用いる活性エネルギー線硬化型接着剤は、ラジカル重合性化合物として、組成物全量を100重量%としたとき、SP値が29.0(kJ/m1/2以上32.0以下(kJ/m1/2であるラジカル重合性化合物(A)を20〜60重量%、SP値が18.0(kJ/m1/2以上21.0(kJ/m1/2未満であるラジカル重合性化合物(B)を10〜30重量%、およびSP値が21.0(kJ/m1/2以上23.0(kJ/m1/2以下であるラジカル重合性化合物(C)を20〜60重量%含有するものが好ましい。なお、本発明において、「組成物全量」とは、ラジカル重合性化合物に加えて、各種開始剤や添加剤を含む全量を意味するものとする。
前記活性エネルギー線硬化型接着剤中、ラジカル重合性化合物(A)のSP値は29.0(kJ/m1/2以上32.0以下(kJ/m1/2であり、組成物全量を100重量%としたとき、その組成比率は20〜60重量%であることが好ましい。かかるラジカル重合性化合物(A)はSP値が高く、例えばPVA系偏光子(例えばSP値32.8)と、接着剤層との接着性向上に大きく寄与する。その一方で、ラジカル重合性化合物(A)はSP値が水(SP値47.9)と相対的に近いため、組成物中のラジカル重合性化合物(A)の組成比率が多すぎると、接着剤層の耐水性の悪化が懸念される。したがって、偏光子との接着性と耐水性とを考慮した場合、ラジカル重合性化合物(A)の組成比率を、20〜60重量%とすることが好ましい。接着性を考慮した場合、ラジカル重合性化合物(A)の組成比率は25重量%以上が好ましく、30重量%以上であることがより好ましい。また、耐水性を考慮した場合、ラジカル重合性化合物(A)の組成比率は55重量%以下であることが好ましく、50重量%以下であることがより好ましい。
ラジカル重合性化合物(B)のSP値は18.0(kJ/m1/2以上21.0(kJ/m1/2未満であり、その組成比率は10〜30重量%であることが好ましい。かかるラジカル重合性化合物(B)はSP値が低く、水(SP値47.9)とSP値が大きく離れており、接着剤層の耐水性向上に大きく寄与する。また、ラジカル重合性化合物(B)のSP値は、例えば透明保護フィルムとしての環状ポリオレフィン樹脂(例えば、日本ゼオン株式会社製の商品名「ゼオノア」)のSP値(例えばSP値18.6)と近いため、かかる透明保護フィルムとの接着性向上に寄与する。接着剤層の耐水性をさらに向上するためには、ラジカル重合性化合物(B)のSP値を20.0(kJ/m1/2未満とすることが好ましい。その一方で、ラジカル重合性化合物(B)はラジカル重合性化合物(A)とのSP値が大きく離れているため、その組成比率が多すぎると、ラジカル重合性化合物同士の相溶性のバランスが崩れ、相分離の進行に伴い、接着剤層の透明性の悪化が懸念される。したがって、耐水性と接着剤層の透明性とを考慮した場合、ラジカル重合性化合物(B)の組成比率を、10〜30重量%とすることが肝要である。耐水性を考慮した場合、ラジカル重合性化合物(B)の組成比率は10重量%以上が好ましく、15重量%以上であることがより好ましい。また、接着剤層の透明性を考慮した場合、ラジカル重合性化合物(B)の組成比率は25重量%以下であることが好ましく、20重量%以下であることがより好ましく、そのSP値は19.0(kJ/m1/2以上であることが好ましい。
ラジカル重合性化合物(C)のSP値は21.0(kJ/m1/2以上23.0(kJ/m1/2未満であり、その組成比率は20〜60重量%であることが好ましい。上述のとおり、ラジカル重合性化合物(A)とラジカル重合性化合物(B)とは、SP値が大きく離れており、これら同士は相溶性が悪い。しかしながら、ラジカル重合性化合物(C)のSP値は、ラジカル重合性化合物(A)のSP値とラジカル重合性化合物(B)のSP値との間に位置するため、ラジカル重合性化合物(A)とラジカル重合性化合物(B)とに加えて、ラジカル重合性化合物(C)を併用することにより、組成物全体としての相溶性がバランス良く向上する。さらに、ラジカル重合性化合物(C)のSP値は、例えば透明保護フィルムとしての未ケン化トリアセチルセルロースのSP値(例えば23.3)およびアクリルフィルムのSP値(例えば22.2)と近いため、これらの透明保護フィルムとの接着性向上に寄与する。したがって、耐水性および接着性をバランス良く向上するためには、ラジカル重合性化合物(C)の組成比率を、20〜60重量%とすることが好ましい。組成物全体としての相溶性と透明保護フィルムとの接着性とを考慮した場合、ラジカル重合性化合物(C)の組成比率は25重量%以上が好ましく、29重量%以上であることがより好ましい。また、耐水性を考慮した場合、ラジカル重合性化合物(C)の組成比率は55重量%以下であることが好ましく、50重量%以下であることがより好ましい。
また、ラジカル重合性化合物(A)、(B)および(C)それぞれのホモポリマーのガラス転移温度(Tg)がいずれも60℃以上であることが好ましく、耐久性が特に優れたものとなり、ヒートショッククラックの発生を防止することができる。ここで、「ヒートショッククラック」とは、例えば偏光子が収縮する際、延伸方向に裂ける現象を意味し、これを防止するためには、ヒートショック温度範囲(−40℃〜60℃)で偏光子の膨張・収縮を抑制することが重要である。上記のとおりラジカル重合性化合物(A)、(B)および(C)それぞれのホモポリマーのガラス転移温度(Tg)がいずれも60℃以上である場合には、接着剤層を形成した際、そのTgも高くなる。これにより、ヒートショック温度範囲での接着剤層の急激な弾性率変化を抑制し、偏光子に作用する膨張・収縮力を低減することができるため、ヒートショッククラックの発生を防止することができる。
ここで、本発明におけるSP値(溶解性パラメータ)の算出法について、以下に説明する。
(溶解度パラメーター(SP値)の算出法)
本発明において、ラジカル重合性化合物や偏光子、各種透明保護フィルムなどの溶解度パラメーター(SP値)は、Fedorsの算出法[「ポリマー・エンジニアリング・アンド・サイエンス(Polymer Eng.& Sci.)」,第14巻,第2号(1974),第148〜154ページ参照]すなわち、
(ただしΔeiは原子または基に帰属する25℃における蒸発エネルギー、Δviは25℃におけるモル体積である)にて計算して求めることができる。
上記の数式中のΔeiおよびΔviに、主な分子中のi個の原子および基に与えられた一定の数値を示す。また、原子または基に対して与えられたΔeおよびΔvの数値の代表例を、以下の表1に示す。
ラジカル重合性化合物(A)は、(メタ)アクリレート基などのラジカル重合性基を有し、かつSP値が29.0(kJ/m1/2以上32.0以下(kJ/m1/2である化合物であれば限定なく使用することができる。ラジカル重合性化合物(A)の具体例としては、例えば、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド(SP値29.6)、N−メチロールアクリルアミド(SP値31.5)などが挙げられる。
ラジカル重合性化合物(B)は、(メタ)アクリレート基などのラジカル重合性基を有し、かつSP値が18.0(kJ/m1/2以上21.0(kJ/m1/2未満である化合物であれば限定なく使用することができる。ラジカル重合性化合物(B)の具体例としては、例えば、トリプロピレングリコールジアクリレート(SP値19.0)、1,9−ノナンジオールジアクリレート(SP値19.2)、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(SP値20.3)、環状トリメチロールプロパンフォルマルアクリレート(SP値19.1)、ジオキサングリコールジアクリレート(SP値19.4)、EO変性ジグリセリンテトラアクリレート(SP値20.9)などが挙げられる。なお、ラジカル重合性化合物(B)としては市販品も好適に使用可能であり、例えばアロニックスM−220(東亞合成社製、SP値19.0)、ライトアクリレート1,9ND−A(共栄社化学社製、SP値19.2)、ライトアクリレートDGE−4A(共栄社化学社製、SP値20.9)、ライトアクリレートDCP−A(共栄社化学社製、SP値20.3)、SR−531(Sartomer社製、SP値19.1)、CD−536(Sartomer社製、SP値19.4)などが挙げられる。
ラジカル重合性化合物(C)は、(メタ)アクリレート基などのラジカル重合性基を有し、かつSP値が21.0(kJ/m1/2以上23.0(kJ/m1/2以下である化合物であれば限定なく使用することができる。ラジカル重合性化合物(C)の具体例としては、例えば、アクリロイルモルホリン(SP値22.9)、N−メトキシメチルアクリルアミド(SP値22.9)、N−エトキシメチルアクリルアミド(SP値22.3)などが挙げられる。なお、ラジカル重合性化合物(C)としては市販品も好適に使用可能であり、例えばACMO(興人社製、SP値22.9)、ワスマー2MA(笠野興産社製、SP値22.9)、ワスマーEMA(笠野興産社製、SP値22.3)、ワスマー3MA(笠野興産社製、SP値22.4)などが挙げられる。
ラジカル重合性化合物(A)、(B)および(C)それぞれのホモポリマーのガラス転移温度(Tg)がいずれも60℃以上であると、接着剤層のTgも高くなり、耐久性が特に優れたものとなる。その結果、例えば偏光子と透明保護フィルムとの接着剤層としたとき、偏光子のヒートショッククラックの発生を防止することができる。ここで、ラジカル重合性化合物のホモポリマーのTgとは、ラジカル重合性化合物を単独で硬化(重合)させたときのTgを意味する。Tgの測定方法については後述する。
本発明に係る活性エネルギー線硬化型接着剤は、ラジカル重合性化合物(A)、(B)および(C)を合計で85〜100重量部含有し、さらにSP値が23.0(kJ/m1/2を超えて29.0(kJ/m1/2未満であるラジカル重合性化合物(D)を0〜15重量部含有しても良い。ラジカル重合性化合物(D)の具体例としては、例えば、4?ヒドロキシブチルアクリレート(SP値23.8)、2?ヒドロキシエチルアクリレート(SP値25.5)、N−ビニルカプロラクタム(商品名V−CAP、ISP社製、SP値23.4)、2?ヒドロキシプロピルアクリレート(SP値24.5)などが挙げられる。
かかる構成によれば、接着剤組成物中のラジカル重合性化合物(A)、(B)および(C)の割合が十分に確保できるため、接着剤層の接着性を向上し、かつ耐久性および耐水性をより向上することができる。接着性、耐久性および耐水性をさらにバランス良く向上するためには、ラジカル重合性化合物(A)、(B)および(C)を合計で90〜100重量部含有することが好ましく、95〜100重量部含有することがより好ましい。
本発明に係る活性エネルギー線硬化型接着剤を電子線硬化型で用いる場合、組成物中に光重合開始剤を含有させることは特に必要ではないが、紫外線硬化型で用いる場合には、光重合開始剤を用いることが好ましく、特に380nm以上の光に対して高感度な光重合開始剤を用いることが好ましい。380nm以上の光に対して高感度な光重合開始剤については後述する。
本発明に係る活性エネルギー線硬化型接着剤では、光重合開始剤として、下記一般式(1)で表される化合物;
(式中、RおよびRは−H、−CHCH、−iPrまたはClを示し、RおよびRは同一または異なっても良い)を単独で使用するか、あるいは一般式(1)で表される化合物と後述する380nm以上の光に対して高感度な光重合開始剤とを併用することが好ましい。一般式(1)で表される化合物を使用した場合、380nm以上の光に対して高感度な光重合開始剤を単独で使用した場合に比べて接着性に優れる。一般式(1)で表される化合物の中でも、RおよびRが−CHCHであるジエチルチオキサントンが特に好ましい。組成物中の一般式(1)で表される化合物の組成比率は、組成物全量を100重量%としたとき、0.1〜5.0重量%であることが好ましく、0.5〜4.0重量%であることがより好ましく、0.9〜3.0重量%であることがさらに好ましい。
一般式(1)の光重合開始剤は、UV吸収能を有する透明保護フィルムを透過する長波長の光によって重合を開始することができるため、UV吸収性フィルム越しでも接着剤を硬化できる。具体的には例えば、偏光子の少なくとも片面にUV吸収能を有する透明保護フィルムを積層する場合でも、一般式(1)の光重合開始剤を含有する場合、接着剤組成物の硬化が可能である。
また、必要に応じて重合開始助剤を添加することが好ましい。重合開始助剤としては、トリエチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、エタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルなどが挙げられ、4−ジメチルアミノ安息香酸エチルが特に好ましい。重合開始助剤を使用する場合、その添加量は、組成物全量を100重量%としたとき、通常0〜5重量%、好ましくは0〜4重量%、最も好ましくは0〜3重量%である。
また、必要に応じて公知の光重合開始剤を併用することができる。UV吸収能を有する透明保護フィルムは、380nm以下の光を透過しないため、光重合開始剤としては、380nm以上の光に対して高感度な光重合開始剤を使用することが好ましい。具体的には、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウムなどが挙げられる。
特に、光重合開始剤として、一般式(1)の光重合開始剤に加えて、さらに下記一般式(2)で表される化合物;
(式中、R、RおよびRは−H、−CH、−CHCH、−iPrまたはClを示し、R、RおよびRは同一または異なっても良い)を使用することが好ましい。一般式(2)で表される化合物としては、市販品でもある2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(商品名:IRGACURE907 メーカー:BASF)が好適に使用可能である。その他、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(商品名:IRGACURE369 メーカー:BASF)、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン(商品名:IRGACURE379 メーカー:BASF)が感度が高いため好ましい。
また、本発明に係る活性エネルギー線硬化型接着剤には、本発明の目的、効果を損なわない範囲において、その他の任意成分として各種の添加剤を配合することができる。かかる添加剤としては、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリウレタン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリエーテル、ポリエステル、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、石油樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、セルロース樹脂、フッ素系オリゴマー、シリコーン系オリゴマー、ポリスルフィド系オリゴマーなどのポリマーあるいはオリゴマー;フェノチアジン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールなどの重合禁止剤;重合開始助剤;レベリング剤;濡れ性改良剤;界面活性剤;可塑剤;紫外線吸収剤;シランカップリング剤;無機充填剤;顔料;染料などを挙げることができる。
上記の添加剤の中でも、シランカップリング剤は偏光子表面に作用し、更なる耐水性を付与することができる。シランカップリング剤を使用する場合、その添加量は、組成物全量を100重量%としたとき、通常0〜10重量%、好ましくは0〜5重量%、最も好ましくは0〜3重量%である。
シランカップリング剤は、活性エネルギー線硬化性の化合物を使用することが好ましいが、活性エネルギー線硬化性でなくても同様の耐水性を付与することができる。
シランカップリング剤の具体例としては、活性エネルギー線硬化性の化合物としてビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
活性エネルギー線硬化性ではないシランカップリング剤の具体例としては、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリルーN−(1,3−ジメチルーブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、イミダゾールシランなどが挙げられる。
好ましくは、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランである。
本発明に係る活性エネルギー線硬化型接着剤は、電子線硬化型、紫外線硬化型の態様で用いることができる。
電子線硬化型において、電子線の照射条件は、上記活性エネルギー線硬化型接着剤を硬化しうる条件であれば、任意の適切な条件を採用できる。例えば、電子線照射は、加速電圧が好ましくは5kV〜300kVであり、さらに好ましくは10kV〜250kVである。加速電圧が5kV未満の場合、電子線が接着剤まで届かず硬化不足となるおそれがあり、加速電圧が300kVを超えると、試料を通る浸透力が強すぎて、透明保護フィルムや偏光子にダメージを与えるおそれがある。照射線量としては、5〜100kGy、さらに好ましくは10〜75kGyである。照射線量が5kGy未満の場合は、接着剤が硬化不足となり、100kGyを超えると、透明保護フィルムや偏光子にダメージを与え、機械的強度の低下や黄変を生じ、所定の光学特性を得ることができない。
電子線照射は、通常、不活性ガス中で照射を行うが、必要であれば大気中や酸素を少し導入した条件で行ってもよい。透明保護フィルムの材料によるが、酸素を適宜導入することによって、最初に電子線があたる透明保護フィルム面にあえて酸素阻害を生じさせ、透明保護フィルムへのダメージを防ぐことができ、接着剤にのみ効率的に電子線を照射させることができる。
一方、紫外線硬化型において、紫外線吸収能を付与した透明保護フィルムを使用する場合、およそ380nmより短波長の光を吸収するため、380nmより短波長の光は活性エネルギー線硬化型接着剤に到達しないため、その重合反応に寄与しない。さらに、透明保護フィルムによって吸収された380nmより短波長の光は熱に変換され、透明保護フィルム自体が発熱し、偏光板のカール・シワなど不良の原因となる。そのため、本発明において紫外線硬化型を採用する場合、紫外線発生装置として380nmより短波長の光を発光しない装置を使用することが好ましく、より具体的には、波長範囲380〜440nmの積算照度と波長範囲250〜370nmの積算照度との比が100:0〜100:50であることが好ましく、100:0〜100:40であることがより好ましい。このような積算照度の関係を満たす紫外線としては、ガリウム封入メタルハライドランプ、波長範囲380〜440nmを発光するLED光源が好ましい。あるいは、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、白熱電球、キセノンランプ、ハロゲンランプ、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、蛍光灯、タングステンランプ、ガリウムランプ、エキシマレーザーまたは太陽光を光源とし、バンドパスフィルターを用いて380nmより短波長の光を遮断して用いることもできる。
紫外線硬化型において、紫外線を照射する前に活性エネルギー線硬化型接着剤を加温すること(照射前加温)が好ましく、その場合40℃以上に加温することが好ましく、50℃以上に加温することがより好ましい。また、紫外線を照射後に活性エネルギー線硬化型接着剤を加温すること(照射後加温)も好ましく、その場合40℃以上に加温することが好ましく、50℃以上に加温することがより好ましい。
本発明に係る活性エネルギー線硬化型接着剤は、特に偏光子と波長365nmの光線透過率が5%未満である透明保護フィルムとを接着する接着剤層を形成する場合に好適に使用可能である。ここで、本発明に係る活性エネルギー線硬化型接着剤は、上述した一般式(1)の光重合開始剤を含有することによって、UV吸収能を有する透明保護フィルム越しに紫外線を照射して、接着剤層を硬化形成することができる。よって、偏光子の少なくとも片面にUV吸収能を有する透明保護フィルムを積層した偏光板においても、接着剤層を硬化させることができる。ただし、当然ながら、UV吸収能を有さない透明保護フィルムを積層した偏光板においても、接着剤層を硬化させることができる。なお、UV吸収能を有する透明保護フィルムとは、380nmの光に対する透過率が10%未満である透明保護フィルムを意味する。
透明保護フィルムへのUV吸収能の付与方法としては、透明保護フィルム中に紫外線吸収剤を含有させる方法や、透明保護フィルム表面に紫外線吸収剤を含有する表面処理層を積層させる方法が挙げられる。
紫外線吸収剤の具体例としては、例えば、従来公知のオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物、トリアジン系化合物などが挙げられる。
<偏光板>
本発明の偏光板は、偏光子の接着剤層を形成する面および/または透明保護フィルムの接着剤層を形成する面に活性エネルギー線硬化型接着剤を塗工した後、偏光子の少なくとも片面に透明保護フィルムを貼り合わせ、次いで、活性エネルギー線照射によって活性エネルギー線硬化型接着剤を硬化して接着剤層を形成することにより製造することができる。
偏光子、透明保護フィルムは、上記活性エネルギー線硬化型接着剤を塗工する前に、表面改質処理を行ってもよい。具体的な処理としては、コロナ処理、プラズマ処理、ケン化処理による処理などが挙げられる。
活性エネルギー線硬化型接着剤の塗工方式は、組成物の粘度や目的とする厚みによって適宜に選択される。塗工方式の例として、例えば、リバースコーター、グラビアコーター(ダイレクト,リバースやオフセット)、バーリバースコーター、ロールコーター、ダイコーター、バーコーター、ロッドコーターなどが挙げられる。その他、塗工には、デイッピング方式などの方式を適宜に使用することができる。
また、活性エネルギー線硬化型接着剤の塗工は、接着剤層の厚みが0.01〜7μmになるように行うこと好ましい。接着剤層の厚みは、より好ましくは0.01〜5μm、さらに好ましくは0.01〜2μm、最も好ましくは0.01〜1μmである。接着剤層の厚みは、接着力自体が凝集力を得て、接着強度を得られる観点から0.01μm以上とするのが好ましい。一方、偏光板が耐久性の観点から接着剤層の厚みは7μm以下が好ましい。
上記のように塗工した接着剤を介して、偏光子と透明保護フィルムとを貼り合わせる。偏光子と透明保護フィルムの貼り合わせは、ロールラミネーターなどにより行う事ができる。
偏光子と透明保護フィルムを貼り合わせた後に、活性エネルギー線(電子線、紫外線など)を照射し、活性エネルギー線硬化型接着剤を硬化して接着剤層を形成する。活性エネルギー線(電子線、紫外線など)の照射方向は、任意の適切な方向から照射することができる。好ましくは、透明保護フィルム側から照射する。偏光子側から照射すると、偏光子が活性エネルギー線(電子線、紫外線など)によって劣化するおそれがある。
本発明に係る偏光板を連続ラインで製造する場合、ライン速度は、接着剤の硬化時間によるが、好ましくは1〜500m/min、より好ましくは5〜300m/min、さらに好ましくは10〜100m/minである。ライン速度が小さすぎる場合は、生産性が乏しい、または透明保護フィルムへのダメージが大きすぎ、耐久性試験などに耐えうる偏光板が作製できない。ライン速度が大きすぎる場合は、接着剤の硬化が不十分となり、目的とする接着性が得られない場合がある。
なお、本発明の偏光板は、偏光子と透明保護フィルムが、上記活性エネルギー線硬化型接着剤の硬化物層により形成された接着剤層を介して貼り合されるが、透明保護フィルムと接着剤層の間には、易接着層を設けることができる。易接着層は、例えば、ポリエステル骨格、ポリエーテル骨格、ポリカーボネート骨格、ポリウレタン骨格、シリコーン系、ポリアミド骨格、ポリイミド骨格、ポリビニルアルコール骨格などを有する各種樹脂により形成することができる。これらポリマー樹脂は1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。また易接着層の形成には他の添加剤を加えてもよい。具体的にはさらには粘着付与剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐熱安定剤などの安定剤などを用いてもよい。
易接着層は、通常、透明保護フィルムに予め設けておき、当該透明保護フィルムの易接着層側と偏光子とを接着剤層により貼り合わせる。易接着層の形成は、易接着層の形成材を透明保護フィルム上に、公知の技術により塗工、乾燥することにより行われる。易接着層の形成材は、乾燥後の厚み、塗工の円滑性などを考慮して適当な濃度に希釈した溶液として、通常調整される。易接着層は乾燥後の厚みは、好ましくは0.01〜5μm、さらに好ましくは0.02〜2μm、さらに好ましくは0.05〜1μmである。なお、易接着層は複数層設けることができるが、この場合にも、易接着層の総厚みは上記範囲になるようにするのが好ましい。
本発明の偏光板は、実用に際して他の光学層と積層した光学フィルムとして用いることができる。その光学層については特に限定はないが、例えば反射板や半透過板、位相差板(1/2や1/4などの波長板を含む)、視角補償フィルムなどの液晶表示装置などの形成に用いられることのある光学層を1層または2層以上用いることができる。特に、本発明の偏光板に更に反射板または半透過反射板が積層されてなる反射型偏光板または半透過型偏光板、偏光板に更に位相差板が積層されてなる楕円偏光板または円偏光板、偏光板に更に視角補償フィルムが積層されてなる広視野角偏光板、あるいは偏光板に更に輝度向上フィルムが積層されてなる偏光板が好ましい。
偏光板に上記光学層を積層した光学フィルムは、液晶表示装置などの製造過程で順次別個に積層する方式にても形成することができるが、予め積層して光学フィルムとしたものは、品質の安定性や組立作業などに優れていて液晶表示装置などの製造工程を向上させうる利点がある。積層には粘着層などの適宜な接着手段を用いうる。上記の偏光板やその他の光学フィルムの接着に際し、それらの光学軸は目的とする位相差特性などに応じて適宜な配置角度とすることができる。
前述した偏光板や、偏光板を少なくとも1層積層されている光学フィルムには、液晶セルなどの他部材と接着するための粘着層を設けることもできる。粘着層を形成する粘着剤は特に制限されないが、例えばアクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系やゴム系などのポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。特に、アクリル系粘着剤の如く光学的透明性に優れ、適度な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性などに優れるものが好ましく用いうる。
粘着層は、異なる組成または種類などのものの重畳層として偏光板や光学フィルムの片面または両面に設けることもできる。また両面に設ける場合に、偏光板や光学フィルムの表裏において異なる組成や種類や厚みなどの粘着層とすることもできる。粘着層の厚みは、使用目的や接着力などに応じて適宜に決定でき、一般には1〜500μmであり、1〜200μmが好ましく、特に1〜100μmが好ましい。
粘着層の露出面に対しては、実用に供するまでの間、その汚染防止などを目的にセパレータが仮着されてカバーされる。これにより、通例の取扱状態で粘着層に接触することを防止できる。セパレータとしては、上記厚み条件を除き、例えばプラスチックフィルム、ゴムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シートや金属箔、それらのラミネート体などの適宜な薄葉体を、必要に応じシリコーン系や長鎖アルキル系、フッ素系や硫化モリブデンなどの適宜な剥離剤でコート処理したものなどの、従来に準じた適宜なものを用いうる。
本発明の偏光板または光学フィルムは液晶表示装置などの各種装置の形成などに好ましく用いることができる。液晶表示装置の形成は、従来に準じて行いうる。すなわち液晶表示装置は一般に、液晶セルと偏光板または光学フィルム、および必要に応じての照明システムなどの構成部品を適宜に組立てて駆動回路を組込むことなどにより形成されるが、本発明においては本発明による偏光板または光学フィルムを用いる点を除いて特に限定はなく、従来に準じうる。液晶セルについても、例えばTN型やSTN型、π型などの任意なタイプのものを用いうる。
液晶セルの片側または両側に偏光板または光学フィルムを配置した液晶表示装置や、照明システムにバックライトあるいは反射板を用いたものなどの適宜な液晶表示装置を形成することができる。その場合、本発明による偏光板または光学フィルムは液晶セルの片側または両側に設置することができる。両側に偏光板または光学フィルムを設ける場合、それらは同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。さらに、液晶表示装置の形成に際しては、例えば拡散板、アンチグレア層、反射防止膜、保護板、プリズムアレイ、レンズアレイシート、光拡散板、バックライトなどの適宜な部品を適宜な位置に1層または2層以上配置することができる。
以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明の実施形態はこれらに限定されない。
<ホウ酸含有量>
得られたPVA系偏光子について、ホウ酸含有量を測定した。ホウ酸含有量は、前記測定対象のポリビニルアルコールフィルムに対して、120℃にて2時間の加熱乾燥を行った後、粉砕して2.0gを採取した。粉砕物2.0gに、水を500ml加え、95℃にて12時間加熱してポリビニルアルコールフィルムを完全に水に溶解させて水溶液とした。この水溶液に、マンニトールを10g、BTB溶液2ml加えたものをサンプル溶液とした。このサンプル溶液に、中和点を迎えるまで0.1mol/lの水酸化ナトリウムを滴下し、その滴下量からポリビニルアルコールフィルム中のホウ酸含有量(重量%)を下記式から算出した。
偏光子のホウ酸含有率(%)=C×V×Mw/M×100
C:水酸化ナトリウム水溶液の濃度(mol/l)
V:水酸化ナトリウム水溶液の滴下量(l)
Mw:ホウ酸の分子量(g/mol)
M:120℃で2時間乾燥後の偏光子重量(g)
ホウ酸分子量:61.84
製造例1
<偏光子の作製>
平均重合度2400、ケン化度99.9モル%の厚み75μmのポリビニルアルコールフィルムを、30℃の温水中に60秒間浸漬し膨潤させた。次いで、ヨウ素/ヨウ化カリウム(重量比=0.5/8)の濃度0.3%の水溶液に浸漬し、3.5倍まで延伸させながらフィルムを染色した。その後、65℃の濃度2.5%のホウ酸水溶液中で、トータルの延伸倍率が6倍となるように延伸を行った。延伸後に、40℃のオーブンにて3分間乾燥を行い、PVA系偏光子1(SP値32.8、厚み23μm)を得た。PVA系偏光子1のホウ酸濃度は22重量%、水分率は14重量%であった。
製造例2〜4
製造例1において、ホウ酸水溶液の濃度を表2に示すように変えたこと以外は、製造例1と同様にしてPVA系偏光子2〜4を得た。PVA系偏光子2〜4のホウ酸濃度、水分率、SP値を表2に示す。
<透明保護フィルム>
・厚み40μm、透湿度60g/m/24hのアクリル系樹脂フィルム(SP値22.2)。
・厚み60μm、透湿度500g/m/24hのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム(SP値23.3)。
≪透明保護フィルムの透湿度≫
透湿度の測定は、JIS Z0208の透湿度試験(カップ法)に準じて測定した。直径60mmに切断したサンプルを約15gの塩化カルシウムを入れた透湿カップにセットし、温度40℃、湿度90%R.H.の恒温機に入れ、24時間放置した前後の塩化カルシウムの重量増加を測定することで透湿度(g/m/24h)を求めた。
<活性エネルギー線>
活性エネルギー線として、紫外線(ガリウム封入メタルハライドランプ) 照射装置:Fusion UV Systems,Inc社製Light HAMMER10 バルブ:Vバルブ ピーク照度:1600mW/cm、積算照射量1000/mJ/cm(波長380〜440nm)を使用した。なお、紫外線の照度は、Solatell社製Sola−Checkシステムを使用して測定した。
<活性エネルギー線硬化型接着剤の調製>
ラジカル重合性化合物(A)として、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド(SP値29.6,ホモポリマーのTg123℃,興人社製)を38.3部、
ラジカル重合性化合物(B)として、トリプロピレングリコールジアクリレート(商品名:アロニックスM−220,SP値19.0,ホモポリマーのTg69℃,東亞合成社製)を19.1部、
ラジカル重合性化合物(C)として、アクリロイルモルホリン(SP値22.9,ホモポリマーのTg150℃,興人社製)を38.3部、および
光重合開始剤(商品名:KAYACURE DETX−S,ジエチルチオキサントン,日本化薬社製)1.4部を混合して50℃で1時間撹拌して活性エネルギー線硬化型接着剤を得た。
≪Tg:ガラス転移温度≫
Tgは、TAインスツルメンツ製動的粘弾性測定装置RSAIIIを用い以下の測定条件で測定した。
サンプルサイズ:幅10mm、長さ30mm、
クランプ距離20mm、
測定モード:引っ張り、周波数:1Hz、昇温速度:5℃/分
動的粘弾性の測定を行い、tanδのピークトップの温度Tgとして採用した。
実施例1
<偏光板の作製>
上記アクリル系樹脂フィルム上に、厚さ0.5μmのウレタン系易接着剤層を形成した後に、当該易接着剤層に、上記活性エネルギー線硬化型接着剤を、MCDコーター(富士機械社製)(セル形状:ハニカム、グラビアロール線数:1000本/inch、回転速度140%/対ライン速)を用いて、接着剤層の厚みが0.5μmになるように塗工した。次いで、前記接着剤を介して、前記ウレタン系易接着剤層を設けたアクリル系樹脂フィルムとトリアセチルセルロースフィルムとを、上記偏光子の両面にロール機で貼り合わせた。その後、貼り合わせたアクリル系樹脂フィルムおよびトリアセチルセルロースの両側から、IRヒーターを用いて50℃に加温し、上記紫外線を両面に照射して、活性エネルギー線硬化型接着剤を硬化させた。さらに、70℃で3分間熱風乾燥して、偏光子の両面に透明保護フィルムを有する偏光板を得た。貼り合わせのライン速度は25m/minで行った。接着剤層のTgは121℃であった。
実施例2、比較例1、2
実施例1において、PVA系偏光子の種類を表2に示すように変えたこと以外は、実施例1と同様にして、偏光板を得た。
比較例3
<水系接着剤の調製>
アセトアセチル基を含有するポリビニルアルコール系樹脂(平均重合度:1200,ケン化度:98.5モル%,アセトアセチル化度:5モル%)100部に対し、メチロールメラミン50部を、30℃の温度条件下に、純水に溶解し、固形分濃度3.7%に調整した水溶液を調製した。前記水溶液100部に対し、アルミナコロイド水溶液(平均粒子径15nm,固形分濃度10%,正電荷)18部を加えて接着剤水溶液を調製した。
<偏光板の作製>
上記アクリル系樹脂フィルム上に、厚さ0.3μmのウレタン系易接着剤層を形成した。次いで、PVA系偏光子3の両面に、上記アクリル系樹脂フィルム(易接着剤層側)を、上記水系接着剤を介してロール機で貼り合せた後、70℃で3分間乾燥させて、偏光板を得た。前記水系接着剤は、偏光子と上記アクリル系樹脂フィルムの間に、接着剤層の厚さが150nmになるように滴下させた。
比較例4
比較例3において、PVA系偏光子3をPVA系偏光子4に変えたこと以外は、比較例3と同様にして、偏光板を得た。
[評価]
実施例および比較例で得られた偏光板について下記評価を行った。結果を表2に示す。
[加熱寸法収縮率]
各例で得られた偏光板について、延伸軸方向を長辺として500mm×50mmの大きさにカットしたサンプル(偏光板)を調製した。当該サンプルを、加温装置内に投入し、60℃の環境下で24時間放置した。その後、サンプルを加温装置から取り出し、室温下に放置してから、ミツトヨ(株)製3DCNC画像測定機を用いて、サンプルの延伸軸方向の長さを測定した。加温装置への投入前後の測定値から、加熱寸法収縮率を下記式に基づき算出した。
寸法収縮率(%)={(L−L)/L}×100
:初期のサンプルの延伸軸方向の長さ
:加熱環境下放置後のサンプルの延伸軸方向の長さ
[光抜けの確認]
各例で作製した偏光板を貼り合わせた液晶パネルを液晶表示装置に搭載した。当該液晶表示装置を、加温装置内に投入し、60℃の環境下で24時間放置した。その後、液晶表示装置を加温装置から取り出し、室温下に放置してから、液晶表示装置の光抜けの発生について、下記の基準で目視により確認した。なお、液晶表示装置は、液晶テレビ(LG電子社製の47型LX9500)から、液晶パネルを取り出し、当該液晶パネルの偏光板を、各例で作製した偏光板に交換した後に、前記液晶テレビに戻したものを使用した。
○:光抜けなし。
×:光抜けあり。
比較例3、4について、水系接着剤を用いているため、乾燥工程が必要となり、偏光板の生産性を向上させる上で好ましくない。

Claims (11)

  1. 偏光子の少なくとも片面に、接着剤層を介して、透明保護フィルムが貼り合わされていること偏光板であって、
    前記偏光子は、二色性物質が吸着配向されており、かつ、ホウ酸含有率が23重量%以下のポリビニルアルコール系フィルムであり、
    かつ、前記接着剤層は、ラジカル重合性化合物を含有する活性エネルギー線硬化型接着剤に活性エネルギー線を照射することにより形成されたものであることを特徴とする偏光板。
  2. 前記接着剤層のTgが、60℃以上であることを特徴とする請求項1記載の偏光板。
  3. 前記活性エネルギー線硬化型接着剤が、ラジカル重合性化合物(A)、(B)および(C)を含有する活性エネルギー線硬化型接着剤であって、組成物全量を100重量%としたとき、
    SP値が29.0(kJ/m1/2以上32.0以下(kJ/m1/2であるラジカル重合性化合物(A)を20〜60重量%、
    SP値が18.0(kJ/m1/2以上21.0(kJ/m1/2未満であるラジカル重合性化合物(B)を10〜30重量%、および
    SP値が21.0(kJ/m1/2以上23.0(kJ/m1/2以下であるラジカル重合性化合物(C)を20〜60重量%含有し、
    前記ラジカル重合性化合物(A)、(B)および(C)それぞれのホモポリマーのガラス転移温度(Tg)がいずれも60℃以上であることを特徴とする請求項1または2記載の偏光板。
  4. 前記ラジカル重合性化合物(A)が、N−ヒドロキシエチルアクリルアミドおよび/またはN−メチロールアクリルアミドである請求項3記載の偏光板。
  5. 前記ラジカル重合性化合物(B)が、トリプロピレングリコールジアクリレートである請求項3または4記載の偏光板。
  6. 前記ラジカル重合性化合物(C)が、アクリロイルモルホリンおよび/またはN−メトキシメチルアクリルアミドである請求項3〜5のいずれかに記載の偏光板。
  7. 前記活性エネルギー線硬化型接着剤が、光重合開始剤として、下記一般式(1)で表される化合物;
    (式中、RおよびRは−H、−CHCH、−iPrまたはClを示し、RおよびRは同一または異なっても良い)を含有する請求項1〜6のいずれかに記載の偏光板。
  8. 光重合開始剤として、さらに下記一般式(2)で表される化合物;
    (式中、R、RおよびRは−H、−CH、−CHCH、−iPrまたはClを示し、R、RおよびRは同一または異なっても良い)を含有する請求項7に記載の偏光板。
  9. 前記接着剤層の厚みが、0.01〜7μmであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の偏光板。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の偏光板が、少なくとも1枚積層されていることを特徴とする光学フィルム。
  11. 請求項1〜9のいずれかに記載の偏光板、および/または請求項10に記載の光学フィルムが用いられていることを特徴とする画像表示装置。
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